(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】アブレーション用カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543201
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 CN2022128641
(87)【国際公開番号】W WO2023142567
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202210102213.X
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524271999
【氏名又は名称】四川錦江電子医療器械科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN JINJIANG ELECTRONIC MEDICAL DEVICE TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.5, Wuke Dongsan Road, Wuhou District Chengdu, Sichuan 610045 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】朱 曉林
(72)【発明者】
【氏名】史 天才
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK12
4C160KK38
4C160MM33
4C160NN01
4C160NN11
(57)【要約】
アブレーション用カテーテルは環状遠位端(1)を有する。環状遠位端(1)は弧状を呈する末端管体(3)を含む。アブレーション用カテーテルにおいて、末端管体(3)の弧状延在方向に沿って間隔をおいて複数の電極対(2)を配置する。複数の電極対(2)はそれぞれ末端管体(3)に取り巻く。それぞれの電極対(2)は二つの環状電極(11、12)を含み、それぞれの環状電極(11、12)はすべて末端管体(3)に取り巻く。前記電極対の設計はアブレーション有効性と安全性を保証する前提で、環状遠位端(1)直径の調整に更に便利で、同時に電極対(2)は電気生理学的信号の採集に用いて更に精確で、電極間隔が大きすぎて電気信号変化の判断に影響することを避ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーション用カテーテルであって、
環状遠位端(1)を有し、前記環状遠位端(1)は弧状を呈する末端管体(3)を含み、
前記末端管体の弧状延在方向に沿って間隔をおいて複数の電極対(2)が配置され、前記複数の電極対(2)がそれぞれ末端管体(3)を取り巻く、ことを特徴とするアブレーション用カテーテル。
【請求項2】
前記電極対(2)の数は2N+1であり、Nは正の整数である、ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記各電極対(2)は、末端管体(3)を取り巻く2つの環状電極(11、12)を含み、各環状電極の末端管体の弧状延在方向の幅はLであり、一つの電極対における2つの環状電極の間隔はdであり、隣接する電極対の間の間隔はDであり、各環状電極の直径はSであり、以下の条件を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
[数1]
S>D=(2×L+d)×k,
ここで、kは補正係数であり、kは0.7~1.4の間の値である。
【請求項4】
Lは0.50~1.5ミリメートルの値であり、dは1~3ミリメートルの値であり、Dは3~6ミリメートルの値である、ことを特徴とする請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記環状電極は、螺旋電極である、ことを特徴とする請求項3に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記螺旋電極は、電極リード線を巻いたものである、ことを特徴とする請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記螺旋電極は、環状電極を切断して螺旋状にした電極である、ことを特徴とする請求項5に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記カテーテルは、パルス電界アブレーション用カテーテルであり、パルスアブレーションエネルギーをアブレーションを予定する部位に伝達及び放出するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記カテーテルは、心臓及びその周辺組織のアブレーション用である、ことを特徴とする請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
パルス電界アブレーション用の場合、各電極対のうちの二つの電極の極性は同じであり、これは一つの電極に電圧を印加することと同等であり、隣接する電極対の極性は逆である、ことを特徴とする請求項8に記載のカテーテル。
【請求項11】
電気生理学的測定用の場合、各電極対のうちの二つの電極は、それぞれ独立して電気生理学的信号を収集するために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記各電極対に印加される電圧の振幅は、1000~4000Vである、ことを特徴とする請求項10に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記電極対(2)の下方には、位置決めセンサー(131、132)が配置され、前記末端管体(3)の内部に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記位置決めセンサー(131、132)の末端管体の弧状延在方向における長さは、前記電極対(2)の末端管体の弧状延在方向における幅と等しい、ことを特徴とする請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記位置決めセンサー(131、132)の末端管体の弧状延在方向における長さは、前記電極対中の二つの環状電極それぞれの末端管体の弧形延伸方向における幅及びその間隔の和と等しい、ことを特徴とする請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記位置決めセンサーは第一位置決めセンサー(131)と第二位置決めセンサー(132)を含み、前記第一位置決めセンサー(131)は環状遠位端の先端からの第一電極対の下方に配置され、前記第二位置決めセンサー(132)は環状遠位端の中間位置の電極対の下方に配置される、ことを特徴とする請求項13に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記環状遠位端の環状直径は収縮可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記環状遠位端は、自然状態において螺旋状を呈し、環状直径は20~35ミリメートルであり、前記環状遠位端の先端と末端との間は分離され、前記分離の距離は円環周囲長の1/5~1/4である、ことを特徴とする請求項17に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記環状遠位端が最小に収縮したとき、前記環状直径は12~15ミリメートルであり、前記環状遠位端は環状断面において閉鎖された円環を呈し、前記環状遠位端の先端と末端上の電極対は重なり合わない、ことを特徴とする請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記末端管体(3)の一端は自由端であり、前記環状遠位端(1)の先端に位置し、前記自由端に損傷防止先端(8)を有し、前記末端管体(3)の他端は固定端であり、前記カテーテルは更に、
