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特表2025-502664製鋼方法及びプラントの関連するネットワーク
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  • 特表-製鋼方法及びプラントの関連するネットワーク 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】製鋼方法及びプラントの関連するネットワーク
(51)【国際特許分類】
   C21C 5/52 20060101AFI20250121BHJP
   C21B 13/02 20060101ALI20250121BHJP
   C21B 5/06 20060101ALI20250121BHJP
   C21B 5/00 20060101ALI20250121BHJP
   C22B 7/00 20060101ALI20250121BHJP
   C21B 7/00 20060101ALI20250121BHJP
   F27D 17/20 20250101ALI20250121BHJP
【FI】
C21C5/52
C21B13/02
C21B5/06
C21B5/00 301
C21B5/00 321
C21B5/00 316
C22B7/00 A
C21B7/00 312
C21B7/00
F27D17/00 104G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535812
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 IB2021061836
(87)【国際公開番号】W WO2023111652
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バケ・ゴンサレス,イグナシオ
(72)【発明者】
【氏名】エレロ・ブランコ,イグナシオ
(72)【発明者】
【氏名】ルブル,ジャン-リュック・ディディエ
【テーマコード(参考)】
4K001
4K012
4K014
4K015
4K056
【Fターム(参考)】
4K001AA10
4K001BA22
4K001BA23
4K001GA13
4K001HA09
4K001HA11
4K012BA04
4K012BA06
4K012BA08
4K012BD03
4K012BF02
4K012BF04
4K012BF05
4K012BF07
4K012CA09
4K012DC03
4K012DC05
4K012DC06
4K014CB02
4K015AA05
4K015AC03
4K015AC08
4K015AE10
4K056AA01
4K056AA05
4K056AA19
4K056DB01
(57)【要約】
固体廃棄物燃料のガス化から生じる合成ガス(70)を用いて直接還元プラント(1)において直接還元鉄を生産する工程と、熱風(20)を使用して高炉(2)において溶銑(22)及び高炉頂ガス(21)を生産する工程であって、高炉頂ガス(21)は、少なくとも部分的に(21A)直接還元プラント(1)で使用される工程と、生産された直接還元鉄(12)を使用して電気炉(3)内で溶融金属及び電気炉ガスを生産する工程とを含む鋼の製造方法。関連するプラントのネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼の製造方法であって、
a. 直接還元プラント(1)において還元ガス(11)を用いて直接還元鉄(12)及び還元炉頂ガス(13)を生産する工程であって、前記直接還元ガス(11)は、固体廃棄物燃料のガス化から生じる合成ガス(70)を含む、工程、
b. 溶銑(22)及び高炉頂ガス(21)を、熱風(20)を用いて高炉(2)内で生産する工程であって、前記高炉頂ガス(21)は、少なくとも部分的に(21A)前記直接還元プラント(1)で使用される、工程、
c. 前記生産された直接還元鉄(12)を用いて電気炉(3)で溶融金属及び電気炉ガスを生産する工程
を含む方法。
【請求項2】
コークスプラント(6)においてコークス(61)及びコークス炉ガス(62)を生産する工程であって、前記コークス(61)は、前記溶銑生産工程のために前記高炉(2)に装入され、前記コークス炉ガス(62)は、前記直接還元プラントへの還元ガスとして少なくとも部分的に使用される工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記還元ガス(11)が、グリーン水素をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コークス炉ガス(62)が、前記溶銑生産工程において熱風(20)として少なくとも部分的に使用される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