(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】自動細胞操作システムのための支持構造
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537581
(86)(22)【出願日】2023-01-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 US2023061083
(87)【国際公開番号】W WO2023141621
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520070448
【氏名又は名称】オクタン バイオテック インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】OCTANE BIOTECH INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ, スコット
(72)【発明者】
【氏名】ラブレス, マイク
(72)【発明者】
【氏名】メリック, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】チャンバリン, ウェス
(72)【発明者】
【氏名】マジャール, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ナトール, マイケル
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029AA27
4B029BB01
4B029DB19
4B029DG10
(57)【要約】
本技術は、概して、細胞操作システムのための保管構造に関する。保管構造は、複数の自動細胞操作システムが、単一の構造を介して保持され、細胞操作システムへの直接アクセスのために所望又は必要とされるときにユーザに提示され、次いで、保管又は作業位置に戻されることを可能にする。多くの保管構造は、臨床若しくは病院環境、又は他の細胞療法操作製造環境において一緒に配置することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、少なくとも、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つ以上を提示するための第2の位置との間で並進可能である、複数の自動生物学的処理ユニットと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスの両方は、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び前記可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備える、自動選択及び支持システム。
【請求項2】
前記電気システム及びガス供給システムは両方とも、単一の接続軸線を介して、前記自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の生物学的処理ユニットは、保管及び維持のための前記第1の位置と、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの前記少なくとも1つ以上を提示するための前記第2の位置との間の複数の位置に並進可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の生物学的処理ユニットは、前記複数の生物学的処理ユニットの各々が、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々内の所望の環境をリアルタイムで維持するために、種々の機能及び制御を個々に調節及び調整するように、自律的である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記種々の機能及び制御は、加熱制御、冷却制御、ガス制御、傾斜制御、ファン制御、データメモリ、ポンプ制御、バルブアクチュエータ制御、シール制御、ドア制御、磁気分離制御、及び/又はエラプス時間表示を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つを並進させることは、残りの前記複数の自動生物学的処理ユニット内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を加熱又は冷却するために流体を循環させるように構成された熱管理システム、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記熱管理システムは、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々の内部で前記流体を循環させる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記インターフェースデバイスは、遠隔アクセス/接続を可能にする別個のユニットである、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記インターフェースデバイスは、前記システムに物理的に結合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気システムは、前記自動生物学的処理ユニットが前記第1の位置と第2の位置との間で移行する間に水平位置に維持されるように、前記可動支持構造を動作可能に制御する、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記電気システムは、前記自動生物学的処理ユニットの内部の生物学的処理チャンバ内の任意の流体が、前記第1の位置から前記第2の位置への前記移行中に静的状態又は層流状態に維持されるように、前記可動支持構造を動作可能に制御する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
複数のスイングアームであって、各スイングアームは、
前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに動作可能に結合された第1の端部と、
駆動モータに動作可能に結合された第2の端部であって、前記駆動モータは、前記スイングアームを回転させて、前記自動生物学的処理ユニットを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移行させるように構成されている、第2の端部と、を含み、
前記スイングアームは、前記自動生物学的処理ユニットを回転的に水平に維持する、複数のスイングアームと、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記自動生物学的処理ユニットの各々及び前記駆動モータに動作可能に結合されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備える、自動選択及び支持システム。
【請求項14】
前記駆動モータは、能動制御デバイスを介して前記スイングアームの前記第2の端部に動作可能に結合され、前記第2の端部は、ギアを更に含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記スイングアームの前記第1の端部は、前記自動生物学的処理ユニットを回転的に水平に維持するための枢動点を含む、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を加熱又は冷却するために流体を循環させるように構成された熱管理システム、
を更に含む、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記電気システム、前記ガス供給システム、及び/又は前記熱管理システムは、前記複数のスイングアームを支持するハウジング内に位置決めされている、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記熱管理システムは、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々の内部で前記流体を循環させる、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記電気システム及びガス供給システムは両方とも、単一の接続軸線を介して、前記自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に接続されている、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
複数の垂直レールと、
前記垂直レール上を移動し、前記自動生物学的処理ユニットのうちの1つを選択し、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記自動生物学的処理ユニットを移行させるように構成されたガントリと、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に結合されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備え、
前記垂直レール、前記電気システム、前記ガス供給システム、及び/又は熱管理システムは、ハウジング内に収容されている、自動選択及び支持システム。
【請求項21】
前記ガントリは、少なくとも2つの水平スライダを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
4つの垂直レールを備える、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記自動生物学的処理ユニットの各々を保持するように構成された複数の保持棚、を更に備え、前記ガントリは、前記複数の保持棚のうちの単一の保持棚に選択的に結合するように更に構成されている、請求項20~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記ガントリは、単一の保持セルを水平及び垂直の両方に独立して移動させるように更に構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
前記自動生物学的処理ユニットのうちの1つをそれぞれ保持するように構成された複数のモジュール式保持セルと、
前記モジュール式保持セルの各々の間を移動して、前記自動生物学的処理ユニットのうちの1つを選択し、前記自動生物学的処理ユニットを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移行させるように構成されたシャトルと、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に結合されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備え、
前記電気システム、前記ガス供給システム、及び/又は熱管理システムは、ハウジング内に収容されている、自動選択及び支持システム。
【請求項26】
複数のシャーシを更に含み、各シャーシは、単一の保持セル内に位置決めされ、前記自動生物学的処理ユニットのうちの1つを支持し、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記自動生物学的処理ユニットを移行させるように構成されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記シャトルは、前記シャーシの各々に選択的に結合するように構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記シャトルは、前記シャーシを前記モジュール式保持セルに対して水平及び垂直の両方に独立して移動させるように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記電気システムの前記インターフェースデバイスは、前記シャトル内に位置決めされている、請求項25~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
複数の移送ブロックであって、各移送ブロックは、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに結合するように構成されている、複数の移送ブロックと、
前記複数のブロックのうちの前記ブロックの1つと嵌合するように構成されたカプラと、
前記カプラを第1の方向に移動させるように構成された第1のトラックと、
前記第1のトラックを第2の方向に移動させるように構成された第2のトラックであって、前記第2のトラックは、前記第1のトラックに対して実質的に垂直である、第2のトラックと、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記複数の自動生物学的処理ユニット及び前記移送ブロックの各々に動作可能に接続されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備え、
前記第1のトラック及び第2のトラックは、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるように構成されている、自動選択及び支持システム。
【請求項31】
ハウジングを更に含み、前記ハウジングは前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に接続された前記電源及び/又は前記ガスラインのうちの少なくとも1つを、前記ハウジングを通して案内するために、その中に配設された第1のガイド及び第2のガイドを有する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記電源ライン及びガスラインは、単一の接続軸線を介して前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に接続されている、請求項30又は31に記載のシステム。
【請求項33】
前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることは、残りの前記複数の自動生物学的処理ユニット内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない、請求項30~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体を循環させるように構成された熱管理システム、
を更に備える、請求項30~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記熱管理システムは、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々の内部で前記流体を循環させる、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記インターフェースデバイスは、遠隔アクセス/接続を可能にする別個のユニットである、請求項30~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記インターフェースデバイスは、前記システムと物理的に関連付けられている、請求項30~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記複数の生物学的処理ユニットは、保管及び維持のための前記第1の位置と、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの前記少なくとも1つ以上を提示するための最後の位置との間の複数の位置又はn番目の位置に並進可能である、請求項30~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記複数の生物学的処理ユニットは、前記複数の生物学的処理ユニットの各々が、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々内の所望の環境をリアルタイムで維持するために、種々の機能及び制御を個々に調節及び調整するように、自律的である、請求項30~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記複数の生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の生物学的処理ユニットの各々から集中型分析構造に輸送された試料に関するメトリクスの収集、分析、及び提示のために、前記集中型分析構造に接続する、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための方法であって、
自動選択及び保管システムから自動生物学的処理ユニットを選択することであって、前記自動選択及び保管システムは、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び前記可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を含む、当該選択することと、
前記可動支持構造を使用して、前記選択された自動生物学的処理ユニットを前記第1の位置から前記第2の位置に移行させることと、