その一端が前記末端管体(3)の固定端に接続される末端硬質管(4)と、
その一端が前記末端硬質管(4)の他端に接続される遠位端管体(5)と、
その一端が前記遠位端管体(5)の他端に接続される近位端管体(6)と、
その一端が前記近位端管体(6)の他端に接続されるハンドルアセンブリ(15)と、
前記ハンドルアセンブリ(15)の他端に接続されるコネクタ(18、19)と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項21】
支持部材(7)は、前記末端管体(3)と前記末端硬質管(4)の内部を貫通して配置され、記憶合金材で製造され、
収縮ロープ(9)は、支持部材(7)の環状内側に配置され、その一端が前記支持部材(7)の一端と共に前記損傷防止先端(8)に固定され、
ここで、前記収縮ロープ(9)は収縮する時に、前記支持部材(7)を牽引して変形させ、前記環状遠位端(1)の直径を調整する、ことを特徴とする請求項20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記カテーテルは、前記支持部材(7)と前記収縮ロープ(9)の外部を包む保護管(10)を更に含む、ことを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記ハンドルアセンブリ(15)にノブ(17)を有し、前記ノブ(17)は、回転によって収縮ロープ(9)の収縮と回復を制御するように設定される、ことを特徴とする請求項21に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記保護管(10)の外周に位置決めセンサー(131、132)が固定され、前記位置決めセンサー(131、132)は円筒構造であり、前記保護管は前記円筒構造の中心を貫通する、ことを特徴とする請求項22に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記位置決めセンサー(131、132)と前記保護管(10)とをシース管(14)で固定する、ことを特徴とする請求項24に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記カテーテルは、更に以下を含み、
前記ハンドルアセンブリ(15)と前記近位端管体(6)との間に配置されるプッシュボタン(16)であって、前記プッシュボタン(15)が前記遠位端管体(5)内に配置される牽引アセンブリ(42)の一端に接続され、前記牽引アセンブリ(42)の他端が前記末端硬質管(4)に接続され、前記プッシュボタン(16)を押して前記牽引アセンブリ(42)の緩締を制御することにより、前記遠位端管体(5)の曲げを実現する、ことを特徴とする請求項20に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記牽引アセンブリ(42)は前記遠位端管体(5)内の側辺に配置される、ことを特徴とする請求項26に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記末端硬質管(4)に位置決め電極(41)が配置され、前記末端硬質管(4)内部に第三位置決めセンサー(133)が配置される、ことを特徴とする請求項20に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記コネクタ(18、19)は、
第一ケーブルを介して位置決めセンサー(131、132、133)に接続され、位置決め情報を伝送するように構成される第一コネクタ(18)と、
第二ケーブルを介してそれぞれ各電極対上の環状電極と接続し、アブレーションエネルギーを伝送するように構成される第二コネクタ(19)と、を含むことを特徴とする請求項20に記載のカテーテル。
【請求項30】
請求項1に記載のアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御する方法であって、
前記アブレーション用カテーテルは、心臓及びその周辺組織のアブレーションに用いられるパルス電界アブレーション用カテーテルであり、
カテーテルのアブレーションモードにおいて、各電極対中の2つの電極に極性が同じ電界エネルギーを伝送し、電極対中の2つの電極を一つの電極と同等のものとして対応する組織に電圧を印加し、隣接する電極対に極性が相反の電界エネルギーを伝送し、パルス電界アブレーション機能を実現し、及び、
カテーテルの測定モードで、それぞれの電極対中の二つの電極によってそれぞれ独立に電気生理学的信号を採集し、電気生理学的測定機能を実現する、ことを特徴とする、請求項1に記載のアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御する方法。
【請求項31】
コンピュータ読み取り可能な媒体であって
プロセッサによって実行できる命令を記憶し、
前記命令がプロセッサによって実行される時に、プロセッサに請求項30に記載のアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御する方法を実行させる、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気生理アブレーション分野に関し、更に具体的には直径調節可能な環状遠位端を有するアブレーション用カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来臨床で心房細動などの不整脈の治療によく用いられる方式は、高周波(RF)アブレーション(radiofrequency ablation)と冷凍アブレーションの2種類である。アブレーションの成功は、主に手術過程中に生じた損傷の質と適切性に依存する。損傷は不整脈を引き起こす組織を破壊するか、又は心筋組織内の異常な電気伝導を十分に妨害又は隔離するものでなければならない。しかし、過度のアブレーションは周囲の健康な組織や神経組織に影響を与える。高周波アブレーションの欠点はアブレーション手術時間が比較的長く、術者のカテーテル操作レベルに対する要求が比較的高いこと、熱損傷であるため、アブレーション時に痛みを伴い、術後に肺静脈狭窄の問題が発生しやすいことである。高周波エネルギーを標的組織に加えると、非標的組織に影響を与え、高周波エネルギーを心房壁組織に加えると食道又は横隔神経の損傷を引き起こす可能性があり、その他に高周波アブレーションは組織にかさぶたが発生するリスクがあり、これにより栓塞の問題を引き起こす。冷凍アブレーションについては、冷凍バルーンと肺静脈が緊密に貼られていれば、1回又は数回で環状アブレーション隔離を完成でき、患者は痛みを感じることなく、手術時間を短縮できるが、冷凍アブレーションの横隔神経に対する損傷率は比較的高い。
【0003】
パルス電界技術を利用すると、組織に短時間の高電圧を加え、1センチ当たり数百ボルトの局部高電界を生成できる。局部高電界は細胞膜に孔を生成することによって細胞膜を破壊する(細胞膜は変化し「浸透する」現象がおきる)。組織細胞ごとに電圧透過に対する閾値が異なるため、パルス電界技術を利用すると心筋細胞(閾値が比較的低い)を選択的に処理でき、他の非標的細胞組織(例えば神経、食道、血管、血液細胞など)に影響を与えない。同時に、エネルギーを放出する時間が極めて短いため、パルス技術は熱効果を生じず、組織のかさぶた化や、肺静脈狭窄などの問題を回避する。
【0004】
