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特表2025-502721デジタル空間プロテオミクスのためのBODIPYベースの色素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】デジタル空間プロテオミクスのためのBODIPYベースの色素
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/68 20060101AFI20250121BHJP
   C07F 5/02 20060101ALI20250121BHJP
   C07K 2/00 20060101ALN20250121BHJP
【FI】
G01N33/68
C07F5/02 D
C07K2/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538010
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 US2022053765
(87)【国際公開番号】W WO2023122248
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,683
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/339,137
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】301069856
【氏名又は名称】トラスティーズ オブ ボストン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ビーラー, アーロン ビーティ
(72)【発明者】
【氏名】エミリ, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】レニハン, ジェイソン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリック, ナサニエル ライアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, イチュン アンダーソン
【テーマコード(参考)】
2G045
4H045
4H048
【Fターム(参考)】
2G045DA35
2G045FA16
2G045FA29
2G045FB12
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA70
4H045EA50
4H048AA01
4H048AA03
4H048AB92
4H048VA11
4H048VA12
4H048VA20
4H048VA30
4H048VA32
4H048VA40
4H048VA77
(57)【要約】
本開示は、アミノ酸を検出/特定するため、およびポリペプチド分子の配列を決定するための、組成物、キットおよび方法を提供する。本明細書に記載されている試薬、キットおよび方法は、アミノ酸を検出/特定するために有用である。アミノ酸は、ポリペプチドの一部とすることができる。したがって、本明細書に記載されている試薬、キットおよび方法はまた、単一ポリペプチド分子、単一ポリペプチドからなる複数の分子、または複数の異なる単一ポリペプチド分子の配列を決定するのに有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸を特定する方法であって、前記方法が、
(a)アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、前記プローブが、前記アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、
(b)前記アミノ酸にコンジュゲートされている前記プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、および
(c)前記プローブの前記蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、前記アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされている前記プローブを代表するものである、ステップ
を含む方法。
【請求項2】
複数のアミノ酸を特定する多重方法であって、前記方法が、
(a)複数のプローブを複数のアミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはチオール基にコンジュゲートするステップであって、前記複数の前記プローブにおける各プローブが、異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、
(b)前記複数の前記アミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、および
(c)前記プローブの前記複数の前記蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、前記アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされている前記プローブを代表するものである、ステップ
を含む多重方法。
【請求項3】
前記プローブが、前記アミノ酸に共有結合によりコンジュゲートされている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記プローブが、前記アミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはチオール基にコンジュゲートされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プローブが、前記アミノ酸のアミノ基にコンジュゲートされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プローブが、前記アミノ酸のカルボキシル基にコンジュゲートされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アミノ酸が試料中に存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アミノ酸がポリペプチド中に存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記アミノ酸が、前記ポリペプチドのN末端に存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アミノ酸が、前記ポリペプチドのC末端に存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ポリペプチドの配列を決定する方法であって、
(a)前記ポリペプチドの末端アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、前記プローブが、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、
(b)前記ポリペプチドの前記末端アミノ酸に結合した前記プローブの蛍光を検出することによって、前記末端アミノ酸にコンジュゲートされている前記プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、
(c)前記プローブの前記蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、前記ポリペプチドの対応する末端アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされている前記プローブを代表するものである、ステップ、
(d)前記ポリペプチドの前記末端アミノ酸を開裂するステップ、および
(e)ステップ(a)~(d)を1回または複数回、逐次、繰り返して、前記ポリペプチドの少なくとも一部の配列を決定するステップ
を含む方法。
【請求項12】
複数のポリペプチドの配列を決定する多重方法であって、
(a)前記複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸に複数のプローブをコンジュゲートするステップであって、
前記複数の前記プローブにおける各プローブが、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、
(b)前記複数のポリペプチドの各々の前記末端アミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、
(c)前記プローブの前記蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、前記複数の前記ポリペプチドの各々の対応する末端アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされている前記プローブを代表するものである、ステップ、
(d)前記複数のポリペプチドの各々の前記末端アミノ酸を開裂するステップ、および
(e)ステップ(a)~(d)を1回または複数回、逐次、繰り返して、前記複数のポリペプチドの各々の少なくとも一部の配列を決定するステップ
を含む多重方法。
【請求項13】
前記複数の前記プローブにおける前記プローブが同じである、請求項2または12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の前記プローブにおける少なくとも2つのプローブが異なる、請求項2または12に記載の方法。
【請求項15】
前記末端アミノ酸が、前記ポリペプチドのN末端に存在する、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記末端アミノ酸が、前記ポリペプチドのC末端に存在する、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記末端アミノ酸を開裂する前記ステップが、酵素による開裂を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記末端アミノ酸を開裂する前記ステップが化学的開裂を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ポリペプチドが試料中に存在する、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、前記複数のポリペプチドを含む前記試料中の、空間分解位における前記複数のポリペプチドの各々の前記末端アミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数のスペクトル特性を検出するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記試料が生体試料である、請求項7、19または20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記生体試料が、生体液、組織、器官、細胞である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記コンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性を前記検出するステップが、超解像顕微鏡法を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記超解像顕微鏡法が、確率論的再構築光学顕微鏡法(STORM)を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
1つまたは複数のスペクトル特性を検出するステップが、前記コンジュゲートされているプローブの蛍光を検出することを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記コンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性を検出するステップが、蛍光発光強度、極性/異方性または寿命を検出することを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記発光強度、極性/異方性または寿命を前記検出するステップが、単一波長におけるものである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記発光強度、極性/異方性または寿命を前記検出するステップが、複数の波長におけるものであることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ジピロロメタン-BF2誘導体が、不安定基または反応性基を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記ジピロロメタン-BF2誘導体が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記プローブが、前記4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体の8位(メソ位)を介してコンジュゲートされている、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体が、8位(メソ位)に不安定基または反応性基を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記プローブが、式(I):
【化24】
(式中、
、R、R、R、R、R、RおよびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、および不安定基または脱離基からなる群からそれぞれ独立して選択され、ただし、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、不安定基または脱離基であることを条件とし、
アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよい)
のものである、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
が、不安定基または脱離基である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
が、必要に応じて置換されているアルキルチオ、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルコキシル、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステルおよびジアゾニウムである、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
が、-SR8Sまたはハロゲンであり、R8Sが、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
8Sが、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
8Sが、メチル、アリル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-ニトロフェニル、ベンジルまたは4-メトキシベンジルであり、必要に応じて、R8Sが、メチルである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つがHではない、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子求引基(EWG)である、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子供与基(EDG)である、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
、RおよびRのうちの少なくとも2つが同じである、請求項33~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
、RおよびRのうちの少なくとも2つが異なる、請求項33~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
およびRが異なるか、またはRおよびRが異なるか、またはRおよびRが異なる、請求項33~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
およびRが同じであり、RおよびRが同じであり、RおよびRが同じである、請求項33~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、請求項33~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
が、Hまたはメチルである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項33~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、請求項33~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R9A、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R9Aが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、請求項33~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、請求項33~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
が、H、メチルまたは-CH=CH-R9Aであり、R9Aが、必要に応じて置換されているフェニルである、請求項33~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
9Aが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
9Aが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、請求項33~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R9B、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R9Bが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、請求項33~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、請求項33~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
が、H、メチルまたは-CH=CH-R9Bであり、R9Bが、必要に応じて置換されているフェニルである、請求項33~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
9Bが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
9Bが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項33~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、請求項33~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
が、Hまたはメチルである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
、R、R、R、RおよびRが、Hである、請求項33~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
式(I)の化合物:
【化25】
(式中、
、R、R、R、R、R、RおよびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、および不安定基または脱離基からなる群からそれぞれ独立して選択され、ただし、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、不安定基または脱離基であることを条件とし、
アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよく、
ただし、
(i)R8Sがメチルである場合、
a. R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、
b. R、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、メチルでもエチルでもp-ニトロフェニルでもない、
c. R、R、RおよびRは、メチルではなく、RおよびRは、Hではない、
d. RおよびRは、Hではなく、R、R、RおよびRは、ClでもBrでもない、
e. R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、-C(O)Hではない、
f. Rは、p-ニトロフェニルではなく、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、メチルではない、および
g. R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、フェニルでもp-ニトロフェニルでもp-ヨードフェニルでもp-カルボキシリックフェニルでも、p-メトキシフェニルでもなく、
(ii)R8Sが、アリル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、n-ドデシル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、p-メチルフェニル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニルまたはベンジル(-CHPH)である場合、R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、および
(iii)RがClである場合、
a. R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、
b. R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、Clではない、
c. R、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、Clではない、
d. R、RおよびRは、Hではなく、R、RおよびRは、Clではない、および
e. R、R、R、R、RおよびRは、Clではないことを条件とする)。
【請求項68】
が、不安定基または脱離基である、請求項67に記載の化合物。
【請求項69】
が、必要に応じて置換されているアルキルチオ、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルコキシル、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステルおよびジアゾニウムである、請求項67または68に記載の化合物。
【請求項70】
が、-SR8Sまたはハロゲンであり、R8Sが、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、請求項67~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
8Sが、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、請求項70に記載の化合物。
【請求項72】
8Sが、メチル、アリル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-ニトロフェニル、ベンジルまたは4-メトキシベンジルであり、必要に応じて、R8Sが、メチルである、請求項71に記載の化合物。
【請求項73】
、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つがHではない、請求項67~72のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項74】
、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子求引基(EWG)である、請求項67~73のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子供与基(EDG)である、請求項67~73のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
、RおよびRのうちの少なくとも2つが同じである、請求項67~75のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
、RおよびRのうちの少なくとも2つが異なる、請求項67~75のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項78】
およびRが異なるか、またはRおよびRが異なるか、またはRおよびRが異なる、請求項66~77のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項79】
およびRが同じであり、RおよびRが同じであり、RおよびRが同じである、請求項67~78のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項80】
が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、請求項67~79のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
が、Hまたはメチルである、請求項80に記載の化合物。
【請求項82】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項67~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項82に記載の化合物。
【請求項84】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、請求項67~83のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、Rが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、請求項67~84のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項86】
が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、請求項67~85のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
が、H、メチルまたは-CH=CH-R9Aであり、Rが、必要に応じて置換されているフェニルである、請求項67~86のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項88】
9Aが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、請求項87に記載の化合物。
【請求項89】
9Aが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、請求項67~89のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項91】
が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R9B、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R9Bが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、請求項67~90のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項92】
が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、請求項67~91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項93】
が、H、メチルまたは-CH=CH-R9Bであり、R9Bが、必要に応じて置換されているフェニルである、請求項67~91のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項94】
9Bが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、請求項93に記載の化合物。
【請求項95】
9Bが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項67~95のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項97】
が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項96に記載の化合物。
【請求項98】
