(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】固形腫瘍の治療のためのユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20250123BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20250123BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250123BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20250123BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250123BHJP
C12N 9/99 20060101ALN20250123BHJP
C12N 9/50 20060101ALN20250123BHJP
【FI】
A61K31/519
C07D487/04 143
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 111
C12N9/99 ZNA
C12N9/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543875
(86)(22)【出願日】2023-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 US2023061184
(87)【国際公開番号】W WO2023147311
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520352311
【氏名又は名称】ケーエスキュー セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ワイリー,アンドリュー アリステア
(72)【発明者】
【氏名】カゾウ,アン ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ハンラン
(72)【発明者】
【氏名】オラハースキー,アンドリュー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】センデロヴィッチュ,エイドリアン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB06
4C086GA14
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本開示は、癌の治療に用いるためのUSP1阻害剤および癌を治療するために該阻害剤を用いる方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者における固形腫瘍の治療方法であって、該患者に、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約75mg~約2250mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を化合物I約75mg~約2250mgに相当する量投与することを含む、方法。
【請求項2】
ヒト患者における固形腫瘍の治療方法であって、該患者に、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約1000mg~約2250mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を化合物I約1000mg~約2250mgに相当する量投与することを含む、方法。
【請求項3】
該USP1阻害剤が約1000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1050mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1050mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1100mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1150mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1200mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1250mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1300mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1350mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1350mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1400mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1450mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1450mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1500mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1550mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1550mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1600mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1600mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1650mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1650mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1700mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1700mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1750mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1750mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1800mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1800mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1850mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1850mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1900mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1900mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約1950mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1950mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約2000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2000mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約2050mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2050mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約2100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2100mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約2150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2150mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約2200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2200mgに相当する量が投与されるか;または、該USP1阻害剤が約2250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2250mgに相当する量投与される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ヒト患者における固形腫瘍の治療方法であって、該患者に、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約75mg~約1000mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を化合物I約75mg~約1000mgに相当する量投与することを含む、方法。
【請求項5】
該USP1阻害剤が約75mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約75mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約100mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約150mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約200mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約250mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約300mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約350mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約350mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約400mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約450mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約450mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約500mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約550mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約550mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約600mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約600mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約650mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約650mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約700mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約700mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約750mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約750mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約800mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約800mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約850mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約850mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約900mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約900mgに相当する量投与されるか;該USP1阻害剤が約950mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約950mgに相当する量投与されるか;または該USP1阻害剤が約1000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与される、請求項1または4に記載の方法。
【請求項6】
USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が約1日1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が、1日かけて分割用量として投与され、該投与が2つの用量に分割されていてもよく、この2つの用量が、同じであってもよいか、またはこの2つの用量が異なっていてもよい、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が、経口投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
癌が卵巣癌である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
卵巣癌が漿液性卵巣癌である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
癌が乳癌である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
患者が、以前に白金ベースの化学療法を受けたことがある、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
癌が白金感受性である、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
癌が白金抵抗性である、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
乳癌がヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)ネガティブである、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
乳癌がトリプルネガティブ乳癌である、請求項11~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
癌がBRCA1に変異を有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
癌がBRCA2に変異を有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
乳癌が生殖細胞系乳癌感受性遺伝子変異(gBRCAm)乳癌である、請求項11~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
乳癌が転移性である、請求項11~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
患者が、以前に転移性疾患に対する少なくとも1つの全身化学療法による治療を受けたことがある、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
癌が、DNA損傷修復経路欠損癌、相同組換え欠損癌、p53をコードする遺伝子に変異を有する癌細胞を含む癌、およびp53をコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む癌からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
癌が、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、膀胱癌、骨肉腫、卵巣癌、皮膚癌、および乳癌からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
癌が、RAD18タンパク質および/またはRAD18mRNAのレベルが上昇した癌細胞を含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
癌が、RAD51タンパク質および/またはRAD51mRNAのレベルが上昇した癌細胞を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
RAD51のレベル上昇が、RAD51タンパク質フォーカスレベルの上昇である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
癌から得られた試料中の細胞周期S/G2期にある細胞の少なくとも10%がRAD51陽性である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
癌が再発したものである、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
患者が、以前にPARP阻害剤(PARPi)による治療を受けたことがある、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
癌がPARP阻害剤耐性または難治性癌である、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
化合物Iが、薬学的に許容される酸との共結晶として投与される、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
薬学的に許容される酸がゲンチジン酸である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が、少なくとも10日、少なくとも15日、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年、少なくとも18か月、または少なくとも2年投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか1項に記載の方法で用いるためのUSP1阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年1月25日に出願した米国仮出願第63/302,891号、2022年9月14日に出願した米国仮出願第63/375,601号、および2022年11月21日に出願した米国仮出願第63/384,554号の優先権を主張する(各々、出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)。
【0002】
電子的に提出された配列表への言及
電子的に提出された配列表(名称:4195_029PC03_Seqlisting_ST26;サイズ:3,002バイト;作成日:2023年1月20日)の内容は、出典明示によりその全体を本明細書の記載とする。
【0003】
発明の分野
本開示は、固形腫瘍を治療するためにユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤を使用する方法、および固形腫瘍を治療するためのUSP1阻害剤の使用に関しており、ここで、該USP1阻害剤は治療有効量で提供される。本明細書では、治療的に有効な投与計画が提供される。
【背景技術】
【0004】
6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンのような置換ピラゾロピリミジンは、USP1の阻害剤であり、USP1は、癌治療の標的として同定されている。6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン阻害剤は、低nM効力でUSP1を阻害することができ、他の脱ユビキチナーゼファミリーメンバーよりもUSP1に選択的である。さらにまた、このUSP1阻害剤は、細胞株の特定のサブセットにおいて選択的に活性であり、広範な細胞毒性を示さない。しかしながら、用量制限有害作用を回避しながらも、ヒトで効果的な反応を引き出すことができるUSP1阻害剤の特定の投与計画を同定する重要な必要性がある。
【0005】
簡単な概要
本明細書では、固形腫瘍の治療のためのUSP1阻害剤の投与のための投与計画が提供される。例えば、本明細書では、ヒト患者における固形腫瘍の治療方法であって、該患者に、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約75mg~約2500mg、または該化合物Iの塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該化合物I約75mg~約2500mgに相当する量投与することを含む、方法が提供される。また、本明細書では、ヒト患者における固形腫瘍の治療方法であって、該患者に、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約75mg~約1000mg、または該化合物Iの塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該化合物I約75mg~約1000mgに相当する量投与することを含む、方法が提供される。また、本明細書では、ヒト患者における固形腫瘍の治療方法であって、該患者に、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤化合物Iを約1000mg~約2500mg、または該化合物Iの塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該化合物I約1000mg~約2500mgに相当する量投与することを含む、方法が提供される。
【0006】
いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約75mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約75mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約100mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約150mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約200mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約250mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約300mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約350mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約350mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約400mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約450mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約450mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約500mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約550mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約550mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約600mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約600mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約650mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約650mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約700mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約700mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約750mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約750mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約800mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約800mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約850mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約850mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約900mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約900mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約950mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約950mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1050mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1050mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1100mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1150mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1120mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1200mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1250mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1300mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1350mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1350mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1400mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1450mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1450mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1500mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1550mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1550mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1600mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1600mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1650mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1650mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1700mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1700mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1750mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1750mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1800mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1800mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1850mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1850mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1900mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1900mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約1950mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1950mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約2000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2000mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約2100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2100mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約2200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2200mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約2300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2300mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約2400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2400mgに相当する量投与される。いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約2500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2500mgに相当する量投与される。
【0007】
いくつかの態様では、該USP1阻害剤が約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、約1800mg、約1850mg、約1900mg、約1950mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、約2500mg、もしくはこの段落に記載されているいずれかの数値と数値の間の範囲、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、約1800mg、約1850mg、約1900mg、約1950mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、約2500mg、もしくはこの段落に記載されているいずれかの数値と数値の間の範囲に相当する量投与される。
【0008】
いくつかの態様では、該USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は約1日1回投与される。上記の段落に記載されているいくつかの態様では、該USP1阻害剤は、1日かけて分割用量として投与される。例えば、いくつかの態様では、該USP1阻害剤は、は、1日2回投与される(例えば、投与量が1000mgまたはそれに相当する量である場合、該USP1阻害剤は、同じ日に第1投与量500mgおよび第2投与量500mgで投与され、この場合、第1投与量と第2投与量は同時ではない)。第1投与量と第2投与量は同じ量であっても異なる量であってもよい。
【0009】
いくつかの態様では、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、経口投与される。
【0010】
いくつかの態様では、癌は卵巣癌である。いくつかの態様では、卵巣癌は漿液性卵巣癌である。
【0011】
いくつかの態様では、癌は乳癌である。いくつかの態様では、患者は、以前に白金ベースの化学療法を受けたことがある。いくつかの態様では、癌は、白金感受性である。いくつかの態様では、癌は、白金抵抗性である。いくつかの態様では、乳癌は、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)ネガティブである。いくつかの態様では、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌である。
【0012】
いくつかの態様では、癌はBRCA1に変異を有する。いくつかの態様では、癌はBRCA2に変異を有する。
【0013】
いくつかの態様では、乳癌は、生殖細胞系乳癌感受性遺伝子変異(gBRCAm)乳癌である。いくつかの態様では、乳癌は転移性である。
【0014】
いくつかの態様では、患者は、以前に転移性疾患に対する少なくとも1つの全身化学療法による治療を受けたことがある。いくつかの態様では、癌は、DNA損傷修復経路欠損癌(DNA damage repair pathway deficient cancer)、相同組換え欠損癌(homologous-recombination deficient cancer)、p53をコードする遺伝子に変異を有する癌細胞を含む癌、およびp53をコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む癌からなる群から選択される。いくつかの態様では、癌は、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、膀胱癌、骨肉腫、卵巣癌、皮膚癌および乳癌からなる群から選択される。
【0015】
いくつかの態様では、癌は、RAD18タンパク質および/またはRAD18mRNAのレベルが上昇した癌細胞を含む。いくつかの態様では、癌は、RAD51タンパク質および/またはRAD51mRNAのレベルが上昇した癌細胞を含む。いくつかの態様では、RAD51のレベル上昇は、RAD51タンパク質フォーカスレベルの上昇である。いくつかの態様では、癌から得られた試料中の細胞周期S/G2期にある細胞の少なくとも10%は、RAD51ポジティブである。
【0016】
いくつかの態様では、癌は、再発したものである。いくつかの態様では、患者は、以前にPARP阻害剤(PARPi)による治療を受けたことがある。いくつかの態様では、癌は、PARP阻害剤耐性(resistant)または抵抗性(refractory)癌である。
【0017】
いくつかの態様では、化合物Iは、薬学的に許容される酸との共結晶として投与される。いくつかの態様では、薬学的に許容される酸は、ゲンチジン酸である。
【0018】
いくつかの態様では、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回、または少なくとも回、または少なくとも15回、または少なくとも20日、または少なくとも25日、または少なくとも30日、または少なくとも60日、または少なくとも90日、または少なくとも120日、または少なくとも150日、または少なくとも180日、または少なくとも210日、または少なくとも240日、または少なくとも270日、または少なくとも300日、または少なくとも330日、または少なくとも360日、または少なくとも365日、またはそれ以上投与される。いくつかの態様では、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、少なくとも3日、または少なくとも4日、または少なくとも5日、または少なくとも10日、または少なくとも15日、または少なくとも20日、または少なくとも25日、または少なくとも1か月、または少なくとも2か月、または少なくとも3か月、または少なくとも4か月、または少なくとも5か月、または少なくとも6か月、または少なくとも7か月、または少なくとも8か月、または少なくとも9か月、または少なくとも10か月、または少なくとも11か月、または少なくとも1年、または少なくとも18か月、または少なくとも2年、またはそれ以上の期間投与される。
【0019】
本明細書では、本明細書で提供される方法において用いるためのUSP1阻害剤化合物I、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶もまた提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、結晶形態Aに対応する粉末X線回折パターン(「XRPD」)である(実施例1を参照)。
【0021】
【
図2】
図2は、結晶形態Aに対応する示差走査熱量測定サーモグラム(「DSC」)および熱重量分析サーモグラム(「TGA」)である(実施例1を参照)。
【0022】
【
図3】
図3は、単結晶構造からの結晶形態Aの非対称ユニットである(実施例1を参照)。
【0023】
【
図4】
図4は、結晶形態2に対応するXRPDパターンである(実施例2を参照)。
【0024】
【
図5】
図5は、結晶形態2に対応するDSCおよびTGAサーモグラムである(実施例2を参照)。
【0025】
【
図6】
図6は、単結晶構造からの結晶形態2の非対称ユニットである(実施例2を参照)。
【0026】
【
図7】
図7は、NOD/SCIDマウスにおける300mg/kg投与後の結晶形態Aの血漿中濃度対時間プロファイルである(実施例3を参照)。
【0027】
【
図8】
図8は、NOD/SCIDマウスにおける300mg/kg投与後の結晶形態2の血漿中濃度対時間プロファイルである(実施例3を参照)。
【0028】
【
図9】
図9は、NOD/SCID雌性マウスにおける100および300mg/kgQD反復経口投与後の結晶形態2の脳内および血漿中濃度対時間プロファイルである(実施例4を参照)。
【0029】
【
図10】
図10は、SD雄性および雌性ラットにおける100mg/kg経口投与後の結晶形態2の脳内および血漿中濃度対時間プロファイルである(実施例5を参照)。
【0030】
【
図11】
図11は、USP1阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)の投与のための投与量漸増スキームを提供する(実施例6を参照)。
【0031】
発明の詳細な説明
I.定義
本明細書に記載された開示の理解を促進するために、以下に多くの用語を定義する。
【0032】
一般に、本明細書で使用される命名法、ならびに、本明細書に記載される有機化学、医薬化学および薬理学における実験手順は、当該技術分野でよく知られていて一般的に使用されるものである。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、一般に、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0033】
本願および特許請求の範囲を通して言及されているXRPD、DSCおよびTGAの特徴付けデータは、実施例の項の冒頭で「装置条件」の小見出しの下に詳述されている装置および条件を使用して決定されている。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の参照語を含む。用語「a」(または「an」)、ならびに用語「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用できる。特定の態様において、用語「a」または「an」は「単一」を意味する。他の態様では、用語「a」または「an」は、「2つ以上」または「複数」を含む。
【0035】
さらに、本明細書において使用される「および/または」は、2つの特定された特徴または構成要素の各々についての、他方の特徴または構成要素を有するかまたは有さない場合の、具体的な開示とみなされる。したがって、本明細書において「Aおよび/またはB」のような表現で使用される用語「および/または」は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、Bおよび/またはC」のような表現で使用される用語「および/または」は、以下の各態様を包含することを意図している:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
【0036】
本明細書で用いる「USP1」および「ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1」は、天然ポリペプチドまたはUSP1コードポリヌクレオチドを指す。用語「USP1」は、「完全長」未プロセシングUSP1ポリペプチド、ならびに細胞内でのプロセシング(例えば、シグナルペプチドの除去)により生じるUSP1の形態を包含する。この用語は、USP1の天然に存在する変異体、例えばスプライス変異体および対立遺伝子変異体によってコードされるものも包含する。本明細書に記載のUSP1ポリペプチドは、ヒト組織型または別の供給源からのような種々の供給源から単離され得るか、または、組換え法もしくは合成法によって調製され得る。ヒトUSP1配列は知られており、例えば、UniProt No.094782として公的に入手可能な配列(アイソフォームを含む)を含む。本明細書で使用される場合、用語「ヒトUSP1タンパク質」とは、配列番号1:
MPGVIPSESNGLSRGSPSKKNRLSLKFFQKKETKRALDFTDSQENEEKASEYRASEIDQVVPAAQSSPINCEKRENLLPFVGLNNLGNTCYLNSILQVLYFCPGFKSGVKHLFNIISRKKEALKDEANQKDKGNCKEDSLASYELICSLQSLIISVEQLQASFLLNPEKYTDELATQPRRLLNTLRELNPMYEGYLQHDAQEVLQCILGNIQETCQLLKKEEVKNVAELPTKVEEIPHPKEEMNGINSIEMDSMRHSEDFKEKLPKGNGKRKSDTEFGNMKKKVKLSKEHQSLEENQRQTRSKRKATSDTLESPPKIIPKYISENESPRPSQKKSRVKINWLKSATKQPSILSKFCSLGKITTNQGVKGQSKENECDPEEDLGKCESDNTTNGCGLESPGNTVTPVNVNEVKPINKGEEQIGFELVEKLFQGQLVLRTRCLECESLTERREDFQDISVPVQEDELSKVEESSEISPEPKTEMKTLRWAISQFASVERIVGEDKYFCENCHHYTEAERSLLFDKMPEVITIHLKCFAASGLEFDCYGGGLSKINTPLLTPLKLSLEEWSTKPTNDSYGLFAVVMHSGITISSGHYTASVKVTDLNSLELDKGNFVVDQMCEIGKPEPLNEEEARGVVENYNDEEVSIRVGGNTQPSKVLNKKNVEAIGLLGGQKSKADYELYNKASNPDKVASTAFAENRNSETSDTTGTHESDRNKESSDQTGINISGFENKISYVVQSLKEYEGKWLLFDDSEVKVTEEKDFLNSLSPSTSPTSTPYLLFYKKL(配列番号1)
のアミノ酸配列を含むUSP1タンパク質を指す。
【0037】
USP1は、UAF1との複合体の一部として作用する脱ユビキチン化酵素である。USP1の「脱ユビキチン化酵素活性」としては、USP1-UAF1複合体の一部として脱ユビキチン化する能力が挙げられる。
【0038】
用語「減少(reduction)」または「減少させる(reduce)」または「阻害」または「阻害する」とは、表現型特性の低減(decrease)もしくは消滅(cessation)、または該特性の発生率、程度もしくは可能性の低減または消滅を指す。「減少させる」または「阻害する」とは、基準と比較して、活性、機能および/または量を低減、減少または停止させることである。いくつかの態様では、「減少させる」または「阻害する」とは、20%以上の全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの態様では、「減少させる」または「阻害する」とは、50%以上の全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの態様では、「減少させる」または「阻害する」とは、75%、85%、90%、95%、またはそれ以上の全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの態様では、上記の量は、ある期間にわたって、同じ期間にわたる対照と比較して阻害されるかまたは減少する。
【0039】
用語「USP1阻害剤」または「USP1の阻害剤」とは、USP1タンパク質の1つ以上の活性または機能を阻害することができる化合物を指す。1つ以上のUSP1タンパク質の活性または機能がインビトロまたはインビボで阻害され得ると理解されるべきである。USP1の活性および機能の非限定的な例としては、脱ユビキチン化酵素活性およびUAF1との複合体の形成が挙げられる。例えば、国際公開第2020/132269号(出典明示により全体として本明細書の記載とする)を参照。
【0040】
用語「6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン」または「化合物I」とは、以下の構造:
【化1】
を有する化合物を指す。
【0041】
用語「対象体」とは、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットまたはマウスを含むがこれらに限定されない動物を指す。用語「対象体」および「患者」とは、本明細書では、例えばヒト対象体のような哺乳動物対象体に関して互換的に使用される。
【0042】
用語「治療する」、「治療すること」および「治療」とは、有益なまたは所望の臨床結果を得るためのアプローチを含むことを意味する。本明細書で使用される場合、「治療」は、ヒトを含む哺乳動物における疾患に対する治療薬の投与または適用を包含する。本開示の目的上、有益なまたは所望の臨床結果としては、1つ以上の症状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の広がり(例えば、転移)の防止または遅延、疾患の再発の防止または遅延、疾患の進行の遅延または緩徐化、疾患状態の寛解(amelioration)、疾患または疾患の進行の抑制、疾患またはその進行の抑制または緩徐化、その発症の阻止、および寛解(remission)(部分的であるか全体的であるかを問わない)のいずれか1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。また、「治療」には、増殖性疾患の病理学的結果の減少も包含される。本明細書で提供される方法は、治療のこれらの態様のいずれか1つ以上を企図する。上記と同様に、治療という用語は、障害のすべての態様を100%取り除くことを要求しているわけではない。
【0043】
癌に関連して、用語「治療する」、「治療すること」および「治療」としては、癌細胞の増殖を阻害すること、癌細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を減らすこと、および、腫瘍増殖、腫瘍進行または腫瘍転移の遅延、停止または緩徐化が挙げられるが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「癌」および「腫瘍」とは、哺乳動物における、細胞集団が未制御の細胞増殖を特徴とする生理的状態を指すかまたは記載する。これらの用語は固形癌を包含する。癌の例としては、DNA修復経路欠損癌(DNA repair pathway deficient cancers)および相同組換え欠損(HRD)癌(homologous recombination deficiency (HRD) cancers)が挙げられるがこれらに限定されない。癌のさらなる例としては、卵巣癌、乳癌(トリプルネガティブ乳癌を含む)、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、および骨肉腫が挙げられるがこれらに限定されない。癌は、野生型のBRCA1および/またはBRCA2であり得る。癌はまた、BRCA1(体細胞系および/または生殖細胞系)変異体および/またはBRCA2(体細胞系および/または生殖細胞系)変異体であり得る。癌は、さらに、PARP阻害剤抵抗性もしくは耐性癌、またはPARP阻害剤抵抗性もしくは耐性のBRCA1もしくはBRCA2変異癌であり得る。
【0045】
物質の「治療有効量」はまた、該物質の毒性作用または有害作用を治療的に有益な作用が上回る量でもある。治療有効量は、1回以上の投与で送達され得る。治療有効量とは、所望の治療効果を達成するのに必要な投与量および期間において有効な量を指す。
