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特表2025-503146格子フレームワーク構造上で動作している積荷取扱デバイスの電源
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】格子フレームワーク構造上で動作している積荷取扱デバイスの電源
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/04 531D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543902
(86)(22)【出願日】2023-01-25
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 EP2023051832
(87)【国際公開番号】W WO2023144224
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】2200956.7
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーサー、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ナデサン、ヤスリン
(72)【発明者】
【氏名】リズビ、イルファン
(72)【発明者】
【氏名】カウンセル、ネイサン
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM51
3F022MM57
(57)【要約】
格子フレームワーク構造1上で動作可能な積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するための方法であって、方法は、a)第1の電源50aを前記積荷取扱デバイス31から取り外すステップと、b)第1の電源50aを第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aに挿入するステップと、c)第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから第2の電源50bを取り外すステップと、d)第2の電源50bを積荷取扱デバイス31に挿入するステップとを備える。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子フレームワーク構造1上で動作可能な積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するための方法であって、前記格子フレームワーク構造1は、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセット17と、第2の方向に伸張する軌道の第2のセットの格子部材19と、を備える軌道システム13と、前記第2の方向は前記第1の方向に実質的に垂直であり、前記軌道システム13は実質的に水平面に伸長し、複数の格子セル14を備える格子パターンを形成し、
ii)前記軌道システム13を支持する複数の直立柱3と、
iii)前記軌道システム13の下方に位置する複数の保管コラム10に配置された保管コンテナ9の複数のスタック11とを備え、
前記方法は、
a)第1の電源50aを前記積荷取扱デバイス31から取り外すステップと、
b)第1の電源50aを第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aに挿入するステップと、
c)第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから第2の電源50bを取り外すステップと、
d)第2の電源50bを積荷取扱デバイス31に挿入するステップとを備える、方法。
【請求項2】
第2の積荷取扱デバイス31に、前記第1の電源50aを収容する前記第1の保管コンテナ9aを前記第1の格子セル14aから除去するように命令するステップをさらに備え、任意選択で、前記第2の積荷取扱デバイス31は前記積荷取扱デバイス31である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第3の積荷取扱デバイス31に、空の保管コンテナ9を前記第1の格子セル14aの中に置くように命令するステップをさらに備え、任意選択で、前記第3の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の保管コンテナ9aが前記第1の格子セル14aから取り外された後に、前記第1の電源50aを充電するステップをさらに備える、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
第4の積荷取扱デバイス31に、前記第2の保管コンテナ9bを前記第2の格子セル14bから除去するように命令するステップをさらに備え、任意選択的に、前記第4の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第5の積荷取扱デバイス31に、1つ以上の電源50を収容保管コンテナ9を前記第2の格子セル14b内に置くように命令するステップをさらに備え、任意選択的に、前記第5の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31内に電源50を解放可能に固定するように構成された固定機構を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記積荷取扱デバイス31は、補助電源を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び/又は第2の保管コンテナ9a、9bが、電源50を収容するように構成された1つ以上の区画を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の保管コンテナ9aは、過熱された電源104を安全に収容するための火災抑制材料102を備える火災抑制コンテナ100を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
格子フレームワーク構造1上の積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するためのシステムであって、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセット17と、第2の方向に伸張する軌道の第2のセット19とを備える軌道システム13を備える格子フレームワーク構造と、前記第2の方向は前記第1の方向に実質的に垂直であり、前記軌道システム13は実質的に水平面に伸長し、複数の格子セル14を備える格子パターンを形成し、
ii)前記軌道システム13を支持する複数の直立コラム3と、
iii)前記軌道システム13の下に位置する複数の保管コラム10に配置された保管コンテナ9の複数のスタック11と、
iv)前記軌道システム13上で前記積荷取扱デバイス31を移動させるための電力を供給するための第1の電源50aを備える積荷取扱デバイス31と、
v)第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aと、
vi)前記積荷取扱デバイス31のための第2の電源50bを収容する第2の保管コンテナ9bと、前記第2の保管コンテナ9bは第2の格子セル14b内に配置され、
vii)電源50を積荷取扱デバイス31から取り外す/積荷取扱デバイス31に挿入するように構成されたピッキング手段とを備える、システム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するために前記ピッキング手段を制御するように構成された制御システムをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ピッキング手段は、ロボットベース72と、前記ロボットベース72に結合されたロボットアーム74とを備えるロボット70を備え、前記ロボットベース72は、前記軌道システム13の第3の格子セル14c上に配置される、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ロボットベース72は、前記第3の格子セル14cに取り付けられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ロボットベース72は、車輪アセンブリを備え、前記格子フレームワーク構造1の前記軌道システム13上を移動するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
第1のコンテナ9aは、過熱された電源104を安全に収容するための火災抑制材料102を備える火災抑制コンテナ100である、請求項11から15のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子フレームワーク構造の軌道システム上で動作する積荷取扱デバイスの電源を交換する分野に関する。格子フレームワーク構造は、格子フレームワーク構造内に積み重ねられた保管コンテナを取り扱うために、格子フレームワーク構造上に配置された軌道上に遠隔操作式積荷取扱デバイスを支持する。
【背景技術】
【0002】
請求項に記載される発明は、自動保管および回収システムにおいて動作する積荷取扱デバイスのためのエネルギー保管システムに関する改良を提供することを意図している。
【0003】
積荷取扱デバイスは、通常、再充電可能電源によって電力供給される。再充電可能な電源は、一旦消耗すると、積荷取扱デバイスが動作を継続することを可能にするために再充電される必要がある。充電にはかなりの時間がかかり、積荷取扱デバイスの有効な動作時間を短縮することがある。
【0004】
再充電可能な電源がバッテリである場合、バッテリの比較的長い充電時間は数時間にも及ぶことがあり、これは、積荷取扱デバイスが非アクティブ又は動作不能のままである著しいダウンタイムを表す。所定のタイムスロット内で顧客注文を履行するために、いくつかの積荷取扱デバイスが自動保管および取り出しシステムにおいて動作可能である場合、1つ以上の積荷取扱デバイスをかなりの時間量にわたってアイドル状態のままにすることは、適時に注文を履行するフルフィルメントセンターまたは配送倉庫の能力に悪影響を及ぼす。これは、特に、積荷取扱デバイスが、商品の注文を受けたときに顧客の敷地への商品の宅配を提供するロジスティクスシステムに寄与する場合である。ここで、配達先住所を含む配達情報は、アマゾンや英国のOcadoなどのオンライン小売業者によって、顧客の配達先住所に商品を配達するために使用される。このような問題を軽減するために、英国のOcadoなどのオンライン小売業者は、充電のためにアイドル状態のままである積荷取扱デバイスに対応するために、格子フレームワーク構造の軌道システム上で動作可能な積荷取扱デバイスのバッファを提供する。極端な場合には、このダウンタイムを考慮して、注文の配送のためのタイムスロットが延長される。
【0005】
典型的には、リチウムイオンバッテリによって電力供給される積荷取扱デバイスは、4時間の放電毎に15分の充電を必要とする。
【0006】
充電ステーションで再充電可能電源を充電することの代替案は、再充電可能電源が交換可能であることであり、その結果、積荷取扱デバイス内の消耗した再充電可能電源を、完全に充電された再充電可能電源と交換することができる。再充電可能電源を交換することは、再充電可能電源が積荷取扱デバイス内にあるときに再充電可能電源を充電することよりもはるかに速く、したがって、遅いバッテリ充電の欠点をなくし、ダウンタイムを低減し、顧客の注文を効率的に満たすことに寄与する。
【0007】
典型的には、消耗した再充電可能電源を有する積荷取扱デバイスは、交換ステーションに移動し、そこで消耗した再充電可能電源が除去される。次に、積荷取扱デバイスは、完全に充電された再充電可能な電源を取り付けるために、第2の交換ステーションに移動しなければならない。
【0008】
しかしながら、再充電可能な電源が積荷取扱デバイスから取り外されると、積荷取扱デバイスは一時的にその電力供給を失う。これは、2つの問題を提起する:すなわち、新たな再充電可能な電源を受け取るために、積荷取扱デバイスが別の交換ステーションに移動することを可能にするために電力が必要とされること、および電力を失うことは、積荷取扱デバイスが制御システムとの通信を失うことを意味する。
【0009】
これらの問題を解決するために、積荷取扱デバイスに補助電源を供給して、積荷取扱デバイスが別の交換ステーションに移動することを可能にし、かつ制御システムへの接続を維持することを可能にすることができる。
【0010】
いくつかの例では、再充電可能電源を取り外し、同じ交換ステーションに新しい電源を取り付けることができる。これは、積荷取扱デバイスが2つの異なる交換局を訪れることを必要とするよりも効率的であるが、交換は、依然としていくつかの作業(消耗した再充電可能な電源を積荷取扱デバイスから取り外すこと、消耗した再充電可能な電源を邪魔にならないように移動させること、新しい再充電可能な電源を設置すること)を必要とする。交換作業中に積荷取扱デバイスに電力を供給し続けるために、補助電源が依然として必要である。
【0011】
WO2018210923(AutoStore)は、隣接する格子空間に突出する突出部を有する積荷取扱デバイスを開示しており、突出部は、交換可能なバッテリ及びバッテリ区画を備える。一実施形態では、積荷取扱デバイスは、第1の充電ステーションとインターフェースして消耗したバッテリを除去し、補助電源の下で第2の充電ステーションに移動して充電されたバッテリを回収する。https://worldwide.espacenet.com/patent/search/family/062167358/publication/WO2018210923A1?q=WO2018210923
