(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】内視鏡の位置決めのためのワイヤレスデバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61B17/11
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543920
(86)(22)【出願日】2023-02-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2023012796
(87)【国際公開番号】W WO2023154455
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】サエンス ビラロボス、ゴンサロ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ルー フックス、ジャン フランコ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB05
4C160MM43
4C160NN01
(57)【要約】
第1の解剖学的構造内の標的部位に展開可能であり、かつ第2の解剖学的構造内から識別可能なロケータシステム。ロケータシステムは、信号発生器及び組織係合部材を含む。組織係合部材は標的部位の組織に係合し、これにより送達システムは、標的部位の組織に組織係合部材が係合した状態で、ロケータシステムの位置を乱すことなくロケータシステムを送達し、また、引き抜かれることができる。信号発生器は、バッテリや電波などの無線エネルギ源によって電力を供給され得る。ロケータシステムは、患者の腸内の標的部位に展開され、患者の胃内から識別され、胃と標的部位との間に吻合部を作成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的部位で処置を行うためのシステムであって、前記システムは、
ビーコン及び組織係合部材を含むロケータシステム、
前記ロケータシステムを第1の解剖学的構造の標的部位に送達及び展開するように構成された送達システム、及び
前記ロケータシステムとは別個に送達可能な、標的部位で処置を行うための器具を含み、
前記ロケータシステムは、標的部位に送達され、前記組織係合部材が標的部位の組織と係合すると、前記送達システムから分離可能である、システム。
【請求項2】
前記ビーコンは無線エネルギ源によって電力供給されるライトである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記組織係合部材は前記ビーコンから離れるように延びており、組織に係合することで前記ビーコンを前記標的部位に対して保持するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記組織係合部材は、一対の把持アーム又は組織内に埋め込み可能な先端部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
第2の解剖学的構造に送達可能であり、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の組織を通して前記ビーコンを識別できる視覚化システムをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
可撓性の長尺管状部材を含む送達デバイスをさらに含み、前記可撓性の長尺管状部材内で前記ロケータシステムを標的部位に送達可能であり、前記器具は前記送達デバイス内で第2の解剖学的構造に送達可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
貫通した管腔を有するステントであって、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を通って延びるように構成された前記ステントをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を標的部位で並置して保持するように構成された組織アプロキシメーターをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記組織アプロキシメーターは、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を標的部位で並置して保持するために、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を通って延長可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間に吻合部を形成するための貫通した管腔を有するステント、又は、標的部位の第1の解剖学的構造の組織及び第2の解剖学的構造の組織を貫通して延びて第1の解剖学的構造の組織を第2の解剖学的構造の組織と並置した状態で保持する組織アプロキシメーターのうちの少なくとも1つを含む吻合システムをさらに含み、
前記ロケータシステムは、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の開口部を通して取り外し可能であるか、又は標的部位から剥がれて体内から自然に排出される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記吻合システムは、ステントと、前記ステントに隣接する組織アプロキシメーターの両方を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記組織アプロキシメーターは、第1の解剖学的構造内に延びる第1の拡張されたアンカー端部と、第2の解剖学的構造内に延びる第2の拡張されたアンカー端部とを含み、前記組織アプロキシメーターの第1及び第2の拡張された端部は、第1の解剖学的構造の組織と第2の解剖学的構造の組織とを並置して保持するように構成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記器具は、少なくとも第2の解剖学的構造の組織に開口部を切り込むことができる切断ツールと、第2の解剖学的構造の前記開口部を通って延びて第1の解剖学的構造を把持し、第1の解剖学的構造を第2の解剖学的構造と並置するように引き寄せることができる把持ツールとを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記吻合システムは、第2の解剖学的構造に送達可能であり、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の組織を通して前記ビーコンを識別可能な視覚化システムをさらに含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ロケータシステムは第1の解剖学的構造から取り外し可能である、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、体内で使用する医療デバイスの分野に関する。特に、本開示は、内視鏡処置で使用するための医療デバイス、システム、及び方法に関する。さらに具体的には、本開示は、体内の標的部位の位置の識別を容易にするなど、体内でのデバイスの位置決めを容易にする医療デバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体内から解剖学的構造、デバイス、及び/又は1つ以上のデバイスを含む解剖学的構造を視認、配置、及び操作することは困難な場合がある。体内の処置中、例えば体管腔内での内視鏡処置(身体を切開するものではない)中に、医療専門家は身体の特定の解剖学的構造や身体内でのその位置を外部から特定する必要がある場合がある。照明の欠如又は照明量の少なさ、及び/又は介在する解剖学的構造、及び/又は身体の様々な部分の形状及び/又は構造のために、身体の所望の解剖学的構造及び/又は身体内でのその位置を特定することが困難な場合がある。例えば、腸などの体管腔内での処置では、体外から区別することが難しい長い解剖学的領域が現れることがある。身体内に、様々な位置特定デバイスが設けられる場合がある。しかしながら、そのような位置特定デバイスに関して体内でデバイスを操作すると(例えば、デバイスを操作しながら処置を行う、及び/又は位置特定デバイスの送達デバイスを引き抜くなど)、そのような位置特定デバイスがずれてしまうことにより、そのような位置特定デバイスの目的及び機能が妨げられる可能性がある。
【0003】
