(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】制御方法、ライダ及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 17/894 20200101AFI20250121BHJP
G01S 17/931 20200101ALN20250121BHJP
【FI】
G01S17/894
G01S17/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539841
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2021142816
(87)【国際公開番号】W WO2023123150
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524397185
【氏名又は名称】深▲ジェン▼引望智能技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ティアンユ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】カイ、ジョンフア
(72)【発明者】
【氏名】ユ、アンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ウェイ
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AA13
5J084AB01
5J084AB07
5J084AC02
5J084AC04
5J084AC07
5J084BA03
5J084BA36
5J084BA40
5J084BA49
5J084BB28
5J084CA03
(57)【要約】
検知分野における検出の柔軟性を向上させるべく、制御方法、ライダ及び端末デバイスが提供される。前記方法は:制御装置が、ターゲットオブジェクトにより反射された第1エコー信号を受信するように受信光学系を制御する段階(501)、及び、第1画素構成を使用することによって第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する段階を含み、ここで、第1画素構成において、検出器の異なる領域は異なる画素構成を有する、又は、検出器は、異なる期間において異なる画素構成を有する(502)。このように、検出器は、異なる画素構成に基づいて、異なる領域において又は異なる期間において受信されたエコー信号を微分された電気信号に変換し得、それにより、生成された点群データにおける画素密度も、実際の画素構成方式に基づいて柔軟に調整され得る。これは、検出の柔軟性を効果的に向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御方法であって、
ターゲットオブジェクトにより反射された第1エコー信号を受信するように受信光学系を制御する段階;及び
第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する段階
を備え、ここで
前記第1画素構成において、前記検出器の異なる領域は異なる画素構成を有する、及び/又は、前記検出器は、異なる期間において異なる画素構成を有する、方法。
【請求項2】
前記第1エコー信号は、線形スポット又は互い違いのスポットとして提示され、前記互い違いのスポットは、前記検出器の水平方向及び/又は垂直方向において互い違いに配置されたスポットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器におけるライダの中心視野領域に対応する領域及び非中心視野領域に対応する領域であり、前記中心視野領域は、前記ライダの前方における予め設定された角度範囲内の領域である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記非中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少ない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された領域、及び、前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の領域であり;
第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する前記段階の前に、前記方法はさらに:
第2画素構成を使用することによって第2エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階
を備え、ここで
前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数より少なく、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数に等しい、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2における全ての画素に対応するセルの数は同じであり、前記画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び前記画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、前記検出器の前記水平方向及び/又は前記垂直方向において互い違いに配置されており、互い違いの距離は、1つの画素に対応するセル距離より短い、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2において作動状態にあるセルは同じであり、前記画素構成1における各画素に対応するセルの数は、前記画素構成2における各画素に対応するセルの数より多い、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器上の、前記第1エコー信号が集束される領域における異なるサブ領域であるか;又は
前記異なる期間は、以下の期間、すなわち:
前記ターゲットオブジェクトの同じ領域の検出を介して返された異なる第1エコー信号に対応する期間;
前記ターゲットオブジェクトの異なる領域の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間;又は
ターゲットオブジェクト全体の異なる回の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間
のいずれか1つである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法はさらに:
アップグレード命令を受信する段階、ここで、前記アップグレード命令は、第3画素構成を含む;及び
前記第3画素構成を使用することによって第3エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階
を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
制御装置、受信光学系及び検出器を備えるライダであって、ここで
前記制御装置は、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御方法を実行するように構成されており;
前記受信光学系は、エコー信号を受信するように構成されており;
前記検出器は、前記エコー信号を電気信号に変換するように構成されている、ライダ。
【請求項11】
送信機及び送信光学系をさらに備え、
前記送信機は、前記制御装置の制御下で検出信号を発するように構成されており;
前記送信光学系は、前記検出信号を送信するように構成されている、請求項10に記載のライダ。
【請求項12】
前記検出器は、単一光子アバランシェダイオードSPAD検出器アレイを有する、請求項10又は11に記載のライダ。
【請求項13】
前記ライダはさらに、スキャン機構を備え、前記スキャン機構は、多面回転ミラー、振動鏡、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system,MEMS)、スキャンミラー、又はプリズムのうちの1又は複数を有する、請求項10から12のいずれか一項に記載のライダ。
【請求項14】
処理モジュールをさらに備え、ここで、前記処理モジュールは、点群データを取得するべく、前記電気信号を処理するように構成されている、請求項10から13のいずれか一項に記載のライダ。
【請求項15】
前記処理モジュールはさらに、前記点群データに基づいてターゲットフィーチャを決定するように構成されている、請求項14に記載のライダ。
【請求項16】
前記制御装置及び前記処理モジュールは、システムオンチップSОCに統合されている、請求項14又は15に記載のライダ。
【請求項17】
請求項10から16のいずれか一項に記載のライダを備える、端末デバイス。
【請求項18】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されるとき、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されるとき、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法が実装される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、検知技術分野、特に、レーザ検出分野に関連し、制御方法、ライダ及び端末デバイスを提供する。
【背景技術】
【0002】
ライダ(light detection and ranging,LiDAR)は、光学測定デバイスである。ライダの作動原理は、レーザ信号をオブジェクトに送信し、オブジェクトによって反射されたエコー信号を受信し、エコー信号をレーザ信号と比較することで、オブジェクトの距離及び速度などの関連パラメータを取得することである。ライダは、周囲のオブジェクトを正確にスキャンすることで、高精細度の画像を形成し得る。これは、周囲のオブジェクトを迅速に特定し、決定することに役立つ。現在、ライダは、インテリジェントビークル、スマート輸送、3次元都市マッピング及び大気環境監視などのシナリオにおいて幅広く使用されている。
【0003】
しかしながら、現在、ライダの検出方式は、通常、ライダのハードウェア構成に基づいて設定されている。ライダのハードウェア構成がより良いとき、ライダにより検出される画像の画素密度がより高い。ライダのハードウェア構成がより良くないとき、ライダにより検出される画像の画素密度がより低い。現在の検出方式は、ユーザの要求をうまく満たすことができず、検出の柔軟性を向上させるには資さない。
【0004】
この点を考慮して、本願は、検出の柔軟性を向上させるべく、制御方法を提供する。
【発明の概要】
【0005】
本願は、検出の柔軟性を向上させるべく、制御方法、ライダ及び端末デバイスを提供する。
【0006】
第1態様によると、本願は、制御方法を提供する。本方法は、制御装置に適用可能である。本方法は以下を含む:制御装置が、ターゲットオブジェクトにより反射された第1エコー信号を受信するように受信光学系を制御し、第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する。具体的には、第1エコー信号は、第1検出信号に対応する反射信号を含む。前記第1画素構成において、前記検出器の異なる領域は異なる画素構成を有する、及び/又は、前記検出器は、異なる期間において異なる画素構成を有する。制御方法によると、検出器は、ソフトウェアを使用することによって異なる領域及び/又は異なる期間において異なる画素構成を使用するように構成されており、それにより、エコー信号を受信した後、検出器は、異なる画素構成に基づいて、異なる領域及び/又は異なる期間において受信されたエコー信号を、微分された電気信号に変換し得、微分された電気信号に基づいて生成された点群データ内の画素密度(すなわち、点群データに対応する単位面積当たりの画像内の画素の数)も、実際の画素構成方式に基づいて柔軟に調整され得る。これは、検出の柔軟性を向上させる。さらに、この方式で、検出器は、ソフトウェアを使用することによって画素構成を実装するように構成され得る。したがって、検出プロセスにおけるライダのハードウェア構成への依存が低減し得、検出の柔軟性がさらに向上し得る。
【0007】
ここで、第1エコー信号は、全ての検出信号に対応する反射信号を含んでもよく、いくつかの検出信号に対応する反射信号のみを含んでもよく、又は、いくつかの周囲ノイズ信号をさらに含んでもよいことに留意されたい。これは、具体的に限定されない。
【0008】
可能な設計において、第1エコー信号は、ラインスキャン‐ライン受信のスキャンモードを実装するべく、線形スポットとして提示され得る。
【0009】
可能な設計において、前記第1エコー信号は、互い違いのスポットとして提示され得、前記互い違いのスポットは、前記検出器の水平方向及び/又は垂直方向において互い違いに配置されたスポットである。検出器は、複数の行及び列のセルを含むデバイスである。検出器の水平方向は、1行のセルによって定義される方向であり、検出器の垂直方向は、1列のセルによって定義される方向である。ライダが水平方向においてオブジェクトをスキャンするとき、互い違いのスポットは、検出器の水平方向において互い違いに配置されたスポットの少なくとも2つの部分におけるスポットである。ライダが垂直方向においてオブジェクトをスキャンするとき、互い違いのスポットは、検出器の垂直方向において互い違いに配置されたスポットの少なくとも2つの部分におけるスポットである。ライダが斜め方向においてオブジェクトをスキャンするとき、互い違いのスポットは、検出器の斜め方向に対応する方向において互い違いに配置された、すなわち、検出器の水平方向及び垂直方向の両方において互い違いに配置されたスポットの少なくとも2つの部分におけるスポットである。隣接する画素を生成するために使用され且つ検出器上のセルが位置付けられた領域は、互い違いのスポットを使用することによって互い違いに配置され得、これにより、隣接する画素のセルが位置付けられた領域間のクロストークが低減し、隣接する画素のセルが位置付けられた領域間の隔離度が向上され、さらに、点群品質が向上される。
【0010】
可能な設計において、前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器上の、前記第1エコー信号が集束される領域における異なるサブ領域であり得、異なる領域に対応する画素構成における全ての画素に対応するセルの数は異なり得る。検出器上の画素を生成するために使用されるセルの総数は、固定されている。異なる領域に対応する画素構成における全ての画素に対応するセルの数が異なるとき、固定数のセルに対応する異なる領域において生成され得る画素の数も異なり、それにより、提示された点群データ上の2つの領域の画素密度が異なり、より高い画素密度の領域はより高い角度分解能に対応する。この画素構成方式において、画素暗号化は、最終的に提示される点群データにおける特定の領域において実行されて、特定の領域の角度分解能を柔軟に向上させ得ることが分かる。