しかし高圧パルスの電圧は比較的高く、電極間のエネルギーが過度に集中し、安全上の事故が発生しやすくなることを回避する必要があり、電極の絶縁やカテーテル内部の絶縁を強化する必要がある。高圧パルスでアブレーションを行う従来のアブレーション用カテーテルでは、電極間に電離を生じやすく、しかも高圧パルスでのアブレーション時間は短く、更に精確な位置決めが必要である。
【0005】
心房細動(AF)はよく見られる持続性不整脈であり、人類の健康を深刻に危険にさらし、生活の質に影響を与える。心房細動において肺静脈が最もよく見られる局部病巣となる理由は、肺静脈心筋スリーブ(myocardial sleeve)の存在によるものである。肺静脈の内膜と外膜の間に心筋細胞のコロニーがあり、心房側から肺側へ袖状に肺静脈を巻いており、心筋スリーブと呼ばれる。心筋スリーブを形成する細胞は心房筋とは起源が異なり、電気生理学的特性も異なるため、異常興奮性基質が形成される。肺静脈周囲の心房筋も肺静脈と同様にAFのトリガー又はAFを維持する不整脈基質を含むため、アブレーション隔離時に肺静脈周囲の心筋組織がアブレーションされることがある。
【0006】
従来の一般的な方式は点順次式で肺静脈前庭を点アブレーションして環状分離帯を形成するため、この方式は手術時間が長く、患者と医者に多大な負担を与え、かつ再発につながる漏れ点が発生することがよくあり、そのため一回で迅速に肺静脈前庭をアブレーション隔離できるカテーテルを早急に設計する必要がある。
【0007】
従来既知の環状電極カテーテルは形状と寸法が固定された形式であり、異なる腔道寸法の構造組織に対して、良好な突き当てと操作を実現できない。
【0008】
そのため、環状遠位端を有するアブレーション用カテーテルが必要であり、前記環状遠位端は直径が調節可能な性能を有し、異なる組織構造に適応し良好な突き当てができ、アブレーション放電時に閉じた環状アブレーション帯を形成できる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は環状遠位端を有するアブレーション用カテーテルを提供する。一方では、環状遠位端の直径は調節可能であり、異なる組織構造に適応し且つ良好な突き当てを実現する。他方では、環状遠位端に電極対を配置し、環状遠位端の直径調整による変形収縮に適応する。かつ、電極対中の環状電極はアブレーションモードで対になって作用し、測定モードで単独に作用する。
【0010】
本発明の第一の態様では、アブレーション用カテーテルを提供する。前記アブレーション用カテーテルは環状遠位端を有し、前記環状遠位端は弧状を呈する末端管体を含む。前記末端管体の弧状の延在方向に沿って間隔を置いて複数の電極対が配置され、前記複数の電極対はそれぞれ末端管体を取り巻く。
【0011】
好ましくは、電極対の数量は2N+1であり、ここで、Nは正整数である。
【0012】
本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルにおいて、それぞれの電極対は末端管体を取り巻く二つの環状電極を含み、それぞれの環状電極の末端管体の弧状延在方向の幅はLである。一つの電極対の中の二つの環状電極の間隔はdであり、隣接する電極対の間の間隔はDであり、それぞれの環電極の直径はSであり、S>D=(2×L+d)×kであり、ここで、kは補正係数であり、且つkは0.7~1.4の間の値である。
【0013】
好ましくは、Lは0.50~1.5ミリメートルの値であり、dは1~3ミリメートルの値であり、Dは3~6ミリメートルの値である。
【0014】
好ましくは、前記環状電極は螺旋電極でもよい。前記螺旋電極は電極リード線を巻いて形成されてもよく、環状電極を切断して螺旋形態の電極にしてもよい。
【0015】
好ましくは、前記カテーテルはパルス電界アブレーション用カテーテルであり、パルスアブレーションエネルギーをアブレーション予定部位に伝達と放出するのに用いる。
【0016】
好ましくは、前記カテーテルは心臓及びその周辺組織のアブレーションに用いる。
【0017】
パルス電界アブレーションに用いる時は、各電極対中の二つの電極の極性は同じであり、これは一つの電極に電圧を印加することと同等であり、且つ隣接する電極対の極性は逆である。
【0018】
電気生理学的測定に用いる時は、各電極対中の二つの電極はそれぞれ独立に電気生理学的信号を採集するために用いられる。
【0019】
好ましくは、各電極対に印加される電圧の振幅は、1000~4000Vである。
【0020】
本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルにおいて、前記電極対の下方に位置決めセンサーを配置し、前記末端管体の内部に位置する。
【0021】
好ましくは、位置決めセンサーの末端管体の弧形延伸方向における長さは、前記電極対の末端管体の弧形延伸方向における幅と等しい。具体的に、位置決めセンサーの末端管体の弧形延伸方向における長さは、前記電極対の中の二つの環電極それぞれの末端管体での弧形延伸方向における幅及びその間隔の和と等しい。
【0022】
好ましくは、前記位置決めセンサーは第一位置決めセンサーと第二位置決めセンサーを含む。前記第一位置決めセンサーは環状遠位端の先端からの第一電極対の下方に配置される。前記第二位置決めセンサーは環状遠位端の中間位置の電極対の下方に配置される。
【0023】
本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルにおいて、前記環状遠位端の環状直径は収縮できる。
【0024】
自然状態で、前記環状遠位端は螺旋状を呈することができ、環状直径は20~35ミリメートルである。前記環状遠位端の先端と末端の間は分離し、前記分離の距離は円環周囲長の1/5~1/4である。
【0025】
前記環状遠位端が最小に収縮する時に、前記環状直径は12~15ミリメートルである。前記環状遠位端は環状断面において閉鎖された円環を呈し、且つ前記環状遠位端の先端と末端の電極対は重なり合わない。
【0026】
本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルにおいて、前記末端管体の片端は自由端で、前記環状遠位端の先端に位置する。前記自由端は損傷防止先端を有する。前記末端管体の他端は固定端である。前記カテーテルは更に以下を含むことができる。末端硬質管であって、その片端は前記末端管体の固定端に接続する。遠位端管体であって、その片端は前記末端硬質管の他端に接続する。近位端管体であって、その片端は前記遠位端管体の他端に接続する。ハンドルアセンブリであって、その片端は前記近位端管体の他端に接続する。コネクタであって、それは前記ハンドルアセンブリの他端に接続する。
【0027】
好ましくは、前記カテーテルは更に以下を含む。支持部材であって、前記末端管体と前記末端硬質管内部を貫通して配置し、記憶合金材で製造する。収縮ロープであって、前記支持部材の環状内側に配置され、その片端は前記支持部材の片端と共に前記損傷防止先端に固定する。前記収縮ロープが収縮する時に前記支持部材を牽引して変形させ、前記環状遠位端の直径を調整する。
【0028】
好ましくは、前記カテーテルは更に保護管を含み、前記支持部材と前記収縮ロープの外部を包む。
【0029】
好ましくは、前記ハンドルアセンブリにノブを有する。前記ノブは回転によって収縮ロープの収縮と回復を制御するように設置される。
【0030】
好ましくは、前記保護管の外周に位置決めセンサーを固定し、前記位置決めセンサーは円柱体構造であり、前記保護管は前記円柱体構造の中心を貫通する。
【0031】
好ましくは、前記位置決めセンサーと前記保護管をシース管で固定する。
【0032】
好ましくは、本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルは、更にプッシュボタンを含むことができ、前記ハンドルアセンブリと前記近位端管体の間に配置する。前記プッシュボタンは、前記遠位端管体内に配置される牽引アセンブリの片端に接続され、前記牽引アセンブリの他端は前記末端硬質管に接続され、前記プッシュボタンを押して前記牽引アセンブリの緩締を制御でき、前記遠位端管体の曲げを実現する。