【0012】
WO2019206440A1(AutoStore)はまた、バックアップ用の補助電源として、またはバッテリ交換動作中に交換ステーション間を移動するときに積荷取扱デバイスに電力を供給するためのキャパシタ電源を開示している。https://worldwide.espacenet.com/patent/search/family/063834034/publication/WO2019206440A1?q=WO2019206440A1
【0013】
補助電源の使用は、積荷取扱デバイスへの電力をどのように維持するか、および新しい電源を供給することができる第2のステーションに積荷取扱デバイスを移動させるのに十分な電力をどのように提供するかという問題を解決するが、補助電源が、付随するコストおよび保守要件を伴う追加の構成要素であるという欠点を有する。積荷取扱デバイスが第2のステーションに移動することが必要であるということは、追加の移動が必要であることを意味し、これは、積荷取扱デバイスが顧客の注文を履行していない時間を更に減少させ、また、追加の電力を必要とする。また、制御システムは、より複雑であり、積荷取扱デバイスに交換用電源を取り付けることができる適切なステーションの位置を決定するためのアルゴリズムが必要である。
【0014】
したがって、積荷取扱デバイスの電源を迅速かつ容易に交換する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0015】
一態様では、本発明は、格子フレームワーク構造上で動作可能な積荷取扱デバイス内の電源を交換するための方法を提供し、格子フレームワーク構造は、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを備える軌道システムと、第2の方向は第1の方向に実質的に垂直であり、軌道システムは実質的に水平な平面に伸長し、複数の格子セルを備える格子パターンを形成し、
ii)軌道システムを支持する複数の直立コラムと、
iii)軌道システムの下方に位置する複数の保管コラムに配置された保管コンテナの複数のスタックと、を備え、
方法は、
a)積荷取扱デバイスから第1の電源を取り外すステップと、
b)第1の電源を第1の格子セル内の第1の保管コンテナに挿入するステップと、
c)第2の格子セル内の第2の保管コンテナから第2の電源を取り外すステップと、
d)第2の電源を前記積荷取扱デバイスに挿入するステップと、を備える。
【0016】
この方法は、有利には、電源を交換するより速い方法を提供する。
電源の交換は実際に格子フレームワーク構造上で行われるので、充電された電源を提供するために、積荷取扱デバイスが異なる場所に移動する必要はない。これは、時間とエネルギーを節約し、これは、次に、積荷取扱デバイスの動作効率を改善する。
【0017】
第1および第2の保管コンテナは、1つの電源または複数の電源を収容するように構成することができる。
【0018】
本方法は、第2の積荷取扱デバイスに、第1の電源を収容する第1の保管コンテナを第1の格子セルから取り外すように命令するステップをさらに含むことができる。第1の電源は、充電が切れた消耗電源であってもよく、第2の電源は、完全充電電源であってもよい。第1の保管コンテナは、少なくとも1つの電源(すなわち、第1の電源)を収容しているときに第1の格子セルから取り外されてもよく、あるいは、第1の保管コンテナは、満杯になったとき、すなわち、収容するように構成されているのと同じ数の電源を収容しているときに取り外されてもよい。第2の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイス、すなわち、電源交換を受けている同じ積荷取扱デバイス、または異なる積荷取扱デバイスであってもよい。
【0019】
この方法は、第3の積荷取扱デバイスに、空の保管コンテナを第1の格子セル内に置くように命令するステップをさらに含むことができる。これは、第1の格子セルから取り出されたばかりの第1の保管コンテナを空の保管コンテナと効果的に交換することである。空の保管コンテナは、その後、さらなる積荷取扱デバイスから取り外されたさらなる電源を収容するために使用され得る。第3の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイス、すなわち、電源の交換を受けている同じ積荷取扱デバイス、または異なる積荷取扱デバイスであってもよい。また、第3の積荷取扱デバイスは、第2の積荷取扱デバイスであってもよいし、他の積荷取扱デバイスであってもよい。
【0020】
本方法は、第1の保管コンテナが第1の格子セルから取り外された後に第1の電源を充電するステップをさらに含むことができる。電源が再充電可能である場合、格子フレームワーク構造内の第1の格子セルから取り外された後、第1の電源を収容する第1の保管コンテナは、充電ステーションに運ばれ、そこで第1の電源が充電され得る。電源が再充電可能でない場合、格子フレームワーク構造から取り外された後、第1の電源を収容する第1の保管コンテナは、第1の電源を廃棄することができる廃棄領域に運ばれることができる。
【0021】
第1の電源を格子フレームワーク構造から取り外した後に充電することの利点は、安全性である。充電は、格子フレームワーク構造内ではなく、適切な防火および耐火性機構を有する別個のエリア内で実行することができる。
【0022】
本方法は、第4の積荷取扱デバイスに、第2の保管コンテナを格子セルから取り出すように命令するステップをさらに含むことができる。第4の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイス、すなわち、電源交換を受けている同じ積荷取扱デバイス、または異なる積荷取扱デバイスであってもよい。加えて、第4の積荷取扱デバイスは、第2及び/又は第3の積荷取扱デバイス、又は異なる積荷取扱デバイスであってもよい。
【0023】
本方法は、第5の積荷取扱デバイスに、1つ以上の電源を含む保管コンテナを第2の格子セルに置くように命令するステップをさらに含むことができる。第5の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイス、すなわち、電源交換を受けている同じ積荷取扱デバイス、または異なる積荷取扱デバイスであってもよい。加えて、第4の積荷取扱デバイスは、第2の積荷取扱デバイス及び/又は第3の積荷取扱デバイス及び/又は第4の積荷取扱デバイス、又は異なる積荷取扱デバイスであってもよい。
【0024】
第2の保管コンテナを第2の格子セルから取り外し、1つ以上の電源を含む保管コンテナを置くことは、交換に利用可能な充電された電源の供給を効果的にリフレッシュする。
例えば、第2の保管コンテナが、それが以前に収容していた全ての電源が取り外されて、積荷取扱デバイスに挿入されたために空になったとき、完全に充電された電源が積荷取扱デバイスに挿入されるために利用可能であることを確実にするために、1つ以上の完全に充電された電源を収容する交換コンテナが提供され得る。
【0025】
いくつかの例では、第2の保管コンテナが空になると、保管コンテナを格子フレームワーク構造から取り外すことができる。他の例では、第1の保管コンテナが格子フレームワーク構造から取り外されるときに、空の第2の保管コンテナを使用して第1の保管コンテナを交換することができる。
【0026】
第2の保管コンテナが空になると、完全に充電された電源を含む別の保管コンテナと交換することができる。いくつかの例では、1つ以上の完全に充電された電源を含む交換用保管コンテナは、積荷取扱デバイスが保管コンテナをポートコラムまで持ち上げ、軌道システム上を移動し、第2の保管コンテナを格子フレームワーク構造内に配置することによって、格子フレームワーク構造内に持ち込まれ得る。
【0027】
積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイス内に電源を解放可能に固定するように構成された固定機構を備え得る。固定機構は、電源と、軌道システム上の積荷取扱デバイスを駆動するための駆動機構との間の電気的結合も提供し得る。これは、より少ない部品を有するより単純な構造の利点を有する。電源を固定するため及び電源を電気的に結合するための2つの別個のシステムの代わりに、1つのシステムが両方の機能を実行することができる。
【0028】
積荷取扱デバイスは、補助電源を備えてもよい。有利には、これにより、電源が交換されている間、積荷取扱デバイスが補助システムへの電力を維持することが可能になる(例えば、制御システムとの通信)。
【0029】
第1及び/又は第2の保管コンテナは、電源を収容するように構成された1つ又は複数の区画を備えてもよい。電源が電池である場合、安全性の理由から、電源の活端子が接触して短絡を引き起こさないことが重要である。これは、完全に充電された電池と消耗した電池の両方に当てはまる。第1及び/又は第2の保管コンテナ内に別個の区画を有することは、電源を別個に保ち、電源が固定され、保管コンテナ内で転倒又は移動することができないことを確実にすることによって、この目的を達成するのに役立つ。いくつかの例では、区画は、電源を直立に保つように構成された絶縁セパレータから形成されてもよい。
【0030】
他の耐火性対策が、保管コンテナおよび/または格子フレームワーク構造に適用されてもよい。例えば、保管コンテナの材料は耐火性であってもよく、保管コンテナは、あらゆる火災を封じ込めるために火災抑制剤を放出してもよく、または、格子フレームワーク構造自体が、火災を封じ込めるおよび/または消火するためにスプリンクラーまたは他のシステムを備えてもよい。
【0031】
第1の保管コンテナは、過熱電源を安全に収容するための火災抑制材料を含む火災抑制コンテナを含むことができる。過熱電源は、予め定められた閾値温度、例えば、電源の最大動作温度またはそれよりわずかに高い温度を超えた電源であり得る。例えば、火災抑制材料は、ガラス、パーライト、またはバーミキュライトなどの粒状材料であってもよい。電源が火災を起こすと、火災抑制材料が溶融し、電源から熱を吸収し、それによって消火を助ける冷却効果を提供する。また、溶融した火災抑制材料は、電源の周りに不浸透性の層を形成し、したがって、空気からの酸素が電源に達するのを防止し、これもまた、火災を消火するのに役立つ。粒状材料を使用する利点は、材料が密に充填され、大きな表面積を有し、これにより、火災抑制材料が過熱電源を密接に取り囲み、迅速に溶融することが可能になり、大きな表面積が液体を吸収するのに有効であることである。
【0032】
別の態様では、本発明は、格子状フレームワーク構造の軌道システム上の積荷取扱デバイスの電源を交換するための装置を提供し、
軌道システムは、第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと、第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを備え、第2の方向は、第1の方向に対して実質的に垂直であり、
格子フレームワーク構造は、軌道システムと、軌道システムを支持する複数の直立コラムと、軌道システムの下に位置する保管コラムに配置された保管コンテナの複数のスタックとを備え、
装置は、格子セル上に配置されたロボットベースと、ロボットベースに結合されたロボットアームとを備え、
ロボットアームは、本明細書に記載の方法を実行するように構成されている。
【0033】
別の態様では、本発明は、格子フレームワーク構造上の積荷取扱デバイス内の電源を交換するためのシステムを提供し、システムは、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセットと、第2の方向に伸張する軌道の第2のセットとを含む軌道システムを含む格子フレームワーク構造と、第2の方向が第1の方向に対して実質的に垂直であり、軌道システムが実質的に水平面内に伸張し、複数の格子セルを含む格子パターンを形成し、
ii)軌道システムを支持するための複数の直立コラムと、
iii)軌道システムの下に位置する複数の保管コラムに配置された保管コンテナの複数のスタックと、
iv)軌道システム上で積荷取扱デバイスを移動させるための電力を供給するための第1の電源を備える積荷取扱デバイスと、
v)第1の格子セル内の第1の保管コンテナと、
vi)積荷取扱デバイス用の第2の電源を収容する第2の保管コンテナと、保管コンテナは第2の格子セル内に配置され、
vii)積荷取扱デバイスから電源を除去する/積荷取扱デバイスに電源を挿入するように構成されたピッキング手段とを備えている。
【0034】
電源は、電源を積荷取扱デバイスから取り外し/積荷取扱デバイスに挿入するように構成されたピッキング手段によって交換される。ピッキング手段は、電源をピックアップして移動させることができる任意の手段、例えばロボットアーム、グリッパ、クレーン、磁石、人間の作業者、または人間の作業者によって操作される手動ツール(例えばグリッパまたは一対のトング)であってもよい。
【0035】
システムは、本明細書に記載される方法を実行するためにピッキング手段を制御するように構成された制御システムをさらに備えてもよい。
【0036】
ピッキング手段は、ロボットベースと、ロボットベースに結合されたロボットアームとを備えるロボットを備えてもよく、ロボットベースは、軌道システムの第3の格子セル上に位置する。
【0037】
システムは、
i)ロボットベースと、ロボットベースに結合されたロボットアームとを備えるロボットと、ロボットベースは、軌道システムの第3の格子セル上に位置され、
ii)プロセッサと、プロセッサによって実行されると、ロボットに積荷取扱デバイス内の第1の電源を第2の電源と交換させるようなコンピュータ実行可能命令を含むデータ記憶手段とを含む制御システムと、をさらに備えている。
【0038】
