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特表2025-502647マルチコアファイバを製造するための方法及び半製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】マルチコアファイバを製造するための方法及び半製品
(51)【国際特許分類】
   C03B 37/012 20060101AFI20250121BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
C03B37/012 A
G02B6/02 466
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535426
(86)(22)【出願日】2023-01-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2023050959
(87)【国際公開番号】W WO2023139049
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】22151954.9
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507332918
【氏名又は名称】ヘレーウス クヴァルツグラース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Heraeusstr.12-14, 63450 Hanau, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローレンツ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シュースター,ケイ
(72)【発明者】
【氏名】タイエス,トビアス
【テーマコード(参考)】
2H250
4G021
【Fターム(参考)】
2H250AA53
2H250AB04
2H250AB10
2H250AC64
2H250AC94
2H250AC95
4G021BA01
4G021BA02
4G021BA03
4G021BA04
(57)【要約】
【解決手段】 縁部に近いマーカゾーンを有するマルチコアファイバを製造するための既知の方法は、マルチコアファイバを形成するために又はマルチコアファイバのためのプリフォームを形成するために構成要素群が再成形される方法工程を含み、構成要素群は、シリンダ長手方向軸及び外側面を有し、クラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域を有する、シリンダと、クラッディングガラスに囲まれた、コアガラスが設けられ、シリンダ長手方向軸方向に延在する複数のコアガラス領域と、シリンダ長手方向軸の方向に延在する少なくとも1つのマーカ要素と、を含む。これに基づいて、拒絶のリスクが低減された、縁部に近いマーカゾーンを有するマルチコアファイバを製造する方法を提供するために、本発明によれば、マーカ要素は、ガラスクラッディングシリンダの外側面に配置され、長手方向溝は、ガラスクラッディング領域の外側面に作り出され、シリンダ長手方向軸の方向に延在し、マーカ要素は、プリフォーム又はマルチコアファイバを形成するための再成形の前に、長手方向溝内で溶融される。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコアファイバを製造するための方法であって、構成要素群(10)を再成形して前記マルチコアファイバを形成するか、又は前記マルチコアファイバのためのプリフォーム(20、40)を形成する方法工程を含み、前記構成要素群(10)が、
・ シリンダ長手方向軸(2)及び外側面(4)を有し、クラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域(1a)を有する、ガラスクラッディングシリンダ(1、41)と、
・ 前記クラッディングガラスに囲まれた、コアガラスが設けられ、かつ前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在する複数のコアガラス領域(7a)と、
・ 前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在する少なくとも1つのマーカ要素(6)と、
を含み、
前記マーカ要素(6)が、前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)の前記外側面(4)上に配置され、長手方向溝(5)が、前記ガラスクラッディング領域(1a)の前記外側面(4)内に作り出され、かつ前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在することを特徴とし、前記プリフォーム(20、40)又は前記マルチコアファイバを形成するための前記再成形プロセスの前に、前記マーカ要素(6)が前記長手方向溝(5)内で溶融されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記マーカ要素(6)がある長さを有することを特徴とし、前記溶融が、この長さの少なくとも80%に沿って、好ましくはこの長さの少なくとも90%に沿って、部分的に又は点的に完全に行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーカ要素(6)の溶融が、前記長手方向溝(5)が前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)の上側に位置するように、水平に向けられたシリンダ長手方向軸で前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)が取り付けられ、前記マーカ要素(6)の材料が、熱源によって加熱され、軟化される、方法工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
クラッディングガラス体積Vを有するクラッディングガラスが、前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)から除去されて、前記長手方向溝(5)を生成し、体積Vを有するマーカ要素(6)が前記長手方向溝(5)内に受け入れられ、V=V+/-0.1xVであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記構成要素群(10)の前記製造が、
(a)前記クラッディングガラスを含む前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)を提供する工程と、
(b)前記コアガラスを含むコアロッド(7)を提供する工程と、
(c)マーカ要素(6)を提供する工程と、
(d)前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)の前記外側面(4)に少なくとも1つの長手方向溝(5)を生成する工程と、
(e)前記シリンダ長手方向軸(2)に沿って延在するコアロッドボア(3)を生成する工程と、
(f)前記長手方向溝(5)内に前記マーカ要素(6)を配置し、溶融させる工程と、
(g)前記コアガラス領域(7a)を形成しながら、前記コアロッド(7)を前記コアロッドボア(3)に導入する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカ要素(6)が、円筒形構成要素の形態で、特に中実ロッド若しくはチューブとして、又は層若しくはガラス塊(11)の形態で提供されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