【0033】
好ましくは、前記牽引アセンブリは前記遠位端管体内の側辺に配置される。
【0034】
本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルにおいて、前記末端硬質管に位置決め電極を設置でき、前記末端硬質管内部に第三位置決めセンサーを設置できる。
【0035】
本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテルにおいて、前記コネクタは以下を含む。第一コネクタであって、それは第一ケーブルによって位置決めセンサーと接続し、位置決め情報を伝送するように配置される。第二コネクタであって、それは第二ケーブルによってそれぞれ各電極対上の環状電極と接続し、アブレーションエネルギーを伝送するように配置される。
【0036】
本発明の第二の態様によって、本発明の第一の態様によるアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御する方法を提供する。前記アブレーション用カテーテルは心臓とその周辺組織のアブレーションに用いるパルス電界アブレーション用カテーテルである。前記方法は以下を含む。カテーテルのアブレーションモードで、それぞれの電極対中の二つの電極に極性が同じ電界エネルギーを伝送し、電極対中の二つの電極を一つの電極と同等のものとして、電圧を対応する組織に加え、隣接の電極対に極性が相反する電界エネルギーを伝送し、パルス電界アブレーション機能を実現する。またカテーテルの測定モードで、それぞれの電極対中の二つの電極によってそれぞれ独立に電気生理学的信号を採集し、電気生理学的測定機能を実現する。
【0037】
本発明の第三の態様によって、コンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、それにプロセッサが実行できる指令を記憶し、前記指令はプロセッサに実行される時に、プロセッサに本発明の第二の態様のアブレーション用カテーテルの電極対の機能を制御する方法を実行させる。
【0038】
前文ですでに言及したとおり、従来の固定直径の環状パルスアブレーション用カテーテルは腔道構造に対して良好な突き当てを実現できない。直径が大きすぎ、腔道構造に進入できない。直径が小さすぎ、腔道構造に対して良好な突き当てを実現できなく、これによってアブレーションの効率と効果に影響する。それと同時に、パルス電界アブレーションは、電界が集中しすぎて安全リスクを引き起こすことを避ける必要があるため、単一電極面積が大きい(電極の長さ又は幅の寸法はできるだけ大きい)必要があり、環状カテーテル構造では直径が調整可能である必要がある。電極面積が大きく、電極長さ又は幅寸法がもっと大きい場合は環状直径の調整に適用しない。可変直径は環状部の形状に対して圧縮変化を行う必要があるため、電極寸法が大きすぎると環状カテーテルの局部剛性部の長さが増加し、環状カテーテルを変形収縮させにくい。
【0039】
パルス電界アブレーションの安全性を保証するために、パルスアブレーションに使用する電極間隔は一般的に比較的大きく設計される。しかし、大きすぎる電極間隔は電気生理学的信号を採集する時に他の妨害信号を導入しやすく、局部の電気信号を精確に採集できなく、手術者の分析判断に影響しやすく、手術効率に影響する。電気生理学的信号の測定には更に微小な電極とより小さな電極間隔が望ましく、これにより精確な測定が実現される。
【0040】
これらを考慮することによって、本発明は電極対を採用することを提案する。このように、アブレーション電極に用いる時に、一対の電極を一つの電極と同等に作用させられる。測定電極に用いる時は、電極対中の二つの電極をそれぞれ独立に使用する。電極対の設計はアブレーション有効性と安全性を保証する前提の下で、環状遠位端直径の調整に更に便利であり、同時に電極対は電気生理学的信号の採集に更に精確であり、電極間隔が大きすぎて電気信号の変化判断に影響することを回避する。
【0041】
位置決めセンサーは環状カテーテルに対する位置決めと形態表示の実現に役立つ。直径を調整できる環状部は大幅な圧縮変形を行う必要があるため、従来の通常の位置決めセンサーの剛性は比較的大きく、環状部の変形に従って変形しにくい。しかし位置決めセンサーがなければ、環状パルスカテーテルは極めて高い安全リスクを有し、異なる極性の電極が重ね合わせを発生すると点火問題が発生し、点火は心臓組織を焼損する。
【0042】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、自由に変形できかつ性能に影響しない位置決めセンサーの設置方式を提案し、カテーテルの直径を調整できる環状部に適用する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、以下の詳細な説明及び添付図面との関連によってより完全に理解され得る。ここで、類似の要素は類似の方法で番号が付けられる。
【
図1】本発明に係るアブレーション用カテーテルの全体概略図である。
【
図3】環状遠位端の自然状態における電極対の配置概略図である。
【
図4】遠位端管体の牽引アセンブリの配置概略図である。
【
図6】環状遠位端の収縮状態における電極対配置の概略図である。
【
図9】環状遠位端における位置決めセンサーの配置概略図である。
【
図14】遠位端管体の折り曲げ効果の概略図である。
【
図15】環状遠位端の収縮制御アセンブリの内部概略図である。
【
図16】本発明の実施形態の応用例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態の他の応用例を示す図である。
【
図18】本発明のアブレーション用カテーテルによる電界エネルギー放出時の電界分布の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下では、実施形態を用い、添付図面と併せて本発明の技術的解決手段を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0045】
アブレーション用カテーテル
図1は、本発明によるアブレーション用カテーテルの全体概略図である。
図1に示すように、本発明によるアブレーション用カテーテルは全体構造において遠位端から近位端まで順次に、環状遠位端1、末端硬質管4、遠位端管体5、近位端管体6、ハンドルアセンブリ15、コネクタ18とコネクタ19を含む。環状遠位端1はカテーテルの最遠位端に配置される。末端硬質管4は環状遠位端1と遠位端管体5を接続するのに用いる。末端硬質管4は材質硬度が高いポリエーテルエーテルケトン高分子材料を優先的に選択する。遠位端管体5は近位端管体6と末端硬質管4の間に配置される。遠位端管体5はハンドルアセンブリ15の操作の下に曲げられ、環状遠位端1を所望の部位に到達させるのに用いる。近位端管体6は遠位端管体5とハンドルアセンブリ15を接続するのに用いる。
図1に示すアブレーション用カテーテルのコネクタは少なくとも二種類のコネクタを含む。つまりコネクタ18はカテーテルと装置の間に位置情報を伝送するのに用いる。コネクタ19はカテーテルと装置の間にアブレーションエネルギーを伝送するのに用いる。
【0046】
図1に示すアブレーション用カテーテルは、また近位端管体6とハンドルアセンブリ15の間のプッシュボタン16、及びハンドルアセンブリ15上のノブ17を含む。
【0047】
本開示の表現では、「遠位端」及び「近位端」はカテーテル操作者に関するものであり、例えば、遠位端はアブレーション対象組織により近い一端であってもよく、近位端はカテーテル操作者により近い一端であってもよい。更に、「先端」及び「末端」は、一般に自由端及び固定端(又は「接続端」)を意味する。
