IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山東新時代薬業有限公司の特許一覧

特表2025-503082カテプシンK阻害剤及びその製造方法並びにその応用
<図1>
  • 特表-カテプシンK阻害剤及びその製造方法並びにその応用 図1
  • 特表-カテプシンK阻害剤及びその製造方法並びにその応用 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】カテプシンK阻害剤及びその製造方法並びにその応用
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/42 20060101AFI20250123BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20250123BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20250123BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
C07D239/42 CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P5/14
A61P9/00
A61P19/00
A61P1/02
A61P9/10 101
A61P9/04
A61P19/10
A61P19/02
A61P29/00 101
A61K31/506
C07D471/04 104Z
A61K31/437
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543309
(86)(22)【出願日】2023-01-28
(85)【翻訳文提出日】2024-08-22
(86)【国際出願番号】 CN2023073612
(87)【国際公開番号】W WO2023138695
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210098531.3
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210156862.8
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524273041
【氏名又は名称】山東新時代薬業有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG NEW TIME PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, North Outer Ring Road, Feixian County Linyi, Shandong 273400, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】王 進欣
(72)【発明者】
【氏名】張 貴民
(72)【発明者】
【氏名】王 可
(72)【発明者】
【氏名】姚 景春
(72)【発明者】
【氏名】潘 麗紅
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC50
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA67
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZC06
4C086ZC20
(57)【要約】
構造が式(0)及び/又は式(II):
に示すように、親電子基としてのピリミジンシアノ基又はケトン基が重要な基であり、カテプシンKに対して良好な阻害作用を発揮するカテプシンK阻害剤に関するものである。また、その製造方法及び応用を提供する。提供されたカテプシンK阻害剤は、高い阻害作用及び選択性を有し、甲状腺疾患、心血管疾患、骨疾患及び歯肉疾患を含む疾患の治療に適用することが期待されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式で示される構造を含有する式0:
【化1】
[式中、
Xは、C又はNであり、
は、H、置換又は無置換のC1-10アルキル基、置換又は無置換のC3-C10シクロアルキル基から選択され、前記置換基は、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、スルホン基から選択され、
は、ハロゲン又はC1-6アルキル基から選択され、
Yは、環基であり、連結される芳香環の任意の位置にあり、1つ又は2つの炭素原子で芳香環に結合し、C3-10シクロアルキル基、C6-12芳香環、C5-12複素環であってもよく、
前記C6-12芳香環は、C6-12芳香環及びC6-12芳香族複素環を含み、前記C6-12芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-12複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
tは、0又は1であり、tが0である場合、Rは、結合する芳香環の任意の位置にあり、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、置換のC3-10ヘテロシクロアルキル基、-S(O)、-C(O)R、-NR、-C(O)NHR、-SR、-ORから選択され、
前記C3-10ヘテロシクロアルキル基の置換基は、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基から選択され、
前記C1-10アルキル基は、さらにヒドロキシ基、-C(O)Rで置換されてもよく、
前記Rは、H、アミノ基、ハロゲン、置換又は無置換のC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基又はC3-8ヘテロシクロアルキル基から選択され、前記C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基又はC3-8ヘテロシクロアルキル基の置換基は、C1-6アルキル基であり、
前記R、Rはそれぞれ独立して、H、-C(O)Rから選択され、又はR、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む4-8員環を形成し、前記Rは、ピペラジニル基又はメチルピペラジン基で置換されたC1-6アルキル基から選択され、
は、C1-6アルキル基から選択され、
は、C1-6アルキル基から選択され、C1-6アルキル基は、さらに-C(O)Rで置換されてもよく、Rは、ピペラジニル基又はメチルピペラジン基から選択され、
前記C3-10ヘテロシクロアルキル基又はC3-8ヘテロシクロアルキル基は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは光学異性体。
【請求項2】
下記の一般式で示される構造を含有する式I又は式II:
【化2】
[式I中、Xは、C又はNであり、
は、H、置換又は無置換のC1-10アルキル基、置換又は無置換のC3-C10シクロアルキル基から選択され、前記置換基は、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、スルホン基から選択され、
Yは、環基であり、結合する芳香環の任意の位置にあり、C3-10シクロアルキル基、C6-12芳香環、C5-12複素環であってもよく、
前記C6-12芳香環は、C6-12芳香環及びC6-12芳香族複素環を含み、前記C6-12芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-12複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、-S(O)、-C(O)R、-NR、-SR、-ORから選択され、前記Rは、H、アミノ基、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基から選択され、前記R、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む4-8員環を形成し、前記Rは、C1-6アルキル基から選択され、
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択され、
式II中、R、Rはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、置換又は非置換のC1-6アルキル基、置換又は非置換のC1-6アルコキシ基から選択され、前記置換のC1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基は、さらに少なくとも1つのハロゲン又はヒドロキシ基で置換され、式II中のtは、化学結合であり、
【化3】
から選択される1種以上であってもよい]
の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは光学異性体。
【請求項3】
式I中、
Xは、C又はNであり、
は、C1-10アルキル基、C3-C10シクロアルキル基から選択され、
Yは、環基であり、C3-10シクロアルキル基、C6-12芳香環、C5-12複素環であってもよく、
前記C6-12芳香環は、C6-12芳香環及びC6-12芳香族複素環を含み、前記C6-12芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-12複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、-S(O)、-C(O)、-NR、-SR、-ORから選択され、前記Rは、H、アミノ基、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基から選択され、前記R、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む4-8員環を形成し、前記Rは、C1-6アルキル基から選択され、
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択され、
式I中、R、Rはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換のC1-3アルキル基、置換又は非置換のC1-3アルコキシ基から選択され、前記置換のC1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基は、さらに少なくとも1つのFで置換されることを特徴とする、
請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは光学異性体。
【請求項4】
式I中、Yは、
【化4】
、フェニル基、ピリジル基、チエニル基、チアゾリル基から選択され、式II中、R、Rはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基から選択される、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは光学異性体。
【請求項5】
式I中、Rは、H、F、Cl、シアノ基、メチル基、メチルチオ基、メトキシ基、メチルスルホニル基、メチルカルバモイル基、メチルピペラジン基から選択され、式II中、R、Rはそれぞれ独立して、H及びFから選択される、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは光学異性体。
【請求項6】
具体的には、
1)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
2)2-[(2,2-ジメチルプロピル)[(4-フェニルフェニル)メチル]アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
3)2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(メチルチオ)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
4)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-フルオロフェニル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
5)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-メトキシフェニル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
6)2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(メチルスルホニル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
7)2-({[4-(5-シアノチオフェン-2-イル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
8)2-({[4-(6-クロロピリジン-3-イル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
9)2-({[4-(3,4-ジクロロフェニル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
10)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(5-メチルチオフェン-2-イル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
11)4-(4-{[(4-シアノピリミジン-2-イル)(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}フェニル)安息香酸メチルと、
12)2-({[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
13)2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
14)2-[(シクロヘキシルメチル)[(4-フェニルフェニル)メチル]アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
15)2-[(シクロヘキシルメチル)({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
16)2-[(シクロヘキシルメチル)({4-[4-(メチルスルホニル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
17)2-(ネオペンチル(4-(チアゾール-4-イル)ベンジル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
18)2-((4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)ベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
19)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
20)(1R,2R)-2-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
21)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド-[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
22)(1R,2R)-2-(6,8-ジフルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド-[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
23)(1R,2R)-2-(8-クロロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
24)(1R,2R)-2-(8-ブロモ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
25)(1R,2R)-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
26)(1R,2R)-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