有利には、ロボットアームは、ロボットベースが位置する第3の格子セルに隣接する格子セルに到達することができる。いくつかの例では、ロボットアームは、ロボットベースが位置する第3の格子セルに隣接しない格子セルに到達することができる。有利には、これは、1つのロボットアームが、ある範囲の格子セルにサービスを提供することができ、したがって、積荷取扱デバイスが、その電源を交換するために、それまで移動する必要がないことを意味する。また、1つのロボットアームは、複数の積荷取扱デバイスの電源を効率的に交換することができ、いくつかの積荷取扱デバイスが同じロボットアームによってサービスされる待ち行列を形成している場合、第3の格子セルの周りにいくつかの積荷取扱デバイスのための十分な空間があるので、待ち行列内の次の積荷取扱デバイスが、待ち行列内の前の積荷取扱デバイスが第3の格子セルに接近するために邪魔にならないところに移動するのを待つ必要はない。したがって、高速で効率的な交換を達成することができる。
【0039】
いくつかの例では、ロボットアームは、6自由度で移動可能であってもよく、これは、有利には、移動の柔軟性を提供し、その結果、電源は、積荷取扱デバイス内または保管コンテナ内の必要な位置に容易に移動され得る。他の例では、ロボットアームは、ガントリクレーンに取り付けられてもよい。
【0040】
ロボットアームは、電源の保持および持ち上げを容易にするために、エンドエフェクタ、例えば、クランプデバイスまたは吸引カップが設けられてもよい。
【0041】
ロボットベースは、第3の格子セルに搭載されてもよい。有利には、これはロボットベースに安定性を提供する。
【0042】
ロボットベースは、車輪アセンブリを備え、格子フレームワーク構造の軌道システム上を移動するように構成されてもよい。有利には、これにより、ロボットベースは、軌道システムのより広い領域にサービスを提供することができる。また、これは、積荷取扱デバイスが完全に放電され、軌道システム上を移動するのに十分な電力を有していない場合に、ロボットベースが積荷取扱デバイスに接近してその電源を交換することができるという利点を有する。そうでなければ、積荷取扱デバイスは、軌道システム上で立ち往生し、格子フレームワーク構造の動作は、積荷取扱デバイスを回収するために一時停止される必要がある。
【0043】
制御システムは、ロボットに、第1の格子セル内の第1の保管コンテナ内に第1の電源を配置するように命令するようにさらに構成され得る。
【0044】
制御システムは、第1の電源を収容する第1の保管コンテナを第1の格子セルから取り外すように第2の積荷取扱デバイスに命令するようにさらに構成されてもよい。第2の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスであってもよい。
【0045】
制御システムは、第3の積荷取扱デバイスに、空の保管コンテナを第1の格子セル内に置くように命令するようにさらに構成されてもよい。第3の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスであってもよい。
【0046】
制御システムは、第2の保管コンテナを第2の格子セルから除去するように第4の積荷取扱デバイスに命令するようにさらに構成されてもよい。第4の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスであってもよい。
【0047】
制御システムは、第5の積荷取扱デバイスに、1つ以上の電源を含む保管コンテナを第2の格子セル内に置くように命令するようにさらに構成されてもよい。第5の積荷取扱デバイスは、積荷取扱デバイスであってもよい。
【0048】
上述のように、第2、第3、第4、及び第5の積荷取扱デバイスのいずれか又は全ては、積荷取扱デバイス、すなわち、電源交換を受けている同じ積荷取扱デバイス、又は異なる積荷取扱デバイスであってもよい。加えて、第2及び/又は第3及び/又は第4及び/又は第5の積荷取扱デバイスのいずれかは、同じ積荷取扱デバイスであってもよく、又は異なる積荷取扱デバイスであってもよい。
【0049】
第1のコンテナは、過熱電源を安全に収容するための火災抑制材料を含む火災抑制コンテナであってもよい。
【0050】
リチウムイオン、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、またはリチウムイオンポリマー電池技術に主に基づく電池は、電気エネルギーを保管するために化学反応に依存する。本発明の目的のために、電池という用語は、外部コネクタ、すなわち正端子および負端子を有する1つ以上の電気化学セルからなる電池パックを意味すると解釈される。バッテリの状態に関する信号を送るために、オプションの外部コネクタがバッテリ上に存在してもよい。電池を構成する個々の電気化学セルは、直列および/または並列に接続することができる。これらの電池の有効性は、リチウムイオンセルの破壊のために、繰り返し充電した後に減少し、したがって、長期間にわたって電荷を蓄積する電池の能力は、時間とともに減少する。交換可能な再充電可能電源は、電源を取り外すことが、別個の保守作業ではなく、積荷取扱デバイスの動作の通常の部分であるという利点を有し、したがって、古くなったバッテリを使用から撤退させるべきときに、交換ステーションで積荷取扱デバイスから取り外されたときに、追加の保守作業を必要とせずに、バッテリを循環から簡単に引き出すことができる。
【0051】
本発明の更なる特徴及び態様は、図面を参照してなされる実例となる実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1図1は、格子フレームワーク構造および保管コンテナを概略的に例示する。
図2図2は、図1に例示された格子フレームワーク構造の上部にある軌道を概略的に例示する。
図3図3は、図1に図示する格子フレームワーク構造の上の積荷取扱デバイスを概略的に図示する。
図4図4は、コンテナ持ち上げ手段が下降構成にある、単一の積荷取扱デバイスを概略的に例示する。
図5図5は、コンテナ持ち上げ手段が上昇構成及び下降構成にある、単一の積荷取扱デバイスの切り欠き図を概略的に例示する。
図6図6は、本発明の一実施形態による電源を交換する方法を図示するフローチャートである。
図7図7は、本発明の一態様による電源を交換する方法を図示する概略図である。
図8図8は、本発明の態様によるロボットアームの斜視図を示す。
図9図9は、格子フレームワーク構造の格子セルに取り付けられたロボットアームの斜視図である。
図10図10は、格子フレームワーク構造の格子セルに取り付けられたロボットアームの斜視図である。
図11図11は、格子フレームワーク構造上の積荷取扱デバイスとロボットアームの斜視図である。
図12図12は、格子フレームワーク構造の格子セルに取り付けられた積荷取扱デバイスおよびロボットアームの斜視図である。
図13図13は、クランプデバイスを備えるエンドエフェクタを有するロボットアームを示す斜視図である。
図14図14は、電源が過熱している場合に、積荷取扱デバイスの電源を交換する方法を示すフローチャートである。
図15図15(a)-(c)は、粒状火災抑制材料で部分的に充填された火災抑制コンテナを概略的に示す。
図16図16(a)-(d)は、ポーチに収容された粒状火災抑制材料で部分的に充填された火災抑制コンテナを概略的に示す。
図17図17は、軌道システムの一部の外周に隣接するプラットフォーム上に位置するロボットの形態の例示的な電源交換ステーションを示す。
図18図18は、保管構造内の水平面に配置された電源ホルダを有する例示的な電源交換ステーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下の実施形態は、適合した軌道要素をどのように実装するか出願人の好ましい例を表すが、それらは、必ずしも、それがどのように達成され得るかの唯一の例ではない。
【0054】
保管及び取り出しシステム
図1は、直立部材3と、直立部材3によって支持される水平部材5、7と、を備える格子フレームワーク構造1を例示する。水平部材5は、互いに及び例示されたx軸に平行に伸張する。水平部材7は、互いに及び例示されたy軸に平行に、且つ水平部材5に対して横断方向に伸張する。直立部材3は、互いに及び例示されたz軸に平行に、且つ水平部材5、7に対して横断方向に伸張する。水平部材5、7は、複数の格子セルを規定する格子パターンを形成する。例示された例では、保管コンテナ9は、格子パターンによって規定された格子セルの下にスタック11において配置されており、1格子セル当たり保管コンテナ9の1つのスタック11である。
【0055】
図2は、図1の図示された格子フレームワーク構造1の水平部材5、7の上部に図示され、そこに位置する図1に図示された格子フレームワーク構造1の一部を形成する軌道システムのセクションまたは軌道システム13の拡大平面図を示す。軌道システム13は、水平部材5、7自体によって(例えば、水平部材5、7の表面内又は表面上に形成されている)、又は水平部材5、7の上部に取り付けられた1つ以上の追加の構成要素によって提供され得る。例示された軌道システム13は、x方向軌道17と、y方向軌道19と、を備え、即ち、x方向に伸張する軌道の第1のセット17と、軌道の第1のセット17中の軌道17に対して横断する、y方向に伸張する軌道の第2のセット19と、を備える。軌道17、19は、格子セルの中央にアパーチャ15を規定する。アパーチャ15は、格子セルの下に位置する保管コンテナ9がアパーチャ15を通って持ち上げられ及び下降されることを可能にするように、サイズ決定されている。x方向軌道17は、チャネル21によって分離された対で設けられており、y方向軌道19は、チャネル23によって分離された対で設けられている。軌道システムの他の配置も可能である。
【0056】
図1に示すような直立部材3上に直接二次元軌道システム13を支持する格子フレームワーク構造1の代替として、他の例では、格子フレームワーク構造1は、格子パターンに配置された複数のプレハブ式モジュールパネルの上に軌道システム13を支持し、その詳細は、以下に簡単に説明され、Ocado Innovation Ltdの名義でPCT出願WO2022034195A1に完全に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。WO2022034195A1に記載されているこの格子フレームワーク構造は、複数の格子セルを規定するために3次元格子パターンに配置された複数のプレハブ式モジュールパネルを備える支持フレームワーク構造上に2D格子を支持することによって、組み立てるための時間およびコストの問題に対処する。支持フレームワーク構造の格子セルの各々は、その上で積荷取扱デバイスが動作する格子の2つ以上の格子セルを支持するようにサイズ決定される。格子フレームワーク構造は、より少ない構造コンポーネントから形成され、さらに、軌道システムの各ノードが1つの直立部材によって支持される上述の典型的な「スティックビルト」格子フレームワーク構造1と同じ構造的完全性を維持し、構築するのがはるかに速く、安価である。
【0057】
上述の格子フレームワーク構造1のプレハブ式モジュールパネルは、直立部材3を備える。例えば、直立部材のサブグループは、1つ以上のブレース部材によってブレースされて、プレハブパネルまたはフレームを形成することができる。本発明の目的のために、直立部材3は、プレハブパネル内の直立部材を含むこともできる。格子フレームワーク構造1は、格子を直接支持する直立部材3、ならびに/または直立部材3を組み込んだプレハブパネルおよび/もしくはフレームを含む、格子を支持するための任意の適切な支持フレームワーク構造を備えることができる。
【0058】
図3は、図1に例示された格子フレームワーク構造1の上部を移動している複数の積荷取扱デバイス31を示す。ロボット31又はボット31とも呼ばれ得る積荷取扱デバイス31には、積荷取扱デバイス31が、軌道システム13にわたって移動し、特定の格子セルに到達することを可能にするために、対応するx方向軌道17又はy方向軌道19と係合するための車輪のセットが設けられている。チャネル21、23によって分離された軌道17、19の例示する対は、積荷取扱デバイス31が、互いに衝突することなく、近隣の格子セルを占有する(又は互いに通過する)ことを可能にする。
【0059】
図4に詳細に例示されるように、積荷取扱デバイス31は、積荷取扱デバイス31がその意図された機能を実行することを可能にする1つ以上の構成要素がその中に又はそれに取り付けられた本体33を備える。これらの機能は、軌道システム13上で保管構造1にわたって移動することと、(例えば、スタック11から又はスタック11へ)コンテナ9を上昇又は下降させることと、を含み得、これにより、積荷取扱デバイス31は、格子パターンによって規定された特定の場所にあるコンテナ9を取り出し得るか又はそこに置き得る。
【0060】
積荷取扱デバイス31は、車輪アセンブリ34を備えてもよい。図4に例示された積荷取扱デバイス31の実施形態は、車輪の第1のセット35と、車輪の第2のセットの車輪37と、を備え、これらは、積荷取扱デバイス31の本体33に取り付けられており、積荷取扱デバイス31がそれぞれ軌道17及び19に沿って、それぞれx方向及びy方向に移動することを可能にする。特に、2つの車輪35が、図4で見えるボット31の短い方の側面に設けられており、更なる2つの車輪35が、積荷取扱デバイス31の反対側の短い方の側面に設けられている(側面及び更なる2つの車輪35は、図4では見えない)。車輪35は、軌道17と係合し、積荷取扱デバイス31の本体33に回転可能に取り付けられて、積荷取扱デバイス31が軌道17に沿って移動することを可能にする。同様に、2つの車輪37が、図4で見えるボット31の長い方の側面に設けられており、更なる2つの車輪37が、積荷取扱デバイス31の反対側の長い方の側面に設けられている(側面及び更なる2つの車輪37は、図4では見えない)。車輪37は、軌道19と係合し、積荷取扱デバイス31の本体33に回転可能に取り付けられて、ボット31が軌道19に沿って移動することを可能にする。
