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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】再生ポリマーを精製するための方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/08 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
C08J11/08 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543089
(86)(22)【出願日】2023-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2023011692
(87)【国際公開番号】W WO2023147013
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/304,941
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/425,365
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】イェ、イー
(72)【発明者】
【氏名】ドダプカール、シュリカント
(72)【発明者】
【氏名】ゴベール、ジョシュア ビー.
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ、マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ゾグ、ジュニア マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ターナー、マイケル ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ワン、アレック ワイ.
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA27
4F401BA13
4F401CA25
4F401CA30
4F401CA51
4F401CA88
4F401CB01
4F401CB14
4F401EA54
4F401EA80
4F401FA01Z
4F401FA02Z
4F401FA07Z
(57)【要約】
実施形態は、再生ポリマーを精製する方法を対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生ポリマーを精製するための方法であって、
前記再生ポリマーをポリマー溶解容器に移送することであって、前記再生ポリマーは固体を含む、ことと、
前記ポリマー溶解容器内の前記固体再生ポリマーを溶媒で選択的に溶解し、ポリマー溶解容器組成物を作製することであって、前記ポリマー溶解容器は70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、
前記ポリマー溶解容器組成物を濾過容器に移送して第1の不溶性汚染物質を除去し、濾過容器組成物を作製することであって、前記濾過容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、
前記濾過容器組成物を収着分離容器に移送して第1の可溶性汚染物質を除去し、収着分離容器組成物を作製することであって、前記収着分離容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、
前記収着分離容器組成物を抽出容器に移送して前記溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去し、抽出容器組成物を作製することであって、前記抽出容器は、130℃~300℃の温度及び30バール~250バールの圧力を有する、ことと、
前記抽出容器組成物をポリマー濃縮容器に移送して前記溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去し、精製された再生ポリマーを作製する、ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記再生ポリマーが、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒がアルカンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカン溶媒が、C5~C7アルカンから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー溶解容器、前記濾過容器、及び前記収着分離容器が、それぞれ互いの20℃以内の温度を有し、前記ポリマー溶解容器、前記濾過容器、及び前記収着分離が、それぞれ互いの10バール以内の圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポリマー濃縮容器が、1つ以上のフラッシュ容器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒が、25℃~90℃の沸点を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記再生ポリマーが、前記濾過容器及び前記収着分離容器中で液相である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒が、前記ポリマー溶解容器組成物を作製するために前記ポリマー溶解容器に移送される前記固体再生ポリマー及び前記溶媒の総重量に基づいて80~95重量パーセントである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
再生ポリマーを精製するための方法であって、
前記再生ポリマーをポリマー溶解容器に移送することであって、前記再生ポリマーは固体を含む、ことと、
前記ポリマー溶解容器内の前記固体再生ポリマーを溶媒で選択的に溶解し、ポリマー溶解容器組成物を作製することであって、前記ポリマー溶解容器は70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、
前記ポリマー溶解容器組成物を濾過容器に移送して第1の不溶性汚染物質及び第1の可溶性汚染物質を除去し、濾過容器組成物を作製することであって、前記濾過容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、
前記濾過容器組成物を抽出容器に移送して前記溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去し、抽出容器組成物を作製することであって、前記抽出容器は、130℃~300℃の温度及び30バール~250バールの圧力を有する、ことと、
前記抽出容器組成物をポリマー濃縮容器に移送して前記溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去し、精製された再生ポリマーを作製する、ことと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ポリマー、より具体的には、再生ポリマーを精製するための方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
現在は、世界中でポリマーに対する需要が高く、2020年におけるポリエチレン及びポリプロピレンの消費量は、それぞれ1億トン及び8千万トンを超えていた。その需要は更に増加すると予想され、プラスチックが環境に与える影響を制限する必要が増す時期に来ている。プラスチック廃棄物の再利用又はリサイクルは、環境に不可逆的に入る量を制限するだけでなく、高いエネルギー及びCO2を多く必要とするプロセスによって生成される新しい又はバージンポリマー量を低減する点でも有利である。
【0003】
機械的にリサイクルされたポリマーは、ポストコンシューマー又はポストインダストリアルの再生材料を回収して分類し、主に均一なポリマー流にすることによって得られ、ポリマー流は、水溶液及び/又は苛性溶液で洗浄された後、リサイクルポリマーのペレットに再加工される。しかしながら、再加工されたペレットは、機械的選別プロセス中に除去されなかった他のポリマーと共に、特定の用途のために製品に添加された感覚刺激性化合物、着色剤、ゲル、重金属、及び可塑剤などの望ましくない不純物で汚染されたままであることが多い。これらの不純物は、それらの再利用を制限する物理的特性が低下したリサイクルポリマーをもたらし、したがって、限られた数の要求が厳しくない用途にダウンサイクルされることが多いが、多層包装及びフィルムなどの至る所にあるプラスチック廃棄物のソースは、その中に含有されるポリマーが現在の機械的リサイクル方法では使用不可能であるため、完全に排除される。
【0004】