中心ボア(102)を有する中空シリンダ(41)が、前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)として使用され、クラッディングガラスで作られた前記ガラスクラッディング領域と、コアガラスが設けられた複数のコアガラス領域と、を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記マーカガラスが、少なくとも1つの物理的及び/又は化学的特性において前記クラッディングガラスとは異なり、前記特性が、屈折率、色、蛍光及び/又は特定のガラス密度から選択されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項以上に記載の方法。
【請求項9】
マルチコアファイバを製造するための半製品であって、シリンダ長手方向軸(2)及び外側面(4)を有し、コアガラスから作られたコアロッドを受け入れるための複数の開口部を含むクラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域を有する、ガラスクラッディングシリンダ(1)を含み、前記ガラスクラッディングシリンダ(1)の前記外側面(4)が、前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在し、マーカ要素(6)が溶融される長手方向溝(5)として設計された、少なくとも1つの凹部(5)を有する、半製品。
【請求項10】
前記マーカ要素がある長さを有することを特徴とし、前記マーカ要素が、この長さの少なくとも80%に沿って、好ましくはこの長さの少なくとも90%に沿って、部分的又は点的に完全に溶融されることを特徴とする、請求項9に記載の半製品。
【請求項11】
前記マーカ要素が、ガスで充填されたチャネルを含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の半製品。
【請求項12】
前記ガラスクラッディングシリンダが、中心ボアを有する中空シリンダであることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項以上に記載の半製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチコアファイバを製造するための方法であって、マルチコアファイバを形成するため、又はマルチコアファイバのプリフォームを形成するために、構成要素群を再成形する方法工程を含み、構成要素群が、
・ シリンダ長手方向軸と外側面とを有し、クラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域を有するシリンダと、
・ クラッディングガラスに囲まれた、コアガラスが設けられ、かつシリンダ長手方向軸の方向に延在する、複数のコアガラス領域と、
・ シリンダ長手方向軸の方向に延在する少なくとも1つのマーカ要素と、
を含む、方法に関する。
【0002】
加えて、本発明は、マルチコアファイバを製造するための半製品であって、シリンダ長手方向軸と外側面とを有し、コアガラスから作られたコアロッドを受け入れるための複数の開口部を含むクラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域を有する、ガラスクラッディングシリンダを含む、半製品に関する。
【0003】
マルチコアファイバでは、光波伝導型の複数の光コア領域(以下、「信号コア」ともいう)が共通のファイバに集積されている。信号コアは、ファイバの長手方向軸に沿って延在する。それらは、より低い屈折率を有するクラッディング材料によって囲まれ、実質的に独立した光誘導を可能にする。このファイバ設計は、単一の光ファイバに結合された異なる信号を空間的に分離された信号コアの各々で同時に伝送することができるので、高い信号伝送容量を保証する。この信号伝送方法は、「空間多重化」とも呼ばれ、特に光通信におけるデータ伝送容量を増加させることができる。マルチコアファイバはまた、測定及び医療技術における光ファイバセンサの構成要素として、材料処理のためにエネルギーを伝達するための重要な構成要素と見なされ、顕微鏡又は内視鏡装置における照明及び撮像の目的のために考慮される。
【背景技術】
【0004】
マルチコアファイバは、固体プリフォーム又は一群の構成要素を伸長させることによって製造される。これらは、合成的に製造された石英ガラス(SiO)からなることが多く、ドープされていてもドープされていなくてもよい。合成石英ガラスの製造は、例えば、OVD、VAD、MCVD、PCVD又はFCVD法という名称で知られているプラズマ又はCVD堆積法を含む。液体又は気体のケイ素含有出発物質は、化学反応(加水分解、熱分解又は酸化)に供され、反応生成物、つまり微粒子SiOは、堆積表面上の気相から固体として堆積される。出発物質は、例えば、四塩化ケイ素(SiCl)又は塩素を含まないケイ素化合物、例えばポリアルキルシロキサンである。反応ゾーンは、例えば、バーナ火炎、電気アーク(プラズマ)又は炉である。
【0005】
いわゆる「スタック・アンド・ドロー」法では、異なる直径のコアロッド及びガラスシリンダが、比較的高い充填密度及びある程度の対称性を作り出すように積み重ねられる。円筒形構成要素は、クラッディングチューブに挿入され、その中で空間的に固定される。この群は、マルチコアファイバを形成するために延伸されるか、又はマルチコアファイバが延伸されるプリフォームを形成するために更に事前に処理される。
【0006】
「スタック・アンド・ドロー」法は、高レベルの調整努力を必要とし、寸法安定性の誤差及び自由構成要素表面の大きな割合から生じる不純物の導入を容易にもたらす。更に、半径方向充填密度の違いにより、細長いプリフォームは、多くの場合、方位角方向に異なる半径値を有し、これは円筒研削によって補償されなければならない。
【0007】
半製品及び半製品を伸長してマルチコアファイバを製造する方法は、米国特許出願公開第2016/347645号明細書から知られている。半製品は、クラッディングガラスから作られた一体型クラッディングチューブで構成されるマルチパートファイバプリフォームを形成し、クラッディングガラスから作られた3つの構造的に同一の円筒状スタックピースのスタックを受け入れて軸方向に案内するように設計され、スタックピースの各々は、そのシリンダクラッディング表面に貫通ボア及び長手方向溝、貫通ボアに挿入するための複数のコアロッド、及び長手方向溝に挿入するための複数のマーカロッドを含む。クラッディングチューブボア内では、スタックピースは、貫通ボア及び長手方向溝が位置合わせされるように、互いに重ねて配置される。マーカロッドによって形成されたファイバプリフォームのマーカゾーンは、クラッディングチューブの内側クラッディング表面上を延びる。
【0008】
米国特許出願公開第2016/070058号明細書は、プリフォーム、及びプリフォームを伸長することによってマルチコアファイバを製造する方法を開示している。プリフォームは、マーカ要素として機能することができる平坦化部分を、その外側面に有する。ファイバ延伸プロセスでは、マルチコアファイバにプラスチックコーティングが施される。
【0009】
