(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】乾燥機及び電池加工機器
(51)【国際特許分類】
F26B 5/04 20060101AFI20250123BHJP
H10K 30/50 20230101ALI20250123BHJP
H10K 30/40 20230101ALI20250123BHJP
【FI】
F26B5/04
H10K30/50
H10K30/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543962
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2022130973
(87)【国際公開番号】W WO2024098304
(87)【国際公開日】2024-05-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 国▲棟▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 召▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲碩▼▲剣▼
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲維▼▲楽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲長▼松
(72)【発明者】
【氏名】▲塗▼ 保
(72)【発明者】
【氏名】郭 永▲勝▼
(72)【発明者】
【氏名】林 翔玲
【テーマコード(参考)】
3L113
5F251
【Fターム(参考)】
3L113AA01
3L113AB02
3L113AB10
3L113AC08
3L113AC24
3L113AC67
3L113AC75
3L113AC76
3L113BA34
3L113CB05
3L113DA24
5F251AA11
5F251XA01
5F251XA61
(57)【要約】
本出願は、乾燥機及び電池加工機器を開示し、乾燥機は材料を乾燥して結晶化するために用いられ、前記乾燥機は、真空チャンバ、結晶チャンバ及び加熱装置を含み、前記真空チャンバは前記材料を真空乾燥するための第1のキャビティを形成し、前記結晶チャンバには第2のチャンバーが形成され、前記第1のキャビティ及び前記第2のキャビティはそれぞれ入力端と出力端とを有し、前記第1のキャビティの出力端は、前記第1のキャビティが前記第2のキャビティに連通して連続的な材料通路を形成するように、前記第2のキャビティの入力端に連通し、加熱装置は、前記第2のキャビティ内の材料を加熱して結晶化するために、前記結晶チャンバに設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を乾燥して結晶化するための乾燥機であって、前記乾燥機は、
前記材料を真空乾燥するための第1のキャビティを形成する真空チャンバと、
第2のキャビティを形成する結晶チャンバであって、前記第1のキャビティ及び前記第2のキャビティはそれぞれ入力端と出力端とを有し、前記第1のキャビティの出力端は、前記第1のキャビティが前記第2のキャビティに連通して連続的な材料通路を形成するように、前記第2のキャビティの入力端に連通する結晶チャンバと、
前記第2のキャビティ内の材料を加熱して結晶化するために前記結晶チャンバに設けられる加熱装置とを含む、乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥機は、
前記第1のキャビティ内のガスを排出するように、前記第1のキャビティに連通する入口端を有するガス排出装置をさらに含む、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記ガス排出装置は、前記第2のキャビティに連通する出口端をさらに有する、請求項2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記ガス排出装置は、出口端をさらに有し、前記乾燥機は、
入口端を有する一時貯蔵装置をさらに含み、前記ガス排出装置の出口端が前記一時貯蔵装置の入口端に連通する、請求項2に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記一時貯蔵装置は前記第2のキャビティに連通する出口端をさらに有する、請求項4に記載の乾燥機。
【請求項6】
前記第1のキャビティ及び/又は前記第2のキャビティは閉鎖可能なキャビティである、請求項1~5のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項7】