これらの不純物の少なくとも一部を除去して、改善された物理的特性を有するより純粋な再生ポリマーを製造することを目的として、機械的リサイクルの限界に対処するために、溶媒ベースの方法が開発されてきた。除去される不純物の範囲は、溶解、結晶化、沈降、遠心分離、濾過、吸着、及び抽出、又は特定の不純物を除去するようにそれぞれ調整されたこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、異なる溶媒ベースのプロセス操作に適合させることができる。溶剤ベースの方法は、バージン材料の特性に近い特性を有する精製ポリマーを製造することができるが、より高いコスト及び追加のプロセスリスクを伴う。広範囲の操作条件にわたって溶媒を取り扱うためのより複雑なプロセスは、機械的リサイクルに対してより高価な設備投資、エネルギー、及び他の操作コストを必要とし、並びに、更にコストを増加させ、潜在的にプロセス全体を実行不可能にし得る汚損及び詰まりなどの複雑な現象を誘導する。これらの問題は、再循環されるポリマー含有流の変動性が増大するにつれて悪化し、このような可変流は、世界規模上で再循環されるポリマーの画分が実質的に増加する場合、大量に再循環されなければならない。これらの課題の中で、精製された再生ポリマーは、バージン材料と経済的な競争力が維持される必要がある。明らかに、選択的かつ革新的な組み合わせのプロセスは、操作が安定しており、経済的に実行可能である、拡大された範囲の再生ポリマー源を精製する新しい溶媒が支援する方法のために注意深く設計されなければならない。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、再生ポリマーを精製するための方法を提供し、この方法は、再生ポリマーをポリマー溶解容器に移送することであって、再生ポリマーは固体を含む、ことと、ポリマー溶解容器内の固体再生ポリマーを溶媒で選択的に溶解し、ポリマー溶解容器組成物を作製することであって、ポリマー溶解容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、ポリマー溶解容器組成物を濾過容器に移送して第1の不溶性汚染物質を除去し、濾過容器組成物を作製することであって、濾過容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、濾過容器組成物を収着分離容器に移送して第1の可溶性汚染物質を除去し、収着分離容器組成物を作製することであって、収着分離容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、収着分離容器組成物を抽出容器に移送して溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去し、抽出容器組成物を作製することであって、抽出容器は、130℃~300℃の温度及び30バール~250バールの圧力を有する、ことと、抽出容器組成物をポリマー濃縮容器に移送して溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去し、精製された再生ポリマーを作製する、ことと、を含む。
【0006】
本開示の上記の概要は、各開示された実施形態を説明するようにも、本開示の全ての実施態様を説明するようにも意図されていない。より具体的に示す本明細書は、例示的な実施形態を例示するものである。本出願全体にわたるいくつかの場所では、例のリストを通じて指針が提供され、これらの例は、様々な組み合わせで使用することができる。どの場合も、列挙されたリストは、代表的なグループとしてのみ機能し、排他的なリストとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の1つ以上の実施形態によるシステムの一部の例を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態によるシステムの一部の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
再生ポリマーを精製するための方法が本明細書に開示される。有利なことに、本明細書に開示される方法は、他のポリマー精製プロセスと比較して改善された汚染物質除去効率を提供することができ、大きく変動する供給原料を有する固体ポリマー供給物を利用することができ、他のポリマー精製プロセスと比較して低減された汚損を提供することができ、並びに/又は、様々な用途に望ましいいくつかの特性、例えば、改善された、例えば、より少ない残留溶媒量、改善された、例えば、より低い臭気、及び/若しくは改善された、例えば、より少ない色を有する精製された再生ポリマーを提供することができる。本明細書に開示される再生ポリマーを精製する方法は、再生ポリマーをポリマー溶解容器に移送することであって、再生ポリマーは固体を含む、ことと、ポリマー溶解容器内の固体再生ポリマーを溶媒で選択的に溶解し、ポリマー溶解容器組成物を作製することであって、ポリマー溶解容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、ポリマー溶解容器組成物を濾過容器に移送して第1の不溶性汚染物質を除去し、濾過容器組成物を作製することであって、濾過容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、濾過容器組成物を収着分離容器に移送して第1の可溶性汚染物質を除去し、収着分離容器組成物を作製することであって、収着分離容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、収着分離容器組成物を抽出容器に移送して溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去し、抽出容器組成物を作製することであって、抽出容器は、130℃~300℃の温度及び30バール~250バールの圧力を有する、ことと、抽出容器組成物をポリマー濃縮容器に移送して溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去し、精製された再生ポリマーを作製する、ことと、を含み得る。1つ以上の実施形態は、本明細書で更に議論されるような固体媒体が、例えば、固体媒体が濾過助剤を提供するように、濾過容器に添加され得ることを提供する。本明細書で言及される容器は、直列、並列又はそれらの組み合わせの装置であり得る。実施形態は、本明細書に開示されるように、再生ポリマーを精製するための方法が、連続プロセス、バッチプロセス、又はそれらの組み合わせであり得ることを提供する。
【0009】
驚くべきことに、第1のプロセス工程として、例えば、濾過工程、収着工程、及び抽出工程の前に、再生ポリマーを選択的に溶解することによって、プロセス汚損/詰まりが低減され、より一貫した及び/又は改善された精製された再生ポリマーの組成物を提供することができることが見出された。選択的溶解工程は、本明細書で考察されるように、第2のポリマー液相の形成を最小限に抑えるのに役立ち得る。選択的溶解をしない場合、本明細書で考察されるように、ポリエチレン及びポリプロピレンなどの異なるポリマーは、溶媒が一方のポリマーを他方よりも好む場合、溶媒と共に個々の液相を形成する場合があり、例えば、n-ブタンは、ポリエチレンと比較してポリプロピレンと共に留まる可能性が高い。ポリエチレン-溶媒相は、ポリプロピレン-溶媒相より重い場合がある。そのような2つの相間の密度差は、より低い温度でより小さくなり得る。この望ましくない相分離は、精製された再生ポリマーの品質に影響を及ぼし、プロセス問題を引き起こす可能性がある。より多くの溶媒を引き付ける軽質ポリプロピレン相は、主にポリエチレンのリサイクルには有利ではなく、ポリエチレンがより濃縮され(粘性であり)、大部分の非溶解の重質汚染物質を含有する。
【0010】
本明細書で使用される場合、「再生ポリマー」という用語は、以前の目的のために使用され、次いで更なる加工のために回収されたポリマーを指す。例えば、「再生ポリマー」は、ISO14021によって定義されるようなポストコンシューマー材料から回収されたポリマー、ISO14021によって定義されるようなプレコンシューマー材料から回収されたポリマー、及びこれらの組み合わせを指すことができる。したがって、ポストコンシューマー材料という総称は、その意図された目的のためにもはや使用することができない材料の最終使用者としての役割において、家庭によって、又は商業施設、工業施設、及び企業施設によって生み出された材料から回収されたポリマーのブレンドを含む。ポストコンシューマー材料という総称はまた、流通網からの材料の返却から回収されたポリマーのブレンドも含む。プレコンシューマー材料という総称は、製造プロセス中に廃棄物流から分流された材料から回収されたポリマーのブレンドを含む。プレコンシューマー材料という総称は、プロセスにおいて生成され、それを生成したのと同じプロセス内で再利用することができる、再加工、再粉砕、又はスクラップなどの材料の再利用を除外する。再生ポリマーは、ポストコンシューマー材料、プレコンシューマー材料、又はそれらの組み合わせから回収されたポリマー又はポリマーのブレンドを含んでもよい。
