(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】クランクケース換気システム
(51)【国際特許分類】
F01M 13/04 20060101AFI20250123BHJP
F01M 13/00 20060101ALI20250123BHJP
F01M 11/03 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
F01M13/04 D
F01M13/00 J
F01M11/03 J
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024538238
(86)(22)【出願日】2023-02-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 EP2023053837
(87)【国際公開番号】W WO2023161106
(87)【国際公開日】2023-08-31
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521325558
【氏名又は名称】グリマルディ ディベロップメント アーベー
【氏名又は名称原語表記】Grimaldi Development AB
【住所又は居所原語表記】Box 1134, 131 26 Nacka Strand, Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ、ジタローザ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、エルトマン
(72)【発明者】
【氏名】クラース、インニェ
(72)【発明者】
【氏名】ペータル、フランセーン
(72)【発明者】
【氏名】カール、ペトルス、ヘッグマルク
(72)【発明者】
【氏名】ダン、エイビン、カールソン
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015BD10
3G015BD24
3G015BG08
3G015DA04
(57)【要約】
クランクケース換気システム(1)が提供される。このシステムはハウジング(10)と、ハウジングの内部に配置されるディスクスタック分離器(20)であって、チャンバ(21)とロータ(22)とを含むディスクスタック分離器(20)とを含む。ロータは、チャンバの内部に配置され、かつチャンバの1つまたは複数の壁から離間したオイル分離要素(23)と、オイル分離要素が回転可能に取り付けられるよう構成されている軸(24)とを含む。ディスクスタック分離器はさらに、第1ガス吸気口(41)と第1ガス排気口(42)とを含む。このシステムはさらに、フィルタエレメント(30)であって、第2ガス吸気口(43)と、第2ガス排気口(44)と、第2ガス吸気口と第2ガス排気口の間に配置されるフィルタ(31)とを含むフィルタエレメント(30)を含む。第1ガス吸気口はICEのクランクケースブローバイ排気口に連結されるよう構成され、第1ガス排気口は第2ガス吸気口に連結される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(ICE)のクランクケースブローバイガスからオイル粒子を分離するクランクケース換気システム(1)であって、
ハウジング(10)と、
前記ハウジングの内部に配置されるディスクスタック分離器(20)であって、
チャンバ(21)と、
ロータ(22)であって、
前記チャンバの内部に配置され、かつ前記チャンバの1つまたは複数の壁から離間したオイル分離要素(23)と、
前記オイル分離要素が回転可能に取り付けられるよう構成されている軸(24)と、
を含むロータ(22)と、
前記クランクケースブローバイガスを前記軸に沿って前記オイル分離要素へ供給する第1ガス吸気口(41)と、
前記少なくとも部分的にオイルが分離されたガスを排出する第1ガス排気口(42)と、
を含むディスクスタック分離器(20)を含み、
前記システムはさらに、
フィルタエレメント(30)であって、
第2ガス吸気口(43)と、第2ガス排気口(44)と、前記第2ガス吸気口と前記第2ガス排気口の間に配置されるフィルタ(31)と、
を含むフィルタエレメント(30)を含み、前記フィルタは配列された繊維の層から成り、
前記第1ガス吸気口は、前記ICEのクランクケースブローバイ排気口に連結されるよう構成されている、
ことを特徴とする、クランクケース換気システム(1)。
【請求項2】
前記フィルタ(31)は、EPA(Efficient Particulate Air)フィルタ、HEPA(high-efficiency particulate air)フィルタ、またはULPA(Ultra Low Particulate Air)フィルタである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2ガス排気口は、前記ICEの吸気マニホールドに連結されるよう構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記フィルタエレメントは圧力調整弁(50)をさらに含み、
前記圧力調整弁は、前記第1ガス排気口と前記第2ガス吸気口の間に連結される、または前記第2ガス排気口に連結される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧力調整弁は前記ハウジングの内部に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1ガス排気口は前記ハウジングの壁を貫くよう配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記チャンバは前記ハウジングにより形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハウジングはさらにオイル貯留部(11)を含み、
