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特表2025-502751軍需品をレポートするための拡張現実アプリケーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】軍需品をレポートするための拡張現実アプリケーション
(51)【国際特許分類】
   F41G 3/16 20060101AFI20250121BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
F41G3/16
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538478
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 US2022052293
(87)【国際公開番号】W WO2023121883
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,715
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524221260
【氏名又は名称】インサイツ インターナショナル ホールディングス エルエルシー ディビーエイ ナントラック インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】INSIGHTS INTERNATIONAL HOLDINGS,LLC,DBA NANTRAK INDUSTRIES
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、エバン
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA05
5E555BA38
5E555BA41
5E555BB05
5E555BB38
5E555BC08
5E555BE17
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CB74
5E555CC22
5E555DA08
5E555DB45
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC35
5E555DC84
5E555DD06
5E555EA05
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
標的の位置を特定し、拡張現実を介してその位置を提示するシステムおよび方法。本発明の主題は、位置情報を含む情報を他のコンピューティングデバイスに送信することができる発射体を備える。次いで、これらのコンピューティングデバイスは、位置情報を使用して、コンピューティングデバイスに対する発射体の相対位置を決定し、標的の位置がディスプレイを通して現実世界のビューの上にオーバーレイされるように、拡張現実ディスプレイ上に発射体の位置の視覚的表現を生成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実を使用したリアルタイム標的追跡のためのシステムであって、
発射体であって、
信号を生成するようにプログラムされている電子コンポーネントと、
前記信号を送信するように構成されている送信器と、を備える発射体と、
プロセッサとディスプレイとを備える拡張現実システムであって、
前記送信器からの前記信号を受信することと、
受信された前記信号に基づいて、前記拡張現実システムに対する前記発射体の位置を決定することと、
前記ディスプレイによりユーザに対し、前記拡張現実システムに対する前記発射体の決定された前記位置に基づいて、現実世界環境の画像上にオーバーレイされた前記発射体のグラフィカル表現を提示することと、を行うようにプログラムされている、拡張現実システムと、を備える、システム。
【請求項2】
前記発射体が移動しているかを決定するようにプログラムされている、前記電子コンポーネントと前記拡張現実システムとのうちの少なくとも一方をさらに備え、
前記拡張現実システムは、
前記発射体が静止しているとの決定に基づいて、第1の描写として前記グラフィカル表現を提示することと、
前記発射体が移動しているとの決定に基づいて、第2の描写として前記グラフィカル表現を提示することと、を行うようにさらにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の描写は、前記グラフィカル表現を第1の色に着色することを含み、前記第2の描写は、前記グラフィカル表現を第2の色に着色することを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記拡張現実システムは、移動の方向に基づいて前記グラフィカル表現を提示するようにさらにプログラムされている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子コンポーネントは、前記発射体が埋め込まれている標的の分類をするようにプログラムされており、
前記分類に基づいて前記グラフィカル表現を提示することをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記発射体に関連する情報を第2のコンピューティングデバイスに送信するようにプログラムされている前記拡張現実システムと、
前記発射体に関連付けられている第2のグラフィカル表現を第2のユーザに提示するようにプログラムされている前記第2のコンピューティングデバイスと、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
受信された前記情報に基づいて、前記第2のコンピューティングデバイスに対する前記発射体の位置を決定することと、