27)(1R,2R)-2-(6-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
28)(1R,2R)-2-(6-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
29)(1R,2R)-2-(6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
30)(1R,2R)-2-(6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
31)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
32)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
33)2-((4-クロロベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
34)2-((4-ブロモベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
35)2-((ナフタレン-2-イルメチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
36)2-(ネオペンチル(キノリン-2-イルメチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
37)2-(((4’-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
38)2-(((4’-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
39)2-(((2-メチル-4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
40)2-(((2-クロロ-4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
41)2-(ネオペンチル(4-(4-(2-オキソプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンジル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
42)2-(イソブチル((4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
43)N-(4-((4-シアノピリミジン-2-イル)(ネオペンチル)アミノ)メチル)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミドと、
44)2-((4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
45)4-(((4-シアノピリミジン-2-イル)(ネオペンチル)アミノ)メチル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)ベンズアミドという化合物から選択される、ことを特徴とする式0又は式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは光学異性体。
【請求項7】
請求項2に記載の式I又は式IIの化合物の製造方法であって、
式Iの製造方法は、
【化5】
化合物T5と化合物T6を反応させて式Iの化合物を生成するステップを含み、ここで、R、R、X、Yは、請求項1で定義されるとおりであり、
及び/又は、式IIの製造方法は、
【化6】
化合物P2と4-アミノテトラヒドロフラン-3-オールとを縮合反応させるステップ1)と、
ステップ1で得られた生成物を酸化剤で酸化して式IIの化合物を生成するステップ2)と、を含む、ことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
化合物T5の製造方法は、
【化7】
化合物T3と化合物T4と反応させて化合物T5を生成することである、ことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
化合物P2の合成方法は、
【化8】
化合物P1と(3aR,7aS)-ヘキサヒドロイソベンゾフラン-1,3-ジオンとを反応させて化合物P2を生成することである、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
請求項1-6のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその光学異性体を含む、医薬組成物。
【請求項11】
請求項1-6のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその光学異性体の、カテプシンKをターゲットとする疾患を治療する薬物の製造における応用。
【請求項12】
前記カテプシンKをターゲットとする疾患は、腫瘍、甲状腺疾患、心血管疾患、骨疾患及び歯肉疾患を含み、好ましくは、前記甲状腺疾患は、甲状腺機能亢進を含み、好ましくは、前記心血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、心筋肥大、心不全を含み、好ましくは、前記骨疾患は、骨粗鬆症、変形性関節症、関節リウマチを含み、好ましくは、前記歯肉疾患は、歯肉炎及び歯周炎を含み、好ましくは、前記カテプシンKをターゲットとする疾患は、骨粗鬆症である、ことを特徴とする請求項11に記載の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学分野に関し、具体的には、カテプシンKの活性を阻害する化合物、それらの製造方法及びカテプシンKの活性に関連するか又はカテプシンKの活性を特徴とする疾患、例えば、骨粗鬆症を治療するための薬物の製造における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
骨粗鬆症とは、骨粗鬆と略称され、全身の骨量が減少し、骨密度が低下して、患者の骨折リスクが大きくなる代謝障害性疾患である。人口高齢化の進展に伴い、当該疾患に関する健康問題がますます深刻になり、骨粗鬆症患者の骨折確率が大幅に増加し、社会と家庭に大きな負担を与え、人々の生活に深刻な悪影響を与える。骨粗鬆症の発病メカニズムは、破骨細胞媒介の骨吸収と骨芽細胞媒介の骨形成とのアンバランスによるものであり、現在の市場で常用される骨粗鬆症治療薬物としては、ビスフォスフォネート等の骨吸収阻害剤及び骨形成促進剤があるが、これら2種の薬物は、一定の欠陥がある。骨吸収阻害剤を長期間使用すると、骨細胞の分化増殖に悪影響を与え、さらに「低骨転換状態」の発生を引き起こし、骨形成促進剤は、患者が骨肉腫に罹患する確率を増加させる。
【0003】
現在の市場に存在する薬物は、いずれも一定の欠陥が存在するため、骨粗鬆症治療作用を発揮するとともに、骨芽細胞及び破骨細胞の増殖、分化に悪影響を与えず、低骨転換状態の発生を回避できる新規な骨粗鬆症治療薬物を研究することは、現在の研究方向である。
【0004】
カテプシンK(Cathepsin K,Cat K)は、パパインファミリーのシステインプロテアーゼに属し、破骨細胞に大量に存在し、現在、骨粗鬆症治療の新たなターゲットとなっている。人体の骨マトリックスは、25%の水、25%の有機マトリックス及び50%の鉱物マトリックスで構成され、そのうち、有機質の90%の構成成分は、I型コラーゲンであり、I型コラーゲンの分解は、破骨細胞媒介の骨吸収の重要な過程であり、Cat Kは、I型コラーゲンの分解に対して支配的な役割を果たし、Cat K阻害剤は、マトリックスコラーゲンの分解を遮断することにより、成熟した破骨細胞の再吸収を阻害し、同時に、Cat K阻害剤は、破骨細胞の生存数を維持することができ、これにより破骨細胞と骨芽細胞との結合シグナルが完全に保持され、それによって「低骨転換状態」の発生を回避する。また、Cat Kは、甲状腺疾患、心血管疾患及び歯肉疾患の病原過程において重要な役割を果たす。Cat K異常発現又は活性化を特徴とする疾患は、甲状腺疾患、心血管疾患、骨疾患及び歯肉疾患を含み、具体的には、甲状腺機能亢進、アテローム性動脈硬化、心筋肥大、心不全、骨粗鬆症、変形性関節症、関節リウマチ、歯肉炎及び歯周炎である。近年、Cat Kに関する研究がますます増加し、冠状動脈硬化症等の病理状態で内皮細胞が分泌するCat Kの増加を引き起こすことができる。Cat Kは、心筋肥大や心不全の発生発展に非常に密接な関係がある。Gargら(Garg G,Pradeep AR,Thorat MK,et al.Effect of nonsurgical periodontal therapy on crevicular fluid levels of Cathepsin K in periodontitis.Arch Oral Biol,54:1046-1051)は、歯周炎患者の基礎治療前後の歯肉溝液中のCat Kの変化により、基礎治療後、歯周炎患者の臨床歯肉指数、歯周探知深さ及び付着喪失の減少に伴い、Cat Kのレベルも低下することを証明し、Cat Kは、歯周炎骨吸収のマーカーとして、歯周炎治療においてさらに注目及び研究されるべきである。
【0005】
現在、Cat K阻害剤及び臨床研究段階で報告された各種の阻害剤の活性は、いずれも大幅に向上する。しかしながら、依然として当該ターゲットに対する市販薬物がなく、その主な原因は、化合物の選択性が低く、その他のサブタイプ、例えばB型及びS型に対して高い阻害活性を有し、薬物の副作用の発生につながることである。したがって、副作用の低減を目標として、効率的で選択的な新規なCat K阻害剤の開発と研究は、現在の主な研究方向である。
【0006】
Cat BとCat Kが同じシステインプロテアーゼに属し、Cat Lが好酸性タンパク質加水分解酵素であり、且つCat Lを入手しにくいことに鑑み、本発明で設計して合成したシアノ基で置換されたピリミジン系化合物は、K、B及びSに対して活性が測定されると、良好な選択性を有し、Cat K活性に関連するか又はCat K活性を特徴とする疾患の治療に適用することが期待されている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、Cat Kに作用する新規なケトン系化合物及び/又はニトリル系化合物及びそれらの薬学的に許容される塩、ならびにそれらの製造方法及びそれらの応用を提供する。
【0008】
本発明は、下記の一般式:
【化1】
[式0中、Xは、C又はNであり、
は、H、置換又は無置換のC1-10アルキル基、置換又は無置換のC3-C10シクロアルキル基から選択され、前記置換基は、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、スルホン基から選択され、
は、ハロゲン又はC1-6アルキル基から選択され、
Yは、環基であり、連結される芳香環の任意の位置にあり、1つ又は2つの炭素原子で芳香環に結合され、C3-10シクロアルキル基、C6-12芳香環、C5-12複素環であってもよく、
前記C6-12芳香環は、C6-12芳香環及びC6-12芳香族複素環を含み、前記C6-12芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-12複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
eは、0又は1であり、eが0である場合、Rは、芳香環の任意の位置に直接連結され、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、置換又は無置換のC3-10ヘテロシクロアルキル基、-S(O)、-C(O)R、-NR、-C(O)NHR、-SR、-ORから選択され、
前記C3-10ヘテロシクロアルキル基の置換基は、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基から選択され、
前記C1-10アルキル基は、さらにヒドロキシ基、-C(O)Rで置換されてもよく、
前記Rは、H、アミノ基、ハロゲン、置換又は無置換のC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基又はC3-8ヘテロシクロアルキル基から選択され、前記C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基又はC3-8ヘテロシクロアルキル基の置換基は、C1-6アルキル基であり、
前記R、Rはそれぞれ独立して、H、-C(O)Rから選択され、又はR、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む4-8員環を形成し、前記Rは、ピペラジニル基又はメチルピペラジン基で置換されたC1-6アルキル基から選択され、
は、C1-6アルキル基から選択され、
は、C1-6アルキル基から選択され、C1-6アルキル基は、さらに-C(O)Rで置換されてもよく、Rは、ピペラジニル基又はメチルピペラジン基から選択され、
前記C3-10ヘテロシクロアルキル基又はC3-8ヘテロシクロアルキル基は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択される]
で示される構造を含有するニトリル系化合物を提供する。
【0009】
tが0であり、R*がHである場合、式0の化合物は、式I:
【化2】
[式I中、Xは、C又はNであり、
は、H、置換又は無置換のC1-10アルキル基、置換又は無置換のC3-C10シクロアルキル基から選択され、前記置換基は、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、スルホン基から選択され、
Yは、環基であり、連結される芳香環の任意の位置にあり、C3-10シクロアルキル基、C6-12芳香環、C5-12複素環であってもよく、
前記C6-12芳香環は、C6-12芳香環及びC6-12芳香族複素環を含み、前記C6-12芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-12複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、-S(O)、-C(O)R、-NR、-SR、-ORから選択され、前記Rは、H、アミノ基、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基から選択され、前記R、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む4-8員環を形成し、前記Rは、C1-6アルキル基から選択され、
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択される]
で表されるとおりである。
【0010】
さらに、Xは、Cであり、
は、C1-6アルキル基、C4-C8シクロアルキル基から選択され、
Yは、環基であり、芳香環のパラ位にあり、C4-8シクロアルキル基、C6-10芳香環、C5-10複素環であってもよく、
前記C6-10芳香環は、C6-10芳香環及びC6-10芳香族複素環を含み、前記C6-10芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-10複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基、-S(O)、-C(O)R、-NR、-SR、-ORから選択され、前記Rは、H、アミノ基、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基から選択され、前記R、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む5-8員環を形成し、前記Rは、C1-6アルキル基から選択される。
【0011】
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択される。
【0012】
さらに、Xは、Cであり、
は、C1-6アルキル基、C5-8シクロアルキル基から選択され、
Yは、環基であり、芳香環のパラ位にあり、C5-8シクロアルキル基、C6-8芳香環、C5-8複素環であってもよく、
前記C6-8芳香環は、C6-8芳香環及びC6-8芳香族複素環を含み、前記C6-8芳香族複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記C5-8複素環は、飽和複素環又は不飽和複素環であり、複素環は、1-3つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、O、N又はSであってもよく、
