(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】ウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542257
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 KR2022017510
(87)【国際公開番号】W WO2023146076
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0011797
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524077117
【氏名又は名称】キム,ナムフン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナム フン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA05
5F004BA20
5F004BB18
5F004BB26
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA04
5F004CA06
(57)【要約】
本発明は、ウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関するもので、本発明のプラズマチャンバは、プラズマを介してウェーハをエッチングするために、内部に反応空間が備えられたハウジング;前記ハウジング内部に備えられ、前記ウェーハが載置されるベースプレート;前記ハウジング内部の圧力を調節する圧力調節部;を含み、前記圧力調節部は、前記ハウジング内部の圧力を50~150mTorrに調節することを特徴とし、本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記圧力調節部を介して前記ハウジング内部の圧力を50~150mTorrに調節する圧力調節段階;前記プラズマソースを介して前記プラズマソースのソースパワー(Source power)を300~1000Wに調節するソースパワー調節段階;を含むことを特徴とするものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハをエッチングするためにプラズマを形成するプラズマチャンバにおいて、
プラズマを介してウェーハをエッチングするために、内部に反応空間が備えられたハウジング;
前記ハウジング内部に備えられ、前記ウェーハが載置されるベースプレート;
前記ハウジング内部の圧力を調節する圧力調節部;を含み、
前記圧力調節部は、前記ハウジング内部の圧力を50~150mTorrに調節することを特徴とするウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項2】
前記ハウジングの上部に備えられて前記ハウジング内部にプラズマを形成させるプラズマソースをさらに含み、
前記プラズマソースのソースパワー(Source power)は300~1000Wであることを特徴とする、請求項1に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項3】
前記プラズマソースは、
前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング内部での粒子間の衝突周波数と同一に形成することを特徴とする、請求項2に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項4】
前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、
立方センチメートル(cm
-3)あたり5E10~5E11であることを特徴とする、請求項1に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項5】
前記ベースプレートの温度を調節する温度調節部をさらに含み、
前記温度調節部は、前記ベースプレートの温度を20~50度(℃)に調節することを特徴とする、請求項1に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項6】
前記ベースプレートに連結されて、前記ベースプレートにバイアス(Bias)を印加することができるバイアスアールエフソースをさらに含み、
前記バイアスアールエフソースのバイアスパワー(Bias power)は1000~3000Wであることを特徴とする、請求項1に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項7】
前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、イオンとラジカルを含み、
前記ウェーハは、前記イオンと前記ラジカルのシナジー効果(synergy effect)によってエッチングされることを特徴とする、請求項1に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項8】
前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、電子を含み、
前記電子の電子エネルギー弛緩長(Electron energy relaxation length)は、前記ハウジングの直径より小さいことを特徴とする、請求項1に記載のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ。
【請求項9】
プラズマを介してウェーハをエッチングするために、内部に反応空間が備えられたハウジングと、前記ハウジング内部に備えられ、前記ウェーハが載置されるベースプレートと、前記ハウジング内部の圧力を調節する圧力調節部と、前記ハウジングの上部に備えられて前記ハウジング内部にプラズマを形成させるプラズマソースを含むプラズマチャンバを介してウェーハをエッチングするウェーハエッチング方法で、
前記圧力調節部を介して前記ハウジング内部の圧力を50~150mTorrに調節する圧力調節段階;
前記プラズマソースを介して前記プラズマソースのソースパワー(Source power)を300~1000Wに調節するソースパワー調節段階;を含むことを特徴とするプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【請求項10】
前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)を調節する周波数調節段階を含み、
前記周波数調節段階では、
前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)と前記ハウジング内部での粒子間の衝突周波数が同一なように前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)を調節することを特徴とする、請求項9に記載のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【請求項11】
前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、
立方センチメートル(cm
-3)あたり5E10~5E11であることを特徴とする、請求項9に記載のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【請求項12】
前記プラズマチャンバは、前記ベースプレートの温度を調節する温度調節部を含み、