決定された前記相対位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のグラフィカル表現を提示することと、を行うようにプログラムされている前記第2のコンピューティングデバイスをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記情報は、前記発射体を発射したオペレータの識別情報を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のグラフィカル表現は、デジタルマップ上の前記発射体の前記位置の提示を含む、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、電子軍需品送達および情報システムである。
【背景技術】
【0002】
背景技術の記載は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供される情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求の範囲に記載の発明に関連すること、または具体的にもしくは暗示的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0003】
戦闘状況では、標的の所在および移動を追跡する能力が重要である。これらの状況において、情報は、成功と失敗との間の差、または生死の差でもあり得る。
標的は、歴史的には、地上の目によって、または航空機(ドローンなど)を介して、視覚的に追跡されてきた。しかしながら、視覚的追跡の有効性には限界がある。標的は、悪い気象条件において、夜間に、標的の移動に起因して、または標的が構造物に入った場合に、見失われる可能性がある。
【0004】
異なる種類のセンサ(例えば、熱センサ、暗視センサなど)は、異なる環境条件下でオペレータが標的を追跡するのを支援することができるが、これらの方法は、依然として、照準線動作要件によって制限される。
【0005】
調整された努力において、分隊またはオペレータの他のグループが標的を追跡する能力は、各メンバーが見ているものを正確に通信する各メンバーの能力によってさらに制限される。
【0006】
したがって、リアルタイム情報をオペレータに有用かつ実用的な方法により提供する、信頼性のある標的追跡システムが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主題は、標的に埋め込まれた発射体が、コンピューティングデバイスが発射体の位置を決定し、拡張現実ディスプレイを介してユーザに対する発射体の位置のグラフィカル表現を提示することを可能にする信号を生成し、送信することができる装置、システム、および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態では、本発明の主題のシステムおよび方法は、発射体が静止しているか移動しているかを示すグラフィック表現を提示することができる。特に、インジケータの色を変化させることによって、システムは、発射体(したがって、発射体を運ぶ標的)がユーザのより近くに移動しているか、またはユーザから離れるように移動しているかをユーザに知らせることができる。
【0009】
実施形態では、システムは、発射体を運んでいる標的を分類し、拡張現実ディスプレイにより類を提示することができる。分類は、標的内のセンサ信号を検出し、それを基準センサシグネチャと比較することによって行われることができる。
【0010】
実施形態では、発射体の位置に関する情報および他の情報は、指令センターのコンピューティングデバイスに送信されることができる。次いで、このコンピューティングデバイスは、指令者がフィールドにおける自身のチームを検討および管理するように、デバイスの位置および他の情報をマップ上に表示することができる。
【0011】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、同様の数字が同様のコンポーネントを表す添付の図面とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【0012】
本明細書において特定されるすべての刊行物は、各個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されているように、参照により組み込まれる。組み込まれた文献における用語の定義または使用が、本明細書において提供されるその用語の定義と一致しないまたは反対である場合、本明細書において提供されるその用語の定義が適用され、文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0013】
以下の記載は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供される情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求の範囲に記載の発明に関連すること、または具体的にもしくは暗示的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を記載および特許請求するために使用される成分の量、濃度などの特性、反応条件などを表す数は、いくつかの場合では「約」という用語によって修飾されるものと理解される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書および添付の特許請求の範囲において説明される数値パラメータは、特定の実施形態によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、レポートされた有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法を適用することによって解釈される。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例において示される数値は、実施可能な限り正確にレポートされている。本発明のいくつかの実施形態において提示される数値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含み得る。
