(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】信頼性が向上した表示システム
(51)【国際特許分類】
B64D 45/00 20060101AFI20250121BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20250121BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20250121BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20250121BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20250121BHJP
G08G 5/00 20250101ALI20250121BHJP
【FI】
B64D45/00 A
G09G5/00 510A
G09G5/00 530M
G09G5/377
G09G5/02 B
G09G5/00 550C
B64D45/00 Z
G06F3/14 320A
G08G5/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024535920
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 IB2022062080
(87)【国際公開番号】W WO2023111820
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102022000008837
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコシーニ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】チンティ,ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】ナヴァッラ,ラッファエーレ
(72)【発明者】
【氏名】カシーノ,ガブリエーレ
(72)【発明者】
【氏名】チェリッティ,ダヴィード
【テーマコード(参考)】
5B069
5C182
5H181
【Fターム(参考)】
5B069AA12
5B069DA10
5B069DB20
5B069HA00
5C182AA03
5C182AB15
5C182AB19
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA23
5C182BA29
5C182CA21
5C182CB44
5C182CB47
5C182CB52
5C182DA44
5C182FA14
5H181AA26
5H181FF14
5H181FF33
(57)【要約】
ユーザーによって操作可能な輸送機器用の表示システム(10)であって、以下備え:前記輸送機器の1つ以上の動作パラメータを示す入力安全性重要データ(D
i)を取得し、前記入力安全性重要データ(D
i)に基づいて中間ビデオフレーム(VF
i)を示す中間ビデオフレーム信号を生成するように構成されたグラフィックスジェネレータ(20)であって、前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、モニタリング安全性重要データ(D
m)の視覚表現である第1のフレーム領域(40)を含み、前記第1のフレーム領域(40)は、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)に一意に関連付けられたエンコーディングマーカー(43、62)を含み、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)と前記入力安全性重要データ(D
i)とは、前記グラフィックスジェネレータ(20)の正常動作の状態下で相互に対応し、前記グラフィックスジェネレータ(20)の異常動作の状態下で相互に対応しない、グラフィックスジェネレータ(20);前記グラフィックスジェネレータ(20)に結合し、かつ前記中間ビデオフレーム信号を受信し、前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記モニタリング安全性重要データ(D
m)を決定するように構成された表示制御ユニット(22);前記表示制御ユニット(22)に結合し、かつ前記入力安全性重要データ(D
i)および前記エンコーディングマーカー(43、62)から決定された前記モニタリング安全性重要データ(D
m)の両方を受信し、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とを相互に比較し、そして前記比較に基づいてコマンド信号(S
c)を生成するように構成された表示モニタリングユニット(26)であって、前記コマンド信号(S
c)は、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)との対応、または対応の欠如を示す表示モニタリングユニット(26);さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記コマンド信号(S
c)を受信し、かつ前記コマンド信号(S
c)および前記中間ビデオフレーム(VF
i)に基づいて、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応する場合、前記ユーザーに表示されるように構成される、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)の視覚表現である確認済みビデオフレーム(VF
c)を示す確認済みビデオフレーム信号を生成するように構成された、表示システム(10)。
【選択図】
図2b、3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによって操作可能な輸送機器用の表示システム(10)であって、前記表示システム(10)は、
― 前記輸送機器の1つ以上の動作パラメータを示す入力安全性重要データ(D
i)を取得し、前記入力安全性重要データ(D
i)に基づいて中間ビデオフレーム(VF
i)を示す中間ビデオフレーム信号を生成するように構成されたグラフィックスジェネレータ(20)であって、
前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、モニタリング安全性重要データ(D
m)の視覚表現である第1のフレーム領域(40)を含み、前記第1のフレーム領域(40)は、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)に一意に関連付けられたエンコーディングマーカー(43、62)を含み、
前記モニタリング安全性重要データ(D
m)と前記入力安全性重要データ(D
i)とは、前記グラフィックスジェネレータ(20)の正常動作の状態下で相互に対応し、前記グラフィックスジェネレータ(20)の異常動作の状態下で相互に対応しない、グラフィックスジェネレータ(20);
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)に結合し、かつ前記中間ビデオフレーム信号を受信し、前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記モニタリング安全性重要データ(D
m)を決定するように構成された表示制御ユニット(22);および
― 前記表示制御ユニット(22)に結合し、かつ前記入力安全性重要データ(D
i)および前記エンコーディングマーカー(43、62)から決定された前記モニタリング安全性重要データ(D
m)の両方を受信し、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とを相互に比較し、そして前記比較に基づいてコマンド信号(S
c)を生成するように構成された表示モニタリングユニット(26)であって、前記コマンド信号(S
c)は、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)との対応、または対応の欠如を示す表示モニタリングユニット(26);
を備えており、
さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記コマンド信号(S
c)を受信し、かつ前記コマンド信号(S
c)および前記中間ビデオフレーム(VF
i)に基づいて、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応する場合、前記ユーザーに表示されるように構成される、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)の視覚表現である確認済みビデオフレーム(VF
c)を示す確認済みビデオフレーム信号を生成するように構成された、
表示システム。
【請求項2】
さらに、前記表示制御ユニット(22)に結合し、かつ前記確認済みビデオフレーム信号を受信し、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応する場合、前記ユーザーに前記確認済みビデオフレーム(VF
