(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】回転弁を有するポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 15/00 20060101AFI20250123BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20250123BHJP
F16K 11/085 20060101ALI20250123BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20250123BHJP
F16K 31/53 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
F04D15/00 A
F04D29/42 E
F04D29/42 G
F16K11/085 Z
F16K31/04 A
F16K31/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542142
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022050955
(87)【国際公開番号】W WO2023146627
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506341607
【氏名又は名称】クーパー-スタンダード・オートモーティブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】マローン,デビッド・エス
【テーマコード(参考)】
3H020
3H062
3H063
3H067
3H130
【Fターム(参考)】
3H020AA01
3H020BA01
3H020DA14
3H062AA07
3H062BB30
3H062CC01
3H062EE07
3H063AA08
3H063BB24
3H063BB32
3H063DA14
3H063DB34
3H063EE08
3H063GG06
3H067AA23
3H067CC04
3H067CC32
3H067DD03
3H067DD32
3H067DD45
3H067EA04
3H067ED02
3H067GG13
3H130AA03
3H130AB07
3H130AB12
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC16
3H130BA97Z
3H130CA09
3H130CB09
3H130DD01Z
3H130DF01X
3H130DG07X
3H130DJ01X
3H130ED00H
(57)【要約】
流体入口を有するポンプ筐体を含むポンプを備えるポンプアセンブリが開示される。少なくとも1つの流体出口が、ポンプ筐体から延在する。モータによって駆動されるインペラが、流体入口から少なくとも1つの流体出口へと流体を移動させるように配置されたポンプ筐体に装着される。インペラと少なくとも1つの流体出口との間に回転可能に装着された弁が、少なくとも1つの流体出口を通る流体の流れを選択的に制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプアセンブリであって、
流体入口を有するポンプ筐体を含むポンプと、
前記ポンプ筐体から延在する少なくとも1つの流体出口と、
前記流体入口から前記少なくとも1つの流体出口へと流体を移動させるためのインペラと、
前記インペラを駆動するためのモータと、
前記少なくとも1つの流体出口を通る流体の流れを選択的に制御するために、前記インペラと前記少なくとも1つの流体出口との間に回転可能に装着された弁部材と
を備える、ポンプアセンブリ。
【請求項2】
前記弁部材は、環状壁部を有する弁要素を含み、前記環状壁部は、前記壁部を貫通して延在する少なくとも1つの開口を有する、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項3】
前記弁要素の壁部は、前記開口の第1の端部における肉厚の壁セクションから前記開口の第2の端部における肉薄の壁セクションまで螺旋のような渦巻き状の内側面を有する、請求項2に記載のポンプアセンブリ。
【請求項4】
前記インペラは、流体の流れを前記流体入口から前記開口を通って送る前記弁要素の渦巻き状内側面の内側で回転するように配置される、請求項3に記載のポンプアセンブリ。
【請求項5】
前記弁部材に装着された作動リングを更に備え、前記作動リングは、前記弁部材の移動をもたらす、請求項2に記載のポンプアセンブリ。
【請求項6】
前記作動リングは、ギアバンドを含む、請求項5に記載のポンプアセンブリ。
【請求項7】
前記ギアバンドと係合されたウォームギアを有するアクチュエータモータを更に備え、前記アクチュエータモータは、前記弁部材および前記弁要素を回転させるために前記作動リングを駆動する、請求項6に記載のポンプアセンブリ。
【請求項8】