前記ディスクスタック分離器は、前記クランクケースブローバイガスから分離されたオイルを前記オイル貯留部へ排出するよう構成される、
請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記オイルを前記フィルタエレメント(30)から前記オイル貯留部へ送るよう構成されているオイル排出路(32)をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1ガス排気口は、ガス導管(61)を介して前記第2ガス吸気口に連結される、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記フィルタエレメントはフィルタハウジング(33)を含み、前記フィルタは前記フィルタハウジングの内部に配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記フィルタエレメントは前記ハウジング(10)に含まれるフィルタ室(35)を含み、前記フィルタは前記フィルタ室の内部に配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記フィルタ室は取り外し可能なカバー(37)を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2排気口は前記取り外し可能なカバーを貫くよう配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ディスクスタック分離器の前記チャンバの少なくとも一部は、前記フィルタ室の少なくとも一部と当接している、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してクランクケース換気システムに関し、より詳細には、自動車のクランクケース換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関(ICE)によりもたらされる排出物の削減は、数十年にわたる関心事である。様々な方法、たとえば触媒コンバータを用いてICEの効率を改善して燃料消費を削減することで、削減が実現されてきた。しかし、そのような削減は、ICEの排気管を通して排出されることになる排ガスを主な対象としている。したがって、他の排ガス、たとえばクランクケースブローバイガスの排出の削減への関心が高まっている。さらに、車両の排出基準は車両のすべての排出物に対する基準を含み始めており、これによりクランクケースブローバイガスによる排出物が含まれ、そのような排出物の削減への関心がさらに高まっている。
【発明の概要】
【0003】
内燃機関のクランクケースブローバイガスからオイル粒子を分離してクランクケースブローバイガスの排出物を削減しうる、クランクケース換気システムを提供することに関心がある。さらに、大気へ放出される、またはICEの燃焼室へと戻されるクランクケースブローバイガスの質を改善する、つまりオイル粒子を少なくすることに関心がある。これらの関心は独立請求項における特徴を有する装置を提供することで満たされる。好ましい実施形態は従属請求項において規定される。
【0004】
それゆえ、本開示の態様によれば、内燃機関(ICE)のクランクケースブローバイガスからオイル粒子を分離するクランクケース換気システムが提供される。このシステムはハウジングおよびディスクスタック分離器を含む。ディスクスタック分離器はハウジングの内部に配置することができる。ディスクスタック分離器は、チャンバおよびロータを含む。チャンバはディスクスタック分離器の内部に配置することができる。ロータは、チャンバの内部に配置され、かつチャンバの1つまたは複数の壁から離間したオイル分離要素と、オイル分離要素が回転可能に取り付けられるよう構成されている軸とを含む。オイル分離要素は複数の積層されたプレートを含むことができて、プレートは円錐形とすることができる。ディスクスタック分離器はさらに、クランクケースブローバイガスを軸に沿ってオイル分離要素へ供給する第1ガス吸気口と、少なくとも部分的にオイルが分離されたガスを排出する第1ガス排気口とを含む。システムはフィルタエレメントをさらに含む。フィルタエレメントは、第2ガス吸気口と、第2ガス排気口と、第2ガス吸気口と第2ガス排気口の間に配置されるフィルタと、を含む。第1ガス吸気口は、ICEのクランクケースブローバイクランクケース排気口に連結されるよう構成される。第1ガス排気口は第2ガス吸気口に連結される。
【0005】
本開示は、フィルタエレメントに連結されるディスクスタック分離器を用いてクランクケースブローバイガスからのオイル粒子の分離を改善するという考え方に基づいている。ディスクスタック分離器は、0.6μmを超える大きさの粒子に対してほぼ100%のろ過率を提供する。ろ過率はさらに、流量が低下した場合は0.6μmより小さい、たとえば0.5μm、0.4μm、0.3μmなどの大きさの粒子に対してほぼ100%のろ過率が達成されうるように、クランクケースブローバイガスの流量に依存しうる。さらに、ディスクスタック分離器は定期点検を必要としない可能性がある。ただし、ディスクスタック分離器のろ過率は、たとえば0.6μm未満の大きさの粒子に対しては低下する場合がある。その一方で、フィルタエレメントは、粒子の大きさに関わらずほぼ100%のろ過率を有する。しかし、フィルタエレメントは本質的に低い負荷容量と短い耐用期間とを有し、定期的な点検または交換を必要とする。