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特表2025-503063硫黄含有イソインドリン系誘導体の結晶
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】硫黄含有イソインドリン系誘導体の結晶
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20250123BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
C07D401/14
A61P35/00
A61P25/04
A61P27/02
A61P17/00
A61P11/00
A61P33/00
A61P37/04
A61P25/00
A61P9/10 101
A61P31/00
A61P7/00
A61P35/02
A61K31/4545
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543229
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2023073077
(87)【国際公開番号】W WO2023138647
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210060175.6
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519352757
【氏名又は名称】江▲蘇▼恒瑞医▲薬▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI PHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.7 KUNLUNSHAN ROAD, ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, LIANYUNGANG, JIANGSU 222047, CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】516174208
【氏名又は名称】上海恒瑞医薬有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HENGRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】NO. 279 WENJING ROAD, MINHANG DISTRICT, SHANGHAI 200245, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 宝磊
(72)【発明者】
【氏名】奚 倬▲勲▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 君
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ 峰
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 俊然
(72)【発明者】
【氏名】杜 振▲興▼
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC22
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA33
4C086ZA45
4C086ZA51
4C086ZA59
4C086ZA89
4C086ZB09
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB32
4C086ZB37
(57)【要約】
本開示は、硫黄含有イソインドリン系誘導体の結晶に関する。具体的には、本開示は、式(I)で表される化合物の結晶及びその製造方法に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物のA型結晶。
【化1】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.765、8.061、9.925、16.632、17.900、19.469及び21.115において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.765、7.465、8.061、9.925、12.890、15.085、16.632、17.900、19.469及び21.115において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.765、7.465、8.061、9.925、11.674、12.890、14.270、15.085、16.632、17.900、18.715、19.469及び21.115において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図2に示される通りである。)
【請求項2】
式(I)で表される化合物のB型結晶。
【化2】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.977、6.788、10.047、14.143、15.684、18.547及び20.840において特徴的なピークを有し、好ましくは、4.977、6.788、10.047、14.143、15.684、18.547、20.840、24.096及び25.505において特徴的なピークを有し、より好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図3に示される通りである。)
【請求項3】
式(I)で表される化合物のC型結晶。
【化3】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.653、7.974、9.989、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.653、7.974、9.989、11.505、12.798、14.265、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有し、より好ましくは、3.533、5.653、7.974、8.790、9.989、11.505、12.798、14.265、15.277、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図4に示される通りである。)
【請求項4】
式(I)で表される化合物のD型結晶。
【化4】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.831、9.845、13.453、18.225、20.117、20.891及び23.006において特徴的なピークを有し、好ましくは、6.831、9.845、10.927、13.453、16.096、18.225、20.117、20.891、23.006及び26.132において特徴的なピークを有し、より好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図5に示される通りである。)
【請求項5】
式(I)で表される化合物のE型結晶。
【化5】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.864、7.573、8.087、10.003、16.444、19.349及び20.553において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.864、7.573、8.087、10.003、12.471、15.165、16.444、17.432、19.349及び20.553において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.864、7.573、8.087、10.003、11.701、12.471、15.165、16.444、17.432、19.349、20.553、21.067及び21.709において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図6に示される通りである。)
【請求項6】
式(I)で表される化合物のF型結晶。
【化6】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.062、7.820、10.077、14.231、16.672、18.586及び20.435において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.062、7.820、10.077、14.231、15.192、16.672、18.586、20.435、21.868及び25.442において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.062、7.820、10.077、14.231、15.192、16.672、18.586、20.435、21.868、24.193、25.442、26.303及び28.629において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図7に示される通りである。)
【請求項7】
式(I)で表される化合物のG型結晶。
【化7】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.999、7.972、9.951、11.388、17.812、20.975及び25.819において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.999、7.396、7.972、8.637、9.951、11.388、15.291、17.812、20.975及び25.819において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.999、7.396、7.972、8.637、9.951、11.388、12.763、15.291、17.812、20.975、23.408、25.819及び27.400において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図8に示される通りである。)
【請求項8】
式(I)で表される化合物のH型結晶。
【化8】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103及び26.356において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103、18.917、20.489、24.049及び26.356において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103、18.917、20.489、21.563、24.049及び26.356において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図9に示される通りである。)
【請求項9】
式(I)で表される化合物のI型結晶。
【化9】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.294、6.826、7.564、10.739、13.699、16.812及び20.709において特徴的なピークを有し、好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図10に示される通りである。)
【請求項10】
式(I)で表される化合物のJ型結晶。
【化10】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.041、10.068、16.424、20.544、21.190、24.077及び25.433において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.041、8.212、10.068、14.101、15.167、16.424、20.544、21.190、24.077及び25.433において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.041、8.212、10.068、14.101、15.167、16.424、20.544、21.190、22.036、22.679、24.077、25.433及び26.454において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図11に示される通りである。)
【請求項11】
式(I)で表される化合物のK型結晶。
【化11】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.156、7.699、10.339、14.334、16.203、18.327及び23.418において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.156、7.699、10.339、14.334、16.203、18.327、23.418、25.348、25.919及び26.446において特徴的なピークを有し、より好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図12に示される通りである。)
【請求項12】
式(I)で表される化合物のL型結晶。
【化12】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.932、5.360、9.831、14.844、18.244、20.104及び24.914において特徴的なピークを有し、好ましくは、4.932、5.360、9.831、10.753、14.844、16.369、18.244、20.104、23.129、24.914において特徴的なピークを有し、より好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図13に示される通りである。)
【請求項13】
式(I)で表される化合物のM型結晶。
【化13】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670及び26.863において特徴的なピークを有し、好ましくは、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670、24.839、25.873、26.863及び27.811において特徴的なピークを有し、より好ましくは、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670、24.322、24.839、25.873、26.863及び27.811において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図14に示される通りである。)
【請求項14】
式(I)で表される化合物のN型結晶。
【化14】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.028、9.942、10.900、15.428、18.410、20.274及び25.252において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.028、7.671、9.942、10.900、15.428、16.560、18.410、20.274、24.036及び25.252において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.028、7.671、9.942、10.900、12.677、15.428、16.560、18.410、20.274、24.036、25.252及び26.385において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図15に示される通りである。)
【請求項15】
式(I)で表される化合物のO型結晶。
【化15】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、11.796、17.423、18.081、19.136、21.707、22.165及び25.719において特徴的なピークを有し、好ましくは、7.843、11.796、17.423、18.081、19.136、21.707、22.165、24.412、25.719及び28.521において特徴的なピークを有し、より好ましくは、7.843、11.796、15.455、17.423、18.081、19.136、21.055、21.707、22.165、24.412、25.719、27.538及び28.521において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図16に示される通りである。)
【請求項16】
式(I)で表される化合物のP型結晶。
【化16】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.359、7.491、10.786、14.249、16.527、17.729及び20.798において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.359、7.491、9.905、10.786、13.192、14.249、16.527、17.729、18.862及び20.798において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.359、7.491、9.905、10.786、13.192、14.249、16.527、17.729、18.862、20.798、23.799及び26.555において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図17に示される通りである。)
【請求項17】
式(I)で表される化合物のQ型結晶。
【化17】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.038、10.152、15.850、16.574、18.892、20.760及び21.835において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.038、10.152、11.175、15.850、16.574、18.892、20.760、21.835、23.905及び25.784において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.038、7.682、10.152、11.175、14.218、15.850、16.574、18.892、20.760、21.835、23.905、25.784及び26.418において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図18に示される通りである。)
【請求項18】
式(I)で表される化合物のU型結晶。
【化18】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.155、15.745、17.314、17.997、18.838、20.512及び21.415において特徴的なピークを有し、好ましくは、14.155、15.745、16.564、17.314、17.997、18.838、20.512、21.415、23.557及び26.313において特徴的なピークを有し、より好ましくは、7.657、14.155、15.745、16.564、17.314、17.997、18.838、20.512、21.415、23.557、25.711、26.313及び28.029において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図19に示される通りである。)
【請求項19】
式(I)で表される化合物のX型結晶。
【化19】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.864、9.873、10.963、13.801、16.089、18.006及び20.929において特徴的なピークを有し、好ましくは、6.864、9.873、10.963、13.801、16.089、18.006、20.929及び26.203において特徴的なピークを有し、より好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図20に示される通りである。)
