IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特表-導電性粒子を有する抗菌表面 図1
  • 特表-導電性粒子を有する抗菌表面 図2
  • 特表-導電性粒子を有する抗菌表面 図3
  • 特表-導電性粒子を有する抗菌表面 図4
  • 特表-導電性粒子を有する抗菌表面 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】導電性粒子を有する抗菌表面
(51)【国際特許分類】
   C09D 7/62 20180101AFI20250121BHJP
   C23C 14/14 20060101ALI20250121BHJP
   C23C 26/00 20060101ALI20250121BHJP
   B32B 5/16 20060101ALI20250121BHJP
   B32B 27/14 20060101ALI20250121BHJP
   C09D 5/14 20060101ALI20250121BHJP
   C09D 5/24 20060101ALI20250121BHJP
   C09D 1/00 20060101ALI20250121BHJP
   C09D 201/00 20060101ALN20250121BHJP
【FI】
C09D7/62
C23C14/14 D
C23C26/00 B
B32B5/16
B32B27/14
C09D5/14
C09D5/24
C09D1/00
C09D201/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539431
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2022061713
(87)【国際公開番号】W WO2023126717
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/294,978
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ツー,リジュン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ミンファ
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,スティーブン エー.オー.
(72)【発明者】
【氏名】シア,イン
(72)【発明者】
【氏名】ニエ,チーホン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,イエン-リン
【テーマコード(参考)】
4F100
4J038
4K029
4K044
【Fターム(参考)】
4F100AB17B
4F100AB24B
4F100AD00B
4F100AG00B
4F100AK04A
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100CA12B
4F100CB00A
4F100DE01B
4F100JC00B
4F100JG01B
4F100JK12B
4F100JL11A
4F100YY00B
4J038DD001
4J038HA066
4J038HA446
4J038KA02
4J038KA12
4J038KA15
4J038KA20
4J038NA09
4J038NA20
4J038PC08
4J038PC10
4K029AA11
4K029AA25
4K029BA04
4K029BA08
4K029BC03
4K029CA05
4K029DC03
4K029DC34
4K029DC35
4K029DC39
4K044AA12
4K044AB01
4K044BA06
4K044BA08
4K044BB01
4K044CA02
4K044CA13
4K044CA55
4K044CA67
(57)【要約】
抗菌物品は、支持層と抗菌層とを含む。抗菌層は、複数の粒子によって少なくとも部分的に形成された第1の主表面と、支持層に結合された第2の主表面と、を有する。複数の粒子の各粒子は、非導電性材料のビーズによって形成されている。粒子の第1のセットは、第1の導電性材料によってコーティングされたビーズを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持層と、
複数の粒子によって少なくとも部分的に形成された第1の主表面と、前記支持層に結合された第2の主表面と、を有する抗菌層であって、前記複数の粒子の各粒子が非導電性材料のビーズを含む抗菌層と、を含み、前記粒子の第1のセットが第1の導電性材料によってコーティングされたビーズを含む、抗菌物品。
【請求項2】
前記第1の主表面が、
前記第1の主表面に適用されてから1時間後の細菌の対数減少値が2以上である、及び
前記第1の主表面に適用されてから10分後のウイルスの対数減少値が2以上である、のうちの少なくとも1つを提供するように構成されている、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記粒子の第2のセットが、前記第1の導電性材料とは異なる電位を有する第2の導電性材料によってコーティングされたビーズを含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記第1の主表面が電解液でコーティングされるとき、少なくとも10マイクロアンペアの電流が発生する、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記第1の導電性材料がAgを含み、前記第2の導電性材料がCuを含む、請求項3に記載の物品。
