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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】光学表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20250123BHJP
   H04N 13/346 20180101ALI20250123BHJP
   H04N 13/363 20180101ALI20250123BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N13/346
H04N13/363
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543414
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2022099122
(87)【国際公開番号】W WO2023137959
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210065963.4
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524274174
【氏名又は名称】上海理湃光晶技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI RAYPAI PHOTONIC CRYSTAL LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 雨雪
(72)【発明者】
【氏名】張 文君
(72)【発明者】
【氏名】羅 豪
(72)【発明者】
【氏名】金 建虎
(72)【発明者】
【氏名】劉 瀛
(72)【発明者】
【氏名】楊 銘
(72)【発明者】
【氏名】李 偉
(72)【発明者】
【氏名】杜 俊
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA42
2H199CA46
2H199CA47
2H199CA59
2H199CA64
2H199CA74
2H199CA87
(57)【要約】
光学表示装置を開示し、結合装置は画像発生装置から出力された光を光学拡張導波路に結合入力させる。光学拡張導波路は少なくとも第1反射面アレイ及び第2反射面アレイを含み、光学拡張導波路に入った光は順に第1反射面アレイ、第2反射面アレイを経て、それぞれの反射面アレイは光学拡張導波路を介して伝播された光を一次元方向で拡張させ、光学拡張導波路に入った光の二次元方向での拡張を実現して、光学拡張導波路外へ光を射出して像を形成する。第1反射面アレイの第1反射面及び第2反射面アレイの第2反射面のうちの少なくとも一方の少なくとも局所は曲面であり、第1反射面及び/又は第2反射面によって光の出射角度を変更して、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たすようにする。従って、本発明結像した画像距離を変更でき、視覚異常のある使用者に適して、構造が薄くて軽い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学表示装置であって、画像発生装置、結合装置及び光学拡張導波路を含み、前記結合装置は前記画像発生装置に対応して、前記画像発生装置から出力される光を前記光学拡張導波路に結合入力し、
前記光学拡張導波路は少なくとも第1反射面アレイ及び第2反射面アレイを含み、前記光学拡張導波路に入った光は順に前記第1反射面アレイ、前記第2反射面アレイを経て、前記第1反射面アレイ及び前記第2反射面アレイのそれぞれは前記光学拡張導波路を介して伝播された光を一次元方向で拡張させ、前記光学拡張導波路に入った光の二次元方向での拡張を実現して、前記光学拡張導波路外へ光を射出して像を形成し、
前記第1反射面アレイの第1反射面及び前記第2反射面アレイの第2反射面のうちの少なくとも一方の少なくとも局所を曲面にすることで、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たすようにすることを特徴とする光学表示装置。
【請求項2】
前記第1反射面アレイの第1反射面の少なくとも局所は曲面であり、前記第1反射面は、前記第1反射面によって反射された光を発散させ、
又は前記第2反射面アレイの第2反射面の少なくとも局所は曲面であり、前記第2反射面は、前記第2反射面によって反射された光を発散させることを特徴とする請求項1に記載の光学表示装置。
【請求項3】
前記第1反射面アレイは前記光学拡張導波路を介して伝播された光を第1次元方向で拡張させ、前記第1次元方向に対して各前記第1反射面はそれぞれ傾斜角を形成することを特徴とする請求項1に記載の光学表示装置。
【請求項4】
前記光学拡張導波路は第1導波路ベースを含み、前記第1反射面アレイは前記第1導波路ベース内に設けられ、前記第1導波路ベースは少なくとも第1組の対向表面を含み、前記第1導波路ベースに入った光は前記第1組の対向表面のそれぞれの表面で反射されて前へ伝播されることを特徴とする請求項1に記載の光学表示装置。
【請求項5】
前記第1組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、当該表面の反射光が、前記第1反射面に入射する入射角度を変更して、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていることを実現するように補助することを特徴とする請求項4に記載の光学表示装置。
