IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シルテ エスアールシーの特許一覧 ▶ バーリエ クロードの特許一覧

特表2025-502812物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装
<>
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図1
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図2A
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図2B
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図2C
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図3
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図4
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図5
  • 特表-物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施するための手段、並びにそれによって得られる包装
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/20 20170101AFI20250121BHJP
   B29C 64/147 20170101ALI20250121BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20250121BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20250121BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20250121BHJP
   B65D 85/68 20060101ALI20250121BHJP
   B65B 5/02 20060101ALI20250121BHJP
   B65B 25/00 20060101ALI20250121BHJP
   B65B 59/00 20060101ALI20250121BHJP
   B65B 43/08 20060101ALI20250121BHJP
   B31B 105/00 20170101ALN20250121BHJP
【FI】
B31B50/20
B29C64/147
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/386
B65D85/68 U
B65D85/68 Z
B65B5/02
B65B25/00 Z
B65B59/00
B65B43/08
B31B105:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539670
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2022087103
(87)【国際公開番号】W WO2023126258
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】2114580
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521568166
【氏名又は名称】シルテ エスアールシー
(71)【出願人】
【識別番号】521568177
【氏名又は名称】バーリエ クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バーリエ クロード
(72)【発明者】
【氏名】クニン ドゥニ
(72)【発明者】
【氏名】デレベーク ベノワ
【テーマコード(参考)】
3E003
3E030
3E037
3E056
3E075
4F213
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB10
3E003BD08
3E003CB02
3E003CB03
3E003DA04
3E030AA02
3E030DA10
3E030FA03
3E030FA10
3E030GA01
3E037AA20
3E037BA03
3E037BB03
3E037BB08
3E056AA06
3E056CA04
3E056GA07
3E056HA05
3E075AA14
3E075BA18
3E075BA28
3E075CA01
3E075DB12
3E075DB16
3E075DB17
3E075DB22
3E075DD01
3E075DD41
3E075FA04
3E075FA15
3E075GA02
3E075GA04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