前記温度調節部を介して前記ベースプレートの温度を20~50度(℃)に調節する温度調節段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【請求項13】
前記プラズマチャンバは、前記ベースプレートに連結されて、前記ベースプレートにバイアス(Bias)を印加することができるバイアスアールエフソースを含み、
前記バイアスアールエフソースを介して前記バイアスアールエフソースのバイアスパワー(Bias power)を1000~3000Wに調節するバイアスパワー調節段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【請求項14】
前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、イオンとラジカルを含み、
前記ウェーハは前記イオンと前記ラジカルのシナジー効果(synergy effect)によってエッチングされることを特徴とする、請求項9に記載のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【請求項15】
前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、電子を含み、
前記電子の電子エネルギー弛緩長(Electron energy relaxation length)は前記ハウジングの直径より小さいことを特徴とする、請求項9に記載のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関する。さらに詳細には、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができる、ウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体を製造する工程では均一性を確保することが非常に重要であり、半導体の製造工程のうちエッチング(etching)工程で半導体の均一性が確保されたり調節されたりすることができる。
【0003】
半導体のエッチング工程は、プラズマチャンバの内部で進められることができる。プラズマチャンバは、内部の反応空間内にプラズマを形成させ、前記プラズマを用いて半導体のエッチング工程を行うようになる。
【0004】
プラズマチャンバの上部には、プラズマを形成させるためのプラズマソースが備えられており、プラズマソースの代表的な例としては、容量性結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)ソース、及び誘導性結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)ソース等がある。
【0005】
容量性結合プラズマ(CCP)ソースは電場を用いるもので、一般的に誘導性結合プラズマ(ICP)より若干高い圧力でエッチングが進められることができる。容量性結合プラズマ(CCP)ソースは、エッチング速度が遅いが選択比特性と工程再現性が優れていると知られている。
【0006】
しかし容量性結合プラズマ(CCP)ソースは、ウェーハの中央部分におけるプラズマ密度が、ウェーハの端におけるプラズマ密度に比べて相対的に高く現れるプラズマ密度不均一特性がある。また、全体のプラズマ密度が低い方なので、プラズマ密度を増加させるために高いRFパワーを印加しなければならないという問題点がある。
【0007】
誘導性結合プラズマ(ICP)は誘導磁場を用いるもので、容量性結合プラズマ(CCP)ソースに比べて全体のプラズマ密度が高いという長所がある。誘導性結合プラズマ(ICP)は、容量性結合プラズマ(CCP)ソースより低い圧力でエッチング速度を増加させることができるが、これもまたウェーハの中央部分におけるプラズマ密度が、ウェーハの端部分におけるプラズマ密度に比べて相対的に高く、エッチング速度が高いが選択比が低く工程再現性がよくないという問題点がある。
【0008】
このように容量性結合プラズマ(CCP)や誘導性結合プラズマ(ICP)のような従来のプラズマソースは、エッチング速度と選択比を同時に高めることが難しい問題点があり、エッチング速度と選択比はトレード・オフ(trade-off)の関係と認識されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、さらに詳細には、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、ウェーハをエッチングするためにプラズマを形成するプラズマチャンバであって、プラズマを介してウェーハをエッチングするために、内部に反応空間が備えられたハウジング;前記ハウジング内部に備えられ、前記ウェーハが載置されるベースプレート;前記ハウジング内部の圧力を調節する圧力調節部;を含み、前記圧力調節部は、前記ハウジング内部の圧力を50~150mTorrに調節することを特徴とするものである。
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記ハウジングの上部に備えられて前記ハウジング内部にプラズマを形成させるプラズマソースをさらに含み、前記プラズマソースのソースパワー(Source power)は300~1000Wであり得る。
【0011】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバの前記プラズマソースは、前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング内部での粒子間の衝突周波数と同一に形成することができる。
【0012】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバの前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11であり得る。
【0013】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記ベースプレートの温度を調節する温度調節部をさらに含み、前記温度調節部は、前記ベースプレートの温度を20~50度(℃)に調節することができる。
【0014】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記ベースプレートに連結されて、前記ベースプレートにバイアス(Bias)を印加することができるバイアスアールエフソースをさらに含み、前記バイアスアールエフソースのバイアスパワー(Bias power)は1000~3000Wであり得る。
【0015】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバの前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、イオンとラジカルを含み、前記ウェーハは、前記イオンと前記ラジカルのシナジー効果(synergy effect)によってエッチングされることができる。
【0016】
上述した問題点を解決するための本発明のウェーハエッチングのためのプラズマチャンバの前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、電子を含み、前記電子の電子エネルギー弛緩長(Electron energy relaxation length)は、前記ハウジングの直径より小さくなり得る。