【請求項20】
式(I)で表される化合物のY型結晶。
【化20】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.676、7.666、14.260、16.562、18.020、21.802及び26.425において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.676、7.666、9.985、12.634、14.260、16.562、18.020、21.802、26.425及び26.974において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.676、7.666、9.985、12.634、14.260、16.562、18.020、21.802、24.051、25.846、26.425及び26.974において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図21に示される通りである。)
【請求項21】
式(I)で表される化合物のV型結晶。
【化21】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.649、6.154、6.720、11.651、18.757、19.813及び23.948において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.649、6.154、6.720、9.778、11.651、17.570、18.757、19.813、23.948及び26.995において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.649、6.154、6.720、9.778、11.651、13.576、17.570、18.757、19.813、21.905、23.948、25.825及び26.995において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図22に示される通りである。)
【請求項22】
式(I)で表される化合物のR型結晶。
【化22】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.534、7.611、10.033、15.782、17.101、19.017及び20.567において特徴的なピークを有し、好ましくは、5.534、7.611、10.033、11.857、12.737、15.782、17.101、19.017、20.567及び23.692において特徴的なピークを有し、より好ましくは、5.534、7.611、10.033、11.148、11.857、12.737、14.179、15.782、17.101、19.017、20.567、21.871及び23.692において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図23に示される通りである。)
【請求項23】
式(I)で表される化合物のS型結晶。
【化23】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.576、9.082、10.921、13.592、19.965、21.403及び24.207において特徴的なピークを有し、好ましくは、6.576、9.082、10.921、13.592、16.805、19.965、21.403、24.207、25.662及び27.457において特徴的なピークを有し、より好ましくは、6.576、7.890、9.082、10.921、13.592、15.043、16.805、19.965、21.403、24.207、25.662、26.537及び27.457において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図24に示される通りである。)
【請求項24】
式(I)で表される化合物のT型結晶。
【化24】
(ただし、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、16.156及び20.138において特徴的なピークを有し、好ましくは、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、15.174、16.156、20.138、24.261及び26.391において特徴的なピークを有し、より好ましくは、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、15.174、16.156、18.509、20.138、22.954、24.261、26.391及び27.514において特徴的なピークを有し、最も好ましくは、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが図25に示される通りである。)
【請求項25】
前記2θ角の誤差範囲が±0.20である、請求項1~24のいずれか一項に記載の結晶。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか一項に記載の結晶から製造される医薬組成物。
【請求項27】
請求項1~25のいずれか一項に記載の結晶と任意選択の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項28】
請求項1~25のいずれか一項に記載の結晶と薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを混合するステップを含む、医薬組成物の製造方法。
【請求項29】
CRBNタンパク質に関連する疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造における、請求項1~25のいずれか一項に記載の結晶、或いは請求項26又は27に記載の組成物、或いは請求項28に記載の方法によって製造された組成物の使用。
【請求項30】
癌、血管新生関連障害、疼痛、黄斑変性又は関連症候群、皮膚疾患、肺疾患、アスベスト関連疾患、寄生虫疾患、免疫不全疾患、CNS疾患、CNS損傷、アテローム性動脈硬化症又は関連症状、睡眠障害又は関連症状、感染症、ヘモグロビン症又は関連症状、又はTNFα関連疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造における、請求項1~25のいずれか一項に記載の結晶、又は請求項26又は27に記載の組成物、又は請求項28に記載の方法によって製造された組成物の使用であって、好ましくは、癌又はCNS損傷を治療及び/又は予防するための医薬の製造における使用。
【請求項31】
前記癌は、白血病、骨髄腫、リンパ腫、黒色腫、皮膚癌、肝臓癌、腎臓癌、肺癌、上咽頭癌、胃癌、食道癌、結腸直腸癌、胆嚢癌、胆管癌、絨毛上皮腫、膵臓癌、真性赤血球増加症、小児腫瘍、子宮頸癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、尿路上皮癌、尿管癌、前立腺癌、精上皮腫、精巣腫瘍、頭頸部腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、肉腫、骨腫、神経芽腫、神経内分泌癌、脳腫瘍、CNS癌、星状細胞腫及び神経膠腫から選択され、好ましくは、前記肝臓癌は、肝細胞癌であり、前記結腸直腸癌は、結腸癌又は直腸癌であり、前記肉腫は骨肉腫又は軟部組織肉腫であり、前記神経膠腫は、膠芽腫である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
前記骨髄腫は、多発性骨髄腫(MM)及び骨髄異形成症候群(MDS)であり、好ましくは、前記多発性骨髄腫は再発性、難治性又は抵抗性である、請求項30に記載の使用。
【請求項33】
前記多発性骨髄腫は、レナリドミドとポマリドミドに対して難治性又は抵抗性である、請求項32に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は出願日が2022年1月19日である中国特許出願202210060175.6の優先権を主張する。本出願は上記の中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、硫黄含有イソインドリン系誘導体の結晶及びその製造方法に関し、具体的には、式(I)で表される化合物の結晶及びその製造方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)は、高カルシウム血症、腎臓障害、貧血及び骨疾患などを主な症状とする悪性腫瘍である。MMは非ホジキンリンパ腫に次いで2番目に多い血液悪性腫瘍であり、現在の治療法は主に薬物療法と自家幹細胞移植である。
【0004】
現在、臨床で広く使用されている医薬は、ドミド(Domide)系の免疫調節剤、プロテアソーム阻害剤、ホルモン及びモノクローナル抗体などの主に4つのカテゴリーがある。臨床研究段階の医薬には、二重抗体、ADC、CAR-Tなどが含まれる。これらの医薬は作用機序が異なり、臨床現場では2剤、3剤、場合によっては4剤を組み合わせて使用することで、より良い結果が得られる場合があり、通常、免疫調節剤、プロテアソーム阻害剤、ホルモンを組み合わせて使用し、場合によっては抗体も加える。その中で、レナリドマイドは最も一般的に使用される免疫調節剤であり、一次治療、幹細胞移植後の維持治療、再発後の二次及び三次治療に使用される。前記医薬は2018/2019年の売上高が97億ドルに達した。更に、MM市場全体も大きく、急速に成長しており、これは、MMの診断と治療の継続的な改善及び改良とそれに伴う患者の生存期間の延長、投与期間の延長によるものである。MM市場は2022年に330億米ドルに達すると予想されており、その中でレナリドマイドに代表される免疫調節剤が依然として最大の割合を占めている。
【0005】
MMの治療における免疫調節剤(immunomodulators、IMiD)の主な作用機序は、IMiD薬剤がCereblon(CRBN)タンパク質に結合した後、CRBNのE3リガーゼ活性を活性化し、次に転写因子Ikaros(IKZF1)及びAiolos(IKZF3)と選択的に結合することによりIkaros及びAiolosの急速なユビキチン化と分解が引き起こされる。Ikaros/Aiolosのダウンレギュレーションはc-Mycのダウンレギュレーションに繋がり、続いてIRF4のダウンレギュレーションに繋がり、最終的には骨髄腫細胞の増殖とアポトーシスの阻害に繋がる。更に、IKZF3はT/NK細胞におけるIL2及びTNFサイトカインの転写を阻害することもでき、IKZF3が分解された後、この阻害が緩和されてこれらのサイトカインの放出が促進され、免疫調節の役割を果たすことができる。臨床試験では、IMiD薬の臨床上の利点がCRBN発現量にも関連していることも示されている。レナリドマイド感受性細胞株(OPM2及びKMS18)でCRBNをノックダウンした後、細胞増殖を阻害するレナリドミドの活性の消失と耐性の発現が確認され、CRBNノックダウンのレベルが薬剤耐性の程度に関係していることが判明され、細胞の増殖実験では、細胞内のCRBNの発現レベル(U266-CRBN60及びU266-CRBN75)を低下させると、細胞増殖を阻害するレナリドミド及びポマリドミドの活性が低下する。
【0006】
現在販売が承認されているIMiD薬にはサリドミド、レナリドミド、ポマリドミドがあり、これらはいずれもCelgene(現在はBMS社に合併)社製である。3つの化合物のCRBNへの結合能力は順次強化されるため、臨床用量は順次減少する。3つの化合物の主な適応症はMMであるが、サリドミドとレナリドミドには他の適応症もあり、特にレナリドミドは骨髄異形成症候群(MDS)の治療に使用できる。副作用の点では、レナリドミドとポマリドミドは似ており、有意な骨髄阻害効果があり、その副作用は標的関連毒性であり、サリドミドは鎮静、便秘、神経系の副作用などの他の副作用がある。
【0007】
すべてのIMiDのアジピミド部分は、CRBNの3つのトリプトファン残基(「サリドミド結合ポケット」と称される)によって定義される疎水性ポケットに結合する。対照的に、フタルイミド/イソインドロン環は溶媒にさらされてCRBNの分子表面を変化させ、それによって基質認識を調節する。IMiDが異なるとCRBN分子の表面に有意な修飾が生じ、基質認識の好みも異なる。従って、IMiDsの修飾は他の転写因子の分解を引き起こし、不必要な毒性副作用を引き起こす可能性がある。IMiDのこの作用機序は分子糊(molecular glue)とも呼ばれ、2つのタンパク質基質に対するこの小分子の結合効果を鮮やかに表している。
【0008】
現在の多発性骨髄腫の生存期間中央値は5年以上であるため、生存期間が延長すると、ほとんどの患者はレナリドミド及びポマリドミドなどの現在市販されている薬物に対する耐性の割合が高くなり、これらの薬物の治療効果は著しく低下する。従って、我々は、そのような化合物の毒性副作用を最小限に抑えながら、薬剤耐性の問題を克服するために、より優れた活性を備えた薬剤分子を開発することを構想している。
【0009】
Cereblonレギュレーターに関して開示された特許出願には、WO2008115516A2、WO2011100380A1、WO2019226770A1、WO2019014100A1及びWO2020064002A1などが含まれている。
【0010】
本出願人の特許出願WO2022017365は、化学名が(S)-4-(4-((5-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリルである、式(I)で表される化合物を提供し、前記化合物は優れたCereblon調節効果を有する。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2008115516号
【特許文献2】国際公開第2011100380号
【特許文献3】国際公開第2019226770号
【特許文献4】国際公開第2019014100号
【特許文献5】国際公開第2020064002号
【特許文献6】国際公開第202201736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一般に、薬物の活性成分及びその塩の結晶構造は、その薬物自体の物理的及び化学的安定性に影響を与えるだけではなく、その後の医薬製造の容易さ及び製造コストにも影響し、結晶化条件及び保管条件の違いにより、化合物及びその塩の結晶構造が変化する可能性があり、場合によっては他の結晶が形成されることがある。従って、安定性、医薬の製造の容易さ及び製造コスト等の観点から総合的に考慮して、式(I)で表される化合物の結晶について詳細に検討する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の概要)
本開示は、化学名が(S)-4-(4-((5-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリルである、式(I)で表される化合物の結晶及びその製造方法を提供する。
【化2】
【0014】
本開示は、粉末X線回折パターンの回折角2θが2~48°の範囲に有意な特徴的なピークを有さない、式(I)で表される化合物の非晶質形態を提供する。
【0015】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物をプロピレングリコールメチルエーテル、n-ヘプタン又は石油エーテルと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法 を含む、式(I)で表される化合物の非晶質形態を製造する方法を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物の非晶質形態を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥するステップを更に含む。
【0017】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.765、8.061、9.925、16.632、17.900、19.469及び21.115において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のA型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のA型結晶は、5.765、7.465、8.061、9.925、12.890、15.085、16.632、17.900、19.469及び21.115において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のA型結晶は、5.765、7.465、8.061、9.925、11.674、12.890、14.270、15.085、16.632、17.900、18.715、19.469及び21.115において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のA型結晶の粉末X線回折パターンは、図2に示される通りである。
【0018】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物をテトラヒドロフランと混合し、透明に溶解させ、b)n-ヘプタンを加えて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物をジクロロメタンと混合し、透明に溶解させ、b)酢酸エチルを加えて結晶化する方法、
或いは方法3:式(I)で表される化合物を水、酢酸イソプロピル、アセトン、酢酸エチル/エタノール又は酢酸エチル/n-ヘプタンと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
などを含む、式(I)で表される化合物のA型結晶を製造する方法を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のA型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0020】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.977、6.788、10.047、14.143、15.684、18.547及び20.840において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のB型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のB型結晶は、4.977、6.788、10.047、14.143、15.684、18.547、20.840、24.096及び25.505において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のB型結晶の粉末X線回折パターンは、図3に示される通りである。
【0021】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物を酢酸エチル又はアセトニトリル/メタノールと混合し、b)スラリー化させて結晶化し、30℃で乾燥させる方法、
を含む、式(I)で表される化合物のB型結晶を製造する方法を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のB型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0023】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.653、7.974、9.989、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のC型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のC型結晶は、5.653、7.974、9.989、11.505、12.798、14.265、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のC型結晶は、3.533、5.653、7.974、8.790、9.989、11.505、12.798、14.265、15.277、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のC型結晶の粉末X線回折パターンは、図4に示される通りである。