【0011】
可能な設計において、前記検出器における前記異なる領域は、ライダの中心視野領域に対応する領域及び非中心視野領域に対応する領域であり得る。前記中心視野領域は、前記ライダの前方における予め設定された角度範囲内の領域である。この設計において、中心視野領域及び非中心視野領域は異なる画素構成に対応しており、それにより、点群データ上の中心視野領域の画素密度及び非中心視野領域の画素密度は異なり得、ライダによって検出された中心視野領域及び非中心視野領域の角度分解能は柔軟に調整される。
【0012】
可能な設計において、前記中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記非中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少なくてよい。1つの画素に対応するセルの数は、1つの画素を生成するために使用される画素の数である。検出器上の画素を生成するために使用されるセルの総数は、固定されている。1つの画素に対応するセルの数がより大きいときには、より少ない画素を生成するためには固定数の画素が使用され、それにより、点群データ上の画素密度はより低くなり得、1つの画素に対応するセルの数がより小さいときには、より多くの画素を生成するために固定数の画素が使用され、それにより、点群データ上の画素密度はより高くなり得る。このように、中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、非中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少なく、それにより、最終的に提示される点群データにおける中心視野領域は非中心視野領域より高い画素密度を有し、中心視野領域は非中心視野領域より高い角度分解能を有する。これは、中心視野領域の必要な検出正確度を維持しながら、ライダの不要な電力消費を低減する。
【0013】
可能な設計において、前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された領域、及び、前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の領域であり得る。第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するべく制御装置が検出器を制御する前に、本方法はさらに、以下を含む:第2画素構成を使用することによって第2エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階、ここで、第2エコー信号は、第2検出信号に対応する反射信号を含む。前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数より少なく、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数に等しい。このように、最終的に提示される点群データにおけるターゲットオブジェクトに対応する領域は、ターゲットでないオブジェクトに対応する領域より高い角度分解能を有し得る。これは、ターゲットオブジェクトが正確に検出され得ることを保証しながら、ライダの不要な電力消費を低減するのに役立つ。
【0014】
可能な設計において、前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2における全ての画素に対応するセルの数は同じであり、前記画素構成1おいて作動状態にあるセルを含む領域及び前記画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、前記検出器の前記水平方向及び/又は前記垂直方向において互い違いに配置されており、互い違いの距離は、1つの画素に対応するセル距離より短い。第1エコー信号が検出器上の水平線形スポットとして提示されたとき、画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の水平方向において互い違いに配置され得る。第1エコー信号が検出器上の垂直線形スポットとして提示されたとき、画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の垂直方向において互い違いに配置され得る。第1エコー信号が検出器上の斜めの線形スポットとして提示されたとき、画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の斜め方向において互い違いに配置され得る、すなわち、水平方向及び斜め方向の両方において互い違いに配置され得る。このように、画素構成1及び画素構成2において生成された画素間の位置ずれ関係も存在する場合がある。上記位置ずれは、1つの画素構成において生成された画素が、別の画素構成において生成された任意の2つの隣接画素間に挿入されることを可能にし得、これにより、点群データに含まれた画素の数を増加させる。ライダが、ハードウェア構成に基づいて角度分解能を向上させることができない場合であっても、ライダの総合角度分解能は、ソフトウェアを使用することによって、互い違いに配置されたセルを構成することによって、さらに向上され得ることが分かる。
【0015】
可能な設計において、前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2において作動状態にあるセルは同じであり、前記画素構成1における各画素に対応するセルの数は、前記画素構成2における各画素に対応するセルの数より多い。このように、画素構成2に基づいて生成された点群データにおける画素密度は、画素構成2に基づいて生成された点群データにおける画素密度より高く、これにより、所要時間において検出された角度分解能を柔軟に向上させ得る。
【0016】
可能な設計において、前記異なる期間は、以下の期間、すなわち:前記ターゲットオブジェクトの同じ領域の検出を介して返された異なる第1エコー信号に対応する期間、前記ターゲットオブジェクトの異なる領域の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間、又は、ターゲットオブジェクト全体の異なる回の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間、のいずれか1つに対応し得る。このように、画素構成は、実際の要件に基づいて適切な期間内に柔軟に調整され得、これにより、制御方法が適用可能なシナリオを増やす。
【0017】
可能な設計において、制御装置はさらに、アップグレード命令を受信し得、ここで、前記アップグレード命令は、第3画素構成を含む。制御装置は、前記第3画素構成を使用することによって第3エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御し、ここで、第3エコー信号は、第3検出信号に対応する反射信号を含む。このように、検出器の画素構成は、ソフトウェアをアップグレードすることによって更新される。これは、ライダのハードウェアを向上させることなく実装しやすく、異なるシナリオの場合のユーザの画素構成要件を可能な限り一致させることができ、これにより、ライダ検出の柔軟性を向上させることに役立つ。
【0018】
可能な設計において、アップグレード命令は、マスタコンピュータを使用することによって送信され得、又は、画素構成は、無線(over-the-air,OTA)方式で更新され得、これにより、ライダのアップグレード画素構成の統一された管理及び制御を実装する。
【0019】
第2態様によると、本願は、少なくとも1つのプロセッサ及びインタフェース回路を含む制御装置を提供する。インタフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサにデータ又はコード命令を提供するように構成されており、少なくとも1つのプロセッサは、論理回路を使用することによって又はコード命令を実行することによって第1態様の任意の設計に係る方法を実装するように構成されている。
【0020】
第3態様によると、本願は、プロセッサ及びインタフェースを含むチップを提供する。上記プロセッサは、第1態様の任意の設計に係る方法を実行するべく、インタフェースを介して命令を読み取るように構成されている。
【0021】
第4態様によると、本願は、制御装置、受信光学系及び検出器を含むライダを提供する。前記制御装置は、第1態様の任意の設計に係る制御方法を実行するように構成されており、前記受信光学系は、エコー信号を受信するように構成されており、前記検出器は、前記エコー信号を電気信号に変換するように構成されている。
【0022】
可能な設計において、ライダはさらに、送信機及び送信光学系を含み得る。前記送信機は、制御装置の制御下で検出信号を発するように構成されており、前記送信光学系は、前記検出信号を送信するように構成されている。
【0023】
可能な設計において、前記検出器は、単一光子アバランシェダイオード(single photon avalanche diode,SPAD)検出器アレイを有し得る。
【0024】
可能な設計において、前記ライダはさらに、スキャン機構を含み得、ここで、前記スキャン機構は、多面回転ミラー、振動鏡、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system,MEMS)、スキャンミラー、又はプリズムのうちの1又は複数を有する。
【0025】
可能な設計において、前記ライダはさらに、処理モジュールを含み得、ここで、前記処理モジュールは、点群データを取得するべく、前記電気信号を処理するように構成されている。
【0026】
可能な設計において、前記処理モジュールはさらに、前記点群データに基づいてターゲットフィーチャを決定し得る。
【0027】
可能な設計において、前記制御装置及び前記処理モジュールは、システムオンチップ(system on chip,SoC)に統合されている。
【0028】
第5態様によると、本願は、第4態様の任意の設計に係るライダを含む端末デバイスを提供する。例えば、いくつかの端末デバイスの例は、限定されるものではないが、スマートホームデバイス(例えば、テレビ、ロボット真空掃除機、スマートデスクランプ、スピーカシステム、インテリジェント照明システム、電気アプライアンス制御システム、ホームバックグラウンドミュージックシステム、ホームシアターシステム、インターコムシステム、又はビデオ監視システム)、インテリジェント輸送デバイス(例えば、車両、船舶、無人航空機、列車、貨物車、又はトラック)、インテリジェント製造デバイス(例えば、ロボット、産業用デバイス、インテリジェントロジスティクス、又はスマートファクトリ)、及びインテリジェント端末(携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ヘッドセット、スピーカ、ウェアラブルデバイス、車載デバイス、仮想現実デバイス、又は拡張現実感デバイスなど)を含む。
【0029】
第6態様によると、本願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されるとき、第1態様の任意の設計に係る方法を実行する。
【0030】
第7態様によると、本願はコンピュータプログラム製品を提供する。前記コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されるとき、第1態様の任意の設計に係る方法が実装される。
【0031】
第2態様から第7態様の有益な効果については、第1態様における対応する設計において実現され得る技術的効果を参照されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本願の実施形態に係るライダの適用シナリオの概略図の例である。
【0033】
【
図2】本願の実施形態に係るライダの内部アーキテクチャの概略図の例である。
【0034】
【
図3】本願の実施形態に係る検出器の画素構成の概略図の例である。
【0035】
【
図4】本願の実施形態に係るライダの視野のパーティション化の概略図の例である。
【0036】
【
図5】本願の実施形態に係る制御方法の概略フローチャートの例である。
【0037】
【
図6】本願の実施形態に係る検出器の画素構成方式の概略図の例である。
【0038】
【
図7】本願の実施形態に係る検出器の別の画素構成方式の概略図の例である。
【0039】
【
図8】本願の実施形態に係る検出器のさらに別の画素構成方式の概略図の例である。
【0040】
【
図9】本願の実施形態に係る画素構成の調整期間の概略図の例である。
【0041】
【
図10】本願の実施形態に係る検出器のなおも別の画素構成方式の概略図の例である。
【0042】
【
図11】本願の実施形態に係る検出器のまたさらに別の画素構成方式の概略図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本願に開示された制御方法は、検出能力を有する端末デバイスに適用され得、特に、レーザ検出能力を有する端末デバイスに適用可能である。端末デバイスは、レーザ検出能力を有するインテリジェントデバイスであり得、限定されるものではないが、スマートホームデバイス、例えば、テレビ、ロボット真空掃除機、スマートデスクランプ、スピーカシステム、インテリジェント照明システム、電気アプライアンス制御システム、ホームバックグラウンドミュージックシステム、ホームシアターシステム、インターコムシステム、又はビデオ監視システム;インテリジェント輸送デバイス、例えば、車両、船舶、無人航空機、列車、貨物車、又はトラック;インテリジェント製造デバイス、例えば、ロボット、産業用デバイス、インテリジェントロジスティクス、又はスマートファクトリを含む。代替的に、上記端末デバイスは、レーザ検出能力を有するコンピュータデバイス、例えば、デスクトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、又はサーバなどであり得る。上記端末デバイスは、代替的に、レーザ検出能力を有するポータブル電子デバイス、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、ヘッドセット、スピーカ、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)、車載デバイス、仮想現実デバイス、又は拡張現実感デバイスなどであり得ることをさらに理解されたい。ポータブル電子デバイスの一例は、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)、Harmony(登録商標)、又は別のオペレーティングシステムを使用するポータブル電子デバイスを含むが、これらに限定されるものではない。ポータブル電子デバイスは、代替的には、例えば、タッチ感応表面(例えば、タッチパネル)を有するラップトップコンピュータ(Laptop)であってよい。
