(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】無線周波数イオン化装置、無線周波数中和器及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H01J 27/16 20060101AFI20250121BHJP
H01J 37/08 20060101ALI20250121BHJP
H01J 37/065 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
H01J27/16
H01J37/08
H01J37/065
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540040
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022116637
(87)【国際公開番号】W WO2023124182
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111670950.1
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524247488
【氏名又は名称】中山市博頓光電科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】524247499
【氏名又は名称】佛山市博頓光電科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】劉 偉基
(72)【発明者】
【氏名】呉 秋生
(72)【発明者】
【氏名】冀 鳴
(72)【発明者】
【氏名】趙 剛
(72)【発明者】
【氏名】易 洪波
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101DD03
5C101DD09
5C101DD11
5C101DD17
5C101DD20
5C101DD23
5C101DD25
5C101DD26
5C101DD30
5C101DD38
(57)【要約】
本発明は無線周波数イオン化装置、無線周波数中和器及びその制御方法に関し、前記無線周波数イオン化装置は、無線周波数中和器に適用され、イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続される。上記技術案によれば、イオン化室の側壁に螺旋状通路を内蔵することにより、無線周波数コイルが螺旋状通路内にしっかりと固定されるため、無線周波数の使用効率がより高く、酸化の可能性を低減し、無線周波数中和器の効果を向上させる。また、無線周波数中和器の制御方法により、無線周波数中和器の起動及び調整プロセスの操作の複雑さを低減し、無線周波数中和器の制御効率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数中和器に適用される無線周波数イオン化装置であって、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続される、
ことを特徴とする無線周波数イオン化装置。
【請求項2】
前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項3】
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の排気管はイオン化室のガス注入孔に接続され、
前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、前記第1の金属部材は前記無線周波数中和器のエミッタとして機能する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項4】
無線周波数中和器に適用される無線周波数イオン化装置であって、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続される、
ことを特徴とする無線周波数イオン化装置。
【請求項5】
前記溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、無線周波数コイルが外部から隔離されるように一体化される、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項6】
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の排気管はイオン化室のガス注入孔に接続され、
前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、前記第1の金属部材は前記無線周波数中和器のエミッタとして機能する、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項7】
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含む無線周波数中和器であって、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器。
【請求項8】
前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線周波数中和器。
【請求項9】
前記ハウジングと一体的に設けられた無線周波数アダプタをさらに含み、
前記無線周波数アダプタには、ガス隔離アセンブリに接続するための、密閉されたガス供給ポート、無線周波数電源に接続するための、密閉された無線周波数フィードポート、及び無線周波数コントローラに接続するための、密閉された制御ポートが設けられ、前記無線周波数フィードポートは、無線周波数線を介して無線周波数コイルに接続される、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線周波数中和器。
【請求項10】
前記無線周波数中和器のハウジングは、真空フランジを介して真空チャンバの壁に密閉接続され、前記ハウジングは真空チャンバ内に設けられ、前記無線周波数アダプタは真空チャンバ外に設けられ、前記真空フランジに冷却水路が内蔵される、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線周波数中和器。
【請求項11】
無線周波数アダプタと、無線周波数フィードアセンブリと、支持構造と、をさらに含み、
前記無線周波数中和器のハウジングは、前記支持構造を介して真空チャンバに接続され、
前記無線周波数フィードアセンブリは、真空チャンバの壁に設けられ、無線周波数を真空チャンバ内にフィードするために、無線周波数線を介して前記無線周波数コイルに接続され、
