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特表2025-502800カードの組を作成するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】カードの組を作成するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20250121BHJP
   A63F 1/02 20060101ALI20250121BHJP
   B65H 43/04 20060101ALI20250121BHJP
   B65H 29/62 20060101ALI20250121BHJP
   B65H 39/075 20060101ALI20250121BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20250121BHJP
   B65H 29/32 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/02 M
B65H43/04
B65H29/62 Z
B65H39/075
B65H29/24 A
B65H29/32 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539517
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2022084418
(87)【国際公開番号】W WO2023126130
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】21217836.2
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524244339
【氏名又は名称】カルタムンディ サービシズ エンフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】デホウワー,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ファン デウン,ジャスパー
【テーマコード(参考)】
3F048
3F049
3F050
3F053
【Fターム(参考)】
3F048CA06
3F048CB05
3F048DC11
3F048EA12
3F049AA10
3F049EA28
3F049FA03
3F049LA16
3F049LB09
3F050BE12
3F050BE17
3F050CA08
3F050CD02
3F050CD09
3F050CE08
3F050LA16
3F050LB09
3F053EA00
3F053EC10
3F053EC17
3F053ED19
3F053LA16
3F053LB09
(57)【要約】
カードの組を作成するシステムが提供され、システムは、複数のカードを提供するカード供給手段と、カード搬送手段及びカードをカード搬送手段から切り離すための作動可能なリリース手段である少なくとも1つのリリース手段を含むカード移動システムと、カードの組を収集するための複数のカード収集手段であって、複数のカード収集手段の各カード収集手段は、搬送ベルトの移動方向に沿った複数の異なる位置で、搬送ベルトの下に配置される、複数のカード収集手段と、カード移動システムにより搬送されるカードを識別するためのカード識別手段と、カード移動システムにより搬送される識別されたカードのそれぞれをカード収集手段へ割り当てる制御手段とを含む。各カード収集手段に関して、リリース手段は、搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置され、制御手段は、カードが、そのカードを割り当てられたカード収集手段を通過するときに、そのカード収集手段の位置に配置されたリリース手段を作動させるように適合している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの組を作成するシステムであって、
複数のカードを提供するカード供給手段と、
カード搬送手段と、前記カードを前記カード搬送手段から切り離すための作動可能なリリース手段である少なくとも1つのリリース手段とを含むカード移動システムと、
カードの組を収集するための複数のカード収集手段であって、前記複数のカード収集手段の各カード収集手段が、搬送ベルトの移動方向に沿った複数の異なる位置で前記搬送ベルトの下に配置されている、複数のカード収集手段と、
前記カード移動システムにより搬送される前記カードを識別するためのカード識別手段と、
前記カード移動システムにより搬送される識別された前記カードのそれぞれをカード収集手段へ割り当てる制御手段と
を備え、
各カード収集手段に関して、リリース手段は、前記搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置され、前記制御手段は、カードが、当該カードが割り当てられた前記カード収集手段を通過するときに、前記カード収集手段の位置に配置された前記リリース手段を作動させるように適合している、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカードの組を作成するシステムであって、欠陥のあるカードを検出するための欠陥検出ユニットを備えたシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記搬送ベルトの移動方向に沿った所与の位置で、前記搬送ベルトの下に配置されるカード抽出ビンを更に含み、リリース手段は、前記搬送ベルトの移動方向に沿った同じ所与の位置に配置され、前記制御手段は、欠陥のあるカードが前記カード抽出ビンを通過するときに、前記搬送ベルトの移動方向に沿った位置に配置された前記リリース手段を作動させるように適合している、システム。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のカードの組を作成するシステムであって、各リリース手段に関して、前記搬送ベルトの移動方向において、前記リリース手段の前に第1カード検出手段が配置され、前記リリース手段の後に第2カード検出手段が配置される、システム。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のカードの組を作成するシステムであって、カード移動システムは、