が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、請求項67~97のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項99】
式(II)の化合物:
【化26】
(式中、
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドおよびアミノ酸からなる群からそれぞれ独立して選択され、ただし、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28のうちの少なくとも1つは、アミノ酸であることを条件とし、
アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよい)。
【請求項100】
28がアミノ酸である、請求項99に記載の化合物。
【請求項101】
21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つがHではない、請求項99~100のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項102】
21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つが、電子求引基(EWG)である、請求項99~101のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項103】
21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つが、電子供与基(EDG)である、請求項99~102のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項104】
21、R22およびR23のうちの少なくとも2つが同じである、請求項99~103のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項105】
21、R22およびR23のうちの少なくとも2つが異なる、請求項99~103のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項106】
21およびR27が異なるか、またはR22およびR26が異なるか、またはR23およびR25が異なる、請求項99~105のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項107】
21およびR27が同じであり、R22およびR26が同じであり、R23およびR25が同じである、請求項99~105のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項108】
21が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、請求項99~107のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項109】
21が、Hまたはメチルである、請求項108に記載の化合物。
【請求項110】
22が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項99~109のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項111】
22が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項110に記載の化合物。
【請求項112】
23が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、請求項99~111のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項113】
23が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R29A、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R29Aが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項114】
23が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、請求項99~113のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項115】
23が、H、メチルまたは-CH=CH-R29Aであり、R29Aが、必要に応じて置換されているフェニルである、請求項99~113のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項116】
29Aが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、請求項115に記載の化合物。
【請求項117】
29Aが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、請求項116に記載の化合物。
【請求項118】
25が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、請求項99~117のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項119】
25が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R29B、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R29Bが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、請求項99~118のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項120】
25が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、請求項99~119のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項121】
25が、H、メチルまたは-CH=CH-R29Bであり、R29Bが、必要に応じて置換されているフェニルである、請求項99~119のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項122】
29Bが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、請求項121に記載の化合物。
【請求項123】
29Bが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、請求項122に記載の化合物。
【請求項124】
26が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項99~123のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項125】
26が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、請求項124に記載の化合物。
【請求項126】
27が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、請求項99~125のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項127】
が、Hまたはメチルである、請求項126に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2021年12月22日出願の米国仮出願第63/292,683号、および2022年5月6日出願の米国仮出願第63/339,137号の利益を主張し、それらの両方の内容の全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本発明の分野は、アミノ酸を検出/特定するため、およびポリペプチド分子の配列を決定するための、組成物、キットおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
タンパク質は、細胞機能およびその発現の基礎をなすものであり、位置および存在量は、健康な細胞と罹患細胞とを特定するために重要である。速やかな細胞内タンパク質の特定は、生物医学研究における新しいパラダイムを可能にすると思われ、これによって、科学者は、細胞において、疾患および加齢がタンパク質ネットワークにどのように影響を及ぼすのかを決定することが可能となる。
【0004】
本明細書に記載されている発明は、溶液中および生体環境(例えば、血液、血漿、血清、細胞、組織など)中のタンパク質およびアミノ酸を検出する、ならびにこれらの濃度を決定する新規色素ならびに方法を含む。
【0005】
複雑な生体試料において、同時に、アミノ酸を検出/特定するため、ならびにポリペプチド分子の配列を決定するため、ならびに多数の様々なタンパク質の特定、定量およびイメージングを行うための試薬、方法ならびにアッセイが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
要約
一態様では、アミノ酸を特定する方法が、本明細書において提供される。一般に、本方法は、異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なるスペクトル特性、例えば、異なる蛍光スペクトル特性を示すプローブをコンジュゲートするステップを含む。プローブが、アミノ酸に一旦、コンジュゲートされると、アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性が測定または検出される。アミノ酸は、蛍光スペクトル特性、例えば、プローブの蛍光スペクトル特性と、複数の参照スペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性とを比較することによって特定され、参照スペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性はそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである。
【0007】
プローブは、アミノ酸のあらゆる可能な位置においてコンジュゲートされ得る。例えば、プローブは、アミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはチオール基に、コンジュゲートされ得る、例えば、共有結合により連結され得る。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、プローブは、アミノ酸のアミノ基にコンジュゲートされている、例えば、共有結合により連結されている。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、プローブは、アミノ酸のカルボキシル基にコンジュゲートされている、例えば、共有結合により連結されている。
【0008】
プローブは、アミノ酸にコンジュゲートされている場合、異なるスペクトル特性、例えば、異なる蛍光スペクトル特性を特定または検出するための方法に利用されるので、本明細書に記載されている方法は、例えば、多重形式で1つより多くのアミノ酸を同時に検出/特定するために使用することができる。したがって、別の態様では、複数のアミノ酸を検出または特定する多重方法が、本明細書において提供される。一般に、本方法は、複数のアミノ酸に複数のプローブをコンジュゲートするステップであって、プローブが、異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なるスペクトル特性、例えば、異なる蛍光スペクトル特性を示す、ステップを含む。プローブが、アミノ酸に一旦、コンジュゲートされると、アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性が検出または測定される。アミノ酸は、プローブの複数の蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって特定または検出され、参照蛍光スペクトル特性はそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである。一部の実施形態では、複数のプローブは、同一である。
【0009】
特定/検出されるアミノ酸は、ポリペプチドの一部とすることができる。アミノ酸がポリペプチドの一部である場合、該アミノ酸は、ポリペプチド中のどこかに存在し得る。例えば、アミノ酸は、ポリペプチドのN末端に存在し得る。一部の他の非限定例では、アミノ酸は、ポリペプチドのC末端に存在し得る。さらに一部の他の非限定例では、アミノ酸は、ポリペプチドの内部に、すなわち非末端位に存在し得る。
【0010】
特定/検出されるアミノ酸が、ポリペプチドの末端位に存在する場合、本明細書に記載されている方法は、ポリペプチドの末端アミノ酸を特定/検出するために使用することができる。したがって、別の態様では、ポリペプチドの末端アミノ酸を特定/検出するための方法が、本明細書において提供される。一般に、本方法は、ポリペプチドの末端アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、プローブが、異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なるスペクトル特性、例えば、異なる蛍光スペクトル特性を示す、ステップを含む。プローブが、末端アミノ酸と一旦、コンジュゲートされると、アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性が測定または検出される。アミノ酸は、蛍光スペクトル特性、例えば、プローブの蛍光スペクトル特性と、複数の参照スペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性とを比較することによって特定され、参照スペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性はそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである。
【0011】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチド中のアミノ酸にプローブをコンジュゲートする前に、基材に固定化される。
【0012】
検出/特定される末端アミノ酸は、ポリペプチドの一方の末端に存在し得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、末端アミノ酸は、ポリペプチドのN末端に存在する。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、末端アミノ酸は、ポリペプチドのC末端に存在する。
【0013】
末端アミノ酸を検出/特定するための本明細書に記載されている方法は、1つより多くのポリペプチドの末端アミノ酸を同時に、例えば、多重形式で検出/特定するために使用することができる。したがって、別の態様では、複数のポリペプチドの末端アミノ酸を検出/特定する多重方法が、本明細書において提供される。一般に、本方法は、複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸に複数のプローブをコンジュゲートするステップであって、複数のプローブにおける各プローブが、異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なるスペクトル特性、例えば、異なる蛍光スペクトル特性を示す、ステップを含む。プローブが、末端アミノ酸と一旦、コンジュゲートされると、アミノ酸にコンジュゲートされている各プローブの1つまたは複数のスペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性が測定または検出される。末端アミノ酸は、蛍光スペクトル特性、例えば、プローブの蛍光スペクトル特性と、複数の参照スペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性とを比較することによって特定され、参照スペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性はそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである。
【0014】
本明細書に記載されている方法では、複数のプローブにおけるプローブは、同じであり得るか、または異なり得る。したがって、本明細書に記載されている多重方法のいずれか1つの一部の実施形態では、複数のプローブにおけるプローブは同じである。本明細書に記載されている多重方法のいずれか1つの一部の他の実施形態では、複数のプローブにおける少なくとも2つのプローブは異なる。
【0015】
ポリペプチドの末端アミノ酸を特定/検出する方法は、ポリペプチドの配列を決定するために使用することができる。例えば、末端アミノ酸が検出/特定された後に、ポリペプチドから末端アミノ酸を開裂することができ、新しい末端アミノ酸を検出することができる。検出/特定した後の末端アミノ酸を開裂し、次の末端アミノ酸を検出/特定するこのようなステップは、例えば、ポリペプチドの少なくとも一部の配列を決定するために、1回または複数回、繰り返すことができる。これは、複数のポリペプチドの少なくとも一部の配列を同時に決定するために、多重形態で行うことができる。
【0016】
ポリペプチドの末端アミノ酸を開裂する方法は、当分野で周知であり、当業者に利用可能である。このような方法は、酵素による開裂または化学的開裂を含むことができる。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、末端アミノ酸を開裂するステップは、酵素による開裂を含む。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、末端アミノ酸を開裂するステップは、化学的開裂を含む。
【0017】
アミノ酸またはポリペプチドは、試料中に存在し得る。試料は、生体試料とすることができる。例えば、試料は、生体液、組織、器官および/または細胞とすることができる。
【0018】
異なるスペクトル特性、例えば、蛍光スペクトル特性を示すことができる任意のプローブを利用することができることが留意される。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、プローブは、ジピロロメタン-BF2誘導体である。例えば、プローブは、不安定基または反応性基を含むジピロロメタン-BF2誘導体である。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、プローブは、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体を含むジピロロメタン-BF2誘導体である。ジピロロメタン-BF2誘導体のあらゆる位置が、アミノ酸とのコンジュゲートに使用することができる。例えば、プローブは、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体の8位(メソ位)を介してコンジュゲートされ得る。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体は、8位(メソ位)に不安定基または反応性基を含む。
【0019】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、プローブは、式(I)の化合物:
【化1】
である。
【0020】
式(I)の化合物において、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ(cynao)、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、および不安定基または脱離基からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、不安定基または脱離基である。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ(caboxy)、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル(alkylcarbanoyl)、アリールカルバモイル(arylcarbanoyl)、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0021】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0022】
アミノ酸とコンジュゲートされているプローブもまた、本明細書において開示されている。したがって、別の態様では、式(II)の化合物:
【化2】
が、本明細書において提供される。
【0023】
式(II)の化合物において、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、およびアミノ酸からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28のうちの少なくとも1つは、アミノ酸である。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0024】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R28は、アミノ酸である。
【0025】
アミノ酸は、側鎖中のそのαアミノ基、カルボキシル基または官能基によって、式(II)の残りに連結され得ることが留意される。一部の好ましい実施形態では、アミノ酸は、そのαアミノ基によって式(II)の残りに連結している。
【0026】
さらに別の態様では、本明細書に記載されている1つまたは複数の化合物を含むキットが、本明細書において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、SNAr反応による、例示的な8-チオエーテルBODIPYとタンパク質のN末端との反応性を示す概略図である。
【0028】
図2図2~6は、本明細書に記載されている例示的な合成方法を使用して合成されたいくつかの例示的な化合物(プローブ)を図示する。
図3】同上。
図4】同上。
図5】同上。
図6】同上。
【0029】
図7図7~22は、異なるアミノ酸とコンジュゲートされている、例示的なBODIPY色素、すなわちBDP-001(図7)、BDP-002(図8)、BDP-003(図9)、Bodipy-004(図10)、Bodipy-005(図11)、Bodipy-006(図12)、Bodipy-007(図13)、BDP-008(図14)、BDP-009(図15)、BDP-010(図16)、BDP-011(図17)、BDP-012(図18)、Bodipy-013(図19)、Bodipy-014(図20)、BDP-015(図21)およびBodipy-016(図22)の蛍光を示す。
図8】同上。
図9】同上。
図10】同上。
図11】同上。
図12】同上。
図13】同上。
図14】同上。
図15】同上。
図16】同上。
図17】同上。
図18】同上。
図19】同上。
図20】同上。
図21】同上。
図22】同上。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はどちらも、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。さらに、本明細書において使用される項目の見出しは、体系化目的に過ぎず、記載されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0031】
本開示は、アミノ酸およびポリペプチドを検出/特定するための試薬、キットおよび方法を提供する。本明細書に記載されている試薬、キットおよび方法は、アミノ酸を検出/特定するために有用である。アミノ酸は、ポリペプチドの一部とすることができる。したがって、本明細書に記載されている試薬、キットおよび方法はまた、単一ポリペプチド分子、単一ポリペプチドからなる複数の分子、または複数の異なる単一ポリペプチド分子の配列を決定するのに有用である。
【0032】
したがって、一態様では、アミノ酸を検出または特定する方法が、本明細書において提供される。(a)アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、プローブがアミノ酸にコンジュゲートされている場合、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、および(c)プローブの蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することにより、アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップを含む方法。
【0033】
アミノ酸を検出/特定するための本明細書に記載されている方法は、1つより多くのアミノ酸を同時に、例えば、多重形式で検出/特定するために使用することができる。したがって、別の態様では、複数のアミノ酸を検出または特定する多重方法が、本明細書において提供される。(a)複数のアミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはチオール基に複数のプローブをコンジュゲートするステップであって、複数のプローブにおける各プローブが異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)複数のアミノ酸にコンジュゲートした各プローブに対する1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、および(c)プローブの複数の蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することにより、アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップを含む方法。
【0034】
プローブ
本明細書に記載されている様々な態様の実施形態は、プローブを含む。本明細書に記載されている様々な態様の一部の実施形態では、プローブは、式(I)の化合物:
【化3】
である。
【0035】
式(I)の化合物において、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、および不安定基または脱離基からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、不安定基または脱離基である。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0036】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つだけが、不安定基または脱離基である。
【0037】
本明細書において使用する場合、「不安定基」または「脱離基」とは、反応、例えば、求核置換反応などの置換反応において、別の基によって置換されていてもよい基を指す。例示的な不安定基または脱離基としては、以下に限定されないが、ハライド(フルオリド、クロリド、ブロミドおよびヨージド)、アジド、スルホネート(例えば、必要に応じて置換されているC~Cアルカンスルホネート(メタンスルホネートおよびトリフルオロメタンスルホネートなど)または必要に応じて置換されているC~C12アルキルベンゼンスルホネート(p-トルエンスルホネートなど))、スクシンイミド-N-オキシド、p-ニトロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、テトラフルオロフェノキシド、カルボキシレート、アミノカルボキシレート(カルバメート)およびアルコキシカルボキシレート(カーボネート)が含まれる。飽和炭素における置換の場合、ハライドおよびスルホネートが、好ましい脱離基である。カルボニル炭素における置換の場合、ハライド、スクシンイミド-N-オキシド、p-ニトロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、テトラフルオロフェノキシド、カルボキシレートまたはアルコキシカルボキシレート(カーボネート)が、脱離基として例えば使用されてもよい。
【0038】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、不安定基または脱離基は、必要に応じて置換されているアルキルチオ、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルコキシル、ヒドロキシル(hydxoryl)、必要に応じて置換されているアシルオキシ、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステルまたはジアゾニウムである。例えば、不安定基または脱離基は、ハロゲンまたはアルキルチオである。
【0039】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、不安定基または脱離基は、-SRであり、Rは、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、Rは、置換C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、メチル、アリル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-ニトロフェニル、ベンジルまたは4-メトキシベンジルである。一部の好ましい実施形態では、Rは、メチルであり、すなわち不安定基または脱離基は-SMeである。
