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特表2025-502667電気自動車拠点充電およびスケジューリングのためのネットワーク制約エネルギー管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】電気自動車拠点充電およびスケジューリングのためのネットワーク制約エネルギー管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20250121BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20250121BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20250121BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20250121BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20250121BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20250121BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/38 130
H02J3/38 170
H02J3/32
H02J3/46
H02J3/00 130
B60L53/63
B60L53/68
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535908
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2022085997
(87)【国際公開番号】W WO2023111108
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】17/551,502
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】22166823.9
(32)【優先日】2022-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
2.JAVA
3.VISUAL BASIC
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハフィズ,ファエザ
(72)【発明者】
【氏名】イーシェンコ,ドミトリー
【テーマコード(参考)】
5G066
5H125
【Fターム(参考)】
5G066AA01
5G066AA02
5G066AA03
5G066AA05
5G066AA09
5G066AE03
5G066AE09
5G066HA15
5G066HA17
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC21
5H125BE01
5H125DD02
5H125EE51
5H125EE61
(57)【要約】
電気自動車(EV)拠点充電およびスケジューリングのためのネットワーク制約エネルギー管理システム。一実施形態では、電力スケジュールは、EV充電ステーションおよび分散エネルギー資源を備える充電拠点の経済配分アプリケーションから受信される。電力スケジュールは、何らかのグリッドコード違反が発生したかどうかを判定するために、負荷潮流解析に従って、充電拠点の配電ネットワークモデル上でシミュレーションされ得る。違反の検出に応答して、違反ノードごとに制約が生成されてもよく、違反が検出されなくなるまで、経済配分アプリケーションが制約を用いて再実行されて新しい電力スケジュールを生成してもよい。電力スケジュールによってすべての負荷需要を満たすことができない場合、臨界エネルギー要件が満たされることを保証するために充電スケジュールが調整され得る。最終電力および充電スケジュールは、充電拠点における発電および充電をスケジューリングおよび制御するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の反復の各々について、
1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、前記電力スケジュールは、前記充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために前記1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、
前記充電拠点の配電ネットワークモデル上で前記電力スケジュールをシミュレーションすることであって、前記シミュレーション中に前記配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、
前記シミュレーション中に前記配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、
前記シミュレーション中に違反を発生させると判定された前記配電ネットワークモデル内の前記少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、
次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、前記生成された制約で更新された、前記経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、
前記配電ネットワークモデル内のどのノードも前記シミュレーション中に違反を発生させないと判定された場合、前記電力スケジュールを出力することと、
前記出力された電力スケジュールに基づいて、前記分散エネルギー資源による発電および前記充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることと
を行うために少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用すること
を含む方法であって、前記方法は、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たすか否かを判定することと、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たさないという判定に応答して、
1つまたは複数の負荷に対する前記充電スケジュールを、前記1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて調整することと、
前記調整された充電スケジュールを用いて前記経済配分アプリケーションの再実行と、続いて少なくとも1つの追加の反復とを開始することと、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たすと判定された場合、前記出力された電力スケジュールを最終電力スケジュールとして出力することであって、前記分散エネルギー資源による発電および前記充電拠点における負荷の充電の前記スケジューリングは、前記最終電力スケジュールに基づく、出力することと
を行うために前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用すること
をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記充電スケジュールを変更することは、少なくとも1つの他の負荷よりも低い優先度を有する少なくとも1つの負荷が充電される量を減少させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充電スケジュールを変更することは、少なくとも1つの負荷が充電される時間をシフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数の負荷に対する前記充電スケジュールを、前記1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて変更することは、非臨界負荷よりも臨界負荷を優先させるように前記1つまたは複数の負荷の各々の充電量または充電時間を調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記充電拠点における前記負荷は、電気自動車を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数の分散エネルギー資源は、太陽光発電機、風力発電機、燃料電池、火力発電所、水力発電所、ガソリン発電機、またはバッテリのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分散エネルギー資源による発電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に電力を出力し、前記1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、前記1つまたは複数の分散エネルギー資源のうちの少なくとも1つを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に接続された負荷に電力を出力し、前記1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、少なくとも1つの充電ステーションを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記配電ネットワーク内の少なくとも1つのノードに対する少なくとも1つの制約は、前記少なくとも1つのノードの電圧が前記電力スケジュール中に電力設定点のすべての変化にわたって維持されなければならない電圧範囲を規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
違反は、前記充電拠点が満たさなければならない要件を定義するグリッドコードの違反である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記シミュレーションは、前記配電ネットワークモデルに対する負荷潮流解析を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記電力スケジュールは、前記配電ネットワークモデル内の1つまたは複数のノードに対する設定点を含み、前記負荷潮流解析は、前記電力スケジュール内の前記設定点の各々に対して実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記発電および負荷の充電は、前記充電スケジュールにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記違反は、電圧違反または電流違反を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
ソフトウェアと
を備えるエネルギー管理システムであって、前記ソフトウェアは、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、
1つまたは複数の反復の各々について、
1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、前記電力スケジュールは、前記充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために前記1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、
前記充電拠点の配電ネットワークモデル上で前記電力スケジュールをシミュレーションすることであって、前記シミュレーション中に前記配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、
前記シミュレーション中に前記配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、