前記搬送ベルトの下側に個々に結合される1以上のカードを搬送するように適合した搬送ベルトと、
前記搬送ベルトからカードを離すための少なくとも1つのリリース手段であって、
前記搬送ベルトの下側へのカードの結合を妨げるための阻止手段、及び/又は
前記搬送ベルトから結合されたカードを吹き飛ばすための気体吹き出し手段
であるリリース手段と
を含む、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記リリース手段は作動可能なリリース手段である、システム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記搬送ベルトの幅は、搬送される前記カードの長さよりも短い、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記カード移動システムはカード提供手段を含み、カードの縦側が前記搬送ベルトの移動方向と直交するように動かされるように前記カードを提供する、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記リリース手段は気体吹き出し手段である、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記気体吹き出し手段は第1エアー・ナイフを含む空気吹き出し手段である、システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記気体吹き出し手段は、第1エアー・ナイフ対を含む空気吹き出し手段であり、前記エアー・ナイフ対の第1エアー・ナイフ及び第2エアー・ナイフは、前記搬送ベルトの対向する側において前記搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置される、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のカードの組を作成するシステムであって、前記気体吹き出し手段は、複数のエアー・ナイフ対を含む空気吹き出し手段であり、それぞれのエアー・ナイフ対の第1エアー・ナイフと第2エアー・ナイフとは、前記搬送ベルトの対向する側において前記搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置される、システム。
【請求項13】
ランダムに切り混ぜたカードの組を提供するための方法であって、
- 請求項1-12の何れかの、カードの組を作成するための前記システムを提供するステップと、
- カードの組を作成する前記システムへ、一連のランダムな順序のカードを提供するステップと、
- 前記搬送ベルトにより吸引されたカードのそれぞれを識別し、識別された前記カードのそれぞれへ前記カード収集手段を割り当てるステップと、
- 前記搬送ベルトに沿って、識別された前記カードを複数の前記カード収集手段へ移動させるステップと、
- 識別された各カードに関して、前記カードが、そのカードを割り当てられた前記カード収集手段を通過するときに、前記搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置の前記リリース手段を作動させるステップと
を備え、
前記制御手段は、カード収集手段を各カードへ割り当てて、各カード収集手段において1以上のカード・デッキの組が作成されるようにする、
方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、カード供給システムは、カードのおもて側面が搬送ベルトに背を向けた形でカードを提供する、方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の方法であって、カードの組を作成するための前記システムへ提供されるカードの少なくとも一部は、回収されたカードである、方法。
【請求項16】
請求項13から15のうちのいずれか1項に記載の方法であって、カードの組を作成するための前記システムへ提供されるカードは、ランダムな順序にされる、方法。
【請求項17】
請求項13から16のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記制御手段は、各カード収集手段において作られる各組のカードについてカードの識別子の配列を生成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 本発明は、プレイングカード(トランプ)やコレクターズカードやトレーディングカードなどのカードの組を作成するシステムに関するものであり、そのシステムは、ランダムな順序又は所定の配列で並んだカードの組を作成する。
【背景技術】
【0002】
[02] 現今では、カードゲームは良く知られている。多くの場合、ゲームは、ランダムな順序のプレイングカードのデッキ(deck)又は組(set)から配られる又は引かれるカードの順序が予想不可能であることに基づいており、そこにおけるプレイングカードの組は、組の段階でランダムな順序のプレイングカードのデッキが1つより多く含まれている。