クランクケースブローバイガスがフィルタエレメントへ送られる前に、まずディスクスタック分離器を用いて0.6μmを超える大きさのオイル粒子を分離することで、フィルタエレメントの負荷は大きく減少する。換言すれば、フィルタエレメントにより分離する必要のある粒子の量は、フィルタエレメントだけを用いる場合と比べて、大きく減少する。これにより、フィルタエレメントの耐用期間は延長される。フィルタエレメントの耐用期間を少なくとも25倍に高めることができる。さらに、フィルタエレメントの負荷容量が高められる。換言すれば、フィルタエレメントは、フィルタエレメントの最大容量に到達するまで、より長期間にわたって使用することができる。あるいは、フィルタエレメントのフィルタの大きさを、必要な点検間隔を短くすることなしに小さくすることができる。したがって、ディスクスタック分離器とフィルタエレメントを組み合わせることで、両方の技術の利点があるため、相乗効果が得られる。
【0006】
「オイル粒子」という用語は、たとえば、オイルの飛沫、および/またはオイルミストを意味する。ディスクスタック分離器は、ディスクスタック分離器の軸を回転させるよう構成されている回転手段を含みうる。回転手段は、タービンホイール、または電気モータを含みうる。タービンホイールは、ベルトまたは歯車を介して、たとえばオイルにより動作、つまりオイルにより駆動されるよう構成することができる。ディスクスタック分離器は、ICEのエンジンブロックに取り付けることができる。ディスクスタック分離器は、ICEのエンジンブロックの一部、たとえばカムカバーなどに取り付ける、または一体化させることができる。しかし、ディスクスタック分離器はスタンドアロン、つまりICEのエンジンブロックとは一体化されない構成要素とすることもできる。第1ガス吸気口は、ICEまたはエンジンブロックのクランクケースブローバイ排気口にアダプタ導管を介して連結させることができる。アダプタ導管は、システムを多くの様々な種類のICEに連結させることができるようにカスタマイズ可能とすることができる。システムは、フィルタ処理したクランクケースブローバイガスを第2ガス排気口から外部空間、たとえば大気へ放出するよう構成することができる。
【0007】
フィルタは配列された繊維の層で構成することができて、繊維はポリプロピレン、および/または繊維ガラスを含みうる。フィルタはEPA(Efficient Particulate Air)フィルタ、HEPA(high-efficiency particulate air)フィルタ、またはULPA(Ultra Low Particulate Air)フィルタとすることができる。これにより、システムのろ過能力を高めることができる。EPAフィルタは85%~99%の保持率を有しうる。HEPAフィルタは99.95%~99.999%の保持率を有しうる。ULPAフィルタはHEPAフィルタよりも高い保持率を有しうる。より高いフィルタ保持率によって、フィルタが最大負荷容量により早く達してしまう場合がある。したがって、ディスクスタック分離器を用いることでより高い保持率を有するフィルタを用いることが可能となり、これにより粒子の保持を高めることができる。
【0008】
クランクケースブローバイガスが大気へと放出されるのを防ぐ一つの方法は、クランクケースブローバイガスをICEの燃焼室へと送り返すことであった。第2ガス排気口は、ICEの吸気マニホールドまたは吸気側に連結されるよう構成することができる。したがって、システムにより清浄化されたクランクケースブローバイガスを、吸気マニホールドを介してICEへと戻すことができる。吸気マニホールドはICEの燃焼室に連結させることができる。ICEへ供給されたガス中に存在するオイル粒子は、ICEの効率を低下させる、および/またはICEの誤作動の危険性を高める可能性がある。したがって、本システムはICEの性能を改善することができる。
【0009】
フィルタエレメントは圧力調整弁をさらに含みうる。第1ガス排気口は圧力調整弁を介して第2ガス吸気口に連結させることができる。あるいは、第2ガス排気口は圧力調整弁に連結させることができる。圧力調整弁は隔壁を含みうる。圧力調整弁はさらに、圧力調整弁に与圧を与えるよう構成されているバネを含みうる。圧力調整弁は、清浄化されたクランクケースブローバイガスをICEの吸気マニホールドまたは吸気側へより効率的に供給することを可能としうる。
【0010】
フィルタエレメントは、PCV(positive crankcase ventilation)弁を含むことができて、第1ガス排気口はPCV弁を介して第2ガス吸気口に連結させることができる。PCV弁は、清浄化されたクランクケースブローバイガスをICEの吸気マニホールドまたは吸気側へより効率的に供給できるようにする別の方法を提供することができる。
【0011】
圧力調整弁はハウジングの内部に配置することができる。対応して、PCV弁をハウジングの内部に配置することができる。これにより、より頑強で小型のシステムを提供することができて、システムの耐久性を高めることができる。ハウジングは、ユーザが圧力調整弁へアクセスするのを可能としうる取り外し可能な部分である、蓋またはラッチを含みうる。システムはさらに、1つまたは複数のバイパス弁を含みうる。1つまたは複数のバイパス弁は、たとえば、バイパス弁の両側の圧力差が閾値を超えた場合、またはシステムのガス流のレベルを超過した場合にガスを放出できるよう構成することができる。
【0012】
第1ガス排気口は、ハウジングの壁を貫くよう配置することができる。たとえば、第1ガス排気口は、ハウジングの壁にある開口に連結させることができる。これにより、フィルタエレメントの第2ガス吸気口をハウジングに確実に連結させて、そして第1ガス排気口へ連結させることができる。圧力調整弁は排気口を含むことができて、この排気口はハウジングの壁を貫くよう配置する、またはハウジングの壁にある開口に連結させることができて、これにより、第1ガス排気口に連結可能となる。