記還元炉頂ガス(13B)が、前記溶銑生産工程における還元剤として少なくとも部分的に使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記還元炉頂ガス(13B)が、還元剤として前記高炉(2)のシャフトに注入される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記還元炉頂ガス(13A)が、前記還元ガス(11)の一部として前記直接還元プラント(1)で少なくとも部分的に再利用される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記合成ガス(70)が、10より高い(%H+%CO)/(%HO+%CO)として計算される酸化剤に対する還元剤の比、及び1を超える%H/%COの比を満たす組成を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記高炉頂ガス(21)が、前記熱風(20)の一部として前記高炉(2)で少なくとも部分的に再利用される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
高炉頂ガス(21)が、化学物質生産ユニットに少なくとも部分的に送られる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記高炉頂ガス(21)が、前記還元ガス(11)を加熱するために使用される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記高炉頂ガス(21)が、前記固体廃棄物燃料のガス化に用いられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記溶銑(22)が、溶融金属を生産するために前記電気炉で使用される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
スクラップが、溶融金属を生産するために前記電気炉で使用される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
全ての工程には再生可能エネルギーが供給される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
プラントのネットワークであって、
a. 還元ガス(11)を用いて直接還元鉄(12)及び還元炉頂ガス(13)を生産する直接還元プラント(1)、
b. 還元剤(20)を用いて溶銑(22)及び高炉頂ガス(21)を生産する高炉(2)、
c. 生産された直接還元鉄(12)を用いて溶融金属及び電気炉ガスを生産する電気炉(3)、
d. 固体廃棄物燃料のガス化から合成ガス(70)を生産する廃棄物ガス化プラント(7)、
e. 少なくとも前記直接還元プラント(1)を前記廃棄物ガス化プラント(7)及び前記高炉(2)に接続し、前記還元ガス(11)が前記合成ガス(70)の少なくとも一部を含み、且つ前記高炉頂ガス(21)が前記直接還元プラントに少なくとも部分的(21A)に使用されるようにするガスネットワーク
を含む、プラントのネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低減されたカーボンフットプリントを有する製鋼方法及び関連するプラントのネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼は、現在、2つの主な生産経路を通して生産することができる。現在、最も一般的に使用されている「BF-BOF経路」と呼ばれる生産経路は、還元剤、主にコークスを使用することによって、酸化鉄を還元し、高炉内で溶銑を生産すること、次いで、コンバータプロセス又は塩基性酸素炉(BOF)において、溶銑を鋼に転換することからなる。生産この経路は、コーキングプラントにおける石炭からのコークスの生産及び溶銑の生産の両方において、かなりの量のCOを放出する。
【0003】
第2の主経路は、いわゆる「直接還元法」を含む。中でも、ブランドMIDREX、FINMET、ENERGIRON/HYL、COREX、FINEX等に従う方法であって、海綿鉄が、酸化鉄担体の直接還元からHDRI(熱間直接還元鉄)、CDRI(冷間直接還元鉄)、又はHBI(熱間ブリケット鉄)の形態で生産される方法がある。HDRI、CDRI、及びHBIの形態の海綿鉄は、通常、電気炉内でさらなる加工を受ける。
【0004】
CO排出を削減して気候目標を満たすことは、製鋼の現在支配的な形態として困難であり、高炉-塩基性酸素炉(BF-BOF)経路は、還元剤及び燃料としての石炭に依存する。製鋼からのCO排出を削減するための2つの選択肢がある。すなわち、BF-BOF経路を維持し、炭素捕捉の使用及び/又はCOの貯蔵(CCUS)技術を実施すること、又は新しい低排出プロセスを模索することである。
