(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】左心耳結紮器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543187
(86)(22)【出願日】2023-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2023113352
(87)【国際公開番号】W WO2024051460
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】202211086543.0
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519463950
【氏名又は名称】南京鼓楼医院
【氏名又は名称原語表記】NANJING DRUM TOWER HOSPITAL
【住所又は居所原語表記】321 Zhongshan Road, Gulou Nanjing, Jiangsu 210008, China
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】シュー, キャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ドンジン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD09
4C160MM33
4C160NN01
4C160NN11
(57)【要約】
本発明は、医療機器の技術分野に関する左心耳結紮器を開示する。この左心耳結紮器は、結紮糸と操作ハンドルとを備え、操作ハンドルの一端に支持部が固定接続され、支持部の内壁に供給チューブとロックチューブが固定接続され、供給チューブの内壁に第1スライド溝が開設され、第1スライド溝の内壁に第1スライドブロックがスライド可能に接続され、第1スライドブロックの中間部に供給用プッシュロッドが固定接続され、供給用プッシュロッドの一端に第1フックが固定接続され、第1スライドブロックの一方側にリターンスプリングが固定接続される。この左心耳結紮器では、ロック用プッシュロッド、結紮糸、吊り結び目及び支持アセンブリが設けられ、結紮糸が吊り結び目を構成するためにスリーブ部に予め設けられるため、手術中に結び目を作ることが回避され、手術時に吊り結び目をロックするだけで結び目の作りを完了することができ、スリーブ部は、自動ロックを回避するために、結紮糸の他端を通すための支持部材として使用され、スリーブ部が吊り結び目から離脱すると、吊り結び目を引っ張って自動的にロックすることができ、これにより、手術時間が短縮され、手術効率が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左心耳結紮器であって、
結紮糸(1)と操作ハンドル(2)とを備え、前記操作ハンドル(2)の一端に支持部が固定接続され、前記支持部の内壁に供給チューブ(3)とロックチューブ(4)が固定接続され、前記供給チューブ(3)の内壁に第1スライド溝(5)が開設され、前記第1スライド溝(5)の内壁に第1スライドブロック(6)がスライド可能に接続され、前記第1スライドブロック(6)の中間部に供給用プッシュロッド(8)が固定接続され、前記供給用プッシュロッド(8)の一端に第1フック(7)が固定接続され、前記第1スライドブロック(6)の一方側にリターンスプリング(9)が固定接続され、前記ロックチューブ(4)の内壁に第2スライド溝が開設され、前記第2スライド溝に第2スライドブロック(10)がスライド可能に接続され、前記第2スライドブロック(10)の一端に第2フック(11)が固定接続され、前記第2フック(11)の他方側にロック用プッシュロッド(12)が固定接続され、前記ロックチューブ(4)において、前記第2スライド溝に隣接する前記内壁にスライドキャビティが開設され、前記スライドキャビティには、支持アセンブリが挿入され、前記結紮糸(1)の一端が前記結紮糸(1)の中間部に巻き付けられて吊り結び目(101)が形成され、前記結紮糸(1)の先端がループを形成するように囲まれ、前記ループは、前記支持アセンブリの外壁の一端に設けられることを特徴とする、左心耳結紮器。
【請求項2】
