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▶ シュラピック, ケビン, ディー.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】パズルキット
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/12 20060101AFI20250121BHJP
   A63H 33/10 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
A63F9/12 B
A63H33/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541012
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 US2023060411
(87)【国際公開番号】W WO2023137279
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】63/298,722
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524208065
【氏名又は名称】シュラピック, ケビン, ディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】シュラピック, ケビン, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ション ユー
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA23
2C150CA26
2C150DC03
(57)【要約】
【課題】本発明は、パズルキットを提供する。
【解決手段】パズルキットは、第1パズルと第2パズルとを備え、当該第1パズルと第2パズルのそれぞれは、ヒンジを介して接続されることで連続ループをなす複数の多面体モジュール又は多面体によって形成される。各多面体は、4つの面及び6つの辺と、少なくとも1つの面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットとを含む。第1パズルと第2パズルとによる磁性的に安定なアセンブリは、少なくとも1つの凸多面体、例えば立方体を形成する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パズルキットであって、
前記パズルキットは、第1パズルと第2パズルとを備え、前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれは、複数の多面体を含み、前記複数の多面体は、ヒンジを介してヒンジ接続されることで連続ループを形成可能であり、
前記複数の多面体のそれぞれは、4つの面及び6つの辺と、複数のマグネットとを含み、
前記6つの辺のそれぞれの相対辺長は、1単位、2単位、2単位の平方根である√(2)単位、又は、3単位の平方根である√(3)単位であり、
前記4つの面の各面について、前記複数のマグネットのうち、当該面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットが配置される、パズルキット。
【請求項2】
前記第1パズルと前記第2パズルとによる第1アセンブリは、凸多面体を形成し、前記第1アセンブリにおいて、前記第1パズは、前記第2パズルに磁気的に結合される、請求項1に記載のパズルキット。
【請求項3】
前記第1アセンブリにおいて、前記第1パズルと前記第2パズルとは、合同構成である、請求項2に記載のパズルキット。
【請求項4】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記連続ループにおける交互する多面体のそれぞれの前記複数のマグネットは、第1極性を有し、前記連続ループにおける残りの多面体のそれぞれの前記複数のマグネットは、前記第1極性とは逆の第2極性を有する、請求項3に記載のパズルキット。
【請求項5】
前記凸多面体は、立方体である、請求項3に記載のパズルキット。
【請求項6】
前記第1パズルと前記第2パズルとによる第2アセンブリは、凹多面体を形成し、前記第2アセンブリにおいて、前記第1パズルは、前記第2パズルに磁気的に結合される、請求項2に記載のパズルキット。
【請求項7】
前記凹多面体は、六角形の輪郭及び6つのピークを特徴とする、請求項6に記載のパズルキット。
【請求項8】
前記第2アセンブリにおいて、前記第1パズルと前記第2パズルとは、合同構成ではない、請求項6に記載のパズルキット。
【請求項9】
前記第1パズルと前記第2パズルとによる第3アセンブリは、前記凹多面体を形成し、前記第3アセンブリにおいて、前記第1パズルと前記第2パズルとは、合同構成であり、前記第3アセンブリにおいて、前記第1パズルは、前記第2パズルに磁気的に結合される、請求項8に記載のパズルキット。
【請求項10】
パズルキットであって、
前記パズルキットは、第1パズルと第2パズルとを備え、前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれは、複数の多面体を含み、前記複数の多面体は、ヒンジを介して接続されることで連続ループを形成可能であり、
前記複数の多面体のそれぞれは、4つの面及び6つの辺と、少なくとも1つのマグネットとを含み、
前記少なくとも1つのマグネットは、前記4つの面のうちの少なくとも1つの面に隣接するように設けられ、
前記第1パズルと前記第2パズルとによる第1アセンブリは、立方体を形成し、前記第1アセンブリにおいて、前記第1パズルは、前記第2パズルに磁気的に結合される、パズルキット。
【請求項11】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記連続ループにおける交互する多面体のそれぞれの前記複数のマグネットは、第1極性を有し、前記連続ループにおける残りの多面体のそれぞれの前記複数のマグネットは、前記第1極性とは逆の第2極性を有する、請求項10に記載のパズルキット。
【請求項12】
