(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】小線源治療のシードの位置の自動推定
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20250121BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20250121BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20250121BHJP
G06T 7/00 20170101ALN20250121BHJP
【FI】
A61N5/10 U
G06T7/70 A
A61B6/03 577
A61B6/03 560G
A61B6/03 560J
G06T7/00 612
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538220
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 IB2022061573
(87)【国際公開番号】W WO2023119023
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519371231
【氏名又は名称】アルファ タウ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】カマイ イライ
(72)【発明者】
【氏名】シーガル ローネン
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン ヤディン
(72)【発明者】
【氏名】ガット アムノン
【テーマコード(参考)】
4C082
4C093
5L096
【Fターム(参考)】
4C082AE05
4C082AJ08
4C082AJ14
4C082AP12
4C093AA25
4C093AA26
4C093CA23
4C093FD12
4C093FF16
4C093FF28
4C093FF42
5L096AA09
5L096BA06
5L096BA13
5L096FA52
5L096FA62
5L096FA69
5L096MA07
(57)【要約】
システムは、プログラム命令を記憶するように構成されるメモリ(26)と、プロセッサ(22)とを含む。プロセッサは、各クラスタのそれぞれの寸法に基づいて小線源治療のシードのそれぞれの推知位置を計算して、小線源治療のシードの有効線量を計算するのに使用するために推定位置を記憶する又は通信するために、メモリからプログラム命令を読み込み、プログラム命令を実行することによって1又は複数のシードグループ(36)にグループ分けされた複数の小線源治療のシードを埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像(38)を処理して、シードグループに対応する画像3D画素のクラスタ(37)をそれぞれ識別するように構成される。他の実施形態をまた記述する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラム命令を記憶するように構成されるメモリと、
プロセッサであって、
前記メモリから前記プログラム命令を読み込むステップと、
前記プログラム命令を実行することによって、
1又は複数のグループにグループ分けされた複数の小線源治療のシードが埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像を処理して、前記シードグループに対応する画像の3D画素のクラスタをそれぞれ識別するステップと、
前記クラスタの各々に対して、
前記クラスタの主軸の長さを計算すること、及び
前記長さに基づいて、前記クラスタに対応する前記シードグループにおける小線源治療のシードの推定数を計算すること
によって、前記シードグループの小線源治療のシードのそれぞれの推定数を計算するステップと、
前記それぞれの推定数に基づいて、前記小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算するステップと、
前記小線源治療のシードの有効線量を計算するのに使用するために、前記推定位置を記憶する又は通信するステップと、
を実行するように構成されるプロセッサと
を含む、システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
1又は複数の追加のマーカーを重ねること、1又は複数の前記マーカーを削除すること、及び1又は複数の前記マーカーを動かすことから成るアクションのグループから選択されるアクションを行うことによって、ユーザが前記推定位置を調整できるようにするために、前記推定位置にマーカーを重ねられた前記画像の少なくとも一部を表示するステップと、
前記調整された推定位置に基づいて、前記有効線量を計算するステップと、
を実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、ベイズガウス混合モデルを前記画像に適用することによって前記画像を処理するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、結合成分クラスタ化アルゴリズムを前記画像に適用することによって前記画像を処理するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記シードグループの各々に対して、前記プロセッサは、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードに対応する前記3D画素のそれぞれのサブクラスタが、前記推定位置ごとに、主軸に沿って一様に分散されるように、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算するように構成される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記シードグループの各々に対して、プロセッサは、