米国特許出願公開第2015/284286号明細書及び米国特許出願公開第2015/0307387号明細書から知られている方法では、OVD法によって製造されたSiOに基づくスート体(SiOスート体)がガラスクラッディングシリンダとして使用され、0.8g/cm~1.6g/cmの密度を有する。OVD法では、堆積面は、一般に、その長手方向軸を中心に回転するロッド状又はチューブ状堆積マンドレルの外側面である。実質的に円筒形のスート体は、反応ゾーンの前後の反転移動によって堆積される。堆積プロセスが完了した後、堆積マンドレルは、円筒状スート体の中心軸に中心貫通開口部が残るように除去される。このようにして製造された中空ガラスクラッディングシリンダには、コアガラスロッドを受け入れるための長手方向ボアが導入され、石英ガラスと比較してSiOスート体の密度が低いため、寸法的に正確な長手方向ボアを製造することが容易になる。製造プロセスに起因して残る中心「OVD貫通開口部」は、崩壊中に非対称変形をもたらし、ファイバ設計を破壊する可能性がある。また、崩壊によりクラッディングガラスの割合の断面積が小さくなる。これらの欠点は、OVD貫通開口部を閉じる構成要素を使用することによって回避することができる。これは、例えば、コアロッド又は充填ロッドとすることができる。充填ロッドは、中空ガラスクラッディングシリンダと実質的に同じ屈折率を有するガラスからなる。充填ロッドは、OVD法又はプレス成形によって、あるいはプレス成形とOVD法との組み合わせによって、製造することもできる。更に、マーカ要素を受け入れるためのチャネルが中空ガラスクラッディングシリンダ内に形成される。チャネルは、縁部に近い中空ガラスクラッディングシリンダの領域に機械的穿ボアによって生成される。
【0010】
マルチコアファイバでは、マーカ要素は、連続的な線状のマーカゾーンを形成し、信号コアの周りの対称性を破り、互いの、及びファイバ中心軸に対する位置を明確に識別し、当該位置を互いに明確に割り当てることができるように機能する。これは、例えば、2つのマルチコアファイバが、従来の接合方法を使用してそれらの端面によって,低減衰で互いに一緒にされ得るように必要である。
【0011】
マルチコアファイバを接合するために、接続されるファイバ端部は、端面同士が互いを面するように配置される。既知の方法では、光は反対側のファイバ端の全ての信号コアに同時に供給され、光検出器及びパワーメータによって他方のマルチコアファイバのファイバ端で集合的に検出される。特に、マルチコアファイバの一端が光の供給に利用できない場合には、このマルチコアファイバに対して横方向から光が照射される。マルチコアファイバ端面を水平方向及び垂直方向に相対変位させ、方位角方向に相対回転させることにより、融着接合機において、信号コア同士が正しく割り当てられ、受光される集光パワーが最大になるまで、ファイバ端同士が自動的に位置合わせされ、次いで、この位置で互いに融着される。
【0012】
この接合方法では、マルチコアファイバは、例えば工場において予め接合されることが前提とされている。敷設場所でのマルチコアファイバの簡単な接合を可能にするために、米国特許第9,541,707号明細書は、複数の信号コアがガラスクラッディング領域内に配置され、マルチコアファイバの外側面にマーキングゾーンが露出されたマルチコアファイバの設計を提案している。このファイバ設計の特定の特性は、以下では「縁部に近いマーカゾーン」とも呼ばれる。
【0013】
縁部に近いマーカゾーンを有するマルチコアファイバを製造するために、長手方向シリンダ軸の方向に延びる複数の貫通ボアが、ガラスクラッディングシリンダ内に製造される。具体的には、複数のコアロッドボア及びマーカロッドボアである。マーカロッドボアは、ガラスクラッディングシリンダの外側面に可能な限り近接して位置する。各コアロッドボアにはコアロッドが挿入され、マーカロッドボアにはマーカロッドが挿入される。次いで、ガラスクラッディングシリンダの外周が、マーカロッドの一部が露出するまで研削される。このようにして作製された構成要素群から、マーカゾーンが露出している表面にて、マルチコアファイバが延伸される。
【技術的課題】
【0014】
ガラスクラッディングシリンダは細長い。したがって、貫通穴は大きなアスペクト比(長さと直径との比)を有し、これは原則として、寸法的に正確な製造及びガラスクラッディングシリンダの長手方向軸と平行な正確な位置合わせをより困難にする。
【0015】
マルチコアの数が多いほど、理論的には、単一のファイバコア(シングルモードファイバ又はマルチモードファイバ)を有する光ファイバと比較してデータ伝送容量の増加が大きくなる。一方、原則として、複数のコアの各々が、単一コアを有する光ファイバの光減衰にほぼ対応する光減衰を有する必要がある。これは、ファイバ設計があらゆる追加の減衰を引き起こさないこと、又は干渉信号としての信号コアの独立した情報伝送を損なわないことを必要とする。しかしながら、これは、特に互いに近すぎる場合、複数のコア間のいわゆる「クロストーク」によって引き起こされ得る。したがって、この効果は、ファイバコア間に一定の最小距離が維持されることを必要とする。これらの理由から、マルチコアファイバの半径方向断面において利用可能な断面積を、マルチコアによる占有のために可能な限り完全に使用する必要がある。
【0016】
加えて、マーカゾーンは常にマルチコアファイバにおける不完全性であり、これは原則として可能な限り小さくなければならないが、それらの検出可能性を保証するために必要なだけ大きくなければならない。マーカゾーンのサイズが小さいことは、いわゆるファイバカール又はファイバ内に誘発される応力等の他の望ましくない影響を打ち消すためにも有利である。
【0017】
したがって、ファイバ設計に追加的に導入されるマーカゾーンは、ファイバ断面の可能な限り小さい割合を占めるべきである。したがって、マーカ要素を受け入れるためのチャネルの直径は小さく、一般に、コアロッドを受け入れるためのボアの直径よりも著しく小さい。典型的には、ファイバ延伸プロセス前のガラスクラッディングシリンダのチャネル直径は15mm未満であり、65を超えるアスペクト比を伴う(シリンダ長さは約1m)。
【0018】
高精度穿ボア機が使用される場合であっても、ガラスクラッディングシリンダ内のこのような薄いチャネルの寸法的に正確な製造及び正確な位置合わせは困難である。合成石英ガラスからガラスクラッディングシリンダを製造するためのコストは大きく、損失は、とりわけ、マーカ要素を受け入れるための小さなボアであり、そうでなければ完成したガラスクラッディングシリンダが拒絶されることになる場合に特に痛みを伴う。
【0019】
更に悪いことに、縁部に近いマーカロッドボアの場合、薄い残留壁のみが残り、これは貫通ボアの製造中及び更なる処理中、特にマーカロッドが挿入されるときの両方で容易に破損する可能性がある。
【0020】
米国特許第9,541,707号明細書によるガラスクラッディングシリンダの外周の研削は、貫通ボアがコアロッド及びマーカロッドを完全に備えているときに行われる。研削は最大限の注意を払って行われなければならず、したがって多くの時間及び費用を必要とするという事実とは別に、この方法段階は全損失のリスクを伴う。
【0021】
したがって、本発明の目的は、縁部に近いマーカゾーンを有するマルチコアファイバの製造方法であって、既知の方法の欠点を低減し、特に、拒絶のリスクが低減される、マルチコアファイバを製造する方法を提供することである。
【0022】
更に、本発明の目的は、この方法を実施するのに好適な半製品を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この方法に関して、この目的は、本発明にしたがって、かつ冒頭に述べた方法に基づいて、マーカ要素が、ガラスクラッディングシリンダの外側面に配置され、長手方向溝が、シリンダ長手方向軸の方向に延在するガラスクラッディング領域の外側面に作り出され、マーカ要素が再成形前に長手方向溝内で溶融されてプリフォーム又はマルチコアファイバを形成するという点で達成される。
【0024】
長手方向シリンダ軸の方向に延在するガラスクラッディング領域の外側面に少なくとも1つの長手方向溝が作り出され、この溝内にマーカ要素が配置され、溶融される。マーカ要素をガラスクラッディングシリンダの外側面に配置することは、例えば、外側面の長手方向溝内の構成要素の形態のマーカ要素を取り付けることと、外側面の長手方向溝内の層又は塊の形態のマーカ要素を適用、堆積又はプレスすることと、を含む。