【0061】
積荷取扱デバイス31の車輪アセンブリ34は、駆動機構38によって駆動されてもよい。駆動機構38は、1つ以上のモータ備えてもよい。
【0062】
積荷取扱デバイス31はまた、保管コンテナ9を上昇及び下降させるように構成されたコンテナ持ち上げ手段39を備える。例示されたコンテナ持ち上げ手段39は、4つのテープ又はリール41を備え、これらテープ又はリール41は、それらの下端部においてコンテナ係合アセンブリ43に接続されている。コンテナ係合アセンブリ43は、保管コンテナ9の特徴と係合するように構成された係合手段(これは、例えば、テープ41の近傍で、アセンブリ43の角部に設けられ得る)を備える。例えば、保管コンテナ9には、係合手段が係合し得る1つ以上のアパーチャがそれらの上側に設けられ得る。代替的にまたは追加的に、係合手段は、保管コンテナ9のリム若しくはリップの下に引っ掛かるように、及び/又は保管コンテナ9をクランプ若しくは把持するように構成され得る。テープ41は、必要に応じて、コンテナ係合アセンブリを上昇又は下降させるために、巻き上げら得るか又は巻き下げられ得る。コンテナ持ち上げ手段39は、駆動機構38によって駆動されてもよい。コンテナ持ち上げ手段39のテープ41の巻き上げまたは巻き下げは、1つ以上のモータまたは他の手段を備えることができる駆動機構38によって行われるか、または制御されてもよい。同じ駆動機構38を使用して、車輪アセンブリ34とコンテナ持ち上げ手段39の両方を駆動することができ、あるいは、別々の駆動機構を使用してもよい。
【0063】
図5に見られるように、図示された積荷取扱デバイス31の本体33は、上部45と下部47とを有する。上部45は、1つ以上の動作構成要素(図示せず)を収容するように構成される。下部47は、上部45の下方に配置されている。下部47は、コンテナ持ち上げ手段39によって持ち上げられた保管コンテナ9の少なくとも一部を収容するためのコンテナ受け入れ空間49または空洞を備える。コンテナ受け入れ空間49は、保管コンテナ9の下側が軌道システム13又は格子フレームワーク構造1の別の部分に引っ掛かることなく、積荷取扱デバイス31が格子フレームワーク構造1の上部にある軌道システム13にわたって移動することを可能にするために、保管コンテナ9が十分に空洞の内部に収まり得るようにサイズ決定される。積荷取扱デバイス31がその意図された目的地に到達すると、コンテナ持ち上げ手段39は、テープ41を制御して、コンテナ係合アセンブリ43及び対応する保管コンテナ9を、下側部分47内のコンテナ受け入れ区間49から出して意図された位置へと下降させる。意図された位置は、保管コンテナ9のスタック11又は格子フレームワーク構造1の出口点(又は、積荷取扱デバイス31が格子フレームワーク構造1内の格子フレームワークに対するコンテナ9を収集するために移動した場合は、格子フレームワーク構造1の入口点)であり得る。例示された例では、上側部分45及び下側部分47は、物理的な仕切り (a physical divider)によって分離されているが、他の実施形態では、上側部分45及び下側部分47は、積荷取扱デバイス31の本体33の特定の構成要素又は部品によって物理的に分割されていない場合がある。
【0064】
いくつかの実施形態では、積荷取扱デバイス31のコンテナ受け入れ空間49は、ボット31の本体33内になくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コンテナ受け入れ空間49は、例えば、持ち上げられるコンテナの重量を釣り合わせる積荷取扱デバイス31の本体33の重量を有する片持ち梁構成で、積荷取扱デバイス31の本体33に隣接してもよい。そのような実施形態では、コンテナ持ち上げ手段39のフレームまたはアームは、積荷取扱デバイス31の本体33から水平に突出し得、テープ/リール41は、突出するフレーム/アーム上のそれぞれの場所に配置され、本体33に隣接するコンテナ受け入れ空間49の中へコンテナを上昇および下降させるように、それらの場所から上昇および下降させられるように構成され得る。フレーム/アームが、積荷取扱デバイス31の本体33に取り付けられ、そこから突出する高さは、所望の効果を提供するように選択され得る。例えば、フレーム/アームは、より大きなコンテナ(又は複数のコンテナ)をフレーム/アームの下のコンテナ受け入れ空間内に持ち上げることができるように、積荷取扱デバイス31の本体33上で高いレベルで突出することが好ましい場合がある。あるいは、フレーム/アームは、本体33の下方に突出するように配置されてもよく(しかし、フレーム/アームと軌道システム13との間に少なくとも1つのコンテナを収容するのに十分な高さである)、積荷取扱デバイス31にコンテナが積み込まれるときに積荷取扱デバイス31の質量中心をより低く保つ。
【0065】
積荷取扱デバイス31が異なる車輪35、37上で第1及び第2の方向に移動することを可能にするために、積荷取扱デバイス31は、車輪の第1のセット35を軌道の第1のセット17と選択的に係合させるか、又は車輪の第2のセット37を軌道の第2のセット19と選択的に係合させるための車輪位置決め機構を含む。車輪位置決め機構は、第1の車輪セット35及び/又は第2の車輪セット37を本体33に対して上昇及び下降させるように構成され、それによって、積荷取扱デバイス31が、格子フレームワーク構造1の軌道17、19を横切って第1の方向又は第2の方向のいずれかに選択的に移動することを可能にする。
【0066】
車輪位置決め機構は、車輪の少なくとも1のセット35、37を軌道17、19から離し、軌道17、19に接触させるために、車輪の少なくとも1セット35、37を積荷取扱デバイス31の本体33に対して上昇および下降させるための1つ以上の線形アクチュエータ、回転構成要素、または他の手段を含んでもよい。いくつかの例では、車輪の1セットのみが上昇および下降するように構成され、車輪の1セットを下降させる動作は、対応する軌道から離れて車輪の他のセットを効果的に持ち上げることができ、一方、車輪の1セットを上昇させる動作は、対応する軌道と接触するように他の組の車輪を効果的に下降させることができる。他の例では、両方の車輪のセットが上昇および下降されてもよく、有利には、積荷取扱デバイス31の本体33が実質的に同じ高さに留まり、したがって、本体33およびその上に取り付けられた構成要素の重量が車輪位置決め機構によって上昇および下降される必要がないことを意味する。
【0067】
車輪アセンブリ34およびコンテナ持ち上げ手段39を駆動するために使用される駆動機構38は、電源50によって電力を供給され得る。
【0068】
いくつかの例では、格子フレームワーク構造1は、格子フレームワーク構造への保管コンテナの進入または格子フレームワーク構造からの保管コンテナの取り出しを容易にするために、1つ以上のポートコラムまたは垂直シュートを備えることができる。ポートコラムは、格子フレームワーク構造の4つの垂直直立材によって4つの角で境界を定められた1つの格子セルを占有する。保管コンテナを垂直方向にガイドする垂直ガイドが提供されてもよい。格子フレームワーク構造1から保管コンテナを除去するために、そのコンテナ受け入れ空間49内に保管コンテナ9を担持する積荷取扱デバイス31は、ポートコラムの上部の格子セルに移動し、保管コンテナ9がポートコラムの底部に到達するまで保管コンテナ9を下降させる。次に、積荷取扱デバイス31のコンテナ係合アセンブリ43は、保管コンテナ9から係合解除され、積荷取扱デバイスの本体33内に持ち上げられて戻される。次に、ポートコラムの底部にある保管コンテナ9を、例えばコンベヤベルト又は車両又は人間の作業によって取り出すことができる。
【0069】
保管コンテナ9を格子フレームワーク構造1に入れるために、同じ操作が逆に使用される。保管コンテナ9は、(例えば、コンベヤベルトまたは車両または人間の作業によって)ポートコラムの底部に運ばれる。積荷取扱デバイス31は、ポートコラムの頂部の格子セルまで移動し、そのコンテナ係合アセンブリ43をポートコラムの下方に下降させる。コンテナ係合アセンブリは、保管コンテナと係合し、コンテナ持ち上げ手段39は、ポートコラムを通して、積荷取扱デバイス31のコンテナ受け入れ空間49の中へ保管コンテナ9を持ち上げる。次いで、積荷取扱デバイスは、軌道システム上を移動して、保管コンテナを格子フレームワーク構造内のその目的位置に運ぶ。
【0070】
電源交換方法
図6は、本発明の一態様による、積荷取扱デバイス31内の電源50を交換する方法を示すフローチャートである。電源50の交換は、例えば、現在積荷取扱デバイスに設置されている電源が消耗し、もはや積荷取扱デバイスの駆動機構38に電力を供給するのに十分な充電量を有していない場合に必要とされるかもしれない。他の例では、電源は故障しているか、または保守を必要としていることがある。以下の説明では、積荷取扱デバイス31から取り外される電源50を第1の電源50aと呼び、第1の電源50aに代えて積荷取扱デバイス31に取り付けられる電源を第2の電源50bと呼ぶ。第1の電源50aが配置される保管コンテナ9を第1の保管コンテナ9aと呼び、第2の電源50bが積荷取扱デバイス31に設置される前に第の2電源50bを収納している保管コンテナ9を第2の保管コンテナ9bと呼ぶ。第1の保管コンテナ9aは、格子フレームワーク構造の第1の格子セル14a内に配置され、第2の保管コンテナ9bは、第2の格子セル14b内に配置される。
いくつかの例では、第1の電源50aは、部分的にまたは完全に消耗した電源であるか、故障を有するか、または保守を必要としていることがあり、第2の電源50bは、新しいまたは完全に充電された電源であることがある。
【0071】
電源は、電源を積荷取扱デバイスから取り外し/積荷取扱デバイスに挿入するように構成されたピッキング手段によって交換される。ピッキング手段は、電源をピックアップして移動させることができる任意の手段、例えばロボットアーム、グリッパ、クレーン、磁石、人間の作業者、または人間の作業者によって操作される手動ツール(例えばグリッパまたは一対のトング)であってもよい。
【0072】
図6のフローチャートに示すように、第1のステップ60において、第1の電源50aが積荷取扱デバイス31から取り外される。第2のステップ62において、第1の電源50aは、第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9a内に配置または挿入される。第3のステップ64において、第2の電源50bは、第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから取り外される。第4のステップ66において、第2の電源50bが、積荷取扱デバイス31に挿入される。第1の電源50aを積荷取扱デバイスから取り外し、それを第2の格子セル14bに保管された第2の電源50bと交換するステップは、軌道システムに取り付けられたロボットによって実行されてもよい。ロボットの更なる詳細は、以下で議論する。
【0073】
図7は、同じ方法を異なる表現で示す。積荷取扱デバイス31、第1及び第2の電源50a、50b、第1及び第2の保管コンテナ9a、9b、並びに第1及び第2の格子セル14a、14bが図示されている。矢印は、図6のフローチャートの方法ステップ60、62、64、66を表し、第1及び第2の電源50a、50bの、積荷取扱デバイスからの及び積荷取扱デバイスへの、並びに、それぞれの第1及び第2の格子セル14a、14b内のそれぞれの第1及び第2のコンテナ9a、9bへの及び第1及び第2のコンテナ9a、9bからの移送を示す。第1および第2の格子セル14a、14bは、例示の目的のみのために概略的に示されており、一定の縮尺ではなく、それらの実際の位置または相対的な位置を表していない。
【0074】
第1の電源50aが積荷取扱デバイス31から取り外され、第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9a内に配置された後、第1の電源50aを収容する第1の保管コンテナ9aは、第1の格子セル14aから、および格子フレームワーク構造1から取り外され得る。第1の保管コンテナ50aが2つ以上の電源を保持するように構成される場合、有利には、第1の保管コンテナ50aは、満杯になったとき、すなわち、いくつかの電源交換動作がいくつかの積荷取扱デバイス31に対して行われた後に取り外されてもよく、第1の保管コンテナ9aは、収容するように構成されるのと同じ数の電源50を収容するときに取り外されてもよい。これは、いくつかの消耗した電源を1回の操作で格子フレームワーク構造から除去することができるという利点を有する。
【0075】
第1の保管コンテナ9aを格子フレームワーク構造の第1の格子セル14aから取り出すことは、第2の積荷取扱デバイス31によって実行することができる。これは、電源が交換された同じ積荷取扱デバイスであってもよいし、異なる積荷取扱デバイスであってもよい。第1の保管コンテナ9aを格子フレームワーク構造1の第1の格子セル14aから取り出すために、第2の積荷取扱デバイス31は、軌道システム13上を、第1の保管コンテナ9aがその下に位置する格子セル、すなわち第1の格子セル14aまで移動するように命令され得る。第2の積荷取扱デバイス31は、その後、そのコンテナ係合アセンブリ43を下げ、第1の保管コンテナ9aを把持し、コンテナ持ち上げ手段を使用して第1の保管コンテナ9aをコンテナ受け入れ空間49内に持ち上げることができる。
【0076】
第2の積荷取扱デバイス31は、次いで、軌道システム上をポートコラムの上方の格子セルまで移動し、第1の保管コンテナ9aをポートコラムの下方に下降させ、コンテナ係合アセンブリを第1の保管コンテナ9aから係合解除することができる。ポートコラムの底部に到達すると、第1の保管コンテナ9aは、人間の作業、コンベヤベルト、別の車両、または任意の他の適切な手段によって運び去られ得る。
