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特表2025-502953心臓弁用プロテーゼおよびその部品の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】心臓弁用プロテーゼおよびその部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024540820
(86)(22)【出願日】2023-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 IB2023050574
(87)【国際公開番号】W WO2023144688
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】102022000001208
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516058377
【氏名又は名称】インノブハート エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リギーニ,ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】パン,ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】ブレシアーノ,エンリコ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC13
4C097CC14
4C097DD09
4C097DD10
4C097SB03
4C097SB09
(57)【要約】
カテーテル手術により植え込まれる心臓弁プロテーゼであって、拡張可能な中心本体(16,116)、1つ以上の補助部品(22)を有する収容部(18)、および前記収容部(18)のそれぞれの補助部品を前記中心本体(16,116)に接続するための少なくとも1つの接続ブロック(20,120)を備え、それぞれの接続ブロックには、拡張可能な前記中心本体(16)に対する機械式の結合機構(38,138および40,140)が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経カテーテル手術で植え込まれる心臓弁用プロテーゼであって、拡張可能な中心本体(16,116)、1つ以上の補助部品(22)を有する収容部(18)、および前記収容部(18)のそれぞれの補助部品を前記中心本体(16,116)に接続するための少なくとも1つの接続ブロック(20,120)を備え、それぞれの接続ブロックには、前記接続ブロックを拡張可能な前記中心本体(16)に結合するための機械式の結合機構(38,138および40,140)が設けられる、心臓弁用プロテーゼ。
【請求項2】
前記結合機構はスナップフィット型である、請求項1に記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項3】
前記結合機構は少なくとも1つのハウジング(38,138)を備え、このハウジング(38,138)は前記接続ブロック(20,120)上に設けられ、このハウジング(38,138)には前記中心本体(16,116)上に設けられた少なくとも1つの対応する結合部材(40,140)が挿入され、前記結合部材(40,140)には、前記接続ブロックとスナップフィット方式で結合するためのフック歯(42,142)が設けられる、請求項2に記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項4】
前記結合機構には、前記接続ブロック(20,120)に対して当接するように設けられた当接要素(44,144)が設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項5】
前記接続ブロックは前記収容部(18)の前記補助部品(22)に設けられた対応する穴(27)に係合可能な2つのピン(28,128)を備え、少なくとも1つの前記ハウジング(38,138)は前記ピンの軸と実質的に平行な方向に細長い、請求項3または4に記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項6】
前記結合部材(40,140)は前記中心本体(16)と一体に構成された弾性アーム(19)の遠位端に設けられたペグである、請求項2~5のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項7】
2つの接続ブロック(20)があり、それらのうちの1つに放射線不透過性またはエコー不透過性のマーカーが設けられている、請求項1~6のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記接続ブロック(20)は前記収容部(18)の少なくとも1つの前記補助部品(22)に設けられた対応する穴(27)に係合可能な2つのピン(28)と、これらのピン(28)を接続する横方向構造を備え、それぞれのピンには、前記収容部の少なくとも1つの前記補助部品がスナップフィット方式で係合できるようにするスロット(29)が設けられている、請求項1~7のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項9】