これら及びその他の考慮事項に関して、本願の改良は有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示のこの概要は理解を助けるために提供されており、当業者であれば、本開示の様々な態様及び特徴のそれぞれが、場合によっては別々に有利に使用され、又は他の場合には本開示の他の態様及び特徴と組み合わせて使用され得ることを理解するであろう。この概要に要素、コンポーネントなどを含めるか含めないかによらず、請求された主題の範囲が制限されることは意図されていない。
【0005】
本開示の様々な原理によれば、標的部位で処置を行うためのシステムは、ビーコン及び組織係合部材を有するロケータシステム、ロケータシステムを第1の解剖学的構造の標的部位に送達及び展開するように構成された送達システム、及び標的部位で処置を行うための器具を含み、前記ロケータシステムは、標的部位に送達され、前記組織係合部材が標的部位の組織と係合すると、前記送達システムから分離可能である。いくつかの実施形態では、前記処置は吻合部の作成である。いくつかの実施形態では、前記器具は、第2の解剖学的構造に送達可能な切断ツール及び把持ツールを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記ビーコンは無線エネルギ源によって電力供給されるライトである。
いくつかの実施形態では、前記組織係合部材は前記ビーコンから離れるように延びており、組織に係合することで前記ビーコンを前記標的部位に対して保持するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記組織係合部材は、一対の把持アーム又は組織内に埋め込み可能な先端部を含む。
いくつかの実施形態では、前記システムは、第2の解剖学的構造に送達可能であり、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の組織を通して前記ビーコンを識別できる視覚化システムをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記システムは、可撓性の長尺管状部材を含む送達デバイスを含み、前記可撓性の長尺管状部材内で前記ロケータシステムを標的部位に送達可能である。いくつかの実施形態では、前記器具は前記送達デバイス内で第2の解剖学的構造に送達可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記システムは、貫通した管腔を有するステントであって、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を通って延びるように構成された前記ステントを含む。いくつかの実施形態では、前記ステントは、第1の解剖学的構造内の標的部位における第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間に吻合部を形成するための貫通した管腔を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記システムは、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を標的部位で並置して保持するように構成された組織アプロキシメーターを含む。いくつかの実施形態では、前記組織アプロキシメーターは、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を標的部位で並置して保持するために、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を通って延長可能である。いくつかの実施形態では、前記組織アプロキシメーターは、第1の解剖学的構造内に延びる第1の拡張されたアンカー端部と、第2の解剖学的構造内に延びる第2の拡張されたアンカー端部とを含み、前記組織アプロキシメーターの第1及び第2の拡張された端部は、第1の解剖学的構造の組織及び第2の解剖学的構造の組織を並置して保持するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記ロケータシステムは、切断ツールによって切断された組織を通して取り外し可能である。
いくつかの態様では、標的部位で処置を行うためのシステムは、ビーコン及び組織係合部材を有するロケータシステムであって、前記組織係合部材は、第1の解剖学的構造上の標的部位の組織と係合可能である前記ロケータシステムと、標的部位の第1の解剖学的構造の組織及び第2の解剖学的構造の組織を貫通して延びて第1の解剖学的構造の組織を第2の解剖学的構造の組織と並置した状態で保持するステント又は組織アプロキシメーターのうちの少なくとも1つを有する吻合システムとを含み、前記ロケータシステムは、第1の解剖学的構造内の開口部を通して、又は第1の解剖学的構造を貫通して取り外し可能であるか、又は標的部位から剥がれて体内から自然に排出されてもよい。いくつかの実施形態では、前記ステントは、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間に吻合部を形成するための貫通した管腔を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記吻合システムは、ステントと、ステントに隣接する組織アプロキシメーターの両方を含む。
いくつかの実施形態では、前記システムは、第1の解剖学的構造内に延びる第1の拡張されたアンカー端部と、第2の解剖学的構造内に延びる第2の拡張されたアンカー端部とを有する組織アプロキシメーターを含み、前記組織アプロキシメーターの第1及び第2の拡張された端部は、第1の解剖学的構造の組織と第2の解剖学的構造の組織とを並置して保持するように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記吻合システムの前記器具は、少なくとも第2の解剖学的構造の組織に開口部を切り込むことができる切断ツールと、第2の解剖学的構造の前記開口部を通って延びて第1の解剖学的構造を把持し、第1の解剖学的構造を第2の解剖学的構造と並置するように引き寄せることができる把持ツールとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記吻合システムは、第2の解剖学的構造に送達可能であり、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の組織を通して前記ビーコンを識別可能な視覚化システムをさらに含む。
【0015】
本開示の様々な原理によれば、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間に吻合部を形成する方法は、送達システムを使用して第1の解剖学的構造の標的部位にロケータシステムを送達すること、前記ロケータシステムの組織係合部材を標的部位の組織に係合させること、前記送達システムをロケータシステムから分離して前記ロケータシステムを展開すること、及び前記送達システムを前記ロケータシステムから引き抜いて前記ロケータシステムを標的部位の所定の位置に残すことを含み、前記ロケータシステムは前記組織係合部材によって標的部位に対して固定されるため、送達システムの引き抜きによって標的部位に対する前記ロケータシステムの位置が乱されることはない。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記方法は、第2の解剖学的構造内から前記ロケータシステムのビーコンを識別することを含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、予め決定されずに選択又は計算された、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造内の標的部位との間の吻合部を作成することを含む。
【0017】
本開示のこれらの特徴及び利点、ならびにその他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。以下の開示は、態様又は実施形態の観点から提示されているが、個々の態様は、別々に、又はその実施形態又は他の実施形態の態様及び特徴と組み合わせて請求できることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明されるが、添付の図面は概略的なものであり、一定の縮尺で描かれることを意図したものではない。添付の図面は説明のみを目的として提供されており、図面内の数字に反映されている寸法、位置、順序、及び相対的な大きさは変わる場合がある。例えば、デバイスは、詳細が識別できるように拡大され得るが、例えば、送達カテーテル又は内視鏡の作業チャネル内に収まるように縮小されることが意図されている。図面では、同一又はほぼ同一又は同等の要素は通常同じ参照番号で表され、類似の要素は通常100ずつ異なる類似の参照番号で指定され、重複する説明は省略される。明瞭性と簡潔性を目的として、すべての図においてすべての要素に符号が付けされているわけではなく、また、当業者が本開示を理解するために図示が必要ない場合には、各実施形態のすべての要素が示されているわけでもない。
