(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】Tau-4Rタンパク質を融合発現する大腸菌改変株
(51)【国際特許分類】
C07K 14/47 20060101AFI20250123BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20250123BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20250123BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20250123BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20250123BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20250123BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20250123BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20250123BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20250123BHJP
A61K 47/65 20170101ALI20250123BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20250123BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20250123BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20250123BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
C07K14/47 ZNA
C07K19/00
C12N15/12
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/62 Z
A61K47/65
A61K38/16
A61P25/28
A61K39/00 H
A61K39/39
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543895
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2023071534
(87)【国際公開番号】W WO2023143043
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202210112904.8
(32)【優先日】2022-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524170681
【氏名又は名称】元本(珠海横琴)生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】蔡炯
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA88X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C076AA94
4C076CC01
4C076CC42
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF31
4C076FF32
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA41
4C084NA14
4C084NA15
4C084ZA16
4C085AA03
4C085AA38
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE06
4C085FF02
4H045AA10
4H045AA30
4H045CA45
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、大腸菌に組み換えて融合発現を実現することができる融合タンパク質Tau-4Rを開示する。当該菌株で製造したtauタンパク質はアルツハイマーの治療研究に適用可能であることが実験により実証される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tau-4Rタンパク質であって、
そのアミノ酸配列がSEQ ID NO.1に示される、
ことを特徴とするTau-4Rタンパク質。
【請求項2】
融合タンパク質又はその誘導タンパク質であって、
前記融合タンパク質は、請求項1に記載のTau-4Rタンパク質を含み、
好ましくは、前記融合タンパク質は、MBP及び請求項1に記載のTau-4Rタンパク質を含み、