【0005】
したがってCO排出削減に向かう第1の工程は、BF-BOF経路からDRI経路に切り替えることであり得る。これは、設備に関してだけでなく、プロセスに関しても大きな変化に相当するので、全ての高炉を直接還元設備に一度に交換することはない。
【0006】
また、鋼需要のますます増加する部分はスクラップ/DRIベースの生産でカバーされるが、鋼生産の必要性は依然として高く、古典的なBF技術が今後何十年も主要な生産経路であることが依然として予測される。したがって、異なる設備が共存するいくつかのプラントが存在するであろう。
【0007】
この1つの経路から他の経路への切り替えは、カーボンニュートラル生産経路が利用可能になる前に最初に解決されなければならない技術的及び経済的課題の両方に相当する。例えば、より多くのDRI機器は、より少ない高炉、したがってより少ない高炉ガスを意味する。しかし、これらの高炉ガスは、特にエネルギー源として製鋼プラント内で使用され、それらを化石エネルギー源に置き換えることは正しい方向に導かないであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、COフットプリントが低減されたハイブリッドBF/DRI経路に従って鋼を生産することを可能にする方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明による方法によって解決され、前記方法は、直接還元プラントにおいて還元ガスを使用して直接還元鉄及び還元炉頂ガスを生産する工程であって、前記直接還元ガスは固体廃棄物燃料のガス化から生じる合成ガスを含む工程と、溶銑及び高炉頂ガスを、熱風を使用して高炉内で生産し、高炉頂ガスは、少なくとも部分的に直接還元プラント内で使用される工程と、生産された直接還元鉄を用いて電気炉で溶融金属及び電気炉ガスを生産する工程とを含む。
【0010】
本発明の方法はまた、別々に又は全ての可能な技術的組み合わせに従って考慮される以下の任意選択の特徴を有していてもよい。
- 方法は、コークスプラントにおいてコークス及びコークス炉ガスを生産する工程をさらに含み、前記コークスは、前記溶銑生産工程のために高炉に装入され、前記コークス炉ガスは、直接還元プラントへの還元ガスとして少なくとも部分的に使用される、
- 前記還元ガスは、グリーン水素をさらに含む、
- 前記コークス炉ガスは、前記溶銑生産における還元剤として少なくとも部分的に使用される、
- 前記還元炉頂ガスは、溶銑生産における還元剤として少なくとも部分的に使用される、
- 前記還元炉頂ガスは、還元剤として前記高炉のシャフトに注入される、
- 前記還元炉頂ガスは、前記還元ガスの一部として直接還元プラントで少なくとも部分的に再利用される、
- 前記合成ガスは、10より高い(%H+%CO)/(%HO+%CO)として計算される酸化剤に対する還元剤の比、及び1を超える%H/%COの比を満たす組成を有する、
- 前記高炉頂ガスは、還元剤として前記高炉で少なくとも部分的に再利用される、
- 前記高炉頂ガスは、化学物質生産ユニットに少なくとも部分的に送られる、
- 前記高炉頂ガスは、前記還元ガスを加熱するために使用される、
- 前記高炉頂ガスは、前記固体廃棄物燃料のガス化に用いられる、
- 前記溶銑は、溶融金属を生産するために前記電気炉で使用される、
- 前記スクラップは、溶融金属を生産するために前記電気炉で使用される、
- 全ての工程には再生可能エネルギーが供給される。
【0011】
本発明はまた、還元ガスを用いて直接還元鉄及び還元炉頂ガスを生産する直接還元プラントと、還元剤を用いて溶銑及び高炉頂ガスを生産する高炉と、生産された直接還元鉄を用いて溶融金属及び電気炉ガスを生産する電気炉と、固体廃棄物燃料のガス化から合成ガスを生産する廃棄物ガス化プラントと、少なくとも直接還元プラントを廃棄物ガス化プラント及び高炉に接続して、還元ガスが合成ガスの少なくとも一部を含み、高炉頂ガスが直接還元プラントに少なくとも部分的に使用されるようにするガスネットワークとを備えるプラントのネットワークに関する。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、表示として以下に与えられ、決して限定的ではないその説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による方法を実施することを可能にするプラントを示す。図中の要素は例示であり、縮尺通りに描かれていないことがある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、直接還元プラント1と、高炉2と、電気炉3と、廃棄物ガス化炉7とを備えるプラントを示す。
【0015】