前記第1アセンブリにおいて、前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれは、合同構成である、請求項11に記載のパズルキット。
【請求項13】
前記第1パズルと前記第2パズルとによる第2アセンブリは、凹多面体を形成し、前記第1パズルと前記第2パズルとは、前記第2アセンブリにおいて合同構成ではない、請求項12に記載のパズルキット。
【請求項14】
前記第1パズルと前記第2パズルとによる第3アセンブリは、前記凹多面体を形成し、前記第1パズルと前記第2パズルとは、前記第3アセンブリにおいて合同構成である、請求項13に記載のパズルキット。
【請求項15】
各多面体の前記6つの辺は、2単位の辺長を有する第1辺と、3単位の平方根である√(3)単位の辺長を有する第2辺及び第3辺と、2単位の平方根である√(2)単位の辺長を有する第4辺及び第5辺と、1単位の辺長を有する第6辺とからなる、請求項14に記載のパズルキット。
【請求項16】
各多面体の前記6つの辺は、2単位の辺長を有する第1辺と、3単位の平方根である√(3)単位の辺長を有する第2辺及び第3辺と、2単位の平方根である√(2)単位の辺長を有する第4辺及び第5辺と、1単位の辺長を有する第6辺とからなる、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項17】
前記複数の多面体のそれぞれは、四面体形状を有する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項18】
前記複数の多面体のそれぞれと前記複数の多面体のうちの残りの各多面体とは、合同である、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項19】
前記複数の多面体は、前記ヒンジを介して接続されて前記連続ループを形成する12個の多面体からなる、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項20】
前記ヒンジは、ブリッジストリップを含み、各ブリッジストリップは、前記複数の多面体のうちの1つの多面体から前記複数の多面体のうちの隣接する多面体まで延在する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項21】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記連続ループにおける交互する多面体のそれぞれの前記複数のマグネットは、第1極性を有し、前記連続ループにおける残りの多面体のそれぞれの前記複数のマグネットは、前記第1極性とは逆の第2極性を有する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項22】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記ヒンジのそれぞれは、前記複数の多面体のうちの1つの多面体の前記6つの辺のうちの1つの辺を前記複数の多面体のうちのもう1つの多面体の前記6つの辺のうちの同じ辺にヒンジ接続する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項23】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記ヒンジのそれぞれは、第1多面体の前記6つの面のうちの第1面が第2多面体の前記6つの面のうちの第1面に可逆的に当接するように、前記複数の多面体のうちの前記第1多面体を前記複数の多面体のうちの前記第2多面体にヒンジ接続し、
前記第1多面体の前記第1面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットは、前記第2多面体の前記第1面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項24】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記ヒンジのそれぞれは、前記第1多面体の前記6つの面のうちの第2面が前記ブリッジストリップ回りにトグルすることで前記第2多面体の前記6つの面のうちの第2面に当接するように、前記第1多面体を前記第2多面体にヒンジ接続し、
前記第1多面体の前記第2面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットは、前記第2多面体の前記第2面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項25】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記第1多面体は、前記第1多面体の前記6つの面のうちの第3面が別のブリッジストリップ回りにトグルすることで第3多面体の前記6つの面のうちの第4面に当接するように、別のブリッジストリップを介して前記複数の多面体のうちの前記第3多面体に接続され、
前記第1多面体の前記第3面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットは、前記第3多面体の前記第4面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項26】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記第1多面体は、前記第1多面体の前記6つの面のうちの第4面が前記別のブリッジストリップ回りにトグルすることで第3多面体の前記6つの面のうちの第3面に当接するように、前記別のブリッジストリップを介して前記第3多面体に接続され、
前記第1多面体の前記第4面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットは、前記第3多面体の前記第3面に隣接して設けられる前記少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【請求項27】