経カテーテル手術で植え込まれる心臓弁用プロテーゼの中心本体(16,116)に収容部(18)の補助部品を接続するための接続ブロック(120)を構築する方法であって、
・材料のスラブ(202)を提供するステップ、
・好ましくはワイヤEDMによって、第1の切断経路(200)に沿って第1の切込みを行い、半完成品(204)を得るステップ、
・前記半完成品を所定の角度で回転させるステップ、
・好ましくはワイヤEDMによって、第2の切断経路(206)に沿って第2の切込みを行い、前記接続ブロック(120)を得るステップ
含む方法。
【請求項10】
拡張可能な中心本体(16,116)、1つ以上の補助部品(22)を有する収容部(18)、および前記収容部(18)のそれぞれの補助部品を前記中心本体(16,116)に接続するための少なくとも1つの接続ブロック(20,120)を備えた、カテーテル手術により植え込まれる心臓弁プロテーゼの製造方法であって、
・材料のシート(202)を準備するステップ、
・好ましくはワイヤEDMによって、第1の切断経路(200)に沿って第1の切断を行い、半完成品(204)を得るステップ、
・前記半製品を所定の角度で回転させるステップ、
・好ましくはワイヤEDMによって、第2の切断経路(206)に沿って第2の切断を行い、前記接続ブロック(120)を得るステップ、
・前記接続ブロック(120)を前記中心本体(16,116)に接続するステップ
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓弁用プロテーゼおよびその部品の製造方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、機能不全の心臓弁の生理学的機能を代替することを目的とした弁プロテーゼ、特に、房室心臓弁用の心臓プロテーゼに関して開発されたものであるが、これに限定されるものではない。この心臓弁用プロテーゼは、経カテーテル植え込み手術による使用のために特別に開発された。
【背景技術】
【0003】
心臓弁は、人間の心臓の正しい機能を管理する複雑で繊細な部分である。その主な目的は、心腔内の血流を一方向にすることであり、心腔を満たす段階である拡張期と血液を排出する段階である収縮期の両方で必要とされる。
【0004】
血液のポンプ作用の効率を最適化するために、心臓は右の区画と左の区画の2つの異なる区画に分かれており、それぞれが心房と心室という2つの部屋に分かれている。右心房と右心室で構成される心臓の右の区画は、末梢循環から血液を戻し、酸素化のために肺循環に送る。同様に左心房と左心室に分かれている左の区画は、末梢循環に血液を供給し、酸素化された血液を肺循環から戻し、全身循環に送る。
【0005】
心臓内で血流を一方向にするために、各心室、各心房の出口に弁が配置されている。心房の出口に配置されている弁は、心臓の各側の心房と心室を接続するため、房室弁と呼ばれる。心臓の右側では、この弁は三尖弁とも呼ばれ、左側では通常、僧帽弁と呼ばれる。最後に、右心室の出口に配置されている弁は肺動脈弁と呼ばれ、左心室の出口にある弁は大動脈弁と呼ばれる。
【0006】
心臓弁の機能を変化させる病状は、心血管領域で最も深刻なものの一つである。その中でも、僧帽弁の機能不全、または僧帽弁が完全に閉じない状態は、全身の血液循環を担う心臓の左側のポンプ作用の効率を低下させるため、身体を非常に衰弱させる弁の病状である。
【0007】
現在の最先端技術では、重度の弁機能不全を治療するための標準的な治療法は、弁をインプラント型プロテーゼに置き換えることである。その他の場合、主に僧帽弁機能不全の場合、弁修復が行われる。どちらの場合も、機能不全の弁に直接アクセスできる心臓切開手術が行われる。この手術では、心臓を一時的に停止させ、適切なポンプと酸素交換器を使用して人工体外血液循環を生成する必要がある。心停止の管理技術の改良と体外循環システムの改善にもかかわらず、心臓切開治療は、その侵襲性と手術の継続時間に起因するリスクを伴う。実際、従来の手術で通常使用される修復用と交換用の両方のインプラント型プロテーゼは、通常、特定の縫合技術を使用してインプラント部位に固定するために長時間の手術を必要とする。場合によっては、患者の高齢や併発する病状など、患者の全般的な状態により、外科的治療が不可能なこともある。
【0008】
これらの制限を克服するために、最近、低侵襲性の介入手術、いわゆる経カテーテル手術が開発された。この目的のために、植え込み部位で自己固定できる放射状に折り畳み可能なプロテーゼが使用される。このプロテーゼは、血管系内を移動して例えば静脈や大腿動脈などの末梢血管に作られた遠隔アクセスから植え込み部位に到達して心臓プロテーゼを解放することができる、カテーテルによって埋め込むことができる。これにより、心臓がまだ鼓動している状態で、外科手術を限定的に使用して、弁機能不全を矯正することができる。現在、経カテーテル技術は、大動脈弁の治療にのみ臨床的に使用されている。
【0009】