【0025】
この手順は、従来技術に勝るいくつかの利点を有する。
(1)ガラスクラッディングシリンダ内にマーカ要素を受け入れるためのボアを作り出すための労力が、関連する故障のリスクと併せて、取り除かれる。
(2)長手方向溝内で溶融したマーカ要素は、外側面に露出する。したがって、米国特許第9,541,707号明細書から知られている方法とは対照的に、クラッディングガラス材料を除去し、マーカガラスを露出させる際の労力及び故障のリスクも取り除かれる。
(3)マーカ要素が外側面に隣接するという事実により、マーカ要素の、軸と平行な位置合わせが達成される。ガラスクラッディングシリンダの外側面の寸法安定性及び真直度は、比較的容易に確保することができる。例えば、機械加工又は伸長プロセスによって、始動シリンダが伸長されてシリンダストランドを形成し、そこからガラスクラッディングシリンダが製造されるか、又はそこから複数のガラスクラッディングシリンダが長さに切断される。表面の損傷を防止するために、伸長プロセスは、延伸されたシリンダストランドに係合する成形ツールを使用せずに行われることが好ましい。
(4)マーカ要素を受け入れるためのボアを作り出すことを省略することができる。外側面上の配置は、実質的に任意のサイズのアスペクト比を有する特に小さいマーカ要素を可能にする。
(5)マルチコアファイバ又はプリフォームを形成するために構成要素群を再成形する前にマーカ要素を長手方向溝に溶融することによって、溶融したマーカ要素で充填された長手方向溝の側縁部が、ほぼ無勾配で、ガラスクラッディング領域の外側面への連続的な移行を形成することを保証することができ、したがって、ファイバ延伸プロセス中の構造的欠陥が回避される。これは、マルチコアファイバの寸法安定性にプラスの効果をもたらす。マーカ要素は、任意選択的に、長手方向溝を完全に充填し、理想的には、外側面の外側輪郭に適合した曲率を有する。
長手方向溝の空間体積及び溶融後のマーカ要素が占める体積がほぼ同じサイズである場合、これは長手方向溝の完全な充填に寄与する。これを実現することは、溶融前に、マーカ要素が長手方向溝上縁部に対して任意の所望の程度まで突出することができ、この突出部の高さが外側クラッディングチューブ等によって制限されない場合には単純化される。このような制限は、本発明による方法では省略することができる。
(6)接合プロセスでは、比較的容易に周縁マーカを光学的に検出することができる。
(7)加えて、マーカの周縁位置が角度偏差に対して特に敏感に反応するため、マルチコアファイバの方位角位置合わせ精度は接合プロセスにとって高い。
【0026】
マルチコアファイバにおけるマーカゾーンの縁部位置は、構成要素群のガラスクラッディング領域の外側クラッディング上又はプリフォームの外側シリンダクラッディング表面上のマーカ要素の同様に周縁位置から生じる。ここで、「周縁部」は、マーカ要素が、構成要素群のガラスクラッディング領域の外側面又はプリフォームの外側面の一部であることを意味する。
【0027】
構成要素群には、上述のリスク及び困難に関連して、ガラスクラッディングシリンダ内にそのために作り出されなければならない、別個のボアのないマーカ要素が装備されている。同時に、例えば、プリフォーム又は構成要素群において、マーカ要素の軸平行度が0.3mm/m未満の偏差を有することが明らかになる高い寸法安定性を確保することができる。
【0028】
長手方向溝は、例えば、ガラスクラッディングシリンダの外側面と平行に延在する、マーカガラスから作られた円筒形構成要素(ロッド又はチューブ)を挿入することによって、又はマーカガラス粒子の床を導入することによって、又は長手方向溝の内部をマーカガラスでコーティングすることによって、マーカ要素で充填される。
【0029】
チューブの形態のマーカ要素は、両側又は少なくとも片側で開いていてもよい(軟化ゾーンの上方の開口部で足る)。これにより、完成したマルチコアファイバ内に中空チャネル(「エアライン」)が残るように圧力を加えることで、プリフォーム又はマルチコアファイバを形成するための構成要素群の再成形中にチューブ内側ボアの完全な崩壊を防止することができる。代替的又は追加的に、マルチコアファイバ内の中空チャネルの形成は、ファイバ延伸プロセス中にボアが完全に崩壊しないように、クラッディングガラスよりも高い粘度を有する材料を含むチューブ壁によって促進することもできる。
【0030】
長手方向溝内に配置されたマーカ要素(構成要素、床、層)は、融着によって長手方向溝内に固定される。この目的のために、長手方向溝内で、その長さの少なくとも一部にわたって、好ましくはその長さにわたって分布する複数の点で局所的に、理想的にはその長さ全体にわたって、溶融される。
【0031】
したがって、好ましい手順では、マーカ要素がある長さを有し、この長さの少なくとも80%、好ましくはこの長さの少なくとも90%に沿った領域又は点で、当該マーカが完全に溶融されることが提供される。
【0032】
マーカ要素を溶融することは、長手方向溝が上側に位置するように、ガラスクラッディングシリンダが水平に配向されたシリンダ長手方向軸で取り付けられ、マーカ要素の材料が熱源によって加熱され軟化される方法工程を含むことが好ましい。
【0033】
水平に向けられたシリンダ長手方向軸を有するマーカ要素を溶融することによって、マーカ要素の材料は、例えばバーナ又はレーザによって局所的に加熱及び軟化されるとすぐに重力によって沈み、それによって長手方向溝内に残る空洞を満たす。表面張力は、大気に隣接する自由表面領域の丸みをもたらし得る。
【0034】
このようにして、例えば、マーカ要素及び長手方向溝が溶融プロセス中に垂直方向に配向された場合よりも、長手方向溝を均一に、好ましくは完全に充填することが実質的に容易である。
【0035】
長手方向溝内で溶融されたマーカ要素は、ガラスクラッディングシリンダに対して固定され、これにより、ファイバ製造プロセスの後の段階中のその取り扱いが簡単になる。溶融中、マーカ材料のある程度の丸み、したがってガラスクラッディングシリンダの外側面の輪郭への適合は、表面張力の結果として達成することができる。マーカ要素を溶融した後、欠陥がないこと及び溶融プロセスの品質を監視することができ、必要に応じて改善することができる。
【0036】
2つ以上、例えば4~7つの長手方向ボア(コアロッドボア)が従来の方法でガラスクラッディングシリンダ内に作製され、その長手方向軸は中心ボアの長手方向軸と平行に延びる。コアロッドボアは、貫通ボア又は止まりボアであり、それぞれの場合にコアガラスから作製された少なくとも1つのコアロッドを受け入れるように機能する。半径方向で見ると、コアガラスの組成は均一に均質であるか、あるいは徐々に又は段階的に変化する。これは、コアガラス領域内の光誘導が保証される点で、クラッディングガラスとは異なる。
【0037】
所望の数のコアロッドボアは、1回の操作で生成され、各場合に少なくとも1つのコアロッドによって占有されるか、又は1つのコアロッドボアのみ若しくは所望の数のコアロッドボアの第1の配分のみが事前に生成され、各場合に少なくとも1つのコアロッドによって占有され、コアロッドによって占有されたコアロッドボアは、コアロッドボアの残りの配分又は更なる配分が第2又は更なる操作で生成される前に崩壊され(この再成形プロセスは、本明細書では「圧密化」とも呼ばれる)、この配分はまた、各場合に少なくとも1つのコアロッドによって占有され、任意選択的に崩壊される。最も単純な場合、全てのコアロッドは同じ寸法を有し、同じコアガラスからなる。しかしながら、コアロッドはまた、それらの寸法及び/又は対応するコアガラスの組成に関しても異なり得る。