【請求項6】
前記第1組の対向表面の少なくとも1つの表面は、当該表面の反射光を発散させることを特徴とする請求項5に記載の光学表示装置。
【請求項7】
前記光学拡張導波路は第2導波路ベースを含み、前記第2反射面アレイは前記第2導波路ベース内に設けられ、前記第2導波路ベースは少なくとも第3組の対向表面を含み、前記第2導波路ベースに入った光は前記第3組の対向表面のそれぞれの表面で反射されて前へ伝播されることを特徴とする請求項1に記載の光学表示装置。
【請求項8】
前記第3組の対向表面の何れか表面に対して各前記第2反射面はそれぞれ傾斜角を形成することを特徴とする請求項7に記載の光学表示装置。
【請求項9】
前記第3組の対向表面における、結合出力面としての1つの表面に対して前記第2反射面が形成した傾斜角は0°超え、且つ45°以下であり、前記第2反射面が1つの表面に対して反時計方向に沿って回動する時、当該表面に対して前記第2反射面が形成した傾斜角は正であることを特徴とする請求項8に記載の光学表示装置。
【請求項10】
前記第3組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、当該表面の反射光が、前記第2反射面に入射する入射角度を変更して、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていることを実現するように補助することを特徴とする請求項7に記載の光学表示装置。
【請求項11】
前記第3組の対向表面の少なくとも1つの表面は、当該表面によって反射された光を発散させることを特徴とする請求項10に記載の光学表示装置。
【請求項12】
前記光学拡張導波路は第1導波路ベースと第2導波路ベースとを含み、前記第1反射面アレイは前記第1導波路ベース内に設けられ、前記第2反射面アレイは前記第2導波路ベース内に設けられ、
前記第1導波路ベースは、前記第1反射面の反射光を、前記第1導波路ベース外部に放射させる第1結合出力面をさらに含み、前記第2導波路ベースは、前記第1導波路ベースが射出した光を、前記第2導波路ベースに入らせる第2結合入力面をさらに含み、前記第1結合出力面と前記第2結合入力面とは光学的に同軸であることを特徴とする請求項1に記載の光学表示装置。
【請求項13】
前記結合装置は前記画像発生装置から出力された光を、偏光状態が異なる第1ビームと第2ビームに分けて、第1ビーム、第2ビームを前記光学拡張導波路にそれぞれ結合入力させることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の光学表示装置。
【請求項14】
前記結合装置は偏光分光ユニット、光変換ユニット、コリメートユニット及び分光選択ユニットを含み、前記偏光分光ユニットは前記画像発生装置から出力された光に対して偏光分光を行って、前記光変換ユニットは、異なる偏光状態を有する2つの光の相互変換を実現し、前記コリメートユニットは光をコリメートすることで、光エネルギーを均一に分布させ、前記分光選択ユニットは前記分光選択ユニットを通過した光のうちの、偏光状態に対応する光を前記光学拡張導波路に入射させることを特徴とする請求項13に記載の光学表示装置。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本出願は、2022年01月20日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202210065963.4であり、発明の名称が「光学表示装置」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
【技術分野】
【0002】
本発明は光学デバイスの分野に関し、特に光学表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ニアアイ表示は今、非常に注目を集めている科学技術分野であり、その光学システムはマイクロディスプレイ及び光学素子を含む。現在、市場で、ニアアイ表示に関する光学解決策はいろんな技術がある。
【0004】
アレイ導波路の解決策は、半透明半反射の光学面を使用して光に対する拡張及び射出瞳を実現し、入射角が反射角に等しいという反射の法則に従って、フルカラー表示を形成する三原色の入射光に対して分散作用がなく、形成した画像は明らかな色ずれがないことを保証でき、表示装置の最も基本的な要求を満たして、ヘッドマウント装置設計の最適化、及び美観の美化に対して明らかな優勢を備える。
【0005】
しかしながら、当該解決策の、無限遠位置に結像するという特性のため、当該解決策による表示装置は、約1.2の視力を有する人に適用され、普通の人(視力矯正を含む)の視力は約1.0であるため、このような表示装置を使用すると、着用者は鮮明でよい画像を見ることができず、使用者に大きなトラブルをもたらす。この問題を解決するために、主流としての解決策は外部デバイスを使用して補助して調節し、そうすれば、表示装置の体積及び重量を増やす上に、使用者の快適さ及び知覚体験を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑みると、本発明は、結像した画像距離を変更でき、視覚異常のある使用者に適して、構造が薄くて軽い光学表示装置を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術解決策を提供している。