【0017】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、プラズマを介してウェーハをエッチングするために、内部に反応空間が備えられたハウジングと、前記ハウジング内部に備えられ、前記ウェーハが載置されるベースプレートと、前記ハウジング内部の圧力を調節する圧力調節部と、前記ハウジングの上部に備えられて前記ハウジング内部にプラズマを形成させるプラズマソースを含むプラズマチャンバを介してウェーハをエッチングするウェーハエッチング方法で、前記圧力調節部を介して前記ハウジング内部の圧力を50~150mTorrに調節する圧力調節段階;前記プラズマソースを介して前記プラズマソースのソースパワー(Source power)を300~1000Wに調節するソースパワー調節段階;を含むことを特徴とするものである。
【0018】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)を調節する周波数調節段階を含み、前記周波数調節段階では、前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)と前記ハウジング内部での粒子間の衝突周波数が同一であるように前記プラズマソースのドライビング周波数(Driving frequency)を調節することができる。
【0019】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11であり得る。
【0020】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記プラズマチャンバは、前記ベースプレートの温度を調節する温度調節部を含み、前記温度調節部を介して前記ベースプレートの温度を20~50度(℃)に調節する温度調節段階;をさらに含むことができる。
【0021】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記プラズマチャンバは、前記ベースプレートに連結されて、前記ベースプレートにバイアス(Bias)を印加することができるバイアスアールエフソースを含み、前記バイアスアールエフソースを介して前記バイアスアールエフソースのバイアスパワー(Bias power)を1000~3000Wに調節するバイアスパワー調節段階;をさらに含むことができる。
【0022】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、イオンとラジカルを含み、前記ウェーハは、前記イオンと前記ラジカルのシナジー効果(synergy effect)によってエッチングされることができる。
【0023】
上述した問題点を解決するための本発明のプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記ハウジングの前記反応空間に形成される前記プラズマは、電子を含み、前記電子の電子エネルギー弛緩長(Electron energy relaxation length)は前記ハウジングの直径より小さくなり得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関するもので、チャンバ内部の圧力を従来のチャンバに比べ相対的に高い圧力に形成することにより、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(PR selectivity)を向上させることができる長所がある。
【0025】
また、本発明は、プラズマソース及びバイアスアールエフソースで従来のチャンバに比べ低い電力を使用しながらも高いエッチング速度(etch rate)と高い選択比(PR selectivity)を得ることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ウェーハをエッチングするイオンとラジカルを示す図である。
【
図2】本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバを示す図である。
【
図3】本発明の実施例によるプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法を示す図である。
【
図4】本発明の実施例によるソースパワー調節段階と周波数調節段階を示す図である。
【
図5】本発明の実施例によるプラズマチャンバ、誘導性結合プラズマ(ICP)、容量性結合プラズマ(CCP)について、エッチング速度(ER)、選択比(Selectivity)、チャックの温度(Chuck temp)、ソースパワー(S/P)、バイアスパワー(B/P)、圧力(pressure)を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書は、本発明の権利範囲を明確にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を実施することができるように、本発明の原理を説明し、実施例を開示する。開示された実施例は、多様な形態で具現されることができる。
【0028】
本発明の多様な実施例で使用され得る「含む」または「含むことができる」等の表現は、発明(disclosure)された該当機能、動作または構成要素等の存在を示し、追加的な一つ以上の機能、動作または構成要素等を制限しない。また、本発明の多様な実施例で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて、結合されて」いると言及されたときには、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結または結合されていることもあり得るが、前記ある構成要素と前記他の構成要素の間に新しい別の構成要素が存在することもあり得ると理解されるべきものである。一方で、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接結合されて」いると言及されたときには、前記ある構成要素と前記他の構成要素の間に新しい別の構成要素が存在しないものと理解されるべきものである。
【0030】
本明細書で使用される第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0031】
本発明は、ウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関するもので、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法に関したものである。
【0032】
図1を参照すると、プラズマは大きく電子、イオン21、ラジカル(radical)22で構成される。プラズマを介してウェーハをエッチングする従来の方法を詳察すると、プラズマエッチング過程で支配種がイオンまたはラジカルのうちいずれか一つで形成される。
【0033】
具体的には、プラズマを介してウェーハをエッチングする従来の方法で、Metal etchは主にラジカルを用いるようになり、Oxide etchは主にイオンを用いている。
【0034】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、プラズマエッチング過程で支配種がイオンまたはラジカルのうちいずれか一つで形成されるものではない、イオン21とラジカル22を同時に用いることができるものである。
【0035】
すなわち、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、プラズマエッチング過程でイオン支配的な反応やラジカル支配的な反応をするより、イオン21とラジカル22が共に作用してシナジー効果(synergy effect)が現れる工程領域を使用するものである。
【0036】
さらに具体的には、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、イオンとラジカルを同時に使用しながら、イオンとラジカル間の共鳴現状(resonance)によって発生するシナジー効果(synergy effect)によって、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができるものである。