前記選択された自動生物学的処理ユニットを前記第2の位置から前記第1の位置に戻すことと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月24日に出願された米国仮特許出願第63/302,366号の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、概して、細胞操作システムのための保管構造に関する。保管構造は、複数の自動細胞操作システムが、単一の構造を介して保持され、細胞操作システムへの直接アクセスのために所望又は必要とされるときにユーザに提示され、次いで、保管又は作業位置に戻されることを可能にする。多くの保管構造を、臨床若しくは病院環境、又は他の細胞療法操作製造環境に一緒に配置することができる。
【背景技術】
【0003】
自動細胞培養プロセスのための既存の操作ロボットシステムは複雑であり、稼働のためにかなりの実験室空間を必要とし、多額の設備投資が必要になる。
【0004】
設備設計は、GMP(適正製造基準)生物製剤製造の成功における重要な構成要素としてしばしば認識されているが、必ずしも処理の意義を十分に理解して実装されるわけではない。哺乳類細胞培養の場合において、大規模な自動稼働へ移行するときに生じる認識されている問題及びリスクがある。バイオ医薬品産業における細胞培養生産能力に対する需要の高まりは、自動稼働の規模の増大をもたらした。
【0005】
また、自家細胞療法など、患者固有の治療に対する需要が増大している。自家細胞療法は、自動化に対してかなり多くの要求を課している、複雑な複数の同時処理イベントを必要とする。自動生産ユニットは、任意の所与の生産サイクルで1人の患者にのみサービスを提供することができる。多数の患者のための大規模な並列処理のスケーリングは、空間効率の良い組織を発現すること、及び生産施設内の複数の生産ユニットへのアクセスのための必要性を生み出す。
【0006】
したがって、既存の生産設備の制限において最大化された細胞生産を達成する方法を開発することが望ましい。更に、細胞培養システムの完全性に悪影響を及ぼさない、既存の生産施設の領域内で最大化された細胞生産を達成する方法を開発することが望ましい。また、自動細胞及び組織操作システムのユーザのための人間工学を改善することも望ましい。本発明はこれらの要望を満たすものである。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、自動選択及び支持システムが提供される。自動選択及び支持システムは、複数の生物学的処理ユニットを含むことができ、複数の生物学的処理ユニットの各々は、複数の生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、複数の生物学的処理ユニットの少なくとも1つ以上を提示するための第2の位置との間で並進可能であり得る。複数の自動生物学的処理ユニットの各々を第1の位置と第2の位置との間で移行させるために、可動支持構造が提供され得る。電気システムは、電源及びインターフェースデバイスを含むことができ、電源及びインターフェースデバイスの両方は、複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び可動支持構造に動作可能に接続されている。ガス供給システムは、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含み得る。
【0008】
別の実施形態では、自動選択及び支持システムが提供される。自動選択及び支持システムは、複数の自動生物学的処理ユニットを含むことができ、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置とを有することができる。複数のスイングアームを提供することができ、各スイングアームは、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに動作可能に結合された第1の端部と、駆動モータに動作可能に結合された第2の端部と、を含むことができる。駆動モータは、スイングアームを回転させて、自動生物学的処理ユニットを第1の位置と第2の位置との間で移行させるように構成され得る。スイングアームは、自動生物学的処理ユニットを回転的に水平に維持することができる。電気システムは、電源及びインターフェースデバイスを含むことができ、電源及びインターフェースデバイスは両方とも、自動生物学的処理ユニット及び駆動モータの各々に動作可能に結合される。ガス供給システムは、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体連結されたガスラインを含み得る。
【0009】
別の実施形態では、自動選択及び支持システムが提供される。自動選択及び支持システムは、複数の自動生物学的処理ユニットを含むことができ、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置とを有することができる。自動選択及び支持システムは、複数の垂直レールを含むことができる。それはまた、垂直レール上を移動し、自動生物学的処理ユニットのうちの1つを選択し、第1の位置と第2の位置との間で自動生物学的処理ユニットを移行させるように構成される、ガントリを含み得る。電気システムは、両方とも自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に結合された、電源及びインターフェースデバイスを含み得る。ガス供給システムは、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体連結されたガスラインを含み得る。垂直レール、電気システム、ガス供給システム、及び/又は熱管理システムは全て、ハウジング内に収容され得る。
【0010】
別の実施形態では、自動選択及び支持システムが提供される。自動選択及び支持システムは、複数の自動生物学的処理ユニットを含むことができ、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置とを有することができる。複数のモジュール式保持セルは、自動生物学的処理ユニットのうちの1つをそれぞれ保持するように構成され得る。シャトルは、モジュール式保持セルの各々の間を移動して、自動生物学的処理ユニットのうちの1つを選択し、自動生物学的処理ユニットを第1の位置と第2の位置との間で移行させるように構成され得る。電気システムは、電源及びインターフェースデバイスを含むことができ、電源及びインターフェースデバイスは両方とも自動生物学的処理ユニットの各々に作動可能に結合される。ガス供給システムは、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含み得る。電気システム、ガス供給システム、及び/又は熱管理システムは、ハウジング内に収容され得る。
【0011】
別の実施形態では、自動選択及び支持システムが提供される。自動選択及び支持システムは、複数の自動生物学的処理ユニットを含むことができ、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置とを有することができる。複数の移送ブロックを提供することができ、各移送ブロックは、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに結合するように構成することができる。カプラは、複数のブロックのうちの1つのブロックと嵌合するように構成され得る。第1のトラックは、カプラを第1の方向に移動させるように構成され得る。第2のトラックは、第1のトラックを第2の方向に移動させるように構成され得、第2のトラックは、第1のトラックに実質的に垂直である。電気システムは、電源及びインターフェースデバイスを含むことができ、電源及びインターフェースデバイスは両方とも、複数の自動生物学的処理ユニット及び移送ブロックの各々に動作可能に接続される。ガス供給システムは、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含み得る。第1のトラック及び第2のトラックは、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを第1の位置から第2の位置に移動させるように構成され得る。
【0012】
別の実施形態では、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための方法が提供される。この方法は、自動選択及び保管システムから自動生物学的処理ユニットを選択するステップであって、自動選択及び保管システムは、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々を第1の位置と第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスは両方とも複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を含む、選択するステップと、可動支持構造を使用して、選択された自動生物学的処理ユニットを第1の位置から第2の位置に移行させるステップと、選択された自動生物学的処理ユニットを第2の位置から第1の位置に戻すステップと、を含み得る。
【0013】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面に示されるような本明細書の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にするように更に機能する。図面は正確な縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】第1の位置における自動選択及び支持システムの概略図である。
【
図1B】第2の位置における、
図1Aの自動選択及び支持システムの概略図である。
【
図2】自動選択及び支持システムの第2の実施形態の斜視図である。
【
図3】
図2の自動選択及び支持システムの第2の実施形態のスイングアームの内部図である。
【
図4】
図2の自動選択及び支持システムの第2の実施形態の内部図である。
【
図5】
図2の自動選択及び支持システムの第2の実施形態の代替的な内部図である。
【
図6】自動選択及び支持システムの第3の実施形態を示す図である。
【
図7】
図6の自動選択及び支持システムの第3の実施形態の内部図である。
【
図8】
図6の自動選択及び支持システムの第3の実施形態の代替的な内部図である。
【
図9】自動生物学的処理ユニットを第1の位置と第2の位置との間で移動させる
図6の自動選択及び支持システムの第3の実施形態を示す図である。
【
図10】自動選択及び支持システムの第4の実施形態の斜視図である。
【
図11】
図10の自動選択及び支持システムの第4の実施形態の内部図である。
【
図12】
図10の自動選択及び支持システムの第4の実施形態の代替的な内部図である。
【
図13】自動生物学的処理ユニットを第1の位置と第2の位置との間で移動させる、
図10の自動選択及び支持システムの第4の実施形態を示す図である。
【
図14】自動選択及び支持システムの第5の実施形態の斜視図である。
【
図15】
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の内部斜視図である。
【
図16】第1の位置にある間の、
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の内部側面図である。
【
図17】第2の位置にある間の、
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の内部側面図である。
【
図18】自動生物学的処理ユニットが第2の位置にある、
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態とのエンドユーザ対話の斜視図である。
【
図19】開放型自動生物学的処理ユニットを有する、
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の別の斜視図である。
【
図20】
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の側面図である。
【
図21】
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の正面図である。
【
図22】
図14の自動選択及び支持システムの第5の実施形態の別の斜視図である。
【
図23A】線A-Aによって分割された、本明細書の実施形態による自動選択及び支持システムを実施又は容易にするための例示的なシステム及びアーキテクチャの前半を示す図である。
【
図23B】線A-Aによって分割された、本明細書の実施形態による自動選択及び支持システムを実施又は容易にするための例示的なシステム及びアーキテクチャの後半を示す図である。
【
図24】本明細書中に記載される自動選択及び支持システムの実施形態とともに使用するための、統合されそして集中化された分析プラットフォームのための例示的なシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で開示される種々の態様は、説明及び添付の図面で具体的に提示される組み合わせとは異なる組み合わせで組み合わされ得ることを理解されたい。また、例に応じて、本明細書で説明したプロセス又は方法のいずれかの特定の行為又はイベントは、異なるシーケンスで実施され得るか、追加され得るか、マージされ得るか、又は完全に省略され得る(例えば、全ての説明した行為又はイベントは、本技術を実行するために必要でないことがある)ことを理解されたい。
【0016】
本明細書における別段の定義がない限り、本開示で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解されている意味を有するものとする。更に、文脈によって別段要求されない限り、単数形の用語は、複数形を含み、複数形の用語は、単数形を含むものとする。
【0017】
本明細書で言及される公開特許、特許出願、ウェブサイト、会社名、及び科学文献は、各々が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で引用される任意の参照と本明細書の特定の教示との間に任意の矛盾がある場合、後者のために解決されるものとする。同様に、本明細書で具体的に教示されている単語又は語句の技術分野の定義と単語又は語句の定義との間に任意の矛盾がある場合、後者のために解決されるものとする。
【0018】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明示的に別様に示さない限り、それらが参照する用語の複数形も具体的に包含する。「約」という用語は、本明細書では、およそ、その領域内、おおよそ、又はその前後を意味するように使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、それは、記載された数値の上及び下の境界を拡張することによってその範囲を修正する。一般に、「約」という用語は、本明細書では、数値を、記載された値の上下に20%の変動で修正するために使用される。
【0019】
特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、選択肢のみを指すことが明示的に示されるか、又は選択肢が互いに排他的でない限り、「及び/又は」を意味するように使用されるが、本開示は、選択肢のみ及び「及び/又は」を指す定義を支持する。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの、含むことの任意の変形形態又は形態)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの、有することの任意の変形形態又は形態)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」などの、含むことの任意の変形形態又は形態)又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの、含有することの任意の変形形態又は形態)は、包含的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。
【0021】
「例えば(for example)」という用語及びその対応する略語である「例えば(e.g.)」の使用は、別段の明示的な記述がない限り、列挙された特定の用語が、参照又は引用された特定の例に限定されることは意図されない本開示の代表的な例及び実施形態であることを意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「間(between)」は、範囲の末端を含む範囲である。例えば、xとyとの間の数には、x及びyの数、並びにxとyとの範囲に入る任意の数が明示的に含まれる。
【0023】
本明細書及び図面全体にわたって記載されるように、自動生物学的処理ユニット102は、細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップを実施するための、完全に密閉された(すなわち、ユニット内の相互接続された管類及び要素又は容器を介してユニット内で無菌性が維持される)自動化されたシステムである。自動生物学的処理ユニット(全体を通して自動細胞操作システムとも称される)は、細胞培養物の自動生産を提供する。本明細書中で使用される場合、「細胞培養物」とは、任意の適切な細胞型(個々の細胞、並びに複数の細胞又は組織構造を形成し得る細胞を含む)をいう。例示的な細胞培養物としては、血液細胞、皮膚細胞、筋肉細胞、骨細胞、種々の組織及び器官由来の細胞などが挙げられる。実施形態では、本明細書に記載されるCAR T細胞を含む遺伝子改変された免疫細胞を産生することができる。例示的な自動化細胞操作システムはまた、全体を通して、COCOON(商標)又はCOCOON(商標)システムとも称される(例えば、米国特許出願公開第2019/0169572号、現在の米国特許第11,447,745号を参照されたく、その開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0024】