光学表示装置であって、画像発生装置、結合装置及び光学拡張導波路を含み、前記結合装置は前記画像発生装置に対応して、前記画像発生装置から出力された光を前記光学拡張導波路に結合し、
前記光学拡張導波路は少なくとも第1反射面アレイ及び第2反射面アレイを含み、前記光学拡張導波路に入った光は順に前記第1反射面アレイ、前記第2反射面アレイを経て、前記第1反射面アレイ及び前記第2反射面アレイのそれぞれは前記光学拡張導波路を介して伝播された光を一次元方向で拡張させ、前記光学拡張導波路に入った光の二次元方向での拡張を実現して、前記光学拡張導波路外へ光を射出して像を形成し、
前記第1反射面アレイの第1反射面及び前記第2反射面アレイの第2反射面のうちの少なくとも一方の少なくとも局所を曲面にすることで、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たすようにする。
【0008】
好ましくは、前記第1反射面アレイの第1反射面の少なくとも局所は曲面であり、前記第1反射面は、前記第1反射面によって反射された光を発散させ、
又は前記第2反射面アレイの第2反射面の少なくとも局所は曲面であり、前記第2反射面は、前記第2反射面によって反射された光を発散させる。
【0009】
好ましくは、前記第1反射面アレイは前記光学拡張導波路を介して伝播された光を第1次元方向で拡張させ、前記第1次元方向に対して各前記第1反射面はそれぞれ傾斜角を形成する。
【0010】
好ましくは、前記光学拡張導波路は第1導波路ベースを含み、前記第1反射面アレイは前記第1導波路ベース内に設けられ、前記第1導波路ベースは少なくとも第1組の対向表面を含み、前記第1導波路ベースに入った光は前記第1組の対向表面のそれぞれの表面で反射されて前へ伝播される。
【0011】
好ましくは、前記第1組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、当該表面の反射光が、前記第1反射面に入射する入射角度を変更して、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていることを実現するように補助する。
【0012】
好ましくは、前記第1組の対向表面の少なくとも1つの表面は、当該表面の反射光を発散させる。
【0013】
好ましくは、前記光学拡張導波路は第2導波路ベースを含み、前記第2反射面アレイは前記第2導波路ベース内に設けられ、前記第2導波路ベースは少なくとも第3組の対向表面を含み、前記第3組の対向表面のそれぞれの表面で前記第2導波路ベースに入った光は反射されて前へ伝播される。
【0014】
好ましくは、前記第3組の対向表面の何れか表面に対して各前記第2反射面はそれぞれ傾斜角を形成する。
【0015】
好ましくは、前記第3組の対向表面における、結合出力面としての1つの表面に対して前記第2反射面が形成した傾斜角は0°超え、且つ45°以下であり、前記第2反射面が1つの表面に対して反時計方向に沿って回動する時、当該表面に対して前記第2反射面が形成した傾斜角は正である。
【0016】
好ましくは、前記第3組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、当該表面の反射光が、前記第2反射面に入射する入射角度を変更して、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていることを実現するように補助する。
【0017】
好ましくは、前記第3組の対向表面の少なくとも1つの表面は、当該表面によって反射された光を発散させる。
【0018】
好ましくは、前記光学拡張導波路は第1導波路ベースと第2導波路ベースとを含み、前記第1反射面アレイは前記第1導波路ベース内に設けられ、前記第2反射面アレイは前記第2導波路ベース内に設けられ、
前記第1導波路ベースは、前記第1反射面の反射光を、前記第1導波路ベース外部に発光させる第1結合出力面をさらに含み、前記第2導波路ベースは、前記第1導波路ベースが射出した光を、前記第2導波路ベースに入らせる第2結合入力面をさらに含み、前記第1結合出力面と前記第2結合入力面とは光学的に同軸である。
【0019】
好ましくは、前記結合装置は前記画像発生装置から出力された光を、偏光状態が異なる第1ビームと第2ビームに分けて、第1ビーム、第2ビームを前記光学拡張導波路にそれぞれ結合させる。
【0020】
好ましくは、前記結合装置は偏光分光ユニット、光変換ユニット、コリメートユニット及び分光選択ユニットを含み、前記偏光分光ユニットは前記画像発生装置から出力された光に対して偏光分光を行って、前記光変換ユニットは、異なる偏光状態を有する2つの光の相互変換を実現し、前記コリメートユニットは光をコリメートすることで、光エネルギーを均一に分布し、前記分光選択ユニットは前記分光選択ユニットを通過した光のうちの、偏光状態に対応する光を前記光学拡張導波路に入射させる。
【発明の効果】
【0021】