【0040】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、R、R、R、R、RおよびRは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドからなる群からそれぞれ独立して選択され、Rは、不安定基または脱離基である。
【0041】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-A):
【化4】
である。
【0042】
式(I-A)の化合物において、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドからなる群から独立して選択することができ、R8Sは、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0043】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R8Sは、必要に応じて置換されているアリールである。例えば、R8Sは、必要に応じて置換されているフェニルである。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)、例えば式(I-A)の化合物は、式(I-B):
【化5】
である。
【0044】
式(I-B)の化合物において、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドからなる群から独立して選択することができ、R81、R82、R83、R84およびR85はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0045】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-C)または式(I-D):
【化6】
である。
【0046】
式(I-C)および(I-D)の化合物において、R31、R32、R33、R34およびR35はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R31、R32、R33、R34およびR35のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R8Sは、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0047】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-E)または式(I-F):
【化7】
である。
【0048】
式(I-E)および(I-F)の化合物において、R31、R32、R33、R34およびR35はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R31、R32、R33、R34およびR35のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R81、R82、R83、R84およびR85はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0049】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-G)または式(I-H):
【化8】
である。
【0050】
式(I-G)および(I-H)の化合物において、R31、R32、R33、R34およびR35はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R31、R32、R33、R34およびR35のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R41、R42、R34、R44およびR45はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R41、R42、R34、R44およびR45のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R8Sは、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0051】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-I)または式(I-J):
【化9】
【化10】
である。
【0052】
式(I-I)および(I-J)の化合物において、R31、R32、R33、R34およびR35はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R31、R32、R33、R34およびR35のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R41、R42、R34、R44およびR45はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R41、R42、R34、R44およびR45のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R81、R82、R83、R84およびR85はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0053】

本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。例えば、Rは、必要に応じて置換されているアルキルチオ、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルコキシル、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステルまたはジアゾニウムである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、アルキルチオまたはハロゲンである。
【0054】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、-SR8Sであり、R8Sは、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、R8Sは、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル、必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。
【0055】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R8Sは、メチル、アリル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-ニトロフェニル、ベンジルまたは4-メトキシベンジルである。
【0056】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R8Sは、メチルである。例えば、Rは、-SMeである。
【0057】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、ハロゲンである。例えば、Rは、Cl、Br、IまたはFである。
【0058】

式(I)の化合物において、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたは不安定基もしくは脱離基とすることができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0059】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0060】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、ハロゲンまたは必要に応じて置換されている必要に応じて置換されているアルキルである。例えば、Rは、Hである。一部の他の非限定例では、Rは、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。Rの例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0061】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、Hまたはメチルである。
【0062】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0063】

式(I)の化合物において、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたは不安定基もしくは脱離基とすることができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0064】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0065】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているアシルまたはスルホニルである。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHとすることができる。
【0066】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである。
【0067】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0068】

式(I)の化合物において、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたは不安定基もしくは脱離基とすることができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0069】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0070】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。
【0071】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、Hである。
【0072】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。Rの例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。例えば、Rはメチルである。
【0073】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC~Cアルケニルである。例えば、Rは、-CH=CH-R9Aであり、R9Aは、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0074】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、-CH=CH-R9Aであり、R9Aは、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、Rは、-CH=CH-R9Aであり、R9Aは、必要に応じて置換されているアリールである。R9A基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニルおよびフルオレニルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0075】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、-CH=CH-R9Aであり、R9Aは、必要に応じて置換されているフェニルである。例えば、Rは、-CH=CH-R9Aであり、R9Aは、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基(例えば、1つ、2つまたは3つの置換基)により置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、-CH=CH-R9Aであり、R9Aは、4-フルオロフェニル(fluoropheyl)、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである。
【0076】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、ハロゲンである。例えば、Rは、Br、ClまたはFである。一部の実施形態では、Rは、BrまたはClである。
【0077】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、Rは、必要に応じて置換されているアリールである。R基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニルおよびフルオレニルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0078】
一部の実施形態では、Rは、フェニルまたはナフチルであり、これらはそれぞれ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルまたはアリールからなる群から選択される置換基により必要に応じて置換されていてもよい。例えば、Rは、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル(methylpehnyl)、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチル(napthtyl)である。
【0079】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0080】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0081】

式(I)の化合物において、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたは不安定基もしくは脱離基とすることができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0082】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0083】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。
【0084】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、Hである。
【0085】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。Rの例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。例えば、Rはメチルである。
【0086】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC~Cアルケニルである。例えば、Rは、-CH=CH-R9Bであり、R9Bは、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0087】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、-CH=CH-R9Bであり、R9Bは、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、Rは、-CH=CH-R9Bであり、R9Bは、必要に応じて置換されているアリールである。R9B基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニルおよびフルオレニルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0088】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、-CH=CH-R9Bであり、R9Bは、必要に応じて置換されているフェニルである。例えば、Rは、-CH=CH-R9Bであり、R9Bは、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基(例えば、1つ、2つまたは3つの置換基)により置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、-CH=CH-R9Bであり、R9Bは、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである。
【0089】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、ハロゲンである。例えば、Rは、Br、ClまたはFである。一部の実施形態では、Rは、BrまたはClである。
【0090】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、Rは、必要に応じて置換されているアリールである。R基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニルおよびフルオレニルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0091】
一部の実施形態では、Rは、フェニルまたはナフチルであり、これらはそれぞれ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルまたはアリールからなる群から選択される置換基により必要に応じて置換されていてもよい。例えば、Rは、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0092】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0093】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0094】
およびRは、同じであり得るか、または異なり得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、RおよびRは、同じである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、RおよびRは異なる。
【0095】

式(I)の化合物において、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたは不安定基もしくは脱離基とすることができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0096】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0097】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているアシル、スルホネートまたはスルホニルである。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHとすることができる。
【0098】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである。
【0099】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0100】
およびRは、同じであり得るか、または異なり得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、RおよびRは、同じである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、RおよびRは異なる。
【0101】

式(I)の化合物において、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたは不安定基もしくは脱離基とすることができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0102】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、Rは、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0103】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、H、ハロゲンまたは必要に応じて置換されているアルキルである。例えば、Rは、Hである。一部の他の非限定例では、Rは、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。Rの例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0104】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、Hまたはメチルである。
【0105】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、Rは、不安定基または脱離基である。
【0106】
およびRは、同じであり得るか、または異なり得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、RおよびRは、同じである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、RおよびRは異なる。
【0107】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、Hではない。一部の非限定例では、Rは、Hではない。一部の他の非限定例では、RはHではない。さらに一部の他の非限定例では、RはHではない。さらに一部の他の非限定例では、RはHではない。さらに一部の他の非限定例では、RはHではない。さらに一部の他の非限定例では、RはHではない。
【0108】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、電子求引基(EWG)である。用語「電子求引基」は、当分野において認識されており、隣接原子から電子を求引するよう働く原子または基を表し、すなわち、その置換基は、隣接原子に対して電気陰性である。例示的な電子求引基には、以下に限定されないが、ハロ(例えば、ブロモ、フルオロ、クロロおよびヨード)、ニトロ、カルボキシ、エステル、ホルミル、ケト、アゾ、アミドカルボニル、アミドスルホニル、カルボキサミド、スルホンオキシ、スルホンアミド、ウレイドおよびアリールが挙げられる。一部の非限定例では、Rは、EWGである。一部の他の非限定例では、Rは、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EWGである。
【0109】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、電子供与基(EDG)である。用語「電子供与基」は、当分野において認識されており、隣接原子に対して電気陰性の差異によって(誘起効果)、および/または共役を介するパイ電子を供与することによって(メソメトリー効果)、隣接原子に電子を供与するよう働く原子または基を表す。例示的な電子供与基には、以下に限定されないが、ヒドロキシル、低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシなど)、低級アルキル(メチル、エチルなど)、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、アリールオキシ(フェノキシなど)、アリールアルコキシ(フェノキシなど)、アミノアリール(p-ジメチルアミノフェニルなど)、メルカプトおよびアルキルチオが挙げられる。一部の非限定例では、Rは、EDGである。一部の他の非限定例では、Rは、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、Rは、EDGである。
【0110】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、同じである。例えば、RおよびRは同じである。一部の他の例では、RおよびRは、同じである。さらに一部の他の例では、RおよびRは、同じである。一部の実施形態では、R、RおよびRは、同じである。
【0111】
さらに一部の他の実施形態では、R、RおよびRは、異なる。
【0112】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、同じである。例えば、RおよびRは同じである。一部の他の例では、RおよびRは、同じである。さらに一部の他の例では、RおよびRは、同じである。一部の実施形態では、R、RおよびRは、同じである。
【0113】
さらに一部の他の実施形態では、R、RおよびRは、異なる。
【0114】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、RおよびRは、異なるか、またはRおよびRは異なるか、またはRおよびRは異なる。
【0115】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、RおよびRは、同じであり、RおよびRは同じであり、RおよびRは同じである。
【0116】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R、R、R、R、RおよびRは、同じである。例えば、R、R、R、R、RおよびRは、Hである。
【0117】
本明細書に記載されている様々な態様の一部の実施形態では、R8Sがメチルである場合、(a)R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、(b)R、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、メチルでもエチルでもp-ニトロフェニルでもない、(c)R、R、RおよびRは、メチルではなく、RおよびRは、Hではない、(d)RおよびRは、Hではなく、R、R、RおよびRは、ClでもBrでもない、(e)R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、-C(O)Hではない、(f)Rは、p-ニトロフェニルではなく、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、メチルではない、および/または(g)R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、フェニルでも、p-ニトロフェニルでも、p-ヨードフェニルでも、p-カルボキシリックフェニル(carboxylicphenyl)でも、p-メトキシフェニルでもない。
【0118】
本明細書に記載されている様々な態様の一部の実施形態では、R8Sが、アリル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、n-ドデシル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、p-メチルフェニル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニルまたはベンジル(-CHPH)である場合、R、R、R、R、RおよびRは、Hではない。
【0119】
本明細書に記載されている様々な態様の一部の実施形態では、RがClである場合、(a)R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、(b)R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、Clではない、(c)R、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、Clではない、(d)R、RおよびRは、Hではなく、R、RおよびRは、Clではない、および/または(e)R、R、R、R、RおよびRは、Clではない。
【0120】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(I)の化合物は、アミノ酸に共有結合または非共有結合によりコンジュゲートされている場合、異なる蛍光スペクトル特性を示す。理論によって限定されないが、異なるアミノ酸の側鎖によって誘起される原子相互作用は、特定のアミノ酸にコンジュゲートされているプローブの電子(基底または活性化)状態に影響を及ぼし、これによって、異なる蛍光スペクトル特性をもたらすと考えられる。
【0121】
31
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R31は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R31は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R31は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R31は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R31は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル(trifluomethyl)、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R31は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R31は、水素、メチルまたはエチルである。