【0013】
チャンバはハウジングにより形成することができる。換言すれば、ハウジングはチャンバを含みうる。ハウジングにより形成される、またはハウジングに含まれるチャンバは、たとえば、チャンバを形成するハウジングの内壁であると理解することができる。
【0014】
ハウジングはさらにオイル貯留部を含みうる。「オイル貯留部」という用語はさらに、たとえば、オイルチャンバやドライブオイルチャンバを意味する。ディスクスタック分離器は、クランクケースブローバイガスから分離されたオイルをオイル貯留部へ排出するよう構成することができる。したがって、ディスクスタック分離器は、分離されたオイルをオイル貯留部へ集めるよう構成することができる。オイル貯留部は、ディスクスタック分離器のチャンバに連結させることができる。システムは、オイル貯留部からICEへオイルを送るよう構成することができる。
【0015】
ICEおよびクランクケース換気システムの動作中は、フィルタエレメントは絶えずクランクケースブローバイガスをフィルタ処理して、オイル粒子を保持することができる。フィルタにより保持されるオイル粒子の量があるレベルに達したら、フィルタは点検または交換を必要とする。本開示に係るフィルタエレメントの配置はよりアクセスしやすいフィルタエレメントを提供し、これにより、フィルタエレメントのフィルタの交換をより容易にする。本クランクケース換気システムはさらに、フィルタエレメントからオイルまたはオイル粒子を集めるよう構成することができる。システムはさらに、集められたオイルをオイル貯留部へ送るよう構成されているオイル排出路を含みうる。フィルタエレメントは、保持されるオイルをオイル排出路へ排出する、または流すことが可能となるよう構成することができる。流れの排出は、ICEが動作していない場合により多くなりうる。さらに、重力がフィルタエレメントからのオイルの排出を助けることができる。したがって、クランクケース換気システムは、特にICEが動作していない場合に、フィルタエレメントからの排出を可能とする。これにより、フィルタの点検または交換が必要となるまでの時間を大きくすることができる。
【0016】
第1ガス排気口はガス導管を介して第2ガス吸気口に連結させることができて、これにより、ハウジングおよびフィルタハウジングを互いから少し距離をあけて配列する能力を提供することができる。ガス導管はさらに、たとえばパイプ、連結チューブなどのチューブ、または流路として構成することができる。圧力調整弁(PCV弁)を含むシステムであって、この圧力調整弁(PCV弁)を介して第1ガス排気口が第2ガス吸気口へ連結されるシステムは、第1ガス排気口と圧力調整弁(PCV弁)の間、および/または圧力調整弁(PCV弁)と第2ガス排気口の間に配置されうる少なくとも1つのガス導管を含みうる。
【0017】
フィルタエレメントはフィルタハウジングを含みうる。フィルタは、フィルタハウジングの内部に配置することができる。したがって、システムは、ディスクスタック分離器がその中に配置されるハウジングと、フィルタエレメントがその中に配置されるフィルタハウジングとを含みうる。2つの別々のハウジングを有するシステムにより、システムをICEへ連結する際の柔軟性を高めることができる。車両内には限られた量の空間しかないため、クランクケース換気システムをそのような空間へ納めるのは困難な場合がある。さらに、ICE周辺の空間の一部における温度は、クランクケース換気システムのすべての構成要素に対して適切ではない場合がある。したがって、2つのハウジングに分割されたシステムを提供することで、空間内に納めることに関して、および/または空間内の温度に関して、より最適にシステムを設置することができる。
【0018】
フィルタエレメントは、フィルタをその内部に配置することのできるフィルタ室を含みうる。第2吸気口は、フィルタ室の第1壁を貫いて配置することができる。第2排気口は、フィルタ室の第2壁を貫くよう配置することができる。第2壁は第1壁と同じ壁であってもよい、または第1壁と異なる壁であってもよい。それゆえ、第2吸気口および第2排気口は、同じ壁を貫くよう、または異なる壁を貫くように配置することができる。フィルタ室はハウジングに含まれてもよい。したがって、溶接、および/または互いに締結されうる複数の部品を含みうるハウジングは、フィルタエレメントのフィルタ室、およびディスクスタック分離器のチャンバを含みうる。フィルタ室の少なくとも一つの面は、ディスクスタック操作者のチャンバの面に合うように適合される形状を含みうる。チャンバおよびフィルタ室を含むハウジングは一体化されたソリューションと理解することができて、ディスクスタック分離器とフィルタエレメントの両方が同じ装置、または構成要素の中で実現される。したがって、より小型のシステムを提供することができる。両方の技術を含む装置はさらに、ICEに取り付けられる構成要素がより少ないため、より容易にシステムを設置することを可能とする。
【0019】
フィルタ室は取り外し可能なカバーを含みうる。フィルタ室は6つの面を含みうる。取り外し可能なカバーは6つの面のうちの一つを形成しうる。さらに、取り外し可能なカバーは、6つの面のうちの一つ、および取り外し可能なカバーにより形成される面に隣接する面の一部を形成しうる。たとえば、取り外し可能なカバーは、第1面および第1面に隣接する4つの面の一部を形成しうる。取り外し可能なカバーは、締結手段、たとえばネジやボルトによりフィルタ室の残りの部分に取り付けることができる。さらに、取り外し可能なカバーは、ヒンジを介してフィルタ室の残りの部分に取り付けることができる。取り外し可能なカバーにより、ユーザはフィルタ室内のフィルタにアクセスすることが可能となりえて、これにより、フィルタをより容易に交換できる。