【0011】
再生ポリマーは、バージンポリマーとは異なる。「バージンポリマー」は、ISO18604によって定義される「一次(バージン)材料」として特徴付けることができるポリマーを指す。バージンポリマーという用語は、いかなる形態の最終用途製品にも加工されたことがないポリマーを含み得る。バージンポリマーは、様々な他の用語で呼ばれることもある。
【0012】
再生ポリマーは、本明細書に開示される方法による精製の前に、収集及び処理され得る。例えば、予備精製のために、再生ポリマーは、細断され、洗浄され、金属還元、例えば除去を受け、密度分離され、乾燥され、及び/又は選別され得る。
【0013】
再生ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、又はそれらの組み合わせであり得る。再生ポリマーの例としては、とりわけ、ポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ビニルポリマー、例えばポリ(塩化ビニル)、アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンホモポリマー及びインターポリマー、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)及びポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)、ポリアミド、例えばナイロン66、ポリカーボネート、例えばポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)、アクリル、例えばポリ(メチルメタクリレート)、フルオロカーボンポリマー、ポリエーテル、多糖類、シリコーン、例えばポリ(ジメチルシロキサン)、熱可塑性エラストマー、例えばエチレン-プロピレンゴムが挙げられる。
【0014】
再生ポリマーは、いくつかの汚染物質を含み得る。汚染物質の例としては、他の汚染物質の中でも、セルロース繊維、ゴム、例えば、ニトリルゴム、充填剤、例えば、炭酸カルシウム、顔料、染料、加工助剤、安定化添加剤及びそれらの分解生成物、インク、接着剤、汚れ及び岩、架橋ポリマー、並びに他の性能添加剤、例えば、可塑剤、スリップ剤、及び粘着防止剤が挙げられる。汚染物質の例としては、他の汚染物質の中でも、感覚刺激性化合物、例えば、アルデヒド、ケトン、エステル、有機顔料、例えば、ジアゾ顔料(黄色)、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、リソール(赤色)、無機顔料、例えば、二酸化チタン(白色)、カーボンブラック、硫化カドミウムセレン(赤色)、モリブデン酸オレンジ、クロム酸鉛(黄色)、グリセロールモノステアレート及びPEG(帯電防止剤)、エルカミド及びオレアミド(スリップ促進剤)、ヒンダードフェノール及びホスファイト酸化防止剤、粘着剤としてのポリイソブチレン、UV安定剤としてのヒンダードアミン、並びに炭酸カルシウム、タルク、及びガラス繊維(充填剤)が挙げられる。
【0015】
本開示の実施形態は、再生ポリマーが溶媒に溶解可能であることを提供する。本明細書中で使用される場合、用語「溶解可能」、「可溶性」、及び「溶解された」は、溶質(例えば、再生ポリマー)の分子又はイオンと溶媒の分子との会合、すなわち、溶媒中への溶質の取り込みを生じる溶媒和の作用を示す。溶媒中に溶解した溶質の安定性は、溶質分子間、溶媒分子間、及び互いの分子間の相互作用に強く依存する。溶質-溶媒対の好ましさは、関連するヒルデブランド又はハンセン溶解性パラメータを計算することによって推定することができ、2つのこのような方法は、ポリマー及び溶媒に適した例である。混合物の熱力学的安定性は、次式:ΔGmix=ΔHmix-TΔSmixによって評価することができ、式中、ΔGmixは溶質と溶媒との混合のギブズ自由エネルギー変化であり、ΔHmixは混合のエンタルピー変化であり、Tは絶対温度であり、ΔSmixは混合のエントロピーである。溶媒中に溶解した溶質は、その溶質と溶媒との混合のギブズ自由エネルギー変化が両方とも負であり、かつ最小化されている場合、所与の温度及び圧力で安定である。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「溶解不可能」、「不溶性」、及び「非溶解」は、互換的に使用され得る。
【0017】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による精製システム102の一部の例を示す。精製システム102は、ポリマー溶解容器104を含んでよい。本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「いくつかの(a number of)」は、何かのうちの1つ以上を指すことができる。例えば、ポリマー溶解容器は、1つ以上のポリマー溶解容器、例えば、連続の容器、並行の容器、又はそれらの組み合わせを指すことができる。
【0018】
本明細書の図は、最初の1桁又は複数桁が図面の図番号に対応し、残りの桁が図面内の要素又は構成要素を識別するという番号付け規則に従っている。異なる数字間の同様の要素又は構成要素は、同様の数字を使用することによって識別することができる。例えば、104は、図1の要素「04」を指定することができ、同様の要素は、図2中で204として指定することができる。図中で類似している複数の要素又は構成要素は、それらの要素又は構成要素が類似していることを示す文字を含み得る。例えば、図2では、「204A」は「204B」と類似しており、これらは両方とも図1の104と類似している。
【0019】
ポリマー溶解容器104は、様々な材料から作製されてもよく、種々の用途のために異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。本明細書で使用するとき、用語「容器」は、タンク、パイプ、分離器、デカンター、カラム、熱交換器、押出機、及び/又は他の流体処理ハードウェアを指す。ポリマー溶解容器104は、いくつかの既知の構成要素、例えば、撹拌器及び/又は加熱コイルを含んでもよい。ポリマー溶解容器104は、いくつかの投入及び/又は排出を含むことができる。例えば、ポリマー溶解容器104は、投入106を含むことができる。投入106を利用して、再生ポリマーをポリマー溶解容器104に移送することができる。
【0020】
実施形態は、ポリマー溶解容器104に移送される再生ポリマーが固体、例えば、液体状態ではなく固体状態であることを提供する。固体再生ポリマーは、結晶性、半結晶性、非晶質、又はこれらの組み合わせであってよい。固体再生ポリマーをポリマー溶解容器104に移送することにより、ポリマー溶解容器104に移送される再生ポリマーの溶融に関連するコストを低減することができ、ポリマー溶解容器104に移送される再生ポリマーの溶融に関連する処理の複雑さを低減することができ、及び/又はポリマー溶解容器104内の移送された再生ポリマーの選択的溶解を助けることができる。
【0021】
固体再生ポリマーは、様々な形状及び/又はサイズを有してよい。例えば、固体再生ポリマーは、他の形状の中でも、小片、球体、円柱、ペレット、又はそれらの組み合わせであってもよい。固体再生ポリマーは、1~200ミリメートル(mm)の平均直径を有してよい。
【0022】
ポリマー溶解容器104は、投入108を含むことができる。投入108を利用して、溶媒をポリマー溶解容器104に移送することができる。実施形態は、溶媒が、例えば、適切な温度及び圧力を利用して、ポリマー溶解容器104内で液体として維持されることを提供する。
【0023】
実施形態は、溶媒が、ポリマー溶解容器104に移送された固体再生ポリマーを選択的に溶解して、ポリマー溶解容器組成物を作製することを提供する。換言すれば、ポリマー溶解容器104の温度及び圧力において、溶媒は、固体再生ポリマーを選択的に溶解する。例えば、選択的溶解のための溶媒中のポリマーの溶解度は、溶媒/ポリマー相互作用、溶解温度、及びポリマーの結晶化度に依存し得る。例えば、半結晶性ポリマーの溶解のために、溶媒は、ポリマーの表面に拡散し、ポリマーが膨潤して非晶質層を除去できるように、半結晶性構造の一部を溶解できる。溶解速度は、再生ポリマーの結晶化度、利用される撹拌機速度、温度、圧力、固体サイズ、及び/又は溶媒組成物を含むがこれらに限定されない、多くの要因に依存し得る。類似の融点及びサイズを有するポリマーの溶解速度は、顕著に異なり得る。溶解温度、圧力及び/又は溶解時間が変化するにつれて、複数の液相が形成され得、潜在的に、複数のポリマーが溶解され得る。しかしながら、複数の液体ポリマー相の形成は、生成物の機械的品質を損ない、及び/又はプロセス汚損を引き起こす可能性があるため、望ましくない。
【0024】