【0046】
用語「投与する」、「投与すること」、「投与」などは、所望の生物学的作用部位への治療薬の送達を可能にするために使用できる方法を指す。本明細書に記載されている薬剤および方法で採用できる投与技術は、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, current ed.; Pergamon;およびRemington’s, Pharmaceutical Sciences (current edition), Mack Publishing Co., Easton, Paに記載されている。
【0047】
用語「医薬製剤」および「医薬組成物」は、有効成分の生物学的活性が有効になるような形態のものであり、該製剤が投与される対象体にとって許容できないほど有毒な追加成分を含まない製剤を指す。このような製剤は無菌であり得る。
【0048】
用語「薬学的に許容される担体」、「薬学的に許容される賦形剤」、「生理学的に許容される担体」または「生理学的に許容される賦形剤」は、液体又は固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化材料などの、薬学的に許容される物質、組成物またはビヒクルを指す。薬学的に許容される担体は、用いられる用量および濃度においてレシピエントに対して無毒性であり、製剤の他の成分と適合性がある。薬学的に許容される担体は、用いられる製剤に適したものである。いくつかの態様では、各成分は医薬製剤の他の成分と適合性があり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織または臓器と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合っているという意味で、、「薬学的に許容される」。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition, Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;およびHandbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition, Ash and Ash Eds., Gower Publishing Company: 2007; Pharmaceutical Preformulation and Formulation, Gibson Ed., CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2004を参照(出典明示により本明細書の記載とする)。
【0049】
用語「有効成分」および「活性物質」は、状態、障害または疾患の1つ以上の症状の治療、予防または寛解のために単独でまたは1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて対象体に投与される化合物を指す。本明細書で使用される場合、「有効成分」および「活性物質」は、本明細書に記載の化合物の光学活性異性体であり得る。
【0050】
用語「薬物」、「治療薬」および「化学療法薬」は、状態、障害または疾患の1つ以上の症状の治療、予防または寛解のために対象体に投与される化合物またはその医薬組成物を指す。
【0051】
用語「溶媒和物」は、非共有結合性分子間力によって結合した化学量論的量または非化学量論的量の溶媒をさらに含む、本明細書で提供される化合物またはその塩を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。溶媒がエタノールを含む場合、化合物はエタノール溶媒和物であり得る。
【0052】
用語「多形体」は、本明細書で使用される場合、特定の結晶パッキング配置(crystal packing arrangement)にある、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物の結晶形態を指す。すべての多形体は同じ元素組成を持つ。用語「結晶性」とは、本明細書で使用される場合、構造単位の整然とした配列からなる固体状態の形態を指す。同じ化合物またはその塩、共結晶、水和物もしくは溶媒和物の異なる結晶形は、固体状態における分子の異なるパッキングから生じ、その結果、結晶対称性および/または単位胞パラメータが異なる。異なる結晶形態は、通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、ならびに溶解性を有する。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing, Easton PA, 173 (1990); The United States Pharmacopeia, 23rd ed., 1843-1844 (1995)を参照(出典明示により本明細書の記載とする)。
【0053】
結晶形態は、最も一般的には、粉末X線回折(XRPD)によって特徴付けられる。反射光のXRPDパターン(ピーク、典型的には°2θで表される)は、一般的には、特定の結晶形態のフィンガープリントと考えられている。XRPDピークの相対強度は、特に試料調製技術、結晶サイズ分布、フィルター、試料マウント手順、および使用する特定の装置によって、大きく異なり得る。いくつかの態様では、装置の種類または設定によっては、新たなピークが観察され得るか、または既存のピークが消失し得る。いくつかの態様では、XRPDパターン中の特定のピークは、装置の種類または設定、装置の感度、測定条件、および/または、結晶形態の純度に応じて、一重項、二重項、三重項、四重項、または多重項として現れることがある。いくつかの態様では、XRPDの特定のピークは、対称的な形状で、または、非対称的な形状、例えばショルダーを有する形状で現れ得る。これらのバリエーションを理解する当業者は、XRPD、およびその他の既知の物理化学的技術を使って、特定の結晶形態の特徴または特性を識別または確認することができる。
【0054】
化合物に適用される用語「非晶質」は、物質が分子レベルでの長距離秩序を欠いている状態を指し、温度に依存して固体または液体の物理的特性を示し得る。典型的には、このような物質は、特徴的なX線回折パターンを示さず、固体の性質を示しながら、より正式には液体として記載される。加熱すると、固体から液体への変化が起こり、これは典型的には2次的な状態変化(「ガラス転移」)によって特徴付けられる。
【0055】
化合物に適用される用語「無水物」は、化合物が結晶格子内に構造水を含まない固体状態を指す。
【0056】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、記載された数値±10%を含む。したがって、「約10」は、9~11を意味する。当業者によって理解されるように、本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータそれ自体に向けられた態様を含む(そして記載する)。例えば、「約X」に言及する記載には、「X」の記載も含まれる。
【0057】
文脈上他に必要とされない限り、用語「を含む(comprise)」、「を含む(comprises)および「を含んでいる(comprising)」は、それらが排他的ではなく包括的に解釈されるべきであり、出願人が、以下の特許請求の範囲を含む本特許を解釈する際にこれらの用語の各々をそのように解釈することを意図しているという根拠および明確な理解に基づいて使用される。
【0058】
II.USP1阻害剤により癌を治療する方法
本明細書では、癌、例えば固形腫瘍を、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)で治療する方法が提供される。
【0059】
いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約75mg~約1000mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mg~約100mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約75mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約100mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約100mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約150mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約150mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約200mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約200mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約250mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約250mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約300mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約300mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約350mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約350mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約400mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約450mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約450mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約400mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約500mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約500mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約550mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約550mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約600mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約600mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約650mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約650mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約700mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約700mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約750mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約750mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約800mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約800mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約850mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約850mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約900mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約900mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約950mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約950mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1000mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mgに相当する量投与することを含む。
【0060】
いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mg投与すること、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mgmに相当する量投与することを含む。
【0061】
いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約75mg~約1000mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約75mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約100mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約150mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約200mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約250mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約300mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約350mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約400mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約500mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約550mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約600mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約650mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約700mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約750mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約800mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約850mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約900mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約950mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約1000mg投与することを含む。いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mg投与することを含む。
【0062】
いくつかの態様では、該方法は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mg投与することを含む。
【0063】
いくつかの態様では、投与は経口投与である。該方法は、USP1阻害剤を約1日1回投与することを含み得る。上記の段落に記載されているいくつかの態様では、USP1阻害剤は、1日かけて分割用量として投与される。例えば、いくつかの態様では、USP1阻害剤は、1日2回投与される(例えば、投与量が1000mgまたはそれに相当する量である場合、該USP1阻害剤は、同じ日に第1投与量500mgおよび第2投与量500mgで投与され、この場合、第1投与量と第2投与量は同時ではない)。第1投与量と第2投与量は同じ量であっても異なる量であってもよい。
【0064】
該方法は、USP1阻害剤を少なくとも2回(例えば、2日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤少なくとも3回(例えば、3日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を少なくとも4回(例えば、4日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を少なくとも5回(例えば、5日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を約10回(例えば、約10日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を約15回(例えば、約15日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を約20回(例えば、約20日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を約25回(例えば、約25日間連続して)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を約28回(例えば、約28日間連続して)投与することを含み得る。
【0065】
該方法は、USP1阻害剤を少なくとも1か月、または少なくとも2か月、または少なくとも3か月、または少なくとも4か月、または少なくとも5か月、または少なくとも6か月、または少なくとも7か月、または少なくとも8か月、または少なくとも9か月、または少なくとも10か月、または少なくとも11か月、または少なくとも1年、または少なくとも18か月、または少なくとも2年、またはそれ以上の期間投与することを含み得る。
【0066】
該方法は、USP1阻害剤を約21日に1回(約3週間に1回)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を少なくとも2回(例えば、約21日間離れて)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を少なくとも3回(例えば、約21日間離れて)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を少なくとも4回(例えば、約21日間離れて)投与することを含み得る。該方法は、USP1阻害剤を少なくとも5回(例えば、約21日間離れて)投与することを含み得る。
【0067】
本明細書では、また、固形腫瘍の治療のための医薬におけるUSP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)の使用が提供される。いくつかの態様では、該医薬は経口投与用に製剤化される。
【0068】
いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約75mg~約1000mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mg~約1000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約75mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約100mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約100mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約150mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約150mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約200mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約200mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約250mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約250mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約300mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約300mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約350mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約350mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約400mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約400mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約450mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約450mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約500mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約500mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約550mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約550mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約600mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約600mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約650mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約650mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約700mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約700mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約750mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約750mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約800mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約800mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約850mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約850mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約900mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約900mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約950mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約950mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1000mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mgに相当する量含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mgに相当する量含む。
【0069】
いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約75mg~約1000mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約75mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約100mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約150mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約200mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約250mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約300mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約350mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約400mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約450mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約500mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約550mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約600mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約650mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約700mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約750mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約800mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約850mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約900mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約950mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約1000mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mg含む。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)を約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mg含む。
【0070】
いくつかの態様では、このような医薬は、約1日1回の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも2回(例えば、2日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3回(例えば、3日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも4回(例えば、4日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、5日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、5日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、約28回(例えば、約28日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回、または少なくとも回、または少なくとも15回、または少なくとも20日、または少なくとも25日、または少なくとも30日、または少なくとも60日、または少なくとも90日、または少なくとも120日、または少なくとも150日、または少なくとも180日、または少なくとも210日、または少なくとも240日、または少なくとも270日、または少なくとも300日、または少なくとも330日、または少なくとも360日、または少なくとも365日、またはそれ以上の期間の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3日、または少なくとも4日、または少なくとも5日、または少なくとも10日、または少なくとも15日、または少なくとも20日、または少なくとも25日、または少なくとも1か月、または少なくとも2か月、または少なくとも3か月、または少なくとも4か月、または少なくとも5か月、または少なくとも6か月、または少なくとも7か月、または少なくとも8か月、または少なくとも9か月、または少なくとも10か月、または少なくとも11か月、または少なくとも1年、または少なくとも18か月、または少なくとも2年、またはそれ以上の期間の投与のためのものである。
【0071】
いくつかの態様では、このような医薬は、約21日に1回(約3週間に1回)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも2回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも4回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。
【0072】
いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約75mg~約1000mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約75mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約100mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約150mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約200mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約250mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約300mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約350mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約400mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約450mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約500mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約550mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約600mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約650mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約700mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約750mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約800mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約850mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約900mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約950mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1000mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1050mg、または約1100mg、または約1150mg、または約1200mg、または約1250mg、または約1300mg、または約1350mg、または約1400mg、または約1450mg、または約1500mg、または約1550mg、または約1600mg、または約1650mg、または約1700mg、または約1750mg、または約1800mg、または約1850mg、または約1900mg、または約1950mg、または約2000mg、または約2100mg、または約2200mg、または約2300mg、または約2400mg、または約2500mgの投与のために製剤化される。いくつかの態様では、このような医薬は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約50mg~約2500mg、または約50mg~約2000mg、または約50mg~約1500mg、または約100mg~約1000mg、または約200mg~約800mgの投与のために製剤化される。
【0073】
いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約75mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約100mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約100mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約150mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約150mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約200mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約200mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約250mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約250mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約300mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約300mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約350mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約350mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約400mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約400mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約450mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約450mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約500mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約500mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約550mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約550mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約600mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約600mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約650mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約650mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約700mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約700mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約750mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約750mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約800mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約800mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約850mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約850mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約900mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約900mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約950mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約950mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1000mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1050mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1050mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1100mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1100mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1150mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1150mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1200mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1200mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1250mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1250mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1300mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1300mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1350mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1350mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1400mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1400mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1450mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1450mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1500mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1500mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1550mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1550mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1600mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1600mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1650mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1650mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1700mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1700mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1750mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1750mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1800mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1800mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1850mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1850mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1900mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1900mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約1950mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1950mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約2000mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2000mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約2100mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2100mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約2200mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2200mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約2300mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2300mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約2400mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2400mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、USP1阻害剤を約2500mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2500mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、該USP1阻害剤を約50mg~約2500mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約2500mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、該USP1阻害剤を約50mg~約2000mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約200mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、該USP1阻害剤を約50mg~約1500mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約1500mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、該USP1阻害剤を約50mg~約1000mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約1000mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、該USP1阻害剤を約100mg~約1000mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約100mg~約1000mgに相当する量投与するために製剤化される。いくつかの態様では、医薬は、該USP1阻害剤を約200mg~約800mg、または、該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約200mg~約800mgに相当する量投与するために製剤化される。上記の段落におけるいくつかの態様では、USP1阻害剤は化合物Iである。上記の段落に記載されているいくつかの態様では、USP1阻害剤は、1日かけて分割用量として投与される。例えば、いくつかの態様では、USP1阻害剤は、1日2回投与される(例えば、投与量が1000mgまたはそれに相当する量である場合、該USP1阻害剤は、同じ日に第1投与量500mgおよび第2投与量500m
gで投与され、この場合、第1投与量と第2投与量は同時ではない)。第1投与量と第2投与量は同じ量であっても異なる量であってもよい。
【0074】
いくつかの態様では、このような医薬は、約1日1回の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも2回(例えば、2日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3回(例えば、3日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも4回(例えば、4日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、5日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、5日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも10回(例えば、約10日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも15回(例えば、約15日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも20回(例えば、約20日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも25回(例えば、約25日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、約28回(例えば、約28日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3日、または少なくとも4日、または少なくとも5日、または少なくとも10日、または少なくとも15日、または少なくとも20日、または少なくとも25日、または少なくとも1か月、または少なくとも2か月、または少なくとも3か月、または少なくとも4か月、または少なくとも5か月、または少なくとも6か月、または少なくとも7か月、または少なくとも8か月、または少なくとも9か月、または少なくとも10か月、または少なくとも11か月、または少なくとも1年、または少なくとも18か月、または少なくとも2年、またはそれ以上の期間の投与のためのものである。
【0075】