【0020】
第2排気口は、取り外し可能なカバーを貫くよう配置することができる。あるいは、第2排気口はフィルタ室のある面、または壁を貫くよう配置することができる。
【0021】
ディスクスタック分離器のチャンバの少なくとも一部は、フィルタ室の少なくとも一部と当接している場合がある。フィルタ室の少なくとも一部はチャンバの1つまたは複数の面の少なくとも一部を含むことができて、フィルタ室の少なくとも一部はフィルタ室の1つまたは複数の面の少なくとも一部を含むことができる。したがって、より小型のシステムを提供することができる。
【0022】
これより、本開示のこの態様および他の態様について、本開示の実施形態を示す添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システムを模式的に示す。
【
図2】本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システムの断面を模式的に示す。
【
図3】本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システムを模式的に示す。
【
図4】本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システムの断面を模式的に示す。
【
図5】本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システム1を模式的に示す。
【0025】
システム1はハウジング10を含む。ハウジング10は上側部分10aおよび下側部分10bを含む。上側部分10aは上面および下面を含む略円筒形状を有する。下側部分10bも下面および上面を含む略円筒形状を有する。上側部分10aおよび下側部分10bは、
図1に示される、限定されないがナット16のような締結手段16を用いて、互いに連結されて封止されている。より詳細には、上側部分10aの下面は下側部分10bの上面に連結される。ハウジング10はさらに、ハウジング10を内燃機関(ICE)に取り付けるよう構成されている取付け手段15を含む。取付け手段15は、限定されないが、ナットを受けるよう適合されているネジ穴として
図1に示されている。ハウジング10での取付け手段15の位置は、特定のICEに合うように適合させることができる。
【0026】
システム1はさらに、ICEのクランクケースブローバイガスからオイル粒子を少なくとも部分的に分離するよう構成されているディスクスタック分離器(示されていない、
図2または
図4を参照)を含み、ハウジング10の内部に配置される。ディスクスタック分離器は、ICEのクランクケースブローバイ排気口に連結されてICEからのクランクケースブローバイガスをディスクスタック分離器へ供給するよう構成されている第1ガス吸気口41を含む。第1ガス吸気口41は、ハウジング10の上側部分10aの上面を貫くよう配置される。ディスクスタック分離器はさらに、ディスクスタック分離器からの少なくとも部分的にオイルが分離されたガスを排出する第1ガス排気口42を含む。第1ガス排気口42は、ハウジング10の上側部分10aの円周方向の面を貫くよう配置される。換言すれば、第1ガス排気口42は、ハウジング10の壁を貫くよう配置される。
【0027】
ハウジング10はさらに、オイル貯留部(示されていない、
図2参照)を含みうる。ディスクスタック分離器は、クランクケースブローバイガスから分離されたオイルをオイル貯留部へ排出するよう構成することができる。オイル貯留部は、ハウジング10の下側部分10bの内部に配置することができる。
【0028】
システム1はフィルタエレメント30をさらに含む。フィルタエレメント30は、フィルタハウジング33と、フィルタハウジング33の内部に配置されるフィルタ31とを含む。フィルタエレメント30はさらにガス吸気口43とガス排気口44とを含み、これらはフィルタハウジング33の反対側の面を貫くよう配置される。フィルタ31は、ガス吸気口43とガス排気口44の間に配置される。さらに、フィルタ31は、ガス吸気口43とガス排気口44がフィルタ31を介して流体連結されるように、ガス吸気口43とガス排気口44の間に連結される。換言すれば、ガスはガス吸気口43からガス排気口44へ移動するためにフィルタ31を通過する必要がある。
【0029】
ディスクスタック分離器20の第1ガス排気口42は、フィルタエレメント30の第2ガス吸気口43に連結される。
図1では、システム1はさらに、第1ガス排気口42と第2ガス吸気口43を連結するガス導管61を含み、これによりフィルタエレメント30をハウジング10およびディスクスタック操作者20から少し距離をあけて配置することが可能となる。本開示は
図1に示される例示の実施形態に限定されないことを理解されたい。たとえば、フィルタエレメント30は、ハウジング10に配置する、またはハウジング10に取り付けることができる。そのような例示の実施形態では、第1ガス排気口42および第2ガス吸気口43は直接互いに連結することができる。しかし、システム1はハウジング10に配置される、またはハウジング10に取り付けられるフィルタエレメント30を含むことができて、第1ガス排気口42と第2ガス吸気口43を連結するガス導管61を含む。
【0030】
システム1はさらに、
図1に示されるオイル排出路32を含みうる。オイル排出路32は、フィルタ31により保持され、フィルタ処理されて、捕らえられたオイルをハウジング10へ送るよう構成することができる。より詳細には、排出路32は、フィルタ31により保持され、フィルタ処理されて、捕らえられたオイルをハウジング10のオイル貯留部(示されていない、
図2または