房室弁の機能不全の治療、特に僧帽弁閉鎖不全症の治療に関しては状況が異なる。弁とその周囲の構造の複雑な解剖学的構成、互いに大きく異なり、弁に直接的または間接的に影響を及ぼす病状の多様性により、経カテーテル経路による僧帽弁への安全で効果的な植え込みの要件を満たすことが極めて困難になる。
【0010】
近年、さまざまなアクセスおよび手術に従って植え込み可能な、房室弁用の経カテーテルプロテーゼが数多く開発されている。特に僧帽弁に適応される最初の植え込み方法は、左心室の心尖部を介して、置換される本来の弁へのアクセスを作成するものであり、この方法はすでに同じ出願人によって開発されている(WO2014/080338およびWO2014/080339)。この手術では、左心室の心尖部を露出させるために胸部切開を行う。心尖部を介して、心室への直接アクセスが外科的に得られ、これは、場合によっては、心尖部ポートを一時的に配置することで、つまり、手術の持続時間に限定して行われる。心尖部アクセスを介して、植え込み手術を実行するために必要なカテーテルが、その後、随時挿入される。
【0011】
同じ出願人によって開発された別の方法論(WO2021/014400)では、代わりに経中隔アクセスが提供される。「経中隔アクセス」という用語は、末梢大腿静脈から始まり、下大静脈を上って右心房まで上がる、置換される房室弁へのアクセスであると理解されることを意図している。僧帽弁位での植え込みの場合、介入法で2つの心房間の中隔に作成された開口部を介して左心房に到達することも必要である。左心房は、生来の僧帽弁への順行性アクセスを可能にする。このようにして、心室側から、つまり逆行性に僧帽弁へのアクセスを可能にする経心尖手術に関連する左心室の損傷、つまり穿孔が防止される。
【0012】
経カテーテル経路で埋め込まれる弁プロテーゼは、最小の半径寸法の構成をとることができるように特別に研究されており、それによって患者の心血管系内をナビゲートするためのカテーテルに挿入することができる。同じ出願人による特許出願WO2015/118464には、例えば、この目的に特に適した経カテーテルプロテーゼが記載されている。このプロテーゼは、本来の弁との支持構造および界面構造と、その内部に固定された一群の柔軟なプロテーゼ弁葉とを有する。プロテーゼ構造は、特に、弁動作の中心本体、2つ以上の弓状セグメントによって形成された収容部、および中心本体の構造に固定結合された接続アームの端部に取り付けられた接続ブロックからなり、中心本体と弓状セグメントの間に機械的な連続性を提供する。
【0013】
特許出願WO2015/118464では、接続ブロックは溶接またははんだ付けによって接続アームに固定されているようである。実際、特に特許出願WO2015/118464に記載されているプロテーゼに課せられた要件を満たす設計の接続ブロックを、中心体の構造の接続アームと一体に構成することは、技術的に複雑で非経済的である。実際、このタイプのプロテーゼの構造部品は通常、超弾性合金(例えば、ニチノール)のチューブからレーザー切断によって構成されており、この技術では中心体と接続ブロックを一体に構成することはできないことに留意する必要がある。
【0014】
しかし、出願人は、既知のプロテーゼには、生体内の手術条件、特に心拍周期によりその構成部分に大きな周期的負荷がかかることから、接続ブロックとフレキシブルなアームの間の溶接接続部の耐久性に問題があると指摘している。同時に、埋め込まれたプロテーゼの接続アームから接続ブロックが分離すると、プロテーゼが外れたり移動したりして、患者に深刻な悪影響を及ぼす可能性があるため、生体内での構造的故障の結果は明らかに大惨事である。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的の1つは、従来技術の問題を解決することである。特に、折り畳み可能で耐久性のある心臓弁用プロテーゼを提供することを意図している。別の目的は、植え込み中および使用中の両方で接続ブロックと中心本体との間の分離のリスクを最小限に抑え、長期間にわたって、また大きな疲労負荷がある場合でも特に安全である、心臓弁用プロテーゼを提供することである。別の目的は、経済的で製造が簡単なデバイスを提供することである。
【0016】
これらの目的および他の目的を達成するために、本出願は、添付の請求の範囲によるプロテーゼに関する。
【0017】
特に、拡張可能な中心本体、1つ以上の補助部品を有する収容部、および収容部のそれぞれの補助部品を中心本体に接続するための少なくとも1つの接続ブロックを備えた、経カテーテル手術で植え込まれる心臓弁用プロテーゼが記載されている。
【0018】
一態様によれば、それぞれの接続ブロックには、中心本体に対する、より具体的には中心本体の構造に固定的に結合された接続アームに対する、機械的な結合機構が設けられる。この結合機構は、好ましくはスナップフィット型である。この結合機構は、好ましくは可逆的である。
【0019】
これにより、極めて安定しており、設計および構造が簡単で、重い周期的疲労負荷を受けても破損するリスクがない接続が得られる。さらに、説明された解決策は、このタイプの部品の統合技術を構成する標準的なレーザー切断技術によって、中心本体および接続アームの構造を構築する可能性を維持している。チューブ状のベース材料をレーザーで切断することは、実際には中心本体の構造を得るための既知の好ましいプロセスであるが、接続ブロックの機能に必要な形状を生成することはできない。したがって、接続ブロックを中心本体の構造とは別に構築することが技術的および経済的に有利である。しかし、これら2つの部品間の安定的で耐久性のある接続が必須であり、それは本発明によって実現される。