上記技術解決策から分かるように、本発明が提供する光学表示装置において、結合装置は画像発生装置から出力された光を光学拡張導波路に結合入力させる。光学拡張導波路は少なくとも第1反射面アレイ及び第2反射面アレイを含み、光学拡張導波路に入った光は順に第1反射面アレイ、第2反射面アレイを経て、それぞれの反射面アレイは光学拡張導波路を介して伝播された光を一次元方向で拡張させ、光学拡張導波路に入った光の二次元方向での拡張を実現して、光学拡張導波路外へ光を射出して像を形成する。第1反射面アレイの第1反射面及び第2反射面アレイの第2反射面のうちの少なくとも一方の少なくとも局所を曲面にすることで、第1反射面及び/又は第2反射面によって光の出射角度を変更して、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしている。従って、本発明の光学表示装置は結像した画像距離を変更でき、視覚異常のある使用者に適して、構造が薄くて軽い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例又は従来技術における技術解決策をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、以下に記載の図面は単に本発明的いくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を取得できる。
図1】本発明の1つの実施例が提供する光学表示装置において、結合装置は画像発生装置の出力光を光学拡張導波路に結合入力させる光線伝播の模式図である。
図2】本発明の1つの実施例において第1反射面での光線伝播の模式図である。
図3-1】図3-2の光学拡張導波路の左面図である。
図3-2】本発明の1つの実施例が提供する光学拡張導波路の正面図である。
図4】本発明の1つの実施例において第1導波路ベースの光線伝播の模式図である。
図5】本発明の1つの実施例において第1組の対向表面の1つの表面及び第1反射面での光線伝播の模式図である。
図6】本発明の1つの実施例において第2導波路ベースの光線伝播の模式図である。
図7】本発明の1つの実施例において第2導波路ベース中の光線が伝播して対応するように有効光通過口径を形成する模式図である。
図8】本発明の1つの実施例において何れかの導波路ベースの、曲面を使用した反射面及び表面の構造パラメータの模式図である。
図9-1】本発明の実施例の何れかの導波路ベースの対向表面の何れか表面が使用する曲面模式図である。
図9-2】本発明の実施例の何れかの導波路ベースの対向表面の何れか表面が使用する他の曲面模式図である。
図10-1-10-4】本発明の実施例の第1導波路ベースの第1結合出力面、及び第2導波路ベースの第2結合入力面の4つの実施形態の模式図である。
図11-1-11-3】本発明の実施例の第1導波路ベース及び第2導波路ベースの配置位置の3つの実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者が本発明の技術解決策をよりよく理解するために、以下、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術解決策を明らか且つ完全に記載し、記載される実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての他の実施例は、何れも本発明の保護範囲に属している。
【0024】
本実施例は光学表示装置を提供し、画像発生装置、結合装置及び光学拡張導波路を含み、前記結合装置は前記画像発生装置に対応して、前記画像発生装置から出力された光を前記光学拡張導波路に結合入力し、
前記光学拡張導波路は少なくとも第1反射面アレイ及び第2反射面アレイを含み、前記光学拡張導波路に入った光は順に前記第1反射面アレイ、前記第2反射面アレイを経て、前記第1反射面アレイ及び前記第2反射面アレイのそれぞれは前記光学拡張導波路を介して伝播された光を一次元方向で拡張させ、前記光学拡張導波路に入った光の二次元方向での拡張を実現して、前記光学拡張導波路外へ光を射出して像を形成し、
前記第1反射面アレイの第1反射面及び前記第2反射面アレイの第2反射面のうちの少なくとも一方の少なくとも局所を曲面にすることで、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たすようにする。
【0025】
光学拡張導波路に入った光は光学拡張導波路を介して伝播され、順に第1反射面アレイ、第2反射面アレイを経て、光学拡張導波路に入った光の二次元方向での拡張を実現して、光学拡張導波路外へ光を射出する。出射光は使用者の眼に入って、使用者は画像を見ることができる。
【0026】
光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離は、光学拡張導波路が射出した光から形成された像の対応する虚像から見る位置までの距離である。
【0027】
なお、第1反射面の少なくとも局所は曲面であれば、曲面によって光の第1反射面での反射角度を変更でき、光が光学拡張導波路から射出した出射角度を変更できる。第2反射面の少なくとも局所は曲面であれば、曲面によって光の第2反射面での反射角度を変更でき、光が光学拡張導波路から射出した出射角度を変更できる。従って、第1反射面及び第2反射面のうちの少なくとも一方に対して曲面を使用することで、光学拡張導波路は、光を射出する出射角度を変更でき、当該光学表示装置の出力光から結像された画像距離を変更して、結像した画像距離は所定要求を満たすようにする。
【0028】
従って、本実施例の光学表示装置は結像した画像距離を変更でき、視覚異常のある使用者に適して、視覚異常のある使用者は鮮明でよい画像を見ることができ、そして、本実施例の光学表示装置における光学拡張導波路の構造は薄くて軽い。
【0029】