前記ポンプアセンブリは、第1の流体出口と第2の流体出口とを含み、前記アクチュエータモータは、前記第1の流体出口を前記弁要素の壁部によってブロックし、前記開口を前記第2の流体出口に位置付ける第1の位置と、前記第2の流体出口を前記弁要素の壁部によってブロックし、前記開口を前記第1の流体出口に位置付ける第2の位置との間で前記弁要素を回転可能に移動させるために前記弁部材を選択的に駆動する、請求項7に記載のポンプアセンブリ。
【請求項9】
前記弁部材は、前記開口を前記第1の流体出口と前記第2の流体出口との間に位置付ける第3の位置に回転可能に移動可能である、請求項8に記載のポンプアセンブリ。
【請求項10】
前記ポンプ筐体は、前記弁要素に向かって延在するストッパ部材を更に含み、前記開口は、前記開口の第1の端部にストッパ面を含み、前記第1の位置において、前記開口の前記ストッパ面は、前記ストッパ部材と係合し、前記第2の位置において、前記開口の第2の端部の端部部分は、前記ストッパ部材と係合する、請求項8に記載のポンプアセンブリ。
【請求項11】
前記ポンプアセンブリは、
ポンプモータに取り付けられたポンプモータ装着板であって、前記ポンプモータ装着板は、前記ポンプモータ装着板の円周方向周囲に位置し、第1の肩部を画定する壁部を含む、ポンプモータ装着板と、
弁要素の内側面の円周方向に成形された第2の肩部と
を含み、
前記インペラは、第1の羽根板と第2の羽根板とを含み、
前記第1の羽根板は、前記第1の肩部内に嵌合され、前記第2の羽根板は、前記第2の肩部内に嵌合される、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項12】
前記ポンプ筐体は、
上側支え面と下側支え面とを有する環状装着空洞
を含み、
前記弁部材は、内側面によって画定された内部空洞を更に含み、
前記弁部材の内部面の上側部分は、前記上側支え面を回転可能に横断し、前記弁部材の内側面の下側部分は、前記下側支え面を回転可能に横断する、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項13】
前記弁部材は、
前記内部空洞と前記内側面とを含み、環状外面を更に含む環状上側セクションと、
前記外面の周縁の円周方向周囲に位置する外側封止アセンブリと、
前記内側面の周縁の円周方向周囲に位置する内側封止アセンブリであって、前記内側封止アセンブリは、前記外側封止アセンブリと平行に位置する、内側封止アセンブリと
を更に含む、請求項12に記載のポンプアセンブリ。
【請求項14】
前記アセンブリは、
前記ポンプモータに取り付けられたモータシャフトと、
前記ポンプモータ装着板に形成された封止座部であって、前記封止座部は、前記封止座部に装着された封止部材を有する、封止座部と、
前記インペラから前記封止座部内に延在するスカート部であって、前記スカート部は、前記モータシャフトを受け入れて前記インペラを駆動するように配置された空洞を含み、前記封止部材は、前記スカート部を封止する、スカート部と
を含む、請求項11に記載のポンプアセンブリ。
【請求項15】
流体入口を有するポンプ筐体を含むポンプと、前記ポンプ筐体から延在する少なくとも1つの流体出口とを含むポンプアセンブリからの流体の流れを制御する方法であって、前記方法は、
インペラを使用して前記流体入口から前記少なくとも1つの流体出口へと流体を移動させるステップと、
モータによって前記インペラを駆動させるステップと、
前記少なくとも1つの流体出口を通る流体の流れを制御するために、前記インペラと前記少なくとも1つの流体出口との間に回転可能に装着された弁部材を選択的に移動させるステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記弁部材を選択的に移動させるステップは、前記少なくとも1つの流体出口を通る前記流体の流れを制御するために、前記インペラと前記少なくとも1つの流体出口との間の位置に前記弁部材の少なくとも1つの開口を位置付けるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記弁部材を選択的に移動させるステップは、前記弁部材を回転させるためにアクチュエータモータを使用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記弁部材は、前記開口の第1の端部における肉厚の壁セクションから前記開口の第2の端部における肉薄の壁セクションまで螺旋のような渦巻き状の内側面を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記インペラは、前記弁部材の渦巻きの内側で回転するように配置される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、ポンプに向けられる。より詳細には、本開示は、ポンプからの流れの制御を容易にする一体化された弁を有するポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]車両における冷媒などの流体を移動させるためのポンプが知られており、一般的に使用されている。1つの例は、車両の種々な電気部品の冷却のために使用される、ウォーターポンプを有する冷却システムである。これらは、ハイブリッド車両または純粋な電気車両であり、その理由は、内燃機関を有する車両は、冷却されることを必要とする如何なる電気部品も備えないからである。弁は、冷却システム全体を通じての冷媒の分配を保証するために使用される。