(57)【要約】
本発明は、物品のためのオーダーメイド包装をデジタル的に設計及びデジタル的に製造する方法であって、以下の動作、物品が属する物品のファミリーを自動的に決定することと、物品の形態に従って、物品が属するサブファミリーを自動的に決定することと、物品の寸法を評価することと、内部容積空間が物品を収容することができる包装モデルを決定することと、好ましいウェッジング領域を識別し、位置を特定し、画定し、定量化することと、包装及びその好ましいウェッジング領域の3Dデジタル設計を作製することと、デジタルスライシングによって異なる相補的基本層を作製することによって、包装及びその好ましいウェッジング領域をデジタル的に分解することと、多層構造を得るために、シート形態の適切な材料を切断することによって異なる層を再生産し、その後、異なる多層構造を積み重ねかつ/又は並置して、位置決めし、組立て、固定して、包装を形成することと、を実行することからなる方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(8)のためのオーダーメイド包装(9)をデジタル的に設計及び製造する方法であって、以下の動作、
-包装される前記物品(8)を認識することと、
-前記物品(8)が属する物品のファミリーを自動的に決定することと、
-前記物品の形態に従って、前記物品(8)が属するサブファミリーを自動的に決定し、前記物品の寸法を評価し、内部容積空間が前記物品を収容することができる包装モデルを決定することと、
-好ましいウェッジング領域(2、3)を識別し、位置を特定し、画定し、かつ定量化することと、
-前記包装及びその好ましいウェッジング領域(2、3)の3Dデジタル設計を作製することと、
-前記包装及びその好ましいウェッジング領域(2、3)を、デジタルスライシングによって、異なる相補的基本層にデジタル的に分解することと、
-多層構造(61)を得るために、シート(6)状に包装された適切な材料において、切断動作によって前記異なる層を再生産することと、
-次いで、前記異なる層(61)を積み重ね、かつ/又は並置して、位置決めし、組立て、固定して、前記包装(9)を形成することと、
を実行することからなることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記物品(8)が属する前記サブファミリーの、その形態の関数としての前記決定は、共通点及び特異点を識別し、それらを、以前に実行された形態分類と比較することからなることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項3】
前記多層構造(61)は、1つ以上のシート(6)上のキット(60)内に最適に分配されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項4】
前記ウェッジング領域(95)が独立した要素からなることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項5】
前記包装の前記3Dデジタル設計動作の前に、包装される前記物品の1つ以上の保護領域を識別し、位置を特定し、画定する追加のステップが実行されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項6】
前記包装モデルを決定する段階は、類型学的研究から得られる選択物から前記包装モデルを選択する動作に関連付けられることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項7】
前記包装モデルを選択する動作の後に、前記包装のより低い強度のいかなる領域をも識別する動作が組み込まれ、その後に、前記より低い強度の領域が修正されることを可能にする前記包装の補強材をモデル化する動作が続き、次いで、前記補強材を、デジタルスライシングによって異なる相補的基本層にデジタル的に分解し、前記補強材の製造を前記包装の製造と統合する動作が続くことを特徴とする、請求項6に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項8】
前記切断動作の前に、前記多層構造(61)の各々が識別され、組立指示が作製されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項9】
前記適切な材料は、ボール紙又は他のリサイクル可能で生物由来の材料からなることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の設計方法及び製造方法。
【請求項10】
前記異なる層は、接着、及び/又は相互ロッキング、及び/又はキーロッキング動作によって互いに接合されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項11】