前記主軸を前記推定数の等しい長さのセグメントに分割することと、
前記推定位置ごとに、サブクラスタが主軸に並べられ、セグメント上で中心にされるように前記推定位置を計算することと、
によって前記シードグループ内の前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記小線源治療のシードのそれぞれの推定される中心座標と推定される方向ベクトルとを計算することによって前記推定位置を計算するように構成される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
ユーザから前記小線源治療のシードの総数を受け取ることと、
前記総数に基づいて、前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算することと、
によって前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算するように構成される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
1又は複数のシードグループにグループ分けされた複数の小線源治療のシードが埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像を処理して、前記シードグループに対応する画像の3D画素のクラスタを識別するステップと、
前記クラスタの各々に対して、
前記クラスタの主軸の長さを計算すること、及び
前記長さに基づいて、前記クラスタに対応する前記シードグループ内の前記小線源治療のシードの推定数を計算すること、
によって前記シードグループ内の前記小線源治療のシードのそれぞれの推定数を計算するステップと、
前記それぞれの推定数に基づいて、前記小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算するステップと、
前記小線源治療のシードの有効線量を計算するのに使用するために、前記推定位置を記憶する又は通信するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
1又は複数の追加のマーカーを重ねること、1又は複数の前記マーカーを削除すること、1又は複数の前記マーカーを動かすことから成るアクションのグループから選択されるアクションを行うことによってユーザが前記推定位置を調整できるようにするために、前記推定位置にマーカーを重ねられた前記画像の少なくとも一部を表示するステップと、
前記調整された推定位置に基づいて前記有効線量を計算するステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記画像を処理することは、ベイズガウス混合モデルを前記画像へ適用することによって前記画像を処理することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記画像を処理することは、結合成分クラスタ化アルゴリズムを前記画像に適用することによって前記画像を処理することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記シードグループの各々に対して、前記シードグループの小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算することは、前記推定位置ごとに、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードに対応する前記3D画素のそれぞれのサブクラスタが、前記主軸に沿って一様に分散されるように前記追加の推定位置を計算することを含む、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記シードグループの各々に対して、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算することは、
前記主軸を前記推定数の等しい長さのセグメントに分割することと、
前記推定位置ごとに、前記サブクラスタが主軸に並べられ、前記セグメント上で中心にされるように前記推定位置をそれぞれ計算することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記推定位置を計算することは、前記小線源治療のそれぞれの推定される中心座標、及び推定される方向ベクトルを計算することによって前記推定位置を計算することを含む、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算することは、
ユーザから前記小線源治療のシードの総数を受け取ることと、
前記総数に基づいて、前記小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算することと、
を含む、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
プログラム命令が記憶される有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令は、プロセッサによって読み取られるとき、前記プロセッサに、
1又は複数のシードグループにグループ分けされた複数の小線源治療のシードが埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像を処理して、前記シードグループに対応する画像の3D画素のクラスタをそれぞれ識別するステップと、
前記クラスタの各々に対して、
前記クラスタの主軸の長さを計算すること、及び