前記無線周波数アダプタには、無線周波数電源とマッチングネットワークとを接続するための無線周波数フィードポートが設けられ、
前記支持構造は、支持ロッドと活性カップリングとを含み、前記支持ロッドは、前記活性カップリングを介して無線周波数中和器のハウジングの底部に接続され、前記活性カップリングは、方向を調整するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線周波数中和器。
【請求項12】
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含む無線周波数中和器であって、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器。
【請求項13】
前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線周波数中和器。
【請求項14】
前記ハウジングと一体的に設けられた無線周波数アダプタをさらに含み、
前記無線周波数アダプタには、ガス隔離アセンブリに接続するための、密閉されたガス供給ポート、無線周波数電源に接続するための、密閉された無線周波数フィードポート、及び無線周波数コントローラに接続するための、密閉された制御ポートが設けられ、前記無線周波数フィードポートは、無線周波数線を介して無線周波数コイルに接続される、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線周波数中和器。
【請求項15】
前記無線周波数中和器のハウジングは、真空フランジを介して真空チャンバの壁に密閉接続され、前記ハウジングは真空チャンバ内に設けられ、前記無線周波数アダプタは真空チャンバ外に設けられ、前記真空フランジに冷却水路が内蔵される、
ことを特徴とする請求項14に記載の無線周波数中和器。
【請求項16】
無線周波数アダプタと、無線周波数フィードアセンブリと、支持構造と、をさらに含み、
前記無線周波数中和器のハウジングは、前記支持構造を介して真空チャンバに接続され、
前記無線周波数フィードアセンブリは、真空チャンバの壁に設けられ、無線周波数を真空チャンバ内にフィードするために、無線周波数線を介して前記無線周波数コイルに接続され、
前記無線周波数アダプタには、無線周波数電源とマッチングネットワークとを接続するための無線周波数フィードポートが設けられ、
前記支持構造は、支持ロッドと活性カップリングとを含み、前記支持ロッドは、前記活性カップリングを介して無線周波数中和器のハウジングの底部に接続され、前記活性カップリングは、方向を調整するために用いられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線周波数中和器。
【請求項17】
無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
無線周波数コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器の制御方法。
【請求項18】
無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
無線周波数コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン源デバイスの技術分野に関し、特に無線周波数イオン化装置、無線周波数中和器及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(radio frequency)中和器は、主に無線周波数方式によりガスをイオン化させ、電界により電子を分離することで、イオン源に中和電子を提供することができるものであり、実際の用途で安定した効果を有する。無線周波数中和器は、その安定した特性により、2A以下の中和環境での使用に適している。
【0003】
従来の無線周波数中和器は、通常、ハウジング、イオン化室、正イオンコレクタ、無線周波数コイル及び維持極などの構造を含み、その基本原理は、イオン化室に作動ガスを送り込み、無線周波数コイルによるイオン化でプラズマを生成し、正イオンコレクタがプラズマ内の正イオンを吸収し、プラズマ内の電子は、維持極の作用下でイオン化室の電子出力ポートから連続的に外部へ導かれて出力されることである。
【0004】
本発明の発明者は、実際に使用してみたところ、無線周波数コイルは高温による変形や酸化による汚染などを受けやすく、メンテナンス周期が短く、イオン化室への無線周波数コイルの導入効率が低いことを見出した。現在、上記問題を解決する一つの方法は、イオン化室にネジ溝を設け、外側のカバーを追加することであるが、安定性に関してはまだ改善の余地がある。さらに、無線周波数中和器全体の構造が複雑となり、無線周波数中和器の効果に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
したがって、上記技術的欠陥の1つに鑑み、無線周波数中和器の効果を向上させる無線周波数イオン化装置及び無線周波数中和器を提供する必要がある。
【0006】
無線周波数中和器に適用される無線周波数イオン化装置であって、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続される、
無線周波数イオン化装置。
【0007】
一実施例において、前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される。
【0008】
無線周波数中和器に適用される無線周波数イオン化装置であって、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続される、
無線周波数イオン化装置。
【0009】
一実施例において、前記溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、無線周波数コイルが外部から隔離されるように一体化される。
【0010】
一実施例において、前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の排気管はイオン化室のガス注入孔に接続され、
前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、前記第1の金属部材は前記無線周波数中和器のエミッタとして機能する。
【0011】
上記の無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含む無線周波数中和器であって、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