【0019】
詳細な説明は、添付の図面と併せるとよりよく理解できる。図面では、同様の参照文字は、次のように同様の要素を表す。
【
図1】本開示の様々な態様に従って形成され、胃腸環境の概略図に配置された埋め込み型ロケータシステムの実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図1と同様の図であるが、大腸が仮想線で示されており、標的部位に展開されたロケータシステムと、標的部位に到達するための器具を送達する送達システムの実施形態の例を示す。
【
図3】
図2と同様の図を示しており、
図2に示されている器具が送達されて標的部位に到達したところを示している。
【
図4】
図3に示した胃と空腸の部分を、その間の吻合部とともに引き寄せた状態で分けて示した図である。
【
図5】
図4と同様の図であるが、組織アプロキシメーターが胃と空腸の組織壁を並置して保持している図である。
【
図6】本開示の様々な原理に従って形成されたロケータシステムの実施形態の一例が標的部位に送達されたところの斜視図を示す。
【
図7】展開位置にある
図6のロケータシステムの実施形態の一例の斜視図を示す。
【
図8】本開示の様々な原理に従って形成されたロケータシステムの実施形態の一例が、標的部位に送達されるところを示す斜視図を示す。
【
図9】展開位置にある
図8のようなロケータシステムの実施形態の一例の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読む必要がある。本開示は、記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、変化する可能性があることを理解されたい。ここで述べるすべての装置、システム、及び方法は、本開示の1つ以上の原則に従って実装される装置及び/又はシステム及び/又は方法の例である。実施形態の各例は説明のために提供されており、これらの原理を実装する唯一の方法ではなく、単なる例である。したがって、図面内の要素、構造、又は特徴への言及は、本開示の実施形態の例への言及として理解されなければならず、本開示を図示された特定の要素、構造、又は特徴に限定するものと理解されるべきではない。開示された原理を実施する方法の他の例は、本開示を読めば当業者には思い浮かぶであろう。実際、本発明の主題の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示又は説明された特徴を別の実施形態と組み合わせて使用することで、さらに別の実施形態が得られる。したがって、本発明の主題は、添付の請求項及びそれらの均等物の範囲内に含まれるそのような修正及び変更を包含することを意図している。
【0021】
本開示は、本願において様々なレベルの詳しさで説明されていることが理解されるであろう。場合によっては、当業者が本開示を理解するために必要ではない詳細、又は他の詳細を認識するのを困難にする詳細は、省略されることがある。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、添付の請求項の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途定義されていない限り、本明細書で使用される技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているように理解されるものとする。本明細書に開示され、請求されているすべてのデバイス及び/又は方法は、本開示に照らして過度の実験を行うことなく作成及び実施することができる。
【0022】
本明細書で使用される「近位」とは、デバイスの使用時(例えば、デバイスを患者に導入する場合、又は埋め込み、配置、又は送達する最中)にユーザ(医療専門家、臨床医、技術者、オペレータ、医師など、本明細書ではこれらの用語は限定する意図なく互換的に使用され、自動制御システムなどを含む)などに最も近い、及び/又は送達デバイスに最も近い方向又は位置を指し、「遠位」とは、デバイスの使用時(例えば、デバイスを患者に導入する場合、又は埋め込み、配置、又は送達する最中)にユーザから最も遠い、及び/又は送達デバイスに最も近い方向又は位置を指す。「長手方向」とは、要素の長い方又は大きい方の寸法に沿って延びることを意味する。「中心」とは、少なくともほぼ二等分する中心点、及び/又は周囲又は境界からほぼ等距離にあることを意味し、「中心軸」とは、開口部に関して、開口部が例えば管状要素、支柱、チャネル、空洞、又は穴を含む場合に、開口部の長さに沿って長手方向に延び、開口部の中心点を少なくともほぼ二等分する線を意味する。
【0023】
多くの医療処置では、器官や組織壁などの解剖学的構造の位置を特定し、次にその位置に医療器具を送達して、特定された位置(例えば、「標的部位」又は「標的組織」又は「標的組織部位」など)で処置を行うことが必要である。本開示は、そのような位置のいずれにも適用可能であり、そのような指定のいずれかへの参照は、特に明記しない限り、制限する意図なく、他の指定にも適用可能である。解剖学的位置の識別後に処置を行う場合など、識別された位置を後から(例えば、ロケータシステムの送達システムが除去された後)、及び/又は体内の別の位置から特定できることが望ましい場合がある。行われ得る処置の非限定的な例としては、組織壁(例えば、体管腔壁又は器官の壁)を、例えば別の組織壁(例えば、体管腔壁又は器官の壁)に対して、所望の位置に移動させることを伴う様々な医療処置が挙げられる。例えば、第1の器官又は構造(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、又は腹腔など)を通して胃腸管(GI管)に進入させ、隣接する器官又は管腔又は組織構造(GI管の隣接部分、胆管、膵管、胆嚢、膵臓、嚢胞、仮性嚢胞、膿瘍など)にアンカー又はステントを送達することにより、様々な処置を行うことができる。通常、アクセスを確立するための第1の組織壁(例えば、器官の壁又は第1の体管腔)と、処置の標的に沿った、又はその標的に隣接する、又はその標的のところにある第2の組織壁(例えば、器官の壁又は第2の体管腔)の両方を貫通する必要がある。ステント又はその他の組織アンカーは、処置の指示に従って、組織壁を並置状態に維持するため、及び/又は吻合部を作成するためなど、隣接する体管腔、器官、又はその他の構造の間に展開され得る。組織アンカーは、ステントに加えて、ステントが展開される前などに隣接する組織又は器官を固定するために使用することができ、ステントが展開された後も所定の位置に残されることがある。
【0024】
内視鏡処置は、胃腸吻合術を通じて胃と腸の特定の部分との間に吻合部などの接続を作成するために使用されてきた。例えば、胃と小腸(十二指腸の遠位部又は空腸を伴う)との間に、例えば幽門から約150cm以上の吻合部を形成するなどして十二指腸の一部をバイパスすることで、疾患の症状が改善される場合がある。胃出口閉塞の場合、胃空腸吻合術は、閉塞/機能不全を起こした十二指腸の下/遠位の空腸に胃の内容物を排出する目的で行われる。胃空腸吻合術は、胃と空腸の間に吻合部を形成して十二指腸を迂回し、望ましい代謝効果をもたらすことで、代謝性疾患の患者にとって、侵襲性が最小限で、おそらくは可逆的な治療選択肢となり得る。この方法では、十二指腸部分での胃の内容物(例えば、食物や他の栄養素)の吸収が回避され、そのような内容物が胃から小腸を通って移動する際に、そのような内容物からの栄養素が吸収されないか、又は摂取又は吸収が遅れる可能性があり、患者の体重減少が促進され、2型糖尿病の制御又は解消が期待できる。
【0025】
胃腸吻合や体内の他の処置は、内視鏡(胃鏡又は腹腔鏡)又は開腹手術のいずれかの外科手術によって行われ得る。胃腸吻合などの内視鏡処置には、胃腔を介して腸内などの所望の位置(本明細書では「標的部位」又は「標的組織部位」と呼ぶ場合がある)を内視鏡的に特定する必要があることなど、様々な課題がある。超音波及び/又は透視検査は、解剖学的壁(例えば、胃壁及び腸壁)を透過した画像を提供する。しかし、超音波は組織の画像化には役立つが、組織の識別に使用される無機材料は超音波では容易に画像化できない可能性がある。透視法は、医療器具の材料となるような高密度の材料を観察するのに適しているが、透視法で使用する造影剤は標的組織の位置を特定する間に消散することがあり、そのため再注入が必要になる場合がある。