【0003】
[03] 例として、バカラは、ランダムな順序の8デッキのプレイングカードの組、従って、合計416のランダムな順序のカードを用いて、行われる。幾つかのゲームに関しては、ひとたびカードが組から引かれると、その引かれたカードをそれ以降は用いることができなくなるが、その理由は、引かれたカードは別として、引いたり設定したりした順序が監視できるからである。プレーヤーは、賭けた後に自身でカードをひっくり返すことができ、その結果としてカードは、劣化、損傷又は破損する。使用済みカードを再使用した場合、プレーヤーが将来のカードの配列を予測する機会、即ち、不正を行う機会を作ることになり得る。
【0004】
[04] 高い掛け金が関連する場合には、実際に、不正なプレイや行動の何れの源も避けるようにすべきである。大きい範囲で不正行為の可能性を避けるようにするために、プレイングカードの組の作成と、遊戯台でのそれの使用との間のハンドリング時間は、可能なかぎり短くする必要がある。
【0005】
[05] ランダムな順序のプレイングカードの組を作成するシステムが、WO2012/042823に記載されている。そのシステムは、プレイングカードを収集するための複数のプレイングカード収集手段を含み、それによりプレイングカードの組を提供する。ランダムな順序のプレイングカードは、複数のゲートと機械的に動く要素とを含む経路を介して、複数のプレイングカード収集手段へ供給される。
【0006】
[06] また、コレクターズカードやトレーディングカードのような他のカードに関しても、不正な行動の何れの源も避けるようにすべきである。大きい範囲で不正行為の可能性を避けるようにするために、カードの組の作成と、公衆の面前でのそのカードのあらゆる取り扱いとの間のハンドリング時間は、可能なかぎり短くする必要がある。そのような種類のカードでは、どのような欠陥も認識されるべきではない。
【0007】
[07] 一般的に、製造の間において、プレイングカードなどの未使用の新しいカードと再使用又は回収されたカードとの双方について、それらのカードに印や欠陥が加わらないようにすることが重要である。その理由は、例えば、プレイングカードへ付けた何れの印も、プレイングカードを認識させる原因となり得るからあり、従って、不正が行われたり、事前知識を得られたり、不正行為が行われることになり得る。再使用又は回収されたカードとは、例えば、カジノのテーブルなどのカード遊戯台で少なくとも1回のカードゲームを行うために使用されたカードの組又はデッキの一部であったカードである。
【発明の概要】
【0008】
[08] 本発明の目的は、カードの組を作成するシステムを提供することであり、移動させられるカードに損傷や欠陥が作られる危険性を低減することである。
【0009】
[09] 本発明の更なる目的は、ランダムな順序のカードの組を提供することが可能なデバイス及び方法を提供することである。本発明によるシステムの利点は、少数の動く要素を用いることであり、それにより、収集されたカードへ損傷を与える危険性が低減される。デバイス及び方法の幾つかの実施形態の利点は、デバイス及び方法が、使用済みの又は回収したカードを回復させて、新たに作成されるカードの組へ再導入させることができるので、カードの組の作成中に無駄なものを低減することである。
【0010】
[10] また、本発明の更なる目的は、以前のカードゲームのときに配られた又は配られていないカードの組からのカードを再び混ぜる可能性を提供することにより、カードのライフ・サイクルを伸ばすことである。従って、カードを、カジノのテーブルで1回よりも多く用いることができる。
【0011】
[11] 本発明の構成では、カードは、ランク(rank)とスート(suit)とを示すおもて側面を有するプレイングカードに限定されるとは理解されない。また、カードは、例えば、ゲームカード、カジノカード、コレクターズカード、及びトレーディングカード、即ち、カードのおもて側面に、ランク及びスートとは異なる1つ又は複数の識別要素を有するカードとして理解することができ、1つ又は複数の識別要素は、そのカードが属するカード・デッキにおいて、そのカードがそれ自体の識別性を有するようにする。
【0012】
[12] 本発明の第1の態様によれば、カードの組を作成するシステムが提供され、そのシステムは、
- 複数のカードを提供するカード供給手段と、
- カード搬送手段と、前記カードを前記カード搬送手段から切り離す(リリースする)ための作動可能なリリース手段である少なくとも1つのリリース手段とを含むカード移動システムと、
- カードの組を収集するための複数のカード収集手段であって、前記複数のカード収集手段の各カード収集手段は、搬送ベルトの移動方向に沿った複数の異なる位置で、搬送ベルトの下に配置される、複数のカード収集手段と、
- 前記カード移動システムにより搬送される前記カードを識別するためのカード識別手段と、
- 前記カード移動システムにより搬送される識別された前記カードのそれぞれをカード収集手段へ割り当てる制御手段と
を備えており、各カード収集手段に関して、リリース手段は、前記搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置され、前記制御手段は、カードが、当該カードが割り当てられた前記カード収集手段を通過するときに、前記カード収集手段の位置に配置された前記リリース手段を作動させるように適合している。
【0013】
[13] 作動可能なリリース手段とは、リリース手段が制御されて作動させられるものであることを意味する。
【0014】