は、H、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、-S(O)、-C(O)R、-NR、-SR、-ORから選択され、前記Rは、アミノ基、ハロゲン、C1-3アルキル基から選択され、前記R、Rは、それらが結合するNと共に少なくとも1つのNを含む5-8員環を形成し、前記Rは、C1-3アルキル基から選択される。
【0013】
前記ハロゲンは、一置換又は多置換のためのものであり、F、Cl、Br、Iから選択される。
【0014】
いくつかの実施例において、Rは、ネオペンチル基、シクロヘキシル基から選択される。
【0015】
いくつかの実施例において、Yは、
【化3】
、フェニル基、ピリジル基、チエニル基、チアゾリル基から選択される。
【0016】
いくつかの好ましい実施例において、Yは、
【化4】
、フェニル基、チアゾリル基から選択される。
【0017】
いくつかの実施例において、Rは、H、F、Cl、シアノ基、メチル基、メチルチオ基、メトキシ基、メチルスルホニル基、メチルカルバモイル基、メチルピペラジン基から選択される。
【0018】
いくつかの好ましい実施例において、Rは、メチル基、メチルピペラジン基から選択される。
【0019】
本発明は、一般式が以下に示される構造:
【化5】
[式中、R、Rはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ基、アミノ基、置換又は非置換のC1-6アルキル基、置換又は非置換のC1-6アルコキシ基から選択され、前記置換のC1-6アルキル基又は置換のC1-6アルコキシ基は、さらに少なくとも1つのハロゲン又はヒドロキシ基で置換され、
tは、化学結合であり、
【化6】
から選択される少なくとも1種であってもよい]
を含有するケト系カテプシンK阻害剤を提供する。
【0020】
さらに、R、Rはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基から選択され、前記C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基は、さらに少なくとも1つのハロゲンで置換される。
【0021】
さらに、R、Rはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基から選択され、前記C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基は、さらに少なくとも1つのFで置換される。
【0022】
前記C1-3アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基である。
【0023】
前記C1-3アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基である。
【0024】
前記C1-3アルコキシ基は、メトキシ基又はトリフルオロメチル基である。
【0025】
前記C1-3アルコキシ基は、トリフルオロメチル基である。
【0026】
いくつかの実施例において、R、Rはそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基から選択される。
【0027】
いくつかの好ましい実施例において、R、Rはそれぞれ独立して、H及びFから選択される。
【0028】
前記ハロゲンは、F、Cl、Br、Iから選択される。
【0029】
本発明が提供する化合物は、
1)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
2)2-[(2,2-ジメチルプロピル)[(4-フェニルフェニル)メチル]アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
3)2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(メチルチオ)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
4)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-フルオロフェニル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
5)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-メトキシフェニル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
6)2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(メチルスルホニル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
7)2-({[4-(5-シアノチオフェン-2-イル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
8)2-({[4-(6-クロロピリジン-3-イル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
9)2-({[4-(3,4-ジクロロフェニル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
10)2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(5-メチルチオフェン-2-イル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
11)4-(4-{[(4-シアノピリミジン-2-イル)(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}フェニル)安息香酸メチルと、
12)2-({[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
13)2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
14)2-[(シクロヘキシルメチル)[(4-フェニルフェニル)メチル]アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
15)2-[(シクロヘキシルメチル)({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
16)2-[(シクロヘキシルメチル)({4-[4-(メチルスルホニル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリルと、
17)2-(ネオペンチル(4-(チアゾール-4-イル)ベンジル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
18)2-((4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)ベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
19)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
20)(1R,2R)-2-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
21)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
22)(1R,2R)-2-(6,8-ジフルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
23)(1R,2R)-2-(8-クロロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
24)(1R,2R)-2-(8-ブロモ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
25)(1R,2R)-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
26)(1R,2R)-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
27)(1R,2R)-2-(6-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
28)(1R,2R)-2-(6-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
29)(1R,2R)-2-(6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
30)(1R,2R)-2-(6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
31)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-6-メトキシ--2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
32)(1R,2R)-2-(8-フルオロ-6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミドと、
33)2-((4-クロロベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
34)2-((4-ブロモベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
35)2-((ナフタレン-2-イルメチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
36)2-(ネオペンチル(キノリン-2-イルメチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
37)2-(((4’-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
38)2-(((4’-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
39)2-(((2-メチル-4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
40)2-(((2-クロロ-4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
41)2-(ネオペンチル(4-(4-(2-オキソプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンジル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
42)2-(イソブチル((4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
43)N-(4-((4-シアノピリミジン-2-イル)(ネオペンチル)アミノ)メチル)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミドと、
44)2-((4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリルと、
45)4-(((4-シアノピリミジン-2-イル)(ネオペンチル)アミノ)メチル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)ベンズアミドという具体的な構造を含む。
【0030】
本発明の別の目的は、上記化合物及びその薬学的に許容される塩の製造方法を提供することであり、式Iの製造方法は、
【化7】
というステップを含み、
ここで、R、R、X、Yは、上記で定義されるとおりであり、
Lは、F、Cl、Brから選択されるハロゲンであり、
ステップ1):中間体T3及び化合物T4を反応させて化合物T5を生成し、
反応条件:アルカリ性溶媒で行われ、
前記塩基は、無機塩基であり、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア水、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムから選択される少なくとも1種であり、
前記溶媒は、水、メタノール、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ホルムアミド、アセトニトリル、n-ブタノール、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル又はテトラヒドロフランから選択される少なくとも1種であり、
ステップ2):化合物T5と化合物T6を反応させて式Iの化合物を生成し、
反応条件:アルカリ性溶媒中で加熱反応し、
前記塩基及び溶媒は、ステップ1)で定義されるとおりであり、
前記加熱温度は、40-100℃である。
【0031】
式IIの製造方法は、
【化8】
というステップを含み、
ステップ1)化合物P1と(3aR,7aS)-ヘキサヒドロイソベンゾフラン-1,3-ジオンとを反応させて化合物P2を生成し、
反応条件:溶媒で行われ、前記溶媒は、極性溶媒であり、水、メタノール、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ホルムアミド、アセトニトリル、n-ブタノール、ジオキサン、ジクロロメタン、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、テトラヒドロフランから選択される少なくとも1種であり、
ステップ2)化合物P2と4-アミノテトラヒドロフラン-3-オールとを反応させて化合物P3を生成し、
反応条件:塩基を含む極性溶媒で行われ、前記塩基は、ピリジン、2-メチルピリジン、2,6-ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ピペリジン、1-メチルピペリジン、1-メチルピロリジンから選択される少なくとも1種であり、前記極性溶媒は、ステップ1に従って定義されるとおりであり、
ステップ3)化合物P3を酸化反応させて式Iの化合物を生成し、
反応条件:酸化剤の条件下で行われ、前記酸化剤は、無機酸化剤又は有機酸化剤又は混合酸化剤であり、
前記無機酸化剤は、重クロム酸ナトリウム、クロム酸、二酸化マンガン、硝酸セリウムアンモニウム、過マンガン酸カリウム、過鉄酸カリウム、臭素単体、ヨウ素単体、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、五酸化二ヨウ素から選択される少なくとも1種であり、前記有機酸化剤は、2-ヨード安息香酸、テトラメチルピペリジン酸化物、過酸化ベンゾイル、過酸化シクロヘキサノンから選択される少なくとも1種であり、前記混合酸化剤は、クロロクロム酸ピリジン塩、無水クロム酸ピリジン複合体、重クロム酸ピリジン、三酸化硫黄ピリジン複合体から選択される少なくとも1種であり、
さらに、酸化剤は、好ましくは、クロロクロム酸ピリジニウム塩、無水クロム酸ピリジニウム複合体、三酸化硫黄ピリジニウム複合体である。
【0032】
本発明は、さらに治療有効量の1種又は複数種の前記化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、前記カテプシンK阻害剤を含有する組成物を提供する。
【0033】
本発明は、さらに前記カテプシンK阻害剤の、カテプシンKをターゲットとする疾患を治療する薬物の製造における応用を提供する。
【0034】
さらに、前記カテプシンKをターゲットとする疾患は、甲状腺疾患、心血管疾患、骨疾患、歯肉疾患及び腫瘍を含む。
【0035】
さらに、前記甲状腺疾患は、甲状腺機能亢進を含む。
【0036】
さらに、前記心血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、心筋肥大、心不全を含む。
【0037】
さらに、前記骨疾患は、骨粗鬆症、変形性関節症、関節リウマチを含む。
【0038】
さらに、前記歯肉疾患は、歯肉炎及び歯周炎を含む。
【0039】
さらに、前記腫瘍は、腫瘍浸潤及び腫瘍転移を含む。
【0040】
さらに、前記カテプシンKをターゲットとする疾患は,骨粗鬆症である。
【0041】
従来技術と比べて、本発明の利点及び技術的効果は、以下のとおりである。
【0042】