前記切断動作中に、前記包装(9)の運搬を容易にするために開口部(99)が作製されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項12】
前記切断動作中に、前記様々な要素を一緒に固定するための手段(52)が作製されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のデジタル的に設計及び製造する方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のデジタル設計及び製造方法を実施するための装置であって、包装される前記物品(9)を検出及び認識するための手段と、前記物品(9)の測定値を採るための手段と、前記包装(9)を設計し、デジタルスライシングによって前記包装を様々な相補的基本層にデジタル的に分解するための1つ以上のソフトウェアプログラムに関連付けられたコンピュータ手段と、キット(60)を作製する目的でシート(6)を切断するための手段(7)に送信するための手段と、を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記方法を実施するための前記手段が、前記包装(9)を組立てるための自動手段も備えることを特徴とする、請求項13に記載のデジタル設計及び製造方法を実施するためのデバイス。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法に従って、設計及び製造されることを特徴とする包装(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、物品のためのオーダーメイド包装を、自動的にかつデジタル的に設計及び製造することである。
【0002】
現在、特に、例えば中古品の再販のための通信販売プラットフォームの存在に起因して、物品の発送が急速に成長しているのが目撃されている。
【0003】
一般的に言えば、物品は包装した上で輸送することが好ましく、時にそれは、必須でさえある。物品の輸送に関する場合、2つの主なカテゴリ、すなわち、新しい物品と新しくはない物品とに区別されるべきである。
【0004】
新しい物品は、対象の物品のために特別に設計され、したがって輸送要件を満たすことができる元の包装内に包装される。
【0005】
他の物品について、時には新しい物品についても、元の包装が保持されていない場合、又は場合によっては元の包装又は個別の包装がない場合、運送業者による発送には、物品が包装されることが必要となる。
【0006】
実際には、内部に配置される物品を保持するのに十分な大きさである箱が求められ、次いで、空いた空間は、充填材及び/又はばら粒子などの緩衝製品で充填され、これらは、ポリスチレン、紙、ボール紙、又は膨張バッグなどの様々な材料であり得る。
【0007】
物品が大きく、充填される空隙が相当に大きい場合、これは大量の充填材及び/又はパッドを必要とする可能性があり、これは追加のコスト、とりわけ、いくらか、今日では禁止的である可能性がある、疑問視される生態学的バランスを表す。
【0008】
上記の提起された問題を説明するために、自転車を出荷する例を挙げることができ、例えば、その目的は、中古の自転車を買い手に配達するか、又は自分の自転車を例えば休暇の目的地に送るか、又は競技のために自転車を送るかであり得る。
【0009】
第1に、自転車が新しく購入されるとき、それは包装されておらず、したがって、元の包装がない。第2に、自転車を箱に包装することは、大きな箱を必要とするが、運送業者によって要求される規格内に留まるためには、大きすぎないことが求められ、しかも空隙を充填するためのかなりの量の充填材及び/又は緩衝材を必要とする。
【0010】
これまでにこの問題を解決しようと試みた者もいたが、成功しなかった。米国特許出願公開第2021/139171号には、包装の製造を最適化するためのシステムが記載されており、このシステムは、特に、木材、気泡緩衝材、膨張バッグ、発泡体、ボール紙、紙、プラスチック又は型成形パッドなどの必要な緩衝材料の量を評価して、この充填物及び/又は緩衝製品の使用を省くことはなく、しかしその量を低減することからなる。
【0011】
欧州特許第2239210号には、異なるフレームサイズ又は異なるタイプの自転車フレームを収容するように設計された自転車輸送ボックスが記載されており、すなわち、包装は、包装される自転車に関係なく同一であるが、中に詰められるフィッティングは、異なるタイプの自転車部品を収容するように変更することができる。したがって、包装の外形寸法は固定され、可能な限り大きく設計され、全体のサイズを最適化することを不可能にする。
【0012】
本発明は、自転車の包装及び発送に限定されない。別の使用例は、元の包装を有さない大型工具の発送であるが、例えば、輸送のために包装される必要がある、芝刈り機、刈払機、チェーンソー等であるが、これらに限定されない。
【0013】
本発明の目的は、包装される物品の確実な包装を可能にし、輸送される可能性があるほとんどの物品に対して自動的に達成でき、充填材及び/又は緩衝材の使用を省き、使用される材料を最小限に抑える、オーダーメイド包装を、デジタル的に設計及び製造する方法、その方法を実施する手段、及び得られる包装を提案することである。