自動選択及び支持システム100は、複数の自動生物学的処理ユニット102を保管し、維持し、支持するように構成される。自動選択及び支持システム100内に配置されたとき、各自動生物学的処理ユニット102は、自動生物学的処理ユニット102を保管、操作、及び維持するように構成された第1の位置120aと、自動生物学的処理ユニット102のうちの1つ以上をユーザに提示するための第2の位置120b(すなわち、ユーザ提示位置)と、を有する。ユーザは、生物学的処理ユニット102を個々に選択するために自動選択及び支持システム100と対話することができ、ユーザが生物学的処理ユニット102に関する情報を監視し、選択された生物学的処理ユニット102を第1の位置120aから第2の位置120bに移行させることを可能にする。「第1の位置」及び「第2の位置」は、本明細書では、支持システム100によって取得することができる2つの別個の位置を示すためにのみ使用され、第1の位置と第2の位置との間、並びに第1の位置及び第2の位置を取得する前及び後に、複数の追加の位置を取得することができることを理解されたい。
【0025】
実施形態では、生物学的処理ユニット102は、自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するように構成された第1の位置120aと、自動生物学的処理ユニット102のうちの1つ以上をユーザに提示するための第2の位置120bとの間の複数の位置、すなわち第nの位置に並進することができ、第nの位置の値nは、第1の位置120aと最後の位置との間の任意の数の位置である。例えば、生物学的処理ユニット102は、第1の位置120aから、第1の位置120aと第2の位置120bとの間の第1の中間位置に並進することができる。次いで、生物学的処理ユニット102は、第1の中間位置から、第1の中間位置と第2の位置120bとの間の第3の中間位置に並進することができる。生物学的処理ユニット102は、次いで、生物学的処理ユニット102のうちの1つ以上をエンドユーザに提示するために第2の位置120bに最終的に並進するまで、かかる並進移動をn回繰り返してもよく、第1の位置120aに戻る前に追加の位置に更に並進してもよい。生物学的処理ユニット102はまた、第1の位置120aと第2の位置120bとの間の第nの位置の各々に並進してもよい。実施形態では、第1の位置120a、第nの位置、及び/又は第2の位置120bsは更に、第1の位置120aにおける生物学的処理ユニット102のうちの少なくとも1つの傾斜角が、第nの位置及び/又は第2の位置120bにおける同じ生物学的処理ユニット102の傾斜角と異なるように、生物学的処理ユニット102の各々の傾斜角を含んでもよい。実施形態では、第1の位置120a及び第2の位置120bにおける生物学的処理ユニット102のうちの少なくとも1つの傾斜角は同じであり、一方、第nの位置における同じ生物学的処理ユニット102の傾斜角は、第1の位置120a及び第2の位置120bの傾斜角と同じであり、その結果、自動生物学的処理ユニット102内の細胞培養物を、著しい妨害なしに安定した方法で維持する。第1の位置120aと第2の位置120bとの間の生物学的処理ユニット102のうちの少なくとも1つの並進移動及び/又は傾斜移動は、好適には、他の残りの(すなわち、非並進)生物学的処理ユニット102内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない。
【0026】
例示的な自動選択及び支持システムを
図1A及び
図1Bに示している。自動選択及び支持システム100は、概して、可動支持構造104と、生物学的処理ユニット102の各々にリソースを提供することが可能なハウジング106と、を含む。可動支持構造104は、前述の第1の位置120aと第2の位置120bとの間で、生物学的処理ユニット102を支持すること、及び移行させることの両方が可能である。
図1Aに示される第1の位置120aは、保管及び保守中の生物学的処理ユニット102の主要な位置であることによって特徴付けられ、各生物学的処理ユニット102内の生物学的処理が完了されることを可能にする。本明細書で使用される場合、「保管及び維持」又は「保管及び維持のための」は、生物学的処理ユニット102が活性でないか又は活性化されていない(すなわち、細胞又は他の生物学的成分を含まない)場合、並びに1つ以上の生物学的プロセス(例えば、細胞培養、増殖、トランスフェクションなど)が起こっているという点で生物学的処理ユニットが活性である場合を含む。第1の位置120aにある間、自動選択及び支持システム100は、生物学的処理ユニット102の各々が所望の生物学的プロセスを継続すること、又は非アクティブ状態にあることを可能にするように、生物学的処理ユニット102を実質的に安定に保持するように構成される。第2の位置120bは、
図2Aに示され、ユーザが自動生物学的処理ユニット102の構成要素にアクセスすることを可能にし、ユーザが進行をチェックし、保守を行い、種々の緩衝液、細胞、細胞培養物、ウイルス又はベクター系などを導入又は除去することを可能にするものとして特徴付けられてもよい。
【0027】
可動支持構造104は、ハウジング106及び1又は複数の自動生物学的処理ユニット102のいずれかに結合され得る。一部の実施形態では、可動支持構造104は、生物学的処理ユニット102の各々を安定に維持しながら、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で各生物学的処理ユニット102を移動させるように構成される。各生物学的処理ユニット102は、信頼できる機能のために必要とされる層流状態を維持するために、あるレベルの安定性を必要とする。可動支持構造104は、例えば、突然の開始及び停止を排除すること、一定の又は実質的に一定の移動速度を利用することなどによって、ユニット102上の任意の力を制限するように自動生物学的処理ユニット102を移動させることによって、必要とされるレベルの安定性を達成することができる。更に、一部の実施形態では、可動支持構造104は、重力などの各ユニット102に悪影響を及ぼす任意の可能な力を更に制限するために、移行中に各生物学的処理ユニット102を回転的に水平に保持するように回転又は並進し得ることが想定される。実施形態では、可動支持構造104は、各生物学的処理ユニット102が可動支持構造に対して360°の回転で回転することを可能にし得る。実施形態では、可動支持構造104は、各生物学的処理ユニット102が可動支持構造に対して少なくとも180°の回転にわたって回転することを可能にし得る。自動選択及び支持システム100の構成に依存して、各自動生物学的処理ユニット102は、専用の可動支持構造104に接続され得る。実施形態では、単一の可動支持構造104が、自動生物学的処理ユニット102の各々にサービスを提供することができる。
【0028】
例示的な可動支持構造104は、種々のタイプのアーム、スイングアーム、回転ユニット、トラック構造、プーリ構造、又は本明細書に記載されるような複数の生物学的処理ユニット102の各々を並進させることができる任意の他のタイプの並進可能な支持構造を含む。
【0029】
ハウジング106は、可動支持構造104が自動生物学的処理ユニット102を移行させるのに必要な全ての構成要素を包含するとともに、自動生物学的処理ユニット102が適切に機能するのに必要な任意のリソースを包含することができる。例えば、ハウジング106は、モータ、プーリ、プロセッサ、電線などの、多数の可動支持構造104を動作させるのに必要な機械的構成要素及び電気的構成要素を包含することができる。更に、インターフェースデバイス114をハウジング106に又はその上に位置決めして、ユーザが自動選択及び支持システム100のシステムと対話することを可能にすることができる。実施形態では、インターフェースデバイスは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、無線周波数識別(RFID)センサ、例えば、低周波RFID、高周波RFID、超高周波RFID、パッシブRFID(例えば、無線信号応答)、アクティブRFID(例えば、バッテリ駆動RFIDタグ)、セミパッシブRFID(例えば、バッテリ支援RFIDタグ)など、無線識別及び感知プラットフォーム(WISP)、並びに任意の他の形態の識別センサ技術、バーコードスキャナ、カメラ、指紋センサ、光学センサ、マルチスペクトルセンサ、及び/又は任意の他の適用可能な形態のバイオメトリックセキュリティ技術、を含んでもよい。
【0030】
述べたように、自動生物学的処理ユニット102の各々は、適切に機能するために、電気、ガス、及び温度制御システムなどのリソースへのアクセスを必要とし得る。これらのプロセスは、可動支持構造104及び/又はハウジング106を介して内部で自動生物学的処理ユニット102に結合されてもよく、又は、一部の実施形態では、自動選択及び支持システム100の外部に位置決めされてもよい。例えば、複数の自動選択及び支持システム100が、自動生物学的処理ユニット102の各々を支持するために十分な換気を提供する温度制御された室内に位置決めされ得ることが想定される。電気、ガス、及び温度制御システムに関する更なる詳細が以下に説明される。
【0031】
電気システム108は、自動生物学的処理ユニット102の各々に支持を提供するために、自動選択及び支持システム100内に、特にハウジング106内に位置決めすることができる。更に、一部の実施形態では、単一の電気システム108が、自動選択及び支持システム100に対して外部に位置決めされてもよく、電気システム108は、複数の自動選択及び支持システム100に接続されることが可能であることが想定される。電気システム108は、自動選択及び支持システム100の中央コンピュータシステムによって、又は電気システム108を制御するように特に構成された独立したコンピュータシステムによって制御することができる。電気システム108は、独立して電力を生成してもよく(例えば、光起電力、又は可動支持構造104の移動を通して生成される機械的電力、これらの例から生成される電力は、後の使用のためにバッテリ上に保管されてもよいなど)、又は例えば、壁プラグなどの手段を通して、外部ソースから電気を受信してもよい。一部の実施形態では、電気システム108は、自動生物学的処理ユニット102に提供される電気の電流及び電圧を制御するとともに、各ユニット102に電気の独立した調整された流れを提供するように、生物学的処理ユニット102の各々の電気使用を監視するように構成される。
【0032】
自動生物学的処理ユニット102の各々は、自動選択及び支持システム100、特に、可動支持構造及び/又はハウジング106内に位置決めされ得る、一連の電気導管を通して、電気システム108に独立して接続されてもよい。自動生物学的処理ユニット102はそれぞれ、単一回路を提供することと比較して安全機能を提供するように、連続単一回路に接続されてもよく、又はそれぞれ、電気システム108に独立して接続されてもよい。
【0033】
ガス供給システム110は、各個々の自動生物学的処理ユニット102に接続され得、そして自動選択及び支持システム100のハウジング106内に位置決めすることができる。ガス源は、タンクの形態で自動選択及び支持システム100の内部に位置決めされてもよく、又はガスは、建物又は実験室からのガス供給ラインからなど、外部からガス供給システム110に提供されてもよい。一部の実施形態では、ガス供給システム110は、自動生物学的処理ユニット102の各々に二酸化炭素の一貫した流れを供給するように構成されるが、他のガス(例えば、窒素、水素、酸素など)が使用され得ることが想定される。ガス供給システム110は、中央コンピュータシステムによって、又はガス供給システム110を制御するように特に構成された独立したコンピュータシステムによって制御することができる。
【0034】
自動生物学的処理ユニット102の各々はまた、ハウジング106及び/又は可動支持構造104内に位置決めされ得る導管のシステムを通してガス供給システム110に接続され得る。一部の実施形態では、主要ガスラインは、ハウジング106を通して位置決めされてもよく、一連の補助ガスラインは、主要ガスラインから分岐し、各自動生物学的処理ユニット102を接続してもよい。一部の実施形態では、ガス供給システム110は、生物学的処理ユニット102の各々によるガス使用の起こり得る変動にかかわらず、主要ライン及び補助ガスライン内の一貫したガス圧力を維持するように構成されてもよい。ガス供給システム110は更に、生物学的処理ユニット102の各々の使用を制御及び監視して、各ユニット102に独立した調整されたガス流を提供することができる。
【0035】
一部の実施形態では、自動生物学的処理ユニット102は、適切に動作するために一貫した温度(例えば、±5℃)を必要とする。各自動生物学的処理ユニット102は、熱を生成する可能性があり、一部の実施形態では、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々から熱を除去してユニットを冷却するために使用され得ることが想定される。熱管理システム112は、自動選択及び支持システム100のハウジング106内に位置決めされてもよく、又は自動選択及び支持システム100の外部に位置決めされてもよい。例えば、複数の自動選択及び支持システム100は、温度制御された部屋に位置決めされてもよく、熱管理システム112は、部屋の温度を調節するように、又はユニット102の温度に関するライブデータを外部換気システムに提供するように構成されてもよい。内部に位置決めされた場合、熱管理システム112は、複数のファンを使用して、自動生物学的処理ユニット102の各々の表面にわたって周囲空気を押し出すか又は引き込むかのいずれかを行うことができる。周囲空気は、次いで、周囲の周囲空気に逆流されてもよく、又は空調装置などの内部又は外部温度インターフェースデバイスによって冷却されてもよい。
【0036】
実施形態では、熱管理システム112は、管類又は類似構造が、ユニットを冷却するように自動生物学的処理ユニット102の表面上又はその近傍に延設される、又は自動生物学的処理ユニット102内に延設されることができる、流体冷却システムを備えることができる。例えば、それを通る流体の流れを可能にするように設計された管状構造、ホース、又は他の液体不透過性構造(図示せず)が、生物学的処理ユニット102の各々の周りに巻き付くか、それに隣接するか、又はその上若しくはその中に配設することができる。生物学的処理ユニット102の温度が、手動で又は中央コンピュータシステムを介して自動的に、所望の閾値を超えると判定されると、流体の流れが、流体不浸透性構造を通して導入され得る。流体不透過性構造を通る当該流体の流量は、所定の閾値温度と生物学的処理ユニット102の実際の温度との間の差に基づき得る。例えば、より多くの熱除去(すなわち、より大きな冷却)が所望される場合、流体不透過性構造を通る流体の流量は、より高くてもよい。より少ない熱除去が所望される場合、流体不浸透性構造を通る流体の流量は、より低くてもよい。
【0037】
実施形態では、熱管理システム112は、本明細書で説明される熱除去手順から生成される凝縮を制御するための機構を含むことができる。例えば、液体が流体不浸透性構造を通して流される場合、熱管理システム112は、液体が、直近の環境及び周囲温度(すなわち、生物学的処理ユニット102及び関連構成要素の空気温度、及び/又は生物学的処理ユニット102が保管される環境)に対して、局所露点(すなわち、液体が蒸気になるために周囲空気が冷却されなければならない温度)を上回って維持されることを確実にする手段を更に備えてもよい。これは、生物学的処理ユニット102上又は内に配設された、及び/又は熱管理システム112と一体化された湿度監視装置/センサによって達成されてもよい。
【0038】
熱管理システム112は、内部又は外部に位置決めされた場合、中央コンピュータシステムによって、又は熱管理システム112のために具体的に構成される独立コンピュータシステムによって制御することができる。更に、生物学的処理ユニット102の各々の温度は、ユーザ及びコンピュータシステムに、生物学的処理ユニット102が許容可能な温度の範囲から外れているかどうかに関する情報を提供し、任意の必要な補正を行うように、監視されることが想定される。
【0039】
インターフェースデバイス114は、ハウジング106上に位置決めされてもよく、生物学的処理ユニット102、可動支持構造104、電気システム108、ガス供給システム110、及び熱管理システム112の各々に関する情報をユーザに提供するように構成される。更に、インターフェースデバイス114は、ユニット102の状態を監視すること、及び第1の位置と最後の位置との間でユニット102を移行させることの両方に関して、ユーザが、自動生物学的処理ユニット102の各々を独立して選択することを可能にし得る。インターフェースデバイス114は、内蔵タッチスクリーン、内部コンピュータの形態をとってもよく、又はデスクトップ、タブレット、若しくは他のコンピューティング手段の形態で、ハウジング116から外部に位置決めされてもよい。インターフェースデバイス114はまた、生物学的処理ユニット102の選択されたプロセス、ユニット102への電流、ユニット102へのガス流、及びユニット102の温度を変更するように、ユーザが生物学的処理ユニット102の各々を調整することを可能にする。