【0037】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、従来の誘導性結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)ソースを使用する方法の問題点を解決しつつこれを改善したものであり得る。
【0038】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、共鳴現状(resonance)によって発生するシナジー効果(synergy effect)を利用するSRICP(Synergistic resonance ICP)であり得る。
【0039】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、イオンとラジカルを同時に用いるためにプラズマチャンバの条件を調節することができるものである。
【0040】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、チャンバ内部の圧力、チャックの温度、プラズマソースのソースパワー、プラズマソースのドライビング周波数、チャンバ内部のプラズマ密度、バイアスアールエフソースのバイアスパワー等を調節することができるもので、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、プラズマチャンバで前記の条件を変更することによってイオンとラジカルを同時に用いることができるものである。
【0041】
以下では、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0042】
図2を参照すると、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、ハウジング110、ベースプレート111、圧力調節部120を含む。
【0043】
前記ハウジング110は、プラズマを介してウェーハ10をエッチングするために、内部に反応空間が備えられるものである。前記ハウジング110は、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100のチャンバ外壁であり得、内部に空間が備えられたものである。前記ハウジング110内部に前記ウェーハ10がローディングされると、前記ハウジング110内部に形成されたプラズマによって前記ウェーハ10がエッチングされることができる。
【0044】
前記ベースプレート111は、前記ハウジング110内部に備えられ、前記ウェーハ10が載置されるものである。前記ベースプレート111は、前記ハウジング110内部に備えられて、前記ウェーハ10が載置されるプレートであり得る。
【0045】
さらに具体的には、前記ベースプレート111は、前記ウェーハ10を載置させて前記ウェーハ10を支持するウェーハチャック(chuck)であり得、前記ウェーハ10が前記ベースプレート111に載置されると、前記ウェーハ10のエッチングが進められることができる。
【0046】
前記圧力調節部120は、前記ハウジング110内部の圧力を調節するものである。前記圧力調節部120は、前記ハウジング110内部の圧力を調節する圧力調節装置であり得、前記圧力調節部120は、前記ハウジング110内部の圧力を調節することができるならば多様な構成を含む装置であり得る。
【0047】
本発明の実施例によれば、前記圧力調節部120は、前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節することができる。上述したように本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、イオン21とラジカル22を同時に用いることができるものである。
【0048】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、イオン21とラジカル22を同時に用いるために、前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節することができるものである。
【0049】
イオン21とラジカル22を同時に用いるとき、前記ハウジング110内部の圧力が50mTorrより小さいと、エッチング速度が減少する危険がある。反対に前記ハウジング110内部の圧力が150mTorrより大きくなると、粒子間の反応が多くなり過ぎることにより反応時間が短くなってむしろエッチング速度が減少し得る。
【0050】
したがって本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節することが好ましい。
【0051】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記ハウジング110の上部に備えられて前記ハウジング110内部にプラズマを形成させるプラズマソース130をさらに含むことができる。
【0052】
前記プラズマソース130は、プラズマを形成させることができるもので、コイル131とアールエフパワージェネレーター(RF power generator)132を含むことができる。本発明の実施例によれば、前記プラズマソース130のソースパワー(Source power)は、300~1000Wに調節されることができる。
【0053】
前記プラズマソース130によって形成されるソースパワー(Source power)が300Wより小さいと、エッチング速度が減少するようになるので、前記プラズマソース130によって形成されるソースパワー(Source power)は、300Wより大きいことが好ましい。
【0054】
上述したように本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節するもので、前記ハウジング110内部圧力が従来のプラズマチャンバに比べ高くなり得る。
【0055】
前記プラズマソース130によって形成されるソースパワー(Source power)が1000Wより大きいと、相対的に高い前記ハウジング110の内部圧力によってプラズマ密度が過度に高くなり得るようになる。プラズマ密度が過度に高くなると、粒子間の反応が多くなり過ぎることによって反応時間が短くなって、むしろエッチング速度が減少し得る。
【0056】
したがって、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記プラズマソース130のソースパワー(Source power)を300~1000Wに調節することが好ましい。
【0057】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバの前記プラズマソース130は、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数と同一に形成することが好ましい。
【0058】
上述したように本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、イオンとラジカルを同時に使用しながら、イオンとラジカル間の共鳴現状(resonance)によって発生するシナジー効果(synergy effect)により、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができるものである。