【0122】
32
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R32は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R32は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R32は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R32は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R32は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R32は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R32は、水素またはメチルである。
【0123】
33
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R33は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R33は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R33は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R33は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R33は、水素、F、Br、Cl、I、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R33は、水素、F、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R33は、水素、F、メチル、トリフルオロメチルまたはフェニルである。
【0124】
一部の実施形態では、R32およびR33は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成する。
【0125】
34
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R34は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R34は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R34は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R34は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R34は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R34は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R34は、水素またはメチルである。
【0126】
一部の実施形態では、R33およびR34は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成する。
【0127】
35
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R35は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R35は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R35は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R35は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R35は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R35は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R35は、水素、メチルまたはエチルである。
【0128】
41
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R41は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R41は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R41は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R41は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R41は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R41は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R41は、水素、メチルまたはエチルである。
【0129】
42
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R42は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R42は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R42は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R42は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R42は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R42は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R42は、水素またはメチルである。
【0130】
43
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R43は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R43は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R43は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R43は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R43は、水素、F、Br、Cl、I、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R43は、水素、F、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R43は、水素、F、メチル、トリフルオロメチルまたはフェニルである。
【0131】
一部の実施形態では、R42およびR43は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成する。
【0132】
44
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R44は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R44は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R44は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R44は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R44は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R44は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R44は、水素またはメチルである。
【0133】
一部の実施形態では、R43およびR44は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成する。
【0134】
45
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R45は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R45は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R45は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R45は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アリール、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R45は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、メトキシまたはフェニルである。例えば、R45は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニルまたはシアノである。一部の実施形態では、R45は、水素、メチルまたはエチルである。
【0135】
81
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R81は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R81は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R81は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R81は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R81は水素である。
【0136】
82
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R82は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R82は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R82は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R82は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R82は水素である。
【0137】
83
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R83は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R83は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R83は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R83は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R83は、ハロゲンまたはアルコキシルである。例えば、R83は、F、Cl、Br、I、メトキシまたはエトキシである。一部の実施形態では、R83は、フルオロまたはメトキシである。
【0138】
84
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R84は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R84は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R84は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R84は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R84は水素である。
【0139】
85
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R85は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトまたはウレイドである。例えば、R85は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R85は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオまたはスルホネートである。例えば、R85は、水素、ハロゲン、アルコキシル、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロまたはチオールである。一部の実施形態では、R85は水素である。
【0140】
BOPIDYアミノ酸(ペプチド、ポリペプチド)コンジュゲート
別の態様では、式(II)の化合物:
【化11】
が、本明細書において提供される。
【0141】
式(II)の化合物において、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、およびアミノ酸からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28のうちの少なくとも1つは、アミノ酸である。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0142】
本明細書において使用する場合、用語「アミノ酸」とは、少なくとも1つのアミノ基および少なくとも1つのカルボキシル基を含む任意の有機分子を指す。通常、少なくとも1つのアミノ基は、カルボキシル基に対してα位に存在する。本明細書において使用する場合、用語「アミノ酸」は、天然アミノ酸、L-アミノ酸、D-アミノ酸、合成アミノ酸、修飾アミノ酸(ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメートおよびO-ホスホセリンなど)、ならびに天然アミノ酸と類似の様式で機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣物を含む。アミノ酸アナログとは、α炭素、カルボキシル基、アミノ基、および水素に結合したR基などの、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を有する化合物(ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムなど)を指す。このようなアナログは、修飾R基(例えば、ノルロイシン)または修飾ペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する、化学化合物を指す。
【0143】
アミノ酸は、単一アミノ酸、またはオリゴペプチド(例えば、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナまたはデカ-ペプチドなどの2~20のアミノ酸を含む)、ポリペプチド(例えば、21またはそれより多いアミノ酸ペプチドを含む)の部分とすることができることが留意される。当業者は、ほぼ50を超えるアミノ酸を含むポリペプチドが、タンパク質として知られていることを十分に認識している。したがって、用語「ポリペプチド」は、本明細書において使用する場合、タンパク質を含む。さらに、アミノ酸は、側鎖中のそのαアミノ基、カルボキシル基または官能基によって、式(II)の残りに連結され得る。一部の好ましい実施形態では、アミノ酸は、そのαアミノ基によって式(II)の残りに連結している。
【0144】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28のうちの1つだけが、アミノ酸である。
【0145】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22、R23、R24、R25、R26およびR27は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドからなる群からそれぞれ独立して選択され、R28は、アミノ酸である。
【0146】
28
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R28は、アミノ酸である。例えば、R28は、-NHCH(RAS)C(O)-ORACまたは-OC(O)CH(RAS)NHRANであり、RACはそれぞれ、H、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはヒドロキシル保護基であり、RASは、アミノ酸の側鎖であり、RANは、H、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはアミノ保護基である。
【0147】
一部の実施形態では、R28は、-NHCH(RAS)C(O)-ORACであり、RACは、H、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはヒドロキシル保護基であり、RASは、アミノ酸の側鎖である。例えば、RACは、Hまたはヒドロキシル保護基である。好ましくは、RACは、Hである。
【0148】
一部の実施形態では、R28は、または-OC(O)CH(RAS)NHRANであり、RASは、アミノ酸の側鎖であり、RANは、H、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはアミノ保護基である。例えば、RANは、Hまたはアミノ保護基である。好ましくは、RANは、Hである。
【0149】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-a)または(II-b):
【化12】
である。
【0150】
式(II-a)および(II-b)の化合物において、RACはそれぞれ、H、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはヒドロキシル保護基であり、RASは、アミノ酸の側鎖であり、RANは、H、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはアミノ保護基である。
【0151】
21
式(II)の化合物において、R21は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたはアミノ酸とすることができる。例えば、R21は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0152】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、R21は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0153】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21は、H、ハロゲンまたは必要に応じて置換されているアルキルである。例えば、R21は、Hである。一部の他の非限定例では、R21は、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。R21の例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0154】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21は、Hまたはメチルである。
【0155】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21は、アミノ酸である。
【0156】
22
式(II)の化合物において、R22は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたはアミノ酸とすることができる。例えば、R22は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0157】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R22は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、R22は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0158】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R22は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているアシル、スルホネートまたはスルホニルである。例えば、R22は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHとすることができる。
【0159】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R22は、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである。
【0160】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R22は、アミノ酸である。
【0161】
23
式(II)の化合物において、R23は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたはアミノ酸とすることができる。例えば、R23は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0162】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、R23は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0163】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。例えば、R23は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。
【0164】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、Hである。
【0165】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。R23の例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。例えば、R23はメチルである。
【0166】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、必要に応じて置換されているC~Cアルケニルである。例えば、R23は、-CH=CH-R29であり、R29は、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0167】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、-CH=CH-R29Aであり、R29Aは、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、R23は、-CH=CH-R29Aであり、R29Aは、必要に応じて置換されているアリールである。R29A基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0168】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、-CH=CH-R29Aであり、R29Aは、必要に応じて置換されているフェニルである。例えば、R23は、-CH=CH-R29Aであり、R29Aは、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基(例えば、1つ、2つまたは3つの置換基)により置換されているフェニルである。一部の実施形態では、R23は、-CH=CH-R29Aであり、R29Aは、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである。
【0169】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、ハロゲンである。例えば、R23は、Br、ClまたはFである。一部の実施形態では、R23は、BrまたはClである。
【0170】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、R23は、必要に応じて置換されているアリールである。R23基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0171】
一部の実施形態では、R23は、フェニルまたはナフチルであり、これらはそれぞれ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルまたはアリールからなる群から選択される置換基により必要に応じて置換されていてもよい。例えば、R23は、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0172】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0173】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23は、アミノ酸である。
【0174】
25
式(II)の化合物において、R25は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたはアミノ酸とすることができる。例えば、R25は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0175】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、R25は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0176】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。例えば、R25は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニルまたは必要に応じて置換されているアリールである。
【0177】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、Hである。
【0178】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。R25の例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。例えば、R25はメチルである。
【0179】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、必要に応じて置換されているC~Cアルケニルである。例えば、R25は、-CH=CH-R29Bであり、R29Bは、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0180】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、-CH=CH-R29Bであり、R29Bは、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、R25は、-CH=CH-R29Bであり、R29Bは、必要に応じて置換されているアリールである。R29B基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0181】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、-CH=CH-R29Bであり、R29Bは、必要に応じて置換されているフェニルである。例えば、R25は、-CH=CH-R29Bであり、R29Bは、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基(例えば、1つ、2つまたは3つの置換基)により置換されているフェニルである。一部の実施形態では、R25は、-CH=CH-R29Bであり、R29Bは、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである。
【0182】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、ハロゲンである。例えば、R25は、Br、ClまたはFである。一部の実施形態では、R25は、BrまたはClである。