前記シミュレーション中に違反を発生させると判定された前記配電ネットワークモデル内の前記少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、
次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、前記生成された制約で更新された、前記経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、
前記配電ネットワークモデル内のどのノードも前記シミュレーション中に違反を発生させないと判定された場合、前記電力スケジュールを出力することと、
前記出力された電力スケジュールに基づいて、前記分散エネルギー資源による発電および前記充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることと
を行うように構成され、
前記ソフトウェアは、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たすか否かを判定することと、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たさないという判定に応答して、
1つまたは複数の負荷に対する前記充電スケジュールを、前記1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて調整することと、
前記調整された充電スケジュールを用いて前記経済配分アプリケーションの再実行と、続いて少なくとも1つの追加の反復とを開始することと、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たすと判定された場合、前記出力された電力スケジュールを最終電力スケジュールとして出力することであって、前記分散エネルギー資源による発電および前記充電拠点における負荷の充電の前記スケジューリングは、前記最終電力スケジュールに基づく、出力することと
を行うようにさらに構成される、エネルギー管理システム。
【請求項16】
前記充電拠点における前記負荷は、電気自動車を含み、前記1つまたは複数の分散エネルギー資源は、太陽光発電機、風力発電機、燃料電池、火力発電所、水力発電所、ガソリン発電機、またはバッテリのうちの1つまたは複数を含む、請求項15に記載のエネルギー管理システム。
【請求項17】
前記分散エネルギー資源による発電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に電力を出力し、前記1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、前記1つまたは複数の分散エネルギー資源のうちの少なくとも1つを制御することを含み、
前記充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に接続された負荷に電力を出力し、前記1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、少なくとも1つの充電ステーションを制御することを含む、請求項15に記載のエネルギー管理システム。
【請求項18】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
1つまたは複数の反復の各々について、
1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、前記電力スケジュールは、前記充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために前記1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、
前記充電拠点の配電ネットワークモデル上で前記電力スケジュールをシミュレーションすることであって、前記シミュレーション中に前記配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、
前記シミュレーション中に前記配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、
前記シミュレーション中に違反を発生させると判定された前記配電ネットワークモデル内の前記少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、
次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、前記生成された制約で更新された、前記経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、
前記配電ネットワークモデル内のどのノードも前記シミュレーション中に違反を発生させないと判定された場合、前記電力スケジュールを出力することと、
前記出力された電力スケジュールに基づいて、前記分散エネルギー資源による発電および前記充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることと
を行わせ、
前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たすか否かを判定することと、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たさないという判定に応答して、
1つまたは複数の負荷に対する前記充電スケジュールを、前記1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて調整することと、
前記調整された充電スケジュールを用いて前記経済配分アプリケーションの再実行と、続いて少なくとも1つの追加の反復とを開始することと、
前記出力された電力スケジュールが前記充電スケジュール内のすべての負荷を満たすと判定された場合、前記出力された電力スケジュールを最終電力スケジュールとして出力することであって、前記分散エネルギー資源による発電および前記充電拠点における負荷の充電の前記スケジューリングは、前記最終電力スケジュールに基づく、出力することと
をさらに行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府のライセンス権
本発明は、米国エネルギー省によって授与された契約番号DOE-OE0000896の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
背景
発明の分野
本明細書に記載の実施形態は、一般に、エネルギー管理システムに関し、より詳細には、電気自動車(EV:electric vehicle)拠点における充電および電力スケジューリングのためのネットワーク制約を利用するエネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
温室効果ガスの削減を目指してEVの使用が増加した結果、EV充電ステーションの配備が増加している。EV拠点は、いくつかのEV充電ステーション、補助負荷、およびエネルギー貯蔵などの分散エネルギー資源(DER:distributed energy resource)を含む配電ネットワークを備え得る。各EV充電ステーションは、接続された電気自動車(例えば、バス、自動車、ユーティリティトラックなど)に電気を供給するように構成された1つまたは複数の充電器を備える。配電ネットワークは、一般に電力消費のコストを削減するように構成されたエネルギー管理システム(EMS:energy management system)によって管理され得る。
【0004】
配電ネットワークは、接続された負荷だけでなく、配電ネットワークが接続されているグリッドの安定性にも影響を及ぼし得る違反を回避するために、一定レベルの電圧および電流を維持すべきである。分散エネルギー資源(DER)がEV拠点に統合されると、違反の可能性が高まる。分散エネルギー資源が再生可能エネルギー資源(例えば、太陽光発電機、風力発電機、地熱発電機、水力発電機、燃料電池など)を含む場合、再生可能エネルギー資源は単位コストが低いため、一般にEMSは再生可能エネルギー資源から最大発電量を利用することを優先する。
【0005】
しかしながら、再生可能エネルギー資源の使用が増加するにつれて、配電ネットワークにおける過電圧などの違反の確率も増加する。加えて、EV負荷が増加するにつれて、配電ネットワークにおける過電圧などの違反の確率も増加する。配電ネットワークにおける電圧または電流違反の可能性を考慮せずに配電ネットワークにおける電気コストを最小化しようとするEMSは、違反に対するペナルティ、および潜在的に配電ネットワークの崩壊をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
概要
したがって、EV拠点の配電ネットワークにおける違反を防止するためのシステム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。実施形態はまた、臨界エネルギー要件が満たされることを確実にするために負荷をシフトさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、方法は、1つまたは複数の反復の各々について、1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、電力スケジュールは、充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、充電拠点の配電ネットワークモデル上で電力スケジュールをシミュレーションすることであって、シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、シミュレーション中に違反を発生させると判定された配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、生成された制約で更新された、経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、配電ネットワークモデル内のどのノードもシミュレーション中に違反を発生させると判定されない場合、電力スケジュールを出力することと、出力された電力スケジュールに基づいて、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることとを行うために少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用することを含む。発電および負荷の充電は、充電スケジュールにさらに基づいてもよい。違反は、電圧違反(例えば、過電圧または不足電圧)または電流違反(例えば、過電流または不足電流)であり得る。
【0008】
方法は、出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすか否かを判定することと、出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすとは限らないという判定に応答して、1つまたは複数の負荷に対する充電スケジュールを、1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて調整することと、調整された充電スケジュールを用いて経済配分アプリケーションの再実行と、続いて少なくとも1つの追加の反復とを開始することと、出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすと判定された場合、出力された電力スケジュールを最終電力スケジュールとして出力することであって、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電のスケジューリングは、最終電力スケジュールに基づく、出力することとを行うために少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用することをさらに含み得る。充電スケジュールを変更することは、少なくとも1つの他の負荷よりも低い優先度を有する少なくとも1つの負荷が充電される量を減少させることを含み得る。充電スケジュールを変更することは、少なくとも1つの負荷が充電される時間をシフトすることを含み得る。1つまたは複数の負荷に対する充電スケジュールを、1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて変更することは、非臨界負荷よりも臨界負荷を優先させるように1つまたは複数の負荷の各々の充電量または充電時間を調整することを含み得る。
