(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】粒界及び表面に貴金属を担持した触媒、その製造方法及び用途
(51)【国際特許分類】
B01J 23/63 20060101AFI20250123BHJP
B01J 23/656 20060101ALI20250123BHJP
B01J 23/83 20060101ALI20250123BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20250123BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20250123BHJP
F01N 3/10 20060101ALI20250123BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B01J23/63 A
B01J23/656 A
B01J23/83 A
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 280
B01D53/94 245
B01D53/86 222
B01D53/86 245
B01D53/86 280
F01N3/10 A
F01N3/28 301P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542098
(86)(22)【出願日】2023-02-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2023075765
(87)【国際公開番号】W WO2023151688
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202210135425.8
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519229622
【氏名又は名称】有研稀土高技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】GRIREM HI-TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】North of Gushan South Road And East Of Happiness Road,Hi-tech industrial zone,Yanjiao Town,Sanhe City, Langfang City, Hebei 065200, China
(71)【出願人】
【識別番号】515330421
【氏名又は名称】有研稀土新材料股▲フン▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521180371
【氏名又は名称】雄安稀土功能材料創新中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】RARE EARTH FUNCTIONAL MATERIALS(XIONG’AN)INNOVATION CENTER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room C-4, No. 56, Banzheng South Street, Xiguan Village, Rongcheng Town, Rongcheng County Baoding, Hebei, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】侯 永可
(72)【発明者】
【氏名】黄 小衛
(72)【発明者】
【氏名】崔 梅生
(72)【発明者】
【氏名】張 永奇
(72)【発明者】
【氏名】趙 政
(72)【発明者】
【氏名】▲ざい▼ 志哲
(72)【発明者】
【氏名】陳 東明
【テーマコード(参考)】
3G091
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【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、粒界及び表面に貴金属を担持した触媒、その製造方法及び用途に関し、前記触媒は、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物を含む活性コーティングの粒界及び表面に貴金属を担持し、貴金属のアンカー作用を向上させ、貴金属粒子の移動、凝集及び成長を回避し、貴金属触媒の触媒活性及び高温安定性能を維持し、貴金属の使用量を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒界及び表面に貴金属を担持した触媒であって、前記触媒は、貴金属G、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物を含み、前記貴金属Gは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に分散されており、セリウムジルコニウム複合酸化物の一般化学式は、Ce
xZr
yM
zO
2-αD
δであり、ここで、
Mはカチオンのドーピング元素であり、Dはアニオンのドーピング元素であり、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z<0.5であり、且つx、y、zは、x+y+z=1を満たし、
0≦α≦0.1、0≦δ≦0.1である、ことを特徴とする粒界及び表面に貴金属を担持した触媒。
【請求項2】
ハニカム型貴金属触媒であって、前記触媒は、ハニカム担体、貴金属G及び活性コーティングを含み、活性コーティングは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物Ce
xZr
yM
zO
2-αD
δを含み、前記貴金属Gは、活性コーティングの粒界及び表面に分散されており、ここで、
Mはカチオンのドーピング元素であり、Dはアニオンのドーピング元素であり、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z<0.5であり、且つx、y、zは、x+y+z=1を満たし、
0≦α≦0.1、0≦δ≦0.1である、ことを特徴とするハニカム型貴金属触媒。
【請求項3】
活性コーティングの総質量に対する前記セリウムジルコニウム複合酸化物の百分率は、0~100%であり、好ましくは30~70%である、ことを特徴とする請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
前記粒界及び表面における貴金属Gは、金属状態、又は金属状態及び酸化状態である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項5】
前記貴金属Gは、Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Au及びAgのうちの1種又は1種以上の組み合わせを含み、好ましくはPt、Pd、Rh及びRuの1種又は1種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
前記ドーピング元素Mは、セリウム以外の希土類元素、ジルコニウム及び希土類以外の遷移金属元素、アルカリ土類金属元素、及びAl、Si、Ga、Sn及びBiのうちの1種又は1種以上の組み合わせを含み、セリウム以外の希土類元素は、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びYを含み、好ましくはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tm、Yb及びYを含み、遷移金属元素は、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Hf、Ta及びWを含み、好ましくはTi、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Hf、W及びMoを含み、アルカリ土類金属元素は、Be、Mg、Ca、Sr、Baを含み、好ましくはMg、Sr、Baである、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項7】
前記ドーピング元素Dは、アニオンN、F及びPのうちの1種又は1種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】
前記ハニカム担体の材質は、多孔質セラミックス又は金属である、ことを特徴とする請求項2に記載のハニカム担体触媒。
【請求項9】
当該触媒中の貴金属Gの担持量は、質量分率で0.01%~3%、好ましくは0.1%~2%である、ことを特徴とする請求項1に記載の粒界及び表面に貴金属を担持した触媒。
【請求項10】
当該触媒中の貴金属Gの担持量は、0.01~2.8g/L、好ましくは0.1~2g/Lである、ことを特徴とする請求項2に記載のハニカム担体触媒。
【請求項11】
当該触媒中のセリウムジルコニウム複合酸化物は、元素勾配分布のセリウムジルコニウム複合酸化物及び/又はコアシェル構造のセリウムジルコニウム複合酸化物を含む、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項12】
セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又は活性アルミナと貴金属Gの液体塩とを均一に混合するステップS1と、
ステップS1で得られた生成物に1回又は2回の熱処理を行うステップS2と、
ステップS2で得られた生成物を空気又は還元雰囲気下で1回又は2回還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又は活性アルミナの粒界及び表面に貴金属を担持した触媒を得るステップS3と、を含む、ことを特徴とする請求項1、4~7、9又は11に記載の粒界及び表面に貴金属を担持した触媒の製造方法。
【請求項13】
前記ハニカム型貴金属触媒に1種又は1種以上のコーティング材を層別又は領域別に塗布し、前記コーティング材は、セリウムジルコニウム複合酸化物、アルミナ、粒界及び表面に貴金属を担持したセリウムジルコニウム複合酸化物、粒界及び表面に貴金属を担持したアルミナ、セリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に貴金属を担持した混合物を含み、前記ハニカム型貴金属触媒の製造ステップは、
前記1種又は1種以上のコーティング材を接着剤、酸度調整剤及び水と1段階又は複数の段階で均一に混合して塗布スラリーを製造するステップB1と、
ステップB1で得られた塗布スラリーを1段階又は複数の段階でハニカム担体に塗布し、又は領域別又は層別にハニカム担体に塗布し、且つ乾燥するステップB2と、