【0183】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。例えば、R25は、必要に応じて置換されているアリールである。R25基に関する例示的なアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルが含まれ、これらはそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換されていてもよい。
【0184】
一部の実施形態では、R25は、フェニルまたはナフチルであり、これらはそれぞれ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルまたはアリールからなる群から選択される置換基により必要に応じて置換されていてもよい。例えば、R25は、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0185】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフチルである。
【0186】
23およびR25は、同じであり得るか、または異なり得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R23およびR25は同じである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、R23およびR25は異なる。
【0187】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25は、アミノ酸である。
【0188】
26
式(II)の化合物において、R26は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたはアミノ酸とすることができる。例えば、R26は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0189】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R26は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、R26は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0190】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R26は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているアシル、スルホネートまたはスルホニルである。例えば、R26は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHとすることができる。
【0191】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R26は、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである。
【0192】
22およびR26は、同じであり得るか、または異なり得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R22およびR26は同じである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、R22およびR26は異なる。
【0193】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R26は、アミノ酸である。
【0194】
27
式(II)の化合物において、R27は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、必要に応じて置換されているアリールアミノ、必要に応じて置換されているヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドまたはアミノ酸とすることができる。例えば、R27は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、アミノ、必要に応じて置換されているアルキルアミノ、必要に応じて置換されているジアルキルアミノ、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシル、カルボニル、カルボキシル、必要に応じて置換されているエステル、必要に応じて置換されているアルコキシル、シアノ、チオール、必要に応じて置換されているアルキルチオ、スルホネート、スルフィニルまたはスルホニルとすることができる。
【0195】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R27は、水素、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルホネートおよびスルホニルからなる群から選択される。例えば、R27は、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、カルボニル、必要に応じて置換されているアシル、カルボキシル、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホネートまたはスルホニルである。
【0196】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R27は、H、ハロゲンまたは必要に応じて置換されているアルキルである。例えば、R27は、Hである。一部の他の非限定例では、R27は、必要に応じて置換されているC~Cアルキルである。R27の例示的なアルキルは、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0197】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R27は、Hまたはメチルである。
【0198】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R27は、アミノ酸である。
【0199】
21およびR27は、同じであり得るか、または異なり得ることが留意される。したがって、本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21およびR27は同じである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の他の実施形態では、R21およびR27は異なる。
【0200】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つは、Hではない。一部の非限定例では、R21はHではない。一部の他の非限定例では、R22はHではない。さらに一部の他の非限定例では、R23はHではない。さらに一部の他の非限定例では、R25はHではない。さらに一部の他の非限定例では、R26はHではない。さらに一部の他の非限定例では、R27はHではない。
【0201】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つは、電子求引基(EWG)である。一部の非限定例では、R21は、EWGである。一部の他の非限定例では、R22は、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、R23は、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、R25は、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、R26は、EWGである。さらに一部の他の非限定例では、R27は、EWGである。
【0202】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つは、電子供与基(EDG)である。一部の非限定例では、R21は、EDGである。一部の他の非限定例では、R22は、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、R23は、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、R25は、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、R26は、EDGである。さらに一部の他の非限定例では、R27は、EDGである。
【0203】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22およびR23のうちの少なくとも2つは、同じである。例えば、R21およびR22は、同じである。一部の他の例では、R21およびR23は、同じである。さらに一部の他の例では、R22およびR23は、同じである。一部の実施形態では、R21、R22およびR23は、同じである。
【0204】
さらに一部の他の実施形態では、R21、R22およびR23は、異なる。
【0205】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R25、R26およびR27のうちの少なくとも2つは、同じである。例えば、R25およびR26は、同じである。一部の他の例では、R25およびR27は、同じである。さらに一部の他の例では、R26およびR27は、同じである。一部の実施形態では、R25、R26およびR27は、同じである。
【0206】
さらに一部の他の実施形態では、R25、R26およびR27は、異なる。
【0207】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21およびR27は、異なるか、またはR22およびR26は異なるか、またはR23およびR25は異なる。
【0208】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21およびR27は、同じであり、R22およびR26は同じであり、R23およびR25は同じである。
【0209】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、R21、R22、R23、R25、R26およびR27は、同じである。例えば、R21、R22、R23、R25、R26およびR27は、Hである。
【0210】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-C)または式(II-D):
【化13】
である。
【0211】
式(II-C)および(II-D)の化合物において、R28はアミノ酸であり、R31、R32、R33、R34およびR35はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R31、R32、R33、R34およびR35のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R8Sは、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0212】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-E)または式(II-F):
【化14】
である。
【0213】
式(I-G)および(I-H)の化合物において、R28はアミノ酸であり、R31、R32、R33、R34およびR35はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R31、R32、R33、R34およびR35のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R41、R42、R34、R44およびR45はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナトおよびウレイドとすることができ、必要に応じて、R41、R42、R34、R44およびR45のうちのビシナルな対のものは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているアリールを形成し、R8Sは、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである。アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよいことが留意される。
【0214】
スペクトル特性
本明細書において使用する場合、用語「スペクトル特性」とは、単一波長または複数の波長における、1つまたは複数の異なるアミノ酸に対する、アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの発光強度、極性/異方性または寿命の検出可能な変化を指す。例示的なスペクトル特性には、以下に限定されないが、スペクトル形状もしくはピーク強度、および/または極性が含まれる。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、スペクトル特性は、蛍光スペクトル特性である。図7~22に示されている通り、異なるアミノ酸にコンジュゲートされている例示的なBODIPYプローブの蛍光スペクトルは、特色のあるスペクトル特性を示した。したがって、アミノ酸のスペクトルの比較を使用して、プローブがコンジュゲートされているアミノ酸を特定/検出することができる。
【0215】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、スペクトル特性を測定または検出するステップは、プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を測定または検出することを含む。例えば、スペクトル特性を測定または検出するステップは、蛍光強度、極性/異方性もしくは寿命を測定または検出することを含む。
【0216】
本明細書に記載されている様々な態様の実施形態は、コンジュゲートされているプローブのスペクトル特性と複数の参照スペクトル特性とを比較することを含む。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、参照スペクトル特性はそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、コンジュゲートされているプローブのスペクトル特性と複数の参照スペクトル特性とを比較することは、コンジュゲートされているプローブのスペクトルと複数の参照スペクトルとを比較することを含む。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、参照スペクトルは、図7~22に示されているスペクトルなどの、既知のアミノ酸に結合したプローブのスペクトルである。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、本方法は、コンジュゲートされているプローブのスペクトルと参照スペクトルとの間で最も近い一致を特定することを含み、これによって、アミノ酸を特定する。当分野において公知の様々な統計学的方法を使用して、最も近い一致およびプローブとコンジュゲートされているアミノ酸を特定するため、コンジュゲートされているプローブのスペクトルと参照スペクトルとを比較することができる。
【0217】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、好適な方法により、スペクトルと参照スペクトルとの間の類似性または差異の定量的尺度が生じる。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、プローブにコンジュゲートされているアミノ酸。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、最小限のアミノ酸-プローブコンジュゲートのスペクトル特性と参照/対照コンジュゲートを比較するための本明細書において使用される方法は、1つまたは複数の確率論的アルゴリズムを使用する。例えば、確率論的アルゴリズムは、図7~22に提示されているスペクトルデータを使用して、本明細書に記載されているプローブにコンジュゲートされている異なるアミノ酸を特定するよう訓練され、特定のスペクトルを特定のアミノ酸に関連付けることができる。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、スペクトルと参照スペクトルとを比較するために、機械学習、遺伝的アルゴリズムまたは主成分分析(PCA)を使用することができる。
【0218】
スペクトル特性の検出
本明細書に記載されている様々な態様の実施形態は、アミノ酸にコンジュゲートされているプローブのスペクトル特性を検出または測定することを含む。分子のスペクトル特性を測定/検出するための方法およびシステムは、当分野において周知である。例示的なこのような方法には、以下に限定されないが、共焦点レーザ(走査型)顕微鏡法、広視野顕微鏡法、近接場顕微鏡法、蛍光寿命イメージング顕微鏡法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布分析、蛍光の消光/脱消光によって誘起される輝度変化の測定または蛍光エネルギー移動が含まれる。
【0219】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、コンジュゲートされているプローブのスペクトル特性の検出は、光学的検出を含む。例示的な光学的検出システムには、以下に限定されないが、電荷結合素子(CCD)、電子倍増型CCD(EMCCD)、走査型近接場顕微鏡法、遠視野共焦点顕微鏡法、広視野落射照明、光散乱、暗視野顕微鏡法、光変換、単一光子および/または多重光子励起、スペクトル波長識別、フルオロフォア特定、エバネッセント波照明、全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法、超解像顕微鏡法、単分子局在顕微鏡法および単分子分光法が挙げられる。
【0220】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、本方法は、時に、高効率光子検出システムと称される、カメラを装備した顕微鏡を使用する、レーザ活性化蛍光の検出を含む。好適な光子検出システムには、以下に限定されないが、光ダイオードおよびインテンシファイアCCDカメラが挙げられる。
【0221】
当分野において公知の様々な技法を使用して、空間分解位において、様々なコンジュゲートされているプローブのスペクトル特性を検出することができることが留意される。例えば、超解像顕微鏡法は、試料内において、特定の位置にコンジュゲートされている、コンジュゲートされたプローブの1つまたは複数のスペクトル特性を検出するために使用することができる。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、確率論的再構築光学顕微鏡法(STORM)を使用する。
【0222】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、コンジュゲートされているプローブのスペクトル特性の検出には、試料中の正確に同じ座標からのシグナルを繰り返し検出することが可能な、超高感度検出システムを含み、これによって、検出されたスペクトル情報が固有の分子、例えばポリペプチドに帰属される。
【0223】
本明細書に記載されている様々な態様の実施形態は、アミノ酸とコンジュゲートされているプローブの1つもしくは複数のスペクトル特性を検出または測定することを含む。本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、アミノ酸とコンジュゲートされているプローブの1つもしくは複数のスペクトル特性の検出または測定は、コンジュゲートされているプローブの蛍光の測定または検出を含む。
【0224】
一部の実施形態では、本方法は、複数のポリペプチドを含む試料中の、空間分解位の複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸にコンジュゲートされている各プローブの1つまたは複数のスペクトル特性を検出/特定することを含む。
【0225】
実施形態では、1つまたは複数のスペクトル特性の検出は、コンジュゲートされているプローブの蛍光の検出を含む。実施形態では、コンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性の検出は、蛍光発光強度、極性/異方性または寿命を検出することを含む。別の実施形態では、発光強度、極性/異方性または寿命の検出は、単一波長におけるものである。さらなる実施形態では、発光強度、極性/異方性または寿命の検出は、複数の波長におけるものである。
【0226】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、コンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性の検出は、超解像顕微鏡法を含む。一部のさらなる実施形態では、超解像顕微鏡法は、確率論的再構築光学顕微鏡法(STORM)を含む。
【0227】
ポリペプチド
特定/検出されるアミノ酸は、ポリペプチドの一部とすることができる。アミノ酸がポリペプチドの一部である場合、該アミノ酸は、ポリペプチド中のどこかに存在し得る。例えば、アミノ酸は、ポリペプチドのN末端に存在し得る。一部の他の非限定例では、アミノ酸は、ポリペプチドのC末端に存在し得る。さらに一部の他の非限定例では、アミノ酸は、ポリペプチドの内部に、すなわち非末端位に存在し得る。末端アミノ酸は、プローブとコンジュゲートされる前に、修飾されていてもよく、または誘導体化されていてもよいことが留意される。
【0228】
一部の実施形態では、本方法は、プローブとのコンジュゲート前に、基材にポリペプチドを固定するステップをさらに含む。例えば、ポリペプチドのC末端は、必要に応じてリンカーを介して、基材にコンジュゲートされ得る。
【0229】
配列決定
ポリペプチドの末端アミノ酸を検出/特定する方法は、ポリペプチドの少なくとも一部の配列を決定するために使用することができる。一般に、本方法は、以下:(a)ポリペプチドの末端アミノ酸、例えばN末端アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、プローブが、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)ポリペプチドの末端アミノ酸に結合したプローブの蛍光を検出することによって、末端アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、(c)プローブの蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、ポリペプチドの対応する末端アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップ、(d)ポリペプチドの末端アミノ酸を開裂するステップ、および(e)ステップ(a)~(d)を1回または複数回、逐次、繰り返して、ポリペプチドの少なくとも一部の配列を決定するステップを含む。
【0230】
ポリペプチドの残部を残すと同時に、末端アミノ酸を開裂する方法は、当分野において公知である。例えば、ポリペプチドのN末端アミノ酸は、エドマン分解または関連する分解、化学分解を使用して開裂することができる。代替的に、ポリペプチドのN末端アミノ酸は、アミノペプチダーゼなどのプロテアーゼを用いて酵素により開裂することができる。同様に、ポリペプチドのC末端アミノ酸は、カルボキシペプチダーゼなどのプロテアーゼを用いて酵素により開裂することができる。
【0231】
一部の実施形態では、ポリペプチドの配列を決定するための本明細書に記載されている方法は、ポリペプチドに対して得られた配列を参照タンパク質配列データベースと比較するステップを含む。理論によって拘泥されることを望むものではないが、10~20またはそれより少ない配列されたアミノ酸残基を連続して含む、または断絶部を伴って含む小断片は、試料中のポリペプチドの同一性を検出するのに有用となり得る。
【0232】
本明細書に記載されている方法およびプローブは、複数のポリペプチドの標識化および配列決定を並行して行うのに有用である。したがって、別の態様では、複数のポリペプチドを配列決定する多重方法が、本明細書において提供される。本方法は、以下:(a)複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸に複数のプローブをコンジュゲートするステップであって、複数のプローブにおける各プローブが、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示す、ステップ、(b)複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、(c)プローブの蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、複数のポリペプチドの各々の対応する末端アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップ、(d)複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸を開裂するステップ、および(e)ステップ(a)~(d)を1回または複数回逐次、繰り返して、複数のポリペプチドの各々の少なくとも一部の配列を決定するステップを含む。
【0233】
本明細書に記載されている方法を使用して、ポリペプチドをin situで配列決定することができる。例えば、本明細書に記載されている方法を使用して、組織、細胞、脂質膜もしくは細胞内小器官、またはそれらの試料などの、生体試料中またはその表面に存在するポリペプチドの配列を決定することができる。
【0234】
試料
アミノ酸またはポリペプチドは、試料中に存在し得る。本明細書において使用する場合、用語「試料」は、検出/特定されるアミノ酸、または前記アミノ酸を含むポリペプチドを含有するあらゆる物質を含む。試料は、動物もしくは植物の組織、生検、器官、細胞、膜小胞、原形質膜、小器官、細胞エキス、分泌物、尿もしくは粘液、組織抽出物、または天然もしくは合成起源の両方の他の生物試験体などの、生体試料とすることができる。試料という用語はまた、生物試験体から単離した、単一細胞、小器官もしくは細胞内物質、またはウイルス、細菌、真菌もしくはそれらに由来する分離物を含む。試料は、水試料もしくは土壌試料などの環境試料、あるいは検出/特定されるアミノ酸もしくは前記アミノ酸を含むポリペプチドを含有する任意の人工物質または天然物質の試料とすることもできる。
【0235】
キット
別の態様では、本開示は、本明細書に記載されている1つまたは複数の化合物を含むキットを提供する。したがって、一部の実施形態では、本キットは、式(I)の化合物を含む。一部の実施形態では、本キットは、式(II)の化合物を含む。一部の実施形態では、本キットは、式(I)の化合物および式(II)の化合物を含む。
【0236】
ある特定の実施形態では、このようなキットは、治療用途および/または診断用途に意図されている。ある特定の実施形態では、このようなキットは、研究使用に意図されている。本キットは、本明細書に記載されている方法に有用となり得る。
【0237】
本明細書に記載されているキットは、式(I)の化合物にアミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドをコンジュゲートするための、1つまたは複数の試薬/構成成分をさらに含むことができる。
【0238】
態様のいずれかの一部の実施形態では、本キットは使用説明書をさらに含む。
【0239】
本明細書に記載されている態様のいずれか1つの一部の実施形態では、本キットは、式(I)の化合物にアミノ酸をコンジュゲートするための1つまたは複数の試薬をさらに含む。
【0240】
態様のいずれかの一部の実施形態では、本キットは、試料、例えば生体試料に由来するアミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドを単離する、または少なくとも一部を単離するための試薬をさらに含む。
【0241】
本明細書に記載されている構成成分は、キットとして、単独で、またはいずれかの組合せ物で提供され得る。このようなキットは、本明細書に記載されている構成成分およびその包装用材料を含む。さらに、キットは、情報資料を必要に応じて含む。情報資料は、本明細書に記載されている方法および/もしくは本明細書に記載されている方法に関する一体物の使用に関連する説明資料、指示資料、販促資料または他の資料とすることができる。例えば、情報資料は、アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドを検出するアッセイを行うための、本明細書において提供されるキットを使用する方法を説明することができる。本キットはまた、例えば、試験容器に試験試料を投入または調製するために使用することができる、空の容器および/または投入用デバイスを含むことができる。
【0242】
キットの情報資料は、その形態に制限はない。多くの場合において、情報資料、例えば、使用説明書は、印刷された資料で、例えば、印刷された本文、図面および/または写真、例えば、ラベルまたは印刷シートで提供される。しかし、情報資料はまた、点字、コンピュータ可読資料、ビデオ記録またはオーディオ記録などの、他のフォーマットで提供され得る。別の実施形態では、キットの情報資料は、リンク情報または連絡先情報、例えば、実際の住所、Eメールアドレス、ハイパーリンク、ウェブサイトまたは電話番号であり、キットのユーザーは、本明細書に記載されている製剤および/または方法におけるその使用に関する実用的な情報を得ることができる。当然ながら、情報資料はまた、任意に組み合わせたフォーマットで提供され得る。