[14] 可能性として、カード収集手段は、リリース手段が作動したときにカードが落とされるコンテナを含む。従って、カード供給手段により提供された一連のカードからのカードは、或る組数のカードの組に分けられることができ、これにおいては、カードに対しての人又は機械的操作の介入がない。これにより、カードへの損傷を低減すること、更には、避けることができる。
【0015】
[15] 幾つかの実施形態によれば、システムは、欠陥のあるカードを検出するための欠陥検出ユニットを含むことができる。幾つかの実施形態によれば、システムは、更に、搬送ベルトの移動方向に沿った所与の位置で、前記搬送ベルトの下に配置されるカード抽出ビンを含むことができ、リリース手段は、搬送ベルトの移動方向に沿った同じ所与の位置に配置される。制御手段は、欠陥のあるカードがカード抽出ビンを通過するときに、搬送ベルトの移動方向に沿った位置に配置された前記リリース手段を作動させるように適合している。
【0016】
[16] このカード抽出ビンへカードを案内することにより、当該カードの配列からカードが抽出される。次のステージでは、抽出したカードに対して行うこと、例えば、カードを捨てることやカードを別の目的で使用することを、決定することができる。
【0017】
[17] カード抽出ビンは、カード収集手段の1つであり得る。好適には、カード抽出ビン、又はカード抽出ビンとして機能するカード収集手段は、別のカード収集手段の上流に備えられるか、又は、一連のカード収集手段の中の第1のカード収集手段である。
【0018】
[18] 幾つかの実施形態によれば、各リリース手段に関して、搬送ベルトの移動方向において、そのリリース手段の前すなわち上流に第1カード検出手段を配することができ、そのリリース手段の後すなわち下流に第2カード検出手段を配することができる。カードの存在を上流のカード検出手段が検出し、対応する時点で下流のカード検出手段が検出しない場合、これは、2つのカード検出手段の間でカードが真空ベルトから取り除かれたことを意味する。
【0019】
[19] このように、カードの組を作成するシステムは、各カードが正しいカード収集手段の位置で搬送ベルトから離された(リリースされた)かについて、クロス・チェックする。
【0020】
[20] 搬送ベルト上の各カードに対して、カード収集手段が割り当てられる。制御手段は、割り当てられたカード収集手段の上流(前)にあるカード検出手段が所定の時点でカードを検出したかを、チェックすることができる。制御手段は、割り当てられたカード収集手段の下流(後)にあるカード検出手段が所定の時点でカードを検出できなかったかを、チェックすることができる。そうであった場合、カードは、正しい割り当てられたカード収集手段へ送られている。
【0021】
[21] 幾つかの実施形態によれば、カード移動システムは、
- 搬送ベルトの下側に個々に結合される1以上のカードを搬送するように適合した搬送ベルトであるカード搬送手段と、
- 搬送ベルトからカードを離すための少なくとも1つのリリース手段であって、
・ 搬送ベルトの下側へのカードの結合を妨げるための阻止手段、及び/又は
・ 搬送ベルトから結合されたカードを吹き飛ばすための気体吹き出し手段
であるリリース手段と
を含む。
【0022】
[22] 搬送ベルトは、カードを吊り下げることができる任意のベルトとすることができる。それは、非永続的な接着剤又は他のタイプの同様の粘着性のものが付された搬送ベルトとすることができる。代替的には、搬送ベルトを真空ベルトとすることができ、ベルトを通して空気が吸われ、カードがベルトの下側のほうへ吸われる。後者の場合、阻止手段は、搬送されているカードへ向けられた真空を局所的に遮る手段とすることができる。
【0023】
[23] 材料を或る場所から別の場所へ運ぶための連続的なベルト又はバンドである搬送ベルトは、エンドレスのベルトとすることができ、また、ベルトのストリップにより提供される連続的なベルトとすることができ、そのストリップでは2つの端部が、例えば、熱溶着やステープル手段や他の同様のことにより互いに接続されて連続的なベルトが形成される。
【0024】
[24] そのようなカード移動システムは、カード移動システム内でのカードの移動中に、動く機械的な要素や部品がカードへ接触しないようにする。何れの機械的な要素や部品も、搬送されるカードを把持したり操作したりしない。カードは、接着又は空気の吸い上げ及び空気の流れによってのみ動かされ、これは、カードの表面をより優しく扱うものであり、カードの表面に対して損傷や跡が無いようにする。搬送ベルトと各カードのおもて面又は背面との間の接触する面は、相対的に大きくすることができ、それにより、カードを搬送するために用いる接着力を低くすることや圧力差を低くすることができる。
【0025】
[25] 幾つかの実施形態によれば、リリース手段は作動可能なリリース手段とすることができる。そのようなリリース手段の幾つかを、搬送ベルトの長手方向に沿って取り付けることができる。リリース手段を作動させること又は作動させないことは、搬送ベルトに沿ったカードを置くべき位置で、搬送されているカードを切り離すために、用いることができる。それは、搬送ベルトに沿った複数の異なる位置へカードを配送する可能性を提供する。
【0026】
[26] 幾つかの実施形態によれば、搬送ベルトの幅は、搬送されるカードの長さよりも短くすることができる。カードの長さは、カードの上側の縁と下側の縁との間の距離である。カードの幅は、カードの左側と右側との間の距離である。長さと幅とは、カードのおもて面で、また、裏面で、測定される。
【0027】
[27] 搬送ベルトの幅がカードの長さより短い場合、搬送ベルトの一方の側又は双方の側で、カードの長さの一部が搬送ベルトの縁を越えて延在するような形で、カードは搬送ベルトにより搬送され得る。カードのこの延在部は、リリース手段によりカードを搬送ベルトから切り離すために、用いることができる。
