(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】組織試料の評価のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20250123BHJP
C12M 3/08 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G01N1/06 E
C12M3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543050
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 US2023011159
(87)【国際公開番号】W WO2023141217
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524269723
【氏名又は名称】エンピリ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワークマン,コナー デイビス
(72)【発明者】
【氏名】ロサノ,タニア コリーナ マルゲイン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,キュソン
(72)【発明者】
【氏名】ギャラップ,トーマス ドンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ギャラップ,デビッド フォレスト
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AA33
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD52
2G052DA06
2G052EC02
(57)【要約】
生組織試料の評価のためのシステムおよび方法は、3次元(3D)細胞培養のための気液界面を維持することが可能であり得るウェルインサートを含んで提供される。ウェルプレートインサートは、半透性のフィルタを含み得る。組織試料は、ウェル内に配置されて、フィルタの上部に置かれ、ここで、本組織試料は、細胞培養の持続時間を通して空気に依然として曝露されながら、フィルタの下方の培地から栄養素を回収することができる。スライス後の移送のために上部に配置された組織試料を浮かせて支持するために、フィルタアセンブリが使用され得る。自動組織スライサおよびハンドラは、組織試料の薄い切片を切断し、それらをフィルタアセンブリに移送し得る。組織培養プレートは、本フィルタアセンブリによって捕捉された切片を受け取り得、本切片は、後続する処理のために送られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生組織試料を処理するためのシステムであって、
前記生組織試料を受け取るように構成された試料ホルダと、
前記試料ホルダを受け取るように構成されたブラケットと、
前記生組織試料を正確な単位で動かすように構成されたインデックス機構と、
前記試料ホルダに動作可能に接続された刃であって、前記生組織試料を切断するように構成される、刃と
を備える、システム。
【請求項2】
前記インデックス機構が、前記生組織試料を前記刃の方へ動かすように構成されたプランジャを備えるリニアアクチュエータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記生組織試料が、約200マイクロメートル~約400マイクロメートル動かされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが、切断面であって、前記切断面および前記生組織試料を潤滑するのに十分な制御された量の流体を受け取るように構成された、切断面をさらに備え、前記インデックス機構は、前記切断面に動作可能に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流体が、少なくとも1つの液滴を有する霧の形状で提供される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記試料ホルダに動作可能に接続されたリセプタクルであって、前記生組織試料の断片が前記刃によって切断された後に前記断片を受け取るように構成される、リセプタクルをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記リセプタクルが、前記流体に接触するように配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムがユーザインターフェースをさらに備え、デバイスは、1つ以下の前記生組織試料を伴う自動化された動作のために構成される、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
生組織試料を処理する方法であって、
フィルタアセンブリを備えるウェルプレートを提供する工程であって、前記ウェルプレートは、刃に動作可能に接続される、工程と、
前記刃を用いて前記生組織試料を切断する工程と、
前記生組織試料の断片を得る工程と
を含む、方法。
【請求項10】
前記生組織試料を流体と接触させる工程であって、前記流体は、前記生組織試料を潤滑するのに十分な前記流体の液滴を生成するように構成される、工程と、
前記液滴を前記フィルタアセンブリと接触させる工程と、
前記生組織試料の前記断片を、前記フィルタアセンブリと接触させた前記液滴と接触させる工程と
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以下の前記生組織試料を伴う自動化された動作において前記方法の前記工程を行うように構成されたデバイスに動作可能に接続されたユーザインターフェースを提供する工程をさらに含む、請求項9~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
生組織試料を処理するためのシステムであって、
漏斗状の構造と、
緩衝液で満たされたチューブと
を備え、
前記漏斗状の構造は、前記チューブへの挿入および前記生組織試料の輸送のために構成される、
システム。
【請求項13】
前記チューブが、約5ml~50mlの容積にサイズ調節される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記漏斗状の構造が、薄いプラスチック製メッシュである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記漏斗状の構造が、固体であり、プラスチックで形成されており、かつ2つの部分に分離して再結合するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記2つの部分が蝶着される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記漏斗状の構造が、前記漏斗状の構造のテーパ部に開口部を有し、前記開口部は、前記漏斗状の構造内に前記生組織試料を残したまま緩衝液を流出させるか、吸い出すことを可能にするように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
生組織試料を処理するためのシステムであって、
少なくとも1つのフィルタアセンブリであって、
フィルタと、
前記フィルタの外側部に接続されたリングであって、前記フィルタが流体の表面上に浮くことを可能にするように構成される、リングと