画像発生装置は、画像情報が付けられた光を出力する。本実施例において、画像発生装置のタイプ、構造を具体的に限定しない。好ましくは、光学表示装置全体の重量及び体積を考えると、画像発生装置は小型化された表示チップを使用してもよく、シリコンベース液晶(LiquidCrystal on Silicon、LOCS)ディスプレイスクリーン、液晶(LiquidCrystal Display、LCD)ディスプレイスクリーン、有機エレクトロレーザー(Organic Light-Emitting Diode、OLED)ディスプレイスクリーン、MicroLEDディスプレイスクリーン、miniLEDディスプレイスクリーン又はデジタルライトプロセッシング(DigitalLight Processing、DLP)ディスプレイスクリーンを使用してもよく、これらに限定されない。
【0030】
実際応用において、異なる応用シナリオに基づいて、ヘッドマウントディスプレイ装置の軽量化及び小型化を考えるとともに、画像ソースの各点の輝度の均一性、出力光効果、輝度要求、解像度及びサイズの制限などの要因を配慮して、体積が適切であり、輝度が均一であり、解像度が高い画像発生装置を選択する。
【0031】
好ましくは、結合装置は、前記画像発生装置から出力された光を、偏光状態が異なる第1ビームと第2ビームに分けて、第1ビーム、第2ビームを前記光学拡張導波路にそれぞれ結合入力させる。結合装置によって、画像発生装置の出力光に対して偏光分光を行って、光学拡張導波路内にそれぞれ結合入力させて、光学拡張導波路によって伝播及び拡張を行って、出力した光から形成された画像の輝度を均一にする。
【0032】
好ましくは、結合装置は偏光分光ユニット、光変換ユニット、コリメートユニット及び分光選択ユニットを含み、前記偏光分光ユニットは前記画像発生装置から出力された光に対して偏光分光を行って、前記光変換ユニットは、異なる偏光状態を有する2つの光の相互変換を実現し、前記コリメートユニットは光をコリメートすることで、光エネルギーを均一に分布させ、前記分光選択ユニットは前記分光選択ユニットを通過した光のうちの、偏光状態に対応する光を前記光学拡張導波路に入射させる。このように、結合装置によって画像発生装置出力光に対して偏光分光を行って、光学拡張導波路内にそれぞれ結合入力させて、入光学拡張導波路にそれぞれ結合入力された光エネルギーの各部分を均一に分布させる。
【0033】
本実施例において、結合装置の具体的な光学構造を限定せず、画像発生装置から出力された光を光学拡張導波路に結合入力させればよい。例示として、図1を参照し、図1は1つの実施例が提供する光学表示装置において、結合装置は画像発生装置の出力光を光学拡張導波路に結合入力させる光線伝播の模式図である。図面に示すように、結合装置301は偏光分光ユニット401、第1光変換ユニット402、第1コリメートユニット403、第2光変換ユニット404、第2コリメートユニット405、第1分光選択ユニット406及び第2分光選択ユニット407を含む。
【0034】
偏光分光ユニット401は画像発生装置300の出力光を第1偏光状態の光と第2偏光状態の光に分けて、第1偏光状態の光は反射されて、順に第1光変換ユニット402及び第1コリメートユニット403を通過し、第1コリメートユニット403は光をコリメートして反射することで、当該部分の光は第1光変換ユニット402を2回通過した後、第2偏光状態の光に変換される。変換して形成された第2偏光状態の光は偏光分光ユニット401を透過して、第1分光選択ユニット406に入射した際、反射されて光学拡張導波路302に入る。
【0035】
偏光分光ユニット401によって分けられた第2偏光状態の光は透過して順に第2光変換ユニット404及び第2コリメートユニット405に入射し、第2コリメートユニット405は光をコリメートして反射することで、当該部分の光は第2光変換ユニット404を2回通過した後、第1偏光状態の光に変換される。変換して形成された第1偏光状態の光は偏光分光ユニット401を通過する際に反射されて、第2分光選択ユニット407に入射した際に反射されて入光学拡張導波路302に入る。第1偏光状態の光と第2偏光状態の光の振動方向は互いに垂直し、それぞれP光とS光である。
【0036】
ここで、図1の結合装置は単に実施形態の例示的な説明であり、他の実施形態において、結合装置に対して他の光学構造を使用してもよく、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0037】
以下、当該光学表示装置の光学拡張導波路の実施形態を説明する。
【0038】
第1反射面アレイの第1反射面の少なくとも局所は曲面であれば、本実施例において、第1反射面に含まれる曲面形状、曲面面積の大きさに対して具体的に限定せず、光学拡張導波路が射出した光の出射角度を変更して、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていればよい。第1反射面に含まれる曲面は一定の曲率を有する曲面、又は自由曲面であってもよい。好ましくは、第1反射面に対して曲面を使用することで、第1反射面によって反射された光を発散させるか、又は集束させる。
【0039】
第2反射面アレイの第2反射面の少なくとも局所は曲面であれば、本実施例において、第2反射面に含まれる曲面形状、曲面面積の大きさに対して具体的に限定せず、光学拡張導波路が射出した光の出射角度を変更して、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていればよい。第2反射面に含まれる曲面は一定の曲率を有する曲面、又は自由曲面であってもよい。好ましくは、第2反射面に対して曲面を使用することで、第2反射面によって反射された光を発散させるか、又は集束させる。
【0040】