本発明の化合物は、Cat K酵素に対する阻害率が高く、IC50値が低く、Cat K酵素に対して良好な阻害活性を有する。化合物は、10μMでCat K酵素に対する阻害率が90%以上に達することができ、IC50は、50nM未満である。
【0043】
本発明の化合物の選択性が高い。1μM及び10μMのレベルで、Cat B酵素、Cat S酵素に対する阻害率は、いずれも<50%であり、Cat B酵素及びCat S酵素に対するIC50値は、いずれも>10μMであり、これにより本発明の化合物は、Cat K酵素に対して高い選択性を有することを示す。
【0044】
本発明の化合物は、高い薬物形成性を有する。
【0045】
当該カテプシンK阻害剤は、甲状腺疾患、心血管疾患、骨疾患及び口腔疾患を含み、具体的には、甲状腺機能亢進、アテローム性動脈硬化、心筋肥大、心不全、骨粗鬆症、変形性関節症、関節リウマチ、歯肉炎及び歯周炎である、カテプシンKの異常発現又は活性化を特徴とする疾患の治療に使用することができる。本発明の化合物は、破骨細胞の生成を阻害することができ、骨粗鬆症の治療に使用することができる。
【0046】
本発明の用語:
1.略語と定義
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DCM:ジクロロメタン
HATU:2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
2.その他の用語
用語「C1-10アルキル基」とは、1-10個の炭素原子を含有し、母体アルキルの単一炭素原子上の1つの水素原子を除去することにより誘導される直鎖又は分岐炭化水素基を指し、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基等である。用語「C1-6アルキル」とは、1-6つの炭素原子を含有する任意の直鎖又は分岐鎖基を指す。
【0047】
用語「C1-10アルコキシ基」とは、-O-C1-10アルキル基を含み、C1-10アルキル基が酸素原子と結合することを意味する。
【0048】
用語「C1-6アルコキシ基」は、-O-C1-10アルキルを含む。
【0049】
用語「C3-10シクロアルキル基」は、炭素原子及び水素原子のみで構成される安定な非芳香族単環又は多環炭化水素基を指し、縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含んでもよく、3-10個の炭素原子を有し、且つそれは、飽和又は不飽和であり、任意の適切な炭素原子を介して単結合により分子の残りの部分と結合してもよい。本明細書で特に明記しない限り、シクロアルキル基中の炭素原子は、任意に酸化されてもよい。シクロアルキル基の実例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を含むが、これらに限定されない。
【0050】
用語「C6-12員芳香環」は、共役を有する平面環系を表し、原子間結合は、不連続な単一結合と二重結合との交替ではなく、非局在π電子雲で覆われ、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子であってもよい6-12個の原子を有する。本明細書において特に明記しない限り、芳香環は、単環、二環、三環又はそれ以上の環の環系であってもよい。
【0051】
用語「C1-10」、「C1-C10」の表現形式は、1-10個の炭素原子を含有する基を表す。
【0052】
用語「C6-12芳香族複素環」は、6-12個の環原子を含有する単環又は二環芳香族環であり、ここで、1、2、3、4つの環原子は、窒素、硫黄又は酸素から選択され、環中の窒素又は硫黄は、酸化されてもよい。本発明の目的から、芳香族複素環は、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を1-3つ含む安定な5員-10員芳香族基であり、さらに好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を1-2つ含む安定な5員-8員芳香族基である。芳香族基の実例は、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジン基、ピラジニル基、ピリダジニル基を含むが、これらに限定されない。
【0053】
用語「C5-12複素環」は、5-12個の環原子を含む飽和、不飽和又は部分飽和の単環又は二環であり、ここで、1、2又は3つの環原子は、窒素、硫黄又は酸素から選択され、前記環は、炭素又は窒素で連結されてもよく、環中の-CH2-基は、-C(O)基で置換されてもよく、環中の窒素又は硫黄原子は、酸化されてN-酸化物又はS-酸化物を形成してもよく、環中の-NH-は、アセチル基、ホルミル基、メチル基又はメタンスルホニル基で置換されてもよい。
【0054】
特に定義されない限り、本明細書のすべての科学用語の意味は、当業者が一般的に理解する意味と同じである。
【0055】
上記の簡単な説明及び以下の詳細な説明は、理解のためのものに過ぎず、本発明の主題を限定するものではないことを理解されたい。また、使用される用語「含む」及び他の形式、例えば、「含み」、「含有し」及び「含有する」は、限定的ではない。
【0056】
本文に用いられる章節タイトルは、文章を整理する目的のみに用いられ、前記主題を限定するものとして理解されるべきではない。本願において引用される全ての文献又は一部の文献は、特許、特許出願、文章、書籍、操作マニュアル及び論文を含むが、これらに限定されず、いずれも引用方式により全体的に本文に組み込まれる。
【0057】
本発明に記載の医薬組成物は、本発明の第1態様に記載の式I又は式IIの化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容される塩、プロドラッグを含む。
【0058】
本願において、特に説明しない限り、用語「薬学的に許容される塩」とは、対象の組織の接触に適し、不適切な副作用を生じない塩を指し、本願における塩は、主に薬学的に許容される酸付加塩及び薬学的に許容される塩基付加塩である。
【0059】
「薬学的に許容される酸付加塩」とは、他の副作用なしで遊離塩基の生物学的有効性を保持することができ、無機酸又は有機酸と形成する塩を指す。無機酸塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等を含み、有機酸塩は、ギ酸塩、酢酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ウンデシレン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、散水酸塩、クエン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、桂皮酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、ピログルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、4-アミノサリチル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩等を含む。これらの塩は、従来の公知方法により製造することができる。
【0060】
「薬学的に許容される塩基付加塩」とは、他の副作用なしで遊離酸の生物学的有効性を保持することができ、無機塩基又は有機塩基と形成する塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩等を含むが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩である。有機塩基から誘導される塩は、第一級アミン類、第二級アミン類及び第三級アミン類、置換されたアミン類は、天然の置換されたアミン類、環状アミン類及び塩基性イオン交換樹脂を含み、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコシルアミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等を含むが、これらに限定されない。好ましい有機塩基は、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインを含む。これらの塩は、従来の公知方法により製造することができる。
【0061】
本発明は、さらに上記化合物のプロドラッグを含み、本願において、用語「プロドラッグ」は、生理学的条件下又は溶媒分解によって本発明の生物活性化合物に変換され得る化合物を表す。したがって、用語「プロドラッグ」とは、本発明の化合物の薬学的に許容される代謝前駆体を指す。それを必要とする個体が投与される場合、プロドラッグは、活性を有さなくてもよいが、体内で本発明の活性化合物に変換される。プロドラッグは、通常、体内で迅速に変換され、本発明の母体化合物の生成は、例えば、血液中で加水分解することにより実現される。プロドラッグ化合物は、通常、哺乳動物の体内で溶解性、組織適合性又は徐放という利点を提供する。具体的なプロドラッグの製造方法は、Saulnier,M.G.,et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.1994,4,1985-1990;Greenwald,R.B.,et al.,J.Med.Chem.2000,43,475を参照することができる。
【0062】
本明細書に用いられる用語「薬学的に許容される」は、本発明の化合物の生物学的活性又は特性に影響を与えない物質(例えば、担体又は希釈剤)を指し、且つ比較的無毒であり、すなわち、当該物質は、不良の生物学的反応を引き起こさないか又は不適切な方式で組成物に含まれる任意の成分と相互作用せずに個体に投与することができる。
【0063】
本明細書に用いられる用語「治療」及び他の類似の同義語は、
(i)特にこのような哺乳動物が当該疾患又は障害に罹患しやすいが、当該疾患又は障害に罹患すると診断されない場合、疾患又は障害が哺乳動物に現れることを予防すること、
(ii)疾患又は障害を阻害し、即ち、その進行を阻害すること、
(iii)疾患又は障害を緩和し、即ち、当該疾患又は障害の状態を解消させること、又は
(iv)当該疾患や障害による症状を軽減することという意味を含む。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】ICRマウスの体重に対する化合物K18の影響であり、(A)は、単回投与実験であり、(B)は、複数回投与実験である。
図2】溶媒群及び化合物K18を複数回投与(50mg/kg)と単回投与(500mg/kg)処理後のマウスの肝、腎、心の組織病理学的変化である。スケール:100μM。
【発明を実施するための形態】
【0065】
実施例1:2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K1)
【化9】
化合物M1(500mg、2.47mmol)を8mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、0℃に降温し、撹拌しながらNaH(178mg、7.41mmol)をバッチで加え、室温で2h反応させ、撹拌しながら化合物M2(732mg、2.72mmol)を加え、室温で2h反応させた。反応終了後、10mLの水を加えて反応をクエンチし、テトラヒドロフランを減圧下で蒸発除去し、水で2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。カラムクロマトグラフィー精製(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により白色固体としてK1化合物を得て、収率は、60.3%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.60(d,J=4.7Hz,1H),7.12(d,J=4.7Hz,1H),7.01(d,J=8.1Hz,2H),6.84(d,J=8.3Hz,2H),4.80(s,2H),3.47(s,2H),3.07(t,J=5.0Hz,4H),2.41(t,J=4.9Hz,4H),2.20(s,3H),0.94(s,9H);ESI-MS m/z:379.5[M+H]
【0066】
実施例2:2-[(2,2-ジメチルプロピル)[(4-フェニルフェニル)メチル]アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K2)
【化10】
実施例1の合成方法を参照し、中間体M4を製造した。
【0067】
中間体M4(291mg、0.81mmol)を1mLの水と9mLのDMFとの混合溶液に溶解し、撹拌しながらフェニルボランジオール(108mg、0.89mmol)、炭酸カリウム(223mg、1.616mmol)を順に加え、真空引きし、アルゴンガスの保護下で80℃に昇温して4h反応させた。反応終了後、室温に回復し、反応液に20mLの水を加えて希釈し、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=12:1)で白色固体としてK2化合物を得て、収率は、54.7%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.65(s,1H),7.69-7.56(m,4H),7.45(q,J=7.2Hz,2H),7.36(t,J=6.7Hz,1H),7.30-7.15(m,3H),4.96(s,2H),3.58(s,2H),0.99(d,J=13.6Hz,9H);ESI-MS m/z:357.4[M+H]
【0068】
実施例3:2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(メチルチオ)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K3)
実施例2の合成方法を参照すると、その中の原料のフェニルボランジオールを4-メチルスルファニルフェニルボランジオールで置き換え、白色固体としてK3化合物を得て、収率は、48.6%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.63(s,1H),7.63-7.55(m,4H),7.35-7.30(m,2H),7.23(d,J=7.9Hz,2H),7.17(d,J=4.7Hz,1H),4.95(s,2H),3.58(s,2H),2.51(d,J=1.9Hz,3H),0.97(s,9H);ESI-MS m/z:403.4[M+H]
【0069】
実施例4:2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-フルオロフェニル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K4)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを4-フルオロフェニルボランジオールで置き換えて白色固体としてK4化合物を得て、収率は、47.1%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.63(s,1H),7.62(d,J=20.0Hz,4H),7.49(s,2H),7.24(s,2H),7.17(s,1H),4.95(s,2H),3.58(s,2H),0.97(s,9H);ESI-MS m/z:375.4[M+H]
【0070】
実施例5:2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(4-メトキシフェニル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K5)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを4-メトキシフェニルボランジオールで置き換えて白色固体としてK5化合物を得て、収率は、44.6%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.63(s,1H),7.55(t,J=8.7Hz,4H),7.20(d,J=7.8Hz,2H),7.16(d,J=4.7Hz,1H),7.00(d,J=8.3Hz,2H),4.93(s,2H),3.78(s,3H),3.56(s,2H),0.97(s,9H);ESI-MS m/z:387.4[M+H]
【0071】