【0048】
本発明によるアブレーション用カテーテルの一つの好ましい実施形態を形成するために、上述の要素及びコンポーネントが一緒に組み合わされるが、本発明によるアブレーション用カテーテルは、これらの要素及びコンポーネントの全てを含むことに限定されないことを当業者は理解すべきである。
【0049】
環状遠位端の自然状態概略図を
図2に示す。環状遠位端は
図2に示すように、自然状態では外径が20~35mmであり、アルファベットの「C」形の外観を呈する。環状遠位端の先端は損傷防止先端8であり、末端は硬質端であり、先端と末端の間は一定の距離を分離し、この分離距離はほぼ円形構造の1/4~1/5である。環状遠位端は自然状態で螺旋状を呈し、環状遠位端に環状遠位端の形状に応じて弧状を呈する末端管体3を設置する。末端管体3は優先的に高弾性のポリウレタン材料で支持される。末端管体3に複数の電極対2を設置する。本発明の好ましい実施形態では、電極対の数量は2N+1個で、Nは正整数である。各電極対は二つの電極より構成される。例えば、先端(損傷防止先端8)に最も近い最初の電極対は環状電極11と環状電極12からなる。
【0050】
簡単に言うと、本発明によるアブレーション用カテーテルは環状遠位端1を有する。環状遠位端1は弧状の末端管体3を含む。本発明の新機軸は、末端管体の弧状延在方向に沿って間隔をおいて複数の電極対が配置されている点である。これら複数の電極対2は、それぞれ末端管体3を取り巻く。
【0051】
図2はまた、末端硬質管4及びその上に配置された位置決め電極41を示しており、位置決め電極41については後述する。
【0052】
図1と
図2を合わせて分かるように、末端管体3の一端は自由端であり、環状遠位端1の先端に位置する。前記自由端に損傷防止先端8を有する。末端管体3の他端は固定端である。末端硬質管4の一端は末端管体3の固定端に接続する。遠位端管体5の一端は末端硬質管4の他端に接続する。近位端管体6の一端は遠位端管体5の他端に接続する。ハンドルアセンブリ15の一端は近位端管体6の他端に接続する。ハンドルアセンブリ15と近位端管体6の間にプッシュボタン16を設けてもよい。ハンドルアセンブリ15にノブ17を設けてもよい。ハンドルアセンブリ15の他端にコネクタ18、コネクタ19を接続する。
【0053】
図3は、環状遠位端の自然状態における電極対の配置の概略図である。
図3に示すように、例えば、第一電極対111は二つの微細な環状電極から構成される。環状電極は、好ましくは金又は白金電極であり、末端管体の弧状延在方向の寸法(「長さ」又は「幅」と呼ぶことができる)は0.50~1.5ミリメートルである。環状電極間のクリアランスディスタンス(clearance distance)は1~3ミリメートルである。環状電極対の間のクリアランスディスタンスは3~6ミリメートルである。ここで注意すべきことは、ここで採用した電極の幅、間隔などの設計の初志は、環状遠位端の直径が収縮可能であるため、電極の寸法はそれに適応する必要があり、特に末端管体の弧状延在方向の電極の寸法、いわゆる「長さ」又は「幅」は適当である必要があり、寸法が大きすぎると環状遠位端の収縮効果に影響するため、二つの環状電極が一組の電極対になるように設けることである。
【0054】
ここで簡単に言えば、各電極対2は末端管体3に取り巻く二つの環状電極、例えば環状電極11と環状電極12を含み、各環状電極の末端管体の弧状延在方向の幅、同じ電極対中の二つの環状電極の間隔、隣接する電極対の間の間隔は適当な寸法に設定される必要がある。好ましい実施形態では、これらの寸法と各環状電極の直径との間に一定の拘束関係が存在する(以下で詳しく説明する)。
【0055】
本開示では「末端管体の弧状延在方向の寸法」、「間隔」などの用語を使用し、アブレーション対象の心筋組織と接触する環状遠位端の環状又は弧状周囲長における寸法を表し、末端管体又は環状遠位端の管体の太さにおける寸法を表すのではない。当業者は、そのような寸法が「長さ」又は「幅」のいずれかとして記述されることがあり、デフォルトでは、「長さ」又は「幅」のいずれも環状周囲長における寸法を指し、管体の太さにおける寸法を表すのではないことを理解され得る。
【0056】
前述したように、環状遠位端には2N+1個(奇数)の環状電極対が設けられてもよい。
図3に示すように、放電アブレーションでは、第一電極対から第九電極対111~119に正負交互に電圧が印加され、例えば、第一電極対111には正極が、第二電極対112には負極が、順次に印加され、すなわち、隣接する電極対の極性が逆になる。
図3における最後の電極対は第九電極対119であり、その極性は正である。電極対の数は奇数であるため、最末電極対と第一電極対の極性は同じである。例えば、第一電極対111と第九電極対119の極性は共に正である。このように設置する目的は、環状遠位端が収縮する時に、電極が重ね合わせを発生しても、アーク問題が発生しないことを確保し、使用の安全性を保証する。アブレーションモードでは、電極対中の二つの電極は放電アブレーションの時に極性が同じで、一つの電極と同等と見なすことができる。分離式電極対の設計(2つの環状電極で構成されている)は末端管体の剛性を減少でき、環状遠位端寸法の収縮を便利にする。
【0057】
図13に示すように、環状電極は螺旋電極でもよい。螺旋電極は、電極リード線巻き又は環状電極を切断して螺旋形態にした電極である。
【0058】
図3に戻って、環状電極を末端管体3に配置する場合、末端管体の剛性を小さくすることができ、環状遠位端直径の収縮を便利にする。電極対111~119は全て環状で、好ましくは等間隔の形式で、末端管体3に取り巻く。末端管体3は末端硬質管4と接続する。電極材料は白金イリジウム合金、金である。
【0059】
本発明の好ましい実施形態の中に、アブレーション用カテーテルはパルス電界アブレーション用カテーテルであり、パルスアブレーションエネルギーをアブレーションを予定する部位に伝達と放出をすることに用いる。即ち、アブレーション用カテーテルは主に人体組織に高圧パルス電界を加えることによってアブレーションを行うのに用いる。更に具体的には、本発明によるアブレーション用カテーテルは心臓及びその周辺組織のアブレーションに用いることができる。
【0060】
パルス電界アブレーションは電極間に高電圧を負荷して放電アブレーションを行うため、電圧は1000~4000Vであり、そのため、電極表面積は十分に大きい必要があり、さもなくば放電時に局部電界強度が集中しすぎるためアーク現象が生じる。しかし、前記のように、環状遠位端直径の調整可能の問題を考慮する必要があり、そのため、電極は電極対として配置する。単一電極は一定の比較的短い距離の間隔をおいた後にまた一つの電極を設置する。それによって前記二つの電極は電極対を形成でき、放電時に前記1対の電極(電極対)を一つの電極と同等と見なすことができるため、表面積が十分に大きい電極の放電作用を発揮することができる。それと同時に電極寸法が大きすぎるために環状遠位端の直径の調整に影響することもない。
【0061】
一方、電極対における二つの電極の間隔は比較的近く、同時にそれぞれ単独で測定に用いることができる。パルス電界エネルギー出力は比較的高く且つ集中しているため、高電圧が負荷される正負電極間の距離はできるだけ大きいことが要求される。しかし電極間隔が大きすぎると、採集する電気生理学的信号の範囲が大きくなりすぎ、局部アブレーション効果の判断に影響する。このため、アブレーションが完了した後は、電極対中の二つの間隔が比較的近い電極を使用して電気生理学的信号の採集を行うことで、電気生理学的信号の判断が更に精確となる。局部電気信号を更に精細に判断できる。大きすぎる電極間隔を回避し、広範囲の電気生理学的信号を導入してアブレーション効果の判断に影響を与えることを回避する。