【0059】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、イオンとラジカル間で発生する共鳴現状(resonance)を誘導するために、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数と同一に形成することが好ましい。
【0060】
前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数は、単位体積あたりの粒子の数と衝突反応に対する速度定数の積で決定されることができる。本発明の実施例による前記プラズマソース130は、衝突周波数についてのデータをまず分析し、これを土台に前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数と同一に調節することができるものである。
【0061】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記ハウジング110内部で発生する粒子間の衝突周波数を分析するための衝突周波数分析部を含むことができ、前記プラズマソース130は、前記衝突周波数分析部からデータを受信して前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を調節することができる。
【0062】
本発明の実施例によれば、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)は、前記プラズマソース130に備えられた前記アールエフパワージェネレーター(RF power generator)132を介して調節されることができる。
【0063】
本発明の実施例によれば、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11であることが好ましい。
【0064】
前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E10より小さいと、目標とするエッチング速度を得ることができなくなる。
【0065】
反対に、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度が、立方センチメートル(cm-3)あたり5E11より大きいと、イオン21とラジカル22が分離して選択比(selectivity)に悪影響を与え得るようになる。
【0066】
すなわち、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、イオン21とラジカル22を同時に用いてエッチング速度を向上させながら選択比を向上させるために、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度を立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11で形成するものである。
【0067】
本発明の実施例による前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、前記プラズマソース130によって調節されることができる。具体的には、前記プラズマソース130を介して、イオン21とラジカル22が同時に用いられるのに適したプラズマ密度を前記ハウジング110内部に形成することができるようになる。
【0068】
図2を参照すると、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ベースプレート111の温度を調節する温度調節部140をさらに含むことができる。
【0069】
前記温度調節部140は、前記ベースプレート111に連結されて、前記ベースプレート111の温度を調節することができる温度調節装置であり得る。前記温度調節部140は、前記ベースプレート111の温度を調節することができるなら多様な構成を含むことができる。
【0070】
前記温度調節部140を介して前記ベースプレート111の温度を調節することにより、前記ベースプレート111に載置される前記ウェーハ10の温度を調節することができるようになる。
【0071】
本発明の実施例によれば、前記温度調節部140は、前記ベースプレート111の温度を20~50度(℃)に調節することが好ましい。イオン21の場合、前記ウェーハ10の温度と無関係だが、ラジカル22の場合、前記ウェーハ10の温度に敏感に反応し得る。
【0072】
したがって、前記ベースプレート111の温度が20度(℃)より低くなると、前記ウェーハ10の温度が減少してラジカルの活動に制約が発生し得るようになる。また、前記ベースプレート111の温度が50度(℃)より高くなると、バーニング(burning)が発生する危険がある。
【0073】
本発明の実施例による前記ウェーハ10は、イオン21及びラジカル22と同時に反応するために常温(20~50(℃))の領域に温度を形成することが好ましく、このため前記温度調節部140を介して前記ベースプレート111の温度を20~50度(℃)に調節することが好ましい。
【0074】
図2を参照すると、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ベースプレート111に連結されて、前記ベースプレート111にバイアス(Bias)を印加することができるバイアスアールエフソース(Bias RF Source)150をさらに含むことができる。
【0075】
前記バイアスアールエフソース150は、前記ベースプレート111にバイアス(Bias)を印加して、エッチング工程中にプラズマにバイアスを印加することができるものである。
【0076】
本発明の実施例によれば、前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)は、1000~3000Wに調節されることが好ましい。前記バイアスパワーは、イオン21に直接的な影響を与えるものである。
【0077】
前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)が1000Wより小さいと、イオン21の活動に制約が発生してラジカル22が支配的に活動できるようになって、イオン21とラジカル22のシナジー効果(Synergy effect)を期待することができなくなる。
【0078】
反対に前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)が3000Wより大きいと、イオンが支配的に活動できるようになって、イオン21とラジカル22のシナジー効果(Synergy effect)を期待することができなくなる。
【0079】
結局、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、イオン21とラジカル22によってシナジー効果(Synergy effect)を導出するために、前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)を1000~3000Wに調節しなければならないものである。
【0080】
本発明の実施例によれば、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマは、イオン21とラジカル22を含み、前記ウェーハ10は前記イオン21と前記ラジカル22のシナジー効果によってエッチングされることができる。
【0081】
また、本発明の実施例によれば、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマは、電子を含み、前記電子の電子エネルギー弛緩長(EERL、Electron energy relaxation length)は前記ハウジングの直径より小さくなり得る。