c)を表示するように構成された表示パネル(24)を備える、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応しない場合、前記グラフィックスジェネレータ(20)の前記異常動作の状態を前記ユーザーに通知するように前記ユーザーに提供されるように構成された警告信号を生成するように構成される、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項4】
さらに、前記表示パネル(24)が、前記警告信号を受信し、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応しない場合、それを前記ユーザーに表示するように構成された、
請求項2または3に記載の表示システム。
【請求項5】
さらに、前記グラフィックスジェネレータ(20)が、前記中間ビデオフレーム(VF
i)の前記第1のフレーム領域(40)における前記エンコーディングマーカー(43、62)の前記位置を示す制御データを生成するように構成され、ならびに
さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記制御データを受信し、前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記モニタリング安全性重要データ(D
m)を決定するために、前記制御データに基づいて前記第1のフレーム領域(40)で前記エンコーディングマーカー(43、62)を識別するように構成された、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記グラフィックスジェネレータ(20)は、前記制御データを、前記中間ビデオフレーム信号とは別に、または前記中間ビデオフレーム(VF
i)の第2のフレーム領域(42)にエンコードされたものとして生成するように構成され、前記第2のフレーム領域(42)は、前記中間ビデオフレーム(VF
i)内で前記第1のフレーム領域(40)に隣接して配置される、
請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記輸送機器は航空機であり、前記入力安全性重要データ(D
i)は入力主要フライトディスプレイ(PFD)データを含み、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)はモニタリングPFDデータを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項8】
前記モニタリングPFDデータは、前記中間ビデオフレーム(VF
i)において、それぞれ1つ以上の各数字(44)を介して視覚的に表現される1つ以上のデータを含み、
前記エンコーディングマーカー(43、62)の各第1のエンコーディングマーカー(43)は、各数字(44)に一意に関連付けられ、各第1のエンコーディングマーカー(43)は、前記中間ビデオフレーム(VF
i)の前記第1のフレーム領域(40)内の特定の所定のピクセルパターンである、
請求項7に記載の表示システム。
【請求項9】
各第1のエンコーディングマーカー(43)は、各バーコードまたはQRコードである、
請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
前記モニタリングPFDデータは、前記中間ビデオフレーム(VF
i)において、姿勢バー(52)およびピッチ基準バー(54)を含む姿勢指示器(50)を介して視覚的に表現されるモニタリングピッチ角および/またはモニタリングロール角を含み、
前記エンコーディングマーカー(43、62)の第2のエンコーディングマーカー(62)は、前記姿勢指示器(50)に一意に関連付けられ、第2の姿勢エンコーディングマーカー(63’)および第2のピッチエンコーディングマーカー(63’’)を含み、各第2の姿勢エンコーディングマーカー(63’)は1つの各姿勢バー(52)内に含まれ、各第2のピッチエンコーディングマーカー(63’’)は1つの各ピッチ基準バー(54)内に含まれるので、前記第2の姿勢エンコーディングマーカー(63’)と前記第2のピッチエンコーディングマーカー(63’’)の相対位置は、前記モニタリングピッチ角および/または前記モニタリングロール角を示す、
請求項7から9のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項11】
各第2のエンコーディングマーカー(62)は、所定の色のエンコーディングを有する、前記中間ビデオフレーム(VF
i)の前記第1のフレーム領域(40)内の1つ以上のピクセルを含む、
請求項10に記載の表示システム。
【請求項12】
前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、前記ユーザーによって肉眼で識別可能な前記エンコーディングマーカー(43、62)を含まない、
請求項1から11のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の表示システム(10)を備える、輸送機器(150)。
【請求項14】
前記輸送機器は航空機であり、前記ユーザーは前記航空機のパイロットである、
請求項13に記載の輸送機器。
【請求項15】
前記表示システム(10)に結合し、前記入力安全性重要データ(D
i)を測定するように構成された1つ以上のセンサー(152)をさらに備える、
請求項13または14に記載の輸送機器。
【請求項16】
前記表示制御ユニット(22)は、さらに、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応しない場合、前記グラフィックスジェネレータ(20)の前記異常動作の状態を前記ユーザーに通知するように前記ユーザーに提供されるように構成された警告信号を生成するように構成され、
前記輸送機器(150)は、さらに、前記表示システム(10)に結合し、かつ前記警告信号を受信し、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応しない場合、それを前記ユーザーに提供するように構成された警告手段を備える、
請求項13から15のいずれか一項に記載の輸送機器。
【請求項17】
輸送機器のユーザーに、前記ユーザーによって操作可能な前記輸送機器の1つ以上の動作パラメータを示す確認済みビデオフレーム(VF
c)を表示するための方法(100)であって、
前記方法(100)は、相互に動作可能に結合したグラフィックスジェネレータ(20)、表示制御ユニット(22)、および表示モニタリングユニット(26)を含む表示システム(10)によって実行され、
前記方法(100)は、
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)によって、前記輸送機器の前記1つ以上の動作パラメータを示す入力安全性重要データ(D
i)を取得するステップ(110);
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)によって、前記入力安全性重要データ(D
i)に基づいて、中間ビデオフレーム(VF
i)を示す中間ビデオフレーム信号を生成するステップ(112)であって、
前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、モニタリング安全性重要データ(D
m)の視覚表現である第1のフレーム領域(40)を含み、前記第1のフレーム領域(40)は、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)に一意に関連付けられたエンコーディングマーカー(43、62)を含み、
前記モニタリング安全性重要データ(D
m)と前記入力安全性重要データ(D
i)とは、前記グラフィックスジェネレータ(20)の正常動作の状態下では相互に対応し、前記グラフィックスジェネレータ(20)の異常動作の状態下では相互に対応しない、ステップ(112);
― 前記表示制御ユニット(22)によって、前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記モニタリング安全性重要データ(D
m)を決定するステップ(114);
― 前記表示モニタリングユニット(26)によって、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とを相互に比較するステップ(116);
― 前記表示モニタリングユニット(26)によって、前記比較に基づいて、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)の間の前記対応、または前記対応の欠如を示すコマンド信号(S
c)を生成するステップ;および
― 前記コマンド信号(S
c)および前記中間ビデオフレーム(VF
i)に基づいて、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応する場合、前記表示制御ユニット(22)によって、前記ユーザーに表示される、前記モニタリング安全性重要データ(D
m)の視覚表現である前記確認済みビデオフレーム(VF
c)を示す確認済みビデオフレーム信号を生成するステップ(120);
を含む、方法。
【請求項18】