【0015】
文脈が反対を示さない限り、本明細書において示されるすべての範囲は、自身の終点を含むものとして解釈され、オープンエンドの範囲は、商業的に実用的な値のみを含むものとして解釈される。同様に、値のすべてのリストは、文脈が反対を示さない限り、中間値を含むものとみなされる。
【0016】
本明細書における記載および以下の特許請求の範囲全体を通して使用される際、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の意味は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の記載において使用されるように、「に(in)」の意味は、文脈が明確に別様に示さない限り、「に(in)」および「に(on)」を含む。
【0017】
本明細書における値の範囲の記載は、単に、その範囲内に入る各別個の値を個々に参照する省略方法として機能することが意図される。本明細書において別段の指示がない限り、各個々の値は、本明細書において個々に記載されているかのように本明細書へと組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序により実施されることが可能である。本明細書における特定の実施形態に関して提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良く説明することを意図しており、別様に特許請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すと解釈されるものではない。
【0018】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるものではない。各グループメンバーは、個別に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせにより、参照され特許請求されることが可能である。グループの1つまたは複数のメンバーは、利便性および/または特許性の理由のため、グループに含められるか、またはグループから削除されることが可能である。任意のそのような包含または削除が生じるとき、本明細書は、本明細書において、修正されたグループを含み、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの記載された説明を満たすとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の主題の実施形態による拡張現実追跡システムの概要を示す図。
図2】本発明の主題の実施形態による、適切な軍需品配備システムの一例を示す図。
図3】本発明の主題の実施形態による、システムによって実行される処理のフローチャート。
図4】本発明の主題の実施形態による、コンピューティングデバイスによって表示されるグラフィック表現の一例を提供する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
コンピュータを対象とする任意の言語は、サーバ、インタフェース、システム、データベース、エージェント、ピア、エンジン、コントローラ、または個々にもしくは集合的に動作する他の種類のコンピューティングデバイスを含む、コンピューティングデバイスの任意の好適な組み合わせを含むように読まれることに留意されたい。コンピューティングデバイスは、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、RAM、フラッシュ、ROMなど)に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成されているプロセッサを備えることが理解される。ソフトウェア命令は、好ましくは、開示される装置に関して以下に説明されるような役割、責任、または他の機能を提供するようにコンピューティングデバイスを構成する。特に好ましい実施形態では、様々なサーバ、システム、データベース、またはインタフェースは、場合によってはHTTP、HTTPS、AES、公開-秘密鍵交換、ウェブサービスAPI、既知の金融取引プロトコル、または他の電子情報交換方法に基づく、標準化されたプロトコルまたはアルゴリズムを使用してデータを交換する。データ交換は、パケット交換ネットワーク、インターネット、LAN、WAN、VPN、または他の種類のパケット交換ネットワークを介して行われることが好ましい。
【0021】
以下の説明は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、本発明の要素の単一の組合せを表すが、本発明の主題は、開示される要素のすべての可能な組合せを含むように考えられる。したがって、1つの実施形態が要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態が要素BおよびDを含む場合、本発明の主題はまた、明示的に開示されていなくても、A、B、C、またはDの他の残りの組合せを含むように考えられる。
【0022】
以下の記載は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供される情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求の範囲に記載の発明に関連すること、または具体的にもしくは暗示的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0023】
図1は、本発明の主題の実施形態による拡張現実追跡システム100の概要を示す。
図1に見られるように、システム100は、標的120に埋め込まれている発射体110を備える。発射体110は、ライフルまたは他の武器によって標的120へと発射される。標的120は、車両、人、動物、または他の移動ターゲットであり得る。