【0044】
具体的な適用シナリオにおいて、制御方法は、ライダに適用され得る。
図1は、本願の実施形態に係るライダの適用シナリオの概略図の例である。この例において、ライダ100は車両にインストールされ、したがって、車載ライダとも称される。車載ライダに加えて、ライダはさらに、船舶にインストールされた船舶搭載ライダ、及び機械にインストールされた航空機搭載ライダを含む。可能な例において、
図1に示されるように、ライダ100は、車両のヘッド位置に具体的にインストールされ得る。車両の運転中に、ライダ100は、レーザ信号を送信し得る。レーザ信号は、オブジェクトに照射された後、車両の前方におけるオブジェクトによって反射され、反射されたエコー信号は、ライダ100によって受信され得る。次に、ライダ100は、エコー信号に基づいて、車両の前方における障害物についての情報、例えば、障害物のサイズ及び距離を検出し、これにより、障害物についての情報を使用することによって、例えば、限定されるものではないが、自動運転又は運転支援を含む車両の運転機能を実装する。
【0045】
ライダ100は、機械的ライダ、液体ライダ、純粋な固体ライダ、又はハイブリッド固体ライダ(半固体ライダとも称される)のうち1つであってもよく、又は、別のタイプのライダであってもよいことに留意されたい。これは、本願の実施形態において具体的に限定されない。
【0046】
さらに、例えば、
図2は、本願の実施形態に係るライダの内部アーキテクチャの概略図である。
図2に示されるように、この例において、ライダ100は、制御装置110、送信モジュール120、スキャン機構130、受信モジュール140及び処理モジュール150を含み得る。送信モジュール120は、レーザ121及び送信光学系122を含み、受信モジュール140は、受信光学系141及び検出器142を含む。ライダ100において、制御装置110は、信号制御能力を有し得、ライダ100において、コントローラエリアネットワーク(controller area network,CAN)バスを介して又は別の方式で、例えば、限定されるものではないが、送信モジュール120、スキャン機構130、受信モジュール140及び処理モジュール150を含む別のコンポーネントに接続され得る。レーザ121は、レーザを送信することが可能なデバイスであり、レーザ121のタイプは、半導体レーザ、ガスレーザ、光ファイバレーザ、固体レーザ、色素レーザ、ダイオードレーザ、又はエキシマレーザのいずれか1つであり得る。送信光学系122及び受信光学系141は、光学要素を含むシステムである。光学要素は、限定されるものではないが、レンズ、光フィルタ、偏光子、リフレクタ、ビームスプリッタ、プリズム、ウィンドウシート及び散乱シートを含む。上記スキャン機構130は、多面回転ミラー、振動鏡、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system,MEMS)スキャンミラー、又はプリズムのうちの1又は複数を有し得る。検出器142は、限定されるものではないが、アバランシェフォトダイオード(avalanche photo diode,APD)、単一光子アバランシェダイオード(single photon avalanche diode,SPAD)、フォトダイオード(positive intrinsic-negative,PIN)、及びシリコン光電子増倍管(silicon photo multiplier,SiPM)を含み得る。処理モジュール150は、信号処理能力を有し得、CANバスを介して又は別の方式で検出器142に接続され得る。
【0047】
制御装置110及び処理モジュール150は、実装のために1つのコンポーネントに統合されてもよく、又は、複数のコンポーネントにおいて別個に実装されてもよいことに留意されたい。例えば、制御装置110及び処理モジュール150は、実装のために1つのコンポーネントに統合され得る。上記コンポーネントは、具体的には、集積回路チップであり得、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array,FPGA)、特定用途向け集積チップ(application-specific integrated circuit,ASIC)、システムオンチップ(system on chip,SoC)、ネットワークプロセッサ(network processor,NP)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、マイクロコントローラユニット(micro controller unit,MCU)、プログラマブルコントローラ(programmable logic device,PLD)、別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は別の集積チップであり得る。上記デバイスは、中央処理装置(central processor unit,CPU)、ニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit,NPU)、及びグラフィックス処理ユニット(graphics processing unit,GPU)を含み得、さらに、アプリケーションプロセッサ(application processor,AP)、モデムプロセッサ、画像信号プロセッサ(image signal processor,ISP)、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、ベースバンドプロセッサ及び/又は同様のものを含み得る。これは、具体的に限定されない。
【0048】
実装において、制御装置110は、検出信号(例えば、パルスレーザ)を送信するようにレーザ121を制御し、レーザ121から検出信号を送信するように送信光学系122を制御し得、さらに、検出信号を使用することによって検出領域をスキャン及びトラバースするようにスキャン機構130を制御し得る。スキャン機構130は必須コンポーネントではないこと、及び、スキャン機構130によって実装され得るトラバーサル機能は、送信モジュール120及び受信モジュール130の内部のアレイ設計、及びアレイ制御装置を使用することによっても本質的に実装され得ることに留意されたい。さらに、検出信号は、検出領域内のオブジェクトがスキャンされた後、オブジェクトによって反射される。反射されたエコー信号は、受信光学系141によって受信され、制御装置110の制御下で検出器142に送信される。次に、検出器142は、光学エコー信号を電気信号に変換し、当該電気信号を処理モジュール150に送信し、処理モジュール150は、制御装置110の制御下で当該電気信号を分析することで、点群データを生成する。上記点群データは、オブジェクトの距離、向き、高さ、速度、姿勢、さらには形状のようなターゲット情報を取得するために使用され得、その後、さらに、車両の他のセンサ情報と組み合わせて車両の自動運転又は運転支援を計画するために使用され得る。
【0049】
任意選択的な実装において、送信光学系122及び受信光学系141は、ラインスキャン‐ライン受信のスキャンモードにおいてオブジェクトをスキャンし得る。例えば、依然として
図2を参照されたい。送信光学系122によって送信された後、レーザ121によって送信された検出信号は、YOX面上に線形スポットとして表示される。スキャン機構130によって調整された後、線形スポットは、オブジェクト上の、垂直視野FOV
1に対応する線形領域(すなわち、
図2に示された、オブジェクト上の、斜線で塗りつぶされた領域)を毎回スキャンする。加えて、制御装置110は、パルスレーザの形態で複数の検出信号を繰り返し送信するようにレーザ121を制御して、オブジェクト上で同じ線形領域を検出し得、検出信号の数は、例えば、10及び500の間の値で設定され得る。複数の検出信号を使用することによって線形領域をスキャンした後、スキャン機構130は、水平視野FOV
2全体に対応する領域がスキャンされるまで、送信光学系122によって後から送信された複数の検出信号を、図に示されたX軸の正方向における次の線形領域に移動するように制御し、検出領域がトラバースされたことを決定する。これに応じて、オブジェクトによって反射された後、送信光学系122によって発された線形スポットは、依然として線形スポットである。線形スポットは、スキャン機構130を使用することによって受信光学系141に戻るように送信され、受信光学系141において送信され、検出器142の感光面上に集束される。検出器142は、感光面上で受信された信号を電気信号に変換し、当該電気信号を処理モジュール150に送信する。次に、処理モジュール150は、各線形領域に対応する点群データを生成して、次に、各線形領域の点群データに基づいて画像のフレームを生成する。
【0050】
図2に示されたスキャン機構130によって調整されたスポットは、Y軸に対して平行な線形スポットであることを理解されたい。これは、可能な設計に過ぎない。スポットの提示形式は、本願の実施形態において具体的に限定されない。例えば、いくつかの他の設計において、スキャン機構130によって調整された線形スポットは代替的に、X軸に対して平行であり得る。加えて、線形スポットは、オブジェクト上の、水平視野FOV
2に対応する線形領域を毎回スキャンするために使用され、垂直視野FOV
1全体に対応する領域がスキャンされるまで、図に示されたY軸の正方向又は負方向において移動する。代替的に、いくつかの他の設計において、スキャン機構130によって調整された線形スポットは、X軸及びY軸の両方に対して夾角を有する斜めの線形スポットであり得、垂直視野FOV
1全体及び水平視野FOV
2全体に対応する領域がスキャンされるまで、X軸の正方向又は負方向、Y軸の正方向又は負方向、又は図に示されたXOY面上の別の方向で移動し得る。代替的に、いくつかの他の設計において、いくつかの光学レンズは、送信光学系122の特殊な位置に配置され得、それにより、レーザ121によって発されたパルスレーザは、より多くの検出シナリオに適合されるべく、これらの光学レンズの作用下で、互い違いのスポット(提示形式については、以下の実施形態を参照されたい。詳細についてはここでは説明されない)又は別の特殊形状のスポットに変換される。
【0051】
以下では、具体的な添付図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決手段を詳細に説明する。具体的な実施形態が説明される前に、以下で使用されるいくつかの用語がまず例として説明される。
【0052】
(1)検出器のセル及び画素構成
【0053】
本願のこの実施形態において、検出器は、複数の行及び列のセルを含むアレイ構造であり得る。セルは、検出器においてエコー信号を受信し得る最小ユニットである。1行のセルによって定義される方向は、検出器の水平方向と称され、1列のセルによって定義される方向は、検出器の垂直方向と称される。検出器の使用プロセスにおいて、各セルの状態は、作動状態又は非作動状態であり得る。セルが作動状態にあるとき、セルは、受信されたエコー信号を電気信号に変換し得る。セルが非作動状態にあるとき、セルは、エコー信号がセル上に存在しているかどうかに関わらず、エコー信号を電気信号に変換しない。一般的に、1つのセルによって受信され得るエコー信号は限定されており、シングルセルによって受信されたエコー信号に基づいて画素を生成する方式は、低い信号対ノイズ比を引き起こす。したがって、実際の動作において、検出器は通常、複数の行及び列のセルを組み合わせることによって、画素を生成する。言い換えれば、検出器は、複数の行及び列のセルによって受信された複数のエコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信して、当該処理モジュールは点群データ内に1つの画素を生成する。
【0054】
さらに、検出器の画素構成は、作動状態にある検出器内のセルを含み得、作動状態にあるセルについては、検出器は、いくつかの行及びいくつかの列のセルを組み合わせる方式で画素を生成する。例えば、
図3は、本願の実施形態に係る検出器の画素構成の概略図の例である。この例において、検出器は、549行及び7列のセルを含むアレイ構造であり、アレイ構造内の各グリッドは1つのセルに対応しており、制御装置は、図に示された長尺帯状領域に位置付けられた3×547セルを作動状態にあるように制御し、図に示された長方形ボックスの外部に位置付けられた他の画素は非作動状態にあるように制御する。
【0055】
図3における(A)は、検出器によって使用される3×3画素構成に対応する画素生成の概略図である。
図3における(A)に示されるように、3×3画素構成では、検出器内の3×3セル毎に1つの画素に対応する。具体的には、検出器は、3行及び3列の9つのセル毎に受信されたエコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信し、次に、当該処理モジュールは点群データ内の1つの画素を生成する。この場合、処理モジュールは、検出器内における、図に示された線形領域ごとに192個の画素を生成する。
【0056】
図3における(B)は、検出器によって使用される3×6画素構成に対応する画素生成の概略図である。
図3における(B)に示されるように、3×6画素構成では、検出器内の3×6セル毎に1つの画素に対応する。具体的には、検出器は、3×6セル毎に受信されたエコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信し、次に、当該処理モジュールは点群データ内の1つの画素を生成する。この場合、処理モジュールは、検出器内における、図に示された線形領域ごとに96個の画素を生成する。
【0057】
(2)異なる画素構成
【0058】
本願のこの実施形態において、検出器の画素構成は、作動状態にある検出器内のセルを含み、作動状態にあるセルについては、検出器は、いくつかの行及びいくつかの列のセルを組み合わせる方式で画素を生成するので、検出器が異なる画素構成を使用するということは、検出器内の作動状態にあるセルが異なることを意味し得、及び/又は、作動状態にあるセルについては、検出器は、セルを組み合わせる異なる方式で画素を生成する。この部分の内容の具体的な実装については、以下の実施形態を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0059】
(3)1つの画素に対応するセルの数
【0060】
本願のこの実施形態において、1つの画素に対応するセルの数は、検出器の画素構成に基づいて1つの画素を生成するために使用される複数の行及び列のセルの総数である。例えば、3×3画素構成が使用されているときは、1つの画素は、3行及び3列の9つのセルによって受信されたエコー信号を使用することによって生成され、したがって、1つの画素に対応するセルの数は9であるとみなされる。3×6画素構成が使用されているときは、1つの画素は、6行及び3列の18画素によって受信されたエコー信号を使用することによって生成され、したがって、1つの画素に対応するセルの数は18であるとみなされる。