【0062】
このため、簡単に言えば、パルス電界アブレーションに用いる時、アブレーション用カテーテルはアブレーションモードにあり、それぞれの電極対中の二つの電極の極性は同じで、これによって一つの電極に電圧を加えることと同等になり、これによってアブレーションする時に一つの表面積が十分に大きい電極の放電としての作用を果たす。同時に、隣接の電極対の極性は相反である。
【0063】
一方、電気生理学的測定に用いる時に、アブレーション用カテーテルは測定モードにあり、それぞれの電極対中の二つの電極はそれぞれ作用を発揮し、即ちそれぞれ独立に電気生理学的信号を採集することに用いられ、二つの間隔が比較的近い電極の作用を果たす。
【0064】
図4は遠位端管体の牽引アセンブリ配置の概略図である。
図4に示すように、環状遠位端1は末端硬質管4に配置される。末端管体3は、近位端方向に近く曲げられていない部分で末端硬質管4と接続する。末端硬質管4の内部に牽引アセンブリ42が配置される。牽引アセンブリ42は末端硬質管4に固定される。ハンドルアセンブリ15と近位端管体6の間のプッシュボタン16の制御下で遠位端管体5の曲げ(
図14参照)を実現できる。末端硬質管4に位置決め電極41を設置し、位置決めセンサー(例えば、後述する位置決めセンサー131,132,133)の位置決めに合わせるために用いる。
【0065】
図5は、環状遠位端の収縮状態概略図である。
図6は、環状遠位端の収縮状態における電極対の配置概略図である。
図10は、環状遠位端の引張側面概略図である。
図15は、環状遠位端の収縮制御アセンブリの内部概略図である。
【0066】
前述のように、ハンドルアセンブリ15上にノブ17を有してもよい。ノブ17を回転することによって、収縮ロープの収縮と回復を制御でき、環状遠位端の環状直径の変化を実現する。
【0067】
図5,6,10,15を参照し、より具体的には
図15に示すように、ハンドルアセンブリ15上のノブ17を操作すると、スライドブロック171は、収縮ロープ9を動かして移動する。収縮ロープ9は、スライドブロック171と固定されている。回転コア軸172の内部に雌ねじが設けられ、スライドブロック171上の雄ねじと嵌合する。時計回りにノブ17時を回転する時、ノブ17は回転コア軸172を駆動して回転させ、回転コア軸172はスライドブロック171を後ろに移動させ、収縮ロープ9を引き、更に環状遠位端1の収縮を実現する。反時計回りにノブ17を回転する時、収縮ロープ9は回復し、環状遠位端1の直径は増大又は回復を実現する。
【0068】
前述したように、自然状態では、環状遠位端は螺旋状環状を呈し、環状直径は20~35ミリメートルである。環状遠位端1の先端と末端の間は分離し、前記分離の距離は円環周囲長の1/5~1/4である。
図5,6,10に示すように、環状遠位端1が最小に収縮する時、末端管体3上の先端と末端にある二つの電極対111と電極対119では重なり合わせが発生せず、更に安全性を増加する。環状遠位端直径が最小に収縮する時、環状遠位端1は環状断面において閉鎖した円環を呈し、環状直径は12~15ミリメートルであり、先端と末端の電極対では重なり合わせを発生しない。
図5と
図10に末端管体3と電極対(例:111及び119)の他に、末端硬質管4又はその一部を示す。
【0069】
本発明によるアブレーション用カテーテルは、末端管体と末端硬質管内部を貫通して配置される支持部材、及び支持部材の環状内側に設置される収縮ロープを更に含む。収縮ロープの一端は支持部材の一端と共に損傷防止先端に固定される。収縮ロープは収縮時に支持部材を牽引して変形させ、環状遠位端の環状直径を調整する。
【0070】
支持部材の概略図を
図7に示す。支持部材7は環状形である。環状遠位端の形状は主に支持部材の形状によって決定される。支持部材の材料は高弾性を有する記憶合金材であり、例えばニッケルチタン合金(NiTi)など、外界の力を除去した後に瞬時に元の形状を回復できる。好ましい実施形態の中では、支持部材先端71と支持部材近位端72の直径は一致しない。環状遠位端の直径調整可能の機能を実現するために、支持部材先端71の直径は支持部材近位端72の直径より小さく、且つ先端から近位端まで、直径は漸進的に増大する。環状遠位端1の収縮を実現するために、収縮ロープ9の作用下で、環状遠位端1は収縮するが、先端剛性が大きすぎると、先端変形及び収縮を実現できない。このため先端直径は近位端より小さく、且つ順次に漸進的に増大し、先端直径は近位端直径の1/3~4/5である。収縮ロープ9の材質は、好ましくは可撓性で且つ比較的高い引張強度を有するステンレス鋼ワイヤロープであり、直径は0.10~0.15ミリメートルである。柔軟な収縮ロープ9は環状遠位端1の剛性増加を引き起こすことなく、リングの正常な変形に影響を与えることも回避される。収縮ロープ9はポリエチレンロープ(PEロープ)であってもよく、柔らかく、より高い引張強度を有する。収縮ロープ9については、以下で更に詳細に説明する。
【0071】
図8は、環状遠位端の内部概略図である。
図9は、環状遠位端の中の位置決めセンサーの配置概略図である。
図11は、環状遠位端の先端断面概略図である。
【0072】
図8に示すように、支持部材7の環状内側には収縮ロープ9が設けられており、収縮ロープ9によって支持部材7を変形させ、これにより環状遠位端1の直径を変化させることができる。すなわち、環状遠位端1の環状直径を収縮させることができる。支持部材7と収縮ロープ9は共に環状遠位端1の先端末端の損傷防止端8内に固定される。
図11に示すように、支持部材7と収縮ロープ9の外部は、保護管10によって覆われている。保護管10は、収縮ロープ9が収縮する時に、末端管体3内部の部材に影響を与えないように保護し、同時に、収縮ロープ9の収縮をより滑らかにする。保護管10の材質は、ポリテトラフルオロエチレン管材であることが好ましい。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、位置決めセンサーが末端管体の内部に位置するように、電極対の下方に位置決めセンサーを設けてもよい。
【0074】
図9に示すように、第一位置決めセンサー131は、環状遠位端1の先端部であって、第一電極対111の下方に配置される。第二位置決めセンサー132は、環状遠位端1の中間位置に配置され、例えば、環状遠位端1の中間位置における電極対の下方、例えば、第六電極対116の下方に配置される。第三位置決めセンサー133は、末端硬質管4の内部に配置される。これらの位置決めセンサーは、位置決め電極41(
図2、
図4)、及び末端管体3上の電極と合わせ、環状遠位端1の形態及び電極の位置関係を表示することができ、電極間の重ね合わせの有無を観察しやすく、電極の安全性をよりよく保証する。磁気位置決め機能によって、最も重ね合わせがおきやすい位置を監視することができ、これにより極端な状況下でのエネルギー出力を制限する。位置決めセンサーの末端管体の弧状延在方向における寸法(例えば、「長さ」と呼ばれる)は、二つの環状電極のそれぞれの寸法(末端管体の弧状延在方向における「長さ」又は「幅」)及びその間隔の和、すなわち一つの電極対の寸法(一つの電極対の末端管体の弧形延伸方向の幅)に等しく、かつ電極対の真下に配置される。このような設計は、環状部剛性の増加を避けるためである。位置決めセンサーは円柱体構造であり、中心は空洞である。これによって、支持部材7は前記円柱体構造の中心を貫通でき、かつ位置決めセンサーを支持部材7に固定することができる。位置決めセンサーは銅リード線の螺旋巻きの円柱体構造であり、自身は一定の弾性を有し、外側の高弾性のポリウレタン材質で保護固定した後、自由に変形できかつ性能に影響を与えない位置決めセンサーを形成し、環状の調整可能な環状リングでの使用に適する。
【0075】