【0024】
以下にさらに説明されるように、発射体110は、送信信号130の範囲内にあるコンピューティングデバイス140によって検出される送信信号130を生成する電子コンポーネントおよび送信機コンポーネントを備える。図1に示されるものなどの実施形態では、コンピューティングデバイス140は、次いで、デバイス150a~150nによる提示のために、発射体110に関する情報を通信する。ここでは3つのデバイスのみが示されているが、デバイス150nの図およびラベル付けは、任意の数のデバイス150がシステム100内に含まれ得ることを示すためのものである。
【0025】
図1に示されるものなどの実施形態では、コンピューティングデバイス140は、比較的短距離の通信信号130を受信し、次いで、長距離通信ネットワークを介してデバイス150a~150nのうちの1つまたは複数に情報を送信することができる中継デバイスであり得る。図1に示されるものなどの実施形態では、コンピューティングデバイス140は、発射体110の通信範囲内において徘徊しているかまたは位置決めされているドローンまたは他の自律車両上にあることが可能である。
【0026】
実施形態では、コンピューティングデバイス140は、中継が必要でない場合、またはデバイス150が直接送信のために発射体110に十分に近い場合、デバイス150のうちの1つに一体化されるか、またはそれと単一である。これらの実施形態の変形形態では、デバイス150は、他のデバイス150への中継として作用することができる。
【0027】
図2は、本発明の主題の目的のために使用することができる適切な軍需品配備システムの一例を示す。図2のシステムは、本出願人の米国特許出願第16/900,226号でより詳細に論じられており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
発射体110は、弾丸が組み立てられたときにハウジング外骨格220内に封入される電子コンポーネント210を備える。図2に示される実施形態では、電子コンポーネント210は送信機を含み、したがって、信号送信のためにアンテナ240に結合される。組み立てられる際、コア260が減速スリーブ230の第1の端部へと挿入される。コア260は、衝撃時および標的体への進入時に変形する材料により作製される。例えば、コア260は、鉛コアであり得るか、または別の適切な材料(例えば、ポリマー、複合材料、銅、鋼、または他の硬質もしくは軟質金属)から作製され得る。
【0029】
減速スリーブ230は、電子コンポーネント210を含むハウジング外骨格220を収容し、そのすべてが外側ジャケット250内に収容されている。次いで、外側ジャケット250が組み込まれて、弾丸200のアセンブリが完成する。しかしながら、組み立てられた弾丸において、コア260の先端は露出しており、外側ジャケット250によって完全には包み込まれていないことに留意されたい。これは図2に見られる。
【0030】
図2に見られるように、発射体110、装薬270、ケースおよび雷管280は、その後、完成したカートリッジ290へと組み立てられる。
電子コンポーネント210は、アクティブであるときにデバイスの位置を追跡するように設計された追跡デバイス(例えば、GPSデバイスまたは他の位置決定システム)であり得る。それは、典型的には、位置データおよび他の種類のデータを通信するためなど、遠隔コンピュータにデータを送信することができる送信機を備える。電子コンポーネント210はまた、(心拍、温度、標的命中の種類などの標的のバイオメトリック態様を監視することができる)バイオモニタ、マイクロホンなどのコンポーネントを含むことができる。典型的には、発射体110の特定の目的のためのハードウェア(例えば、センサ、送信機など)を有することに加えて、電子コンポーネント210は、電子コンポーネント210が自身の機能を実行するためのプログラミングを記憶するプロセッサおよび物理メモリ(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、固体メモリなど)を備える。電子コンポーネント210はまた、電子コンポーネント210の様々な部分に電力を供給するためのバッテリまたは他の種類のポータブル電源を備える。
【0031】
図2に示される電子コンポーネント210は、ハウジング外骨格220内に嵌合するように成形されたポッティング材料に収容されている。電子コンポーネント210を収容するために、電子コンポーネント210は、モールド内に配置され、次いで、ポッティング材料がモールドへと注入され、電子コンポーネント210を包み込む。次いで、ポッティング材料は、電子コンポーネント210の周囲で硬化し、ポッティング材料がハウジング外骨格220内に嵌合する適切な形状であるように、組み立てられた電子コンポーネント210を残す。これに代えて、電子コンポーネント210をハウジング外骨格220内に配置し、ポッティング材料が電子コンポーネントを包み込み外骨格220の内側の形状に硬化するように、ポッティング材料を外骨格220へと直接注入することができる。
【0032】
ポッティング材料は、このように成形することができるポリマーまたは他の材料であることが可能である。電子コンポーネント210は、図2では、説明のためにポッティング材料の内側に示されている。ポッティング材料は、電子コンポーネント210が見えるように透明または半透明であってよく、または内側の電子コンポーネント210が見えないように不透明であってもよい。
【0033】
図2における実施形態は、電子コンポーネント210の外部にあるアンテナ240を示す。アンテナ240は、様々な無線通信技術(例えば、WiFi、様々なスペクトルに沿ったセルラ通信(例えば、4G、5Gなど)、RF、Bluetooth(登録商標)、NFCなど)にわたる電子コンポーネント210への/からの無線通信を可能にする。したがって、信号130は、RF信号または任意の他の種類の無線通信信号であり得る。