【0061】
いくつかの他の例において、1つの画素に対応するセルの数は、代替的に、検出器の画素構成に基づいて1つの画素を生成するために使用される複数の行及び列のセル内の複数の行のセルの数であり得る。例えば、3×3画素構成が使用されるときは、代替的に、1つの画素に対応するセルの数が3であるとみなされ得、3×6画素構成が使用されるときは、1つの画素に対応するセルの数が6であるとみなされ得る。
【0062】
(4)1つの画素に対応するセル距離
【0063】
本願のこの実施形態において、1つの画素に対応するセル距離は、検出器の画素構成に基づいて1つの画素を生成するために使用される複数の行及び列のセル内の複数の行のセルの高さ(複数の行のセルの合計辺長とも称される)である。例えば、1つのセルの高さが1μmであると想定されており、3×3画素構成が使用されているときは、1つの画素に対応するセル距離は3行のセルの高さである、すなわち、3μmである;3×6画素構成が使用されているときは、1つの画素に対応するセル距離は、6行のセルの高さ、すなわち、6μmである。
【0064】
(5)1つの画素に対応するセル領域
【0065】
本願のこの実施形態において、1つの画素に対応するセル領域は、検出器の画素構成に基づいて1つの画素を生成するために使用される複数の行及び列のセルを含む領域である。例えば、3×3画素構成が使用されているときは、1つの画素に対応するセル領域は3行及び3列の9つのセルを含む領域、例えば、
図3における(A)に示された各正方形領域であり;3×6画素構成が使用されているとき、1つの画素に対応するセル領域は、6行及び3列の18個のセルを含む領域であり、例えば、
図3における(B)に示された各長方形領域である。
【0066】
(6)検出器の異なる領域
【0067】
本願のこの実施形態において、検出プロセス全体では、スキャン機構は毎回、検出器のいくつかの同じセル上にエコー信号を集束させる。例えば、
図2に示された垂直線形スポットがオブジェクトをスキャンするために使用されるとき、エコー信号は毎回、
図3における(A)又は
図3における(B)に示された長尺帯状領域内のセルに集束される。上記長尺帯状領域は、ライダの内部コンポーネント設定に基づいて予め構成され得る。理解を容易にするために、本願の以下の実施形態では、検出器上の、エコー信号が集束されるセルを含む領域は、検出器の焦点領域と称される。これに基づいて、検出器の異なる領域は、検出器の焦点領域内の異なるサブ領域であり得る。例えば、
図3における(A)又は
図3における(B)に示された長尺帯状領域の上半分及び下半分は、検出器の異なる領域に属する。
【0068】
(7)異なる期間
【0069】
本願のこの実施形態において、ターゲットオブジェクト上の検出領域(
図2に示された線形領域)ごとに、制御装置は、パルスレーザの形態で複数の検出信号を発するように、送信モジュール内のレーザを制御し得る。例えば、検出信号の数が6であり、スキャン装置は
図2に示された方向において1°/msの速度でターゲットオブジェクトを水平にスキャンし、ライダの水平視野は20°であると想定する。この場合、第1検出において、制御装置は、1ms内に6つのレーザ検出信号を繰り返し発するようにレーザを制御し、これにより、図に示されたライダの視野全体における左端1°の範囲内の線形領域を検出し得る。第2検出において、制御装置は、1ms内に他の6つのレーザ検出信号を繰り返し発するようにレーザをさらに制御し、これにより、図に示されたライダの視野全体における左側1°から2°の範囲内の次の線形領域を検出する。20回の検出が実行された後、制御装置は、スキャン機構が1つの完全なスキャンを完了したと決定し、次に、20回の検出を介して取得された点群データに基づいて画像のフレームを生成するように処理モジュールを制御して、次の画像のフレームを生成するべく、前述のプロセスを繰り返し得る。
【0070】
前述の内容に基づいて、本願のこの実施形態において、異なる期間は、ライダの検出プロセス全体における任意の2つの異なる期間であり得る。例えば、上記異なる期間は、以下のケースのいずれか1つにおける期間であり得る。
【0071】
ケース1:異なる期間は、オブジェクトの同じ領域の検出を介して返された異なるエコー信号に対応する期間である。例えば、6つの検出信号がオブジェクトの同じ領域を検出するために使用され、6つのエコー信号がこれに応じて同じ領域の検出器の焦点領域において受信され、6つのエコー信号のうち任意の2つ又は任意の2つの部分が検出器の焦点領域上に集束される期間は異なる期間であると想定される。例えば、最初の3つのエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は第1期間であり、最後の3つのエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は第2期間であり、上記第1期間及び上記第2期間は異なる期間である。
【0072】
ケース2:異なる期間は、オブジェクトの異なる領域の検出を介して返されたエコー信号に対応する期間である。例えば、6つの検出信号がオブジェクトの同じ領域を検出するために使用され、6つの対応するエコー信号が全ての領域の検出器の焦点領域において受信され、異なる領域に対して受信された6つのエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は異なる期間であると想定される。例えば、ある領域の検出を介して受信された6つのエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は第1期間であり、別の領域の検出を介して受信された6つのエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は第2期間であり、上記第1期間及び上記第2期間は異なる期間である。
【0073】
ケース3:異なる期間は、オブジェクト全体の異なる回の検出を介して返されたエコー信号に対応する期間である。例えば、120個の検出信号がオブジェクト全体を検出するために毎回使用され(例えば、1つの領域を検出するために毎回6つの検出信号が使用され、視野全体においてオブジェクトの領域が合計20個検出されている)、120個の対応するエコー信号が検出ごとの検出器の焦点領域において受信されており、後いて画像のフレームを生成するべく、各検出において受信された120個のエコー信号が使用されると想定する。この場合、オブジェクト全体のある回の検出を介して受信された120個のエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は第1期間であり、オブジェクト全体の別の回の検出を介して受信された120個のエコー信号が検出器の焦点領域上に集束される期間は第2期間であり、上記第1期間及び上記第2期間は異なる期間である。
【0074】
上記異なる期間は代替的に、実際の要件に基づいて当業者によって構成され得ることを理解されたい。例えば、オブジェクトの領域の検出を介して返されたエコー信号の一部に対応する期間は第1期間として使用され得、オブジェクトの領域の検出を介して返された他のエコー信号に対応する期間及びオブジェクトの別の領域の検出を介して返されたエコー信号に対応する期間は第2期間として使用され得る。異なる期間の多くの可能なケースが依然として存在する。本願の実施形態において、例は1つずつ列挙されていない。
【0075】
(8)ライダの視野領域
【0076】
従来のライダは、検出器全体上の領域に同じ画素構成を設定する。しかしながら、本願のこの実施形態において、ユーザは、ライダの使用中に非中心領域より中心領域についてより多くの注意を払い得る(例えば、車載ライダの適用シナリオにおいて、ユーザは、ライダの前方における右側の道路領域により多くの注意を払う傾向があり、上空、路面、又は、さらには、他の左右のレーンにより少ない注意を払い、例えば、路面上にプラスチックバッグがある場合、上空に鳥がいる場合、又は左側の逆のレーンに車両がある場合であっても、現在のレーン上の車両にはほとんど影響がなく、当該車両は道を譲るために減速する必要がない)。したがって、ユーザの異なる領域に対する注意度に基づいて、ライダの視野領域はさらに、本願の実施形態においてパーティション化される。例えば、
図4は、本願の実施形態に係るライダの視野をパーティション化する概略図の例である。
図4における(A)は、ライダの垂直視野をパーティション化する概略図であり、
図4における(B)はライダの水平視野をパーティション化する概略図である。
図4における(A)及び
図4における(B)に示されるように、ライダの垂直視野は、中心視野領域、中心視野領域の上方の上側視野領域、及び中心視野領域の下方の下側視野領域にパーティション化され得、水平視野は、中心視野領域、中心視野領域の左側にある左側視野領域、及び中心視野領域の右側にある右側視野領域にパーティション化され得る。中心視野領域は、ユーザの要求に基づいて当業者によって予め定められており、具体的には、ライダの前方における予め設定された角度範囲内の領域であり得る。例えば、ユーザが車載ライダの適用シナリオにおいて注意を払う領域が分析され、予め設定された角度範囲は、ライダのすぐ前方から、上側、下側、左側、及び右側に30°から40°の間の角度値の範囲と定義され得る。
【0077】
現在、送信モジュールによってオブジェクトの各領域に送信される複数の検出信号について、制御装置は、同じ画素構成を使用するように、例えば、
図3における(A)に示された方式で焦点領域全体における全てのセルに対して3×3画素構成を使用するように、又は、
図3における(B)に示される方式で焦点領域全体における全てのセルに対して3×6画素構成を使用するように、検出器を制御する。しかしながら、いくつかの場合において、ユーザは、ライダの異なる視野領域に異なる注意を払う。例えば、ユーザは、
図4に示された中心視野領域により多くの注意を払い、非中心視野領域にはより少ない注意を払い得る。具体的には、ライダの中心視野領域が高い角度分解能を有し、上下の視野領域及び左右の視野領域が低い角度分解能を有することが予想される。しかしながら、従来技術における制御装置は、全ての視野領域に対して同じ画素構成を設定し、それにより、中心視野領域及び他の視野領域が同じ角度分解能を有するようになる。角度分解能が過度に小さい値に設定された場合、中心視野領域の検出精度が影響され、角度分解能が過度に大きい値に設定された場合、ライダの電力消費が増加する。従来技術における制御方法は、ユーザのこの実際の要件を満たすことができず、検出の柔軟性を向上させるに資さず、必要な検出精度を保証しながらライダの電力消費を低減することができないということが分かる。加えて、ライダのハードウェア構成が固定された後、ライダの角度分解能も固定される。例えば、従来技術における制御方法に基づいて、ライダは、最大で
図3における(A)に示された3×3画素組み合わせ方式でのみ点群データを生成し得、ライダの角度分解能はさらに向上されることができない。しかしながら、ユーザは、いくつかの場合において、より高い角度分解能を取得すると予想される。この場合、従来技術における制御方法はもはや適用可能ではない。
【0078】
この点を考慮して、本願は、実際の要件に基づいてソフトウェア調整方式で検出器の画素構成を調整し、これにより、いくつかの領域に対するライダの角度分解能を柔軟に向上させて又はライダの角度分解能をさらに向上させて、必要な検出精度を保証しながらライダの電力消費を可能な限り低減させるべく、制御方法を提供する。
【0079】
本願の制御方法は、ライダに適用されてもよく、又は、別の装置、デバイス、又はライダ以外のチップに適用されてもよい、例えば、ライダ以外の検出機能を有する別のインテリジェント端末に適用されても、又は別のインテリジェント端末のコンポーネントに配置されてもよいということに留意されたい。上記コンポーネントは、限定されるものではないが、コントローラ、チップ、又はカメラなどの他のセンサ、及び別のコンポーネントを含む。代替的に、本願における制御方法は、前述の運転シナリオに適用されてもよく、又は、例えば、3次元建物モデリングシステム、地形マッピングシステム、又はランデブー・ドッキングシステムなどの前述の運転シナリオ以外の別の画像システムに適用されてもよい。加えて、システムアーキテクチャの進化及び新たなシナリオの出現とともに、本願に提供された制御方法も、同様の技術的課題に適用可能である。これは、本願において具体的に限定されない。
【0080】
以下では、具体的な実施形態を参照して、
図2に示されたライダに基づいて、本願における制御方法の具体的な実装を説明する。説明された実施形態が本願の実施形態の全部ではなく一部に過ぎないことは明確である。
【0081】
「システム」及び「ネットワーク」という用語は、本願の実施形態において、交換可能に使用され得ることに留意されたい。加えて、「複数の」は、2つ又は2つより多くを意味する。「及び/又は」という用語は、関連付けられたオブジェクト間の対応関係を説明しており、3つの関係を指示し得る。例えば、A及び/又はBは、以下のケースを指示し得る:Aのみが存在する、A及びBの両方が存在する、Bのみが存在する。A及びBは単数又は複数であってよい。「以下の項目(部分)のうちの1又は複数」又はその同様の表現は、これらの項目の任意の組み合わせを指示しており、単一の項目(部分)又は複数の項目(部分)の任意の組み合わせを含む。例えば、a、b又はcの1又は複数の項目(部分)は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、又はa、b及びcを指示し得、ここで、a、b及びcは、単数形又は複数形であり得る。
【0082】
別段の定めがない限り、本願の実施形態において言及される「第1」及び「第2」などの序数は、複数のオブジェクトを区別するために使用されているが、複数のオブジェクトの優先度又は重要度を限定するために使用されるものではない。例えば、第1画素構成、第2画素構成及び第3画素構成は、異なる画素構成を区別するために使用されているものに過ぎず、これらの画素構成の異なる優先度、又は重要度などを指示するものではない。
【0083】
図5は、本願の実施形態に係る制御方法の例の概略フローチャートである。
図5に示されるように、方法は以下の段階を含む。
【0084】
段階501:制御装置は、ターゲットオブジェクトによって反射された第1エコー信号を受信するように受信光学系を制御する。
【0085】
前述の段階503において、第1エコー信号は、第1検出信号に対応する反射信号を含み得る。第1エコー信号は、全ての検出信号に対応する反射信号を含んでもよく、いくつかの検出信号に対応する反射信号のみを含んでもよく、又は、いくつかの周囲ノイズ信号をさらに含んでもよい。例えば、ライダによって視野全体を検出するプロセスにおいて、第1エコー信号は、視野全体を検出するために使用される全ての検出信号に対応する反射信号を含んでもよく、ターゲットオブジェクトの領域を検出するために使用される全ての検出信号に対応する反射信号を含んでもよく、ターゲットオブジェクトの領域を検出するために使用されるいくつかの検出信号に対応する反射信号を含んでもよく、反射信号がライダ内のコンポーネントによって反射又は屈折されることが原因で生成されるノイズ信号をさらに含んでもよく、又は、別の周囲ノイズ信号などを含んでもよい。これは、具体的に限定されない。