前記供給チューブ(3)は、直管部(301)とガイド部(302)とを含み、前記ガイド部(302)の一端は、前記直管部(301)にネジ接続され、前記ロックチューブ(4)は、固定部(401)と取り外し部(402)とを含み、前記取り外し部(402)の一端は、前記固定部(401)にネジ接続されることを特徴とする、請求項1に記載の左心耳結紮器。
【請求項3】
前記結紮糸(1)は、前記ガイド部(302)を貫通する一端が前記第1フック(7)の表面に結び付けられ、前記取り外し部(402)を貫通する一端が前記第2フック(11)の表面に結び付けられることを特徴とする、請求項2に記載の左心耳結紮器。
【請求項4】
前記支持アセンブリは、前記スライドキャビティに挿入された支持ロッド(13)を含み、前記支持ロッド(13)の一端にスリーブ部(14)が固定接続され、前記スリーブ部(14)の中間部には、前記結紮糸(1)を通すためのガイド穴(15)が設けられ、前記スリーブ部(14)の外壁には、前記結紮糸(1)に適合した一時収容溝が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の左心耳結紮器。
【請求項5】
前記操作ハンドル(2)は、固定ハンドル(201)を含み、前記固定ハンドル(201)の内壁には、グリップ(202)が回転軸によって回転可能に接続され、前記グリップ(202)の上部には、前記供給用プッシュロッド(8)に適合したプッシュプレートが設けられ、前記供給用プッシュロッド(8)の一端は、前記プッシュプレートの側壁に押し当てられることを特徴とする、請求項4に記載の左心耳結紮器。
【請求項6】
前記支持ロッド(13)の一端と前記ロック用プッシュロッド(12)の一端の両方には、プッシュボタン(16)が固定接続され、前記固定ハンドル(201)の上面には、前記プッシュボタン(16)に適合した水平スライド溝が開設され、前記プッシュボタン(16)は、前記水平スライド溝の内壁にスライド可能に接続されることを特徴とする、請求項5に記載の左心耳結紮器。
【請求項7】
前記固定ハンドル(201)の前記内壁の上部には、緩衝スプリング(17)が固定接続され、前記緩衝スプリング(17)の一端は、その中の1つの前記プッシュボタン(16)に固定接続されることを特徴とする、請求項6に記載の左心耳結紮器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の左心耳結紮器の使用方法であって、
結紮糸(1)が吊り結び目(101)を構成するためにスリーブ部に予め設けられるステップ1と、
操作者がグリップ(202)を押すと、結紮糸(1)は、囲まれた結紮ループから伸び出し、結紮ループは、左心耳の外側輪郭を通過できるまで拡大し、結紮ループのサイズが50~70mmに設定されるステップ2と、
操作者は、手術器具を用いて結紮ループを、左心耳の外側輪郭を通過して結紮位置まで下降させるステップ3と、
結紮ループが結紮位置に嵌ることを決定した場合、操作者が支持ロッド(13)の一端にあるプッシュボタンを後方にスライドさせることにより、スリーブ部(14)を動かして後退させ、結紮糸(1)をスリーブ部(14)から離脱させ、同時にロック用プッシュロッド(12)の一端にあるプッシュボタン(16)を後方にスライドさせることにより、吊り結び目(101)を動かしてロックし、自動結びを実現するステップ4と、
吊り結び目(101)のテール部にある結紮糸(1)を切断し、左心耳結紮器を取り出すだけでよいステップ5とを含むことを特徴とする、左心耳結紮器の使用方法。
【請求項9】
結紮糸を交換するための具体的な操作方法は、次のとおりである:
操作者は、ガイド部(302)を直管部(301)からネジで取り外し、同時に取り外し部(402)を固定部(401)からネジで取り外し、結紮糸(1)を第1フック(7)に巻き付けて結び、固定し、結紮糸(1)の中間部を巻き付けて吊り結び目(101)を形成し、スリーブ部(14)に掛け、結紮糸(1)の他端を吊り結び目(101)に挿通させて第2フック(11)に結び、固定することを特徴とする、請求項8に記載の左心耳結紮器の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、具体的には、左心耳結紮器に関する。
【背景技術】
【0002】
左心耳は、細長い管状のブラインドキャビティであり、形状が不規則であり、複数の屈曲部を有し、そのサイズが親指とほぼ同じであり、開口部のサイズが10mm~40mmである。左心耳は、櫛状筋と小柱が豊富にあるため、血流が渦を巻きやすく、流速が遅くなり、血栓症の好発部位である。