図4を参照)へ送るよう構成することができる。
【0031】
第2ガス排気口44は、ICEの吸気マニホールド(示されていない)に連結されるよう構成することができる。これにより、システム1によりフィルタ処理されたクランクケースブローバイガスをICEへ戻すことができる。第2ガス排気口44は、多くの様々な方法で吸気マニホールドに連結することができる。たとえば、システム1は、第2ガス排気口44を吸気マニホールドへ連結するよう構成されている二次ガス導管を含みうる。別の例では、フィルタエレメント30は、第2ガス排気口44が吸気マニホールドに直接連結されるように吸気マニホールドに配置することができる。
【0032】
図2は、本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システム1の断面図を模式的に示す。
図2は、
図1に示されて関連する文章で説明される特徴、要素、および/または機能を含むことに留意されたい。それゆえ、理解を高めるために、
図1および
図1に関連する記述も参照されたい。
【0033】
クランクケース換気システム1の示されている断面は、システム1のディスクスタック分離器20の長手方向軸に沿っている。これにより、ディスクスタック分離器20の内側が示されている。システム1は、ディスクスタック分離器20がその内部に配置されるハウジング10を含む。ハウジング10は、上側部分10aおよび下側部分10bを含む。ディスクスタック分離器20は、チャンバ21およびロータ20を含む。チャンバ21は、少なくとも部分的にハウジング10の上側部分10aの内壁により規定される。換言すれば、チャンバ21はハウジング10により形成される。ロータ20はオイル分離要素23および軸24を含む。オイル分離要素23はチャンバ21の内部に配置される。軸24はハウジング10の上側部分10aの上面からハウジング10の下側部分10bの下面まで配置され、これによりチャンバ21を貫くよう配置される。オイル分離要素23は軸24に回転可能に取り付けられる。さらに、オイル分離要素23はチャンバ21の内部に配置され、かつチャンバ21の壁とオイル分離要素23の間に空間があるようにチャンバ21の壁から離間している。
【0034】
ディスクスタック分離器20は回転手段25をさらに含む。回転手段25は、
図2では軸24に取り付けられてハウジング10の下側部分10bに配置されたタービンホイールとして示されている。しかし、回転手段25は
図2に示される例示の実施形態に限定されず、たとえば、電気モータとして構成することもできる。回転手段25は軸24を回転させるよう構成され、これにより、オイル分離要素23を回転させる。
図2では、回転手段25は軸24と共に回転するよう構成される。しかし、本開示は軸24と共に回転するよう構成されている回転手段25に限定されず、回転手段25を回転させるよう構成されている固定ノズルを含むことができて、これにより軸24を回転させることもできる。
【0035】
図2に示されるハウジング10は、オイル貯留部11を含むと理解することができる。オイル貯留部11は、ハウジング10の下側部分10bの内部の空間により規定されうる。ハウジング10は、ハウジング10の上側部分10aとハウジングの下側部分10bの間にオイル流路を含みうる。言い換えれば、システム1は、チャンバ21とオイル貯留部11の間にオイル流路を含みうる。オイル流路は、ディスクスタック分離器20によりクランクケースブローバイガスから分離されたオイルをオイル貯留部11へ送るよう構成することができる。換言すれば、ディスクスタック分離器20は、クランクケースブローバイガスから分離されたオイルをオイル貯留部11へ排出するよう構成することができる。
図2に示されるタービンホイールを含む回転手段25は、オイルにより駆動することができて、オイルがタービンホイールから射出されたら、オイルをオイル貯留部11に集めることができる。
【0036】
図2に示されるシステム1はフィルタエレメント30をさらに含む。
図2に示されるシステム1と
図1に示される例示の実施形態の間の差異は、オイル貯留部11がフィルタエレメント30の排出路32が連結される開口11を含んでいることで、これにより、システム1がフィルタエレメント30からのオイルをオイル貯留部11へ送ることが可能になる。
【0037】
図3は、本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システム1を模式的に示す。
図3は、
図1および
図2に示されて関連する文章で説明される特徴、要素、および/または機能を含むことに留意されたい。それゆえ、以下では、
図3に示されるシステム1と、
図1および
図2に示されて関連する文章で説明される例示の実施形態の間の差異について説明する。それゆえ、理解を高めるために、
図1および
図2、ならびに
図1および
図2に関連する記述も参照されたい。
【0038】
図3に示されるシステム1と
図1に示される例示の実施形態の間の差異は、
図3に示されるシステム1は圧力調整弁50を含むということである。
【0039】
圧力調整弁50はハウジング10の内部に配置される。より詳細には、
図3に示されるハウジング10は、ハウジング10の上側部分10aに形成される補助部分50aを含み、この中に圧力調整弁50が配置される。補助部分50aは、開放された場合にユーザが圧力調整弁50へアクセスするのを可能としうる、取り外し可能な部分50cを含みうる。しかし、本開示は、ハウジング10に形成される補助部分50aに限定されず、たとえば、ハウジング10から少し距離をあけて配置することもできる。そのような例では、第1排気口42は、導管または流路を介して圧力調整弁50に連結することができる。したがって、補助部分50aは圧力調整弁50により含まれると理解することができる。