【0028】
[28] 幾つかの実施形態によれば、カード移動システムはカード提供手段を含むことができる。このカード提供手段は、例えば、デジタル・プリント手段又はオフセット・プリント手段などのカード・プリント手段を含むことができ、これは定められた配列で又はランダムな順序でカードをプリントする。カード提供手段は、カード回収手段を含むことができ、これは、既に使用されたカード又は以前のカードの組の一部であったカードを提供する。このカード提供手段は特別なカード提供手段を含むことができ、これは、規則的又はランダムな時間に、プレイングカードの配列におけるカット・カードなどの特別な機能又はインプリント付きのカードを提供する。このカード提供手段は、上記のものの組み合わせ、即ち、1以上のカード・プリント手段、1以上のカード回収手段、及び/又は1以上の特別なカード提供手段を含むことができる。
【0029】
[29] 幾つかの実施形態によれば、カード移動システムはカード提供手段を含むことができ、これは、カードの縦側が搬送ベルトの移動方向と直交するように動かされるように、カードを提供するものである。
【0030】
[30] 搬送ベルトの幅がカードの長さより短い場合、ベルトの一方の側又は双方の側で、カードがベルトの縁を越えて延在するような形で、カードは搬送ベルトにより搬送され得る。カードのこの延在部は、例えば、カードのこの延在部へ、エアー・ナイフのストリームをあてることにより、搬送ベルトから押しのけられるようにして、カードを搬送ベルトから切り離すために、用いることができ、カードへ向けたエアー・ナイフの力が吸引力又は接着力よりも大きい場合、カードは、エアー・ナイフからの空気の噴射に押し流されて落下する。
【0031】
[31] 幾つかの実施形態によれば、リリース手段は、気体吹き出し手段とすることができる。幾つかの実施形態によれば、気体吹き出し手段は、例えば、第1エアー・ナイフを含む空気吹き出し手段とすることができる。幾つかの実施形態によれば、気体吹き出し手段は、第1のエアー・ナイフ対を含む空気吹き出し手段とすることができ、このエアー・ナイフ対の第1エアー・ナイフ及び第2エアー・ナイフは、搬送ベルトの対向する側において搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置される。幾つかの実施形態によれば、気体吹き出し手段は、複数のエアー・ナイフ対を含む空気吹き出し手段とすることができ、それぞれのエアー・ナイフ対の第1エアー・ナイフと第2エアー・ナイフとは、搬送ベルトの対向する側において搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置に配置される。
エアー・ナイフの利点は、それらのエアー・ナイフを迅速かつ正確に作動及び作動停止がなされることである。従って、一連のカードに高い移動速度を適用することができ、かつカードの切り離しを正確に行え得る。特に、搬送ベルトの長手方向に沿った複数の異なる場所で複数の異なるカードを切り離す必要があるときには、そうである。
【0032】
[32] 本発明の第2の態様によれば、ランダムに切り混ぜたカードの組を提供するための方法が提供され、その方法は、
- 本発明の第1の態様によるカードの組を作成するためのシステムを提供するステップと、
- カードの組を作成する前記システムへ、一連のランダムな順序のカードを提供するステップと、
- 搬送ベルトにより吸引されたカードのそれぞれを識別し、識別されたカードのそれぞれへカード収集手段を割り当てるステップと、
- 搬送ベルトに沿って、識別された前記カードを複数のカード収集手段へ移動させるステップと、
- 識別された各カードに関して、カードが、当該カードが割り当てられたカード収集手段を通過するときに、搬送ベルトの移動方向に沿った同じ位置のリリース手段を作動させるステップと
を備え、制御手段は、カード収集手段を各カードへ割り当てて、各カード収集手段において1以上のカード・デッキの組が作成されるようにする。
【0033】
[33] 好適には、カードは、搬送ベルトにより搬送され、裏側がベルトに面するようにされ、視覚的検査のためにおもて側面は開けた状態にされる。可能性として、プレイングカードの場合はランク及びスートが、また、他のカードの場合は1以上の識別要素が、検出され得る。従って、検査されているカードが識別され得る。
【0034】
[34] オプションとしては、各カードのおもて側面は、一意のカード識別子を示すことができ、それは、カードのこのおもて側面に一回又は複数回提供(例えば、プリント)される。このカード識別子は、可視のインクを用いて、又は特定の照明条件の下でのみ可視となるインク、例えば、UV光やIR光の下でのみ可視となるインクを用いて、提供することができ
【0035】
[35] カード識別手段は、カードを、そのランク及びスート、並びに/又は、1以上の識別要素及び/若しくはカード識別子により識別し、この情報を、カード識別手段を通過するカードの配列、従って、搬送ベルト内のカードの流れにおけるカードの位置へ、割り当てる。識別手段を通過する各カードは、一連のカードにおけるカードの位置と、そのカードのランク及びスート、並びに/又は、1以上の識別要素及び/若しくはカード識別子とを含むデータセットを生成する。制御手段は、カードが提供されることになるカード収集手段を割り当て、これをデータセットへ付加する。制御手段は、割り当てられたカード収集手段を通過するカードのそれぞれに対して、リリース手段を作動させる。
【0036】