【0086】
例えば、第1エコー信号は、任意の形状のスポットとして提示され得る。例えば、第1エコー信号は、
図2に示されるように、線形スポットとして提示され得る。別の例では、第1エコー信号は、互い違いのスポットとして提示され得る。互い違いのスポットは、検出器の水平方向及び/又は垂直方向において互い違いに配置されたスポットである。互い違いのスポットは、少なくとも2つのサブスポットを含む。ライダがターゲットオブジェクトを水平方向においてスキャンするとき、少なくとも2つのサブスポットは、検出器の水平方向において一定の距離だけ互い違いに配置される。
図6における(B)に示されるように、ライダがターゲットオブジェクトを垂直方向においてスキャンするとき、少なくとも2つのサブスポットは、検出器の垂直方向において一定の距離だけ互い違いに配置される。ライダが斜め方向においてターゲットオブジェクトをスキャンするとき、少なくとも2つのサブスポットは、検出器上の斜め方向に対応する方向において一定の距離だけ互い違いに配置される、すなわち、検出器の水平方向及び検出器の垂直方向の両方において互い違いに配置される。さらに別の例において、第1エコー信号は、別の形成のスポットとして、例えば、台形のスポット、円形のスポット、又は特殊形状のスポットとして提示され得る。これは、本願において具体的に限定されない。
【0087】
段階502:制御装置は、第1画素構成を使用することによって第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御し、ここで、第1画素構成において、検出器の異なる領域は異なる画素構成を有する、及び/又は、検出器は異なる期間において異なる画素構成を有する。
【0088】
任意選択的な実装において、第1画素構成は、ライダのソフトウェアバージョンプログラムに記述され得、当該ソフトウェアバージョンプログラムは、ライダが工場から送達される前にライダに予め構成されている。ユーザが別の画素構成に構成を更新する必要があるとき、ユーザは、ライダ側の研究及び開発担当者に要求を提供し得、研究及び開発担当者が新たなソフトウェアバージョンプログラムをコンパイルした後、ユーザは、別の画素構成を取得するべく、ライダのソフトウェアバージョンをアップグレードする。例えば、ユーザは、マスタコンピュータにアップグレード命令を送信し得、アップグレード命令を受信した後、マスタコンピュータは、ライダ内の制御装置に新たなソフトウェアバージョンプログラムを送達する。代替的に、別の例において、画素構成は、ОTA方式で更新され得る。例えば、ユーザは、ユーザの携帯電話又は別のクライアントを使用することによって新たなソフトウェアバージョンプログラムを動的に要求し、新たなソフトウェアバージョンプログラムを取得した後、ライダ上に新たなソフトウェアバージョンプログラムをインストールし得る。代替的に、ライダは通信能力、例えば、ショートメッセージ送信及び受信能力を有し得、ユーザは、新たなソフトウェアバージョンプログラムを動的に要求するようにライダを直接制御し得る。新たなソフトウェアバージョンプログラムは、アップグレードされた第3画素構成を含み得る。新たなソフトウェアバージョンプログラムを解析することによって第3画素構成を取得した後、制御装置は、第3画素構成を使用することによって第3エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する。具体的には、第3エコー信号は、第3検出信号に対応する反射信号を含み得る。例えば、可能な適用シナリオにおいて、第3エコー信号は、特定の期間内に検出器によって受信されたエコー信号の全部又は一部であり得、それにより、ライダは、別の画素構成を使用することによって特定の期間内にエコー信号を処理し得る。特定の期間は、例えば、アップグレード命令に保持され且つ制御装置に同期的に送達されてもよく、又は、予め合意された又は予め構成された期間、であってもよく、例えば、アップグレード命令が受信された後5ミリ秒以内の期間であってもよく、又は、ターゲットオブジェクトの領域の検出に対応する期間であってもよく、又は、検出器が第3画素構成を含むアップグレード命令を受信する時点から検出器が次のアップグレード命令を受信する時点までの期間において受信される全てのエコー信号であってもよい。これは、具体的に限定されない。別の例の場合、別の可能なシナリオにおいて、第3エコー信号は代替的に、現在の検出において検出器によって受信された全てのエコー信号内の、第1エコー信号以外の、全部又は一部のエコー信号であり得、それにより、ライダは、異なる画素構成を使用することによって、1回の検出において異なるエコー信号を処理し得る。さらに多くの可能な適用シナリオが存在することを理解されたい。本願の実施形態において、例は1つずつ列挙されていない。この実装において、検出器の画素構成は、ソフトウェアの形態で更新される。これは、ライダのハードウェアを向上させることなく実装しやすく、異なるシナリオの場合のユーザの画素構成要件を可能な限り一致させることができ、これにより、ライダ検出の柔軟性を向上させることに役立つ。
【0089】
本願のこの実施形態において、検出器は異なる領域及び/又は異なる期間において異なる画素構成を使用するので、第1エコー信号を受信した後、検出器は、異なる画素構成に基づいて、異なる領域又は異なる期間において受信された第1エコー信号を微分された電気信号に変換して、当該微分された電気信号を処理モジュールに送信し得る。このように、処理モジュールが微分された電気信号に基づいて点群データを生成した後、点群データにおける画素密度(すなわち、点群データに対応する画像上の単位面積当たりの画素の数)は、実際の画素構成方式に基づいて柔軟に調整され得る。さらに、前述の方式で、検出器は、ソフトウェアを使用することによって画素構成を実装するように構成され得る。したがって、検出プロセスにおけるライダのハードウェア構成への依存が低減し得、検出の柔軟性がさらに向上し得る。
【0090】
以下では、検出器の異なる領域が異なる画素構成を有する、検出器は異なる期間において異なる画素構成を有するという2つの態様を別個に説明する。
【0091】
検出器の異なる領域は、異なる画素構成を有する。
【0092】
例えば、制御装置は、検出器の異なる領域に対応する画素構成における全ての画素に対応するセルの数が異なるように制御し得る。このように、検出器上の画素を生成するために使用されるセルの総数は、固定されている。異なる領域に対応する画素構成における全ての画素に対応するセルの数が異なるとき、固定数のセルに対応する異なる領域において生成され得る画素の数も異なり、それにより、異なる領域において受信された第1エコー信号に基づいて生成された点群データにおける画素密度が異なり、より高い画素密度を有する領域は、同じサイズの範囲においてより多くの画素を有する。したがって、より高い画素密度を有する領域も、より高い角度分解能に対応する。この画素構成方式において、画素暗号化は、最終的に提示される点群データにおける特定の領域において実行されて、特定の領域の角度分解能を向上させ、検出の柔軟性を効果的に向上させ得ることが分かる。
【0093】
以下では、この画素構成方式におけるいくつかの可能な適用シナリオを説明する。
【0094】
可能な適用シナリオにおいて、検出器の異なる領域は、中心視野領域(
図4に示された中心視野領域)に対応する領域、及び検出器の焦点領域における非中心視野領域(限定されるものではないが、
図4に示された上側視野領域、下側視野領域、左側視野領域、又は右側視野領域を含む)に対応する領域であり得る。さらに、例えば、中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、非中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少なくなるように構成され得、それにより、最終的に提示される点群データにおける中心視野領域は非中心視野領域より高い画素密度を有し、中心視野領域は非中心視野領域より高い角度分解能を有する。これは、中心視野領域の必要な検出正確度を維持しながら、ライダの不要な電力消費を低減する。
【0095】
例えば、
図6は、本願の実施形態に係る検出器の画素構成方式の概略図の例である。
図6における(A)は、第1エコー信号が線形スポットとして提示される検出器の画素構成方式を示す。
図6における(B)は、第1エコー信号が互い違いのスポットとして提示される検出器の画素構成方式を示す。例えば、互い違いのスポットは、送信光学系内に光学コリメータを配置することによって実装され得る。
図6における(A)及び
図6における(B)に示されるように、線形スポット及び互い違いのスポットの提示方向が両方垂直方向であると想定されており、検出器の焦点領域における中心視野領域に対応する領域aについて、制御装置は、3×3画素構成を使用するように検出器を制御し得る、すなわち、検出器は、領域a内で、3行及び3列毎の9つのセル上の第1エコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信する。このように、処理モジュールは、3行及び3列毎の9つのセル上の第1エコー信号に基づいて1つの画素を生成する。これに応じて、検出器の焦点領域内にある中心視野領域の上方の上側視野領域b
1及び中心視野領域の下方の下側視野領域b
2について、制御装置は、3×6画素構成を使用するように検出器を制御し得る、すなわち、検出器は、領域b
1及びb
2内で、6行及び3列毎の18画素上の第1エコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信する。このように、処理モジュールは、6行及び3列毎の18画素上の第1エコー信号に基づいて1つの画素を生成する。最後の点群データの提示において、中心視野領域内の画素は、非中心視野領域内の画素の2倍の密度であることが分かる。言い換えれば、中心視野領域に対応する角度分解能の精度は、非中心視野領域内の角度分解能の精度の2倍高い。加えて、線形スポットと比較すると、互い違いのスポットは、検出器上の隣接画素のセル領域を互い違いに配置することによって隣接画素のセル領域間のクロストークをさらに低減し、これにより、隣接画素のセル領域間の隔離度を向上させて、点群品質をさらに向上させるために使用され得る。
【0096】
本願のこの実施形態における制御解決手段が前述のアプリケーションシナリオに適用されたとき、ライダの関心領域に対しての当技術分野における最も多くのユーザの要求についての情報は最初に収集され得ることに留意されたい。中心視野領域及び非中心視野領域は上記要求情報に基づいて定義され、次に、異なる画素構成は、前述の解決手段に基づいて、定義された中心視野領域及び非中心視野領域に対して設定され、次に、中心視野領域に対応する画素構成及び非中心視野領域に対応する画素構成に基づいてソフトウェアバージョンがコンパイルされた後、ソフトウェアバージョンは、送達のためにライダ内にカプセル化される。加えて、ライダの製品説明はさらに、これに応じて、中心視野領域の定義、非中心視野領域の定義、中心視野領域に対応する画素構成、非中心視野領域に対応する画素構成、点群データ上の中心視野領域に対応する画素密度、点群データ上の非中心視野領域に対応する画素密度などの情報を含み得る。このように、ライダを使用する前に、ユーザは、ライダの製品説明を読み取り、ライダの適用の関連情報について学習することもできる。
【0097】
加えて、前述のアプリケーションシナリオは単に、中心視野領域内の点群が暗号化される例を使用することによって説明される。実際の動作において、制御装置はさらに、実際の要件に基づいて、検出器の焦点領域における任意の2つの異なるサブ領域に対して、上記に示した異なる画素構成を設定し得る。例えば、
図7は、本願の実施形態に係る検出器の別の画素構成方式の概略図の例である。この例において、制御装置は、
図7の(A)に示されるように、検出器の焦点領域における上下領域に対して3×3画素構成を設定し、検出器の焦点領域における中心領域に対して3×6画素構成を設定し、これにより、上側視野領域及び下側視野領域を暗号化し得る;
図7の(B)に示されるように。検出器の焦点領域の上半分に対して3×3画素構成を設定し、検出器の焦点領域の下半分に対して3×6画素構成を設定し、これにより、視野領域の上半分を暗号化し得る;又は、
図7の(C)に示されるように、検出器の焦点領域における任意のいくつかの小さい領域に対して3×3画素構成を設定し、他の領域に対して3×6画素構成を設定し、これにより、任意のいくつかの領域を暗号化し得る。多くの可能なケースが存在する。本願において、例は1つずつ列挙されていない。
【0098】
別の可能な適用シナリオにおいて、検出器の異なる領域は、検出器の焦点領域内のターゲットオブジェクトが提示された領域、及び、ターゲットオブジェクトが提示された領域以外の領域であり得る。さらに、例えば、ターゲットオブジェクトが検出器に提示されている領域内の各画素に対応するセルの数は、ターゲットオブジェクトが提示されている領域以外の領域内の各画素に対応するセルの数より少なくなるように構成され得る。ターゲットオブジェクトは、ユーザがより多くの注意を払うオブジェクトであり得る。例えば、交差道路を渡るとき、ユーザは、交差道路を渡るプロセスにおいて歩行者又は自動車に影響を与えることを回避するべく、交差道路における歩行者又は自動車の位置により多くの注意を払う。この場合、ターゲットオブジェクトは、歩行者又は自動車に設定され得る。実装において、第1画素構成を使用するように検出器を制御する前に、制御装置はさらに、第2画素構成を使用することによって第2エコー信号を電気信号に変換するように検出器を最初に制御し得る。第2エコー信号は、第2検出信号に対応する反射信号を含む。具体的には、第2エコー信号は、第1エコー信号が受信される前に少なくとも2回スキャンすることによって発される検出信号に対応する反射信号を含み得る。次に、少なくとも2つのフレームの画像に対応する点群データを生成するように電気信号を処理した後、処理モジュールは、少なくとも2つのフレームの画像に対応する点群データ上のターゲットオブジェクトの位置に基づいてターゲットオブジェクトの移動規則を分析し、次に、上記移動規則に基づいて、次のスキャンでターゲットオブジェクトが現れる位置を予測し、次のスキャンにおいて返される第1エコー信号を、第1画素構成を使用することによって電気信号に変換するように検出器を制御する。第1画素構成における検出器上にターゲットオブジェクトが提示されている領域内の各画素に対応するセルの数は、第2画素構成における検出器上にターゲットオブジェクトが提示されている領域内の各画素に対応するセルの数より少なく、第1画素構成において検出器上にターゲットオブジェクトが提示されている領域以外の領域内の各画素に対応するセルの数は、第2画素構成において検出器上にターゲットオブジェクトが提示されている領域以外の領域内の各画素に対応するセルの数に等しくてよい。このように、最終的に提示される点群データにおけるターゲットオブジェクトに対応する領域は、ターゲットでないオブジェクトに対応する領域より高い画素密度を有し得、したがって、ターゲットオブジェクトに対応する領域は、ターゲットでないオブジェクトが位置付けられた領域より高い角度分解能を有する。これは、ターゲットオブジェクトが正確に検出できることを保証し、ライダの不要な電力消費を低減する。