直接還元プラント1は、シャフト炉4及びガス調製装置5を備える。作業モードでは、30重量%程度の酸素を含む酸化鉄鉱石及びペレット10をシャフト炉4の頂部に装入し、還元ガス11を介して重力により降下させる。ガス調製装置5によって調製されたこの還元ガス11は、装入された酸化鉄から向流で流れるように炉4に注入される。鉱石及びペレットに含まれる酸素は、ガスと酸化物との向流反応において、酸化鉄を段階的に還元することで除去される。ガスの酸化物含有量は、ガスが炉の頂部に移動している間に増加する。DRI生産物12とも呼ばれる還元鉄は炉4の底部から出るが、還元炉頂ガス13は炉4の頂部から出る。この還元炉頂ガス13は、第1のガス処理ユニット7において捕捉され、処理される。この還元炉頂ガス13の組成は、シャフト炉4に注入される還元ガス11の組成に応じて変化する。
【0016】
高炉2は、ガス-液体-固体向流化学反応器であり、その主な目的は、溶銑22を生産することであり、この溶銑22は、次いで、その炭素含有量を低減することによって鋼に転化され得るか、又は他の目的のために使用され得る。高炉2には、従来、高炉のスロートと呼ばれる上部に装入された固体材料、主に焼結物、ペレット、鉄鉱石、及び炭素質材料、一般にコークスが供給される。溶銑及びスラグからなる液体は、高炉2の底部のるつぼから出銑される。鉄含有の、高炉の装入原料(焼結体、ペレット及び鉄鉱石)は、従来、酸化鉄を還元ガス(特にCO、H及びNを含む)で還元することによって溶銑22に変換され、この還元ガスは、通常1000~1300℃の間の温度で、高炉の下部に位置する羽口によって注入される熱風20による炭素質材料の部分燃焼によって形成される。還元剤の注入はまた、高炉の上部で、羽口の上方で行われてもよく、これは通常シャフト注入と呼ばれる。
【0017】
結果として生じるガスは、高炉の頂部で排出され、高炉頂ガス21と呼ばれる。この高炉頂ガス21は、第2のガス処理ユニット8において捕捉され、処理される。この高炉頂ガス21の組成は、高炉2に注入される還元剤の組成によって変化する。
【0018】
電気炉3の種類は異なっていてもよい。特に、電気アーク炉(EAF)、サブマージド・アーク炉(SAF)又はオープンスラグバス炉(OSBF)であってもよい。この炉の目的は、直接還元プラント1によって生産された直接還元鉄12の少なくとも一部である装入材料のうち装入された材料を溶融することである。この直接還元鉄12は、直接還元プラント1の出口で直接高温に装入されるか、又は低温に装入されることができる。電気炉にはまた、高炉で生産された溶銑22及び/又はスクラップが装入されてもよい。使用される技術及び装入材料によれば、生産された溶融金属は、例えば、炭素含有量を低減するためにコンバータに送られるか、及び/又は鋼を精製し、さらなる加工工程のためにそれを適切な組成にするために二次冶金に送られるかのいずれかであり得る。
【0019】
廃棄物ガス化炉7は、廃液を熱分解してガス化する。ガス化は、CO、CO、H、CH、HO、及びNを特徴とするガス状生産物を得るための酸化剤の存在を伴う高温(400~1000℃)での炭素質燃料の熱化学変換であり、ガス化条件及び原料選択に応じて化合物比が変化する。本発明による方法では、固体廃棄物燃料が前記ガス化に供される。
【0020】
固体廃棄物燃料は、特に、両方のタイプの廃棄物、すなわち、廃棄物固形燃料(RDF)及び固体回収燃料(SRF)を包含する。好ましい実施形態では、SRFのガス化が行われる。廃棄物固形燃料(RDF)は、生分解性材料及びプラスチックを含む家庭用及び事業用の廃棄物から生産される。ガラス及び金属などの不燃性材料を除去し、次いで残留材料を細断する。固体回収燃料(SRF)は、主に、紙、ボール紙、木材、織物及びプラスチックを含む商業廃棄物から生産される。
【0021】
図1の実施形態では、プラントは、本発明による方法を実施するのには任意選択であるコークスプラント6をさらに含む。コークス61は、断熱チャンバであるいわゆる「コークス炉」において、石炭を非常に高い温度、通常は約1000℃に加熱することによって生産される。石炭のコークス化中、石炭ブレンド中の有機物質は蒸発又は分解し、コークス炉ガス(COG)62及びコールタール(産業及び医薬品で使用される濃厚な暗色液体)を生産する。
【0022】
好ましい実施形態では、これらのプラントは全て、太陽光、風、雨、潮、波、及び地熱などの源を含む、人間の時間尺度で自然に補充される再生可能資源から収集されるエネルギーとして定義される再生可能エネルギーで運転される。いくつかの実施形態では、生成されるCOを放出しないので、原子力源に由来する電気の使用を使用することができる。
【0023】
本発明による方法では、直接還元プラント1で使用される還元ガス11は、廃棄物ガス化プラント7における固体廃棄物燃料のガス化から生じる合成ガス70を含み、高炉頂ガス又はBFGの少なくとも一部分21Aは直接還元プラント1で使用される。
【0024】