【0026】
別の解決策としては、次のように動作する複数のデバイスが挙げられる。まず、可撓性の長尺部材(ガイドワイヤや管状要素など)の遠位端にライトを備えたビーコンシステムを、内視鏡などを使用して、処置の所望の位置(例えば、腸と胃の接続を作成しようとする場所)に挿入する。内視鏡を引き抜き、ライトをそのまま残す。次に、内視鏡を体内に再挿入し(例えば、遠位端にライトが付いた可撓性の長尺部材と平行に)、胃壁や腹膜を切開するなどの処置を行うための1つ以上の器具を挿入する。ライトを視覚化し、又は他の方法で位置を特定して、処置の標的部位を識別することで、処置を所望の標的部位で行うことができる。例えば、腹膜内に入ったら、医師は腸壁の外側から見える小腸内のライトの助けを借りて、小腸の目的の部分の位置を特定する。小腸の外側を掴んで胃と合体させる。次にステントを展開して小腸と胃をつなぐことで、吻合部を形成する。
【0027】
ライトを使用して処置の標的部位を特定する上記の解決策にも、いくつかの課題がある。例えば、処置の初期段階では、ガイドワイヤを所望の位置に配置した後、体内のライトの位置を所望の位置に保ちながら内視鏡を体から引き抜く必要がある。ライトを元の所望の位置に維持するために、内視鏡の引き抜きは、ライトが配置されている可撓性の長尺部材の前進と調整する必要がある。そのような処置は、正確に実施することが困難な場合があり、ライトの最終的な位置、ひいては処置を行うための1つ以上の器具を進める位置(例えば、胃との吻合部が形成される小腸の部分)に影響を与える傾向があり、これは処置の成功にとって重要な要素である。
【0028】
本開示は、最初にロケータシステムでの処置の標的部位を特定し、標的部位にロケータシステムを展開し、次にロケータシステムの位置を特定して、ロケータシステムによって特定された目的の標的部位で処置を行うことによる、体内で内視鏡、腹腔鏡、及び/又は開腹手術などの処置を行うのに有用なデバイス、システム、及び方法に関する。いくつかの態様では、デバイス、システム、及び方法は、胃空腸吻合などの吻合部を作成するために使用され得る。例えば、本明細書に記載のデバイス及びシステムは、患者の胃腸系内の所望の位置を確実かつ繰り返して特定することにより、例えば、トライツ靭帯の近位又は遠位又は隣接部などの空腸内の位置を識別することにより、胃空腸吻合の配置を支援することができる。さらに、本明細書に記載のデバイス及びシステムにより、医療専門家は、胃空腸吻合手術中に胃及び小腸の一部の位置を特定し、掴み、保持し、及び/又は切断することが可能になる。任意選択で、開口部が作成された胃と空腸の壁を橋渡しするバイパスにステント又はその他の導管を配置することもできる。ステント又は導管は、吻合部を確立し、又は吻合部が安定するまで開いたまま維持するのに役立ち得る。ステントはその後除去されてもされなくてもよい。
【0029】
本開示の様々な原理は、本明細書に開示されるロケータシステム及びロケータシステムの送達及び展開システムを使用して患者の体内で他の処置を行うためのデバイス、システム、及び方法に適用できることが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、胃腸系に関して説明されているが、本開示によるデバイス、システム、及び方法は、組織(例えば、体管腔及び/又はその他の敏感な組織構造)の把持、操作、又は切断を伴うものなどであるがこれらに限定されない他のあらゆる処置で使用するのに有利であり得ることが理解され得る。さらに、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、組織の選択的な位置が他の組織壁を通過する、及び/又は見えないなどの、解剖学的構造の他の領域でも使用できることが理解されるべきである。
【0030】
本開示の様々な原理によれば、ロケータシステムは標的部位に配置され、展開時に送達システムから分離されるため、ロケータシステムを所望の位置に維持しながら内視鏡の除去を調整する必要がなくなる。いくつかの態様では、ロケータシステムは、ロケータシステムを標的部位に送達して取り付け、体内の所望の位置にロケータシステムを展開する送達システムを用いて送達される。その後、展開デバイスを含む送達システムを除去し、標的部位の組織と係合したロケータシステムのみを所定の位置に残すことができる。任意選択で、標的部位に対して処置(例えば、吻合)が行われる前又は後に、ロケータシステムを回収可能である(例えば、新しく作成された吻合経路を通じて)。ロケータシステムは、標的部位の位置を特定するため身体の他の部分の内部から識別可能な信号発生器と、ロケータシステムを標的部位に対して所定の位置に保持する組織係合部材を含む。保持する、固定する、確保する、維持するなどの用語は、限定する意図なく、本明細書では互換的に使用され得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、組織係合部材は信号発生器から離れるように延びており、組織に係合して信号発生器を標的部位に対して保持するように構成されている。本明細書では、信号発生器、ロケータ、リモートデバイス、ビーコン、ガイド、信号、エミッタ、ライトなどについて、限定する意図なく互換的に言及され得ることが理解されるであろう。さらに、「~に」という表現は、特に明記しない限り、~の付近(例えば、~に沿って、~に隣接してなど)を含むことを意図していることが理解されるであろう。
【0031】
本開示の様々な原理によれば、ロケータシステムは、ロケータシステムを送達及び展開する送達及び展開システムから分離可能に構成される。例えば、ロケータシステムは、近位の位置(体外を含むがこれに限定されない)から標的部位まで延びるコンポーネントなど、ロケータシステムに対して近位に延びる他のコンポーネントに取り付けられないように構成され得る。ロケータシステムは、様々な組織係合部材のいずれかを使用して、標的部位の組織と係合することができる。例えば、ロケータシステムが配置される標的部位の組織を掴むように構成された組織係合部材は、一対のアーム又はジョー、又は組織内に埋め込むことができるアンカーチップ(コルクスクリュー型チップ)、又は当業者に既知又はこれまでに知られている他の形態の組織係合構造などによる挟み込み又は把持によって実行できる。いくつかの実施形態では、組織係合構造は信号発生器の端部から延びており、組織(例えば、標的組織)と係合することで、信号発生器を組織係合構造及び組織から遠ざかった位置に保持する(例えば、信号発生器の干渉がない)ように構成されている。組織係合部材は、本明細書では、組織留め具又はクリップ、あるいは他の機械的固定デバイス(例えば、止血クリップ、クランプ、グラスパー、バスケット、グリッパー、磁石、接着剤など)として参照されることもあるが、これらに限定されないことは理解されるであろう。さらに、結合する、係合する、掴む、保持する、留める、挟む、固定する、取り付ける、付ける、係留するなどの用語(及びそれらの他の文法形式)は、限定する意図なく本明細書では互換的に使用され得ることが理解されるであろう。さらに、標的部位で組織係合部材によって係合される組織は、行われる処置及び使用される技術及び医療専門家の指定に応じて、吻合などの処置が行われる位置か、又はそのような処置の遠位側又は近位側にあり得ることが理解されるであろう。
【0032】
ロケータシステムには、腸壁や胃壁などの組織を通して検出することができる信号発生器(ここでは、限定する意図なく「ビーコン」と呼ぶことがある)を含む。いくつかの実施形態では、ビーコンは発光ダイオード(別名「LED」)などのライトである。いくつかの実施形態では、ロケータシステムの信号は無線である。例えば、ビーコンは、体内の異なる位置に配置されているなどの別のデバイスによって検出される信号を発し、そのような他のデバイスを標的組織部位まで誘導するのを支援することができる。信号の生成と発信は、患者の体内に配置できる電源(例えば、生体適合性、小型、安全なものなど)を必要とし得る。本開示の様々な原理によれば、ビーコンは無線であり、ロケータ送達デバイスから分離可能であるため、ロケータ送達デバイスの取り出しがロケータシステムの所望の位置決めを妨げない。ビーコンは、無線エネルギ源、又はロケータシステムによって運ばれるかロケータシステム内に組み込まれた小型エネルギ源によって電力を供給される。
【0033】