ステップB2で得られた生成物を空気又は還元雰囲気下で熱処理又は/及び焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得るステップB3と、を含む、ことを特徴とする請求項2~8、10又は11に記載のハニカム型貴金属触媒の製造方法。
【請求項14】
セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又はアルミナ、貴金属塩又は貴金属の液体塩、酸度調整剤、接着剤及び水を1段階又は複数の段階で均一に混合して塗布スラリーを製造し、得られたスラリーを1段階又は複数の段階でハニカム担体に塗布し、又は得られたスラリーを領域別又は層別にハニカム担体に塗布し、且つ乾燥し、乾燥後のハニカム担体を還元雰囲気下で熱処理又は/及び還元焙焼する、ことを特徴とする請求項2~8、10、11又は13に記載のハニカム型貴金属触媒の製造方法。
【請求項15】
前記熱処理温度が200~800℃であり、熱処理時間が0.5~24hであり、好ましくは熱処理温度が400~700℃であり、好ましくは熱処理時間が1~12hである、ことを特徴とする請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記焙焼温度が400~700℃であり、時間が0.5h~24hであり、好ましくは焙焼温度が450~600℃であり、好ましくは焙焼時間が1h~12hである、ことを特徴とする請求項12~14に記載の方法。
【請求項17】
前記還元雰囲気は、CO及びH
2の1種又は1種以上を含む、ことを特徴とする請求項12~14に記載の方法。
【請求項18】
前記貴金属Gの液体塩は、塩化塩、硝酸塩及び酢酸塩の溶融塩又は水溶液のうちの1種又は1種以上の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項12、14に記載の方法。
【請求項19】
自動車排ガス浄化、工業有機排ガス処理、天然ガス触媒燃焼、石油化学、水素エネルギー及び電池の分野における請求項1~12のいずれか一項に記載の触媒の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、出願番号202210135425.8、出願日2022年02月14日の中国特許出願に基づいて提出され、且つ当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全ての内容はここで参考として本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、貴金属触媒の技術分野に関し、特に粒界及び表面に貴金属を担持した触媒、その製造方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0003】
研究によると、世界の自動車保有台数の年々増加に伴い、自動車の排ガス汚染は、都市大気汚染の主要な汚染源となっており、自動車の排ガス排出による環境問題は、ますます深刻になってきている。自動車排ガス触媒コンバーターは、自動車排ガス浄化の有効な解決策であり、そのコアは、貴金属を担持した三元触媒である。通常、自動車排ガス三元触媒は、ハニカム担体、貴金属、活性コーティングなどからなり、その使用寿命は主に三元触媒の活性コーティング材及び製造プロセスによって決定され、活性コーティング材がセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナなどを含み、貴金属が活性コーティングに担持される。実際の応用では自動車排ガス三元触媒が置かれている環境が劣悪であり、水蒸気を含むだけでなく、温度が高く、場合によっては900℃以上に達することもあるため、触媒、コーティング材及び貴金属などには高温安定性能が必要である。したがって、自動車排ガス触媒の転化効率を確保し、セリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒の触媒活性を維持するためには、セリウムジルコニウム担持貴金属を含有するコーティング材の高温環境下での高温老化現象を極力阻止すべきであり、一方、セリウムジルコニウムの高温焼結を極力阻止すべきであり、他方、貴金属粒子の高温下での移動、凝集、成長又はセリウムジルコニウム、アルミナなどのコーティング材に包まれて触媒活性を減少又は失うことを阻止すべきである。天然ガス触媒燃焼、有機排ガス処理などの酸化型触媒においても貴金属触媒には高い高温安定能力が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の上記状況に基づいて、本発明の目的は、粒界及び表面に貴金属を担持した触媒、その製造方法及び用途を提供することであり、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属を分散させることにより、結晶粒間、表面における元素拡散を阻止又は遅延させるために用いられ、貴金属粒子の高温下での移動、凝集及び成長を抑制し、より高温に強く安定的なセリウムジルコニウム系貴金属触媒を製造し、且つ上記のようにして製造したアルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属を担持した触媒をハニカム型貴金属触媒スラリーの製造に用い、そしてスラリーをハニカムに塗布してハニカム型貴金属触媒を製造することにより、ハニカム型貴金属触媒の耐高温安定能力を効果的に向上させ、触媒の高温長期使用状況下での触媒活性を維持し、貴金属使用量を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、粒界及び表面に貴金属を担持した触媒を提供し、前記触媒は、貴金属G、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物を含み、前記貴金属Gは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に分散されており、セリウムジルコニウム複合酸化物の一般化学式は、CexZryMzO2-αDδであり、ここで、
Mはカチオンのドーピング元素であり、Dはアニオンのドーピング元素であり、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z<0.5であり、且つx、y、zは、x+y+z=1を満たし、
0≦α≦0.1、0≦δ≦0.1である。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、ハニカム型貴金属触媒を提供し、前記触媒は、ハニカム担体、貴金属G及び活性コーティングを含み、活性コーティングは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδを含み、前記貴金属Gは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に分散されており、ここで、
Mはカチオンのドーピング元素であり、Dはアニオンのドーピング元素であり、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z<0.5であり、且つx、y、zは、x+y+z=1を満たし、
0≦α≦0.1、0≦δ≦0.1である。
【0007】
さらに、活性コーティングの総質量に対する前記セリウムジルコニウム複合酸化物の百分率は、0~100%、好ましくは30~70%である。
【0008】
さらに、前記粒界及び表面における貴金属Gは、金属状態、又は金属状態及び酸化状態である。
【0009】
さらに、前記貴金属Gは、Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Au及びAgのうちの1種又は1種以上の組み合わせを含み、好ましくはPt、Pd、Rh及びRuの1種又は1種以上の組み合わせである。
【0010】
さらに、前記ドーピング元素Mは、セリウム以外の希土類元素、ジルコニウム及び希土類以外の遷移金属元素、アルカリ土類金属元素、Al、Si、Ga、Sn、Biのうちの1種又は1種以上の組み合わせであり、セリウム以外の希土類元素は、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yを含み、好ましくはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tm、Yb、Yであり、遷移金属元素は、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Hf、Ta、Wを含み、好ましくはTi、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Hf、W、Moであり、アルカリ土類金属元素は、Be、Mg、Ca、Sr、Baを含み、好ましくはMg、Sr、Baであり、前記ドーピング元素Dは、アニオンN、F及びPのうちの1種又は1種以上の組み合わせを含む。
【0011】
さらに、当該触媒中のセリウムジルコニウム複合酸化物は、コアシェル構造を含み、コアが希土類元素とジルコニウム元素とを含み、シェル中のイットリアの含有量が前記複合酸化物中の全イットリアの含有量よりも高い。本発明は、理論的に計算された元素表面エネルギーと酸素空孔形成エネルギーとの差に基づいて、シェル又は/及びコアの元素種類と含有量を設計し、セリウムジルコニウム複合酸化物の熱安定性及び酸素吸蔵放出性能を総合的に向上させる。
【0012】
さらに、当該触媒中のセリウムジルコニウム複合酸化物は、元素勾配分布構造のセリウムジルコニウム酸化物を含む。本発明は、理論的に計算された元素表面エネルギーと酸素空孔形成エネルギーとの差に基づいて、勾配構造中の元素種類と含有量を設計し、結晶粒の径方向の内から外に向かって特定元素の含有量を漸増又は漸減させ、セリウムジルコニウム複合酸化物の熱安定性及び酸素吸蔵放出性能を総合的に向上させる。
【0013】
さらに、前記ハニカム担体の材質は、多孔質セラミックス又は金属である。
【0014】
さらに、当該触媒中の貴金属Gの担持量は、質量分率で0.01%~3%、好ましくは0.1%~2%である。
【0015】
さらに、当該触媒中の貴金属Gの担持量は、0.01~2.8g/L、好ましくは0.1~2g/Lである。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様に記載の粒界及び表面に貴金属を担持した触媒の製造方法を提供し、
セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又は活性アルミナと貴金属Gの液体塩とを均一に混合するステップS1と、
ステップS1で得られた生成物に1回又は2回の熱処理を行うステップS2と、
ステップS2で得られた生成物を空気又は還元雰囲気下で1回又は2回還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又は活性アルミナの粒界及び表面に貴金属を担持した触媒を得るステップS3と、を含む。