いくつかの態様では、このような医薬は、約21日に1回(約3週間に1回)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも2回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも4回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。
【0076】
いくつかの態様では、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)で治療される癌は、固形腫瘍である。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、p53をコードする遺伝子に変異を有する癌細胞を含む癌である。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、p53をコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む癌である。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、BRCA1をコードする遺伝子に変異(体細胞系および/または生殖細胞系変異)を有する癌細胞を含む癌である。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、BRCA2をコードする遺伝子に変異(体細胞系および/または生殖細胞系変異)を有する癌細胞を含む癌である。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、ATMをコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む癌である。
【0077】
いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を包含する)、結腸癌、膀胱癌、骨肉腫、卵巣癌、皮膚癌、および乳癌から選択される。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、骨肉腫、卵巣癌、および乳癌から選択される。いくつかの態様では、癌は、卵巣癌または乳癌である。いくつかの態様では、癌は、卵巣癌である。いくつかの態様では、卵巣癌は、漿液性卵巣癌である。いくつかの態様では、卵巣癌は、以前に白金ベースの化学療法で治療されたことがある。いくつかの態様では、卵巣癌は、白金抵抗性である。いくつかの態様では、卵巣癌は、白金感受性である。いくつかの態様では、癌は、乳癌である。いくつかの態様では、癌は、トリプルネガティブ乳癌である。いくつかの態様では、乳癌は、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)ネガティブである。いくつかの態様では、乳癌は、生殖細胞系乳癌感受性遺伝子変異(gBRCAm)乳癌である。本明細書で使用される場合、gBRCAm乳癌とは、有害であると予測されるかまたは有害であると疑われる(有害であること/機能喪失を導くことが知られているかまたは予測されている)BRCA1またはBRCA2における実証された変異を有する乳癌を指す。いくつかの態様では、乳癌は、転移性乳癌である。
【0078】
いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、骨肉腫および軟骨肉腫を含む骨癌;神経膠腫、神経膠芽腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫および髄膜腫を含む脳癌;ラブドイドおよび肉腫を含む軟部組織癌;腎癌;膀胱癌;黒色腫を含む皮膚癌;および非小細胞肺癌を含む肺癌;結腸癌、子宮癌;神経系癌;頭頚部癌;膵癌;および子宮頚癌からなる群から選択される。
【0079】
いくつかの態様では、癌は、再発癌である。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、以前にPARP阻害剤(PARPi)で治療されたことがある。いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、以前に転移性疾患に対する少なくとも1つの全身化学療法で治療されたことがある。
【0080】
いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、RAD18のレベルが上昇した癌細胞を含む。いくつかの態様では、RAD18のレベル上昇は、RAD18タンパク質レベルの上昇である。いくつかの態様では、RAD18のレベル上昇は、RAD18mRNAレベルの上昇である。いくつかの態様では、RAD18(例えば、RAD18タンパク質および/またはRAD18mRNA)のレベル上昇は、投与前に(例えば、対象体から得られた癌試料において)検出されている。すなわち、いくつかの態様では、対象体の癌は、USP1阻害剤による治療を開始する前に、RAD18タンパク質またはmRNAについて試験されている。
【0081】
いくつかの態様では、USP1阻害剤で治療される癌は、RAD51のレベルが上昇した癌細胞を含む癌である。RAD51のレベル上昇は、RAD51タンパク質レベルの上昇、RAD51タンパク質フォーカスレベルの上昇、および/またはRAD51mRNAレベルの上昇であり得る。いくつかの態様では、RAD51のレベルが上昇した癌細胞を含む癌とは、癌から得られた試料中の細胞周期S/G2期にある細胞(例えば、ジェミニン陽性細胞)の少なくとも10%がRAD51陽性である(例えば、5以上のRAD51核内フォーカスを含有する)癌を指す。
【0082】
RAD51のレベルが上昇した癌は、相同組換え欠損癌であり得る。RAD51のレベルが上昇した癌は、BRCA1変異癌、BRCA2変異癌、またはBRCA1およびBRCA2変異癌であり得る。RAD51のレベルが上昇した癌は、BRCA1およびBRCA2遺伝子に有害であるかまたは有害であると疑われる変異を有する癌、および/または、例えばmyChoice(登録商標) CDx(Myriad(登録商標))を用いて決定されるような陽性のゲノム不安定性スコアを有する癌であり得る。
【0083】
RAD51のレベルが上昇した細胞を有する癌は、本明細書において、「高RAD51癌」と称することがある。
【0084】
RAD51タンパク質レベルは、例えば、免疫蛍光法、ウエスタンブロット、蛍光標識細胞分取(fluorescence-activated cell sorting)(FACS)、および/または免疫組織化学を用いて、検出され得る。RAD51mRNAレベルは、例えば、定量的逆転写酵素(RT)-ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、検出され得る。RAD51タンパク質および/またはmRNAのレベル上昇は、癌がUSP1阻害剤に感受性があることを示している。
【0085】
RAD51およびRAD51タンパク質フォーカスを検出する方法は、例えば、Castroviejo-Bermejo, Marta, et al., EMBO Molecular Medicine 10(12):e9172 (2018)において提供されている(出典明示によりその全体を本明細書の記載とする)。RAD51は、例えば免疫蛍光法を用いて、検出され得る。例えば直径0.42~1.15μmの、RAD51フォーカスは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料において、5以上のRAD51核内フォーカスを有する細胞周期S/G2期の細胞(例えば、ジェミニン陽性細胞)のパーセンテージをスコア化することにより定量化され得る。いくつかの態様では、RAD51のレベルが上昇した細胞を含む癌は、細胞周期S/G2期にある細胞(例えば、ジェミニン陽性細胞)の少なくとも10%がRAD51陽性である癌である。
【0086】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、相同組換え欠損癌である癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、p53をコードする遺伝子に変異を有する癌細胞を含む癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、p53をコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、相同組換え経路に欠損が無い癌を治療するために使用される。
【0087】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、BRCA1(体細胞系または生殖細胞系)変異癌である癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、BRCA2(体細胞系または生殖細胞系)変異癌である癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、BRCA1(体細胞系または生殖細胞系)変異癌およびBRCA2(体細胞系または生殖細胞系)変異癌である癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、癌は、BRCA1変異癌またはBRCA2変異癌ではない。いくつかの態様では、癌は、BRCA1欠損癌である。いくつかの態様では、癌は、BRCA2欠損癌である。いくつかの態様では、癌は、BRCA1欠損癌およびBRCA2欠損癌である。
【0088】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、ATM変異癌である癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、癌は、ATM変異癌ではない。いくつかの態様では、癌は、ATM欠損癌である。
【0089】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、PARP阻害剤耐性または難治性癌である癌を治療するために使用される。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、PARP阻害剤耐性または難治性BRCA1欠損癌である癌を治療するために使用される。
【0090】
いくつかの態様では、癌は、BRCA1および/またはBRCA2変異癌であり、該癌は、RAD18のレベルが上昇した細胞を含んでおり、例えば、RAD18のレベル上昇は、ES2細胞におけるRAD18タンパク質および/またはmRNAレベルと少なくとも同程度に高いか、または、RAD18のレベル上昇は、HEP3B217細胞におけるRAD18タンパク質および/またはmRNAレベルよりも高い。いくつかの態様では、トリプルネガティブ乳癌は、BRCA1および/またはBRCA2変異癌である。
【0091】
いくつかの態様では、癌は、固形癌である。いくつかの態様では、癌は、DNA損傷修復経路欠損癌である。いくつかの態様では、癌は、相同組換え欠損癌である。いくつかの態様では、癌は、p53をコードする遺伝子に変異を有する癌細胞を含む。いくつかの態様では、癌は、p53をコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む。いくつかの態様では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌、および乳癌(トリプルネガティブ乳癌を含む)からなる群から選択される。いくつかの態様では、癌は、卵巣癌または乳癌(トリプルネガティブ乳癌を含む)である。いくつかの態様では、癌は、卵巣癌(漿液性卵巣癌を含む)である。いくつかの態様では、卵巣癌は、以前に白金ベースの化学療法で治療されたことがある。いくつかの態様では、卵巣癌は、白金抵抗性である。いくつかの態様では、癌は、乳癌(トリプルネガティブ乳癌を含む)である。いくつかの態様では、乳癌は、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)ネガティブである。いくつかの態様では、乳癌は、生殖細胞系乳癌感受性遺伝子変異(gBRCAm)乳癌である。いくつかの態様では、乳癌は、転移性乳癌である。
【0092】
III.USP1阻害剤
USP1阻害剤は、例えば、国際公開第2020/132269号およびPCT/US2021/057072に開示されている(各々、出典明示によりその全体を本明細書の記載とする)。本明細書で提供されるいくつかの態様では、USP1阻害剤は、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンまたは「化合物I」
【化2】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶である。
【0093】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、固体状態形態の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶である。いくつかの態様では、該固体状態形態は、式(I)の化合物の非晶質形態である。いくつかの態様では、該非晶質形態は、その水和物、無水物または溶媒和物である。いくつかの態様では、非晶質形態は、他の多形形態を実質的に含まない。
【0094】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、他の固体状態形態の式(I)の化合物と比較して、非晶質形態を大部分含む混合物を含む。いくつかの態様では、非晶質形態は、少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも86%、または少なくとも87%、または少なくとも88%、または少なくとも89%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%の多形純度を有する。
【0095】
いくつかの態様では、固体状態形態は、式(I)の化合物の結晶形態である。いくつかの態様では、該結晶形態は、その水和物、無水物または溶媒和物である。いくつかの態様では、該溶媒和物は、ジクロロメタン溶媒和物である。
【0096】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、14.3±0.2、21.5±0.2、および21.8±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる結晶形態Aの固体状態形態の式(I)の化合物である。
【0097】
以下のセクションは、同定された固体状態形態の式(I)の化合物およびこれらの固体状態形態の選択された特性について説明する。
【0098】
A.結晶形態A
いくつかの態様では、本明細書で提供される使用および方法のためのUSP1阻害剤は、結晶形態Aの、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンである。
【0099】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン水和物である。
【0100】
いくつかの態様では、結晶形態Aの融点は、約165℃である。
【0101】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、CuKα照射によって測定したときに14.3±0.2、21.5±0.2、および21.8±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態Aは、CuKα照射によって測定したときに7.1±0.2、14.3±0.2、21.5±0.2、および21.8±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態Aは、CuKα照射によって測定したときに7.1±0.2、14.3±0.2、19.1±0.2、21.5±0.2、および21.8±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態Aは、CuKα照射によって測定したときに7.1±0.2、14.3±0.2、15.2±0.2、19.1±0.2、21.5±0.2、および21.8±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0102】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、実質的に
図1に示されるXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0103】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、下記の表1(aおよびb)に挙げられている3個以上、4個以上、5個以上、または6個以上のXRPDピークによって特徴付けられる。
【表1a】
【表1b】
【0104】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、DSCによって決定される約162℃~約168℃、または約163℃~約167℃、または約164℃~約166℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態Aは、DSCによって決定される約165℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。
【0105】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、実質的に
図2に示されるDSCプロファイルによって特徴付けられる。
【0106】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、室温~約150℃の間での約0.88wt%~約0.98wt%の損失によって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態Aは、室温~約150℃の間での約0.90wt%~約0.96wt%の損失によって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態Aは、室温~約150℃の間での約0.93wt%の損失によって特徴付けられる。
【0107】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、実質的に
図2に示されるTGAプロファイルによって特徴付けられる。
【0108】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、下記のうち少なくとも2つによって特徴付けられる:a)
図1に示されるXRPDパターン;b)
図2に示されるDSCプロファイル;またはc)
図2に示されるTGAプロファイル。
【0109】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、単斜晶系であるとの指標をつける単位胞を有する。
【0110】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、a値が約12.054Åであり、b値が約8.775Åであり、c値が約24.837Åである単位胞を有する。いくつかの態様では、形態Aは、体積が約2603.68Å3である単位胞を有する。
【0111】
いくつかの態様では、結晶形態Aは、他の多形形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、結晶形態Aは、多形純度が少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも86%、または少なくとも87%、または少なくとも88%、または少なくとも89%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%である。いくつかの態様では、結晶形態Aは、多形純度が少なくとも80%である。
【0112】
別の態様では、本開示は、結晶形態Aおよび第2の固体状態形態の式(I)の化合物を含む混合物に関する。いくつかの態様では、第2の固体状態形態の式(I)の化合物は、結晶形態2である。
【0113】
いくつかの態様では、本開示は、他の固体状態形態の式(I)の化合物と比較して、結晶形態Aを大部分含む混合物に関する。
【0114】
B.結晶形態2
いくつかの態様では、本明細書で提供される使用および方法のためのUSP1阻害剤は、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンの薬学的に許容される塩である固体状態形態である。いくつかの態様では、薬学的に許容される塩は、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンと薬学的に許容される酸との間で形成される。いくつかの態様では、薬学的に許容される酸は、ゲンチジン酸である。
【0115】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、非晶質形態の式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンのゲンチジン酸塩である。いくつかの態様では、非晶質形態は、他の多形形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、非晶質形態は、多形純度が少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも86%、または少なくとも87%、または少なくとも88%、または少なくとも89%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%である。
【0116】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、共結晶形態の式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンのゲンチジン酸塩である。
【0117】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンと第2の薬学的に許容される化合物との、固体状態形態の薬学的に許容されるゲンチジン酸塩共結晶である。薬学的に許容される共結晶は、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンとゲンチジン酸との間で形成される。
【0118】
いくつかの態様では、ゲンチジン酸共結晶は、16.6±0.2、18.7±0.2、および22.5±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる結晶形態2である。
【0119】
いくつかの態様では、結晶形態2は、無水物である。
【0120】
いくつかの態様では、結晶形態2の融点は、約184℃~約190℃である。いくつかの態様では、結晶形態2の融点は、約186℃~約188℃である。いくつかの態様では、結晶形態2の融点は、約187℃である。
【0121】
いくつかの態様では、結晶形態2は、CuKα照射によって測定したときに16.6±0.2、18.7±0.2、および22.5±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。別の態様では、結晶形態2は、CuKα照射によって測定したときに16.6±0.2、18.7±0.2、22.3±0.2、および22.5±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態2は、CuKα照射によって測定したときに16.6±0.2、18.7±0.2、22.3±0.2、22.5±0.2、および26.0±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態2は、CuKα照射によって測定したときに16.6±0.2、18.7±0.2、20.8±0.2、22.3±0.2、22.5±0.2、および26.0±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0122】
いくつかの態様では、結晶形態2は、は、実質的に
図4に示されるXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態2は、下記の表2(aおよびb)に挙げられている3個以上、4個以上、5個以上、または6個以上のXRPDピークによって特徴付けられる。
【表2a】
【表2b】
【0123】
いくつかの態様では、結晶形態2は、DSCによって決定される約181℃~約191℃、または約183℃~約189℃、または約185℃~約187℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態2は、DSCによって決定される約186.0℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。
【0124】
いくつかの態様では、結晶形態2は、実質的に
図5に示されるDSCプロファイルによって特徴付けられる。
【0125】
いくつかの態様では、結晶形態2は、室温~約170℃の間での約2.5wt%~約3.5wt%の損失によって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態2は、室温~約170℃の間での約3.0wt%~約3.4wt%の損失によって特徴付けられる。いくつかの態様では、結晶形態2は、室温~約170℃の間での約3.17wt%の損失によって特徴付けられる。
【0126】
いくつかの態様では、結晶形態2は、実質的に
図5に示されるTGAプロファイルによって特徴付けられる。
【0127】