【請求項6】
前記第1の導電性材料がCuを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記複数の粒子が、単層を形成するように配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記粒子の第3のセットが、導電性材料によってコーティングされていない、請求項1~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
導電性材料によってコーティングされたビーズを有する前記粒子が、前記粒子の第3のセットの間にランダムに分布している、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記第1の主表面が、前記粒子間に配置された複数のバリア領域によって少なくとも部分的に形成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
導電性材料によってコーティングされたビーズを含む粒子の百分率が、前記複数の粒子の総数の5%以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記非導電性材料の前記ビーズが、4以上のモース硬度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記非導電性材料の前記ビーズが、ガラス又はセラミックを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記支持層が、ポリマー接着剤又は膜を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記物品の前記第1の主表面に液体を適用することを含み、前記液体が任意選択で電解液である、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して抗菌表面に関し、特に抗菌耐擦傷性表面に関する。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本出願は、支持層と抗菌層とを含む、抗菌物品に関する。抗菌層は、複数の粒子によって少なくとも部分的に形成された第1の主表面と、支持層に結合された第2の主表面と、を有する。複数の粒子の各粒子は、非導電性材料のビーズを含む。粒子の第1のセットは、第1の導電性材料によってコーティングされたビーズを含む。
【0003】
別の態様では、本開示は、物品の使用方法に関する。本方法は、物品の第1の主表面に液体を適用することを含む。液体は、任意選択で電解液である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】抗菌物品の断面図である。
図2】いくらか使用した後の図1の抗菌物品の断面図である。
図3】導電性粒子及びコーティングされていない粒子を有する図1の抗菌物品で使用され得る、抗菌層の平面図である。
図4図3の抗菌層よりもコーティングされていない粒子と比較して導電性粒子の比率が高い、図1の抗菌物品で使用され得る、別の抗菌層の平面図である。
図5】複数のバリア領域を有する図1の抗菌物品において使用可能な抗菌層の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1及び図2に見られるように、抗菌物品10は、基材16の表面に適用されてもよく、又は基材16の表面で使用されてもよく、基材表面に抗菌特性、特に抗菌及び抗ウイルス特性を提供することができる。概して、抗菌物品10は、支持層14と、支持層に結合された抗菌層12と、を含む。抗菌特性は、金属イオン放出又はガルバニ微小電流などの様々な機構によって提供され得る。物品10はまた、耐擦傷性表面を提供することができ、これは、抗菌物品を有していないポリマー膜などの基材表面と比較して、より長い期間にわたって持続性の抗菌性能を促進し得る。抗菌物品10は、例えば、ハイタッチ表面のための耐久性のある抗菌性カバーとして、特に有用であり得る。
【0006】
抗菌性能に関して、抗菌物品10は、様々な最小閾値で抗菌、抗ウイルス、又は両方のタイプの性能を提供することが可能な第1の主表面18を提供することができる。抗菌性能は、水分の存在によって促進され得る。水分は、空気中の水分など、周囲環境によって提供され得る。水又は電解液で湿らせた布で拭くなど、水分を加えてもよい。
【0007】
抗菌性能は、対数減少値(LRV)として測定することができる。対数減少値(LRV)は、等式1に従って計算される。
等式1:
【数1】
【0008】
「コーティングされたサンプル」は、支持層14上に少なくとも抗菌層12を有する抗菌物品10を指す。「対照サンプル」は、導電性材料22のコーティングがないことを除いてビーズ24を含む物品10と同様の物品などの、抗菌層12がない同様の物品を指す。生物は、細菌又はウイルスなどの微生物であってもよい。より高いLRVは、コーティングされたサンプルを対照サンプルと比較して、生物のより大きな減少を示す。LRVは、ISO 22196:2011「Measurement of Antibacterial Activity on Plastic and Other Non-Porous Surfaces」法からの測定値を使用して決定することができ、この方法には、本明細書の他の箇所でより詳細に記載されている細菌死滅試験及びウイルス死滅試験が含まれる。