【0009】
充電拠点における負荷は、電気自動車を含み得る。1つまたは複数の分散エネルギー資源は、太陽光発電機、風力発電機、燃料電池、火力発電所、水力発電所、ガソリン発電機、またはバッテリのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0010】
分散エネルギー資源による発電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、1つまたは複数の分散エネルギー資源のうちの少なくとも1つを制御することを含み得る。充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に接続された負荷に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、少なくとも1つの充電ステーションを制御することを含み得る。
【0011】
配電ネットワーク内の少なくとも1つのノードに対する少なくとも1つの制約は、少なくとも1つのノードの電圧が電力スケジュール中に電力設定点のすべての変化にわたって維持されなければならない電圧範囲を規定し得る。電圧違反は、充電拠点が満たさなければならない電圧要件を定義するグリッドコードの違反であり得る。
【0012】
シミュレーションは、配電ネットワークモデルに対する負荷潮流解析を含み得る。電力スケジュールは、配電ネットワークモデル内の1つまたは複数のノードに対する設定点を含んでもよく、負荷潮流解析は、電力スケジュール内の設定点の各々に対して実行され得る。
【0013】
開示された方法のいずれも、サーバなどのプロセッサベースのシステムの実行可能ソフトウェアモジュールにおいて、および/または非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された実行可能命令において、個別にまたは任意の組合せで実施され得る。
【0014】
図面の簡単な説明
本実施形態の詳細は、それらの構造および動作の両方に関して、添付の図面を検討することによって部分的に知ることができ、図面において、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態による、本明細書に記載のプロセスのうちの1つまたは複数が実施され得る例示的なインフラストラクチャを示す図である。
図2】一実施形態による、本明細書に記載のプロセスのうちの1つまたは複数が実行され得る例示的な処理システムを示す図である。
図3】一実施形態による、EV拠点の例示的な配電ネットワークを示す図である。
図4】一実施形態による、臨界エネルギー要件が満たされることを確実にしながら、EV拠点の配電ネットワークにおける違反を防止するためのプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
一実施形態では、EV拠点の配電ネットワーク内のグリッドコードの違反を防止し、任意選択的に、臨界エネルギー要件が満たされることを保証するためのシステム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。この説明を読んだ後、様々な代替実施形態および代替アプリケーションにおいて本発明を実施する方法が当業者に明らかになるであろう。しかしながら、本発明の様々な実施形態が本明細書に記載されるが、これらの実施形態は、例および例示のみを目的として提示されており、限定するものではないことが理解される。したがって、様々な実施形態のこの詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲または幅を限定すると解釈されるべきではない。
【0017】
1.システム概要
1.1.インフラストラクチャ
図1は、一実施形態による、開示されるプロセスのうちの1つまたは複数が実施され得る例示的なインフラストラクチャを示す。インフラストラクチャは、本明細書に記載の様々な機能、プロセス、方法、および/またはソフトウェアモジュールのうちの1つまたは複数をホストおよび/または実行するエネルギー管理システム(EMS)110(例えば、1つまたは複数のサーバを備える)を備え得る。EMS110は、専用サーバを備えてもよく、または代わりに、1つまたは複数のサーバの共有リソースを利用するクラウドインスタンスを備えてもよい。これらのサーバまたはクラウドインスタンスは、共同配置および/または地理的に分散されてもよい。EMS110はまた、ソフトウェア112および/または1つまたは複数のデータベース114を備えてもよく、またはそれらに通信可能に接続されてもよい。加えて、EMS110は、1つまたは複数のネットワーク120を介して1つまたは複数のユーザシステム130および/またはEV拠点140と通信可能に接続されてもよい。
【0018】
ネットワーク120はインターネットを含んでもよく、EMS110は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:HyperText Transfer Protocol)、HTTPセキュア(HTTPS:HTTP Secure)、ファイル転送プロトコル(FTP:File Transfer Protocol)、FTPセキュア(FTPS:FTP Secure)、セキュアシェルFTP(SFTP:Secure Shell FTP)、拡張可能メッセージング・プレゼンス共有プロトコル(XMPP:eXtensible Messaging and Presence Protocol)、オープンフィールドメッセージバス(OpenFMB:Open Field Message Bus)、IEEEスマートエネルギープロファイルアプリケーションプロトコル(IEEE2030.5)などの標準的な伝送プロトコル、ならびに独自プロトコルを使用して、インターネットを介してユーザシステム130および/またはEV拠点140と通信し得る。EMS110は、ネットワーク120の単一のセットを介して様々なシステムに接続されるように示されているが、EMS110は、1つまたは複数のネットワークの異なるセットを介して様々なシステムに接続されてもよいことを理解されたい。例えば、プラットフォーム110は、インターネットを介してユーザシステム130および/またはEV拠点140のサブセットに接続されてもよいが、イントラネットを介して1つまたは複数の他のユーザシステム130および/またはEV拠点140に接続されてもよい。さらに、少数のユーザシステム130およびEV拠点140、ソフトウェア112の1つのインスタンス、およびデータベース114の1つのセットのみが示されているが、インフラストラクチャは、任意の数のユーザシステム、EV拠点、ソフトウェアインスタンス、およびデータベースを備えてもよいことを理解されたい。
【0019】
ユーザシステム130は、限定はしないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンまたは他の携帯電話、サーバ、ゲームコンソール、テレビ、セットトップボックス、電子キオスク、販売時点管理端末、組み込みコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controller)などを含む、有線および/または無線通信が可能な任意のタイプのコンピューティング装置を備え得る。しかしながら、ユーザシステム130は、EV拠点140のオペレータのエージェントがEMS110と対話することができるパーソナルコンピュータ、モバイル装置、またはワークステーションを含むことが一般に考えられる。これらの対話は、EMS110またはEMS110とユーザシステム130との間のシステムによって提供されるグラフィカルユーザインタフェースを介してデータ(例えば、本明細書に記載のプロセスのうちの1つまたは複数を構成するためのパラメータ)を入力すること、および/またはデータ(例えば、本明細書に記載の1つまたは複数のプロセスの出力)を受信することを含んでもよい。グラフィカルユーザインタフェースは、コンテンツと、1つまたは複数のデータベース(例えば、データベース114)に記憶されたデータを含むかまたはそれから導出された要素を含む、テキスト、画像、ビデオ、アニメーション、参照(例えば、ハイパーリンク)、フレーム、入力(例えば、テキストボックス、テキスト領域、チェックボックス、ラジオボタン、ドロップダウンメニュー、ボタン、フォームなど)、スクリプト(例えば、JavaScript)などの要素との組合せを含む画面(例えば、ウェブページ)を備え得る。
【0020】
EMS110は、開示されたプロセスのうちの1つまたは複数を実施する1つまたは複数のソフトウェアモジュールを含むソフトウェア112を実行してもよい。さらに、EMS110は、開示されたプロセスのうちの1つまたは複数に入力されたデータおよび/または開示されたプロセスのうちの1つまたは複数から出力されたデータを記憶する1つまたは複数のデータベース114を備えるか、それと通信可能に結合されるか、そうでなければそれにアクセスし得る。MySQL(登録商標)、Oracle(商標)、IBM(登録商標)(商標)、Microsoft SQL(商標)、Access(商標)、PostgreSQL(商標)などを含むがこれらに限定されない任意の適切なデータベース(クラウドベースのデータベース、独自のデータベース、および非構造化データベースを含む)が利用され得る。
【0021】
1.2.例示的な処理装置
図2は、本明細書に記載の様々な実施形態に関連して使用され得る例示的な有線または無線システム200を示すブロック図である。例えば、システム200は、本明細書に記載の(例えば、ソフトウェア112を記憶および/または実行するための)機能、プロセス、または方法のうちの1つまたは複数として、またはそれと併せて使用されてもよく、EMS110、ユーザシステム130、EV拠点140、および/または本明細書に記載の他の処理装置の構成要素を表してもよい。システム200は、サーバもしくは任意の従来のパーソナルコンピュータ、または有線もしくは無線データ通信が可能な任意の他のプロセッサ対応デバイスとすることができる。当業者には明らかなように、他のコンピュータシステムおよび/またはアーキテクチャも使用され得る。
【0022】
システム200は、好ましくは、1つまたは複数のプロセッサ210を含む。プロセッサ210は、中央処理装置(CPU:central processing unit)を備えてもよい。グラフィックス処理装置(GPU:graphics processing unit)、入力/出力を管理するための補助プロセッサ、浮動小数点数演算を実行するための補助プロセッサ、信号処理アルゴリズム(例えば、デジタル信号プロセッサ)の高速実行に適したアーキテクチャを有する専用マイクロプロセッサ、主処理システム(例えば、バックエンドプロセッサ)の下位のプロセッサ、デュアルもしくはマルチプロセッサシステム用の追加のマイクロプロセッサもしくはコントローラ、および/またはコプロセッサなどの追加のプロセッサが提供されてもよい。そのような補助プロセッサは、個別のプロセッサであってもよく、またはプロセッサ210と統合されてもよい。システム200と共に使用され得るプロセッサの例は、限定するものではないが、カリフォルニア州サンタクララのIntel Corporationから入手可能な任意のプロセッサ(例えば、Pentium(商標)、Core i7(商標)、Xeon(商標)など)、カリフォルニア州サンタクララのAdvanced Micro Devices,Incorporated(AMD)から入手可能な任意のプロセッサ、クパチーノのApple Inc.から入手可能な任意のプロセッサ(例えば、Aシリーズ、Mシリーズなど)、韓国、ソウルのSamsung Electronics Co.,Ltd.から入手可能な任意のプロセッサ(例えば、Exynos(商標))などを含む。