【0243】
一部の実施形態では、本キットは、各構成成分および情報資料に関する、個別の容器、分割器またはコンパートメントを含むことができる。例えば、様々な構成要素の各々は、ボトル、バイアルまたはシリンジ内に入れられることができ、情報資料は、プラスチック製スリーブまたはパケットに入れられることができる。他の実施形態では、キットの個別の要素は、単一の分けられていない容器内に入れられている。例えば、磁性粒子の収集物は、ラベルの形態の情報資料が貼り付けられた、ボトル、バイアルまたはシリンジに入れられている。
【0244】
一部の実施形態では、本キットは、輸送中または保管中に、キット内の構成成分を整理して保護するためのキャリアを含む。キャリアは、移動または保管に都合のよい、ハンドル、ストラップおよびホイールを含めた、バッグ、ボックスまたはケースを含む任意の形態にあることができる。
【0245】
定義
便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において、ここで使用されるある種の用語をここでまとめる。特に明記しない限り、または文脈から暗示されない限り、以下の用語および語句は、以下に提示されている意味を含む。特に明示的に記載されていない限り、または文脈から明白ではない限り、以下の用語および語句は、それらが関連する分野において、これらの用語または語句が得た意味を除外するものではない。定義は、特定の実施形態を説明する一助とするよう提示されており、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってしか限定されないので、特許請求された発明を限定することを意図するものではない。さらに、文脈によって特に必要とされない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含むものとする。
【0246】
特に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が関係する当業者にとって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。公知の方法、デバイスおよび物質のいずれも、本発明の実施または試験に使用されてもよいが、この点に関する方法、デバイスおよび物質は、本明細書に記載されている。
【0247】
免疫学および分子生物学における一般用語の定義は、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 20th Edition(Merck Sharp & Dohme Corp., 2018による出版)(ISBN 0911910190, 978-0911910421); Robert S. Porter et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Cell Biology and Molecular Medicine(Blackwell Science Ltd., 1999-2012による出版)(ISBN 9783527600908);およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference(VCH Publishers, Inc., 1995による出版)(ISBN 1-56081-569-8); Immunology by Werner Luttmann(Elsevier, 2006による出版); Janeway's Immunobiology, Kenneth Murphy, Allan Mowat, Casey Weaver (eds.), W. W. Norton & Company, 2016 (ISBN 0815345054, 978-0815345053); Lewin's Genes XI(Jones & Bartlett Publishers, 2014による出版)(ISBN-1449659055); Michael Richard Green and Joseph Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 4th ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (2012) (ISBN 1936113414); Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier Science Publishing, Inc., New York, USA (2012) (ISBN 044460149X); Laboratory Methods in Enzymology: DNA, Jon Lorsch (ed.) Elsevier, 2013 (ISBN 0124199542); Current Protocols in Molecular Biology (CPMB), Frederick M. Ausubel (ed.), John Wiley and Sons, 2014 (ISBN 047150338X, 9780471503385), Current Protocols in Protein Science (CPPS), John E. Coligan (ed.), John Wiley and Sons, Inc., 2005;およびCurrent Protocols in Immunology (CPI) (John E. Coligan, ADA M Kruisbeek, David H Margulies, Ethan M Shevach, Warren Strobe, (eds.) John Wiley and Sons, Inc., 2003 (ISBN 0471142735, 9780471142737)に見出すことができ、それらの内容の全体のすべてが、参照により本明細書に組み込まれている。
【0248】
作業実施例中または特に表示されている場合を除き、本明細書において使用される成分の量または反応条件を表す数値はすべて、すべての場合において、「約」という用語によって修飾されているものと理解されるべきである。用語「約」が、百分率と関連付けて本発明を記載するために使用される場合、±1%、±1.5%、±2%、±2.5%、±3%、±3.5%、±4%、±4.5%または±5%を意味する。
【0249】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、語「または」は、特に文脈が明白に示さない限り、「および」を含むことが意図される。
【0250】
本明細書において使用する場合、用語「含むこと(comprising)」または「含む(comprises)」は、「含むこと(including)」または「含む(includes)」を意味し、本発明にとって有用である組成物、方法、システムおよびそれらの個々の構成要素であるが、有用であるか否かに関わらない、特定されていない要素を含む余地のあることに言及して使用されている。
【0251】
本明細書において使用する場合、用語「から実質的になる(consisting essentially of)」とは、所与の実施形態に必要な、そのような要素を指す。この用語は、本発明のそのような実施形態の基礎的および新規なまたは機能的な特徴に実質的に影響しない、追加の要素の存在を許容する。
【0252】
用語「からなる(consisting of)」は、本明細書に記載されている、組成物、方法、システムおよびそれらの個々の構成要素を指し、これらは、実施形態のそのような記載に列挙されていないあらゆる要素を除外する。
【0253】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、語「または」は、特に文脈が明白に示さない限り、「および」を含むことが意図される。特許請求の範囲は、あらゆる必要に応じた要素を排除するよう記載され得ることがさらに留意される。したがって、この記述は、請求項要素の列挙、または「否定的な」限定の使用と関係付けられた、「単独で」、「のみ」などの排他的な専門用語の使用に対する先行詞として働くことが意図されている。
【0254】
略称「例えば(e.g)」は、ラテン語の例えば(exempli gratia)から誘導されており、非限定例を表示するために本明細書において使用されている。したがって、略称「例えば(e.g)」は、用語「例えば(for example)」と同義である。
【0255】
用語「とは有意に異なる」、「統計学的に有意な」および類似の語句は、データまたは他の測定値との比較を指し、この場合、2つの比較されたデータまたは他の測定値の差異が明白であること、または訓練を受けた観察者にとって妥当な程度に異なること、または統計学的に有意である(この語句が、用語「統計学的に」を含む場合、またはp値などの統計学的試験のある指標がある場合、または解析時のデータが、当分野で公知の標準的な統計学的試験によって統計学的差異を生じる場合)。
【0256】
用語「統計学的に有意な」または「有意に」とは、統計学的有意性を指し、2標準偏差(2SD)またはそれより大きな差異を一般に意味する。
【0257】
本明細書において使用する場合、「ポリペプチド」とは、ペプチド結合によって一緒に連結されている2つまたはそれより多いアミノ酸を指す。用語「ポリペプチド」は、当分野において一般に公知のC末端およびN末端を有する、タンパク質またはタンパク質消化物を含み、合成起源であってもよく、または天然物であってもよい。本明細書において使用する場合、「ポリペプチドの少なくとも一部」とは、ポリペプチドの2つまたはそれより多いアミノ酸を指す。必要に応じて、ポリペプチドの一部は、ポリペプチドの全アミノ酸配列の少なくとも、5、10、20、30または50のアミノ酸を、連続でもしくは断絶部を伴ってのどちらか一方で含むか、あるいはポリペプチドの全アミノ酸配列を含む。
【0258】
語句「N末端アミノ酸」とは、遊離アミン基を有しており、かつポリペプチド中のペプチドアミド結合により他の1つのアミノ酸だけに連結しているアミノ酸を指す。必要に応じて、「N末端アミノ酸」とは、「N末端アミノ酸誘導体」であってもよい。本明細書において使用する場合、「N末端アミノ酸誘導体」とは、例えば、エドマン試薬もしくは他の化学物質によってin vitroで、または自然の翻訳後修飾(例えば、リン酸化)機構による細胞内部において、化学修飾されたN末端アミノ酸残基を指す。
【0259】
語句「C末端アミノ酸」とは、遊離カルボキシル基を有しており、かつポリペプチド中のペプチドアミド結合により他の1つのアミノ酸だけに連結しているアミノ酸を指す。必要に応じて、「C末端アミノ酸」とは、「C末端アミノ酸誘導体」であってもよい。本明細書において使用する場合、「C末端アミノ酸誘導体」とは、in vitroで、または自然の翻訳後修飾(例えば、リン酸化)機構による細胞内部において、化学修飾されたC末端アミノ酸残基を指す。
【0260】
本明細書において使用する場合、「ポリペプチドの配列を決定すること」とは、ポリペプチドのアミノ酸配列を決定することを指す。この用語はまた、ポリペプチドのセグメントの配列を決定すること、またはポリペプチドに関する部分配列情報を決定することも指す。
【0261】
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」とは、鎖中に1~約60個の炭素原子を有する、好ましくは、鎖中に約6~約50個の炭素を有する、直鎖または分枝状であり得る脂肪族炭化水素基を指す。「低級アルキル」とは、1~約8個の炭素原子を有するアルキル基を指す。「高級アルキル」とは、約10~約20個の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は、同じであり得るまたは異なり得る、1つまたは複数のアルキル基置換基により必要に応じて置換されていてもよく、この場合、「アルキル基置換基」は、ハロ、アミノ、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルオキシ、アラルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、オキソおよびシクロアルキルを含む。「分枝状」とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの低級アルキル基が線状アルキル鎖に結合しているアルキル基を指す。例示的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルおよびヘキサデシルが含まれる。有用なアルキル基には、6~50個の炭素からなる分枝鎖または直鎖アルキル基を含み、1~約4個の炭素からなる低級アルキル基、および約12~約16個の炭素からなる高級アルキル基も含む。
【0262】
「ヘテロアルキル」基は、アルキル基の炭素のいずれか1個が、適切な数の水素原子が結合したヘテロ原子により置き換わる(例えば、CH基は、NH基またはO基に)。用語「ヘテロアルキル」は、必要に応じて置換されているアルキル、アルケニルおよびアルキニルラジカルを含み、これらのラジカルは、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素またはそれらの組合せから選択される、1個または複数の骨格鎖原子を有する。ある特定の実施形態では、ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に位置する。例には、以下に限定されないが、-CH-O-CH、-CH-CH-O-CH、-CH-NH-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-N(CH)-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-Si(CH、-CH-CH=N-OCHおよび-CH=CH-N(CH)-CHが含まれる。一部の実施形態では、例として、-CH-NH-OCHおよび-CH-O-Si(CHなどの最大で2個のヘテロ原子が連続している。
【0263】
本明細書において使用する場合、用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有するアルキル基を指す。アルケニル基は、1つまたは複数の「アルキル基置換基」により必要に応じて置換されていてもよい。例示的なアルケニル基には、ビニル、アリル、n-ペンテニル、デセニル、ドデセニル、テトラデカジエニル、ヘプタデカ-8-エン-1-イルおよびヘプタデカ-8,11-ジエン-1-イルが含まれる。
【0264】
本明細書において使用する場合、用語「アルキニル」とは、炭素-炭素三重結合を含有するアルキル基を指す。アルキニル基は、1つまたは複数の「アルキル基置換基」により必要に応じて置換されていてもよい。例示的なアルキニル基には、エチニル、プロパルギル、n-ペンチニル、デシニルおよびドデシニルが含まれる。有用なアルキニル基は、低級アルキニル基を含む。
【0265】
本明細書において使用する場合、用語「シクロアルキル」とは、約3~約12個の炭素原子からなる非芳香族単環式または多環式環系を指す。シクロアルキル基は、必要に応じて、部分不飽和であり得る。シクロアルキル基はまた、アリール基置換基、オキソおよび/またはアルキレンにより必要に応じて置換されていてもよい。代表的な単環式シクロアルキル環には、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。有用な多環式シクロアルキル環には、アダマンチル、オクタヒドロナフチル、デカリン、樟脳、カンファンおよびノルアダマンチルが含まれる。
【0266】
「ヘテロシクリル」とは、単環式の場合、1~3個のヘテロ原子を有する、二環式の場合、1~6個のヘテロ原子を有する、または三環式の場合、1~9個のヘテロ原子を有する、非芳香族性の3~8員の単環式環系、8~12員の二環式環系または11~14員の三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される(例えば、単環式、二環式または三環式の場合、それぞれ、炭素原子と、N、OもしくはSの1~3個、1~6個または1~9個のヘテロ原子)。CヘテロシクリルおよびC~Cヘテロシクリルが、通常、使用され、XおよびYは、環系における炭素原子数を示す。一部の実施形態では、各環の1個、2個または3個の水素原子は、置換基により置換されていてもよい。例示的なヘテロシクリル基には、以下に限定されないが、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジル、4-モルホリル、4-ピペラジニル、ピロリジニル、ペルヒドロピロリジニル、1,4-ジアザペルヒドロエピニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニルなどが含まれる。
【0267】
「アリール」とは、約3~約13個の炭素原子を含有する芳香族炭素環式ラジカルを指す。アリール基は、同じであり得るまたは異なり得る、1つまたは複数のアリール基置換基により必要に応じて置換されていてもよく、この場合、「アリール基置換基」は、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、カルボキシ、アロイル、ハロ、ニトロ、トリハロメチル、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルオキシ、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールチオ(rylthio)、アルキルチオ、アルキレンおよび-NRR’を含み、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、パーハロアルキル、アリールおよびアラルキルである。例示的なアリール基には、置換または非置換フェニル、および置換または非置換ナフチルが含まれる。
【0268】
「ヘテロアリール」とは、単環式の場合、1~3個のヘテロ原子を有する、二環式の場合、1~6個のヘテロ原子を有する、または三環式の場合、1~9個のヘテロ原子を有する、芳香族性の3~8員の単環式環系、8~12員の縮合二環式環系または11~14員の縮合三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される(例えば、単環式、二環式または三環式の場合、それぞれ、炭素原子と、N、OもしくはSの1~3個、1~6個または1~9個のヘテロ原子)。
【0269】
例示的なアリールおよびヘテロアリールには、以下に限定されないが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、ベンジル、ナフチル、アントラセニル、アズレニル、フルオレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aHカルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3 b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル(isatinoyl)、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニルおよびキサンテニルなどが含まれる。一部の実施形態では、各環の1個、2個、3個または4個の水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。
【0270】
本明細書において使用する場合、用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。用語「ハロゲン放射性同位体」または「ハロ同位体」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子の放射性核種を指す。
【0271】
孤立した基またはより大きな基の一部としての「ハロゲン置換部分」または「ハロ置換部分」は、そのような用語が本出願において定義されている通り、1個または複数の「ハロ」原子によって置換されている、本明細書において記載されている脂肪族、脂環式または芳香族部分を意味する。
【0272】
用語「ハロアルキル」とは、本明細書において使用する場合、フッ素、塩素(chorine)、臭素またはヨウ素のうちの少なくとも1つの置換基、またはそれらの組合せ物を有する、アルキル構造およびアルコキシ構造構造を指す。実施形態では、1個より多いハロゲンが基に含まれる場合、ハロゲンは同じであるか、またはハロゲンは異なる。用語「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」は、それぞれ、ハロアルキル基およびハロアルコキシ基を含み、ハロはフッ素である。例示的なハロ置換アルキルには、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、パーハロアルキルなどが含まれる(例えば、ハロ置換(C~C)アルキルには、クロロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル(CF)、パーフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジクロロエチルなどが含まれる)。
【0273】
用語「パーハロアルキル」は、特に明記しない限り、(2n+1)個のハロゲン原子により置換されているアルキルを意味し、nは、アルキル基中の炭素原子の総数である。例えば、用語「パーハロ(C~C)アルキル」または「C~Cパーハロアルキル」には、トリフルオロメチル、ペンタクロロエチル、1,1,1-トリフルオロ-2-ブロモ-2-クロロエチルなどが含まれる。
【0274】
用語「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」は、それぞれ、ハロアルキル基およびハロアルコキシ基を含み、ハロはフッ素である。例示的なハロ置換アルキルには、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、パーハロアルキルなどが含まれる(例えば、ハロ置換(C~C)アルキルには、クロロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル(CF)、パーフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジクロロエチルなどが含まれる)。
【0275】
本明細書において使用する場合、用語「アミノ」とは、-NHを意味する。用語「アルキルアミノ」は、1つの直鎖または分枝状の不飽和脂肪族、シクリルまたはヘテロシクリルラジカルが窒素に結合した窒素部分、例えば、-NH(アルキル)を意味する。用語「ジアルキルアミノ」は、2つの直鎖または分枝状の不飽和脂肪族、シクリルまたはヘテロシクリルラジカルが窒素に結合した窒素部分、例えば、-N(アルキル)(アルキル)を意味する。用語「アルキルアミノ」には、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」、「シクリルアミノ」および「ヘテロシクリルアミノ」が含まれる。用語「アリールアミノ」は、少なくとも1つのアリールラジカルが窒素に結合した窒素部分、例えば、-NHアリールおよび-N(アリール)を意味する。用語「ヘテロアリールアミノ」は、少なくとも1つのヘテロアリールラジカルが窒素に結合した窒素部分、例えば、-NHヘテロアリールおよび-N(ヘテロアリール)を意味する。必要に応じて、窒素と一緒になった2つの置換基もまた、環を形成することができる。特に示さない限り、アミノ部分を含有する本明細書において記載されている化合物は、その保護誘導体を含むことができる。アミノ部分に好適な保護基には、アセチル、tertブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。例示的なアルキルアミノには、以下に限定されないが、-NHCH、-NHCHCH、-NHCHCHCHおよび-NHCH(CHなどのNH(C~C10アルキル)が含まれる。例示的なジアルキルアミノには、以下に限定されないが、N(CH、-N(CHCH、-N(CHCHCHおよび-N(CH(CHなどの-N(C~C10アルキル)が含まれる。
【0276】
用語「アミノアルキル」は、1個もしくは複数の置換または非置換窒素原子(-N-)が、アルキル、アルケニルまたはアルキニルの炭素原子間に位置していることを除き、上で定義したアルキル、アルケニルおよびアルキニルを意味する。例えば、(C~C)アミノアルキルとは、2~6個の間の炭素、および炭素原子間に位置する1個または複数の窒素原子を含む鎖を指す。
【0277】
用語「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」は、-OHラジカルを意味する。
【0278】
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」とは、本明細書において使用する場合、酸素ラジカルがそれに結合した、上で定義したアルキル基を指し、-O-アルキル、-O-アルケニルおよび-O-アルキニルのうちの1つによって表すことができる。アロキシ(Aroxy)は、-O-アリールまたはO-ヘテロアリールによって表すことができ、アリールおよびヘテロアリールは、本明細書で定義されている通りである。アルコキシ基およびアロキシ基は、アルキルに関して、上記の通りに置換されていてもよい。例示的なアルコキシ基には、以下に限定されないが、O-メチル、O-エチル、O-n-プロピル、O-イソプロピル、O-n-ブチル、O-イソブチル、O-sec-ブチル、O-tert-ブチル、O-ペンチル、O-ヘキシル、O-シクロプロピル、O-シクロブチル、O-シクロペンチル、O-シクロヘキシルなどが含まれる。
【0279】
本明細書において使用する場合、用語「カルボニル」は、-C(O)-ラジカルを意味する。カルボニルラジカルは、様々な置換基によりさらに置換されて、酸、酸ハロゲン化物、アミド、エステル、ケトンなどを含む様々なカルボニル基を形成することができることが留意される。
【0280】
本明細書において使用する場合、用語「オキソ」は、二重結合を形成した酸素、すなわち=Oを意味する。
【0281】
用語「カルボキシ」は、-C(O)O-ラジカルを意味する。カルボキシ部分を含有する本明細書に記載されている化合物は、その保護誘導体を含むことができ、すなわち、この場合、酸素は、保護基により置換されていることが留意される。カルボキシ部分に好適な保護基には、ベンジル、tert-ブチルなどが含まれる。本明細書において使用する場合、カルボキシ基には、-COOH、すなわち、カルボキシル基が含まれる。
【0282】
用語「エステル」とは、式-C(=O)ORを有する化学部分を指し、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0283】
用語「シアノ」は、-CNラジカルを意味する。
【0284】
用語「ニトロ」は、-NOラジカルを意味する。
【0285】
用語「ヘテロ原子」とは、炭素原子ではない原子を指す。ヘテロ原子の具体的な例には、以下に限定されないが、窒素、酸素、硫黄およびハロゲンが含まれる。「ヘテロ原子部分」は、原子が炭素ではなく、その原子によって結合している部分を含む。ヘテロ原子部分の例には、-N=、-NR-、-N(O)=、-O-、-S-または-S(O)-、-OS(O)-および-SS-が含まれ、Rは、Hまたはさらなる置換基である。
【0286】
用語「アルキルチオ」および「チオアルコキシ」とは、酸素原子が硫黄により置き換えられている、上で定義したアルコキシ基を指す。好ましい実施形態では、「アルキルチオ」部分は、-S-アルキル、-S-アルケニルおよび-S-アルキニルのうちの1つによって表される。代表的なアルキルチオ基は、メチルチオ、エチルチオなどを含む。用語「アルキルチオ」はまた、シクロアルキル基、アルケンおよびシクロアルケン基およびアルキン基を包含する。「アリールチオ」とは、アリール基またはヘテロアリール基を指す。
【0287】
用語「スルフィニル」は、-SO-ラジカルを意味する。スルフィニルラジカルは、様々な置換基によりさらに置換されて、スルフィン酸、スルフィンアミド、スルフィニルエステル、スルホキシドなどを含む様々なスルフィニル基を形成することができることが留意される。
【0288】
用語「スルホニル」とは、-SO-ラジカルを意味する。スルホニルラジカルは、様々な置換基によりさらに置換されて、スルホン酸(-SOH)、スルホンアミド、スルホネートエステル、スルホンなどを含む様々なスルホニル基を形成することができることが留意される。
【0289】
用語「チオカルボニル」は、-C(S)-ラジカルを意味する。チオカルボニルラジカルは、様々な置換基によりさらに置換されて、チオ酸、チオアミド、チオエステル、チオケトンなどを含む様々なチオカルボニル基を形成することができることが留意される。
【0290】
「アシル」とは、アルキル-CO-基を指し、アルキルは既に記載した通りである。例示的なアシル基は、1~約30個の炭素原子からなるアルキルを含む。例示的なアシル基にはまた、アセチル、プロパノイル、2-メチルプロパノイル、ブタノイルおよびパルミトイルが含まれる。
【0291】
「アロイル」は、アリール-CO-基を意味し、アリールは既に記載した通りである。例示的なアロイル基には、ベンゾイル、ならびに1-ナフトイルおよび2-ナフトイルが含まれる。
【0292】
「アリールチオ」とは、アリール-S-基を指し、アリール基は既に記載した通りである。例示的なアリールチオ基には、フェニルチオおよびナフチルチオが含まれる。
【0293】
「アラルキル」は、アリール-アルキル-基を指し、アリールおよびアルキルは既に記載した通りである。例示的なアラルキル基には、ベンジル、フェニルエチルおよびナフチルメチルが含まれる。