【0082】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、Local Electron Kineticsの工程領域で進められることができる。従来のエッチング工程は、電子エネルギー弛緩長(EERL、Electron energy relaxation length)が工程チャンバの直径より常に大きいNonlocal electron kineticsの工程領域で進められた。
【0083】
しかし本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、電子エネルギー弛緩長(EERL、Electron energy relaxation length)が工程チャンバの直径(前記ハウジング110の直径)より小さなLocal Electron Kineticsの工程領域で進められることができる。
【0084】
これにより本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ハウジング110の端におけるプラズマ密度を前記ハウジング110の中央より高くすることができ、エッチング速度も前記ハウジング110の端が前記ハウジング110の中央より高くなり得る。
【0085】
従来のエッチング工程では、ウェーハの端でエッチングが弱く行われる問題(low edge yield問題)が発生し得るが、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ハウジング110の端におけるエッチング速度が前記ハウジング110の中央より高く形成することにより、前記の問題が発生することを防止することができるようになる。
【0086】
また、従来のエッチング工程では、ウェーハの端でエッチングが弱く行われる問題(low edge yield問題)を解決するために独立的なアールエフパワー(RF power)を印加するか、ヒーター(heater)、エッジリングの腐食防止のためのリフト装置等を使用した。
【0087】
しかし本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ハウジング110の端におけるエッチング速度が前記ハウジング110の中央より高く形成することにより、別途の装置を使用しなくてもよく、これによって製作費用が節減されて収率向上を期待することができる長所がある。
【0088】
本発明の実施例にプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、上述した本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100を介してウェーハ10をエッチングする方法に関したものである。
【0089】
上述の説明で本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100を詳細に説明したところ、以下では本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100の詳細な説明は省略する。
【0090】
図3を参照すると、本発明の実施例にプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、圧力調節段階(S110)、ソースパワー調節段階(S120)を含む。
【0091】
前記圧力調節段階(S110)は、前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節する段階である。
【0092】
本発明の実施例によれば、イオン21とラジカル22を同時に用いるとき、前記ハウジング110内部の圧力が50mTorrより小さいと、エッチング速度が減少する危険がある。反対に前記ハウジング110内部の圧力が150mTorrより大きくなると、粒子間の反応が多くなり過ぎることにより反応時間が短くなってむしろエッチング速度が減少し得る。
【0093】
したがって前記圧力調節段階(S110)では、前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節することが好ましい。
【0094】
前記ソースパワー調節段階(S120)は、前記プラズマソース130を介して前記プラズマソース130のソースパワーを300~1000Wに調節する段階である。
【0095】
前記プラズマソース130によって形成されるソースパワー(Source power)が300Wより小さいと、エッチング速度が減少するようになるので、前記プラズマソース130によって形成されるソースパワー(Source power)は、300Wより大きいことが好ましい。
【0096】
上述したように、前記圧力調節段階(S110)で前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を50~150mTorrに調節するので、前記ハウジング110の内部圧力が従来のプラズマチャンバに比べ高くなり得る。
【0097】
前記プラズマソース130によって形成されるソースパワー(Source power)が1000Wより大きいと、相対的に高い前記ハウジング110の内部圧力によってプラズマ密度が過度に高くなり得るようになる。プラズマ密度が過度に高くなると、粒子間の反応が多くなり過ぎることによって反応時間が短くなって、むしろエッチング速度が減少し得る。
【0098】
したがって、前記ソースパワー調節段階(S120)では、前記プラズマソース130のソースパワー(Source power)を300~1000Wに調節することが好ましい。
【0099】
図4を参照すると、本発明の実施例にプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を調節する周波数調節段階(S121)を含むことができる。
【0100】
前記周波数調節段階(S121)では、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)と、前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数が同一であるように、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を調節することができる。
【0101】
上述したように本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、イオンとラジカルを同時に使用しながら、イオンとラジカル間の共鳴現状(resonance)によって発生するシナジー効果(synergy effect)を介して高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができるものである。
【0102】
本発明の実施例によれば、イオンとラジカル間で発生する共鳴現状(resonance)を誘導するために、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を、前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数と同一に形成することが好ましい。
【0103】
前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数は、単位体積あたりの粒子の数と衝突反応に対する速度定数の積で決定されることができる。本発明の実施例による前記プラズマソース130は、衝突周波数についてのデータをまず分析し、これを土台に前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数と同一に調節することができるものである。