弁は各々、電気的に制御されたアクチュエータと、車両の部品上のホルダとを必要とし、このことは、高い部品コストをもたらす。したがって、最小限の部品のセットを使用して、複数の出口を通るポンプからの流れを制御し得る、一体化された弁を有するポンプを提供することが、本開示の目的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]本開示は、ポンプからの流れの制御を容易にする一体化された弁を有するポンプに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]第1の実施形態において、流体入口を有するポンプ筐体を含むポンプを備えるポンプアセンブリが開示される。少なくとも1つの流体出口がポンプ筐体から延在する。モータによって駆動されるインペラが、流体入口から少なくとも1つの流体出口へと流体を移動させるように配置されたポンプ筐体に装着される。インペラと少なくとも1つの流体出口との間に回転可能に装着された弁が、少なくとも1つの流体出口を通る流体の流れを選択的に制御する。
【0005】
[0005]第2の実施形態において、流体入口を有するポンプ筐体を含むポンプと、ポンプ筐体から延在する少なくとも1つの流体出口とを含むポンプアセンブリを制御する方法が開示され、方法は、モータによって駆動されるインペラを使用して流体入口から少なくとも1つの流体出口へと流体を移動させるステップを含む。方法は、少なくとも1つの流体出口を通る流体の流れを制御するために、インペラと少なくとも1つの流体出口との間に回転可能に装着された弁を選択的に移動させるステップを更に含む。
【0006】
[0006]他の技術的特徴は、以下の図面、説明および特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかになり得る。
[0007]次に、本開示のより完全な理解のために、以下の説明が、添付の図面とともに参照される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0008]本開示の組み立てられたポンプアセンブリの斜視図である。
【
図2】[0009]本開示のポンプアセンブリの分解図である。
【
図3】[0010]本開示のポンプセクションの一部分の断面斜視図である。
【
図4】[0011]本開示の弁部材の斜視図である。
【
図5】[0012]本開示の弁部材を通る断面図である。
【
図6】[0013]本開示の弁部材およびアクチュエータモータのアセンブリの斜視図である。
【
図7A】[0014]弁部材が第1の位置にある状態の、本開示のポンプアセンブリの一部分の断面図である。
【
図7B】[0015]弁部材が第2の位置にある状態の、本開示のポンプアセンブリの一部分の断面図である。
【
図7C】[0016]弁部材が第3の位置にある状態の、本開示のポンプアセンブリの一部分の断面図である。
【
図8】[0017]本開示の組み立てられたポンプアセンブリの一部分を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0018]本特許文書において、以下に論じられる図面、および本発明の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のみのためのものであり、如何なる場合においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、本発明の原理は、任意のタイプの適切に構成されたデバイスまたはシステムにおいて実現され得ることを理解するであろう。
【0009】
[0019]例示的なポンプアセンブリは、入口を有する筐体を含むポンプと、少なくとも1つの出口と、入口から出口へと流体を移動させるためのインペラとを備える。ポンプモータは、インペラを駆動して流体を移動させ、インペラと出口との間の回転弁は、出口を通る流体の流れを選択的に制御する。
【0010】
[0020]
図1は、車両において、冷媒などの流体を圧送するための例示的なポンプアセンブリ1を示す。理解され得るように、ポンプアセンブリ1は、車両以外の用途においても使用され得る。例示的なポンプアセンブリ1は、ポンプアセンブリ1からの流れを選択的に制御するためにポンプと弁とが一体化されたものである。
【0011】
[0021]もう一度
図1を、および
図2も参照すると、ポンプアセンブリ1は、ポンプモータセクション2とポンプセクション4とを含む。ポンプモータセクション2は、モータ空洞8をその中に形成するモータ筐体6を含む。ポンプモータ筐体6はポンプモータ10を支持し、モータシャフト12がポンプモータ装着板13の開口11を通って設置される。装着板13は、装着板13の第1の面22から円周方向に延在する壁部21を含む。壁部21は、壁セクション21の外周辺に沿って延在する溝23を含む。例えばOリング24などの弾性封止要素が、溝23内に設置されるように配置される。封止部材14が、装着板13に成形された封止座部19内に設置される。インペラ16は、複数のインペラ羽根を間に収容する第1の羽根板161と第2の羽根板163とを含む。インペラ16は、モータシャフト12によって駆動されてポンプセクション4内で回転可能であるように構成される。ポンプモータ10は、モータ10の後部部分からモータ筐体6の後部部分を通って延在する電気接続部17を含む。電気接続部17は、ポンプモータ10に通電してこれを作動させるために、遠隔に位置する電源から電力を受信するように適合される。