【0023】
プロセッサ210は、好ましくは通信バス205に接続される。通信バス205は、ストレージとシステム200の他の周辺構成要素との間の情報転送を容易にするためのデータチャネルを含み得る。さらに、通信バス205は、データバス、アドレスバス、および/または制御バス(図示せず)を含む、プロセッサ210との通信に使用される信号のセットを提供し得る。通信バス205は、例えば、業界標準アーキテクチャ(ISA:industry standard architecture)、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA:extended industry standard architecture)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA:Micro Channel Architecture)、周辺構成要素相互接続(PCI:peripheral component interconnect)ローカルバス、IEEE488汎用インタフェースバス(GPIB:general-purpose interface bus)を含む米国電気電子技術者協会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)によって公表された規格、IEEE696/S-100などに準拠するバスアーキテクチャなどの任意の標準または非標準バスアーキテクチャを含み得る。
【0024】
システム200は、メインメモリ215を含むことが好ましく、二次メモリ220も含んでもよい。メインメモリ215は、本明細書で説明される機能および/またはモジュール(例えば、ソフトウェア112)のうちの1つまたは複数など、プロセッサ210上で実行されるプログラムのための命令およびデータの記憶を提供する。メモリに記憶され、プロセッサ210によって実行されるプログラムは、C/C++、Java、JavaScript、Perl、Visual Basic、.NETなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な言語に従って書かれ、および/またはコンパイルされてもよいことを理解されたい。メインメモリ215は、典型的には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory)および/またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)などの半導体ベースのメモリである。他の半導体ベースのメモリタイプは、例えば、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)を含む、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:synchronous dynamic random access memory)、Rambusダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM:Rambus dynamic random access memory)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標):ferroelectric random access memory)などを含む。
【0025】
二次メモリ220は、任意選択的に、内部媒体225および/またはリムーバブル媒体230を含み得る。リムーバブル媒体230は、任意の周知の方法で読み書きされる。リムーバブル記憶媒体230は、例えば、磁気テープドライブ、コンパクトディスク(CD:compact disc)ドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)ドライブ、他の光学ドライブ、フラッシュメモリドライブなどであってもよい。二次メモリ220は、コンピュータ実行可能コード(例えば、ソフトウェア112)および/または他のデータが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体である。二次メモリ220に記憶されたコンピュータソフトウェアまたはデータは、プロセッサ210による実行のためにメインメモリ215に読み込まれる。
【0026】
代替実施形態では、二次メモリ220は、コンピュータプログラムまたは他のデータもしくは命令がシステム200にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含み得る。そのような手段は、例えば、ソフトウェアおよびデータを外部記憶媒体245からシステム200に転送することを可能にする通信インタフェース240を含み得る。外部記憶媒体245の例は、外部ハードディスクドライブ、外部光学ドライブ、外部光磁気ドライブなどを含み得る。二次メモリ220の他の例は、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM:programmable read-only memory)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory)、電気的消去可能読み出し専用メモリ(EEPROM:electrically erasable read-only memory)、およびフラッシュメモリ(EEPROMと同様のブロック指向メモリ)などの半導体ベースのメモリを含み得る。
【0027】
上述したように、システム200は、通信インタフェース240を含み得る。通信インタフェース240は、システム200と外部装置(例えば、プリンタ)、ネットワーク、または他の情報源との間でソフトウェアおよびデータを転送することを可能にする。例えば、コンピュータソフトウェアまたは実行可能コードは、通信インタフェース240を介してネットワークサーバ(例えば、プラットフォーム110)からシステム200に転送されてもよい。通信インタフェース240の例は、内蔵ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェースカード(NIC:network interface card)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA:Personal Computer Memory Card International Association)ネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、ワイヤレスネットワークアダプタ、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)ネットワークアダプタ、モデム、ワイヤレスデータカード、通信ポート、赤外線インタフェース、IEEE1394ファイアワイヤ、およびシステム200をネットワーク(例えば、ネットワーク120)または別のコンピューティング装置とインタフェース接続することができる任意の他の装置を含む。通信インタフェース240は、好ましくは、イーサネット(登録商標)IEEE802規格、ファイバチャネル、デジタル加入者回線(DSL:digital subscriber line)、非同期デジタル加入者回線(ADSL:asynchronous digital subscriber line)、フレームリレー、非同期転送モード(ATM:asynchronous transfer mode)、サービス総合デジタル網(ISDN:integrated digital services network)、パーソナル通信サービス(PCS:personal communications service)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP:transmission control protocol/Internet protocol)、シリアル回線インターネットプロトコル/ポイントツーポイントプロトコル(SLIP/PPP:serial line Internet protocol/point to point protocol)などの業界で公表されているプロトコル規格を実装するが、カスタマイズされたまたは非標準のインタフェースプロトコルも実装し得る。
【0028】
通信インタフェース240を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、一般に、電気通信信号255の形態である。これらの信号255は、通信チャネル250を介して通信インタフェース240に提供され得る。一実施形態では、通信チャネル250は、有線もしくは無線ネットワーク(例えば、ネットワーク120)、または任意の様々な他の通信リンクであってもよい。通信チャネル250は信号255を搬送し、ほんの数例を挙げると、有線またはケーブル、光ファイバ、従来の電話回線、携帯電話リンク、無線データ通信リンク、無線周波数(RF:radio frequency)リンク、または赤外線リンクを含む様々な有線または無線通信手段を使用して実装されることができる。
【0029】
コンピュータ実行可能コード(例えば、ソフトウェア112などのコンピュータプログラム)は、メインメモリ215および/または二次メモリ220に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース240を介して受信され、メインメモリ215および/または二次メモリ220に記憶され得る。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、システム200が本明細書の他の箇所に記載されている開示された実施形態の様々な機能を実行することを可能にする。
【0030】
この説明では、「コンピュータ可読媒体」という用語は、システムに、またはシステム200内にコンピュータ実行可能コードおよび/または他のデータを提供するために使用される任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を指すために使用される。そのような媒体の例は、メインメモリ215、二次メモリ220(内部メモリ225、リムーバブル媒体230、および外部記憶媒体245を含む)、および通信インタフェース240と通信可能に結合された任意の周辺装置(ネットワーク情報サーバまたは他のネットワーク装置を含む)を含む。これらの非一時的コンピュータ可読媒体は、実行可能コード、プログラミング命令、ソフトウェア、および/または他のデータをシステム200に提供するための手段である。
【0031】
ソフトウェアを使用して実装される実施形態では、ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体に記憶され、リムーバブル媒体230、I/Oインタフェース235、または通信インタフェース240を介してシステム200にロードされてもよい。そのような実施形態では、ソフトウェアは電気通信信号255の形態でシステム200にロードされる。ソフトウェアは、プロセッサ210によって実行されると、好ましくは、プロセッサ210に、本明細書の他の箇所に記載されているプロセスおよび機能のうちの1つまたは複数を実行させる。
【0032】