例示として、図2に示すように、図2は1つの実施例において、第1反射面での光線伝播の模式図であり、図面に示すように、導波路表面100によって反射された光線L1、光線L2はそれぞれ第1反射面101に入射し、第1反射面101は曲面である。第1反射面101を介して反射光線L1´、L2´を形成する。光線L1、L2が第1反射面101の基準平面102を介して反射されることに対して、第1反射面101の基準平面102を介して反射光線L1´´、L2´´を形成し、反射光線L1´、L2´は発散するようになる。これによって、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離を小さくする。視覚異常のある使用者に対して、その結像は視覚異常のある使用者の網膜に集束できる。
【0041】
以上は図2に基づいて、第1反射面での光線伝播を例として、第1反射面に対して曲面を使用することで、画像距離の変更を実現する原理を説明し、同じように、第2反射面に対して曲面を使用することで、画像距離の変更を実現することも、上記原理に従う。
【0042】
第1反射面アレイは前記光学拡張導波路を介して伝播された光を第1次元方向で拡張させ、前記第1次元方向に対して各前記第1反射面はそれぞれ傾斜角を形成する。第1次元方向に対して第1反射面が傾斜角を形成することは、第1反射面の弦と第1次元方向とが平行でも垂直でもないことを指す。対応するように、第1次元方向に対して第1反射面が形成した傾斜角は、第1反射面の弦と第1次元方向との間の夾角である。光学拡張導波路を介して伝播された光が第1反射面に入射した時、光エネルギーの一部分は第1反射面を透過して継続的に伝播され、光エネルギーの他の一部は反射され、第1反射面アレイは、光学拡張導波路を介して伝播された光を第1次元方向で拡張させる。
【0043】
本実施例において、第1次元方向に対して第1反射面がそれぞれ形成した傾斜角の角度の大きさを限定せず、光学拡張導波路を介して伝播された光の第1次元方向での拡張を実現すればよい。実際応用において、光学拡張導波路のサイズに基づいて、光の、第1次元方向での拡張要求を設置し、好ましくは、光の拡張要求を満たしている上で光学拡張導波路の構造が薄くて軽い。
【0044】
第1反射面の、第1次元方向と平行する平面上の投影面について、第1次元方向と平行する当該平面は、第1反射面の光を反射する側に位置し、光学拡張導波路の出力光の、第1次元方向での光通過口径を決定する。光学表示装置に対して、光学拡張導波路の出力光の、第1次元方向での光通過口径は、画像発生装置からの画像を完全に拡張させ、即ち、光学拡張導波路の出力光による結像は、第1次元方向での画像の完全な情報を含むことを保証しなければならない。
【0045】
好ましくは、光学拡張導波路は第1導波路ベースを含み、前記第1反射面アレイは前記第1導波路ベース内に設けられ、前記第1導波路ベースは少なくとも第1組の対向表面を含み、前記第1導波路ベースに入った光は前記第1組の対向表面のそれぞれの表面で反射されて前へ伝播される。具体的に、光が、第1組の対向表面のそれぞれの表面に入射すれば、全反射条件を満たしている。第1組の対向表面は互いに平行してもよいし、又は平行しなくてもよく、光は第1組の対向表面のそれぞれの表面を介して反射されて前へ伝播されればよい。
【0046】
好ましくは、第1導波路ベースは第2組の対向表面をさらに含み、第2組の対向表面と第1組の対向表面とは閉断面を形成し、第1組の対向表面及び第2組の対向表面のそれぞれの表面で、第1導波路ベースに入った光は反射されて前へ伝播される。具体的に、光が第2組の対向表面のそれぞれの表面に入射すれば、全反射条件を満たしている。第2組の対向表面は互いに平行してもよいし、又は平行しなくてもよく、光は第2組の対向表面のそれぞれの表面を介して反射されて前へ伝播されればよい。
【0047】
例示として、図3-1、図3-2及び図4を結合して参照し、図3-1は図3-2の光学拡張導波路の左面図であり、図3-2は1つの実施例が提供する光学拡張導波路の正面図であり、図4は1つの実施例において第1導波路ベースの光線伝播の模式図である。図面に示すように、第1導波路ベース1の1-A、1-B、1-C及び1-Dという4つの表面から形成された断面内で、第1導波路ベース1に入った光は各表面に反射されて前へ伝播される。伝播過程で、第1反射面101に会うと、一定のエネルギー比で光エネルギーの一部を反射することで、光を第2導波路ベース2内に結合入力させる。
【0048】
図4の第1導波路ベース1において、第1組の対向表面1-Aと1-Bとが互いに平行して、第2組の対向表面1-Cと1-Dとが互いに平行することを例として説明し、ここで、図4は単に例示を挙げて説明する。他の実施形態において、第1組の対向表面は平行しなくてもよい、第2組の対向表面は平行しなくてもよい。
【0049】
1つの好適な実施形態において、第1組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、当該表面の反射光が、前記第1反射面に入射する入射角度を変更して、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていることを実現するように補助する。第1組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、光が当該表面を経た後の反射角度、及び当該表面の反射光が第1反射面に入射する入射角度を変更でき、これによって、曲面を使用する第1反射面、又は曲面を使用する第2反射面と結合して、当該光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離を変更するように補助する。
【0050】