【0012】
[0022]装着板13は、この実施例においては、装着板13における穴を通って延在してポンプモータ10の面上のねじ山付き穴18と係合するねじ山付き締結具15を使用して、ポンプモータ10に固定される。モータ筐体6の周りに位置するポンプモータ10の装着タブ20に装着された装着板13によって、装着板13およびポンプ筐体31は一体化され、壁部21はポンプ筐体31の内側面内に設置される。Oリング24は、ポンプ筐体31の内側面と壁部21とを封止する。装着タブ20は、適切な締結具(図示されず)を使用してモータセクション2をポンプセクション4に組付け、固定するように互いに対して整列される。理解され得るように、ポンプセクション4とモータセクション2とを一体に固定するために、他のタイプの締結デバイスまたは技術が使用され得る。
【0013】
[0023]
図2に示された実施例において、ポンプセクション4のポンプ筐体31は、本質的に筒状に形成され、周辺外側壁部32を備える。例えば、この実施例においては冷媒である流体を吸引するための吸引入口である流体入口36は、ポンプ筐体31の回転軸に対して中央に位置付けられる。ポンプ筐体31は、ポンプセクション4から流体を排出するための少なくとも1つの流体出口も含む。この実施形態においては、2つの流体出口38、39が図示される。第1の流体出口38および第2の流体出口39は、壁部32から延在し、流体出口38、39の中心が、この実施例においては他方から90度の角度に向けられるように互いから軸方向にオフセットされる。流体出口38、39は、任意の他の便利な角度で互いからオフセットされてよいことが当業者には理解されよう。流体出口38、39は、ポンプ空洞50に流体的に接続される。
【0014】
[0024]
図2~
図5を参照すると、調節可能な弁部材42が、インペラ16の外側で、かつ、ポンプ空洞50の内側において径方向に位置する。弁部材42は、流体をそれぞれの流体出口38、39を通って調節可能に送るように配置される。弁部材42は、外側壁面49および内側壁面46を有する壁部45と、壁部45を貫通して延在する矩形状開口44とを有する環状弁要素41で構成される。この実施例において、弁要素41の壁部45は、開口44の第1の端部47における概して肉厚の壁セクションから開口44の第2の端部48における概して肉薄の壁セクションまで螺旋のような渦巻き状にされる。インペラ16は、環状弁要素41および渦巻き状内側壁面46の内側で回転するように配置される。ポンプ筐体31は、空洞50内に延在するストッパ部材52を含む。弁要素41は、開口44の第1の端部47に位置するストッパ面40を更に含む。
【0015】
[0025]
図4および
図5は、ポンプ筐体31から切り離された例示的な弁部材42を示す。本開示の例示的な弁部材42は、弁部材42の上側セクション43に位置する筒状の入口部材47を含む。弁部材42の上側セクション43は、環状外面56と、環状内側面58によって囲まれた内部通路57とを更に含む。上側セクション43の外面56は、スペーサ62によって離間された第1および第2の弾性封止部材60、61から成る外側封止アセンブリ25を含む。外側封止アセンブリ25は、外面56の周縁の円周方向周囲に位置する。
図5において図示されるように、通路57は、スペーサ72によって離間された第3および第4の封止部材70、71から成る内側封止アセンブリ26を更に含む。内側封止アセンブリ26は、外側封止アセンブリ25と平行に、外側封止アセンブリ25と正反対に位置する。外側および内側封止アセンブリは、弁部材42とポンプ筐体31との間に液密な封止を提供するために使用される。
【0016】
[0026]
図8において図示されるように、弁部材42の上側セクション43は、ポンプ筐体31の内側に形成された環状装着空洞150内に組み立てられるように配置される。内部通路57は、低圧の流体をインペラ16へと送る流体入口36のチューブ状部分136を受け入れる。第1および第2の封止部材60、61は、装着空洞150の内側面133を封止する。第3および第4の封止部材70、71は、装着空洞150の面138を封止する。封止部材60、61および70、71は、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM:Ethylene Propylene Diene Monomer)ゴムなどの弾性材料から作成されたOリングから構成される。
【0017】
[0027]再び
図4および
図5を参照すると、弁部材42の上側セクション43は、外面56の周辺の周りに取り付けられたスプライン歯ギアバンド81を有する作動リング66を更に含む。
図6において図示されるように、ギアバンド81の歯は、アクチュエータモータ80のシャフト82に取り付けられたウォームギア部材84に機械的に接続されるように配置される。弁部材42は、ポンプ空洞50から流体出口38、39への流体の流れを調節するために、中心軸Aの周りで回転可能であり、これは、以下においてより詳細に説明される。この点に関して、弁部材42は、回転弁であると考えられ得る。