【0077】
電源を含む保管コンテナのために専用のポートコラムを設けることができる。安全性を向上させるために、ポートコラムには、耐火壁、スプリンクラーシステム、または任意の他の適切な防火手段が設けられてもよい。これは、電源がバッテリである場合に特に重要である。
【0078】
本方法は、第1の保管コンテナが格子フレームワーク構造の第1の格子セルから取り外された後に第1の電源を充電するステップをさらに含むことができる。電源が再充電可能である場合、格子フレームワーク構造から取り外された後、第1の電源を収容する第1の保管コンテナは、充電ステーションに運ばれ、そこで第1の電源が充電され得る。電源が再充電可能でない場合、格子フレームワーク構造から取り外された後、第1の電源を収容する第1の保管コンテナは、第1の電源を廃棄することができる廃棄領域に運ばれることができる。
【0079】
第1の電源50aを格子フレームワーク構造1から取り外した後に充電する利点は、安全性である。充電は、格子フレームワーク構造1内ではなく、適切な防火および耐火性機構を有する別個のエリア内で実行され得る。
【0080】
第1の保管コンテナ9aが格子フレームワーク構造1の第1の格子セル14aから取り外されると、さらなる積荷取扱デバイス31から取り外されたさらなる電源50を収容するために、空の保管コンテナ9と交換することができる。空の保管コンテナ9は、第3の積荷取扱デバイス31によって第1の格子セル14aに運ばれることができる。第3の積荷取扱デバイス31は、その電源が交換された同じ積荷取扱デバイス、及び/又は第2の積荷取扱デバイス、又は異なる積荷取扱デバイスとすることができる。
【0081】
第2の電源50aが第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから取り出され、積荷取扱デバイス31内に配置された後、以前に第2の電源50bを収容していた第2の保管コンテナ9bを格子フレームワーク構造1の第2の格子セル14bから取り出すことができる。第2の保管コンテナ50bが2つ以上の電源50を保持するように構成される場合、有利には、第2の保管コンテナ50bは、いくつかの電源交換動作がいくつかの積荷取扱デバイス31に対して行われることを可能にするために、いくつかの電源を収容してもよい。全ての電源50が第2の保管コンテナ9aから取り外された後、第2の保管コンテナ9bは、第2の格子セル14bから、および格子フレームワーク構造から取り外され得る。
これは、第2の保管コンテナ9bをピックアップし、軌道システム13上をポートコラムの上方の格子セルまで移動し、第2の保管コンテナ9bをポートコラムの下方に下降させる第4の積荷取扱デバイス31によって実行され得る。あるいは、第1の保管コンテナ9bが満杯になったときに、空の第2の保管コンテナ9bを使用して第1の保管コンテナ9aを交換することができる。第4の積荷取扱デバイスは、第2の保管コンテナから第2の電源を受け取ったばかりの積荷取扱デバイスとは別の積荷取扱デバイスであってもよく、または第2の電源を受け取る同じ積荷取扱デバイスであってもよい。第4の積荷取扱デバイスは、第2及び/又は第3の積荷取扱デバイス、又は異なる積荷取扱デバイスであることができる。
【0082】
第2の保管コンテナ9bが、それが以前に収容していたすべての電源50が取り外されて、積荷取扱デバイス31に挿入されたために空になると、完全に充電された電源50が積荷取扱デバイス31に挿入されるために利用可能であることを確実にするために、1つ以上の完全に充電された電源50を収容する交換用保管コンテナ9が提供され得る。1つ以上の完全に充電された電源を含む交換用保管コンテナは、第5の積荷取扱デバイスが保管コンテナをポートコラムまで持ち上げ、軌道システム上を移動し、第2の保管コンテナを格子フレームワーク構造内の必要な位置に配置することによって、格子フレームワーク構造内に持ち込まれ得る。第5の積荷取扱デバイス31は、その電源が交換された同じ積荷取扱デバイス、及び/又は第2及び/又は第3及び/又は第4の積荷取扱デバイス、又は異なる積荷取扱デバイスとすることができる。
【0083】
火災抑制
電源によっては、機械的損傷または高温にさらされると火災の危険を伴うことがある。例えば、電源50は、例えば60℃未満の通常の動作温度を有するリチウムイオン電池であってもよい。例えば短絡のために温度が通常の動作温度を超える場合、バッテリの温度が上昇し続けるリスクがあり、バッテリの温度が熱暴走閾値温度(例えば、130℃)を超える場合、温度は急速に上昇し得る。熱暴走は、制御されない正のフィードバックの一種であり、温度の上昇が、温度のさらなる上昇を引き起こすように条件を変化させる状況において発生する。リチウムイオン電池の場合、機械的損傷または短絡は、大量の熱を放出する制御不能な発熱反応をもたらす可能性がある。
【0084】
温度の初期上昇は、例えば、短絡、機械的損傷、製造欠陥、又は別の発生源(例えば、充電、又は積荷取扱デバイス内の他の構成要素)からの熱によって引き起こされる可能性がある。熱によってカソードとアノードとの間のセパレータが摩耗または損傷すると、短絡が生じ、アノードとカソードとの間に大電流が直接流れ、熱が発生する。熱暴走の開始時に、電池は数秒で非常に高い温度に加熱され、電解質が分解して可燃性および毒性のガスを放出する。機械的な損傷は、電解質の放出をもたらすこともある。次いで、電極は、発熱化学反応を介して分解し始め、熱暴走プロセスをさらに加速する。可燃性電解質ガスが熱の存在下で酸素と反応すると、燃焼が起こる。
【0085】
リチウムイオン電池では、温度の初期上昇と熱暴走との間に数分が存在し得る。この時間は、バッテリを安全に収容し、火災がシステムの他の部分に広がるのを防止するために使用され得る。
【0086】
図14は、電源50が過熱している特定の場合に、積荷取扱デバイス31内の電源50を交換する方法を示すフローチャートである。過熱電源は、予め定められた閾値温度、例えば、電源の最大動作温度またはそれよりわずかに高い温度を超えた電源であり得る。図示された方法は、過熱電源を安全かつ自動的に封じ込めることができるという利点を有する自動化されたプロセスである。
【0087】
ステップ90において、過熱電源は、警告またはエラー信号を積荷取扱デバイスに送る。例えば、積荷取扱デバイス内に設置された電源の温度を監視し、温度が予め定められた閾値温度を超えたときに信号を送ることができる。例えば、リチウムイオンバッテリは、60℃までの通常の動作範囲と、65℃の予め定められた閾値温度とを有することができ、バッテリ温度が65℃を超える場合、バッテリ管理システムは、警告信号を積荷取扱デバイスに送る。他の例では、電源の電圧を監視し、温度が予め定められた閾値温度を超えたときに信号を送ることができる。監視は、電源(例えば、バッテリ管理システム)に統合された、または積荷取扱デバイス上の別個のシステムのいずれかである、積荷取扱デバイス上のセンサを有する制御システムによって行うことができる。積荷取扱デバイス内の電源の温度および/または電圧および/または他の特性は、動作中に連続的に監視され得る。
【0088】
ステップ91において、積荷取扱デバイスは、警告またはエラー信号を制御システムに送る。後述するように、軌道システム上の積荷取扱デバイスの移動を制御することを含む機能を実行するために、1つ以上の制御システムが設けられてもよい。警告またはエラー信号は、電源が過熱していることを制御システムに知らせる。
【0089】
ステップ92において、積荷取扱デバイスからの警告またはエラー信号に応答して、制御システムは、積荷取扱デバイスに、ピッキング手段まで、すなわち、電源を交換することができる軌道システム上の位置まで移動するように命令する。交換作業が軌道システム上のロボットによって実行される例では、制御システムは、ロボットの近くのまたはロボットに隣接する格子セルに移動するように積荷取扱デバイスに命令し得る。交換動作が電源交換ステーションによって実行される例では、制御システムは、電源交換ステーションの近くのまたは電源交換ステーションに隣接する格子セルに移動するように、積荷取扱デバイスに命令し得る。
【0090】
ステップ93において、制御システムは、ピッキング手段に、過熱電源を火災抑制コンテナ内に配置するように命令する。火災抑制コンテナは、過熱電源を安全に収容し、電源が火災を起こした場合に、火災抑制コンテナは、火災を抑制し、安全に収容するように作用する。
いくつかの例では、火災抑制コンテナは、過熱電源の状態を監視するためのセンサ(例えば、温度を監視するための温度センサ)を装備し得る。
【0091】
いくつかの例では、ピッキング手段は、火災抑制コンテナを耐火蓋または防火ブランケットで覆うことができる。これは、火災をさらに抑制し封じ込めるのに役立つ。1つ以上の耐火蓋または防火ブランケットは、ピッキング手段の届く範囲内、例えば、ロボットベースの隣、または軌道システム上の隣接する格子セル内、または電源交換ステーションに保管することができる。
【0092】
ステップ94において、制御システムは、過熱電源が安全に処理できるかどうか、例えば、温度が電源の通常の動作範囲内に低下したかどうかを決定する。例えば、過熱電源の温度は、第2の予め定められた閾値温度と比較され得る。第2の予め定められた閾値温度は、予め定められた閾値温度と同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、予め定められた閾値温度は、電源の最高通常動作温度よりもわずかに高い温度であってもよく、第2の予め定められた閾値温度は、周囲温度であってもよい。
【0093】
ステップ95において、過熱電源が安全に取り扱うことができない場合、例えば、温度が第2の予め定められた閾値温度を上回る場合、前のステップ94が繰り返され、電源は監視され続ける。
【0094】
ステップ96において、過熱電源が安全に取り扱われる場合、例えば、温度が第2の予め定められた閾値温度未満に低下した場合、火災抑制コンテナは、過熱電源を回収することが安全であることを示す信号を制御システムに送る。
【0095】
ステップ97において、過熱電源を収容する火災抑制コンテナをシステムから取り外すことができ、次いで、過熱電源を火災抑制コンテナから取り外して安全に処分することができる。例えば、第2の積荷取扱デバイスは、火災抑制コンテナが位置する格子セルに移動し、火災抑制コンテナをそのコンテナ受け入れ空間内に持ち上げ、火災抑制コンテナを除去することができる。火災抑制コンテナが電源交換ステーションに配置される例では、火災抑制コンテナは、電源交換ステーションの後部から除去され得る。
【0096】
火災抑制コンテナは、火災を抑制するための火災抑制材料、例えば、ガラスビーズ、パーライト、バーミキュライトなどの粒状材料を収容する。電源が火災を起こすと、火災抑制材料が溶融し、電源から熱を吸収し、それによって消火を助ける冷却効果を提供する。また、溶融した火災抑制材料は、電源の周りに不浸透性の層を形成し、したがって、空気からの酸素が電源に達するのを防止し、これもまた、火災を消火するのに役立つ。粒状材料を使用する利点は、材料が密に充填され、大きな表面積を有し、これにより、火災抑制材料が過熱電源を密接に取り囲み、迅速に溶融することが可能になることである。さらに、火災抑制材料は多孔質であってもよく、その多孔性は、大きな表面積と相まって、液体を吸収するのに有効である。
【0097】
火災抑制材料の融点は、熱暴走閾値温度よりも高いが、火災の温度よりも低くてもよい。したがって、火災抑制材料は、熱暴走が発生した場合にのみ、溶融して過熱電源を囲む不浸透性層を形成し、火災の場合には自動的に展開する。過熱電源が熱暴走閾値温度に達する前に自然に冷却される場合、火災抑制材料は溶融せず、再使用することができる。
【0098】
火災抑制材料は、火災抑制材料が加熱するときに電源に冷却を提供するために、高い比熱容量を有してもよい。火災抑制材料は、火災抑制材料が溶融する際の相転移中に電源に冷却を提供するために、高い比溶融潜熱を有してもよい。
【0099】
図15(a)から(c)は、粒状火災抑制材料102で部分的に充填された火災抑制コンテナ100を概略的に示す。図15(a)では、火災抑制コンテナ100は、過熱電源(例えば、予め定められた閾値温度を超えた電源)を受け入れる準備ができている。図15(b)では、過熱電源104が、火災抑制コンテナ100内に配置される。過熱電源104が熱暴走の閾値温度を超えない場合、過熱電源104は冷却する。過熱電源104が十分に冷却されると(例えば、第2の予め定められた閾値温度未満に低下するか、またはその通常の動作温度に戻ると)、火災抑制コンテナ100は、格子フレームワーク構造から、または電源交換ステーションから除去され得る。
【0100】
過熱電源104が熱暴走の閾値温度を超える場合、過熱電源104の温度は、火災が始まるまで急速に上昇する。図15(c)に示すように、火災抑制材料102は溶融し、過熱電源104を囲む不浸透性層106を形成する。火災は、火災抑制材料102による冷却と、酸素が過熱電源104に達するのを防止する不浸透性層との複合効果によって消火される。この場合も、過熱電源がその通常の動作温度に戻ると、火災抑制コンテナ100を取り外すことができる。過熱電源104は、その後、安全に廃棄することができる。
【0101】
図16(aからd)は、ポーチ108に収容された粒状火災抑制材料102で部分的に充填された火災抑制コンテナ100を概略的に示す。ポーチの利点は、火災抑制剤102が収容され、こぼれる危険性が低減されることである。図16(a)では、火災抑制コンテナ100は、過熱電源を受け入れる準備ができている。火災抑制材料を収容する1つ以上のポーチ108が、火災抑制コンテナの内側に配置される。図16(b)では、過熱電源104が、火災抑制コンテナ100内に配置される。過熱電源104は、ポーチ108上に支持され、ポーチ108によって囲まれる。図16(c)では、過熱電源は熱暴走を経験しており、過熱電源104と接触しているポーチ108の材料は、溶融または燃焼し始めており、したがって、ポーチ108から火災抑制材料102を放出する。図16(d)では、火災抑制材料102が溶融し、過熱電源104を囲む不浸透性層106を形成する。火災は、火災抑制材料102による冷却と、酸素が過熱電源104に達するのを防止する不浸透性層との複合効果によって消火される。