好ましくは、前記融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.3に示され、
前記融合タンパク質の誘導タンパク質は、融合タンパク質に基づいてリンカー配列を付加するか、又は部分的に置換され、好ましくは、前記リンカー配列はGGGGSGGGGSGGGGSであり、
好ましくは、前記融合タンパク質の誘導タンパク質は、そのアミノ酸配列がSEQ ID NO.4に示される、
ことを特徴とする融合タンパク質又はその誘導タンパク質。
【請求項3】
ポリヌクレオチドであって、
前記ポリヌクレオチドは、請求項1に記載のTau-4Rタンパク質、請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質をコードし、
好ましくは、そのうち、前記の請求項1に記載のTau-4Rタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO.2に示される、
ことを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項4】
請求項1に記載のTau-4Rタンパク質、或いは請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質の遺伝子を発現する組換え発現ベクター又は宿主細胞であり、
好ましくは、前記Tau-4Rタンパク質の遺伝子配列はSEQ ID NO.2に示される、
組換え発現ベクター又は宿主細胞。
【請求項5】
医薬組成物であって、
請求項1に記載のTau-4Rタンパク質、或いは請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質を含み、
好ましくは、前記医薬組成物は、薬学的に許容されるベクター又はアジュバントを含み、
更に好ましくは、前記アジュバントは好ましくは水酸化アルミニウムアジュバントである、
ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のTau-4Rタンパク質、請求項2に記載の融合タンパク質及び/又は請求項3に記載の融合タンパク質の誘導タンパク質の製造方法。
【請求項7】
前記融合タンパク質の製造方法は、
(1)請求項1に記載のTau-4Rタンパク質遺伝子を含む物質を得るステップと、
(2)MBPタグ遺伝子を有するベクターを、ステップ(1)で得られたTau-4Rタンパク質遺伝子を含む物質に連結し、形質転換し、発現を誘導し、前記融合タンパク質を得るステップと、を含み、
好ましくは、前記の請求項1に記載のTau-4Rタンパク質遺伝子を含む物質は、PCR産物又はプラスミドであってもよく、そのうち、好ましくは、前記ステップ(1)は、分子生物学的方法又は化学合成方法により前記のTau-4Rタンパク質遺伝子の物質を得て、
好ましくは、前記ステップ(2)において、前記のMBPタグを有するベクターは、pMal-p5x、pMAL-c2G、pMAL-c2x、pMAL-c4x、pET-28b-MBP-Hisから選ばれる1種又は複数種であり、
好ましくは、前記融合タンパク質はIPTGによって誘導発現される、
請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質の精製方法であって、
amylose-resinアフィニティカラムにより精製された前記融合タンパク質を使用するステップを含む、
好ましくは、溶離した後、イオン交換カラムにかけて溶離する、更に好ましくは、amylose-resinアフィニティカラムにより精製されたタンパク質を、20 mMのTris-HCl(pH7.4)で溶離した後、Q-Sepharose FFイオン交換カラムにかけ、更に20 mMのTris-HCl、200 mMのNaCl(pH7.4)で溶離する、
精製方法。
【請求項9】
神経疾患を治療する薬物の製造における、請求項1に記載のTau-4Rタンパク質、請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質の使用であり、
好ましくは、前記神経疾患は神経変性疾患であり、更に好ましくはアルツハイマー病である、
使用。
【請求項10】
神経疾患患者の寿命を延長する薬物の製造における、請求項1に記載のTau-4Rタンパク質、請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質の使用であり、
好ましくは、前記神経疾患は神経変性疾患であり、更に好ましくはアルツハイマー病である、
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年1月29日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号2022101129048、発明名称が「Tau-4Rタンパク質を融合発現する大腸菌改変株」である先行出願の優先権を主張する。上記先行出願は全体として援用により本願に組み込まれている。