【0014】
本発明による、物品のための包装をデジタル的に設計及びデジタル的に製造する方法は、以下の動作、
-包装される物品を認識することと、
-物品が属する物品のファミリーを自動的に決定することと、
-物品の形態に従って、物品が属するサブファミリーを自動的に決定し、物品の寸法を評価し、その内部容積空間が物品を収容できる包装モデルを決定することと、
-好ましいウェッジング領域を識別し、位置を特定し、画定し、定量化することと、
-包装及びその好ましいウェッジング領域の3Dデジタル設計を作製することと、
-包装及びその好ましいウェッジング領域をデジタルスライシングによって、異なる相補的基本層にデジタル的に分解することと、
-多層構造を得るために、シート形態の適切な材料を切断することによって、異なる層を再生産することと、
-次いで、それらの異なる多層構造を積み重ね、かつ/又は並置して、位置決めし、組立て、固定して、包装を形成することと、を実行することを特徴とする。
【0015】
本発明による方法は、サイズ制限のないシート包装材料から、包装及びウェッジングの両方で、オーダーメイドのデジタル包装を可能にし、したがって、複数のフォーマットのクレートのストックを蓄積する必要をなくす。
【0016】
この方法は、物品全体がデジタル化されることを必要とせず、ウェッジングを最適化するために、物品の一部、すなわち、好ましいウェッジング領域のみのデジタル化を必要とする。
【0017】
本発明によるデジタル設計方法の追加的特徴によれば、その形態に従って物品が属するサブファミリーを決定することは、共通点及び特異点を識別し、それらを以前に実行された形態分類と比較することである。
【0018】
本発明による方法の別の追加的な特徴によれば、多層構造は、1つ以上のシート上のキット内に最適に分配される。
【0019】
キットによる方法は、最小限の損失で、ちょうど正しい量の材料の使用を最適化する。
【0020】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、ウェッジング領域が独立した要素からなる。
【0021】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、包装の3Dデジタル設計動作の前に、包装される物品のための1つ以上の保護領域を識別し、位置を特定し、画定する追加的ステップが実行される。
【0022】
本発明による方法の別の追加的特徴によれば、包装モデルを決定する段階は、類型学的研究から得られる選択物から包装モデルを選択する動作に関連付けられる。
【0023】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、包装モデルを選択する動作の後に、包装のより低い強度の可能な領域を識別する動作が組み込まれ、その後に、それらのより低い強度の可能な領域を修正することを可能にする包装の補強材をモデル化する動作が続き、次いで、その補強材を、デジタルスライシングによって異なる相補的基本層にデジタル的に分解し、その補強材の製造を包装の製造と統合する動作が続く。
【0024】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、切断動作の前に、多層構造の各々の識別が実行され、組立指示マニュアルが作製される。
【0025】
そのような動作は、包装を構成する様々な部品が多数であり、いくつかのシートに由来し得ることを考慮すると、包装の組立てを容易にするものである。
【0026】
包装データはまた、例えば、設計場所から遠隔であり得る組立場所への伝送のために、電子的に記憶されることができる。また、包装のために同一の物品が検出された場合の再利用のためにデータを記憶することも可能である。なぜなら、この記憶されたデータは、物品の進化の一部として常に変更することができるからである。
【0027】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、適切な材料は、ボール紙、又は他の生物由来であるリサイクル可能なシート状材料からなる。
【0028】
本発明によるデジタルデザイン方法の別の追加的特徴によれば、異なる層は、接着、及び/又は相互ロッキング、及び/又はロッキングキーによるロッキングによって互いに接合される。
【0029】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、切断動作中に、包装の運搬を容易にするための開口部が作製される。
【0030】
そのような切り抜きは、包装壁に、手を通すことができるように形成することができる。
【0031】
本発明によるデジタル設計方法の別の追加的特徴によれば、切断動作中に、様々な要素を一緒に固定するための手段が作製される。
【0032】
例えば、ほぞ/ほぞ穴タイプのシステムが、シートに切り込まれ得るか、又はロッキングキーでロックされてもよく、それにより容易に分解することが可能になる。