前記第1パズルと前記第2パズルのそれぞれに関し、前記第1多面体の前記第1面と前記第2多面体の前記第1面とは、合同であり、前記第1多面体の前記第2面と前記第2多面体の前記第2面とは、合同である、何れかの請求項に記載のパズルキット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2022年1月12日に出願された米国仮特許出願第63/298,722号の優先権及びその利益を主張する。この米国仮特許出願の全ての内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、玩具及びパズル分野に関する。
【背景技術】
【0003】
パズルは、ゲーム、玩具、教育支援ツール、治療機器等として世代を超えた魅力を持っている。このようなパズルは、例えば、Asanoの第GB2,107,200号英国特許出願及びSchaedelの第6,264,199B1号米国特許に示されるように、異なる幾何構成として配置され得る。従来技術で教示されているように、任意の特定の多面体パズルの属性は、その特定のパズルの幾何形状及びヒンジ接続形態に大きく依存する。例えば、Schaedelで教示されている折り畳みパズルは、約70.53°、54.74°及び54.74°の角度を持つ4つの三角形面によって形成される24個の同じ二等辺四面体本体からなる。四面体は、それらの底辺(最も長い辺)で互いに接合され、「多くの異なる方法」で菱形十二面体に操作することができる。
【0004】
しかし、Schaedelは、菱形十二面体の幾何形状を実現するために多くの異なる方法で行うことができる他のいかなるものも教示していない。実際には、当業者であれば理解できるように、このようなパズルには、多面体の面と辺の数、多面体の内角と辺の長さ、多面体の数、すべての多面体が同じか否か、多面体がどのように配列されているか、多面体間のヒンジの位置及び他の変数を含む変数の無限の異なる組み合わせが存在する。
【0005】
また、変数のこのような無限に見える組み合わせと関連変数の変化による予測不可能な結果のため、1つの変数のわずかな変化でも、通常はパズル自体の機能に有害な方式でパズル全体の属性を変更する可能性がある。
【0006】
したがって、異なる幾何形状及びエキサイティングな新属性を持つ新たなパズルは、必要となっている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、パズルキットを提供する。当該パズルキットは、少なくとも第1パズルと第2パズルとを備える。一態様において、第1パズルと第2パズルのそれぞれは、ヒンジを介して接続されることで連続ループを形成する複数の多面体モジュール又は多面体を含む。第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、複数の多面体のそれぞれは、4つの面と6つの辺とを有する。幾つかの実施例において、6つの辺のそれぞれの相対辺長は、1単位、2単位、2単位の平方根(√(2)単位)、又は3単位の平方根(√(3)単位)である。複数の多面体のそれぞれは、複数のマグネットを含む。幾つかの実施例において、少なくとも1つの、2つ、3つ又は4つの面について、それに隣接して設けられる、複数のマグネットのうちの少なくとも1つのマグネットが配置される。
【0008】
別の態様において、パズルキットは、第1パズルと第2パズルとを備える。第1パズルと第2パズルのそれぞれは、ヒンジを介して接続されることで連続ループを形成する複数の多面体を含み、各多面体は、4つの面及び6つの辺と、4つの面のうちの少なくとも1つの面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットとを含む。第1パズルと第2パズルとによる第1アセンブリは、立方体を形成し、第1アセンブリにおいて、第1パズルは、第2パズルに磁気的に結合される。
【0009】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルとによる第1アセンブリは、凸多面体を形成し、第1アセンブリにおいて、第1パズは、第2パズルに磁気的に結合される
【0010】
何れかの実施例において、第1アセンブリにおいて、第1パズルと第2パズルとは、合同構成である。
【0011】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、連続ループにおける交互する多面体のそれぞれの複数のマグネットは、第1極性を有し、連続ループにおける残りの多面体のそれぞれの複数のマグネットは、第1極性とは逆の第2極性を有する。
【0012】
何れかの実施例において、凸多面体は、立方体であってもよい。
【0013】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルとによる第2アセンブリは、凹多面体を形成し、第2アセンブリにおいて、第1パズルは、第2パズルに磁気的に結合される。
【0014】
何れかの実施例において、凹多面体は、六角形の輪郭及び6つのピークを特徴としてもよい。
【0015】
何れかの実施例において、第2アセンブリにおいて、第1パズルと第2パズルとは、合同構成ではないようにしてもよい。
【0016】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルとによる第3アセンブリは、凹多面体を形成してもよく、第3アセンブリにおいて、第1パズルと第2パズルとは、合同構成であってもよく、第3アセンブリにおいて、第1パズルは、第2パズルに磁気的に結合される。
【0017】
何れかの実施例において、各多面体の6つの辺は、2単位の辺長を有する第1辺と、3単位の平方根(√(3)単位)の辺長を有する第2辺及び第3辺と、2単位の平方根(√(2)単位)の辺長を有する第4辺及び第5辺と、1単位の辺長を有する第6辺と含んでもよい(例えば、からなる)。
【0018】
何れかの実施例において、複数の多面体のそれぞれは、四面体形状を有してもよい。
【0019】
何れかの実施例において、複数の多面体のそれぞれと複数の多面体のそれぞれの他の多面体とは、合同であってもよい。
【0020】
何れかの実施例において、複数の多面体は、ヒンジ接続されて連続ループを形成する12個の多面体からなってもよい。
【0021】