体内で位置を特定するためのデバイス、システム、及び方法の様々な実施形態を、添付の図面に示す例を参照して以下に説明する。本明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などの言及は、本開示の原理に従った1つ以上の特定の特徴、構造、概念、及び/又は特性がその実施形態に関連して含まれる可能性があることを示す。ただし、そのような言及は、必ずしもすべての実施形態がその特定の特徴、構造、概念、及び/又は特性を含むこと、又は実施形態がすべての特徴、構造、概念、及び/又は特性を含むことを意味するものではない。いくつかの実施形態は、そのような特徴、構造、概念、及び/又は特性の1つ以上を様々な組み合わせで含み得る。1つの実施形態を参照して説明した特徴、構造、概念、及び/又は特性の1つ以上は、本明細書で提供される他の実施形態のいずれかの特徴、構造、概念、及び/又は特性の1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。つまり、本明細書に記載された特徴、構造、概念、及び/又は特性のいずれかを組み合わせてハイブリッド実施形態を作成することができ、そのようなハイブリッド実施形態は本開示の範囲内である。さらに、本明細書の様々な箇所での「1つの実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などの言及は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照しているわけではなく、また、別個の又は代替の実施形態が必ずしも他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。さらに、開示された実施形態の様々な特徴、構造、概念、及び/又は特性は、互いに独立して分離されており、代替実施形態を作成するために、個別に又は互いに様々な組み合わせで使用又は提示される可能性があり、それも本開示の一部とみなされることも理解されるべきである。したがって、特徴、構造、概念、及び/又は特性の多数の可能な組み合わせ及びサブコンビネーションのすべてを説明するのは煩雑すぎるため、本開示は、本明細書に具体的に記載された実施形態のみに限定されず、本明細書に開示された実施形態の例は、本開示のより広範な態様を制限することを意図したものではない。
【0034】
図面では、共通の特徴は共通の参照要素によって識別され、簡潔さと利便性のため、また限定する意図なしに、共通の特徴の説明は通常は繰り返されないことが理解されるであろう。明確にするために、同じ参照番号を有するすべての構成要素に番号が付けられているわけではない。さらに、類似の要素のグループは数字と文字で示される場合があり、数字のみ(各類似の要素に関連付けられた文字を含めない)によって、1つの要素又はそのような要素、あるいはグループとしてのそのような要素を全体的に参照する場合がある。以下の説明では、参照番号が1000未満の様々な図示された実施形態間で類似する要素又はコンポーネントは、通常、同じ参照番号に100の倍数を加えて指定され、簡潔にするために重複する説明は通常省略されることが理解されるであろう。さらに、ある実施形態の特定の特徴は、異なる実施形態にわたって使用される場合があり、異なる実施形態に現れるときに必ずしも個別にラベル付けされるわけではない。
【0035】
次に図面を参照すると、ロケータシステム100及びロケータシステム100を標的部位TSに送達するように構成された送達システム1000の実施形態の一例が、
図1の胃腸系の概略図において示されている。本開示の原理は、他の解剖学的部位及び構造にも適用できることが理解されるであろうが、便宜上、そして限定する意図なしに、胃腸の位置及び構造を参照する。図示の環境例では、ロケータ送達システム1000は、自然開口部経管腔的視鏡手術(NOTES)処置(例えば、鼻又は口から食道へ)を介して胃Sに挿入され、幽門Pを通過し、十二指腸Dに挿入される。ロケータシステム100は、通常ロケータ送達システム1000の遠位端1001で送達され、ロケータ送達システム1000によって、ロケータシステム100の所望の標的部位TSまで進められる。ロケータ送達システム1000及びロケータシステム100は、ロケータ送達システム1000の近位端にある制御ハンドルを使用して前進させることができる(図示されていないが、これは当業者に知られている任意の適切な制御ハンドルであってよく、その詳細は本開示を限定するものではなく、重要でもない)。GI系を通る蠕動運動も、ロケータ送達システム1000及びロケータシステム100の前進に役立ち得る。
図1に示す環境の例では、標的部位TSは空腸Jにあり、例えばトライツ靭帯LTに隣接しているか、近位、又は遠位にある。空腸Jの一部が、空腸Jと胃Sとの間の吻合部が形成される幽門Pから距離をおいた「標的部位TS」として選択され得る(例えば、医療専門家によって決定される)。ロケータ送達システム1000は、当業者に知られている光学/視覚化要素(例えば、カメラ、スコープ、光ファイバー、蛍光透視法などであり、これらの詳細は、本開示を限定するものではなく、重要でもない)の使用などにより、標的部位TSの識別及び選択を支援することができる。ロケータシステム100は、ロケータ送達システム1000によって標的部位TSまで進められる。ロケータシステム100が標的部位TSに到達すると、ロケータシステム100が展開され、ロケータ送達システム1000はロケータシステム100から引き抜かれ得る。次に、標的部位TSと胃Sの一部(好ましくは空腸J内の標的部位TSの近く)との間に吻合部を作成するための器具が、NOTES処置などを通じて胃Sに挿入され得る。これについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0036】
図1に示す実施形態の例では、ロケータ送達システム1000は、身体を通して標的部位TSに送達することができる可撓性の長尺送達部材1110を含む。可撓性の長尺送達部材1110は、(開腹手術技術による場合とは対照的に)体内を介したデバイスの経管腔送達のために当業者に知られている可撓性の長尺管状部材(例えば、シャフト、カテーテル、内視鏡など)内の管腔を通して送達され得る。いくつかの実施形態では、可撓性の長尺送達部材1110は、標的部位TSの位置を容易に特定するための視覚化及び/又は画像化機能を備えた内視鏡(図示せず、ただし、
図3及び
図4に概略的に示すように、当業者に知られている様々な内視鏡のいずれであってもよい)を介して送達される。可撓性の長尺送達部材1110の遠位端1111は、標的部位TSへの送達中にロケータシステム100が可撓性の長尺送達部材1110から外れることなくロケータシステム100を標的部位TSに送達するために、ロケータシステム100にしっかりと係合するように構成されている。可撓性の長尺送達部材1110は、ロケータシステム100を解放して標的部位TSでロケータシステム100を展開し、ロケータ送達システム1000をそこから引き抜くことができるように構成することもできる。いくつかの実施形態では、別個のコントローラ1120がロケータシステム100と作動可能に係合することで、標的部位TSの標的組織に対するロケータシステム100の動きを制御する(例えば、ロケータシステム100を標的部位TSに対して係合及び/又は固定する)。いくつかの実施形態では、コントローラ1120は、可撓性の長尺送達部材1110を通る管腔を通って延び、ロケータシステム100と作動可能に係合する追加の可撓性の長尺部材である。コントローラ1120は近位端を有してもよく、この近位端を介してコントローラの動きがロケータシステム100に伝達される。コントローラ1120は、ロケータシステム100の要素と解放可能かつ作動可能に係合することができるため、ロケータシステム100が展開された後は、コントローラ1120をロケータシステム100から取り外すことができる。
【0037】
本開示の様々な原理に従って、ロケータシステム100は、ロケータ送達システム1001の遠位端1001から遠位方向に延び、ビーコン110及び組織係合部材120を含む。ビーコン110は、解剖学的組織を通して位置を特定できる信号を発する様々なデバイスのいずれかである。いくつかの実施形態では、ビーコン110は1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。組織係合部材120は、組織を把持するように構成されており(
図5、
図6、
図7、及び
図8を参照して以下でさらに詳しく説明する)、これにより、ビーコン送達システム1000が標的部位TSから引き抜かれる間、ロケータデバイスのビーコンは標的部位TSの所定の位置に留まる。いくつかの実施形態では、組織係合部材120は、ロケータ送達システム1000からロケータシステム100の遠位端101に向かって遠位に延びている。したがって、ロケータ送達システム1000は、標的部位TSで標的組織に係合する準備が整った位置にあるロケータシステム100を送達する。
【0038】