【0033】
なお、特に、大きな包装の場合、1つ以上のストラップ又は接着テープのいずれを用いるかに関わらず、又は場合によっては収縮包装によって、ストラップ掛け動作によって包装の製造を完了するように計画されているということに留意されたい。
【0034】
本発明はまた、本発明によるデジタル設計方法を実施するための手段に関し、この手段は、包装される物品を検出及び認識するための手段と、物品の測定値を採るための手段と、包装を設計し、デジタルスライシングによって包装を異なる相補的基本層にデジタル的に分解するための1つ以上のソフトウェアプログラムに関連付けられたコンピュータ手段及びキットを作製する目的でシート切断手段に送信するための手段とからなる。
【0035】
追加的特徴によれば、本方法を実施するための手段は、自動組立手段も備える。
【0036】
使用されるすべての手段は、もちろん、PLCによって管理することができる。
【0037】
包装の組立て及び包装される物品の位置決めを、自動化又はロボット化できたとしても、明らかなコストの理由から、これらの動作は依然として手動で実行される。
【0038】
しかしながら、ウェッジング手段及び/又は補強手段を形成するように意図された層を組立てることなど、特定の動作を機械的に行うことができるということが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明によるデジタル設計方法及び装置の利点及び特徴は、本発明の1つの非限定的な実施形態を示す添付の図面に関する以下の説明から、より明らかになるであろう。
【0040】
以下の説明は、自転車用の包装の作製に限定されるものではなく、もちろん、他の物品用の包装の作製に適用することができる。
【0041】
添付図面は以下の通りである。
図1】本発明によるデジタル設計方法を使用して包装される自転車のモデルの概略斜視図である。
図2A】製造される包装をモデル化する連続ステップを示す概略斜視図である。
図2B】製造される包装をモデル化する連続ステップを示す概略斜視図である。
図2C】製造される包装をモデル化する連続ステップを示す概略斜視図である。
図3】包装製造ステップ、特にキットの形成を示す概略斜視図である。
図4】後続の包装構築ステップを示す概略斜視図である。
図5】包装されている自転車を示す概略斜視図である。
図6】完成した包装を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1を参照すると、本発明によるデジタル設計方法を使用して包装が製造される自転車の概略図を見ることができる。
【0043】
このモデル化の前に、予備動作、すなわち、包装される物品を認識する動作、その物品が属する物品のファミリーを決定する動作、そのファミリー内でその物品を分類することができるサブファミリーを識別する動作が実行される。この方法はすべてのタイプの物品に適しているので、事前に、可能性を絞り込む必要がある。したがって、ひとたび自転車が認識され、検索が自転車ファミリーに限定されると、形態的調査によって、サブファミリー、すなわち、レーシング用自転車、マウンテンバイク、又はシティバイクと、自動的に決定される。次いで、自転車の寸法を評価することができる。この動作は、いくつかの測定値が他の測定値よりも重要であり得るので、サブファミリー検索動作の後に実行される。
【0044】
形態学的研究によって求められるサブファミリーの自動決定は、多数の測定値を採ることを不要とするので重要である。実際、サブファミリーを識別することによって、これは、主にフレーム及び/又はデリケートな技術部品に関する少数の測定に限定することができる。
【0045】
図1は、自転車1のモデルを示し、後輪10、前輪11、サドル12、ハンドルバー13、クランクセット14、ディレイラ15(含まれる場合)及びフロントフォーク16を示す。本発明によれば、自転車の場合、自転車が少なくとも部分的に分解されることを想定しており、その場合、前輪11は、分解される。
【0046】
これらの要素はすべて、それらを含むように設計された立体によって表され、その結果、自由空間をウェッジングに使用することができる。
【0047】
なお、自転車フレームは、必然的に車輪よりも小さく、その薄さは、例えばクランクセットの横方向寸法と比較して無視できるので、モデル化されていないということに留意されたい。
【0048】
図2Aに概略的に示される次のステップは、既知のサブファミリーデータ及び実際の測定値に基づいて、自転車のウェッジング領域をモデル化することである。この例では、後輪10を受け入れるための溝20と、取り外された前輪11を受け入れるための溝21と、自転車フォーク16の自由端を受け入れるための凹部22とを含む、ある厚さのベース2を作製することを本質的に含む。
【0049】
ベース2はまた、包装の側壁(図示せず)を支持するために横方向に配置されるように設計されたスペーサ23からなり、包装を補強するように設計された構造要素を、その特徴として有するということに留意されたい。