【0040】
実施形態では、生物学的処理ユニット102の各々に関連する情報又はデータは、各個々の生物学的処理ユニット102からリアルタイムで抽出することができる。例えば、各個々の生物学的処理ユニット102内の細胞又は細胞培養物の位置、温度、電気供給、ガス供給、及び/又は状態に関する情報は、当該情報が生成されるのと同時の方法で、インターフェースデバイス114に別々に中継され得るか、又は自動化された分析及び表示のためにインターフェースデバイス114を介して抽出され得る。インターフェースデバイス114を介した各生物学的処理ユニット102のユーザ調整はまた、リアルタイムで、かつ各生物学的処理ユニット102に関して別個に達成されてもよい。
【0041】
実施形態では、インターフェースデバイス114は、それへの遠隔アクセス/接続を可能にするように、ハウジング116とは別個の処理ユニットであり得る。例えば、インターフェースデバイス114は、ハウジング116及び/又は各個々の生物学的処理ユニット102に無線で(すなわち、無線LAN、無線MAN、Bluetooth(登録商標)又はZigbee(登録商標)などの無線PAN、無線WANなどを介して)接続することが可能であり得る。実施形態では、インターフェースデバイス114は、ハウジング116とは別個であるが、依然として、イーサネット(登録商標)、光ファイバ、などのハードワイヤ接続を介して、ハウジング116及び/又は各生物学的処理ユニット102に接続される、処理ユニットであってもよい。ハードワイヤ接続は、無線接続を必要とすることなく、ハウジング116に対するエンドユーザの半柔軟な配置を可能にすることができる。実施形態では、複数の自動選択及び支持システム100をハードウェア接続(例えば、有線LANネットワーク)に接続して、遠隔アクセス、データ収集、及びモニタリングを提供することができる。
【0042】
本明細書に記載されるように、好適には、自動選択及び支持構造は、生物学的処理ユニットが互いに対して垂直に、又は実質的に垂直に積み重ねられ、支持され、又は他の方法で配置されるように提供される。これは、生物学的処理ユニットの組み合わせの設置面積を減少させ、実験室、クリーンルーム、倉庫、又は病院の床面積などの最大使用を可能にする。この垂直配向は、従来、水平方法で(すなわち、同一平面上又は実質的に同一平面上で相互に隣接して)支持される、従来の生物学的処理ユニットに対して、本明細書に説明される種々の支持構造に特有である。
【0043】
図2は、複数のスイングアーム204を使用する自動選択及び支持構造200の斜視図を示している。可動支持構造200の1つの例示的な実施形態では、第1の端部216及び第2の端部218を有する複数のスイングアーム204が、生物学的処理ユニット102を保管及び移動するために使用される。各スイングアーム204の第1の端部216は、ハウジング206に結合され、第2の端部218は、単一の生物学的処理ユニット102に結合される。スイングアーム204は、各単一の生物学的処理ユニット102を前述の第1の位置120aと第2の位置120bとの間で移動させるように構成される。更に詳細には、各スイングアーム204は、第2の端部218を第1の端部216に対して回転移動させるように、第1の端部216を中心として回転するように構成されてもよい。すなわち、第2の端部218は、固定された第1の端部216に対して円弧経路又は回転経路で移動する。かかる実施形態では、第1の位置120aは、第1の端部216に対する第2の端部218の特定の位置に関連付けられ得る。例えば、
図2に示されるように、第1の位置120aは、第2の端部218が第1の端部216に対して実質的に垂直である場合として決定され得る。更に、第2の位置120bは、第2の端部218がユーザによってアクセス可能であるように位置決めされる回転位置と関連付けられてもよい。一部の実施形態では、第2の実施形態は、ユーザがアクセス可能な床に対する高さに位置決めされた生物学的処理ユニット102に関連付けられる。更に、
図5に示されるように、各生物学的処理ユニット102が第1の位置120aに同時に(すなわち、第1の端部216に対して垂直位置に)保管されることを可能にするように、生物学的処理ユニット102の各々の第1の位置120aが異なることが想定される。しかしながら、
図2に示されるように、一部の実施形態では、各生物学的処理ユニット102は、単一の生物学的処理ユニット102のみが一度にユーザに提示されることを可能にするように、同じ第2の位置120bに位置決めされ得る。しかしながら、複数の生物学的処理ユニット102が同時にユーザに提示されることを可能にする構成が想定される。
【0044】
スイングアーム204は、各生物学的処理ユニット102を支持する要件に適合するように種々の寸法であり得る。例えば、
図2に示されるように、垂直に積み重ねられた4つの生物学的処理ユニット102があり、したがって、上部及び底部生物学的処理ユニット102は、2つの内部生物学的処理ユニット102と比較して、より長いスイングアーム204を有する。更に、2つの内部生物学的処理ユニット102は、一部の実施形態では、重複する第1の端部を有する、より短いスイングアーム204を有する。これは単に例示的な構成であり、各自動選択及び支持構造200によって支持される生物学的処理ユニット102の数は変化し得ることが想定される。各生物学的処理ユニット102を独立して制御する単一のスイングアーム204を有することによって、単一の生物学的処理ユニット102の移動が他の生物学的処理ユニット102に影響を及ぼさないことが想定される。
【0045】
一部の実施形態では、スイングアーム204は、意図しない動きによる損傷から生物学的処理ユニット102を保護するように回転が制限されてもよい。より詳細には、各スイングアーム204は、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で回転できるようにのみ制限されてもよい。例えば、スイングアーム204の回転運動を制限するように、一連のハードストップ又はガードを位置決めすることができる。一実施形態では、アームは、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で移行するために、(基部210の平面又はハウジング206が着座する表面に対して)-100~+100度の間で回転することが要求され得ることが想定される。好適には、第1の位置120aは、基部210又はハウジング206が着座する表面の平面に対して約+80~+100度であり、実施形態では、第1の位置120aは、基部210又は表面の平面に対して約+90度(すなわち、垂直)である。実施形態では、第2の位置は、基部210又はハウジング206が着座する表面の平面に対して約-10度~約+45度である。すなわち、第2の位置120bは、基部210又は表面の平面に対して、実質的に平行(すなわち、基部210又はハウジング206が着座する表面の平面に対して0度)を含む、好適には水平である。かかる実施形態では、スイングアーム204自体は、基部210又は表面の平面と実質的に平行である必要はない。
【0046】
位置ガード429は、スイングアーム204内に、特に第1の端部216に、又はハウジング206内に位置することができる。位置ガード429は、モータ424がスイングアーム204を第1の位置120aに維持することを必要とすることなく、スイングアーム204及び生物学的処理ユニット102が第1の位置120aに保管されることを可能にする。位置ガード429は、スイングアーム204が回転する能力を停止させるように第1の端部216に位置決めされてもよい。一部の実施形態では、位置ガード429は、インターフェースデバイス114によって制御されてもよく、スイングアーム204が回転し得るときを選択的に制御してもよい。更に、第2の位置120bのガードは、モータ424がスイングアーム204を第2の位置120bに保持する必要がないように、スイングアーム204及び第2の端部218が第2の位置120bに到達するとそれらを停止させるように位置決めされてもよい。一部の実施形態では、位置ガード429は、自動的及び/又は選択的に係合及び係合解除されるように、自動選択及び支持システム200のインターフェースデバイス114と通信し得ることが更に想定される。追加の位置ガード429を支持システム200に利用して、生物学的処理ユニット102を第1の位置120aと第2の位置120bとの間の任意の数の所望の位置に維持して、例えば、特定の保守要件などを実行することができる。
【0047】
自動選択及び支持構造200の一部の実施形態では、4つの個々のスイングアーム204(又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は6、又は7、又は8など)がハウジング206に接続され、
図2に示すように、4つの生物学的処理ユニット102を自動選択及び支持構造200によって支持することができる。
図2に示されるように、各スイングアーム204の第1の端部216は、各生物学的処理ユニット102が、他の生物学的処理ユニット102と干渉することなく、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で移動することを可能にするように、ハウジング206に接続される。各生物学的処理ユニット102は、他の生物学的処理ユニット102の移動とは独立して移動するように構成され、更に、各スイングアーム204は、他の非可動部品にかかる可能性のある力を低減するように構成される。
【0048】
スイングアーム204の内部図を示す
図3を参照すると、スイングアームは、第1の端部216においてハウジング206に取り付けられた第1のギア320と、第2の端部218において生物学的処理ユニット102に取り付けられた第2のギア322とを含む。第1及び第2のギア320、322は、チェーン324又は他の接続デバイス(例えば、バンド又はベルト)によって結合され、その結果、スイングアーム204が第1の端部216の周りを回転するとき、チェーン324は、単一の生物学的処理ユニット102を水平にするように第2のギア322を回転させるように移動する。チェーン314の移動により、生物学的処理ユニット102は、第1の位置と第2の位置120bsとの間の水平位置に維持され、すなわち、第1の位置120a、第2の位置120b、及び2つの位置の間の移行中に回転的に水平に保たれる。好適には、生物学的処理ユニット102は、第1の端部216に対するスイングアーム204の回転に比例して回転するように構成され、スイングアーム204が生物学的処理ユニット102を回転変位させるときに生物学的処理ユニット102が水平のままであることを可能にする。一部の実施形態では、生物学的処理ユニット102を一貫したレベルに維持することによって、生物学的処理ユニット102にかかる回転力及び並進力が低減又は最小化され、生物学的処理ユニット102又はその中のプロセスが損傷を受ける全体的なリスクが低下する。この形態のレベリングシステムは単なる例示であり、当技術分野で知られている他のレベリングシステムが使用されてもよい。
【0049】
図4は、自動選択及び支持構造200の一実施形態のハウジング206の内部を示している。スイングアーム204の各々の回転は、駆動ベルト428(又は、実施形態では、チェーン、ロッド、カム、バンド、又は任意の他の実行可能な能動制御デバイス)によってスイングアーム204の第1の端部216に動作可能に結合されたモータ424によって制御される。一部の実施形態では、各スイングアーム204が、各スイングアーム204の回転及び移動を制御するための独立したモータ424を有することが想定される。代替的に、スイングアーム204の各々は、単一の中央モータ424によって制御されてもよく、モータ424は、それぞれの個々のスイングアーム204と選択的に係合してもよい。
図4に示されるように、駆動ベルト428は、スイングアーム204の回転点、すなわち第1の端部216に位置決めされてもよく、これは、一部の実施形態では、駆動ベルト428が互いに重なるように位置決めされることをもたらす。
【0050】
図5は、自動選択及び支持構造200のハウジング206の概略図を示し、電気入力及びガス入力の可能なレイアウトが示されている。電気システム108及びガス供給システム110は、ハウジング106内に位置決めされた一連の導管530を介して処理ユニット102の各々に動作可能に結合され得(すなわち、電力、制御、データ転送、並びにガスの供給及び戻りを可能にするように接続され)、一部の実施形態では、導管530は、スイングアーム204の各々の第1の端部216からスイングアーム204を通って延び、スイングアーム204の第2の端部218で生物学的処理ユニット102に接続する。更に、電気システム108及びガス供給システム110は、ハウジング206内に位置決めされ得ることが想定される。
【0051】
ハウジング206は、可動支持構造204が自動生物学的処理ユニット102を移行させるのに必要な全ての構成要素を包含するとともに、自動生物学的処理ユニット102が適切に機能するのに必要な任意のリソースを包含することができる。例えば、ハウジング206は、モータ、プーリ、プロセッサ、電線などの、多数の可動支持構造204を動作させるのに必要な機械的構成要素及び電気的構成要素を包含することができる。更に、インターフェースデバイス114をハウジング206に又はその上に位置決めして、ユーザが自動選択及び支持システム200のシステムと対話することを可能にすることができる。ハウジング206は、自動生物学的処理ユニット102及び自動選択及び支持システム200のシステムに関する情報をユーザに提示するために、インターフェースデバイス114をハウジングに組み込むことができる。ハウジング206は、ユーザがハウジング206によって収容された内部システム及び構成要素にアクセスすることを可能にするように構成される。
【0052】
稼働中に、ユーザは、自動生物学的処理ユニット102を選択するように、インターフェースデバイス114(例えば、コンピュータ、タブレット、モバイルデバイスなど)と対話することができる。次いで、インターフェースデバイス114は、指定された自動生物学的処理ユニット102に関連付けられたモータ424に係合する。モータ424は、ベルトドライブ428を介して、第2の端部218及び第1のギア320を回転させ始め、スイングアーム204を回転させる。スイングアーム204が第2の位置120bに配置されると、ユーザは生物学的処理ユニット102と対話することができる。ユーザが生物学的処理ユニット102との対話を完了したとき、ユーザは、インターフェースデバイス114と対話して、スイングアーム204を第1の位置120aに戻すことができる。
図2~
図5に示される構成は、自動化された支持及び選択構造200内の任意の移動の失敗又はエラーが、他の自動生物学的処理ユニット102の各々の故障又は損傷をもたらさないように、各自動生物学的処理ユニット102を独立して移動させる。
【0053】
熱管理システム112は、自動支持及び選択構造200に対して内部又は外部のいずれかに位置決めされてもよく、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々を比較的一貫した温度(例えば、±5℃)に保つように構成される。上述のように、自動生物学的処理ユニット102は、適切に動作するために一貫した温度を必要とする。各自動生物学的処理ユニット102は、熱を生成する可能性があり、一部の実施形態では、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々から熱を除去するために使用され得ることが想定される。上述したように、熱管理システム112は、自動選択及び支持システム100の各々に収容されてもよく、又は自動生物学的処理ユニット102に対して外部に位置決めされてもよい。例えば、複数の自動選択及び支持システム100は、温度制御された部屋に位置決めされてもよく、熱管理システム112は、部屋の温度を制御するように、又はユニット102の温度に関するライブデータを外部換気システムに提供するように構成されてもよい。内部に位置決めされた場合、換気システム112は、複数のファンを使用して、自動生物学的処理ユニット102の各々の表面にわたって周囲空気を押し出すか又は引き込むかのいずれかを行うことができる。周囲空気は、次いで、周囲の周囲空気に逆流されてもよく、又は空調装置などの内部又は外部温度インターフェースデバイスによって冷却されてもよい。熱管理システム112はまた、ユニットを冷却するために、管類又は類似構造が、自動生物学的処理ユニット102の表面上又はその近くを通るか、又はユニット内を通ることができる、流体冷却システムを備えることができる。更に、熱管理システム112は、内部又は外部に位置決めされた場合、中央コンピュータシステムによって、又は熱管理システム112のために特別に構成された独立したコンピュータシステムによって、制御され得るか、又は通信することができる。更に、生物学的処理ユニット102の各々の温度は、生物学的処理ユニット102が許容可能な温度の範囲から外れているかどうかに関する情報をユーザ及びコンピュータシステムに提供し、生物学的処理ユニット102を許容可能な温度範囲に戻すために任意の必要な補正を行うように監視されることが想定される。
【0054】
自動選択及び支持システム600の代替的な実施形態では、