本実施例において、第1組の対向表面の何れか表面に含まれる曲面形状、曲面面積の大きさに対して具体的に限定せず、光学拡張導波路が射出した光の出射角度を変更して、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていればよい。第1組の対向表面の何れか表面に含まれる曲面は一定の曲率を有する曲面、又は自由曲面であってもよい。好ましくは、第1組の対向表面の何れか表面に含まれる曲面は当該表面の反射光を発散させるか、又は集束させる。
【0051】
例示として、図5に示すように、図5は1つの実施例において、第1組の対向表面の1つの表面及び第1反射面での光線伝播の模式図である、図面に示すように、表面100は第1導波路ベース1の第1組の対向表面の何れか表面であり、表面100は曲面であり(その基準平面は表面103である)、入射光線L3、L4の、表面100での反射光線は発散するようになり、光線が第1反射面101によって反射された後の反射光線L3´、L4´は発散するようになり、結果として、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離は小さくなる。
【0052】
好ましくは、光学拡張導波路は第2導波路ベースを含み、前記第2反射面アレイは前記第2導波路ベース内に設けられ、前記第2導波路ベースは少なくとも第3組の対向表面を含み、前記第2導波路ベースに入った光は前記第3組の対向表面のそれぞれの表面で反射されて前へ伝播される。具体的に、光が第3組の対向表面のそれぞれの表面に入射すれば、全反射条件を満たしている。第3組の対向表面は互いに平行してもよいし、又は平行しなくてもよく、光は第3組の対向表面のそれぞれの表面を介して反射されて前へ伝播されればよい。
【0053】
好ましくは、第3組の対向表面の何れか表面に対して各第2反射面はそれぞれ傾斜角を形成する。1つの表面に対して第2反射面が傾斜角を形成することは、第2反射面の弦と当該表面とが平行でも垂直でもないことを指す。対応するように、1つの表面に対して第2反射面が形成した傾斜角は、第2反射面の弦と当該表面との間の夾角であり、1つの表面は曲面であれば、当該表面に対して第2反射面が形成した傾斜角は、第2反射面の弦と当該表面の弦との間の夾角である。第2導波路ベースを介して伝播された光は第2反射面に入射した場合、光エネルギーの一部は第2反射面を透過して継続的に伝播され、光エネルギーの他の一部は反射されて、第2導波路ベース外へ射出することで、光学拡張導波路の出射光を形成する。
【0054】
例示として、図3-1、図3-2及び図6を結合して参照し、図6は1つの実施例において第2導波路ベースの光線伝播の模式図である。図面に示すように、第1導波路ベース1から第2導波路ベース2に結合入力した光は第2導波路ベース2の表面2-A、2-Bで反射されて前へ伝播され、伝播過程で、第2反射面201に会うと、一定のエネルギー比で光エネルギーの一部を反射することで、光の一部を第2導波路ベース2外へ射出させる。
【0055】
本実施例において、第3組の対向表面の何れか表面に対して各第2反射面がそれぞれ形成した傾斜角の角度の大きさを限定せず、第2導波路ベース内で伝播される光が、第2反射面に入射した場合、光の少なくとも一部を反射させるように、第2導波路ベース外へ射出させることを実現すればよい。実際応用において、第1導波路ベースのサイズ、第2導波路ベースのサイズに基づいて、第2次元方向での光の拡張要求を設置してもよい。
【0056】
例示として、図7に示すように、図7は1つの実施例において第2導波路ベース中の光線が伝播して対応するように有効光通過口径を形成する模式図であり、第2導波路ベース2を介して伝播された光は各第2反射面S1、S2、S3、S4及びS5にそれぞれ会うと、反射され、光の少なくとも一部を第2導波路ベース2外へ射出させる。各第2反射面S1、S2、S3、S4及びS5の、表面2-Aでの総投影面Sは当該光学拡張導波路の有効光通過口径を决定する。光学表示装置に対して、光学拡張導波路の有効光通過口径は、画像ソースからの画像を完全に拡張させ、即ち、光学拡張導波路の出力光による結像は、第1次元方向及び第2次元方向での画像の完全な情報を含むことを保証しなければならない。
【0057】
好ましくは、第3組の対向表面における、結合出力面としての1つの表面に対して第2反射面が形成した傾斜角は0°超え、且つ45°以下であり、0°<β≦45°として示され、前記第2反射面が1つの表面に対して反時計方向に沿って回動する時、当該表面に対して前記第2反射面が形成した傾斜角は正である。第3組の対向表面における、結合出力面としての1つの表面は、第2反射面によって反射された光が当該表面を介して第2導波路ベース外へ射出する。このように、第2反射面によって光を拡張させるとともに、第2導波路ベースの厚さを小さくすることができ、導波路全体は薄くて軽くなる。
【0058】
1つの好適な実施形態において、第3組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、当該表面の反射光が、前記第2反射面に入射する入射角度を変更して、前記光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていることを実現するように補助する。第3組の対向表面の少なくとも1つの表面の少なくとも局所を曲面にすることで、光が当該表面を経た後の反射角度を変更でき、当該表面の反射光が第2反射面に入射する入射角度を変更でき、これによって、曲面を使用する第1反射面、又は曲面を使用する第2反射面と結合して、当該光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離の変更を実現する。