【0104】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記ハウジング110内部で発生する粒子間の衝突周波数を分析するための衝突周波数分析部を含むことができる。
【0105】
本発明の実施例による前記周波数調節段階(S121)は、前記衝突周波数分析部からデータを受信して、前記プラズマソース130のドライビング周波数(Driving frequency)を前記ハウジング110内部での粒子間の衝突周波数と同一なように調節する段階である。
【0106】
本発明の実施例によれば、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11であることが好ましい。
【0107】
前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E10より小さいと、目標とするエッチング速度を得ることができなくなる。
【0108】
反対に、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、立方センチメートル(cm-3)あたり5E11より大きいと、イオン21とラジカル22が分離して選択比(selectivity)に悪影響を与え得るようになる。
【0109】
すなわち、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、イオン21とラジカル22を同時に用いてエッチング速度を向上させながらも選択比を向上させるために、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度を立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11で形成するものである。
【0110】
本発明の実施例による前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度は、前記ソースパワー調節段階(S120)で調節されることができる。前記ソースパワー調節段階(S120)では、前記プラズマソース130のソースパワーを調節して、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマの密度を立方センチメートル(cm-3)あたり5E10~5E11で形成することができる。
【0111】
図3を参照すると、本発明の実施例にプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記温度調節部140を介して前記ベースプレート111の温度を20~50度(℃)に調節する温度調節段階(S130)をさらに含むことができる。
【0112】
前記温度調節部140は、前記ベースプレート111に連結されて、前記ベースプレート111の温度を調節することができる温度調節装置であり得る。前記温度調節部140を介して前記ベースプレート111の温度を調節することにより、前記ベースプレート111に載置される前記ウェーハ10の温度を調節することができるようになる。
本発明の実施例によれば、前記温度調節段階(S130)では、前記ベースプレート111の温度を20~50度(℃)に調節することが好ましい。イオン21の場合、前記ウェーハ10の温度と無関係だが、ラジカル22の場合、前記ウェーハ10の温度に敏感に反応し得る。
【0113】
したがって、前記ベースプレート111の温度が20度(℃)より低くなると、前記ウェーハ10の温度が減少してラジカルの活動に制約が発生し得るようになる。また、前記ベースプレート111の温度が50度(℃)より高くなると、バーニング(burning)が発生する危険がある。
【0114】
本発明の実施例による前記ウェーハ10は、イオン21及びラジカル22と同時に反応するために常温(20~50(℃))の領域に温度を形成することが好ましく、このために前記温度調節段階(S130)では、前記温度調節部140を介して前記ベースプレート111の温度を20~50度(℃)に調節することができる。
【0115】
図3を参照すると、本発明の実施例にプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記バイアスアールエフソース150を介して前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)を1000~3000Wに調節するバイアスパワー調節段階(S140)をさらに含むことができる。
【0116】
前記バイアスアールエフソース150は、前記ベースプレート111にバイアス(Bias)を印加して、エッチング工程中にプラズマにバイアスを印加することができるものである。
【0117】
前記バイアスパワーは、イオン21に直接的な影響を与え得る。前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)が1000Wより小さいと、イオン21の活動に制約が発生してラジカル22が支配的に活動できるようになって、イオン21とラジカル22のシナジー効果(Synergy effect)を期待することができなくなる。
【0118】
反対に前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)が3000Wより大きいと、イオンが支配的に活動できるようになって、イオン21とラジカル22のシナジー効果(Synergy effect)を期待することができなくなる。
【0119】
したがって、イオン21とラジカル22によってシナジー効果(Synergy effect)を導出するために、前記バイアスパワー調節段階(S140)で前記バイアスアールエフソース150のバイアスパワー(Bias power)を1000~3000Wに調節することができる。
【0120】
本発明の実施例にプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記圧力調節段階(S110)、ソースパワー調節段階(S120)、前記周波数調節段階(S121)、前記温度調節段階(S130)、前記バイアスパワー調節段階(S140)は、順に進められる必要はなく、順序に関係なくそれぞれの過程が進められることができる。
【0121】
また、本発明の実施例によるプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記圧力調節段階(S110)、ソースパワー調節段階(S120)、前記周波数調節段階(S121)、前記温度調節段階(S130)、前記バイアスパワー調節段階(S140)は、同時に進められることもできる。
【0122】
このように本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記圧力調節部120を介して前記ハウジング110内部の圧力を調節し、前記プラズマソース130を介してソースパワーを調節し、前記温度調節部140を介して前記ベースプレート111の温度を調節し、前記バイアスアールエフソース150を介してバイアスパワーを調節することができるものである。
【0123】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、前記ハウジング110内部の圧力、前記ソースパワー、前記ウェーハの温度、前記バイアスパワーの温度を調節することにより、イオン21とラジカル22を同時に用いてシナジー効果(Synergy effect)を発生させて高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(selectivity)を向上させることができるものである。
【0124】