実施例6:2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(メチルスルホニル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K6)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを4-メタンスルホニルフェニルボランジオールで置き換えて白色固体としてK6化合物を得て、収率は、53.7%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.62(s,1H),7.98(d,J=8.5Hz,2H),7.90(d,J=8.2Hz,2H),7.69(d,J=7.9Hz,2H),7.29(d,J=7.8Hz,2H),7.17(d,J=4.7Hz,1H),4.97(s,2H),3.59(s,2H),3.24(s,3H),0.97(s,9H);ESI-MS m/z:435.4[M+H]
【0072】
実施例7:2-({[4-(5-シアノチオフェン-2-イル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K7)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを5-(ジヒドロキシボリル)チオフェン-2-カルボニトリルで置き換え、白色固体としてK7化合物を得て、収率は、31.7%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.62(s,1H),7.97(d,J=4.0Hz,1H),7.69(d,J=7.9Hz,2H),7.64(d,J=4.0Hz,1H),7.25(d,J=7.9Hz,2H),7.17(d,J=4.7Hz,1H),4.93(s,2H),3.58(s,2H),0.96(s,9H);ESI-MS m/z:388.4[M+H]
【0073】
実施例8:2-({[4-(6-クロロピリジン-3-イル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K8)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを(2-クロロピリジン-5-イル)ボロンジオールで置き換え、白色固体としてK8化合物を得て、収率は、34.5%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.71(s,1H),8.63(s,1H),8.13(d,J=8.8Hz,1H),7.68(d,J=7.9Hz,2H),7.59(d,J=8.4Hz,1H),7.28(d,J=7.8Hz,2H),7.18(d,J=4.7Hz,1H),4.96(s,2H),3.59(s,2H),0.97(s,9H);ESI-MS m/z:392.4[M+H]
【0074】
実施例9:2-({[4-(3,4-ジクロロフェニル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K9)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを(1、2-ジクロロベンゼン-4-イル)ボロンジオールで置き換え、白色固体としてK9化合物を得て、収率は、52.9%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.62(s,1H),7.89(d,J=2.1Hz,1H),7.67(s,1H),7.65-7.61(m,3H),7.24(d,J=8.0Hz,2H),7.16(d,J=4.7Hz,1H),4.94(s,2H),3.58(s,2H),0.96(s,9H);ESI-MS m/z:425.4[M+H]
【0075】
実施例10:2-[(2,2-ジメチルプロピル){[4-(5-メチルチオフェン-2-イル)フェニル]メチル}アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K10)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを(5-メチルチオフェン-2-イル)ボロンジオールで置き換え、白色固体としてK10化合物を得て、収率は、34.8%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.62(s,1H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),7.23(d,J=3.6Hz,1H),7.19-7.12(m,3H),6.79(dd,J=3.6,1.2Hz,1H),4.89(s,2H),3.56(s,2H),2.44(d,J=1.1Hz,3H),0.95(s,9H);ESI-MS m/z:377.4[M+H]
【0076】
実施例11:4-(4-{[(4-シアノピリミジン-2-イル)(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}フェニル)安息香酸メチル(K11)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを4-(ジヒドロキシボリル)安息香酸メチルで置き換え、白色固体としてK11化合物を得て、収率は、44.7%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.63(s,1H),8.01(d,J=8.4Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.68(d,J=7.9Hz,2H),7.27(d,J=7.9Hz,2H),7.17(d,J=4.7Hz,1H),4.96(s,2H),3.87(s,3H),3.59(s,2H),0.97(s,9H);ESI-MS m/z:415.4[M+H]
【0077】
実施例12:2-({[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)フェニル]メチル}(2,2-ジメチルプロピル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K12)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを(1-クロロ-2-フルオロベンゼン-4-イル)ボロンジオールで置き換え、白色固体としてK12化合物を得て、収率は、51.8%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.62(s,1H),7.71(dd,J=11.0,2.1Hz,1H),7.64(t,J=8.2Hz,3H),7.52(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),7.25(d,J=7.9Hz,2H),7.16(d,J=4.7Hz,1H),4.95(s,2H),3.58(s,2H),0.96(s,9H);ESI-MS m/z:409.4[M+H]
【0078】
実施例13:2-[(2,2-ジメチルプロピル)({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K13)
実施例2の合成方法を参照し、その中の原料のフェニルボランジオールを4-(4-メチル--1-ピペラジニル)フェニルボランジオールで置き換え、白色固体としてK13化合物を得て、収率は、68.7%であり、H NMR(400MHz,CDCl) δ8.42(d,J=4.7Hz,1H),7.47(d,J=8.1Hz,4H),7.17(s,2H),6.98(d,J=8.8Hz,2H),6.74(d,J=4.7Hz,1H),4.99(s,2H),3.58(s,2H),3.29-3.23(m,4H),2.59(t,J=5.0Hz,4H),2.36(s,3H),1.01(s,9H);ESI-MS m/z:455.6[M+H]
【0079】
実施例14:2-[(シクロヘキシルメチル)[(4-フェニルフェニル)メチル]アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K14)
実施例2の合成方法を参照し、白色固体としてK14化合物を得て、収率は、53.1%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.65(s,1H),7.61(m,4H),7.44(m,2H),7.32(m,3H),7.15(m,1H),4.88(s,2H),3.46(m,2H),1.81(s,1H),1.62(m,5H),1.14(m,3H),0.97(m,2H);ESI-MS m/z:383.5[M+H]
【0080】
実施例15:2-[(シクロヘキシルメチル)({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K15)
実施例2の合成方法を参照し、白色固体としてK15化合物を得て、収率は、60.7%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.63(s,1H),7.51(dd,J=15.1,8.1Hz,4H),7.23(d,J=7.7Hz,2H),7.14(d,J=4.7Hz,1H),6.99(d,J=8.4Hz,2H),4.85(s,2H),3.16(s,4H),2.45(s,4H),2.22(s,3H),1.81(s,1H),1.62(d,J=16.2Hz,5H),1.15(s,3H),0.97(d,J=11.8Hz,2H);ESI-MS m/z:481.7[M+H]
【0081】
実施例16:2-[(シクロヘキシルメチル)({4-[4-(メチルスルホニル)フェニル]フェニル}メチル)アミノ]ピリミジン-4-カルボニトリル(K16)
実施例2の合成方法を参照し、白色固体としてK16化合物を得て、収率は、49.3%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.64(s,1H),7.98(d,J=8.5Hz,2H),7.91(d,J=8.3Hz,2H),7.70(d,J=7.8Hz,2H),7.35(d,J=7.9Hz,2H),7.15(d,J=4.7Hz,1H),4.90(s,2H),3.48(d,J=7.4Hz,2H),3.24(s,3H),1.86-1.76(m,1H),1.62(d,J=15.1Hz,5H),1.14(d,J=8.0Hz,3H),0.98(d,J=11.8Hz,2H);ESI-MS m/z:461.6[M+H]
【0082】
実施例17:2-(ネオペンチル(4-(チアゾール-4-イル)ベンジル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K17)
実施例2の合成方法を参照し、白色固体としてK17化合物を得て、収率は、32.9%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ9.17(s,1H),8.62(s,1H),8.09(s,1H),7.91(s,2H),7.22(s,3H),4.93(s,2H),3.57(s,2H),0.96(s,9H);ESI-MS m/z:364.3[M+H]
【0083】
実施例18:2-((4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)ベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K18)
実施例2の合成方法を参照し、白色固体のK18化合物を得て、収率は、48.1%であり、H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.61(s,1H),7.75(t,J=8.6Hz,2H),7.26-7.07(m,4H),4.91(d,J=8.2Hz,2H),3.56(s,2H),3.43(s,4H),2.42(s,4H),2.22(s,3H),0.95(s,9H);ESI-MS m/z:462.6[M+H]
【0084】
実施例19 (1R,2R)-2-(8-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K19)
【化11】
化合物1(530mg、2.34mmol)及び化合物2(300mg、1.95mmol)を秤量して100mLのナスフラスコに入れ、25mLのDMFを加えて溶解し、室温で12h撹拌した。反応終了後、DCMで反応液を希釈し、10%塩酸で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後にカラムクロマトグラフィーで分離(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により、黄白色固体として中間体3を得た。
【0085】
中間体3(100mg、0.29mmol)及びHATU(121mg、0.32mmol)を秤量して25mLナスフラスコに入れ、10mLのアセトニトリルを加え、DIPEA(191μL、1.16mmol)及び化合物4(33mg、0.32mmol)を加えて10min反応させた。反応終了後に乾燥させ、カラムクロマトグラフィー精製(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により、黄白色固体として中間体5を得た。
【0086】
中間体5を25mLの二口フラスコに入れ、Nで保護し、7mLの無水DCM及びDIPEA(386μL、0.92mmol)を加えて溶解し、低温コールドトラップに入れて-15℃に冷却し、別に三酸化硫黄ピリジン(146mg、0.88mmol)を秤量して1mLの無水DMSOに溶解して混合液を形成し、-15℃の二口フラスコの反応液に加え、低温で1h反応させた。反応終了後に乾燥させ、カラムクロマトグラフィー精製(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=16:4:1)により白色固体生成物として化合物K19を得て、収率は、68%であった。そのM.P.146-148℃で、そのH NMR(400MHz,DMSO-d) δ10.98(s,1H),7.75(dd,J=16.0,8.3Hz,1H),7.39-7.09(m,2H),6.85(dtd,J=9.1,6.1,2.9Hz,1H),4.84-4.32(m,2H),4.14-3.73(m,3H),3.12-2.89(m,2H),2.86-2.63(m,2H),2.18(dt,J=17.4,7.6Hz,1H),1.97-1.54(m,7H),1.53-1.07(m,6H);13C NMR(101MHz,DMSO) δ215.55,175.04,173.87,170.82,158.33,156.03,135.42,132.87,126.01,112.14,108.84,106.89,103.17,102.58,60.23,56.09,49.07,46.42,43.18,42.55,41.83,41.43,39.37,35.69,30.44,29.57,29.16,25.70,24.61,23.49,21.22,18.18,14.55;MS(ESI):426.4[M+H]
【0087】
実施例20 (1R,2R)-2-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K20)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-オニウムで化合物1を代替し、最終的に白色固体として化合物K20を得て、収率は、71%であった。そのM.P.137-140℃で、そのH NMR(400MHz,DMSO-d) δ10.88(s,1H),8.30-8.01(m,1H),7.48(d,J=7.6Hz,0H),7.38(d,J=7.7Hz,1H),7.32-7.24(m,1H),7.08-6.91(m,2H),4.78-4.46(m,2H),4.26-3.52(m,7H),3.09-2.81(m,2H),2.74-2.54(m,2H),1.86-1.61(m,4H),1.40-1.14(m,4H);13C NMR(101MHz,CDCl3) δ211.38,211.31,175.85,175.79,174.54,174.16,136.00,131.28,125.61,121.72,119.67,117.50,110.85,106.62,70.07,69.90,69.71,69.49,54.76,54.69,46.33,46.17,43.39,42.96,40.07,39.87,29.27,28.86,25.27,24.49,23.29;MS(ESI):410.4[M+H]
【0088】
実施例21 (1R,2R)-2-(8-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K21)
【化12】