【0003】
心房細動(AF:atrialfibrillation)患者は、脳卒中のリスクが大幅に増加する。研究によると、リウマチ性心疾患患者の60%では、心房細動(以下AFと略称)に合併した心原性血栓症が左心耳(LAA)から発生し、非弁膜症性心房細動(AF)によって引き起こされる脳卒中の91%は、左心耳内の血栓によって引き起こされる。したがって、LAAの除去は、左心房血栓症及び脳卒中イベントを減少させることに役立つ。
【0004】
左心耳を同時に切除又は閉鎖する心臓手術が簡単で容易に実行されるため、多くの医師は、そのような患者に対して心臓手術を行うとともに、左心耳を除去又は閉鎖する必要があることを主張するが、左心耳の切除又は閉鎖のみを行う場合、外科的外傷が非常に大きく、外科手術が不適切であり、したがって、結紮は、好ましい治療方式となっているが、従来の結紮器は、自動的に結ぶことが不便であり、操作のために外部器具を加える必要があり、その結果、手術時間が長く、手術の質と効率に影響を与え、このため、左心耳結紮器が提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の結紮器が、自動的に結ぶことが不便であり、操作のために外部器具を加える必要があり、その結果、手術時間が長く、手術の質と効率に影響を与えるという従来技術の問題を解決するために、本発明は、左心耳結紮器を提供し、次のような技術的解決手段を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
左心耳結紮器は、結紮糸と操作ハンドルとを備え、前記操作ハンドルの一端に支持部が固定接続され、前記支持部の内壁に供給チューブとロックチューブが固定接続され、前記供給チューブの内壁に第1スライド溝が開設され、前記第1スライド溝の内壁に第1スライドブロックがスライド可能に接続され、第1スライドブロックの中間部に供給用プッシュロッドが固定接続され、前記供給用プッシュロッドの一端に第1フックが固定接続され、前記第1スライドブロックの一方側にリターンスプリングが固定接続され、前記ロックチューブの内壁に第2スライド溝が開設され、前記第2スライド溝に第2スライドブロックがスライド可能に接続され、前記第2スライドブロックの一端に第2フックが固定接続され、前記第2フックの他方側にロック用プッシュロッドが固定接続され、前記ロックチューブにおいて、第2スライド溝に隣接する内壁にスライドキャビティが開設され、前記スライドキャビティには、支持アセンブリが挿入され、前記結紮糸の一端が結紮糸の中間部に巻き付けられて吊り結び目が形成され、結紮糸の先端がループを形成するように囲まれ、前記ループは、支持アセンブリの外壁の一端に設けられる。
【0007】
上記技術的解決手段によれば、供給チューブとロックチューブが設けられ、供給チューブとロックチューブの両方が取り外し可能な構造であるため、操作者は、供給チューブとロックチューブを取り外して異なる結紮糸を交換することが容易になり、この結紮器の再利用が実現される。
【0008】
選択可能に、前記供給チューブは、直管部とガイド部とを含み、前記ガイド部の一端が直管部にネジ接続されるため、操作者は、供給チューブを取り外し、結紮糸を固定することが容易になり、前記ロックチューブは、固定部と取り外し部とを含み、前記取り外し部の一端が固定部にネジ接続されるため、ロックチューブを取り外して結紮糸の他端を固定することが容易になる。
【0009】
選択可能に、前記結紮糸は、ガイド部を貫通する一端が第1フックの表面に結び付けられ、取り外し部を貫通する一端が第2フックの表面に結び付けられ、これにより、使用するたびに異なる結紮糸を交換することが容易になる。
【0010】
選択可能に、前記支持アセンブリは、スライドキャビティに挿入された支持ロッドを含み、前記支持ロッドの一端にスリーブ部が固定接続され、前記スリーブ部の中間部には、結紮糸を通すためのガイド穴が開設され、前記スリーブ部の外壁には、結紮糸に適合した一時収容溝が開設され、一時収容溝により、摩擦力を増加させ、結紮糸が自動的に離脱してロックすることを回避することができる。
【0011】
選択可能に、前記操作ハンドルは、固定ハンドルを含み、前記固定ハンドルの内壁には、グリップが回転軸によって回転可能に接続され、前記グリップの上部には、プッシュロッドに適合したプッシュプレートが設けられ、前記プッシュロッドの一端が前記プッシュプレートの側壁に押し当てられるため、結紮糸で作られたループのサイズの調整を実現する。