何れかの実施例において、ヒンジは、ブリッジストリップを含んでもよく、各ブリッジストリップは、複数の多面体のうちの1つの多面体から複数の多面体のうちの隣接する多面体まで延在する。
【0022】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、ヒンジのそれぞれは、複数の多面体のうちの1つの多面体の6つの辺のうちの1つの辺を複数の多面体のうちのもう1つの多面体の6つの辺のうちの同じ辺に接続してもよい。
【0023】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、ヒンジのそれぞれは、第1多面体の6つの面のうちの第1面が第2多面体の6つの面のうちの第1面に可逆的に当接するように、複数の多面体のうちの第1多面体を複数の多面体のうちの第2多面体にヒンジ接続し、第1多面体の第1面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットは、第2多面体の第1面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する。
【0024】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、ヒンジのそれぞれは、第1多面体の6つの面のうちの第2面がブリッジストリップ回りにトグルすることで第2多面体の6つの面のうちの第2面に当接するように、第1多面体を第2多面体にヒンジ接続し、第1多面体の第2面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットは、第2多面体の第2面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する。
【0025】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、第1多面体は、第1多面体の6つの面のうちの第3面が別のブリッジストリップ回りにトグルすることで第3多面体の6つの面のうちの第4面に当接するように、別のブリッジストリップを介して複数の多面体のうちの第3多面体に接続され、第1多面体の第3面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットは、第3多面体の第4面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する。
【0026】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、第1多面体は、第1多面体の6つの面のうちの第4面が別のブリッジストリップ回りにトグルすることで第3多面体の6つの面のうちの第3面に当接するように、別のブリッジストリップを介して第3多面体に接続され、第1多面体の第4面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットは、第3多面体の第3面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットとは逆の極性を有する。
【0027】
何れかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、第1多面体の第1面と第2多面体の第1面とは、合同であり、第1多面体の第2面と第2多面体の第2面とは、合同である。
【0028】
本発明の非限定的且つ非網羅的な実施例は、以下の図面を参照しながら記述されている。別途に説明されない限り、各図面に類似する符号は、類似する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】本発明の代表的な実施例に関わるパズルキットを示す。
図1B】第1アセンブリにおける図1Aのパズルキットを示す。
図2】本発明の代表的な実施例に関わるパズルキットのパズルの透視図を示す。
図3図2のパズルの多面体の幾何形状の模式図である。
図4A】第1構成である図2のパズルの透視図を示す。
図4B】その平面図を示す。
図4C】その正面図を示す。
図4D】その右側面図を示す。
図5A】第1アセンブリにおける図1Aのパズルキットの透視図を示す。
図5B】その平面図を示す。
図5C】その正面図を示す。
図5D】その右側面図
図6A】第2アセンブリにおける図1Aのパズルキットの透視図を示す。
図6B】その平面図を示す。
図6C】その正面図を示す。
図6D】その右側面図を示す。
図7A】第3アセンブリにおける図1Aのパズルキットの透視図を示す。
図7B】その平面図を示す。
図7C】その正面図を示す。
図7D】その右側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の開示内容は、少なくとも2つのヒンジ接続された磁気的パズル(以下では、パズルと略称する)を含むキットを記述する。何れかの実施例において、各パズルは、キットの(複数の)他のパズルと同じ構造を有してもよい。各パズルは、ヒンジ接続された多面体によって形成され、これらの多面体のそれぞれは、特定の幾何特徴を有する。更に、多面体のそれぞれは、パズルの他の多面体にヒンジ接続され、好ましくは、独自の機能を実現し及び/又は独自の特性を示す構造的特徴を有する。パズルキットは、2つより多くのパズル、例えば、3つ、4つ又はより多くのパズルを含んでもよい。
【0031】
各キットのパズルは、ヒンジ接合されて連続ループを形成する複数の中実な多面体モジュール又は本体を含む。異なる移動順番を実行することにより、これらのパズルを視覚と触覚の面白い多くの異なる構成に操作することができる。例えば、多面体は、連続ループのループ軸線回りに操作されるように構成され(即ち、パズルを内側から外側に反転させる)、及び/又は隣接する多面体を連結するヒンジ装置(例えば、ブリッジストリップ)回りにトグルする。多面体の特定の幾何形状とブリッジストリップによって規定される特定のヒンジ接続関係とにより、パズルが多くの異なる幾何構成に操作される。また、相補極性を有する複数のマグネットが全パズルに配置されている。有利には、前記マグネットは、複数種の構成とアセンブリにおいてパズルを安定化させる。
【0032】