【0018】
[0028]
図1および
図6を参照すると、本開示のアクチュエータモータ80は、ポンプセクション4のアクチュエータモータ筐体5内に収容されるように配置される。アクチュエータモータ筐体5は、射出成型などによってポンプ筐体31と一体的に形成される。アクチュエータモータ80は、作動リング66のギアバンド81と係合するウォームギア部材84に取り付けられたモータシャフト82を含む。ウォームギア84によるギアバンド81の回転が、中心軸Aの周りでの弁部材42の回転をもたらす。
【0019】
[0029]アクチュエータモータ80は、電気コネクタ(図示されず)を使用して、アクチュエータモータ80の後面の電気回路セクション85を通じて、遠隔に位置するコントローラと電気的に接続される。コントローラは、ウォームギア84を回転させ、それによって、弁部材42の回転をもたらすようにアクチュエータモータ80に選択的に信号を送る。
図2において図示されるように、アクチュエータモータ80は、アクチュエータモータ80の前面に位置するねじ山付き穴87と係合する締結具86を使用してアクチュエータモータ筐体5に固定され、後カバー板88が、電気セクション85を覆うように設置される。
【0020】
[0030]動作時に、弁部材42の回転は、ポンプ空洞50からの流体の流れを、第1もしくは第2の流体出口38、39へと、または同時に両方の流体出口38、39へと方向転換させるように開口44を選択的に位置付け、それによって、ポンプセクション4からの流体の排出を制御する。
【0021】
[0031]次に、
図7A~
図7Cを参照すると、弁部材42の動作が説明される。図示されるように、ポンプ筐体31のポンプ空洞50は、ポンプモータ10によって駆動されて弁部材42内で回転するインペラ16を含む。インペラ16は、弁部材42の空洞57を通って延在するチューブ状部分136を通じて流体入口36から流体を受け入れる。インペラ16は、ポンプ空洞50内に導入された流体を駆動する。
図7Aにおいて、アクチュエータ80は、開口44を第2の流体出口39と整列する第1の位置に位置付けるように、弁部材42の作動リング66を反時計回り方向に選択可能に回転させる。開口44の第1の端部47に位置するストッパ面40は、ストッパ部材52と係合し、これと接触して停止し、第2の流体出口39との開口44の整列の明確な指標を提供する。第1の位置において、インペラ16によって駆動された流体は、第1の流体出口39を通るように全体的に方向転換される。弁部材42の壁部45は、第1の流体出口38を閉塞し、第1の流体出口38への流体の流れを遮断する。
【0022】
[0032]
図7Bにおいて、流体は、アクチュエータ80が、開口44を第1の流体出口38と整列させる第2の位置へと弁部材42の作動リング66を時計回り方向に回転させることによって、第1の流体出口38から排出される。第2の位置において、開口44の第2の端部48の端部部分は、ストッパ部材52と係合し、これと接触して停止し、第1の流体出口38との開口44の整列の明確な指標を提供する。第2の位置において、インペラ16によって駆動された流体は、第1の流体出口38を通るように全体的に送られる。壁部45は、第2の流体出口39を閉塞し、第2の流体出口39への流体の流れを遮断する。
【0023】
[0033]
図7Cにおいて、アクチュエータ80は、開口44を第1の流体出口38と第2の流体出口39との間に位置する第3の位置に位置付けるように、作動リング66を選択可能に回転させ、インペラ16によって駆動された流体を両方の流体出口38および39から排出させる。
図7Cは、流体出口38、39の間で流体の流れが共有される場所にある開口44を図示する。すなわち、第3の位置において、開口44は、インペラ16によって駆動された流体の容積のおよそ半分を第1の流体出口38を通って排出させ、流体の容積のおよそ残りの半分を第2の流体出口39を通って排出させる。開口44の場所に基づいて、他の比率の排出流れが流体出口38、39から排出され得ることが、当業者にはよく理解されよう。例えば、アクチュエータ80は、流体の流れの60パーセントを第1の流体出口38を通って送り、40パーセントを第2の流体出口39を通って送るように開口44を位置付けるように作動リング66を選択可能に回転させ得る。故に、開口44の位置を制御することによって、弁部材42は、どの流体出口から流体が排出されるかを選択的に制御するだけではなく、両方の流体出口38、39から排出される流体の量も制御する。
【0024】
[0034]次に、
図8を参照すると、組み立てられたポンプ筐体31を通る断面図が図示される。この図は、ポンプ筐体空洞50内に装着された弁部材42を示す。装着板13の上に置かれた弁部材42内に位置するインペラ16が図示される。中央に位置する筒状空洞167を有する環状スカート部165は、インペラ16から封止座部19内に延在する。空洞167は、装着板13の開口11と軸方向に整列する。空洞167の内径は、モータシャフト12の外径よりもわずかに小さい。ポンプモータ10のモータシャフト12は、開口11を通って延在し、空洞167内にプレス嵌めされて、インペラ16をモータシャフト12に取り付ける。鋼ばね141は、モータシャフト12を包囲するスカート部165に対して環状弾性壁部142を付勢して壁部142とスカート部165との間に液密な封止を作り、ポンプ空洞50から侵入する可能性のある流体がポンプモータ10に至ることを防止する。