前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とを相互に比較する前記ステップ(116)は、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが所定の相互関係を満たすか否かを検証するステップを含み、前記所定の相互関係は、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが互いに一致する場合、または前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)との間の相対差が閾値差よりも小さい場合に満たされ、前記入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とは、前記所定の相互関係が満たされる場合には対応し、前記所定の相互関係が満たされない場合には対応が欠如する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
さらに、前記表示システム(10)は、前記表示制御ユニット(22)に結合された前記表示パネル(24)を含み、
さらに、前記方法は、前記入力データ入力安全性重要データ(D
i)と前記モニタリング安全性重要データ(D
m)とが対応する場合、前記確認済みビデオフレーム(VF
c)を前記ユーザーに表示するステップ(122)を含む、 請求項17または18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年12月15日に出願された欧州特許出願第21425067.2号、および2022年5月2日に出願されたイタリア特許出願第102022000008837号の優先権を主張するものであり、それらの全開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、信頼性が向上した表示システムに関する。また、本発明は、安全性の重要なデータを表示するための方法と、この表示システムを備える輸送機器、特に航空機に関する。本発明は、宇宙航空分野、特に主要フライトディスプレイデータを表示する際に好適に、但し排他的ではなく、適用される。
【背景技術】
【0003】
現代の飛行機やヘリコプターのコックピットには、パイロットが航空機の操縦や制御、ミッションの遂行などの操作を可能にするヒューマンマシンインターフェース(HMI)を実現するデジタル表示システムが含まれている。
【0004】
HMI技術は、一般的にCOTS(「Commercial Off The Shelf」)GPU(「Graphics Processing Units」)または独自のラスターコントローラーデバイスを搭載したシンボルジェネレーターに基づいている。
【0005】
現在、HMIの全体的なコストを削減するために、業界ではCOTS GPUを安全性の重要なデータの表示にも幅広く活用している。特に、最新の航空機のコックピットディスプレイでは、パイロットのHMIのグラフィックスをレンダリングするためにCOTS GPUベースのシステムを使用している。COTS GPUは航空電子市場向けに特別に設計されたデバイスではないため、これらの市販デバイスは、安全性の重要なデータの表示を伴うアプリケーションに十分な操作の安全性のレベルを保証することができない(例えば、DO-254の系統がない)。言い換えると、これらのデバイスのDAL(「Design Assurance Level」)は、安全性の重要なデータを安全かつ確実に表示する使用には不十分である。COTS GPUの機能中に発生する可能性のあるエラーの例としては:主にCOTS GPUの製造プロセスまたは経年劣化に起因する恒久的なエラー;電離放射線、電磁干渉(例えばNEMP、EMI)、落雷またはCOTS GPUの静電放電(ESD)などの外部要因に起因する可能性のある再現不可能なエラー;COTS GPUの製造プロセスの品質の経年変化または変動に起因する断続的なエラーなどがある。
【0006】
このようなHMIに表示される多くの情報は、パイロットがこの情報に直接反応して航空機を操縦するため、安全上重要であると考えられている。そのため、HMIが提供する誤解を招くような情報は、パイロットによる誤操作につながり、航空機、パイロット、および周辺環境に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
主要フライトディスプレイ(PFD)の特定のケースでは、安全性の観点から重要とされるデータについて、誤解を招くような情報の提示を避けなければならない。 特に、この概念は、対気速度、高度、ピッチおよびロールなどの航空機の安全性にとって重要なデータの例に適用される。
【0008】
誤解を招く情報の回避を確実にすることは、主要フライトディスプレイシステムの耐空性認証を取得し、より一般的にはパイロットによる航空機の正しい制御を確保するために不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、HMIによって表示される安全性の重要なデータが正しいことを確実にする必要性が感じられている。
【0010】
本発明の目的は、上記のニーズを満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的は、特許請求の範囲に記載された表示システム、輸送機器、および安全性の重要なデータを表示する方法によって達成される。
【0012】
本発明をより良く理解するために、以下に添付の図面を参照して、限定ではない例として好ましい実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による表示システムを概略的に示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、それぞれの実施形態による、
図1の表示システムによって生成された中間ビデオフレームのグラフィックスのそれぞれの例を示す。
【
図2B】
図2Bは、それぞれの実施形態による、
図1の表示システムによって生成された中間ビデオフレームのグラフィックスのそれぞれの例を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態による、第1のエンコーディングマーカーを含む、
図2Aおよび2Bの中間ビデオフレームの対気速度領域のグラフィックスを示す。
【
図4】
図4は、
図3の対気速度領域に表示可能な数字の例と、それぞれの第1のエンコーディングマーカーのグラフィックスを示す。
【
図5】
図5は、一実施形態による、第2のエンコーディングマーカーを含む、
図2Aおよび2Bの中間ビデオフレームのピッチおよびロールの領域のグラフィックスを示す。
【
図6】
図6は、一実施形態による、第1のエンコーディングマーカーを含まない、
図1の表示システムによってさらに生成された確認済みビデオフレームの対気速度領域のグラフィックスである。
【
図7】
図7は、一実施形態による、前記確認済みビデオフレームのグラフィックスである。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による、
図7の確認済みビデオフレームを生成する方法を概略的に示すブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による、
図1の表示システムを備える輸送機器を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各実施形態に共通の要素には同一の参照番号を付している。
【0015】
図1は、航空機、例えば飛行機、ヘリコプター、遠隔操作の無人航空機または水上機などに搭載可能な、表示システム(セーフ主要フライトデータ表示システムとも呼ぶ)10を示す。
【0016】
使用時、表示システム10は、航空機のパイロットに情報(詳細には、安全性の重要なデータ、特に以下で例示的に考慮する主要フライトディスプレイ(PFD)データ)を提供し、パイロットが航空機を操縦してナビゲーションやミッションの遂行などの動作を行うことを可能にする。
【0017】
詳細には、表示システム10は、
図8を参照してより詳しく以下に説明する安全性の重要なデータ(詳細には、以下で例示的に考慮するPFDデータ)を表示するための方法を実施するように構成されている。詳細には、PFDデータは、ビデオを介してパイロットに表示される。
【0018】
以下の説明は単一のフレームの処理に関するものであるが、PFDデータは、対応するビデオを生成するために以下の動作を複数回繰り返すことによって、フレームごとに表示できることは明らかであり、各フレームはそれぞれ更新されたPFDデータを示す。
【0019】
表示システム10は、グラフィックスジェネレータ20、表示制御ユニット22、表示パネル24、および任意に表示モニタリングユニット26を備え、これらは相互に動作可能に結合されている。
【0020】
表示パネル24は、LCDパネルなどのそれ自体既知の表示素子であり、PFDデータをパイロットに表示する(すなわち、前記ビデオを構成するフレームを表示する)ために使用される。
【0021】
表示システム10は、表示システム10の外部にある航空機のセンサーに接続されており、これらのセンサーは、航空機の使用中に、航空機の動作状態または量(すなわち、航空機の動作パラメータ)を示すPFDデータを測定する。
【0022】