【0002】
[技術分野]
本発明は、生物医薬分野に関し、具体的には、本発明は、Tau-4Rタンパク質を融合発現する大腸菌改変株に関する。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(AD)は神経変性疾患であり、高齢者人口では発症率が極めて高く、発症人口が増えつつある。2020年には世界で約6000万人のAD患者がいるが、2050年にはAD患者の数は1.5億程度になると予想される。
【0004】
アルツハイマー病は、認知症の最も典型的な疾患であり、全認知症例の55%程度を占める。アルツハイマー病は、アミロイドプラークと神経原線維変化の2つの主要な病理学的特徴を示し、細胞外のアミロイドプラークは主としてβアミロイドペプチドからなり、細胞内の神経原線維変化は主としてTauタンパク質からなる。更に、シナプスジストロフィー、アストロサイト増殖、ミクログリアの活性化、及び成熟ニューロンマーカーの改変などを更に含む。臨床的には、認知能力の障害及び記憶能力の低下を伴うものとして現れる。現在、AD治療に応用されている薬物は主に、NMDA受容体アンタゴニスト(メマンチン)及びアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル、ガランタミン)の2つの薬物を含むが、これらの2つの薬物は、疾患の症状を遅延させるだけであり、疾患の進行を逆転させることはできない。
【0005】
アルツハイマー病のβアミロイドカスケード仮説は、Aβの蓄積がAD発症を駆動すると考えられている。Aβ関連変異及びAβオリゴマーの神経毒性はこの仮説を強くサポートするが、Aβプラークは正常認知者の脳に出現する場合もあり、Aβカスケード仮説に対する疑問を引き起こす。一方、tauタンパク質凝集が神経変性疾患の主な要因であるという仮説は最近、広く受け入れられるようになり、過剰リン酸化されたtauタンパク質凝集は細胞間で増殖して伝播し、tau病理学はAβ病理学よりも認知症の臨床症状と更に関連している。米国FDA加速承認されたβアミロイド抗体aducanumab(Biogen)はアルツハイマーの治療に使用され、患者のアミロイドβプラークの負荷を減少させるが、脳領域の一時的な腫脹及び頭痛、混乱、めまい、視力変化、吐き気、血管浮腫、蕁麻疹、アミロイドタンパク質関連画像形成異常、頭痛、転倒、下痢及び精神錯乱などの副作用も生じる。
【0006】
Tauタンパク質は、神経系の発達に関与する微小管関連タンパク質であり、ニューロン軸索の周囲に濃化され、チューブリンと結合して微小管を形成し、微小管を安定化し、軸索輸送を促進することができる。正常な場合、Tau遺伝子は、16個のエクソンをコードし、352~441アミノ酸長、分子量45~65 kDaのTauに翻訳される。Tauタンパク質は、N末端投射機能性領域(N末端)、プロリン濃化領域、微小管結合領域(MBD)及びC末端機能性領域に分類できる。そのうち、N末端の長さは決定されず、エクソン2(E2)、3(E3)による付加的な断片を挿入することができる。プロリン濃化領域は多数のリン酸化部位を含み、c末端は部分的なリン酸化部位を提供する。反復配列(R1-R4)はMBDに位置し、その微小管結合力が最も強く、微小管自己凝集を促進すると同時に、二重螺旋線維(PHF)のコア構造でもある。ヒトTauは、mRNAの編集方法が異なるため、Tau352、381、383、410、412及び441の6つのアイソフォームが発現され、その違いは、c末端に3つ又は4つの反復配列が存在するかどうか、及びN末端に1つ又は2つの挿入物が存在するかどうかである。エクソン10(E10)はR2断片をコードし、E10を保持できると共に4つの反復配列を有するTauは4RTauと総称され、E10を保持しないと共に3つの反復配列のみを有するTauは3RTauと総称される。成人の脳内では3RTau、4RTauの発現量が相当しているのに対して、成人のマウスでは4RTauのみが発現される。
【0007】
病理学的条件で、Tauは配座の変化、異常なmRNAスプライシングなどを受け、微小管から解離し、一連の翻訳後修飾を受け、それ自体が病理学的凝集を形成し、更に神経変性病変を引き起こし、最終的にTau病変を生じる。
【発明の概要】
【0008】
tauタンパク質のオリゴマー化を防止又は逆転させるために、本発明者らは、大腸菌に組み換えて融合発現を実現することができる融合タンパク質Tau-4Rを設計した。当該菌株で製造したtauタンパク質はアルツハイマーの治療研究に適用可能であることが実験により実証される。
このため、本発明に用いられる技術案は以下の通りである。
【0009】
本発明は、そのアミノ酸配列がSEQ ID NO.1に示される、ことを特徴とするTau-4Rタンパク質を提供する。
【0010】