図11に示すように、位置決めセンサーは、それぞれ支持部材7に固定されて設けられる。第一位置決めセンサー131と保護管10(保護管10内の支持部材7、収縮ロープ9を含む)は、その上に安定して固定するためにシース管14で固定される。同様に、第二位置決めセンサー132と保護管10をシース管14で固定してもよい。シース管14の材料は、高弾性を有し、かつ接着に便利な高弾性ポリウレタン管材であることが好ましい。支持部材7、収縮ロープ9及び保護管10は、損傷防止先端8に固定される。
図11の概略では、位置決めセンサー131は、環状遠位端1の先端、第一対の環状電極11及び12の下に配置されている。位置決めセンサー131の末端管体の弧状延長方向の寸法(例えば、「長さ」と呼ばれる)は、二つの環状電極11及び環状電極12の寸法(末端管体の弧状延長方向の「長さ」又は「幅」)及びその間隔、すなわち一つの電極対の寸法に等しく、かつこの一対の電極11及び12環状電極の直下に配置される。
【0076】
図11に示すように、第一位置決めセンサー131は、保護管10の外周に固定されている。第一位置決めセンサー131は中心が空洞の円筒構造であるため、保護管10は第一位置決めセンサー131の円筒構造の中心を貫通することができる。すなわち、支持部材7は、第一位置決めセンサー131の円筒構造の中心を貫通する。
【0077】
同様に、保護管10の外周に第二位置決めセンサー132を固定してもよい。第二位置決めセンサー132は円筒構造であり、中心が空洞であるため、保護管10は第二位置決めセンサー132の円筒構造の中心を貫通することができる。すなわち、支持部材7は、第二位置決めセンサー132の円筒構造の中心を貫通する。
【0078】
図12は遠位端管体断面概略図である。
図14は遠位端管体の曲げ効果概略図である。
【0079】
前述したように、本発明によるアブレーション用カテーテルは、ハンドルアセンブリ15と近位端管体6の間に配置されるプッシュボタン16を更に含むことができる。本発明の好ましい実施形態によれば、プッシュボタン15は遠位端管体5内に配置される牽引アセンブリ42の一端と接続される。牽引アセンブリ42の他端は末端硬質管4と接続される。プッシュボタン16を押すことによって、牽引アセンブリ42の緩締を制御することができ、これによって遠位端管体5の曲げを実現する。
【0080】
図12及び
図14に示すように、プッシュボタン16を押すことで、遠位端管体5の曲げを制御することができ、環状遠位端1が目的の位置に到達するのを助けることができる。
図12に示すように、遠位端管体5は多空洞管構造であり、環状遠位端1の収縮ロープ9は中間空洞に配置される。中間空洞に配置されるので、収縮ロープ9が収縮運動するときに、遠位端管体5の湾曲に影響を与えることなく、遠位端管体5の折り曲げを牽引することもない。牽引アセンブリ42は、中間の収縮ロープ9に影響を与えずに遠位端管体5の曲げを容易にするために、遠位端管体5の側面に配置される。収縮ロープ9は中間にあり、遠位端管体5が曲げられても伸ばされても、収縮ロープ9の相対的な運動を引き起こさない。これにより、環状遠位端1の収縮と遠位端管体5の曲げが相互に干渉する可能性があるという問題が回避される。
【0081】
図14には、
図1と同じ構成要素及び構成コンポーネントが示されており、すなわち、プッシュボタン16、ノブ17に加え、環状遠位端1、末端硬質管4、遠位端管体5、近位端管体6、ハンドルアセンブリ15、コネクタ18及びコネクタ19が含まれている。当業者であれば、上述の構成要素及び構成コンポーネントが組み合わされて、本発明によるアブレーション用カテーテルの一つの好しい実施形態を形成されているが、本発明によるアブレーション用カテーテルは、これらの構成要素及び構成コンポーネントのすべてを含むことに限定されないことを、理解するであろう。
【0082】
また、前述したように、
図1、14に示されるアブレーション用カテーテルのコネクタは、カテーテルと装置との間で位置決め情報を伝送するためのコネクタ18と、カテーテルと装置との間でアブレーションエネルギーを伝送するためのコネクタ19との少なくとも二種類のコネクタを含む。
図11の描写を参照すると、コネクタ18は位置決め情報を伝送するために第一ケーブルを介して位置センサーに接続されていることが分かる。コネクタ19は、第二ケーブルを介して各電極対上の環状電極にそれぞれ接続され、アブレーションエネルギーを伝送する。コネクタ19及び第二ケーブルはまた、アブレーション用カテーテルが測定モードにある間、電気生理学的測定信号を収集するために使用されることができる。
【0083】
応用実施形態
応用実施形態による本発明の環状遠位端の直径可変のアブレーション用カテーテルの具体的な使用を以下に更に詳細に説明する。
【0084】
図16は、本発明の実施形態による応用概略図である。
図17は、本発明の実施形態による別の応用概略図である。
図16及び
図17の応用実施形態では、以下の動作ステップを含むことができる。
ステップ一:
図16に示すように、環状遠位端1の直径を小直径の環状遠位端1に収縮させ、そして腔道構造20に挿入する。
ステップ二:腔道構造20内部に対して電気生理学的信号の測定をし、及び腔道構造20の物理モデルを構築する。
ステップ三:
図17に示すように、環状遠位端1の直径の増大を制御し、電極が腔道構造20にうまく密着するようにする。
ステップ四:放電アブレーションであり、電圧振幅は1000~4000Vである。アブレーション後、電極対内の二つの電極によって電気生理学的信号を採集する。腔道構造20の電気活動が完全に隔離されるまで、電気生理学的信号の変化を比較することによって即時アブレーション効果を確定できる。
【0085】
図18は、本発明のアブレーション用カテーテルによる電界エネルギー放出時の電界分布概略図である。
【0086】
図18に示すように、パルス放電を行うと、アブレーション用カテーテル上のすべての電極が心筋組織21中に連続したアブレーション領域、すなわち図に示す放電による電界領域22を形成する。一般に、心筋アブレーション有効性閾値は400V/CMである。電界領域22では、電圧強度はいずれも400V/CMより大きく、この閾値に達し、この連続領域で有効な心筋アブレーションを行うことができる。電極対の数は2N+1(Nは正の整数)である。各電極対は二つの環状電極からなり、
図18に示すように、電極対の数は9である。第一電極対111及び第九電極対119のいずれも、二つの微細な環状電極からなる。環電極は好ましくは金又は白金電極であり、寸法(末端管体の弧状延長方向の「長さ」又は「幅」)は0.50~1.5ミリメートルである。環電極間のクリアランスディスタンスは1~3ミリメートルであり、環電極対の間のクリアランスディスタンスは3~6ミリメートルである、加えたパルス電界幅値は1000~4000Vである。アブレーション効率を向上するために、電極が放電する時に連続のアブレーション領域を形成し、アブレーション漏れ点を防止する。電極の電界分布と力学的設計に基づいて、電極対の表面積が十分に大きいことを保証し、且つ電極対間の間隔が適当である前提の下で、放電アブレーションの時に連続のアブレーション領域を形成し、且つ環状の調整可能機能を確保し、以下の関係がある。
【0087】
[数1]
(2×L+d)×k=D、且つS>D
【0088】
ここで、Lは環状電極の末端管体弧形延伸方向の幅(「長さ」と呼ばれることもある)であり、dは一つの電極対中の二つの環状電極の間隔であり、Dは隣接の電極対間の間隔であり、Sはそれぞれの環状電極の直径であり、kは修正係数で且つ値が0.7~1.4間である(k=0.7~1.4)。前記のように、好ましい実施形態の中に、Lは値が0.50~1.5ミリメートルであり、dは値が1~3ミリメートルであり、Dは値が3~6ミリメートルである。
【0089】