図6に示されるように、自動選択及び支持システム600は、保管のための第1の位置120a又は自動生物学的処理ユニット102をユーザに提示するための第2の位置120bのいずれかに位置決めすることができる、複数の自動生物学的処理ユニット102を支持するように構成される。システム600は、複数の保持棚604と、ハウジング606と、可動ガントリ708と、を含み、複数の保持棚604の各々は、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを保持し、結合するように構成される。更に、可動ガントリ708は、保持棚604の各々を選択的に結合することができ、可動ガントリ708は、選択された保持棚604を第1の位置120aと第2の位置120bとの間で移動させるように構成される。
【0055】
更に詳細には、各保持棚604は、自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを支持するように構成され、
図7に示されており、自動選択及び支持システム600は、ハウジング606が取り外された状態で示されている。各保持棚604は、自動生物学的処理ユニット102の基部、又は自動生物学的処理ユニット102の一端、特に自動生物学的処理ユニット102の後端のいずれかにおいて、自動生物学的処理ユニット102に結合する。各保持棚604の結合点は、生物学的処理ユニット102に電気、ガス、及び一部の実施形態では換気を提供する。より具体的には、保持棚604の結合点は、結合機構に加えて、適切に動作するために必要とされるリソースへのアクセスを生物学的処理ユニット102に提供する開口部を有してもよい。
【0056】
可動ガントリ708は、
図7に示され、複数の保持棚604の間を垂直に移動するように構成され、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で自動生物学的処理ユニット102を選択的に移行させるように、複数の保持棚604の各々に選択的に結合することができる。可動ガントリ708は、ハウジング606の基部607から上部保持棚604まで垂直に延在する一連のレール710上に位置決めされる。可動ガントリ708は、一連のレール710を垂直に上下に選択的に移動するように、一連のレール710に動作可能に結合されるように構成される。更に、ガントリ708は、一対の水平スライダ714を有し、各水平スライダ714は、フロントレール711及びバックレール712に動作可能に結合された第1の端部及び第2の端部を有する。
図7に示すように、ガントリ708は、一対の水平スライダ714の四隅に動作可能に結合されている。
【0057】
稼働中に、ユーザは、自動生物学的処理ユニット102を選択するように、インターフェースデバイス114(例えば、コンピュータ、タブレット、モバイルデバイスなど)と対話することができる。インターフェースデバイス114は、可動ガントリ708及び水平スライダ714の移動及び速度を制御して、生物学的処理ユニット102を第1の位置120aから第2の位置120bに移行させる。上述のように、インターフェースデバイス114は、一部の実施形態では、ユーザが自動生物学的処理ユニット102の各々の状態を監視することを可能にする。ユーザが自動生物学的処理ユニット102との対話を完了したとき、ユーザは、インターフェースデバイス114と再び対話して、自動生物学的処理ユニット102を第1の位置120aに戻すことができる(例えば、保管及び保守のために)。
【0058】
水平スライダ714は、可動ガントリ708とともに垂直に上下に移動するように構成され、水平スライダ714は、
図8に示されるように、各保持棚604を把持する、又はそれに結合することに適合する、クリップ又は取付構造716を有する。取付構造716が保持棚604を把持すると、水平スライダ714は、
図9に見られるように、保持棚604を移動させ、その後、自動生物学的処理ユニット102を水平に前方に移動させる。次いで、ガントリ708は、保持棚604及び自動生物学的処理ユニット102をユーザに提示する位置(すなわち、最後の位置)まで垂直に移動する。可動ガントリ708及び水平スライダ714の移動には、各種のモータ及びギアが利用される。
【0059】
図6に示すように、ハウジング606は、可動ガントリ708、水平スライダ714、及び自動生物学的処理ユニット102を支持するのに必要な任意のシステムを包含する。ハウジング606は、ハウジング606の底部に位置する基部607を含む。ハウジング606の位置は、可動ガントリ708及び水平スライダ714がハウジング606によって完全に包含されることを可能にする。更に、保持棚604は、保持棚604がハウジング606に対して水平に移動することを可能にするように、ハウジング606の完全に外側に位置決めされてもよい。
【0060】
図8に示されるように、ハウジング606(
図8では、見やすくするために取り外されている)は、一連の導管又は他の同様の構造を通して処理ユニット102の各々に動作可能に結合された(すなわち、電力、制御、データ転送、並びにガスの供給及び戻りを可能にするように接続された)電気システム108及びガス供給システム110を適切に含む。図示されるように、実施形態では、電気システム108及びガス供給システム110のうちの1つ以上は、レール710のうちの1つ以上の中を含む、上方に移動することができる。示されるように、各処理ユニット102は、それ自体の電気システム108及びガス供給システム110によって供給され、その結果、所望又は必要に応じて、個々の処理ユニット102に提供される電気及び/又はガスに対して適切な変更がなされ得る。
【0061】
本明細書に説明されるように、自動選択及び支持システム600のための熱管理システム112は、自動支持及び選択構造600に対して内部又は外部のいずれかに位置決めされてもよく、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々を比較的一貫した温度(例えば、±5℃)に保つように構成される。上述のように、自動生物学的処理ユニット102は、適切に動作するために一貫した温度を必要とする。各自動生物学的処理ユニット102は、熱を生成する可能性があり、一部の実施形態では、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々の表面から熱を除去するために使用され得ることが想定される。上述したように、熱管理システム112は、自動選択及び支持システム600の各々のハウジング606内に位置決めされてもよく、又は外部に配置されてもよい。例えば、複数の自動選択及び支持システム600は、温度制御された部屋に位置決めされてもよく、熱管理システム112は、部屋の温度を制御するように、又はユニット102の温度に関するライブデータを外部換気システムに提供するように構成されてもよい。内部に位置決めされた場合、換気システム112は、複数のファンを使用して、自動生物学的処理ユニット102の各々の表面を横切って周囲空気を押すか又は引き得るかのいずれかであり得るか、又は本明細書中に記載されるような流体冷却システムが使用され得る。
【0062】
自動選択及び支持システム600を使用して、複数の生物学的処理ユニット102のうちの1つを第1の位置120aと第2の位置120bとの間で移動させるプロセスが、
図9に示されている。生物学的処理ユニット102を移動させるために、ユーザは、最初に、インターフェースデバイス114を介して、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを選択してもよい。上述のように、水平スライダ714はそれぞれ、保持棚604に関連付けられる。次いで、可動ガントリ708は、可動ガントリ708が生物学的処理ユニット102の垂直位置に到達するまで、一連のレール710を垂直に上下に移動する。可動ガントリ708が選択された自動生物学的処理ユニット102に位置決めされると、水平スライダ714が保持棚604に位置決めされ、取付構造又はクリップ716が保持棚604と係合して結合することを可能にする。次いで、可動ガントリ708の水平スライダ714は、
図9に示すように、保持棚604を他の保持棚から離れるようにスライドさせる。保持棚604、続いて生物学的処理ユニット102が水平に移動されると、可動ガントリ708は、選択された保持棚604を、生物学的処理ユニット102がユーザによってアクセス可能である位置(第2の位置120b)に垂直に(上又は下のいずれかに)移動させる。
【0063】
ユーザが自動生物学的処理ユニット102の使用を完了すると、可動ガントリ708は、保持棚604を第1の位置120aに戻すように垂直に移動することができる。次いで、水平スライダ714は、保持棚604及び自動生物学的処理ユニット102を第1の位置120aに戻すように水平に移動させることができる。次いで、可動ガントリ708は、保持棚604から切り離され、ユーザが別の生物学的処理ユニット102にアクセスすることを可能にし得る。
【0064】
自動選択及び支持構造1000の追加の実施形態を
図10に示している。自動選択及び支持システム1000は、複数の自動生物学的処理ユニット102を支持するように構成され、構造1000は、自動生物学的処理ユニット102を、保管及び保守のための第1の位置120a、又は自動生物学的処理ユニット102をユーザに提示するための第2の位置120bのいずれかに位置決めすることが可能である。構造1000は、概して、複数の垂直に積み重ねられたモジュール式保持セル1004と、ハウジング1006と、シャトル1008と、複数のシャーシ1010と、を含む。保持セル1004の各々は、その中に位置決めされた複数のシャーシ1010のうちの1つを有し、シャーシ1010の各々は、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを支持及び固定するように構成される。
【0065】
更に詳細には、
図11に示されるように、各保持セル1004は、複数のシャーシ1010のうちの1つ、及び複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つの両方に適合するようにサイズ決定される。
図11に示される実施形態は、互いの上に垂直に積み重ねられた複数の保持セル1004を有し、各保持セル1004は、開放セルであるように構成される。更に詳細には、セル1004の各々の開放した側面は、空気流が自動生物学的処理ユニット102の各々を横切ってより容易に移動することを可能にする。例示的なシステム1000は、垂直に積み重ねられた5つの保持セル1004を示すが、これは単なる例示であり、一部の代替構成が想定される。
【0066】
複数のシャーシ1010のうちの1つは、各保持セル1004内に位置決めされ、各シャーシ1010は、シャーシ1010及び自動生物学的処理ユニット102の両方を保持セル1004の内部から外に移動させるように構成される。シャーシ1010は、自動生物学的処理ユニット102をハウジング1006に接続して、自動生物学的処理ユニット102の各々に、それらの意図された機能を動作させ、正常に完了させるために必要な資源(すなわち、ガス、電気)を提供することができる。
【0067】
可動シャトル1008は、自動生物学的処理ユニット102を第1の位置120aから第2の位置120bに選択的に結合し、続いて移動させるように、保持セル1004の表面を横切って垂直に移動するように構成される。可動シャトル1008は、一連のモータ及びギアを使用して、シャーシ1010の各々に選択的に結合してもよい。可動シャトル1008がシャーシ1010に結合されると、シャトル1008は、シャーシ1010を移動させ、その後、自動生物学的処理ユニット102を細胞の外に水平に移動させることができ、可動シャトル1008が、シャーシ1010及び自動生物学的処理ユニット102を垂直に移動させて、それらをユーザに提示することを可能にする。
【0068】
稼働中に、ユーザは、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを選択するように、インターフェースデバイス114(例えば、コンピュータ、タブレット、モバイルデバイスなど)と対話することができる。インターフェースデバイス114は、シャトル1008の移動及び速度、並びにシャーシ1010の結合及び移動を制御するであろう。前述のように、インターフェースデバイス114は、ユーザが、自動生物学的処理ユニット102の各々のステータスを監視することを可能にする。ユーザが自動生物学的処理ユニット102との対話を完了したとき、ユーザは、自動生物学的処理ユニット102を第1の位置120aに戻すために、インターフェースデバイス114と再び対話することができる。
図10に示されるように、インターフェースデバイス114は、シャトル1008上に位置決めされるが、これは、例示にすぎず、インターフェースデバイスは、自動選択及び支持構造1000のいずれかの部分上に配置されてもよく、又は自動選択及び支持システム100から遠隔に配置されてもよい。
【0069】
図12に示されるように、ハウジング1006は、シャトル1008を移動させるために必要とされる機構、電子システム、ガス供給源、及び必要であり得る任意の換気又は熱管理構成要素を包含する。ハウジング1006は、ハウジング1006の底部に位置する基部1007を含む。
図12に示すように、ハウジング1006は、一連の導管又は他の同様の構造を通して処理ユニット102の各々に動作可能に結合された(すなわち、電力、制御、データ転送、並びにガスの供給及び戻りを可能にするように接続された)電気システム108及びガス供給システム110を適切に含む。示されるように、各処理ユニット102は、それ自体の電気システム108及びガス供給システム110によって供給され、その結果、所望又は必要に応じて、個々の処理ユニット102に提供される電気及び/又はガスに対して適切な変更がなされ得る。シャトル1008が特定のシャーシ1010を選択して処理ユニット102を第1の位置120aから第2の位置120bに移動させると、付随する電気システム108及びガス供給システム110もそれに応じてシャトル1008とともに移動する。
【0070】
上記で説明されたものと同様に、自動選択及び支持システム1000のための熱管理システム112は、自動支持及び選択構造1000に対して内部又は外部のいずれかに位置決めされてもよく、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々を比較的一貫した温度(例えば、±5℃)に保つように構成される。上述のように、自動生物学的処理ユニット102は、適切に動作するために一貫した温度を必要とする。各自動生物学的処理ユニット102は、熱を生成する可能性があり、一部の実施形態では、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々から熱を除去するために使用され得ることが想定される。上述したように、熱管理システム112は、自動選択及び支持システム1000の各々のハウジング1006内に配置されてもよく、又は外部に配置されてもよい。例えば、複数の自動選択及び支持システム1000は、温度制御された部屋に位置決めされてもよく、熱管理システム112は、部屋の温度を制御するように、又はユニット102の温度に関するライブデータを外部換気システムに提供するように構成されてもよい。内部に位置決めされた場合、換気システム112は、複数のファンを使用して、自動生物学的処理ユニット102の各々の表面を横切って周囲空気を押すか又は引き得るかのいずれかであり得るか、又は本明細書中に記載されるような流体冷却システムが使用され得る。
【0071】
自動選択システム1000を使用して生物学的処理ユニット102を第1の位置120aと第2の位置120bとの間で移動させるプロセスを
図13に示している。生物学的処理ユニット102を移動させるために、ユーザは、最初に、インターフェースデバイス114を介して、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを選択してもよい。上述のように、特定の自動生物学的処理ユニット102が選択されると、シャトル1008は、選択された自動生物学的処理ユニットに関連付けられた保持セル1004にナビゲートする。シャトル1008は、保持セル1004内に位置決めされたシャーシ1010に結合される。シャトル1008は、次いで、保持セル1004から摺動することによって、シャーシ1010と、続いて、自動生物学的処理ユニット102との両方を選択された保持セル1004から除去し、いったん除去されると、シャトル1008は、自動生物学的処理ユニット102が第2の位置120bに到達するまで、複数の保持セル1004にわたって垂直に上下に移動する。次いで、生物学的処理ユニット102は、ユーザによってアクセスされ得る。
【0072】
ユーザが自動生物学的処理ユニット102の使用を完了すると、シャトル1008は、シャーシ1010及び自動生物学的処理ユニット102を元の保持セル1004に戻すように、一連の保持セル1004にわたって移動することができる。シャトル1008は、次いで、シャトル1008がシャーシ1010から切り離す前に、シャーシ1010及び自動生物学的処理ユニット102を元の保持セル1004に戻すことができる。シャトル1008は、次いで、再び自由になり、ユーザが別の生物学的処理ユニット102にアクセスすることを可能にする。
【0073】
自動選択及び支持構造1400の更なる実施形態が
図14~