本発明は、本発明のTau-4Rタンパク質を含む、ことを特徴とする融合タンパク質を更に提供する。好ましくは、上記融合タンパク質は、マルトース結合タンパク質(MBP)及び本発明のTau-4Rタンパク質を含む。
【0011】
本発明によれば、上記融合タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.3に示される。
【0012】
本発明は、融合タンパク質に基づいてリンカー配列を付加するか、又は部分的に置換される、ことを特徴とする上記融合タンパク質の誘導タンパク質を更に提供する。好ましくは、上記リンカー配列は、GGGGSGGGGSGGGGSである。
【0013】
本発明のリンカー配列(linker)は、フレキシブル性を向上させ、レポータータンパク質の断片同士が接近して相補性を形成しやすいフレキシブルな短いペプチド配列である。
【0014】
本発明によれば、上記融合タンパク質の誘導タンパク質は、そのアミノ酸配列がSEQ ID NO.4に示される。
【0015】
本発明は、本発明のTau-4Rタンパク質、融合タンパク質及び/又は上記融合タンパク質の誘導タンパク質をコードする、ポリヌクレオチドを更に提供する。
【0016】
好ましくは、上記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO.2に示される。
【0017】
本発明は、Tau-4Rタンパク質及び/又はその融合タンパク質、或いは上記融合タンパク質の誘導タンパク質を含む、ことを特徴とする組換え発現ベクターを更に提供する。
【0018】
本発明は、Tau-4Rタンパク質及び/又はその融合タンパク質、或いは上記融合タンパク質の誘導タンパク質を含む、ことを特徴とする宿主細胞を更に提供する。
【0019】
本発明によれば、上記融合タンパク質は、MBPタグを有するTau-4Rタンパク質の発現菌株を誘導することによって得られる。
【0020】
好ましくは、上記融合タンパク質はIPTGによって誘導され、上記菌株はMBPタグを有するベクターを介して本発明のTau-4遺伝子を含む物質に連結し、形質転換して得られる。そのうち、上記の本発明のTau-4遺伝子を含む物質は、PCR産物又はプラスミドであってもよい。上記のMBPタグを有するベクターは、pMal-p5x、pMAL-c2G、pMAL-c2x、pMAL-c4x、pET-28b-MBP-Hisから選ばれる1種又は複数種である。
【0021】
本発明は、本発明のTau-4Rタンパク質及び/又はその融合タンパク質、或いは上記融合タンパク質の誘導タンパク質を含む医薬組成物を提供する。
【0022】
本発明は、上記Tau-4Rタンパク質の製造方法を更に提供する。
【0023】
本発明は、上記融合タンパク質又はその誘導タンパク質の製造方法であって、
(1)本発明のTau-4Rタンパク質遺伝子を含む物質を得るステップと、
(2)MBPタグを有するベクターを、ステップ(1)で得られたTau-4Rタンパク質を含む物質に連結し、形質転換し、発現を誘導し、上記融合タンパク質を得るステップと、を含む、方法を更に提供する。
【0024】
本発明によれば、好ましくは、上記の本発明のTau-4遺伝子を含む物質は、PCR産物又はプラスミドであってもよい。そのうち、好ましくは、上記ステップ(1)は、分子生物学的方法又は化学合成方法によって得られる。上記ステップ(2)において、上記のMBPタグを有するベクターは、pMal-p5x、pMAL-c2G、pMAL-c2x、pMAL-c4x、pET-28b-MBP-Hisから選ばれる1種又は複数種である。上記融合タンパク質は、IPTGによって誘導される。
【0025】
本発明は、融合タンパク質の精製方法であって、amylose-resinアフィニティカラムにより精製された上記融合タンパク質を使用するステップを含む、方法を更に提供する。好ましくは、溶離した後、更にイオン交換カラムにかけて溶離する。
【0026】
本発明によれば、amylose-resinアフィニティカラムにより精製されたタンパク質を、20 mMのTris-HCl(pH7.4)で溶離した後、Q-Sepharose FFイオン交換カラムにかけ、更に20 mMのTris-HCl、200 mMのNaCl(pH7.4)で溶離する。
【0027】
本発明は、神経疾患の薬物の製造における、Tau-4Rタンパク質、融合タンパク質又は上記融合タンパク質の誘導タンパク質の使用を更に提供する。
【0028】
本発明によれば、上記神経疾患は神経変性疾患であり、更に好ましくはアルツハイマー病である。
【0029】
本発明は、神経疾患患者の寿命を延長する薬物における、Tau-4Rタンパク質、融合タンパク質又は上記融合タンパク質の誘導タンパク質の使用を更に提供する。好ましくは、上記神経疾患は神経変性疾患であり、更に好ましくはアルツハイマー病である。
【0030】
本発明の使用によれば、そのうち、上記Tau-4Rタンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.1に示される。