グラフィックスジェネレータ20は、航空機からこれらの測定されたPFDデータの1つ以上(以下、入力PFDデータまたは入力データDiとも呼ぶ)を取得し、入力データDiに基づいて、中間ビデオフレームVFiを示す(すなわち、エンコードする)中間ビデオフレーム信号を生成する。以下では、説明および非限定的な目的のために、複数の入力データDiの例示的な場合を考える。
【0023】
特に、入力データDiは、航空機の関心量、より具体的には航空機の安全性にとって重要なパラメータ/シンボル(すなわち、重要なシンボル入力データ)を示すデータである。
【0024】
詳細には、入力データDiは、主要フライトディスプレイ(PFD)データである。例えば、入力データDiは、対気速度(すなわち、空気に対する航空機の速度)、航空機の高度(例えば、航空機の下の地表または平均海面に対して測定される)、航空機のピッチ角およびロール角の1つ以上のデータを含む。以下では、入力データDiが対気速度、高度、ピッチ角およびロール角(以下、それぞれ入力対気速度、入力高度、入力ピッチおよびロールとも呼ぶ)を含む例示的かつ非限定的な実施形態を参照するが、これは例示的な目的のみに考慮されており、入力データDiがこれらのデータの任意のサブセットならびに他のPFDデータを含むことができることは明らかである。
【0025】
特に、グラフィックスジェネレータ20は、コンピュータグラフィックス、すなわちビデオフレームに対応する信号を生成するように構成されたCOTS GPUまたは任意の他の公知のデバイス(例えば、ラスターコントローラーデバイス)を含む。コンピュータグラフィックスを生成するために、グラフィックスジェネレータ20は、例えば標準のグラフィックスライブラリ(OpenGL、DirectXなど)または独自のグラフィックスライブラリを使用して、それ自体既知のタイプのソフトウェアを備える。
【0026】
グラフィックスジェネレータ20は、入力データDiから始めて、中間データ(以下、モニタリングデータDmとも呼ぶ)を表す中間ビデオフレームVFiを生成する。
【0027】
中間データは、受信した入力データDiに対応すべきである。しかしながら、グラフィックスジェネレータ20による入力データDiの処理中にエラーが発生した場合、中間データが入力データDiと異なる可能性があり、したがって、パイロットが誤った情報に基づいて航空機を制御することを防ぐために、パイロットに、表示されるデータに関するこの安全性の重要な状態を通知する警告信号を提示する必要がある(これは、例えば、中間データをパイロットに表示しないようにすること、または以下でより詳細に説明するように、表示されたデータの不正確さをパイロットに通知する警告信号と共に中間データを表示することによって行うことができる)。言い換えれば、グラフィックスジェネレータ20の機能にエラーが発生していない場合(グラフィックスジェネレータ20が正常に動作している状態)、中間データは受信した入力データDiに対応し、グラフィックスジェネレータ20の機能にエラーが発生した場合(グラフィックスジェネレータ20が正常に動作していない状態)、中間データは受信した入力データDiに対応しない。
【0028】
詳細には、中間ビデオフレームVFiは、例えばN1×M1のサイズを有する、ピクセルの2次元行列である。
【0029】
一実施形態によれば、中間ビデオフレームVFiは、第1のフレーム領域(すなわち、第1のピクセル群)と第2のフレーム領域(すなわち、第2のピクセル群)とを含む。第1のフレーム領域は、以下でより詳細に説明するように、エンコーディングマーカーとともに中間データの視覚表現を含む。第2のフレーム領域は、エンコーディングマーカーに関する情報、特に第1のフレーム領域に存在するエンコーディングマーカーの位置を特定および/または識別する方法に関する情報を提供する制御データをエンコードする。詳細には、制御データは、第1のフレーム領域におけるエンコーディングマーカーの位置(座標)を示す(すなわち、エンコーディングマーカー、ひいては中間データがレンダリングされると予想される第1のフレーム領域における領域について)。さらに、制御データは、エンコーディングマーカーのピクセルの色およびマスクなどの追加情報を示すこともできる。制御データにより、中間ビデオフレームVFiの第1のフレーム領域に存在する重要なシンボル入力データを識別するために関連するデータを適切に取り込んで処理することができる。
【0030】
図2Aは、グラフィックスジェネレータ20によって生成された中間ビデオフレームVF
iの一例を示す。この例では、第1のフレーム領域(参照番号40で示す)は中間ビデオフレームVF
iの内側の領域、例えば後者の中央に配置され、第2のフレーム領域(参照番号42で示す)は中間ビデオフレームVF
iの外側の領域、例えば第1のフレーム領域40に対して外側に配置される(例えば、第1のフレーム領域40を囲む)。
【0031】
図2Bは、グラフィックスジェネレータ20によって生成された中間ビデオフレームVF
iの別の例を示す。この例では、第2のフレーム領域42は、第1のフレーム領域40の1つの側、例えば第1のフレーム領域40の下側40’に隣接している。
【0032】
図2Aおよび
図2Bに示す中間ビデオフレームVF
iは、例示的かつ非限定的な目的でのみ提供される。実際、第1のフレーム領域40に対する第2のフレーム領域42の形状および位置などの他の変形例が可能である。
【0033】
第2のフレーム領域42は、それ自体既知の技術に従って制御データをエンコードする。例えば、制御データは、第2のフレーム領域42のピクセルのそれぞれのパターンによってエンコードされる。一例として、
図2Aでは、制御データは第2のフレーム領域42の全体のピクセルに均一にエンコードされ、
図2Bでは、第2のフレーム領域42は複数のサブ領域42a~42dを含み、それぞれが各中間データ(例えば、それぞれ中間対気速度、中間高度および中間ピッチ角およびロール角)に関する制御データをエンコードする各ピクセルパターンを備える。別の例として(図示せず)、制御データは、1つ以上のバーコードまたはQRコードを介して第2のフレーム領域42にエンコードすることができる。
【0034】
図2Aおよび
図2Bに示す検討例では、第1のフレーム領域40は、それぞれ航空機の中間対気速度、中間高度および中間ピッチ角およびロール角の値を表示する対気速度領域40a、高度領域40bおよびピッチ角およびロール角の領域40cを含む。
【0035】
これらの中間値は、グラフィックスジェネレータ20による処理エラーが無いか、またはそれぞれ存在するかに応じて、入力データDiの値に対応する(例えば、一致する)か、または対応しない(例えば、異なる)かのいずれかである。
【0036】
詳細には、対気速度領域40a、高度領域40b、ならびにピッチ領域およびロール領域40cのそれぞれは、各PFD中間データ(それぞれ、中間対気速度、中間高度、ならびに中間ピッチおよびロール)と、中間データをエンコードする各エンコーディングマーカーの両方を表示する。これにより、以下でより詳細に説明するように、中間データが入力データDiに対応するかどうかを判断するための中間データに関する情報の冗長性を持たせることができる。
【0037】
以下の説明では、各第1のエンコーディングマーカーとともに、1つ以上の数字(例えば、デジタル表示を介して)による、PFD中間データを表示することを説明するために、例示的に対気速度領域40aを参照する。しかしながら、類似の検討は、数字を介して表示される他のPFD中間データの表示にも適用でき、例えば高度領域40bにも類似に適用できる。
【0038】
対気速度領域40aの一例を
図3に示す。詳細には、対気速度領域40aは、航空機の中間対気速度の値を数字で表示する(検討例では、120.0ノット)。各第1のエンコーディングマーカー43は、中間対気速度の値を表示された数字44からも第1のエンコーディングマーカー43からも取得できるように、中間対気速度値の各数字44に一意に関連付けられる。
【0039】
図4に詳しく示すように、各第1のエンコーディングマーカー43は、各数字44に一意に関連付けられたピクセルパターンであり、各数字44に隣接して配置され(例えば、各関連付けられた数字44に他の数字44よりも近い)、例えば数字44の左側に配置される。言い換えれば、数字44のレンダリングは、各グリフが数字44自体のエンコーディングを提供するピクセルを含むフォントセットの特定のグリフを使用して実行される。エンコーディングはフォントセット内で一意であり、グリフ自体の一部である(すなわち、実行時に追加されるものではない)。エンコーディングピクセルは、ソリューションごとに異なる場合がある。
【0040】
図4に例示的に示す実施形態では、各第1のエンコーディングマーカー43は、各バーコードを介して実現される。詳細には、それは、制御データから既知であり、数字44に隣接する第1の所定の領域(第1のキャプチャ領域とも呼ぶ)45内に配置され、かつ各数字44を示す1つ以上のセグメント(例えば、バーなどの垂直セグメント)を含む。例えば、数字0は第1の所定の領域45の第1の位置(例えば、第1の所定の領域45の第1の列のピクセル)の1つの垂直セグメントに関連付けられ、数字1は第1の所定の領域45の第2の位置(例えば、第1の所定の領域45の第2の列のピクセル)の1つの垂直セグメントに関連付けられ、数字2は第1の所定の領域45の第1の位置および第2の位置(例えば、第1の所定の領域45の第1の列および第2の列のピクセル)にそれぞれ配置された2つの垂直セグメントに関連付けられ、そして数字9は第1の所定の領域45の第2の位置および第3の位置(例えば、第1の所定の領域45の第2の列および第3の列のピクセル)にそれぞれ配置された2つの垂直セグメントに関連付けられる。これらのセグメントは、例えばグレースケールまたはRGBスケールで、第2の値(または色)のピクセルの背景上に第1の値(または色)を有するピクセルを介して実現される。しかしながら、第1のエンコーディングマーカー43は、各数字44を識別するものであれば、異なる方法で実現および配置できることは明らかである。