【0099】
例えば、
図8は、本願の実施形態に係る検出器のさらに別の画素構成方式の概略図の例である。
図8に示されるように、オブジェクト全体がK回目検出され且つオブジェクト全体が(K+1)回目検出されたとき(Kは正の整数である)、制御装置は、3×6画素構成(すなわち、第2画素構成)を使用することによって検出を実行するように検出器を制御する。このように、対応するK番目のフレームの画像及び対応する(K+1)番目のフレームの画像が生成された後、制御装置は、K番目のスキャンにおいて生成されたK番目のフレームの画像における歩行者の位置L
1及び(K+1)番目のスキャンにおいて生成された(K+1)番目のフレームの画像における歩行者の位置L
2に基づいて、(K+2)番目のスキャンにおいて生成される(K+2)番目のフレームの画像における歩行者の位置L
3を予測し、次に、検出器の位置L
3に対応する領域dに対して3×3画素構成を使用し、依然として、領域d以外の別の領域に対しては3×6画素構成(すなわち、第1画素構成)を使用する。このように、領域dにおいて、検出器は、3行及び3列毎の9つのセルの第1エコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信し、それにより、処理モジュールは、3行及び3列毎の9つのセルに対応する1つの画素を生成する。領域d以外の別の領域において、検出器は、6行及び3列毎の18画素の第1エコー信号を1つの電気信号に組み合わせて、当該電気信号を処理モジュールに送信し、それにより、処理モジュールは、6行及び3列における18画素に対応する1つの画素を生成する。最後の点群提示において、ターゲットオブジェクトに対応する領域の画素は、別の領域の画素の2倍の密度であることが分かる。言い換えれば、ターゲットオブジェクトに対応する領域の角度分解能の精度は、別の領域のそれの2倍高い。
【0100】
前述の画素構成方式において、検出器の領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、別の領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少なくなるように制御され、それにより、上記領域に対して生成された点群データにおける画素密度は、別の領域に基づいて生成された点群データにおける画素密度より高くてよい。この画素構成方式において、画素暗号化は、最終的に提示される点群データにおける特定の領域において実行されて、特定の領域の角度分解能を向上させ、不要な電力消費を低減し得ることが分かる。
【0101】
検出器は、異なる期間において異なる画素構成を有する。
【0102】
例えば、制御装置が、異なる期間において異なる画素構成方式を使用するように検出器を制御することは:ある期間における画素構成方式を構成すること、及び、別の期間における別の画素構成方式に一時的に切り替えることであり得る。例えば、
図9は、本願の実施形態に係る画素構成の調整期間の概略図の例である。
図9に示されるように、制御装置が、6つの検出信号を毎回送信するように送信光学系を制御することでオブジェクトの同じ領域を検出し、視野全体をトラバースすることでN個の領域(Nは、正の整数である)を検出すると想定する。この場合、検出器の焦点領域は、これに応じて、領域ごとに6つの第1エコー信号を受信し、オブジェクト全体に対して6N個の第1エコー信号を受信する。ある例では、前述の用語の説明(7)におけるケース1に基づいて、制御装置は、領域ごとに受信された6つの第1エコー信号における任意の1又は複数の第1エコー信号を、1つの画素構成を使用することによって収集するように検出器を制御し、上記領域に対して受信された6つの第1エコー信号における別の1又は複数の第1エコー信号を、別の画素構成を使用することによって収集するように検出器を制御し得、例えば、
図9に示される時点T
1において1つの画素構成を設定し、
図9に示され時点T
2において別の画素構成に切り替える。別の例では、前述の用語の説明(7)におけるケース2に基づいて、制御装置は、ある領域に対して受信された6つの第1エコー信号を、1つの画素構成を使用することによって収集するように検出器を制御し、別の領域に対して受信された6つの第1エコー信号を、別の画素構成を使用することによって収集するように検出器を制御し得、例えば、
図9に示される時点T
1において1つの画素構成を設定し、
図9に示され時点T
3において別の画素構成に切り替える。さらに別の例では、前述の用語の説明(7)におけるケース3に基づいて、制御装置は、オブジェクト全体のある回の検出を介して受信された6N個の第1エコー信号を、1つの画素構成を使用することによって収集するように検出器を制御し、オブジェクト全体の別の回の検出を介して受信された6N個の第1エコー信号を、別の画素構成を使用することによって収集するように検出器を制御し得、例えば、
図9に示された時点T
1において1つの画素構成を設定し、
図9に示された時点T
4において別の画素構成に切り替え、それにより、I番目のフレームの画像を生成するプロセス全体において1つの画素構成が使用され、(I+1)番目のフレームの画像を生成するプロセス全体において別の画素構成が使用され、ここで、Iは正の整数である。
【0103】
さらに、例えば、制御装置は、異なる期間において異なる画素構成を使用するように検出器の焦点領域を制御し得る。異なる画素構成は、作動状態にあるセルが完全に同じではないということであってもよく、又は、検出器が異なる期間において異なるセル組み合わせ方式を使用する(すなわち、異なる画素構成における全ての画素に対応するセルの数が異なる)ということであってもよい。以下では、2つの異なる画素構成方式を詳細に別個に説明する。
【0104】
[異なる期間において作動状態にあるように異なるセルを制御する]
【0105】
本願のこの実施形態において、制御装置は、異なる期間において同じ画素組み合わせ方式を使用するように検出器を制御し得るが、異なる期間における検出器の焦点領域の作動状態にあるセルは完全に同じではない。完全同じではないということは、完全に異なることを意味し得、又は、部分的に同じで部分的に異なることを意味し得、又は、完全に異なることを意味し得る。これは、具体的に限定されない。例えば、異なる期間において第1期間及び第2期間が存在する。制御装置は、第1期間における検出器の焦点領域に対して画素構成1を使用し、第2期間における検出器の焦点領域に対して画素構成2を使用する。画素構成1における各画素に対応するセルの数は、画素構成2におけるそれと同じである。しかしながら、画素構成1において作動状態にあるセルが位置付けられたセル領域及び画素構成2において作動状態にあるセルが位置付けられたセル領域は、検出器の水平方向及び/又は垂直方向において互い違いに配置されており、互い違いの距離は、1つの画素に対応するセル距離より短い。第1エコー信号が検出器上の水平線形スポットとして提示されたとき、画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の水平方向において互い違いに配置され得る。第1エコー信号が検出器上の垂直線形スポットとして提示されたとき、画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の垂直方向において互い違いに配置され得る。第1エコー信号が検出器上の斜めの線形スポットとして提示されたとき、画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の斜め方向において互い違いに配置され得る、すなわち、水平方向及び斜め方向の両方において互い違いに配置され得る。このように、画素構成1に基づいて生成された画素及び画素構成2に基づいて生成された画素の間の位置ずれ関係も存在する場合がある。位置ずれは、1つの画素構成に基づいて生成された画素が、別の画素構成に基づいて生成された任意の2つの隣接画素の間に挿入されることを可能にして、これにより、領域の総合角度分解能を効果的に向上させる。
【0106】
例えば、第1エコー信号は垂直線形スポットとして提示され且つ検出器は6×6画素構成を使用すると想定されており、
図10は、本願の実施形態に係る検出器のなおも別の画素構成方式の概略図の例である。
図10における(A)は、第1期間において検出器によって使用される画素構成1の提示形式を示しており、
図10における(B)は、第2期間において検出器によって使用される画素構成2の提示形式を示す。前述の用語の説明(7)におけるケース1が、一例として使用される。第1期間は、オブジェクトの同じ領域の検出を介して返された6つの第1エコー信号における最初の3つの第1エコー信号に対応する期間であり、第2期間は、6つの第1エコー信号における最後の3つの第1エコー信号に対応する期間であると想定される。この場合、6つの第1エコー信号が検出器上に集束される垂直線形領域において、制御装置は、
図10における(A)に示された方式で第1期間において作動状態にあるようにボックス1におけるセルを制御し、
図10の(B)に示された方式で第2期間において作動状態にあるようにボックス2におけるセルを制御する。このように、
図10における(A)に示されたボックス1におけるセルと比較すると、
図10における(B)に示されたボックス2におけるセルは、半画素に対応するセル距離(すなわち、3つのセルの高さ)だけ検出器の垂直方向において互い違いに配置されている。このように、制御装置は、ボックス1においてセルによって受信された最初の3つの第1エコー信号及びボックス2においてセルによって受信された最後の3つの第1エコー信号に対して12画素を別個に生成するように処理モジュールを制御し、ボックス2においてこれに応じて生成された12画素は、ボックス1においてこれに応じて生成された任意の2つの隣接画素の間にちょうど挿入される。このように、オブジェクトの領域の検出を介してライダによって生成された最後の点群データは24画素を含み、したがって、領域の検出を介して生成された点群データの垂直角解像度は、2倍になり得る。
【0107】
前述のシナリオは、2つの期間において異なる画素構成が使用された例のみを使用することによって説明されていることに留意されたい。実際の動作において、3つ又はそれより多くの期間において異なる画素構成がそれぞれ使用されてもよく、前述の内容において説明された少なくとも2つの位置ずれ関係は、3つ又はそれより多くの画素構成の間に存在する。例えば、同じ垂直線形領域において6つの第1エコー信号が受信されていると想定されており、上記制御装置は、以下を行い得る:最初の2つの第1エコー信号が受信された期間において検出器に対して
図10における(A)に示された画素構成1を構成すること;真ん中の2つの第1エコー信号が受信された期間において検出器に対して画素構成3を構成すること、ここで、画素構成1において作動状態にあるセルが位置付けられた領域と比較すると、画素構成3において作動状態にあるセルが位置付けられた領域は、1/3画素に対応するセル距離だけ検出器の垂直方向において互い違いに配置されている(例えば、6×6画素構成が使用されるときの2つのセルの高さだけ互い違いに配置されている);最後の2つの第1エコー信号が受信された期間において検出器に対して画素構成4を構成すること、ここで、画素構成3において作動状態にあるセルが位置付けられた領域と比較すると、画素構成4において作動状態にあるセルが位置付けられた領域はさらに、1/3画素に対応するセル距離だけ検出器の垂直方向において互い違いに配置されている。このように、各画素は、2つの第1エコー信号の検出結果に基づいて総合的に生成され得、これにより、点群上の各画素の精度を効果的に向上し、真ん中の2つの第1エコー信号に基づいて生成された画素は、2回の置き違いを介して、最初の2つの第1エコー信号に基づいて生成された任意の2画素の1/3位置に挿入され得、その一方、最後の2つの第1エコー信号に基づいて生成された画素は、最初の2つの第1エコー信号に基づいて生成された任意の2画素の2/3位置に挿入される。言い換えれば、画素密度は2倍に増加し得、それにより、オブジェクトの領域の検出を介して生成された点群データの垂直角解像度は2倍に増加する。
【0108】
前述の互い違いの画素構成方式において、ライダのハードウェア構成が固定されており、ライダの角度分解能がハードウェアに依存することによってさらに向上されることができない場合であっても、位置ずれ関係は、ソフトウェアを使用することによって、異なる期間において検出器上の作動状態にあるセルの間において依然として構成され、これにより、ライダの角度分解能をさらに向上させ得ることが分かる。例えば、ライダのハードウェア構成に起因して、最大3×3画素構成方式においてのみ点群が生成され得るとき、これは、
図10に示されるように、ライダが最大12画素を生成し得ることを意味する。前述の互い違いの画素構成方式に基づいて、互い違いに配置された方式で画素を挿入することによって、より多くの画素が点群データにさらに挿入され得、それにより、ライダはさらに、ハードウェアによって限定されることなくライダの角度分解能を向上させ得る。
【0109】
図10において、領域の垂直角解像度をどのように向上させるかは、単に、第1エコー信号が垂直線形スポットとして提示された例を使用することによって説明されていることを理解されたい。この画素構成方式は、第1エコー信号が非垂直線形スポットとして提示されたシナリオにも適用可能であり得る。例えば、第1エコー信号が水平線形スポットとして提示されているとき、この画素構成方式において、作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の水平方向において互い違いに配置され、領域の水平角解像度を向上し得る。第1エコー信号が斜めの線形スポットとして提示されているとき、画素構成方式において、作動状態にあるセルを含む領域は、検出器の水平方向及び垂直方向において互い違いに配置され、領域の垂直角解像度及び領域の水平角解像度の両方を向上させ得る。関連実装については、
図10を参照されたい。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0110】