【0031】
本発明の使用によれば、そのうち、上記融合タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.3に示される。
【0032】
本発明の使用によれば、そのうち、上記融合タンパク質の誘導タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.4に示される。
【0033】
本発明の有益な効果:
1、本発明者らは、大腸菌に組み換えて融合発現を実現することができる融合タンパク質Tau-4Rを設計した。アフィニティカラム及びイオン交換カラムにより精製した後、純度を大幅に向上させ、生産コストを大幅に削減する。
2、当該菌株で製造したtauタンパク質はアルツハイマーの治療研究に適用可能であることが実験により実証される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】Tau-4R遺伝子の二重酵素消化同定である(1. 二重酵素消化産物、M:Marker10000、8000、6000、5000、4000、3500、3000、2500、2000、1500、1200、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100 bp)。
【
図3】Tau-4Rタンパク質を融合発現する大腸菌菌株の同定である(M:低分子量タンパク質基準97.4、66.2、43、31、22、14.4 kD、1:IPTG誘導前のDH5α-pMal-p5x-Tau-4-1菌株、2:IPTG誘導後のDH5α-pMal-p5x-Tau-4-1菌株、3:IPTG誘導前のDH5α-pMal-p5x-Tau-4-2菌株、4:IPTG誘導後のDH5α-pMal-p5x-Tau-4-2菌株、5:IPTG誘導前のDH5α-pMal-p5x菌株、6:IPTG誘導後のDH5α-pMal-p5x菌株。
【
図4】Tau-4Rタンパク質を融合発現する菌体の精製である(1:誘導前、2:誘導後、3:沈殿、4:超音波後の沈殿、5:菌体上清注入前、6:菌体上清抜き液、7~8:菌体上清溶離、9:低分子量タンパク質Marker、97.4、66.2、43、31、22.0、14.4 KD)。
【
図5】Tau-4Rタンパク質を融合発現する培地の精製である(1:培地注入前、2:注入後、3:Marker、97.4、66.2、43、31、22.0、14.4 KD、4:溶離液)。
【
図6】Tau-4Rタンパク質を融合発現するフローの最適化である(1:Marker、97.4、66.2、43、31、22.0、14.4 KD、2:溶離液)。
【
図7】Tau-4Rタンパク質を融合発現する保存である(1:Marker、97.4、66.2、43、31、22.0、14.4 KD、2:凍結乾燥後、4℃で保存、3:-20℃で保存、4:-80℃で保存、5:凍結乾燥前)。
【
図8】トリプルトランスジェニックADマウスのTauVax免疫により、4回目の水迷路探索の潜伏期間(ステージ乗り時間)を短縮することができる。
【
図9】トリプルトランスジェニックADマウスのTauVax免疫によるステージ飛び降り及びステージ乗りの潜伏期間(ステージ乗り時間)の影響である。
【
図10】トリプルトランスジェニックADマウスのTauVax免疫は、海馬のアミロイドプラーク負荷を低減することができる(A.野生型マウス、B.生理食塩水で治療したトリプルトランスジェニックマウス、C.TauVaxタンパク質で免疫治療したトリプルトランスジェニックマウス)。
【
図11】Tau-4R免疫は、トリプルトランスジェニックマウス大脳海馬におけるTauタンパク質のリン酸化を低下させる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、具体的な実施例に合わせて、本発明の技術案を更に詳しく説明する。下記の実施例は、単に本発明を例示的に説明し解釈するものであり、本発明の請求範囲を限定するものとして解釈されるべきではないと理解すべきである。本発明の上記内容に基づいて実現される技術は、何れも本発明による請求範囲内に含まれる。
【0036】
特に説明のない限り、下記の実施例に使用される原料及び試薬は何れも市販品であり、又は既知の方法によって製造することができる。
【0037】
実施例1. 遺伝子の設計
組換えタンパク質Tau-4Rのアミノ酸配列のSEQ ID NO.1がTENLKHQPGGGKGSKDNIKHV
PGGGSGSLGNIHHKPGGGQGSLDNITHVPGGGNであるように設計された。
【0038】
大腸菌の優先コドンの最適化により、以下の遺伝子が設計され、SEQ ID NO.2は以下の通りである。
【0039】