ポリマー溶解容器組成物は、溶媒、溶解再生ポリマー、及び溶解又は非溶解であり得るいくつかの汚染物質を含むことができる。溶解又は非溶解であり得る汚染物質として、前述したものの多くが挙げられる。溶解され得ない汚染物質、例えば不溶性汚染物質には、他の汚染物質の中でも、顔料、セルロース繊維、炭酸カルシウム、タルク、泥、及び接着剤が含まれる。選択的に溶解される再生ポリマー以外のポリマーは、非溶解又は溶解汚染物質であり得る。しかしながら、本明細書で更に説明するように、再生ポリマー以外のポリマーを並行プロセスで精製してもよい。
【0025】
溶媒は、選択的に溶解される固体再生ポリマーに基づいて選択することができる。換言すれば、異なる固体再生ポリマーに対して異なる溶媒を利用することができる。溶媒の例としては、とりわけ、脂肪族、芳香族又は環状の飽和又は不飽和炭化水素、アルコール、カルボン酸、エステル、ケトン、アミン、及びハロゲン化溶媒が挙げられる。1つ以上の実施形態は、溶媒が、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、アルケン、アルカン、及びそれらの組み合わせから選択されることを提供する。1つ以上の実施形態は、溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブチレン、ペンテン、シクロペンテン、ペンテンの異性体、ヘキセン、シクロヘキセン、1-メチル-シクロペンテン、ヘキセンの異性体、ヘプテン、シクロヘプテン、1-メチル-1-シクロヘキセン、ヘプテンの異性体、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、シクロペンタン、ペンタンの異性体、n-ヘキサン、シクロヘキサン1-メチル-1-シクロペンタン、ヘキサンの異性体、ヘプタン、シクロヘプタン、1-メチル-1-シクロヘキサン、ジメチルシクロペンタン、及びヘプタンの異性体から選択されることを提供する。1つ以上の実施形態は、溶媒がアルカン、例えばC3~C12アルカン、C4~C10アルカン、C5~C7アルカン、又はC5~C6アルカンであることを提供する。例えば、1つ以上の実施形態は、固体再生ポリマーがポリエチレンであり、溶媒がペンタンであることを提供する。
【0026】
1つ以上の実施形態は、溶媒が25℃~90℃の沸点を有することを提供する。25℃~90℃の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、溶媒は、下限として25、28、又は30℃から、上限として90、80、又は70℃までの沸点を有することができる。本明細書において、「沸点」は、国際純正応用化学連合(IUPAC)によって確立された正確に100kPa(1バール、14.5psia、0.9869atm)の絶対圧での沸点を指す。1つ以上の実施形態は、例えば、25℃~75℃の沸点を有する低沸点の溶媒が利用されることを提供する。低沸点の溶媒を利用することにより、最終精製再生ポリマー中の残留溶媒を減少させることができる。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「溶媒」とは、単一の溶媒、例えばペンタン、又は溶媒の組み合わせ、例えばペンタンとジエチルエーテルとの組み合わせを指す。実施形態は、溶媒の組み合わせが利用されるとき、溶媒の組み合わせの溶媒のそれぞれが互いの20℃以内の沸点を有することを提供する。1つ以上の実施形態は、溶媒の組み合わせが利用されるとき、溶媒の組み合わせの溶媒のそれぞれが、互いの15、10、又は5℃以内の沸点を有することを提供する。溶媒は、プロセスの様々な時点で添加することができる。例えば、溶媒は、ポリマー溶解容器104、濾過容器112、収着分離容器118、及び/又は抽出容器124に添加されてもよい。1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマーを選択的に溶解するために利用される単一の溶媒が、プロセスにおいて利用される溶媒の総重量の100重量%であることを提供する。例えば、固体再生ポリマーがポリエチレンであり、溶媒、例えば、単一の溶媒がペンタンである場合、1つ以上の実施形態は、ペンタンのみが利用され、例えば、他の溶媒が利用されないことを提供する。
【0028】
溶媒は、ポリマー溶解容器組成物を作製するためにポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマー及び溶媒の総重量に基づいて80~95重量%であり得る。80~95重量%の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、溶媒は、ポリマー溶解容器組成物を作製するためにポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマー及び溶媒の総重量に基づいて、下限80、82、又は85重量%から上限95、93、又は90重量%であり得る。
【0029】
同様に、固体再生ポリマーは、ポリマー溶解容器組成物を作製するためにポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマー及び溶媒の総重量に基づいて5~20重量%であり得る。5~20重量%の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、固体再生ポリマーは、ポリマー溶解容器組成物を作製するためにポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマー及び溶媒の総重量に基づいて、下限5、7、又は10重量%から上限20、18、又は15重量%であり得る。
【0030】
ポリマー溶解容器104に移送される固体再生ポリマーは、様々な用途のために、異なる時間、例えば、異なる滞留時間、ポリマー溶解容器内で溶媒と接触してもよい。例えば、ポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマーは、ポリマー溶解容器内で0.01~3時間の平均滞留時間を有することができる。0.01~3時間の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、ポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマーは、ポリマー溶解容器内で0.01、0.05、又は0.1時間の下限から3、2、又は0.5時間の上限までの平均滞留時間を有することができる。
【0031】
ポリマー溶解容器104は、70℃~180℃の温度、例えば、動作温度を有することができる。70℃~180℃の温度を利用することにより、固体再生ポリマーが溶媒に選択的に溶解することを提供できる。70℃~180℃の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、ポリマー溶解容器は、70、90、又は110℃の下限から180、160、又は140℃の上限までの温度を有することができる。1つ以上の実施形態は、例えば、再生ポリマーがポリエチレンであるとき、ポリマー溶解容器が70℃~130℃の温度を有し得ることを提供する。1つ以上の実施形態は、例えば、再生ポリマーがポリプロピレンであるとき、ポリマー溶解容器が110℃~180℃の温度を有し得ることを提供する。
【0032】
ポリマー溶解容器104は、1バール~30バール絶対圧の圧力、例えば、動作圧力を有することができる。特に明記しない限り、本明細書で報告される圧力は絶対圧力である。1バール~30バールの圧力を利用することにより、固体再生ポリマーが溶媒に選択的に溶解され、溶媒が液体状態のままであることを提供できる。1バール~30バールの全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、ポリマー溶解容器は、下限として1、2、又は3バールから、上限として30、25、又は15バールまでの圧力を有することができる。
【0033】
ポリマー溶解容器104は、排出110を含むことができる。排出110を利用して、ポリマー溶解容器組成物を濾過容器112に移送することができる。濾過容器112は、様々な材料から作製されてもよく、種々の用途のために異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。濾過容器112は、布、ウール、リネン、ガラス繊維、鋼メッシュ、焼結金属、及びこれらの組み合わせなどの様々な濾材を含むことができる。濾過容器112は、いくつかの既知の構成要素を含んでもよい。濾過容器112は、とりわけ、ソリッドボウル遠心分離機、自己洗浄ストレーナ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、リーフフィルタ、及び/又は回転圧力フィルタを含んでもよい。
【0034】