前記長さに基づいて、前記クラスタに対応する前記シードグループにおける前記小線源治療のシードの前記推定数を計算すること
によって前記シードグループ内の前記小線源治療のシードのそれぞれの推定数を計算するステップと、
前記それぞれの推定数に基づいて、前記小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算するステップと、
前記小線源治療のシードの有効線量を計算するのに使用するために、前記推定位置を記憶する又は通信するステップと、
を行わせる、コンピュータソフトウェア製品。
【請求項18】
前記命令は、プロセッサに、
1又は複数の追加のマーカーを重ねること、1又は複数の前記マーカーを削除すること、及び1又は複数のマーカーを動かすことから成るアクションのグループから選択されるアクションを行うことによって、ユーザが前記推定位置を調整することを可能にするために、前記推定位置にマーカーを重ねられた前記画像の少なくとも一部を表示するステップと、
前記調整された推定位置に基づいて有効線量を計算するステップと、
をさらに行わせる、請求項17に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項19】
前記命令は前記プロセッサに、ベイズガウス混合モデルを前記画像に適用することによって前記画像を処理させる、請求項17に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項20】
前記命令は前記プロセッサに、結合成分クラスタ化アルゴリズムを前記画像に適用することによって前記画像を処理させる、請求項17に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項21】
前記シードグループの各々に対して、前記命令はプロセッサに、前記推定位置ごとに、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードに対応する3D画素のそれぞれのサブクラスタが前記主軸に沿って一様に分散されるように、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算させる、請求項17から請求項20のいずれか一項に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項22】
前記シードグループの各々に対して、前記命令は、
前記主軸を、前記推定数の等しい長さのセグメントに分割することと、
前記推定位置ごとに、前記サブクラスタが前記主軸に並べられ、前記セグメント上の中心にされるように前記推定位置をそれぞれ計算することと、
によって前記プロセッサに、前記シードグループ内の前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算させる、請求項21に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項23】
前記命令は、前記小線源治療のシードのそれぞれの推定される中心座標、及び推定される方向ベクトルを計算することによって前記プロセッサに前記推定位置を計算させる、請求項17から請求項20のいずれか一項に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【請求項24】
前記命令は、
ユーザから前記小線源治療のシードの総数を受け取ることと、
前記総数に基づいて、前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算することと、
によって前記プロセッサに前記小線源治療のシードの前記それぞれの推定位置を計算させる、請求項17から請求項20のいずれか一項に記載のコンピュータソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般的に小線源治療、特に小線源治療の手順を容易にする自動化された技法に関する。
【背景技術】
【0002】
小線源治療の手順において、1又は複数の小線源治療のシードが、例えば針を使用して、被験者の腫瘍の近くに埋め込まれる。例えば金属製又は金属でコーティングされたシードは、腫瘍に破壊的な放射線を放出する放射性核種原子を運ぶ。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態により、プログラム命令を記憶するように構成されるメモリと、プロセッサとを含むシステムを提供する。プロセッサは、各クラスタのそれぞれの寸法に基づいて小線源治療のそれぞれの推定位置を計算し、小線源治療の有効線量を計算するのに使用するために推定位置を記憶する又は通信するために、メモリからプログラム命令を読み込み、1又は複数のシードグループにグループ分けされた複数の小線源治療のシードが埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像を処理して、シードグループに対応する画像の3D画素のクラスタをそれぞれ識別するように構成される。
【0004】
本発明のいくつかの実施形態により、シードグループにそれぞれ対応する画像の3D画素のクラスタを識別するために、1又は複数のシードグループにグループ分けされた複数の小線源治療のシードが埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像を処理することを含む方法が、さらに提供される。この方法は、各々のクラスタのそれぞれの寸法に基づいて、小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算することと、小線源治療のシードの有効線量を計算することにおいて使用するための推定位置を記憶すること又は通信することとをさらに含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、方法は、