前記乾燥機は、
入力端と出力端とを有する第1の遷移キャビティを形成する第1の遷移チャンバをさらに含み、
前記第1のキャビティの出力端は前記第1の遷移キャビティの入力端に連通し、前記第1の遷移キャビティの出力端は前記第2のキャビティの入力端に連通し、前記第1のキャビティ、前記第1の遷移キャビティ及び前記第2のキャビティは前記の材料通路を形成する、請求項2~6のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項8】
前記第1の遷移キャビティは閉鎖可能なキャビティである、請求項7に記載の乾燥機。
【請求項9】
前記第1の遷移キャビティは、順に連通する複数の第1の遷移サブキャビティを含み、前記第1のキャビティに隣接する第1の遷移サブキャビティは前記第1のキャビティの出力端に連通し、前記第2のキャビティに隣接する第1の遷移サブキャビティは前記第2のキャビティの入力端に連通する、請求項7に記載の乾燥機。
【請求項10】
前記乾燥機は、
前記第1のキャビティに連通する入口端を有する真空引き装置をさらに含む、請求項9に記載の乾燥機。
【請求項11】
前記真空引き装置の入口端は前記第1の遷移キャビティにも連通する、請求項10に記載の乾燥機。
【請求項12】
前記真空引き装置の入口端は前記第1のキャビティに隣接する前記第1の遷移サブキャビティに連通する、請求項11に記載の乾燥機。
【請求項13】
前記乾燥機は、
材料を真空乾燥するための第2の遷移キャビティが形成される第2の遷移チャンバをさらに含み、前記第2の遷移キャビティは入力端と出力端とを有し、前記第2の遷移キャビティの出力端は、前記第1のキャビティの入力端に連通しており、前記第2の遷移キャビティ、前記第1のキャビティ、前記第1の遷移キャビティ及び前記第2のキャビティは前記材料通路を形成する、請求項1~12のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項14】
前記乾燥機は、
前記第2の遷移キャビティに連通する入口端を有する真空引き装置をさらに含む、請求項13に記載の乾燥機。
【請求項15】
前記加熱装置は、
前記第2のキャビティ内の材料を加熱して結晶化するために前記結晶チャンバに設けられる第1のヒータを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項16】
前記乾燥機は、
前記材料通路に設けられる搬送装置をさらに含み、前記搬送装置には材料を置くための搬送台が形成され、前記第1のヒータは光ヒータであり、前記第1のヒータは前記搬送台に向けて設けられる発光側を有する、請求項15に記載の乾燥機。
【請求項17】
前記第1のヒータは複数あり、複数の前記第1のヒータが間隔をあけて分布する、請求項15又は16に記載の乾燥機。
【請求項18】
前記加熱装置は、
前記結晶チャンバに設けられる第2のヒータをさらに含み、前記第2のヒータは前記第2のキャビティ内の材料を加熱するための循環ヒータである、請求項15~17のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項19】
前記第2のヒータは光透過材質である、請求項18に記載の乾燥機。
【請求項20】
前記第2のヒータは、少なくとも部分的に前記第1のヒータと前記材料との間に設けられる、請求項19に記載の乾燥機。
【請求項21】
前記第2のヒータは、前記材料が前記第1のヒータから離反する側に位置する、請求項18に記載の乾燥機。
【請求項22】
前記加熱装置は、
前記第1のヒータによって放出された熱を前記材料方向に反射するために前記結晶チャンバに設けられる温度均一化装置をさらに含む、請求項15~21のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項23】
前記結晶チャンバは複数あり、
複数の前記結晶チャンバは順に連通する、請求項1~22のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項24】
前記乾燥機は、
前記材料の通路の対応する位置をシールするために前記材料の通路に沿って設けられるシール部材をさらに含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項25】
前記乾燥機は、ペロブスカイト電池材料を乾燥して結晶化するために用いられる、請求項1~24のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項26】