一実施形態では、I/Oインタフェース235は、システム200の1つまたは複数の構成要素と、1つまたは複数の入力および/または出力装置との間のインタフェースを提供する。入力装置の例は、限定するものではないが、センサ、キーボード、タッチスクリーンまたは他のタッチ感知装置、カメラ、生体検知装置、コンピュータマウス、トラックボール、ペンベースのポインティングデバイスなどを含む。出力装置の例は、限定するものではないが、他の処理装置、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED:light-emitting diode)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、プリンタ、真空蛍光ディスプレイ(VFD:vacuum fluorescent display)、表面伝導型電子エミッタディスプレイ(SED:surface-conduction electron-emitter display)、電界放出ディスプレイ(FED:field emission display)などを含む。場合によっては、タッチパネルディスプレイ(例えば、スマートフォン、タブレット、または他のモバイルデバイス)の場合のように、入出力装置は組み合わされてもよい。
【0033】
システム200はまた、音声ネットワークおよび/またはデータネットワーク(例えば、スマートフォンまたは他のモバイル装置であるユーザシステム130の場合)による無線通信を容易にするオプションの無線通信構成要素を含み得る。無線通信構成要素は、アンテナシステム270、無線システム265、およびベースバンドシステム260を備える。システム200では、無線周波数(RF)信号は、無線システム265の管理下でアンテナシステム270によって無線で送受信される。
【0034】
一実施形態では、アンテナシステム270は、アンテナシステム270に送信信号経路および受信信号経路を提供するためにスイッチング機能を実行する1つまたは複数のアンテナおよび1つまたは複数のマルチプレクサ(図示せず)を備え得る。受信経路では、受信RF信号は、マルチプレクサから、受信RF信号を増幅し、増幅信号を無線システム265に送信する低雑音増幅器(図示せず)に結合され得る。
【0035】
代替実施形態では、無線システム265は、様々な周波数を介して通信するように構成された1つまたは複数の無線機を備え得る。一実施形態では、無線システム265は、復調器(図示せず)と変調器(図示せず)とを1つの集積回路(IC:integrated circuit)に組み合わせ得る。復調器および変調器は、別個の構成要素であり得る。到来経路において、復調器は、無線システム265からベースバンドシステム260へ送信されるベースバンド受信オーディオ信号を残してRFキャリア信号を除去する。
【0036】
受信信号がオーディオ情報を含む場合、ベースバンドシステム260は、信号を復号し、それをアナログ信号に変換する。次いで、信号は増幅され、スピーカに送られる。ベースバンドシステム260はまた、マイクロフォンからアナログオーディオ信号を受信する。これらのアナログオーディオ信号は、デジタル信号に変換され、ベースバンドシステム260によって符号化される。ベースバンドシステム260はまた、送信のためにデジタル信号を符号化し、無線システム265の変調器部分にルーティングされるベースバンド送信オーディオ信号を生成する。変調器は、ベースバンド送信オーディオ信号をRFキャリア信号と混合し、アンテナシステム270にルーティングされ、電力増幅器(図示せず)を通過し得るRF送信信号を生成する。電力増幅器は、RF送信信号を増幅し、それをアンテナシステム270にルーティングし、信号は送信のためにアンテナポートに切り替えられる。
【0037】
ベースバンドシステム260はまた、プロセッサ210と通信可能に結合される。プロセッサ210は、データ記憶領域215および220にアクセスし得る。プロセッサ210は、好ましくは、メインメモリ215または二次メモリ220に記憶されることができる命令(すなわち、開示されたソフトウェアなどのコンピュータプログラム)を実行するように構成される。コンピュータプログラムはまた、ベースバンドプロセッサ260から受信され、メインメモリ210または二次メモリ220に記憶され得るか、または受信時に実行され得る。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、システム200が開示された実施形態の様々な機能を実行することを可能にする。
【0038】
1.3.例示的なEV拠点
図3は、一実施形態による、例示的な例示的なEV拠点140の例示的な配電ネットワークの単線図を示す。EV拠点140は電力グリッド310に接続されており、そこから電気が購入され得る。電気の購入コストは、使用時間(ToU:time-of-use)レートに従って、毎日(例えば、夜間よりも日中の方が高い)および数日(例えば、夏の日は冬の日よりも高い)にわたって変化し得る。ToUレートは、ピークレート、部分ピークレート、およびオフピークレートを様々な期間(例えば、1日の各時間間隔)に割り当ててもよく、それらの期間中の電気コストを表す。
【0039】
さらに、EV拠点140は、例えば、1つまたは複数のバッテリエネルギー貯蔵(BES:battery energy storage)システム320および/または発電機330Aおよび330Bとして示されている1つまたは複数の発電機330を含む、1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える。発電機330は、再生可能エネルギー資源(例えば、太陽光発電機、風力発電機、地熱発電機、水力発電機、燃料電池など)および/または再生不可能エネルギー資源(例えば、ディーゼル発電機、天然ガス発電機など)を備えてもよい。例えば、発電機330Aは、太陽光を電気に変換する複数の太陽電池を備える太陽光発電機であってもよく、発電機330Bは、ディーゼルガソリンを燃焼させて電気を生成するディーゼル発電機であってもよい。
【0040】
EV拠点はまた、EV充電ステーション340A、340B、340C、340D、340E、340F、および340Gとして示される、1つまたは複数のEV充電ステーション340を備える。各EV充電ステーション340は、負荷を表し電気自動車350A、350B、350C、350E、および350Fとして示されている電気自動車350に接続され得ることを理解されたい。各EV充電ステーション340は、電気自動車350の1つまたは複数のバッテリに電気を供給するために、電気自動車350に電気的に接続されるように構成される。任意の所与の時点において、いくつかのEV充電ステーション340は電気自動車350(例えば、340A~350A、340B~350B、340E~350E、340F~350F)に接続されてもよく、他のEV充電ステーション340(例えば、340Dおよび340G)は電気自動車350に接続されなくてもよい。1つまたは複数のEV充電ステーション340は、EMS110または他のコントローラの制御下で、接続された電気自動車350への電力供給のオンまたはオフを切り替えるように構成されてもよい。例えば、EV充電ステーション340は、通信インタフェース240を介してコントローラ(例えば、EMS110)からコマンドを受信し、プロセッサ210およびメインメモリ215を使用してコマンドを処理し、処理されたコマンドに従って電源をオンまたはオフに切り替えるようにアクチュエータ(例えば、1つまたは複数のスイッチ)を制御する処理システム200を備えてもよい。EV拠点140の配電ネットワークは、EV拠点140の様々な機能を動作させるための補助負荷など、電気自動車350以外の種類の負荷も備え得ることを理解されたい。各BESシステム320は、電源(すなわち、放電時)および負荷(すなわち、充電時)の両方として機能することができることも理解されたい。
【0041】
2.プロセスの概要
ここで、EV拠点の配電ネットワークにおける違反を防止し、必要に応じて臨界エネルギー要件が満たされることを保証するためのプロセスの実施形態が詳細に説明される。記載されたプロセスは、例えば、EMS110のプロセッサによって実行されるソフトウェア112として、1つまたは複数のハードウェアプロセッサ(例えば、プロセッサ210)によって実行される1つまたは複数のソフトウェアモジュールで具現化されてもよいことを理解されたい。記載されたプロセスは、ソースコード、オブジェクトコード、および/またはマシンコードで表される命令として実装されてもよい。これらの命令は、ハードウェアプロセッサ210によって直接実行されてもよく、あるいは、オブジェクトコードとハードウェアプロセッサ210との間で動作する仮想マシンまたはコンテナによって実行されてもよい。さらに、開示されたソフトウェアは、1つまたは複数の既存のシステム上に構築されるか、または1つまたは複数の既存のシステムとインタフェース接続されてもよい。
【0042】
あるいは、記載されたプロセスは、ハードウェア構成要素(例えば、汎用プロセッサ、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジックなど)、ハードウェア構成要素の組合せ、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組合せとして実装されてもよい。ハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能に関して一般的に本明細書に記載される。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実装されるかどうかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依存する。当業者は、記載された機能を特定の用途ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施決定は本開示の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。さらに、構成要素、ブロック、モジュール、回路、またはステップ内の機能のグループ化は、説明を容易にするためのものである。特定の機能またはステップは、本発明から逸脱することなく、1つの構成要素、ブロック、モジュール、回路、またはステップから他の構成要素に移動されることができる。
【0043】
図4は、一実施形態による、EV拠点の配電ネットワークにおける違反を防止し、任意選択的に、臨界エネルギー要件が満たされることを確実にするためのプロセス400を示す。プロセス400は、EMS110の1つまたは複数のプロセッサ210によって実行されるソフトウェア112として実装されてもよい。プロセス400は、サブプロセスの特定の配置および順序で示されているが、プロセス400は、より少ない、より多い、または異なるサブプロセス、ならびにサブプロセスの異なる配置および/または順序で実施されてもよい。例えば、臨界エネルギー要件が満たされることを保証しない代替実施形態では、プロセス400は、サブプロセス410~440および470(例えば、サブプロセス470がサブプロセス430の「いいえ」の枝から直接進む場合)のみから構成されてもよい。さらに、サブプロセスが特定の順序で説明または図示されている場合でも、他のサブプロセスの完了に依存しない任意のサブプロセスが、その他の独立したサブプロセスの前、後、または並行して実行されてもよい。
【0044】
プロセス400は、ローリング時間ウィンドウに従って連続的に複数の時間期間の各々に対して実行されて、各時間期間の電力スケジュールおよび充電スケジュールを生成してもよい。時間ウィンドウのサイズは、5分、15分、30分、1時間、12時間、24時間、1週間など、特定の設計目標に適した任意の持続時間からなってもよい。各期間は、将来の期間であり得ることを理解されたい。この場合、プロセス400は、その期間の最終電力スケジュールを出力するプロセス400とその期間の開始との間にほとんどまたはまったく時間がないように、またはその期間の十分前(例えば、時間期間の開始前の時間、日、週など)に実行され得る。
【0045】