【0102】
いくつかの例では、ピッキング手段は、火災抑制コンテナを耐火蓋または防火ブランケットで覆うことができる。これは、火災をさらに抑制し封じ込めるのに役立つ。1つ以上の耐火蓋または防火ブランケットは、ピッキング手段の届く範囲内、例えば、ロボットベースの隣、または軌道システム上の隣接する格子セル内、または電源交換ステーションに保管することができる。電源が過熱していることを検出することに応答して、制御システムは、過熱電源を収容する積荷取扱デバイスに、ピッキング手段まで移動するように自動的に命令し、次いで、ピッキング手段に、過熱電源を火災抑制コンテナ内に配置し、耐火蓋または防火ブランケットをピックアップし、耐火蓋または防火ブランケットを火災抑制コンテナの上部に配置するように命令することができる。いくつかの場合において、耐火蓋または防火ブランケットは、封止手段を有してもよく、例えば、耐火蓋は、蓋を火災抑制コンテナに封止するための留め金または磁石を有してもよい。
【0103】
いくつかの例では、火災抑制コンテナは、粒状火災抑制材料の代替として、またはそれに加えて、防火ブランケットまたは他の火災抑制材料、例えば耐火性発泡体で裏打ちされてもよい。
【0104】
ロボットアーム
図8は、本発明の態様にしたがう、ロボットアームの斜視図である。ロボット70は、ロボットベース72と、電源を保持するためのエンドエフェクタ76で終端するロボットアーム74とを備える。
【0105】
ロボットアーム74、したがってエンドエフェクタ76の動きの複数の自由度を提供するために、ロボットアーム74は、複数の枢動可能なジョイントによって互いに接続された複数の可動セグメントを備え、複数の枢動可能なジョイントの各々は、1つ以上の予め定められた回転軸の周りのセグメントの回転、たとえばアームに沿った軸の周りの回転(ロールジョイント)およびアームを横切る軸の周りの回転(ピッチジョイント)を提供する。図8に示される本発明の特定の実施形態では、ロボットアーム74は、ロボットエルボ78によって互いに枢動可能に接続された上部セグメントおよび下部セグメントを備え、下部セグメントと上部セグメントとの間にロールジョイントおよびピッチジョイントの両方を提供する。エンドエフェクタ76は、ロボットアーム74の上部セグメントの遠位端に回転可能に接続されて、ロボットリスト80を規定する。ロボットリスト80は、ロボットアーム74の上部セグメントに沿った軸の周りの回転を提供し、ロボットアーム74を横断する。ロボットアームの上部セグメントと下部セグメントを接続する枢動可能なジョイントと、エンドエフェクタ76を接続するロボットリストは、エンドエフェクタ76の移動の6自由度を提供する。これにより、ロボット70は、エンドエフェクタ76を電源50と係合するように正確に位置決めすることができる。
【0106】
図8に示す実施形態では、ロボットベース72は、水平支持ビーム82に取り付けられている。水平支持ビーム82の各々には、ロボットベースを格子フレームワーク構造1の第3の格子セル14cに取り付けることを可能にするためのブラケット84が設けられている。
【0107】
ロボットアーム及びエンドエフェクタの動作は、プロセッサと、プロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含むデータ記憶手段とを含む制御システムによって実行される。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行して、ロボットアーム及び/又はエンドエフェクタの移動を引き起こす。
【0108】
ロボットアームの位置
図9は、格子フレームワーク構造1の第3の格子セル14cに取り付けられた図8のロボット70の斜視図である。図示された例では、ロボット70は、図示されたセルの3×3格子の中央セル(第3の格子セル14c)を占有し、したがって、ロボットアーム72は、隣接する8つの格子セルのいずれかに到達することができる。隣接する格子セルの全ては、保管コンテナによって占有され、保管コンテナのうちの2つは、電源50を保管するために使用されている。これら2つの保管コンテナは、第1および第2の格子セル14a、14bを占有している。ロボット70のエンドエフェクタ76は、隣接するセル内の保管コンテナ50に電源50を挿入することができ、または隣接するセル内の保管コンテナ50から電源50を取り出すことができる。他の例では、ロボットアーム72は、ロボットベース72が取り付けられた第3の格子セル14cに隣接していない格子セルにアクセスするために、さらに到達することが可能であり得る。格子フレームワーク構造1の最上レベルまたは層のみが図に見えるが、格子フレームワーク構造は、いくつかの層の深さであり得ることが理解される。目に見える保管コンテナは、格子セルの下の保管コラム10に配置された保管コンテナのスタック11の上部保管コンテナ9であることができる。
【0109】
図示の例では、ロボットベース72は、第3の格子セル14bに取り付けられている。水平支持ビーム82は、格子状の骨組み構造の軌道システム13によって支持される。4つの水平支持ビーム82の各々は、第3の格子セル14cの4つの縁部のうちの1つによって支持され、水平支持ビームのそれぞれのブラケット84の各々は、軌道システムを支持する水平部材5、7の周りおよび下にフック留めされる。ロボットベース72を格子セルに取り付けることは、ロボット70の安定性の利点を提供する。図示された例では、ロボットベース72のフットプリントは、完全に1つの格子セル内にあり、したがって、保管空間が最大化される。
【0110】
図10は、異なる位置にある図9のロボット70を示す。ロボット70の枢動可能なジョイントの構成は、ロボット70が任意の隣接する格子セル内の保管コンテナ内に到達することを可能にする。
【0111】
積荷取扱デバイス
図11は、格子フレームワーク構造1上の積荷取扱デバイス31およびロボット70の斜視図である。積荷取扱デバイス31は、隣接する又は近くの格子セルへと軌道システム上を横方向に移動することによって、ロボット70に接近することができる。図示の例では、積荷取扱デバイス31は、ロボットベース72が取り付けられている第3の格子セル14cに斜めに隣接した格子セル上に位置している。ロボットアーム74は、積荷取扱デバイス31と、別の斜めに隣接する格子セル内の電源50を収容する保管コンテナ9との両方に到達することができる。
【0112】
電源交換を必要とするいくつかの積荷取扱デバイスがある場合、いくつかの積荷取扱デバイスが隣接する格子セルに接近して占有するのに十分な空間がロボット70の周囲にある。これにより、交換のための待ち行列内の次の積荷取扱デバイスが、待ち行列内の前の積荷取扱デバイスに対して交換作業が行われている間に、予め定められた位置にあり、準備ができているので、電源交換プロセスの効率が改善される。ロボット70は、電源交換作業を開始する前に、次の積荷取扱デバイスが接近するのを待つ必要はない。これは、電源を交換する速度の制限要因であるロボット70を最も効率的に使用する。
【0113】
図12は、格子フレームワーク構造の格子セルに取り付けられた積荷取扱デバイスおよびロボットアームの斜視図である。破線で示されたボックスは、電源を表し、電源が積荷取扱デバイスに入る2つの可能な点を示す。電源は、水平方向または垂直方向に、積荷取扱デバイスに挿入され、または積荷取扱デバイスから取り外され得る。電源の挿入または取り外しを容易にするために、アパーチャが、積荷取扱デバイスの本体の上部または1つ以上の側部に提供され得る。いくつかの例では、電源が積荷取扱デバイスに入るかまたは積荷取扱デバイスから出るときに電源を位置付けるために、ガイドまたはレールが設けられ得る。
【0114】
エンドエフェクタ
エンドエフェクタ76は、例えば、吸引カップ、グリッパ、又はクランプデバイスなどの異なる形態をとることができる。図8から図12に示すエンドエフェクタは、電源の上面又は側面に配置され、電源を保持する吸引力を吸引カップに及ぼすために作動させることができる吸引カップである。ロボットアーム74は、次いで、電源を必要な位置に移動させることができ、吸引力は、電源を解放するために停止される。
【0115】
吸引カップは、唯一の選択肢ではなく、電源を操作することができる任意のエンドエフェクタが、本発明において適用可能である。エンドエフェクタがグリッパまたはクランプデバイスである例では、電源は、エンドエフェクタと協働する特徴(例えば、穴またはくぼみまたはリム)を有してもよい。いくつかの場合において、電源には、ケースまたはカバーが設けられてもよく、このケースまたはカバーは、エンドエフェクタと協働する特徴を有してもよい。
【0116】
図13は、クランプデバイスまたはグリッパデバイスを備えるエンドエフェクタ76を有するロボットアームを示す斜視図である。クランプデバイスは、図13に示すように、ロボット70のロボットアーム74に結合されたエンドエフェクタ76として機能することができる。クランプデバイスは、ロボットアーム74に取り付けられてエンドエフェクタ76を形成する。ロボットアーム74及びクランプデバイスの移動は、制御システムによって制御される。制御システムは、ロボットアーム74の動きを制御するように構成され、したがって、クランプデバイスの一対のクランプが電源50の対向する壁をクランプするように位置決めされるように、エンドエフェクタ76の動きを制御するように構成される。電源の壁との係合の制御システムに信号を提供するために、1つ以上の圧力センサをクランプに取り付けることができる。クランプされると、制御システムは、ロボットアーム74に電源を積荷取扱デバイスから持ち上げさせることができる。
【0117】
電源交換動作
このセクションでは、ロボット70が、積荷取扱デバイス31内の電源50を交換する方法をどのように実行するかについて詳細に説明する。本方法のステップは、図6および図7に概略的に示されている。ロボット70のロボットアームおよび/またはエンドエフェクタの動きは、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリとプロセッサとを有する制御システムによって命令される。コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、ロボットに命令を提供する。
【0118】
ロボット70のロボットベース72は、格子フレームワーク構造1の第3の格子セル14cに取り付けられる。これは、ロボット70に安定性を提供し、ロボットアーム74のエンドエフェクタ76が、第1の電源50aを積荷取扱デバイス31から取り外し、それを第2の電源50bと交換することを可能にする。交換は、格子フレームワーク構造の軌道システム上で行われるので、積荷取扱デバイス31を充電ステーションまたは交換ステーションに輸送する必要はない。ここでいう第1の電源50aは、消耗電源を表し、第2の電源50bは、満充電電源を表してもよい。
【0119】
第1のステップ60は、ロボットアーム74に結合されたエンドエフェクタ76が、積荷取扱デバイス31に設置された第1の電源50aと係合するように、制御システムによってロボットアーム74の移動を命令することである。エンドエフェクタは、例えば、第1の電源50a自体または第1の電源のカバーもしくはケースのいずれかの吸引またはクランプもしくは把持によって係合してもよい。エンドエフェクタ76が第1の電源50aと係合すると、ロボットアーム74は、第1の電源を積荷取扱デバイス31から取り外すように命令される。積荷取扱デバイス31からの第1の電源の取り外しは、単にロボットアームの垂直方向及び/又は横方向の移動であってもよい。
【0120】
第2のステップ62において、ロボットアーム74は、次いで、第1の保管コンテナ9aを備える第1の格子セル14aに入るように移動する。ロボットアーム74は、次いで、第1の電源50aを第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9a内に置くことができる。エンドエフェクタ76は、次いで、第1の電源50aとの係合を解除するように命令される。
【0121】
第3のステップ64において、ロボットアーム74は、エンドエフェクタ76が第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bに入るように、第2の格子セル14bに移動するように命令される。エンドエフェクタ76は、第2の保管コンテナ9b内の第2の電源50bに係合し、第2の電源50bをピックアップし、第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから取り出す。
【0122】
第4のステップ66において、ロボットアーム74は、次いで、積荷取扱デバイス31に接近し、第2の電源50bを積荷取扱デバイスに挿入するように命令され得る。エンドエフェクタ76は、次いで、第2の電源50bとの係合を解除する。
【0123】
カメラ(図示せず)は、エンドエフェクタ76が動作する領域を見るためにロボットアーム74に取り付けられてもよい。カメラは、1つ以上の赤外線カメラなどの任意の適切な1つ以上のカメラを含んでもよく、3次元深度カメラを含んでもよい。カメラは、電源を挿入または除去するときに格子セルの内部を照明するための照明要素を備えてもよい。カメラからの画像は制御システムに供給され、そこで画像は、電源の識別および/またはピックアップおよび/または保管コンテナ内の位置決めを支援するように処理される。例えば、カメラは、エンドエフェクタが保管コンテナ内で移動し、電源をピックアップすることを可能にするように位置決めするための空間を有する保管コンテナの領域を識別することができる。エンドエフェクタをガイドし位置決めするためにロボットアームまたはエンドエフェクタに取り付けられたカメラは、位置合わせ機構として機能することができる。