電池加工機器であって、前記電池加工機器は、請求項1~25のいずれか一項に記載の乾燥機を含む、電池加工機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、太陽電池加工の分野に関し、具体的には乾燥機及び電池加工機器に関する。
【背景技術】
【0002】
材料を加工する過程では、常に材料を乾燥させることを必要とし、、一般には、材料を加熱装置の内部に直接投入し、材料には揮発性溶媒が含まれているため、乾燥過程中のプロセスウィンドウの要件が厳しく、プロセスの再現可能性と安定性が低い、製品の均一性が低下するという問題が発生しやすく、規模化生産に不利である。
【発明の概要】
【0003】
本出願の主な目的は、乾燥機を提供することであり、従来の乾燥機に存在するプロセスウィンドウが小さいことによる製品の均一性が低下するという問題を解決することを目的とする。
【0004】
上記の目的を実現するように、本出願で提供される乾燥機は、材料を乾燥して結晶化するために用いられ、前記乾燥機は、
前記材料を真空乾燥するための第1のキャビティを形成する真空チャンバと、
第2のキャビティを形成する結晶チャンバであって、前記第1のキャビティ及び前記第2のキャビティはそれぞれ入力端と出力端とを有し、前記第1のキャビティの出力端は、前記第1のキャビティが前記第2のキャビティに連通して連続的な材料通路を形成するように、前記第2のキャビティの入力端に連通する結晶チャンバと、
前記第2のキャビティ内の材料を加熱して結晶化するために前記結晶チャンバに設けられる加熱装置とを含む。
【0005】
第1のキャビティと第2のキャビティを設置して材料通路を形成することによって、材料をまず第1のキャビティ内で真空乾燥させ、材料中の揮発しやすい溶媒を揮発させることで、材料を相対的に安定した中間状態に形成させる。連続的な材料通路を採用するため、真空乾燥と加熱結晶化を行う過程中に外部異物を導入せず、製品の品質の向上に役立つ。
【0006】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
前記第1のキャビティ内のガスを排出するように、前記第1のキャビティに連通する入口端を有するガス排出装置をさらに含む。
【0007】
材料が第1のキャビティ内で真空乾燥される場合、材料中の揮発しやすい溶媒は揮発し、ガス排出装置によって揮発した溶媒を排出して、第1のキャビティ内を予め設定された乾燥状態に維持させ、揮発しやすい溶媒が材料に悪い影響を与えることを回避する。
【0008】
いくつかの例において、前記ガス排出装置は、前記第2のキャビティに連通する出口端をさらに有する。ガス排出装置を採用して第1のキャビティ内の揮発しやすい溶媒を第2のキャビティ内に吸引することで、第2のキャビティ内の雰囲気を制御することを実現することができ、それにより、結晶化効果を比較的に制御可能にする。
【0009】
いくつかの例において、前記ガス排出装置は、出口端をさらに有し、前記乾燥機は、
入口端を有する一時貯蔵装置をさらに含み、前記ガス排出装置の出口端は前記一時貯蔵装置の入口端に連通する。
【0010】
第1のキャビティ内から排出した揮発しやすい溶媒を一時貯蔵装置内に一時貯蔵することで、揮発しやすい溶媒を容易に収集し二次利用して、原料の利用率を向上させることができる。
【0011】
いくつかの例において、前記一時貯蔵装置は前記第2のキャビティに連通する出口端をさらに有する。
【0012】
一時貯蔵装置内のガスを第2のキャビティに二次搬送することで、加熱結晶化プロセスを行う場合、第2のキャビティ内の雰囲気を調節して、材料乾燥結晶化時の雰囲気を一致に維持して、製品の品質を向上させることができる。
【0013】
いくつかの例において、前記第1のキャビティ及び/又は前記第2のキャビティは閉鎖可能なキャビティである。閉鎖可能なキャビティを採用することで、プロセスパラメータへの制御を容易に実現することができ、それにより、材料の反応過程をより制御可能にする。
【0014】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
入力端と出力端とを有する第1の遷移キャビティを形成する第1の遷移チャンバをさらに含み、
前記第1のキャビティの出力端は前記第1の遷移キャビティの入力端に連通し、前記第1の遷移キャビティの出力端は前記第2のキャビティの入力端に連通し、前記第1のキャビティ、前記第1の遷移キャビティ及び前記第2のキャビティは前記材料通路を形成する。
【0015】
第1の遷移チャンバを設けることで、真空チャンバと協働し、真空チャンバと結晶チャンバとの間の気圧を下げるために用いられ、結晶チャンバ内に材料を容易に搬送することができる。