1又は複数の追加のマーカーを重ねること、1又は複数のマーカーを削除すること、及び1又は複数のマーカーを動かすことから成るアクションのグループから選ばれたアクションを行うことによって、ユーザが推定位置を調整することができるように、推定位置にマーカーを画像の少なくとも一部を表示することと、
調整された推定位置に基づいて、有効線量を計算することとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、画像を処理することは、ベイズガウス混合モデルを画像に適用することによって画像を処理することを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、画像を処理することは、結合成分クラスタ化アルゴリズムを画像に適用することによって画像を処理することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算することは、
クラスタのそれぞれの寸法に基づいて、小線源治療のシードのそれぞれの推定数を計算することと、
それぞれの推定数に基づいて、それぞれの推定位置を計算することとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、各々のクラスタに対して、クラスタに対応するシードグループにおけるそれらの小線源治療のシードの推定数を計算することは、
クラスタの主軸の長さを計算することと、
長さに基づいて、クラスタに対応するシードグループにおける小線源治療の推定数を計算することとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、各々のシードグループに対して、シードグループにおけるそれらの小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算することは、推定位置ごとに、シードグループにおけるそれらの小線源治療のシードに対応するそれぞれの3D画素のサブクラスタが、主軸に沿って一様に分散されるように、推定位置を計算することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、各々のシードグループに対して、シードグループにおけるそれらの小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算することは、
主軸を、推定数の等しい長さのセグメントに分割することと、
推定位置ごとに、サブクラスタがそれぞれ主軸に並べられ、セグメント上で中心にされるように、推定位置を計算することとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、推定位置を計算することは、小線源治療のシードのそれぞれの推定される中心座標及び推定される方向ベクトルを計算することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、小線源治療のシードのそれぞれの推定位置は、
ユーザから小線源治療のシードの総数を受け取ることと、
総数基づいて、小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算することとを含む。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、プログラム命令が記憶される有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータソフトウェア製品がさらに提供される。命令は、プロセッサによって読み取られるとき、シードグループに対応する画像の3D画素のクラスタをそれぞれ識別するために、プロセッサに、1又は複数のシードグループにグループ分けされた複数の小線源治療のシードが埋め込まれた被験者の身体の一部の三次元画像を処理させる。命令はさらに、各クラスタのそれぞれの寸法に基づいて小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算させて、小線源治療のシードの有効線量を計算するのに使用するために推定位置を記憶する又は通信する。
【0015】
本発明は、以下のそれについての実施形態の詳細な説明から、図面とともにより完全に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、有効な小線源治療の線量を計算するシステムの概要図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、小線源治療のシードの位置を推定するアルゴリズムの例のフロー図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による、対応する3D画素のクラスタの寸法に基づいて、シードグループにおける小線源治療のシードの位置を推定する技法の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(概要)
小線源治療のシードの埋め込みの後に、埋め込み場所の画像が獲得される。医師(又は別のユーザ)は次に、各シードの位置を示すために画像に印をつける。印をつけられた位置に基づいて、コンピュータは、例えば米国医学物理学会(AAPM)タスクグループ第43(TG-43)形式論を使用して、シードの有効線量を計算する。この計算は、シードを動かす、及び/又は追加のシードを埋め込む必要があるかどうかの医師の決定を助けることができる。
【0018】
しかしながら、いくつかの場合では、シードは、本書で「シードグループ」と呼ばれるグループ単位で埋め込まれ、画像は、シードグループの個々のシードを明確に描写しない。そのうえ、ユーザは埋め込まれたシードの総数を知り得るが、ユーザは各シードグループにおけるシードの数を知る必要が無いことがある。さらに、画像は、近接するシードグループを明確に描写しないことがある。このような場合において、個々のシードにそれぞれ印をつけることは、困難かつ時間がかかることがある。