【0012】
選択可能に、前記支持ロッドの一端とロック用プッシュロッドの一端の両方には、プッシュボタンが固定接続され、前記固定ハンドルの上面には、プッシュボタンに適合した水平スライド溝が開設され、前記プッシュボタンは、水平スライド溝の内壁にスライド可能に接続され、これにより、結紮糸のロック及びカテーテル部と結紮糸の離脱をプッシュボタンで制御することが容易になる。
【0013】
選択可能に、前記固定ハンドルの内壁の上部には、緩衝スプリングが固定接続され、前記緩衝スプリングの一端がその中の1つのプッシュボタンに固定接続されるため、ロックした後、緩衝スプリングがプッシュボタンを押し動かして吊り結び目を排出し、これにより、操作者は、結紮糸を切ることが容易になる。
【0014】
左心耳結紮器の使用方法は、
結紮糸が吊り結び目を構成するためにスリーブ部に予め設けられるステップ1と、
操作者がグリップを押すと、結紮糸は、囲まれた結紮ループから伸び出し、結紮ループは、左心耳の外側輪郭を通過できるまで拡大し、結紮ループのサイズが50~70mmに設定されるステップ2と、
操作者は、手術器具を用いて結紮ループを、左心耳の外側輪郭を通過して結紮位置まで下降させるステップ3と、
結紮ループが結紮位置に嵌ることを決定した場合、操作者が支持ロッドの一端にあるプッシュボタンを後方にスライドさせることにより、スリーブ部を動かして後退させ、結紮糸をスリーブ部から離脱させ、同時にロック用プッシュロッドの一端にあるプッシュボタンを後方にスライドさせることにより、吊り結び目を動かしてロックし、自動結びを実現するステップ4と、
吊り結び目のテール部にある結紮糸を切断し、左心耳結紮器を取り出するだけでよいステップ5とを含む。
【0015】
上記技術的解決手段により、操作者がハンドルを押し、即ちグリップを圧縮すると、グリップによって供給用プッシュロッドを押し動かし、さらに第1スライドブロックを押し動かしてリターンスプリングを圧縮することにより、供給用プッシュロッドは、延びて結紮糸の可動端を動かして伸び出させ、結紮糸が伸び出すときにスリーブ部内にスライドし、スリーブ部によって吊り結び目が支持され、吊り結び目が自動的にロックすることを効果的に防止し、スリーブ部の表面に一時収容溝が開設されるため、スリーブ部の表面の摩擦力を増加させ、結紮糸の収容能力を高め、結紮糸で囲まれた結紮ループが拡大した後、操作者は、容易で迅速に左心耳に嵌ることができ、リターンスプリングによって結紮糸が自動的に収縮し、吊り結び目をロックする必要がある場合、支持ロッドの一端にあるプッシュボタンを後方にスライドさせて、スリーブ部を動かして後退させることにより、結紮糸をスリーブ部から離脱させ、同時にロック用プッシュロッドの一端にあるプッシュボタンを後方にスライドさせて吊り結び目を動かしてロックすることにより、自動結びを実現し、結紮糸が吊り結び目を構成するためにスリーブ部に予め設けられるため、手術中に結び目を作ることが回避され、手術時に吊り結び目をロックするだけで結び目の作りを完了することができ、これにより、手術時間が短縮され、手術効率が向上する。
【0016】
選択可能に、結紮糸を交換するための具体的な操作方法は、次のとおりである:
操作者は、ガイド部を直管部からネジで取り外し、同時に取り外し部を固定部からネジで取り外し、結紮糸を第1フックに巻き付けて結び、固定し、結紮糸の中間部を巻き付けて吊り結び目を形成し、スリーブ部に掛け、結紮糸の他端を吊り結び目に挿通させて第2フックに結び、固定する。
【0017】
上記技術的解決手段により、結紮糸を容易に交換することができ、左心耳結紮器の複数回使用が可能になり、機器の無駄を回避することができる。
【0018】
本発明による左心耳結紮器は、以下の有益な効果を有する:
1、左心耳結紮器では、供給チューブとロックチューブが設けられ、供給チューブとロックチューブの両方が取り外し可能な構造であるため、操作者は、供給チューブとロックチューブを取り外して異なる結紮糸を交換することが容易になり、この結紮器が再利用される。
【0019】