【0009】
抗菌物品10は、第1の主表面18に適用されてから1時間後に、2、3、4、4.5、又は更には5以上の生物のLRVを提供することができる。いくつかの実施形態では、物品10は、第1の主表面18に適用されてから1時間後に、2、3、4、4.5、又は更には5以上の細菌のLRVを提供することができる。物品は更に、例えば6時間後に、5を超える細菌のLRVを提供することができる。いくつかの実施形態では、物品10は、第1の主表面18に適用されてから10分後に、2、3、3.5、4、又は更には4.5以上のウイルスのLRVを提供することができる。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「主表面」は、物体の、最大表面又は最大表面のうちの1つを意味する。例えば、膜又は紙物品は、第1の主表面、第2の主表面、及びこれらの主表面を接続する側面(又は縁部)を有してもよい。
【0011】
様々な基材16を抗菌物品10で使用することができ、これは支持層14に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、基材16は、テーブル、調理台、ドアハンドル、ステアリングホイール、椅子のアームレスト、装具、電子デバイス、又は他のタッチ可能若しくはハイタッチ表面などの3次元物体であってもよい。いくつかの実施形態では、基材16は、ポリマー膜、ポリマー接着剤層、布地、紙、ガラス、壁材料、又は金属などの実質的に平面の物品であってもよい。このような実質的に平面の物品は、3次元物体に適用されてもよい。例えば、抗菌物品10は、装飾膜に適用されてもよく、それは次にテーブルトップに適用されてもよい。基材16は、別個の構成要素として記載されているが、抗菌物品10の一部とみなすこともできる。
【0012】
抗菌層12は複数の粒子26を含む。支持層14は、抗菌層12の粒子26を物品10に沿って互いに対して実質的に固定された位置に物理的に結合するように構成されている。本明細書で使用される場合、用語「結合する」は、1つの構成要素を別の構成要素に取り付ける、接合する、接着する、又は他の方法で物理的に連結することを意味する。
【0013】
複数の粒子26を物理的に結合又は接合することが可能な任意の好適な材料を使用して、支持層14を形成することができる。支持層14はまた、バインダー又はバインダー層として記載されてもよい。いくつかの実施形態では、支持層14は、ポリマー接着剤若しくは膜であるか、又はそれを含む。支持層14に使用され得る材料の非限定的な例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、アクリル接着剤、エポキシ、ゴム、又はシリコーンが挙げられる。
【0014】
一例では、抗菌物品10は、抗菌層12と、バインダーとしてポリエステルを含む支持層14と、布地を含む基材16と、を含み、これは、衣類に可撓性抗菌表面を提供することができる。別の例では、抗菌物品10は、抗菌層12と、ポリマー接着剤を含む支持層14と、を含み、支持層14は、テーブルを含む基材16に適用されてもよく、又は更に含んでもよい。
【0015】
支持層14は、任意の好適な総厚さを有してもよい。厚さは、10、25、50、100、250、又は更には500マイクロメートル以上であってもよい。厚さは、1000、500、250、100、50、又は更には25マイクロメートル以下であってもよい。
【0016】
抗菌層12は、第1の主表面18と、第1の主表面の反対側の第2の主表面20と、を画定する。抗菌層12の複数の粒子26は、第1の主表面18を少なくとも部分的に形成する。複数の粒子26はまた、第2の主表面20を少なくとも部分的に形成してもよい。第2の主表面20は、支持層14に結合されている。
【0017】
粒子26の各々は、非導電性材料のビーズ24を含む。本明細書で使用される場合、用語「ビーズ」は、微小球ビーズを意味し、これは、透明、不透明、半透明、又は有色であり得る。ビーズ24は、平均直径を有するものとして集合的に記載され得る。平均直径は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は更には100マイクロメートル以上であってもよい。平均直径は、250、200、150、100、80、又は更には60マイクロメートル以下であってもよい。ビーズ24のサイズは、例えば、基材に対するビーズの視覚的影響を最小化するように選択されてもよい。
【0018】
ビーズ24を形成するために使用される非導電性材料はまた、電気絶縁材料として説明することもできる。任意の好適な非導電性材料を使用して、ビーズ24を形成することができる。非導電性材料の例としては、ガラス、セラミック、非導電性金属酸化物、セルロース又は変性セルロース、及び電気絶縁性ポリマーのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