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、そのうち、化合物6で化合物4を代替し、白色固体生成物として化合物K21を得て、収率は、67%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.01(s,1H),8.15-8.02(m,1H),7.32-7.14(m,2H),6.86(tdd,J=9.2,4.8,2.6Hz,1H),4.74-4.42(m,2H),4.34-3.38(m,7H),3.05-2.53(m,4H),1.92-1.57(m,4H),1.36-1.23(m,4H)。
【0089】
実施例22 (1R,2R)-2-(6,8-ジフルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K22)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体生成物として化合物K22を得て、収率は、66%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.48(s,1H),8.30-8.02(m,1H),7.21-7.05(m,1H),6.88(d,J=12.6Hz,1H),4.70(q,J=13.9Hz,2H),4.51-3.36(m,7H),3.06-2.86(m,2H),2.74-2.57(m,2H),1.71-1.27(m,8H)。
【0090】
実施例23 (1R,2R)-2-(8-クロロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K23)
当該当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体生成物として化合物K23を得て、収率は、65%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.12(d,J=4.3Hz,1H),8.30-8.05(m,1H),7.63-7.42(m,1H),7.30(dd,J=8.6,1.9Hz,1H),7.03(ddt,J=7.9,3.6,1.9Hz,1H),4.78-4.49(m,2H),4.48-3.39(m,7H),3.07-2.82(m,2H),2.79-2.57(m,2H),1.86-1.11(m,8H)。
【0091】
実施例24 (1R,2R)-2-(8-ブロモ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-((S)-4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K24)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、黄白色固体として化合物K24を得て、収率は、69%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.14(d,J=5.1Hz,1H),8.38-7.94(m,1H),7.80-7.51(m,1H),7.38-7.05(m,3H),4.88-4.43(m,2H),4.35-3.45(m,7H),3.20-2.86(m,2H),2.87-2.58(m,2H),1.83-1.66(m,4H),1.36-1.19(m,4H)。
【0092】
実施例25 (1R,2R)-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K25)
当該当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体生成物として化合物K25を得て、収率は、40%であった。そのH NMR(300MHz,DMSO) δ11.49(s,1H),8.32-8.05(m,1H),7.57-7.39(m,1H),7.04(d,J=5.4Hz,2H),4.83-4.55(m,2H),4.40-3.44(m,7H),3.06-2.82(m,2H),2.78-2.54(m,2H),1.81(d,J=15.7Hz,4H),1.26(d,J=12.3Hz,4H)。
【0093】
実施例26 (1R,2R)-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K26)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体として化合物K26を得て、収率は、42%であった。そのH NMR(300MHz,DMSO) δ11.49(s,1H),8.29-8.03(m,1H),7.56-7.39(m,1H),7.04(d,J=5.3Hz,2H),4.82-4.64(m,2H),4.57-3.39(m,7H),3.07-2.89(m,2H),2.78-2.54(m,2H),1.72(s,4H),1.33-1.23(m,4H)。
【0094】
実施例27 (1R,2R)-2-(6-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K27)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体として化合物K27を得て、収率は、66%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.48(s,1H),8.30-8.05(m,1H),7.56-7.41(m,1H),7.04(d,J=6.5Hz,2H),4.80-4.54(m,2H),4.54-3.38(m,7H),3.06-2.53(m,4H),1.91-1.25(m,8H)。
【0095】
実施例28 (1R,2R)-2-(6-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K28)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体として化合物K28を得て、収率は、51%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.37(s,1H),8.34-8.04(m,1H),7.38-7.20(m,1H),6.96-6.88(m,2H),4.78-4.52(m,2H),4.51-3.44(m,7H),3.08-2.90(m,2H),2.81-2.57(m,2H),1.73(m,4H),1.25(m,4H)。
【0096】
実施例29 (1R,2R)-2-(6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K29)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体として化合物K29を得て、収率は、63%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ10.96(d,J=4.1Hz,1H),8.31-7.99(m,1H),7.12-6.83(m,2H),6.63(dd,J=7.6,5.7Hz,1H),4.77-4.40(m,2H),4.37-3.92(m,3H),3.89(s,3H),3.87-3.42(m,4H),3.04-2.54(m,5H),1.91-1.61(m,5H),1.35-1.13(m,4H)。
【0097】
実施例30 (1R,2R)-2-(6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K30)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体として化合物K30を得て、収率は、43%であった。そのH NMR(300MHz,DMSO) δ10.96(s,1H),8.33-8.02(m,1H),7.15-6.83(m,2H),6.63(dd,J=7.7,4.2Hz,1H),4.74-4.50(m,2H),4.49-3.88(m,7H),3.87-3.38(m,3H),3.13-2.76(m,2H),2.75-2.54(m,2H),1.91-1.72(m,4H),1.30(m,4H)。
【0098】
実施例31 (1R,2R)-2-(8-フルオロ-6-メトキシ--2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(S)-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K31)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体生成物として化合物K31を得て、収率は、68%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.07(d,J=3.9Hz,1H),8.30-8.02(m,1H),6.94-6.72(m,1H),6.56(ddt,J=11.5,3.9,2.0Hz,1H),4.78-4.46(m,2H),4.45-3.88(m,7H),3.87-3.46(s,3H),3.16-2.52(m,4H),2.05-1.45(m,4H),1.44-1.09(m,4H)。
【0099】
実施例32 (1R,2R)-2-(8-フルオロ-6-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール-2-カルボニル)-N-(4-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)-シクロヘキサン-1-ホルムアミド(K32)
当該実施例の製造方法は、実施例19の製造ステップを参照し、白色固体として化合物K32を得て、収率は、58%であった。そのH NMR(400MHz,DMSO) δ11.07(s,1H),8.30-8.03(m,1H),6.91-6.75(m,1H),6.60-6.52(m,1H),4.71-4.45(m,2H),4.45-3.88(m,7H),3.87-3.44(s,3H),3.04-2.75(m,2H),2.70-2.54(m,2H),1.82-1.26(m,8H)。
【0100】
実施例33 2-((4-クロロベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K33)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、4-クロロベンジルブロミドを原料とし、白色固体生成物を得て、収率は、55%であった。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.62(s,1H),7.36(d,J=8.4Hz,2H),7.21-7.15(m,3H),4.88(s,2H),3.56(s,2H),0.95(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl3) δ162.69,159.34,141.29,136.28,132.79,128.68,128.36,116.23,112.24,57.96,51.89,34.75,28.64.HRMS(ESI) for C1719ClN[M+H]+:calcd,315.1371;found,315.1370。
【0101】
実施例34 2-((4-ブロモベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K34)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、4-ブロモベンジルブロミドを原料とし、白色固体生成物を得て、収率は、55%であった。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.61(s,1H),7.48(d,J=8.2Hz,2H),7.17(d,J=4.7Hz,1H),7.11(d,J=8.0Hz,2H),4.85(s,2H),3.55(s,2H),0.94(s,9H).13C NMR(75MHz,CDCl3) δ162.68,159.35,141.29,136.82,131.63,128.84,120.85,116.23,112.26,57.98,51.96,34.75,28.63.HRMS(ESI) for C1719BrN[M+H]:calcd,359.0866;found,359.0865。
【0102】
実施例35 2-((ナフタレン-2-イルメチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K35)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、50%であった。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ8.60(s,1H),7.89-7.80(m,3H),7.62(s,1H),7.51-7.44(m,2H),7.34(d,J=8.5Hz,1H),7.17(d,J=4.7Hz,1H),5.08(s,2H),3.63(s,2H),0.98(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ162.90,159.35,141.32,135.21,133.33,132.64,128.40,127.70,126.19,125.72,125.29,116.33,112.11,57.91,52.50,34.81,28.71.HRMS(ESI) for C2122[M+H]:calcd,331.1917;found,331.1919。
【0103】
実施例36 2-(ネオペンチル(キノリン-2-イルメチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K36)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、27%であった。H NMR(300MHz,DMSO-d) δ8.75-8.44(m,1H),8.28(d,J=8.6Hz,1H),7.94-7.86(m,2H),7.77-7.66(m,1H),7.60-7.50(m,1H),7.31(d,J=8.6Hz,1H),7.15(d,J=4.7Hz,1H),5.12(s,2H),3.71(s,2H),0.99(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ162.93,159.29,158.69,147.93,141.24,136.59,129.57,129.02,127.59,127.21,126.15,118.62,116.28,112.29,59.41,55.82,34.71,28.58.HRMS(ESI) for C2021[M+H]:calcd,332.1870;found,332.1880。
【0104】
実施例37 2-(((4’-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K37)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、53%であった。H NMR(400MHz,CDCl3) δ8.45(d,J=4.7Hz,1H),7.56-7.45(m,4H),7.20(s,2H),7.00(d,J=8.8Hz,2H),6.77(d,J=4.7Hz,1H),5.02(s,2H),3.75(t,J=5.3Hz,2H),3.60(s,2H),3.38-3.27(m,4H),3.13(q,J=7.4Hz,2H),2.86-2.77(m,4H),2.72(t,J=5.3Hz,2H),1.03(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl3) δ162.87,159.34,150.14,141.26,139.61,135.89,132.25,127.67,127.30,126.64,116.33,116.29,112.03,77.39,59.58,57.57,52.90,52.03,48.64,45.91,34.76,28.68.HRMS(ESI) for C2936O[M+H]:calcd,485.3023;found,485.3013。
【0105】