無線周波数中和器。
【0012】
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含む無線周波数中和器であって、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
無線周波数中和器。
【0013】
一実施例において、前記無線周波数中和器は、前記ハウジングと一体的に設けられた無線周波数アダプタをさらに含み、
前記無線周波数アダプタには、ガス隔離アセンブリに接続するための、密閉されたガス供給ポート、無線周波数電源に接続するための、密閉された無線周波数フィードポート、及び無線周波数コントローラに接続するための、密閉された制御ポートが設けられ、前記無線周波数フィードポートは、無線周波数線を介して無線周波数コイルに接続される。
【0014】
一実施例において、前記無線周波数中和器のハウジングは、真空フランジを介して真空チャンバの壁に密閉接続され、前記ハウジングは真空チャンバ内に設けられ、前記無線周波数アダプタは真空チャンバ外に設けられ、前記真空フランジに冷却水路が内蔵される。
【0015】
一実施例において、前記無線周波数中和器は、無線周波数アダプタと、無線周波数フィードアセンブリと、支持構造と、をさらに含み、
前記無線周波数中和器のハウジングは、前記支持構造を介して真空チャンバに接続され、
前記無線周波数フィードアセンブリは、真空チャンバの壁に設けられ、無線周波数を真空チャンバ内にフィードするために、無線周波数線を介して前記無線周波数コイルに接続され、
前記無線周波数アダプタには、無線周波数電源とマッチングネットワークとを接続するための無線周波数フィードポートが設けられる。
【0016】
一実施例において、前記支持構造は、支持ロッドと活性カップリングとを含み、前記支持ロッドは、前記活性カップリングを介して無線周波数中和器のハウジングの底部に接続され、前記活性カップリングは、方向を調整するために用いられる。
【0017】
上記無線周波数イオン化装置及び無線周波数中和器は、イオン化室の側壁に螺旋状通路を内蔵することにより、無線周波数コイルが螺旋状通路内にしっかりと固定されるため、高温による変形で位置が不安定になって無線周波数の導入に影響を与えることを避けることができ、無線周波数コイルがイオン化室により近いため、無線周波数の使用効率がより高い。さらに、両端の接続口の位置での密閉処理により、無線周波数コイルと大気との接触を避け、酸化の可能性を低減し、無線周波数中和器の効果を向上させる。
【0018】
無線周波数コイルをイオン化室の外壁にろう付けし、さらに無線周波数コイルの外周に絶縁グロメットをろう付けし、ろう付け方式により無線周波数コイルをより安定させ、熱による無線周波数コイルの変形による無線周波数の不安定を避けることができる。また、溶接されたイオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、無線周波数コイルが外部から隔離されるように一体化されるため、無線周波数コイルと外部の気体との反応や汚染を避け、無線周波数中和器の効果を向上させる。
【0019】
さらに、ガス注入絶縁部をイオン化室の底部に接続し、その第1の金属部材をエミッタとして利用することにより、エミッタアセンブリを減少させ、イオン化装置全体のデバイス構造を簡略化し、無線周波数中和器の効果を向上させる。
【0020】
本発明は、無線周波数中和器の制御効率を向上させる無線周波数中和器の制御方法をさらに提供する。
【0021】
上記の無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
無線周波数コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
無線周波数中和器の制御方法。
【0022】
無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
無線周波数コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
無線周波数中和器の制御方法。
【0023】
上記の無線周波数中和器の制御方法では、無線周波数イオン源の動作過程において、無線周波数コントローラ及び中和器コントローラにより、無線周波数中和器が無線周波数イオン源に従って起動し、負荷の変化に従って変化することを実現することができ、別途に設定する必要がなく、プロセス全体の自動起動、及び無線周波数イオン源との連携制御により、無線周波数中和器の起動及び調整プロセスの操作の複雑さを低減し、無線周波数中和器の制御効率を向上させる。
【0024】
本発明の追加の態様及び利点は、以下の説明において部分的に示され、これらは、以下の説明から明らかになり、又は本発明の実施によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで開示された発明の実施例及び/又は例をよりよく記述し、説明するために、添付の図面の1つ又は複数を参照することができる。添付の図面を説明するための追加の詳細又は例は、開示された発明、現在説明されている実施例及び/又は例、及び現在理解されているこれらの発明の最適な形態のいずれかの範囲を限定するものではない。
【
図1】一実施例による無線周波数中和器の断面の概略図である。
【
図2】一実施例による無線周波数イオン化装置の断面の概略図である。
【
図3】一実施例によるガス注入絶縁部の取り付けの概略図である。
【
図4】一実施例によるガス注入絶縁部の構造の概略図である。
【
図5】別の実施例による無線周波数イオン化装置の断面の概略図である。
【
図6】一実施例による無線周波数中和器の立体構造の概略図である。
【
図7】一実施例による無線周波数中和器の取り付け構造の概略図である。
【
図8】別の実施例による無線周波数中和器の立体構造及び取り付けの概略図である。
【
図9】一実施例による無線周波数中和器の電気構造の概略図である。
【
図10】一実施例による無線周波数中和器が適用されるハードウェア環境の概略図である。
【
図11】一実施例による無線周波数中和器の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確かつ理解しやすくするために、以下、添付の図面及び実施例と併せて本発明をさらに詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0027】
本発明の実施例の用語「含む」及び他のいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、列挙されたステップ又はモジュールに限定されず、オプションとして、列挙されていないステップ又はモジュールをさらに含み、又は、オプションとして、これらのプロセス、方法、製品、又はデバイスに固有の他のステップ又はモジュールをさらに含む。