固体廃棄物燃料は、廃棄物ガス化プラント7においてガス化され、このようにして得られたガス状生成物70は、直接還元プラントにおいて還元ガス11として使用される。ガス状生成物70における化合物比及びガス化の関連するプロセスパラメータは、直接還元プロセスに必要な還元条件を満たすように、還元ガス11の他の成分に従って決定される。ガス状生成物70は、還元ガス11の一部として使用するための適切な組成を得るために、改質又は部分酸化などの調整工程に供され得る。
【0025】
前記合成ガスの使用は、非化石燃料を使用しながら、使用された天然ガスの一部を還元ガスに置き換えることを可能にし、したがって、プロセスの全体的なカーボンフットプリントを低減することに寄与する。さらに、それは、製鋼プラントの既存の環境との相乗作用を生み出し、カーボンフットプリントをさらに地球規模で低減することを可能にする。
【0026】
好ましい実施形態では、この合成ガス組成は、10より高い(%H+%CO)/(%HO+%CO)として計算される酸化剤に対する還元剤の比、及び1を超える%H/%COの比を満たす。前記合成ガスは、ガス調製装置5に入るときに、3%v未満のCO及び0.5%v未満のNをさらに優先的に含み、全てのパーセンテージは体積で表される。それはさらに優先的に、5mg/Nm未満のタール及びダスト、0.1g/Nm未満のNH及び0.1g/Nm未満のC10を含む。
【0027】
最も好ましい実施形態では、廃棄物ガス化プラント7は、2つのガス流70及び71を放出し、第1のガス流は、還元ガス11のための合成ガスとして使用され、第2のガス流71は、プラントの他の設備で加熱ガスとして使用され得る。
【0028】
別の実施形態では、プラントはコークスプラント6を含み、還元ガスはコークス炉ガス62も含む。前記コークス炉ガス62はまた、還元ガスとは独立してシャフト炉4に注入されてもよい。この構成では、コークス炉ガス62は、外部炭素の追加の使用なしにDRI生成物の炭素含有量を増加させるために炭素源として使用される。
【0029】
好ましい実施形態では、還元ガス11はまた、好ましくは体積で50%超のグリーン水素を含む。グリーン水素は、低炭素電源によって生産された電気(これは特に先に定義された再生可能源からの電気を含む)による水の電気分解から得られる水素-生成燃料である。
【0030】
別の実施形態では、還元ガス11はまた、第1のガス処理ユニット7におけるその処理後の直接還元炉頂ガス13Aの一部を含んでもよい。この第1のガス処理ユニット7は、他の装置の中でも、水除去装置及びCO分離ユニットを備え得る。別の実施形態(図示せず)では、この直接還元炉頂ガス13は、例えば還元ガス11を加熱するための熱源として、又は製鋼プラント内の他の加熱用途のために使用することもできる。
【0031】
別の実施形態では、還元炉頂ガス13Bを高炉2に送ることもできる。それは、熱風20の一部として、又は優先的にシャフトレベルでの注入のための還元剤として、羽口を通して注入されてもよい。
【0032】
本発明による方法では、高炉頂ガス21又はBFGは、直接還元プラント1において少なくとも部分的に使用される。そこでは、それは、直接熱交換によって、又はバーナーにおける燃料としての使用によってのいずれかで、ガス調製装置5内の還元ガス11を加熱するために使用することができる。高炉頂ガス21は、第2のガス処理ユニット8において回収及び処理される。この第2のガス処理ユニット8は、他の装置の中でも、ダストフィルタユニットと、水除去装置と、圧力スイング吸着装置などのCO分離ユニットとを備えることができる。それは2つの流れ21A、21Bに分割することができ、第1の流れ21Aは直接還元プラント1に送られる。好ましい実施形態では、BFGの第2の流れ21Bは、炭素変換ユニットに送られ、そこで化学物質などの他の生産物に変えられる。それは、例えば、それが炭化水素に変換される発酵ユニットに送られ得る。別の実施形態では、この第2の流れ21Cは、熱風20の一部として、又はシャフトレベルでの還元剤として高炉に再注入される。別の実施形態では、BFGは、廃棄物ガス化プラント7で使用することができる。BFGは、前の実施形態において説明された異なる使用のために必要とされるだけの数の流れに分割され得る。
【0033】
本発明による方法を用いると、カーボンフットプリントが低減されたハイブリッドBF/DRI経路を使用して鋼を生産することが可能である。この方法はまた、最も一般的に使用されるBF/BOF経路からDRIベースのカーボンニュートラル経路への移行を持続可能な方法で行うことを可能にする。
【0034】
図1の実施形態では、全てのプラントが一緒に表されているが、それらは異なる生産現場に位置してもよく、異なるガス及び材料が適切な手段によってプラントから別のプラントに輸送されてもよい。
【0035】
記載された全ての異なる実施形態は、技術的に可能な場合、互いに組み合わせて使用され得る。
図1
【国際調査報告】