いくつかの態様では、結晶形態2は、下記のうち少なくとも2つによって特徴付けられる:a)
図4に示されるXRPDパターン;b)
図5に示されるDSCプロファイル;またはc)
図5に示されるTGAプロファイル。
【0128】
いくつかの態様では、結晶形態2は、単斜晶系であるとの指標をつける単位胞を有する。
【0129】
いくつかの態様では、結晶形態2は、a値が約11.113Åであり、b値が約12.356Åであり、c値が約24.048Åである単位胞を有する。いくつかの態様では、形態2は、体積が約3223.93Å3である単位胞を有する。
【0130】
結晶形態2の単位胞パラメータを表3に示す。
【表3】
【0131】
いくつかの態様では、結晶形態2は、他の多形形態を実質的に含まない。いくつかの態様では、結晶形態2は、多形純度が少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも86%、または少なくとも87%、または少なくとも88%、または少なくとも89%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%である。
【0132】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、結晶形態2および第2の固体状態形態の式(I)の化合物を含む混合物を含む。いくつかの態様では、第2の固体状態形態の式(I)の化合物は、結晶形態Aである。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、他の固体状態形態の式(I)の化合物と比較して、結晶形態2を大部分含む混合物を含む。
【0133】
結晶形態2は、予想外の化学的および物理的特性を示し、遊離塩基形態と比較して有利なバイオアベイラビリティ特性を示す。特に、
図6に示されるように、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンおよびゲンチジン酸は、それぞれ弱塩基と弱酸との間の相互作用であるにもかかわらず、有意な水素結合相互作用を示す。
【0134】
さらに、実施例3に示されるように、結晶形態2は、驚くべきことに、他の固体状態形態の式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンと比較して高いマウス経口曝露レベルを示す。例えば、実施例1に示されるように、いくつかの態様では、結晶形態2(ゲンチジン酸共結晶)は、約300mg/kgで結晶形態A(遊離塩基)よりも高い曝露レベルを示す。
【0135】
III.医薬組成物およびキット
本明細書で提供されるように、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)は、該阻害剤が1つ以上の薬学的に許容される担体と組み合わされるすべての組成物を包含する医薬組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、意図する治療目的を達成するのに有効な量で組成物中に存在する。
【0136】
いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約75mg~約1000mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mg~約1000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約75mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約75mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約100mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約100mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約150mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約150mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約200mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約200mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約250mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約250mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約300mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約300mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約350mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約350mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約400mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約400mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約450mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約450mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約500mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約500mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約550mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約550mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約600mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約600mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約650mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約650mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約700mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約700mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約750mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約750mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約800mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約800mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約850mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約850mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約900mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約900mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約950mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約950mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1000mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1050mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1050mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1100mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1100mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1150mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1150mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1200mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1200mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1250mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1250mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1300mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1300mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1350mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1350mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1400mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1400mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1450mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1450mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1500mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1500mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1550mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1550mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1600mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1600mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1650mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1650mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1700mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1700mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1750mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1750mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1800mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1800mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1850mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1850mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1900mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1900mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約1950mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約1950mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約2000mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約2100mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2100mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約2200mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2200mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約2300mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2300mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約2400mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2400mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物I)を約2500mg、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約2500mgに相当する量含む。
【0137】
いくつかの態様では、医薬組成物は、該USP1阻害剤を約50mg~約2500mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約2500mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤を約50mg~約2000mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約200mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤を約50mg~約1500mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約1500mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤を約50mg~約1000mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約50mg~約1000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤を約100mg~約1000mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約100mg~約1000mgに相当する量含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤を約200mg~約800mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を該USP1阻害剤約200mg~約800mgに相当する量含む。上記の段落におけるいくつかの態様では、USP1阻害剤は、化合物Iである。
【0138】
いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約75mg~約1000mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約75mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約100mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約150mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約200mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約250mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約300mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約350mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約400mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約450mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約500mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約550mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約600mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約650mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約700mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約750mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約800mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約850mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約900mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約950mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1000mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1050mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1100mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1150mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1200mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1250mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1300mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1350mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1400mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1450mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1500mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1550mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1600mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1650mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1700mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1750mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1800mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1850mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1900mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約1950mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約2000mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約2100mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約2200mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約2300mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約2400mgを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)約2500mgを含む。
【0139】
いくつかの態様では、このような医薬は、約1日1回の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも2回(例えば、2日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3回(例えば、3日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも4回(例えば、4日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、5日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも5回(例えば、5日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも10回(例えば、約10日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも15回(例えば、約15日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも20回(例えば、約20日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも25回(例えば、約25日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、約28回(例えば、約28日間連続して)の投与のためのものである。いくつかの態様では、このような医薬は、少なくとも3日、または少なくとも4日、または少なくとも5日、または少なくとも10日、または少なくとも15日、または少なくとも20日、または少なくとも25日、または少なくとも1か月、または少なくとも2か月、または少なくとも3か月、または少なくとも4か月、または少なくとも5か月、または少なくとも6か月、または少なくとも7か月、または少なくとも8か月、または少なくとも9か月、または少なくとも10か月、または少なくとも11か月、または少なくとも1年、または少なくとも18か月、または少なくとも2年、またはそれ以上の期間の投与のためのものである。
【0140】
いくつかの態様では、医薬組成物は、約21日に1回(約3週間に1回)の投与のためのものである。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも2回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも3回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも4回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも5回(例えば、約21日間離れて)の投与のためのものである。
【0141】
USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)は、いかなる他の成分も存在しない原料化学物質の形態で対象体に投与できるが、該USP1阻害剤は、該阻害剤を適切な薬学的に許容される担体と組み合わせて含有する医薬組成物の一部としても投与され得る(例えば、Gennaro, Remington: The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons: Drugfacts Plus, 20th ed. (2003);Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th ed., Lippencott Williams and Wilkins (2004);Kibbe et al., Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd ed., Pharmaceutical Press (2000)を参照)。このような担体は、薬学的に許容される賦形剤および補助剤から選択され得る。用語「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容されるビヒクル」は、標準的な医薬担体、溶媒、界面活性剤またはビヒクルのいずれかを包含する。標準的な医薬担体およびそれらの製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed. 1995に記載されている。
【0142】
いくつかの態様では、本開示は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの態様では、医薬組成物は、結晶形態2の、式(I)の化合物のゲンチジン酸共結晶を含む。
【0143】
本開示の医薬組成物は、例えばカプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含む、経口的に許容される剤形で経口投与され得る。いくつかの態様では、カプセルは、ゼラチンカプセルである。
【0144】
経口投与については、公知の担体を医薬組成物に含めることができる。例えば、微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンを、デンプン(好ましくはトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン)、メチルセルロース、アルギン酸およびある種の複合ケイ酸塩のような種々の崩壊剤とともに用いることができ、ポリビニルピロリドン、シュークロース、ゼラチンおよびアカシアのような造粒結合剤とともに錠剤に含めることができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルクなどの滑沢剤も、打錠の目的でしばしば有用である。同様のタイプの固形組成物は、ゼラチンカプセルの充填剤として用いることもできる。この関連で好ましい材料としては、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。経口投与のために水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が望まれる場合、有効成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの様々な組み合わせのような希釈剤とともに、様々な甘味剤または香味剤、着色料または染料、および所望により乳化剤および/または懸濁化剤と組み合わせることができる。。
【0145】
インビボ投与に用いる医薬組成物は無菌であり得る。これは、例えば無菌濾過膜を用いた、濾過によって容易に達成される。
【0146】
本開示の範囲内の薬学的組成物には、USP1阻害剤が1つ以上の薬学的に許容される担体と組み合わされているすべての組成物が含まれる。いくつかの態様では、USP1阻害剤は、その意図する治療目的を達成するのに有効な量で組成物中に存在する。
【0147】
本開示の医薬組成物は、本開示の化合物の有益な効果を経験し得る患者に投与され得る。そのような患者の中で最も重要なのは哺乳動物、例えば、ヒトおよび伴侶動物であるが、本開示はそのように限定することを意図したものではない。いくつかの態様では、患者はヒトである。いくつかの態様では、本開示の医薬組成物は、PARP阻害剤耐性または難治性癌を有する患者に投与され得る。いくつかの態様では、本開示の医薬組成物は、PARP阻害剤耐性または難治性BRCA1欠損癌を有する患者に投与され得る。
【0148】
いくつかの態様では、本開示は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)、または本開示の方法を実施するための使用を容易にするように包装されたそれを含む医薬組成物を含むキットを提供する。いくつかの態様では、キットは、密封されたボトルまたは容器(vessel)などの容器(container)に包装されたUSP1阻害剤を含み、本開示の方法を実施するためのUSP1阻害剤またはその医薬組成物の使用を記載するラベルが容器に貼付されるか、キットに含まれている。いくつかの態様では、USP1阻害剤は単位剤形に包装されている。キットはさらに、意図された投与経路に従ってUSP1阻害剤またはその医薬組成物を投与するのに適したデバイスを含み得る。いくつかの態様では、本開示は、USP1阻害剤またはその医薬組成物、および癌を有する患者に該阻害剤または組成物を投与するための説明書を含むキットを提供する。
【0149】
いくつかの態様では、本開示は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であって、癌(例えば、固形腫瘍)の治療に用いるための医薬組成物を提供する。
【0150】
いくつかの態様では、本開示は、USP1阻害剤(例えば、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶)および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であって、癌(例えば、固形腫瘍)の治療のための医薬の製造のための医薬組成物を提供する。
【0151】
V.USP1阻害剤の調製方法
本明細書で提供される使用および方法に用いるためのUSP1阻害剤は、いかなる方法でも調製され得る。USP1阻害剤の合成方法は、例えば、国際公開第2020/132269号およびPCT/US2021/057072において提供されている(各々、出典明示によりその全体を本明細書の記載とする)。
【0152】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、a)適切な量の式(I)の化合物を適切な量の適切な溶媒系に添加して懸濁液を得ること;b)懸濁液を撹拌すること;およびc)工程b)からの固体生成物を回収することを含む方法によって調製される。いくつかの態様では、工程a)の間に適切な薬学的に許容される酸が添加される。いくつかの態様では、適切な溶媒系は、アセトニトリル、アセトン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、4-メチル-2-ペンタノン、メチルtert-ブチルエーテル、2-メチルテトラヒドロフラン、n-ヘプタン、n-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、トルエン、水、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの態様では、適切な溶媒系は、酢酸エチル、n-ヘプタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0153】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、a)適切な量の式(I)の化合物を適切な量の適切な溶媒に溶解して溶液とすること;b)適切な量の適切な抗溶媒(anti-solvent)を添加すること;c)固体状態形態の式(I)の化合物の種結晶を加えること;d)得られた懸濁液を撹拌すること;およびe)工程d)から生成した固体生成物を回収することを含む方法によって調製される。いくつかの態様では、この方法は、さらに、工程a)の間に適切な薬学的に許容される酸を添加することを含む。いくつかの態様では、この方法は、さらに、工程c)の後であって工程d)の前に、適切な抗溶媒を添加することを含む。いくつかの態様では、適切な溶媒および抗溶媒は、アセトニトリル、アセトン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、4-メチル-2-ペンタノン、メチルtert-ブチルエーテル、2-メチルテトラヒドロフラン、n-ヘプタン、n-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、トルエン、水、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの態様では、適切な溶媒および抗溶媒は、酢酸エチル、n-ヘプタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの態様では、適切な溶媒は、酢酸エチルである。いくつかの態様では、適切な抗溶媒は、n-ヘプタンである。
【0154】
いくつかの態様では、式(I)の化合物は、ほぼ室温~約100℃、またはほぼ室温~約75℃、またはほぼ室温~約50℃、またはほぼ室温~約40℃の温度で、適切な溶媒系に添加される。いくつかの態様では、式(I)の化合物は、ほぼ室温で適切な溶媒系に添加される。
【0155】
いくつかの態様では、結晶形態2の、式(I)の化合物のゲンチジン酸共結晶であるUSP1阻害剤は、a)適切な量の化合物Iおよびゲンチジン酸を、室温で適切な量の適切な溶媒系に添加して懸濁液を得ること;b)工程a)からの懸濁液を撹拌すること;およびc)工程b)からの固体生成物を回収することを含む方法によって調製される。いくつかの態様では、適切な溶媒系は、酢酸エチル、n-ヘプタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0156】
いくつかの態様では、結晶形態2の、式(I)の化合物のゲンチジン酸共結晶であるUSP1阻害剤は、a)適切な量の化合物Iおよびゲンチジン酸を、室温で適切な量の適切な溶媒に溶解して溶液とすること;b)適切な量の適切な抗溶媒を添加すること;c)結晶形態2の、式(I)の化合物Iのゲンチジン酸共結晶の種結晶を添加すること;d)得られた懸濁液を撹拌すること;およびe)工程d)から生成した固体生成物を回収することを含む方法によって調製される。いくつかの態様では、この方法は、さらに、工程c)の後であって工程d)の前に、適切な抗溶媒を添加することを含む。いくつかの態様では、適切な溶媒は、酢酸エチルである。いくつかの態様では、適切な抗溶媒は、n-ヘプタンである。
【0157】
いくつかの態様では、USP1阻害剤は、本明細書に開示されている方法によって調製された、結晶形態2の、式(I)の化合物Iのゲンチジン酸共結晶である。
【実施例】
【0158】
【0159】
B.実験方法
装置条件
粉末X線回折(XRPD)パターンは、X’Pert 3粉末X線回折装置でCu-kα照射を用いて測定した。各試料は、ゼロバックグラウンドのシリコンホルダーの中央に広げられた。管電圧およびアンペア数をそれぞれ45kVおよび40mAに設定した。3°から40°2θまで、46.7秒/工程での2シータ(2θ)連続スキャンを使用した。XRPD分析条件を下記の表4に示す。
【表5】
【0160】
熱重量分析(TGA)データは、TA InstrumentsのTA Q5000およびDiscovery TGA 5500 TGAを用いて収集した。TGA分析条件を下記の表5に示す。
【表6】
【0161】
示差走査熱量測定(DSC)データは、TA InstrumentsのTA Q2000 DSCを用いて収集した。DSC分析条件を下記の表6に示す。
【表7】
【0162】
偏光顕微鏡(PLM)画像はZEISS Scope A1顕微鏡で撮影した。
【0163】
実施例1: 結晶形態Aの調製および特徴付け
A.式(I)の化合物の調製
6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを、国際公開第2020/132269号に開示された手順に従って調製した(出典明示によりその全体を本明細書の記載とする)。
【0164】
6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(1当量)のジメチルホルムアミド(5mL)中氷冷溶液に水素化ナトリウム(鉱油中60%分散)(1.2当量)を少しずつ添加し、反応混合物を同温度で10分間撹拌した。得られた反応混合物に2-ヨードプロパン(1.20当量)を添加し、撹拌を室温で16時間続けた。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)および液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)でモニターした。完了後、反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗化合物を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製して、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを得た。次いで、精製した化合物を、当業者に公知の方法を用いて、ヘプタンおよび酢酸エチルで再結晶した。
【0165】
B.特徴付け
上記のようにして得られた式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを、上記の条件を用いて、XRPD、TGAおよびDSC分析に供した。得られたXRPDパターン、DSCプロファイルおよびTGAプロファイルはそれぞれ
図1~2に示されており、XRPDピークは上記の表1に示されている。
【0166】
図1に示されるXRPDパターン、および表1(aおよびb)に示されるXRPDピーク、ならびに結晶構造およびDSCプロファイルおよびTGAプロファイルに基づいて、上記のようにして得られた式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンは、結晶性水和物であると決定され、結晶形態Aと命名された。
【0167】
C.結晶構造決定
結晶形A約2.9mgを、DCM/n-ヘプタン(1:4,v/v)溶媒混合物0.5mLを入れた3mLガラスバイアルに添加した。次いで、混合物を超音波洗浄機で振盪して溶解を促進した。得られた懸濁液を濾過し、得られた透明溶液を清浄な4mLシェルバイアル(44.6mm×14.65mm)に移した。シェルバイアルを、ピンホールが1つあるPEプラグで密閉した。次いで、シェルバイアルをドラフトに入れ、室温でゆっくりと蒸発させた。1日かけてゆっくり蒸発させた後、ブロック状の結晶が観察された。
【0168】
ブロック状の結晶試料から、回折品質の良い適切な単結晶を選び、Paratone-N(油性凍結保護剤)で包んだ。結晶をマイラーループ(mylar loop)にランダムな向きで取り付け、120Kの窒素気流に浸した。予備検査およびデータ収集を、Rigaku XtaLAB Synergy R(CuKα照射、λ=1.54184Å)回折計で行い、CrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)ソフトウェアパッケージで解析した。3.563°<θ<75.668°の範囲の49260個の反射の設定角度を用いて、CrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)ソフトウェアによって、データ収集のためのセルパラメータおよび配向行列を検索および精緻した(TベクターDiraxアルゴリズム)。120Kで最小回折角(θ)3.591°および最大回折角(θ)76.011°までデータを収集した。最終的な点群の完全性は100%である。データの平均I/σは69.7であり、最高分解能は0.79Åで切り捨てられる。
【0169】
フレームは、CrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)で統合した。合計57,364個の反射が収集され、そのうち5292個が固有のものであった。ローレンツ補正および偏光補正をデータに適用した。SCALE3 ABSPACKに実装された球面ハーモニカを使用してCrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)を用いて経験的吸収補正を行った。この材料の吸収係数μは、この波長(λ=1.542Å)で0.883mm-1であり、最小透過率および最大透過率はそれぞれ0.94414および1.0000である。平均化に対する一致率は、強度ベースで5.19%であった。
【0170】
この構造は、P21/cの空間群において、ShelXT構造解法プログラムでIntrinsic Phasingを用いて解かれ、OLEX2に含まれるF2上の全行列最小二乗法を用いてShelXL(Version2018/3)精緻化パッケージで精緻化された。すべての非水素原子は異方的に精緻化された。水素原子は幾何学的に計算され、ライディングモデルを使って精緻化された。
【0171】
計算したXRPDパターンを、Mercuryプログラムと、単結晶構造から得られた原子座標、空間群および単位胞パラメータを用いて、銅(「Cu」)照射に対して作成した。結晶構造図は、Olex2およびDiamondによって作成した。原子熱変位楕円体図はORTEP-IIIによって生成した。
【0172】
ブロック状結晶から適切な単結晶を分離し、単結晶X線回折データ収集用に選択した。単結晶の結晶系は単斜晶系であり、空間群はP2
1/cであった。結晶学的データおよび精緻化パラメータを表7に示す。
【表8】
【0173】
図3に示すように、単結晶構造の非対称ユニットは、式(I)の遊離塩基化合物1分子と非整数の水分子から構成されており、結晶形態Aは水和物であることが示唆された。熱パラメータによると、非対称ユニット中の水分子の数は0.42であると自由に精緻化された。
【0174】
実施例2: 結晶形態2の調製および特徴付け
A.調製
方法A: 結晶形態A約40mgおよびゲンチジン酸11.6mgをEtOAc/n-ヘプタン0.5mLと合わせて懸濁液を得た。懸濁液を室温で2日間撹拌し、真空濾過で固形物質を単離し、室温で真空乾燥した。得られた固形物質は、より大きなスケールで結晶形態1を調製するための「種」として使用できる。
【0175】
方法B: 結晶形態A約500mgおよびゲンチジン酸11.6mgをEtOAc 7mLと合わせて溶液を得た。次いで、n-ヘプタン5.0mLを、方法Aに従って調製したゲンチジン酸共結晶「種」10.2mgとともに滴下し、最後にn-ヘプタン8.0mLを添加して懸濁液を得た。懸濁液を室温で2日間撹拌した。得られた固形物質を真空濾過で単離し、室温で真空乾燥させた。
【0176】
B.特徴付け
得られた固形物質を、上記の条件でXRPD、TGAおよびDSC分析に供した。得られたXRPDパターン、DSCプロファイルおよびTGAプロファイルはそれぞれ
図2および
図3に示されており、XRPDピークは上記の表1に示されている。
【0177】
図4に示されているXRPDパターンおよび表2に示されているXRPDピーク、ならびに結晶構造およびDSCプロファイルおよびTGAプロファイルに基づいて、得られた固体物質は、式(I)の6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンのゲンチジン酸共結晶の結晶性無水物であると決定され、結晶形態2と命名された。
【0178】
C.結晶構造決定
結晶形態2約3.0mgをTHF/n-ヘプタン(2:5,v/v)混合溶媒0.5mLを入れた3mLガラスバイアルに添加した。次いで、混合物を超音波洗浄機で振盪して溶解を促進した。得られた懸濁液を濾過し、得られた透明溶液を清浄な4mLシェルバイアル(44.6mm×14.65mm)に移した。シェルバイアルを、ピンホールが1つあるPEプラグで密閉した。次いで、シェルバイアルをドラフトに入れて室温でゆっくりと蒸発させた。6日間かけてゆっくり蒸発させた後、ブロック状の結晶が観察された。
【0179】
ブロック状の結晶試料から、回折品質の良い適切な単結晶を選び、Paratone-N(油性凍結保護剤)で包んだ。結晶をマイラーループ(mylar loop)にランダムな向きで取り付け、120Kの窒素気流に浸した。予備検査およびデータ収集を、Rigaku XtaLAB Synergy R(CuKα照射、λ=1.54184Å)回折計で行い、CrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)ソフトウェアパッケージで解析した。3.539°<θ<75.936°の範囲の50053個の反射の設定角度を用いて、CrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)ソフトウェアによって、データ収集のためのセルパラメータおよび配向行列を検索および精緻した(TベクターDiraxアルゴリズム)。120Kで最小回折角(θ)3.765°および最大回折角(θ)76.018°までデータを収集した。最終的な点群の完全性は100%である。データの平均I/σは75.8であり、最高分解能は0.79Åで切り捨てられる。
【0180】
フレームは、CrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)で統合した。合計58850個の反射が収集され、そのうち6566個が固有のものであった。ローレンツ補正および偏光補正をデータに適用した。SCALE3 ABSPACKに実装された球面ハーモニカを使用してCrysAlisPro(V1.171.40.19a、Rigaku、2018)を用いて経験的吸収補正を行った。この材料の吸収係数μは、この波長(λ=1.542Å)で0.927mm-1であり、最小透過率および最大透過率はそれぞれ0.75213および1.0000である。平均化に対する一致率は、強度ベースで3.94%であった。
【0181】
この構造は、P21/cの空間群において、ShelXT構造解法プログラムでIntrinsic Phasingを用いて解かれ、OLEX2に含まれるF2上の全行列最小二乗法を用いてShelXL(Version2018/3)精緻化パッケージで精緻化された。すべての非水素原子は異方的に精緻化された。酸素原子(O2)と連結した水素原子(H2)は、Fourier Mapに基づいて自由に決定および精緻化された。他の水素原子は、幾何学的に計算され、ライディングモデルを使って精緻化された。
【0182】
計算したXRPDパターンを、Mercuryプログラム、ならびに単結晶構造から得られた原子座標、空間群および単位胞パラメータを用いて、銅(「Cu」)照射に対して作成した。結晶構造図は、Olex2およびDiamondによって作成した。熱楕円体図(thermal ellipsoids drawing)はORTEP-IIIによって作成した。
【0183】
ブロック状結晶から適切な単結晶を分離および選択し、単結晶X線回折データ収集用に選択した。単結晶の結晶系は単斜晶系であると決定され、空間群はP2
1/cであると決定された。結晶学的データおよび精緻化パラメータを表8に示す。
【表9】
【0184】
図6に示すように、単結晶構造の非対称ユニットは、式(I)のニュートラル化合物1分子とゲンチジン酸ニュートラル1分子から構成されており、結晶形態2は実際に出発化合物とゲンチジン酸との共結晶であったことが示された。
【0185】
実施例3: マウス薬物動態試験
本明細書に開示されている結晶形態Aの6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、および、本明細書に開示されている結晶形態2の、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンのゲンチジン酸共結晶を用いて、マウス薬物動態(PK)試験を行った。
【0186】
PK研究は、NOD/SCID雌性マウス(約6~8週、試験時体重20~30g)において化合物投与量300mg/kgおよび投与体積10mL/kgを用いて行われた、単回経口曝露試験からなっていた。マウスは投与前に一夜絶食させた。投与後、動物は食餌と水に自由にアクセスした。
【0187】
投与前、ならびにPO投与後0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間(結晶形態2のみ)、および72時間(結晶フォーム2のみ)に、背側中足静脈(dorsal metatarsal vein)から連続的に採血した。各時点で血液約0.03mLを採取し、4℃にて4000Gで5分間遠心分離して血漿を得た。次いで、LC-MS/MS分析前に、血漿試料を冷凍庫にて-75±15℃で貯蔵した。
【0188】
次いで、血漿試料中の各化合物の濃度をLC-MS/MS法で分析した。PK計算にはWinNonlin(PhoenixTM、バージョン6.1)または他の類似のソフトウェアを使用した。可能な限り、血漿中濃度対時間データから以下のPKパラメータを算出した:Cmax、Tmax、T1/2、AUCinf、AUClast。PKデータは、平均値および標準偏差などの記述統計学を用いて記載した。
【0189】
結晶形態Aの結果を下記の表9および
図7に示す。
【表10】
【0190】
結晶形態2の結果を下記の表10および
図8に示す。
【表11】
【0191】
実施例4: マウスの脳および血漿中の結晶形態2の分布