【0019】
この課題に対処するために、本発明の実施形態は、シードの位置を自動的に推定するシステム及び方法を提供する。推定の次に、推定位置を示すために、マーカーが画像上に重ねられる。よって、ユーザは、最初から画像に印をつけることを必要とせず、それどころか、ユーザは、マーカーを追加する、削除する、及び/又は移動することによって、推定位置を簡単に調整することができる。
【0020】
巧妙なことに、画像内の個々のシードをそれぞれ自動的に識別すること(これは法外に困難なことがある)を試みるよりも、本発明の実施形態は、シードグループに対応する3D画素のクラスタを識別し(すなわち、画像においてシードグループを表す)、次に、各々のクラスタのそれぞれの寸法に基づいて、シードの位置を推定する。有利なことに、この推定は、各シードの形状及びサイズ、及びシードが埋め込まれた手段の予備知識を利用することができる。
【0021】
例えば、各シードは、長手方向の(例えば、円筒状の)形状を持ち、シードは、植え込み針の端から端まで並べられることがある。この予備知識を考慮すると、各シードグループは、シードの線形配列を有すると仮定することができ、シードグループにおけるシードの数は、各シードの既知の長さでシードグループに対応するクラスタの主軸の長さを分割することによって、正確に推定することができる。シードは次に、主軸に沿って一様に分散されるように仮定されることがある。
【0022】
いくつかの場合において、画像に適用される第一のクラスタ化アルゴリズムは、複数の近接するシードグループに対応する単一のクラスタを誤って返すことがある。このような場合において、システムは、異常に大きなサイズのクラスタに応じて、クラスタを受け付けない、すなわち、クラスタに対するシードの数を推定することを控えることがある。システムは次に、近接するシードグループを区別する試みで、別のクラスタ化アルゴリズムを画像に適用する。例えば、ベイズガウス混合モデルを画像に適用する後に、システムは、結合成分クラスタ化アルゴリズムを画像に適用することができる。
【0023】
(システム説明)
最初に、本発明のいくつかの実施形態による、有効な小線源治療の線量を計算するシステム20の概要図である
図1を参照する。
【0024】
システム20は、標準的なデスクトップコンピュータ24、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、メディカルコンピュータ、クラウドサーバ、又は任意の他のコンピューティングデバイスに属することができるプロセッサ22を含む。システム20はさらに、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又はフラッシュドライブなどの不揮発性メモリを含むメモリ26を含む。メモリ26は、その全体が、プロセッサ22と同じコンピューティングデバイス上に配置されることがあり、代わりに、メモリの少なくとも一部は、プロセッサから離れて配置されることがある。
【0025】
メモリ26は、例えば、被験者の身体の一部の三次元(3D)医療画像38を含むデータを記憶するように構成される。画像38は、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像法(MRI)、又は超音波などの任意の適する診断手段を使用して獲得されることがある。
【0026】
一般的には、システム20はさらに、例えば、ネットワークインターフェイスコントローラー(NIC)などのネットワークインターフェイス25を含む。プロセッサ22は、ネットワークインターフェイス25を介して、インターネットなどのコンピュータネットワーク上で通信をやり取りするように構成される。
【0027】
システム20はさらに、プロセッサ22が任意の適するデータ又は出力を表示することができるディスプレイ32を含む。例えば、
図1に示されるように、プロセッサは、ディスプレイ32に画像38の断面34を表示することができる。(複数の画像の断面を、同時に表示することができる。)各断面34は、埋め込まれた小線源治療のシードのシードグループ36とともに、被験者の身体の一部の解剖学的構造を示すことができる。
【0028】
小線源治療のシードの物理的特性により、シードグループ36は、周囲の解剖学的構造と対照的である。例えば、CT画像において、シードグループ36は、一般的には、周囲の解剖学的構造よりも明るい。(例えば、断面34がCT画像に属すると仮定する
図1に示すように、シードグループ36は白くなることがある。)しかしながら、シードグループが互いに近いことにより、個々のシードグループを描写するために、例えば以下で
図2を参照して説明されるような、高度な画像処理技法が必要とされることがある。
【0029】
いくつかの実施形態において、ディスプレイ32はタッチスクリーンを含む。代わりに又は加えて、システム20はさらに、キーボード、マウス、及び/又は任意の他の入力インターフェイスを含むことがある。入力インターフェイスは、ユーザによって使用され、本書で説明される種々の入力をプロセッサに提供することができる。
【0030】
メモリ26はさらに、小線源治療のシードのそれぞれの推定位置に基づいて、小線源治療のシードの有効線量を計算することを容易にするために、画像38を処理するプログラム命令を記憶するように構成される。任意に、メモリ26はさらに、有効な線量を計算するプログラム命令を記憶することができる。プロセッサ22は、メモリから命令を読み込み、命令を実行するように構成される。
【0031】
一般的に、プログラム命令はモジュールにグループ分けされる。例えば、メモリ26は、画像38を処理する命令を含む画像処理モジュール28と、有効線量を計算する命令を含む有効線量計算モジュール30とを記憶することができる。