【0034】
電子コンポーネント210は、外部アンテナ240に加えて/代えて、内部アンテナを有することができると企図される。外部アンテナ240に加えて内部アンテナを有することは、電子コンポーネント210に追加の無線通信モダリティを提供することができ、これらのモダリティ間の同時データ送信を可能にすることができる。例えば、外部アンテナ240は、長距離RFアンテナであることができ、内部アンテナは、Bluetooth(登録商標)またはNFCアンテナなどの短距離アンテナであることができる。内部アンテナと外部アンテナとの両方を有することの別の利点は、配備中に外部アンテナが損傷し得ることである。これが生じた場合、内部アンテナ(同じまたは異なる無線技術のものであり得る)は、電子コンポーネント210がデータを送信/受信するためのバックアップ手法を提供するように機能する。
【0035】
本発明の主題の実施形態では、ハウジング外骨格220自体が、外部アンテナ240の代わりに、またはそれに加えて、アンテナとして使用されることができる。この特徴を有する発射体は、2021年9月28日に出願された「保護ハウジングをアンテナとして使用する軍需品送達システム(Ordnance Delivery System Using a Protective Housing as an Antenna)」と題された本出願人自身の米国特許出願第17/487,990号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
電子コンポーネント210は、セルラタワー、衛星、リピータ、ネットワーキングデバイス、モバイルデバイス、および他のコンピュータデバイスと通信することができることが企図される。したがって、電子コンポーネント210は、コントローラのコンピューティングデバイスと直接通信するか、または様々な種類の通信技術を介して間接的に信号を中継することができる。
【0037】
実施形態では、電子コンポーネント210は、他の弾丸200の他の電子コンポーネント210と通信して、アドホックメッシュ無線ネットワークを形成することができる。これは、状況のより完全な表現をコントローラのコンピューティングデバイスに中継するために使用されることができる。これはまた、1つまたは複数の弾丸200からの信号をコントローラのコンピューティングデバイスに中継して戻すために使用され得る。例えば、一連の弾丸200は、各弾丸200が連鎖における2つの他の弾丸の通信範囲内にあるような距離で、意図された標的の近くの様々な位置で発射されることができ、一連の弾丸200は、オペレータの通信範囲内で意図された標的から戻るように導く通信連鎖を形成する。このようにして、オペレータ(射撃者でもあり得る)は、短距離無線通信能力のみを有し得る携帯電話または他の小型携帯デバイス150を用いて、標的の場所を追跡することができる。
【0038】
本発明の主題の実施形態では、発射体110は減速スリーブを使用しない。
図3は、本発明の主題の実施形態による、システム100によって実行される処理のフローチャートである。
【0039】
工程310において、発射体110は標的120に入り、発射体110の送信機を介して信号130の送信を開始する。信号130は、発射体110の位置などの情報、および他の収集されたセンサ情報を含むことができる。
【0040】
工程320において、コンピューティングデバイス140は、信号130を受信し、工程330において、信号130における情報を1つまたは複数のデバイス150に中継する。
【0041】
工程340において、デバイス150は、コンピューティングデバイス140からの情報を受信し、受信した情報に基づいて、それに対する発射体110の位置を決定する。これは、セル信号、ジャイロスコープ測定値、加速度計情報、および/またはオンボードGPSコンポーネントによって決定され得る、発射体110の位置情報ならびにデバイス150自体の位置および配向に基づき得る。
【0042】
工程350において、デバイス150は、デバイス150に対する発射体110の決定された位置に基づいて、現実世界のビューの上に発射体のグラフィカル表現を提供する拡張現実オーバーレイを作成する。
【0043】
発射体のグラフィック表現は、発射体自体のインジケータ、ならびに発射体に関連付けられている情報を含むことができる。発射体に関連付けられている情報の例は、(例えば、オペレータおよび/またはグラフィカル表現を提示するARデバイスからの)距離、グローバル座標情報、高度、移動情報、温度情報、標的のステータス(例えば、生きているか死んでいるか)などを含み得る。
【0044】
図4は、コンピューティングデバイス150(この例では、タブレットコンピュータ)によって表示されるグラフィック表現の例を提供する。
図4に見られるように、コンピューティングデバイス150の前の現実世界環境は、建物410を有する。コンピューティングデバイス150上のカメラは、コンピューティングデバイス150のディスプレイスクリーンを通して現実世界環境のビューを提供する。したがって、建物410も、コンピューティングデバイス150のスクリーン上で見ることができる。
【0045】
発射体110のグラフィック表現は、図4においてドット420として示されている。このドット420は、現実世界における発射体110の位置の上に重ね合わされ、したがって、デバイス150のオペレータに、建物410内の発射体110の位置のリアルタイムビューを提供する。
【0046】
図4に示されるものなどの実施形態では、発射体110のグラフィック表現は、デバイス150のスクリーン上に提示される情報421を含むこともできる。この情報は、発射体110自体に関する情報、発射体110が埋め込まれている標的に関する情報、環境情報、または発射体110上のセンサによって収集され、本明細書で説明されるようにデバイス150に送信され得る任意の他の情報であり得る。例えば、発射体110内に含まれるセンサに基づいて、電子コンポーネント210は、標的を車両、人などとして分類することができる。この分類は、様々な可能な標的に関連付けられている基準センサシグネチャに対するセンサデータの比較に基づいて実行され得る。この例では、情報421は、発射体110からデバイス150までの距離と、デバイス150に対する発射体110の高度とを含む。