【0041】
ピッチおよびロールの領域40cの一例を
図5に示す。詳細には、ピッチおよびロールの領域40cは、パイロットの視野(例えば、
図5で参照番号56で示す水平線)に重ね合わされた姿勢指示器50を表示する。詳細には、この視野は、例えば合成視覚システムまたは人工水平線(すなわち、空と地形)であり得る。
【0042】
姿勢指示器50は、航空機の中間ピッチ角およびロール角を示し、これらの情報をパイロットに提示するために一般的に使用される。詳細には、姿勢指示器50は、姿勢バー52およびピッチ基準バー(航空機バーとも呼ぶ)54を含む。
【0043】
姿勢バー52は、水平線56に平行で、それらの間にあり、(水平線56に直交した)第1の整列軸58に直交したバー(すなわち、セグメント)である。姿勢バー52は第1の整列軸58に沿って互いに整列し、間隔を置いて配置される(例えば、等間隔に配置されるか、または増加する中間ピッチ角を表す場合に増加する増分ステップを有する)。詳細には、姿勢バー52は、水平線56上の第1の整列軸58に沿って中心が位置する。言い換えれば、水平線56は、第1の整列軸58に沿ってそれらの間で対向し、姿勢バー52のグループのそれぞれの端部を形成する極値的姿勢バー52’に対して等間隔に配置される。
【0044】
ピッチ基準バー54は、基準軸60(垂直軸、固定)に直交するバーであり、基準軸60に直交し、ピッチ基準バー54に平行な第2の整列軸61に沿って相互に整列するバーである。ピッチ基準バー54は、航空機のピッチ軸を示し、すべてのビデオフレームにわたって、表示される画像の基準系がパイロットのものであるため(一方で、航空機の周囲の風景を示す表示される視野は、地面に対する航空機の動きに応じて変化するため)、水平位置が固定されている。
【0045】
中間ロール角は、基準軸60と第1の整列軸58との間に形成される角度であり、
図5では参照αで示されている。一方で、中間ピッチ角は、姿勢バー52とピッチ基準バー54との相互的整列によって視覚的に表される(すなわち、どの姿勢バー52が第2の整列軸61に最も近いものであるかから推定される)。したがって、ロール角がない場合、基準軸60と第1の整列軸58とは一致し、ピッチ角がない場合、水平線56と第2の整列軸61とは、少なくともピッチ基準バー54の間に延在する中間点において重なり、ピッチ基準バー54に対して等間隔に配置される。
【0046】
第2のエンコーディングマーカー62は、中間ピッチ角およびロール角を、表示された視野に対する姿勢指示器50および第2のエンコーディングマーカー62の両方から取得できるように、姿勢指示器50に関連付けられる。
【0047】
詳細には、各第2のエンコーディングマーカー62は、ピッチおよびロールの領域40cに存在する各姿勢バー52およびピッチ基準バー54に関連付けられ、その位置が制御データから既知であるピッチおよびロールの領域40cの第2の所定の領域(またはキャプチャ領域)63内に含まれる。例えば、各姿勢バー52は、姿勢バー52に対して中心に配置された第2の姿勢エンコーディングマーカー62’を含む。すなわち、第2の姿勢エンコーディングマーカー62’は、姿勢バー52の主方向(すなわち、水平線56に平行)に沿って互いに反対側にある姿勢バー52の端部から等間隔に配置され、各ピッチ基準バー54は、ピッチ基準バー54に対して中心に配置された第2のピッチエンコーディングマーカー62’’を含む。すなわち、第2のピッチエンコーディングマーカー62’’は、ピッチ基準バー54の主方向(すなわち、基準軸60に直交する)に沿って互いに反対側にあるピッチ基準バー54の端部から等間隔に配置される。したがって、第2の姿勢エンコーディングマーカー62’は第1の整列軸58に沿って互いに整列し、第2のピッチエンコーディングマーカー62’’は第2の整列軸61に沿って互いに整列する。
【0048】
特に、姿勢バー52およびピッチ基準バー54における第2のエンコーディングマーカー62のレンダリングは、第2のエンコーディングマーカー62を形成する1つ以上のピクセルの特定の所定の色のエンコーディングを介して実行され、それによってピッチおよびロールの領域40cで利用可能なすべてのピクセルの中で認識することができる。例えば、姿勢バー52およびピッチ基準バー54のレンダリングは、バー52、54に属する各ピクセルのRGB値(典型的には16進数/2進数としてエンコードされる)を制約することによって実行され、それによって、バー52、54のセグメント本体に属する(RGB)ピクセルのR、G、およびB値は、n個の最下位ビットがゼロに等しいように表される。各姿勢バー52では、1つのピクセル(マーキングピクセル、すなわち第2の姿勢エンコーディングマーカー62’)が姿勢バー52の中心線上(または同等の位置)に配置され、かつそのR、G、およびB値が姿勢バー52のセグメント本体と同じであり、さらにR、G、Bトリプレットのn個の最下位ビットに設定された一意のエンコーディング値である色でレンダリングされる。両方のピッチ基準バー54では、1つのピクセル(マーキングピクセル、すなわち第2のピッチエンコーディングマーカー62’’)がピッチ基準バー54の中心線上(または同等の位置)に配置され、かつそのR、G、およびB値がピッチ基準バー54のセグメント本体と同じであり、さらにR、G、Bトリプレットのn個の最下位ビットに設定された一意のエンコーディング値である色でレンダリングされる。マーキングピクセルとして1つのピクセルのみを使用することは、所与のピクセル解像度において、「n」が十分に小さい限り(例えば、各色要素R、G、Bに対して「n」が4まで)、人間の目は隣接するピクセルとは異なる色の単一のピクセルを識別できないため、有利である。したがって、第2のエンコーディングマーカー62は、肉眼では識別できなくても自動的に検出することができる。
【0049】
再び
図1を参照すると、グラフィックスジェネレータ20は、入力データD
iに基づいて中間ビデオフレームVF
i(すなわち、中間ビデオフレームVF
iに対応する中間ビデオフレーム信号)を生成することが説明されている。中間ビデオフレームVF
iは、中間データおよびエンコーディングマーカー43、62の視覚表現を含み、さらに中間ビデオフレームVF
iにおけるエンコーディングマーカーの位置を示す制御データを含む。グラフィックスジェネレータ20の機能にエラーが発生していない場合は、中間データは受信した入力データD
iに対応することができ、グラフィックスジェネレータ20の機能にエラーが発生した場合は、中間データは受信した入力データD
iとは異なるものとすることができる。
【0050】
表示制御ユニット22は、中間ビデオフレームVFi(詳細には、中間ビデオフレーム信号)を取得し、そこからモニタリングデータDm(すなわち、中間データ)を抽出して表示モニタリングユニット26に提供するように構成された制御ユニット(例えば、FPGA)である。さらに、表示制御ユニット22は、表示モニタリングユニット26からコマンド信号Scを取得し、以下でより詳細に説明するように、中間ビデオフレームVFiおよびコマンド信号Scに基づいて、確認済みビデオフレームVFcまたは警告信号を生成するように構成されている。
【0051】
特に、表示制御ユニット22は、中間ビデオフレームVFiの第2のフレーム領域42から制御データをデコードし、制御データに基づいて、第1のフレーム領域40でエンコーディングマーカー43、62を識別する。次に、表示制御ユニット22は、エンコーディングマーカー43、62を使用してモニタリングデータDmを取得し、これらのモニタリングデータDmを出力する。
【0052】
さらに詳細には、中間対気速度および中間高度の数字44の値は、制御データに基づいて第1の所定の領域45を特定し、各第1のエンコーディングマーカー43と各数字44との一意の関係により、第1の所定の領域45に存在する第1のエンコーディングマーカー43をデコードすることによって取得される。例えば、第1のエンコーディングマーカー43および関連付けられた数字44を格納するルックアップテーブルを使用して、各第1のエンコーディングマーカー43から数字44の値を取得することができる。
【0053】
一方、中間ピッチ角およびロール角の値は、制御データに基づいて第2の所定の領域63を特定すること;第2の所定の領域63のピクセルをスキャンして第2のエンコーディングマーカー62を見つけること(例えば、第2のエンコーディングマーカー62を形成するピクセルを識別する特定の所定の色のエンコーディングを探すこと);第2の姿勢エンコーディングマーカー62’および第2のピッチエンコーディングマーカー62’’に基づいて第1の整列軸58および第2の整列軸61をそれぞれ決定すること;基準軸60の位置(予め定義され、第2の整列軸61に直交する)を知ること;基準軸60と第1の整列軸58とに基づいて中間ロール角αを計算すること、および第2の整列軸61(すなわち、第2のピッチエンコーディングマーカー62’’)と姿勢バー52(すなわち、第2の姿勢エンコーディングマーカー62’)との相対位置に基づいて中間ピッチ角を計算すること、によって取得される。