【0038】
マーカ要素を外側面に配置し、それを長手方向溝に溶融することは、全てのコアロッドボアが生成及び/若しくは充填される前若しくは後に、又はコアロッドボアの一部が生成及び/若しくは充填される前若しくは後に行うことができる。好ましい手順では、マーカ要素は外側面に配置され、長手方向溝内で溶融され、次いで所望のコアロッドボアが生成される。
【0039】
このようにして製造された構成要素群は、再成形され、直接延伸されてマルチコアファイバを形成するか、又は圧密化されてマルチコアファイバ用のプリフォームを形成し、圧密化プロセスは同時での伸長プロセスと関連付けることができる。このようにして製造された「圧密化プリフォーム」は、マルチコアファイバを形成するために任意選択的に延伸されるか、又は「二次プリフォーム」を形成するために更に処理される。「二次プリフォーム」を形成するための更なる処理は、例えば、ガラスクラッディング領域及びコアガラス若しくは他のガラスによるそのコーティングに更なるボアを生成すること、又は次の熱間成形プロセス:崩壊、伸長、崩壊、及び同時伸長のうちの1つ又は複数の1回若しくは繰り返しの実行を含む。マルチコアファイバは、更なる処理によって製造された二次プリフォームから延伸される。このマルチコアファイバでは、構成要素群の周縁マーカ要素が周縁マーカゾーンを形成する。
【0040】
マーカゾーンの周縁位置に起因して、ファイバ接合装置は、マーカゾーンをより迅速かつより正確に識別することができる。周縁マーカゾーンの比較的単純な検出可能性に起因して、マーカゾーンは、マルチコアファイバがファイバ延伸プロセス中に比較的低いファイバカールを与えられるように特に小さくすることができる。ガラスファイバの特性は、ファイバの特定の長さにわたる曲率の程度として定義され、「ファイバカール」と呼ばれる。曲率は、ファイバ製造中に生じる熱応力に起因する。「ファイバカール」が大きいと、マルチコアファイバの低減衰接合がより困難になる。
【0041】
ボアと比較して、長手方向溝は、例えば、機械的フライス盤によるフライス加工又はレーザアブレーションによって、外側面に製造することが特に容易である。他方、このようにして製造された長手方向溝は、ガラスクラッディングシリンダ自体と同じように正確かつ直線的である。更に、長手方向溝の深さ又は開口幅は、実質的に所望に応じて小さくすることができ、例えば、両方とも15mm未満、好ましくは10mm未満、特に好ましくは5mm未満である。したがって、長手方向溝をマーカガラスで充填することによって、体積が小さい幾何学的に正確なマーカ要素を簡単な方法で製造することができ、このマーカ要素は、プリフォーム又は構成要素群において0.3mm/m未満の軸方向の偏差を有し、したがって、マルチコアファイバ内に対応して小さく高精度のマーカゾーンを形成する。
【0042】
マーカガラスは、長手方向溝を完全に又は部分的に充填する。特に好ましい方法の変形例では、クラッディングガラス体積Vを有するクラッディングガラスが、長手方向溝を生成するためにガラスクラッディングシリンダから除去され、体積Vを有するマーカ要素が長手方向溝に受け入れられ、V=V+/-0.1xVである。
【0043】
マーカガラス体積は、溶融状態のマーカガラスが長手方向溝の開口体積を可能な限り完全に充填し、理想的には外側面の輪郭に適合する曲率を有するように充填するようなサイズである。これにより、ファイバ延伸プロセス中の非対称性及び欠陥が可能な限り回避される。長手方向溝及びマーカ要素の断面輪郭は、この目的のために一致する必要はない。長手方向溝は、円形下部を有することが好ましい。
【0044】
好ましい手順では、構成要素群の製造は、以下の方法工程を含む。
(a)クラッディングガラスを含むガラスクラッディングシリンダを提供する工程と、
(b)コアガラスを含むコアロッドを提供する工程と、
(c)マーカ要素を提供する工程と、
(d)ガラスクラッディングシリンダの外側面に少なくとも1つの長手方向溝を生成する工程と、
(e)シリンダ長手方向軸に沿って延在するコアロッドボアを生成する工程と、
(f)長手方向溝内にマーカ要素を配置し、溶融させる工程と、
(g)コアロッドをコアロッドボア内に導入し、それによってコアガラス領域を形成する工程。
【0045】
このようにして製造された構成要素群は、ガラスクラッディングシリンダ、マーカ要素、及び少なくとも2つのコアロッドを含む。リスト指定(a)~(g)は、方法工程の好ましいが必須ではない順序を単に指定する。
【0046】
マーカ要素をガラスクラッディングシリンダに取り付けることによって、マーカ要素は、その真直度及び位置合わせから利益を得る。これらの特性はマーカ要素に擬似的に転写される。マーカ要素は、ガラスクラッディングシリンダのシリンダ長手方向軸に沿って、好ましくはその全長にわたって延在する。
【0047】
マーカガラスは、好ましくは、クラッディングガラス並びに任意のガラス充填材料と少なくとも1つの物理的及び/又は化学的特性が異なり、特性は、屈折率、色、蛍光及び/又は特定のガラス密度から選択される。
【0048】
マーカ要素を構成要素群のガラスから区別する特性(又は複数の特性)は、特にマーカ要素の視覚的外観に影響を及ぼし、好ましくは光学センサによって検出可能である。マーカガラスのガラス組成は、石英ガラスをベースとすることができる。石英ガラスの屈折率は、ドーピングにより変化させることができる。例えば、マーカ石英ガラスをフッ素でドープすると、ドープされていない石英ガラスに対して屈折率が低下する。マーカ石英ガラスに炭素を組み込むと、黒色の着色をもたらす可能性がある。酸化状態に応じて、マーカ石英ガラスにチタンをドープすると、灰色-青色の着色が生じる。マーカ石英ガラスを希土類金属又は酸化ゲルマニウムでドープすると、ドーパント特異的波長で蛍光が現れる。マーカ要素の比ガラス密度は、ポアによって変化することができ、気泡のないガラスに対する光透過性の低下に現れる。
【0049】
ガラスクラッディングシリンダは、中心ボアを有する中空シリンダであることが好ましい。
【0050】
このような中空シリンダは、例えば、堆積マンドレルが除去された後にOVD(外部蒸着)法によって得られる。OVDプロセスに基づく中空ガラスクラッディングシリンダの製造は、他の製造方法と比較して、特にVAD(気相軸付け)プロセスと比較して費用対効果が高い。しかしながら、前述の中心ボアが残る可能性があるという欠点を有する。これは、別のガラス充填材料を含むコアロッド又はガラスロッドによって完全に又は部分的に閉じることができる。
【0051】
半製品に関して、上記の技術的目的は、請求項8の特徴を有する半製品によって達成される。
【0052】
本発明による半製品は、コアロッドを受け入れるための開口部を有するガラスクラッディングシリンダを含み、その外側面は、シリンダ長手方向軸の方向に延在し、マーカ要素が溶融される長手方向溝として設計された、少なくとも1つの凹部を有する。
【0053】
凹部は、ガラスクラッディングシリンダの外側面に長手方向溝(長手方向スロット)を形成する。外側面の長手方向溝は、ボアと比較して、例えば機械的フライス盤を用いたフライス加工又はレーザアブレーションによって特に製造が容易である。他方、このようにして製造された長手方向溝は、ガラスクラッディングシリンダ自体と同じように正確かつ直線的である。更に、長手方向溝の深さ又は開口幅は、実質的に所望に応じて小さくすることができ、例えば、両方とも15mm未満、好ましくは10mm未満、特に好ましくは5mm未満である。
【0054】
長手方向溝内で溶融されたマーカ要素は、ガラスクラッディングシリンダに対して固定され、これにより、ファイバ製造プロセスの後の段階中のその取り扱いが簡単になる。例えば、ガラスクラッディングシリンダの開口部がコアロッドで充填される前に、故障からの解放及び溶融プロセスの品質をチェックすることは容易である。