ロケータシステム100が標的部位TSに送達されると、その組織係合部材120が作動して、標的部位TSの組織又は標的部位TSに沿った組織と係合する。次に、ロケータシステム100はロケータ送達システム1000から解放され、標的部位TSに展開され得る。次に、ロケータ送達システム1000は標的部位TS(例えば、第1の解剖学的構造)から引き抜かれ得る。次に、
図2に示すような処置器具送達システム2000が、例えばNOTES処置を通じてGI系に挿入され、胃Sに挿入され得る。処置器具送達システム2000は、ロケータ送達システム1000にあるものと同様の共通の送達コンポーネントを含み得ることが理解されよう。例えば、内視鏡は、ロケータ送達システム1000と同様に送達システム2000でも使用できる。送達システム2000は、ロケータシステム100のビーコン110を視覚化して標的部位TSの位置を特定できる視覚化システムを含む。例えば、送達システム2000は、カメラ付きの内視鏡など(例えば、結腸鏡)や、当業者に既知の又はこれまでに知られているその他の視覚化システムなどを含み得るが、その詳細は本開示の原理を限定するものではなく、重要でもない。標的部位TSの位置が特定されると、送達システム2000によって様々な器具、ツール、デバイスなど(これらの用語は、限定する意図なく、本明細書では互換的に使用される)が送達され、標的部位TSと胃Sに沿った適切な位置との間に吻合部が形成される。
【0039】
例えば、
図2に示すように、送達システム2000によって切断ツール2010が送達され、標的部位TSの領域内の胃Sの壁を貫通する開口部が(ビーコン110によって誘導されて)作成される。本明細書において、「切断」という用語は、開口部を作成するという広い意味で理解されるべきであり、「切断ツール」は、刃、焼灼ツール(例えば、焼灼刃付き)、針、はさみ、アブレーションデバイス、その他のエネルギ送達デバイスなどの、組織に開口部を作成できる当業者に知られている任意のツールとして理解されるべきであり、本開示は、切断を、その用語の狭義の意味に特に限定されるものではないことが理解されるであろう。把持ツール2020(エンドエフェクタ、クリップ、スネアなど、組織を把持できることが当業者に知られている任意のグラスパー)は、送達システム2000によって送達され(例えば、切断ツール2010が送達された作業チャネルを介して、及び切断ツール2010を引き抜いた後、又は送達システム2000の別の作業チャネルを介して、又は切断ツール2010の一部として、あるいはその他の方法で)、
図3に示すように、切断ツール2010によって切り込まれた胃Sの穴を通して延長される。把持ツール2020は、空腸Jに向かって伸展され、空腸Jの標的部位TS(ロケータシステム100によって識別される)を含む部分を把持し、空腸Jのその部分を胃Sに引き寄せる。空腸Jは、胃Sに対して所定の位置に保持され、当業者に既知又はこれまでに知られている任意の所望の方法で、それらの間に吻合部が形成され得る。
【0040】
例えば、いくつかの実施形態では、吻合システム2030を空腸Jと胃Sの近接部分に送達して、それらの間に吻合部を形成することができる。
図4に示すように、いくつかの実施形態では、吻合システム2030は、空腸J及び胃Sの近接部分を一緒に保持し(例えば、空腸J内の保持部材2034、及び胃S内の保持部材2036を使用)、それらの間に(例えば、ステント2032を通る内腔2035を介して)吻合部を形成するように構成されたステント2032を送達することができる。いくつかの実施形態では、ステント2032は、切断ツール2010によって形成された開口部を通して展開され得る。
図5に示すようないくつかの実施形態では、空腸J及び胃Sは、組織アプロキシメーター2040によって密着した状態で保持され、そのような組織壁を通してステント2032を展開して吻合部を形成する(
図4に示す実施形態の例に関して上記で説明したように)。いくつかの実施形態では、組織アプロキシメーター2040は、近接する組織壁を貫通して延び、空腸J内の拡張された組織固定端2044及び胃S内の拡張された組織固定端2046などによって、組織壁を並置して保持するように構成される。
図4に示す組織アプロキシメーター2040の実施形態の例は、送達システム2000及び/又は吻合システム2030(これらは、いくつかの特徴及び/又は構造を共有することができる)によって送達することができる。いくつかの実施形態では、組織アプロキシメーター2040は、切断ツール2010によって形成された開口部を通して展開される。このような場合、吻合システム2030は、組織アプロキシメーター2040に隣接する空腸J及び胃Sの近接する壁に開口部を作成するための切断ツール2010と、そこを通してステント2032を展開するための展開デバイスとを含み得る。
【0041】
本開示の様々な原理に従って形成されたロケータシステムは、永久的に埋め込まれる必要がないことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、吻合が完了する前又は完了した後にロケータシステムを回収することができる。例えば、ロケータシステムは、自然の開口部(例えば、そこを介してロケータシステムが送達され、展開される)又は切断ツール2010によって標的部位TSの領域に作成された開口部を介して回収され得る。いくつかの実施形態では、空腸Jと胃Sとの間の吻合部が形成されると、ロケータシステム100は(例えば、最後のステップとして)除去されてもよく、したがって、
図4及び
図5に示すように、任意選択で存在しない場合もある。したがって、生物学的適合性は、埋め込み型デバイスに必要なほど厳密ではない。
【0042】
本開示の様々な原理に従って形成され、上記のように使用されるロケータシステム200、300の実施形態の例が、
図6、
図7、
図8、及び
図9にさらに詳細に示されている。
【0043】
図6及び
図7に示すように、ロケータシステム200の実施形態の一例は、組織係合部材220と結合されたLEDの形態のビーコン210を有し、組織係合部材220は、ロケータシステム200の遠位端201から延びて標的部位TSの組織に係合する一対の把持アーム222、224(限定する意図なく、ジョーとも呼ばれる)を有する。いくつかの実施形態では、組織係合部材220は、部分的に展開された後に再配置可能である。例えば、組織係合部材220は、第1の構成のときに組織と解放可能に係合し(例えば、係合状態に閉じるが、ロックされない)、第2の閉じた構成のときに組織との係合が解除されないようにロックされるように構成され得る。いくつかの実施形態では、把持アーム222、224は、それらの間にある標的部位TSの組織に係合するために互いから離れるように選択的に移動可能であり、係合した標的組織を把持するために互いに近づくように選択的に移動可能である。把持アーム222、224は、ヒンジで連結されてもよいし(例えば、一体になるように)、別々に形成されて、例えば、ピボットポイントを中心に回転可能であるなど、互いに対して移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、把持アーム222、224は離れるように偏向され、カプセル230内に引き込まれることによって、一緒にそれらの間の組織を把持する。把持アーム222、224は、把持アーム222、224の端部及び/又は縁部に沿って、鋸歯状又は小さい丸い歯のついた外形又は歯などの1つ以上の追加の把持機能を有してもよい。
【0044】
図1に示すロケータシステム100の実施形態の例を参照して上述したように、ロケータシステム200は、送達システム1000から解放されて、標的部位TSの組織に係合するように展開されるように構成されている。いくつかの実施形態では、ロケータシステム200は、組織係合部材220に係合して把持アーム222、224の動きを制御するコントローラ(当業者に知られているようなコントローラであり、その詳細は本開示を限定するものではなく、本開示にとって重要でもない)に結合されている。いくつかの実施形態では、組織係合部材220は、そのようなコントローラから解放可能であり、それによって、ロケータシステム200も送達デバイス1000から解放される。例えば、コントローラは、送達システム1000内を移動可能に延び(例えば、軸方向の移動又は回転により把持アーム222、224の開閉及びその他の動きを制御する)、壊れやすい接続を介して把持アーム222、224と係合することができる。このような接続は切断され、及び/又は閾値圧力が加えられてジョイント(例えば、ボールとヨーク)接続が分離され、組織係合部材220及びロケータシステム200がコントローラ及び送達システム1000から分離される。そのような実施形態では、ロケータはロケータシステム200の近位端203を通って延び、例えばビーコン210を貫通することにより組織係合部材220に係合する。