【0032】
有効線量の計算を容易にするために、プロセッサ22は、第一に、次の図を参照して以下で詳述するように、シードグループ36における小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算する。続いて、プロセッサは、シードの推定線量を計算するのに使用するために、それらの推定位置を記憶する又は通信する。
【0033】
例えば、プロセッサが有効線量を計算する実施形態について、プロセッサは、推定位置をメモリ26に記憶することができる。続いて、プロセッサは、推定位置をメモリから読み込むことができ、次に、推定位置に重ねられたマーカー40とともに、画像の少なくとも一部を表示することができる。例えば、
図1に示すように、プロセッサは、重ね得られたマーカー40とともに1又は複数の画像の断念を表示することができる。代わりに、プロセッサは、重ねられたマーカーとともに画像の三次元レンダリングを表示することができる。ユーザは次に、1又は複数の追加のマーカーを重ねる、1又は複数のマーカーを削除する、及び/又は1又は複数のマーカーを動かすことによって、推定位置を調整することができる。続いて、プロセッサは、調整された推定位置に基づいて、有効線量を計算することができる。
【0034】
代わりに、別のプロセッサが有効線量を計算する実施形態について、プロセッサ22は、推定位置を(例えば、ネットワークインターフェイス上で)他のプロセッサに通信することができ、他のプロセッサは次に、上述の機能を実行することができる。
【0035】
一般に、プロセッサは、メモリがプロセッサから離れて配置される場合は、ネットワークインターフェイス25を含む任意の適する1又は複数のインターフェイス上で、メモリからプログラム命令及びデータを読み込み、メモリにデータを書き込むことができる。
【0036】
一般に、プロセッサ22は、単一のプロセッサとして、又は共同するネットワーク又はプロセッサのクラスタ化されたセットとして具体化される。
【0037】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、プログラムされたプロセッサ、例えば中央処理装置(CPU)及び/又はグラフィックス処理装置(GPU)として具体化される。ソフトウェアプログラム命令を含むプログラム命令、及び/又はデータは、CPU及び/又はGPUによって実行及び処理のために読み込まれる。プログラム命令及び/又はデータは、例えば、ネットワーク上で、プロセッサに電子的方式でダウンロードされることがある。代わりに又は加えて、プログラム命令及び/又はデータは、磁気的、光学的、又は電子的メモリなどの非一時的な有形のメディアに提供される及び/又は記憶される。このようなプログラム命令及び/又はデータは、プロセッサに提供されると、本書に記述するタスクを行うように構成される、マシン又は特定目的コンピュータを生成する。
【0038】
代わりに、プロセッサ22の機能は、例えば、1又は複数の固定機能又は汎用目的集積回路、特定用途向け集積回路(ASICs)、及び/又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)などのハードウェアに実装されることがある。
【0039】
(シードの推定位置を計算する)
次に、本発明のいくつかの実施形態による、小線源治療のシードの位置を推定する例示的なアルゴリズム42のフロー図である
図2をさらに参照する。
【0040】
上記のように、プロセッサ22は、被験者に埋め込まれた小線源治療のシードのそれぞれの推定位置を計算するように構成される。この機能は、例えば、アルゴリズム42を実行することによって実施されることがある。
【0041】
アルゴリズム42は、プロセッサがユーザから埋め込まれたシードの数を受け取る任意の受け取りステップ44から始まる。例えば、ユーザは、キーボードを使用して、数を入力することができる。
【0042】
以下に記述するように、プロセッサは、受け取られた数に基づいて、シードの推定位置を計算することができる。例えば、プロセッサは、識別されたシードの数が、少なくとも埋め込まれたシードの数と等しくなるまで、連続的なクラスタ化アルゴリズムを適用することができる。加えて又は代わりに、埋め込まれたシードの数は、クラスタ化アルゴリズムへの入力として提供されることがある。加えて又は代わりに、プロセッサは、シードが識別された数が埋め込まれたシードの数を越えない制約の下で、シードの位置を推定することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、各々のシードグループを画像38に描写する前に、プロセッサは、トリミングステップ46で画像をトリミングする。例えば、ユーザは、画像38の複数の断面において、シードグループのまわりに輪郭70を描くことができる。次に、プロセッサは、輪郭70を境界づける三次元のバウンディングボックスを定めて、バウンディングボックスの外側の3D画素を取り除くことによって、画像をトリミングすることができる。
【0044】
(
図1にかかわらず、通常、輪郭70は、シードの位置が推定され、マーカー40が画像に重ねられた後は、表示されないことに留意されたい。)
【0045】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、1又は複数のクラスタ化アルゴリズムを画像に適用することによって、シードグループを描写する。
【0046】
いくつかのこのような実施形態において、プロセッサは第一に、二値化ステップ47において、画像(例えば、トリミングされた画像)を二値化する。二値化ステップ47の次に、画像における各3D画素は、3D画素がシードグループに属すると推定されるかどうかに応じて、ゼロ又は1の値を持つ。例えば、シードグループに属すると推定される3D画素は1の値を持つことがあり、全ての他の3D画素はゼロの値をもつことがある。