【0054】
表示モニタリングユニット26は、入力データDiと、エンコーディングマーカー43、62から決定されたモニタリングデータDmの両方を入力として受け取り、入力データDiとモニタリングデータDmの比較に基づいてコマンド信号Scを出力として生成する。 特に、コマンド信号Scは、入力データDiとモニタリングデータDmの対応の有無を示す。 さらに詳細には、表示モニタリングユニット26は、入力データDiとモニタリングデータDmを比較して、それらが一致するかどうかを判定し、この比較に基づいて、対応する値を有するコマンド信号Scを生成する。例えば、コマンド信号Scは、入力データDiとモニタリングデータDmが対応する(例えば、一致する)場合には第1の値を有し、入力データDiとモニタリングデータDmが対応しない(例えば、一致しない)場合には第2の値を有する。
【0055】
この対応は、一致であってもよく、あるいは、入力データDiとモニタリングデータDmとの間の所定の相互関係を満たすことであってもよい。後者の場合、同じタイプの入力データDiとモニタリングデータDm(例えば、入力対気速度と中間対気速度)は、それらの間の相対差が各閾値差(PFDデータの種類および他の因子、例えばパイロットへの情報表示の所望の精度などに基づいてそれ自体既知の方法で設定される)よりも小さい場合に対応すると見なされる。より一般的には、第2の場合、所定の相互関係が満たされるので、入力データDiとモニタリングデータDmとの間の相対差(例えば、ユークリッド距離)が閾値差よりも小さい場合、入力データDiとモニタリングデータDmが対応する。
【0056】
表示制御ユニット22は、コマンド信号Scを受信し、それに応じて、確認済みビデオフレームVFcを示す(すなわち、エンコードする)確認済みビデオフレーム信号または(任意に)警告信号を生成する。
【0057】
特に、確認済みビデオフレームVFcは、例えばN2×M2サイズ(N2<N1およびM2<M1)を有する、ピクセルの2次元行列である。
【0058】
好ましい実施形態によれば、確認済みビデオフレームVFcは、少なくとも肉眼で識別可能なエンコーディングマーカー43、62がない(すなわち、含まない)。詳細には、その構造により、一般に第1のエンコーディングマーカー43は肉眼で見えて識別可能であるのに対し、第2のエンコーディングマーカー62は肉眼で見えるが識別不可能である。さらに詳細には、パイロットに表示される各ピクセルまたはピクセルのグループは、肉眼で見えるとみなされるが、パイロットに表示されるこのピクセルまたはピクセルのグループが肉眼で識別可能であると見なされるためには、特定の条件が満たされなければならない。これらの条件はそれ自体既知である。例えば、ピクセルのグループは、閾値ピクセル数よりも多数のピクセルを含む場合、パイロットによって肉眼で識別可能であると見なされ、閾値ピクセル数は、1インチ当たりの表示ドット、パイロットの視力および背景に対するこれらのピクセルの色のコントラストなどの因子からそれ自体既知の方法で決まる。
【0059】
詳細には、この好ましい実施形態によれば、コマンド信号S
cが入力データD
iとモニタリングデータD
mの対応を示す場合(すなわち、中間ビデオフレームVF
iを生成するために入力データD
iを処理する際のグラフィックスジェネレータ20の正常動作を示す場合)、表示モニタリングユニット26は、中間ビデオフレームVF
iの第1のフレーム領域40に対応する確認済みビデオフレームVF
cを生成する。ただし、(すべてまたはその一部の)エンコーディングマーカーは存在しない場合がある。さらに詳細には、この場合、表示モニタリングユニット26は、中間ビデオフレームVF
iから第1のフレーム領域40を抽出し、肉眼で識別可能なエンコーディングマーカーを除去する(任意に、肉眼で識別不可能なエンコーディングマーカーも除去する)。例えば、第1のエンコーディングマーカー43は除去され、第2のエンコーディングマーカー62は残される場合がある。 第1のエンコーディングマーカー43を除去した後の確認済みビデオフレームVF
cの対気速度領域の例を、新しい参照番号40a’で
図6に示す。このように処理された第1のフレーム領域40は、表示モニタリングユニット26によって確認済みビデオフレームVF
cとして出力される。この場合に生成された確認済みビデオフレームVF
cの例を
図7に示す。
図7は、第1のエンコーディングマーカー43のない対気速度領域40a’および高度領域40b’を示している。別の実施形態によれば、確認済みビデオフレームVF
cは、中間ビデオフレームVF
iの第1のフレーム領域40と一致する(すなわち、肉眼で識別可能なエンコーディングマーカー43、62を含む)。
【0060】
一方、コマンド信号Scが入力データDiとモニタリングデータDmの対応の欠如を示す場合(すなわち、中間ビデオフレームVFiを生成するために入力データDiを処理する際のグラフィックスジェネレータ20の異常動作を示す場合)、表示モニタリングユニット26は、表示されるPFDデータの信頼性の欠如をパイロットに通知する前記警告信号を生成することができる。
【0061】
警告信号は、表示されるPFDデータに関するこの安全性の重要な状態についてパイロットに警告するように構成されたグラフィックスを有する確認済みビデオフレームVFcを含むことができる。例えば、確認済みビデオフレームVFcは、中間データを示さないグラフィックス(例えば、すべてのピクセルが同じ色の値を有するグラフィックスであり、パイロットに情報を提供しない)、または識別可能なエンコーディングマーカーのない中間ビデオフレームVFiの第1のフレーム領域40であって、さらに警告信号(例えば、確認済みビデオフレームVFcまたは不正確に表示された中間データに対して配置された赤い十字またはそれに相当する記号、文字メッセージまたは視覚的な警告、例えば安全性の重要な状態をパイロットに通知するように設計された特定の色で色付けされた確認済みビデオフレームVFcの特定の領域、例えば赤色で色付けされた領域)を含むグラフィックスであり得る。
【0062】
上記に加えて、または上記の代わりに、警告信号は、図示せず、表示システム10の外部にあるが、それに動作可能に結合した外部警告手段(例えば、航空機のコックピットに配置されたLEDなどのインジケータライトまたはスピーカー)によってパイロットに提供される警告信号を含むことができる。例えば、この場合、表示モニタリングユニット26は、確認済みビデオフレームVFcを生成することができる(中間データを示さないグラフィックスの形式、または識別可能なエンコーディングマーカーのない中間ビデオフレームVFiの第1のフレーム領域40の形式で、すなわち、安全性の重要な状態が発生しなかった場合と全く同じように )。これに加えて、表示モニタリングユニット26に動作可能に結合した外部警告手段によって提供される警告の形式で前記警告信号を生成する。
【0063】
次に、表示パネル24は確認済みビデオフレームVFcを受信し、それをパイロットに表示する。
【0064】
一般に、グラフィックスジェネレータ20、表示制御ユニット22および表示モニタリングユニット26は、FPGA、専用コントローラまたはCPUなどの制御ユニットである。任意に、表示制御ユニット22および表示パネル24は、表示システム10の表示手段(図示せず)を形成する。
【0065】
図8は、表示システム10によって実施される、PFDデータの信頼性を向上させて表示する方法100(すなわち、確認済みビデオフレームVF
cを生成する方法)を示す。
【0066】
詳細には、方法100の1回の反復がここで説明され、表示パネル24によって表示されるビデオの1つのフレームに対応する。しかしながら、これらのステップを複数回繰り返すことによって、表示パネル24はPFDデータの時間変化を視覚的に表すビデオを表示できることは明らかである。
【0067】
さらに、以下のステップの詳細は、簡潔にするために、既に前述したものを以下では繰り返さない。
【0068】
方法100のステップ110では、グラフィックスジェネレータ20によって入力データDiが取得される。
【0069】
ステップ110に続くステップ112では、入力データDiに基づいてグラフィックスジェネレータ20によって、中間ビデオフレームVFiを示す中間ビデオフレーム信号が生成される。
【0070】
ステップ112に続くステップ114では、表示制御ユニット22によって中間ビデオフレームVFiからモニタリングデータDmが決定(例えば、抽出)される。
【0071】
ステップ114に続くステップ116では、モニタリングデータDmと入力データDiとが表示モニタリングユニット26によって互いに比較され、それらが対応するか否かが判定される。
【0072】
ステップ116に続くステップ118では、モニタリングデータDmと入力データDiとの相互対応の有無に基づいて、表示モニタリングユニット26によってコマンド信号Scが生成される。
【0073】