【0055】
長手方向溝では、マーカ要素(構成要素、床、層)は、長手方向溝内で、その長さの少なくとも一部にわたって、好ましくはその長さにわたって分布する複数の点で局所的に、理想的にはその全長にわたって、溶融される。
【0056】
これを考慮して、半製品の好ましい実施形態では、マーカ要素がある長さを有し、マーカ要素がこの長さの少なくとも80%に沿って、好ましくはこの長さの少なくとも90%に沿って、部分的に又は点的に完全に長手方向溝内に溶融されることが提供される。
【0057】
半製品の好ましい実施形態では、マーカ要素は、ガスで充填された中空チャネルを含む。
【0058】
空気又は窒素等のガスは、周囲のクラッディングガラスに対して特に高い屈折率の増加を示し、したがって小さな半径方向寸法であっても検出が容易である。
【0059】
長手方向溝は、好ましくは、0.3mm/m未満のその軸方向位置合わせの偏差を有し、したがって半製品から得られたマルチコアファイバ内に高精度のマーカゾーンを形成するマーカ要素を受け入れるように設計される。
【0060】
ガラスクラッディングシリンダは、中心ボアを有する中空シリンダであることが好ましい。
【0061】
半製品は、本発明による方法を実施するために提供され、この目的に好適であり、この目的に対して設計されている。本発明による方法に関連するガラスクラッディングシリンダに関する説明は、半製品にも適用され、本明細書に組み込まれる。
【0062】
定義及び測定方法
上記の説明の個々の用語は、以下で更に定義される。定義は、本発明の説明の一部である。本明細書で具体的に定義されていない用語及び測定方法については、国際電気通信連合(International Telecommunication Union)(ITU)による解釈が該当する。以下の定義の1つと説明の残りの部分との間に不一致がある場合、説明の他の場所でなされた記述が優先される。
【0063】
ガラスクラッディングシリンダ/ガラスクラッディング領域
ガラスクラッディングシリンダは、細長く、実質的に円筒形状を有する。円筒形状からの逸脱は、端面端部の領域に存在し得る。ガラスクラッディングシリンダは、中実シリンダ又は中空シリンダとして設計されている。ガラスクラッディングシリンダは、ガラスクラッディング領域を形成するクラッディングガラスを含む。クラッディングガラスは、例えば、ドープされていない石英ガラスからなるか、又は石英ガラスの屈折率を低下させる少なくとも1つのドーパントを含む。フッ素及びホウ素は、石英ガラスの屈折率を低下させることができるドーパントである。
【0064】
コアロッド/コアガラス領域
コアロッドは、半径方向に均一又は不均一な屈折率プロファイルを有するコアガラスを含む。各コアロッドのコアガラスは、コアガラス領域を形成する。コアロッドは、比較的高い屈折率を有するコアガラスから作られた領域と、比較的低い屈折率を有する別のガラスから作られた少なくとも1つの更なる領域とを含むことができ、例えば、フッ素及び/又は塩素がドープされた石英ガラスである。最も高い屈折率を有するガラスは、一般に、コアロッドの中心軸に位置する。それは、例えば、屈折率を増加させるために少なくとも1つのドーパントが添加された石英ガラスからなる。マルチコアファイバにおいて、コアロッドは、伝送される信号が主に輸送される少なくとも1つの信号コアを形成する。信号コアは、コアロッドによって同様に提供されたより小さい屈折率を有する他のガラス領域に隣接することができる。
【0065】
マーカ要素/マーカ材料/マーカガラス
マーカ要素は、マーカ材料を含むか、又は空気若しくは別のガスから部分的になる。特に、マーカ要素は、少なくとも1つのマーカガラスを含む。マーカガラスの組成はクラッディングガラスの組成と異なり、及び/又はマーカガラスの密度はクラッディングガラスの密度と異なる。マーカ要素は、プリフォーム内及び構成要素内にて、構成要素として、又は構成要素上の層若しくは塊として存在し、マルチコアファイバ内に光学的に検出可能なマーカゾーンを形成する。
【0066】
構成要素群/圧密化プリフォーム/二次プリフォーム
「構成要素群」は、コアロッドが挿入されたガラスクラッディングシリンダと、少なくとも1つのマーカ要素とを含む。例えばガラスクラッディングシリンダ端部を狭めることによって、又は崩壊及び融着によって、コアロッドをコアロッドボア内に固定することによって、本明細書では「圧密化プリフォーム」とも呼ばれる「プリフォーム」が得られる。構成要素群又は(圧密化された)プリフォームは、「二次プリフォーム」を形成するために、又はマルチコアファイバを直接形成するために伸長される。ここで「半製品」という用語は、構成要素群、圧密化されたプリフォーム、及び二次プリフォームを包含する。構成要素群を再成形することは、マルチコアファイバを形成するための伸長又は圧密化プリフォームの形成を含む。
【0067】
石英ガラス
石英ガラスは、例えば、天然に存在するSiO原料からの溶融生成物であるか(天然石英ガラス)、又は合成的に製造されるか(合成石英ガラス)、又はこれらの石英ガラスタイプの混合物からなる。合成透明石英ガラスは、例えば、合成的に製造されたケイ素化合物の火炎加水分解若しくは酸化によって、いわゆるゾル-ゲル法による有機ケイ素化合物の重縮合によって、又は液体中での無機ケイ素化合物の加水分解及び沈殿によって得られる。
【0068】
融着
ガラスから作られた構成要素に言及する場合、融着とは、構成要素が接触面で互いに融合することを意味すると理解される。融着は、炉、バーナ、又はレーザ等の熱源によって、少なくとも接触面の領域で構成要素を加熱することによって行われる。
【0069】
位置表示:上部/下部
これらの表示は、伸長プロセス中及び/又はファイバ延伸プロセス中の位置に関する。「下部」は、延伸プロセスの方向における位置を示し、「上部」は、延伸プロセスの方向と反対の位置を示す。
【0070】
断面
長手方向/長手方向軸に垂直に取られた断面。
【0071】
長手方向断面
長手方向/長手方向軸に平行に取られた断面。
【0072】
ボア
「ボア」、「中心ボア」、「内側ボア」又は「長手方向ボア」という用語は、任意の内部形状を有する穴を示す。それらは、例えば、穿ボアプロセスによって製造されるか、又は堆積プロセス若しくはプレスプロセスによってマンドレルの外側面上に材料層を堆積させ、次いでマンドレルを除去することによって製造される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
例示的な実施形態
以下で、例示的な実施形態及び図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1図1は、詳細には、概略図において、外側面に長手方向溝及び貫通ボアを有する中実ガラスクラッディングシリンダの断面図を示す。
図2図2は、詳細には、概略図において、図1の中実ガラスクラッディングシリンダ、コアロッドボアに挿入されたコアロッド、及び長手方向溝に挿入されたマーカ要素を含む構成要素群を示す。
図3図3は、詳細には、概略図において、中実ガラスクラッディングシリンダ、マーカ要素、及びコアロッドを含む圧密化プリフォームの断面図を示す。
図4図4は、詳細には、概略図において、中空ガラスクラッディングシリンダ、マーカ要素、及びコアロッドを含む圧密化プリフォームの断面図を示す。
図5図5は、詳細には、概略図において、中心ボア及びコアロッドを受け入れるための貫通ボアを有する中空ガラスクラッディングシリンダの断面図を示す。
【0074】
実施例1