【0020】
一態様によれば、結合機構は、少なくとも1つのハウジングを備え、このハウジングは接続ブロック上に設けられ、このハウジングには中心本体上に設けられた少なくとも1つの対応する結合部材が挿入される。好ましくは、この結合部材には、接続ブロックとスナップフィット方式で結合するための1つ以上のフック歯が設けられる。結合部材、または接続ブロック上のハウジング、または結合機構の両方の部品は、スナップフィット結合を可能にするために弾性変形可能な部分を有する。
【0021】
さらに、結合部材がペグである心臓弁が記載されている。このペグは、中心本体の構造から延びる弾性アームに設けることができ、特に弾性アームの遠位端に設けることができる。この弾性アームは、中心本体の構造と一体に構成することもでき、好ましくは、ペグも、例えばレーザー切断によって、中心本体と一体に構成することができる。
【0022】
一態様によれば、収容部を形成する2つ以上の補助部品と、収容部と中心本体との間の対応する2つ以上の接続ブロックとを含むプロテーゼが記載されている。この構成では、接続ブロックの1つに少なくとも1つのエコー不透過性または放射線不透過性のマーカーが設けられるという特に有利な変形例を使用することができる。このマーカーは、プロテーゼの向きを明確に識別し、また、プロテーゼの向きに関する潜在的な修正のためにインプラントカテーテルに課される角度回転の方向に関する指示も提供する。このようにして、プロテーゼを植え込むオペレータに別の補助が提供され、すなわち、経カテーテル技術で手術することにより、オペレータは、プロテーゼの位置決め中にエコー検査または放射線検査のみによってプロテーゼを表示することができる。これらの画像化法の制限に、プロテーゼの構成の実質的な対称性を組み合わせると、プロテーゼの向きを識別するための明確な基準を得るために特に有利になる。接続ブロックの1つにマーカーを配置すると、この問題が解決する。
【0023】
別の態様によれば、接続アームが終端領域で対になって結合され、それぞれの対に単一の結合機構が設けられたプロテーゼが記載されている。
【0024】
別の態様によれば、互いに90°で投影される2つの平面プロファイルの交差として完全に説明できる接続ブロックを備えたプロテーゼが記載されている。この特徴により、接続ブロックは、高品質で経済的に有利な作業技術と互換性を持つようになり、同時に、上記の経カテーテル弁プロテーゼに関連するすべての機能的および構造的要件を満たすことができる。特に、ワイヤEDMプロセスによってその構築が可能になり、これにより、従来の機械加工操作(例えば、チップ除去による機械加工)または溶接によって組み立てられる部品と比較して、高い寸法精度、表面の最適な品質、および製造コストの面での利便性が保証される。
【0025】
さらに、経カテーテル手術で植え込まれる心臓弁プロテーゼの中心本体に収容部の補助部品を接続するための接続ブロックを構築する方法が記載されている。この方法は、材料スラブを提供するステップを含むことができる。この方法は、好ましくはワイヤEDMによって、第1の切断経路に沿って第1のプロファイリングを実行し、半完成品を得るステップを含むことができる。この方法は、半完成品を所定の角度で回転させるステップを含むことができる。好ましくは、この角度は90°である。この方法は、好ましくはワイヤEDMによって、第2の切断経路に沿って第2のプロファイリングを実行し、接続ブロックを得るステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
さらなる特徴および有利な効果は、純粋に非限定的な例として提供された添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について以下に詳細に説明することで理解され、
図1は、本発明の心臓弁用プロテーゼの構造部品の分解構成の概略図であり、
図2は、図1の心臓弁用プロテーゼの中心本体と接続ブロックとを互いに組み立てた状態を示し、
図3は、中心本体と収容部との間の接続ブロックの斜視図であり、この接続ブロックは収容部の補助部品に接続されており、
図4は、中心本体に接続された図3の接続ブロックの正面図であり、
図5は、第2の実施形態による中心体を示し、
図6aおよび図6bは、第2の実施形態による接続ブロックと図5に示す中心本体との間の接続機構の異なる斜視図であり、
図7a~図7dは、図5および図6に示す第2の実施形態による結合機構への接続ブロックの組み立て手順を示し、
図8a~図8fは、第2の実施形態による接続ブロックを構築するステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで図面を参照すると、図1は、房室弁の機能を置き換えるために使用される植え込み型心臓プロテーゼ10を示す。
【0028】
プロテーゼ10は、特に、
・中心本体16、
・収容部18、
・中心本体16と収容部18を接続する接続ブロック20、