【0024】
本開示は更に、方法1:a)式Iで表される化合物をエタノール、イソプロパノール、メチルtert-ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン、水/エタノール、水/イソプロパノール、水/メタノール(1:1)、シクロヘキサン、イソプロピルエーテルと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物をジクロロメタン、水/アセトン、テトラヒドロフラン/エタノールと混合し、攪拌して透明に溶解させ、b)揮発させて結晶化する方法
などを含む、式(I)で表される化合物のC型結晶を製造する方法を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のC型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0026】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.831、9.845、13.453、18.225、20.117、20.891及び23.006において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のD型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のD型結晶は、6.831、9.845、10.927、13.453、16.096、18.225、20.117、20.891、23.006及び26.132において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のD型結晶の粉末X線回折パターンは、図5に示される通りである。
【0027】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物をアセトニトリルと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のD型結晶を製造する方法を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のD型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0029】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.864、7.573、8.087、10.003、16.444、19.349及び20.553において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のE型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のE型結晶は、5.864、7.573、8.087、10.003、12.471、15.165、16.444、17.432、19.349及び20.553において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のE型結晶は、5.864、7.573、8.087、10.003、11.701、12.471、15.165、16.444、17.432、19.349、20.553、21.067及び21.709において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のE型結晶の粉末X線回折パターンは、図6に示される通りである。
【0030】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物を2-ブタノン又は10%の水/メタノールと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物をDCMと混合し、透明に溶解させ、b)n-ヘプタンを加えて結晶化する方法
などを含む、式(I)で表される化合物のE型結晶を製造する方法を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のE型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0032】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.062、7.820、10.077、14.231、16.672、18.586及び20.435において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のF型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のF型結晶は、5.062、7.820、10.077、14.231、15.192、16.672、18.586、20.435、21.868及び25.442において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のF型結晶は、5.062、7.820、10.077、14.231、15.192、16.672、18.586、20.435、21.868、24.193、25.442、26.303及び28.629において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のF型結晶の粉末X線回折パターンは、図7に示される通りである。
【0033】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物を溶媒IIと混合し、ここで、溶媒IIはp-キシレン、メタノール、2-メチルテトラヒドロフラン、o-キシレン又はトルエンから選択され、b)スラリー化させて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物をジクロロメタン又はテトラヒドロフランと混合し、透明に溶解させ、b)酢酸イソプロピル、メチルtert-ブチルエーテル又はメチルイソブチルケトンを加えて結晶化する方法、
或いは、方法3:式(I)で表される化合物を1,4-ジオキサンと混合し、透明に溶解させ、b)揮発させて結晶化する方法
などを含む、式(I)で表される化合物のF型結晶を製造する方法を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のF型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0035】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.999、7.972、9.951、11.388、17.812、20.975及び25.819において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のG型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のG型結晶は、5.999、7.396、7.972、8.637、9.951、11.388、15.291、17.812、20.975及び25.819において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のG型結晶は、5.999、7.396、7.972、8.637、9.951、11.388、12.763、15.291、17.812、20.975、23.408、25.819及び27.400において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のG型結晶の粉末X線回折パターンは、図8に示される通りである。
【0036】
本開示は更に、方法1:式(I)で表される化合物をクロロホルムと混合し、透明に溶解させ、b)揮発させて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物を1,2-ジクロロエタンと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のG型結晶を製造する方法を提供する。
【0037】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のG型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0038】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103及び26.356において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のH型結晶を提供し、いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のH型結晶は、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103、18.917、20.489、24.049及び26.356において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のH型結晶は、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103、18.917、20.489、24.049及び26.356において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のH型結晶の粉末X線回折パターンは、図9に示される通りである。
【0039】
本開示は更に、方法1:式(I)で表される化合物をn-オクタン又はn-ヘキサンと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のH型結晶を製造する方法を提供する。
【0040】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のH型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0041】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.294、6.826、7.564、10.739、13.699、16.812及び20.709において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のI型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のI型結晶の粉末X線回折パターンは、図10に示される通りである。
【0042】
本開示は更に、方法1:式(I)で表される化合物をテトラヒドロフランと混合し、透明に溶解させ、b)揮発させて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物をテトラヒドロフランと混合し、透明に溶解させ、b)水を加えて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のI型結晶を製造する方法を提供する。
【0043】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のI型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0044】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.041、10.068、16.424、20.544、21.190、24.077及び25.433において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のJ型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のJ型結晶は、5.041、8.212、10.068、14.101、15.167、16.424、20.544、21.190、24.077及び25.433において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のJ型結晶は、5.041、8.212、10.068、14.101、15.167、16.424、20.544、21.190、22.036、22.679、24.077、25.433及び26.454において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のJ型結晶の粉末X線回折パターンは、図11に示される通りである。
【0045】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物をジメチルスルホキシドと混合し、透明に溶解させ、b)水、酢酸イソプロピル又はメチルtert-ブチルエーテルを加えて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のJ型結晶を製造する方法を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のJ型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0047】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.156、7.699、10.339、14.334、16.203、18.327及び23.418において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のK型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のK型結晶は、5.156、7.699、10.339、14.334、16.203、18.327、23.418、25.348、25.919及び26.446において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のK型結晶の粉末X線回折パターンは、図12に示される通りである。
【0048】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物をN-メチルピロリドンと混合し、透明に溶解させ、b)揮発させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のK型結晶を製造する方法を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のK型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0050】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.932、5.360、9.831、14.844、18.244、20.104及び24.914において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のL型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のL型結晶は、4.932、5.360、9.831、10.753、14.844、16.369、18.244、20.104、23.129、24.914において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のL型結晶の粉末X線回折パターンは、図13に示される通りである。
【0051】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物をN,N-ジメチルアセトアミドと混合し、透明に溶解させ、b)揮発させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のL型結晶を製造する方法を提供する。
【0052】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のL型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0053】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670及び26.863において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のM型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のM型結晶は、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670、24.839、25.873、26.863及び27.811において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のM型結晶は、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670、24.322、24.839、25.873、26.863及び27.811において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のM型結晶の粉末X線回折パターンは、図14に示される通りである。
【0054】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物のA型結晶、B型結晶、C型結晶、E型結晶、H型結晶又はI型結晶を225℃まで加熱する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のM型結晶を製造する方法を提供する。
【0055】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のM型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0056】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.028、9.942、10.900、15.428、18.410、20.274及び25.252において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のN型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のN型結晶は、5.028、7.671、9.942、10.900、15.428、16.560、18.410、20.274、24.036及び25.252において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のN型結晶は、5.028、7.671、9.942、10.900、12.677、15.428、16.560、18.410、20.274、24.036、25.252及び26.385において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のN型結晶の粉末X線回折パターンは、図15に示される通りである。
【0057】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物を酢酸エチル/テトラヒドロフラン(1:1)と混合し、加熱して透明に溶解させ、b)冷却させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のN型結晶を製造する方法を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のN型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0059】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、11.796、17.423、18.081、19.136、21.707、22.165及び25.719において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のO型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のO型結晶は、7.843、11.796、17.423、18.081、19.136、21.707、22.165、24.412、25.719及び28.521において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のO型結晶は、7.843、11.796、15.455、17.423、18.081、19.136、21.055、21.707、22.165、24.412、25.719、27.538及び28.521において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のO型結晶の粉末X線回折パターンは、図16に示される通りである。