【0016】
いくつかの例において、前記第1の遷移キャビティは閉鎖可能なキャビティである。閉鎖可能なキャビティを形成することで、プロセスパラメータの制御と調節を実現することができる。第1の遷移キャビティを利用して第1のキャビティと第2のキャビティとの間をシールして、第1のキャビティと第2のキャビティのプロセスパラメータ制御を容易に実現することができる。
【0017】
いくつかの例において、前記第1の遷移キャビティは、順に連通する複数の第1の遷移サブキャビティを含み、前記第1のキャビティに隣接する第1の遷移サブキャビティは前記第1のキャビティの出力端に連通し、前記第2のキャビティに隣接する第1の遷移サブキャビティは前記第2のキャビティの入力端に連通する。
【0018】
複数の第1の遷移サブキャビティを設けることで、必要に応じて各第1の遷移サブキャビティの気圧及び/又は温度などのパラメータを設定することができ、それにより、第1の遷移チャンバは真空チャンバと結晶チャンバとの間に遷移効果を発揮することができる、材料を容易に搬送するとともに、材料が二つのプロセスの間で遷移して、材料の乾燥効果を向上させることができる。
【0019】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
前記第1のキャビティに連通する入口端を有する真空引き装置をさらに含む。
【0020】
乾燥機に真空引き装置を設けることで、必要に応じて第1のキャビティ内のガスを容易に排出することができ、それにより、第1のキャビティ内に必要な負圧状態を形成する。
【0021】
いくつかの例において、前記真空引き装置の入口端は前記第1の遷移キャビティにも連通する。
【0022】
真空引き装置は、第1の遷移キャビティ内にある程度の負圧状態を呈するように、第1の遷移キャビティ内を真空引きするために用いられ、それにより、第1の遷移キャビティと第1のキャビティ内の圧力を近づけて、第1の遷移チャンバと真空チャンバとの間のシール部材を容易に開くようにする。
【0023】
いくつかの例において、前記真空引き装置の入口端は、第1のキャビティに隣接する第1の遷移サブキャビティの気圧が第1のキャビティの気圧に近づけることができるように、前記第1のキャビティに隣接する前記第1の遷移サブキャビティに連通し、それにより第1のキャビティから第2のキャビティへの気圧遷移を実現する。
【0024】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
材料を真空乾燥するための第2の遷移キャビティが形成される第2の遷移チャンバをさらに含み、前記第2の遷移キャビティは入力端と出力端とを有し、前記第2の遷移キャビティの出力端は、前記第1のキャビティの入力端に連通しており、前記第2の遷移キャビティ、前記第1のキャビティ、前記第1の遷移キャビティ及び前記第2のキャビティは前記材料通路を形成する。
【0025】
第2の遷移チャンバを設けることで、第1のキャビティの入力端に遷移を形成することができ、それにより、第1のキャビティのプロセスパラメータを容易に制御する。
【0026】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
前記第2の遷移キャビティに連通する入口端を有する真空引き装置をさらに含む。
【0027】
真空引き装置によって第2の遷移キャビティ中のガスを排出することで、第2の遷移キャビティは第1のキャビティの入力端と外部との遷移キャビティとし、それにより、第1のキャビティを容易に開くことができる。
【0028】
いくつかの例において、前記加熱装置は、
前記第2のキャビティ内の材料を加熱して結晶化するために前記結晶チャンバに設けられる第1のヒータを含む。
【0029】
第1のヒータを設けて加熱することで、第1のヒータによる急速加熱の特徴を利用し、材料の急速加熱を実現して、材料の急速的な加熱結晶化を実現することができる。
【0030】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
前記材料通路に設けられる搬送装置をさらに含み、前記搬送装置には材料を置くための搬送台が形成され、前記第1のヒータは光ヒータであり、前記第1のヒータは前記搬送台に向けて設けられる発光側を有する。
【0031】
第1のヒータを搬送台に向けて設けることで、加熱効率を効果的に向上させ、第1のヒータの光利用率を向上させることができる。
【0032】
いくつかの例において、前記第1のヒータは複数あり、複数の前記第1のヒータは間隔をあけて分布する。
【0033】
複数の第1のヒータを設けることで、第2のキャビティ内の急速昇温を実現して、加熱効率を向上させることができる。