1つ以上の実施形態は、濾過容器112が固液分離を提供できることを提供する。例えば、濾過容器112に移送されるポリマー溶解容器組成物由来の1つ以上の不溶性固体(非溶解固体)、例えば、非溶解汚染物質は、ポリマー溶解容器組成物の液体及び可溶性、例えば溶解された成分から分離されて、濾過容器組成物を作製することができる。不溶性汚染物質、例えば、分離された非溶解固体は、排出114を介して除去することができ、ここには、いくらかの偶発的な溶媒除去を含み得る。非溶解汚染物質を除去することにより、濾過容器組成物を作製することができる。可溶性(溶解)再生ポリマー、例えば、濾過容器組成物は、例えば、溶液又は溶融状態などの液相であってもよい。
【0035】
濾過容器112に移送されるポリマー溶解容器組成物は、様々な用途に対して異なる滞留時間を有し得る。例えば、濾過容器に移送されるポリマー溶解容器組成物は、濾過容器内で0.01~12時間の平均滞留時間を有することができる。0.01~12の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、濾過容器に移送されるポリマー溶解容器組成物は、濾過容器内で0.01、0.05、又は0.1時間の下限から12、9、又は6時間の上限までの平均滞留時間を有することができる。
【0036】
濾過容器112は、70℃~180℃の温度、例えば動作温度を有することができる。70℃~180℃の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、濾過容器は、70、100、又は110℃の下限から180、160、又は140℃の上限までの温度を有することができる。1つ以上の実施形態は、例えば、再生ポリマーがポリエチレンである場合、濾過容器が70℃~130℃の温度を有し得ることを提供する。1つ以上の実施形態は、例えば、再生ポリマーがポリプロピレンである場合、濾過容器が110℃~180℃の温度を有し得ることを提供する。
【0037】
濾過容器112は、1バール~30バールの圧力、例えば動作圧力を有することができる。1バール~30バールの全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、濾過容器は、下限として1、2、又は3バールから、上限として30、25、又は15バールまでの圧力を有することができる。
【0038】
1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器104及び濾過容器112がそれぞれ互いの20℃以内の温度を有する、それぞれ互いの10℃以内の温度を有する、又はそれぞれ互いの5℃以内の温度を有することを提供する。1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器104及び濾過容器112が等温で操作されること、例えば、ポリマー溶解容器104及び濾過容器112が本質的に同じ温度で操作されることを提供する。
【0039】
1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器104及び濾過容器112がそれぞれ互いの10バール以内の圧力を有する、それぞれ互いの5バール以内の圧力を有する、それぞれ互いの3バール以内の圧力を有する、又はそれぞれ互いの1バール以内の圧力を有することを提供する。
【0040】
濾過容器112は、排出116を含むことができる。排出116を利用して、濾過容器組成物を収着分離容器118に移送することができる。収着分離容器は、様々な材料から作製されてもよく、様々な用途のために異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。収着分離容器118は、いくつかの既知の構成要素を含んでもよい。収着分離容器118は、バッチ、連続移動、連続固定床、連続流動床、又はパルス床容器であってもよい。
【0041】
収着分離容器118は、収着分離容器118に移送される濾過容器組成物由来の汚染物質を除去するために利用できる固体媒体を含むことができる。例えば、固体媒体は、吸着、吸収、静電気、サイズ排除、イオン排除、イオン交換、及び/又は当業者に明らかであり得る他の機構によって、汚染物質、例えば、第1の可溶性汚染物質を除去するために利用され得る。例として、再生ポリマー中に見出され得る顔料及び多くの他の汚染物質は、極性化合物であるか、又はそれらの表面上に極性化合物を有する場合があり、少なくともわずかに極性でもあり得る固体媒体と優先的に相互作用できる。これらの極性-極性相互作用は、アルカンなどの非極性溶媒が溶媒として使用される場合に特に有利であり得る。
【0042】
固体媒体は、無機材料、炭素系材料、及びそれらの組み合わせであってよい。固体媒体の例としては、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、珪藻土、パーライト、粘土、砂、モレキュラーシーブ、ガラス繊維、及びセルロース材料が挙げられる。1つ以上の実施形態は、固体媒体が、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、珪藻土、及びそれらの組み合わせから選択されることを提供する。固体媒体は、既知の構成要素、例えば固体媒体容器によって収着分離容器118内に維持されてもよい。固体媒体は、流動床であってもよく、撹拌されてもよく、塊で移動してもよく、又は収着分離容器118内の静止位置に維持されてもよい。
【0043】
収着分離容器118に移送される濾過容器組成物は、様々な用途のために、異なる時間、例えば、異なる滞留時間、収着分離容器内で固体媒体と接触してもよい。例えば、収着分離容器118に移送される濾過容器組成物は、収着分離容器内で0.01~12時間の平均滞留時間を有することができる。0.01~12時間の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、収着分離容器に移送される濾過容器組成物は、収着分離容器内で0.01、0.05、又は0.1時間の下限から12、9、又は6時間の上限までの平均滞留時間を有することができる。
【0044】
収着分離容器118は、70℃~180℃の温度、例えば動作温度を有することができる。70℃~180℃の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、収着分離容器は、70、90、又は110℃の下限から180、160、又は140℃の上限までの温度を有することができる。1つ以上の実施形態は、例えば、再生ポリマーがポリエチレンである場合、収着分離容器が70℃~130℃の温度を有し得ることを提供する。1つ以上の実施形態は、例えば、再生ポリマーがポリプロピレンである場合、収着分離容器が110℃~180℃の温度を有し得ることを提供する。
【0045】
収着分離容器118は、1バール~30バールの圧力、例えば動作圧力を有することができる。1バール~30バールの全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、収着分離容器は、下限として1、2、又は3バールから、上限として30、20、又は15バールまでの圧力を有することができる。
【0046】
1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器104、濾過容器112、及び収着分離容器118がそれぞれ互いの20℃以内の温度を有する、それぞれ互いの10℃以内の温度を有する、又はそれぞれ互いの5℃以内の温度を有することを提供する。1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器104、濾過容器112、及び収着分離容器118が等温で操作されること、例えば、ポリマー溶解容器104、濾過容器112、及び収着分離容器118が本質的に同じ温度で操作されることを提供する。
【0047】
1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器104、濾過容器112、及び収着分離容器118がそれぞれ互いの10バール以内の圧力を有する、それぞれ互いの5バール以内の圧力を有する、それぞれ互いの3バール以内の圧力を有する、又はそれぞれ互いの1バール以内の圧力を有することを提供する。
【0048】
第1の可溶性汚染物質、例えば非溶解汚染物質を除去するために固体媒体を利用することにより、収着分離容器組成物を提供することができる。第1の可溶性汚染物質は、収着分離容器118(及び固体媒体)を利用することによって除去されるため、収着分離容器組成物は、濾過容器組成物と比較して汚染が少ない。
【0049】
1つ以上の実施形態は、収着分離容器が濾過容器と、例えば濾過助剤として適用される固体媒体と組み合わされ得ることを提供する。例えば、濾過助剤を撹拌し、連続的に再生することができる。1つ以上の実施形態は、収着分離容器を省略してもよく、例えば、濾過容器組成物を抽出容器に移送できることを提供する。
【0050】
収着分離容器に移送される濾過容器組成物が固体媒体に接触して収着分離容器組成物を作製した後、例えば、固体媒体が汚染物質の除去能の限度に近づいているとき、固体媒体を再生することができる。実施形態は、固体媒体がその場で再生され得ること、又は固体媒体が再生のために収着分離容器118から例えば出口120によって除去され得ることを提供する。既知の再生構成要素及びプロセスを利用することができる。