・中心本体の内部に固定された、図示されていない柔軟なプロテーゼ弁のグループ
から構成される。
【0029】
プロテーゼ10は、そのそれぞれの構成部分と同様に、プロテーゼ自体の安全性および機能性に悪影響を与えることなく折り畳み可能に構成されている。したがって、中心本体16および収容部18の全体的な半径寸法を一時的に縮小して、心臓プロテーゼの配置および植え込みのための経カテーテル技術を備えた、最小侵襲性外科技術と互換性のある小さな開口部を有するアクセスを介して心臓腔内に導入できるようにすることが可能である。言い換えれば、最小侵襲性のアクセスによって、患者の心血管系を介して心臓腔の内部、つまり植え込み部位までプロテーゼを搬送することができる低半径プロファイルのカテーテル内に心臓プロテーゼを挿入し、その場所でプロテーゼの展開および植え込みを行って、本来の弁を機能的に置き換えることが可能である。
【0030】
より詳細には、中心本体16は、血液がこのデバイスを通過するための導管を区切るプロテーゼ10の一部である。導管内で血液を一方向に流す柔軟なプロテーゼ弁は、例えば、同じ出願人によるイタリア特許第20140204号で知られているように、中心本体16内に固定されている。
【0031】
中心本体16は、半径方向に折り畳み可能な弾性構造であり、スプリングバックの結果として、閉じたプロテーゼの自由端間の接合、すなわち接触を維持する最大直径よりもさらに大きな直径まで拡張する傾向がある。中心本体には、図2に示すように、接続ブロック20が固定される接続アーム19が備えられている。
【0032】
収容部18は、中心本体16の自由な拡張に対抗してこれを制限し、中心本体16がプロテーゼ弁間の接合の維持に適合する最大直径を超えることを防止する、プロテーゼ10の一部である。収容部18は、実質的に環状の形状を有し、縦方向には伸長不可能であり、すなわち、中心本体16が外側に半径方向の力を加えることによって内部で拡張した場合でも、その周辺の展開は大幅に変更されない。
【0033】
収容部18は、互いに分離され、実質的に弓形である2つの補助部品22に分割されるのが好ましく、簡潔にするために、以下ではこの2つの補助部品を「アーク」という用語で呼ぶ。それぞれのアーク22は、接続ブロック20と選択的に結合することができ、最終的な植え込み構成では接続ブロック20に固定的に結合される。図には2つの接続ブロック20のうちの1つだけが示されているが、ここで説明する実施形態は、互いに対称的に配置された2つの接続ブロック20を備え、そのうちの1つは、図示された接続ブロック20によって隠されている。
【0034】
それぞれのアーク22には2つの端部24があり、それぞれに結合部26が備えられている。接続ブロック20には、結合部26に接続できるピン28が備えられている。このピン28は、剛性があり伸縮性のない横方向構造31によって互いに接続されている。この横方向構造31の機能は、アーク22の端部24を剛性に接続し、プロテーゼが組み立てられた状態で2つの連続するアークの2つの端部24が互いに離れるのを防ぎ、収容部18全体の伸縮不能性が損なわれないようにすることである。
【0035】
ここで、図3を参照すると、好ましい実施形態では、ピン28の側面にスロット29が設けられている。アーク22の端部24にある結合部26は、実質的に管状であり、ピン28を受け入れるのに適した軸方向の穴27を備えている。結合部26には、さらに、管状構造に切り欠き部が設けられ、この切り欠き部は舌状部30を規定している。舌状部30は、管状構造の内部に向かって延びるように形成されており、ピン28が軸方向の穴27に挿入されると、スロット29と干渉する。実際、舌状部30の端部32は、ピン28に形成されたスロット29と当接し、挿入されたピン28が引き抜かれるのを防ぐ。これにより、アーク22が誤って互いに分離したり、接続ブロック20から分離したりすることがなくなり、プロテーゼの安定性が確保され、患者の安全が確保される。分かりやすくするために、図では、接続ブロック20のそれぞれのピン28に固定されたアーク22の1つの結合部26のみを示している。使用中は、すべてのアーク22がそれぞれの端で接続ブロック20のピンに固定されていることが理解される。
【0036】
使用中、アーク22と接続ブロック20との接続後、本来の弁の弁葉は中心本体16と収容部18との間の結合部内に閉じ込められたままになる。
【0037】
ここで、図4の詳細を参照すると、接続ブロック20は、拡張可能な中心本体16への結合機構を備えている。
【0038】
これは特にスナップフィット型の結合機構である。実際、結合機構は、中心本体、特に接続アーム19の端部に設けられる対応するペグ40のためにそれぞれの接続ブロック20に設けられた2つのハウジング38を備えている。ペグには、接続ブロック20の対応するハウジング38に形成されたエッジ43にスナップするためのフック歯42が設けられている。
【0039】
ペグ40には、さらに、接続ブロック20に当接し、具体的にはその下面46に当接するように設けられる停止面44が設けられている。このように、ペグがハウジング38に挿入されると、ペグは所定の位置に固定され、接続ブロック20に固定的に取り付けられたままになり、つまり、フック歯42はペグが引き抜かれるのを防ぎ、停止面44はペグがハウジング38内でさらに前進するのを防ぐ。