図15に示されている。自動選択及び支持構造1400は、複数の自動生物学的処理ユニット102を支持するように構成され、構造1400は、複数の自動生物学的処理ユニット102の各々を、保管及び保守のための第1の位置120a、又は自動生物学的処理ユニット102をユーザに提示する第2の位置120bのいずれかに位置決めすることが可能である。自動選択及び支持構造1400は、ハウジング1402と、複数の移送ブロック1404と、第1のトラック1406と、第2のトラック1408と、カプラ1410と、を含む。移送ブロック1404の各々は、自動生物学的処理ユニット102のうちの1つに位置決めされ、結合されており、各ブロック1404は、カプラ1410と選択的に嵌合するように構成されている。稼働中に、ユーザは、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを選択し、カプラ1410は、第1のトラック1406及び第2のトラック1408を使用して、選択された自動生物学的処理ユニット102の移送ブロック1404の位置にナビゲートされる。いったん位置決めされると、カプラ1410は、選択された自動生物学的処理ユニット102と関連付けられた移送ブロック1404と噛合する。次いで、自動生物学的処理ユニット102は、第1のトラック1406及び第2のトラック1408を使用して、第1の位置120aから第2の位置120bに移行される。各生物学的処理ユニット102は、独立して動作し、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で並進されてもよく、生物学的処理ユニット102の有用性を同時に維持しながら、空間利用の最適化を可能にする。
【0074】
複数の移送ブロック1404のうちの1つの移送ブロック1404は、自動生物学的処理ユニット102の各々に位置決めされる。
図15に示すように、各移送ブロック1404は、自動生物学的処理ユニット102(
図15には図示せず)のハウジング1402に対して内部に位置決めされ、一方、各自動生物学的処理ユニット102は、ハウジング1402に対して外部に位置決めされる。自動生物学的処理ユニット102は、自動生物学的処理ユニット102の各々が自動選択及び支持構造1400から取り外されることを可能にするように(例えば、洗浄、滅菌、修復などのために)、移送ブロック1404の各々に取り付けられ得、そして取り外され得る。更に、移送ブロック1404の各々は、移送ブロック1404及び選択された自動生物学的処理ユニット102の両方を、自動選択及び支持構造1400内の1つの位置から更なる位置(例えば、第1の位置120a及び第2の位置120b)に移動させるように、カプラ1410と選択的に嵌合するように構成される。
【0075】
図15に示されるように、第1のトラック1406は、第1のトラック1406の周囲を囲むベルト1407を含み、ベルト1407は、第2のトラック1408を移動させるように構成される。実施形態では、第2のトラック1408は、チェーン、ロープ、バンド、プーリ、ボールねじ、ローラねじ、ACMEねじなどのベルト1407以外の構造によって移動されてもよい。第2のトラック1408は、ベルト1407が第1のトラック1406の外周の周囲で回転されるにつれて、第1のトラック1406に対する第2のトラック1408の位置が制御され得るように、ベルト1407の一部に結合される。ベルト1407は、第1のトラック1406及び第2のトラック1408の移動を可能にするために、プーリシステム、ギアシステム、駆動ベルト、バンド、スポーク付きホイール及び対応するチェーン、ボールねじ、ローラねじ、ACMEねじなどを含む任意の適切な機構を含むことができる。1つの例示的な実施形態では、
図15に示すように、第1のトラック1406のベルト1407は、第1のトラック1406に沿って移動されるときに第2のトラック1408の高さ又は垂直位置を制御するために使用される。同様に、第2のトラック1408は、第2のトラック1408の周囲を取り囲むベルト1409を含む。カプラ1410は、第2のトラックのベルト1409に結合され、その結果、ベルト1409が第2のトラック1408の外周の周りを回転すると、カプラ1410の位置が制御される。
図15に示す例示的な実施形態では、ベルト1409は、カプラ1410の水平位置を制御する。したがって、第1のトラック1406及び第2のトラック1408の組み合わせは、カプラ1410の垂直及び水平位置の両方を制御し、したがって、支持構造1400内の生物学的処理ユニット102の垂直及び水平移動を制御する。
図14~
図17に示される構成は、単なる例示であり、第1のトラック1406及び第2のトラック1408の他の構成が想定される。
【0076】
図15は、移送ブロック1404、第1のトラック1406、第2のトラック1408、及びカプラ1410をより詳細に示している。例示的な図では、第1のトラック1406及び第2のトラック1408は、選択された自動生物学的処理ユニット102を第1の方向(例えば、水平方向)及び第2の方向(例えば、垂直方向)の両方に移動させるように、互いに垂直に位置決めされる。第1のトラック1406は、自動選択及び支持構造1400のハウジング1402に対して静止しており、第2のトラック1408は、第1のトラック1406に少なくとも部分的に垂直に位置決めされる。第1のトラック1406は、第1のトラック1406の長さに沿って第2のトラック1408を移動させることができ、オペレータが第1のトラックに対する第2のトラック1408の位置を選択的に制御することを可能にする。更に、カプラ1410は、第2のトラック1408に位置決めされ、第1のトラック1406と第2のトラック1408との間の関係と同様に、第2のトラック1408は、第2のトラックの長さに沿ってカプラ1410を移動させることができる。
図14及び
図15の両方に示される例示的な実施形態では、第1のトラック1406は、ハウジング1402の基部1403に対して垂直に位置決めされ、第2のトラック1408は、第1のトラック1406に位置決めされ、基部に対して平行に配向される。したがって、上で説明したように、第2のトラック1408は、第1のトラック1406の長さに沿って垂直に上下に移動することができる。同様に、カプラ1410は、第2のトラック1408に位置決めされ、第2のトラック1408の長さに沿って水平に移動することができる。生物学的処理ユニット102が第1のトラック1406及び/又は第2のトラック1408に沿って移動される速度は、円滑な動きを確実にし、その中の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに対する妨害を最小限にするように制御され得る。
【0077】
稼働中に、ユーザは、複数の自動生物学的処理ユニット102のうちの1つを選択するように、ハウジング1402上に位置決めされたインターフェースデバイス114(例えば、コンピュータ、タブレット、モバイルデバイスなど)と対話することができる。インターフェースデバイス114は、本明細書で説明されるように、システム1400に物理的に結合されるか、又はシステム1400から遠隔にある(すなわち、手持ち式又は別様に可動である)ことができる。インターフェースデバイス114は、第1のトラック1406及び第2のトラック1408を使用して、カプラ1410を選択された自動生物学的処理ユニットの位置にナビゲートする。いったん位置決めされると、カプラ1410は、選択された自動処理ユニット102に関連付けられた移送ブロック1404と嵌合する。次いで、第2のトラック1408は、カプラ1410、移送ブロック1404、及び自動生物学的処理ユニット102を、それらが第1のトラック1406と位置合わせされるまで、水平にナビゲートする。次いで、第1のトラック1406は、第2のトラック1408を垂直に並進させ、その後、自動生物学的処理ユニット102を、ユーザに提示される第2の位置120bに並進させる(
図14の1440を参照)。自動処理ユニット102を第2の位置120bから第1の位置120aに戻すために、説明したプロセスを逆にすることができる。
【0078】
ハウジング1402は、第1のトラック1406、第2のトラック1408、カプラ1410、前の実施形態で説明したような電子システム、前の実施形態で説明したようなガス供給システム、及び必要であり得る任意の換気又は熱管理構成要素を動作させ、移動させるために必要とされる機構を包含する。ハウジング1402は、ハウジング1402の底部に位置する基部1403を含む。
図16及び
図17に示すように、ハウジング1402は、接続導管1405を介して複数の生物学的処理ユニット102の各々に動作可能に結合された(すなわち、電力、制御、データ転送、並びにガスの供給及び戻りを可能にするように接続された)電気システム108及びガス供給システム110を含む。接続導管1405は、自動生物学的処理ユニットが第1の位置120aから最後の位置に移行するときに、移動し、自動生物学的処理ユニット102の各々に取り付けられたままであり、それに追従するように構成される。
図16及び
図17は、単一の生物学的処理ユニット102のための電気システム108及びガス供給システム110の構成を示している。追加の生物学的処理ユニット102のための追加の電気供給システム及びガス供給システムは、同様に配置することができる。
【0079】
実施形態では、電気システム108及び/又はガスシステム110は、単一の接続軸線を介して複数の生物学的処理ユニット102の各々に接続することができる。例えば、
図16は、第1の位置120aにある単一の生物学的処理ユニット102に接続された電気システム及びガス供給システムを接続する接続導管1405を示し、一方、
図17は、第2の位置120bにある単一の生物学的処理ユニット102を接続する接続導管1405を示している。示されるように、接続導管1405は、自動生物学的処理ユニット102が第1の位置120aと最後の位置との間で移行する間、生物学的処理ユニット102と電気システム108とガス供給システム110との間の接続を維持する。実施形態では、各生物学的処理ユニット102は、
図16及び
図17に示されるのと同様の方法で、接続導管1405によって電気システム108及びガス供給システム110に結合される。述べたように、各処理ユニット102は、それ自体の電気システム及びガス供給システムによって供給されてもよく、その結果、所望又は必要に応じて、個々の処理ユニット102に提供される電気及び/又はガスに対して適切な変更を行うことができる。
【0080】
図16~
図17にわたって示されるように、生物学的処理ユニット102が第1の位置120aから第2の位置120bに並進するとき、当該物学的処理ユニット102に接続された接続導管1405は、それとともに移動する。例えば、第1のトラック1406及び第2のトラック1408を介して生物学的処理ユニット102を移動させることにより、接続導管1405を生物学的処理ユニット102とともに引っ張ることができる。
図16に示されるように、第1のガイド1401aは、第1の位置120aから第2の位置120bに並進される所望の生物学的処理ユニット102の移送ブロック1404に隣接して配設される。移送ブロック1404が並進するにつれて、それは、ハウジング1402内に配設される第1のガイド1401a及び第2のガイド1401bを介して指向される、それとともに接続導管1405を引く。移送ブロック1404が接続導管1404を引っ張り続けると、第2のガイド1401bは、接続導管1405に十分な緩みを提供するように、第1のガイド1401aに向かう方向に並進し始め、
図17に例示されるように、過剰な張力が接続導管1405に蓄積することなく、生物学的処理ユニット102が第2の位置120bに向かうその移動を完了することを可能にする。第1のトラック1406及び第2のトラック1408は、したがって、電気供給システム108及びガス供給システム110から生物学的処理ユニット102への接続のいかなる中断も防止するであろう方法で、それら自体の上、その中、又はその周囲に接続導管1405を受容してもよい。例えば、接続導管1405は、第1のガイド1401a及び第2のガイド1401bを介して、第1のトラック1406及び第2のトラック1408を通して、又はそれにわたって引動され、接続導管1405のより容易な並進を可能にし、接続導管1405の挟持、捻転、断絶、又は一般的損傷を防止することができる。
【0081】
上述した実施形態と同様に、
図14~
図17に示すような熱管理システム112を、自動選択及び支持システム1400に含めることができる。熱管理システム112は、自動選択及び支持構造1400に対して内部又は外部のいずれかに位置決めされてもよい。熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々を比較的一貫した温度(例えば、±5℃)に保つように構成される。前述したように、自動生物学的処理ユニット102は、適切に動作するために一貫した温度を必要とする。各自動生物学的処理ユニット102は、熱を生成する可能性があり、一部の実施形態では、熱管理システム112は、自動生物学的処理ユニット102の各々から任意の熱を除去するために使用され得ることが想定される。上述のように、熱管理システム112は、自動支持及び選択構造1400に対して外部に配置されてもよい。例えば、複数の自動選択及び支持システム1400は、温度制御された部屋に位置決めされてもよく、熱管理システム112は、部屋の温度を制御するように、又はユニット102の温度に関するライブデータを外部換気システムに提供するように構成されてもよい。内部に位置決めされた場合、換気システム112は、複数のファンを使用して、自動生物学的処理ユニット102の各々の表面にわたって周囲空気を押し出すか又は引き込むかのいずれかを行い得るか、又は本明細書中に記載されるように、導管1405を介して接続する各生物学的処理ユニット102から各々への流体経路を有する流体ベースの熱管理システムを使用し得る。
【0082】
図18は、自動選択及び支持システム1400の第5の実施形態とのエンドユーザ1500の対話を示している。エンドユーザ1500は、ハウジング1402上に配設されたインターフェースデバイス114(又は、実施形態では、遠隔/別個のインターフェースデバイス114(図示せず))と対話し、コマンドを入力し、本明細書に説明される実施形態と一致して、生物学的処理ユニット102を第1の位置120aから第2の位置120bに並進させる。第2の位置120bでは、生物学的処理ユニット102は、エンドユーザ1500による容易なアクセスを可能にする方法で、すなわち、エンドユーザ1500の膝と頭部との間の点における位置レベルで位置決めされる。次いで、エンドユーザ1500は、第2の位置120bにある間に生物学的処理ユニット102に対して所望のタスクを実行し、完了すると、
図19に例示されるように、インターフェースデバイスを介してコマンドを入力して、生物学的処理ユニット102を第1の位置120aに戻すことができる。生物学的処理ユニット102を第1の位置120aから第2の位置120bに並進させ、次いで第1の位置120aに戻すこの手順を通して、生物学的処理ユニット102は、本明細書でより詳細に説明されるように、熱管理システム112、インターフェースデバイス114、及び/又はシステムアーキテクチャ800によって指示されるその自動化された機能を維持することができる。
【0083】
図19及び
図20は、ハウジング1402の基部1403上に配設された輸送プラットフォーム1502を更に示している。実施形態では、輸送プラットフォーム1502は、限定はしないが、ホイール、トラック、ボールベアリングなど、自動選択及び支持システム1400のハウジング1402全体を移動させるための要素を組み込むことができる。輸送プラットフォーム1502は、静止位置から移動位置まで上昇又は下降させることができ、移動位置では、要素は、それぞれ、地面と接触していない/地面と接触している。移動位置では、輸送プラットフォーム1502は、臨床又は病院環境、あるいは他の細胞治療操作製造環境内でのハウジング1402の容易な再配置を可能にする。いったん所望の場所に来ると、輸送プラットフォーム1502は、静止位置まで上昇させられ、ハウジング1402を定位置に固着し、所望の場所からの任意の望ましくない移動を防止することができる。輸送プラットフォーム1502はまた、種々のねじ、ピンなどを含む、ハウジングを床に係止又は固着するための要素を含んでもよい。実施形態では、輸送プラットフォーム1502は、ハウジング1402が所望の場所に来ると、ハウジング1402の基部1403から完全に取り外し可能であるか、又は切り離されてもよい。いったん輸送プラットフォーム1502が除去されると、基部1403は、種々のねじ、ピンなどを含む、ハウジング1402を床に係止又は固着するための要素を含んでもよい。
【0084】
図20は、内部構成要素が部分的に露出された、自動選択及び支持システム1400の側面図を更に示す。第1のトラック1406及びベルト1407は、第2のトラック1408と係合して示されており、全てハウジング1402内にある。第2のトラック1408は、所望の生物学的処理ユニット102の移送ブロック1404と係合して第2の位置120bに並進されるか、又は所望の生物学的処理ユニット102を第1の位置120aに戻すかのいずれかのために、第1のトラック1406の上部付近に配設されて示される。第2のトラック1408のこの位置は、