6~8週齢、体重18~22gの雌性NOD SCIDマウスをBeijing Anikeeper Biotech Co, Ltd.から購入した。試験開始前に少なくとも7日間、動物を環境に馴化させた。マウスに結晶形態2を100mg/kgまたは300mg/kgの用量で28日間強制経口投与(oral gavage)により投与した。化合物を27回投与した24時間後、マウス3匹をCO2で安楽死させた。化合物を28回投与した4時間後、マウス3匹をCO2で安楽死させた。各時点で全脳を採取した。さらに、各時点で血液約0.03mLを採取し、4℃にて4000Gで5分間遠心分離して血漿を得た。次いで、LC-MS/MS分析の前に、試料を、冷凍庫にて-75±15℃で貯蔵した。次いで、脳ホモジネート中の化合物濃度(ng/g)および血漿中の化合物濃度(ng/ml)をLC-MS/MS法で分析した。PKデータは、平均値および標準偏差などの記述統計学を用いて記載した。
【0192】
表11および
図9に示されるように、脳組織では測定可能な薬物レベルが観察された。繰り返し投与した後、脳内への明らかな蓄積は見られなかった。
【表12】
【0193】
実施例5. ラットの脳内および血漿中における結晶形態2の分布
雌雄のSprague DawleyラットをBeijing Anikeeper Biotech Co, Ltd.から購入した。動物は試験開始前に環境に慣らした。ラットに結晶形態2を100mg/kgの単回用量で強制経口投与により投与した。ラットは投与前に一晩絶食させた。動物には投与の2時間後から餌にアクセスし、試験期間中は自由に水にアクセスした。各時点で頸静脈から血液約0.2mLを採取し、4℃にて4000Gで5分間遠心分離して血漿を得た。LC-MS/MS分析の前に試料を冷凍庫にて-75±15℃で貯蔵した。。血液灌流後に全脳を採取し、-75±15℃で貯蔵する前にドライアイス上で瞬間凍結した。LC-MS/MS分析の前に、全脳を計量し、組織重量(g)と水体積(ml)の比が1:3になるように水でホモジナイズした。実際の濃度は、測定値に希釈係数をかけたものである。PKデータは、平均値および標準偏差などの記述統計学を用いて記載した。
【0194】
表12および
図10に示されるように、脳組織では測定可能な薬物レベルが観察された。また、血漿と脳組織の間でも同様の排出プロファイルが観察され、全身循環と脳組織の間で急速に平衡が保たれていることが示唆された。
【表13】
【0195】
実施例6: 固形腫瘍の治療のためのUSP1阻害剤の第1相投与
進行固形腫瘍の患者において、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(ゲンチジン酸塩共結晶の形態で提供される)の第1相用量漸増試験を行う。用量漸増のスキームを
図11に示す。開始用量は、1日1回(QD)、100mgを28日サイクルである。用量は経口投与される。第1患者群(例えば患者3人)がこの開始用量で登録され、第1患者群のいずれも第1サイクル(28日間)で用量制限毒性(DLT;DLTは表1に記載されている)を経験しなかった場合、患者は次の高用量レベルに登録される。前の患者群の中でDLTが1例でも認められた場合、さらに多くの患者(例えば、さらに3人の患者)を同じ用量レベルで治療する。これらの患者でDLTが認められなければ、次いで、患者は次の最高用量レベルに登録される。6人の患者の中でDLTが2例以上認められた場合、最大許容投与量(MTD)を前回試験された用量レベル(the previous dose level tested)と定義される。患者3人のうち2人または3人がいずれかの用量レベルでDLTを経験した場合、前のレベルがMTDとなる。
【表14】
【0196】
一般的に以下の「初期基準」を満たす患者が第1相試験に組み入れられる:
・18歳以上;
・平均余命が12週間以上;
・治療前からグレード1以下の毒性またはベースライン毒性(脱毛を除く)まで回復した(米国国立癌研究所(NCI)-有害事象共通用語基準(CTCAE)v5.0による);
・Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータスが0または1;
・ベースライン時の骨髄機能が十分であった;
・ベースライン時の臓器機能が十分であった;
・強度または中等度のCYP3A4阻害剤または誘導剤による治療の継続が必要ない。
【0197】
患者は一般的に以下の「追加基準」も満たしている:
・RECIST v1.1による測定可能疾患または測定不能疾患;
・以下の基準のいずれかに該当する組織学的または細胞学的に確認された局所進行性(切除不能)または転移性固形腫瘍:(a)標準治療で再発または進行した、(b)標準的有効治療が存在しない疾患を有する、または(c)標準的有効治療の候補でない。
【0198】
以下の「除外基準」のいずれかに該当する患者は、通常、第1相試験には参加しない:
・以下のような抗癌剤治療歴がある。
o試験治療の初回投与の2週間未満前の化学療法または低分子標的治療;
o試験治療の初回投与から5半減期未満の抗体療法(または最後の治療から4週間のいずれか短いほう);
oPD-1またはPD-L1治療が試験治療の初回投与から4週間未満である;
o全身麻酔を必要とする侵襲的手術が、試験治療の初回投与から30日未満に行われた;
oニトロソウレアまたはマイトマイシンCによる化学療法を、試験治療の初回投与から45日未満に受けた。
o試験治療開始4週間未満前の放射線療法(ラジオ波焼灼術を含む)(注:以前の体幹部定位放射線療法または症状緩和目的の局所放射線療法(local palliative radiation)は、試験治療の初回投与の2週間未満前まで可能);
・グレード2以上の毒性、ただし前治療(すなわち、化学療法、分子標的治療、放射線療法または手術)に関連した脱毛症を除く;
・QTc解析のFrederica法を用いたQT/QTc間隔の延長(QTc間隔>480ミリ秒);
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1もしくは2、または後天性免疫不全症候群(AIDS)、またはB型肝炎ウイルスもしくはC型肝炎ウイルス(HCV)の活動性感染について血清陽性(注:HCV抗体が陽性の患者でも、HCVリボ核酸<[RNA]が定量的HCV RNAアッセイで検出されない場合は、メディカルモニター(Medical Monitor)と相談の上、適格となる場合がある);
・妊娠中または授乳中の女性;
・試験参加または試験薬物投与に関連するリスクを増大させる可能性があるか、または試験結果の解釈に支障をきたす可能性がある、重篤、急性または慢性のその他の病状または検査値異常があり、患者が本試験に不適当と判断される場合;
【0199】
6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンが固形腫瘍の治療に有効であることを実証するために、客観的奏効率(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors version 1.1 (RECIST v1.1) Investigator評価に基づくORR)、無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(RECIST v1.1 Investigator評価に基づくDOR)、および奏効までの期間(RECIST v1.1 Investigator評価に基づくTTR)を評価する。
【0200】
実施例7: 固形腫瘍の治療のためのUSP1阻害剤の第2相投与
USP1阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(ゲンチジン酸塩共結晶の形態で提供される)の第2相用量拡大試験を進行性固形腫瘍の患者において行う。この試験では、疾患進行、治験責任医師の決定、同意の撤回、またはその他のプロトコールで指定された試験治療の中止理由が生じるまで、USP1阻害剤を投与する。この試験では、患者内での用量漸増は行われない。USP1阻害剤はMTD(または、より低い用量)で試験される。
【0201】
実施例1に記載したように、「初期基準」を一般的に満たし、RECIST v1.1に従って測定可能な病変を有する患者は、第2相試験に含めることができる。
【0202】
独立中央放射線会議(independent central radiologic review)(ICRR)によるRECIST v.1.1に基づくORRを評価して、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンが固形腫瘍の治療に有効であることが実証される。さらに、PFS、DOR、臨床的有効率およびTTR(すべてICRRによるRECIST v.1に基づく)を評価して、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンが固形腫瘍の治療に有効であることが実証される。さらにまた、全生存期間(OS)を評価して、6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンが固形腫瘍の治療に有効であることを実証される。
【0203】
本発明の例示的な例
本発明の例示的な例を以下に示す。
【0204】
一例(I1)において、ヒト患者における固形腫瘍の治療方法は、該患者にユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約1000mg~約2250mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を化合物I約1000mg~約2250mgに相当する量投与することを含む。I1の一例(I2)において、該USP1阻害剤が約1000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与される。I1の一例(I3)において、該USP1阻害剤が約1050mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1050mgに相当する量投与される。I1の一例(I4)において、該USP1阻害剤が約1100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1100mgに相当する量投与される。I1の一例(I5)において、該USP1阻害剤が約1150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1150mgに相当する量投与される。I1の一例(I6)において、該USP1阻害剤が約1200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1200mgに相当する量投与される。I1の一例(I7)において、該USP1阻害剤が約1250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1250mgに相当する量投与される。I1の一例(I8)において、該USP1阻害剤が約1300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1300mgに相当する量投与される。I1の一例(I9)において、該USP1阻害剤が約1350mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1350mgに相当する量投与される。I1の一例(I10)において、該USP1阻害剤が約1400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1400mgに相当する量投与される。I1の一例(I11)において、該USP1阻害剤が約1450mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1450mgに相当する量投与される。I1の一例(I12)において、該USP1阻害剤が約1500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1500mgに相当する量投与される。I1の一例(I13)において、該USP1阻害剤が約1550mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1550mgに相当する量投与される。I1の一例(I14)において、該USP1阻害剤が約1600mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1600mgに相当する量投与される。I1の一例(I15)において、該USP1阻害剤が約1650mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1650mgに相当する量投与される。I1の一例(I16)において、該USP1阻害剤が約1700mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1700mgに相当する量投与される。I1の一例(I17)において、該USP1阻害剤が約1750mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1750mgに相当する量投与される。I1の一例(I18)において、該USP1阻害剤が約1800mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1800mgに相当する量投与される。I1の一例(I19)において、該USP1阻害剤が約1850mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1850mgに相当する量投与される。I1の一例(I20)において、該USP1阻害剤が約1900mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1900mgに相当する量投与される。I1の一例(I21)において、該USP1阻害剤が約1950mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1950mgに相当する量投与される。I1の一例(I22)において、該USP1阻害剤が約2000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2000mgに相当する量投与される。I1の一例(I23)において、該USP1阻害剤が約2050mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2050mgに相当する量投与される。I1の一例(I24)において、該USP1阻害剤が約2100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2100mgに相当する量投与される。I1の一例(I25)において、該USP1阻害剤が約2150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2150mgに相当する量投与される。I1の一例(I26)において、該USP1阻害剤が約2200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2200mgに相当する量投与される。I1の一例(I27)において、該USP1阻害剤が約2250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約2250mgに相当する量投与される。
【0205】
一例(I28)において、ヒト患者における固形腫瘍の治療方法は、該患者にユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ1(USP1)阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)を約75mg~約1000mg、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶を化合物I約75mg~約1000mgに相当する量投与することを含む。I28の一例(I29)において、該USP1阻害剤が約75mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約75mgに相当する量投与される。I28の一例(I30)において、該USP1阻害剤が約100mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約100mgに相当する量投与される。I28の一例(I31)において、該USP1阻害剤が約150mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約150mgに相当する量投与される。I28の一例(I32)において、該USP1阻害剤が約200mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約200mgに相当する量投与される。I28の一例(I33)において、該USP1阻害剤が約250mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約250mgに相当する量投与される。I28の一例(I34)において、該USP1阻害剤が約300mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約300mgに相当する量投与される。I28の一例(I35)において、該USP1阻害剤が約350mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約350mgに相当する量投与される。I28の一例(I36)において、該USP1阻害剤が約400mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約400mgに相当する量投与される。I28の一例(I37)において、該USP1阻害剤が約450mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約450mgに相当する量投与される。I28の一例(I38)において、該USP1阻害剤が約500mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約500mgに相当する量投与される。I28の一例(I39)において、該USP1阻害剤が約550mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約550mgに相当する量投与される。I28の一例(I40)において、該USP1阻害剤が約600mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約600mgに相当する量投与される。I28の一例(I41)において、該USP1阻害剤が約650mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約650mgに相当する量投与される。I28の一例(I42)において、該USP1阻害剤が約700mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約700mgに相当する量投与される。I28の一例(I43)において、該USP1阻害剤が約750mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約750mgに相当する量投与される。I28の一例(I44)において、該USP1阻害剤が約800mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約800mgに相当する量投与される。I28の一例(I45)において、該USP1阻害剤が約850mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約850mgに相当する量投与される。I28の一例(I46)において、該USP1阻害剤が約900mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約900mgに相当する量投与される。I28の一例(I47)において、該USP1阻害剤が約950mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約950mgに相当する量投与される。I28の一例(I48)において、該USP1阻害剤が約1000mg、または該USP1阻害剤の塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が該USP1阻害剤約1000mgに相当する量投与される。
【0206】
I1~I48のいずれか1つの一例(I49)において、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶が、約1日1回投与される。
【0207】
I1~I48のいずれか1つの一例(I50)において、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は1日かけて分割用量として投与され、ここで、この投与は、2つの用量に分割されていてもよく、この2つの用量は、同一であってもよく、またはこの2つの用量は、異なっていてもよい。
【0208】
I1~I50のいずれか1つの一例(I51)において、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、経口投与される。
【0209】
I1~I51のいずれか1つの一例(I52)において、癌は、卵巣癌である。I1~I52のいずれか1つの一例(I53)において、卵巣癌は、漿液性卵巣癌である。I1~I51のいずれか1つの一例(I54)において、癌は、乳癌である。I52~I54のいずれか1つの一例(I55)において、患者は、以前に白金ベースの化学療法を受けたことがある。I52~I54のいずれか1つの一例(I56)において、癌は、白金感受性である。I52~I54のいずれか1つの一例(I57)において、癌は、白金抵抗性である。I54~I57のいずれか1つの一例(I58)において、乳癌は、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)ネガティブである。I54~I58のいずれか1つの一例(I59)において、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌である。
【0210】
I1~I59のいずれか1つの一例(I60)において、癌はBRCA1に変異を有する。I1~I60のいずれか1つの一例(I61)において、癌はBRCA2に変異を有する。
【0211】
I54~I61のいずれか1つの一例(I62)において、乳癌は、生殖細胞系乳癌感受性遺伝子変異(gBRCAm)乳癌である。I54~I62のいずれか1つの一例(I63)において、乳癌は転移性である。
【0212】
I1~I63のいずれか1つの一例(I64)において、患者は、以前に転移性疾患に対する少なくとも1つの全身化学療法による治療を受けたことがある。
【0213】
I1~I51のいずれか1つの一例(I65)において、癌は、DNA損傷修復経路欠損癌、相同組換え欠損癌、p53をコードする遺伝子に変異を有する癌細胞を含む癌、およびp53をコードする遺伝子に機能喪失変異を有する癌細胞を含む癌からなる群から選択される。
【0214】
I1~I51のいずれか1つの一例(I66)において、癌は、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、膀胱癌、骨肉腫、卵巣癌、皮膚癌、および乳癌からなる群から選択される。
【0215】
I1~I66のいずれか1つの一例(I67)において、癌は、RAD18タンパク質および/またはRAD18mRNAのレベルが上昇した癌細胞を含む。I1~I67のいずれか1つの一例(I68)において、癌は、RAD51タンパク質および/またはRAD51mRNAのレベルが上昇した癌細胞を含む。I68の一例(I69)において、RAD51のレベル上昇は、RAD51タンパク質フォーカスレベルの上昇である。I68の一例(I70)において、癌から得られた試料中の細胞周期S/G2期にある細胞の少なくとも10%はRAD51陽性である。
【0216】
I1~I70のいずれか1つの一例(I71)において、癌は、再発したものである。
【0217】
I1~I71のいずれか1つの一例(I72)において、患者は、以前にPARP阻害剤(PARPi)による治療を受けたことがある。I1~I72のいずれか1つの一例(I73)において、癌は、PARP阻害剤耐性または難治性癌である。
【0218】
I1~I73のいずれか1つの一例(I74)において、化合物Iは、薬学的に許容される酸との共結晶として投与される。I74の一例(I75)において、薬学的に許容される酸は、ゲンチジン酸である。
【0219】
I1~I75のいずれか1つの一例(I76)において、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回投与される。
【0220】
I1~I75のいずれか1つの一例(I77)において、USP1阻害剤、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、少なくとも10日、少なくとも15日、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年、少なくとも18か月、または少なくとも2年投与される。
【0221】
一例(I78)において、USP1阻害剤6-(4-シクロプロピル-6-メトキシピリミジン-5-イル)-1-(4-(1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物I)、またはその塩、溶媒和物、水和物もしくは共結晶は、I1~I77のいずれか1つの方法で用いるためのものである。
【配列表】
【国際調査報告】