[36] カードを識別しているとき、カード識別手段は、検出中のカードの欠陥を検出することができる。欠陥のあるカードは、何れの組のカードの一部とすることもできず、システムから取り除く必要がある。欠陥のあるカードは、全て、カード抽出手段へ割り当てることができ、また、オプションとしては、カード抽出手段として機能する1つの特定のカード収集手段へ、割り当てることができる。
【0037】
[37] 代替的には、カードの組を作成するためのシステムは、カード欠陥識別手段を含み、好適には、これはカード識別手段の上流に配置される。システムは、欠陥のあるカードを取り除くためのカード取り除き手段を含むことができ、好適には、これもまたカード識別手段の上流に配置される。
【0038】
[38] 代替的には、カード識別手段は、各カードに関して欠陥が存在すること又は存在しないことについて、カード欠陥識別手段から信号を得ることができる。カード識別手段は、欠陥のあるカードの全てを、オプションとしては1つの特定のカード収集手段であるカード抽出手段へ、割り当てることができる。
【0039】
[39] カードの配列において識別され且つ既知の位置を有するカードは、割り当てられたカード収集手段へ持っていかれる。制御手段は、カードの配列における何れの位置にある何れの識別されたカードが何れのカード収集手段へ持っていかれるかを知っており、個々のカード収集手段に対して、ランク及びスートの配列、並びに/又は、1以上の識別要素及び/若しくはカード識別子を生成することができる。従って、システムにより生成された各組のカードに関して、当該組におけるカードの配列は知られている。
【0040】
[40] 制御手段は、所与のランク及びスート、並びに/又は1以上の識別要素を有し、カード収集手段のそれぞれへ送られた多数のカードを、追跡することができる。従って、制御手段は、カードの組を生成することができ、これは、所与の数の完全なデッキから構成されるものさえも含み、組の段階でランダムに切り混ぜられる。
【0041】
[41] カード収集手段の1つは、カード排出ビンとして機能することができる。全てのカード収集手段が、同じカード識別要素を持つカードを、閾値の数だけ含むため、制御手段がそのカードに対してカード収集手段を割り当てることができないとき、そのカードは、このカード排出ビンへ割り当てられて案内される。それらの排出されたカードは、再びカード供給手段の1つにより後に再導入することができ、それらのカードがカードの組の一部となるようにすることができる。また、カードを識別できない場合や、カードの識別、認識、又は取り扱いにおいて何らかのエラーがあった場合、そのカードをオーバーフロー・カード排出ビンへ送ることができる。
【0042】
[42] カードの組を作成するシステムは、カード収集手段から完全な組のカードを取り除くための組取り除き手段を含むことができる。
【0043】
[43] 幾つかの実施形態によれば、カード供給システムは、カードのおもて側面が搬送ベルトに背を向けた形でカードを提供することができる。このようにすると、カードを、そのランク及びスート、並びに/又は、1以上の識別要素及び/若しくはカード識別子により、容易に識別できる。
【0044】
[44] カード供給手段は、そのカードを、デジタル・プリント・デバイスやオフセット・プリント・デバイスなどのプリント・デバイスから得ることができ、且つ/又はリサイクル手段を含むことができ、リサイクル手段では、他のカードの組で使用されたカードが、カードの流れへ含まれるようにする。カード供給手段は、個々に取り扱われる(即ち、カードの運搬中に別のカードと接触しないようにして)カードの列を生成することができる。
【0045】
[45] 幾つかの実施形態によれば、カードの組を作成するためのシステムへ提供されるカードの少なくとも一部は、回収されたカードであり得る。
【0046】
[46] 幾つかの実施形態によれば、カードの組を作成するためのシステムへ提供されるカードは、ランダムな順序にされ得る。
【0047】
[47] 幾つかの実施形態によれば、制御手段は、各カード収集手段において作られる各組のカードについて当該カードの識別子の配列を生成することができる。
【0048】
[48] 制御手段は、各カードに関して、そのカードが何れのカード収集手段へ提供されるか及び提供されたかを、知っている。従って、制御手段は、各組のカードについて、当該組のカード内にに存在するカードの配列を与えることができる。
【0049】
[49] 各組のカードにおけるカードのその配列は、カードの組のストックの移送中にカードの配列に細工がなされていないかを確かめるために、用いることができる。ゲーム中に示されるカードの配列は、そのカードの組に関して既知の配列と比較することができる。配列の不一致は、不正行為を示す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、カードの組を作成するための本発明に係るシステムを概略的に示す。
図2図2及び図3は、図1のカードの組を作成するためのシステムの一部であるカード移動システムの詳細を示す。
図3図2及び図3は、図1のカードの組を作成するためのシステムの一部であるカード移動システムの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[52] 同じ参照番号は同一の特徴のものを指す。
【0052】
実施形態の詳細な説明
【0053】
[53] カードの組を作成するためのシステム100が図1及び図2に示されている。システム100は、3つのカード供給手段101、102、103を含み、複数のカード200を提供する。システムが1つのみのカード供給手段、2つのカード供給手段、又は3つより多くのカード供給手段を含み得ることは、理解される。カード供給手段は、回収されたカード、例えば、カード遊戯台でカードゲームを行うために使用されたプレイングカードを含むカートリッジからのカードを回復させるシステムを、含むことができる。カード供給手段は、未使用のカードをプリントするプリント・ユニット、例えば、デジタル・プリント・ユニットを含むことができる。