本発明の実施例によれば、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマは、イオン21とラジカル22を含み、前記ウェーハ10は前記イオン21と前記ラジカル22のシナジー効果によってエッチングされることができる。
【0125】
また、本発明の実施例によれば、前記ハウジング110の前記反応空間に形成される前記プラズマは、電子を含み、前記電子の電子エネルギー弛緩長(EERL、Electron energy relaxation length)は前記ハウジングの直径より小さくなり得る。
【0126】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、エネルギー弛緩長(EERL、Electron energy relaxation length)が工程チャンバの直径より大きいNonlocal electron kineticsの工程領域で進められる従来のエッチング方法と異なり、電子エネルギー弛緩長(EERL、Electron energy relaxation length)が工程チャンバの直径(前記ハウジング110の直径)より小さなLocal Electron Kineticsの工程領域で進められることができる。
【0127】
これにより本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ハウジング110の端におけるプラズマ密度を前記ハウジング110の中央より高くすることができ、エッチング速度も前記ハウジング110の端が前記ハウジング110の中央より高くなり得る。
【0128】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ100は、前記ハウジング110の端におけるエッチング速度が前記ハウジング110の中央より高く形成することにより、ウェーハの端でエッチングが弱く行われる問題(low edge yield問題)を解決することができ、前記の問題を解決するための別途の装置を使用しなくてもよい長所がある。
【0129】
図5で、ER(A/min)はエッチング速度(Etch rate)であり、S/P(W)はソースパワー(Source power)であり、B/P(W)はバイアスパワー(Bias power)であり、Chuck temp(℃)は前記ベースプレート111の温度であり、ICPは誘導性結合プラズマであり、CCPは容量性結合プラズマである。
【0130】
図5を参照すると、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、従来の容量性結合プラズマ(CCP)と誘導性結合プラズマ(ICP)に比べ高い圧力を形成することにより、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(PR selectivity)を向上させることができる。
【0131】
また、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、従来の容量性結合プラズマ(CCP)と誘導性結合プラズマ(ICP)に比べ低い電力を使用しながら高いエッチング速度(etch rate)と高い選択比(PR selectivity)を得ることができる。
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバは、前記圧力調節部120、前記プラズマソース130、前記アールエフパワージェネレーター132、前記温度調節部140、前記バイアスアールエフソース150の作動を制御する制御部を含むことができる。
【0132】
本発明の実施例によれば、前記圧力調節部120、前記プラズマソース130、前記アールエフパワージェネレーター132、前記温度調節部140、前記バイアスアールエフソース150は、前記制御部を介して作動が調節されて、イオン21とラジカル22が同時に用いられることができる条件を形成することができるようになる。
【0133】
また、本発明の実施例によるプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法の前記圧力調節段階(S110)、ソースパワー調節段階(S120)、前記周波数調節段階(S121)、前記温度調節段階(S130)、前記バイアスパワー調節段階(S140)は、前記制御部を介して制御されながら進められることができる。
【0134】
上述した本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、次のような効果がある。
【0135】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、チャンバ内部の圧力を従来のチャンバに比べ相対的に高い圧力に形成することにより、高いエッチング速度(etch rate)を維持しながらも選択比(PR selectivity)を向上させることができる長所がある。
【0136】
また、本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、プラズマソース及びバイアスアールエフソースで従来のチャンバに比べ低い電力を使用しながらも高いエッチング速度(etch rate)と高い選択比(PR selectivity)を得ることができる長所がある。
【0137】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、local electron kineticsが適用される圧力範囲(50~150mTorr)で進められることができるもので、この場合端のエッチング速度が中央より高くなることができる。
【0138】
これにより本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、ウェーハの端で均一性が低下することを防止できる長所がある。
【0139】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、HARC(High aspect ratio etch)工程に適し、それ以外の工程でも低い電力で高いエッチング速度と高い選択比を得ることができる。
【0140】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、エッチング工程を中心に説明したが、これに限定されるものではない。本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、エッチング工程以外に蒸着、ashing、PR stripping、doping等の工程に適用されることもできる。
【0141】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、エッチング速度を必要とするエッチング工程や蒸着工程に適用されることができるものであるが、これに限定されず、低いパワーで高いエッチング速度や選択比の向上が同時に要求される多くの工程に適用され得ることはもちろんである。
【0142】
本発明の実施例によるウェーハエッチングのためのプラズマチャンバ及びプラズマチャンバを用いたウェーハエッチング方法は、誘導性結合プラズマ(ICP)を改善して使用されることができるが、限定されるものではなく、多様な種類のプラズマに用いられることもできる。
【0143】
このように本発明は、図面に示された一実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び実施例の変形が可能であるという点を理解するであろう。したがって本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきものである。
【国際調査報告】