非導電性材料はまた、抗菌層12に耐擦傷性主表面を提供するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、非導電性材料は、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、又は更には8以上のモース硬度を有するように選択されてもよい。例えば、ガラスは約5.5のモース硬度を有する。
【0020】
複数の粒子26を任意の好適な様式で分散し、第1の主表面18を形成してもよい。いくつかの実施形態では、複数の粒子26は、単層として形成され、これは、粒子の単一層として説明され得る。
【0021】
粒子26の少なくともいくつかは、導電性材料22のコーティングを含み、導電性粒子として説明され得る。特に、粒子の第1のセットは、第1の導電性材料によってコーティングされたビーズを含んでもよい。ビーズをコーティングするのに好適な任意の好適な導電性材料22を使用することができる。導電性材料22は、金属イオン放出又はガルバニ微小電流を促進することができる。導電性コーティング材料に使用することができる材料の非限定的な例としては、Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Cu、Sn、Sb、Bi、Zn、これらの錯体及びコロイドが挙げられる。導電性コーティング材料の金属酸化物も使用することができる。
【0022】
導電性材料22の導電性コーティングは、任意の好適な厚さを有してもよい。コーティングの厚さは、2、10、20、50、70、100、又は更には500ナノメートル以上であってもよい。コーティングの厚さは、1000、500、100、70、50、20、又は更には10ナノメートル以下であってもよい。導電性コーティングは、粒子26の外表面又は露出表面を少なくとも部分的に形成するように、ビーズ24上で連続的であっても不連続的であってもよい。いくつかの実施形態では、ビーズ24の特定の非導電性材料及び特定の導電性材料22は、導電性材料22の薄いコーティングがビーズ24に適用されるときに、依然として抗菌特性を提供する不連続コーティングが提供され得るように、選択されてもよい。例えば、いくつかの粒子について、10マイクロメートル未満、又は更には20マイクロメートル未満のコーティングは、不連続的にコーティングされ得る。コーティングの厚さは、ある期間にわたって必要とされる所望の程度の金属イオン放出又はガルバニ微小電流など、物品の適用に好適な期間にわたって抗菌物品にイオン放出及びガルバニ微小電流特性を提供するように選択されてもよい。コーティングは、真空蒸着、スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、及びイオンプレーティングなどの物理蒸着技術を含む、任意の好適な様式でビーズに適用されてもよい。好適な物理蒸着技術としては、例えば、米国特許第4,364,995号、同第5,681,575号、及び同第5,753,251号に記載されているものを挙げることができる。
【0023】
コーティングされた粒子は、完全にコーティングされていても、部分的にコーティングされていてもよい。部分的にコーティングされた粒子では、ビーズ表面の少なくとも一部が露出している。いくつかの実施形態では、粒子表面の少なくとも5%、10%、20%、30%、50%、若しくは70%が露出しているか、又はコーティングされていない。いくつかの実施形態では、粒子表面の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、若しくは10%以下が露出しているか、又はコーティングされていない。
【0024】
導電性材料22の2つ以上のコーティングを使用してもよい。いくつかの実施形態では、粒子の第2のセットは、第2の導電性材料によってコーティングされたビーズを含む。第2の導電性材料は、第1の導電性材料とは異なる電位を有してもよい。例えば、第1の導電性材料はAg又はCuを含むことができ、第2の導電性材料は他のCu又はAgを含むことができる。
【0025】
粒子26の第1のセット及び第2のセットは、単層であり得る抗菌層全体にわたって互いに任意の好適な様式で分散されてもよい。いくつかの実施形態では、粒子26の第1のセット及び第2のセットは、第1の主表面全体にわたってランダムに分散されてもよい(図3及び図4参照)。
【0026】
いくつかの実施形態では、粒子26の少なくともいくつかは、導電性材料によってコーティングされておらず、非導電性粒子として説明される。粒子の第3のセットは、導電性材料によってコーティングされていなくてもよい。例えば、いくつかの粒子は、コーティングされていない露出したビーズ24を含んでもよい。非導電性又はコーティングされていない粒子に対して任意の好適な量の導電性粒子を使用してもよい。概ね、導電性材料によってコーティングされたビーズ24を含む粒子26の百分率は、複数の粒子の総数の5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、75%以上、又は更には100%以上である。
【0027】
導電性及び非導電性粒子26は、単層であり得る抗菌層全体にわたって互いに任意の好適な様式で分散されていてもよい。いくつかの実施形態では、導電性粒子の少なくともいくつかは、非導電性粒子間にランダムに分散されていてもよく、逆もまた同様である(図3及び図4参照)。
【0028】