【0017】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第2の態様に記載のハニカム型貴金属触媒の製造方法を提供し、前記ハニカム型貴金属触媒に1種又は1種以上のコーティング材を層別又は領域別に塗布し、前記コーティング材は、セリウムジルコニウム複合酸化物、アルミナ、粒界及び表面に貴金属を担持したセリウムジルコニウム複合酸化物、粒界及び表面に貴金属を担持したアルミナ、セリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に貴金属を担持した混合物であり、前記ハニカム型貴金属触媒の製造は、
前記コーティング材を接着剤、酸度調整剤及び水と1段階又は複数の段階で均一に混合して塗布スラリーを製造するステップB1と、
ステップB1で得られた塗布スラリーを1段階又は複数の段階でハニカム担体に塗布し、又は領域別又は層別にハニカム担体に塗布し、且つ乾燥するステップB2と、
ステップB2で得られた生成物を空気又は還元雰囲気下で熱処理又は/及び焙焼し、貴金属ハニカム触媒を得るステップB3と、を含む。
【0018】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第2の態様に記載のハニカム型貴金属触媒の製造方法を提供し、セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又はアルミナ、貴金属の液体塩、接着剤、酸度調整剤及び水を1段階又は複数の段階で均一に混合して塗布スラリーを製造し、得られた生成物を1段階又は複数の段階でハニカム担体に塗布し、又は領域別又は層別にハニカム担体に塗布し、且つ乾燥し、乾燥後のハニカム担体を還元雰囲気下で熱処理又は/及び還元焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得る。
【0019】
さらに、前記熱処理温度が200~800℃であり、熱処理時間が0.5~24hであり、好ましくは熱処理温度が400~700℃であり、好ましくは熱処理時間が1~12hである。
【0020】
さらに、前記焙焼温度が400~700℃であり、時間が0.5h~24hであり、好ましくは焙焼温度が450~600℃であり、好ましくは焙焼時間が1h~12hである。
【0021】
さらに、前記還元雰囲気は、CO及びH2の1種又は1種以上を含む。
【0022】
さらに、前記貴金属Gの液体塩は、塩化塩、硝酸塩及び酢酸塩の溶融塩又は水溶液のうちの1種又は1種以上の組み合わせを含む。
【0023】
本発明の第6の態様によれば、自動車排ガス浄化、工業有機排ガス処理、天然ガス触媒燃焼、石油化学、水素エネルギー及び電池の分野における本発明の第1及び第2の態様に記載の触媒の用途を提供する。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明は、粒界及び表面に貴金属を担持した触媒、ハニカム型貴金属触媒、その製造方法及び用途を提供する。本発明にて提供される粒界及び表面に貴金属を担持した触媒及びハニカム型貴金属触媒は、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Gを分散させることにより、貴金属のアンカー作用を向上させ、貴金属粒子の移動、凝集及び成長を回避し、貴金属触媒の触媒活性及び高温安定性能を維持し、貴金属の使用量を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施例の粒界及び表面に貴金属を担持した触媒の製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例のハニカム型貴金属触媒の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、具体的な実施形態と関連し、添付図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。これらの記述は例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。さらに、以下の説明では、本発明の概念が不必要に混同されることを避けるために、公知の構造及び技術の説明が省略される。
【0027】
本発明の実施例は、粒界及び表面に貴金属を担持した触媒を提供し、当該触媒は、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Gを分散させており、ここでセリウムジルコニウム複合酸化物の一般化学式は、CexZryMzO2-αDδであり、Mはカチオンのドーピング元素であり、Dはアニオンのドーピング元素であり、各元素の値の範囲は、以下のとおりであり、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦0.5であり、且つx、y、zは、x+y+z=1を満たし、
0≦α≦0.1、0≦δ≦0.1である。
【0028】
本発明の実施例は、ハニカム型貴金属触媒をさらに提供し、前記触媒は、ハニカム担体、貴金属G及び活性コーティングを含み、活性コーティングは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδを含み、前記貴金属Gは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδの粒界及び表面に分散されており、前記貴金属Gが、金属状態、又は金属状態及び酸化状態であり、好ましくは金属状態であり、貴金属Gは、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδの活性コーティングの粒界及び表面に分散されており金属状態であり、触媒効果により有利であり、貴金属Gは、Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Au及びAgのうちの1種又は1種以上の組み合わせであってもよく、好ましくは、貴金属GはPt、Pd、Rh、Ruの1種又は1種以上の組み合わせであり、当該触媒中の貴金属Gの担持量は、質量分率で0.01~3%、好ましくは0.1~2%である。
【0029】
本発明のセリウムジルコニウム複合酸化物ドーピング元素Mは、セリウム以外の希土類元素、ジルコニウム及び希土類以外の遷移金属元素、アルカリ土類金属元素、Al、Si、Ga、Sn、Biのうちの1種又は1種以上の組み合わせであり、セリウム以外の希土類元素は、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yを含み、好ましくはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tm、Yb、Yであり、遷移金属元素は、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Hf、Ta、Wを含み、好ましくはTi、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Hf、W、Moであり、アルカリ土類金属元素は、Be、Mg、Ca、Sr、Baを含み、好ましくはMg、Sr、Baであり、ドーピング元素Dは、アニオンN、F、Pのうちの1種又は1種以上の組み合わせであってもよい。
【0030】
本発明の実施例にて提供される触媒中のセリウムジルコニウム複合酸化物は、コアシェル構造を含む。セリウムジルコニウム複合酸化物のコアシェル構造のその他の特徴及び利点については、2020年9月17日に出願された出願番号CN202010982980.5、発明の名称「コアシェル構造のセリウムジルコニウム系複合酸化物及びその製造方法」の中国特許出願及びその全ての内容説明を参照されたい。本発明は、理論的に計算された元素表面エネルギーと酸素空孔形成エネルギーとの差に基づいて、シェル又は/及びコアの元素種類と含有量を設計し、セリウムジルコニウム複合酸化物の熱安定性及び酸素吸蔵放出性能を総合的に向上させる。
【0031】
本発明の実施例にて提供される触媒中のセリウムジルコニウム複合酸化物は、元素勾配分布構造のセリウムジルコニウム複合酸化物を含む。セリウムジルコニウム複合酸化物の元素勾配分布構造のその他の特徴及び利点については、2020年9月17日に出願された出願番号CN202010982979.2、発明の名称「元素勾配分布のセリウムジルコニウム系複合酸化物及びその製造方法」の中国特許出願及びその全ての内容説明を参照されたい。本発明は、理論的に計算された元素表面エネルギーと酸素空孔形成エネルギーとの差に基づいて、勾配構造中の元素種類と含有量を設計及び制御し、結晶粒の径方向の内から外に向かって特定元素の含有量を漸増又は漸減させ、セリウムジルコニウム複合酸化物の熱安定性及び酸素吸蔵放出性能を総合的に向上させる。
【0032】
本発明の実施例は、上記粒界及び表面に貴金属を担持した触媒の製造方法をさらに提供する。
図1は、本発明の実施例の粒界及び表面に貴金属を担持した触媒の製造方法のフローチャートを示し、ステップS1~S3を含む。
【0033】
S1において、所定の組成配合割合でアルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδと貴金属Gの液体塩とを均一に混合し、当該貴金属Gの液体塩は、塩化塩、硝酸塩、酢酸塩の溶融塩又は溶液の1種又は1種以上の組み合わせを含み、本ステップのアルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδと貴金属Gとの配合割合は、貴金属Gの担持量に応じて質量分率で0.01~3%、好ましくは0.1~2%である。
【0034】
S2において、ステップS1で得られた生成物に1回又は2回の熱処理を行い、当該熱処理の温度が200~800℃であってもよく、時間が0.5h~24hであり、好ましくは、熱処理温度が400~700℃であり、熱処理時間が1h~12hである。
【0035】
S3において、ステップS2で得られた生成物を空気又は還元雰囲気下で1回又は2回還元焙焼し、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδの粒界及び表面に貴金属が分散した触媒を得、当該焙焼温度が400~800℃であってもよく、時間が0.5h~24hであり、好ましくは、焙焼温度が450~600℃であり、焙焼時間が1h~12hであり、当該還元雰囲気は、CO、H2の1種又は1種以上の組み合わせを含んでもよく、当該還元雰囲気は、少量のO2を含んでもよく、O2の体積百分率含有量は、10%以下である。
【0036】