【0124】
固定機構
積荷取扱デバイス31は、積荷取扱デバイス内に電源50を固定するための固定機構を備えてもよい。固定機構は、積荷取扱デバイス31が軌道システム13上を移動するときに積荷取扱デバイス31内に電源50を保持するために使用される。固定機構は、当該技術分野において既知の任意の好適な機構、例えば、固定ピン又はグリッパを含むことができる。
【0125】
いくつかの例では、固定機構は、電源と駆動機構38との間の電気的結合を提供することができる。これは、より少ない部品を有するより単純な構造という利点を有する。電源50を固定するための及び電源50を電気的に結合するための2つの別個のシステムの代わりに、1つのシステムが両方の機能を実行することができる。
【0126】
電源交換ステーション
上述の例では、電源交換は軌道システム上で行われるが、他の例では、電源交換は専用の電源交換ステーションで実行され得る。例えば、1つ以上の電源交換ステーションは、先の例のように軌道システム13自体の上ではなく、軌道システム13に隣接して、格子フレームワーク構造の縁部に配置することができる。電源交換ステーションは、軌道システム13に隣接するプラットフォームまたはメザニン上に配置することができる。この場合、第1及び第2の保管コンテナ及び火災抑制コンテナが格子フレームワーク構造内の物品又はアイテムの保管に使用されるタイプの標準的な保管コンテナである代わりに、第1及び第2の保管コンテナ及び火災抑制コンテナは、軌道システムの格子セルを占有するのではなく、電源交換ステーションにある又は電源交換ステーションに近いプラットフォーム上に位置する専用のコンテナであってもよい。
【0127】
例えば、図17は、軌道システム13の一部の外周に隣接するプラットフォーム112上に位置するロボット70の形態の例示的な電源交換ステーション110を示す。ロボット70は、ロボットベース72と、ロボットアーム74と、ロボットアームの端部にあるエンドエフェクタ76とを備える。ロボットベース72は、プラットフォーム112上に取り付けることによって、軌道システム13に対して固定される。図示されたエンドエフェクタ76は、電源を物理的に把持するためのグリッパの形態であるが、エンドエフェクタ76は、電源50を解放可能に保持するために好適な任意の形態をとってもよい。エンドエフェクタ76は、電源50を保持するための把持位置と電源50を解放するための解放位置との間で選択的に移動可能な一対の把持部材を備える。ロボットベース72とエンドエフェクタ76は、一連のリンク機構及びジョイント78、80によって接続されている。ジョイントは、ロボットアーム74に所望の自由度を与えて、ロボットアーム74が、積荷取扱デバイス31内の電源区画から電源50を取り外し、それを指定されたエリア114内に配置すること、および/または指定されたエリア114から交換用電源50をピックアップし、それを電源区画内に挿入することを可能にするように構成される。この図示された例では、ロボットアーム74は、6軸ロボットアームであり(すなわち、ジョイントは6自由度を提供する)、これは、積荷取扱デバイス31と、ロボットアーム74と、指定領域114との間の相対的な位置決めに関して柔軟性を提供する比較的複雑な移動を可能にする。
【0128】
ロボット70は、ロボット70に隣接する指定された格子セル14上に位置する積荷取扱デバイス31の電源50を交換するように構成される。ロボット70のサイズおよび構成に応じて、ロボット70は、ロボット70の近傍の複数の指定された格子セル14のうちの任意の1つの上の積荷取扱デバイス31と相互作用するように構成され得る。言い換えれば、ロボットアーム74のエンドエフェクタ76は、図17に示すように、ロボットアーム74の近傍にある少なくとも2つの積荷取扱デバイス31の電源区画に移動可能であり得る。これにより、ロボットアーム74は、積荷取扱デバイス31が故障して指定された格子セル14の1つを塞いだ場合でも、電源交換を継続することができる。
【0129】
図17に示す例では、ロボット70は、第1の電源50aを積荷取扱デバイス31の電源区画から取り出して指定エリア114の第1の保管コンテナ9aに収納し、その後、第2の電源50bを指定エリア114の第2の保管コンテナ9bからピックアップして、積荷取扱デバイス31の電源区画に挿入する。第1及び第2の保管コンテナ9a、9bに加えて、火災抑制コンテナ100が、電源交換ステーション110の指定領域114に配置される。
【0130】
図18は、保管構造118内の水平面に配置された電源ホルダ116を有する例示的な電源交換ステーション110を示す。この例では、各電源ホルダ116は、各電源ホルダ116が電源50を取り外し可能に受け入れることを可能にするために、保管構造118の上面に上面開口部を備える。電源ホルダ116の下の収納構造118内の領域は、電源50が電源ホルダ116内に受け入れられたときに電源50を充電するための電源充電機器を収容するために使用されてもよい。
【0131】
上述の電源交換ステーション110の電源ホルダ116は、電源50が電源ステーション110の後側から電源ホルダ116に挿入されるか、または電源ホルダから取り外されることを可能にするために、電源交換ステーション110の後側から任意にアクセス可能である。後側は、電源交換ステーション110の、軌道システム13から離れる方を向く側として定義される。電源交換ステーション110の後側は、人間の作業者がアクセス可能な保守エリアに面し得る。この構成により、作業者が潜在的に危険な機器(例えば、軌道システム13、積荷取扱デバイス31、ロボット70など)を有する領域に位置する必要なく、または潜在的に危険な機器を停止する必要なく、電源50を(例えば、保守のために)人間の作業者によって電源交換ステーション110から取り外すことが可能になる。
【0132】
図18に示す例では、第1および第2の保管コンテナは、電源交換ステーション110の保管構造118内の電源ホルダ116である。使用時には、ロボット70は、第1の電源を積荷取扱デバイス(図示せず)の電源区画から取り出し、それを保管構造118の第1の保管コンテナに入れ、次いで第2の電源を保管構造118の第2の保管コンテナから取り出し、第2の電源を積荷取扱デバイスの電源区画に挿入する。電源交換ステーション110aはまた、この例では保管構造118の後側に位置する火災抑制コンテナ100を備える。積荷取扱デバイス内の電源が過熱している場合、積荷取扱デバイスは、電源交換ステーション110まで移動し、ロボット70は、積荷取扱デバイスから過熱電源を取り外し、過熱電源を火災抑制コンテナ100内に配置する。過熱電源が冷却され、安全に取り扱うことができるようになった後、火災抑制コンテナ100は、電源交換ステーション110の後部から容易に取り外し、保守区域に運ぶことができる。
【0133】
上述した電源交換ステーション110の位置は、軌道システム13の外周に隣接することに限定されない。電源交換ステーション110は、ロボットアームのエンドエフェクタによってアクセス可能な任意の他の適切な位置、例えば、軌道システム13自体に配置されてもよい。
【0134】
いくつかの例では、ロボット70は、電源交換ステーション110自体に取り付けられてもよい。例えば、図18は、電源交換ステーション110の保管構造118の上面に取り付けられた多関節ロボットアーム74を有するロボット70を示す。この電源交換ステーション110は、ロボットアーム74のエンドエフェクタが、電源ホルダ116と、電源交換ステーション110に隣接する指定された格子セル14上に位置する積荷取扱デバイス31との間で電源50を移送することができるように、軌道システム13の外周に隣接して位置してもよい。多関節ロボットアーム74の代わりに、ガントリーまたはデカルトロボットの形態のロボットアーム74が、電源交換ステーション110上に取り付けられてもよい。
【0135】
いくつかの例では、各電源交換ステーション110は、複数のロボット70に関連付けられてもよい。言い換えれば、複数のロボット70が、同じ電源交換ステーション110におよび同じ電源交換ステーション110から電源50を移送するように構成されてもよい。例えば、複数のロボットアーム74を単一の電源交換ステーション110上に、またはその近傍に取り付けて、複数の積荷取扱デバイス31の電源50を、単一の電源交換ステーション110において、同じ期間中に、または重複する期間中に交換することを可能にすることができる。
【0136】
電源50が再充電可能電源である場合、上述の電源交換ステーション110の電源ホルダ116は、好ましくは、ホルダ内に収容されたときに電源50を充電するための電源充電手段を備える。例えば、電源ホルダ116は、電源50が電源ホルダ116に受け入れられたときに外部電源が電源50を充電することを可能にするために、外部電源(例えば、主電源)及び他の電気機器(例えば、変圧器、コンバータ等)と共に、電源50の電気コネクタに結合するように構成された電気コネクタ(図示せず)を含むことができる。
【0137】
制御システム
1つ以上の制御システムが、軌道システム上の積荷取扱デバイスの移動を制御すること、電源の充電レベルを追跡すること、電源を交換するときをロボットアームに命令すること、保管コンテナに保管された電源の数および充電レベルを追跡すること、保管コンテナを格子フレームワーク構造からいつどのように取り外すかを制御すること、ロボットアームおよびエンドエフェクタの移動を制御すること、ならびに適用可能な場合には、固定機構およびロボット車輪ベースの移動を制御することを含むが、それらに限定されない機能を実行するために提供され得る。これらの動作は、同じ制御システムによって、または異なる制御システムによって実行され得る。
【0138】
保管コンテナ
第1及び第2の保管コンテナ9a、9bは、製品を保管するために使用される格子フレームワーク構造1内の他の保管コンテナ9と同じであってもよく、又は第1及び第2の保管コンテナ9a、9bは、電源50の保管のために適合又は構成された専用の保管コンテナであってもよい。
【0139】
第1及び第2の保管コンテナ9a、9bは、1つの電源又は複数の電源を収容するように構成することができる。図9から図12に示す例では、1つの保管コンテナは、4×3の格子に配置された最大12個の電源を収容するように構成される。他の構成もまた、可能である。
【0140】
第1及び第2の保管コンテナは、1つ以上の電源を保持するための1つ以上の区画を備えてもよい。いくつかの例では、これらの区画は、セパレータによって形成されてもよい。いくつかの例では、第1及び第2の保管コンテナは耐火性であってもよい。
【0141】
電源技術
電源の例としては、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウム空気電池、リチウム鉄電池、リチウム鉄リン酸電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、ナトリウムイオン電池、ナトリウム空気電池、薄膜電池、スマート電池、炭素発泡体ベースの鉛蓄電池、キャパシタ、スーパーキャパシタ、ウルトラキャパシタ、リチウムキャパシタ、電気化学二重層キャパシタ、電気二重層キャパシタ、疑似キャパシタ、またはハイブリッドキャパシタが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
定義
本文書では、nが、x、y及びzのうちの1つである「n方向への移動」という文言(及び関連する言い回し)は、いずれかの方向(即ち、n軸の正の端部に向かう方向又はn軸の負の端部に向かう方向)における、n軸に実質的に沿った又は平行な移動を意味することが意図される。
【0143】
本文書では、「接続する」という用語及びその派生語は、直接接続及び間接接続の可能性を含むことが意図される。例えば、「xが、yに接続されている」は、xが、介在する構成要素なしで、yに直接的に接続されている可能性と、xが、1つ以上の介在する構成要素ありで、yに間接的に接続されている可能性とを含むことが意図される。直接接続が意図される場合、「直接的に接続されている」、「直接接続」又は同様の用語が使用されている。同様に、「支持する」という用語及びその派生語は、直接接触及び間接接触の可能性を含むことが意図される。
【0144】
例えば、「xが、yを支持する」は、xが、介在する構成要素なしで、yを直接支持する及びyに直接接触する可能性と、xが、x及び/又はyに接触する1つ以上の介在する構成要素ありで、yを間接的に支持する可能性とを含むことが意図される。「取り付ける」という用語及びその派生語は、直接的及び間接的な取り付けの可能性を含むことが意図される。例えば、「xが、yに取り付けられている」は、xが、介在する構成要素なしで、yに直接的に取り付けられている可能性と、xが、1つ以上の介在する構成要素ありで、yに間接的に取り付けられている可能性とを含むことが意図される。
【0145】
本明細書では、「備える」という用語及びその派生語は、排他的な意味ではなく、包括的な意味を有することが意図される。例えば、「xは、yを備える」は、xが、1つ及び1つだけのy、複数のy、又は1つ以上のyと1つ以上の他の要素を含む可能性を含むことが意図される。排他的な意味が意図される場合、「xは、yから構成される」という文言が使用され、xがyのみを含み、他には何も含まないことを意味する。
【0146】
本明細書において、交換可能な再充電可能電源に適用される「完全に充電された」という用語は、交換可能な再充電可能電源がその定格充電量で提供されることを意味する。バッテリの場合、これは、バッテリ電圧が定格電圧であることを意味する。交換可能な再充電可能電源に適用される「消耗した」という用語は、交換可能な再充電可能電源に予め定められた残留電荷が残っていることを意味する。