【0047】
この二値化を行うために、プロセッサは、画像に閾値を適用する。シードグループ36が周囲の組織よりも明るい撮像診断手段について、閾値より大きな値を持つ任意の3D画素は、シードグループに属すると推定される。他の撮像診断手段について、閾値より小さな値を持つ任意の3D画素は、シードグループに属すると推定される。
【0048】
プロセッサは、任意の適する方程式を適用することによって、先述の閾値を計算することができる。例えば、シードグループが周囲の組織よりも明るいCT画像について、方程式は、
T=max(X,max(I)-Z)
ここで、
Tは、ハンスフィールド単位での閾値であり、
max(I)は、画像Iにおけるハンスフィールド単位での最大の3D画素の値であり、
X及びZは、埋め込まれた小線源治療のシードの複数のCT画像の統計から導出される、ハンスフィールド単位の予め定められた定数である
とすることができる。例えば、Xは、1800から2200の間などのように、1500から2600の間とすることができ、及び/又はZは、1700から1900の間などのように、1500から2000の間とすることができる。
【0049】
画像を二値化した後に(又は二値化ステップ47が省かれた場合に)、プロセッサは、クラスタ化ステップ48において、クラスタ化アルゴリズムを画像に適用する。クラスタ化アルゴリズムは画像内の3D画素のクラスタを識別し、3D画素の各クラスタはシードグループに対応する可能性がある。各々が画像に適用されることがあるいくつかのクラスタ化アルゴリズムの例を、以下にさらに記述する。
【0050】
クラスタ化ステップ48の後に、プロセッサは、チェックステップ50において、クラスタ化アルゴリズムが、3D画素の任意のクラスタを返したかどうかをチェックする。「yes」の場合、プロセッサは、クラスタ選択ステップ52において、クラスタを選択する。続いて、プロセッサは、クラスタが、少なくとも近似的に単一のシードグループに対応するかどうかを確認する。「yes」の場合、プロセッサはシードグループにおけるシードの推定数を計算する。
【0051】
これに関して、次に、本発明のいくつかの実施形態による、3D画素のクラスタ37に対応する寸法に基づいて、シードグループの小線源治療のシードの位置を推定する技法の概要図である
図3を参照する。(図示を容易にするために、クラスタ37は二次元で描かれている。)
【0052】
一般的に、プロセッサは、3D画素のクラスタのそれぞれの寸法に基づいて、シードグループにおける小線源治療のシードのそれぞれの推定数を計算し、それぞれの推定数に基づいて、シードの推定位置を計算する。
【0053】
例えば、いくつかの実施形態において、選択ステップ52でクラスタ37を選択することの次に、プロセッサは、コンピューティングステップ54において、クラスタの主軸74の長さLを計算する。(特許請求の範囲を含む本願の文脈において、クラスタの「主軸」は、クラスタの外周上に終点を持ち、クラスタを通過する最長の仮定の線である。)続いて、チェックステップ55において、プロセッサは、Lが予め定められた範囲内であるかどうかをチェックする。例えば、Lを、(画像の解像度に基づいて)画素数から、mmなどの適する長さの単位に変換した後に、プロセッサは、Lがb×sと(1-b+m)×sとの間にあるかどうかをチェックすることができ、ここで、
sは、各シードの長さ(例えば、10mm)であり、
mは、埋め込みに使用される針において運ばれ得るシードの最大数(例えば6)であり、したがって、シードグループのシードの最大数であり、
bは、0.5と1との間の予め定められた定数で、例えば0.5である。
(Lを長さの単位に変換する代わりに、プロセッサは、sを画素数へ変換することができる。)
【0054】
Lが予め定められた範囲内でない場合、クラスタは単一のシードグループに対応しないと仮定されることがある。特に、Lが小さすぎる場合は、クラスタはシードグループの一部にのみ対応すると仮定されることがある。Lが大きすぎる場合、クラスタは複数のシードグループ、又は小線源治療のシードと同様に見えることがある骨に対応すると仮定されることがある。したがって、Lが予め定められた範囲内でない場合、プロセッサは、チェックステップ50に戻る。
【0055】
他方で、Lが予め定められた範囲内にある場合、クラスタは、単一のシードグループに対応すると仮定されることがある。したがって、プロセッサは、別のコンピューティングステップ56において、長さLに基づいて、シードグループの小線源治療のシードの推定数Nを計算する。例えば、プロセッサは、最も近い整数にまとめたL/sとしてNを計算することができる。
【0056】
他の実施形態では、チェックステップ55において、プロセッサは、L/sが予め定められた範囲内にあるかどうかをチェックする。例えば、プロセッサは、L/sがbと(1-b+m)との間にあるかどうかをチェックすることができる。「yes」の場合、プロセッサは、Nを、例えば最も近い整数にまとめたL/sとして計算する。代わりに、プロセッサは、第一に最も近い整数にまとめたL/sとしてNを計算して、次に、Nがゼロより大きいかどうか、及びmより小さい又は等しいかどうかをチェックすることができる。
【0057】
Nを計算することに続いて、プロセッサは、別のコンピューティングステップ58において、クラスタに対応するシードグループのシードの推定位置を計算する。例えば、プロセッサは、推定位置ごとに、シードに対応する3D画素のサブクラスタ76が主軸74に沿って一様に分散されるように、推定位置を計算することができる。特定の例として、プロセッサは、分割インジケーター78によって
図3に示されるように、主軸74をNの等しい長さのセグメントに分割することができる。次に、プロセッサは、推定位置ごとに、サブクラスタ76が主軸74に並べられ、セグメント上で(例えば、半径方向と長手方向の両方で)中心にされるように、推定位置をそれぞれ計算することができる。