【0025】
[0035]ポンプ筐体31は、壁部131に画定された、ポンプ筐体31の内部に延在する環状装着空洞150を更に含む。装着空洞150は、弁部材42の上側セクション43をその中に受容する。装着空洞150は、上側環状支え面152と下側環状支え面154とを含む。弁部材42の内側面58の上側部分は、上側支え面152を横断し、弁部材42の内側面58の下側部分は、下側支え面154を横断する。
【0026】
[0036]装着板13は、装着板13の円周方向周囲に位置する壁部21の内側面に定められた肩部135を更に含む。第2の肩部142は、弁要素41の内側面において円周方向に成形される。肩部135は、インペラ16の第1の羽根板161をその中に受け入れるように配置され、肩部142は第2の羽根板163をその中に受け入れるように配置される。肩部135、142は、インペラ16の回転を安定化させる支え面を提供する。
【0027】
[0037]本特許文書全体を通して使用される特定の単語および語句の定義を提示することが有利であり得る。「連通する(communicate)」という用語およびその派生語は、直接的および間接的な連通を包含する。「含む(include)」および「備える(comprise)」という用語ならびにそれらの派生語は、限定されない包括を意味する。「または(or)」という用語は、包括的であり、「および/または」を意味する。「~に関連付けられた(associated with)」という語句およびその派生語は、「含む(include)」、「~内に含まれる(be included within)」、「~と相互接続される(interconnect with)」、「含有する(contain)」、「~内に含有される(be contained within)」、「~に/と接続される(connect to or with)」、「~に/と結合される(couple to or with)」、「~と連通可能である(be communicable with)」、「~と協調する(cooperate with)」、「交互配置する(interleave)」、「並置する(juxtapose)」、「~の近位にある(be proximate to)」、「~に/と結び付く(be bound to or with)」、「有する(have)」、「~の性質を有する(have a property of)」、「~に/と関係を有する(have a relationship to or with)」などを意味し得る。「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、アイテムのリストとともに使用されるとき、列挙されたアイテムのうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リストにおける1つのアイテムのみが必要とされ得ることを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、以下の、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにAおよびBおよびCの組み合わせのうちの任意のものを含む。
【0028】
[0038]本出願中の説明は、任意の特定の要素、ステップまたは機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない必須または重要な要素であることを暗示するものとして読まれるべきではない。特許請求される主題の範囲は許可される請求項によってのみ定められる。更には、「~ための手段」または「~ためのステップ」という正確な単語が特定の請求項で明示的に使用され、その後に機能を特定する分詞句が続かない限り、添付の請求項または請求項要素のうちの任意のものに対して米国特許法第112条(f)を発動するように意図される請求項はない。請求項内での「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「部品」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、または「コントローラ」などの用語の使用(しかし、これらに限定されるものではない)は、請求項自体の特徴によって更に修正または強化される、当業者に公知の構造を指すものと理解および意図され、米国特許法第112条(f)を発動すると意図されるものではない。
【0029】
[0039]本開示は、特定の実施形態および概して関連する方法を説明したが、これらの実施形態および方法の改変および置換が、当業者には明らかであろう。それ故、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義するもの、または制約するものではない。以下の特許請求の範囲によって定められた本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、他の変形、代用および改変も可能である。
【国際調査報告】