図1Aは、本発明の代表的な実施例に関わるパズルキット100(以下では、キット100と略称する)を示す。キット100は、少なくとも2つの磁気的なパズル102a、102bを含み、これらのパズルのそれぞれは、ヒンジで接続されて連続ループをなす複数の多面体によって形成される。本明細書に記述された実施例において、パズル102a、102bは、幾つかの実施例において異なる表面処理が行われて異なる外観(図1Aに示す)を与える以外、同じである。即ち、パズル102a、102bの構造、幾何形状及びサイズは、同じである。理解され易くなるように、パズル102a、102bが異なる表面処理を有するが、これはオプションである。
【0033】
パズル102a、102bのそれぞれは、独立で複数種の構成に構成可能であり、当該複数種の構成は、各多面体の幾何形状、多面体の間のヒンジの位置決めと多面体内又は多面体上に設けられるマグネットの位置及び極性とによって実現される。これらの詳細は、以下に記述される。
【0034】
独特なことに、パズル102a、102bのそれぞれの特定の幾何形状とヒンジ配置により、2つのパズル102a、102bが多くの魅力的な特性を有するアセンブリとして接合することができる。例えば、2つのパズル102a、102bが使用者によって図1Aに示す合同な凸多面体構成(それぞれ九面体である)に操作されると、パズル102a、102bは、互いに対して90度回転してから一緒に配置して図1Bの凸多面体を形成することができる。
【0035】
また、パズル102a、102bの各々におけるマグネットの配置及び分極は、パズル102a、102bの相互吸引をもたらす。この相互吸引(磁場160で表される)は、アセンブリを磁気的に安定させる。代表的マグネットの配置は、以下に説明され、図1Aに示す磁場160が代表的であり、あえてパズル102a、102b内又は上へのマグネットの配置又は極性を制限することを意図していないことは、理解されるべきである。
【0036】
図1Bを参照すると、図1Aのパズル102a、102bは、互いに接合されて第1アセンブリに磁気的に安定されおり、当該当該第1アセンブリは、凸多面体であり、より具体的に、立方体である。立方体アセンブリは、望ましい対称性と密度を有するだけでなく、包装キット100にとっても理想的である。本明細書で使用する場合、「アセンブリ」は、2つ以上のパズルを含む。
【0037】
キット100は、多くの追加のアセンブリとして操作され得る。これらのアセンブリの代表的な選択について以下に説明する。幾つかの実施例では、複数のパズルを組み合わせて菱形十二面体アセンブリを形成することができる。理解されるように、キット100は、合同な形状を有する2つのアセンブリとして構成されてもよいが、第1アセンブリのそれぞれのパズルは、第2アセンブリのパズルの構成とは異なる構成を有していてもよい独自の特性を有する。以下に説明する図6A図7Dを参照してください。
【0038】
図2は、パズルキット(例えば、図1のキット100)の1つの変換パズル(以下、パズル202と称する)を示す。パズル202は、図1Aのパズルキット100のパズル102a、102bと同じであり、即ち同じ幾何形状、サイズ、構造を有する。
【0039】
パズル202は、ループ軸線208の回りに連続ループとして結合された複数の多面体204a~204lを含む。多面体204a~204lの各々は、中実の本体(その内部にキャビティが形成されることが好ましい)であり、熱可塑性ポリマー(例えばPLA)又は他の剛性材料から形成されてもよい。明確にするために、本明細書で説明される多面体は、完全に中実の本体であることに限定されない。幾つかの実施例では、多面体のうちの1つ又は複数は、中空であってもよく(即ち、その中にキャビティがある)、その容積から1つ又は複数の切欠きを有していてもよい。
【0040】
多面体204a~204lは、ヒンジ206a~206lを介して端対端の構成で直列に(例えば、連続ループとして)ヒンジ接続されている。以下に説明するように、多面体204a~204lには、それぞれ少なくとも1つのマグネットが設けられている。マグネットは、共に、図4A図4Dに詳細に記載された構成のような視覚的及び触覚的魅力を有する様々な構成でパズル202を安定化させる。
【0041】
パズル202は、多面体204a~204lを操作することにより、様々な異なる構成に位置決めすることができる。図面は、様々な規則多面体、不規則多面体、凸多面体、凹多面体、その他の多面体タイプを含む、パズル202を操作して形成可能な代表的で非限定的な組み合わせ構成を示している。
【0042】
異なる構成を実現するために、多面体204a~204lは、以下のステップのうちの1つ又は複数を含む異なる順番で操作され得る。
異なる構成を実現するために、多面体204a~204lは、以下のステップのうちの1つ以上を含む異なる順序で操作することができる。
・ループ軸線208の周りに1つ又は複数の多面体204a~204lを回転させる(これは、パズル202を「内側から外側にひっくり返す」傾向がある)。
・多面体204a~204lの異なる面が互いに当接するように、ヒンジ206a~206lの周りに1つ又は複数の多面体204a~204lをトグルさせる。又は、
・1つ又は複数の多面体204a~204lを互いに対して平行移動させる。
【0043】
既知のパズルとは異なり、本開示のパズル202は、パズル100の特定の幾何形状とマグネットの独特な組み合わせを無数の異なる形状で安定化させることを利用する。
【0044】
代表的なパズル202の具体的な特徴について説明する。
【0045】
パズル202は、12個のヒンジ接続された同じ形状(即ち、合同な)の多面体204a~204lによる連続ループから形成され、各多面体は、四面体である。各多面体は、ヒンジ206a~206lのうちの2つを介してループ軸線208に沿って2つの隣接する多面体にヒンジ接続され、各ヒンジは、1つの多面体から隣接する多面体のうちの少なくとも1つに延在する。本発明は12個の多面体を有するパズルに限定されないことを理解されたい。幾つかの実施例では、多面体204a~204lの各々は、2つ又はより多くの多面体に細分化され、それによって、連続ループをなすようにヒンジを介して連結された24個又は36個の多面体が生成される。