を備える、少なくとも1つのフィルタアセンブリ
を備える、システム。
【請求項19】
前記リングの前記フィルタと接触している部分が親水性であり、前記リングの反対側の部分が疎水性である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記フィルタが、約2μm~約10μmの細孔径を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記リングが、生物学的に不活性なプラスチックで形成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記リングが、生物学的に不活性なワックスの混合物で形成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記リングがラッピングフィルム/テープである、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
生組織試料を処理するためのシステムであって、
ウェルプレートインサートであって、
少なくとも1つのカラムと、
各カラムの底部に取り付けられた半透性のフィルタであって、前記カラム内に投入された後の前記生組織試料のための気液界面を維持するように構成される、半透性のフィルタと
を備える、ウェルプレートインサート
を備え、
前記ウェルプレートインサートが前記底部に液体を有する前記カラム中に投入された後、前記ウェルプレートインサートは、前記生組織試料が位置する前記ウェルプレートインサートの内側チャンバを溢れさせることなく培地を取り除くように構成される、
システム。
【請求項25】
前記半透性のフィルタが、約2μm~約10μmの細孔径を有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記培地内の微粒子および/または栄養素が、前記培地を前記ウェルプレートインサート内の空気チャンバ中に侵入させることなく前記半透性のフィルタを通過して上向きに移動する、請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月19日に出願された、係属中の「Automated Systems and Methods for Processing Biological Samples」と題された米国仮特許出願第63/301,038号、および2023年1月18日に出願された、「Methods and Systems for Evaluation of Tissue Samples」と題された米国仮特許出願第63/439,803号に関連する。これらの出願のそれぞれは、あたかも本明細書に全体が記載されるかのごとく参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本開示の分野
本開示は概して、組織試料の評価、より具体的には、組織試料の評価のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物の器官/組織は、特異的な構造および細胞間の相互作用を有し、生態系と称される3次元(3D)構造を形成する様々な細胞型から構成される。ex vivo哺乳動物組織培養のための現在の技術は、2次元(2D)で細胞培養を開始するために使用される細胞のセットを獲得するための組織生態系の破壊および解離を含む。オルガノイド、ヒドロゲル、および微細加工された(micro engineered)3Dスキャフォールドなど、3D培養のためのいくつかの技術が存在するが、これらの技術は人工的であり、天然に存在する動物/ヒト組織生態系において典型的ではなく、時間がかかり、高価である。
【0004】
現在、外科的切除または生検などの哺乳動物組織は、ex vivo培養のために生存率を維持して実験室に移送される場合、標準的な5ml、15ml、または50mlのチューブなどのチューブに入れられ、このチューブは、液体緩衝溶液で満たして、保冷のために氷またはコールドパックの上に置かれてもよい。次いで、組織を含む緩衝溶液が除去され、組織は、鉗子を使用して、または組織に力を加えるか、組織を分解するか、もしくはその他の方法で組織に損傷を与えることのできる他の手作業による方法を使用して取り上げられる。加えて、輸送によって引き起こされる運動は、組織をより小さな片に崩壊させ、発見および加工を困難なものにする可能性がある。現在、輸送および取扱い中の流体運動によって引き起こされる損傷を最小限にするために使用される方法も、実験室での組織の取扱いを系統的かつ一貫性のあるものにするための方法もない。
【0005】
固定も凍結もされていない生組織を小さな切片にスライスするための現在の方法は、ビブラトームまたは組織チョッパを使用する。試料およびスライス機構は液体緩衝溶液中で生じ、放出された組織の切片は、緩衝液中へと浮き、溶液から手作業で取り上げられる。現在の方法は、切断後に生組織の切片を取り扱う自動化された手段を利用しない。さらに、現在のデバイスは、試料と接触する機構の滅菌の制御を可能にしない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、生組織試料を処理するためのシステムを提供することができ、このシステムは、漏斗状の構造と、緩衝液で満たされたチューブとを備え、漏斗状の構造はチューブに挿入されて組織試料を輸送する。チューブは、5mlのチューブ、15mlのチューブ、または50mlのチューブであってもよい。漏斗状の構造は、薄いプラスチックメッシュであってもよい。漏斗状の構造は、固体であり、プラスチック、金属、および/またはゲル状物質から形成され、2つの部分に分離可能であってもよく、2つの部分は蝶着されてもよい。漏斗状の構造は、漏斗状の構造のテーパ部に開口部を有してもよく、開口部では、漏斗状の構造内に組織試料が残ったまま、緩衝液が流出するか、吸い出される。
【0007】
本開示の他の実施形態は、生組織試料を処理するためのシステムを提供することができ、このシステムは、少なくとも1つのフィルタアセンブリであって、フィルタと、フィルタの外側部に接続することができる材料で作製されたリングであって、フィルタが流体の表面上に浮くための浮力を供給し得る、リングとを備える、少なくとも1つのフィルタアセンブリを備える。フィルタは、リングと接触していない側が疎水性であり、リングと接触している反対側が親水性であってもよい。フィルタは、約2μm~約10μmの孔径を有し得る。リングは、生物学的に不活性なプラスチック、生物学的に不活性なワックスの混合物、および/またはラッピングフィルム/テープから形成されてもよい。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、生組織試料を処理するためのシステムを提供することができ、このシステムは、ウェルプレートインサートであって、少なくとも1つのカラムと、各カラムの底部に取り付けられた半透性のフィルタであって、カラム内に投入された組織試料のための気液界面を維持することができる、半透性のフィルタとを備える、ウェルプレートインサートを備え、ウェルプレートインサートが底部に液体を有するカラム中に投入されるとき、ウェルプレートインサートは、生組織試料が位置するウェルプレートの内側チャンバを溢れさせることなく培地を取り除くことが可能であり得る。半透性のフィルタは、約2μm~約10μmの孔径を有し得る。培地内の微粒子および/または栄養素は、ウェルプレート内の空気チャンバに培地を浸透させることなく、半透性のフィルタを通過して上向きに移動し得る。