CATATGACTGAAAATCTGAAACATCAACCTGGCGGCGGTAAAGGCTCTAAAGATAACATCAAGCACGTTCCTGGTGGCGGTTCTGGTTCCCTGGGTAACATCCATCACAAACCGGGTGGCGGTCAAGGTAGCCTGGATAATATCACTCATGTGCCAGGTGGTGGCAATCCATGG。遺伝子の5’末端にNdeI酵素消化部位を有し、3’末端にNcoI酵素消化部位を有した。マルチPCR方法により合成し、pUCm-Tプラスミドに形質転換し、アンピシリンLBプレートによりスクリーニングを行い、IPTG/X-gal染色により白色コロニーを選別してPCR同定を行い、更にPCRにより同定し、プラスミドを抽出してNdeI、NcoI二重酵素消化を行い、断片サイズが100~200 bpの間で、理論値168 bpに近いことを確認した(
図1)。
【0040】
酵素消化によって正しく同定されたプラスミドに対して配列決定を行い、結果は、塩基配列が完全に正しく、長さのサイズが正しく、5’末端にNdeI酵素消化部位を有し、3’末端にNcoI酵素消化部位を有することを示した(
図2)。
【0041】
実施例2. Tau-4Rタンパク質を融合発現する大腸菌菌株の確立
pUCm-T-Tau-4R、pMal-p5xプラスミドをNdeI、NcoIで二重酵素消化し、小断片及び大断片プラスミドをそれぞれ収集し、T4リガーゼで連結し、DH5αコンピテント細菌を形質転換し、アンピシリンLBプレートを用いてスクリーニングし、更にPCRにより同定し、プラスミドを抽出してNdeI、NcoI二重酵素消化を行い、断片サイズが100~200 bpの間であることを確認し、pMal-p5x-Tau-4Rプラスミドを得た。2つのクローンをランダムに選択してアンピシリンLB培地に移し、37℃、220 rpmで一晩培養した。翌日、1:1000で5 mLのアンピシリンLB培地に移し、37℃、220 rpmで2.5時間培養した後に1 mMのIPTGを加えて一晩誘導し、pMal-p5x空プラスミドでコンピテントDH5αの菌株を形質転換して陰性対照とした。次に、SDS-PAGE分析を行った。
【0042】
結果から、DH5α-pMal-p5x-Tau-4-1、DH5α-pMal-p5x-Tau-4-2菌株は50 KD付近で新生タンパク質発現を有する一方、DH5α-pMal-p5xは43 KDで新生タンパク質発現を有することが見出され、Tau-4Rタンパク質の融合発現に成功した大腸菌菌株DH5α-pMal-p5x-Tau-4-1、DH5α-pMal-p5x-Tau-4-2を確立した。
【0043】
実施例3. MBP-Tau-4Rタンパク質の精製
1 mMのIPTGによりDH5α-pMal-p5x-Tau-4-1菌株を誘導し、MBP-Tau-4Rタンパク質を含む菌泥を得て、20 mMのTris-HCl、200 mMのNaCl、1 mMのEDTA、pH7.4で再懸濁した後、超音波で破砕し、12000 rpm、10 minで3回遠心分離した後に0.45 μm、0.22 μmのろ膜を通過し、amylose-resinカラムにかけ、10 mMのマルトース、20 mMのTris-HCl、200 mMのNaCl、1 mM EDTA、pH7.4で溶離し、得られたタンパク質に対してSDS-PAGE分析を行った。
【0044】
その結果、約50 KDのタンパク質が精製され、MBP-Tau-4Rタンパク質の理論分子量と一致したが、標的タンパク質の純度は僅か34%であった(
図4)。
【0045】
細菌培養上清をろ膜に通過し(まず0.45 μm、次に0.22 μm)、amylose-resinカラムにかけ、10 mMのマルトース、20 mMのTris-HCl、200 mMのNaCl、1 mMのEDTA、pH7.4で溶離し、得られたタンパク質に対してSDS-PAGE分析を行い、その結果、約50 KDのタンパク質が精製された(
図5)。培地で得られた標的タンパク質の純度が比較的高く、60%であった。
【0046】
MBP-Tau-4Rのアミノ酸配列のSEQ ID NO.3は以下の通りである。KIEEGKLVIWINGDKG
YNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELVKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSSNNNNNNNNNNLGIEGRISHMTENLKHQPGGGKGSKDNIKHVPGGGSGSLGNIHHKPGGGQGSLDNITHVPGGGNPWAAAISSTDPNSLQVIK。
【0047】
実施例4. MBP-Tau-4Rタンパク質の誘導体化
NNNNNNNNNNをGGGGSGGGGSに置換して新しい誘導分子を得て、配列のSEQ ID NO.4は以下の通りである。
【0048】
KIEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELVKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSSGGGGSGGGGSLGIEGRISHMTENLKHQPGGGKGSKDNIKHVPGGGSGSLGNIHHKPGGGQGSLDNITHVPGGGN