実施例38 2-(((4’-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K38)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、46%であった。H NMR(300MHz,DMSO-d6) δ8.63(s,1H),7.56-7.43(m,4H),7.23-7.13(m,3H),7.03-6.93(m,2H),4.93(s,2H),4.71(d,J=4.2Hz,1H),3.69-3.50(m,5H),2.95-2.81(m,2H),1.87-1.74(m,2H),1.54-1.39(m,2H),0.97(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ162.88,159.33,150.43,141.28,139.75,135.74,131.56,127.62,127.29,126.59,116.51,116.34,112.02,67.88,57.70,52.03,47.07,34.77,34.09,28.69.HRMS(ESI) for C2833O[M+H]:calcd,456.2758;found,456.2747。
【0106】
実施例39 2-(((2-メチル-4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K39)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、54%であった。H NMR(300MHz,CDCl) δ8.46(d,J=4.7Hz,1H),7.23(d,J=8.7Hz,2H),7.18-7.13(m,1H),6.98(d,J=8.7Hz,4H),6.77(d,J=4.7Hz,1H),5.00(s,2H),3.61(s,2H),3.35-3.25(m,4H),2.63(t,J=5.0Hz,4H),2.40(s,3H),2.27(s,3H),1.03(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ162.91,159.20,149.88,141.20,140.52,136.01,135.74,132.76,130.05,129.97,128.62,124.12,116.35,115.39,111.97,57.80,55.15,51.90,48.85,46.13,34.78,28.71,20.74.HRMS(ESI) for C2936[M+H]:calcd,469.3074;found,469.3064。
【0107】
実施例40 2-(((2-クロロ-4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K40)
当該実施例の製造方法は、実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、51%であった。H NMR(300MHz,CDCl) δ8.46(s,1H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),7.28-7.19(m,2H),7.12-6.93(m,3H),6.80(d,J=4.6Hz,1H),4.98(s,2H),3.61(s,2H),3.31(s,4H),2.62(s,4H),2.39(s,3H),1.03(s,9H).HRMS(ESI) for C2833ClN[M+H]:calcd,489.2528;found,489.2519。
【0108】
実施例41 2-(ネオペンチル(4-(4-(2-オキソプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンジル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K41)
【化13】
実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物K41-1を得て、収率は、64%であった。H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.63(d,J=4.7Hz,1H),7.11(d,J=4.7Hz,1H),7.04(d,J=8.1Hz,2H),6.91(d,J=8.1Hz,2H),4.81(s,2H),3.44(s,2H),3.37(t,J=4.9Hz,4H),3.14-3.04(m,4H),1.42(s,9H),0.94(s,9H)。
【0109】
中間体K41-1(330mg、1.41mg)を10mLの冷たい4Nの塩酸/ジオキサン溶液に加え、氷浴で30分間反応させた。TLCにより反応終了を検出した後、反応液を減圧で蒸発除去し、且つ反応液がなくなるまで少量のトルエンを加えた。その後、残留物を10mLのDMFに溶解し、炭酸カリウム(487mg、3.53mmol)及びクロロアセトン(195mg、2.11mmol)を順に加え、反応液を80℃に昇温して2時間保温して反応させた。TLCにより反応終了を検出した後、室温まで冷却した。反応液に20mLの水を加え、酢酸エチルで抽出し(20mL×3)、有機相を合わせた後に希塩酸(10mL×2)及び飽和塩化ナトリウム溶液(20mL×2)で順に洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで4時間乾燥させた。吸引濾過させ、ろ液を減圧で濃縮した後、カラムクロマトグラフィー精製(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)を行って、249mgの淡黄色固体K41を得て、2つのステップの総収率は、42%であった。H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.61(d,J=4.7Hz,1H),7.13(dd,J=4.7,1.6Hz,1H),7.02(d,J=8.4Hz,2H),6.85(d,J=8.3Hz,2H),4.81(s,2H),3.52(s,2H),3.28-3.21(m,2H),3.16-3.03(m,4H),2.59-2.52(m,4H),2.16-2.02(m,3H),0.95(s,9H).HRMS(ESI) for C2432O[M+H]:calcd,421.2710;found,421.2704。
【0110】
実施例42 2-(イソブチル((4’-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K42)
実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、46%であった。H NMR(300MHz,DMSO-d) δ8.66(s,1H),7.59-7.46(m,4H),7.25(d,J=7.9Hz,2H),7.17(d,J=4.6Hz,1H),7.00(d,J=8.6Hz,2H),4.88(s,2H),3.47-3.40(m,2H),3.23-3.12(m,4H),2.49-2.42(m,4H),2.23(s,3H),2.19-2.08(m,1H),0.88(d,J=6.6Hz,6H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ162.18,159.56,150.53,141.56,139.92,135.68,131.81,127.95,127.65,126.64,116.40,116.05,111.87,55.10,54.33,50.61,48.86,46.20,26.78,20.24.HRMS(ESI) for C2732[M+H]:calcd,441.2761;found,441.2753。
【0111】
実施例43 N-(4-((4-シアノピリミジン-2-イル)(ネオペンチル)アミノ)メチル)フェニル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド(K43)
実施例1の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、43%であった。H NMR(300MHz,CDCl3) δ9.09(s,1H),8.43(d,J=4.7Hz,1H),7.50(d,J=8.5Hz,2H),7.22-7.08(m,2H),6.76(d,J=4.7Hz,1H),4.94(s,2H),3.56(s,2H),3.15(s,2H),2.79-2.41(m,8H),2.36(s,3H),1.01(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl3) δ168.12,162.76,159.26,141.22,136.45,133.68,127.80,119.67,116.29,112.03,61.72,57.71,54.99,52.95,51.98,45.63,34.72,28.64.HRMS(ESI) for C2433O[M+H]:calcd,436.2819;found,436.2811。
【0112】
実施例44 2-((4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)(ネオペンチル)アミノ)ピリミジン-4-カルボニトリル(K44)
【化14】
中間体K44-1を10mLのアセトニトリルに溶解し、DIPEA(2.13g、16.48mmol)を加えた後、反応液を80℃に昇温して16時間保温反応させた。TLCにより反応終了を検出した後、室温まで冷却した。反応液に20mLの水を加え、酢酸エチルで抽出し(20mL×3)、有機相を合わせた後に希塩酸(10mL×2)及び飽和塩化ナトリウム溶液(20mL×2)で順に洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで4時間乾燥させた。吸引濾過させ、ろ液を減圧で濃縮した後、カラムクロマトグラフィー精製(石油エーテル:酢酸エチル=12:1)を行って、白色固体K44-2を得て、収率は、55%であった。H NMR(300MHz,DMSO-d6) δ8.59(s,1H),7.89(d,J=8.2Hz,2H),7.28(d,J=8.0Hz,2H),7.18(d,J=4.7Hz,1H),4.96(s,2H),3.83(s,3H),3.60(s,2H),0.96(s,9H)。
【0113】
中間体K44-2(700mg、2.07mmol)を8mLのメタノールと水の混合溶液(3:1)に加え、水酸化リチウム(99mg、4.14mmol)を加え、その後、氷浴で4時間反応させた。TLCにより反応終了を検出した後、反応液を濃縮し、その後、氷浴で1Nの塩酸溶液でpHを2程度に調節し、大量の白色固体を生成し、吸引濾過し、酢酸エチル及び少量のエタノールで濾過ケーキを洗浄し、真空環境で一晩乾燥させ、粗製カルボン酸生成物を得て、そのまま次のステップの反応に用いた。得られたカルボン酸を10mLの無水テトラヒドロフランに加え、HATU(787mg、2.07mmol)、トリエチルアミン(524mg、5.18mmol)及びN-メチルピペラジン(249mg、2.48mmol)を順に加え、室温で2時間反応させた。TLCにより反応終了を検出した後、40mLの酢酸エチルで反応液を希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液(15mL×2)、希塩酸溶液(15mL×2)及び飽和塩化ナトリウム溶液(15mL×2)で順に洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで4時間乾燥させた。吸引濾過させ、ろ液を減圧で濃縮した後、カラムクロマトグラフィー精製(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)を行って、化合物K44の白色固体を480mg得て、2つのステップの収率は、57%であった。H NMR(300MHz,CDCl3) δ8.44(s,1H),7.35(d,J=7.8Hz,2H),7.18(d,J=7.8Hz,2H),6.79(d,J=4.7Hz,1H),4.99(s,2H),3.83(s,2H),3.57(s,4H),2.37(s,7H),1.01(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ170.13,162.74,159.36,141.25,139.65,134.38,127.39,127.24,126.98,116.22,112.25,58.07,55.16,54.67,52.19,47.50,45.91,41.93,34.71,28.62.HRMS(ESI) for C2330O[M+H]:calcd,407.2554;found,407.2547。
【0114】
実施例45 4-(((4-シアノピリミジン-2-イル)(ネオペンチル)アミノ)メチル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)ベンズアミド(K45)
実施例44の製造ステップを参照し、白色固体生成物を得て、収率は、34%であった。H NMR(300MHz,DMSO-d6) δ8.72-8.47(m,2H),7.77(d,J=8.0Hz,2H),7.23(d,J=8.0Hz,2H),7.18(d,J=4.7Hz,1H),4.94(s,2H),3.59(s,2H),3.18-3.02(m,6H),2.95-2.80(m,2H),2.70(s,3H),1.89-1.69(m,3H),0.96(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl) δ167.71,162.65,159.41,141.54,141.10,132.81,127.62,126.93,116.25,112.29,58.21,54.59,52.36,45.88,44.51,43.65,34.67,33.18,28.56,27.22.HRMS(ESI) for C2534O[M+H]:calcd,435.2867;found,435.2859。
【0115】
実施例46 化合物のCat K酵素に対する阻害効果
試薬情報:Cat K阻害剤スクリーニングキット:ロット番号、6L23K01500;サプライヤ、BiVision。薬物製造:化合物をDMSOで溶解し、10mMの原液に調製した。使用時にはBufferで所望の濃度に調製する。
【0116】
Ref-03を比較化合物とし、一般式は、
【化15】
である。
【0117】
実験方法
1.薬物の一次スクリーニング
カテプシンK(CTSK、EC3.4.22.38)は、リソソームシステインプロテアーゼであり、破骨細胞骨の再構成及び再吸収に関与し、さらにコラーゲン、ゼラチン及びエラスチンを分解することができる。BiovisionのカテプシンK阻害剤スクリーニングキットは、活性のカテプシンKが、合成されたAFCに基づくペプチド基質を切断してAFCを放出する能力を利用し、蛍光計又は蛍光マイクロプレートリーダーを用いて容易にAFCを定量化することができる。カテプシンK特異的阻害剤が存在する場合、当該基質の分解減少/消滅は、AFC蛍光の減少又は完全ロスを引き起こす。このような簡単でハイスループットの適応性分析キットは、カテプシンKの潜在的阻害剤のスクリーニング/研究/特徴付けに用いることができる。
【0118】
【数1】
【0119】
96ウェルプレートにそれぞれ20μLのbuffer、Cat K阻害剤、試験対象化合物(1μM、10μM)を加えてそれぞれECウェル、ICウェル、Sウェルとし、全てのウェルにそれぞれ50μLのCat K Enzyme Solutionを加え、室温で10-15minインキュベートして酵素阻害剤複合体を構築し、全てのウェルに30μLのCat K Substrate Solutionを加え、室温で30-60minインキュベートし、反応の最終体積は、100μLであった。30-60minに、2つの時点T1、T2を選択して蛍光吸収値(Ex/Em=400/505nm)を検出し、蛍光吸収値をRFU1、RFU2として、且つ試験対象化合物のCat K酵素に対する阻害率(%)を計算した。
【0120】
スロープ=(RFU2-RFU1)/(T2-T1)
阻害率(%)=(ECスロープ-Sスロープ)/ECスロープ×100
2.IC50測定
スクリーニング方法は、1.1と同じであり、試験対象化合物の濃度を0.1nM-10μMの間に設定し、4-5つの濃度を選択して検出し、IC50曲線を描き、IC50値を計算した。
【0121】
データ処理:全てのデータをGraph padで統計分析した。
【0122】
実験結果
結果を表1に示す。
【0123】
【表1】

【0124】
本発明の化合物は、Cat K酵素に対する阻害率が高く、IC50値が低く、Cat K酵素に対して良好な阻害活性を有する。化合物の一部、例えば、K13及びK15のIC50値は、10nM未満であり、化合物のその他の部分、例えば、K1、K18-K22のIC50値は、いずれも100nM未満であり、したがって、本発明の化合物は、Cat K酵素に対して良好な阻害作用を有する。
【0125】
実施例47 化合物のCat B酵素、Cat Sに対する阻害効果
カテプシンBのスクリーニング