図1は、マルチコアファイバを製造するための基体として機能する、クラッディングガラスから作られたシリンダ1の断面を概略的に示す。ガラスクラッディングシリンダ1は、非ドープの合成製造された石英ガラスからなる。石英ガラスは、ガラスクラッディング領域1aを形成する。ガラスクラッディングシリンダ1は、1500mmの長さを有し、円筒形研削によって200mmの公称外径に調整される。シリンダ外側クラッディング4には、長手方向溝5が生成される。4つのボア3は、シリンダ長手方向軸2の方向に機械的穿ボアによって所定の(ここでは二次)構成で製造され、これは図1の図ではシート平面に対して垂直に延びる。ボア3は、コアロッド(図2)を受け入れる役割を果たし、24mmの直径を有する。ボア3は、シリンダ1の全体を貫通する(貫通ボア)。別の実施形態では、ボアは止まりボアとして設計される。
【0075】
シリンダ外側クラッディング4内にフライス加工された長手方向溝5は、ガラスクラッディングシリンダ1の全長にわたって延在する。開口幅10mm、深さ5mmの断面半円状である。
【0076】
図2は、ガラスクラッディングシリンダ1、コアロッド7、及び長手方向溝5に挿入されたマーカロッド6を含む構成要素群10を示す。マーカロッド6はまた、長さ1500mm、直径3.5mmである。これは、フッ素がドープされた合成的に製造された石英ガラスからなり、F320の名称で市販されている。マーカロッド6のフッ素ドープ石英ガラスの粘度及び屈折率の両方は、シリンダ1が構成する非ドープ石英ガラスよりも小さい。マーカロッド6は、F320石英ガラスから作られた出発シリンダをツールフリーの方法で伸長することによって得られる。これは、溶融塊に生成された滑らかで損傷のない表面を有し、長手方向溝5に難なく挿入できるように高い寸法安定性及び真直度を特徴とする。長手方向溝5に挿入されたマーカロッド6は、バーナによる点状加熱によって長手方向溝5内で溶融され、それにより固定される。前者のマーカロッド6のガラス体積は、マーカガラス11が長手方向溝6を正確に完全に充填するように、長手方向溝5の空間体積に一致する。この場合、ガラスクラッディングシリンダ1は、長手方向溝5がその上側に位置するように、水平に配向されたシリンダ長手方向軸で取り付けられる。マーカ要素6のガラス材料は、バーナによって加熱及び軟化され、それにより、長手方向溝5内に沈み、それを完全に満たす。表面張力により、自由雰囲気に隣接する軟化したガラス塊の表面は、わずかな膨らみを示す。
【0077】
代替的な方法の変形例では、マーカロッド6は、その全長にわたって長手方向溝5内で溶融される。これにより、図3に見られるように、表面張力の結果として、マーカ材料11のある程度の丸み、したがってガラスクラッディングシリンダ1の外側面の円形輪郭への適合を達成することができる。マーカロッド6を溶融した後、欠陥のないこと及び溶融品質が監視され、必要に応じて改善することができる。
【0078】
更なる代替方法の変形例では、チューブが、酸化アルミニウム(Al)等の石英ガラスの粘度を増加させるドーパントがドープされた石英ガラスからなるマーカ要素として使用される。チューブの内径は8mm(あるいは、少なくとも10mm)であり、長さも1500mmである。両側が開いているAlドープ石英ガラスチューブを長手方向溝5内に溶融する間、過剰な圧力が発生し、パイプ孔内に維持され、したがってパイプボアの崩壊が防止される。このパイプボアはまた、空気で満たされた中空チャネル(「エアライン」が完成したマルチコアファイバ内に残るように、製造プロセスの後期段階中に維持される。
【0079】
更に、実施形態では、長さ約1500mm、外径約22mmのGeドープ石英ガラスから作られたコアロッド7を4本製造する。既知の技術、例えばMCVD(改質化学気相成長)法も、この目的に好適である。図2は、ボア3に挿入されたコアロッド7を概略的に示している。コアロッド7のコアガラスは、コアガラス領域7aを形成する。次いで、コアロッド7が取り付けられたガラスクラッディングシリンダ1の下端が加熱され、コアロッド7の周りの環状隙間8が崩壊する。
【0080】
図3は、前者の群の構成要素、すなわち、ガラスクラッディングシリンダ1、コアロッド7、マーカロッド6を含むこのようにして圧密化されたプリフォーム20を概略的に示しており、これがプリフォーム内にマーカガラス塊11を形成する。後者は、シリンダ外側クラッディング4上及び中心点から半径方向外側に延在する線12上に露出しており、この線はファイバ設計の対称軸に属さない。
【0081】
その後、圧密化プリフォーム20は、二次プリフォームを形成するために伸長される。この場合、プリフォーム20は、シリンダ長手方向軸2が垂直に位置合わせされたホルダによって、伸長装置内に保持される。このようにして製造された二次プリフォームは、最終的に延伸装置において従来の方法でマルチコアファイバを形成するために延伸される。より小さい半径方向寸法を除いて、その断面は、図3に示す圧密化プリフォーム20の断面に実質的に対応する。前者のコアロッド7は、ファイバの長手方向軸に沿って延びる信号コアを形成し、前者のマーカガラス塊11は、マルチコアファイバのシリンダクラッディング表面上にマーカゾーンを形成する。マルチコアファイバは、特に低いファイバカール及び特に良好な接合挙動を特徴とする。
【0082】
実施例2
したがって、図4及び図5において、図1図3と同じ参照番号が使用されている限り、半製品の同一又は同等の構成要素又は構成成分は、実施例1を参照して上でより詳細に説明したように参照される。
【0083】
図5は、OVD法を使用して既知の方法で製造された中空ガラスクラッディングシリンダ41の断面を概略的に示す。この方法では、SiOスート粒子は、高純度SiO出発材料、例えば四塩化ケイ素を堆積バーナに通し、バーナ火炎に供給されて、そこから固体SiOが形成されることによって、形成される。これは、気相から微細なSiOスート粒子の形態で、その長手方向軸の周りを回転する円筒状堆積マンドレルの外側面上に堆積され、堆積バーナは、堆積マンドレル長手方向軸に沿って前後に反転移動を実行する。堆積マンドレルの外側面に、SiOスート体が形成される。堆積プロセスの完了後、中心内側ボア42が残るように堆積マンドレルが除去される。その後、SiOスート体は、真空下の炉内でガラス化され、中心内側ボア42は崩壊せず、すなわち維持される。
【0084】
このようにして得られた中空シリンダ41は、非ドープの合成製造された石英ガラスからなる。これは1500mmの長さを有し、円筒形研削によって外径200mmに調整され、穿ボア及びホーニング加工によって内径42mmに調整される。
【0085】
ガラスクラッディングシリンダ41の全長にわたって延在し、断面が半円形であり、開口幅が10mm、深さが5mmの長手方向溝5が、シリンダ外側クラッディング4にフライス加工されている。
【0086】
長手方向軸2の方向に機械的に穿ボアすることによって、中心内側ボア42の周りに42mmの直径を有する4つの均一に分布した更なるボア3が生成される。
【0087】
同様にフッ素がドープされ、F520の名称で市販されている合成的に製造された石英ガラスから作られたマーカロッドが、長手方向溝5に挿入される。マーカロッドの長さは1500mmであり、直径は7mmである。これは、F520石英ガラスからなる出発シリンダをツールフリーの方法で伸長することによって得られ、溶融塊に生成された滑らかで損傷のない表面を有する。マーカロッドは、それが困難なく長手方向溝5に挿入され得るように高い寸法安定性を特徴とする。長手方向溝5に挿入されたマーカロッドは、最初に、バーナを使用した点状加熱によって3つの固定点で長手方向溝5内に固定され、固定点は、端部及び中央でその長さの95%にわたって分布する。次いで、長手方向溝5内でその全長にわたって溶融される。この場合、マーカロッドのフッ素ドープ石英ガラスは溶融し、長手方向溝5内に分布し、それを完全に充填する。表面張力の結果として、マーカガラス塊11のある程度の丸み、したがって中空ガラスクラッディングシリンダ41の外側面4の円形輪郭への適合が生じる。エラーのないこと及び溶融したマーカガラス塊11の品質が監視される。