【0040】
図4に示す実施形態では、ハウジング38は、接続ブロック20のピン28が延びる方向と実質的に平行な方向に延びる細長い貫通路である。接続ブロック20がアーム19に接続されているとき、ピン28とペグ40は、好ましくは同一平面内に配置される。
【0041】
ハウジング38には、血液がハウジング38の内部を洗浄しやすくなるように、横方向開口部48を設けることが好ましい。
【0042】
図に示すように、説明されている実施形態では、それぞれの接続ブロック20に2つのハウジング38が設けられており、それぞれがペグ40を受け入れるようになっている。図示されている実施形態のアーム19は、それぞれペグ40を備えた2組で対になっている。接続ブロック20に1つのアーム19、1つのペグ40、および1つのハウジング38が設けられた実施形態も排除されるべきではないが、少なくとも2つのペグとそれぞれのハウジングを使用することで、取り付けられた構造のねじり安定性が高まり、これは特に、その使用中、特に患者の心臓の心室に直接プロテーゼを植え込む手術中に行われる接続ブロック20とアーク22との接続中にその真価が認められる。
【0043】
ペグ40は、前述のように、好ましくはアーム19の端部に構成され、中心本体16と一体に構成することができる。特に、ニチノールなどの超弾性挙動を示す材料のチューブから直接レーザー切断することによって、中心本体、アーム19、およびペグ40で形成されるアセンブリ全体を構成することが可能である。
【0044】
図4に示す実施形態では、ハウジング38内に配置されたペグ40の部分は、異なる寸法の2つの断面を特徴とする。停止面44の断面は、接続の安定性、ひいては接続ブロック20とアーム19との間の接合部の安定性を確保するために、ハウジング38の断面と非常に類似した寸法を有する。その代わりに、フック歯42付近のペグ40の断面は、フック歯42の導入およびハウジング自体のエッジ43でのフック歯42の結合中にペグの端部が屈曲できるように、特にフック歯42が向いている方向において、ハウジング38の断面に対して寸法が小さくなっている。当然のことながら、フック歯42の断面は、ハウジング38を通った挿入に適合している。
【0045】
フック歯42に近いペグ40の部分には、フック歯42を結合するために必要な変形に逆らう反り部を予め形成しておくこともでき、これにより、ペグ40自体が所定の位置に挿入されると予荷重を与えられた弾性要素として機能するため、結合動作がより安定する。
【0046】
図5を参照すると、プロテーゼの中心本体116の構造の第2の実施形態では、同じ接続ブロック120を掴む接続アーム119が、接合部121におけるそれぞれの端部で互いに接合されている。結合機構は、2つの接続アーム119の間の接合部分121の中央に配置された1対の連続したペグ140を備えている。両方のペグの端部にはフック歯142があり、これらの歯は反対方向に向いている。図示のバージョンでは、ペグは、フック歯142の向きに応じて配向された所定の反り部145を特徴とする構成を有することができる。結果として、ペグ140は相互に離れる向きに分岐している。このようにして、ペグの弾性予荷重の効果により、歯の結合がさらに安定する。いずれにしても、図1図4の実施形態のペグ40のように、ペグ140が直線状であってもよいことは排除されない。
【0047】
図6aおよび図6bは、2つの異なる投影図に従って、図5で説明した中心本体116と互換性のある接続ブロック120を示している。この特定の実施形態では、接続ブロック120は、単一のハウジング138を備え、このハウジング138は中央にあって両方のペグ140を収容できる寸法になっている。したがって、結合機構は、一対のペグ140と共通のハウジング138によって形成される。
【0048】
フック歯142は、このハウジング138の上側エッジ143と係合する。この位置には、接続ブロック120上に2つのプレート147が設けられ、このプレート147は好ましくは平面であり、ハウジング138の両側から突出している。プレートはフック歯142を覆い、それらと房室弁の周囲の弁下構造(例えば、腱索)との間の干渉を防止する。実際、干渉は解剖学的構造自体の損傷につながる可能性があり、また、フック歯に対する機械的作用によってハウジングの端からフック歯が外れ、接続アームから接続ブロックが誤って分離するリスクが生じる可能性がある。2つの接続アーム119間の接合部121は、接続ブロックが接続アームと結合されたときに接続ブロックの下面146と当接する停止面144も規定する。フック歯142と上側エッジ143との間の干渉は、停止面144と接続ブロックの下面146との間の当接と相まって、接続ブロックを軸方向に安定させる。
【0049】