【0060】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物をアセトニトリル、ベンゼンスルホン酸と混合し、加熱し、b)冷却させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のO型結晶を製造する方法を提供する。
【0061】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のO型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0062】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.359、7.491、10.786、14.249、16.527、17.729及び20.798において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のP型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のP型結晶は、5.359、7.491、9.905、10.786、13.192、14.249、16.527、17.729、18.862及び20.798において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のP型結晶は、5.359、7.491、9.905、10.786、13.192、14.249、16.527、17.729、18.862、20.798、23.799及び26.555において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のP型結晶の粉末X線回折パターンは、図17に示される通りである。
【0063】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物のC型結晶を1,4-ジオキサンと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のP型結晶を製造する方法を提供する。
【0064】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のP型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0065】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.038、10.152、15.850、16.574、18.892、20.760及び21.835において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のQ型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のQ型結晶は、5.038、10.152、11.175、15.850、16.574、18.892、20.760、21.835、23.905及び25.784において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のQ型結晶は、5.038、7.682、10.152、11.175、14.218、15.850、16.574、18.892、20.760、21.835、23.905、25.784及び26.418において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のQ型結晶の粉末X線回折パターンは、図18に示される通りである。
【0066】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物を酢酸エチルと混合し、b)スラリー化させて結晶化し、固体を70℃又は130℃で乾燥させる方法、
を含む、式(I)で表される化合物のQ型結晶を製造する方法を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のQ型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0068】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.155、15.745、17.314、17.997、18.838、20.512及び21.415において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のU型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のU型結晶は、14.155、15.745、16.564、17.314、17.997、18.838、20.512、21.415、23.557及び26.313において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のU型結晶は、7.657、14.155、15.745、16.564、17.314、17.997、18.838、20.512、21.415、23.557、25.711、26.313及び28.029において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のU型結晶の粉末X線回折パターンは、図19に示される通りである。
【0069】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物のQ型結晶を水と混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
或いは、方法2:式(I)で表される化合物をDMSOと混合し、加熱して溶解させ、b)水を加えて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のU型結晶を製造する方法を提供する。
【0070】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のU型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0071】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.864、9.873、10.963、13.801、16.089、18.006及び20.929において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のX型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のX型結晶は、6.864、9.873、10.963、13.801、16.089、18.006、20.929及び26.203において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のX型結晶の粉末X線回折パターンは、図20に示される通りである。
【0072】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物のD型結晶をイソプロピルエーテル又はn-ヘプタンと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のX型結晶を製造する方法を提供する。
【0073】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のX型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0074】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.676、7.666、14.260、16.562、18.020、21.802及び26.425において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のY型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のY型結晶は、5.676、7.666、9.985、12.634、14.260、16.562、18.020、21.802、26.425及び26.974において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のY型結晶は、5.676、7.666、9.985、12.634、14.260、16.562、18.020、21.802、24.051、25.846、26.425及び26.974において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のY型結晶の粉末X線回折パターンは、図21に示される通りである。
【0075】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物のQ型結晶をイソプロピルエーテル又はn-ヘプタンと混合し、b)スラリー化させて結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のY型結晶を製造する方法を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のY型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0077】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.649、6.154、6.720、11.651、18.757、19.813及び23.948において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のV型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のV型結晶は、5.649、6.154、6.720、9.778、11.651、17.570、18.757、19.813、23.948及び26.995において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のV型結晶は、5.649、6.154、6.720、9.778、11.651、13.576、17.570、18.757、19.813、21.905、23.948、25.825及び26.995において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のV型結晶の粉末X線回折パターンは、図22に示される通りである。
【0078】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物をN,N-ジメチルホルムアミドと混合し、透明に溶解させ、b)アセトン又はアセトニトリルを加えて結晶化する方法、
或いは、方法2:式Iで表される化合物をN,N-ジメチルホルムアミドと混合し、b)冷却させて結晶化するか又は撹拌して結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のV型結晶を製造する方法を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のV型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0080】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.534、7.611、10.033、15.782、17.101、19.017及び20.567において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のR型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のR型結晶は、5.534、7.611、10.033、11.857、12.737、15.782、17.101、19.017、20.567及び23.692において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のR型結晶は、5.534、7.611、10.033、11.148、11.857、12.737、14.179、15.782、17.101、19.017、20.567、21.871及び23.692において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のR型結晶の粉末X線回折パターンは、図23に示される通りである。
【0081】
本開示は更に、a)式(I)で表される化合物をテトラヒドロフランと混合し、溶解させ、b)濃縮して結晶化する方法、
を含む、式(I)で表される化合物のR型結晶を製造する方法を提供する。
【0082】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のR型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0083】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.576、9.082、10.921、13.592、19.965、21.403及び24.207において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のS型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のS型結晶は、6.576、9.082、10.921、13.592、16.805、19.965、21.403、24.207、25.662及び27.457において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のS型結晶は、6.576、7.890、9.082、10.921、13.592、15.043、16.805、19.965、21.403、24.207、25.662、26.537及び27.457において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のS型結晶の粉末X線回折パターンは、図24に示される通りである。
【0084】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物をDMFと混合し、加熱して溶解させ、冷却して析出させ、b)濾過し、ケーキとアセトニトリルを混合し、スラリー化させ、c)濾過し、ケーキと水を混合し、スラリー化させ、d)濾過し、乾燥させ、次に、アセトニトリルでスラリー化させて結晶化し、乾燥させる方法、
を含む、式(I)で表される化合物のS型結晶を製造する方法を提供する。
【0085】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のS型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0086】
本開示は、回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、16.156及び20.138において特徴的なピークを有する、式(I)で表される化合物のT型結晶を提供する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のT型結晶は、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、15.174、16.156、20.138、24.261及び26.391において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、式(I)で表される化合物のT型結晶は、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、15.174、16.156、18.509、20.138、22.954、24.261、26.391及び27.514において特徴的なピークを有する。いくつかの実施形態において、回折角の2θ角で表される、式(I)で表される化合物のT型結晶の粉末X線回折パターンは、図25に示される通りである。
【0087】
本開示は更に、方法1:a)式(I)で表される化合物をDMFと混合し、加熱して溶解させ、冷却して結晶化し、b)濾過し、ケーキと水を混合して撹拌し、c)濾過し、ケーキを更に水と混合して撹拌し、d)濾過し、乾燥させ、次に、アセトニトリルで混合し、撹拌して結晶化し、乾燥させる方法、
を含む、式(I)で表される化合物のT型結晶を製造する方法を提供する。
【0088】
いくつかの実施形態において、本開示に記載の溶媒の体積(μl)は、式(I)で表される化合物の質量(mg)の1~200倍であってもよく、非限定的な実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200であってもよい。いくつかの実施形態において、本開示に記載の式(I)で表される化合物のT型結晶を製造する方法は、濾過、洗浄又は乾燥などのステップを更に含む。
【0089】
本開示は更に、前記式(I)で表される化合物の結晶から製造される医薬組成物を提供する。
【0090】
本開示は更に、前記結晶と任意選択の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0091】
本開示は更に、前記結晶と薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを混合するステップを含む、医薬組成物の製造方法を提供する。
【0092】
本開示は更に、CRBNタンパク質に関連する疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造における、前記結晶、又は前記組成物、又は前記方法によって製造された組成物の使用を提供する。
【0093】
本開示は更に、癌、血管新生関連障害、疼痛、黄斑変性又は関連症候群、皮膚疾患、肺疾患、アスベスト関連疾患、寄生虫疾患、免疫不全疾患、CNS疾患、CNS損傷、アテローム性動脈硬化症又は関連症状、睡眠障害又は関連症状、感染症、ヘモグロビン症又は関連症状、又はTNFα関連疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造における、前記結晶、又は前記組成物、又は前記方法によって製造された組成物の使用を提供し、好ましくは、癌又はCNS損傷を治療及び/又は予防するための医薬の製造における使用である。
【0094】
いくつかの実施形態において、前記癌は、白血病、骨髄腫、リンパ腫、黒色腫、皮膚癌、肝臓癌、腎臓癌、肺癌、上咽頭癌、胃癌、食道癌、結腸直腸癌、胆嚢癌、胆管癌、絨毛上皮腫、膵臓癌、真性赤血球増加症、小児腫瘍、子宮頸癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、尿路上皮癌、尿管癌、前立腺癌、精上皮腫、精巣腫瘍、頭頸部腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、肉腫、骨腫、神経芽腫、神経内分泌癌、脳腫瘍、CNS癌、星状細胞腫及び神経膠腫から選択され、好ましくは、前記肝臓癌は、肝細胞癌であり、前記結腸直腸癌は、結腸癌又は直腸癌であり、前記肉腫は骨肉腫又は軟部組織肉腫であり、前記神経膠腫は、膠芽腫である。
【0095】
いくつかの実施形態において、前記骨髄腫は、多発性骨髄腫(MM)及び骨髄異形成症候群(MDS)であり、好ましくは、前記多発性骨髄腫は再発性、難治性又は抵抗性である。
【0096】