【0054】
[54] 新しい又は回収されたカードは、3つのカード供給手段101、102、103により提供することができる。カード供給手段101、102、103は、搬送ベルト104におけるカードの列としておもて側面が下になる複数のカードを構成する。搬送ベルト104は、カードの列を、カード搬送手段である真空搬送ベルト105へ持っていく。ベルト105の幅がカードの長さよりも短い場合には、真空ベルト105により吸われたカードは、真空ベルトの双方の縁でベルトを越えて延在し得る。
【0055】
[55] システム100は、カードの組を収集するための複数のカード収集手段を含み、この実施形態では、5つのカード収集手段106、107、108、109、110を含む。カード収集手段106、107、108、109、110は、前記の真空搬送ベルト105の移動方向に沿って、搬送ベルト105の下の複数の異なる位置に設けられる。他の数のカード収集手段を提供することもできる。
【0056】
[56] カード収集手段106、107、108、109、110のそれぞれに対して、リリース手段112、113、114、115、116が、搬送ベルトの移動方向に沿っており関連するカード収集手段106、107、108、109、110の位置と同じ位置に配置される。リリース手段112、113、114、115、116は、作動可能なリリース手段であり、より具体的には、エアー・ナイフであり、これは、真空ベルト105の縁を越えて延在するカードの縁へ下向きに圧縮空気のストリームを吹きつける。リリース手段112、113、114、115、116は、カード収集手段106、107、108、109、110の前端に配置される。ベルトから取り除かれるカードは、真空ベルト105から吹き飛ばされて落下する。真空ベルトの反対側の縁では、リリース手段112、113、114、115、116のそれぞれに関して、真空ベルト105の移動方向における同じ位置に、対となる第2のリリース手段が配置される(図1及び図2には示していない)。リリース手段は対が同期して働き、その対が、真空ベルト105の移動方向における同じ位置でのリリース手段である。従って、真空ベルト105に吊り下げられているカードの両側、即ち、カードの延在する部分が、吹かれて落とされる。真空ベルト移動方向の向きにおけるその速度のため、カードは、カード収集手段106、107、108、109、110中へ、斜め下向きに落ちる。
【0057】
[57] 真空ベルト105及びリリース手段112、113、114、115、116をこのように提供することにより、何れの機械的要素もカードの表面や縁を掴んだり打ち付けたりすることなく、カードが取り扱われる。従って、この真空ベルト105及びリリース手段112、113、114、115、116は、より優しくカードを扱い、カード収集手段106、107、108、109、110で整理されているカードへの損傷を避けるようにする。
【0058】
[58] システム100は、更に、真空ベルト105により搬送されるカードを識別するためのカード識別手段117を含む。カード識別手段117は、少なくとも1つの、また、オプションとしては1つより多くの、カメラを含むことができる。1つ又は複数のカメラにより撮られたおもて側面の画像は、変換及び/又は分析されて、カードのおもて側面にある1つ又は複数のカード識別要素が識別されるようにする。その1つ又は複数のカード識別要素は、プレイングカードの場合はランク(rank)及びスート(suit)であり得る。オプションとしては、カード識別手段117は、カードのおもて側面の読取可能なカード識別コードを得ることができる。オプションとしては、カード識別手段117は、UV光によってのみカード識別コードを読み取ることができる。カード識別手段117は、UV検出カメラとすることができ、また、UV照明デバイスと連携することができる。システム100は、欠陥のあるカードを検出するための欠陥検出手段118を含むことができ、これは、オプションとして、カード識別手段117を用いて全体を形成することができる。欠陥検出手段118は、カードのおもて面と裏側との双方における欠陥を検出するように適合することができる。カード識別手段117と欠陥検出手段108とは、1つに統合して同じ手段とすることができる。カード識別手段117と欠陥検出手段108とは、1つであり同じカメラとすることができる。カードの裏側の欠陥を検査するために、オプションとしては、追加のカメラ(図に示さず)を、カードが搬送ベルト104から真空ベルト105へと送られる点の直前の位置の、搬送ベルト104の上側に備えるようにする。システム100は、更に、カード移動システム105により運ばれる識別されたカードのそれぞれを、カード収集手段106、107、108、109、110へ割り当てるように、また、カードが、それが割り当てられたカード収集手段106、107、108、109、110を通過するときに、カード収集手段の位置に配置されたリリース手段112、113、114、115、116を作動させるように適合した制御手段120を含む。
【0059】
[59] カード収集手段106、107、108、109、110の1つは、カード抽出ビン(又は廃棄ビン又は除去ビン)として機能することができる。欠陥のあるカードは、制御手段120によりこのカード抽出ビンへ割り当てられて案内される。欠陥のあるカードは、除去されるか、廃棄されるか、又は別の目的で使用される。
【0060】