【0040】
圧力調整弁50は、ハウジング10の上側部分10aの面を貫いて配置することのできる、ディスクスタック分離器20の第1ガス排気口(示されていない、
図1、
図2、または
図4を参照)に連結される。
図3では、圧力調整弁50は、第1ガス排気口の上に形成されている補助部分50aにより第1ガス排気口に連結されているのが示されている。
【0041】
システム1はさらに、
図3に示される補助導管50bを含みうる。補助導管50bは、取り外し可能な部分50cを介して、または直接、その中に圧力調整弁50が配置される補助部分50aに連結することができる。補助導管50bは、フィルタエレメント30の第2ガス吸気口43に連結されるよう構成することができる。したがって、ディスクスタック分離器20の第1ガス排気口は、フィルタエレメント30の第2ガス吸気口43に圧力調整弁50を介して連結することができる。
【0042】
図4は、本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システム1の断面を模式的に示す。
図4は、
図1から
図3に示されて関連する文章で説明される特徴、要素、および/または機能を含むことに留意されたい。それゆえ、以下では、
図4に示されるシステム1と、
図1から
図3に示されて関連する文章で説明される例示の実施形態の間の差異について説明する。それゆえ、理解を高めるために、
図1から
図3、および
図1から
図3に関連する記述も参照されたい。
【0043】
図4に示されるシステム1と
図2に示される例示の実施形態の間の差異は、
図4に示されるシステム1は、
図3に示されて関連する文章で説明される圧力調整弁50を含むということである。
【0044】
図4に示される圧力調整弁50は、隔壁51およびバネ52を含む。隔壁51およびバネ52は、ハウジング10の補助部分50aの中に配置される。隔壁51およびバネ52は、補助部分50aと取り外し可能な部分50cの間に配置される。
【0045】
図5は、本開示の例示の実施形態に係るクランクケース換気システム1を模式的に示す。
図5は、
図1から
図4に示されて関連する文章で説明される特徴、要素、および/または機能を含むことに留意されたい。それゆえ、以下では、
図5に示されるシステム1と、
図1から
図4に示されて関連する文章で説明される例示の実施形態の間の差異について説明する。それゆえ、理解を高めるために、
図1から
図4、および
図1から
図4に関連する記述も参照されたい。
【0046】
図5に示されるシステム1と
図3に示されて関連する文章で説明されるシステムの間の差異は、
図5に示されるシステム1はシステム1のハウジング10の一部を形成するフィルタ室35をさらに含むということである。換言すれば、ハウジング10はフィルタ室35を含む。フィルタ室35は、第2吸気口(示されていない)と第2排気口44の間に配置されるフィルタ(示されていない)を含む。
【0047】
フィルタ室35は6つの面を有し、そのうち3つが
図5に示されている。第2排気口44は、フィルタ室35の6つの面のうちの上面を貫いて配置される。フィルタ室35のある面の少なくとも一部は、以降ではフィルタ室35の内面と呼ばれるが、ハウジング10の上側部分10aおよび下側部分10bに対向して配置される。第2吸気口は、内面の少なくとも一部を貫いて配置することができる。上側部分10aおよび下側部分10bは、略円筒形状を有する。内面の少なくとも一部は、上側部分10aおよび下側部分10bと面一に配置されるよう適合されている形状を有する。したがって、ディスクスタック分離器の少なくとも一部は、フィルタ室35の少なくとも一部と当接している。内面の形状は、湾曲していると理解することができる。内面に対向するフィルタ室35の面は、以降ではフィルタ室35の外面と呼ばれるが、内面と同様に湾曲した形状を有する。フィルタ室35の残りの面は、フィルタ室35が平坦な環の一部分にほぼ合致する形状を有するように、略平坦な形状を有する。本開示は、
図5に示されるような形状を有するフィルタ室35に限定されないことを理解されたい。たとえば、フィルタ室35は任意の数の面、たとえば2面、3面、4面、またはそれ以上の面を有してもよい。さらに、フィルタ室35の面の形状は、実質的に任意の幾何学的形状であってもよい。
【0048】
フィルタ室35は取り外し可能なカバー37を含む。取り外し可能なカバー37は、ユーザがフィルタ室35の内部に配置されるフィルタへアクセスすることが可能となるように、取り外されるよう構成される。取り外し可能なカバー37はフィルタ室35の外面を形成し、外面に隣接する4つの面の一部を形成する。本開示は、
図5に示される取り外し可能なカバー37を含むことに限定されないことを理解されたい。たとえば、取り外し可能なカバー37は、外面の少なくともいずれかの一部もしくは全体、および/または、フィルタ室35の面のうちの外面に隣接する面の1つもしくは複数を形成することができる。
【0049】
図5に示されるシステム1と
図3に示されて関連する文章で説明されるシステムの間の別の差異は、
図5に示されるシステム1は圧力調整弁50をさらに含むが、
図3に示される、圧力調整弁50を第2吸気口へ連結させうる補助導管を含まない、ということである。
図5に示されるシステム1は、ハウジング10の上側部分10aに形成される補助部分50aを含み、この中に圧力調整弁50が配置される。システム1はさらに、開放された場合にユーザが圧力調整弁50へアクセスするのを可能としうる、取り外し可能な部分50cを含む。
図3に示される補助導管の代わりに、圧力調整弁50は、ハウジング10の内部に配置され、かつ第2吸気口に連結される導管(示されず)を含み、これにより、より小型のシステム1を提供する。