【0028】
図1を参照し、
図1は、一実施例による無線周波数中和器の断面の概略図であり、無線周波数中和器の構造の一部も図に示されている。無線周波数イオン化装置の部分は、イオン化室10と無線周波数コイル20(
図2~3に参照)とを含み、イオン化室10の側壁に螺旋状通路10aが内蔵され、無線周波数コイル20は螺旋状の設計であり、その構造は螺旋状通路10aの構造と一致し、無線周波数コイル20は、螺旋によってイオン化室10の一端から螺旋状通路10aに取り付けられ、無線周波数コイル20の両端は無線周波数線に接続される。
【0029】
図2に示すように、
図2は一実施例による無線周波数イオン化装置の断面の概略図であり、イオン化室10が形成される際に、イオン化室10の側壁内に螺旋状通路10aが設けられ、無線周波数コイル20の螺旋状構造は螺旋状通路10aの構造と一致し、これにより、取り付けの際には、無線周波数コイル20は、螺旋によってイオン化室10の一端から螺旋状通路10aに取り付けられ、無線周波数コイル20の両端は無線周波数線に接続され、好ましくは、さらにイオン化室10の螺旋状通路10aを両端の接続口の位置(
図3の破線枠)で密閉し、螺旋状通路10a内の無線周波数コイル20が外部から隔離されるようにする。
【0030】
上記構造の無線周波数イオン化装置によれば、無線周波数コイル20が螺旋状通路10a内にしっかりと固定されるため、高温による変形で位置が不安定になって無線周波数の導入に影響を与えることを避けることができるとともに、両端の接続口の位置での密閉処理により、無線周波数コイル20と大気との接触を避け、酸化の可能性を低減し、メンテナンス周期をより長くすることができ、上記設計に基づく無線周波数コイル20がイオン化室10により近いため、イオン化室10に導入される無線周波数の使用効率がより高く、無線周波数中和全体の構造の複雑さも低減し、無線周波数中和器の効果を向上させる。
【0031】
一実施例において、
図3に示すように、
図3は一実施例によるガス注入絶縁部の取り付けの概略図であり、
図1の構造と組み合わせて、イオン化室10の底部はガス注入絶縁部30に接続され、ガス注入絶縁部30の排気管35はイオン化室10のガス注入孔に接続され、作動ガスを導入し、絶縁隔離するために用いられる。本発明の無線周波数イオン化装置において、ガス注入絶縁部30の第1の金属部材31がイオン化室10の底部に密着するとともに、ガス注入絶縁部30の第1の金属部材31はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材32は接地され、これにより、第1の金属部材31は無線周波数中和器のエミッタとして機能する。
【0032】
ガス注入絶縁部30の構造について、
図4に示すように、
図4は一実施例によるガス注入絶縁部の構造の概略図であり、主に第1の金属部材31、絶縁セラミック部材33、ガス分流絶縁部材34及び第2の金属部材32などを含み、上下にそれぞれ排気管35及び吸気管36が接続され、排気管35は、イオン化室10のガス注入孔に挿入される。
【0033】
上記構造の無線周波数イオン化装置によれば、ガス注入絶縁部30をイオン化室10の底部に密着させ、その第1の金属部材31をエミッタとして利用することにより、イオン化装置にエミッタアセンブリを別途設ける必要がなく、イオン化装置全体のデバイス構造を大幅に簡略化し、デバイスの体積を減少させ、デバイスをよりコンパクトにし、無線周波数中和器の効果を向上させることができる。
【0034】
図5を参照し、
図5は、別の実施例による無線周波数イオン化装置の断面の概略図であり、本実施例において、無線周波数イオン化装置は、イオン化室10と、無線周波数コイル20と、絶縁グロメット40とを含み、無線周波数コイル20は螺旋状の設計であり、イオン化室10の外部に設けられ、無線周波数コイル20は、ろう付けによってイオン化室10の外部に溶接され、絶縁グロメット40は、ろう付けによって無線周波数コイル20の外側に溶接され、溶接されたイオン化室10の外壁、無線周波数コイル20及び絶縁グロメット40の内壁が、固定接続される。さらに、溶接されたイオン化室10の外壁、無線周波数コイル20及び絶縁グロメット40の内壁が、無線周波数コイル20が外部から隔離されるように一体化される。
【0035】
上記実施例の技術案のように、無線周波数コイル20をイオン化室10の外壁にろう付けし、さらに無線周波数コイル20の外周に絶縁グロメット40をろう付けし、ろう付け方式により無線周波数コイル20をより安定させ、熱による無線周波数コイル20の変形による無線周波数の不安定を避けることができる。また、溶接されたイオン化室10の外壁、無線周波数コイル20及び絶縁グロメット40の内壁が、無線周波数コイル20が外部から隔離されるように一体化されるため、無線周波数コイル20と外部の気体との反応や汚染を避け、無線周波数中和器の効果を向上させる。
【0036】
一実施例において、
図3に示すように、イオン化室10の底部はガス注入絶縁部30に接続され、ガス注入絶縁部30の第1の金属部材31はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材32は接地され、第1の金属部材31は無線周波数中和器のエミッタとして機能する。本実施例の技術案について、上記の説明と一致するため、ここでは説明を省略する。
【0037】
以下、無線周波数中和器の実施例を説明する。
【0038】
図1~
図5に示すように、本発明の無線周波数中和器は、上記実施例の無線周波数イオン化装置と、ハウジング13と、維持極11とを含み、維持極11はイオン化室10の前端に設けられる。
【0039】
動作中に、無線周波数イオン化装置のイオン化室10に作動ガスが送り込まれると、作動ガスは、ガス注入絶縁部30の第1の金属部材31及び第2の金属部材32の電界の作用下で絶縁隔離され、前記作動ガスは、無線周波数コイル20によってイオン化され、プラズマが生成され、プラズマ内の電子は、第1の金属部材31の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、維持極11の作用下でイオン化室10の電子出力ポートから外部へ導かれる。
【0040】