【0009】
本開示の実施形態は、生組織試料を処理するためのシステムを含み、このシステムは、生組織試料を受け取るように構成された試料ホルダと、試料ホルダを受け取るように構成されたブラケットと、生組織試料を正確な単位で動かすように構成されたインデックス機構と、試料ホルダに動作可能に接続され、生組織試料を切断するように構成される、刃とを備える。いくつかの例では、インデックス機構は、生組織試料を刃の方へ動かすように構成されたプランジャを備える、リニアアクチュエータを備える。場合によっては、生組織試料は、約200マイクロメートル~約400マイクロメートル動かされる。インデックス機構は、切断面を備えてもよく、切断面は、切断面および生組織試料を潤滑するのに十分な制御された量の流体を受け取るように構成される。供給される流体は、少なくとも1つの液滴を有する霧の形状であってもよい。本システムはまた、生組織試料の断片が刃によって切断された後に断片を受け取るように構成される、試料ホルダに動作可能に接続されたレセプタクルを備えてもよい。いくつかの例では、レセプタクルは、流体に接触するように配置される。場合によっては、実施形態は、ユーザインターフェースを備えてもよく、システムは、1つ以下の単一の生組織試料を伴う自動化された動作のために構成されてもよい。この点に関して、システムおよびその構成要素のいずれかまたはすべてを単回使用する動作には、使用の複数のラウンドが含まれ得るが、単一の生組織試料での使用および異なる試料間のあらゆる相互汚染の回避を指す。
【0010】
本開示の実施形態は、生組織試料を処理する方法を含み得、この方法は、刃に動作可能に接続されるフィルタアセンブリを備えるウェルプレートを提供する工程と、刃を用いて生組織試料を切断する工程と、生組織試料の断片を得る工程とを含む。場合によっては、実施形態は、生組織試料を流体と接触させる工程であって、流体は、生組織試料を潤滑するのに十分な流体の液滴を生成するように構成される、工程と、液滴をフィルタアセンブリと接触させる工程と、生組織試料の断片を液滴と接触させたフィルタアセンブリと接触させる工程とをさらに含み得る。場合によっては、これらの方法は、ユーザインターフェースを備え得、システムは、1つ以下の単一の生組織試料を伴う自動化された動作のために構成されてもよい。この点に関して、システムおよびその構成要素のいずれかまたはすべてを単回使用する動作には、使用の複数のラウンドが含まれ得るが、単一の生組織試料を伴う使用および異なる試料間のあらゆる相互汚染の回避を指す。
【0011】
本開示のさらなる実施形態は、自動組織スライサおよびハンドラ(automated tissue slicer and handler)(ATSH)を提供し得、自動組織スライサおよびハンドラは、アガロースなどの支持構造に埋め込まれた外科的切除または生検などの組織試料を有する試料ホルダを受け取るブラケットと、組織試料を試料ホルダの底部から制御された単位で押し出すためのインデックス機構と、試料の底部から薄い切片を切断する、試料ホルダの下に位置付けられた刃とを備える。インデックス機構は、プランジャを下向きに動かすことによって組織をインデックスするリニアアクチュエータであってもよい。リニアアクチュエータは、制御された量の埋め込まれた組織試料を試料ホルダの底部から押し出すことが可能であり得る。リニアアクチュエータは、厚さ200マイクロメートル~400マイクロメートルの組織試料の切片をインデックスすることができる。切断表面を潤滑し、組織試料が乾燥しないようにするために、制御された量の流体を受け取るスライス表面があってもよい。制御された量の流体は、微細な霧を適用することによって提供され得る。システムはまた、組織試料の底部からスライスされるときに、組織試料の個々の切片を受け取ることができる試料ホルダの下に位置するレセプタクルを含んでもよい。レセプタクルは、切断表面を潤滑するために適用される流体に接触するまで上昇させられてもよく、その後、レセプタクルは、降下させられる。各ウェルに液体培地を有するウェルプレートを保持することができる試料ホルダの下にロボットアームを配置することができ、ウェルプレートは、各ウェルの液体培地の上に浮き、フィルタアセンブリを緩衝液の液滴に接触させることによって切片を捕捉するフィルタアセンブリを含む。試料が沈降する先端部を有する、小型のプラスチック製漏斗の半分などの組織ホルダを、試料ホルダ内部に挿入し、アガロース中で旋回させて、組織試料を組織ホルダから分離し、それをアガロース中に埋め込むことができる。試料ホルダは、組織試料がアガロースに埋め込まれているかまたは包まれている第1の部分と、埋め込まれた組織試料を含む第1の部分を受け取り、第1の部分を適所に保持し、ATSHに接続してスライス用の組織試料を調製する、ATSHの一部である第2の部分とを有することができる。本開示の実施形態では、アガロースが冷却され固化される前に漏斗の先端部を液体アガロースに挿入して旋回させることができるように、第1の部分で埋め込みを行うことができることを理解されたい。試料ホルダは、2つの部品のアセンブリとして記載されるが、2つより多いまたは少ない部品が提供されてもよい、本開示の他の実施形態が存在してもよい。組織試料は、組織試料の底部からインデックスされ、上部からプランジャで押され得る。ATSHはまた、組織試料の切片が試料からスライスされるときに組織試料の切片を吸引するポンプを含んでもよい。ATSHは、アガロースが試料ホルダから押し出される際にアガロースを潤滑する目的で、または試料を湿った状態に保つために試料の露出した底部に液滴を投入するために、切断表面を清浄に保つために、またはスライス動作を潤滑するために、制御された連続流速で、または制御された離散量で緩衝液を分注することができるポンプに接続する、緩衝液の取り外し可能な貯留部と、切片を収集する吸引ポンプとをさらに含んでもよい。組織試料に曝露される構成要素はまた、単回使用の使い捨て構成要素であってもよく、以前の試料で使用された単回使用構成要素を除去し、新しい試料のための新しい構成要素と交換することによって、試料の容易な無菌処理を促進することを理解されたい。これらの単回使用構成要素は、限定されないが、アガロース、試料ホルダ、切断刃、フィルタアセンブリおよびウェルプレート、試料の上部を押す試料プッシャ、ならびに潤滑流体を含むことができる。
【0012】
本開示の他の実施形態は、組織試料の切片をフィルタアセンブリ上に移す方法を提供し得、この方法は、フィルタアセンブリを含むウェルプレートの上方に配置されたスライス刃の上方に組織試料を保持する工程と、スライス刃を使用して、組織試料の底部から切片を切断する工程とを含む。方法はまた、潤滑流体を組織試料の露出部分上に分注し、潤滑流体の液滴を生成し、組織試料を潤滑する工程と、フィルタアセンブリを上昇させて液滴に接触させる工程であって、表面張力によって液滴がフィルタアセンブリに引き込まれる、工程と、切片を切断した後、切片を降下させてフィッターアセンブリ上に置く工程とをさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の記載は、添付の図面と併せて参照される。