【0058】
一般的に、シードは半径方向に対象であり、プロセッサは、シードのそれぞれの推定される中心座標80と推定される方向ベクトル82とを計算することによって、推定位置を計算することができる。言い換えると、シードが半径方向に対象であることが与えられ、推定される中心座標80及び推定される方向ベクトル82は、推定位置を完全に記述する。例えば、推定位置が上記のように主軸74を分割することにより計算される実施形態について、プロセッサは、セグメントの中心点及び主軸74の単位ベクトルを計算することによって、推定位置を計算することができる。図示により、
図3は、三次元xyz座標系に関するシードの推定位置を示す。
【0059】
代わりに、推定位置は、座標及び/又はベクトルの任意の他のセットによって表されることがある。
【0060】
推定位置の計算に続いて、プロセッサはチェックステップ50へ戻る。
【0061】
チェックステップ50において、処理されるべきクラスタが残っていないこと(又はクラスタ化アルゴリズムによってクラスタが識別されなかったこと)を確認すると、プロセッサは、別のチェックステップ60において、識別されたシードの総数を受け取りステップ44で受け取られた埋め込まれたシードの総数と比較することにより、全てのシードが識別されたかどうかをチェックする。全てのシードが識別されなかった場合、プロセッサは、別のチェックステップ62において、別のクラスタ化アルゴリズムが適用されるべきかどうかをチェックする。
【0062】
別のクラスタ化アルゴリズムが適用されるべき場合、プロセッサは、クラスタ取り除きステップ63において、シードの位置が推定された任意のクラスタを画像から取り除く。例えば、シードグループが、二値化画像の1で表される場合、プロセッサは、これらのクラスタの3D画素をゼロに設定することができる。
【0063】
一方で、クラスタ化アルゴリズムが残っていない場合、又は全てのシードが識別された場合、プロセッサは、記憶又は通信ステップ64において、推定位置を記憶する又は通信する。例えば、プロセッサは、推定されるシードの中心座標及び方向ベクトルを記憶する又は通信することができる。(画像がトリミングされた場合は、記憶又は通信ステップ64は、推定位置を、トリミングされた画像の座標系から画像のオリジナルの座標系へ変換する。)
【0064】
識別されたシードの数が埋め込まれたシードの数より多い又は少ない場合、プロセッサは、例えば、ディスプレイ32に警告を表示することにより、警告を出力することができる。警告に応じて、ユーザは、マーカーの数が、埋め込まれたシードの数と等しくなるように、マーカー40を加える又は除くことができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、識別されたシードの数が、埋め込まれたシードの数より大きくなることを許可しない。どちらかといえば、プロセッサは、総推定数が埋め込まれたシードの数を超過しないいという制約の下で、各シードグループのシードの数を推定する。
【0066】
代わりの実施形態において、プロセッサは、いくつのシードが識別されたかに関わらず、単一のクラスタ化アルゴリズムのみを提供する。
【0067】
(クラスタリングアルゴリズムの例)
上記のように、プロセッサは、1又は複数のクラスタ化アルゴリズムを画像38に適用することができる。各クラスタ化アルゴリズムは、それぞれのシードグループ36に対応する3D画素の1又は複数のクラスタを返すように構成される。
【0068】
任意のクラスタ化アルゴリズムの適用の前に画像が二値化される実施形態について、3D画素は、画像における位置に基づいてクラスタ化される。画像が二値化されない実施形態について、3D画素は、その位置に基づいて、及びその値に基づいてクラスタ化されることがある。
【0069】
いくつかの実施形態において、クラスタ化アルゴリズムは、ベイズガウス混合モデルを含む。画像が二値化される実施形態において、モデルの特徴は各3D画素の座標である。他の実施形態において、特徴は、3D画素の値及び/又は3D画素の値の勾配などのその任意の関数をさらに含むことがある。モデルは埋め込まれたシードの数(受け取りステップ44で受け取られる)、及び事前分布の種類で初期化されることがある。モデルは、シードグループの数と、3D画素のシードグループへの割り当てとを出力する。
【0070】
いくつかのこのような実施形態において、事前分布の種類は、ディリクレ分布又はディリクレ過程である。ディリクレ分布の次数は、3分の1、2分の1、又は3分の2などの埋め込まれたシードの数の分数とすることができる。
【0071】
加えて又は代わりに、クラスタ化アルゴリズムは、(3Dクラスタ化のための6近傍カーネルを有する)結合成分クラスタ化アルゴリズムを含むことがある。例えば、結合成分クラスタ化アルゴリズムは、ベイズ混合モデルが識別されたシードの十分な数を生成しない場合に、ベイズ混合モデルのあとに適用されることがある。
【0072】
代わりに又は加えて、クラスタ化アルゴリズムは、ニューラルネットワークを利用するニューラルネットワーククラスタ化アルゴリズムを含むことがある。
【0073】
当業者には、本発明が、本書で特に示され、記述されたことに制限されないことが認識されるだろう。むしろ、本発明の実施形態の範囲は、本書に記述される種々の特徴の組み合わせ及び副組み合わせだけでなく、先述の記述を読むことで当業者が思いつくであろう、先行技術にはない変形と修正を含む。参照により本特許出願に組み込まれる文書は、本出願の不可欠な一部とみなされ、これらの組み込まれる文書において、本明細書で明らかに又は暗になされる定義と矛盾する手段で定義される用語がある場合は、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【国際調査報告】