【0050】
第2排気口44は、取り外し可能なカバー37を貫くよう配置されていることが示されている。しかし、第2排気口44は、フィルタ室35の面のいずれかに配置することができる。
【0051】
本開示は
図5に示される実施形態に限定されず、システム1は代わりに
図3に示されるものと同様の圧力調整弁50を含むことができて、補助導管はハウジング10の外側で補助部分50aからフィルタ室35の面を貫いて配置される第2吸気口へと配置することができる、ということを理解されたい。別の例では、システム1は圧力調整弁50を含まず、システム1のディスクスタック分離器の第1排気口は第2吸気口に連結され、前記連結はハウジング10の外側に配置される補助導管を介して、もしくはハウジング10の内部に配置される導管を介して、または導管が必要ないように第1排気口と第2吸気口を互いに対して配置することにより行うことができる。当業者は、本開示が上述された好ましい実施形態に決して限定されないことを認識する。それどころか、多くの修正および変形が添付の請求の範囲内で可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(ICE)のクランクケースブローバイガスからオイル粒子を分離するクランクケース換気システム(1)であって、
ハウジング(10)と、
前記ハウジングの内部に配置されるディスクスタック分離器(20)であって、
チャンバ(21)と、
ロータ(22)であって、
前記チャンバの内部に配置され、かつ前記チャンバの1つまたは複数の壁から離間したオイル分離要素(23)と、
前記オイル分離要素が回転可能に取り付けられるよう構成されている軸(24)と、
を含むロータ(22)と、
前記クランクケースブローバイガスを前記軸に沿って前記オイル分離要素へ供給する第1ガス吸気口(41)と、
前記少なくとも部分的にオイルが分離されたガスを排出する第1ガス排気口(42)と、
を含むディスクスタック分離器(20)を含み、
前記システムはさらに、
フィルタエレメント(30)であって、
第2ガス吸気口(43)と、第2ガス排気口(44)と、前記第2ガス吸気口と前記第2ガス排気口の間に配置されるフィルタ(31)と、
を含むフィルタエレメント(30)を含み、前記フィルタは配列された繊維の層から成り、
前記第1ガス吸気口は、前記ICEのクランクケースブローバイ排気口に連結されるよう構成され、
前記第1ガス排気口は前記第2ガス吸気口に連結され、
前記フィルタエレメントは前記軸(24)に連結されない、
ことを特徴とする、クランクケース換気システム(1)。
【請求項2】
前記フィルタ(31)は、EPA(Efficient Particulate Air)フィルタ、HEPA(high-efficiency particulate air)フィルタ、またはULPA(Ultra Low Particulate Air)フィルタである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2ガス排気口は、前記ICEの吸気マニホールドに連結されるよう構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記フィルタエレメントは圧力調整弁(50)をさらに含み、
前記圧力調整弁は、前記第1ガス排気口と前記第2ガス吸気口の間に連結される、または前記第2ガス排気口に連結される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧力調整弁は前記ハウジングの内部に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1ガス排気口は前記ハウジングの壁を貫くよう配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記チャンバは前記ハウジングにより形成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハウジングはさらにオイル貯留部(11)を含み、
前記ディスクスタック分離器は、前記クランクケースブローバイガスから分離されたオイルを前記オイル貯留部へ排出するよう構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記オイルを前記フィルタエレメント(30)から前記オイル貯留部へ送るよう構成されているオイル排出路(32)をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1ガス排気口は、ガス導管(61)を介して前記第2ガス吸気口に連結される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記フィルタエレメントはフィルタハウジング(33)を含み、前記フィルタは前記フィルタハウジングの内部に配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記フィルタエレメントは前記ハウジング(10)に含まれるフィルタ室(35)を含み、前記フィルタは前記フィルタ室の内部に配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記フィルタ室は取り外し可能なカバー(37)を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2排気口は前記取り外し可能なカバーを貫くよう配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ディスクスタック分離器の前記チャンバの少なくとも一部は、前記フィルタ室の少なくとも一部と当接している、
請求項12に記載のシステム。
【国際調査報告】