本発明の実施例は、ステップS2で熱処理を行う際に、適切な温度を制御することにより、基体の粒界が活性化を開始して貴金属が拡散するパスとなり、熱処理時間を制御することにより、貴金属が粒界に沿って拡散する深さ及び分布を制御することができる。ステップS3では還元雰囲気、還元温度、還元時間を制御することにより、粒界及び表面における貴金属を還元したり、一部が還元するように制御したりすることができる。ステップS2、S3において貴金属をセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に分布させることにより、一方、セリウムジルコニウム複合酸化物の結晶粒間又は表面の元素拡散を阻止又は遅延させ、セリウムジルコニウム複合酸化物の焼結老化、比表面積の低下を阻止し、セリウムジルコニウム複合酸化物の熱安定性を増加させるために用いられ、他方、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面による貴金属のアンカー作用により、貴金属粒子の高温下での移動、凝集及び成長を遅延させ、より高温に強く安定的なアルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物CexZryMzO2-αDδの粒界及び表面に貴金属を担持した触媒を製造する。
【0037】
本発明の実施例は、上記ハニカム型貴金属触媒の製造方法をさらに提供し、当該ハニカム型貴金属触媒に1種又は1種以上のコーティング材を層別又は領域別に塗布し、前記コーティング材は、セリウムジルコニウム複合酸化物、アルミナ、粒界及び表面に貴金属を担持したセリウムジルコニウム複合酸化物、粒界及び表面に貴金属を担持したアルミナ、セリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に貴金属を担持した混合物であり、
図2は、本発明の実施例ハニカム型貴金属触媒の製造方法のフローチャートを示し、
前記コーティング材を接着剤、酸度調整剤及び水と1段階又は複数の段階で均一に混合して塗布スラリーを製造するステップB1と、
ステップB1で得られた塗布スラリーを1段階又は複数の段階でハニカム担体に塗布し、又は領域別又は層別にハニカム担体に塗布し、且つ乾燥するステップB2と、
ステップB2で得られた生成物を熱処理又は/及び焙焼し、貴金属ハニカム触媒を得るステップB3と、を含み、本ステップの熱処理の温度が200~800℃であってもよく、時間が0.5h~24hであり、好ましくは熱処理温度が400~700℃であり、熱処理時間が1h~12hであり、本ステップの焙焼温度が400~800℃であってもよく、時間が0.5h~24hであり、好ましくは焙焼温度が450~600℃であり、焙焼時間が1h~12hであり、本ステップの焙焼雰囲気は、空気雰囲気焙焼又は還元雰囲気焙焼を採用してもよく、還元焙焼の雰囲気は、CO、H
2の1種又は1種以上を選択してもよい。
【0038】
本発明の実施例は、上記ハニカム型貴金属触媒の別の製造方法をさらに提供し、以下のステップを含み、セリウムジルコニウム複合酸化物、アルミナ、セリウムジルコニウム複合酸化物及び/又は活性アルミナの粒界及び表面に貴金属を担持した触媒のうちの1種又は1種以上の組み合わせを層別又は領域別にハニカム担体に塗布し、熱処理ステップ及び焙焼ステップにより、且つ熱処理及び焙焼の雰囲気、温度及び時間を制御することにより、アルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Gを担持したハニカム型貴金属触媒を得、粒界及び表面による貴金属のアンカー作用により、貴金属粒子の移動及び成長を回避し、それによって貴金属触媒の触媒活性及び高温安定性を維持し、ハニカム型貴金属触媒の長期高温環境条件下における熱安定性性能を向上させ、触媒の触媒活性を確保し、貴金属の使用量を低減することができる。
【0039】
本発明の実施例は、自動車排ガス浄化、工業有機排ガス処理、天然ガス触媒燃焼、石油化学、水素エネルギー、及び電池の分野における上記粒界及び表面に貴金属を担持した触媒及び上記ハニカム型貴金属触媒の用途をさらに提供する。本発明の実施例にて提供される粒界及び表面に貴金属を担持した触媒及びハニカム型貴金属触媒は、高温安定性能が良好であり、関連する各分野の応用ニーズを満たすことができる。
【0040】
以下、具体的な実施例によって本発明をさらに説明する。
【0041】
(比較例1)
パラジウム0.9%、白金0.3%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金溶液を量り取って200gCe0.52Zr0.36La0.05Y0.07O2粉体と均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そして乾燥サンプルを空気雰囲気下500℃で5時間焙焼し、セリウムジルコニウム担持貴金属触媒サンプルを得た。
上記のようにして製造した適量のセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒サンプルを1000℃で4時間老化した。そしてセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒粉体を打錠、破砕、篩過し、30~40メッシュの顆粒状セリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒を得、次いで顆粒触媒に対して触媒性能試験を行った。触媒試験は模擬自動車排ガス混合ガスを採用し、各成分の含有量(体積比率)は、CO含有量1.5%、NO含有量900ppm、HC含有量900ppm、O2含有量1.2%、CO2含有量12%、残部N2であり、空間速度が50000/hであった。CO、NO、HCの触媒転化に対するサンプルの発火温度(T50)を試験し、その結果、COの発火温度が325℃、NOの発火温度が339℃、HCの発火温度が318℃であった。
【0042】
(比較例2)
200gのCe0.52Zr0.36La0.05Y0.07O2粉体、200gの活性アルミナ及び適量の脱イオン水をスラリーとし、ハニカム担体活性コーティングの総質量に対してパラジウム0.45%、白金0.15%の担持量で硝酸パラジウム及び硝酸白金を加えて均一に混合し、そして接着剤、酸度調整剤などを加えて塗布スラリーとし、ハニカム触媒貴金属の総担持量1.2g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、そして塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、最後にハニカム担体を500℃空気雰囲気で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得た。
上記のようにして製造したハニカム型貴金属触媒を1000℃で4時間老化し、そして直径0.5~1cmのハニカム型貴金属触媒サンプルを切り取り、次いで切り取ったハニカム型貴金属触媒サンプルの触媒性能試験を行った。触媒試験は模擬自動車排ガス混合ガスを採用し、各成分の含有量(体積比率)は、CO含有量1.5%、NO含有量900ppm、HC含有量900ppm、O2含有量1.2%、CO2含有量12%、残部N2であった。空間速度が50000/hであった。CO、NO、HCの触媒転化に対するサンプルの発火温度(T50)を試験し、その結果、COの発火温度が314℃、NOの発火温度が329℃、HCの発火温度が311℃であった。
【0043】
(比較例3)
パラジウム1.2%、ロジウム0.2%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸ロジウム溶液を量り取って200gのCe0.16Zr0.78La0.02Nd0.04O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらに乾燥サンプルを空気雰囲気下500℃で5時間焙焼し、セリウムジルコニウム担持貴金属触媒サンプルを得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が330℃、NOの発火温度が323℃、HCの発火温度が331℃であった。
【0044】
(比較例4)
200gのCe0.16Zr0.78La0.02Nd0.04O2粉体、200gの活性アルミナ及び適量の脱イオン水をスラリーとし、ハニカム担体活性コーティングの総質量に対してパラジウム0.6%、ロジウム0.1%の担持量で硝酸パラジウム及び硝酸ロジウムを加えて均一に混合し、そして接着剤、酸度調整剤などを加えて塗布スラリーとし、ハニカム触媒貴金属の総担持量1.4g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、そして塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、最後にハニカム担体を500℃空気雰囲気で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が326℃、NOの発火温度が319℃、HCの発火温度が327℃であった。
【0045】
(実施例1)
パラジウム0.9%、白金0.3%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金溶液を量り取って200gCe0.52Zr0.36La0.05Y0.07O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを550℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で5時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Ptを担持した触媒サンプルPdPt/Ce0.52Zr0.36La0.05Y0.07O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が290℃、NOの発火温度が320℃、HCの発火温度が295℃であった。
【0046】
(実施例2)
実施例1に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdPt/Ce0.52Zr0.36La0.05Y0.07O2 200g及び適量のアルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1.2g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、そして塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を300℃で5時間熱処理し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Ptが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が270℃、NOの発火温度が300℃、HCの発火温度が284℃であった。
【0047】
(実施例3)