上記実施例の無線周波数中和器のように、直接にイオン化室10の側壁内に螺旋状通路10aを設けることにより、無線周波数コイル20が螺旋状通路10a内にしっかりと固定されるため、高温による変形で位置が不安定になって無線周波数の導入に影響を与えることを避けることができ、無線周波数の使用効率がより高く、全体構造の複雑さが低い。ろう付け方式により無線周波数コイル20をより安定させ、無線周波数の不安定を避け、無線周波数中和器の効果を向上させることができる。また、ガス注入絶縁部30の第1の金属部材31をエミッタとして利用することにより、エミッタアセンブリを別途設ける必要がなく、デバイス全体の構造を簡略化し、無線周波数中和器の効果をさらに向上させる。
【0041】
上記実施例の無線周波数中和器に基づき、以下、その構造及び取り付けについてより多くの実施例を提供する。
【0042】
一実施例において、
図6に示すように、
図6は一実施例による無線周波数中和器の立体構造の概略図であり、本発明の無線周波数中和器は、ハウジング13と一体的に設けられた無線周波数アダプタ50をさらに含み、無線周波数アダプタ50には、ガス隔離アセンブリに接続するための、密閉されたガス供給ポート54、無線周波数電源に接続するための、密閉された無線周波数フィードポート52、及び無線周波数コントローラに接続するための、密閉された制御ポート55が設けられ、無線周波数フィードポート52は、無線周波数線を介して無線周波数コイル20に接続される。
【0043】
図7に示すように、
図7は一実施例による無線周波数中和器の取り付け構造の概略図であり、無線周波数中和器のハウジング13は、真空フランジ53を介して真空チャンバ100の壁に密閉接続され、ハウジング13は真空チャンバ100内に設けられ、無線周波数アダプタ50は真空チャンバ100外に設けられ、真空フランジ53に冷却水路56が内蔵される。
【0044】
上記実施例の無線周波数中和器及びその取り付け方式のように、一体化された設計構造を採用することにより、取り付け用の接続部として、標準のISOのフランジ(ISO100以上)を採用してもよく、一定の直径(76mm以上)の非標準又は他の標準のフランジを採用してもよく、該構造の無線周波数中和器の取り付け方式は様々であり、現在市販されているほとんど(90%以上)の真空コーティング機の取り付けに対応している。
【0045】
一実施例において、
図8に示すように、
図8は、別の実施例による無線周波数中和器の立体構造及び取り付けの概略図であり、本発明の無線周波数中和器は、無線周波数アダプタ50と、無線周波数フィードアセンブリ57と、支持構造58とをさらに含み、無線周波数中和器のハウジング13は、支持構造58を介して真空チャンバ100に接続され、無線周波数フィードアセンブリ57は、真空チャンバ100の壁に設けられ、無線周波数を真空チャンバ100内にフィードするために、無線周波数線を介して無線周波数コイル20に接続され、無線周波数アダプタ50には、無線周波数電源とマッチングネットワークとを接続するための無線周波数フィードポート52が設けられる。好ましくは、支持構造58は、支持ロッド58aと活性カップリング58bとを含み、支持ロッド58aは、活性カップリング58bを介して無線周波数中和器のハウジング13の底部に接続され、活性カップリング58bは、方向を調整するために用いられる。
【0046】
上記実施例において、ガス供給管は、真空フィードコネクタを介して真空チャンバ100内に入ることができ、該真空フィードコネクタは、エミッタへの給電及び維持極11への給電に接続するためにも用いられる。無線周波数アダプタ50内に真空電極及び無線周波数フィードポート52が設けられ、無線周波数線を介して無線周波数アダプタ50の無線周波数フィードポート52とマッチングネットワークとを接続することにより、無線周波数中和器の無線周波数コイル20に無線周波数を提供することを実現する。
【0047】
上記実施例の無線周波数中和器及びその取り付け方式のように、無線周波数フィードアセンブリ接続による内部取り付け方式を採用し、取り付け用の接続部は一定の直径(通常25mm以上)の貫通穴であれば取り付けることができ、該取り付け方式の設計はより柔軟であり、真空チャンバのスペースに対する要求がより低く、適用範囲が広い。また、支持ロッドを無線周波数中和器に接続するために活性カップリングの方式を採用することにより、取り付け高さを柔軟に調整することを実現し、発射角度も垂直、任意の角度又は平行などを選択することができ、多くのシナリオに適用でき、顧客の実際の現場での使用ニーズをよりよく満たすことができる。
【0048】
一実施例において、通信回線と無線周波数線との距離を減少させ、無線周波数が干渉を受けることを避け、デバイスコストを低減するために、本発明の無線周波数中和器の技術案は、各デバイス部品を集積することも可能である。
図9に示すように、
図9は、一実施例による無線周波数中和器の電気構造の概略図であり、図に示すように、無線周波数中和器の電気構造は、中和器コントローラ、直流電源モジュール、無線周波数電源及びマッチングネットワークを含む。
【0049】
無線周波数電源はマッチングネットワークを介して無線周波数中和器の無線周波数コイルに接続され、直流電源モジュール及び無線周波数電源はそれぞれ無線周波数コントローラに接続され、中和器コントローラ、直流電源モジュール、無線周波数電源及びマッチングネットワークは4Uシャーシに内蔵される。
【0050】
さらに、4Uシャーシには、給電ポート、少なくとも1つの無線周波数コイルポート、少なくとも1つの直流電源制御ポート、通信ポート及び少なくとも1つのガス制御ポートが設けられ、給電ポートは、外部電源及びシャーシ内の無線周波数電源、マッチングネットワーク、直流電源モジュールに接続され、無線周波数コイルポートは、無線周波数中和器の無線周波数コイル及びシャーシ内のマッチングネットワークに接続され、直流電源制御ポートは、無線周波数中和器のエミッタ、維持極、及びシャーシ内の直流電源モジュールに接続され、通信ポートは、無線周波数コントローラ及びシャーシ内の中和器コントローラに接続され、ガス制御ポートは、無線周波数中和器のガス供給管における流量計及びシャーシ内の中和器コントローラに接続される。
【0051】
上記実施例の技術案は、4Uシャーシを利用して最適化設計を行って各デバイス構造を取り付け、複数のデバイス構造を1つの標準の4Uシャーシ内に集積し、複数の筐体及び筐体間の導電や通信にかかるデバイスコストを節約し、ワイヤーが長いこと及びワイヤーコストが高いことの欠陥を解決するだけでなく、デバイス構造の取り付けスペースを大幅に減少させ、デバイスの取り付けを容易にし、製品の品質を全体的に向上させる。
【0052】
以下、無線周波数中和器の制御方法の実施例を説明する。
【0053】
本発明の無線周波数中和器の制御方法は、上記実施例のいずれかの無線周波数中和器の中和器コントローラに適用され得る。
図10を参照し、