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るウェルプレートインサートの上面等角図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態に係るウェルプレートインサートの底面等角図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態に係るフィルタアセンブリおよびフィルタを示す。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態に係る、切片をフィルタアセンブリ上に移すための移送プロセスを示す。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態に係る、自動組織スライサおよびハンドラが処置感度アッセイを行う1つの構成要素である、自立型の自動化装置を示す。
【
図6A】
図6A~
図6Bは、本開示の一実施形態に係る、フィルタの下に支持構造を有するフィルタアセンブリの上面図および側面図を示す。
【
図6B】
図6A~
図6Bは、本開示の一実施形態に係る、フィルタの下に支持構造を有するフィルタアセンブリの上面図および側面図を示す。
【
図6C】
図6C~
図6Eは、本開示の一実施形態に係る、エアポケットを使用するフィルタアセンブリの上面図および側面図を示す。
【
図6D】
図6C~
図6Eは、本開示の一実施形態に係る、エアポケットを使用するフィルタアセンブリの上面図および側面図を示す。
【
図6E】
図6C~
図6Eは、本開示の一実施形態に係る、エアポケットを使用するフィルタアセンブリの上面図および側面図を示す。
【
図6F】
図6F~
図6Gは、本開示の一実施形態に係る、統合ウェルプレートおよびフィルタアセンブリの側面図および上面図を示す。
【
図6G】
図6F~
図6Gは、本開示の一実施形態に係る、統合ウェルプレートおよびフィルタアセンブリの側面図および上面図を示す。
【
図6H】
図6H~
図6Kは、本開示の一実施形態に係る、浮遊フィルタアセンブリおよびウェルプレートの上面図および側面図を示す。
【
図6I】
図6H~
図6Kは、本開示の一実施形態に係る、浮遊フィルタアセンブリおよびウェルプレートの上面図および側面図を示す。
【
図6J】
図6H~
図6Kは、本開示の一実施形態に係る、浮遊フィルタアセンブリおよびウェルプレートの上面図および側面図を示す。
【
図6K】
図6H~
図6Kは、本開示の一実施形態に係る、浮遊フィルタアセンブリおよびウェルプレートの上面図および側面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態に係る、試料移送カセット(STC)、STCへの組織試料の配置、およびアガロースへの移送を示す。
【
図8C】
図8Cは、本開示の一実施形態に係る、組織スライスのための方法を示す。
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態に係る、組織のスライスおよび配置のための方法を示す。
【
図10】
図10は、本開示の一実施形態に係る、STCから組織培養プレート内部への配置までのワークフローを示す。
【
図11】
図11は、本開示の一実施形態に係るATSHを示す。
【
図12A】
図12A~
図12Cは、本開示の実施形態における、組織のスライスおよび取扱いが完了した後の取扱い処理のシステムアーキテクチャを示す。
【
図12B】
図12A~
図12Cは、本開示の実施形態における、組織のスライスおよび取扱いが完了した後の取扱い処理のシステムアーキテクチャを示す。
【
図12C】
図12A~
図12Cは、本開示の実施形態における、組織のスライスおよび取扱いが完了した後の取扱い処理のシステムアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態は、生体試料、特に生組織を処理するための自動化されたシステムおよび方法を提供することができる。本明細書に記載されるように、「組織」は、物理的付着が細胞外マトリックスにおける会合、ならびに閉塞接合部、接着接合部、デスモソーム、アンカー接合部、およびギャップ接合部を介する細胞間接着を含み得る、物理的に付着した細胞の集合体として定義され得る。本明細書で使用される組織は、正常細胞、前癌細胞および癌細胞を含み得る。さらに、「生(live)」は、生細胞と死細胞が細胞膜透過性指標および/または色素を介して区別され得る、代謝的に活性または生存可能と定義され得る。本明細書で使用される「生組織」は、生細胞を含有する組織であると定義されるが、生組織試料は死細胞も含み得る。また、「単回使用」は、単回使用、使い捨て、再使用不可能、および/または再生不可能を含むように定義されてもよい。これは、任意の使用前もしくは使用後の滅菌、除染および/もしくは消毒、または法もしくは規制基準によって定義される任意の有害なもしくは有害な影響の最小化といった、クロス試料汚染の回避に関連する条件を含み得る。この点に関して、単回使用は、単一の生組織試料を用いたシステムまたは反復される方法の工程(repeated method steps)の複数回の使用を含み得る。
【0015】
本開示の一実施形態では、限定されないが、培地の体積または蒸発を含む外部要因とは無関係に、3次元(3D)細胞培養物、具体的には、採取された哺乳動物組織のための気液界面を維持することが可能であり得るウェルインサートが提供され得る。本開示の実施形態によるウェルプレートインサートは、液体がウェルプレート内の空気チャンバに浸透することを可能にすることなく、培地内の微粒子/栄養素がフィルタを通過して上向きに移動することを可能にし得るという点で半透性であり得る、3ミクロンのフィルタを備えてもよい。フィルタは3ミクロンとして記載されるが、フィルタの孔径がより大きいかまたはより小さい本開示の実施形態が存在し得ることを理解されたい。インサートのフィルタおよび周囲壁は、独立して、液体を空気チャンバ内に入れることができない。組織試料は、ウェル内に配置されて、ウェルプレートの底部に位置するフィルタの上部に置かれてもよく、そこで、組織培養の持続時間を通して組織の上方の空気と依然として接触しながら、フィルタの下方の培地から栄養素を回収することができる。本開示の実施形態では、組織試料は、厚さが400ミクロンであってもよい。しかし、厚さは、本開示のいくつかの実施形態では、より大きくてもまたはより小さくてもよいことを理解されたい。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態に係るウェルプレートインサート10の上面等角図を示す。より具体的には、
図1は、蓋様の外周を有する24ウェルプレートに対して配向されるインサートのフォームファクタを示す。インサート10は24ウェルプレートについて示されているが、本開示から逸脱することなく、より多いまたはより少ないウェルが設けられてもよいことを理解されたい。蓋102の上部に見える穴101は、蓋102を通って延在してもよく、半透性のフィルタは、各カラムの底部に取り付けることができる(
図2を参照)。
【0017】
図2は、本開示の一実施形態に係るウェルプレートインサート20の底面等角図を示す。本明細書に示されるように、カラム201の底部は、組織がフィルタの上部に位置し得るように、しっかりと取り付けられる半透性のフィルタを有してもよい。インサート20が培地を含むウェルプレートに投入されると、インサートは、組織が位置する内側チャンバを溢れさせることなく培地を取り除くことができる。
【0018】