抗菌物品10はまた、第1の主表面18などの接触表面に導電性材料を集中させることによる既存の技術よりも効率的であり得る。導電性材料24の一部はまた、ビーズ24の輪郭により、擦傷によって除去されることから保護され得る。図2は、導電性材料22のコーティングの一部がビーズ24から擦り減った後の、粒子26を示す。導電性材料24は、ビーズ24の間の谷に依然として残り、イオンの放出又はガルバニ微小電流を促進する。
【0029】
図3は、コーティングされた粒子の第1のセット、コーティングされた粒子の第2のセット、及びコーティングされていない粒子の第3のセットを有する、抗菌層40を示す。図4は、コーティングされた粒子の第1のセット、コーティングされた粒子の第2のセット、及びコーティングされていない粒子の第3のセットも有する、抗菌層50を示す。図において、コーティングされた粒子は、より強くより暗い特徴を有するが、コーティングされていない粒子は、より明るい灰色の特徴によって相対的により退色して見える。しかしながら、抗菌層50(図4)は、抗菌層40(図3)よりも、コーティングされていない粒子と比較してコーティングされた粒子の比率が高い。換言すれば、抗菌層50は、導電性材料によってコーティングされた粒子の百分率が抗菌層40よりも高い。例示された実施形態では、抗菌層40は、80%のコーティングされていない粒子、10%のコーティングされた粒子(Cu)の第1のセット、及び10%のコーティングされた粒子(Ag)の第2のセットを有するが、抗菌層50は、50%のコーティングされていない粒子、25%のコーティングされた粒子(Cu)の第1のセット、及び25%のコーティングされた粒子(Ag)の第2のセットを有する。
【0030】
バリア領域を使用して、抗菌層を形成することができる。図5は、粒子間に配置されたバリア領域102を有する、抗菌層100を示す。バリア領域102は、抗菌層の第1の主表面を少なくとも部分的に形成していてもよい。バリア領域102はまた、粒子が単層を形成するように配列されるとき、粒子を有する単層の一部を少なくとも部分的に形成してもよい。
【0031】
バリア領域材料は、規則的な形状及び不規則な形状、直線形状及び曲線形状、連続したパターン及び不連続なパターン、ランダムパターン及び繰り返しパターン、並びにこれらの組み合わせを含む、任意の好適なパターン又は形状で適用することができる。バリア領域102は、表面積が大きくても小さくてもよい。バリア領域102及び粒子の所定のパターンは、所望の視覚効果を有するように、又はパターンが裸眼で見えないように、配列されてもよい。
【0032】
バリア領域102は、任意の好適なバリア領域材料を使用して形成され得る。本明細書で使用される場合、用語「バリア領域材料」は、ポリマー支持層などのバリア領域材料が適用される層にビーズ24(図1及び図2)が付着するのを実質的に防止する材料を意味する。バリア領域材料は、恒久的、準永恒的、又は一時的であってもよい。バリア材料の非限定的な例としては、ワックス、樹脂、ポリマー材料、インク、無機物、紫外線硬化性(UV硬化性)ポリマー、有機若しくは無機金属若しくは非金属材料のいずれかから構成される粒子、又はフォトレジストが挙げられる。
【0033】
任意の好適な大きさのバリア領域102を使用してもよい。いくつかの実施形態では、第1の主表面を形成するバリア領域102の面積は、第1の主表面の総表面積の5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、75%、又は更には90%以上であってもよい。バリア領域の作製及び使用に関連する技術及び材料の更なる例は、米国特許第10,845,514号(Chen-Hoら)に見出すことができる。
【0034】
抗菌物品を、任意の好適な様式で作製することができる。一例では、いくつかのビーズは、第1の導電性材料の薄層でコーティングされてもよく、他のビーズは、第2の導電性材料の薄層でコーティングされてもよく、更なるビーズは、コーティングされないままであってもよい。ビーズは、同じ又は同様のサイズ分布(例えば、同じ平均直径)から選択されてもよい。また、コーティングの前又は後に、ビーズを濾過して、同じ又は同様のサイズ分布を達成することもできる。ビーズを、ポリマー接着剤又は膜などの支持層に適用することができる。接着剤であってもよい支持層は、膜又は布地などの基材に適用することができる。
【0035】
抗菌物品は、電解液などの液体を第1の主表面に適用する際の金属イオン放出又はガルバニ微小電流効果を含み得る任意の好適な機構を介して、抗ウイルス又は抗菌特性を提供することができる。液体を適用することは、周囲環境から提供され得る周囲空気からの水分の適用を含んでもよい。金属イオン放出は、例えば、金属酸化物を使用して、第1の主表面に電解液又は流体を適用することによって制御することができる。ガルバニ微小電流効果は、例えば、第1の主表面を形成する導電性粒子の数、異なるコーティング材料間の電位によって、及び第1の主表面への電解液の適用によって制御することができる。
【0036】
持続可能基準で導電性材料(例えば、金属)の原子、イオン、分子、又はクラスタの放出を達成する能力は、例えば、蒸着中に酸素含有気体の量を変化させることによって影響を受け得る。導入される酸素含有気体のレベルが増加すると金属酸化物の量が増加するので、次には物品から放出される金属イオンが増加し得る。したがって、より高い重量パーセントの金属酸化物は、例えば、金属イオンなどの抗菌剤の放出を増強することができ、抗菌活性を向上させることができる。第1の主表面がアルコール又は水系電解質と接触すると、導電性材料は、イオン、原子、分子、又はクラスタを放出し得る。特定の導電性材料及び電解液に基づいて抗菌効果を生じるのに十分な導電性材料の濃度が、選択されてもよい。