【0294】
「アラルキルオキシ」とは、アラルキル-O-基を指し、アラルキル基は既に記載した通りである。例示的なアラルキルオキシ基は、ベンジルオキシである。
【0295】
「アラルキルチオ」とは、アラルキル-S-基を指し、アラルキル基は既に記載した通りである。例示的なアラルキルチオ基は、ベンジルチオである。
【0296】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル-O-CO-基を指す。例示的なアルコキシカルボニル基には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニルおよびt-ブチルオキシカルボニルが含まれる。
【0297】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール-O-CO-基を指す。例示的なアリールオキシカルボニル基には、フェノキシ-カルボニルおよびナフトキシ-カルボニルが含まれる。
【0298】
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル-O-CO-基を指す。例示的なアラルコキシカルボニル基は、ベンジルオキシカルボニルである。
【0299】
「カルバモイル」とは、HN-CO-基を指す。
【0300】
「アルキルカルバモイル」とは、R’RN-CO-基を指し、RおよびR’の一方は水素であり、RおよびR’の他方は、既に記載したアルキルである。
【0301】
「ジアルキルカルバモイル」とは、R’RN-CO-基を指し、RおよびR’はそれぞれ、独立して、既に記載したアルキルである。
【0302】
「アシルオキシ」とは、アシル-O-基を指し、アシルは既に記載した通りである。「アシルアミノ」とは、アシル-NH-基を指し、アシルは既に記載した通りである。「アロイルアミノ」とは、アロイル-NH-基を指し、アロイルは既に記載した通りである。
【0303】
用語「必要に応じて置換されている」は、指定した基または部分が、非置換であるか、または「置換基」に関する定義において以下に列挙されている、もしくは他に指定されている置換基の群から独立して選択される、1つまたは複数(通常、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により置換されていることを意味する。用語「置換基」とは、置換されている基のいずれかの原子における置換された基上に「置換されている」基を指す。好適な置換基には、非限定的に、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドが含まれる。一部の場合、2つの置換基は、それらが結合している炭素と一緒になって、環を形成することができる。
【0304】
例えば、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはアリールのいずれも、OH、CN、-SC(O)Ph、オキソ(=O)、SH、SONH、SO(C~C)アルキル、SONH(C~C)アルキル、ハロゲン、カルボニル、チオール、シアノ、NH、NH(C~C)アルキル、N[(C~C)アルキル]、C(O)NH、COOH、COOMe、アセチル、(C~C)アルキル、O(C~C)アルキル、O(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)アルキニル、ハロアルキル、チオアルキル、シアノメチレン、アルキルアミニル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、NH-C(O)-アルキレン、NH(Me)-C(O)-アルキレン、CH-C(O)-アルキル、C(O)-アルキル、アルキルカルボニルアミニル、CH-[CH(OH)]-(CH-OH、CH-[CH(OH)]-(CH-NHまたはCH-アリール-アルコキシから選択される、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つの基により必要に応じて置換されており、「m」および「p」は、独立して、1、2、3、4、5または6である。
【0305】
一部の実施形態では、必要に応じて置換されている基は、1つの置換基により置換されている。一部の他の実施形態では、必要に応じて置換されている基は、同じであり得る、または異なり得る、独立して選択される2つの置換基により置換されている。一部の他の実施形態では、必要に応じて置換されている基は、同じであり得る、異なり得る、または同じものと異なるものとの任意の組合せであり得る、独立して選択される3つの置換基により置換されている。さらに一部の他の実施形態では、必要に応じて置換されている基は、同じであり得る、異なり得る、または同じものと異なるものとの任意の組合せであり得る、独立して選択される4つの置換基により置換されている。さらに一部の他の実施形態では、必要に応じて置換されている基は、同じであり得る、異なり得る、または同じものと異なるものとの任意の組合せであり得る、独立して選択される5つの置換基により置換されている。
【0306】
「イソシアナト」基は、NCO基を指す。
【0307】
「チオシアナト」基は、CNS基を指す。
【0308】
「イソチオシアナト」基は、NCS基を指す。
【0309】
「アルコイルオキシ」とは、RC(=O)O-基を指す。
【0310】
「アルコイル」とは、RC(=O)-基を指す。
【0311】
化合物のいずれかの構造のすべてが、例示目的のために本明細書において提示されており、特定の異性体を開示している。しかし、当業者は、本明細書において記載されている化合物のいずれかの構造のすべての可能な異性体を認識していよう。したがって、式(I)および(II)のいずれかの鏡像異性体などの他の異性体が、本発明の範囲内に収まると考えられる。本明細書において使用する場合、用語「異性体」とは、同じ分子式を有するが、構造の異なる化合物を指す。立体配置および/または立体構造だけが異なる異性体は、「立体異性体」と称される。用語「異性体」は、鏡像異性体を指すためにも使用される。
【0312】
用語「鏡像異性体」は、互いに鏡像であり、重ね合わせることができない、一対の分子異性体の1つを説明するために使用される。表示「R」および「S」は、そのキラル中心の周りの分子の絶対配置を表すために使用される。この表示は、接頭辞としてまたは接尾辞として出現することがある。それらの表示は、ハイフンによって異性体と分けられていることがあるか、または分けられていないことがある。それらの表示は、ハイフンでつなげられていることがあるか、またはつなげられていないことがある。それらの表示は、括弧によって囲まれていることがあるか、または囲まれていないことがある。表示「(+)」および「(-)」は、化合物による面偏光の回転の符号を表示するために使用され、(-)は、その化合物が左旋性(左に回転させる)であることを意味する。(+)により接頭辞が付けられた化合物は、右旋性(右に回転させる)である。鏡像異性体を表示するため、またはこれを指すために使用される他の用語は、「立体異性体」(なぜなら、キラル中心の周りが異なる配置または立体化学であるからである。鏡像異性体のすべてが立体異性体であるが、立体異性体のすべてが、鏡像異性体とは限らない)または「光学異性体」(なぜなら、純粋な鏡像異性体は光学活性であるからであり、光学活性とは、異なる純粋な鏡像異性体は、異なる方向に面偏光を回転させる能力のことである)を含む。鏡像異性体は一般に、融点および沸点などの、同じ物理特性を有し、同じ分光特性も有する。鏡像異性体は、面偏光を含む相互作用に関して、および生物活性に関して、互いに異なり得る。
【0313】
様々な実施形態では、式(I)または(II)の化合物は、その鏡像異性体、誘導体、プロドラッグおよび薬学的に許容される塩を含む。
【0314】
用語「誘導体」は、本明細書において使用する場合、化学物質であって、「親」化合物と称され得る、別のすなわち「元々の」物質に構造的に関係する化学物質を指す。「誘導体」は、1つまたは複数のステップにおいて、構造的に関連する親化合物から作製することができる。誘導体の一般的な物理的特性および化学的特性は、親化合物にやはり類似している。
【0315】
上述の実施形態のいずれかの指定の要素が組み合わされ得るか、または他の実施形態における要素の代わりにされ得る。さらに、本開示のある特定の実施形態に関連する利点を、これらの実施形態の文脈において記載してきたが、他の実施形態もまた、このような利点を示すことがあり、本開示の範囲内に収まるよう、すべての実施形態が、このような利点を必ずしも示す必要はない。
【0316】
本明細書において開示されている本発明の代替的な要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各群のメンバーは、個別に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書において見出される他の要素と任意に組み合わされて、参照および特許請求され得る。あるグループの1つまたは複数のメンバーは、便宜性および/または特許性が理由で、あるグループ内に含まれ得るか、またはそのグループから除外され得る。このような任意の包含または排除が行われる場合、本明細書は、修正されたグループが本明細書において含まれるものとみなされ、これにより、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュ群の記載された説明が満たされる。
【0317】
本技術の態様は、以下の番号付けされた実施形態のいずれかにおいて定義され得る:
【0318】
実施形態1:アミノ酸を特定する方法であって、(a)アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、プローブが、アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、および(c)プローブの蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップを含む方法。
【0319】
実施形態2:複数のアミノ酸を特定する多重方法であって、(a)複数のプローブを複数のアミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはチオール基にコンジュゲートするステップであって、複数のプローブにおける各プローブが、異なるアミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)複数のアミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、および(c)プローブの複数の蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なるアミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップを含む多重方法。
【0320】
実施形態3:プローブが、アミノ酸に共有結合によりコンジュゲートされている、実施形態2または実施形態3の方法。
【0321】
実施形態4:プローブが、アミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはチオール基にコンジュゲートされている、実施形態1~3のいずれか1つの方法。
【0322】
実施形態5:プローブが、アミノ酸のアミノ基にコンジュゲートされている、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0323】
実施形態6:プローブが、アミノ酸のカルボキシル基にコンジュゲートされている、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0324】
実施形態7:アミノ酸が試料中に存在する、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
【0325】
実施形態8:アミノ酸がポリペプチド中に存在する、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0326】
実施形態9:アミノ酸が、ポリペプチドのN末端に存在する、実施形態8の方法。
【0327】
実施形態10:アミノ酸が、ポリペプチドのC末端に存在する、実施形態8の方法。
【0328】
実施形態11:ポリペプチドの配列を決定する方法であって、(a)ポリペプチドの末端アミノ酸にプローブをコンジュゲートするステップであって、プローブが、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)ポリペプチドの末端アミノ酸に結合したプローブの蛍光を検出することによって、末端アミノ酸にコンジュゲートされているプローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、(c)プローブの蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、ポリペプチドの対応する末端アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップ、(d)ポリペプチドの末端アミノ酸を開裂するステップ、および(e)ステップ(a)~(d)を1回または複数回、逐次、繰り返して、ポリペプチドの少なくとも一部の配列を決定するステップを含む方法。
【0329】
実施形態12:複数のポリペプチドの配列を決定する多重方法であって、(a)複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸に複数のプローブをコンジュゲートするステップであって、複数のプローブにおける各プローブが、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされていると、異なる蛍光スペクトル特性を示すジピロロメタン-BF2誘導体を含む、ステップ、(b)複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数の蛍光スペクトル特性を検出するステップ、(c)プローブの蛍光スペクトル特性と複数の参照蛍光スペクトル特性とを比較することによって、複数のポリペプチドの各々の対応する末端アミノ酸を特定するステップであって、参照蛍光スペクトル特性がそれぞれ、異なる末端アミノ酸にコンジュゲートされているプローブを代表するものである、ステップ、(d)複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸を開裂するステップ、および(e)ステップ(a)~(d)を1回または複数回、逐次、繰り返して、複数のポリペプチドの各々の少なくとも一部の配列を決定するステップを含む多重方法。
【0330】
実施形態13:複数のプローブにおけるプローブが同じである、実施形態2または12の方法。
【0331】
実施形態14:複数のプローブにおける少なくとも2つのプローブが異なる、実施形態2または12の方法。
【0332】
実施形態15:末端アミノ酸が、ポリペプチドのN末端に存在する、実施形態11~14のいずれか1つの方法。
【0333】
実施形態16:末端アミノ酸が、ポリペプチドのC末端に存在する、実施形態11~14のいずれか1つの方法。
【0334】
実施形態17:末端アミノ酸を開裂するステップが、酵素による開裂を含む、実施形態11~16のいずれか1つの方法。
【0335】
実施形態18:末端アミノ酸を開裂するステップが化学的開裂を含む、実施形態11~16のいずれか1つの方法。
【0336】
実施形態19:ポリペプチドが試料中に存在する、実施形態11~15のいずれか1つの方法。
【0337】
実施形態20:複数のポリペプチドを含む試料中の、空間分解位における複数のポリペプチドの各々の末端アミノ酸にコンジュゲートした各プローブの1つまたは複数のスペクトル特性を検出するステップを含む、実施形態19の方法。
【0338】
実施形態21:試料が生体試料である、実施形態7、19または20のいずれか1つの方法。
【0339】
実施形態22:生体試料が、生体液、組織、器官、細胞である、実施形態21の方法。
【0340】
実施形態23:コンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性を前記検出するステップが、超解像顕微鏡法を含む、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
【0341】
実施形態24:超解像顕微鏡法が、確率論的再構築光学顕微鏡法(STORM)を含む、実施形態23の方法。
【0342】
実施形態25:1つまたは複数のスペクトル特性を検出するステップが、コンジュゲートされているプローブの蛍光を検出することを含む、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
【0343】
実施形態26:コンジュゲートされているプローブの1つまたは複数のスペクトル特性を検出するステップが、蛍光発光強度、極性/異方性または寿命を検出することを含む、実施形態1~26のいずれか1つの方法。
【0344】
実施形態27:発光強度、極性/異方性または寿命を前記検出するステップが、単一波長におけるものである、実施形態26の方法。
【0345】
実施形態28:発光強度、極性/異方性または寿命を前記検出するステップが、複数の波長におけるものであることを含む、実施形態26の方法。
【0346】
実施形態29:ジピロロメタン-BF2誘導体が、不安定基または反応性基を含む、実施形態1~28のいずれか1つの方法。
【0347】
実施形態30:ジピロロメタン-BF2誘導体が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体を含む、実施形態1~29のいずれか1つの方法。
【0348】
実施形態31:プローブが、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体の8位(メソ位)を介してコンジュゲートされている、実施形態30の方法。
【0349】
実施形態32:4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン誘導体が、8位(メソ位)に不安定基または反応性基を含む、実施形態31の方法。
【0350】
実施形態33:プローブが、式(I)(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRが、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、および不安定基または脱離基からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、不安定基または脱離基であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよい)である、実施形態1~30のいずれか1つの方法。
【0351】
実施形態34:Rが、不安定基または脱離基である、実施形態33の方法。
【0352】
実施形態35:Rが、必要に応じて置換されているアルキルチオ、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルコキシル、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステルおよびジアゾニウムである、実施形態33または34の方法。
【0353】
実施形態36:Rが、-SR8Sまたはハロゲンであり、R8Sが、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態35の方法。
【0354】
実施形態37:R8Sが、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態36の方法。
【0355】
実施形態38:R8Sが、メチル、アリル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-ニトロフェニル、ベンジルまたは4-メトキシベンジルであり、必要に応じて、R8Sが、メチルである、実施形態37の方法。
【0356】
実施形態39:R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つがHではない、実施形態33~38のいずれか1つの方法。
【0357】
実施形態40:R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子求引基(EWG)である、実施形態33~39のいずれか1つの方法。
【0358】
実施形態41:R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子供与基(EDG)である、実施形態33~39のいずれか1つの方法。
【0359】
実施形態42:R、RおよびRのうちの少なくとも2つが同じである、実施形態33~41のいずれか1つの方法。
【0360】
実施形態43:R、RおよびRのうちの少なくとも2つが異なる、実施形態33~41のいずれか1つの方法。
【0361】
実施形態44:RおよびRが異なるか、またはRおよびRが異なるか、またはRおよびRが異なる、実施形態33~43のいずれか1つの方法。
【0362】
実施形態45:RおよびRが同じであり、RおよびRが同じであり、RおよびRが同じである、実施形態33~43のいずれか1つの方法。
【0363】
実施形態46:Rが、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、実施形態33~45のいずれか1つの方法。
【0364】
実施形態47:Rが、Hまたはメチルである、実施形態46の方法。
【0365】
実施形態48:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態33~47のいずれか1つの方法。
【0366】
実施形態49:Rが、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態48の方法。
【0367】
実施形態50:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレン(napthelene)である、実施形態33~49のいずれか1つの方法。
【0368】
実施形態51:Rが、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R9A、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R9Aが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、実施形態33~50のいずれか1つの方法。
【0369】
実施形態52:Rが、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、実施形態33~51のいずれか1つの方法。
【0370】
実施形態53:Rが、H、メチルまたは-CH=CH-R9Aであり、R9Aが、必要に応じて置換されているフェニルである、実施形態33~51のいずれか1つの方法。
【0371】
実施形態54:R9Aが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、実施形態53の方法。
【0372】
実施形態55:R9Aが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、実施形態54の方法。
【0373】
実施形態56:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、実施形態33~55のいずれか1つの方法。
【0374】
実施形態57:Rが、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R9B、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R9Bが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、実施形態33~56のいずれか1つの方法。
【0375】
実施形態58:Rが、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、実施形態33~57のいずれか1つの方法。
【0376】
実施形態59:Rが、H、メチルまたは-CH=CH-R9Bであり、R9Bが、必要に応じて置換されているフェニルである、実施形態33~57のいずれか1つの方法。
【0377】
実施形態60:R9Bが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、実施形態59の方法。
【0378】
実施形態61:R9Bが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、実施形態60の方法。
【0379】
実施形態62:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態33~61のいずれか1つの方法。
【0380】
実施形態63:Rが、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態62の方法。
【0381】
実施形態64:Rが、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、実施形態33~63のいずれか1つの方法。
【0382】
実施形態65:Rが、Hまたはメチルである、実施形態64の方法。
【0383】
実施形態66:R、R、R、R、RおよびRが、Hである、実施形態33~65のいずれか1つの方法。
【0384】
実施形態67:R、R、R、R、R、R、RおよびRが、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイド、および不安定基または脱離基からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、不安定基または脱離基であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよく、ただし、必要に応じて、(i)R8Sがメチルである場合、(a)R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、(b)R、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、メチルでもエチルでもp-ニトロフェニルでもない、(c)R、R、RおよびRは、メチルではなく、RおよびRは、Hではない、(d)RおよびRは、Hではなく、R、R、RおよびRは、ClでもBrでもない、(e)R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、-C(O)Hではない、(f)Rは、p-ニトロフェニルではなく、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、メチルではない、および(g)R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、フェニルでも、p-ニトロフェニルでも、p-ヨードフェニルでも、p-カルボキシリックフェニルでも、p-メトキシフェニルでもない、ならびに/または(ii)R8Sが、アリル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、n-ドデシル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、p-メチルフェニル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニルまたはベンジル(-CHPH)である場合、R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、ならびに/または(iii)Rが、Clである場合、(a)R、R、R、R、RおよびRは、Hではない、(b)R、R、R、RおよびRは、Hではなく、Rは、Clではない、(c)R、R、RおよびRは、Hではなく、RおよびRは、Clではない、(d)R、RおよびRは、Hではなく、R、RおよびRは、Clではない、および(e)R、R、R、R、RおよびRは、Clではないことを条件とする、式(I)の化合物。
【0385】
実施形態68:Rが、不安定基または脱離基である、実施形態67の化合物。
【0386】
実施形態69:Rが、必要に応じて置換されているアルキルチオ、ハロゲン、必要に応じて置換されているアルコキシル、ヒドロキシル、必要に応じて置換されているアシルオキシ、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステルおよびジアゾニウムである、実施形態67または68の化合物。
【0387】
実施形態70:Rが、-SR8Sまたはハロゲンであり、R8Sが、必要に応じて置換されているアルキル、パーハロアルキル、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じてシクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態67~69のいずれか1つの化合物。
【0388】
実施形態71:R8Sが、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態71の化合物。
【0389】
実施形態72:R8Sが、メチル、アリル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-ニトロフェニル、ベンジルまたは4-メトキシベンジルであり、必要に応じて、R8Sがメチルである、実施形態72の化合物。