ステップ118に続くステップ120では、コマンド信号Scおよび中間ビデオフレームVFiに基づいて、表示制御ユニット22によって確認済みビデオフレームVFcまたは(任意に)警告信号が生成される。詳細には、モニタリングデータDmと入力データDiとが相互に対応する場合、入力データDiを視覚的に表す確認済みビデオフレームVFcが生成され、パイロットに表示される。一方、モニタリングデータDmと入力データDiとが相互に対応しない場合、警告信号が生成され、信頼できるPFDデータが表示できないことをパイロットに通知する。
【0074】
ステップ120に続く(任意の)ステップ122では、コマンド信号Scに応じて、確認済みビデオフレームVFcが表示パネル24を介してパイロットに表示されるか、または任意に、前述のように警告信号がパイロットに提示される。
【0075】
以上より、本発明による表示システム10および方法100の利点は明らかである。
【0076】
表示システム10は、HMIに提示される安全性の重要なデータの効果的な独立したモニタリング技術を可能にすることにより、特に航空機の主要フライトデータ(対気速度、高度、ピッチ角およびロール角)に焦点を当てて、パイロットへの誤解を招く情報の提示を回避する。詳細には、この解決策は、GPU(またはラスターコントローラーデバイス)によって出力されるビデオフレームを監視し、ビデオ自体に含まれる安全性の重要なデータの正確性を検証することで、(カスタムデバイスの代わりに)一般的なCOTS GPUも、主要フライトディスプレイ用のグラフィックスを生成するために安全に使用できる。
【0077】
さらに、重要なシンボル/データは、COTS GPU(またはラスターコントローラーデバイス)によって、生成されるビデオストリーム上で直接チェックされる。したがって、表示されるビデオに直接関連しない非表示の領域(すなわち、ビデオバッファまたはビデオフレームの余剰領域)にモニタリング専用の追加のシンボル/パターンを描画する必要がない。
【0078】
さらに、エンコーディングマーカー43、62を使用してモニタリングデータDmを決定することは、エンコーディングマーカー43、62が、それらが関連付けられる各数字44またはバー52、54よりも小さいサイズを有するという利点を有する。言い換えれば、それらは、数字44およびバー52、54よりも少ないピクセルでコード化される。したがって、数字44およびバー52、54に対して、モニタリングデータDmを決定するためにエンコーディングマーカー43、62を処理するのに必要な計算コストは低くなる。
【0079】
記載した表示システム10および方法100に変更を加えることができることは明らかであるが、それは特許請求の範囲によって定義される保護の範囲を超えるものではない。
【0080】
例えば、同じ解決策および技術は、航空機のコックピットのHMIだけでなく、自動車のディスプレイ、産業用制御パネルなど、誤解を招く情報を避けるために表示されるデータを監視する必要がある他の分野にも採用することができる。一般に、本発明は、任意の分野(自動車、産業など)の応用において、COTS GPUで生成されたグラフィックスに表示される重要なデータを監視するために使用することができる。
【0081】
したがって、
図9に示すように、表示システム10は、ナビゲーションまたは安全性の重要なミッションのために計器による支援を利用する輸送機器150(例えば、飛行機、ヘリコプター、無人航空機などの航空機、および潜水艦、ホバークラフトなどの水上機、最終的には最新の救助用ドローンなどであるが、これらに限定さない)に含めることができる。輸送機器150は一般的なタイプであり、ユーザー(例えば、パイロット)によって操作することができ、さらに表示システム10に結合したセンサー152を含むことができる。センサー152は、入力データD
iを取得するように構成されている。原理的には、表示システム10および方法100は、輸送機器150上で、または輸送機器150によって特定の動作を選択、選定、および実行するためにユーザーによって表示データが使用される任意の使用事例に適用可能である。
【0082】
さらに、制御データは、中間ビデオフレームVFiとは別に、例えば、別の通信チャネルを介して、中間ビデオフレームVFiに埋め込まれたデータとしてではなく、グラフィックスジェネレータ20から表示制御ユニット22に提供することができる。この実施形態によれば、中間ビデオフレームVFiは第1のフレーム領域40のみを含み、制御データをエンコードする第2のフレーム領域42を含まない。これらは、中間ビデオフレームVFiとは独立して(例えば、中間ビデオフレームVFiに対して並行して、すなわち後者に対して同期された方法で)、表示制御ユニット22に送信される。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによって操作可能な輸送機器用の表示システム(10)であって、前記表示システム(10)は、
― 前記輸送機器の1つ以上の動作パラメータを示す
入力データ(D
i)を取得し、前記
入力データ(D
i)に基づいて中間ビデオフレーム(VF
i)を示す中間ビデオフレーム信号を生成するように構成されたグラフィックスジェネレータ(20)であって、
前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、
モニタリングデータ(D
m)の視覚表現である第1のフレーム領域(40)を含み、前記第1のフレーム領域(40)は、前記
モニタリングデータ(D
m)に一意に関連付けられたエンコーディングマーカー(43、62)を含み、
前記
モニタリングデータ(D
m)と前記
入力データ(D
i)とは、前記グラフィックスジェネレータ(20)の正常動作の状態下で相互に対応し、前記グラフィックスジェネレータ(20)の異常動作の状態下で相互に対応しない、グラフィックスジェネレータ(20);
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)に結合し、かつ前記中間ビデオフレーム信号を受信し、前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記
モニタリングデータ(D
m)を決定するように構成された表示制御ユニット(22);および
― 前記表示制御ユニット(22)に結合し、かつ前記
入力データ(D
i)および前記エンコーディングマーカー(43、62)から決定された前記
モニタリングデータ(D
m)の両方を受信し、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とを相互に比較し、そして前記比較に基づいてコマンド信号(S
c)を生成するように構成された表示モニタリングユニット(26)であって、前記コマンド信号(S
c)は、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)との対応、または対応の欠如を示す表示モニタリングユニット(26);
を備えており、
さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記コマンド信号(S
c)を受信し、かつ前記コマンド信号(S
c)および前記中間ビデオフレーム(VF
i)に基づいて、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とが対応する場合、前記ユーザーに表示されるように構成される、前記
モニタリングデータ(D
m)の視覚表現である確認済みビデオフレーム(VF
c)を示す確認済みビデオフレーム信号を生成するように構成され
、
さらに、前記表示システム(10)は、前記表示制御ユニット(22)に結合し、かつ前記確認済みビデオフレーム信号を受信し、前記入力データ(D
i
)と前記モニタリングデータ(D
m
)とが対応する場合、前記ユーザーに前記確認済みビデオフレーム(VF
c
)を表示するように構成された表示パネル(24)を備え、
さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記入力データ(D
i
)と前記モニタリングデータ(D
m
)とが対応しない場合、前記グラフィックスジェネレータ(20)の前記異常動作の状態を前記ユーザーに通知するように前記ユーザーに提供されるように構成された警告信号を生成するように構成され、
さらに、前記表示パネル(24)が、前記警告信号を受信し、前記入力データ(D
i
)と前記モニタリングデータ(D
m
)とが対応しない場合、それを前記ユーザーに表示するように構成され、
さらに、前記グラフィックスジェネレータ(20)が、前記中間ビデオフレーム(VF
i
)の前記第1のフレーム領域(40)における前記エンコーディングマーカー(43、62)の前記位置を示す制御データを生成するように構成され、ならびに
さらに、前記表示制御ユニット(22)が、前記制御データを受信し、前記エンコーディングマーカー(43、62)をデコードすることによって前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記モニタリングデータ(D
m
)を決定するために、前記制御データに基づいて前記第1のフレーム領域(40)で前記エンコーディングマーカー(43、62)を識別するように構成された、
表示システム。
【請求項2】