【0046】
本明細書で使用されるように、用語「合同」とは、2つの幾何図形(例えば、単一のパズルの2つの多面体、又は2つのパズルのアセンブリの全体的な形状)の形状と大きさが同じであることを意味する。これには、幾何図形のうちの1つの幾何図形がもう1つの幾何図形のミラーである場合が含まれる。
【0047】
多面体204a~204lの各々は合同であるが、12個の多面体は、第1配向を有する第1多面体群(即ち、多面体204a、c、e、I、k)と、異なる第2配向を有する第2多面体群(即ち、多面体204b、d、f、h、j、l)を含む。つまり、多面体の第1配向がタイプ「1」と示され、且つ多面体の第2配向がタイプ「2」と示される場合、多面体204a~204lは多面体204aから次の順番で接続される:1、2、1、2、1、2、1、2、1、2、1、2。
【0048】
第1配向及び第2配向は、ヒンジ206a~206lが第1配向を有する多面体の1つの辺を第2配向を有するもう1つの多面体の同じ辺にヒンジ接続するように、互いのミラーである。したがって、ヒンジは、2つの異なるタイプの位置に配置される(以下で説明する)。また、各多面体の2つのヒンジは互いに垂直であり、これにより、パズル202が図1Aのような直角の構成を実現可能であることに有利である。
【0049】
図3は、図2の合同多面体204aのうちの1つの2次元投影であり、その特定の幾何形状を示す。多面体は、210、212、214、216という4つの面、及び、218、220、222、224、226、228という6つの辺を有する。次の辺、即ち、辺218と228、辺224と228、及び辺226と228は、垂直な辺対を形成する。
【0050】
各辺の相対長さ(相対辺長)は、図例250によって示される。図例250によって規定される辺長関係のため、面212、214、216は、直角三角形であり、面210は、二等辺三角形である(辺220と辺222は、等しい長さを有する)。
【0051】
図例250は、多面体の異なる辺長間の関係を示す。丸印「●」が付された辺は、異なる実施例において拡大又は縮小できる1単位の長さを有する。単位(「●」)の値にかかわらず、異なる辺間の相対関係は、異なる実施例間で一定である。つまり、単位長さ「●」の数値にかかわらず、プラス記号「+」が付された辺は、2倍の単位長さに等しい長さを有し、三角形記号「▲」が付された辺は、2倍単位長さの平方根(即ち、√(2)(単位長さ))に等しい長さを有し、且つ方形記号「■」が付された辺は、3倍単位長さの平方根(即ち、√(3)(単位長さ)))に等しい長さを有する。
【0052】
図例250を参照すると、単位長さ「●」が100mmに等しい仮定の実施例では、「●」辺(即ち、辺228)は、100mmに等しい長さを有し、「+」辺(即ち、辺218)は、200mmに等しい長さを有し、各「▲」辺(即ち、辺224、226)は、100√(2)mmに等しい長さを有し、且つ各「■」辺(即ち、辺220、222)は、100√(3)mmに等しい長さを有する。何れかの実施例において、6つの辺の相対長さは、本明細書で示され及び説明される異なる構成を実現するパズルにとって重要であり得る。
【0053】
図2に戻り、パズル202は、多面体204a~204lのうちの2つの隣接する多面体をそれぞれ連結するヒンジ206a~206lを含む。ヒンジ206a~206lは、隣接する多面体204a~204lをフレキシブルに接合することにより、接合された多面体は、異なる面が選択的に互いに当接するように、可逆的にトグル可能である。
【0054】
ヒンジは、2つの異なるタイプの位置に位置決めされる。第1タイプの位置(206a、206c、206e、206g、206i、206kによって例示される)に、ヒンジは、隣接する多面体(これらの多面体は、互いに対して鏡像配向を有する)の辺218をフレキシブルに接合する。第2タイプの位置(ヒンジ206b、206d、206f、206h、206j、206lで例示される)に、ヒンジは、隣接する多面体の辺228をフレキシブルに接合する。辺218と228が互いに垂直であるため、接続するヒンジも互いに垂直である。
【0055】
前記ヒンジ接続案は、隣接する多面体同士の特定の配置を実現する。特に、第1タイプの位置(即ち、隣接する多面体の辺218間)での各ヒンジは、第1多面体を隣接する第2多面体にヒンジ接続することにより、第1多面体の面210が隣接する第2多面体の面210に可逆的に当接し、且つ更に、第1多面体の面212が隣接する第2多面体の面212に可逆的に当接するようにする。更に、第2タイプの位置(即ち、隣接する多面体の辺228間)での各ヒンジは、第1多面体を隣接する第2多面体にヒンジ接続することにより、第1多面体の面214が隣接する第2多面体の面216に可逆的に当接し、且つ更に、第1多面体の面216が隣接する第2多面体の面214に可逆的に当接するようにする。
【0056】
多面体204a~204lは、それぞれ2つの隣接する多面体に接続されている。具体的に、各多面体は、第1タイプの位置にある第1ヒンジを介して、その辺218において、1つの隣接するミラー多面体に接続され、第2タイプの位置にある第2ヒンジを介して、その辺228において、もう1つの隣接するミラー多面体に接続される。このようにして、各多面体は、隣接してヒンジ接続された各多面体に対してトグル可能である。
【0057】
幾つかの実施例(図2に示す実施例のような)において、ヒンジは、多面体204aのループ軸線208の周りに、上述した多面体と同じ順番で配置されている、即ち、第1タイプの位置、第2タイプの位置、第1タイプの位置、これによって類推される。幾つかの実施例において、ヒンジは、多面体の隣接面に接着性結合された接着剤又はテープ型ブリッジストリップであってもよい。
【0058】
代表的なヒンジが図2に示されているが、ヒンジは、多くの異なる形式を採用することができる。幾つかの実施例では、図2に示すように、ヒンジの各々は、ヒンジが多面体のうちの1つからもう1つの多面体に直接延びるように、少なくとも2つの隣接する多面体の面に適用されるデカール又はステッカーである。図2の各ヒンジは、2つの隣接する多面体を接続しているが、幾つかの実施例において、1つ又は複数のヒンジは、2つよりも多くの多面体を接続してもよい。例えば、幾つかの実施例において、単一の連続デカールを2つよりも多くの多面体に適用することができる。この構成の代表的なヒンジは、参照によって全体として本明細書に組み込まれたHoenigschmidの第10,569,185号及び第10,918,964号の米国特許に詳述されている。