【0390】
実施形態73:R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つがHではない、実施形態67~72のいずれか1つの化合物。
【0391】
実施形態74:R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子求引基(EWG)である、実施形態67~73のいずれか1つの化合物。
【0392】
実施形態75:R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが、電子供与基(EDG)である、実施形態67~73のいずれか1つの化合物。
【0393】
実施形態76:R、RおよびRのうちの少なくとも2つが同じである、実施形態67~75のいずれか1つの化合物。
【0394】
実施形態77:R、RおよびRのうちの少なくとも2つが異なる、実施形態67~75のいずれか1つの化合物。
【0395】
実施形態78:RおよびRが異なるか、またはRおよびRが異なるか、またはRおよびRが異なる、実施形態66~77のいずれか1つの化合物。
【0396】
実施形態79:RおよびRが同じであり、RおよびRが同じであり、RおよびRが同じである、実施形態67~78のいずれか1つの化合物。
【0397】
実施形態80:Rが、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、実施形態67~79のいずれか1つの化合物。
【0398】
実施形態81:Rが、Hまたはメチルである、実施形態80の化合物。
【0399】
実施形態82:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態67~81のいずれか1つの化合物。
【0400】
実施形態83:Rが、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態82の化合物。
【0401】
実施形態84:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、実施形態67~83のいずれか1つの化合物。
【0402】
実施形態85:Rが、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、Rが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、実施形態67~84のいずれか1つの化合物。
【0403】
実施形態86:Rが、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、実施形態67~85のいずれか1つの化合物。
【0404】
実施形態87:Rが、H、メチルまたは-CH=CH-R9Aであり、Rが、必要に応じて置換されているフェニルである、実施形態67~86のいずれか1つの化合物。
【0405】
実施形態88:R9Aが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、実施形態87の化合物。
【0406】
実施形態89:R9Aが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、実施形態88の化合物。
【0407】
実施形態90:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、実施形態67~89のいずれか1つの化合物。
【0408】
実施形態91:Rが、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R9B、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R9Bが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、実施形態67~90のいずれか1つの化合物。
【0409】
実施形態92:Rが、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、実施形態67~91のいずれか1つの化合物。
【0410】
実施形態93:Rが、H、メチルまたは-CH=CH-R9Bであり、R9Bが、必要に応じて置換されているフェニルである、実施形態67~91のいずれか1つの化合物。
【0411】
実施形態94:R9Bが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、実施形態93の化合物。
【0412】
実施形態95:R9Bが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、実施形態94の化合物。
【0413】
実施形態96:Rが、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態67~95のいずれか1つの化合物。
【0414】
実施形態97:Rが、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態96の化合物。
【0415】
実施形態98:Rが、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、実施形態67~97のいずれか1つの化合物。
【0416】
実施形態99:R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28が、水素、ハロゲン、アルキル、パーハロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されているアルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヒドロキシル、アシル、アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、エステル、アルコキシル、シアノ、ニトロ、チオール、アルキルチオ、スルホネート、スルフィニル、スルホニル、カルバモイル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ウレイドおよびアミノ酸からなる群からそれぞれ独立して選択され、必要に応じて、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28のうちの少なくとも1つが、アミノ酸であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、エステル、アルコキシルおよびアルキルチオのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アルコキシカルボニル、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレーンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレーンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノまたはウレイドからなる群から独立して選択される1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)の置換基により必要に応じて置換されていてもよい、式(II)の化合物。
【0417】
実施形態100:R28がアミノ酸である、実施形態99の化合物。
【0418】
実施形態101:R21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つがHではない、実施形態99~100のいずれか1つの化合物。
【0419】
実施形態102:R21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つが、電子求引基(EWG)である、実施形態99~101のいずれか1つの化合物。
【0420】
実施形態103:R21、R22、R23、R25、R26およびR27のうちの少なくとも1つが、電子供与基(EDG)である、実施形態99~102のいずれか1つの化合物。
【0421】
実施形態104:R21、R22およびR23のうちの少なくとも2つが同じである、実施形態99~103のいずれか1つの化合物。
【0422】
実施形態105:R21、R22およびR23のうちの少なくとも2つが異なる、実施形態99~103のいずれか1つの化合物。
【0423】
実施形態106:R21およびR27が異なるか、またはR22およびR26が異なるか、またはR23およびR25が異なる、実施形態99~105のいずれか1つの化合物。
【0424】
実施形態107:R21およびR27が同じであり、R22およびR26が同じであり、R23およびR25が同じである、実施形態99~105のいずれか1つの化合物。
【0425】
実施形態108:R21が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、実施形態99~107のいずれか1つの化合物。
【0426】
実施形態109:R21が、Hまたはメチルである、実施形態108の化合物。
【0427】
実施形態110:R22が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態99~109のいずれか1つの化合物。
【0428】
実施形態111:R22が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態110の化合物。
【0429】
実施形態112:R23が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、実施形態99~111のいずれか1つの化合物。
【0430】
実施形態113:R23が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R29A、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R29Aが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、実施形態99~113のいずれか1つの化合物。
【0431】
実施形態114:R23が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、実施形態99~113のいずれか1つの化合物。
【0432】
実施形態115:R23が、H、メチルまたは-CH=CH-R29Aであり、R29Aが、必要に応じて置換されているフェニルである、実施形態99~113のいずれか1つの化合物。
【0433】
実施形態116:R29Aが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロア(haloa) ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、実施形態115の化合物。
【0434】
実施形態117:R29Aが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、実施形態116の化合物。
【0435】
実施形態118:R25が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル 必要に応じて置換されているC~Cアルケニル、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているナフタレンである、実施形態99~117のいずれか1つの化合物。
【0436】
実施形態119:R25が、H、Br、Cl、メチル、-CH=CH-R29B、フェニル、ビスフェニル(4フェニルフェニル)、ナフタレンまたはフェニル(ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されている)であり、R29Bが、必要に応じて置換されているアリールまたはヘテロアリールである、実施形態99~118のいずれか1つの化合物。
【0437】
実施形態120:R25が、H、メチル、フェニル、4-ニトロフェニル、4-シアノフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ビスフェニルまたはナフタレンである、実施形態99~119のいずれか1つの化合物。
【0438】
実施形態121:R25が、H、メチルまたは-CH=CH-R29Bであり、R29Bが、必要に応じて置換されているフェニルである、実施形態99~119のいずれか1つの化合物。
【0439】
実施形態122:R29Bが、フェニル、またはニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロア ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、C1~C6アルキル、C1~C6パーハロアルキル C~Cハロアルキルからなる群から選択される置換基により置換されているフェニルである、実施形態121の化合物。
【0440】
実施形態123:R29Bが、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルまたは4-シアノフェニルである、実施形態122の化合物。
【0441】
実施形態124:R26が、H、ハロゲン、必要に応じて置換されているC~Cアルキル、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態99~123のいずれか1つの化合物。
【0442】
実施形態125:R26が、H、Br、Cl、-C(O)Hまたは-SOHである、実施形態124の化合物。
【0443】
実施形態126:R27が、Hまたは必要に応じて置換されているC~Cアルキルである、実施形態99~125のいずれか1つの化合物。
【0444】
実施形態127:Rが、Hまたはメチルである、実施形態126の化合物。
【0445】
本開示は、本明細書において提示されている、特定の方法論、プロトコルおよび試薬などに限定されず、したがって、様々になり得ることが理解されるべきである。本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的に過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。本発明は、以下の実施例によってさらに例示され、これは、さらなる限定として解釈されるべきではない。
【実施例
【0446】
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0447】
(実施例1)
例示的な化合物BOPIDYの合成
一態様では、本発明者らは、N末端アミノ酸に直接的にコンジュゲートされ得る、ホウ素-ジピロロメタン色素(BODIPY)(図1)の使用を開発した。このコンジュゲートは、色素の光物理特性に影響を及ぼし、ひいては、アミノ酸に依存する、異なるスペクトルシグナルをもたらす。(図6)に概説される通り、BODIPY色素は、この実施例では、蛍光発光による、ほぼすべてのアミノ酸を区別することができる。
【0448】
新規なBODIPY誘導体は、容易に入手可能な出発原料から公知の合成方法を使用して合成される(スキーム1およびスキーム2)。色素に、通常のPBSまたは類似の緩衝条件下、マイクロアレイにおける溶液中の、または固定細胞中のアミノ酸またはポリペプチドを施し、アミノ酸の窒素へのコンジュゲートをもたらすことができる(図1)。スペクトル特性を測定し、その情報を使用して、直接的にコンジュゲートされたアミノ酸の同一性を決定する(図7)。
【0449】
方法1:8-チオエーテルBODIPYコアの合成
例示的な8-チオエーテルBODIPY色素は、スキーム1に示されている方法を使用して合成した。
【化15】
スキーム1:8-チオエーテルBODIPY色素コアの一般合成
【0450】
合成は、チオケトンの形成から始めた。無水THF中、不活性雰囲気下、ピロール誘導体(2当量)を加え、氷-水浴を使用して、0℃に冷却した。次に、チオホスゲン(1当量)を加え、反応物を0Cで15分間、撹拌した。この反応物をメタノールによりクエンチし、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(5~20%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。
【0451】
次に、チオケトンを不活性雰囲気下、無水DCM中に溶解し、ハロゲン化アルキル(10当量)を加えた。反応をTLCによってモニタリングした。完了すると、粗製混合物を減圧下で濃縮乾固して、過剰のハロゲン化アルキルを除去し、無水DCMに再懸濁させた。この溶液に、トリメチルアミン(5当量)を加えた。この溶液を不活性雰囲気下、室温で30分間、撹拌した。30分後、BF・OEtを加え、出発原料がTLCによって消費されるまで、この溶液を撹拌する。この反応物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(5~20%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製すると、8-チオエーテルBODIPYが生成した。この方法により作製した例示的なBODIPY色素を図2に示す。
【0452】
方法2:8-クロロおよび8-アリールチオエーテルBODIPY合成
例示的な8-クロロおよび8-アリールチオエーテルBODIPYは、スキーム2に示されている通りに合成した。
【化16】
スキーム2:8-クロロBODIPYおよび8-アリールチオエーテルBODIPYの一般合成
【0453】
無水DCE中、不活性雰囲気下、ピロール(1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(0.5当量)を加え、氷-水浴を使用してこの溶液を0Cに冷却した。この溶液にトリホスゲン(0.33当量)を加え、TLCによって完全に変換されるまで、0Cで撹拌した。一旦、消費されると、さらなる当量のピロールを加え、次に、ケトンに完全に変換されるまで、この溶液を還流した。次に、この溶液を冷却し、ジエチルエーテルにより希釈して水により洗浄した。有機層を乾燥して濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/DCM)によって精製した。
【0454】
次に、8-クロロBODIPYを置換して、8-アリールチオエーテルBODIPYを形成した。これを2つの異なる方法によって行った:
【0455】
1. 8-クロロBODIPY(1当量)、アリールチオール(1当量)およびトリメチルアミン(1当量)を無水DCMに加えた。TLCによって完了するまで、この反応物を周囲条件下で撹拌した。この反応物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0456】
2. 8-クロロBODIPY(1当量)、アリールジスルフィド(1当量)およびトリフェニルホスフィン(1当量)を無水DCMに加えた。TLCによって完了するまで、この反応物を周囲条件下で撹拌した。この反応物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0457】
方法3:8-チオエーテルBODIPYの四ハロゲン化
四ハロゲン化8-チオエーテルBODIPYは、スキーム3に示されている方法を使用して合成した。
【化17】
スキーム3:四ハロゲン化8-チオエーテルBODIPYの合成
【0458】
THFに非置換BODIPY(BDP-001)を加え、-40Cに冷却した。この溶液にN-ハロスクシンイミド(5当量)をゆっくりと加え、TLCによってモニタリングした。完了すると、反応物を室温まで温めて濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製した。
【0459】
方法4:Vilsmeier-Haackによる8-チオエーテルBODIPYへのアルデヒド付加
β-ホルミル-8-チオエーテルBODIPYを、スキーム4に示されている通りに合成した。
【化18】
スキーム4:ベータ-ホルミル置換8-チオエーテルBODIPYの合成
【0460】
DMFを等分量のPOCI2に加え、不活性雰囲気下、氷浴中で、5分間、撹拌した。5分後、この溶液を室温まで温め、さらに30分間、撹拌した。この反応混合物に、DCE中の非置換BODIPY(BDP-001)を加え、温度を50℃まで昇温し、この混合物をさらに2時間、撹拌した。2時間後、この溶液を氷水に注ぎ入れて、DCMにより抽出した。有機層を乾燥してろ過し、濃縮してフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、β-ホルミル置換8-チオエーテルBODIPYが生成した。
【0461】
方法5:Knoevenagel縮合によるコンジュゲート色素の延長
モノ-およびビス-スチリルBODIPYによるコンジュゲートの延長を、スキーム5に示されている通り、Knoevenagel縮合により達成した。
【化19】
スキーム5:縮合8-チオエーテルBODIPy色素の一般合成
【0462】
α,α’-ジメチル8-チオエステルBODIPY(BDP-002)(1当量)を、アリールアルデヒド(10当量)、無水トルエンおよび4Åモレキュラーシーブと混合した。酢酸(0.1当量)およびピペリジン(0.1当量)を加え、この溶液を還流した。出発原料が一旦、消費されると、反応物をろ過して濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、モノ-スチリルおよびビス-スチリル8-チオエーテルBODIPY色素が得られた。
【0463】
この方法により作製した例示的なBODIPY色素を、図3に示す。
【0464】
方法6:芳香族求電子置換による、8-チオエーテルBODIPY色素のスルホン化
スキーム6に示されている通り、8-チオエーテルBODIPYの芳香族求電子置換を行い、β-スルホネートを導入した。
【化20】
スキーム6:縮合8-チオエーテルBODIPy色素の一般合成
【0465】
不活性条件下、無水DCMにα,α’-ジメチル8-チオエステルBODIPY(BDP-002)(1当量)を加え、-40Cに冷却した。この反応物に無水DCM中のクロロスルホン酸(3.7当量)を滴下して加え、-40Cで20分間、撹拌した。次に、反応物を-15Cまで30分間、温め、次いで、室温まで温めた。この溶液を室温でさらに1時間、撹拌した。形成した沈殿物をDCMにより数回、粉砕した。固体を減圧下で乾燥すると、β-β’-スルホン化8-チオエーテルBODIPYが得られた。
【0466】
この方法により作製した例示的なBODIPY色素を、図4に示す。
【0467】
方法7:Suzukiカップリングによるピロールビアリール合成
ビス-ビアリール8-チオエーテルBODIPYを生成するため、Suzukiカップリング(スキーム7)を使用して、次に、上の方法1において出発原料として使用することができるビアリールピロールを形成することができる。
【化21】
スキーム7:ピロールビアリールの一般合成
【0468】
ハロゲン化アリール(1.1当量)、炭酸ナトリウム(2当量)およびパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.2当量)を含む水/THFに、Bo-ピロール-2-ボロン酸(1当量)を加えた。この溶液を窒素で脱気し、TLCによって完全な変換が観察されるまで、70Cに加熱した。この反応物を水により希釈し、DCMで抽出した。有機層を乾燥してろ過し、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0469】
次に、Boc-ビアリール(1当量)をメタノールに溶解し、ナトリウムメトキシド(10当量)を添加して、50Cに加熱した。反応物をTLCによってモニタリングした。生成物が完全に形成されると、反応を水性飽和塩化アンモニウムによりクエンチし、DCMで洗浄した。有機層を乾燥してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、方法1における出発原料として使用することができるビアリールが生成した。
【0470】
この方法によって生成したビアリールを、方法1において出発原料として使用する、例示的なBODIPY色素を図5に示す。
【0471】
方法8:光活性化による非対称ビアリール色素合成
【化22】
スキーム8:非対称ピロールビアリールの一般合成
非対称ビス-ビアリール8-チオエーテルBODIPYを生成するため、非置換BODIPY(BDP-001)(1当量)およびアリールジアゾニウムテトラフルオロボレート塩(1~2当量)を無水アセトン中で混合し、窒素ガスを15分間、吹き付けた(スキーム8)。この溶液を密封し、モノ-ビアリールに完全に変換されるまで、370nmのLEDに曝露させた。モノ-ビアリールをフラッシュクロマトグラフィー(30~50%トルエン/ヘキサン)によって精製する。次に、モノ-ビアリールを異なるアリールジアゾニウムテトラフルオロボレート塩(1~2当量)と無水アセトン中で混合する。この溶液に15分間、窒素ガスを吹き付けて密封し、非対称ビアリール8-チオエーテルBODIPYに完全に変換されるまで、370nmのLEDに曝露させた。ビス-ビアリールをフラッシュクロマトグラフィー(20~50%DCM/ヘキサン)によって精製した。
【0472】
方法9:光活性化による非対称ビアリール-スチリル色素合成
【化23】
スキーム9:非対称ビアリール-スチリルBODIPY色素の一般合成
非対称ビアリール-スチリル8-チオエーテルBODIPYを生成するため、例えば、チオケトン形成に等量のピロールおよび2-メチルピロールを使用して、方法1により非対称αメチル8-チオエステルBODIPYを最初に合成する。次に、モノ-ビアリールを方法8によって合成する。この後に、非対称ビアリール-スチリル(biary-stryl)を、方法5のKnoevenagel縮合を使用して形成する。
【0473】
(実施例2)
BODIPY色素のアミノ酸へのコンジュゲート
物質/機器:
- 20の天然アミノ酸の10mM保存溶液をDMSO中で作製し、-20℃の冷凍庫に保管する。
- 10~100mMの範囲の色素の保存溶液を無水DMSO中で作製し、-20℃の冷凍庫に保管する。この溶液を試験工程に使用するため、111μMまで希釈する。
- #1.5高性能カバーガラス(0.17±0.005mm)を備えるCellvisブランドの黒色384ウェルガラスボトム黒色プレート(部品番号:P384-1.5H-N)(他の384ウェルプレートが同様に機能し、上記のプレートが、本発明者らが現在、ちょうど手元にあるものである)。
- Molecular Devices SpectraMax Gemini EMマイクロプレートリーダー
- バイオシェーカーは、部品番号またはモデルを必要とする。
【0474】
プレートのピペッティングプロトコル:
1. 384ウェルプレートを開けて、蓋を外し、A1から左上部の向きにした。
2. 実験室のこの区画の明かりを、以下の工程を安全に完了するために必要な最小レベルまで落とした(これは、あらゆるオーバーヘッド式ライトからの光退色を最小化するためである)。
3. 色素およびアミノ酸溶液を取り出し、室温で解凍する。
4. 次に、必要量のアミノ酸溶液(6μl×充填するウェルの数、すなわち、16ウェルには96μlが必要である)をマルチチャネルピペットレザーバーに移し、この溶液5μlを16ウェルの適切な列に載せる。次に、この過程を、新しいマルチチャネルピペットレザーバーにおいて、残りの19種のアミノ酸に対して繰り返す。
5. 16ウェルの残りの列のうちの2つの列において、対照である5μlのDMSOを、1つの列にピペットで入れ、対照である5μlの水を別の列にピペットで入れる。残りの2つの列を、任意の他の関心対象の対照に使用することができるが、これらの試験の場合、空のままである。
6. 次に、このプレートを優しくたたき、溶液のすべてが確実に各ウェルの底部に存在するようにし、ウェルを確認して、いずれも空ではないことを確実にする。
7. この後に、試験される色素の適量の111μM溶液をfalcon管中、色素保存溶液および無水DMSOから作製する(作製する溶液の量は、約50μl×充填されるウェルの数である)。
8. 次に、この111μM溶液をマルチチャネルピペットレザーバーに入れて、45μlを適切なウェルに加え、全量を50μlにする。色素分子に比べて、10倍過剰のアミノ酸分子がやはり存在する。
9. 次に、このプレートを取り、アルミニウムホイルに包み、20℃および1500RPMにおいてバイオシェーカーに置く。
10. このプレートをこれらの条件下で2時間、撹拌した後、採取して測定した(動力学検討により、これらの条件下では、反応は、2時間時点において、プロリン(プロリンは、立体的要因により一層遅い速度で反応するため)を除き>95%完了であることが示された)。
【0475】
図7~22に結果が示されている。
【0476】
本明細書および実施例において特定されている特許および他の刊行物はすべて、すべての目的のために、参照により本明細書に明示的に組み込まれている。これらの刊行物は、本出願の出願日以前にそれらが開示されていることを単に提示しているに過ぎない。この点に関し、先行発明が理由で、または他のなんらかの理由のために、そのような開示に先行する権利が本発明者らにはないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これら文献の内容に関する日付または表示に関するすべての記述は、本出願人らが入手可能な情報に基づいており、これら文献の日付または内容の正確性に関していかなる認定も構成するものではない。
図1
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図5
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【国際調査報告】