【0034】
いくつかの例において、前記加熱装置は、
前記結晶チャンバに設けられる第2のヒータをさらに含み、前記第2のヒータは前記第2のキャビティ内の材料を加熱するための循環ヒータである。
【0035】
第2のヒータは、材料を急速に加熱することができるように、第2のキャビティの加熱効率を向上させるために用いられて、必要に応じて材料の急速な加熱結晶化を実現することができる。第2のキャビティに設けられる第2のヒータを利用して、第2のキャビティ内における温度均一化制御を実現し、それにより、加熱の均一性を向上させることができる。
【0036】
いくつかの例において、前記第2のヒータは光透過材質である。
【0037】
光透過材質を採用する第2のヒータによって、必要に応じて第2のヒータの位置を容易に決定することができ、材料を急速に加熱することができるとともに、任意の位置に取り付けても第1のヒータの正常な使用に影響を与えない。
【0038】
いくつかの例において、前記第2のヒータは、少なくとも部分的に前記第1のヒータと前記材料との間に設けられる。
【0039】
第1のヒータと第2のヒータによって材料の同じ側から材料を加熱することで、材料を急速に加熱して結晶化することができる。
【0040】
いくつかの例において、前記第2のヒータは、前記材料が前記第1のヒータから離反する側に位置する。
【0041】
第1のヒータと第2のヒータによって材料の異なる方向から加熱することで、材料の加熱効率を向上させ、材料を急速に加熱して結晶化することができる。
【0042】
いくつかの例において、前記加熱装置は、
前記第1のヒータによって放出された熱を前記材料方向に反射するために前記結晶チャンバに設けられる温度均一化装置をさらに含む。
【0043】
温度均一化装置を介して第1のヒータによって生成された光を材料方向に反射して、第1のヒータによって生成されたエネルギーを十分に利用し、エネルギーの利用率を向上させるとともに、材料の加熱効率を高める。
【0044】
いくつかの例において、前記結晶チャンバは複数あり、各前記結晶チャンバはいずれも前記第2のキャビティが設けられ、各前記結晶チャンバ内にはそれぞれ、前記加熱装置が設けられ、
複数の前記結晶チャンバは、順に接続される。
【0045】
複数の結晶チャンバを設けることによって、複数の結晶チャンバの協働することで、材料のアニーリング結晶化効率を向上させることができる。複数の結晶チャンバの温度をそれぞれ調整することで、複数の結晶チャンバの温度を材料のアニーリング結晶化温度と合わせることができ、製品の品質を効果的に向上させることができる。
【0046】
いくつかの例において、前記乾燥機は、
前記材料の通路の対応する位置をシールするために前記材料の通路に沿かって設けられるシール部材をさらに含む。
【0047】
乾燥機を複数の機能キャビティに分割し、シール部材を利用して対応する領域を開閉することで、真空乾燥プロセスと加熱結晶化プロセスを相対的に独立したキャビティにそれぞれ設け、乾燥機と結晶チャンバがそれぞれ独立して動作することができ、それにより、材料の加工効率を向上させ、二つのプロセスのそれぞれへのプロセスパラメータ制御を容易にすることもできる。
【0048】
いくつかの例において、前記乾燥機は、ペロブスカイト電池材料を乾燥して結晶化するために用いられる。
【0049】
本出願は上記の乾燥機の例を基礎として、上記のいずれか一つの例に記載の乾燥機を含む電池加工機器の例をさらに提供する。
【0050】
上記の乾燥機を採用して材料を真空乾燥した後、加熱アニーリング結晶化を行うことで、材料がより長いプロセスウィンドウを有し、材料の加工プロセスの再現可能性と安定性を向上させ、材料の品質の向上に役立ち、さらに太陽電池製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本出願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するように、以下、実施例又は従来技術の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【
図1】本出願による乾燥機の一例の構造概略図である。
【
図2】本出願による乾燥機の別の例の構造概略図である。
【
図4】本出願による乾燥機の別の例の内部構造概略図である。
【0052】
本出願の目的の実現、機能的特徴及び利点については、実施例及び図面を結び付けながら更に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。自明なことに、説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0054】