図10は、一実施例による無線周波数中和器が適用されるハードウェア環境の概略図であり、図に示すように、該適用されるハードウェア環境は、無線周波数イオン源と、無線周波数イオン源と組み合わせて使用される少なくとも1つの無線周波数中和器とを含み、
図10において、2つの無線周波数中和器の例が示されており、無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続される。
【0054】
動作中に、無線周波数コントローラは、無線周波数イオン源の起動及び持続動作を制御し、中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信するために用いられる。中和器コントローラは、制御パラメータに基づいて無線周波数中和器の起動及び持続動作を制御するために用いられる。
【0055】
図11を参照し、
図11は、一実施例による無線周波数中和器の制御方法のフローチャートであり、該方法は、動作中の無線周波数中和器の制御方法であり、以下を含んでもよい。
【0056】
S11において、無線周波数コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信する。
【0057】
図10に示すように、無線周波数イオン源の動作過程において、無線周波数コントローラが無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを取得することができ、図に示すように、2つの無線周波数中和器は、異なる方向から無線周波数イオン源に中和電子を提供することができる。
【0058】
通信回線に基づいて、無線周波数イオン源の無線周波数コントローラは無線周波数イオン源の動作中の制御パラメータをリアルタイムで中和器コントローラに送信することができる。
【0059】
S12において、中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算する。
【0060】
無線周波数制御パラメータは、無線周波数源スクリーングリッド(screen grid)電流などの関連パラメータを含み、例えば、カソード中和器のエミッタ電流は、常に無線周波数イオン源のスクリーングリッド電流以上であることを確保する必要があるため、中和器コントローラは、無線周波数イオン源の無線周波数源スクリーングリッド電流に基づいて各無線周波数中和器に割り当てるエミッタ電流を計算してもよい。
【0061】
S13において、中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御する。
【0062】
具体的に、中和器コントローラは、割り当てるエミッタ電流に基づいて、マッチングするエミッタ電流を無線周波数中和器に出力するように2つの直流電源モジュールをそれぞれ制御し、無線周波数中和器が無線周波数イオン源に従って動作するようにする。
【0063】
上記実施例の技術案に基づいて、カソード中和器のエミッタ電流及び無線周波数イオン源のスクリーングリッド電流を例として、無線周波数イオン源は2つの無線周波数中和器、即ち第1の無線周波数中和器及び第2の無線周波数中和器と組み合わせて使用され、第1の無線周波数中和器の電流がI1、第2の無線周波数中和器の電流がI2、無線周波数イオン源のスクリーングリッド電流をIとすると、常にI1+I2≧Iを確保する必要があるため、動作過程において、中和器コントローラは、リアルタイムで受信した無線周波数イオン源のスクリーングリッド電流I、及び検出された無線周波数イオン源の各無線周波数中和器にそれぞれ必要な電子数に基づいて、電流I1及び電流I2をリアルタイムで計算し、電流I1及び電流I2について、それぞれの比率を予め設定してもよく、例えば、I1:I2=1:1に設定してもよく、I1:I2=4:1などの任意の比率パラメータに設定してもよく、実際のニーズに応じて設定してもよく、上記技術案は無線周波数中和器の自動追従調整を実現し、設定操作を必要としないため、制御効率及び制御精度を大幅に向上させる。
【0064】
上記実施例の技術案では、無線周波数イオン源の動作過程において、無線周波数コントローラ及び中和器コントローラにより、無線周波数中和器が無線周波数イオン源に従って起動し、負荷の変化に従って変化することを実現することができ、別途に設定する必要がなく、プロセス全体の自動起動、及び無線周波数イオン源との連携制御により、起動及び調整プロセスの操作の複雑さを低減し、無線周波数中和器の制御効率を向上させる。
【0065】
また、イオンの中和が不十分な場合について、無線周波数イオン源の周りに複数の無線周波数中和器を取り付けて同時に動作させてもよく、カソードが無線周波数イオン源により均一な中和電子を提供することを保証することができ、また、動作中に無線周波数イオン源の各方向に必要な電子数をリアルタイムで検出し、各無線周波数中和器によって提供される電子数を自動的に調整することにより、イオン中和効果を大幅に向上させ、真空コーティング効果を向上させる。
【0066】
一実施例において、無線周波数中和器の起動プロセスについて、具体的に以下のステップを含んでもよい。
【0067】
s1において、中和器コントローラにより、無線周波数中和器の起動パラメータを設定する。
【0068】
具体的に、中和器コントローラの操作ページにおいて無線周波数中和器の起動パラメータを設定してもよく、起動パラメータは、エミッタ電圧及び電流、維持極電圧、ガス流量パラメータなどを含む。
【0069】
s2において、中和器コントローラが、無線周波数コントローラによって送信されたワンタッチ起動制御命令を受信し、作動ガスを送り込む。
【0070】
具体的に、ワンタッチ起動機能を設定してもよく、ユーザは、無線周波数コントローラによりワンタッチ起動操作を行うことができ、無線周波数コントローラは、ユーザのワンタッチ起動操作に応答して、ワンタッチ起動制御命令を中和器コントローラに出力し、中和器コントローラは、無線周波数中和器のガス供給管におけるガス流量計のスイッチ及び流量を制御することにより、作動ガスがガス注入絶縁部に入り、分流された後、イオン化室に入る。設定された作動ガスをガス注入絶縁部に送って絶縁隔離させ、作動ガスは、ガス注入絶縁部のガス分流絶縁部材の作用下で、ゆっくりとガス管を通ってイオン化室に入ってイオン化され、作動ガスが十分にイオン化されることを保証する。
【0071】
s3において、中和器コントローラが、無線周波数電源を起動し、無線周波数パワーを無線周波数中和器の無線周波数コイルに出力する。
【0072】
起動時に、無線周波数パワーが比較的大きく、パワーが120W~150Wの間であり、パワーが高いと電気アークが生じやすく、起動に役立つ。
【0073】
s4において、中和器コントローラが、直流電源を起動して、電子ビームが引き出されるまで、無線周波数中和器の維持極及びエミッタに電圧を供給する。
【0074】