サブプロセス410で、経済配分が、検討中の特定の期間実行される。経済配分は、プロセス400の他のサブプロセスを実装するソフトウェアに統合されたソフトウェアアプリケーションとして実装されてもよい。あるいは、経済配分は、プロセス400の1つまたは複数の他のサブプロセスを実装するソフトウェアとは別個のソフトウェアアプリケーションとして実装されてもよく、アプリケーションプログラミングインタフェース(API:application programming interface)を介してその出力(例えば、サブプロセス420へ)を提供する。例えば、サブプロセス410の出力は、サブプロセス420を実装するソフトウェアのAPIを介してプッシュされてもよく、あるいは、サブプロセス420を実装するソフトウェアによって経済配分アプリケーションのAPIを介してプルされてもよい。
【0046】
経済配分とは、電力の最も経済的な使用を達成するために、負荷(例えば、350)から分散エネルギー資源(例えば、BESシステム320および/または発電機330)への電力需要の割り当てを指す。典型的には、経済配分は、グリッド310からの電力の購入コストを最小化することを目的とする最適化問題として定式化される。基本的な考え方は、より低い限界コストを有する分散エネルギー資源の使用を、より高い限界コストを有する分散エネルギー資源およびグリッド310の使用よりも優先させることである。従来、経済配分は、ネットワークの制約を考慮していない。
【0047】
一実施形態では、経済配分は、少なくとも検討中の特定の期間をカバーする充電スケジュール415に基づいて、検討中の特定の期間実行される。充電スケジュール415は、少なくとも考慮中の特定の期間内に充電されるべき1つまたは複数の電気自動車350の各々について、電気自動車350の充電が開始されることがスケジューリングされた時間、電気自動車350が充電されることがスケジューリングされた持続時間、電気自動車350に供給されるべき充電量および/または電気自動車350が充電されるべき充電レベル(例えば、スケジューリングされたルートを完了するのに十分な充電を有すること)、電気自動車350が充電されなければならない時間(例えば、スケジューリングされた通りにルートを完了するために)などを含み得る。充電スケジュール415は、各電気自動車350の現在のまたは予想される状態を反映するために定期的に(例えば、15分ごと)更新され得る。充電スケジュール415は、考慮中の特定の期間のスケジュールを含む限り、考慮されるべき複数の期間(例えば、EV充電がスケジューリングされているすべての将来の期間)のスケジュールを含み得ることを理解されたい。
【0048】
経済配分は、検討中の特定の期間中の電気コストを最小限に抑えながら、検討中の特定の期間の充電スケジュール415において電気自動車350が必要とする負荷を満たすために、検討中の特定の期間中にEV拠点140における分散エネルギー資源(例えば、BESシステム310および/または発電機330)の各々から出力されるべき電力を指定する電力スケジュールを生成し得る。電力スケジュールは、考慮中の特定の期間中に使用されるべき各分散エネルギー資源について、分散エネルギー資源の識別情報、分散エネルギー資源が(例えば、BESシステム320から放電されるか、または発電機330によって生成される)電力を出力するようにスケジューリングされる期間、分散エネルギー資源によって出力されるべき電力量などを含む。実行中、経済配分は、等式制約(例えば、電力バランス、電気自動車の充電状態バランスなど)および不等式制約(例えば、共通連結点で負荷を特定の値に維持すること、電気自動車350の充電状態の閾値レベルを維持すること、EV負荷を事前調整すること、電気自動車350の利用可能性など)を考慮してもよい。従来、経済配分は、EV拠点140の配電ネットワーク内のノードにおける電圧および/または電流などのネットワーク制約を考慮していない。配電ネットワーク内のノードは、例えば、グリッド310、BESシステム320、発電機330、充電ステーション340などとの共通結合点であってもよいことを理解されたい。
【0049】
サブプロセス420では、サブプロセス410で実行された経済配分によって出力された電力スケジュールに対して負荷潮流解析が実行され、違反(例えば、過電圧または不足電圧などの電圧違反、電流違反など)を識別する。EV拠点140の配電ネットワークは、配電ネットワーク内の各ノードを表す配電ネットワークモデルによってモデル化され得る。負荷潮流解析は、配電ネットワークモデル上の電力スケジュールをシミュレーションして、シミュレーション中に配電ネットワーク内の任意のノードが違反を発生させるかどうかを判定し得る。特に、負荷潮流解析は、電力スケジュールにおける所与の負荷に対する配電ネットワーク内の各ノードの動作定常状態を決定する。各ノードの定常状態は、電圧、位相角、有効電力、無効電力などのパラメータのセットとして表され得る。負荷潮流解析は、有効電力および無効電力の設定点に基づいて、配電ネットワーク内のノードの連立代数電力方程式のセットを使用して、配電ネットワークモデルで表されるように、配電ネットワーク内の各ノードでこれらのパラメータ(例えば、電圧および位相角)の1つまたは複数を解き得る。
【0050】
サブプロセス430で、プロセス400は、サブプロセス420で適用された負荷潮流解析が違反を検出したか否かを判定する。例えば、ノードの定常状態における電圧が所定の閾値を超えると、過電圧違反が発生する可能性がある。同様に、ノードの定常状態における電圧が所定の閾値未満である場合、不足電圧違反が発生する可能性がある。電流などの他のパラメータの違反も同様に(例えば、予め定義された閾値を使用して)検出され得る。これらの所定の閾値は、分散エネルギー資源と関連する電力システムとの相互接続および相互運用のためのIEEE1547規格などのグリッドコードによって定義され得る。IEEE1547は、その異常動作性能カテゴリIIIの連続電圧動作のための動作領域を、単位当たり0.88の下限および単位当たり1.1の上限を有するものとして定義している。したがって、IEEE1547がグリッドコードに使用される場合、ノードの単位当たり1.1を超える電圧は過電圧違反として判定され、ノードの単位当たり0.88を下回る電圧は不足電圧違反として判定される。違反が検出された場合(すなわち、サブプロセス430における「Yes」)、プロセス400はサブプロセス440に進む。他方、違反が検出されない場合(すなわち、サブプロセス430における「No」)、プロセス400はサブプロセス450に進む。
【0051】
サブプロセス440で、サブプロセス420における負荷潮流解析によって検出された違反の各々について制約が生成され、サブプロセス410における経済配分の新しい実行に追加される。特に、各制約は、それぞれの違反が検出されたノードの制御変数(例えば、有効電力および無効電力の設定値)の感度解析を使用して定式化され得る。感度解析は、違反ノードiにおける分散エネルギー資源の有効および無効電力設定点の変化Δuに対する電圧または電流などのパラメータの感度因子Su Piを考慮する。違反ノードiに対するSu Piは、負荷潮流解析によって計算され得る。経済配分に対する解において、違反ノードiにおける電圧がPi iniと表される場合、違反ノードiに対する制約は次のように表され得る。
【0052】
【数1】
【0053】
ここで、Pi minは違反ノードiにおけるパラメータP(例えば、グリッドコードによって定義される電圧または電流)の最小許容値であり、Pi maxは違反ノードiにおけるパラメータP(例えば、グリッドコードによって定義される電圧または電流)の最大許容値であり、nは設定点変更の数である。そのような制約は、違反が検出されたノードの1つまたは複数(例えば、過電圧または不足電圧などの電圧違反、過電流または不足電流などの電流違反など)に対して生成されてもよい。
【0054】
サブプロセス440で負荷潮流解析によって検出されたすべての違反に対してサブプロセス420で制約が生成されると、生成された制約は経済配分に追加され、経済配分は、生成された制約によって制約されながらサブプロセス410の他の反復で再び実行される。例えば、検出された過電圧違反を回避するために、特定のノードiにおける電圧がPi maxを超えるのを防止する制約が追加される場合、経済配分は、ノードiにおける電圧がPi maxを超えない解(すなわち、電力スケジュール)を生成しなければならない。同様に、検出された不足電圧違反を回避するために、特定のノードiにおける電圧がPi min未満になることを防止する制約が追加される場合、経済配分は、ノードiにおける電圧がPi min以上である解(すなわち、電力スケジュール)を生成しなければならない。同様に、検出された過電流違反を回避するために、特定のノードiにおける電流がPi maxを超えるのを防止する制約が追加される場合、経済配分は、ノードiにおける電流がPi maxを超えない解(すなわち、電力スケジュール)を生成しなければならない。同様に、検出された不足電流違反を回避するために、特定のノードiにおける電流がPi min未満になることを防止する制約が追加される場合、経済配分は、ノードiにおける電流がPi min以上である解(すなわち、電力スケジュール)を生成しなければならない。
【0055】
サブプロセス440で生成された制約は、サブプロセス440の各反復にわたって累積されてもよく、サブプロセス410における経済配分の各反復は、考慮中の現在の期間についてサブプロセス440のすべての以前の反復および現在の反復によって生成された制約のすべてによって制約される。プロセス400のインスタンスは、サブプロセス410~430の1つまたは任意の他の非ゼロ反復回数、およびサブプロセス440の0回、1回、または任意の他の反復回数を含み得ることを理解されたい。
【0056】
サブプロセス450で、サブプロセス420の負荷潮流解析において違反が検出されないサブプロセス410で実行された経済配分によって電力スケジュールが出力されると、プロセス400は、電力スケジュールが充電スケジュール415内のすべての負荷需要(例えば、充電ステーション340に接続された電気自動車350)を満たすかどうかを判定する。別の言い方をすれば、プロセス400は、検出された違反を回避するために負荷を低減または削減しなければならなかったかどうかを判定する。電力スケジュールにおける発電が、考慮中の現在の期間中にその負荷によって必要とされる電力のすべてを供給するのに十分である場合、負荷需要が満たされる。逆に、電力スケジュールにおける発電が、考慮中の現在の期間中にその負荷によって必要とされる電力のすべてを供給するのに十分でない場合、負荷需要は満たされない。電気自動車350の場合、電気自動車350の負荷需要は、発電が電気自動車350を要求充電レベル(例えば、電気自動車350がスケジューリングされたルートを完了するのに必要な充電レベル)まで充電するのに十分である場合に満たされる。電気自動車350に必要な充電レベルは、電気自動車のバッテリの全容量であってもよいが、そうである必要はないことを理解されたい。電力スケジュールが負荷需要のすべてを満たさない場合(すなわち、サブプロセス450における「No」)、プロセス400はサブプロセス460に進む。他方、電力スケジュールが負荷需要のすべてを満たす場合(すなわち、サブプロセス450における「Yes」)、プロセス400はサブプロセス470に進む。
【0057】