【0050】
また、サドル12を締め付けるための要素3が形成され、この要素は、この場合、サドル12のステム(図示せず)を受け入れるための溝30を含み、この要素は、少なくとも1つのホイール(例えば、前輪11)を受け入れるための溝を任意に含むことができ、包装の側壁(図示せず)の支持となるのに適した横方向の寸法を有し、包装の側壁が潰れるのを防止する。
【0051】
図2Bに図示される次のステップは、側壁4と、周囲に分散された横方向支持要素40とをモデル化することを含む。スペーサ23及び要素3と共に、これらの横断要素40は、横方向における圧潰防止手段を提供する。
【0052】
図2Cに示す次のステップは、壁4に取り付けられた周壁5、より正確には周壁5を構成する側面50をモデル化することからなり、一方、図示しないその次のステップは、この場合は側壁4と同一であり得る第2の側壁を作製することからなる。
【0053】
これらの様々なモデルはまた、包装を運搬するためのハンドルを形成するように設計された壁4の開口41及び壁5の開口51の位置及び数を決定する。
【0054】
なお、組立てを迅速かつ容易にするために、壁4及びそれに面する壁の両方に、スロット型開口部を設けることができ、図2Cに示すように、側壁50の縁部で舌片52を上記のスロット型開口部に挿入して、相互ロッキング式の組立てを可能にすることができるということに留意されたい。
【0055】
包装全体をモデル化した後、製造されるべき様々な部品、すなわち、一方では、壁などの平坦な部品、他方ではベース3及び要素30などの、ある体積を有する部品、ウェッジング領域がデジタル化される。平坦な部分は、それらの輪郭を決定するためにデジタル化されるが、体積部分は、デジタルスライシングによって異なる相補的基本層に分解される。その結果、これらの体積部分は、これらの相補的基本層を積み重ねることによって再現することができる。
【0056】
包装がデジタル的に分解されると、個々の部品は、使用される材料を最適化して最大限に利用する目的で、1つ以上のキットに配置される。
【0057】
この材料は本質的にボール紙であり、図3に示すように、シート6状に包装されている。この図は、多軸式切断手段を備えた切断テーブル7上に配置されたそのようなボール紙シート又はシート6を示しており、多軸式切断手段は、ボール紙シート又はシート6を、キット60に従ってトレース及び切断して、組立のための平坦要素61を作製することを可能にする。
【0058】
当然ながら、本方法はボール紙シートの使用に限定されず、シート状に包装することができる他の材料を選択することが完全に可能であり、好ましくは、限定するものではないが、生物由来であり、かつ/又はリサイクル可能であり得る。
【0059】
なお、この切断動作の前又は同時に、組立中に要素61を識別する目的で、例えば印刷によってキット60の様々な部品に印を付けることが可能であるということに留意されたい。
【0060】
更に、切断テーブル7には、連続生産を可能にするために、ラックに格納されたシート6が供給される。
【0061】
ここで図4を参照すると、包装の嵩張った部分の層を形成する要素61を積み重ねることからなる動作を、概略的な形態で見ることができ、これらの要素は、限定されないが、接着などの動作によって組立てられ固定される。
【0062】
なお、製造される包装に応じて、1つ以上の折り目を含むように意図された特定の要素61に対して、1つ以上の折り目付け動作を行う必要がある場合があるということにも留意されたい。
【0063】
図5は、キット60からの様々な要素61の組立てから生じる包装9で包装される自転車8を包装する動作のステップを示す。
【0064】
自転車8の部品、すなわち、後輪80、前輪81、サドル82、ハンドルバー83、クランクセット84及びディレイラ85、並びにフレーム86、フロントフォーク87、及びシートポスト88を見ることができる。
【0065】
包装9は、モデル包装と同じ特徴を有し、図5は、後輪80を受け入れる溝91と、分解時に前輪81を受け入れる溝92と、フォーク87の自由端を受け入れる凹部93とを有し、フォーク87を90°回転させた位置に保持し、したがってハンドルバー83を長手方向に向けるように、溝91及び溝92に平行な溝のような形状であるベース90を示す。
【0066】
包装9はまた、スペーサを形成するように設計され、サドル82にまたがる凹部95を備えるウェッジング要素94を含み、凹部95はサドルポスト88に係合する溝を含むこともできる。
【0067】
ここで図6を参照すると、2つの外壁96及び外壁97と、周壁98と、運搬ハンドル99とを有する完成した包装9を見ることができる。ここでは図示されていないが、最終的なストラップ掛け動作は、発送前に組立てを統合する。
【0068】
上述したすべての動作は、もちろん専用ソフトウェアによって制御され、完全な連続デジタルチェーンの一部を形成する。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】