【0037】
電解液に導入されたときに少なくとも1つのガルバニ微小電流(例えば、電流)を発生させる能力は、選択された導電性材料によって、特にそれらの電位差により、影響を受け得る。選択された材料に応じて、電子が第2の導電性材料から第1の導電性材料に流れる場合、第1の導電性材料はカソード(正極)であってもよく、第2の導電性材料はアノード(負極)であってもよく、逆もまた同様である。レドックス反応及びイオンの流れは、電解液の存在下で起こり得、それによって、第1の導電性材料と第2の導電性材料との間に電流が発生し得る。電流は、イオンの流れに関与する導電性粒子の量によって影響され得る。これらの電流は、細菌及びウイルスなどの微生物の増殖を阻害することができる。
【0038】
抗菌物品は、電解質溶液に導入されたときに、10、50、100、250、500、1000、又は更には2500マイクロアンペア(μA)以上の電流を発生させることが可能であり得る。抗菌物品は、電解質溶液に導入されたときに、5000、2500、1000、500、250、100、又は更には50μA以下の電流を発生させることが可能であり得る。
【実施例
【0039】
別段の記載がない限り、又は文脈から容易に明らかでない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比などは、重量基準である。
【表1】
【0040】
細菌及びファージ材料
40グラムのTSB粉末及び寒天(7.5g)を脱イオン水(1L)に添加することによって、軟質TSB寒天を調製した。得られた生成物をオートクレーブ処理した(121℃で15分間)。使用前に、マイクロ波オーブンを使用して軟質寒天を融解し、プレート当たり0.05mLの1x10シュードモナス株(DSM 21482)を添加した。
【0041】
LB寒天粉末(35g)を脱イオン水(1L)に添加し、混合物をオートクレーブ処理し(121℃で15分間)、15mLの溶融ゲル混合物をプレートに注ぐことによって、LB寒天プレートを調製した。LBブロス粉末(20g)を脱イオン水(1L)に溶解し、混合物をオートクレーブ処理(121℃で15分間)することによって、LBブロスを調製した。Tryptic Soyブロス粉末(30g)を脱イオン水(1L)に懸濁し、混合物をオートクレーブ処理(121℃で15分間)することによって、TSBブロスを調製した。
【0042】
Phi 6ファージを、振盪フラスコ内で、25℃、250RPMにてシェーカーで少なくとも8時間培養したその宿主シュードモナス株の液体TSB培養物から採取した。
【0043】
細菌株をLBブロスに接種し、チューブ内で、25℃、250RPMにてシェーカーで少なくとも12時間培養した。
【0044】
Staphylococcus aureus subsp.Rosenbach株(ATCC 6538)をTSBブロスに接種し、25℃、250RPMにてシェーカーで少なくとも12時間培養した。
【0045】
Escherichia coli(Migula)Castellani and Chalmers株(ATCC 25922)をTSBブロスに接種し、25℃、250RPMにてシェーカーで少なくとも12時間培養した。
【0046】
ガラスビーズ
以下の方法を使用して、2種類の金属コーティングされたガラスビーズ、表1に示す実施例についてCuコーティングされたガラスビーズ及びAgコーティングされたガラスビーズを別々に調製した。ガラスビーズを150℃で少なくとも8時間焼成し、次いで、300mL粒子撹拌機並びに直径3インチの金属スパッタリングターゲット及びカソードを備えた真空チャンバ(Sierra Applied Sciencesから市販されている)内に置いた。堆積中、粒子撹拌機を毎分約4回転(rpm)で動作させた。チャンバをベース圧力までポンプダウンし、アルゴンガス(純度99.999%)を使用して約4ミリトール(mTorr)の圧力で金属をスパッタリングした。アルゴン流量は100標準立方センチメートル/分(sccm)であった。金属を所望の設定でスパッタリングして、ビーズの表面上に金属の薄膜コーティングを作製した。コーティングされたビーズを120メッシュフィルターで濾過した。銅コーティングは、Cuコーティングされたガラスビーズの最終重量の2.06%を構成すると推定された。銀コーティングは、Agコーティングされたガラスビーズの最終重量の1.60%を構成すると推定された。
【表2】
【0047】
実施例1~10及び比較例1
実施例を、以下によって、表2のガラスビーズ量及びオーブン温度で調製した。ガラスビーズの直径は60~100マイクロメートルであった。表2に従って、コーティングされたガラスビーズ及びコーティングされていないガラスビーズをガラス又は金属ビーカー内で混合し、ガラスビーズ混合物がオーブン温度に達するまで、オーブン内で加熱した。熱電対プローブを使用してガラスビーズ混合物の温度を測定した。次いで、加熱された混合物をビーズキャリアライナーのポリエチレン層の上にカスケードし、その中に沈降させた。ビーズキャリアライナーを米国特許第5,474,827号に記載されているように調製し、20~50マイクロメートルのポリエチレン層を紙裏材上にコーティングした。沈降深さはガラスビーズの直径よりも小さかった。ガラスビーズ混合物の一部分は、ポリエチレン層の表面上に露出したままであった。