サブプロセス460で、負荷に割り当てられた優先度に基づいて充電スケジュール415は調整され得る。例えば、各電気自動車350には、電気自動車350の重要性および/または電気自動車350のスケジュールの柔軟性を示す優先度が割り当てられてもよく、より重要な/柔軟な電気自動車350には、それほど重要/柔軟ではない電気自動車350よりも高い優先度が割り当てられる。優先度は、任意の方法で(例えば、モデリングに使用される重みとして)、電気自動車350(例えば、臨界クラスおよび非臨界クラスの2進数、1~5、または1~10などの尺度で数値的に)を区別するための適切な解決策を提供する任意の規模に従って実装され得る。所与の電気自動車350の優先度は、電気自動車の目的(例えば、緊急車両は非緊急車両よりも優先され得る)、ルート(例えば、より重要なまたはより長い経路を有する電気自動車350は、あまり重要でないまたはより短い経路を有する電気自動車350よりも優先され得る)、スケジュール(例えば、より早くEV拠点140を出発しなければならないか、またはあまり柔軟でないスケジュールを有する電気自動車350は、より遅くEV拠点140を出発し得るか、またはより柔軟なスケジュールを有する電気自動車350よりも優先され得る)、充電レベル(例えば、より低い充電レベルを有する電気自動車350は、より高い充電レベルを有する電気自動車350よりも優先され得る)などを含む様々な要因に基づいて、手動または自動で決定され得る。いずれの場合でも、より重要な電気自動車350に供給される、電力スケジュールに従って生成される利用可能な電力量は、より重要でない電気自動車350に供給される利用可能な電力量を犠牲にして増加させてもよく、より重要である電気自動車350は、その負荷需要を満たす電力量またはその負荷需要のより大きな割合を受け取り、一方、あまり重要でない電気自動車350は、電力を受け取らないか、またはその負荷需要のより小さな割合を満たす電力量を受け取る。したがって、充電スケジュール415の調整は、重要でない負荷に対する充電量を減少させることを含み得ることを理解されたい。追加的または代替的に、充電スケジュール415に対する調整は、負荷に対する充電時間を第1の時間から第1の時間よりも早いまたは遅い第2の時間にシフトすることを含んでもよい。負荷の充電時間がシフトされる先の第2の時間は、検討中の特定の期間内であってもよいし、検討中の特定の期間外(例えば、充電スケジュール415に表される前または後の期間内であるが、ローリング時間ウィンドウの現在の範囲外)であってもよい。
【0058】
サブプロセス460で充電スケジュール415が調整されると、経済配分は、調整された充電スケジュール415を有するサブプロセス410の他の反復において再び実行される。経済配分のこの実行は、考慮中の特定の期間のサブプロセス440の任意の反復において以前に生成された任意の制約によって制約され得ることを理解されたい。調整された充電スケジュール415は、サブプロセス420および430で検出された追加の違反をもたらし、サブプロセス440の追加の反復で対処され得ることも理解されたい。
【0059】
サブプロセス470で、サブプロセス410における経済配分によって電力スケジュールが生成され、サブプロセス420における負荷潮流解析によって検出されたいかなる違反も生成せず、サブプロセス450におけるすべての負荷を満たすと、電力スケジュールは、検討中の特定の期間中にEV拠点140内の分散エネルギー資源(例えば、BEMシステム320、発電機330など)による電力出力をスケジュールするために使用される最終電力スケジュールとして出力される。さらに、充電スケジュール415を使用して、考慮中の特定の期間内に様々な負荷(例えば、電気自動車350)をスケジューリングしてもよい。
【0060】
サブプロセス470における出力である最終電力スケジュールは、プロセス400の反復中に考慮された特定の期間中の制御決定を通知するために使用され得る。プロセス400の他の反復が、ローリング時間ウィンドウによって包含される次の時間期間に対して実行されて、その時間期間の最終電力スケジュールなどを生成し得ることを理解されたい。
【0061】
一実施形態では、この最終電力スケジュールは、EMS110または他のシステムによって使用されて、1つまたは複数のBESシステム320、発電機330、充電ステーション340、および/またはEV拠点140の他の電気構成要素に対する制御コマンドを生成する。具体的には、EMS110は、制御コマンドを生成し、ネットワーク120を介してEV拠点140内の関連する電気構成要素に制御コマンドを送信してもよく、次いで、EV拠点140は、受信された制御コマンドを実行してもよい。例えば、EMS110は、分散エネルギー資源(例えば、BESシステム320、発電機330など)に制御コマンドを送信することにより、分散エネルギー資源を制御して、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に発電および/または出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には出力しないようにしてもよい。他の例として、EMS110は、充電ステーション340に制御コマンドを送信することにより、充電ステーション340を制御して、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に接続された電気自動車350に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないようにしてもよい。
【0062】
3.例示的な使用事例
ここで、プロセス400の例示的な使用事例が、限定ではなく例示の目的で説明される。例では、EV拠点140は、都市大量輸送システムのフリート内の電気自動車350としての電気バスを充電するためのバス発着所を含む。分散エネルギー資源(例えば、BESシステム320、発電機330など)および充電ステーション340の有効電力および無効電力の設定点は、1時間間隔(例えば、プロセス400は、1時間のローリング時間ウィンドウ内の期間にわたって反復的に実行されてもよい)でスケジューリングされ得る。発電機330は、太陽光発電機を備えると仮定される。各電気バスは、ルートスケジュールに従って運行しなければならないルートを有する。したがって、各電気バスは、そのスケジューリングされたルートを完了するために少なくとも十分なレベルの充電まで充電されなければならず、ルートスケジュールに従うために特定の時間までにEV拠点140を離れなければならない。
【0063】
第1の使用事例では、グリッド310から購入され得る電力量に関連する制限はないと仮定される。サブプロセス410の最初の反復における経済配分は、グリッド310から購入しなければならない電気の量を最小にするために、太陽光発電機による発電を最大にする。その結果、太陽光と電気の購入コストが最大となる日中(例えば、午後)には、電気の購入コストは一般に低くなる(例えば、グリッド310の事業者がEV拠点140から余剰電力を購入する場合、潜在的にマイナスである)。しかしながら、サブプロセス410の最初の反復後の経済配分によって出力された電力スケジュールが使用されるべきであった場合、EV拠点140は、関連するグリッドコードに(例えば、過電圧または不足電圧状態のために)違反する可能性がある。したがって、電力スケジュールは、サブプロセス420-430-440-410によって形成されたループの1つまたは複数の反復によって変更されてもよく、サブプロセス420における負荷潮流解析によって違反が検出されなくなるまで経済配分を制限する。結果として、変更された電力スケジュールの全体的な電力購入コストは、違反を回避するために太陽光発電機の利用が減少するため、特に太陽光および電力購入コストが最大である時間間隔の間に増加する可能性がある。しかしながら、短期的にはよりコストがかかるが、変更された電力スケジュールは、長期的にはよりコストがかかる可能性がある違反を回避するため、元の電力スケジュールよりも改善されている。他の種類の分散エネルギー資源で、またはEV負荷の増加の結果として生じる同様の状況は、プロセス400によって同様に対処され得ることを理解されたい。
【0064】
第2の使用事例では、グリッド310からの購入に利用可能な電力量が低減され得る。これは、グリッド310の事業者による需要応答、グリッド310の障害、単独運転、グリッドコードの違反、サイバー攻撃、自然災害、ピーク負荷シェービングなどに起因し得る。そのような状況では、事業者は、グリッド310の全体的な負荷を最小限に抑えることを優先する。これらの場合、EV拠点140は、グリッド310との共通結合点でその電力消費を低減することによってグリッド310と協働しなければならない。この電力消費量の低減は、電力スケジュールによってすべての負荷を満たすことができないこと(すなわち、サブプロセス450における「No」)を意味し得る。したがって、充電スケジュール415、ひいては電力スケジュールは、サブプロセス460-410-420-430-450の1つまたは複数の反復によって(潜在的にサブプロセス410-420-430-440によって形成される内側ループの1つまたは複数の反復によって)変更され得る。変更された充電および電力スケジュールは、より高い電力購入コストおよび/またはいくつかの電気バス(例えば、非臨界バス)がEV拠点140を出る前に部分的にのみ充電されるか、または全く充電されないことをもたらし得る。本明細書の他の箇所で説明するように、各電気バスは、電気バスの重要性および/または電気バスのスケジュールの柔軟性を表す優先度に従ってランク付けされてもよい。このランク付けは、手動で(例えば、EV拠点140の事業者によって)または自動的に実行されてもよい。
【0065】
特定のシナリオにかかわらず、開示された実施形態は、負荷潮流解析(例えば、サブプロセス420)を利用して、経済配分(例えば、サブプロセス410)によって出力された発電スケジュールにおけるグリッドコードの違反を検出し、それらの違反に対する制約を経済配分に統合して、グリッドコードに違反しない発電スケジュールを生成する。さらに、開示された実施形態は、グリッドコードに違反することなく臨界負荷が満たされること、およびすべての電気自動車350が少なくとも目標充電状態(例えば、スケジューリングされたルートを満たすために必要とされる)でEV拠点140を離れることを確実にするために、電気自動車350に割り当てられた優先度を利用して負荷をシフトしてもよい。したがって、開示された実施形態は、EV拠点140の事業者にとっての経済的利益を最大化しながら、EV拠点140内の配電ネットワークの全体的な性能を改善する。
【0066】
開示された実施形態は、主にEV拠点140内の発電および充電の制御に関して説明されているが、開示された実施形態は他の用途にも適用され得る。例えば、研究および顧客実証を計画するために同じ方法を使用することができる。さらに、同じ方法は、中電圧配電システムの回路セグメントを管理するために、電力会社によって使用され得る。
【0067】
さらに、開示された実施形態は、2つ以上のEV拠点140のシステムに適用されてもよいことを理解されたい。特に、単一のEMS110が、複数のEV拠点140の電力および充電スケジュールを管理してもよい。この場合、電力スケジュールは、複数のEV拠点140にわたる分散エネルギー資源における発電を包含してもよく、充電スケジュール415は、複数のEV拠点140にわたる充電ステーション340でのEV充電を包含してもよい。さらに、電気自動車350が2つ以上の異なるEV拠点140で容易に充電され得る場合、負荷軽減を回避するために、EV拠点140間で(例えば、第1のEV拠点140から第2のEV拠点140へ)負荷を移動(例えば、サブプロセス460において)させてもよい。同様に、違反を回避し、(例えば、サブプロセス460において)充電スケジュール415の調整に対応するために、EV拠点140間の(例えば、第1のEV拠点140から第2のEV拠点140への)経済配分(例えば、サブプロセス410において)によって発電がシフトされてもよい。
【0068】
以下の態様は、本開示の特定の実施形態を指す。
1.1つまたは複数の反復の各々について、
1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、電力スケジュールは、充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、
充電拠点の配電ネットワークモデル上で電力スケジュールをシミュレーションすることであって、シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、
シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、
シミュレーション中に違反を発生させると判定された配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、
次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、生成された制約で更新された、経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、