2、左心耳結紮器では、操作ハンドル、第1スライドブロック、第1スライド溝、供給用プッシュロッド及びリターンスプリングが設けられ、第1スライドブロックがリターンスプリングによって供給チューブに弾性的に嵌合されるため、操作ハンドルによってリターンスプリングを圧縮して結紮糸を供給することが容易になり、結紮糸で囲まれた結紮ループが拡大するため、結紮糸を自動的に左心耳に嵌ることが容易になり、リターンスプリングによって結紮糸が自動的に収縮し、それによって結びやすくなる。
【0020】
3、左心耳結紮器では、ロック用プッシュロッド、結紮糸、吊り結び目及び支持アセンブリが設けられ、結紮糸が吊り結び目を構成するためにスリーブ部に予め設けられるため、手術中に結び目を作ることが回避され、手術時に吊り結び目をロックするだけで結び目の作りを完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【0022】
図面では、1 結紮糸、101 吊り結び目、2 操作ハンドル、201 固定ハンドル、202 グリップ、3 供給チューブ、301 直管部、302 ガイド部、4 ロックチューブ、401 固定部、402 取り外し部、5 第1スライド溝、6 第1スライドブロック、7 第1フック、8 供給用プッシュロッド、9 リターンスプリング、10 第2スライドブロック、11 第2フック、12 ロック用プッシュロッド、13 支持ロッド、14 スリーブ部、15 ガイド穴、16 プッシュボタン、17 緩衝スプリング。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施例の図面を参照して本発明の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の実施例の一部に過ぎず、本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに取得したすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0024】
実施例1
図1~
図5を参照すると、本発明は、技術的解決手段、即ち左心耳結紮器を提供する。この左心耳結紮器は、結紮糸1と操作ハンドル2とを備え、操作ハンドル2の一端に支持部が固定接続され、支持部の内壁に供給チューブ3とロックチューブ4が固定接続され、供給チューブ3の内壁に第1スライド溝5が開設され、第1スライド溝5の内壁に第1スライドブロック6がスライド可能に接続され、第1スライドブロック6の中間部に供給用プッシュロッド8が固定接続され、供給用プッシュロッド8の一端に第1フック7が固定接続され、第1スライドブロック6の一方側にリターンスプリング9が固定接続され、ロックチューブ4の内壁に第2スライド溝が開設され、第2スライド溝に第2スライドブロック10がスライド可能に接続され、第2スライドブロック10の一端に第2フック11が固定接続され、第2フック11の他方側にロック用プッシュロッド12が固定接続され、ロックチューブ4において、第2スライド溝に隣接する内壁にスライドキャビティが開設され、スライドキャビティには、支持アセンブリが挿入され、結紮糸1の一端が結紮糸1の中間部に巻き付けられて吊り結び目101が形成され、結紮糸1の先端がループを形成するように囲まれ、ループは、支持アセンブリの外壁の一端に設けられる。
【0025】
ここで、操作ハンドル2は、固定ハンドル201を含み、固定ハンドル201の内壁には、グリップ202が回転軸によって回転可能に接続され、グリップ202の上部には、供給用プッシュロッド8に適合したプッシュプレートが設けられ、供給用プッシュロッド8の一端がプッシュプレートの側壁に押し当てられるため、プッシュプレートによって供給用プッシュロッド8を押し動かし、結紮糸1で作られたループのサイズの調整を実現することが容易になる。
【0026】
また、支持ロッド13の一端とロック用プッシュロッド12の一端の両方には、プッシュボタン16が固定接続され、固定ハンドル201の上面には、プッシュボタン16に適合した水平スライド溝が開設され、プッシュボタン16は、水平スライド溝の内壁にスライド可能に接続され、これにより、結紮糸1のロック及びカテーテル部と結紮糸1の離脱をプッシュボタン16で制御することが容易になり、固定ハンドル201の内壁の上部には、緩衝スプリング17が固定接続され、緩衝スプリング17の一端がその中の1つのプッシュボタン16に固定接続されるため、ロックした後、緩衝スプリング17がプッシュボタン16を押し動かして吊り結び目101を排出し、これにより、操作者は、結紮糸1を切ることが容易になる。
【0027】