前記グラフィックスジェネレータ(20)は、前記制御データを、前記中間ビデオフレーム信号とは別に、または前記中間ビデオフレーム(VF
i)の第2のフレーム領域(42)にエンコードされたものとして生成するように構成され、前記第2のフレーム領域(42)は、前記中間ビデオフレーム(VF
i)内で前記第1のフレーム領域(40)に隣接して配置される、
請求項
1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記輸送機器は航空機であり、前記
入力データ(D
i)は入力主要フライトディスプレイ(PFD)データを含み、前記
モニタリングデータ(D
m)はモニタリングPFDデータを含む、
請求項
1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記モニタリングPFDデータは、前記中間ビデオフレーム(VF
i)において、それぞれ1つ以上の各数字(44)を介して視覚的に表現される1つ以上のデータを含み、
前記エンコーディングマーカー(43、62)の各第1のエンコーディングマーカー(43)は、各数字(44)に一意に関連付けられ、各第1のエンコーディングマーカー(43)は、前記中間ビデオフレーム(VF
i)の前記第1のフレーム領域(40)内の特定の所定のピクセルパターンである、
請求項
3に記載の表示システム。
【請求項5】
各第1のエンコーディングマーカー(43)は、各バーコードまたはQRコードである、
請求項
4の表示システム。
【請求項6】
前記モニタリングPFDデータは、前記中間ビデオフレーム(VF
i)において、姿勢バー(52)およびピッチ基準バー(54)を含む姿勢指示器(50)を介して視覚的に表現されるモニタリングピッチ角および/またはモニタリングロール角を含み、
前記エンコーディングマーカー(43、62)の第2のエンコーディングマーカー(62)は、前記姿勢指示器(50)に一意に関連付けられ、第2の姿勢エンコーディングマーカー(63’)および第2のピッチエンコーディングマーカー(63’’)を含み、各第2の姿勢エンコーディングマーカー(63’)は1つの各姿勢バー(52)内に含まれ、各第2のピッチエンコーディングマーカー(63’’)は1つの各ピッチ基準バー(54)内に含まれるので、前記第2の姿勢エンコーディングマーカー(63’)と前記第2のピッチエンコーディングマーカー(63’’)の相対位置は、前記モニタリングピッチ角および/または前記モニタリングロール角を示す、
請求項
3に記載の表示システム。
【請求項7】
各第2のエンコーディングマーカー(62)は、所定の色のエンコーディングを有する、前記中間ビデオフレーム(VF
i)の前記第1のフレーム領域(40)内の1つ以上のピクセルを含む、
請求項
6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、前記ユーザーによって肉眼で識別可能な前記エンコーディングマーカー(43、62)を含まない、
請求項
1に記載の表示システム。
【請求項9】
請求項
1に記載の表示システム(10)を備える、輸送機器(150)。
【請求項10】
前記輸送機器は航空機であり、前記ユーザーは前記航空機のパイロットである、
請求項
9に記載の輸送機器。
【請求項11】
前記表示システム(10)に結合し、前記
入力データ(D
i)を測定するように構成された1つ以上のセンサー(152)をさらに備える、
請求項
9に記載の輸送機器。
【請求項12】
前記表示制御ユニット(22)は、さらに、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とが対応しない場合、前記グラフィックスジェネレータ(20)の前記異常動作の状態を前記ユーザーに通知するように前記ユーザーに提供されるように構成された警告信号を生成するように構成され、
前記輸送機器(150)は、さらに、前記表示システム(10)に結合し、かつ前記警告信号を受信し、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とが対応しない場合、それを前記ユーザーに提供するように構成された警告手段を備える、
請求項
9に記載の輸送機器。
【請求項13】
輸送機器のユーザーに、前記ユーザーによって操作可能な前記輸送機器の1つ以上の動作パラメータを示す確認済みビデオフレーム(VF
c)を表示するための方法(100)であって、
前記方法(100)は、相互に動作可能に結合したグラフィックスジェネレータ(20)、表示制御ユニット(22)、
表示パネル(24)、および表示モニタリングユニット(26)を含む表示システム(10)によって実行され、
前記方法(100)は、
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)によって、前記輸送機器の前記1つ以上の動作パラメータを示す
入力データ(D
i)を取得するステップ(110);
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)によって、前記
入力データ(D
i)に基づいて、中間ビデオフレーム(VF
i)を示す中間ビデオフレーム信号を生成するステップ(112)であって、
前記中間ビデオフレーム(VF
i)は、
モニタリングデータ(D
m)の視覚表現である第1のフレーム領域(40)を含み、前記第1のフレーム領域(40)は、前記
モニタリングデータ(D
m)に一意に関連付けられたエンコーディングマーカー(43、62)を含み、
前記
モニタリングデータ(D
m)と前記
入力データ(D
i)とは、前記グラフィックスジェネレータ(20)の正常動作の状態下では相互に対応し、前記グラフィックスジェネレータ(20)の異常動作の状態下では相互に対応しない、ステップ(112);
― 前記表示制御ユニット(22)によって、前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記
モニタリングデータ(D
m)を決定するステップ(114);
― 前記表示モニタリングユニット(26)によって、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とを相互に比較するステップ(116);
― 前記表示モニタリングユニット(26)によって、前記比較に基づいて、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)の間の前記対応、または前記対応の欠如を示すコマンド信号(S
c)を生成するステップ
;
― 前記コマンド信号(S
c)および前記中間ビデオフレーム(VF
i)に基づいて、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とが対応する場合、前記表示制御ユニット(22)によって、前記ユーザーに表示される、前記
モニタリングデータ(D
m)の視覚表現である前記確認済みビデオフレーム(VF
c)を示す確認済みビデオフレーム信号を生成するステップ(120);
― 前記表示パネル(24)を介して、前記確認済みビデオフレーム信号を受信するステップ;
― 前記入力データ(D
i
)と前記モニタリングデータ(D
m
)とが対応しない場合、前記表示制御ユニット(22)を介して、前記グラフィックスジェネレータ(20)の前記異常動作の状態を前記ユーザーに通知するように前記ユーザーに提供されるように構成された警告信号を生成するステップ;および
― 前記表示パネル(24)を介して、前記警告信号を受信し、前記入力データ(D
i
)と前記モニタリングデータ(D
m
)とが対応しない場合、それを前記ユーザーに表示するステップ;
を含んでおり、
さらに、前記方法(100)は、
― 前記グラフィックスジェネレータ(20)によって、前記中間ビデオフレーム(VF
i
)の前記第1のフレーム領域(40)における前記エンコーディングマーカー(43、62)の位置を示す制御データを生成するステップ;
― 前記表示制御ユニット(22)によって、前記制御データを受信するステップ;および
― 前記表示制御ユニット(22)によって、前記エンコーディングマーカー(43、62)をデコードすることによって前記エンコーディングマーカー(43、62)に基づいて前記モニタリングデータ(D
m
)を決定するために、前記制御データに基づいて前記第1のフレーム領域(40)で前記エンコーディングマーカー(43、62)を識別するステップ;
を含む、方法。
【請求項14】
前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とを相互に比較する前記ステップ(116)は、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とが所定の相互関係を満たすか否かを検証するステップを含み、前記所定の相互関係は、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とが互いに一致する場合、または前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)との間の相対差が閾値差よりも小さい場合に満たされ、前記
入力データ(D
i)と前記
モニタリングデータ(D
m)とは、前記所定の相互関係が満たされる場合には対応し、前記所定の相互関係が満たされない場合には対応が欠如する、
請求項
13に記載の方法。
【国際調査報告】