図6及び
図7に示すロケータシステム200の実施形態の例を解除してロケータシステム200を展開する他の方法も、本開示の範囲及び趣旨に含まれることは理解されるであろう。
【0045】
本開示は、組織係合部材の特定の形態又は構成に限定されないことが理解されるであろう。例えば、
図8及び
図9に示すロケータシステム300の実施形態の例では、その組織係合部材320は、螺旋状又はコルクスクリュー状のアンカーなど、組織に埋め込まれるように(例えば、別の先端又はアームとは独立して固定されるように)構成された先端の形状であり得る。組織係合部材320は、ビーコン310から遠位方向に延びており、ロケータシステム300の遠位端301に組織貫通端部321を有し得る。組織貫通端部321は、標的部位TSに係合し、例えば回転させることにより標的部位TSを貫通する。いくつかの実施形態では、送達システム1000は、組織係合部材320と係合して、組織係合部材320に回転を与えることで標的部位TSの組織に固定する。いくつかの実施形態では、コントローラが送達システム1000を通って(及び任意選択でビーコン310も通って)延びて、組織係合部材320と作動可能に係合し、組織係合部材320を回転させることで標的部位TSの組織に固定する。組織係合部材320が標的部位TSの所定の位置に固定されると、送達システム1000(及び備えられている場合はコントローラ)は、組織係合部材320及びロケータシステム300から解放されることでロケータシステム300を展開する。例えば、送達システム1000をロケータシステム300から軸方向に引き込むと、それらの間の干渉嵌め合いが解除され得る。リブなどの係合要素を送達システム1000(及び/又は送達システム1000によって送達されるコントローラ)の間に設けて、送達システム1000(及び/又はコントローラ)から組織係合部材320に回転を伝達することができ、この場合でもロケータシステム300からの軸方向の取り外しを可能にすることができることは理解されるであろう。
図8及び
図9に示すロケータシステム200の実施形態の例を解除してロケータシステム300を展開する他の方法も、本開示の範囲及び趣旨に含まれることは理解されるであろう。
【0046】
本開示の様々な原理に従って形成された信号発生器は、無線エネルギ源を含むことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、信号発生器は、LEDを点灯させるための小型トランスポンダを含む。いくつかの実施形態では、トランスポンダは外部で生成された電磁エネルギによって通電される。例えば、トランスポンダは、RFID(無線周波数識別)技術に使用される機能原理に基づいていてもよい。RFIDシステムは、本開示のロケータシステムのビーコン内のRFIDタグと、外部RFIDリーダを含み得る。RFIDタグは、アンテナ付きのトランスポンダチップ、及びアンテナ付きの外部RFIDリーダを有し得る。RFIDリーダは、タグによって受信され実行される命令(例えば、無線波を経由して)を送信するために使用できる。例えば、RFIDリーダは、タグ内に内部エネルギ源がなくても、(エネルギを収集する)RFIDタグをアクティブにする電磁エネルギを生成し得る。現在のトランスポンダ技術は、体内でこの種の技術が機能できるほど十分に小さいサイズで製造できることが証明されている。当業者であれば理解できるように、RFID技術の他の応用も使用できる。
【0047】
いくつかの実施形態では、組織係合部材を備えた遠隔(ワイヤレス)LEDは、バッテリなどの携帯可能な小型エネルギ源によって電力を供給される。バッテリはロケータ内又はロケータによって運ぶことができる。ロケータが処置を開始する前に可撓性の長尺送達部材の遠位端を通して前方に装填され、必要に応じて標的部位まで進められる場合、バッテリは可撓性の長尺送達部材(例えば、内視鏡)内に収まる必要はない。バッテリはカプセル化され、それによって本体から隔離されてもよい。バッテリは、処置の通常の継続時間中、LEDを点灯するのに十分な電力を供給する必要があるが、処置の終了時にロケータが取り外された場合は、そのような継続時間を超えて電力を供給する必要はない。許容されるバッテリの例としては、長さ約20mm未満及び/又は直径約3mm未満など、経管腔的に(例えば内視鏡的に)送達されるように寸法が決められたリチウムイオン電池が挙げられる。LEDの電圧要件が低いことと使用期間が短いことを考慮すると、他の回路の選択肢としては、典型的なバッテリよりもさらに小さいコンデンサをエネルギ源として使用することが挙げられる。
【0048】
上記を考慮して、本開示は、ロケータシステムを妨害することなく、すなわち、ロケータシステムが標的部位に展開された位置に影響を与えることなく、送達システムを引き抜けるような方法で標的部位に送達され、展開されるロケータシステムについて説明する。その後、ロケータシステムのビーコンの位置を特定することで標的部位を識別できる視覚化デバイスの助けを借りて、体内の別の解剖学的位置にあるツールを使用して、標的部位に対して処置を行うことができる。ロケータシステムは、処置の完了前に除去され(例えば、標的部位に対する処置が行われる前、行われている最中、又は行われた後に除去され)てもよいし、体内に残されて自然に脱落し、体から自然に排出されてもよい。例えば、ロケータシステムは、第1の解剖学的構造上の標的部位と係合し、第1の解剖学的構造内に作成された、又は既に形成された開口部を通して取り外すことができる。
【0049】
本開示の実施形態は、空腸の近く又は空腸を通して等により挿入される医療デバイス及びシステム(例えば、内視鏡デバイス、付属ツール、及び/又はガイドワイヤ)に特に言及して説明される場合があるが、そのような医療デバイス及びシステムは、例えば、IVR処置、バルーン血管形成術/血管造影処置、血栓溶解処置、泌尿器科又は婦人科処置などを含む、管、管腔、血管、又は体管腔の解剖学的構造を通して1つ以上のデバイスをナビゲートするための様々な医療処置で使用できることを理解されたい。ここでの医療デバイスには、例えば、カテーテル、尿管鏡、気管支鏡、大腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡など、体管腔内を進行するための様々な医療デバイスが含まれる。また、開示された医療デバイス及びシステムは、経皮的、内視鏡的、腹腔鏡的、又はそれらの組み合わせなど、様々なアクセスポイント及びアプローチを介して挿入され得る。
【0050】
前述の説明は広範囲に適用可能であり、例示及び説明の目的で提示されており、本明細書に開示された形式に本開示を制限することを意図したものではないことが理解されるであろう。本開示の概念、趣旨、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態に様々な追加、変更、及び置換を行うことができることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、趣旨、範囲、又は特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、及び他の要素、材料、及びコンポーネントとともに具体化できることは、当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、又は構成にグループ化される。ただし、本開示の特定の態様、実施形態、又は構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、又は構成で組み合わせられ得ることを理解すべきである。本開示は実施形態の観点から提示されているが、本発明の主題又はその様々な個別の特徴の所望の特性及び/又は利点の少なくとも一部を達成するために、そのような個別の特徴のすべてが存在する必要はないことを理解されたい。当業者は、本開示が、本開示の実施に使用される、本開示の原理、趣旨、又は範囲から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合された構造、配置、比率、材料、コンポーネント、及びその他の多くの変更又は修正を伴って使用され得ることを理解するであろう。例えば、一体的に形成されていることが示されている要素は複数の部分から構成されてもよく、複数の部分として示されている要素は一体的に形成されてもよく、要素の動作は逆順に、又は他の様式で変更されてもよく、要素のサイズ又は寸法は変更されてもよい。同様に、操作、動作、又は手順が特定の順序で説明されている場合でも、望ましい結果を得るためには、そのような特定の順序が必要であるとも、すべての操作、動作、又は手順を実行する必要があるとも理解されるべきではない。さらに、他の実装も以下の請求項の範囲内にある。場合によっては、請求項に記載されている動作を異なる順序で実行しても、望ましい結果が得られることがある。したがって、本願に開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきであり、請求された主題の範囲は、添付の請求項によって示され、前述の説明又は本明細書で説明又は図示されている特定の実施形態又は構成に限定されない。上記を踏まえて、任意の実施形態の個々の特徴は、別々に、又はその実施形態又は他の実施形態の特徴と組み合わせて使用及び請求することができ、発明の主題の範囲は添付の請求項によって示され、前述の説明に限定されない。