いくつかの実施形態において、前記多発性骨髄腫は、レナリドミドとポマリドミドに対して難治性又は抵抗性である。
【0097】
本開示に記載の「2θ又は2θ角」とは回折角を指し、θはブラッグ角であり、単位は°又は度であり、各特徴的なピーク2θの誤差範囲は±0.20(小数点第1位を超える数値は四捨五入する場合を含む)であり、具体的には、-0.20、-0.19、-0.18、-0.17、-0.16、-0.15、-0.14、-0.13、-0.12、-0.11、-0.10、-0.09、-0.08、-0.07、-0.06、-0.05、-0.04、-0.03、-0.02、-0.01、0.00、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20であってもよい。
【0098】
2015年版第IV部「中国薬局方」の「9103医薬の吸湿性ガイドライン」によりと、吸湿特性の説明と吸湿重量増加は、下記のように定義される。
潮解:十分な水分を吸収して液体を形成する;
吸湿性が非常にある:吸湿の重量増加が15%以上である;
吸湿性がある:吸湿の重量増加が15%未満、2%以上である;
吸湿性がややある:吸湿の重量増加が2%未満、0.2%以上である;
吸湿性がないか、ほとんどない:吸湿の重量増加が0.2%未満である。
【0099】
本開示に記載の「示差走査熱量分析又はDSC」とは、熱効果に関連するすべての物理的及び化学的変化を特徴付け、試料の相変化情報を得るために、試料の昇温又は恒温のプロセスで試料と参照物質との間の温度差、熱流差を測定することを指す。
【0100】
本開示に記載の乾燥温度は、一般に25℃~150℃であり、好ましくは、40℃~80℃であり、常圧乾燥させてもよく、減圧乾燥させてもよい。
【0101】
「医薬組成物」は、1つ又は複数の本明細書に記載の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩とその他の化学成分の混合物、並びに薬学的に許容される担体及び賦形剤のようなその他の成分を含む混合物を指す。「医薬組成物」の目的は、生物体への投与を促進し、有効成分の吸収を促進し、それにより生物活性を発揮することである。
【0102】
本開示に記載の結晶は、式(I)で表される化合物の溶媒和物を含むが、これらに限定されなく、前記溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、酢酸イソプロピル、メチルtert-ブチルエーテル、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、n-ヘプタン、1,4-ジオキサン、ニトロメタン、プロピレングリコールメチルエーテル、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、p-キシレン、シクロヘキサン、ジクロロエタン、n-ヘキサン、石油エーテル、n-オクタン、o-キシレン、トルエン、イソプロピルエーテルを含むが、これらに限定されない。
【0103】
本開示に記載の「溶媒和物」は、式(I)で表される化合物を溶媒と組み合わせることによって形成される複合体を含むが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0104】
図1】式(I)で表される化合物の非晶質のXRPDパターンである。
図2】式(I)で表される化合物のA型結晶のXRPDパターンである。
図3】式(I)で表される化合物のB型結晶のXRPDパターンである。
図4】式(I)で表される化合物のC型結晶のXRPDパターンである。
図5】式(I)で表される化合物のD型結晶のXRPDパターンである。
図6】式(I)で表される化合物のE型結晶のXRPDパターンである。
図7】式(I)で表される化合物のF型結晶のXRPDパターンである。
図8】式(I)で表される化合物のG型結晶のXRPDパターンである。
図9】式(I)で表される化合物のH型結晶のXRPDパターンである。
図10】式(I)で表される化合物のI型結晶のXRPDパターンである。
図11】式(I)で表される化合物のJ型結晶のXRPDパターンである。
図12】式(I)で表される化合物のK型結晶のXRPDパターンである。
図13】式(I)で表される化合物のL型結晶のXRPDパターンである。
図14】式(I)で表される化合物のM型結晶のXRPDパターンである。
図15】式(I)で表される化合物のN型結晶のXRPDパターンである。
図16】式(I)で表される化合物のO型結晶のXRPDパターンである。
図17】式(I)で表される化合物のP型結晶のXRPDパターンである。
図18】式(I)で表される化合物のQ型結晶のXRPDパターンである。
図19】式(I)で表される化合物のU型結晶のXRPDパターンである。
図20】式(I)で表される化合物のX型結晶のXRPDパターンである。
図21】式(I)で表される化合物のY型結晶のXRPDパターンである。
図22】式(I)で表される化合物のV型結晶のXRPDパターンである。
図23】式(I)で表される化合物のR型結晶のXRPDパターンである。
図24】式(I)で表される化合物のS型結晶のXRPDパターンである。
図25】式(I)で表される化合物のT型結晶のXRPDパターンである。
図26】CB-17 SCIDマウスの体内におけるNCI-H929移植腫瘍に対する実施例1の化合物及び対照例CC-92480の有効性データである。
図27】CB-17 SCIDマウスの体重に対する実施例1の化合物及び対照例CC-92480の影響である。
【発明を実施するための形態】
【0105】
以下、実施例又は実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本開示の実施例又は実験例は、本開示の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、本開示の本質及び範囲を限定するものではない。
【0106】
本開示の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常の条件に従うか、或いは原料又は製品の製造業者によって推奨される条件に従う。特定の供給源が示されていない試薬は、市場で購入される通常の試薬である。
【0107】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は/及び質量分析(MS)によって決定される。NMRシフト(δ)は10-6(ppm)の単位で示される。NMRの測定はBruker AVANCE-400核磁気共鳴装置を使用し、測定溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、重水素化クロロホルム(CDCl)、重水素化メタノール(CDOD)であり、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。
【0108】
MSの測定は、Agilent 1200/1290 DAD-6110/6120 Quadrupole MS液体クロマトグラフィー質量分析計(メーカー:Agilent、MSモデル:6110/6120 Quadrupole MS)、waters ACQuity UPLC-QD/SQD(メーカー:waters、MSモデル:waters ACQuity Qda Detector/waters SQ Detector)、THERMO Ultimate 3000-Q Exactive(メーカー:THERMO、MSモデル:THERMO Q Exactive)を使用する。
【0109】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は、Agilent HPLC 1200DAD、Agilent HPLC 1200VWD及びWaters HPLC e2695-2489高圧液体クロマトグラフを使用する。
【0110】
キラルHPLC分析測定は、Agilent 1260 DAD高速液体クロマトグラフを使用する。
【0111】
分取高速液体クロマトグラフィーはWaters 2767、Waters 2767-SQ Detecor2、Shimadzu LC-20AP及びGilson-281分取クロマトグラフを使用する。
【0112】
分取キラルクロマトグラフィーはShimadzu LC-20AP分取クロマトグラフを使用する。
【0113】
CombiFlashフラッシュクロマトグラフはCombiflash Rf200(TELEDYNE ISCO)を使用する。
【0114】
薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレートは煙台黄海HSGF254又は青島GF254シリカゲルプレートを使用し、薄層クロマトグラフィー(TLC)は0.15mm~0.2mmの仕様のシリカゲルプレートを使用し、製品の薄層クロマトグラフィー分離・精製は0.4mm~0.5mmの仕様を使用する。
【0115】
シリカゲルカラムクロマトグラフィーでは、一般的に煙台黄海シリカゲル200~300メッシュのシリカゲルを担体として使用する。
【0116】
平均キナーゼ阻害率及びIC50値は、NovoStarマイクロプレートリーダー(BMG社、ドイツ)を使用して測定する。
【0117】
本開示の既知の出発物質は、当技術分野で既知の方法によって合成することができ、又はABCR GmbH & Co. KG、Acros Organics,Aldrich Chemical Company、Accela ChemBio Inc、Shanghai Darui Fine Chemicals Co., Ltd.などの企業から購入することができる。
実施例で特に明記しない限り、反応はいずれもアルゴンガス雰囲気下又は窒素ガス雰囲気下実行されることができる。
【0118】
アルゴンガス雰囲気又は窒素ガス雰囲気とは、反応瓶を容積約1Lのアルゴンガス又は窒素ガスのバルーンに接続することを指す。
【0119】
水素ガス雰囲気とは、反応瓶を容積約1Lの水素ガスのバルーンに接続することを指す。
【0120】
加圧水素化反応は、Parr 3916EKX水素化装置及びQinglan QL-500水素発生装置又はHC2-SS水素化装置を使用する。
【0121】
水素化反応は通常、真空にし、水素ガスを充填し、3回繰り返す。
【0122】
マイクロ波反応は、CEM Discover-S 908860マイクロ波反応器を使用する。
【0123】
実施例で特に明記しない限り、溶液とは水溶液を指す。
【0124】
実施例で特に明記しない限り、反応温度は室温であり、20℃~30℃である。
【0125】
実施例における反応プロセスのモニタリングは薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用し、反応に使用される展開剤、化合物の精製に使用されるカラムクロマトグラフィーの溶離液系及び薄層クロマトグラフィーの展開剤系は、A:n-ヘキサン/酢酸エチル系、B:ジクロロメタン/メタノール系を含み、溶媒の体積比は化合物の極性によって調節され、少量のトリエチルアミンや酢酸などの塩基性又は酸性の試薬を加えて調節されてもよい。
【0126】
本開示の実験で使用される機器の測定条件:
【0127】
1、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、DSC)
計器モデル:Mettler Toledo DSC 3+STARe System
パージガス:窒素ガス;窒素ガスパージ速度:50mL/min
昇温速度:10.0℃/min
温度範囲:25~350℃
【0128】
2、粉末X線回折(X-ray Powder Diffraction、XRPD)
計器モデル:BRUKER D8 DiscoverX線粉末回折装置
放射線:単色Cu-Kα線(λ=1.5418Å)
走査モード:θ/2θ、走査範囲(2θ範囲):3~50°
電圧:40kV、電流:40mA
【0129】
3、熱重量分析(Thermogravimetric Analysis、TGA)
計器モデル:Mettler Toledo TGA2
パージガス:窒素ガス;窒素ガスパージ速度:50mL/min
昇温速度:10.0℃/min
温度範囲:25~350℃
【0130】
実施例1:式(I)で表される化合物の製造
(S)-4-(4-((5-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(化合物1)
【化3】
【0131】
【化4】
【0132】
ステップ1
tert-ブチル4-((5-ホルミルピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-カルボキシラート1b
化合物1-1a(700mg、3.22mmol)、6-フルオロピリジン-3-カルボキシアルデヒド1a(443mg、3.54mmol)及び炭酸カリウム(1.11g、8.05mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に加えた。反応溶液を加熱して80℃に昇温させ、1時間反応させた。反応溶液を水(30mL)で希釈し、次に、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物を溶離系Bを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物1b(1.0g、収率:96%)を得た。
MS m/z (ESI):267.1 [M-55]。
【0133】
ステップ2
6-(ピペリジン-4-イルチオ)ニコチンアルデヒドトリフルオロ酢酸塩1c
化合物1b(950mg、2.95mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、氷浴下で、トリフルオロ酢酸(2mL)をゆっくりと加え、1時間反応させた。反応溶液を濃縮し、乾燥させて標題化合物1cを得、粗生成物は精製せずに直接に次のステップの反応に使用した。
MS m/z (ESI):223.1 [M+1]。
【0134】
ステップ3
3-フルオロ-4-(4-((5-ホルミルピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)ベンゾニトリル1d
化合物1c(760mg、2.94mmol)、3,4-ジフルオロベンゾニトリル(817mg、5.87mmol)及び炭酸カリウム(1.22g、8.81mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に加え、反応溶液を80℃に加熱し、一晩反応させた。反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、得られた残留物を溶離系Bを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物1d(850mg、収率:84%)を得た。
MS m/z (ESI):342.1 [M+1]。
【0135】
ステップ4
3-フルオロ-4-(4-((5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)ベンゾニトリル1e
氷浴下で、化合物1d(600mg、1.76mmol)をメタノール(10mL)に加え、水素化ホウ素ナトリウム(133mg、3.51mmol)をゆっくりと加え、1時間反応させた。反応溶液を水(10mL)でクエンチングさせ、次に、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物を溶離系Bを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物1e(580mg、収率:96%)を得た。
MS m/z (ESI):344.1 [M+1]。
【0136】
ステップ5
4-(4-((5-(ブロモメチル)ピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル1f
化合物1e(200mg、0.582mmol)をジクロロメタン(6mL)に加え、トリフェニルホスフィン(199mg、0.757mmol)及び四臭化炭素(251mg、0.757mmol)を順次に加え、2時間反応させた。反応溶液を濃縮し、残留物を溶離系Bを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物1f(190mg、収率:80%)を得た。
MS m/z (ESI):406.0 [M+1];408.0 [M+3]。
【0137】
ステップ6
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-((6-((1-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)チオ)ピリジン-3-イル)メトキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸1g
tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸1-3a(82mg、0.246mmol、通常の方法「Journal of Medicinal Chemistry, 2020, 63 (13), 6648-6676」を使用して製造した)、無水炭酸カリウム(65mg、0.468mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に加え、化合物1f(95mg、0.244mmol)を加え、2時間反応させた。反応溶液を氷水(10mL)にそそぎ、次に、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物を溶離系Bを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物1g(145mg、収率:94%)を得た。
MS m/z (ESI):660.2 [M+1]。
【0138】
ステップ7
(S)-4-(4-((5-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)チオ)ピペリジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル1
化合物1g(60mg、0.091mmol)をアセトニトリル(5mL)に加え、室温でベンゼンスルホン酸(16mg、0.091mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応溶液を減圧して溶媒を除去し、得られた残留物を分取高速液体クロマトグラフィー(Gilson GX-281、溶出系:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウムの水溶液及びアセトニトリル、アセトニトリルの勾配:60%~80%、流速:30mL/min)により標題化合物1(42mg、収率:78%)を得た。
粉末X線回折装置を用いて検出したところ、標題化合物1は非晶質であった。
MS m/z (ESI):586.4 [M+1]。
H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 10.98 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.78 (dd, 1H), 7.69 (dd, 1H), 7.59-7.48 (m, 2H), 7.38-7.33 (m, 3H), 7.16 (t, 1H), 5.24 (s, 2H), 5.12 (dd, 1H), 4.42 (d, 1H), 4.26 (d, 1H), 4.07-3.99 (m, 1H), 3.56-3.48 (m, 2H), 3.13-3.03 (m, 2H), 2.96-2.87 (m, 1H), 2.63-2.55 (m, 1H), 2.46-2.38 (m, 1H), 2.21-2.12 (m, 2H), 2.02-1.94 (m, 1H), 1.82-1.70 (m, 2H)。
【0139】
生物学的評価
【0140】
試験例1 NCI-H929増殖実験の生物学的評価
以下の方法を使用して、NCI-H929細胞の増殖に対する本開示の化合物の阻害活性を測定した。実験方法を簡単に説明すると下記に示される通りである。
【0141】