図17に示され、本明細書で更に詳細に説明されるトラック位置決めと一致する。押しボタン筐体1504は、ハウジング1402の側面又は内部に配設することができ、主電源スイッチ、シール解放スイッチ、カセット解放スイッチ、電源コンセント、データコンセント(同軸接続又はイーサネット(登録商標)接続など)、USBポート、光ファイバポート、ガス接続ポートなどのハードウェア対話性の複数の手段を含むことができる。シャーシ1506は、ハウジング1402上又はその内部に更に設けられてもよく、更なるイーサネット(登録商標)、ガス、又は電気接続能力を提供してもよい。実施形態では、シャーシ1506は、ブレーカスイッチ、マザーボード、処理ユニット、ルータ、モデム、又はデータ記憶のための手段(例えば、HDD、SSDなど)を収容してもよい。
【0085】
図21及び
図22は、それぞれ、複数の生物学的処理ユニット102が第1の位置120aにある、自動選択及び支持システム1400の更なる立面図及び斜視図を示している。各生物学的処理ユニット102は、独立して動作し、第1の位置120aと第2の位置120bとの間で並進させられてもよく(
図18及び
図19に以前に示されたように)、生物学的処理ユニット102の有用性を同時に維持しながら、空間利用の最適化を可能にする。熱管理システム112は、ハウジング1402の上又は中に配設されてもよく、又はハウジング1402の外側の別個の構成要素(図示せず)として配設されてもよい。
図21及び
図22は、基部1402内に後退した(
図21及び
図22では見えない)静止位置で基部1402に接続された輸送プラットフォーム1502の一実施形態を示している。
【0086】
図23A及び
図23Bは、線A-Aによって分割される、本明細書に説明される自動選択及び支持システム100/200/600/1000/1400のためのシステムアーキテクチャ800の一実施形態を示す。実施形態では、システムアーキテクチャ800は、ハウジング集中型機能810及び生物学的処理ユニット集中型機能830を含む。ハウジング集中型機能810は、とりわけ、配電ユニット814、電源816、ツリー(システム)モータドライバ818、ファンコントローラ/モニタ820、及び/又はインターフェースデバイス114などの種々の構成要素及び技術を受け入れる/保持するために、本明細書で説明するそれぞれの自動選択及び支持システム100/200/600/1000/1400のハウジング106/206/606/1006/1402上に配設されたラックマウント812を含むことができる。実施形態では、電気システム108は、本明細書で説明されるそれぞれの自動選択及び支持システム100/200/600/1000/1400のハウジング106/206/606/1006/1402の上、中、又は近くに配設された、複数の生物学的処理ユニット102の各々、ツリーモータドライバ818及び/又はツリーモータ、ファンコントローラ/モニタ820及び/又は冷却ファン、インターフェースデバイス114、及び/又は任意の他の電気デバイスに動作可能に接続され、それらに電気エネルギーを提供することを担う、配電ユニット814、電源816、及び/又はインターフェースデバイス114を含み得る。
【0087】
実施形態では、ガス供給システム110は、本明細書で説明されるそれぞれの自動選択及び支持システム100/200/600/1000/1400のハウジング106/206/606/1006/1402を通して複数の生物学的処理ユニット102の各々にガスを提供するためのガス入力828を含むことができる。実施形態では、インターフェースデバイス114は、CANバス又はRS-485バスを含むがこれらに限定されないシリアル通信器822、ネットワークアダプタ/コネクタ824(PCIeカードなど)、及び/又は電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光学ストレージデバイス、電磁気ストレージデバイス、半導体素子ストレージデバイス、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されないストレージデバイス826を含んでもよい。ストレージデバイスは、例えば、コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、及び/又はメモリスティックを形成することができる。実施形態では、ストレージデバイス826は、独立ディスク冗長アレイ(RAID)などのデータストレージ仮想化技術を含み得る。
【0088】
一般に、ハウジング集中型機能810は、エネルギー、通信、データ、及び/又は任意の他の必要なリソースを生物学的処理ユニット集中型機能830に提供することができる。実施形態では、生物学的処理ユニット集中型機能830は、電力レギュレータ834、ガスレギュレータ836、及び/又はマルチポイント制御ユニット(MPU)832を含み得る。例えば、各個々の生物学的処理ユニット102のMPU832は、他の機能の中でも、加熱/冷却制御、ガス制御、傾斜制御(複数の生物学的処理ユニット102の各々の配向に対して)、ファン制御、データメモリ(すなわち、不揮発性)、ポンプ制御、バルブアクチュエータ制御、シール制御、ドア制御、磁気分離制御、及び/又はエラプス時間表示を含むが、それらに限定されない、それぞれの生物学的処理ユニット102上又はその中の複数の機能を含むか、又はそれらを実行/制御することが可能であり得る。各生物学的処理ユニット102のこれらの機能/特徴は、自律的であり得、その結果、各生物学的処理ユニット102は、生物学的処理ユニット102内の所望の環境を維持するために、これらの種々の特徴を個々に調節及び調整し得る。
【0089】
生物学的処理ユニット102が経時的に自動的に調整されると、データが作成され、データメモリに記憶される。複数の生物学的処理ユニット102の集中型機能830の各々のメモリによって収集され、記憶されたデータは、本明細書で更に説明されるように、リアルタイムで更新され、インターフェースデバイス114を介して、又は有線若しくは無線LAN接続を介して遠隔でアクセス可能であり得る。実施形態では、データは、測定された電源(例えば、ワット単位)、測定されたガス供給量(例えば、立方フィート又は立方メートル単位)、ガス濃度、細胞の試料の状態、試料中の細胞の数、試料の測定された量(例えば、リットル単位)、生物学的処理ユニット102内の温度、自動温度調整、自動電力調整、自動ガス供給量調整、ポンプ、バルブ、シール、ドア、ファン(複数可)、モータ、モータドライバ、ガスレギュレータ、電気穿孔活動、及び/又は磁気の状態(例えば、オン又はオフ、開放又は閉鎖、アクティブ又は非アクティブなど)、ログ記録されたエンドユーザ入力、生物学的処理ユニット102の傾斜角、エラプス時間、及び/又は生物学的処理ユニット102、細胞の試料、それぞれの自動選択及び支持システム100/200/600/1000/1400のハウジング106/206/606/1006/1402、並びに本明細書で説明されるその種々の構成要素に関する任意の他の情報を含むことができる。
【0090】
実施形態では、電気システム108及び/又はガスシステム110は、単一の接続軸線を介して複数の生物学的処理ユニット102の各々に接続することができる。例えば、電気及びガスは、各生物学的処理ユニット102のそれぞれの移送ブロック1404又はカプラ1410の場所などの単一点において、又はそれを通して、ハウジング集中型機能810から複数の生物学的処理ユニット102の各々に供給されてもよい。実施形態では、単一の接続軸は、生物学的処理ユニット102の本体上又は本体内の任意の場所に確立され得る。
【0091】
図24に示される例示的な実施形態では、自動化された選択又は支持システム100/200/600/1000/1400は、自動化された方法での各個々の生物学的処理ユニット102からのデータの収集、分析、及び提示のための集中型分析構造840を更に含み得る。各生物学的処理ユニット102は、処理及び評価のために、細胞、細胞材料、及び/又は培養培地の試料を集中型分析構造840プラットフォームに輸送するであろう、滅菌閉鎖流体管類を介して、集中型分析構造840に接続されてもよい。実施形態では、集中型分析構造840は、生物学的処理ユニット102の各々の内部に配設することができる。次いで、輸送された試料を分析して、細胞計数、細胞生存率、細胞表現型、溶存ガス濃度、細胞活性化状態、形質導入効率、トランスフェクション効率、効力、サイトカイン分泌、代謝産物、無菌性、及び/又は内毒素分析を含むが、これらに限定されない変数に関する測定基準を提供することができる。例示的な分析構造としては、分光計(UV/VIS、質量など)、粒子サイズ分析器、蛍光ベースの分析(例えば、蛍光光度計、FACSなど)、吸光度分光計などの種々の機器が挙げられる。これらの生成されたメトリックは、エンドユーザへの表示のために、インターフェースデバイス114を含むか又はそれとは別個の集中型コンピュータシステムにデータとして自動的に供給され得る。したがって、インターフェースデバイス114は、複数の生物学的処理ユニット102の各々から提供される各試料についての上記の決定されたメトリクスに関するデータを自動的に更新することを提供することができる。実施形態では、集中型コンピュータシステム又はインターフェースデバイス114は、集中型分析構造840(図示せず)と一体であってもよい。集中型コンピュータシステム又はインターフェースデバイス114は、ハウジング集中型機能810への接続性を更に含み得る。
【0092】
標準的なインライン分析構成は、集中型分析構造840に対する製造プラットフォーム(例えば、生物学的処理ユニット102)の1:1の比を必要とし得る。例えば、各生物学的処理ユニット102は、本明細書で前に説明されたメトリック/データを監視及び提供するために、それら自体の別個の分析構造840を要求してもよく、又は分析構造は、複数の生物学的処理ユニットのために使用されることができる。代替的に、本発明は、生物学的処理ユニット102(値Xとして表され、ここで、値Xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る)対集中型分析構造840又はハウジング集中型機能810のX:1の比を提供するように構成された集中型分析構造840(又は、実施形態では、ハウジング集中型機能810)を提示する。集中型分析構造840を統合することの利点は、他の利益の中でもとりわけ、ハードウェア及び/又はソフトウェアのコストの削減、ハードウェア/ソフトウェアの保守の容易さの向上、バッチの一貫性の向上、バッチの故障の可能性の低減、及びリリース試験プロセスの簡略化を含み得る。
【0093】
本明細書で開示される種々の態様は、説明及び添付の図面で具体的に提示される組み合わせとは異なる組み合わせで組み合わされ得ることを理解されたい。また、例に応じて、本明細書で説明したプロセス又は方法のいずれかの特定の行為又はイベントは、異なるシーケンスで実行され得るか、追加され得るか、マージされ得るか、又は完全に省略され得る(例えば、全ての説明した行為又はイベントは、本技術を実行するために必要でないことがある)ことを理解されたい。更に、本開示の特定の態様は、明快さのために単一のモジュール又はユニットによって実行されるものとして説明されるが、本開示の技術は、それに関連するユニット又はモジュールの組み合わせによって実行され得ることを理解されたい。
【0094】
更なる実施形態は以下を含む。
【0095】
実施形態1は、自動選択及び支持システムであって、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、少なくとも、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つ以上を提示するための第2の位置との間で並進可能である、複数の自動生物学的処理ユニットと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々を第1の位置と第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスの両方は、複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を備える、自動選択及び支持システムである。
【0096】
実施形態2は、供給システム及びガス電気システムが両方とも、単一の接続軸線を介して自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に接続されている、実施形態1に記載のシステムである。
【0097】
実施形態3は、複数の生物学的処理ユニットが、保管及び維持のための第1の位置と、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つ以上を提示するための第2の位置との間の複数の位置に並進可能である、実施形態1又は実施形態2に記載のシステムである。
【0098】
実施形態4は、複数の生物学的処理ユニットが、複数の生物学的処理ユニットの各々が複数の自動生物学的処理ユニットの各々内の所望の環境をリアルタイムで維持するために、種々の機能及び制御を個々に調節及び調整するように、自律的である、実施形態1~3のいずれか1つに記載のシステムである。
【0099】
実施形態5は、種々の機能及び制御が、加熱制御、冷却制御、ガス制御、傾斜制御、ファン制御、データメモリ、ポンプ制御、バルブアクチュエータ制御、シール制御、ドア制御、磁気分離制御、及び/又はエラプス時間表示を含む、実施形態4に記載のシステムである。
【0100】
実施形態6は、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つを並進させることが、残りの複数の自動生物学的処理ユニット内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない、実施形態1~5のいずれか1つに記載のシステムである。
【0101】
実施形態7は、複数の自動生物学的処理ユニットの各々を加熱又は冷却するために流体を循環させるように構成された熱管理システムを更に備える、実施形態1に記載のシステムである。
【0102】
実施形態8は、熱管理システムが、複数の自動生物学的処理ユニットの各々の内部で流体を循環させる、実施形態7に記載のシステムである。
【0103】
実施形態9は、インターフェースデバイスが、遠隔アクセス/接続を可能にする別個のユニットである、実施形態1~8のいずれか1つに記載のシステムである。
【0104】
実施形態10は、インターフェースデバイスが、システムに物理的に結合されている、実施形態1~8いずれか1つに記載のシステムである。
【0105】
実施形態11は、電気システムが、自動生物学的処理ユニットが第1の位置と第2の位置との間で移行する間に水平位置に維持されるように、可動支持構造を動作可能に制御する、実施形態1~10のいずれか1つに記載のシステムである。
【0106】
実施形態12は、電気システムが、自動生物学的処理ユニットの内部の生物学的処理チャンバ内の任意の流体が、第1の位置から第2の位置への移行中に静的状態又は層流状態に維持されるように、可動支持構造を動作可能に制御する、実施形態11に記載のシステムである。
【0107】
実施形態13は、自動選択及び支持システムであって、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、複数のスイングアームであって、各スイングアームは、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに動作可能に結合された第1の端部と、駆動モータに動作可能に結合された第2の端部であって、駆動モータは、スイングアームを回転させて、自動生物学的処理ユニットを第1の位置と第2の位置との間で移行させるように構成されている、第2の端部と、を含み、スイングアームは、自動生物学的処理ユニットを回転的に水平に維持する、複数のスイングアームと、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスは両方とも自動生物学的処理ユニットの各々及び駆動モータに動作可能に結合されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を備える、自動選択及び支持システムである。
【0108】
実施形態14は、駆動モータが、能動制御デバイスを介してスイングアームの第2の端部に動作可能に結合され、第2の端部は、ギアを更に含む、実施形態13に記載のシステムである。
【0109】
実施形態15は、スイングアームの第1の端部が、自動生物学的処理ユニットを回転的に水平に維持するための枢動点を含む、実施形態13又は実施形態14に記載のシステムである。
【0110】
実施形態16は、複数の自動生物学的処理ユニットの各々を加熱又は冷却するために流体を循環させるように構成された熱管理システムを更に含む、実施形態13~15に記載のいずれか1つのシステムである。
【0111】
実施形態17は、電気システム、ガス供給システム、及び/又は熱管理システムが、複数のスイングアームを支持するハウジング内に位置決めされている、実施形態13~16のいずれか1つに記載のシステムである。
【0112】
実施形態18は、熱管理システムが、複数の自動生物学的処理ユニットの各々の内部で流体を循環させる、実施形態16に記載のシステムである。
【0113】
実施形態19は、電気システム及びガス供給システムが両方とも、単一の接続軸線を介して、自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に接続されている、実施形態13~16のいずれか1つに記載のシステムである。
【0114】