図7aから図7dは、図6aで説明した構造的解決策に従って接続ブロック120と接続アーム119を結合する手順を示している。図7aは、ペグ140が変形していない構成の結合機構を示している。この構成から、ペグ140は、一緒に移動するために、フック歯142の後部が相互に接触するまで弾性変形する(図7b)。この構成では、フック歯142の全前方部分は、接続ブロック120上に存在するハウジング138の断面よりも小さい空間要件を有する。このようにして、図7cに示すように、ペグ140はハウジング138に導入され、その中でスライドすることができる。ペグ140が接続ブロック120のハウジング138に完全に挿入され、接続ブロックの下面146が接続アーム間の接合部121、特に停止面144と接触すると、図7dに示すように、フック歯142はペグ140のスプリングバックによって互いに分離され、ハウジング138の上側エッジ143と係合するようになる。
【0050】
このようにして、接続ブロック120は接続アーム119に固定的に接合される。接続ブロックの設計では、2つの平面プレート149などの追加の延長片も提供可能であり、この平面プレート149は、接続ブロックの下面から突出し、2つの接続アームの間の接合部121と係合し、横方向の荷重またはねじり荷重に対する接続ブロックの安定性を高める。
【0051】
接続ブロック120は、第1の実施形態で説明したピン28と同様のピン128を有する。ピン128は、アーク22の結合部26への接続を可能にする。
【0052】
図8aから図8fは、非限定的な例として、ワイヤEDMによる2つの加工ステップのみを必要とする接続ブロック120の構築プロセスを示しており、この技術により、低コストで大量生産が可能になり、高水準の寸法精度と高品質の表面仕上げが保証される。図8aおよび図8bは、加工操作の第1ステップを示しており、図8aに見られるように、接続ブロック120用に選択された金属材料のスラブ202上で実行される第1のワイヤ切断パス200により、図8cに示す角柱状半製品204を構築でき、この角柱状半製品204は、A方向から見たときに、すでに最終部品と同じプロファイルを有している。図8dに示されている視点に従って角柱状半製品204を90°回転させることにより、加工操作の第2ステップを実行し、図8eに示されているプロファイル206に沿って第2の切断パスを実行することができる。この最後のプロファイルにより、図8fに示すように、追加の後続加工操作を必要とせずに、接続ブロック120の最終的な形状を得ることができる。
【0053】
なお、上記の製造方法は、互いに正確な角度で突出する2つの平面プロファイルの交差として完全に説明できる接続ブロック120の特定の設計の効果の結果として可能となっている。
【0054】
上述の本発明の実施形態のさらなる利点は、接続ブロック20,120と接続アーム19,119との間の結合機構の可逆性である。実際、適切な機械工具によって、ハウジング38,138のエッジ43,143からフック歯42,142を外すことができ、これによりペグ40,140をハウジング自体から取り外し、接続ブロックを接続アームから分離することができる。ここでの可逆性とは、プロテーゼの製造サイクルの組み立て段階中、またはプロテーゼを患者の体内に挿入する前の任意の段階で、接続ブロックを接続アームから取り外すことができる可能性として理解される。ただし、結合機構は、患者の体内に挿入する段階中、および使用中、すなわち弁が植え込まれている間は不可逆になるように構成されている。部品間の接続は、動作条件下では実際に安定しており、接続ブロックが接続アームから誤って外れることは決してない。誤って外れると、実際には、収容部と中央の拡張可能な部分とが分離し、プロテーゼの故障や、プロテーゼの移動につながり、患者に有害な結果をもたらす。図面に示されている構成では、フック歯42,142は、フック歯42,142が係合する上側エッジ43,143を定義する壁の厚さに対して後退している。したがって、フック歯は保護されたままであり、誤って外れることがない。接続が安定していることを保証するために、これ以外の配置が考えられることが理解される。一例として、ペグ40,140は、患者の体内への挿入時および使用時に発生する力および応力を考慮して、ペグが曲がって結合機構が外れることのないように十分に堅固に作ることができる。あるいは、結合機構の解放を防ぐためにロック装置を設けることもできる。
【0055】
図示されていない変形例によれば、接続ブロック20,120の1つに、通常、経カテーテル処置で使用される画像機器(心エコー検査および放射線検査)によって絶対的な確実性をもって識別できる放射線不透過性またはエコー不透過性のマーカーを設けることができる。
【0056】
上述の実施形態では、図1のプロテーゼの構成において、収容部の補助部品22の数に等しい2つの接続ブロックの存在を常に参照している。当然、プロテーゼは、異なる数の収容部の補助部品22を備えてもよい。説明したバージョンは、補助部品22が2つあるため、特許出願WO2021/014400に記載されているように、腱索に絡まったままになる可能性がある1本のガイドワイヤよりも正しく配置しやすい2本のガイドワイヤを使用できるため、好ましいバージョンである。ただし、収容部が1つの補助部品で構成され、つまりカットリングのように形成される可能性を排除すべきではない。この場合、1つの接続ブロックが提供される。
【0057】
最後に、主に三尖弁の置換を目的としたプロテーゼの場合、位置決め操作により高い複雑さが要求されるにもかかわらず、第3の補助部品を備えた解決手段も排除すべきではない。3つ以上の補助部品、つまり3つ以上の接続ブロックが提供される場合、3つの接続ブロックのうち2つに、互いに異なる可能性のある放射線不透過性またはエコー不透過性のマーカーを提供することが特に有利である。