NCI-H929細胞(ATCC、CRL-9068)を完全培地、即ち、10%のウシ胎児血清(Corning、35-076-CV)及び0.05mMの2-メルカプトエタノール(Sigma、M3148)を含むRPMI1640培地(Hyclone、SH30809.01)で培養した。実験の初日、完全培地を用いてNCI-H929細胞を6000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、ウェルあたり100μLの細胞懸濁液を加え、同時に、各ウェルに完全培地で製造した勾配希釈した試験化合物を10μL加え、化合物をまず10mMの開始濃度でDMSOに溶解させ、5倍濃度で勾配連続希釈し、合計9個濃度であり、ブランク対照は100%のDMSOであった。更にDMSOに溶解させた化合物5μLを95μLの完全培地に加え、即ち、化合物を完全培地で20倍に希釈した。最後に、10μL/ウェルの完全培地に希釈した化合物を細胞懸濁液に加え、即ち化合物の最終濃度は、50μMから開始して5倍勾配希釈によって得られる9個濃度点であり、0.5%のDMSOを含むブランク対照を設定し、細胞インキュベーター内で37℃、5% COで5日間培養した。6日目に96ウェル細胞培養プレートを取り出し、各ウェルに50μLのCellTiter-Glo(登録商標)発光細胞活性検出試薬(Promega、G7573)を加え、室温で10分間放置した後、マルチモードマイクロプレートリーダー(PerkinElmer、EnVision2015)を使用して発光シグナル値を読み取り、Graphpad Prismソフトウェアを使用して、化合物の阻害活性のIC50値を計算し、結果は表Iに示された通りである。
【0142】
【表I】
【0143】
結論:本開示の化合物1は、NCI-H929細胞の増殖に対して良好な阻害する活性を有する。
【0144】
試験例2 薬効試験
【0145】
1、実験目的
CB-17 SCIDマウスにおけるヒト多発性骨髄腫細胞NCI-H929移植腫瘍の増殖阻害に対する実施例1の化合物及び対照例CC-92480の効果を評価することである。
【0146】
2、実験医薬
【0147】
実施例1の化合物;
対照例CC-92480(WO2019014100A1の化合物2を参照、それに開示された方法に従って合成した)
【化5】
【0148】
実施例1の化合物及び対照例CC-92480を5%のDMSO+20%のPEG400+70%(10%のTPGS)+5%(1%のHPMC K100LV)で製造した。
【0149】
3、実験方法及び実験材料
【0150】
3.1、実験動物と飼育条件
CB-17 SCIDメスマウス30匹、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.(認証番号:20170011006049,SCXK(Shanghai)2017-0011)から購入し、購入時の体重は約19gであり、5匹/ケージで飼育し、12/12時間明暗サイクルで調節し、23±1℃の温度で恒温させ、湿度:50~60%、自由に摂食・飲水させた。
【0151】
3.2、動物の群分け:
CB-17 SCIDマウスは適応的に飼育した後、群分けは下記に示される通りである。
【0152】
【0153】
3.3、実験方法:
対数増殖期のNCI-H929細胞5×10細胞/マウス/100μL(50μLのMatrigelを含む)を30匹のメスCB-17 SCIDマウスの右肋骨に皮下接種し、10日後、担癌マウスの腫瘍体積が約200mmに達した時、マウスを腫瘍体積及び体重に従って、各群に7匹ずつにして、溶媒対照群、CC-92480-1mpk、実施例1の化合物-1mpkの3つの群に無作為に分けた。群分けの当日をDay0(D0)とし、1日1回の胃内投与を開始し、合計11日間投与した(表2)。週2回、ノギスで担癌マウスの腫瘍体積を測定し、天秤で体重を測定し、データを記録した。腫瘍体積が2000mmに達するか、又はほとんどの腫瘍が破裂するか、体重が20%減少する場合、担癌動物を安楽死させて実験のエンドポイントとした。
【0154】
3.4、データ統計
すべてのデータはExcel及びGraphPad Prism 5ソフトウェアを使用してプロットし、統計分析を実行した。
【0155】
腫瘍体積(V)の計算式は、V=1/2×a×bであり、
ここで、a、bはそれぞれ腫瘍の長径、幅を表した。
【0156】
相対腫瘍増殖率T/C(%)=(T-T)/(C-C)■100(%)、
ここで:T、Cは実験終了時の治療群と対照群の腫瘍体積であり、T、Cは、実験開始時の腫瘍体積である。
【0157】
腫瘍抑制率TGI(%)=1-T/C(%)、TGI(%)が100%を超えた後、具体的な値は表示されず、>100%でのみ表示される。
【0158】
腫瘍退縮(%)=[(T-T)/T]×100(%)。
【0159】
4、結果
CB-17 SCIDマウスの体内におけるNCI-H929移植腫瘍に対する実施例1の化合物及び対照例CC-92480の有効性データは、下記の表IIと図26に示される通りである。
【0160】
CB-17 SCIDマウスの体重に対する実施例1の化合物及び対照例CC-92480の影響は図27に示される通りである。
【0161】
【表II】
【0162】
5、結論
実施例1の化合物を腫瘍細胞移植の10日後に1日1回投与したところ、投与11日後に腫瘍体積が有意に減少した。計算された腫瘍阻害率は>100%であり、腫瘍退縮率は88%であり、実験終了時の同じ用量のCC-92480と比較して統計的な差があり(p<0.05)、投与によるマウスの体重への影響はなかった。同じ条件下で、対照例CC-92480の腫瘍退縮率は34%であった。
【0163】
試験例3 薬物動態評価
【0164】
1、概要
試験動物としてマウスを使用し、LC/MS/MS法を用いて、実施例1の化合物及び対照例CC-92480を胃内投与した後の異なる時点でのマウスの血漿中の薬物濃度を測定した。マウスにおける本開示の化合物の薬物動態挙動を研究し、その薬物動態特性を評価した。
【0165】
2、試験プロトコル
【0166】
2.1 試験医薬
実施例1の化合物及び対照例CC-92480。
【0167】
2.2 試験動物
18匹のマウス(メス)をWeitong Lihua Laboratory Animal Technology Co.、Ltd.から購入し、動物生産許可番号:SCXK(Shanghai)2017-0005である。
【0168】
2.3 医薬の製造
実施例1の化合物を秤量し、5%体積のDMSO及び5%Tween80(SHANGHAI TITANCHEM CO.LTD)を加えて溶解させ、次に、90%の生理食塩水を加えて0.1mg/mLの透明溶液を製造した。
【0169】
対照例CC-92480を秤量し、5%体積のDMSO及び5%Tween80(SHANGHAI TITANCHEM CO.LTD)を加えて溶解させ、次に、90%の生理食塩水を加えて0.1mg/mLの透明溶液を製造した。
【0170】
2.4 投与
9匹のマウスに、実施例1の化合物を2mg/kgの投与量及び0.2mL/10gの投与体積で胃内投与した。
【0171】
9匹のマウスに、化合物対照例CC-92480を2mg/kgの投与量及び0.2mL/10gの投与体積で胃内投与した。
【0172】
3、操作
実施例1の化合物及び対照例CC-92480をマウスに胃内投与し、投与前及び投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、11.0、24.0時間に0.2mLの血液を採取し(各時点で3匹の動物)、EDTA-K2抗凝固チューブに入れ、10000rpmで1分間(4℃)遠心分離し、1時間以内に血漿を分離し、試験のために-20℃で保存した。採血から遠心分離までの過程は氷浴の条件下で操作した。
【0173】
異なる濃度の薬物投与後のマウス血漿における試験化合物の含有量を測定した:薬物投与後の各時点でマウス血漿25μLを採取し、50μL(100ng/mL)の内部標準溶液カンプトテシン(中国生物製品管理研究所)及び175μLのアセトニトリルを加え、5分間ボルテックスし、10分間遠心分離(3700rpm/分)し、血漿試料として1μLの上清を取り、LC/MS/MS(API4000トリプル四重極タンデム質量分析計、アメリカApplied Biosystems社;Shimadzu LC-30AD超高速液体クロマトグラフィーシステム、日本Shimadzu社)分析を実行した。
【0174】
4、薬物動態パラメータ結果
本開示の化合物の薬物動態パラメータは下記の表IIIに示される通りである。
【0175】
【表III】
【0176】
結論:本開示の化合物は、良好な薬物動態吸収を有し、薬物動態学的利点を有する。
【0177】
試験例4 本開示の化合物の血漿安定性の評価
【0178】
1、概要
LC-MS/MSを使用して実施例1の化合物及び対照例CC-92480をサルの凍結保存血漿中で37℃でそれぞれ0、15、30、60、120、180、240分間培養した後、実施例1の化合物及びCC-92480の安定性を定量測定した。
【0179】
2.試験プロトコル
【0180】
2.1 試験医薬
実施例1の化合物及び対照例CC-92480。
【0181】
2.2 試験血漿
サルの血漿はShanghai Medicilon Incから購入した。
【0182】
2.3 化合物溶液の製造
所定量の実施例1の化合物を秤量し、DMSOを加えて30mMのストック溶液を製造し、所定体積のストック溶液を取り、DMSOで濃度が1600μMの溶液Iに希釈し、更に所定体積の1600μMの溶液Iを取り、50%のメタノールで濃度が16μMの作業溶液IIに希釈した。上記の方法を使用して、CC-92480の30mMストック溶液、1600μMの溶液I’及び16μMの作業溶液II´を製造した。
【0183】
2.4 試料の培養
16μMの実施例1の化合物及び5μLの対照例CC-92480の作業溶液を取り、化合物の最終濃度が1μMになるまで、それぞれ75μLの血漿に加えた。試料を37℃の水浴中で0、15、30、60、90、120、180分間培養した。培養完了後240μLの内部標準を含むアセトニトリルを加え、次に、シェーカー上で800rpmで10分間振盪し、遠心分離機で、3700rpm、4℃で20分間遠心分離し、上清をLC-MSで分析し、注入体積は2μLであった。
【0184】
3、結果
サル血漿における本開示の化合物の変換は下記の表IVに示される通りである。
【表IV】
【0185】
結論:本開示の化合物は、サル血漿中で安定性の利点を有している。
【0186】
実施例2:式(I)で表される非晶質化合物の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をプロピレングリコールメチルエーテル(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を乾燥させ、生成物を得た。粉末X線回折装置を用いて検出したところ、当該生成物は非晶質であり、XRPDパターンは図1に示された通りである。
【0187】
実施例3:式(I)で表される化合物のA型結晶の製造
式(I)で表される化合物(7.3g)をジクロロメタン(300mL)に加え、メタノール(30mL)を加えて溶解させ、水(300mL)を加え、スピン乾燥させて大部分のジクロロメタンを除去し、大量の固体が析出し、濾過し、固体を得た後一晩乾燥させた。固体にジクロロメタン(500mL)を加え、溶解させ、吸引濾過し、濾液(500mL)を得、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過し、酢酸エチル(200mL)を加え、スピン乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折装置を用いて検出したところ、当該生成物はA型結晶として定義され、XRPDパターンは図2に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表1に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が155.26℃、183.19℃及び244.74℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~220℃で重量減少が9.48%であることを示している。
【0188】
【表1】
【0189】
実施例4:式(I)で表される化合物のA型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)を水(1ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折装置を用いて検出したところ、当該生成物はA型結晶であった。
【0190】
実施例5:式(I)で表される化合物のA型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をアセトン(1ml)に加え、スラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折装置を用いて検出したところ、当該生成物はA型結晶であった。
【0191】
実施例6:式(I)で表される化合物のA型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をTHF(300ul)に加え、透明に溶解させた後n-ヘプタン(450ul)を加え、固体を析出させ、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折装置を用いて検出したところ、当該生成物はA型結晶であった。
【0192】
実施例7:式(I)で表される化合物のB型結晶の製造
式(I)で表される化合物(150mg)を1.0mlのアセトニトリル/メタノール(V/V=1:1)に加え、スラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はB型結晶として定義され、XRPDパターンは図3に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表2に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が182.74℃及び245.37℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~225℃で重量減少が4.57%であることを示している。
【0193】
【表2】
【0194】
実施例8:式(I)で表される化合物のC型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をエタノール(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はC型結晶として定義され、XRPDパターンは図4に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表3に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が153.48℃、182.76℃及び244.05℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~215℃で重量減少が3.00%であることを示している。
【0195】
【表3】
【0196】
実施例9:式(I)で表される化合物のC型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)を10%の水/アセトン(0.9ml)に加え、蒸発させて結晶化させ、生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はC型結晶であった。
【0197】
実施例10:式(I)で表される化合物のD型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をアセトニトリル(1.0ml)に加え、スラリー化させ、遠心分離し、固体を30℃で真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はD型結晶として定義され、XRPDパターンは図5に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表4に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークが156.12℃及び245.38℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~205℃で重量減少が1.17%であることを示している。
【0198】
【表4】
【0199】
実施例11:式(I)で表される化合物のE型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)を10%の水/メタノール(1.0ml)に加え、スラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はE型結晶として定義され、XRPDパターンは図6に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表5に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が182.71℃及び245.00℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~235℃で重量減少が0.68%であることを示している。
【0200】
【表5】
【0201】
実施例12:式(I)で表される化合物のE型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をDCM(300ul)に加え、透明に溶解させ、n-ヘプタン(300ul)を加え、固体を析出させ、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はE型結晶であった。
【0202】
実施例13:式(I)で表される化合物のF型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をメタノール(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はF型結晶として定義され、XRPDパターンは図7に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表6に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が181.22℃及び245.03℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~210℃で重量減少が8.63%であることを示している。
【0203】
【表6】
【0204】
実施例14:式(I)で表される化合物のF型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をジクロロメタン(0.3ml)に加え、透明に溶解させ、更に酢酸イソプロピル(0.9ml)を加え、固体を析出させ、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はF型結晶であった。
【0205】
実施例15:式(I)で表される化合物のF型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)を1,4-ジオキサン(900μl)に加え、透明に溶解させ、蒸発させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はF型結晶であった。
【0206】
実施例16:式(I)で表される化合物のG型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)を1,2-ジクロロエタン(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はG型結晶として定義され、XRPDパターンは図8に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表7に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が160.43℃、182.11℃及び244.42℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~235℃で重量減少が9.97%であることを示している。
【0207】
【表7】
【0208】