実施例5. MBP-Tau-4Rタンパク質精製フローの最適化
amylose-resinアフィニティカラムにより精製されたMBP-Tau-4Rを20 mMのTris-HCl(pH7.4)で透析し、Q-Sepharose FFイオン交換カラムにかけ、更に20 mMのTris-HCl、200 mMのNaCl(pH7.4)で溶離し、得られたタンパク質の純度は更に高い(
図6)。
【0049】
実施例6. MBP-Tau-4Rタンパク質保存条件のスクリーニング
MBP-Tau-4Rタンパク質を凍結乾燥し、4℃で1か月保存し、凍結乾燥せずに-20、-80℃で1か月保存した試料と共にSDS-PAGE分析を行い、その標的タンパク質の純度を測定した。
【0050】
【0051】
図7及び表1に示されるように、MBP-Tau-4Rタンパク質の純度の明らかな低下が見られなかった。
【0052】
実施例7. MBP-Tau-4Rタンパク質によるトリプルトランスジェニックマウスの免疫接種及び水迷路行動学的試験
MBP-Tau-4Rタンパク質の濃度を1 mg/mLに調整し、等量の2%の水酸化アルミニウムアジュバントと混合し、TauVaxを得た。15か月齢のトリプルトランスジェニックマウス(APP/PS1/Tau)をTauVaxで免疫し、週2回、3週間連続して100μL筋肉内注射した。実験は3群に分けられ、第1群は生理食塩水を注射した6匹の15か月齢の正常マウスC57BL/6Jであり、第2群は生理食塩水を注射した6匹の15か月齢のトリプルトランスジェニックマウスであり、第3群はTauVaxを注射した6匹の15か月齢のトリプルトランスジェニックマウス(APP/PS1/Tau)であった。実験終了後に水迷路行動学的検出を行い、結果は、トリプルトランスジェニックADマウスのTauVax免疫により、2回目の水迷路探索の潜伏期間の影響が少なかったが、4回目の水迷路探索の潜伏期間を短縮することができ、46.7±3.2から34.8±7.9 s(p<0.05)に低下したことを示した(
図8)。TauVaxの注射により、トリプルトランスジェニックマウスの学習能力が顕著に改善されることを示唆した。
【0053】
実施例8. MBP-Tau-4Rタンパク質によるトリプルトランスジェニックマウス免疫後のステージ飛び降り試験
マウスの4つのステージ反応箱の規格は25 cm×25 cm×30 cmであり、箱の底部は36 Vの連続電気刺激を通した銅製グリッドであった。各ステージの中央には、マウスの感電を避けるための安全な場所として直径12 cm、高さ4.5 cmのゴムパッドが設置された。実験の前に、マウスを環境に3 min適応させた後、底部の銅製グリッドに36 Vの交流電流を通した。マウスが電気刺激を受けた後にゴムパッドに飛び乗った反応時間を学習成績として記録した。24 h後にマウスをステージに再び置いて3 min適応させ、ゴムパッドに置き、初めてステージから飛び降りた後にゴムパッドに飛び乗った潜伏期間を記憶成績として記録した。結果は、1回目の試験と2回目の記憶再生試験において、モデル群マウスのステージ乗り潜伏期間が正常群マウスよりも明らかに延長することを示した。TauVax治療後、治療群マウスのステージ乗り潜伏期間が短縮し(
図9)、トリプルトランスジェニックマウスの学習及び記憶能力が低下する一方で、TauVax治療によりトリプルトランスジェニックマウスの学習及び記憶能力が改善されることを示唆した。
【0054】
実施例9. MBP-Tau-4Rタンパク質によるトリプルトランスジェニックマウス免疫後の免疫組織化学染色
行動検出完了後、マウスに灌流を行った。1日目に心臓を灌流し、脳組織を摘出し、4%のパラホルムアルデヒドで4℃の冷蔵庫で24 h固定し、2日目に組織を4%のパラホルムアルデヒドから取り出し、水道水で一晩洗い流し、3日目に組織を適切なサイズに切断し、包埋ボックスに鉛筆で印を付け、シリンダー毎に1時間でアルコールシリンダー(濃度50%-75%-85%-95%-100%-TO透明剤)に通し、シリンダー毎に30 minでパラフィンシリンダー(Iワックス-IIワックス-IIIワックス、Iワックスが最も古く、IIIワックスが最も新しく、6~8 h前もってワックスを65℃の乾燥箱に入れる)に通し、最後にパラフィンに包埋し、4℃の冷蔵庫に保管し、4日目に切片(4 μm)-焼き(65℃、2 h)、TO透明剤による透明化(100%-95%-85%-75%-50%、アルコールによる溶解、シリンダー毎に10 min)、97.5℃で40 min抗原賦活化(EDTAクエン酸塩修復溶液)、その後、内因性ペルオキシダーゼブロック剤(10%の過酸化水素)を加えてスライドを覆い、室温で10 minインキュベートしてブロックし、PBSで各回5 min、3回洗浄した。PBSを除去し、スライドをスライドガラスに置き、正常ヤギ血清作動液(1%の正常ヤギ血清)を各切片に滴下し、室温で10~15 minインキュベートした。血清を除去し、一次抗体6E10(amyloid1~16)又はAT8(S