具体的に、無線周波数パワーが所定値に達した後、第1の直流電源によって無線周波数中和器の維持極及びエミッタに一定の電圧を供給し、無線周波数のエネルギーの作用下でイオン化室内にかすかな輝き(glow)が発生し、電子ビームが引き出される前に、中和器コントローラによってスイッチを切り替え続けるようにリレーを制御し、エミッタの電圧があったりなかったりし、高圧と低圧が交互に切り替わるようにするとともに、維持極が常に一定の電圧を維持するように制御し、電子がイオン化室から引き出されて電子ビームが形成されると、無線周波数中和器の起動が成功する。
【0075】
s5において、中和器コントローラが、直流電源が無線周波数中和器の維持極及びエミッタに設定パラメータの電圧を出力するように制御する。
【0076】
具体的に、無線周波数中和器の起動が成功した後、中和器コントローラは、切り替えを停止するようにリレーを制御し、エミッタを一定の小さい電圧に維持してイオン化室内の作動ガスのイオン化を維持し、無線周波数中和器の動作状態を維持する。
【0077】
上記実施例の技術案は、無線周波数中和器の起動過程において、無線周波数コントローラ及び中和器コントローラにより、無線周波数中和器が無線周波数イオン源に従って起動することを実現することができ、別途に設定する必要がなく、プロセス全体の自動起動により、起動の操作の複雑さを低減し、無線周波数中和器の制御効率を向上させる。複数の無線周波数中和器を採用する技術案において、各無線周波数中和器は、1つの共通の中和器コントローラに接続されてもよく、デバイスコストを低減するとともに、スペース占有を低減し、さらに、各無線周波数中和器の位置に基づいて電子ビームの出力状態を検出することもできるため、無線周波数イオン源の調整時に各無線周波数中和器の出力電子ビームの数を対応的に調整し、追従制御を実現する。
【0078】
上記実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明したものに過ぎず、その説明は、より具体的かつ詳細であるが、発明の範囲を限定するものとして理解されてはならない。なお、当業者であれば、本発明の思想を逸脱することなく、若干の変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数中和器に適用される無線周波数イオン化装置であって、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続される、
ことを特徴とする無線周波数イオン化装置。
【請求項2】
前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項3】
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の排気管はイオン化室のガス注入孔に接続され、
前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、前記第1の金属部材は前記無線周波数中和器のエミッタとして機能する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項4】
無線周波数中和器に適用される無線周波数イオン化装置であって、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続される、
ことを特徴とする無線周波数イオン化装置。
【請求項5】
前記溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、無線周波数コイルが外部から隔離されるように一体化される、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項6】
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の排気管はイオン化室のガス注入孔に接続され、
前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、前記第1の金属部材は前記無線周波数中和器のエミッタとして機能する、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線周波数イオン化装置。
【請求項7】
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含む無線周波数中和器であって、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器。
【請求項8】
前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線周波数中和器。
【請求項9】
前記ハウジングと一体的に設けられた無線周波数アダプタをさらに含み、
前記無線周波数アダプタには、ガス隔離アセンブリに接続するための、密閉されたガス供給ポート、無線周波数電源に接続するための、密閉された無線周波数フィードポート、及び無線周波数コントローラに接続するための、密閉された制御ポートが設けられ、前記無線周波数フィードポートは、無線周波数線を介して無線周波数コイルに接続される、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線周波数中和器。
【請求項10】
前記無線周波数中和器のハウジングは、真空フランジを介して真空チャンバの壁に密閉接続され、前記ハウジングは真空チャンバ内に設けられ、前記無線周波数アダプタは真空チャンバ外に設けられ、前記真空フランジに冷却水路が内蔵される、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線周波数中和器。
【請求項11】
無線周波数アダプタと、無線周波数フィードアセンブリと、支持構造と、をさらに含み、
前記無線周波数中和器のハウジングは、前記支持構造を介して真空チャンバに接続され、
前記無線周波数フィードアセンブリは、真空チャンバの壁に設けられ、無線周波数を真空チャンバ内にフィードするために、無線周波数線を介して前記無線周波数コイルに接続され、
前記無線周波数アダプタには、無線周波数電源とマッチングネットワークとを接続するための無線周波数フィードポートが設けられ、
前記支持構造は、支持ロッドと活性カップリングとを含み、前記支持ロッドは、前記活性カップリングを介して無線周波数中和器のハウジングの底部に接続され、前記活性カップリングは、方向を調整するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線周波数中和器。
【請求項12】