実施例17:式(I)で表される化合物のG型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をクロロホルム(500μl)に加え、透明に溶解させ、蒸発させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はG型結晶であった。
【0209】
実施例18:式(I)で表される化合物のH型結晶の製造
式(I)で表される化合物(約10mg)をn-ヘキサン(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はH型結晶として定義され、XRPDパターンは図9に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表8に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が184.53℃及び247.90℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~215℃で重量減少が4.13%であることを示している。
【0210】
【表8】
【0211】
実施例19:式(I)で表される化合物のI型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をテトラヒドロフラン(0.4ml)に加え、室温でゆっくりと蒸発させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はI型結晶として定義され、XRPDパターンは図10に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表9に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が182.58℃及び245.04℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~225℃で重量減少が5.44%であることを示している。
【0212】
【表9】
【0213】
実施例20:式(I)で表される化合物のI型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をテトラヒドロフラン(0.3ml)に加えて透明に溶解させ、水(0.6ml)を加え、固体が析出し、遠心分離し、真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はI型結晶であった。
【0214】
実施例21:式(I)で表される化合物のJ型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をDMSO(0.2ml)に加えて透明に溶解させ、更に水(0.2ml)を加え、固体が析出し、遠心分離し、真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はJ型結晶として定義され、XRPDパターンは図11に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表10に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が154.09℃、165.41℃及び247.39℃であることを示している。TGAパターンは、30℃~220℃で重量減少が10.48%であることを示している。
【0215】
【表10】
【0216】
実施例22:式(I)で表される化合物のJ型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をDMSO(0.2ml)に加えて透明に溶解させ、メチルtert-ブチルエーテル(0.4ml)を加え、固体が析出し、遠心分離し、真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はJ型結晶であった。
【0217】
実施例23:式(I)で表される化合物のK型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をN-メチルピロリドン(50μl)に加え、室温でゆっくりと蒸発させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はK型結晶として定義され、XRPDパターンは図12に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表11に示される通りである。
【0218】
【表11】
【0219】
実施例24:式(I)で表される化合物のL型結晶の製造
式(I)で表される化合物(10mg)をN,N-ジメチルアセトアミド(200μl)に加えて透明に溶解させ、室温でゆっくりと蒸発させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はL型結晶として定義され、XRPDパターンは図13に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表12に示される通りである。
【0220】
【表12】
【0221】
実施例25:式(I)で表される化合物のM型結晶の製造
式(I)で表される化合物のA型結晶(10mg)を225℃に加熱して生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はM型結晶として定義され、XRPDパターンは図14に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表13に示される通りである。
【0222】
【表13】
【0223】
実施例26:式(I)で表される化合物のN型結晶の製造
式(I)で表される化合物(80mg)を4.0mLの酢酸エチルとテトラヒドロフラン(V/V=1:1)の混合溶媒に加え、加熱して透明に溶解させ、再結晶化させ、濾過し、得られた固体を乾燥させ、生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はN型結晶として定義され、XRPDパターンは図15に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表14に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が185.49℃及び188.82℃であることを示している。TGAパターンは、30℃~225℃で重量減少が4.86%であることを示している。
【0224】
【表14】
【0225】
実施例27:式(I)で表される化合物のO型結晶の製造
式(I)で表される化合物(60mg)をアセトニトリル(5mL)に加え、室温でベンゼンスルホン酸(16mg)を加え、80℃で8時間反応させた。反応溶液から固体が析出した後、濾過し、固体を45℃で真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はO型結晶として定義され、XRPDパターンは図16に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表15に示される通りである。
【0226】
【表15】
【0227】
実施例28:式(I)で表される化合物のP型結晶の製造
式(I)で表される化合物のC型結晶(40mg)をジオキサン(2.0mL)に加え、室温でスラリー化させ、濾過し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はP型結晶として定義され、XRPDパターンは図17に示された通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が127.49℃、180.10℃、249.23℃であることを示し;TGAパターンは、40℃~230℃で重量減少が8.79%であることを示している。
【0228】
【表16】
【0229】
実施例27:式(I)で表される化合物のQ型結晶の製造
式(I)で表される化合物(150mg)を酢酸エチル(3mL)に加え、室温でスラリー化させ、濾過し、固体を130℃で真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はQ型結晶として定義され、XRPDパターンは図18に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表17に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が188.58℃及び249.61℃であることを示している。TGAパターンは、25℃~225℃で重量減少が0.54%であることを示している。
【0230】
【表17】
【0231】
実施例29:式(I)で表される化合物のU型結晶の製造
式(I)で表される化合物(50mg)をDMSO(0.6ml)に加え、50℃に加熱して透明に溶解させ、水(1.2ml)を加え、結晶化させ、遠心分離し、固体に更に水(2ml)を加え、撹拌して洗浄し、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はU型結晶として定義され、XRPDパターンは図19に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表18に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が183.28℃及び248.22℃であることを示している。TGAパターンは、40℃~215℃で重量減少が0.62%であることを示している。
【0232】
【表18】
【0233】
実施例30:式(I)で表される化合物のU型結晶の製造
式(I)で表される化合物のQ型結晶(10mg)を水(1.0ml)に加え、室温で1日間スラリー化させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はU型結晶であった。
【0234】
実施例31:式(I)で表される化合物のX型結晶の製造
式(I)で表される化合物のD型結晶(10mg)をn-ヘプタン(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はX型結晶として定義され、XRPDパターンは図20に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表19に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークが158.81℃、184.14℃及び249.04℃であることを示している。
【0235】
【表19】
【0236】
実施例32:式(I)で表される化合物のY型結晶の製造
式(I)で表される化合物のQ型結晶(10mg)をn-ヘプタン(1.0ml)に加え、室温でスラリー化させ、遠心分離し、固体を真空乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はY型結晶として定義され、XRPDパターンは図21に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表20に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が184.97℃及び248.72℃であることを示している。
【0237】
【表20】
【0238】
実施例33:式(I)で表される化合物のV型結晶の製造
式(I)で表される化合物(200mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.4mL)に加え、次に、反応系にアセトニトリル(2mL)を加え、20~30℃で撹拌し、吸引濾過し、ケーキを乾燥させた後生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はV型結晶として定義され、XRPDパターンは図22に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表21に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が147.78℃であることを示している。TGAパターンは、30℃~210℃で重量減少が10.73%であることを示している。
【0239】
【表21】
【0240】
実施例34:式(I)で表される化合物のV型結晶の製造
式(I)で表される化合物(200mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に加え、60℃に昇温させて溶解させ、自然に20~30℃に冷却させ、20~30℃で撹拌し、吸引濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(0.2mL)でケーキを濯ぎ、ケーキを45℃で26時間減圧して乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はV型結晶であった。
【0241】
実施例35:式(I)で表される化合物のR型結晶の製造
式(I)で表される化合物(8g)をテトラヒドロフラン(150mL)に加え、撹拌して溶解させ、蒸留物がなくなるまで減圧濃縮して生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はR型結晶として定義され、XRPDパターンは図23に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表22に示される通りである。
【0242】
【表22】
【0243】
実施例36:式(I)で表される化合物のS型結晶の製造
式(I)で表される化合物をN,N-ジメチルホルムアミドの中で昇温させて溶解させ、次に、冷却させて析出させ、それをアセトニトリルでスラリー化させた後濾過し、ケーキを水で1回スラリー化させ、濾過し、60℃で試料を乾燥させ、1Lのアセトニトリルを加え、20~30℃で撹拌し、濾過し、乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はS型結晶として定義され、XRPDパターンは図24に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表23に示される通りである。
【0244】
【表23】
【0245】
実施例37:式(I)で表される化合物のT型結晶の製造
式(I)で表される化合物(70.9g)をN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)に加え、70~80℃に昇温させて溶解させ、次に、20~30℃に冷却させ、析出させて撹拌し、濾過し、ケーキを水(1200mL)に加えて撹拌し、濾過し、ケーキを更に水(1200mL)に加えて撹拌し、濾過し、ケーキを40~45℃で乾燥させた。乾燥させた後の試料(45.0g)をアセトニトリル(450mL)に加え、20~30℃で29時間磁気撹拌し、吸引濾過し、17時間減圧乾燥させて生成物を得た。粉末X線回折を用いて検出したところ、当該生成物はT型結晶として定義され、XRPDパターンは図25に示された通りであり、その特徴的なピーク位置は表24に示される通りである。DSCパターンは、吸熱ピークのピーク値が164.78℃及び247.66℃であることを示している。
【0246】
【表24】
【0247】
実施例38:式(I)で表される化合物のD、E、Q及びU型結晶の吸湿性研究(2021年10月15日、Nanjing)
Surface Measurement Systems advantage 2を使用し、25℃で、湿度は50%から開始し、考察の湿度範囲は0%~95%であり、ステップは10%であり、判定基準は各勾配の質量変化dM/dTは0.002%未満であり、TMAX 360min、2回サイクルであった。
【0248】
【表25】
実施例39:式(I)で表される化合物のD、E、Q及びU型結晶の影響因子の安定性
各結晶を開口で広げて置き、それぞれ光照射(4500Lux)、高温(40℃、60℃)、高湿度(RH75%、RH92.5%)の条件下における試料の安定性を考察し、サンプリング期間は30日間であった。
【0249】
【表26】
【0250】
結論:影響因子に関する実験では、式(I)で表される化合物のD、E、Q及びU型結晶が75%及び92.5%の高湿度条件下で良好な物理的及び化学的安定性を有し、60℃、光照条件下では純度がわずかに低下し、結晶が変換しなかったことを示す。
【0251】
実施例40:式(I)で表される化合物のD、E、Q及びU型結晶の長期/加速安定性
式(I)で表される化合物のD、E、Q及びU型結晶をそれぞれ25℃、60%のRH及び40℃、75%のRHの条件に置き、その安定性を考察した。
【0252】
【表27】
【0253】
【表28】
【0254】
【表29】
【0255】
【表30】
【0256】
結論:遊離状態のD、E、Q及びU型結晶は、6ヶ月間の長期加速安定性条件に配置した場合、良好な物理的及び化学的安定性を示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物のA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、U、X、Y、V、R、S又はT型結晶。
【化1】
(ただし、
(1)前記A型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.765、8.061、9.925、16.632、17.900、19.469及び21.115において特徴的なピークを有し、
(2)前記B型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.977、6.788、10.047、14.143、15.684、18.547及び20.840において特徴的なピークを有し、
(3)前記C型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.653、7.974、9.989、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有し、
(4)前記D型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.831、9.845、13.453、18.225、20.117、20.891及び23.006において特徴的なピークを有し、
(5)前記E型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.864、7.573、8.087、10.003、16.444、19.349及び20.553において特徴的なピークを有し、
(6)前記F型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.062、7.820、10.077、14.231、16.672、18.586及び20.435において特徴的なピークを有し、
(7)前記G型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.999、7.972、9.951、11.388、17.812、20.975及び25.819において特徴的なピークを有し、
(8)前記H型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103及び26.356において特徴的なピークを有し、
(9)前記I型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.294、6.826、7.564、10.739、13.699、16.812及び20.709において特徴的なピークを有し、
(10)前記J型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.041、10.068、16.424、20.544、21.190、24.077及び25.433において特徴的なピークを有し、
(11)前記K型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.156、7.699、10.339、14.334、16.203、18.327及び23.418において特徴的なピークを有し、
(12)前記L型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.932、5.360、9.831、14.844、18.244、20.104及び24.914において特徴的なピークを有し、