配電ネットワークモデル内のどのノードもシミュレーション中に違反を発生させると判定されない場合、電力スケジュールを出力することと、
出力された電力スケジュールに基づいて、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることと
を行うために少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用すること
を含む方法。
【0069】
2.出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすか否かを判定することと、
出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすとは限らないという判定に応答して、
1つまたは複数の負荷に対する充電スケジュールを、1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて調整することと、
調整された充電スケジュールを用いて経済配分アプリケーションの再実行と、続いて少なくとも1つの追加の反復とを開始することと、
出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすと判定された場合、出力された電力スケジュールを最終電力スケジュールとして出力することであって、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電のスケジューリングは、最終電力スケジュールに基づく、出力することと
を行うために少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用すること
をさらに含む、態様1に記載の方法。
【0070】
3.充電スケジュールを変更することは、少なくとも1つの他の負荷よりも低い優先度を有する少なくとも1つの負荷が充電される量を減少させることを含む、態様2に記載の方法。
【0071】
4.充電スケジュールを変更することは、少なくとも1つの負荷が充電される時間をシフトすることを含む、態様2に記載の方法。
【0072】
5.1つまたは複数の負荷に対する充電スケジュールを、1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて変更することは、非臨界負荷よりも臨界負荷を優先させるように1つまたは複数の負荷の各々の充電量または充電時間を調整することを含む、態様2に記載の方法。
【0073】
6.充電拠点における負荷は、電気自動車を含む、態様1に記載の方法。
7.1つまたは複数の分散エネルギー資源は、太陽光発電機、風力発電機、燃料電池、火力発電所、水力発電所、ガソリン発電機、またはバッテリのうちの1つまたは複数を含む、態様1に記載の方法。
【0074】
8.分散エネルギー資源による発電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、1つまたは複数の分散エネルギー資源のうちの少なくとも1つを制御することを含む、態様1に記載の方法。
【0075】
9.充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に接続された負荷に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、少なくとも1つの充電ステーションを制御することを含む、態様1に記載の方法。
【0076】
10.配電ネットワーク内の少なくとも1つのノードに対する少なくとも1つの制約は、少なくとも1つのノードの電圧が電力スケジュール中に電力設定点のすべての変化にわたって維持されなければならない電圧範囲を規定する、態様1に記載の方法。
【0077】
11.違反は、充電拠点が満たさなければならない要件を定義するグリッドコードの違反である、態様1に記載の方法。
【0078】
12.シミュレーションは、配電ネットワークモデルに対する負荷潮流解析を含む、態様1に記載の方法。
【0079】
13.電力スケジュールは、配電ネットワークモデル内の1つまたは複数のノードに対する設定点を含み、負荷潮流解析は、電力スケジュール内の設定点の各々に対して実行される、態様12に記載の方法。
【0080】
14.発電および負荷の充電は、充電スケジュールにさらに基づく、態様1に記載の方法。
【0081】
15.違反は、電圧違反または電流違反を含む、態様1に記載の方法。
16.少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
ソフトウェアと
を備えるエネルギー管理システムであって、ソフトウェアは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、
1つまたは複数の反復の各々について、
1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、電力スケジュールは、充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、
充電拠点の配電ネットワークモデル上で電力スケジュールをシミュレーションすることであって、シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、
シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、
シミュレーション中に違反を発生させると判定された配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、
次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、生成された制約で更新された、経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、
配電ネットワークモデル内のどのノードもシミュレーション中に違反を発生させると判定されない場合、電力スケジュールを出力することと、
出力された電力スケジュールに基づいて、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることと
を行うように構成される、エネルギー管理システム。
【0082】
17.ソフトウェアは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、
出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすか否かを判定することと、
出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすとは限らないという判定に応答して、
1つまたは複数の負荷に対する充電スケジュールを、1つまたは複数の負荷に割り当てられた優先度に基づいて調整することと、
調整された充電スケジュールを用いて経済配分アプリケーションの再実行と、続いて少なくとも1つの追加の反復とを開始することと、
出力された電力スケジュールが充電スケジュール内のすべての負荷を満たすと判定された場合、出力された電力スケジュールを最終電力スケジュールとして出力することであって、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電のスケジューリングは、最終電力スケジュールに基づく、出力することと
を行うようにさらに構成される、態様16に記載のエネルギー管理システム。
【0083】
18.充電拠点における負荷は、電気自動車を含み、1つまたは複数の分散エネルギー資源は、太陽光発電機、風力発電機、燃料電池、火力発電所、水力発電所、ガソリン発電機、またはバッテリのうちの1つまたは複数を含む、態様16に記載のエネルギー管理システム。
【0084】
19.分散エネルギー資源による発電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、1つまたは複数の分散エネルギー資源のうちの少なくとも1つを制御することを含み、
充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることは、1つまたは複数のスケジューリングされた期間中に接続された負荷に電力を出力し、1つまたは複数のスケジューリングされた期間外には電力を出力しないように、少なくとも1つの充電ステーションを制御することを含む、態様16に記載のエネルギー管理システム。
【0085】
20.命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
1つまたは複数の反復の各々について、
1つまたは複数の分散エネルギー資源を備える充電拠点のための経済配分アプリケーションから電力スケジュールを受信することであって、電力スケジュールは、充電拠点における負荷に対する充電スケジュールにサービスを提供するために1つまたは複数の分散エネルギー資源から出力されるべき電力を指定する、受信することと、
充電拠点の配電ネットワークモデル上で電力スケジュールをシミュレーションすることであって、シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるか否かを判定するために、シミュレーションすることと、
シミュレーション中に配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードが違反を発生させるという判定に応答して、
シミュレーション中に違反を発生させると判定された配電ネットワークモデル内の少なくとも1つのノードに対する制約を生成することと、
次の反復のための新しい電力スケジュールを発生させるために、生成された制約で更新された、経済配分アプリケーションの再実行を開始することと、
配電ネットワークモデル内のどのノードもシミュレーション中に違反を発生させると判定されない場合、電力スケジュールを出力することと、
出力された電力スケジュールに基づいて、分散エネルギー資源による発電および充電拠点における負荷の充電をスケジューリングすることと
を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0086】
開示された実施形態についての上記の説明は、当業者が本発明を作製または使用できるようにするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に記載の一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用されることができる。したがって、本明細書に提示される説明および図面は、本発明の現在好ましい実施形態を表し、したがって、本発明によって広く企図される主題を表すことを理解されたい。本発明の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含し、したがって本発明の範囲は限定されないことがさらに理解される。
【0087】
「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」などの本明細書に記載される組合せは、A、B、および/またはCの任意の組合せを含み、複数のA、複数のB、または複数のCを含み得る。具体的には、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」および「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」などの組合せは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであってもよく、任意のそのような組合せは、その構成要素A、B、および/またはCの1つまたは複数のメンバーを含んでもよい。例えば、AとBの組合せは、1つのAと複数のB、複数のAと1つのB、または複数のAと複数のBを含み得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】