バッテリの場合、これは、バッテリ電圧が定格電圧よりも低く、予め定められた残留電圧まで低下したことを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15(a)】
図15(b)】
図15(c)】
図16(a)】
図16(b)】
図16(c)】
図16(d)】
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子フレームワーク構造1上で動作可能な積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するための方法であって、前記格子フレームワーク構造1は、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセット17と、第2の方向に伸張する軌道の第2のセットの格子部材19と、を備える軌道システム13と、前記第2の方向は前記第1の方向に実質的に垂直であり、前記軌道システム13は実質的に水平面に伸長し、複数の格子セル14を備える格子パターンを形成し、
ii)前記軌道システム13を支持する複数の直立柱3と、
iii)前記軌道システム13の下方に位置する複数の保管コラム10に配置された保管コンテナ9の複数のスタック11とを備え、
前記方法は、
a)第1の電源50aを前記積荷取扱デバイス31から取り外すステップと、
b)第1の電源50aを第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aに挿入するステップと、
c)第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから第2の電源50bを取り外すステップと、
d)第2の電源50bを積荷取扱デバイス31に挿入するステップとを備える、方法。
【請求項2】
第2の積荷取扱デバイス31に、前記第1の電源50aを収容する前記第1の保管コンテナ9aを前記第1の格子セル14aから除去するように命令するステップをさらに備え、任意選択で、前記第2の積荷取扱デバイス31は前記積荷取扱デバイス31である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第3の積荷取扱デバイス31に、空の保管コンテナ9を前記第1の格子セル14aの中に置くように命令するステップをさらに備え、任意選択で、前記第3の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の保管コンテナ9aが前記第1の格子セル14aから取り外された後に、前記第1の電源50aを充電するステップをさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項5】
第4の積荷取扱デバイス31に、前記第2の保管コンテナ9bを前記第2の格子セル14bから除去するように命令するステップをさらに備え、任意選択的に、前記第4の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
第5の積荷取扱デバイス31に、1つ以上の電源50を収容保管コンテナ9を前記第2の格子セル14b内に置くように命令するステップをさらに備え、任意選択的に、前記第5の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31内に電源50を解放可能に固定するように構成された固定機構を備える、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記積荷取扱デバイス31は、補助電源を備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び/又は第2の保管コンテナ9a、9bが、電源50を収容するように構成された1つ以上の区画を備える、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の保管コンテナ9aは、過熱された電源104を安全に収容するための火災抑制材料102を備える火災抑制コンテナ100を備える、請求項に記載の方法。
【請求項11】
格子フレームワーク構造1上の積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するためのシステムであって、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセット17と、第2の方向に伸張する軌道の第2のセット19とを備える軌道システム13を備える格子フレームワーク構造と、前記第2の方向は前記第1の方向に実質的に垂直であり、前記軌道システム13は実質的に水平面に伸長し、複数の格子セル14を備える格子パターンを形成し、
ii)前記軌道システム13を支持する複数の直立コラム3と、
iii)前記軌道システム13の下に位置する複数の保管コラム10に配置された保管コンテナ9の複数のスタック11と、
iv)前記軌道システム13上で前記積荷取扱デバイス31を移動させるための電力を供給するための第1の電源50aを備える積荷取扱デバイス31と、
v)第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aと、
vi)前記積荷取扱デバイス31のための第2の電源50bを収容する第2の保管コンテナ9bと、前記第2の保管コンテナ9bは第2の格子セル14b内に配置され、
vii)電源50を積荷取扱デバイス31から取り外す/積荷取扱デバイス31に挿入するように構成されたピッキング手段とを備える、システム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するために前記ピッキング手段を制御するように構成された制御システムをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ピッキング手段は、ロボットベース72と、前記ロボットベース72に結合されたロボットアーム74とを備えるロボット70を備え、前記ロボットベース72は、前記軌道システム13の第3の格子セル14c上に配置される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ロボットベース72は、前記第3の格子セル14cに取り付けられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ロボットベース72は、車輪アセンブリを備え、前記格子フレームワーク構造1の前記軌道システム13上を移動するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
第1のコンテナ9aは、過熱された電源104を安全に収容するための火災抑制材料102を備える火災抑制コンテナ100である、請求項11に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0146
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0146】
本明細書において、交換可能な再充電可能電源に適用される「完全に充電された」という用語は、交換可能な再充電可能電源がその定格充電量で提供されることを意味する。バッテリの場合、これは、バッテリ電圧が定格電圧であることを意味する。交換可能な再充電可能電源に適用される「消耗した」という用語は、交換可能な再充電可能電源に予め定められた残留電荷が残っていることを意味する。
バッテリの場合、これは、バッテリ電圧が定格電圧よりも低く、予め定められた残留電圧まで低下したことを意味する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 格子フレームワーク構造1上で動作可能な積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するための方法であって、前記格子フレームワーク構造1は、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセット17と、第2の方向に伸張する軌道の第2のセットの格子部材19と、を備える軌道システム13と、前記第2の方向は前記第1の方向に実質的に垂直であり、前記軌道システム13は実質的に水平面に伸長し、複数の格子セル14を備える格子パターンを形成し、
ii)前記軌道システム13を支持する複数の直立柱3と、
iii)前記軌道システム13の下方に位置する複数の保管コラム10に配置された保管コンテナ9の複数のスタック11とを備え、
前記方法は、
a)第1の電源50aを前記積荷取扱デバイス31から取り外すステップと、
b)第1の電源50aを第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aに挿入するステップと、
c)第2の格子セル14b内の第2の保管コンテナ9bから第2の電源50bを取り外すステップと、
d)第2の電源50bを積荷取扱デバイス31に挿入するステップとを備える、方法。
[2] 第2の積荷取扱デバイス31に、前記第1の電源50aを収容する前記第1の保管コンテナ9aを前記第1の格子セル14aから除去するように命令するステップをさらに備え、任意選択で、前記第2の積荷取扱デバイス31は前記積荷取扱デバイス31である、[1]に記載の方法。
[3] 第3の積荷取扱デバイス31に、空の保管コンテナ9を前記第1の格子セル14aの中に置くように命令するステップをさらに備え、任意選択で、前記第3の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、[2]に記載の方法。
[4] 前記第1の保管コンテナ9aが前記第1の格子セル14aから取り外された後に、前記第1の電源50aを充電するステップをさらに備える、[2]または[3]に記載の方法。
[5] 第4の積荷取扱デバイス31に、前記第2の保管コンテナ9bを前記第2の格子セル14bから除去するように命令するステップをさらに備え、任意選択的に、前記第4の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 第5の積荷取扱デバイス31に、1つ以上の電源50を収容保管コンテナ9を前記第2の格子セル14b内に置くように命令するステップをさらに備え、任意選択的に、前記第5の積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31である、[5]に記載の方法。
[7] 前記積荷取扱デバイス31は、前記積荷取扱デバイス31内に電源50を解放可能に固定するように構成された固定機構を備える、[1]から[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 前記積荷取扱デバイス31は、補助電源を備える、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] 前記第1及び/又は第2の保管コンテナ9a、9bが、電源50を収容するように構成された1つ以上の区画を備える、[1]から[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10] 前記第1の保管コンテナ9aは、過熱された電源104を安全に収容するための火災抑制材料102を備える火災抑制コンテナ100を備える、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] 格子フレームワーク構造1上の積荷取扱デバイス31内の電源50を交換するためのシステムであって、
i)第1の方向に伸張する軌道の第1のセット17と、第2の方向に伸張する軌道の第2のセット19とを備える軌道システム13を備える格子フレームワーク構造と、前記第2の方向は前記第1の方向に実質的に垂直であり、前記軌道システム13は実質的に水平面に伸長し、複数の格子セル14を備える格子パターンを形成し、
ii)前記軌道システム13を支持する複数の直立コラム3と、
iii)前記軌道システム13の下に位置する複数の保管コラム10に配置された保管コンテナ9の複数のスタック11と、
iv)前記軌道システム13上で前記積荷取扱デバイス31を移動させるための電力を供給するための第1の電源50aを備える積荷取扱デバイス31と、
v)第1の格子セル14a内の第1の保管コンテナ9aと、
vi)前記積荷取扱デバイス31のための第2の電源50bを収容する第2の保管コンテナ9bと、前記第2の保管コンテナ9bは第2の格子セル14b内に配置され、
vii)電源50を積荷取扱デバイス31から取り外す/積荷取扱デバイス31に挿入するように構成されたピッキング手段とを備える、システム。
[12] [1]から[10]のいずれか一項に記載の方法を実行するために前記ピッキング手段を制御するように構成された制御システムをさらに備える、[11]に記載のシステム。
[13] 前記ピッキング手段は、ロボットベース72と、前記ロボットベース72に結合されたロボットアーム74とを備えるロボット70を備え、前記ロボットベース72は、前記軌道システム13の第3の格子セル14c上に配置される、[11]または[12]に記載のシステム。
[14] 前記ロボットベース72は、前記第3の格子セル14cに取り付けられる、[13]に記載のシステム。
[15] 前記ロボットベース72は、車輪アセンブリを備え、前記格子フレームワーク構造1の前記軌道システム13上を移動するように構成される、[13]に記載のシステム。
[16] 第1のコンテナ9aは、過熱された電源104を安全に収容するための火災抑制材料102を備える火災抑制コンテナ100である、[11]から[15]のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】