加えて、前述では、一例として、用語の説明(7)におけるケース1に示された異なる期間を使用することによって互い違いの画素構成の可能な例のみを説明している。別の例では、互い違いの画素構成は代替的に、同じ方式で、用語の説明(7)におけるケース2又はケース3の異なる期間において構成され得る。例えば、用語の説明(7)におけるケース2の異なる領域の検出を介して受信された第1エコー信号に対応する異なる期間において互い違いの画素構成が構成されているとき、最終的に生成された画像における異なる画像領域の画素間に位置ずれ関係が存在し得る。用語の説明(7)におけるケース3のオブジェクト全体の異なる回の検出を介して受信された第1エコー信号に対応する異なる期間において互い違いの画素構成が構成されているとき、異なる最終的に生成された画像における画素間に位置ずれ関係が存在し得る。具体的な実装プロセスについては、前述の内容を参照されたい。本願のこの実施形態においては詳細を説明しない。
【0111】
[異なる期間において異なるセル組み合わせ方式を使用する]
【0112】
本願のこの実施形態において、制御装置は、検出器の焦点領域における全てのセルが作動状態にあるが、異なる期間において使用される画素構成における全ての画素に対応するセルの数は異なるように制御し得る。例えば、異なる期間において第1期間及び第2期間が存在する。制御装置は、第1期間における検出器の焦点領域に対して画素構成1を使用し、第2期間における検出器の焦点領域に対して画素構成2を使用する。画素構成1において作動状態にあるセルは、画素構成2において作動状態にあるセルと同じであるが、画素構成1における各画素に対応するセルの数は、画素構成2における各画素に対応するセルの数より多い。このように、画素構成2に基づいて生成された点群データにおける画素の数も、画素構成1に基づいて生成された点群データにおける画素の数より多い。このように、オブジェクトを検出する角度分解能は、実際の要件に基づいて、所要時間において向上され得る。
【0113】
例えば、第1エコー信号は垂直線形スポットとして提示されると想定されており、
図11は、本願の実施形態に係る検出器のまたさらに別の画素構成方式の概略図の例である。
図11における(A)は、第1期間において検出器によって使用される画素構成1の提示形式を示しており、
図11における(B)は、第2期間において検出器によって使用される画素構成2の提示形式を示す。
【0114】
前述の用語の説明(7)におけるケース1に基づいて、第1期間は、オブジェクトの同じ領域の検出を介して返された6つの第1エコー信号における最初の3つのエコー信号に対応する期間であり、第2期間は、6つの第1エコー信号における最後の3つの第1エコー信号に対応する期間であると想定されており、6つの第1エコー信号が検出器上に集束される垂直線形領域について、制御装置は、第1期間においては
図11における(A)に示された3×3画素組み合わせ方式を使用し、第2期間については
図11における(B)に示された方式における3×6画素組み合わせ方式を使用する。このように、制御装置は、最初の3つの第1エコー信号に対して12画素を生成し、最後の3つの第1エコー信号に対して6画素を生成するように、処理モジュールを制御する。加えて、最後の3つの第1エコー信号に対して生成された6画素は、最初の3つの第1エコー信号に対して生成された任意の2画素の間にちょうど挿入され、それにより、合計18画素が領域に対して生成される。この画素構成方式において、領域の検出を介して生成された点群データの角度分解能は、ハードウェアによって限定されることなくさらに向上される場合もあることが分かる。
【0115】
前述の用語の説明(7)におけるケース2に基づいて、第1期間は、オブジェクトの領域の検出を介して返された6つの第1エコー信号に対応する期間であり、第2期間は、オブジェクトの別の領域の検出を介して返された6つの第1エコー信号に対応する期間であると想定されており、12個の第1エコー信号が検出器上に集束される垂直線形領域について、制御装置は、第1期間においては
図11における(A)に示された方式における3×3画素組み合わせ方式を使用し、第2期間については
図11における(B)に示された方式における3×6画素組み合わせ方式を使用する。このように、制御装置は、領域に対して点群データを生成するように処理モジュールを制御し、ここで、点群データは、12画素を含み、別の領域に対して生成された点群データは、6画素を含む。この画素構成方式において、オブジェクトの特定の領域を検出する角度分解能が向上され得ることが分かる。
【0116】
前述の用語の説明(7)におけるケース3に基づいて、第1期間は、オブジェクト全体のある回の検出を介して返された6N個の第1エコー信号に対応する期間であり、第2期間は、オブジェクト全体の別の回の検出を介して返された6N個の第1エコー信号に対応する期間であると想定されており、12N個の第1エコー信号が検出器上に集束される垂直線形領域について、制御装置は、第1期間においては
図11における(A)に示された方式における3×3画素組み合わせ方式を使用し、第2期間については
図11における(B)に示された方式における3×6画素組み合わせ方式を使用する。このように、制御装置は、ある回の検出を介して画像を生成するように処理モジュールを制御し、ここで、上記画像は、12N個の画素を均等に含み、別の回の検出を介して生成された画像は、6N個の画素を均等に含む。この画素構成方式において、一度にオブジェクト全体を検出する角度分解能が向上され得ることが分かる。
【0117】
前述の画素構成方式において、ライダはさらに、実際の要件に基づいて特定の期間において画素構成を切り替えることで、より多くのシナリオに柔軟に適合し、さらに、角度分解能を柔軟に向上させ得ることが分かる。例えば、ライダはさらに、ハードウェアによって限定されることなくライダの角度分解能を向上し得、又は、ライダは、オブジェクトの領域を検出するときにより高い角度分解能を有し得、又は、ライダは、一度にオブジェクトを検出するときにより高い角度分解能を有し得る。
【0118】
上記に示された画素構成は、代替的に、組み合わせて使用され得ることに留意されたい。例えば、異なる期間に対して異なる画素構成が構成されているとき、ある期間に対して構成された画素構成では、異なる画素構成が、検出器の焦点領域における異なるサブ領域に対してさらに実行され得る。代替的に、異なる期間に対して異なる画素構成が構成されているとき、1つの態様では、2つの期間において作動状態にある異なるセルが構成され得る、別の態様では、異なる画素組み合わせ方式が2つの期間においてさらに使用され得るなどである。多くの可能な組み合わせ方式が存在する。本願の実施形態において、例は1つずつ列挙されていない。
【0119】
本願に提供された制御方法はさらに、角度分解能に対する要求を有する任意の情報システムに拡張され得ることを理解されたい。本願において提供された制御解決手段を使用することによって角度分解能を向上させるための全ての技術的解決手段は、本願の保護範囲に含まれることを理解されたい。本願において、例は1つずつ列挙されていない。
【0120】
本願の実施形態において提供された制御解決手段によると、本願はさらに、少なくとも1つのプロセッサ及びインタフェース回路を含む制御装置を提供する。インタフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサにデータ又はコード命令を提供するように構成されており、少なくとも1つのプロセッサは、論理回路を使用することによって又はコード命令を実行することによって前述の制御装置によって実行される方法を実装するように構成されている。
【0121】
本願の実施形態において提供された制御解決手段によると、本願はさらに、制御装置、受信光学系及び検出器を含むライダを提供する。上記制御装置は、前述の実施形態における任意の制御装置によって実行される制御方法を実行するように構成されており、上記受信光学系は、エコー信号を受信するように構成されており、上記検出器は、エコー信号を電気信号に変換するように構成されている。
【0122】
可能な設計において、ライダはさらに、送信機及び送信光学系を含み得る。前記送信機は、制御装置の制御下で検出信号を発するように構成されており、前記送信光学系は、前記検出信号を送信するように構成されている。
【0123】
可能な設計において、検出器は、SPAD検出器アレイを含む。
【0124】
可能な設計において、ライダはさらに、スキャン機構を含み得、ここで、上記スキャン機構は、多面回転ミラー、振動鏡、MEMSスキャンミラー、又はプリズムのうちの1又は複数を有する。
【0125】
可能な設計において、前記ライダはさらに、処理モジュールを含み得、ここで、前記処理モジュールは、点群データを取得するべく、前記電気信号を処理するように構成されている。
【0126】
可能な設計において、前記処理モジュールはさらに、前記点群データに基づいてターゲットフィーチャを決定し得る。
【0127】
可能な設計において、前記制御装置及び前記処理モジュールは、システムオンチップSОCに統合され得る。
【0128】
本願の実施形態において提供された制御解決手段によると、本願はさらに、前述の内容において説明されたライダを含む端末デバイスを提供する。いくつかの端末デバイスの例は、限定されるものではないが、スマートホームデバイス(例えば、テレビ、ロボット真空掃除機、スマートデスクランプ、スピーカシステム、インテリジェント照明システム、電気アプライアンス制御システム、ホームバックグラウンドミュージックシステム、ホームシアターシステム、インターコムシステム、又はビデオ監視システム)、インテリジェント輸送デバイス(例えば、車両、船舶、無人航空機、列車、貨物車、又はトラック)、インテリジェント製造デバイス(例えば、ロボット、産業用デバイス、インテリジェントロジスティクス、又はスマートファクトリ)、及びインテリジェント端末(携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ヘッドセット、スピーカ、ウェアラブルデバイス、車載デバイス、仮想現実デバイス、又は拡張現実感デバイスなど)を含む。
【0129】
本願の実施形態において提供された制御解決手段によると、本願はさらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。上記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、上記コンピュータプログラムが実行されるとき、前述の内容における制御装置によって実行される方法が実行される。
【0130】
本願の実施形態において提供された制御解決手段によると、本願はさらに、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されるとき、前述の内容における制御装置によって実行される方法が実装される。
【0131】
本明細書において用いられる「コンポーネント」、「モジュール」、及び「システム」などの用語は、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアを示す。例えば、コンポーネントは、これらに限定されないが、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム及び/又はコンピュータであり得る。図を用いて示すように、コンピューティングデバイス及びコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションの両方がコンポーネントであってよい。1又は複数のコンポーネントは、プロセス及び/又は実行のスレッド内に存在し得て、コンポーネントは、1つのコンピュータに位置し得る、及び/又は、2つ又はそれより多くのコンピュータに分散され得る。加えて、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造を記憶する、様々なコンピュータ可読媒体から実行され得る。例えば、コンポーネント同士は、ローカル及び/又はリモートプロセスを使用することによって、及び例えば1又は複数のデータパケット(例えば、ローカルシステム、分散システムにおいて、及び/又は、信号を使用することによって他のシステムとインタラクトするインターネットなどのネットワークにわたって、別のコンポーネントとインタラクトする2つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に基づいて、通信してよい。
【0132】
当業者であれば、本明細書において開示された実施形態を参照して説明された様々な例示的な論理ブロック(illustrative logical block)及び段階(step)が、電子ハードウェアによって、又は、コンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって実装され得ることを認識し得る。これらの機能がハードウェアにより実行されるか、又はソフトウェアにより実行されるかは、具体的な適用及び技術的解決手段の設計上の制約条件によって決まる。当業者であれば、説明された機能を特定の適用ごとに実装するのに異なる方法を用い得るが、当該実装が本願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0133】
簡便かつ簡潔な説明を目的として、前述のシステム、装置及びユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照することが、当業者により明確に理解され得る。ここでは、詳細を再び説明しない。
【0134】
本願において提供されたいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置及び方法が他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は、一例に過ぎない。例えば、複数のユニットへの分割は論理的な機能分割に過ぎず、実際の実装では他の分割であってよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが、別のシステムへ組み合わされ、又は統合されてよく、又は、いくつかの特徴が、無視されてよく、又は実行されなくてよい。加えて、表示又は説明された相互連結又は直接的連結又は通信接続は、いくつかのインタフェースを通じて実装されてよい。装置間又はユニット間の間接的結合又は通信接続は、電子的、機械的又は他の形態で実装され得る。
【0135】
別個の部品として説明されたユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示された部品は、物理ユニットであってもなくてもよく、1つの位置に位置してもよく、又は、複数のネットワークユニット上に分散されていてもよい。一部又は全部のユニットは、実施形態における解決手段の目的を実現するべく、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0136】
加えて、本願の実施形態での機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得るか、又は各ユニットが物理的に単独で存在し得るか、又は2つ又はそれより多くのユニットが1つのユニットに統合される。