ウェルプレートの寸法は、本開示の実施形態において、96、48、24、12、および6ウェルプレートに適合され得る。しかし、本開示から逸脱することなく、ウェルの他の寸法、構成、および数が提供され得る。当然のことながら、ウェルプレートの壁は、液体がチャンバの側面から入ることを可能にするために、穴または細孔などのいかなる開口部も有していなくてもよいが、液体の上方にある上部の近くに穴/細孔を含むことができる。各ウェル挿入カラムの内径および外径は、本開示の実施形態において、各カラムの高さと同様に変更することができる。また、フィルタ孔径は、本開示の実施形態において、異なる粒子が通過できるように変更することができることも理解されたい。
【0019】
フィルタアセンブリは、本開示の実施形態において使用され得る。フィルタアセンブリは、一方の側で疎水性であり、反対の側で親水性である3μmの孔径のフィルタを有し得る。疎水性の側を下にして培地/緩衝溶液上に置くと、フィルタアセンブリは浮き、上部に置くことができる生検を支持することができる。3μmの孔径は、T細胞がフィルタを通過しないことを保証し得る。しかし、本開示から逸脱することなく、組織の種類および試験目的に応じて、他の大きさのフィルタが使用されてもよい。また、フィルタ自体が浮力を有する必要はない(すなわち、片側が疎水性でなくてもよい)本開示の実施形態が存在してもよく、浮力を提供する他の方法が利用されてもよいことも理解されたい。
【0020】
円形カットフィルタアセンブリの外周は、フィルタアセンブリに取り付けられたパラフィルムラッピングフィルムまたは他の同等の非毒性の浮力を有するフィルムウィンチのリングを含んでもよい。フィルタアセンブリは円形カットとして記載されているが、本開示から逸脱することなく他の形状を使用してもよい。ラッピングフィルム/テープは、フィルタアセンブリが取り扱われるときであっても、フィルタが上部に浮き上がる可能性があるように、(非毒性であると同時に)追加の浮力を提供することができる。本開示の実施形態によるフィルタは、厚さ約0.5mmおよび高さ1mmであり得る、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックのリングを有する5mmの円であってもよい。このリングは、加熱されてフィルタに結合され得る非毒性接着剤を使用して取り付けられ得る。しかし、本開示から逸脱することなく、リングをフィルタに取り付けるための別の非毒性機構が使用されてもよい。フィルタの形状および配置は、生検が上面で空気に曝露され、底面でフィルタを通り抜ける栄養素に曝露されることを可能にし得る。
【0021】
本開示の実施形態に係るフィルタアセンブリは、気体/液体界面を維持することができ、これは組織の取扱いおよび/または処理中を含む。フィルタアセンブリは、自動スライサからフィルタ内への組織切片のより容易な移送を可能にし得る。本明細書に記載されるように、本開示の実施形態では、フィルタアセンブリは、
図6C~
図6Eに示されるように、浮力を有するフィルタ自体によって支持される上部上に浮いてもよい。より具体的には、
図6Cは、浮力を有するフィルタアセンブリの上面図を示す。フィルタは、片側が疎水性であってもよく、またはフィルタは、フィルタが浮かび得る液体よりも低密度であってもよい。このフィルタは、密閉された空気ポケットを含んでもよく、フィルタの下の液体に対して開放されてもよい。
図6Dは、液体に露出された開放エアポケット603を有する側面図を示し、
図6Eは、フィルタ形状が密閉エアポケット603を提供し得る、密閉エアポケットを有する側面図を示す。あるいは、フィルタは、浮力を有する別個の支持構造によって支持されてもよい。
【0022】
図6A~
図6Bは、本開示の一実施形態に係る、フィルタの下に支持構造体を有するフィルタアセンブリの上面図および側面図を示す。フィルタ601は概して、底部から支持されてもよく、限定されないが、接着剤、熱接着、化学接着、締め付け、および貫通を含む、締結機構を介して保持されてもよい。外側リング602は、締結機構のうちの1つを介して保持され得るフィルタの底部上に提供され得る。別の代替形態では、外側リングなどの物品をフィルタの上部に設け、締結機構の1つを介して保持することができる。
図6Aは、底部にプラスチックまたは他の浮力支持構造602を有するフィルタ底部601を示すフィルタアセンブリの底面図を示し、
図6Bは、支持構造の上部にフィルタ601を示す側面図を示す。
【0023】
本開示のさらなる実施形態では、
図4に示すように、固定フィルタをウェルプレートアセンブリの上部に置くことができる。これらの固定フィルタアセンブリは、
図1および
図2に示すようなアレイに組み立てることができる。
【0024】
本開示のさらなる実施形態では、フィルタは、
図6F~
図6Gの統合ウェルプレートおよびフィルタアセンブリに示されるものなどのウェルプレートアセンブリに組み込まれてもよい。本明細書に示されるように、フィルタ604は、ウェルプレート606に結合されてもよく、緩衝溶液605の上部は、空気に開放されてもよく、一方、フィルタは、
図6Fに示される側面図などにおいて、緩衝溶液がフィルタの上面に漏出することを防止してもよい。これは、重力がフィルタの下の領域に緩衝液を供給し得る側部である「水塔(water tower)」などのフィルタの下の領域への緩衝液の供給を可能にし得る。水塔は充分な緩衝溶液で満たすことができ、蒸発しても、流体レベルはプロセス全体を通してフィルタとの接触を維持するのに充分である。これは、本開示の実施形態における加圧バッグまたは他の機構であってもよい。
図6Gは、フィルタ609が、それが覆う領域内の緩衝溶液の上部を覆う緩衝溶液608の供給を示す上面図を示す。
【0025】
図6H~
図6Kは、本開示の一実施形態に係る浮遊フィルタアセンブリおよびウェルプレートの上面図および側面図を示す。より具体的には、
図6Hは、フィルタアセンブリ610がウェルプレート内のウェルの底部で流体の上に浮き、フィルタアセンブリが、フィルタに当たることなく、ピペットまたは他の液体取扱いデバイスなどを用いて液体の取扱いが行われることを可能にするポケットまたは領域を含んでもよい、2部品アセンブリの上面図を示す。
図61は、緩衝液/培地614に対するフィルタ613を示す2部品アセンブリの側面図を示す。
図6は、2部品アセンブリの代替設計の上面図を示す。再度、フィルタアセンブリ610は、ウェルプレート内のウェルの底部において流体上に浮いて示され、フィルタアセンブリ610は、フィルタアセンブリに衝突することなくピペッティングするための空間615を含んでもよい。フィルタアセンブリは、壁を上下に摺動する摩擦を低減させるようにフィルタアセンブリ610との接触面積を制限し得る、ウェルプレートの側壁中の1つ以上の小塊または突出部616を含んでもよい。
図6Kは、2部品アセンブリの別の代替設計の上面図を示す。再度、フィルタアセンブリ610は、ウェルプレート内のウェルの底部における流体の上部に浮いて示され、フィルタアセンブリ610は、フィルタアセンブリに衝突することなく、ピペッティングのための空間615を含んでもよい。フィルタアセンブリは、壁を上下に摺動する摩擦を低減させるように、フィルタアセンブリとの接触面積を制限するように、ウェル内に1つ以上の支柱617を含んでもよい。
図6H~
図6Kの実施形態のそれぞれでは、ウェルプレートは、培地試薬の添加または除去などの液体取扱い動作を実行するためにウェルプレートに入る必要があり得るピペットチップまたは他のデバイスから、外側浮力リングを有するフィルタなどの浮遊フィルタアセンブリを保護し得る。これは、フィルタアセンブリが存在する領域の側面に凹部またはアルコブを加えることによって行うことができる。この凹部またはアルコブは、液体の取扱いを行うためにピペットまたは他の装置が入る場所であってもよい。フィルタアセンブリが存在する領域内には、異なる実施形態が存在し得る。