最後、支持アセンブリは、スライドキャビティに挿入された支持ロッド13を含み、支持ロッド13の一端にスリーブ部14が固定接続され、スリーブ部14の中間部には、結紮糸1を通すためのガイド穴15が開設され、スリーブ部14の外壁には、結紮糸1に適合した一時収容溝が開設され、一時収容溝により、摩擦力を増加させ、結紮糸1が自動的に離脱してロックすることを回避することができる。
【0028】
左心耳結紮器の使用方法は、
結紮糸1が吊り結び目101を構成するためにスリーブ部14に予め設けられるステップ1と、
操作者がグリップ202を押すと、結紮糸1は、囲まれた結紮ループから伸び出し、結紮ループは、左心耳の外側輪郭を通過できるまで拡大し、結紮ループのサイズが50~70mmに設定されるステップ2と、
操作者は、手術器具を用いて結紮ループを、左心耳の外側輪郭を通過して結紮位置まで下降させるステップ3と、
結紮ループが結紮位置に嵌ることを決定した場合、操作者が支持ロッド13の一端にあるプッシュボタン16を後方にスライドさせることにより、スリーブ部14を動かして後退させ、結紮糸1をスリーブ部14から離脱させ、同時にロック用プッシュロッド12の一端にあるプッシュボタン16を後方にスライドさせることにより、吊り結び目101を動かしてロックし、自動結びを実現するステップ4と、
吊り結び目101のテール部にある結紮糸1を切断し、左心耳結紮器を取り出すだけでよいステップ5とを含むことを特徴とする。
【0029】
具体的に使用する場合、操作者がハンドルを押し、即ちグリップ202を圧縮すると、グリップ202によって供給用プッシュロッド8を押し動かし、さらに第1スライドブロック6を押し動かしてリターンスプリング9を圧縮することにより、供給用プッシュロッド8は、延びて結紮糸1の可動端を動かして伸び出させ、結紮糸1が伸び出すときにスリーブ部14内にスライドし、スリーブ部14によって吊り結び目101が支持され、吊り結び目101が自動的にロックすることを効果的に防止し、スリーブ部14の表面に一時収容溝が開設されるため、スリーブ部14の表面の摩擦力を増加させ、結紮糸1の収容能力を高め、結紮糸1で囲まれた結紮ループが拡大した後、操作者は、容易で迅速に左心耳に嵌ることができ、リターンスプリング9によって結紮糸1が自動的に収縮し、吊り結び目101をロックする必要がある場合、支持ロッド13の一端にあるプッシュボタン16を後方にスライドさせて、スリーブ部14を動かして後退させることにより、結紮糸1をスリーブ部14から離脱させ、同時にロック用プッシュロッド12の一端にあるプッシュボタン16を後方にスライドさせて吊り結び目101を動かしてロックすることにより、自動結びを実現し、結紮糸1が吊り結び目101を構成するためにスリーブ部14に予め設けられるため、手術中に結び目を作ることが回避され、手術時に吊り結び目101をロックするだけで結び目の作りを完了することができ、これにより、手術時間が短縮され、手術効率が向上する。
【0030】
実施例2
図2、
図3、
図4及び
図5を参照すると、再利用によるコスト削減と簡単な組み立てという目的を達成するため、供給チューブとロックチューブパイプは、取り外し可能な構造として設けられてもよく、具体的には、
供給チューブ3は、直管部301とガイド部302とを含み、ガイド部302の一端が直管部301にネジ接続されるため、操作者は、供給チューブ3を取り外し、結紮糸1を固定することが容易になり、ロックチューブ4は、固定部401と取り外し部402とを含み、取り外し部402の一端が固定部401にネジ接続されるため、ロックチューブ4を取り外して結紮糸1の他端を固定することが容易になり、
ここで、結紮糸1は、ガイド部302を貫通する一端が第1フック7の表面に結び付けられ、取り外し部402を貫通する一端が第2フック11の表面に結び付けられ、これにより、使用するたびに異なる結紮糸を交換することが容易になり、
具体的には、使用する際に、操作者は、結紮糸1を交換するとき、ガイド部302を直管部301からネジで取り外し、同時に取り外し部402を固定部401からネジで取り外し、操作者は、結紮糸1を第1フック7に巻き付けて結び、固定し、結紮糸1の中間部を巻き付けて吊り結び目101を形成し、スリーブ部14に掛け、結紮糸1の他端を吊り結び目101に挿通させて第2フック11に結び、固定する。
【0031】