96ウェルプレートにそれぞれ10μLのbuffer、Cat B阻害剤、試験対象化合物(1μM、10μM)を加えてそれぞれECウェル、ICウェル、Sウェルとし、全てのウェルにそれぞれ50μLのCat B Enzyme Solutionを加え、室温で10-15minインキュベートして酵素阻害剤複合体を構築し、全てのウェルに40μLのCat B Substrate Solutionを加え、室温で30-60minインキュベートし、反応の最終体積は、100μLであった。30-60minに、2つの時点T1、T2を選択して蛍光吸収値(Ex/Em=400/505nm)を検出し、蛍光吸収値をRFU1、RFU2として、且つ試験対象化合物のCat B酵素に対する阻害率(%)を計算した。
【0126】
スロープ=(RFU2-RFU1)/(T2-T1)
阻害率(%)=(ECスロープ-Sスロープ)/ECスロープ×100
【0127】
IC50測定
スクリーニング方法は、以上と同じであり、試験対象化合物の濃度を0.1nM-10μMの間に設定し、4-5つの濃度を選択して検出し、IC50曲線を描き、IC50値を計算した。
【0128】
データ処理:全てのデータをGraph padで統計分析した。
【0129】
カテプシンSのスクリーニング
96ウェルプレートにそれぞれ10μLのbuffer、Cat S阻害剤、試験対象化合物(1μM、10μM)を加えてそれぞれECウェル、ICウェル、Sウェルとし、全てのウェルにそれぞれ50μLのCat B Enzyme Solutionを加え、室温で10-15minインキュベートして酵素阻害剤複合体を構築し、全てのウェルに40μLのCat S Substrate Solutionを加え、室温で30-60minインキュベートし、反応の最終体積は、100μLであった。30-60minに、2つの時点T1、T2を選択して蛍光吸収値(Ex/Em=400/505nm)を検出し、蛍光吸収値をRFU1、RFU2として、且つ試験対象化合物のCat S酵素に対する阻害率(%)を計算した。
【0130】
スロープ=(RFU2-RFU1)/(T2-T1)
阻害率(%)=(ECスロープ-Sスロープ)/ECスロープ×100
【0131】
IC50測定
スクリーニング方法は、以上と同じであり、試験対象化合物の濃度を0.1nM-10μMの間に設定し、4-5つの濃度を選択して検出し、IC50曲線を描き、IC50値を計算した。
【0132】
データ処理:全てのデータをGraph padで統計分析した。
【0133】
化合物のCat SとCat BとCat Kに対する阻害活性の比値の結果を表2に示す。
【0134】
【表2】

【0135】
上記化合物の一部は、Cat Kに対してその他の2種類の酵素の1000倍をはるかに超える選択性を示し、今回の実験において、陽性対照Odanacatibの試験値は、文献の報告より僅かに低いが、それに比べて、本発明のCat K阻害剤は、依然としてCat Kに対する選択性を顕著に向上させ、特にそのCat K及びCat Sに対する選択能力の不足を補う。
【0136】
実施例48 化合物のラットの肝臓ミクロソームにおける内在クリアランス及び半減期
1.サンプル溶液の調製
試験対象物質粉末K2(分子式C23H27N3O4、4.6mg)、K3(分子式C23H26FN3O4、5.0mg)、K4(分子式C23H25F2N3O4、5.6mg)を入れた遠心管を取り、それぞれ1mLのジクロロメタンを加えて溶解し、30min超音波処理すると、質量濃度が4.6mg/mLのK2原液、5.0mg/mLのK3原液、5.6mg/mLのK4原液を得て、-20℃の冷蔵庫に密封保存し、使用に供えた。使用直前に、メタノールで対応する質量濃度まで段階的に希釈し、それぞれ0.02、0.05、0.22、0.49、0.96、2.37、4.90ng/mLのK2シリーズの標準サンプル作業液、0.02、0.05、0.10、0.19、1.00、2.01、4.93ng/mLのK3シリーズの標準サンプル作業液、0.10、0.20、0.53、0.96、2.42、5.10、10.10ng/mLのK4シリーズの標準サンプル作業液を得た。
【0137】
2.試験方法
ピペットを用いて試験対象薬物5μL、ラットの肝臓ミクロソーム2μL、PBS緩衝液468μLを取り、プレミックス液に調製し、37℃の水浴で5minインキュベートし、インキュベート完了後、47.5μLのプレミックス液、100μLの氷冷アセトニトリル、2.5μLのPBS緩衝液を別の新しい管に取り、軽く均一に混合して対照群を得た。残りのプレミックス液に22.5μLのNADPH溶液を加えて反応を開始し、軽く吹き、直ちに50μLのプレミックス液、100μLのアセトニトリルを別の新しいチューブで取って反応を終了した。その後、インキュベート液を水浴鍋に入れてインキュベートし、それぞれ5min、10min、20min、30min、45min、60min、90minでそれぞれ50μL取って100μLのアセトニトリルを加えて終了し、12000r/minで10min遠心し、上清液を取って設備で検出した。
【0138】
クロマトグラフ条件
クロマトカラム:Hypersil GOLD 100*2.1mm 3 μm 液体クロマトカラム
移動相:0.1%のギ酸水溶液(A) 100%のアセトニトリル(B)
グラジエント溶離(0-1min:50%B、1-5min:50%B-90%B、5-7min:90%B、7-7.1min:50%B、7.1-10min:50%B)
流速:0.3ml/min カラム温度:40℃ サンプル供給量:5μL
質量分析条件
エレクトロスプレーイオン源(ESI);イオン噴霧電圧:4500V イオン源温度:450℃ エアーカーテンエアー圧力:35psi、デクラスタリングポテンシャルは、いずれも80Vであった。
【0139】
3.検量線の作成と定量下限の考察
サンプル溶液を上記クロマトグラフィー及び質量分析条件でサンプルを供給して分析し、ピーク面積を記録した。試験対象物質の質量濃度を横軸(x)とし、試験対象物質のピーク面積を縦軸(y)として、加重法(加重係数は1/x2である)を用いて線形回帰を行った。その結果から、K2質量濃度検出の線形範囲が0.02-4.90ng/mLであり、定量下限が0.02ng/mLであり、K3質量濃度検出の線形範囲が0.02-4.93ng/mLであり、定量下限が0.02ng/mLであり、K4質量濃度検出の線形範囲が0.10-10.10ng/mLであり、定量下限が0.10ng/mLであったことが示された。結果から統計分析を行い、クリアランス(Clint)及び半減期(T1/2)を計算した。
【0140】
結果を表3に示す。
【表3】

【0141】
上記化合物は、Ref-03と比べて、ラットの肝臓ミクロソームにおける内在クリアランスがいずれも低下し、そのうち、化合物K4のクリアランスは、2倍低下し、他の化合物は、いずれもRef-03のクリアランスより小さく、半減期について、Ref-03の半減期は、0.6時間であり、本発明の化合物の半減期は、いずれも0.6時間より長い。したがって、本発明の化合物の代謝安定性は、より高い。
【0142】
実施例49 化合物の破骨細胞に対する阻害効果
1 細胞の活性度(毒性)の検出
RAW264.7細胞を1×10/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、10%のFBS及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。細胞を37℃、5%のCO2の恒温インキュベーターに入れて培養した。24時間培養した後、投与群にそれぞれ異なる濃度の阻害剤作業液を加え、対照群に等体積のPBS作業液を加えた。2日間培養し続けた後、培養上清液を除去し、PBSで3回洗浄し、CCK8細胞増殖検出キットで細胞の生存率を検出し、各ウェルに100μLのCCK8含有PBSを加え、37℃、遮光下で2時間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーで450nmでの吸光度を検出し、細胞及び薬物を含有しない培地にCCK8を加えてブランク群とした。
【0143】
生存率を以下の式に従って計算した。
細胞生存率(%)=[(投与群吸光度平均値-ブランクウェル吸光度平均値)/(対照群吸光度平均値-ブランク群吸光度平均値)]×100。
【0144】
結果を表4に示す。
【表4】

【0145】
表5から分かるように、1μM及び10μMの濃度の化合物K29におけるRAW264.7細胞の細胞生存率は、それぞれ96.06%と98.89%であり、1μM及び10μMの濃度の化合物K31におけるRAW264.7細胞の細胞生存率は、それぞれ85.84%と82.99%であった。これから分かるように、化合物K29は、1μM及び10μMの濃度でRAW264.7細胞に対して明らかな細胞毒性がなく、化合物K31は、1μM及び10μMの濃度でRAW264.7細胞に対して細胞毒性がある。
【0146】
2 破骨細胞分化
RAW264.7細胞を96ウェルプレートに1×10/ウェルの密度で播種し、10%のウシ胎児血清及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。細胞を37℃、5%のCO2の恒温インキュベーターに入れて培養した。投与群及びモデル群に100ng/mLのRANKL誘導液を各ウェルに加えて破骨細胞を培養し、2-3日間ごとに溶液(RANKLを含む)を交換し、3回目の液体交換の後、投与群に異なる濃度の阻害剤作業液を加え、モデル群に等体積のPBS作業液を加え、24h培養し続け、対照群にRANKL誘導液及び阻害剤作業液を加えず、総体積が同じPBS作業液を加えた。培養上清液を除去し、PBSで3回洗浄し、TRAP染色キットで細胞を染色し、光学顕微鏡で多核の破骨細胞を観察して計数した。
【0147】
結果を表5に示す。
【表5】

【0148】
表5から分かるように、モデル群と比べて、1μM及び10μMの濃度の化合物K29並びに100nM及び500nMの濃度のK31は、いずれも破骨細胞の生成を阻害する傾向があり、そのうち、K29は、10μMの濃度で破骨細胞の生成を顕著に阻害した。表4及び表5を参照すると、化合物K29は、細胞毒性を有さず、且つ破骨細胞の生成を阻害する効果が良好であった。
【0149】
実施例50 体内毒性研究
実験対象は、6-8週のオスICRマウスであり、1週間適応飼育した後、体重に応じてランダムにグループ分けし、その後、異なる濃度の化合物を調製し、腹腔注射(i.p)の方式でそれぞれ単回投与と複数回投与実験を行い、且つ同じグループの溶媒を参考とした。
【0150】
図1に示すように、単回投与量が500mg/kg及び300mg/kgである場合、10日目にマウスを観察し、いずれも死亡現象及び明らかな毒性反応が現れなかった。その間、マウスの体重を毎日測定し、溶媒群と比べて投与群の体重に有意差が見られなかった(P>0.05)。複数回投与実験において、50mg/kg及び25mg/kgの投与量を選択して1日1回の頻度で投与した。1週間連続投与した後、マウスを観察し、いずれも死亡現象及び明らかな毒性反応が現れなかった。溶媒群と比べて、投与群の体重は、いずれも有意差を示さなかった(P>0.05)。図2に示すように、それぞれ単回投与と複数回投与の最大用量群のマウスに対して組織病理学的研究を行い、溶媒群と比べて、化合物K18で処理したマウスに明らかな病理学的変化が観察されなかった。50mg/kg及び25mg/kgを安全投与量とすることは、後続の体内薬力学研究の安全性に対する要件を満たす。
【0151】
以上の結果から、化合物K18が低い体内毒性を有し、一定の安全性を有することが示された。
【0152】
実施例51 抗骨粗鬆の体内薬効実験
デキサメタゾンをオスC57BL/6マウスに皮下注射することで骨粗鬆マウスモデルを確立し、モデル確立の8日間後、モデルマウスに12mg/kg、24mg/kg及び36mg/kgの投与量で腹腔内注射の方式で投与し、Cat K阻害剤Balicatibを陽性対照とした。1日1回連続して6週間投与した後、麻酔して解剖し、血清を保存し、ELISA法により血中の骨吸収バイオマーカーCTXの含有量を検出し、一側の大腿骨を取って骨密度を測定した。溶媒群と比べることにより、Cat K阻害剤の骨粗鬆に対する治療作用を評価した。予備実験の効果は、明らかであった。現在、正式実験に進む。
【0153】
実施例52 抗骨転移腫瘍の体内薬効実験
NOD-SCIDマウスの脛骨にC4-2B細胞を穿刺注入して前立腺癌骨転移モデルを確立することにより、本発明の化合物の骨転移腫瘍に対する治療作用をさらに研究した。モデル確立の4週間後、モデルマウスに25mg/kg及び50mg/kgの投与量で腹腔内注射の方式で投与し、通常の抗骨転移薬物であるゾレドロン酸を陽性対照とした。1日1回で4週間連続投与し、その間に観察してマウスの体重変化及び腫瘍体積変化を記録した。投与終了後にマウスを殺し、ELISA法により血漿中の前立腺特異的抗原(prostate specific antigen、PSA)の含有量を測定し、その後、マウスの脛骨骨密度を測定し、病理切片を製造して骨組織の病理学的変化を測定した。これらの試験結果により、Cat K阻害剤の前立腺癌骨転移腫瘍の進行に対する阻害作用及び骨組織に対する保護作用を評価した。
【0154】
試験結果から、化合物K18がC4-2B細胞の移動、浸潤及び付着過程を濃度に依存して阻害できることが初歩的に示され、Cat K阻害剤が腫瘍の転移過程に影響を与えることで抗腫瘍活性を効果的に発揮できることが示された。
【0155】
実施例53 ラット経口投与の絶対バイオアベイラビリティ実験
1 機器
Acquity UPLC超高効率液体クロマトグラフィーシステム(Waters社)、TSQ Endura三重四級ロッドMS計(Thermo社)、KQ-500E型超音波洗浄器(昆山市超音波機器有限公司)、3K15卓上高速遠心機(ドイツSIGMA社)、XW-80Aボルテックスミキサー(上海精科実業有限公司)
2 薬品と試薬
試験対象物質:K29(分子量439.21、質量27mg)、K31(分子量457.20、質量14mg+20mg)。
【0156】
試薬:HS-15は、分析試薬であり、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)は、薬用グレードであり、ギ酸、メタノール、アセトニトリルは、いずれもクロマトグラフィーグレードであり、水は、精製水であった。
【0157】
3 試験方法
3.1 クロマトグラフィーと質量分析条件
3.1.1 クロマトグラフィー条件
クロマトカラム:thermo scientific 100*2.1mm 3μm 液体クロマトカラム
移動相:5mMの酢酸アンモニウム水溶液(A)、100%のアセトニトリル(B)
グラジエント溶離(0-0.5min:20%B、0.5-1.5min:20%-90%B、1.5-4min:90%B、4-4.1min:90%-20%B、4.1-4.5min:20%B)
流速:0.25mL/min カラム温度:40℃ サンプル供給量:2μL
3.1.2 質量分析条件
エレクトロスプレーイオン源(ESI);イオン噴霧電圧:3500V、イオン源温度:300℃、補助ガス:45Arb、シースガス10Arb。
【0158】
3.2 投与溶液の調製
静脈腹腔内投与溶液:0.5%のHS-15生理食塩水溶液で調製し、濃度は、0.2mg/mLであり、
胃内投与懸濁液:0.5%のCMC-Na水溶液で研磨して懸濁し、濃度は、0.5mg/mLである。
【0159】
3.3 動物投与とサンプル処理
3.3.1 投与と採血
各化合物の各投与方法は、2匹のSDラットを用いて試験を行った。
【0160】
K29及びK31の二つの化合物を静脈注射及び胃内投与した。静脈投与体積は、いずれも5mL/kgであり、それぞれ投与後の2min、10min、30min、1h、2h、4h、7.5h、24hに頸静脈から0.2mLの血液を採取し、胃内投与群は、10mL/kgであり、それぞれ投与後の5min、15min、30min、1h、2h、4h、8h、24hに頸静脈から0.2mLの血液を採取し、全ての血液サンプルをヘパリンで抗凝固し、4000gで10min遠心し、上清血漿を取って凍結保存して試験に供えた。
【0161】
3.3.2 サンプル処理
50μLの血漿サンプルを取り、150μLのアセトニトリルを加え、ボルテックスで均一に混合し、9100gで10min遠心し、上清液を取って2μLのサンプルを供給して設備で検出した。
【0162】
試験結果を表6-10に示す。
【表6】

【0163】
【表7】

【0164】
【表8】

【0165】
【表9】

【0166】
【表10】

【0167】
表10から分かるように、化合物K29とK31の経口投与バイオアベイラビリティは、それぞれ62.1%と51.0%であり、経口投与バイオアベイラビリティは、良好であった。
図1
図2
【国際調査報告】