【0051】
収着分離容器に移送される濾過容器組成物が固体媒体と接触して収着分離容器組成物を作製した後、又はその間に、排出122を利用して、収着分離容器組成物を抽出容器124に移送することができる。溶解再生ポリマー、例えば収着分離容器組成物は、例えば溶液又は溶融状態などの液相であってもよい。抽出容器は、様々な材料から作製されてもよく、種々の用途のために異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。
【0052】
抽出容器124は、いくつかの既知の構成要素を含んでもよい。抽出容器124は、例えば分離器、デカンター、又は抽出カラムであってもよい。
【0053】
1つ以上の実施形態は、抽出容器124が、条件、例えば、液-液抽出が行われるような温度及び圧力を利用することを提供する。換言すれば、抽出容器124の条件は、抽出容器124に移送される収着分離容器組成物と、溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去することによって作製される抽出容器組成物とが、液相に維持されることを提供し得る。
【0054】
1つ以上の実施形態は、抽出容器124が、条件、例えば、超臨界抽出が行われるような温度及び圧力を利用することを提供する。上述したように、溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去することによって作製される抽出容器組成物は、いくつかの実施形態について超臨界相に維持することができる。超臨界流体は、その臨界温度及び圧力より高い、例えば、流体の臨界点を超える。この超臨界領域において、超臨界流体は、第2の可溶性汚染物質、例えば、他の汚染物質と比較して比較的高い沸点を有する汚染物質などの汚染物質の除去を向上させることができる。操作圧力及び温度は、溶媒及び溶媒濃度の選択、例えば、特定量の再生ポリマーと共に利用される溶媒の量に依存し得る。超臨界分離は、溶媒に富む液相とポリマーに富む液相の両方が存在する状態で行うことができる。汚染物質の2つの相への分配はまた、利用される圧力及び温度に敏感であり得る。
【0055】
抽出容器に移送される収着分離容器組成物は、様々な用途に対して異なる滞留時間を有し得る。例えば、抽出容器に移送される収着分離容器組成物は、抽出容器内で0.01~3時間の平均滞留時間を有することができる。0.01~3時間の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、抽出容器に移送される収着分離容器組成物は、抽出容器内で0.01、0.05、又は0.1時間の下限から3、2、又は1.5時間の上限までの平均滞留時間を有することができる。
【0056】
1つ以上の実施形態は、抽出容器組成物の一部が、排出126によって抽出容器124から除去され得ることを提供する。排出126によって除去される抽出容器組成物の一部は、溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を含み得る。1つ以上の実施形態は、収着分離が抽出容器に続いて実施され得ることを提供する。
【0057】
排出126によって抽出容器124から除去される抽出容器組成物の一部は、抽出容器に移送される材料、例えば、抽出容器に移送される収着分離容器組成物の15~90重量%であり得る。15~90重量%の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、排出126によって抽出容器から除去される抽出容器組成物の一部は、15、20、又は25重量%の下限から90、85、又は80重量%の上限までであり得る。
【0058】
同様に、排出126によって抽出容器124から除去される溶媒の第1の標的部分は、溶媒、例えば、ポリマー溶解容器104に移送される溶媒及びシステム102へ投入される他の溶媒の15~95重量%であり得る。15~95重量%の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、排出126によって抽出容器から除去される溶媒の第1の標的部分は、ポリマー溶解容器104に移送される溶媒の総重量に基づいて、15、20、又は25重量%の下限から95、90、又は85重量%の上限であり得る。
【0059】
上述したように、第2の可溶性汚染物質は、排出126によって抽出容器124から除去することができる。第2の可溶性汚染物質は、不揮発性汚染物質を含む。第2の可溶性汚染物質の例としては、感覚刺激剤、酸化防止剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、粘着剤、インク成分、及びこれらの組み合わせが挙げられる。様々な量の第2の可溶性汚染物質を、異なる用途のために排出126によって抽出容器から除去することができる。
【0060】
抽出容器124は、130℃~300℃の温度、例えば動作温度を有することができる。130℃~300℃の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、抽出容器は、130、160、又は190℃の下限から300、280、又は260℃の上限までの温度を有することができる。
【0061】
抽出容器124は、30バール~250バールの圧力、例えば動作圧力を有することができる。30バール~250バールの全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、抽出容器は、下限として30、50、又は70バールから、上限として250、220、又は180バールまでの圧力を有することができる。
【0062】
溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質が排出122によって抽出容器124から除去された後、又はその間に、抽出容器組成物の残りの部分をポリマー濃縮容器130に移送することができる。ポリマー濃縮容器は、様々な材料から作製されてもよく、種々の用途のために異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。ポリマー濃縮容器130は、いくつかの既知の構成要素、例えば、絞り弁、加熱器、分離器、脱揮押出機、又はガスパージを含んでもよい。単一のポリマー濃縮容器130が示されているが、実施形態はそのように限定されない。例えば、ポリマー濃縮容器130は、1つ以上のフラッシュ容器を含んでもよい。例として、ポリマー濃縮容器130は、一連の、例えば3つのフラッシュ容器、例えばフラッシュ分離器/フラッシュドラムを含んでもよい。
【0063】
ポリマー濃縮容器130に移送される、例えば、流体相であり得る抽出容器組成物の残りの部分は、例えば、1つ以上の絞り弁又は他の絞り装置を通過させることによって、圧力の低下を受けることができる。1つ以上の実施形態は、ポリマー濃縮容器130が、溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去して精製された再生ポリマーを作製するために、例えば、特定の減圧が先行する減圧に対してより低い、一連の減圧を利用し得ることを提供する。溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質は、排出132によってポリマー濃縮容器130から除去することができる。
【0064】
排出132によってポリマー濃縮容器130から除去される溶媒の第2の標的部分は、溶媒、例えば、ポリマー溶解容器104に移送される溶媒の5~85重量%であり得る。5~85重量%の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、排出132によってポリマー濃縮容器130から除去される溶媒の第2の標的部分は、ポリマー溶解容器104に移送される溶媒の総重量に基づいて、5、10、又は15重量%の下限から85、80、又は75重量%の上限までであり得る。
【0065】
1つ以上の実施形態は、システム102に供給される全ての溶媒の75~99.9999重量%が、精製された再生ポリマーから分離され得ることを提供する。75~99.9999重量%の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、精製された再生ポリマーから分離され得るシステムに供給される全溶媒の重量%は、75、85、又は95重量%の下限から99.9999重量%の上限までであり得る。
【0066】
第3の可溶性汚染物質の例としては、排出126によって抽出容器124から除去されない、感覚刺激剤、抗酸化剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、インク成分、及びこれらの組み合わせが挙げられる。1つ以上の実施形態は、第3の可溶性汚染物質が、第1の可溶性汚染物質及び第2の可溶性汚染物質よりも低い沸点を有することを提供する。