【0059】
他の実施例では、ヒンジは、多面体(例えば、可動ヒンジ)と一体に形成され、モジュールの1つから隣接するモジュールに直接延びる。このような実施例では、ヒンジをモジュールのハウジングと同じ材料又は類似する材料の可撓性ポリマーテープとして形成することができる。このような構成の代表的なヒンジは、参照によって全体として本明細書に組み込まれたAbergの第11,358,070号の米国特許に詳細に記載されている。
【0060】
更に別の実施例では、ヒンジは、隣接するモジュール間で延び、且つ隣接する多面体の内腔内に固定されるように構成される1つ又は複数の内部可撓性接続テープ(例えば、薄い可撓性ポリマー又は織物の内部可撓性接続テープ)である。このような構成の代表的なヒンジは、参照によって全体として本明細書に組み込まれたHoenigschmidの第WO2022/130285号PCT公開物に詳細に記載されている。
【0061】
何れかの実施例では、複数のヒンジは、隣接する多面体の隣接する辺の間で延在することができる。前記ヒンジ構造は、代表的であり、制限的ではない。
【0062】
図3に戻ると、各多面体は、各多面体が複数の他の多面体と磁気的に結合することで多面体204aを本明細書で説明された構成のうちの何れか1つ又は複数に安定化させるように、位置決め及び分極された複数のマグネット230、232、234、236を含む。特に、例えば、パズル202が異なる構成に操作される場合、少なくとも1つのマグネットは、もう1つの多面体上に位置決めされる逆極性の少なくとも1つのマグネットに磁気的に結合可能な位置と極性とで各多面体上又は各多面体内に配置される。
【0063】
示された実施例では、複数のマグネットのうちの少なくとも1つのマグネットは、多面体の面210、212、214、216のそれぞれに隣接して配置され、例えば、各マグネットの磁場が隣接面を十分な力で通過するように配置されることにより、面の対向面に隣接して設けられる極性とは逆の極性に設定された類似するマグネットと磁気的に結合される。
【0064】
本明細書に記載された構想が4つのマグネットを有する実施例に限定されないことは、理解されるべきである。例えば、幾つかの実施例では、各多面体が合計5つ、6つ、7つ又は8つのマグネットを有するように、1個より多いマグネットが各面に隣接して配置される。幾つかの実施例では、各多面体の面のうちの少なくとも1つには、マグネットが設置されていない。そのような実施例では、各多面体は、1つ、2つ、3つ、4つ又はより多くのマグネットを有することができる。例えば、幾つかの実施例では、各多面体には、マグネット230、234、236が設けられているが、マグネット232が設けられていない。幾つかの実施例では、各多面体には、マグネット230、232、234が設けられているが、マグネット236が設けられていない。幾つかの実施例では、各多面体には、マグネット230、232、236が設けられているが、マグネット234が設けられていない。幾つかの実施例では、各多面体には、マグネット232、234、236が設けられているが、マグネット230が設けられていない。幾つかの実施例では、各多面体は、単一のマグネットが設けられている。幾つかの実施例では、各多面体の少なくとも1つの面には、マグネットが設けられておらず、1つより多いマグネットは、同じ多面体の1つ又は複数の他の面に隣接して設けられている。したがって、幾つかの実施例では、パズル202は、12個、24個、36個、48個又はより多くのマグネットを含む。
【0065】
示された実施例では、各マグネットは、面自体に形成された凹部に埋め込まれるなど、各面に埋め込まれる。他の実施例では、各マグネットは、各多面体の内腔に配置され、且つ、マグネットの磁場が面を貫通して延びるように、関連する面に十分に近接して位置決めすることができる。例えば、幾つかの実施例では、各マグネットは、キャビティ内に配置された凹溝、スロット、及び/又は、軌道内に保持することができる。幾つかの実施例において、マグネットのうちの1つ又は複数は、マグネットからの磁場が多面体の複数の面を貫通するように、キャリッジ(例えば、多面体の辺の頂点に近接して設けられるキャリッジ)内に配置することができる。マグネットを多面体に固定するための代表的な構造は、参照によって全体として本明細書に組み込まれたHoenigschmidの第10,569,185号及び第10,918,864号の米国特許並びに第US2022/0047960号の米国特許公開物に記載されている。
【0066】
上述したように、マグネットは、ヒンジを介して隣接して結合された2つの多面体のそれぞれに磁気的に結合されるように各多面体が構成されるように位置決めされ、分極される。これを実現するために、図2のような幾つかの実施例では、連続ループ中の1つおきの/交互する多面体(例えば、第1、第3、第5など)の複数のマグネットは、共通の極性(例えば、負)を有し、連続ループ中の残りの各多面体(例えば、第2、第4、第6など)の複数のマグネットは、異なる極性(例えば、正)を有する。つまり、幾つかの実施例において、第1パズルと第2パズルのそれぞれに関し、連続ループにおける交互する多面体のそれぞれの複数のマグネットは、第1極性を有し、且つ、連続ループにおける残りの多面体のそれぞれの複数のマグネットは、逆の第2極性を有する。実に、図3に示すように、マグネット230、232、234と236のそれぞれが正極性を有するが、他の実施例において、全てのこのようなマグネットが負極性を有してもよい。
【0067】
単一の多面体の各マグネットが単一の共通極性を有する必要はない。対照的に、各マグネットが磁気結合として構成された他の多面体の(複数の)マグネットとは逆の極性を有することは、重要である。前のセグメントの構成は、これを実現する1種の代表的な構成であるが、他の構成も存在する。
【0068】