パラジウム1.2%、ロジウム0.2%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸ロジウム溶液を量り取って200gのCe0.16Zr0.78La0.02Nd0.04O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを550℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で5時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Rhを担持した触媒サンプルPdRh/Ce0.16Zr0.78La0.02Nd0.04O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が278℃、NOの発火温度が279℃、HCの発火温度が313℃であった。
【0048】
(実施例4)
実施例3に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdRh/ Ce0.16Zr0.78La0.02Nd0.04O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1.4g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を300℃で5時間熱処理し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が261℃、NOの発火温度が250℃、HCの発火温度が287℃であった。
【0049】
(実施例5)
パラジウム0.4%、白金0.3%、ロジウム0.01%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を量り取って200gのCe0.38Zr0.53La0.071Pr0.01Y0.01O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを550℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Pt、Rhを担持した触媒サンプルPdPtRh/ Ce0.38Zr0.53La0.071Pr0.01Y0.01O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が260℃、NOの発火温度が287℃、HCの発火温度が286℃であった。
【0050】
(実施例6)
パラジウム0.7%、白金0.2%、ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を量り取って200gのCe0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを200℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Pt、Rhを担持した触媒サンプルPdPtRh/ Ce0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が315℃、NOの発火温度が324℃、HCの発火温度が327℃であった。
【0051】
(実施例7)
パラジウム0.7%、白金0.2%、ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を量り取って200gのCe0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを400℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Pt、Rhを担持した触媒サンプルPdPtRh/ Ce0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が278℃、NOの発火温度が310℃、HCの発火温度が290℃であった。
【0052】
(実施例8)
パラジウム0.7%、白金0.2%、ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を量り取って200gのCe0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを600℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Pt、Rhを担持した触媒サンプルPdPtRh/ Ce0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が259℃、NOの発火温度が277℃、HCの発火温度が278℃であった。
【0053】
(実施例9)
実施例8に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdPtRh/ Ce0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、そして塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を400℃で12時間熱処理し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が257℃、NOの発火温度が283℃、HCの発火温度が267℃であった。
【0054】
(実施例10)
パラジウム0.7%、白金0.2%、ロジウム0.1%の担持量で一定体積のパラジウム、白金、ロジウムの塩化物液体塩を量り取って200gのCe0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2粉体と均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そして450℃で1回目の4時間熱処理を行い、次いでサンプルに対して800℃で2回目の4時間熱処理を行い、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Pt、Rhを担持した触媒サンプルPdPtRh/ Ce0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が264℃、NOの発火温度が291℃、HCの発火温度が275℃であった。
【0055】
(実施例11)
200gの活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム担体が100g/Lのアルミナを含む量でアルミナスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、実施例10に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdPtRh/ Ce0.33Zr0.58La0.033Nd0.032Y0.025O2 200g及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1g/Lの塗布量で製造したスラリーを上記アルミナ塗布済みセラミックスハニカム担体に塗布し、塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を600℃で4時間熱処理し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Pt、Rhが主に当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に担持され、少量がセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が267℃、NOの発火温度が279℃、HCの発火温度が274℃であった。
【0056】
(実施例12)
パラジウム0.8%、ロジウム0.08%の担持量で一定体積のパラジウム、ロジウムの液体酢酸塩を量り取って表面がイットリウムに富むコアシェル構造を有するセリウムジルコニウム複合酸化物Ce0.18Zr0.64La0.03Y0.15 O2粉体200gと均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そして600℃で1回目の6時間熱処理を行い、次いでサンプルに対して580℃で2回目の5時間熱処理を行い、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Rhを担持した触媒サンプルPdRh/ Ce0.18Zr0.64La0.03Y0.15 O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が251℃、NOの発火温度が264℃、HCの発火温度が239℃であった。
【0057】
(実施例13)
実施例12に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面担持貴金属触媒PdRh/Ce0.18Zr0.64La0.03Y0.15 O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.88g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を600℃で6時間熱処理し、最後にハニカム担体を580℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が243℃、NOの発火温度が250℃、HCの発火温度が235℃であった。
【0058】
(実施例14)
白金0.3%、ロジウム0.02%の担持量で一定体積の白金、ロジウムの液体酢酸塩を量り取って表面にセリウムに富む勾配セリウムジルコニウム複合酸化物Ce0.33Zr0.57La0.04Y0.06O2粉体200gと均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そして550℃で1回目の4時間熱処理を行い、次いでサンプルに対して500℃で2回目の5時間熱処理を行い、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pt、Rhを担持した触媒サンプルPtRh/Ce0.33Zr0.57La0.04Y0.06O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が241℃、NOの発火温度が246℃、HCの発火温度が251℃であった。
【0059】
(実施例15)
実施例14に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PtRh/Ce0.33Zr0.57La0.04Y0.06O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.32g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を550℃で4時間熱処理し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が235℃、NOの発火温度が230℃、HCの発火温度が243℃であった。
【0060】
(実施例16)