【0059】
本実施例において、第3組の対向表面の何れか表面に含まれる曲面形状、曲面面積の大きさに対して具体的に限定せず、光学拡張導波路が射出した光の出射角度を変更して、光学拡張導波路が射出した光から結像された画像距離が所定要求を満たしていればよい。第3組の対向表面の何れか表面に含まれる曲面は一定の曲率を有する曲面、又は自由曲面であってもよい。好ましくは、第3組の対向表面の何れか表面に含まれる曲面は当該表面の反射光を発散させるか、又は集束させる。
【0060】
光学設計を行う時、生成する画像の解像度、コントラスト又は鮮明さなどが要求を満たすようにするために、第1導波路ベースの第1反射面及び第1組の対向表面の少なくとも1つの表面に対して曲面を使用すれば、第1導波路ベースの第1反射面、及び第1組の対向表面の何れか表面の曲面パラメータは、一定の関係を満たすべきである。第2導波路ベースの第2反射面、及び第3組の対向表面の少なくとも1つの表面に対して曲面を使用すれば、第2導波路ベースの第2反射面、及び第3組の対向表面の何れか表面の曲面パラメータは、一定の関係を満たすべきである。図8を結合して参照し、図8は1つの実施例において、何れかの導波路ベースの、曲面を使用した反射面及び表面の構造パラメータの模式図であり、軸上の物点から射出した、コリメートされた主軸ビームを基準として光学設計を行って、主軸ビームが導波路ベースの結合入力面に垂直に入射した時、各パラメータの相応的な関係は以下の通りであり、
αR=αR1-β
αR=π/2-β
βは結合入力面と導波路ベース表面の水平基準面との夾角であり、βは曲面反射面の弦が所在する平面と導波路ベース表面の水平基準面との夾角であり、αR1は主軸光線と導波路ベース表面の水平基準面法線との夾角であり、αR2は主軸光線と結合出力面の基準面法線との夾角である。
【0061】
=h=N*(λ/2);
=H/(sin(β));
=H/(tan(β));
は単一反射面に対応する曲面導波路の局所の曲面矢高であり、Hは単一反射面に対応する曲面導波路の局所の弦長であり、hは曲面反射面自体に対応する局所の曲面矢高であり、Hは曲面反射面自体に対応する局所の弦長である。Nは画像距離調節ニーズによる絞りの数であり、λは光学設計の際選択された基準波長である。具体的な画像距離の調節ニーズに基づいて、対応する矢高及び弦長によって計算して、必要な曲面反射面の局所の曲率及び導波路ベースの曲面表面の局所の曲率半径を取得できる。
【0062】
例示として、図9-1及び図9-2を参照し、図9-1及び図9-2はそれぞれ本実施例の何れかの導波路ベースの対向表面の何れか表面に対して曲面を使用する模式図であり、図面に示すように、導波路ベースの対向表面の何れか表面は自由曲面、凹面又は凸面であってもよい。
【0063】
さらに、第1導波路ベースは、前記第1反射面の反射光を、前記第1導波路ベース外部に放射させる第1結合出力面をさらに含み、前記第2導波路ベースは、前記第1導波路ベースが射出した光を、前記第2導波路ベースに入らせる第2結合入力面をさらに含み、前記第1結合出力面と前記第2結合入力面とは光学的に同軸である。第1結合出力面と第2結合入力面とが光学的に同軸であることは、第1結合出力面と第2結合入力面とが、光軸の局所に対応して平行することを指す。
【0064】
本実施例において、第1導波路ベースの第1結合出力面の形状、及び第2導波路ベースの第2結合入力面の形状を限定せず、第1結合出力面と第2結合入力面とが光学的に同軸であることを満たしていればよい。第1結合出力面は平面、傾斜面、鋸歯面又は曲面であってもよいし、これらに限定されない。第2結合入力面は平面、傾斜面、鋸歯面又は曲面であってもよいし、これらに限定されない。例示として、図10-1~図10-4を参照し、図10-1~図10-4はそれぞれ本実施例の第1導波路ベースの第1結合出力面、及び第2導波路ベースの第2結合入力面の4つの実施形態である。
【0065】
本実施例において、第1導波路ベースと第2導波路ベースとの相対位置を限定せず、第1導波路ベースから結合出力された光を第2導波路ベースに入らせればよい。例示として、図11-1~図11-3を参照し、図11-1~図11-3はそれぞれ本実施例の第1導波路ベース及び第2導波路ベースの配置位置の3つの実施形態であり、図面に示すように、第1導波路ベース1は第2導波路ベース2の前側、後側或いは上側に設けられる。
【0066】
本実施例の光学表示装置はニアアイ表示装置、例えばヘッドマウント型機器であってもよく、結像した画像距離を変更でき、視覚異常のある使用者に適して、構造が薄くて軽く、使用者の使用の快適さ及び知覚体験を向上する。
【0067】
以上は、本発明が提供する光学表示装置を詳しく紹介する。本明細書において具体的な例を使用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例の説明は単に、本発明の方法及びその主旨を理解するために用いられる。ここで、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しないことを前提として、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲に該当する。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図10-4】
図11-1】
図11-2】
図11-3】
【国際調査報告】