図6Jおよび
図6Kは、ウェルプレートの壁がフィルタアセンブリに接触する接触点が明確に定義され得る構成を示す。これは、摩擦を最小限に抑えることができ、フィルタが上部に浮いている間に液体が追加され除去されるときに、フィルタアセンブリのより確実な上昇および降下をもたらす。
【0026】
図3は、本開示の一実施形態に係るフィルタアセンブリ304およびフィルタ302を示す。フィルタアセンブリ304は、典型的な48ウェルプレートの寸法である、直径11mmのウェル内の200μlの培地/緩衝溶液体積に対して、約2.5mmの内壁の高さを有し得る。壁は、フィルタアセンブリ304が取り扱われるおよび/または衝突するときであっても浮遊を援助することができる。壁はまた、本開示の実施形態においてフィルタアセンブリ304を操作するために保持するための剛性表面を提供してもよい。壁の高さは、試料の底部上の液滴との相互作用を容易にして、スライス動作を潤滑しながらも試料が乾燥しないようにすることができる。この壁の高さは、液滴と接触し得、これは、液滴をセンタリングし得、生検切片のフィルタアセンブリへの制御された移動をより容易にし得る。しかし、フィルタアセンブリの壁の高さは、切片のより容易な配置を可能にするために、本開示の実施形態では低減され得ることを理解されたい。
【0027】
本明細書に示されるように、フィルタアセンブリ304は、浮かず、ウェルプレートの上部に置かれ、フィルタアセンブリの深さは、フィルタ302がウェルの底部で培地303と接触することを確実にするのに十分な深さであり、フィルタ302は培地303の表面に押し込まれ得る。フィルタアセンブリ304がフィルタ302を培地303の表面内に僅かに(約0.5mm)押し下げる場合、水圧は、培地303がフィルタ302を通って押し出されるか「ブリード(bleed)」しないほど低くてもよい。フィルタ302は、培地303と接触したままであってもよく、培地303は、フィルタ302が培地303との接触を失うほど蒸発しない。したがって、本開示の実施形態におけるフィルタアセンブリ304の使用を通して、培地対気体界面の表面積が低減されるにつれて、蒸発が低減されてもよく、これは、蒸発による培地体積の変動性を低減し、またはより少ない体積の液体試薬が使用されることを可能にし、それによって、費用および分析変動を低減し得る。
【0028】
フィルタ302の表面積および培地303の露出した上部を最小限にすることにより、37℃での3日間のインキュベーションにおいて培地の高さの約0.2mmのみが失われ得る程度に小さくなり得る蒸発が生じ得る。より具体的には、
図3は、約13μlの3日間の蒸発を示し、これは、本開示の実施形態において失われた約0.2mmの培地の高さであり得る。
【0029】
フィルタ302およびフィルタアセンブリ304が
図3に示されるが、培地303の表面上に浮くフィルタアセンブリが不要であり得るように、定位置に固定されたフィルタが使用され得る、本開示の実施形態が存在し得ることを理解されたい。本開示の他の実施形態では、接続されており、「浮かない」、ウェルのアレイまたはラックを使用してもよい。このラックは、上部に生検を有するフィルタを有するフィルタアセンブリを持ち上げることを容易することで、同時に、下流動作におけるより容易な液体の取扱いを可能にし得る。互いに接続されたフィッターアセンブリのこのラックは、浅くてもよく(高さが約2.5mm)、壁の高さが液滴との相互作用を可能にして切片の制御された移送を中心化(center)および促進することを援助するように、本明細書に記載される個々のフィルタアセンブリのように使用されてもよい。
【0030】
図4は、本開示の一実施形態に係る、切片をフィルタアセンブリ404上に移送するための移送プロセスを示す。本明細書に示されるように、試料401は、スライス刃402の上方に保持され、次いで、上方から押し下げられ/割り出されてもよい。潤滑流体は、切片を潤滑する、試料の露出部分を湿潤に保つ、またはスライス刃を清浄に保つように、試料401の底部/露出部分上に分注されてもよい。フィルタアセンブリ404が上昇させられ、液滴403に接触すると、表面張力は、液滴403をフィルタアセンブリ404の中に引き込ませ得る。切片は、沈降してもよく、次いで、フィルタアセンブリ404上にあり得るように降下させられてもよい。本明細書に示されるように、切片は、試料401の底部から切断されてもよい。フィルタアセンブリ404を含有するウェルプレートは、フィルタアセンブリ404が液滴403に接触するまで上昇させられてもよい。次いで、フィルタアセンブリ404を降下させることができる。
【0031】
アガロースは、特定の温度で融解および固化するゼラチン様物質である。本開示の実施形態は、40℃で融解する「低融点」アガロース405を使用する。これは、アガロース405が融点まで加熱されることを可能にし得、生検401からものなどの組織が、アガロース405中に埋め込まれ、次いで、冷却され、凝固し、生検を定位置に保持する。40℃の融点は、試料が37℃(体温)でインキュベートされるとき、アガロースが固体であり、生検が生存し、熱すぎることによってその挙動/応答が変化しない程度に低い温度で生検を埋め込むことができるように融解することもできることを意味する。
【0032】
図5は、本開示の一実施形態に従って実行される工程を含む処置感度アッセイを実行する自立型の自動化装置を示す。本開示の実施形態では、装置の組織の初期処理を行う部分は、自動組織スライサおよびハンドラ(ATSH)と称される。装置のATSH後に組織を処理する部分は、液体処理、プレート読み取り、インキュベーション、および/またはアッセイの下流処理のための試薬管理のために使用され得る。
【0033】
図7は、試料移送カセット(STC)のヒンジ式設計を示し、これは、組織試料が採取された後に診療所で組織試料の入力を受け入れ、組織試料を処理する施設への移送中に組織をより無傷に保つことを容易にし、処理施設での試料の除去および取扱いをより容易にし、組織に対するストレスを少なくするデバイスである。施設におけるこの処理は、STCからアガロースへの組織の移動であり得る。パネル701において、組織試料、本明細書に示される生検は、緩衝溶液を保持する15mlのチューブに移され得、緩衝溶液は、本開示の実施形態においてSTCと称され得る。この移送プロセスは、診療所で実行されてもよい。組織試料がSTCに配置されると、診療所から実験室に移すことができる。
【0034】
パネル702は、本開示の一実施形態に係るSTCのヒンジ式漏斗の設計を示す。STCは、試料の診療所から実験室への移送を援助するために使用され得る。STCは、緩衝液、培地、またはPBSなどの組織を輸送するための液体を含有する、標準的な5ml、15ml、または50mlのチューブなどの容器の内部に収まり得る。組織は、液体中に投入されてもよく、除去可能な組織保持片の底部に沈降してもよい。生検針の場合、それらを溶液中で旋回させて、針から溶液中に緩衝液をすすぐことができる。組織保持片は、2つの部品から形成されてもよい。それらは、本開示の実施形態における輸送容器のキャップフィッティングまたはワールなどの第3の部分によって、蝶番され、互いにスナップ留めされ、および/または一緒に保持され得る。試料の使用準備が整うと、組織保持片を輸送容器またはチューブから引き出すことができる。次いで、保持片を引き離して、保持片の一部に組織を残すことができる。この時点で、組織を処理することができる。一実施形態では、保持片の生検試料を含む部分は、融解したアガロース床の上でひっくり返されるか、またはアガロースもしくは他の包埋材料を含むチャンバ内部で旋回され得る。保持片は、複数の形状とすることができる。一実施形態では、保持片は、底部に向かって先細になる漏斗形状であってもよい。しかし、保持片は、本開示の他の実施形態では、直線の円筒、三角形、長方形、または他の断面形状であり得る。保持片は、輸送容器から持ち上げられるときに、吸収性材料を反対側に投入することによって液体溶液が流出し得るか、または吸い出され得るように、底部にメッシュ、フィルタ、小孔、または多孔性材料を有することができる。組織は依然として保持片によって保持される。