パラジウム0.2%、白金0.5%の担持量で一定体積のパラジウム、白金の液体硝酸塩を量り取って表面がセリウムイットリウムに富むコアシェル構造を有するセリウムジルコニウム複合酸化物Ce0.42Zr0.47La0.045Y0.064 O2粉体200gと均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そして610℃で1回目の7時間熱処理を行い、次いでサンプルに対して470℃で2回目の4時間熱処理を行い、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Ptを担持した触媒サンプルPdPt/ Ce0.42Zr0.47La0.045Y0.064 O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が243℃、NOの発火温度が259℃、HCの発火温度が239℃であった。
【0061】
(実施例17)
実施例16に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdPt/Ce0.42Zr0.47La0.045Y0.064 O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.7g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を490℃で7時間熱処理し、最後にハニカム担体を570℃で4時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Ptが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が237℃、NOの発火温度が248℃、HCの発火温度が227℃であった。
【0062】
(実施例18)
パラジウム0.1%、ロジウム0.02%の担持量で一定体積のパラジウム、ロジウムの液体硝酸塩を量り取って表面がネオジムに富むコアシェル構造を有するセリウムジルコニウム複合酸化物Ce0.24Zr0.7La0.017Nd0.043O2粉体200gと均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そして520℃で1回目の3時間熱処理を行い、次いでサンプルに対して630℃で2回目の6時間熱処理を行い、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Rhを担持した触媒サンプルPdRh/Ce0.24Zr0.7La0.017Nd0.043O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が233℃、NOの発火温度が211℃、HCの発火温度が225℃であった。
【0063】
(実施例19)
実施例18に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdRh/Ce0.24Zr0.7La0.017Nd0.043O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.12g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を510℃で3時間熱処理し、最後にハニカム担体を600℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が230℃、NOの発火温度が205℃、HCの発火温度が222℃であた。
【0064】
(実施例20)
パラジウム1%、白金0.01%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金溶液を200gのCeO2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを500℃で4.5時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下400℃で24時間還元焙焼し、酸化セリウムの粒界及び表面に貴金属Pd、Ptを担持した触媒サンプルPdPt/CeO2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が304℃、NOの発火温度が339℃、HCの発火温度が317℃であった。
【0065】
(実施例21)
実施例20に従って製造した酸化セリウム担持貴金属触媒PdPt/CeO2200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.61g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を300℃で18時間熱処理し、最後にハニカム担体を400℃で12時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Ptが、当該ハニカム型貴金属触媒の酸化セリウム及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が288℃、NOの発火温度が329℃、HCの発火温度が303℃であった。
【0066】
(実施例22)
パラジウム1.2%、ロジウム0.08%の担持量で一定体積のパラジウム、ロジウムの酢酸塩溶液を200gのCe0.38Zr0.53La0.045Sm0.03Tm0.015O2粉体と均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、そしてサンプルを600℃で4時間熱処理し、さらにサンプルに対して水素雰囲気下500℃で1回目の5時間還元焙焼を行い、最後にサンプルに対して水素雰囲気下650℃で2回目の2時間還元焙焼を行い、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Rhを担持した触媒サンプルPdRh/Ce0.38Zr0.53La0.045Sm0.03Tm0.015O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が254℃、NOの発火温度が257℃、HCの発火温度が260℃であった。
【0067】
(実施例23)
白金1.9%、ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を200gのCe0.13Zr0.64La0.03Nd0.03Mn0.17O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを200℃で24時間熱処理し、最後にサンプルをCO雰囲気700℃で0.5時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pt、Rhを担持した触媒サンプルPtRh/Ce0.13Zr0.64La0.03Nd0.03Mn0.17O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が286℃、NOの発火温度が280℃、HCの発火温度が293℃であった。
【0068】
(実施例24)
実施例23に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdRh/Ce0.38Zr0.53La0.045Sm0.03Tm0.015O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーaとし、実施例15に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PtRh/Ce0.13Zr0.64La0.03Nd0.03Mn0.17O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを別の塗布スラリーbとし、そして製造したスラリーaを貴金属の総担持量0.64g/Lの塗布量で半分のハニカム担体に塗布し、且つ半分が塗布されたハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらに製造したスラリーbを貴金属の総担持量1g/Lの塗布量で残りの半分のハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、次いでハニカム担体を450℃で3時間熱処理し、最後にハニカム担体を550℃で6時間焙焼し、貴金属の総担持量が1.64g/Lのハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が245℃、NOの発火温度が249℃、HCの発火温度が247℃であった。
【0069】
(実施例25)
ロジウム0.01%の担持量で一定体積の硝酸ロジウム溶液を200gのCe0.78Zr0.16La0.02Y0.02Fe0.02O2粉体と均一に混合し、サンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを300℃で20時間熱処理し、そしてサンプルを空気雰囲気下450℃で4時間焙焼し、最後にサンプルを水素雰囲気下570℃で5時間還元焙焼してセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属ロジウムを担持した触媒サンプルRh/Ce0.78Zr0.16La0.02Y0.02Fe0.02O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が313℃、NOの発火温度が291℃、HCの発火温度が305℃であった。
【0070】
(実施例26)
実施例25に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒Rh/Ce0.78Zr0.16La0.02Y0.02Fe0.02O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.01g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が296℃、NOの発火温度が281℃、HCの発火温度が293℃であった。
【0071】
(実施例27)
パラジウム0.5%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム溶液を量り取って200gのCe0.38Zr0.5La0.07Pr0.03Y0.01Si0.01O1.999N0.001及び200gの活性アルミナ粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを550℃で3時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下470℃で16時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に貴金属Pdを担持した触媒サンプルPd/ Ce0.38Zr0.5La0.07Pr0.03Y0.01Si0.01O1.999N0.001&Al2O3を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が265℃、NOの発火温度が270℃、HCの発火温度が270℃であった。