【0137】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は使用されるとき、機能はコンピュータ可読記憶媒体内に記憶され得る。この理解に基づいて、本願の技術的解決手段は本質的に、又は従来技術に寄与する部分、又は技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されており、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスであり得る)に、本願の実施形態において説明された方法の段階の全部又は一部を実行するように命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ(read-only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる任意の媒体を含む。
【0138】
前述の説明は、本願の特定の実装形態に過ぎず、本願の保護範囲を限定することが意図されるものではない。本願において開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到するあらゆる変形又は置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御方法であって、
ターゲットオブジェクトにより反射された第1エコー信号を受信するように受信光学系を制御する段階;及び
第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する段階
を備え、ここで
前記第1画素構成において、前記検出器の異なる領域は異なる画素構成を有する、及び/又は、前記検出器は、異なる期間において異なる画素構成を有する、方法。
【請求項2】
前記第1エコー信号は、線形スポット又は互い違いのスポットとして提示され、前記互い違いのスポットは、前記検出器の水平方向及び/又は垂直方向において互い違いに配置されたスポットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器におけるライダの中心視野領域に対応する領域及び非中心視野領域に対応する領域であり、前記中心視野領域は、前記ライダの前方における予め設定された角度範囲内の領域である、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記非中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少ない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された領域、及び、前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の領域であり;
第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する前記段階の前に、前記方法はさらに:
第2画素構成を使用することによって第2エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階
を備え、ここで
前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数より少なく、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数に等しい、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2における全ての画素に対応するセルの数は同じであり、前記画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び前記画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、前記検出器
の水平方向及び/又
は垂直方向において互い違いに配置されており、互い違いの距離は、1つの画素に対応するセル距離より短い、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2において作動状態にあるセルは同じであり、前記画素構成1における各画素に対応するセルの数は、前記画素構成2における各画素に対応するセルの数より多い、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器上の、前記第1エコー信号が集束される領域における異なるサブ領域であるか;又は
前記異なる期間は、以下の期間、すなわち:
前記ターゲットオブジェクトの同じ領域の検出を介して返された異なる第1エコー信号に対応する期間;
前記ターゲットオブジェクトの異なる領域の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間;又は
ターゲットオブジェクト全体の異なる回の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間
のいずれか1つである、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法はさらに:
アップグレード命令を受信する段階、ここで、前記アップグレード命令は、第3画素構成を含む;及び
前記第3画素構成を使用することによって第3エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階
を備える、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
制御装置、受信光学系及び検出器を備えるライダであって、ここで
前記制御装置は、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御方法を実行するように構成されており;
前記受信光学系は、エコー信号を受信するように構成されており;
前記検出器は、前記エコー信号を電気信号に変換するように構成されている、ライダ。
【請求項11】
送信機及び送信光学系をさらに備え、
前記送信機は、前記制御装置の制御下で検出信号を発するように構成されており;
前記送信光学系は、前記検出信号を送信するように構成されている、請求項10に記載のライダ。
【請求項12】
前記検出器は、単一光子アバランシェダイオードSPAD検出器アレイを有する、請求項1
0に記載のライダ。
【請求項13】
前記ライダはさらに、スキャン機構を備え、前記スキャン機構は、多面回転ミラー、振動鏡、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system,MEMS)、スキャンミラー、又はプリズムのうちの1又は複数を有する、請求項1
0に記載のライダ。
【請求項14】
処理モジュールをさらに備え、ここで、前記処理モジュールは、点群データを取得するべく、前記電気信号を処理するように構成されている、請求項1
0に記載のライダ。
【請求項15】
前記処理モジュールはさらに、前記点群データに基づいてターゲットフィーチャを決定するように構成されている、請求項14に記載のライダ。
【請求項16】
前記制御装置及び前記処理モジュールは、システムオンチップSОCに統合されている、請求項1
4に記載のライダ。
【請求項17】
請求項10から16のいずれか一項に記載のライダを備える、端末デバイス。
【請求項18】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されるとき、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
プロセッ
サに、請求項1から9のいずれか一項に記載の方
法を実行させるためのコンピュータプログラ
ム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0138】
前述の説明は、本願の特定の実装形態に過ぎず、本願の保護範囲を限定することが意図されるものではない。本願において開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到するあらゆる変形又は置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
[他の可能な項目]
[項目1]
制御方法であって、
ターゲットオブジェクトにより反射された第1エコー信号を受信するように受信光学系を制御する段階;及び
第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する段階
を備え、ここで
前記第1画素構成において、前記検出器の異なる領域は異なる画素構成を有する、及び/又は、前記検出器は、異なる期間において異なる画素構成を有する、方法。
[項目2]
前記第1エコー信号は、線形スポット又は互い違いのスポットとして提示され、前記互い違いのスポットは、前記検出器の水平方向及び/又は垂直方向において互い違いに配置されたスポットである、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器におけるライダの中心視野領域に対応する領域及び非中心視野領域に対応する領域であり、前記中心視野領域は、前記ライダの前方における予め設定された角度範囲内の領域である、項目1又は2に記載の方法。
[項目4]
前記中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記非中心視野領域に対応する画素構成における各画素に対応するセルの数より少ない、項目3に記載の方法。
[項目5]
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された領域、及び、前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の領域であり;
第1画素構成を使用することによって前記第1エコー信号を電気信号に変換するように検出器を制御する前記段階の前に、前記方法はさらに:
第2画素構成を使用することによって第2エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階
を備え、ここで
前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数より少なく、前記検出器内の前記ターゲットオブジェクトが提示された前記領域以外の前記領域では、前記第1画素構成における各画素に対応するセルの数は、前記第2画素構成における各画素に対応するセルの数に等しい、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2における全ての画素に対応するセルの数は同じであり、前記画素構成1において作動状態にあるセルを含む領域及び前記画素構成2において作動状態にあるセルを含む領域は、前記検出器の前記水平方向及び/又は前記垂直方向において互い違いに配置されており、互い違いの距離は、1つの画素に対応するセル距離より短い、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
前記異なる期間は、第1期間及び第2期間を含み、前記第1期間は画素構成1に対応しており、前記第2期間は画素構成2に対応しており、前記画素構成1及び前記画素構成2において作動状態にあるセルは同じであり、前記画素構成1における各画素に対応するセルの数は、前記画素構成2における各画素に対応するセルの数より多い、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記検出器の前記異なる領域は、前記検出器上の、前記第1エコー信号が集束される領域における異なるサブ領域であるか;又は
前記異なる期間は、以下の期間、すなわち:
前記ターゲットオブジェクトの同じ領域の検出を介して返された異なる第1エコー信号に対応する期間;
前記ターゲットオブジェクトの異なる領域の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間;又は
ターゲットオブジェクト全体の異なる回の検出を介して返された第1エコー信号に対応する期間
のいずれか1つである、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記方法はさらに:
アップグレード命令を受信する段階、ここで、前記アップグレード命令は、第3画素構成を含む;及び
前記第3画素構成を使用することによって第3エコー信号を電気信号に変換するように前記検出器を制御する段階
を備える、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
制御装置、受信光学系及び検出器を備えるライダであって、ここで
前記制御装置は、項目1から9のいずれか一項に記載の制御方法を実行するように構成されており;
前記受信光学系は、エコー信号を受信するように構成されており;
前記検出器は、前記エコー信号を電気信号に変換するように構成されている、ライダ。
[項目11]
送信機及び送信光学系をさらに備え、
前記送信機は、前記制御装置の制御下で検出信号を発するように構成されており;
前記送信光学系は、前記検出信号を送信するように構成されている、項目10に記載のライダ。
[項目12]
前記検出器は、単一光子アバランシェダイオードSPAD検出器アレイを有する、項目10又は11に記載のライダ。
[項目13]
前記ライダはさらに、スキャン機構を備え、前記スキャン機構は、多面回転ミラー、振動鏡、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system,MEMS)、スキャンミラー、又はプリズムのうちの1又は複数を有する、項目10から12のいずれか一項に記載のライダ。
[項目14]
処理モジュールをさらに備え、ここで、前記処理モジュールは、点群データを取得するべく、前記電気信号を処理するように構成されている、項目10から13のいずれか一項に記載のライダ。
[項目15]
前記処理モジュールはさらに、前記点群データに基づいてターゲットフィーチャを決定するように構成されている、項目14に記載のライダ。
[項目16]
前記制御装置及び前記処理モジュールは、システムオンチップSОCに統合されている、項目14又は15に記載のライダ。
[項目17]
項目10から16のいずれか一項に記載のライダを備える、端末デバイス。
[項目18]
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されるとき、項目1から9のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
[項目19]
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されるとき、項目1から9のいずれか一項に記載の方法が実装される、コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】