実施形態20は、自動選択及び支持システムであって、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、複数の垂直レールと、垂直レール上を移動し、自動生物学的処理ユニットのうちの1つを選択し、第1の位置と第2の位置との間で自動生物学的処理ユニットを移行させるように構成されたガントリと、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスは両方とも自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に結合されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を備え、垂直レール、電気システム、ガス供給システム、及び/又は熱管理システムは、ハウジング内に収容されている、自動選択及び支持システムである。
【0115】
実施形態21は、ガントリが、少なくとも2つの水平スライダを備える、実施形態20に記載のシステムである。
【0116】
実施形態22は、4つの垂直レールを備える、実施形態20又は実施形態21に記載のシステムである。
【0117】
実施形態23は、自動生物学的処理ユニットの各々を保持するように構成された複数の保持棚を更に備え、ガントリは、複数の保持棚のうちの単一の保持棚に選択的に結合するように更に構成されている、実施形態20~22のいずれか1つに記載のシステムである。
【0118】
実施形態24は、ガントリが、単一の保持セルを水平及び垂直の両方に独立して移動させるように更に構成されている、実施形態23に記載のシステムである。
【0119】
実施形態25は、自動選択及び支持システムであって、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、自動生物学的処理ユニットのうちの1つをそれぞれ保持するように構成された複数のモジュール式保持セルと、モジュール式保持セルの各々の間を移動して、自動生物学的処理ユニットのうちの1つを選択し、自動生物学的処理ユニットを第1の位置と第2の位置との間で移行させるように構成されたシャトルと、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスは両方とも自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に結合されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を備え、電気システム、ガス供給システム、及び/又は熱管理システムは、ハウジング内に収容されている、自動選択及び支持システムである。
【0120】
実施形態26は、複数のシャーシを更に含み、各シャーシは、単一の保持セル内に位置決めされ、自動生物学的処理ユニットのうちの1つを支持し、第1の位置と第2の位置との間で自動生物学的処理ユニットを移行させるように構成されている、実施形態25に記載のシステムである。
【0121】
実施形態27は、シャトルが、シャーシの各々に選択的に結合するように構成されている、実施形態26に記載のシステムである。
【0122】
実施形態28は、シャトルが、シャーシをモジュール式保持セルに対して水平及び垂直の両方に独立して移動させるように構成されている、実施形態27に記載のシステムである。
【0123】
実施形態29は、電気システムのインターフェースデバイスが、シャトル内に位置決めされている、実施形態25~28いずれか1つに記載のシステムである。
【0124】
実施形態30は、自動選択及び支持システムであって、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、複数の移送ブロックであって、各移送ブロックは、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに結合するように構成されている、複数の移送ブロックと、複数のブロックのうちのブロックの1つと嵌合するように構成されたカプラと、カプラを第1の方向に移動させるように構成された第1のトラックと、第1のトラックを第2の方向に移動させるように構成された第2のトラックであって、第2のトラックは、第1のトラックに対して実質的に垂直である、第2のトラックと、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスは両方とも複数の自動生物学的処理ユニット及び移送ブロックの各々に動作可能に接続されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を備え、第1のトラック及び第2のトラックは、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを第1の位置から第2の位置に移動させるように構成されている、自動選択及び支持システムである。
【0125】
実施形態31は、ハウジングを更に含み、ハウジングは複数の自動生物学的処理ユニットの各々に接続された電源及び/又はガスラインのうちの少なくとも1つを、ハウジングを通して案内するために、その中に配設された第1のガイド及び第2のガイドを有する、実施形態30に記載のシステムである。
【0126】
実施形態32は、電源ライン及びガスラインが、単一の接続軸線を介して複数の自動生物学的処理ユニットの各々に接続されている、実施形態30又は実施形態31に記載のシステムである。
【0127】
実施形態33は、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを第1の位置から第2の位置に移動させることが、残りの複数の自動生物学的処理ユニット内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない、実施形態30~32いずれか1つに記載のシステムである。
【0128】
実施形態34は、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体を循環させるように構成された熱管理システムを更に備える、実施形態30~33のいずれか1つに記載のシステムである。
【0129】
実施形態35は、熱管理システムが、複数の自動生物学的処理ユニットの各々の内部で流体を循環させる、実施形態34に記載のシステムである。
【0130】
実施形態36は、インターフェースデバイスが、遠隔アクセス/接続を可能にする別個のユニットである、実施形態30~35のいずれか1つに記載のシステムである。
【0131】
実施形態37は、インターフェースデバイスが、システムと物理的に関連付けられる、実施形態30~35いずれか1つに記載のシステムである。
【0132】
実施形態38は、複数の生物学的処理ユニットが、保管及び維持のための第1の位置と、複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つ以上を提示するための最後の位置との間の複数の位置又は第nの位置に並進可能である、実施形態30~37のいずれか1つに記載のシステムである。
【0133】
実施形態39は、複数の生物学的処理ユニットが、複数の生物学的処理ユニットの各々が複数の自動生物学的処理ユニットの各々内の所望の環境をリアルタイムで維持するために、種々の機能及び制御を個々に調節及び調整するように、自律的である、実施形態30~38のいずれか1つに記載のシステムである。
【0134】
実施形態40は、複数の生物学的処理ユニットの各々が、複数の生物学的処理ユニットの各々から集中型分析構造に輸送された試料に関するメトリクスの収集、分析、及び提示のために、集中型分析構造に接続する、先行する実施形態のいずれ1つに記載のシステムである。
【0135】
実施形態41は、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための方法であって、自動選択及び保管システムから自動生物学的処理ユニットを選択することであって、自動選択及び保管システムは、複数の自動生物学的処理ユニットであって、複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々を第1の位置と第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、電源及びインターフェースデバイスは両方とも複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を含む、選択することと、可動支持構造を使用して、選択された自動生物学的処理ユニットを第1の位置から第2の位置に移行させることと、選択された自動生物学的処理ユニットを第2の位置から第1の位置に戻すことと、を含む、方法である。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、少なくとも、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つ以上を提示するための第2の位置との間で並進可能である、複数の自動生物学的処理ユニットと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスの両方は、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び前記可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備える、自動選択及び支持システム。
【請求項2】
前記電気システム及びガス供給システムは両方とも、単一の接続軸線を介して、前記自動生物学的処理ユニットの各々に動作可能に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の自動生物学的処理ユニットは、保管及び維持のための前記第1の位置と、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの前記少なくとも1つ以上を提示するための前記第2の位置との間の複数の位置に並進可能である、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の自動生物学的処理ユニットは、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々が、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々内の所望の環境をリアルタイムで維持するために、種々の機能及び制御を個々に調節及び調整するように、自律的である、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記種々の機能及び制御は、加熱制御、冷却制御、ガス制御、傾斜制御、ファン制御、データメモリ、ポンプ制御、バルブアクチュエータ制御、シール制御、ドア制御、磁気分離制御、及び/又はエラプス時間表示を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つを並進させることは、残りの前記複数の自動生物学的処理ユニット内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を加熱又は冷却するために流体を循環させるように構成された熱管理システム、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記インターフェースデバイスは、遠隔アクセス/接続を可能にする別個のユニットである、請求項
1に記載のシステム。
【請求項9】
前記インターフェースデバイスは、前記システムに物理的に結合されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項10】
前記電気システムは、前記自動生物学的処理ユニットが前記第1の位置と第2の位置との間で移行する間に水平位置に維持されるように、前記可動支持構造を動作可能に制御する、請求項
1に記載のシステム。
【請求項11】
自動選択及び支持システムであって、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
複数の移送ブロックであって、各移送ブロックは、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つの自動生物学的処理ユニットに結合するように構成されている、複数の移送ブロックと、
前記複数の移送ブロックのうちの1つと嵌合するように構成されたカプラと、
前記カプラを第1の方向に移動させるように構成された第1のトラックと、
前記第1のトラックを第2の方向に移動させるように構成された第2のトラックであって、前記第2のトラックは、前記第1のトラックに対して実質的に垂直である、第2のトラックと、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記複数の自動生物学的処理ユニット及び前記移送ブロックの各々に動作可能に接続されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、
を備え、
前記第1のトラック及び第2のトラックは、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるように構成されている、自動選択及び支持システム。
【請求項12】
ハウジングを更に含み、前記ハウジングは前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に接続された前記電源のライン及び/又は前記ガスラインのうちの少なくとも1つを、前記ハウジングを通して案内するために、その中に配設された第1のガイド及び第2のガイドを有する、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記電源のライン及びガスラインは、単一の接続軸線を介して前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に接続されている、請求項
11に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの1つを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることは、残りの前記複数の自動生物学的処理ユニット内の細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び/又は採取ステップに影響を与えない、請求項
11に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体を循環させるように構成された熱管理システム、
を更に備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項16】
前記インターフェースデバイスは、遠隔アクセス/接続を可能にする別個のユニットである、請求項
11に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の自動生物学的処理ユニットは、保管及び維持のための前記第1の位置と、前記複数の自動生物学的処理ユニットのうちの少なくとも1つ以上を提示するための最後の位置との間の複数の位置又はn番目の位置に並進可能である、請求項
11に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の自動生物学的処理ユニットは、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々が、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々内の所望の環境をリアルタイムで維持するために、種々の機能及び制御を個々に調節及び調整するように、自律的である、請求項
11に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々から集中型分析構造に輸送された試料に関するメトリクスの収集、分析、及び提示のために、前記集中型分析構造に接続する、請求項
11に記載のシステム。
【請求項20】
自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための方法であって、
自動選択及び保管システムから自動生物学的処理ユニットを選択することであって、前記自動選択及び保管システムは、
複数の自動生物学的処理ユニットであって、前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々は、前記自動生物学的処理ユニットを保管及び維持するための第1の位置と、前記自動生物学的処理ユニットをユーザに提示するための第2の位置と、を有する、複数の自動生物学的処理ユニットと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移行させるための可動支持構造と、
電源及びインターフェースデバイスを含む電気システムであって、前記電源及び前記インターフェースデバイスは両方とも前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々及び前記可動支持構造に動作可能に接続されている、電気システムと、
前記複数の自動生物学的処理ユニットの各々に流体結合されたガスラインを含むガス供給システムと、を含む、当該選択することと、
前記可動支持構造を使用して、前記選択された自動生物学的処理ユニットを前記第1の位置から前記第2の位置に移行させることと、
前記選択された自動生物学的処理ユニットを前記第2の位置から前記第1の位置に戻すことと、
を含む、方法。
【国際調査報告】