【0072】
(実施例28)
実施例27に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナ担持貴金属触媒Pd/Ce0.38Zr0.5La0.07Pr0.03Y0.01Si0.01O1.999N0.001&Al2O3 200g及び適量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を750℃で1時間熱処理し、最後にハニカム担体を600℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pdが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が260℃、NOの発火温度が263℃、HCの発火温度が258℃であった。
【0073】
(実施例29)
パラジウム0.5%、白金1.8%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金溶液を200gのCe0.18Zr0.64La0.03Y0.13Yb0.02O1.995F0.005粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを600℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下600℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Ptを担持した触媒サンプルPdPt/ Ce0.18Zr0.64La0.03Y0.13Yb0.02O1.995F0.005を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が243℃、NOの発火温度が261℃、HCの発火温度が242℃であった。
【0074】
(実施例30)
白金0.9%、ロジウム0.01%の担持量で一定体積の硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を200gのCe0.33Zr0.5La0.033Nd0.032Y0.025Sr0.04Ba0.04O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを600℃で6.5時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で12時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pt、Rhを担持した触媒サンプルPtRh/Ce0.33Zr0.5La0.033Nd0.032Y0.025Sr0.04Ba0.04O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が256℃、NOの発火温度が261℃、HCの発火温度が263℃であった。
【0075】
(実施例31)
ハニカム型貴金属触媒コーティング中のセリウムジルコニウム含有量90%、アルミナ含有量10%で実施例30に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PtRh/ Ce0.33Zr0.5La0.033Nd0.032Y0.025Sr0.04Ba0.04O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1.64g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を800℃で0.5時間熱処理し、最後にハニカム担体を700℃で0.5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が265℃、NOの発火温度が271℃、HCの発火温度が274℃であった。
【0076】
(実施例32)
白金0.5%、ロジウム0.4%の担持量で一定体積の硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を200gのCe0.16Zr0.6La0.02Nd0.04Mn0.12Ba0.06O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを700℃で8時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下600℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pt、Rhを担持した触媒サンプルPtRh/Ce0.16Zr0.6La0.02Nd0.04Mn0.12Ba0.06O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が251℃、NOの発火温度が248℃、HCの発火温度が260℃であった。
【0077】
(実施例33)
実施例32に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PtRh/Ce0.16Zr0.6La0.02Nd0.04Mn0.12Ba0.06O2200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1.08g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、そして塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を430℃で3時間熱処理し、最後にハニカム担体を650℃で6時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が247℃、NOの発火温度が242℃、HCの発火温度が253℃であった。
【0078】
(実施例34)
ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸ロジウム溶液を200gのZr0.86La0.09Y0.04Ti0.01O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを420℃で6時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下630℃で4時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Rhを担持した触媒サンプルRh/ Zr0.86La0.09Y0.04Ti0.01O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が271℃、NOの発火温度が248℃、HCの発火温度が277℃であった。
【0079】
(実施例35)
ハニカム型貴金属触媒コーティング中のセリウムジルコニウム含有量70%、アルミナ含有量30%で実施例34に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒Rh/Zr0.86La0.09Y0.04Ti0.01O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.14g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を550℃で3時間熱処理し、最後にハニカム担体を700℃で1.5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属ロジウムが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が268℃、NOの発火温度が233℃、HCの発火温度が272℃であった。
【0080】
(実施例36)
ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸ロジウム溶液を200gのZr0.86La0.095Y0.045O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを630℃で5時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下700℃で5時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Rhを担持した触媒サンプルRh/ Zr0.86La0.095Y0.045O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が270℃、NOの発火温度が264℃、HCの発火温度が274℃であった。
【0081】
(実施例37)
ハニカム型貴金属触媒コーティング中のセリウムジルコニウム含有量70%、アルミナ含有量30%で実施例34に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒Rh/ Zr0.86La0.095Y0.045O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.14g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を600℃で3時間熱処理し、最後にハニカム担体を660℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属ロジウムが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が265℃、NOの発火温度が251℃、HCの発火温度が268℃であった。
【0082】
(実施例38)
パラジウム0.1%、白金0.2%、ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金、硝酸ロジウム溶液を200gのCe0.25Zr0.6La0.05Y0.05Nb0.02Sn0.03O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを620℃で4時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下520℃で7時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Pt、Rhを担持した触媒サンプルPdPtRh/Ce0.25Zr0.6La0.05Y0.05Nb0.02Sn0.03O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が276℃、NOの発火温度が257℃、HCの発火温度が273℃であった。
【0083】
(実施例39)