【0067】
ポリマー濃縮容器130は、130℃~300℃の温度、例えば、動作温度を有することができる。130℃~300℃の、全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、ポリマー濃縮容器は、130、150、又は170℃の下限から300、270、又は240℃の上限までの温度を有することができる。
【0068】
ポリマー濃縮容器130は、0.02バール(例えば真空)から50バールまでの圧力、例えば動作圧力を有することができる。0.02バール~50バールの全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、例えば、ポリマー濃縮容器は、下限として0.02、0.03、又は0.04バールから、上限として50、40、又は30バールまでの圧力を有することができる。
【0069】
精製された再生ポリマーは、排出134によってポリマー濃縮容器130から取り出すことができる。ポリマー濃縮容器130から取り出された後、精製された再生ポリマーは、ペレット化などのいくつかの更なる処理工程を受けることができる。
【0070】
精製された再生ポリマーは、様々な用途に望ましいいくつかの特性を有することができる。例えば、精製された再生ポリマーは、低い残留溶媒、低い臭気、低いゲル、望ましい色、及び/又は良好な機械的特性を提供することができ、一方で、規制された汚染物質、例えば、前述のいくつかの汚染物質の低減を示す。
【0071】
1つ以上の実施形態は、固体媒体が、前述のように、濾過容器112と共に利用される、例えば、それに添加され得ることを提供する。例えば、固体媒体は、前述したように、多くの用途のための濾過助剤として利用することができる。固体媒体が濾過容器112と共に利用されるため、1つ以上の実施形態は、固体媒体を利用して作製される濾過容器組成物が抽出容器124に移送されることを提供する。換言すれば、1つ以上の実施形態は、図1に示されるように、濾過容器112及び収着分離容器118が、例えば、収着分離容器118が排除され得るように組み合わせられることを提供する。
【0072】
固体媒体が濾過容器と共に利用される実施形態では、前述のように、第2の非溶解汚染物質を除去して、例えば、収着分離容器組成物を作製するのではなく、濾過容器組成物を作製する。上述したように、次に、濾過容器組成物を抽出容器に移送することができる。
【0073】
固体媒体が濾過容器と共に利用される実施形態では、ポリマー溶解容器及び濾過容器は、それぞれ互いの20℃以内の温度を有し得る、それぞれ互いの10℃以内の温度を有し得る、又はそれぞれ互いの5℃以内の温度を有し得る。1つ以上の実施形態は、ポリマー溶解容器及び濾過容器が等温で操作されること、例えば、ポリマー溶解容器及び濾過容器が本質的に同じ温度で操作されることを提供する。
【0074】
固体媒体が濾過容器と共に利用される実施形態では、ポリマー溶解容器及び濾過容器は、それぞれ互いの10バール以内の圧力を有し得る、それぞれ互いの5バール以内の圧力を有し得る、それぞれ互いの3バール以内の圧力を有し得る、又はそれぞれ互いの1バール以内の圧力を有し得る。
【0075】
1つ以上の実施形態では、溶媒は、別個のプロセス工程で精製され、溶解及び/又は抽出容器に再循環され、したがって、方法に必要とされる新たな溶媒の量を低減することができる。
【0076】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態によるシステム260の一部の例を示す。システム260は、例えば、2つ以上の再生ポリマーが精製される場合に利用されてもよい。
【0077】
システム260は、図1を参照して説明した構成要素に類似するいくつかの構成要素を含む、かつ/又は利用し得る。例えば、システム260は、投入206A、206B、投入208A、208B、及び排出210A、210Bを含むポリマー溶解容器204A、204Bと、排出214A、214B及び排出216A、216Bを含む濾過容器212A、212Bと、排出220A、220B及び排出222A、222Bを含む収着分離容器218A、218Bと、226A、226B及び排出228A、228Bを含む抽出容器224A、224Bと、並びに、排出232A、232B及び排出234A、234Bを含むポリマー濃縮容器230A、230Bと、を含み得る。
【0078】
図2に示すように、システム260は、図1に示すシステム102のうちの2つを並列に備えることができ、濾過容器212Aからの排出を溶解容器204Bへの投入として利用することができる。例として、ポリエチレンなどの第1の再生ポリマーは、溶解容器204A内で選択的に溶解され、開示される方法の第1の例における、例えば濾過容器2121Aを利用する濾過工程、例えば収着分離容器218Aを利用する収着分離工程、及び例えば抽出容器224Aを利用する抽出工程によって精製され得、ポリプロピレンなどの第2の再生ポリマー(溶解容器204A由来の非溶解ポリマー)を含む不溶性不純物は、濾過容器212Aから固体として除去される。次いで、第2の再生ポリマーを含むこの固体流は、開示された方法の第2の例への供給原料として使用することができ、ポリプロピレンは、例えば溶解容器204Bを利用して、第2の溶解容器204B内の異なる温度、圧力、及び/又は溶媒で選択的に溶解され、第2の濾過容器212B内で非溶解不純物から除去され、次いで、例えば収着分離容器218Bを利用する第2の収着分離、及び例えば抽出容器224Bを利用する抽出において溶解不純物から精製される。原則として、開示された方法の複数の例を並行して適用することは、同じ再生ポリマー供給原料中に存在する多数の異なるポリマーを精製するために使用することができる。
【0079】
本開示のいくつかの態様が、以下のように提供される。
【0080】
態様1は、再生ポリマーを精製するための方法を提供し、この方法は、再生ポリマーをポリマー溶解容器に移送することであって、再生ポリマーは固体を含む、ことと、ポリマー溶解容器内の固体再生ポリマーを溶媒で選択的に溶解し、ポリマー溶解容器組成物を作製することであって、ポリマー溶解容器は70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、ポリマー溶解容器組成物を濾過容器に移送して第1の不溶性汚染物質を除去し、濾過容器組成物を作製することであって、濾過容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、濾過容器組成物を収着分離容器に移送して第1の可溶性汚染物質を除去し、収着分離容器組成物を作製することであって、収着分離容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、収着分離容器組成物を抽出容器に移送して溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去し、抽出容器組成物を作製することであって、抽出容器は、130℃~300℃の温度及び30バール~250バールの圧力を有する、ことと、抽出容器組成物をポリマー濃縮容器に移送して溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去し、精製された再生ポリマーを作製する、ことと、を含む。
【0081】
態様2は、再生ポリマーが、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択される、態様1に記載の方法を提供する。
【0082】
態様3は、溶媒がアルカンを含む、態様1及び/又は態様2に記載の方法を提供する。
【0083】
態様4は、アルカン溶媒がC5~C7アルカンから選択される、態様1、態様2、及び/又は態様3に記載の方法を提供する。
【0084】
態様5は、ポリマー溶解容器、濾過容器、及び収着分離容器が、それぞれ互いの20℃以内の温度を有し、ポリマー溶解容器、濾過容器、及び収着分離が、それぞれ互いの10バール以内の圧力を有する、態様1、態様2、態様3、及び/又は態様4に記載の方法を提供する。
【0085】
態様6は、ポリマー濃縮容器が、1つ以上のフラッシュ容器を含む、態様1、態様2、態様3、態様4、及び/又は態様5に記載の方法を提供する。
【0086】
態様7は、溶媒が25℃~90℃の沸点を有する、態様1、態様2、態様3、態様4、態様5、及び/又は態様6に記載の方法を提供する。
【0087】
態様8は、再生ポリマーが、濾過容器及び収着分離容器において液相である、態様1、態様2、態様3、態様4、態様5、態様6、及び/又は態様7に記載の方法を提供する。
【0088】
態様9は、溶媒が、ポリマー溶解容器組成物を作製するためにポリマー溶解容器に移送される固体再生ポリマー及び溶媒の総重量に基づいて80~95重量パーセントである、態様1、態様2、態様3、態様4、態様5、態様6、態様7、及び/又は態様8に記載の方法を提供する。
【0089】