例えば、上記のような幾つかの実施例では、ヒンジの各々は、第1多面体の面210が第2多面体の面210に可逆的に当接するように、辺218に沿って第1多面体を第2多面体に接続し、第1多面体の面210に隣接して設けられるマグネット230は、第2多面体の面210に隣接して設けられるマグネット230とは逆の極性を有する。或いは、このような実施例では、第1多面体の面212に隣接して設けられるマグネット232は、第2多面体のマグネット232に隣接して設けられるマグネット232とは逆の極性を有する。
【0069】
上記のような幾つかの実施例では、ヒンジの各々は、第1多面体の面214が第2多面体の面216に可逆的に当接し、且つ第1多面体の面216が第2多面体の面214に可逆的に当接するように、辺228に沿って第1多面体を第2多面体に接続し、第1多面体の面214に隣接して設けられるマグネット234は、第2多面体の面216に隣接して設けられるマグネット236とは逆の極性を有し、第1多面体のマグネット236に隣接して設けられるマグネット236は、第2多面体の面214に隣接して設けられるマグネット234とは逆の極性を有する。
【0070】
前述の磁気構成は、単一の四面体に組み込むことができる。
【0071】
パズルキットのパズルを磁気的に結合できる構成を説明するために、図4A図4Dは、図1Aに示す九面体構成と同じ凸多面体構成である図2のパズル202を示している。
【0072】
図2から理解できるように、パズル202は、12個の多面体を含み、これらの多面体の各々は、複数のマグネットを有する。図4A図4Dに示すマグネットは、図3の図に従って配置される。即ち、多面体の各々は、その各面に隣接して設けられる少なくとも1つのマグネットを含み、各多面体の各マグネットは、同じ極性を有する。示された実施例では、連続する多面体には、互いに反対する極性のマグネットが設けられている。
【0073】
前述の構成の結果、パズル202の最外表面は、混合極性を有する複数のマグネットを含む。図1Bに示すように2つの類似するパズルを磁気的に結合するために、2つの類似するパズル202が提供される。各パズル202は、図4A図4Dの構成として構成される。パズル202は、それぞれ図1Aに示すように位置決めされる。パズル202のうちの1つは、マグネットの極性がもう1つのパズルの対応するマグネットの極性と逆になるように180度回転することができる。その後、パズル202は、一緒に配置され、図1Bのアセンブリに磁気的に固定される。
【0074】
図5A図5Dは、パズル102a、102bの第1アセンブリにおける図1Bのキット100の図を示し、当該第1アセンブリは、凸多面体であり、より特別の場合に、立方体の6面体、即ち立方体である。パズル102a、102bは、それぞれ図4A図4Dを参照して詳細に説明された九面体構成を有する。
【0075】
図6A図6Dは、パズル102a、102bの第2アセンブリにおける図1Bのキット100の図を示す。第2アセンブリでは、パズル102aは、パズル102bによって形成されたループ(図6Bの六角形の輪郭を参照)内の凹十二面体に囲まれるように構成される。言い換えれば、第2アセンブリでは、第1パズルと第2パズルは、合同ではない。第2アセンブリ自体は、六角形の輪郭(図6B参照)と、3つのサブピーク162d~162eに対応する3つのメインピーク162a~162cとを特徴とする凹多面体である。第2アセンブリでは、パズル102bは、パズル102aの円周面を取り囲むため、6つのピーク162a~162dの各々を形成する。当該第2アセンブリでは、パズル102aのマグネットがパズル102bの隣接面のマグネットを吸引し、それによってキット100を磁気的に安定化させる。
【0076】
図7A図7Dは、パズル102a、102bの第3アセンブリにおける図1Bのキット100の図を示す。第3アセンブリでは、パズル102a、102bの各々は、六角形の輪郭(図7B参照)を有し、6つの頂点162a~162f(図7A図7Dは、パズル102bによって形成された頂点のみを示す)を形成する合同な凹多面体として構成される。パズル102a、102b(その合同な構成である)は、互いに対して30度回転し、その後、一緒に配置されることで第3アセンブリを実現する。この第3アセンブリでは、パズル102aのマグネットがパズル102bの隣接面のマグネットを吸引し、それによってキット100を磁気的に安定化させる。
【0077】
注意すべきことは、第2アセンブリと第3アセンブリとが合同である。そのため、キット100は、異なる構成を有するパズルを利用して合同なアセンブリを実現可能な独自の特性を有する。この特性により、複数の方式で2つ以上のパズルとして構成され得る同じ磁気安定化アセンブリの新たな機能が追加され、使用者へ更なるチャレンジを与える。
【0078】
上記メリットが各特徴及び上記特徴の非自明な組み合わせによるものであることは、理解されるべきである。
【0079】
本発明の代表的な実施例は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書で説明する実施例に限定されない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本発明の開示をより徹底的且つ全面的にすることである。
【0080】
注意すべきこは、1つの構成部品が別の構成部品に「接続」されていると考えられる場合、別の構成部品に直接接続してもよいし、介在する構成部品が存在してもよい。本明細書で使用される用語「上」、「下」、「側」、「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、例示的な目的のためにのみ使用される。
【0081】
別途に限定されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書における本発明の説明に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためだけの目的であり、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連するリスト項目の任意の組合せ及びすべての組合せを含む。

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】