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含む無線周波数中和器であって、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器。
【請求項13】
前記イオン化室の螺旋状通路の両端の接続口が、前記螺旋状通路内の無線周波数コイルが外部から隔離されるように密閉される、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線周波数中和器。
【請求項14】
前記ハウジングと一体的に設けられた無線周波数アダプタをさらに含み、
前記無線周波数アダプタには、ガス隔離アセンブリに接続するための、密閉されたガス供給ポート、無線周波数電源に接続するための、密閉された無線周波数フィードポート、及び無線周波数コントローラに接続するための、密閉された制御ポートが設けられ、前記無線周波数フィードポートは、無線周波数線を介して無線周波数コイルに接続される、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線周波数中和器。
【請求項15】
前記無線周波数中和器のハウジングは、真空フランジを介して真空チャンバの壁に密閉接続され、前記ハウジングは真空チャンバ内に設けられ、前記無線周波数アダプタは真空チャンバ外に設けられ、前記真空フランジに冷却水路が内蔵される、
ことを特徴とする請求項14に記載の無線周波数中和器。
【請求項16】
無線周波数アダプタと、無線周波数フィードアセンブリと、支持構造と、をさらに含み、
前記無線周波数中和器のハウジングは、前記支持構造を介して真空チャンバに接続され、
前記無線周波数フィードアセンブリは、真空チャンバの壁に設けられ、無線周波数を真空チャンバ内にフィードするために、無線周波数線を介して前記無線周波数コイルに接続され、
前記無線周波数アダプタには、無線周波数電源とマッチングネットワークとを接続するための無線周波数フィードポートが設けられ、
前記支持構造は、支持ロッドと活性カップリングとを含み、前記支持ロッドは、前記活性カップリングを介して無線周波数中和器のハウジングの底部に接続され、前記活性カップリングは、方向を調整するために用いられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の無線周波数中和器。
【請求項17】
無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
中和器コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器の制御方法。
【請求項18】
無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
中和器コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記イオン化室の底部はガス注入絶縁部に接続され、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材はエミッタ電源に接続され、第2の金属部材は接地され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
ことを特徴とする無線周波数中和器の制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
上記の無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
中和器コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、を含み、
前記イオン化室の側壁に螺旋状通路が内蔵され、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、その構造は前記螺旋状通路の構造と一致し、
前記無線周波数コイルは、螺旋によって前記イオン化室の一端から前記螺旋状通路に取り付けられ、前記無線周波数コイルの両端は無線周波数線に接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
無線周波数中和器の制御方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
無線周波数中和器の中和器コントローラに適用される無線周波数中和器の制御方法であって、
中和器コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信するステップと、
中和器コントローラが、前記無線周波数制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器のカソード制御パラメータを計算するステップと、
中和器コントローラが、前記カソード制御パラメータに基づいて、対応する無線周波数中和器を制御するステップと、を含み、
前記無線周波数イオン源は前記無線周波数中和器と組み合わせて使用され、前記無線周波数イオン源の無線周波数コントローラと、前記無線周波数中和器の中和器コントローラとが通信回線を介して接続され、前記無線周波数コントローラは前記中和器コントローラに無線周波数イオン源の制御パラメータを送信し、
前記無線周波数中和器は、
無線周波数イオン化装置と、ハウジングと、維持極と、を含み、
前記無線周波数イオン化装置は、
イオン化室と、無線周波数コイルと、絶縁グロメットと、を含み、
前記無線周波数コイルは螺旋状の設計であり、前記イオン化室の外部に設けられ、
前記無線周波数コイルは、ろう付けによって前記イオン化室の外部に溶接され、前記絶縁グロメットは、ろう付けによって前記無線周波数コイルの外側に溶接され、溶接された前記イオン化室の外壁、無線周波数コイル及び絶縁グロメットの内壁が、固定接続され、
前記無線周波数イオン化装置のイオン化室に作動ガスが送り込まれると、前記作動ガスは、前記ガス注入絶縁部の第1の金属部材及び第2の金属部材の電界の作用下で絶縁隔離され、
前記作動ガスは、前記無線周波数コイルによってイオン化され、プラズマが生成され、
前記プラズマ内の電子は、前記第1の金属部材の電界の作用下で電子出力ポートの方向に移動し、前記維持極の作用下で前記イオン化室の電子出力ポートから外部へ導かれるように動作する、
無線周波数中和器の制御方法。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
S11において、中和器コントローラが、無線周波数コントローラによって送信される無線周波数イオン源の無線周波数制御パラメータを受信する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】