前記の各種の実施形態の中では、それぞれアブレーション用カテーテルの各種の要素とコンポーネントに言及したが、前記の明細書の中で明確に排除しない限り、又は実践の中で許可されない若しくは実現できない限り、これらの要素とコンポーネントはアブレーション用カテーテルの中で任意に組み合わせ、それによって各自の作用を発揮して相応の機能を実現できることを、当業者は理解すべきである。前記の実施形態又は実施例はいずれも本発明の範囲を制限できない。
【0090】
電極機能制御方法
本発明のアブレーション用カテーテルは、それぞれアブレーションモードと測定モードで使用できるので、相応にアブレーション用カテーテルの電極と電極対を制御でき、それを異なるモードでそれぞれ異なる作用を発揮して異なる機能を実現できる。
【0091】
具体的に言えば、本発明は、本発明の前記アブレーション用カテーテルの電極対の機能を制御することに用いる方法を提案する。アブレーション用カテーテルは、具体的に心臓及びその周辺組織のアブレーションに用いるパルス電界アブレーション用カテーテルである。本発明が提案する方法によれば、カテーテルのアブレーションモードで、それぞれの電極対中の二つの間隔が比較的小さい電極に極性が同じである電界エネルギーを伝送し、電極対中の二つの電極を、寸法又は表面積が比較的大きい一つの電極と同等のものとして相応の組織に電圧を加え、隣接の電極対に極性が相反である電界エネルギーを伝送し、パルス電界アブレーション機能を実現する。一方、カテーテルの測定モードで、それぞれの電極対中の二つの間隔が比較的小さい電極をそれぞれ単独に使用し、即ちそれぞれの電極対中の二つの電極によってそれぞれ独立に電気生理学的信号を採集し、電気生理学的測定機能を実現する。
【0092】
コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品及びコンピュータ読み取り可能な媒体
また、当業者は、本開示の方法がコンピュータプログラムとして実現できることを認識すべきである。上記の方法は、コンピュータ又はプロセッサに対応するアルゴリズムを実行させる命令を含む一つ又は複数のプログラムによって、実行される。これらのプログラムは、各種の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を用いてコンピュータ又はプロセッサに格納して提供することができる。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、各種の有形記憶媒体を含む。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体の例は、磁気記録媒体(フロッピーディスク、テープ、ハードドライブなど)、磁気光学記録媒体(光磁気ディスクなど)、CD-ROM(コンパクトディスクリードオンリーメモリ)、CD-R、CD-R/W、及び半導体メモリ(ROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(書き換え可能PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)など)を含む。更に、これらのプログラムは、各種の一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を使用することによって、コンピュータに提供することができる。一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体の例は、電気信号、光信号及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、ワイヤ及び光ファイバなどの有線通信経路又は無線通信経路を介してコンピュータにプログラムを提供するために使用することができる。
【0093】
例えば、本開示の一実施形態によれば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、プロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令がプロセッサによって実行される場合、プロセッサに前記のアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御するための方法を実行させる。
【0094】
本開示の内容によれば、前記コンピュータプログラムが実行される場合、前記のアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御するための方法を実現するコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品を提案することもできる。
【0095】
その他、本発明はまた計算装置又は計算システムに関し、プロセッサとメモリを含み、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される場合、前記のアブレーション用カテーテル上の電極対の機能を制御するための方法を実現する。
【0096】
有益な効果
以上をまとめると、本発明によるアブレーション用カテーテルは少なくとも以下の有益な効果を有する。
1、環状遠位端の大きさを調整できるパルスカテーテルの設計は、様々な腔道構造に適用され、調整可能な方式は、環状遠位端上の電極がよりよく組織構造と密着することに有利である。
2、電極対の設計は、アブレーションの有効性と安全性を確保する前提の下で、環状遠位端直径の調整に更に便利であり、同時に電極対は電気生理学的信号の採集を更に精確にするために用いられ、電極間隔が大きすぎて電気信号の変化の判断に影響を与えることを回避する。
3、前記発明の電極設計は、アブレーションする時に電極対を一つの電極に統合してアブレーションし、測定する時に電極対を2つの電極に分離して測定し、パルス電界アブレーションの有効性と電気生理学的測定の精確性を十分に両立させる。
4、自由に変形できかつ性能に影響を与えない位置決めセンサーの設置方式を提出し、カテーテルの直径を調整できる環状部に適用することで、アブレーション用カテーテルを操作中に形態と電極間隔のリアルタイム表示を提供させ、手術者を精確なアブレーション操作に導き、同時に電極間隔を監視して安全性を増加することもできる。
5、高圧パルスエネルギーは精確かつ有効に目標組織に施され、手術時間を大幅に短縮できる。高圧パルスエネルギーは選択的に目標組織をアブレーションでき、合併症を減少させる。
6、カテーテルは、測定、モデリング、アブレーションの機能を有し、手術時間及び費用を節約できる。
【0097】
本発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、当業者は、本発明の形態及び詳細において様々な変更及び改良を加えることができ、これらは全て、本発明の保護の範囲内にあるとみなされる。
【符号の説明】
【0098】
1-環状遠位端
2-電極対
3-末端管体
4-末端硬質管
41-位置決め電極
42-牽引アセンブリ
5-遠位端管体
6-近位端管体
7-支持部材
71-支持部材先端
72-支持部材近位端
8-損傷防止先端
9-収縮ロープ
10-保護管
11-環状電極
12-環状電極
131-第一位置決めセンサー
132-第二位置決めセンサー
133-第三位置決めセンサー
14-シース管
15-ハンドルアセンブリ
16-プッシュボタン
17-ノブ
171-スライドブロック
172-回転コア軸
173-スライド溝
18-第一コネクタ
19-第二コネクタ
20-腔道構造
111-第一電極対
112-第二電極対
113-第三電極対
114-第四電極対
115-第五電極対
116-第六電極対
117-第七電極対
118-第八電極対
119-第九電極対
21-心筋組織
22-放電により形成される電界領域
【国際調査報告】