[60] カード収集手段106、107、108、109、110の1つは、カード排出ビンとして機能することができる。制御手段120が、カードの組がまとめられている又は集められているカード収集手段106、107、108、109、110を割り当てることができないカードに関しては、そのカードは、制御手段120によりこのカード排出ビンへ割り当てられて案内される。このことは、カード収集手段106、107、108、109、110の全てにおいて、同じカード識別要素(ランク及びスートなど)を持つカードが閾値の数だけ含まれている場合に、生じ得る。これらの排出されるカードは、後に、それらのカードがカードの組の一部になることを可能とするために、再びカード列へ再導入され得る。
【0061】
[61] オプションとしては、真空ベルト105の移動方向において、第1カード検出手段を各リリース手段112、113、114、115、116の前に備え、第2カード検出手段をリリース手段112、113、114、115、116の後に備えるようにする。従って、制御手段120は、所与のカード収集手段106、107、108、109、110へ割り当てられたカードが、割り当てられたカード収集手段106、107、108、109、110へ置かれたかを、検査することができる。このことは、リリース手段112、113、114、115、116の上流のカード検出手段はカードを検出したがリリース手段112、113、114、115、116の下流のカード検出手段はカードを検出しなかった、ということになったかを確かめることにより、検査することができる。
【0062】
[62] 制御手段120は、カード収集手段106、107、108、109、110のそれぞれへ置かれる所与のカード識別要素(ランク及びスートなど)を持つカードの数を、追跡することができる。所与のカード識別要素を持つカードが所与の閾値の数だけ所与のカード収集手段106、107、108、109、110へ既に与えられている場合、そのカード識別要素を持つ次のカードは、もはや、そのカード収集手段106、107、108、109、110へは割り当てられない。所与のカード識別要素を持つ各カードに関して、所与のカード収集手段106、107、108、109、110にそのようなカードが閾値の数だけ集められている場合、所与(閾値)の数のカード・デッキを含むカードの組が作成される。カードの組内のカードは、組の段階でランダムな順序にされる。制御手段はまた、カードの組内にカードが存在する順にカード識別子を含むデータセットを、作ることができる。
【0063】
[63] 図2及び図3は、カード収集手段の詳細の幾らかを示す。システムは、搬送ベルトの下側へ個々に結合した1以上のカードを搬送するように適合した搬送ベルトを含む。この搬送ベルトは真空ベルト105である。システムは、複数のリリース手段を含み、それらは図2及び図3における作動可能リリース手段205である。図2は、そのようなリリース手段205の概略的な側面図であり、図3は、そのようなリリース手段205の上面図を概略的に示す。
【0064】
[64] 図1のリリース手段112、113、114、115、116のそれぞれは、このような作動可能リリース手段205であり、より具体的にはエアー・ナイフ201である。これらのエアー・ナイフは、連結されたカードを、この実施形態では真空ベルト105である搬送ベルトから吹き飛ばすための気体吹き出し手段である。各エアー・ナイフ201は、圧縮空気のストリーム又はパルス206を、真空ベルト105の縁204を越えて延在するカード200の縁203へ向けて、下向きに吹きつける。空気のストリームにより加えられた力により、カード200は真空ベルト105から引き離されて、対応するカード収集手段202の中へ落ちる。
【0065】
[65] 特定の実施形態を参照して本発明を示したが、本発明が上記の例示の実施形態の細部に限定されないこと、及び本発明の範囲から外れることなく複数の異なる変更及び改造を施して本発明を実施でき得ることが、当業者には明らかである。従って、ここでの実施形態は、完全に例示であり限定ではないと考えられ、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の請求の範囲により示されており、従って、請求の範囲と等価の意味及び範囲の中にある全ての変更は、請求の範囲に含まれることを意図している。換言すると、これは、基本的な根本的な原理の範囲内にあり且つ本質的な特性が本出願で権利請求されている何れの又は全ての変更物、変形物、又は等価物も網羅すると考えられている。更に、「含んでいる(comprising)」や「含む(comprise)」という用語が、他のエレメントやステップを除くものではないこと、「1つの(a)」や「1つの(an)」という用語が、複数であることを除くものではないこと、及びコンピュータ・システムやプロセッサや他の集積装置などの1つの構成要素が、請求の範囲に記載された幾つかの手段の機能を満たし得ることを、本出願の読者は理解するであろう。請求の範囲における何れの参照符号も、関連する個々の請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。「第1」、「第2」、「第3」、「a」、「b」、「c」などの用語が、説明や請求の範囲で使用されている場合、それらは、似た構成要素やステップを区別するために導入されたものであり、必ずしも順番や時系列を説明するものではない。同様に、「上部」、「下部」、「上」、「下」などの用語は、説明を目的として導入されたものであり、必ずしも相対的位置を示すものではない。このように用いられる用語は、適切な状況においては置き換え可能であると理解され、また、本発明の実施形態は、上記で説明又は例示されたものとは別の順序又は異なる方向で、本発明に係る実施を行うことができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】