【0088】
このように修正された中空ガラスクラッディングシリンダ41は、マルチコアファイバを製造するための半製品として機能する。この製造方法の後の段階では、ボア3はそれぞれ40mmの直径を有する同じコアロッド7で充填され、中空ガラスクラッディングシリンダ41の中心内側ボア42は、クラッディングガラス又は別のガラス材料で作られた充填ロッドで充填される。実施形態では、中心ボア42は、同様に、40mmの直径を有するコアロッド7で充填される。次いで、コアロッド7を備えたガラスクラッディングシリンダ41の下端を加熱して、コアロッド7の周りの環状隙間を崩壊させる。図4は、図5の修正された中空ガラスクラッディングシリンダ41を使用して圧密化されたプリフォーム40を概略的に示す。
【0089】
これは、前者の群の構成要素、すなわち、ガラスクラッディング領域1aを形成する中空ガラスクラッディングシリンダ41、コアガラス領域7aを形成するコアロッド、及びプリフォーム40内のマーカガラス塊11を形成するマーカロッドからなる。その後、伸長されて二次プリフォームが形成され、延伸装置内で最終的に延伸されて従来の方法でマルチコアファイバが形成される。縁部に近いマーカゾーンは、マルチコアファイバが特に低いファイバカール及び特に良好な接合挙動を特徴とするように、特に正確であり、小さい体積を有する。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコアファイバを製造するための方法であって、構成要素群(10)を再成形して前記マルチコアファイバを形成するか、又は前記マルチコアファイバのためのプリフォーム(20、40)を形成する方法工程を含み、前記構成要素群(10)が、
・ シリンダ長手方向軸(2)及び外側面(4)を有し、クラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域(1a)を有する、ガラスクラッディングシリンダ(1、41)と、
・ 前記クラッディングガラスに囲まれた、コアガラスが設けられ、かつ前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在する複数のコアガラス領域(7a)と、
・ 前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在する少なくとも1つのマーカ要素(6)と、
を含み、
前記マーカ要素(6)が、前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)の前記外側面(4)上に配置され、長手方向溝(5)が、前記ガラスクラッディング領域(1a)の前記外側面(4)内に作り出され、かつ前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在することを特徴とし、前記プリフォーム(20、40)又は前記マルチコアファイバを形成するための前記再成形プロセスの前に、前記マーカ要素(6)が前記長手方向溝(5)内で溶融されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記マーカ要素(6)がある長さを有することを特徴とし、前記溶融が、この長さの少なくとも80%に沿って、好ましくはこの長さの少なくとも90%に沿って、部分的に又は点的に完全に行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーカ要素(6)の溶融が、前記長手方向溝(5)が前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)の上側に位置するように、水平に向けられたシリンダ長手方向軸で前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)が取り付けられ、前記マーカ要素(6)の材料が、熱源によって加熱され、軟化される、方法工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
クラッディングガラス体積Vを有するクラッディングガラスが、前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)から除去されて、前記長手方向溝(5)を生成し、体積Vを有するマーカ要素(6)が前記長手方向溝(5)内に受け入れられ、V=V+/-0.1xVであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記構成要素群(10)の前記製造が、
(a)前記クラッディングガラスを含む前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)を提供する工程と、
(b)前記コアガラスを含むコアロッド(7)を提供する工程と、
(c)マーカ要素(6)を提供する工程と、
(d)前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)の前記外側面(4)に少なくとも1つの長手方向溝(5)を生成する工程と、
(e)前記シリンダ長手方向軸(2)に沿って延在するコアロッドボア(3)を生成する工程と、
(f)前記長手方向溝(5)内に前記マーカ要素(6)を配置し、溶融させる工程と、
(g)前記コアガラス領域(7a)を形成しながら、前記コアロッド(7)を前記コアロッドボア(3)に導入する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカ要素(6)が、円筒形構成要素の形態で、特に中実ロッド若しくはチューブとして、又は層若しくはガラス塊(11)の形態で提供されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
中心ボア(102)を有する中空シリンダ(41)が、前記ガラスクラッディングシリンダ(1、41)として使用され、クラッディングガラスで作られた前記ガラスクラッディング領域と、コアガラスが設けられた複数のコアガラス領域と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マーカガラスが、少なくとも1つの物理的及び/又は化学的特性において前記クラッディングガラスとは異なり、前記特性が、屈折率、色、蛍光及び/又は特定のガラス密度から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
マルチコアファイバを製造するための半製品であって、シリンダ長手方向軸(2)及び外側面(4)を有し、コアガラスから作られたコアロッドを受け入れるための複数の開口部を含むクラッディングガラスから作られたガラスクラッディング領域を有する、ガラスクラッディングシリンダ(1)を含み、前記ガラスクラッディングシリンダ(1)の前記外側面(4)が、前記シリンダ長手方向軸(2)の方向に延在し、マーカ要素(6)が溶融される長手方向溝(5)として設計された、少なくとも1つの凹部(5)を有する、半製品。
【請求項10】
前記マーカ要素がある長さを有することを特徴とし、前記マーカ要素が、この長さの少なくとも80%に沿って、好ましくはこの長さの少なくとも90%に沿って、部分的又は点的に完全に溶融されることを特徴とする、請求項9に記載の半製品。
【請求項11】
前記マーカ要素が、ガスで充填されたチャネルを含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の半製品。
【請求項12】
前記ガラスクラッディングシリンダが、中心ボアを有する中空シリンダであることを特徴とする、請求項9に記載の半製品。
【国際調査報告】