ロジウム0.1%の担持量で一定体積の硝酸ロジウム溶液を200gのCe0.18Zr0.62La0.03Y0.13Er0.02Ni0.02O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを710℃で2時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下650℃で3時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Rhを担持した触媒サンプルRh/Ce0.18Zr0.62La0.03Y0.13Er0.02Ni0.02O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が291℃、NOの発火温度が258℃、HCの発火温度が285℃であった。
【0084】
(実施例40)
パラジウム0.9%、白金0.5%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金溶液を200gのAl0.48Ce0.175Zr0.3La0.018Nd0.018Y0.009 O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを650℃で5時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で5時間還元焙焼し、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Ptを担持した触媒サンプルPdPt/Al0.48Ce0.175Zr0.3La0.018Nd0.018Y0.009O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が273℃、NOの発火温度が285℃、HCの発火温度が277℃であった。
【0085】
(実施例41)
実施例40に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PdPt/Al0.48Ce0.175Zr0.3La0.018Nd0.018Y0.009O2 200g及び適量の活性アルミナ及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1.4g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、且つ塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を250℃で4時間熱処理し、最後にハニカム担体を470℃で16時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Ptが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が253℃、NOの発火温度が264℃、HCの発火温度が269℃であった。
【0086】
(実施例42)
パラジウム0.01%、白金2%の担持量で一定体積の硝酸パラジウム、硝酸白金溶液を200gのCe0.30Zr0.61La0.044Gd0.04Cu0.006O2粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを270℃で12時間熱処理し、次いでサンプルに対して空気雰囲気下440℃で1回目の3時間焙焼を行い、最後にサンプルに対して空気雰囲気下620℃で2回目の3時間焙焼を行い、セリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に貴金属Pd、Ptを担持した触媒サンプルPdPt/Ce0.30Zr0.61La0.044Gd0.04Cu0.006O2を得た。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例1と同じであり、試験の結果、COの発火温度が283℃、NOの発火温度が272℃、HCの発火温度が278℃であった。
【0087】
(実施例43)
白金0.5%の担持量で一定体積の硝酸白金溶液を200gの活性アルミナ粉体と均一に混合し、そしてサンプルを110℃で4時間乾燥し、さらにサンプルを350℃で7時間熱処理し、最後にサンプルを水素雰囲気下500℃で5時間還元焙焼し、アルミナ粒界及び表面に貴金属Ptを担持した触媒サンプルPt/Al2O3を得た。
Pt/Al2O3とセリウムジルコニウム粉体との質量比4:1でそれぞれ上記製造したPt/Al2O3 320g、Ce0.13Zr0.64La0.03Nd0.03Mn0.17O2 80g及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量0.8g/Lの塗布量で上記製造したスラリーをハニカム担体に塗布し、塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を270℃で7時間熱処理し、最後にハニカム担体を500℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Ptが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が277℃、NOの発火温度が273℃、HCの発火温度が281℃であった。
【0088】
(実施例44)
実施例23に従って製造したセリウムジルコニウム複合酸化物担持貴金属触媒PtRh/Ce0.13Zr0.64La0.03Nd0.03Mn0.17O2 200gを取り、実施例43に従って製造したPt/Al2O3 200gを取り、PtRh/Ce0.13Zr0.64La0.03Nd0.03Mn0.17O2及びPt/Al2O3及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量2.5g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を400℃で3時間熱処理し、最後にハニカム担体を550℃で6時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が253℃、NOの発火温度が249℃、HCの発火温度が255℃であった。
【0089】
(実施例45)
実施例43に従って製造したPt/Al2O3 200g及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてハニカム担体が100g/Lのアルミナを含む量でアルミナスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、セリウムジルコニウム複合酸化物Ce0.30Zr0.61La0.044Gd0.04Cu0.006O2 200gを取り、Ce0.30Zr0.61La0.044Gd0.04Cu0.006O2及び一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを塗布スラリーとし、そしてCe0.30Zr0.61La0.044Gd0.04Cu0.006O2を含むスラリーを100g/Lの塗布量でPt/Al2O3塗布済みの上記ハニカム担体に塗布し、塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を530℃で7時間熱処理し、最後にハニカム担体を640℃で5時間焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Ptが主に当該ハニカム型貴金属触媒のPt/Al2O3の粒界及び表面に担持され、少量がセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が293℃、NOの発火温度が288℃、HCの発火温度が287℃であった。
【0090】
(実施例46)
セリウムジルコニウム複合酸化物Ce0.3Zr0.6La0.05Pr0.05O2及び活性アルミナをそれぞれ200gずつ取り且つ一定量の脱イオン水を加えて均一に混合し、ハニカム担体活性コーティングがパラジウム0.45%、白金0.13%、ロジウム0.01%を含む担持量でスラリーに一定量のパラジウム、白金、ロジウムの硝酸塩を加え、そして一定量の接着剤、酸度調整剤、脱イオン水などを加えて塗布スラリーとし、そしてハニカム触媒貴金属の総担持量1.18g/Lの塗布量で製造したスラリーをセラミックスハニカム担体に塗布し、そして塗布したハニカム担体を110℃で4時間乾燥し、さらにハニカム担体を650℃で4時間熱処理し、最後にハニカム担体を水素雰囲気下550℃で6時間還元焙焼し、ハニカム型貴金属触媒を得、貴金属Pd、Pt、Rhが、当該ハニカム型貴金属触媒のセリウムジルコニウム複合酸化物及びアルミナの粒界及び表面に担持された。サンプルに対して触媒性能試験を行い、サンプル製造ステップ及び触媒試験条件は比較例2と同じであり、試験の結果、COの発火温度が281℃、NOの発火温度が294℃、HCの発火温度が287℃であった。
【0091】
上記比較例及び実施例から、本発明の実施例にて提供される粒界及び表面に貴金属を担持した触媒及びハニカム型貴金属触媒の製造方法を採用し、熱処理及び焙焼ステップの雰囲気、温度及び時間の制御により、得られた粒界及び表面に貴金属を担持した触媒及びハニカム型貴金属触媒は1000℃4時間老化後にCO、NOX、HCに対する発火温度がいずれも比較例の従来の方法を採用して製造した触媒よりも明らかに低く、良好な耐高温安定性及び触媒活性を有することが分かる。当該本発明の実施例は、貴金属をセリウムジルコニウム複合酸化物又はセリウムジルコニウム複合酸化物、アルミナを含む活性コーティングの粒界及び表面に拡散することにより、貴金属粒子の移動、凝集及び成長を回避し、それによって貴金属触媒の触媒活性を良好に維持し、高温安定性を向上させ、貴金属の使用量を低減する。
【0092】
以上のように、本発明は、粒界及び表面に貴金属を担持した触媒、ハニカム型貴金属触媒、その製造方法及び用途に関する。貴金属がアルミナ及び/又はセリウムジルコニウム複合酸化物の粒界及び表面に分散される。本発明は、貴金属を触媒の粒界及び表面に担持して分散させることにより、粒界及び表面に豊富な欠陥サイトを有し、貴金属の活性を向上させることができ、且つ貴金属のアンカー作用を実現し、貴金属粒子の移動、凝集及び成長を回避し、貴金属触媒の触媒活性及び高温安定性能を維持し、貴金属の使用量を低減する。
【0093】
本発明の上述した具体的な実施形態は、本発明の原理を例示的に説明又は解釈するためにのみ用いられ、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。したがって、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく行われたいかなる修正、同等の置換、改良などは、本発明の保護の範囲に含まれるものとする。さらに、本発明の添付の特許請求の範囲は、添付の特許請求の範囲及び境界、又はそのような範囲及び境界の均等な形態内に含まれる全ての変更及び修正例をカバーすることを意図している。
【国際調査報告】