【表3】
【0048】
実施例11:CuコーティングされたPET膜
PET膜の10.16cm×10.16cmの正方形シート上にCu膜を堆積させた。PETシートの片側を下塗りした。PET膜の下塗りされた表面上に金属を堆積させた。堆積は、PVD75真空堆積チャンバ(Kurt J Lesker,Jefferson Hills,PA,USA)を使用して実行した。Cu膜を、RFスパッタリングを使用して堆積させた。電源は、Kurt J LeskerモデルR301 RF電源であった。チャンバを、3.3×10-6Torr以下のベース圧力までポンプダウンした。超高純度アルゴンガスを約51sccmの流量でチャンバに流した。運転圧力は約4.1×10-3Torrであった。Cuを200ワットの設定点でスパッタリングした。反射電力は2.0ワットであった。基材をチャンバプラテン上、20rpmで回転させた。堆積は715秒間実行され、約100nmの推定コーティング厚さをもたらした。
【0049】
実施例12:AgコーティングされたPET膜
PET膜の10.16cm×10.16cmの正方形シート上にAg膜を堆積させた。PETシートの片側を下塗りした。PET膜の下塗りされた表面上に金属を堆積させた。堆積は、PVD75真空堆積チャンバ(Kurt J Lesker,Jefferson Hills,PA,USA)を使用して実行した。Ag膜を、DCマグネトロンスパッタリングを使用して堆積させた。チャンバを、5.0x10-6Torr以下のベース圧力までポンプダウンした。超高純度アルゴンガスを約51sccmの流量でチャンバに流した。運転圧力は約4.1×10-3Torrであった。Agを200ワットの設定点でスパッタリングした(300ボルト、0.67アンペア)。基材をチャンバプラテン上、20rpmで回転させた。堆積は170秒間実行され、約100nmの推定コーティング厚さをもたらした。
【0050】
実施例13:布地裏材を有する物品:
ビーズコーティングされたライナー(実施例9)を、ポリエステル系接着剤(「VITEL 3550 B」としてBostik Company(Wausatosa,WI)から市販されている50%固形分ポリエステル樹脂)で8ミルの湿潤厚さにコーティングし、続いて190°Fで30秒間熱処理し、100%ポリエステル布地(2.25oz/sqyd、Milliken and Co.)に積層し、次いで210°Fで6分間熱処理した。熱処理プロセスに続いて、キャリア層を剥ぎ取り、ガラス微小球の単層の予め埋め込まれた表面を露出させて、布地裏材を有する物品を作製した。
【0051】
実施例14:伸展性ホットメルト接着剤裏材を有する物品:
ビーズコーティングされたライナー(実施例9)を、ポリエステル系接着剤(「VITEL 3550 B」としてBostik Company(Wausatosa,WI)から市販されている50%固形分ポリエステル樹脂)で8ミルの湿潤厚さにコーティングし、続いて190°Fで30秒間、及び210°Fで6分間熱処理した。熱処理後、コーティングされた接着剤層の露出面を、伸展性ホットメルト接着剤(Bemis 3419、Bemis Associates Inc.)に積層した。積層プロセスに続いて、キャリア層を剥ぎ取り、露出したガラスビーズの単層の予め埋め込まれた表面を有する共伸展性物品を作製した。
【0052】
微小電流の測定
実施例1~3を2.54cm×5.08cmのサンプル試験片に切断した。サンプル試験片をEyesaline(Honeywell,Charlotte,North Carolina)で予め湿らせた。次いで、表3に示すように、二点プローブを備えたOTII-ARC-001マルチメーター(Scheelevagen、スエーデン)を使用して、微小電流を測定した。
【表4】
【0053】
細菌死滅試験
改正ISO22196:2011方法「Measurement of Antibacterial Activity on Plastic and Other Non-Porous Surfaces」を、実施例の物品の抗菌特性の評価に使用した。「細菌死滅試験」は、本明細書に記載されるこの方法を指す。実施例1~12を、直径2.54cm、n=3の円形試験片に切断した。細菌株、グラム陽性株、又はグラム天然株などの細菌の25マイクロリットル接種物を、試験に使用するために、1×10E8~1×10E9コロニー形成単位/mL(cfu/mL)の濃度でリン酸緩衝液中に調製した。
【0054】
試験材料と滅菌顕微鏡スライドカバーとの間に接種物を挟むことによって、試験片を細菌と接触させ、室温で1時間及び/又は6時間インキュベートした。非抗菌表面を有する比較例1の試験片を、接種物で処理した。インキュベーション後、試験片サンプルをDey\Engley中和ブロス中和ブロス(Becton Dickinson Company(Franklin Lakes,NJ)から入手)中で中和し、プレート計数培養法を使用して生細胞数にアクセスした。プレート計数培養法では、10倍連続希釈を実行することによって生細菌を計数した。各希釈物のアリコートを、LBプレート又は3M(商標)PETRIFILM(商標)Rapid Coliform Count Plates上に播種した。プレートを、37℃で16時間インキュベートした。LBプレート上のコロニーを手動で計数し、表4に報告した。Rapid Coliform Count Plates上のコロニーを、3M(商標)PETRIFILM(商標)Plate Reader Advancedで計数し、表5に報告した。