【0035】
パネル703は、本開示の態様におけるSTCからアガロースへの生検の移送を示す。パネル704は、本開示の態様におけるアガロースに埋め込まれた生検を示す。
【0036】
一般に、生検が行われるとき、技術者は、5ml、15ml、または50mlのチューブ中にある緩衝溶液に針を入れ、それを旋回させて生検針から生検を洗い流す。本開示の実施形態は、これらのチューブ内部に適合し、技術者が緩衝溶液中で生検針を旋回させ、次いで重力に依存して生検を漏斗/メッシュ内に沈降させる余地を残してもよい。例えば脂肪組織の場合、生検が浮く場合がある。しかし、これらの状況では、メッシュ/漏斗が引き出されると、液体は底部を通って排出され、下流での取扱いのために組織を漏斗に引き込むことができる。STCは、ポリプロピレン(PP)プラスチックから構築され得る15mlのチューブの内部に収まり得、生検針は、生検を緩衝溶液中に解放するために挿入され得る。生検は、ヒンジ付き漏斗片の先端部に沈降し得る。試料を埋め込む準備が整い次第、ヒンジ付き漏斗を15mlのチューブから引き出すことができ、過剰な液体を吸い出すことができる。漏斗は、生検が解放され、漏斗の半分に定着され得るように蝶番され得る(
図7、パネル702)。生検試料を含む半分を、融解したアガロースを含む5mmの試料ホルダ内部に挿入することができる(
図7、パネル703)。組織試料を含有するSTCの先端部は、融解したアガロース内部で旋回させて、組織をプラスチック漏斗から分離させ、アガロースに埋め込むことができるようにすることができる。組織試料がアガロース中にある後、試料ホルダを冷却してアガロースを固化し、完全に埋め込まれた組織試料または生検をもたらすことができる(
図7、パネル704)。外科的切除などの生検以外の組織試料は、STCにおいて出荷され得、実験室または処理施設において、より組織試料を損傷させないような輸送ならびにより容易な取扱いおよび処理の同じ利益の多くを受け得ることを理解されたい。
【0037】
図8A~
図8Bは、本開示の実施形態に係る、スライスおよびめっき方法を示す。本開示の実施形態では、スライスセットアップは、組織が上から下にスライスされ得るように浴槽に沈められ得る。本開示の別の実施形態では、組織は、底部からスライスされ、プランジャで押され、それによって、緩衝液浴が非実用的になり得る。むしろ、滴下潤滑を使用してもよい。
図8Aでは、捕捉および輸送は、切片が選別され、ウェルプレートの中に配置されるように、切片がスライサから出てくるにつれて、穏やかに吸引し得る、ポンプを用いて行われてもよい。この実施形態では、スライスは、上から下または下から上に行われ得る。
図8Bでは、インサートまたは捕捉容器を持ち上げて試料を捕捉し、それをインサートの内側部分に穏やかに捕捉することによって、組織を捕捉することができる。この実施形態では、スライスはボトムアップから行われてもよい。
【0038】
図8Cは、本開示の実施形態に係る、組織スライスのための方法を示す。組織切片は、チャネル、フィルタ、または収集容器に組織切片を誘導し得る緩衝液の流動電流を生成することによって捕捉されてもよく、そこで、吸引ポンプまたは機械的捕捉を用いて収集されてもよい。
【0039】
図9は、本開示の一実施形態に係る、組織スライスおよび配置のための方法を示す。組織試料は、STCから放出され、試料ホルダの滑らかな内層の内側のアガロースに埋め込まれ得る。次いで、埋め込まれたコアは、ATSH上にクランプされ得る試料ホルダの内部に配置され得る。試料ホルダは、ブラケット902上に搭載されてもよく、リニアアクチュエータは、使い捨てプランジャ901を用いて200ミクロン~400ミクロンの単位で試料をインデックスする。このアセンブリは、振動刃が前方に移動し、組織切片を切断することを可能にするように位置付けられることができる。フィルタアセンブリ/ウェルプレートを保持するロボットアーム903は、ブレードアセンブリ905および試料ホルダ904の下方に配置され得る。表面張力で切片を捕捉し、切片を潤滑し、露出した組織を湿潤状態に保つことを容易にするために、緩衝溶液を滴下してもよい。フィルタアセンブリは、改変された組織培養ウェル内に含まれ得る。
【0040】
図10は、本開示の一実施形態に係る、STCから組織培養プレート内への配置までのワークフローを示す。組織試料は、STCを含む15mlチューブに配備され得る。STC1001は、組織試料を無傷に保ち、小片を先端部に向かって整列させ得る、ヒンジ式設計を有してもよい。STCの先端部をアガロース充填コアに挿入し、旋回させて試料を放出し、埋め込むことができる。埋め込まれた試料は、スライスの準備をするために、試料ホルダ1102の第2の部分の内部に配置され得る。試料ホルダは、ブラケット上に搭載されてもよく、リニアアクチュエータは、使い捨てプランジャを用いて200ミクロン~400ミクロンの単位で試料をインデックスしてもよい。このアセンブリは、振動刃が前方に移動し、組織切片を切断することを可能にするように位置付けられることができる。フィルタアセンブリを保持するロボットアームは、刃および試料ホルダの下方に配置され得る。緩衝溶液は、表面張力で切片を捕捉することを容易にするために、滴状に分注され得る。各切片を捕捉した後、それをウェル(96ウェルプレート)内に配置することができる。その後、プレートは、液体取扱いシステムおよび他の処理ステップを通過してもよい。
【0041】
図11は、本開示の一実施形態に係るATSHを示す図である。リニアアクチュエータ1101は、0.003125mmの分解能でプランジャ1102を下方に動かすことによって200ミクロン~400ミクロンの厚さの切片をインデックスするために使用され得る。ロボットアーム1105は、試料ホルダ1103からブレードアセンブリ1104を使用して切断されるときに切片を捕捉するために使用されるフィルタアセンブリ1106を保持してもよい。ATSHは、組織切片を含有するフィルタアセンブリ1106が挿入され得る、組織培養プレートを含んでもよい。組織培養プレートのウェルに培地を予め充填してもよい。ウェルプレートは、フィルタアセンブリ内に保持され、液体の取扱いおよびインキュベーションサイクルの後続プロセスのために送られる切片を保持するために使用され得る。図示されていないが、注入ポンプ、シリンジポンプ、または他のタイプのポンプは、試料の露出部分を湿潤状態に保ち、スライスプロセスを潤滑するために、スライス表面上に緩衝液を滴下分注してもよい。これはまた、フィルタアセンブリの中への緩衝液の液滴の中の切片を捕捉することに役立ち得る。
【0042】