態様10は、再生ポリマーを精製するための方法を提供し、この方法は、再生ポリマーをポリマー溶解容器に移送することであって、再生ポリマーは固体を含む、ことと、ポリマー溶解容器内の固体再生ポリマーを溶媒で選択的に溶解し、ポリマー溶解容器組成物を作製することであって、ポリマー溶解容器は70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、ポリマー溶解容器組成物を濾過容器に移送して第1の不溶性汚染物質及び第1の可溶性汚染物質を除去し、濾過容器組成物を作製することであって、濾過容器は、70℃~180℃の温度及び1バール~30バールの圧力を有する、ことと、濾過容器組成物を抽出容器に移送して溶媒の第1の標的部分及び第2の可溶性汚染物質を除去し、抽出容器組成物を作製することであって、抽出容器は、130℃~300℃の温度及び30バール~250バールの圧力を有する、ことと、抽出容器組成物をポリマー濃縮容器に移送して溶媒の第2の標的部分及び第3の可溶性汚染物質を除去し、精製された再生ポリマーを作製する、ことと、を含む。
【実施例
【0090】
実施例1を以下のように実施した。Aspen Plus V10(Aspen Technologyから入手)を利用して、再生ポリマーを精製するための方法の計算を行った。計算のために、ポリマー(ポリエチレン及びポリプロピレン)、溶媒(n-ペンタン)、及び汚染物質(炭酸カルシウム(ポリマー中2重量%)、リモネン(100ppm)、ブチル化ヒドロキシトルエン(100ppm)、1-デカナール(100ppm)、ジブチル-o-フタレート(100ppm)及びビスフェノールA(100ppm)を利用した。
【0091】
計算には、PC-SAFT(摂動鎖統計会合流体理論)の状態方程式モデルを利用した。いくつかの単項パラメータが、Aspen Plusデータバンクにおいて利用可能であった(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びいくつかの溶媒について)。Aspen Plusデータバンクで利用できなかった単項パラメータについては、TDE NISTデータバンク(Thermo Data Engine,National Institute of Standard and Technology)から利用可能な液体密度、液体熱容量、及び液体蒸気圧データを回帰分析した。公的に入手可能な混合データを使用して、バイナリ相互作用パラメータを調整した。
【0092】
計算のために、リサイクルされたポリエチレン(例えば、本明細書で論じられる投入106に対応し、計算ストリーム(Computational Stream、CS)106と称される)は、ペンタン(例えば、本明細書で論じられる投入108に対応し、CS108と称される)と共に溶解容器(例えば、本明細書で論じられる)に供給された。ポリエチレンを、20バール及び110℃でペンタンにポリプロピレンよりも選択的に溶解した。溶解容器からの排出を、その後の濾過及び収着分離工程(例えば、本明細書で論じられるような)に通して、非溶解ポリプロピレン及び炭酸カルシウムを除去して、CS122(例えば、本明細書で論じられるような排出122に対応する)を得た。計算により、ポリプロピレン及び炭酸カルシウムなどの不溶性成分の95%が除去されたことが特定された。CS122を更に加圧(100バールまで)及び加熱(225℃まで)した後、1段階抽出容器(例えば、本明細書で論じられるような)に入れた。この工程で、非揮発性汚染物質は、脱揮のみによるよりも良好に除去された。抽出物から、溶媒に富む軽質相を洗浄し、再循環させて戻し、ポリマーに富む重質相を、追加の脱揮(例えば、本明細書で論じられるポリマー濃縮容器)に通した。脱揮物から、溶媒蒸気を回収し、汚染物質を除去し、洗浄された溶媒をリサイクルした。最終脱揮工程を20mbara及び250℃で行った。次いで、CS134(例えば、本明細書で論じられる排出134に対応する)については、99重量%のリモネン及びデカナール、90重量%のブチル化ヒドロキシトルエン及びジブチル-o-フタレート、並びに50重量%のビスフェノールAが除去されたことが示された。いくつかの計算ストリーム条件及び構成要素を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
表1のデータは、再生ポリマーが精製されていることを示している。表1のデータは、他のポリマー精製プロセスと比較して、改善された汚染物質除去効率を示す。実施例1では、固体ポリマーを利用し、実施例1は、他のポリマー精製プロセスと比較して、改善された、例えば、より少ない量の残留溶媒を有する精製された再生ポリマーを提供した。
【0095】
実施例2を以下のように実施した。1.0344gのポリエチレン(Dowlex 2045G)及び1.0317gのポリプロピレン(Braskem D115a)を、空の圧力セル(Anton Paar、150バール、ステンレス鋼、最高温度=300℃)中の8.28gのn-ペンタン(Acros Organics、99+%、extra pure、無水)に添加した。セルに加えたポリプロピレンペレットの数を数えたところ、54個であった。セルを、ヘッダーに取り付けたデンプン撹拌機測定形状(Anton Paar、ST24/PRA1)で閉じた。閉じたセルを、電子ヒーター(Anton Paar、C-ETD300)を備えたレオメーター(Anton Paar MCR 102)に移した。セルの上部の出口ポートを高圧窒素ガス源(Airgas、UHPグレード)に接続し、ガス圧をレギュレータによって制御した。レオメーター上の測定カップをセル上の位置に下げて、磁気カップリングを使用してセル内の撹拌器形状の制御された回転を可能にした。
【0096】
セルのヘッドスペースに添加した窒素ガスを用いてセルを16aバールに加圧した。Rheocompassソフトウェア(Anton Paar、V1.20.493)を使用して、撹拌機を400rpmで回転するように設定し、セルを110℃に加熱した。温度をヒーター中の熱電対によって制御し、セルの壁中の独立した熱電対によってモニターした。セルの壁内の温度は15分後に110℃に達し、実施例2については111℃を超えなかった。セルは、室温での撹拌の開始から測定して6時間、110℃かつ400rpmの設定点のままであった。
【0097】
これを設定値に維持した後、撹拌を停止し、セルを約20℃に冷却した。ヘッドスペース内の加圧窒素ガスを大気圧まで排気し、セルを切り離してレオメーターから取り出した。セルを開け、混入した未溶解ペレットを有する白色ペーストであることが観察された材料を回収した。非溶解ペレットを白色ペーストから分離し、計数し、実施例2の開始時に添加したポリプロピレンペレットの数(54)と同じであると決定した。実施例2の間に溶解し、次いで冷却時に再結晶化したポリマーを示す白色ペーストを、示差走査熱量測定(DSC)を使用して分析して、ポリエチレン及びポリプロピレンの相対量を決定し、この手技により、実施例2の間に溶解したそれぞれの量を推測した。
【0098】
DSC測定は、TA Instruments Discovery 2500示差走査熱量計を使用して行った。最初に、白色ペースト(約0.5g)を25000psi、190℃で10~15秒間圧縮してフィルムにした。圧縮したペースト(3.7mg)を秤量し、DSCパンに入れた。蓋をパンに圧着して密閉雰囲気を確保し、パンをDSCセル内に置いた。DSCパンの内容物を10℃/分の速度で190℃まで加熱し、等温で5分間保持した。次いで、DSCの内容物を10℃/分の速度で-40℃まで冷却し、等温で5分間保持した。次いで、DSCの内容物を10℃/分の速度で230℃まで加熱し、等温で5分間保持した。加熱及び冷却勾配の間、データ取得をオンにし、熱流を温度と共に測定した。ポリマー試料の溶融ピーク(Tm)、結晶化ピーク(Tc)、溶融融解熱(ΔHfm)、結晶化融解熱(ΔHfc)、及びガラス転移温度(Tg)を、TA Instrument Universal Analysisソフトウェアを使用して処理した。-40~230℃の温度勾配中の熱流対温度のプロットにおいて、ポリエチレン(119.3及び122.2℃)及びポリプロピレン(169.4℃)に対応するピークの面積を積分することによって、ポリエチレン及びプロピレン濃度を決定した。純粋なポリプロピレンの基準ピーク(93.2J/g)に対する140℃を超える混合物のポリプロピレンピークの相対面積は、ポリマー混合物中のポリプロピレンの相対重量%の尺度を与える。これは、97.5重量%ポリエチレンに対して、圧力セル中に溶解した白色ペーストの2.5重量%がポリプロピレンであったことを示した。110℃での溶解についての結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
表2のデータは、ポリエチレン及びポリプロピレンの混合物(50:50重量%)が、110℃においてn-ペンタンにポリマーを選択的に溶解することによって分離されたことを示す。表2のデータは、97重量%超のポリプロピレンが除去されたことを示す。
図1
図2
【国際調査報告】