202T
205)を滴下し、4℃で一晩置き、5日目にPBSで3回洗浄し、二次抗体(ビオチン標識ヤギ抗マウスIgG)を加え、37℃で60 minインキュベートした。PBSで3回洗浄し、ホースラディッシュ酵素標識ストレプトアビジン(二次抗体と結合)を滴下し、室温で10 minインキュベートし、5 min/回でPBSで3回洗浄した。PBSを除去し、新鮮なDAB溶液を滴下した(1~2 minで完了、切片が黄色になったら直ちに終了した)。水道水で1~2 min浸漬し、ヘマトキシリンを1 min対比染色した。1%の塩酸アルコールに2~3 s浸し(非特異的染色を除去するため)、水道水に約15~30 min浸して青色に戻せた。勾配アルコール脱水(50%-75%-85%-95%-100%)-TO透明剤-シール剤による封止、6日目に乾燥後、顕微鏡により観察して写真を取った。結果は、トリプルトランスジェニックマウスの大脳海馬領域に多数のアミロイドプラークが現れ、TauVax治療後、アミロイドプラークが明らかに減少したことを示した(
図10)。同時に、野生型マウスと比較して、トリプルトランスジェニックマウスの大脳海馬に大量のリン酸化Tauが現れ、DAB染色面積は3.27±1.07%から18.47±0.92%に上昇し(p<0.0001)、TauVax治療後、リン酸化Tauが顕著に減少し、DAB染色面積は18.47±0.92%から10.63±1.36%に低下した(p<0.01)ことを示した(
図11)。
【0055】
上記に記載されている実施例の各技術的特徴を任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が生じない限り、何れも本明細書に記載される範囲と考えるべきである。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tau-4Rタンパク質であって、
そのアミノ酸配列がSEQ ID NO.1に示される、
ことを特徴とするTau-4Rタンパク質。
【請求項2】
融合タンパク質又はその誘導タンパク質であって、
前記融合タンパク質は、請求項1に記載のTau-4Rタンパク質を含
む、
ことを特徴とする融合タンパク質又はその誘導タンパク質。
【請求項3】
前記融合タンパク質は、MBP及び請求項1に記載のTau-4Rタンパク質を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質。
【請求項4】
前記融合タンパク質は、リンカー配列としてGGGGSGGGGSを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質。
【請求項5】
前記融合タンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.3又はSEQ ID NO.4に示される、
ことを特徴とする請求項3に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質。
【請求項6】
請求項1に記載のTau-4Rタンパク質をコード
する、
ことを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記ポリヌクレオチドの配列はSEQ ID NO.2に示される、
ことを特徴とする請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質をコードする、
ことを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項9】
請求項1に記載のTau-4Rタンパク
質の遺伝子を発現する、
組換え発現ベクター又は宿主細胞。
【請求項10】
請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質の遺伝子を発現する、
組換え発現ベクター又は宿主細胞。
【請求項11】
請求項1に記載のTau-4Rタンパク質を含
む、
ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項12】
請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質を含む、
ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項13】
神経変性疾患を治療する薬物の製造における、請求項1に記載のTau-4Rタンパク
質の使用。
【請求項14】
神経変性疾患を治療する薬物の製造における、請求項2に記載の融合タンパク質又はその誘導タンパク質の使用。
【請求項15】
前記神経変性疾患はアルツハイマー病である、
請求項14に記載の神経疾患を治療する薬物の製造における使用。
【国際調査報告】