これらの実施形態において記載される自動化された組織の取扱いおよびスライスは、プロセスを手作業で行うときに実行されなければならないステップを排除し得る。試料がスライスされた後に試料を取り扱う自動化された手段が提供され得る。本明細書で記載されるように、これは、プロセスを手作業で行うときに実行されなければならないステップを排除してもよい。さらに、本明細書に記載されるように、単回使用の使い捨て要素は、本開示の実施形態に係る自動化された方法において使用され得る。これらの単回使用の使い捨て要素は、ある試料から次の試料への相互汚染を回避するのを助け、試料の処理をより容易にし、現在、スライスアセンブリを離し、全てをアルコールで拭き取るという時間がかかるプロセスをなくすことができる。そして、単回使用の構成要素をパッケージ(1つの試料を処理するために必要な全ての単回使用成分)として、または継続的な利益の収益ストリームを生成する価格で個別に販売しながら、器具全体または自動組織スライサおよびハンドラのより低い価格での販売を容易にする。
【0043】
図12A~
図12Cは、本開示の実施形態において、組織のスライスおよび取扱いが完了した後の取扱い処理のシステムアーキテクチャを示す。
図12Aは、ロボット1205、蛍光イメージャ1206、細胞培養インキュベータ1207、BSCクラスA2/B2 1208、組織スライサ1209、コールドブロック1210、I/O 1211、および/またはHEPA層流1212を含む、組織のスライスおよび取扱いが完了した後の処理を扱うシステムアーキテクチャを示す。
図12Bは、自動化の異なる構成要素間で試料を移動させる中央ロボットが存在する構成を示す。本明細書に示されるように、1つ以上のロボット制御装置は、ロボット、ロボットグリッパなどのロボットの構成要素、フィールドデバイス、バーコードリーダ、および/または安全デバイスを動作させるために、1つ以上のインターフェースを介して、自動化パネルおよび/または情報管理システムと通信する、1つ以上のアプリケーション制御装置と併せて利用されてもよい。
図12Cは、試料が、主に、インキュベータ1201、自動ピペッタ1202、プレートリーダ1203、および/または試薬ハンドラ1204を含む、システムの異なる構成要素間で直線的に前後に移動させられる、線形構成を描写する。
【0044】
図9および
図10に記載される実施形態では、試料は、重力の使用を通して、スライス動作から組織保持容器に移送され得ることを理解されたい。スライス動作は、潤滑されず、切片は、それ自体で脱落するか、またはわずかなタップまたは撹拌でノックオフされる。潤滑の利点は、この実施形態では提供され得ないが、切片は、制御された様式で依然として移送され得る。
【0045】
代替的な実施形態では、液体は、保持容器に滴り落ち得るように添加され得る。液体は、この移送機構から使用される過剰な流体から排除される必要があり得るが、切片は、依然として、制御された様式で移送され得る。バキュームを使用して、表面上の試料を吸い上げ、次いで、切片を別の領域に輸送し、次いで、陽圧を使用して、切片を解放し、この陽圧を介して、それを保持容器の中に押し込むことができる。輸送は、ロボットアームおよび/または移動コンベヤベルトの使用を含むがこれらに限定されない様々な方法で行うことができる。ロボットアームは、端部にバキュームを含むことができ、移動するコンベヤベルトは、移動するにつれてバキュームを引く中央セクションを含むことができる。
【0046】
切片が試料の上部から切断され、切断表面を含む試料が培地中に沈められるいくつかの実施形態では、トレイが、メッシュ壁およびメッシュ底部を伴って、試料の遠い側に提供されてもよく、それにより、切片が解放されると、切断またはスライス動作の特徴によって、メッシュ領域に押し込まれる。次いで、刃は、傾斜し、メッシュ内に切片を残して培地から持ち上げることができ(いくらかの剛性を有するネットのように)、次いで、ネットは、自動化された様式で持ち上げることができる。
【0047】
切片が、既知の領域内に押し込まれ、次いで、培地槽から持ち上げられ、バキュームによって拾い上げられ得る、または持上げ表面が、移動可能であり、切片を他の場所に堆積させる、他の実施形態もあり得る。いくつかの実施形態では、試料は、その側面に置かれ、試料の端部から出てくる切片とともに垂直にスライスされてもよい。それらが脱落すると、切片は、ドミノ様の様式で表面上に落下してもよく、次いで、これを使用して、切片を新しい場所に輸送することができ、または切片が落下する表面は、フィルタアセンブリ自体であり得る。表面は、潤滑液を通過させるか、または主に組織切片を上部に残して吸い上げるために多孔性であり得る。
【0048】
他の実施形態では、切片の厚さよりもわずかに深い浅いキャップが提供されてもよい。キャップは、スライスされる露出した試料の底部に位置付けられ、刃がそれと試料との間に行くことを可能にするのに充分大きい間隙を残してもよい。したがって、刃がスライスを終えると、切片は、キャップの内側にあり、側方に移動させられ得るか、または後の処理のために切片を輸送するために降下させられ得る。キャップ構成は、切片を捕捉するのに充分大きい側面を有するフィルタアセンブリであり得る。キャップは、スライス動作中に切片の底部に流体を加える必要性をなくすために液体を内部に収容することができるか、または、流体が切断領域に流入するのに充分に大きいが、切片が出て行くのを防ぐのに充分に小さい穴または間隙を壁に有することができる。
【0049】
切断は、X方向に前後に振動し、次いでX方向に垂直な方向に前進する刃によって行うことができる。X-Y平面は、試料に対して実質的に垂直に配向されてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、回転刃を使用することができる。刃は、鋼、他の金属、オブシジアン(火山ガラス)、または他の類似材料を含むが、それらに限定されない、1つ以上の材料から作製することができる。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態は、本明細書に記載されるような培地の流動電流を使用してもよい。試料が流入する端部のネットは、ロボットの端部または可動システムの部分にあってもよく、次いで、試料を輸送するために使用することができる。
【0051】
本開示のさらなる実施形態は、現在手作業で行われる、上部からスライスする、および培地に浸漬された試料と同様の構成でスライスが行われるとき、試料の上部から解放された後に浮遊切片を拾い上げるようにネットまたは他の拘束構造に指示し得る、視覚システムを含んでもよい。アガロースは、培地中に浮遊するときに見やすくするために染められるか、着色されることができる。
【0052】
他の実施形態は、試料を培地に浸漬した状態で試料を上部から下にスライスしながら使用され得る試料の上部を覆う小さなキャップを含み得る。キャップは、わずかな吸引力を有してもよく、刃がキャップの下に行くことができるように位置付けられてもよい。吸引は、試料がスライスされ、スライスステップの完了時に除去され、別の場所に移送されるにつれて、試料をキャップの中に引き込んでもよい。
【0053】
本開示およびその利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、および改変を行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本開示から容易に理解するように、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、または後に開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップが、本開示に従って利用され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップをその範囲内に含むことが意図される。
【国際調査報告】