【0058】
さらに、ハウジング38,138およびペグ40,140によって形成される、中心本体16,116と接続ブロック20,120との間の上記で説明した結合機構は、アーク22に対して異なる接続システムを有する接続ブロックでも使用できることを強調しておく必要がある。同様に、上記で説明したアーク22とピン28,128との間のピン/穴接続機構は、中心本体16,116に対して異なる結合システムを有する接続ブロック20,120でも使用できる。
【0059】
当然、本発明の原理は同じままであり、実施形態の形態および構造の詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく、記載および図示されたものに関して広範囲に変形することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経カテーテル手術で植え込まれる心臓弁用プロテーゼであって、拡張可能な中心本体(16,116)、1つ以上の補助部品(22)を有する収容部(18)、および前記収容部(18)のそれぞれの補助部品を前記中心本体(16,116)に接続するための、前記中心本体とは別個の少なくとも1つの接続ブロック(20,120)を備え、それぞれの接続ブロックには、前記接続ブロックを拡張可能な前記中心本体(16)に結合するための機械式の結合機構(38,138および40,140)が設けられる、心臓弁用プロテーゼ。
【請求項2】
前記結合機構はスナップフィット型である、請求項1に記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項3】
前記結合機構は少なくとも1つのハウジング(38,138)を備え、このハウジング(38,138)は前記接続ブロック(20,120)上に設けられ、このハウジング(38,138)には前記中心本体(16,116)上に設けられた少なくとも1つの対応する結合部材(40,140)が挿入され、前記結合部材(40,140)には、前記接続ブロックとスナップフィット方式で結合するためのフック歯(42,142)が設けられる、請求項2に記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項4】
前記結合機構には、前記接続ブロック(20,120)に対して当接するように設けられた当接要素(44,144)が設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項5】
前記接続ブロックは前記収容部(18)の前記補助部品(22)に設けられた対応する穴(27)に係合可能な2つのピン(28,128)を備え、少なくとも1つの前記ハウジング(38,138)は前記ピンの軸と実質的に平行な方向に細長い、請求項3または4に記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項6】
前記結合部材(40,140)は前記中心本体(16)と一体に構成された弾性アーム(19)の遠位端に設けられたペグである、請求項2~5のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項7】
2つの接続ブロック(20)があり、それらのうちの1つに放射線不透過性またはエコー不透過性のマーカーが設けられている、請求項1~6のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記接続ブロック(20)は前記収容部(18)の少なくとも1つの前記補助部品(22)に設けられた対応する穴(27)に係合可能な2つのピン(28)と、これらのピン(28)を接続する横方向構造を備え、それぞれのピンには、前記収容部の少なくとも1つの前記補助部品がスナップフィット方式で係合できるようにするスロット(29)が設けられている、請求項1~7のいずれかに記載の心臓弁用プロテーゼ。
【請求項9】
経カテーテル手術で植え込まれる心臓弁用プロテーゼの中心本体(16,116)に収容部(18)の補助部品を接続するための接続ブロック(120)を構築する方法であって、
・材料のスラブ(202)を提供するステップ、
・好ましくはワイヤEDMによって、第1の切断経路(200)に沿って第1の切込みを行い、半完成品(204)を得るステップ、
・前記半完成品を所定の角度で回転させるステップ、
・好ましくはワイヤEDMによって、第2の切断経路(206)に沿って第2の切込みを行い、前記接続ブロック(120)を得るステップ
含む方法。
【請求項10】
拡張可能な中心本体(16,116)、1つ以上の補助部品(22)を有する収容部(18)、および前記収容部(18)のそれぞれの補助部品を前記中心本体(16,116)に接続するための少なくとも1つの接続ブロック(20,120)を備えた、カテーテル手術により植え込まれる心臓弁プロテーゼの製造方法であって、
・請求項9に記載の方法により接続ブロック(120)を構築するステップ、
・前記接続ブロック(120)を前記中心本体(16,116)に接続するステップ
を含む方法。
【国際調査報告】