上記は、本発明の好ましい実施形態だけであるが、本発明の保護範囲は、これに限定されず、技術分野に精通した当業者であれば、本発明で開示される技術的範囲内で、本発明の技術的解決手段及び発明概念に基づいて行われる同等の置換又は変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。本明細書の説明では、「接続」、「取り付け」、「固定」、「設ける」などの用語は、広義に理解され、例えば、「接続」は、固定接続であってもよく、又は部材間の関係及び技術的効果に影響を与えることなく中間コンポーネントを介して間接的に実行されてもよく、一体的な接続又は部分的な接続であってもよく、この例の場合と同様に、当業者は、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左心耳結紮器であって、
結紮糸(1)と操作ハンドル(2)とを備え、前記操作ハンドル(2)の一端に支持部が固定接続され、前記支持部の内壁に供給チューブ(3)とロックチューブ(4)が固定接続され、前記供給チューブ(3)の内壁に第1スライド溝(5)が開設され、前記第1スライド溝(5)の内壁に第1スライドブロック(6)がスライド可能に接続され、前記第1スライドブロック(6)の中間部に供給用プッシュロッド(8)が固定接続され、前記供給用プッシュロッド(8)の一端に第1フック(7)が固定接続され、前記第1スライドブロック(6)の一方側にリターンスプリング(9)が固定接続され、前記ロックチューブ(4)の内壁に第2スライド溝が開設され、前記第2スライド溝に第2スライドブロック(10)がスライド可能に接続され、前記第2スライドブロック(10)の一端に第2フック(11)が固定接続され、前記第2フック(11)の他方側にロック用プッシュロッド(12)が固定接続され、前記ロックチューブ(4)において、前記第2スライド溝に隣接する前記内壁にスライドキャビティが開設され、前記スライドキャビティには、支持アセンブリが挿入され、前記結紮糸(1)の一端が前記結紮糸(1)の中間部に巻き付けられて吊り結び目(101)が形成され、前記結紮糸(1)の先端がループを形成するように囲まれ、前記ループは、前記支持アセンブリの外壁の一端に設けられ
、
前記供給チューブ(3)は、直管部(301)とガイド部(302)とを含み、前記ガイド部(302)の一端は、前記直管部(301)にネジ接続され、前記ロックチューブ(4)は、固定部(401)と取り外し部(402)とを含み、前記取り外し部(402)の一端は、前記固定部(401)にネジ接続され、
前記結紮糸(1)は、前記ガイド部(302)を貫通する一端が前記第1フック(7)の表面に結び付けられ、前記取り外し部(402)を貫通する一端が前記第2フック(11)の表面に結び付けられることを特徴とする、左心耳結紮器。
【請求項2】
前記支持アセンブリは、前記スライドキャビティに挿入された支持ロッド(13)を含み、前記支持ロッド(13)の一端にスリーブ部(14)が固定接続され、前記スリーブ部(14)の中間部には、前記結紮糸(1)を通すためのガイド穴(15)が設けられ、前記スリーブ部(14)の外壁には、前記結紮糸(1)に適合した一時収容溝が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の左心耳結紮器。
【請求項3】
前記操作ハンドル(2)は、固定ハンドル(201)を含み、前記固定ハンドル(201)の内壁には、グリップ(202)が回転軸によって回転可能に接続され、前記グリップ(202)の上部には、前記供給用プッシュロッド(8)に適合したプッシュプレートが設けられ、前記供給用プッシュロッド(8)の一端は、前記プッシュプレートの側壁に押し当てられることを特徴とする、請求項
2に記載の左心耳結紮器。
【請求項4】
前記支持ロッド(13)の一端と前記ロック用プッシュロッド(12)の一端の両方には、プッシュボタン(16)が固定接続され、前記固定ハンドル(201)の上面には、前記プッシュボタン(16)に適合した水平スライド溝が開設され、前記プッシュボタン(16)は、前記水平スライド溝の内壁にスライド可能に接続されることを特徴とする、請求項
3に記載の左心耳結紮器。
【請求項5】
前記固定ハンドル(201)の前記内壁の上部には、緩衝スプリング(17)が固定接続され、前記緩衝スプリング(17)の一端は、その中の1つの前記プッシュボタン(16)に固定接続されることを特徴とする、請求項
4に記載の左心耳結紮器。
【国際調査報告】