【0047】
デバイス150に対する発射体110の側方方向または垂直方向の移動は、発射体110が移動するにつれてドット420の位置が変化するので、ユーザによって容易に見られる。しかしながら、単純なドットは、ユーザがデバイス150に対するz方向の(すなわち、デバイス150から離れるまたはデバイス150に向かう)移動を容易に見分けることを可能にしない場合がある。したがって、本発明の主題の実施形態では、グラフィック表現は、デバイス150に対する発射体110の移動を示すこともできる。
【0048】
本発明の主題のいくつかの実施形態では、情報421は、テキスト表示として移動情報(方向および速度を含む)を含むことができる。
他の実施形態では、ドット420の提示は、デバイス150に向かうまたはデバイス150から離れる移動を示すように変更され得る。例えば、ドット420の色は、デバイス150に対する発射体110のz方向の移動に基づいて変更され得る。デフォルト(すなわち、移動なし)では、ドット420は黄色に着色され得る。デバイス150から離れる移動は、(ゆっくりとした離れる移動を示す黄緑色から、急速な離れる移動を示す明るい緑色まで)緑色に着色され得るが、デバイス150に向かう移動は、(ゆっくりとした向かう移動を示す明るいオレンジ色から、急速な向かう移動を示す明るい赤色まで)赤色のドット420によって表され得る。
【0049】
これらの実施形態の変形では、ドット420の外観は、z方向におけるドットの移動と、デバイス150からのドット420の距離との組み合わせに基づいて修正され得る。これらの実施形態では、例えば、発射体110の移動がデバイス150に向かっており、ある距離の範囲内であるときに、完全に異なる色を使用することができる(例えば、発射体110を運ぶ標的との接触が差し迫っている可能性があることをオペレータに示すように)。同様に、発射体110がデバイス150から離れて、デバイス150から特定の距離の外側に移動しているときに、異なる色が使用され得る(例えば、発射体150が検出可能/送信可能範囲の端に向かって移動している可能性があることを示すように)。
【0050】
実施形態では、構造の内部デジタルマップが利用可能である(例えば、Googleマップまたはそうしたデジタルマップを含む別のデータベースなどのサービスを介して)。これらの実施形態では、コンピューティングデバイス150は、このマップを取得し、発射体110からの情報を使用して、マップ上の対応する位置に対する位置情報からの発射体110の現実世界の位置の比較に基づいて、構造におけるどこに発射体110が位置するか(例えば、どの部屋にあるか、特定の部屋のどこにあるか等)を決定し、コンピューティングデバイス150を介してそれをユーザに提示することができる。これは、コンピューティングデバイス150のスクリーン上に提示されるマップまたはミニマップの形態であり得る。
【0051】
これらの実施形態の変形では、コンピューティングデバイス150は、マップ情報に基づいて、建物に対する発射体110に関するコンテキスト情報を提供するようにプログラムされる。例えば、発射体110の位置が、マップにおける特定の特徴のある距離内(例えば、ドアの152cm(5フィート)以内)に来るように変化した場合、コンピューティングデバイス150は、情報421におけるコンテキストメッセージ(例えば、「注意:標的が階上の寝室のドアに近づいています」)を表示することができる。
【0052】
本発明の主題の実施形態では、コンピューティングデバイス150はまた、発射体110に関する他の情報、ならびに他のソース(他のコンピューティングデバイス)から取得された他の情報を表示することもできる。
【0053】
例えば、信号130を介して送信される情報は、発射体110を発射した人および/または武器を識別する識別情報を含むこともできる。
他の情報は、武器がどれだけの弾薬を残しているかを示す、武器から受信した情報を含むことができる。これは、デバイス150により表示されることが可能である。
【0054】
実施形態では、他のユニット(他の人員および/または車両)の位置が、コンピューティングデバイス150によって表示され得る。これらの実施形態では、他のユニットは各々、この情報を他のユニットのうちの1つまたは複数に送信することができる位置決定能力(例えば、GPS)をもつコンピューティングデバイスを担持する。したがって、各オペレータは、ユニットが標的に対して環境におけるどこに配置されているかのより完全な画像を得ることができる。これは、友好的な火災事故の機会を減少させ、ユニット間のより大きい調整およびサポートを可能にする。
【0055】
信号130、ならびに本明細書で説明される他の情報は、指令ポストまたは指令車両におけるコンピューティングデバイスに中継され得ることが企図される。次に、指令ポストにおけるコンピューティングデバイスは、発射体110からの位置情報および位置に関するデジタルマップ情報に基づいて、マップ(Google Mapsなどのデジタルマップのプロバイダまたは他のプロバイダから取得され得る)上に発射体110の位置を提示することができる。その位置にいるオペレータが互いに自身の位置を送信している場合、発射体110に対する彼らの位置もマップに追加されることができる。このようにして、指令ポストにおける指令者は、その場所の状況の概要を有し、それに応じてチームを調整することができる。
【0056】