【0051】
前述の説明及び以下の請求項から、以下のことが理解されるであろう。本願で使用されている「少なくとも1つ」、「1つ以上」、及び「及び/又は」という語句は、接続詞と分離詞の両方の機能を有するオープンエンドの表現である。「1つ」、「その」、「前記」、「第1の」、「第2の」などの用語は複数形を排除するものではない。例えば、本願で使用されている「1つ」という用語は、その実体の1つ以上を指す。したがって、本願では、「1つ」、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は互換的に使用できる。すべての方向の参照(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前、後、頂部、底部、上、下、垂直、水平、放射状、軸方向、時計回り、反時計回り、及び/又は同様のもの)は、本開示の読み手の理解を助けるための識別目的のみに使用され、及び/又は関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、方向、又は使用に関して、関連する要素を制限するものではない。接続の参照(例えば、取り付けられている、結合されている、接続されている、係合されている、接合されている)は広く解釈されるべきであり、特に明記されていない限り、要素の集合間の中間部材や要素間の相対的な動きを含み得る。したがって、接続の参照は、必ずしも2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを意味するわけではない。識別の参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性や優先順位を意味するものではなく、ある特徴を別の特徴と区別するために使用される。
【0052】
以下の請求項は、この参照によりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の個別の実施形態として独立して存在する。請求項において、「含む」という用語は、他の要素、コンポーネント、特徴、領域、整数、ステップ、操作などの存在を排除するものではない。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれる場合があるが、これらは有利に組み合わせられる可能性があり、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実行可能ではない、及び/又は有利ではないことを意味するものではない。さらに、単数形の参照は複数形を排除するものではない。請求項中の参照符号は、単に説明のための例として提供されており、請求項の範囲を限定するものと解釈されるものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的部位で処置を行うためのシステムであって、前記システムは、
ビーコン及び組織係合部材を含むロケータシステム、
前記ロケータシステムを第1の解剖学的構造の標的部位に送達及び展開するように構成された送達システム、及び
前記ロケータシステムとは別個に送達可能な、標的部位で処置を行うための器具を含み、
前記ロケータシステムは、標的部位に送達され、前記組織係合部材が標的部位の組織と係合すると、前記送達システムから分離可能である、システム。
【請求項2】
前記ビーコンは無線エネルギ源によって電力供給されるライトである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記組織係合部材は前記ビーコンから離れるように延びており、組織に係合することで前記ビーコンを前記標的部位に対して保持するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記組織係合部材は、一対の把持アーム又は組織内に埋め込み可能な先端部を含む、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項5】
第2の解剖学的構造に送達可能であり、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の組織を通して前記ビーコンを識別できる視覚化システムをさらに含む、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項6】
可撓性の長尺管状部材を含む送達デバイスをさらに含み、前記可撓性の長尺管状部材内で前記ロケータシステムを標的部位に送達可能であり、前記器具は前記送達デバイス内で第2の解剖学的構造に送達可能である、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項7】
貫通した管腔を有するステントであって、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を通って延びるように構成された前記ステントをさらに含む、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項8】
第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を標的部位で並置して保持するように構成された組織アプロキシメーターをさらに含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項9】
前記組織アプロキシメーターは、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を標的部位で並置して保持するために、第1の解剖学的構造及び第2の解剖学的構造の組織を通って延長可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間に吻合部を形成するための貫通した管腔を有するステント、又は、標的部位の第1の解剖学的構造の組織及び第2の解剖学的構造の組織を貫通して延びて第1の解剖学的構造の組織を第2の解剖学的構造の組織と並置した状態で保持する組織アプロキシメーターのうちの少なくとも1つを含む吻合システムをさらに含み、
前記ロケータシステムは、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の開口部を通して取り外し可能であるか、又は標的部位から剥がれて体内から自然に排出される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項11】
前記吻合システムは、ステントと、前記ステントに隣接する組織アプロキシメーターの両方を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記組織アプロキシメーターは、第1の解剖学的構造内に延びる第1の拡張されたアンカー端部と、第2の解剖学的構造内に延びる第2の拡張されたアンカー端部とを含み、前記組織アプロキシメーターの第1及び第2の拡張された端部は、第1の解剖学的構造の組織と第2の解剖学的構造の組織とを並置して保持するように構成されている、請求項8~
10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記器具は、少なくとも第2の解剖学的構造の組織に開口部を切り込むことができる切断ツールと、第2の解剖学的構造の前記開口部を通って延びて第1の解剖学的構造を把持し、第1の解剖学的構造を第2の解剖学的構造と並置するように引き寄せることができる把持ツールとを含む、請求項1
及び8~
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記吻合システムは、第2の解剖学的構造に送達可能であり、第1の解剖学的構造と第2の解剖学的構造との間の組織を通して前記ビーコンを識別可能な視覚化システムをさらに含む、請求項1
0に記載のシステム。
【請求項15】
前記ロケータシステムは第1の解剖学的構造から取り外し可能である、請求項1
又は2に記載のシステム。
【国際調査報告】