【0055】
ウイルス死滅試験
抗ウイルス活性についてのウイルス死滅試験を、代用物として細菌ファージを使用して行った。改正ISO22196:2011方法「Measurement of Antibacterial Activity on Plastic and Other Non-Porous Surfaces」を、実施例の物品の抗ウイルス特性の評価に使用した。「ウイルス死滅試験」は、本明細書に記載されるこの方法を指す。実施例1~8を、直径2.54cm、n=3の円形試験片に切断した。10E10pfu/mLの25マイクロリットルのPhi 6ファージ溶液をアッセイに使用した。
【0056】
試験材料と滅菌顕微鏡スライドカバーとの間にウイルスを挟むことによって、試験片をウイルスと接触させ、室温で10分間インキュベートした。非抗菌表面を有する比較例1の試験片を、接種物で処理した。インキュベーション後、試験片サンプルを10mLのDey\Engley中和ブロス中和ブロスで中和し、プレート計数培養法を使用して生Phi 6ファージ数について評価した。プレート計数培養法では、10倍連続希釈を実行することによって生Phi 6ファージを計数した。各希釈物のアリコート(100マイクロリットル)を、シュードモナス株(DSM 21482)を含むTSB軟寒天プレート上に播種した。プレートを、室温で少なくとも8時間インキュベートした。ファージプラークを手動で計数し、表4に報告した。
【表5】
【表6】
【0057】
擦傷及び細菌死滅試験
実施例9~12を、TABER Model 5750 Linear Abrader(Taber Industries,North Tonawanda,NY)を使用して耐擦傷性について個々に試験した。第1に、SCOTCH-BRITE(商標)ハンドパッド7447(3M Company,St.Paul,MN)の2.5cm×5.0cm切片を、機器試験アームの底部に接着剤で取り付け、試験において研磨材料として使用した。各実施例(10cm×10cm)を、水平に位置決めしたガラス表面に接着剤で取り付け、金属コーティングされた表面を研磨パッドと接触するように露出させた。操作において、研磨パッドを金属コーティングされた表面と接触させて置き、試験アームの上端に取り付けられた825グラムの荷重で、金属コーティングされた表面を横切って50サイクル(60サイクル/分の度数)の直線往復運動で操作した。次いで、各実施例を90度回転させ、同じ条件下で更に50サイクル擦傷する。第2に、SCOTCH-BRITE(商標)ハンドパッド7448(3M Company,St.Paul,MN)の2.5cm×5.0cm切片を、機器試験アームの底部に取り付け、各実施例の同じ領域をそれぞれ0度及び90度で100サイクル擦傷した。第3に、3M TRIZACT(商標)HOOKIT(商標)Finishing Foam Disc,3000(3M Company,St.Paul,MN)の2.5cm×5.0cm切片を、機器試験アームの底部に取り付け、各実施例の同じ領域をそれぞれ0度及び90度で100サイクル擦傷した。
【0058】
次いで、得られた擦傷された実施例9~12を、上記の細菌死滅試験に従って細菌株及びグラム陰性株による細菌死滅について試験した。結果を表6及び表7に報告する。
【表7】
【表8】
【0059】
このように、導電性粒子を有する抗菌表面の様々な実施形態が開示される。本明細書では、本開示の一部を形成する添付の一連の図面が参照されるが、少なくとも当業者であれば、本明細書に記載された実施形態の様々な適合及び改変が本開示の範囲内であること又は本開示の範囲から逸脱しないことを理解するであろう。例えば、本明細書に記載された実施形態の態様は、様々な方法で互いに組み合わせることができる。したがって、添付の特許請求の範囲内で、特許請求される本発明は、本明細書に明示的に記載されたもの以外で実施され得ることを理解されたい。
【0060】
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で一般に使用される意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0061】
別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴部サイズ、量及び物理的特性を表す全ての数は、用語「厳密に」又は「約」のいずれかによって修飾されているものとして理解され得る。したがって、特に反対の指示がない限り、上記明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、本明細書で開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変動し得る近似値であり、例えば、実験誤差の典型的な範囲内にある。
【0062】
用語「又は」は、概して、内容に別段の明示がない限り、その包括的な意味で使用され、例えば、「及び/又は」を意味する。用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの少なくとも2つの組み合わせを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】