発射体110は、様々な方法により発射されることができる。実施形態では、発射体110は、人間のユーザによって手動で操作される兵器(例えば、ライフルまたは他の火器)によって発射される。他の実施形態では、発射体110は、車両に搭載された兵器によって発射されることができる。車両は有人または無人であり得ることが企図される。企図される無人車両の例は、無人航空機(「UAV」)、無人地上車両(「UGV」)、および無人海中車両(「UUV」)を含むことができる。これらの無人車両は、その無人車両に取り付けられた、またはシステムに統合された発射体打上げ器を有することができ、発射体110は、標的に自動的に発射されるか、または遠隔人間オペレータによって遠隔操縦され発射されることができる。
【0057】
本明細書におけるすべての刊行物は、各個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されているように、参照により組み込まれる。組み込まれた文献における用語の定義または使用が、本明細書において提供されるその用語の定義と一致しないまたは反対である場合、本明細書において提供されるその用語の定義が適用され、文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を記載および特許請求するために使用される成分の量、濃度などの特性、反応条件などを表す数は、いくつかの場合では「約」という用語によって修飾されるものと理解される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書および添付の特許請求の範囲において説明される数値パラメータは、特定の実施形態によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、レポートされた有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法を適用することによって解釈される。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例において示される数値は、実施可能な限り正確にレポートされている。本発明のいくつかの実施形態において提示される数値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含み得る。
【0059】
本明細書における記載および以下の特許請求の範囲全体を通して使用される際、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の意味は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の記載において使用されるように、「に(in)」の意味は、文脈が明確に別様に示さない限り、「に(in)」および「に(on)」を含む。
【0060】
本明細書における値の範囲の記載は、単に、その範囲内に入る各別個の値を個々に参照する省略方法として機能することが意図される。本明細書において別段の指示がない限り、各個々の値は、本明細書において個々に記載されているかのように本明細書へと組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序により実施されることが可能である。本明細書における特定の実施形態に関して提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良く説明することを意図しており、別様に特許請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すと解釈されるものではない。
【0061】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるものではない。各グループメンバーは、個別に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせにより、参照され特許請求されることが可能である。グループの1つまたは複数のメンバーは、利便性および/または特許性の理由のため、グループに含められるか、またはグループから削除されることが可能である。任意のそのような包含または削除が生じるとき、本明細書は、本明細書において、修正されたグループを含み、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの記載された説明を満たすとみなされる。
【0062】
本明細書において使用される際、文脈が別段の指示をしない限り、「に結合される」という用語は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)と間接結合(1つ以上の追加の要素が2つの要素間にある)との両方を含むように意図される。したがって、「に対して結合される」および「と結合される」という用語は同義的に使用される。
【0063】
当業者には、本明細書における発明概念から逸脱することなく、すでに記載されたもの以外のさらに多くの変更が可能であることが明らかである。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除いて限定されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈する際に、すべての用語は、文脈と矛盾しない可能な限り最も広いように解釈される。特に、「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」という用語は、要素、構成要素、または工程を非排他的に指すものとして解釈され、参照される要素、構成要素、または工程が、明示的に参照されていない他の要素、構成要素、または工程とともに存在し、利用され、または組み合わせられてよいことを示す。明細書、特許請求の範囲が、A、B、C・・・およびNからなる群から選択されるもののうちの1つ以上を参照する場合、文章は、A+N、B+Nなどではなく、群から1つの要素のみを必要とするものとして解釈される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】