(13)前記M型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670及び26.863において特徴的なピークを有し、
(14)前記N型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.028、9.942、10.900、15.428、18.410、20.274及び25.252において特徴的なピークを有し、
(15)前記O型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、11.796、17.423、18.081、19.136、21.707、22.165及び25.719において特徴的なピークを有し、
(16)前記P型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.359、7.491、10.786、14.249、16.527、17.729及び20.798において特徴的なピークを有し、
(17)前記Q型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.038、10.152、15.850、16.574、18.892、20.760及び21.835において特徴的なピークを有し、
(18)前記U型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.155、15.745、17.314、17.997、18.838、20.512及び21.415において特徴的なピークを有し、
(19)前記X型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.864、9.873、10.963、13.801、16.089、18.006及び20.929において特徴的なピークを有し、
(20)前記Y型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.676、7.666、14.260、16.562、18.020、21.802及び26.425において特徴的なピークを有し、
(21)前記V型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.649、6.154、6.720、11.651、18.757、19.813及び23.948において特徴的なピークを有し、
(22)前記R型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.534、7.611、10.033、15.782、17.101、19.017及び20.567において特徴的なピークを有し、
(23)前記S型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.576、9.082、10.921、13.592、19.965、21.403及び24.207において特徴的なピークを有し、
(24)前記T型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、16.156及び20.138において特徴的なピークを有する。
【請求項2】
(1)前記A型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.765、7.465、8.061、9.925、12.890、15.085、16.632、17.900、19.469及び21.115において特徴的なピークを有し、
(2)前記B型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.977、6.788、10.047、14.143、15.684、18.547、20.840、24.096及び25.505において特徴的なピークを有し、
(3)前記C型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.653、7.974、9.989、11.505、12.798、14.265、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有し、
(4)前記D型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、、6.831、9.845、10.927、13.453、16.096、18.225、20.117、20.891、23.006及び26.132において特徴的なピークを有し、
(5)前記E型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.864、7.573、8.087、10.003、12.471、15.165、16.444、17.432、19.349及び20.553において特徴的なピークを有し、
(6)前記F型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.062、7.820、10.077、14.231、15.192、16.672、18.586、20.435、21.868及び25.442において特徴的なピークを有し、
(7)前記G型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.999、7.396、7.972、8.637、9.951、11.388、15.291、17.812、20.975及び25.819において特徴的なピークを有し、
(8)前記H型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103、18.917、20.489、24.049及び26.356において特徴的なピークを有し、
(9)前記J型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.041、8.212、10.068、14.101、15.167、16.424、20.544、21.190、24.077及び25.433において特徴的なピークを有し、
(10)前記K型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.156、7.699、10.339、14.334、16.203、18.327、23.418、25.348、25.919及び26.446において特徴的なピークを有し、
(11)前記L型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、4.932、5.360、9.831、10.753、14.844、16.369、18.244、20.104、23.129、24.914において特徴的なピークを有し、
(12)前記M型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670、24.839、25.873、26.863及び27.811において特徴的なピークを有し
(13)前記N型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.028、7.671、9.942、10.900、15.428、16.560、18.410、20.274、24.036及び25.252において特徴的なピークを有し、
(14)前記O型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、7.843、11.796、17.423、18.081、19.136、21.707、22.165、24.412、25.719及び28.521において特徴的なピークを有し、
(15)前記P型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.359、7.491、9.905、10.786、13.192、14.249、16.527、17.729、18.862及び20.798において特徴的なピークを有し、
(16)前記Q型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.038、10.152、11.175、15.850、16.574、18.892、20.760、21.835、23.905及び25.784において特徴的なピークを有し、
(17)前記U型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.155、15.745、16.564、17.314、17.997、18.838、20.512、21.415、23.557及び26.313において特徴的なピークを有し、
(18)前記X型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.864、9.873、10.963、13.801、16.089、18.006、20.929及び26.203において特徴的なピークを有し、
(19)前記Y型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.676、7.666、9.985、12.634、14.260、16.562、18.020、21.802、26.425及び26.974において特徴的なピークを有し、
(20)前記V型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.649、6.154、6.720、9.778、11.651、17.570、18.757、19.813、23.948及び26.995において特徴的なピークを有し、
(21)前記R型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.534、7.611、10.033、11.857、12.737、15.782、17.101、19.017、20.567及び23.692において特徴的なピークを有し、
(22)前記S型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.576、9.082、10.921、13.592、16.805、19.965、21.403、24.207、25.662及び27.457において特徴的なピークを有し、
(23)前記T型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、15.174、16.156、20.138、24.261及び26.391において特徴的なピークを有する、
請求項1に記載の式(I)で表される化合物のA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、U、X、Y、V、R、S又はT型結晶。
【請求項3】
(1)前記A型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.765、7.465、8.061、9.925、11.674、12.890、14.270、15.085、16.632、17.900、18.715、19.469及び21.115において特徴的なピークを有し、
(2)前記C型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、3.533、5.653、7.974、8.790、9.989、11.505、12.798、14.265、15.277、16.143、17.860、18.992及び20.972において特徴的なピークを有し、
(3)前記E型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.864、7.573、8.087、10.003、11.701、12.471、15.165、16.444、17.432、19.349、20.553、21.067及び21.709において特徴的なピークを有し、
(4)前記F型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.062、7.820、10.077、14.231、15.192、16.672、18.586、20.435、21.868、24.193、25.442、26.303及び28.629において特徴的なピークを有し、
(5)前記G型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.999、7.396、7.972、8.637、9.951、11.388、12.763、15.291、17.812、20.975、23.408、25.819及び27.400において特徴的なピークを有し、
(6)前記H型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.758、7.533、9.901、14.267、16.420、18.103、18.917、20.489、21.563、24.049及び26.356において特徴的なピークを有し、
(7)前記J型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.041、8.212、10.068、14.101、15.167、16.424、20.544、21.190、22.036、22.679、24.077、25.433及び26.454において特徴的なピークを有し、
(8)前記M型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、14.959、16.322、18.410、20.748、22.067、23.670、24.322、24.839、25.873、26.863及び27.811において特徴的なピークを有し、
(9)前記N型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.028、7.671、9.942、10.900、12.677、15.428、16.560、18.410、20.274、24.036、25.252及び26.385において特徴的なピークを有し、
(10)前記O型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、7.843、11.796、15.455、17.423、18.081、19.136、21.055、21.707、22.165、24.412、25.719、27.538及び28.521において特徴的なピークを有し、
(11)前記P型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.359、7.491、9.905、10.786、13.192、14.249、16.527、17.729、18.862、20.798、23.799及び26.555において特徴的なピークを有し、
(12)前記Q型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.038、7.682、10.152、11.175、14.218、15.850、16.574、18.892、20.760、21.835、23.905、25.784及び26.418において特徴的なピークを有し、
(13)前記U型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、7.657、14.155、15.745、16.564、17.314、17.997、18.838、20.512、21.415、23.557、25.711、26.313及び28.029において特徴的なピークを有し、
(14)前記Y型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.676、7.666、9.985、12.634、14.260、16.562、18.020、21.802、24.051、25.846、26.425及び26.974において特徴的なピークを有し、
(15)前記V型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.649、6.154、6.720、9.778、11.651、13.576、17.570、18.757、19.813、21.905、23.948、25.825及び26.995において特徴的なピークを有し、
(16)前記R型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、5.534、7.611、10.033、11.148、11.857、12.737、14.179、15.782、17.101、19.017、20.567、21.871及び23.692において特徴的なピークを有し、
(17)前記S型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.576、7.890、9.082、10.921、13.592、15.043、16.805、19.965、21.403、24.207、25.662、26.537及び27.457において特徴的なピークを有し、
(18)前記T型結晶の回折角の2θ角で表される粉末X線回折パターンが、6.915、9.177、9.984、11.012、13.595、15.174、16.156、18.509、20.138、22.954、24.261、26.391及び27.514において特徴的なピークを有する、
請求項1に記載の式(I)で表される化合物のA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、U、X、Y、V、R、S又はT型結晶。
【請求項4】
前記2θ角の誤差範囲が±0.20である、請求項1~のいずれか一項に記載の結晶。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の結晶から製造される医薬組成物。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の結晶を含む医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の結晶と薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを混合するステップを含む、医薬組成物の製造方法。
【請求項9】
CRBNタンパク質に関連する疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造における、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶の使用。
【請求項10】
癌、血管新生関連障害、疼痛、黄斑変性又は関連症候群、皮膚疾患、肺疾患、アスベスト関連疾患、寄生虫疾患、免疫不全疾患、CNS疾患、CNS損傷、アテローム性動脈硬化症又は関連症状、睡眠障害又は関連症状、感染症、ヘモグロビン症又は関連症状、又はTNFα関連疾患を治療及び/又は予防するための医薬の製造における、請求項1~のいずれか一項に記載の結晶の使用。
【請求項11】
癌又はCNS損傷を治療及び/又は予防するための医薬の製造における請求項10に記載の使用
【請求項12】
前記癌は、白血病、骨髄腫、リンパ腫、黒色腫、皮膚癌、肝臓癌、腎臓癌、肺癌、上咽頭癌、胃癌、食道癌、結腸直腸癌、胆嚢癌、胆管癌、絨毛上皮腫、膵臓癌、真性赤血球増加症、小児腫瘍、子宮頸癌、卵巣癌、乳癌、膀胱癌、尿路上皮癌、尿管癌、前立腺癌、精上皮腫、精巣腫瘍、頭頸部腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、肉腫、骨腫、神経芽腫、神経内分泌癌、脳腫瘍、CNS癌、星状細胞腫及び神経膠腫から選択される、請求項10に記載の使用
【請求項13】
前記肝臓癌は、肝細胞癌であり、前記結腸直腸癌は、結腸癌又は直腸癌であり、前記肉腫は骨肉腫又は軟部組織肉腫であり、前記神経膠腫は、膠芽腫である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記骨髄腫は、多発性骨髄腫(MM)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、請求項12に記載の使用
【請求項15】
前記多発性骨髄腫は再発性、難治性又は抵抗性である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記多発性骨髄腫は、レナリドミドとポマリドミドに対して難治性又は抵抗性である、請求項14に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
相対腫瘍増殖率T/C(%)=(T-T)/(C-C×100(%)、
ここで:T、Cは実験終了時の治療群と対照群の腫瘍体積であり、T、Cは、実験開始時の腫瘍体積である。
【国際調査報告】