説明すべきこととして、本開示の実施例において、方向性指示(例えば、上、下、左、右、前、後……)がある場合、この方向性指示はある特定の姿勢(図に示すように)での各部材の間の相対的な位置関係、運動状況などを解釈するためのものに過ぎず、この特定の姿勢が変化すれば、それに応じて、この方向性指示も変化する。
【0055】
本出願の実施例における「第1」、「第2」に関する説明がある場合、この「第1」、「第2」などの説明は説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示し、或いは指示された技術特徴の数を暗黙的に示すと理解すべきではない。そのため、「第1」、「第2」などと限定された特徴は、少なくとも1つのこの特徴を明示的または暗示的に含むことができる。また、各実施例の間の技術の解決手段は、互いに組み合わせることができるが、当業者が実現可能であることを基礎とすべきであり、技術の解決手段の組み合わせにおいて互に矛盾する時に又は実現できない時に、このような技術の解決手段の組み合 わせが存在せず、本出願が請求する保護範囲にも含まれないと考えるべきである。
【0056】
ペロブスカイト材料は、高い光吸収係数、高い電荷キャリア移動度、大きな電荷キャリア拡散長さ、及び調整可能な禁制帯幅という特性を有しており、半導体材料の製造、特に太陽電池の材料などのシーンに応用することができる。現在、ペロブスカイト電池を製造するための方法は主に、真空蒸着、プレー塗布、印刷、スピンコートなどを含み、これらの製造方法において、通常、溶液法を用いて高品質なペロブスカイト薄膜を製造し、高品質なカルシウムチタン薄膜を形成することで、優れた性能を持つ太陽電池を形成する。
【0057】
ペロブスカイト材料を加工する場合、材料がより良い結晶品質と相対的に良好な結晶粒径を持たせるために、通常、ペロブスカイト材料をアニーリング装置に置き、アニーリングプロセスによって溶液の飽和度を変化させることによって、それにより、ペロブスカイトを結晶化させる。
【0058】
溶液中には揮発性溶媒が溶解しているため、ペロブスカイト材料の製造プロセスにおいては、場合によっては、ペロブスカイトをアニーリング炉に置かれて加熱する過程で、揮発性溶媒の揮発過程はペロブスカイトの結晶化と同期して行われ、結晶プロセスのプロセスウィンドウの時間が非常に短く、製品のフォールトトレランス能力が非常に小さく、最終的には電池製品の品質に影響を与える。
【0059】
本出願は、場合によっては製造機器において、狭いプロセスウィンドウによって引き起こされるプロセスの再現可能性と安定性の低下の問題に対して、乾燥機器に存在する製品の均一性が悪いという問題を解決するようにペロブスカイト材料の結晶化に用いられることができる乾燥機10を提案する。
【0060】
図1、
図2と
図3を参照すると、いくつかの例において、材料を乾燥して結晶化するための乾燥機10を開示し、乾燥機10は、真空チャンバ11、結晶チャンバ20及び加熱装置22を含み、真空チャンバ11は、材料を真空乾燥するための第1のキャビティ111を形成し、結晶チャンバ20は、第2のキャビティ21を形成し、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21は、それぞれ入力端と出力端とを有しており、第1のキャビティ111の出力端は、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21に連通して連続的な材料通路を形成するように、第2のキャビティ21の入力端に連通し、加熱装置22は、結晶チャンバ20に設けられ、第2のキャビティ21内の材料を加熱して結晶化するために用いられる。
【0061】
真空チャンバ11内の第1のキャビティ111は、材料を真空乾燥するように、必要に応じて負圧装置を形成することができる。材料が第1のキャビティ111内に入る場合、第1のキャビティ111内をある程度の負圧状態にすることで、第1のキャビティ111内に置かれた材料を真空乾燥する。第1のキャビティ111の入力端と出力端は、第1のキャビティ111の入力端を介して第1のキャビティ111内に材料が入るように、それぞれ真空チャンバ11に開設されており、材料が第1のキャビティ111内で真空乾燥された後、第1のキャビティ111の出力端を介して出力する。
【0062】
結晶チャンバ20には第2のキャビティ21が形成されており、結晶チャンバ20は、材料を加熱して結晶化するように、第2のキャビティ21内の材料を加熱するための加熱装置22が取り付けられる。第2のキャビティ21の入力端と出力端は、それぞれ結晶チャンバ20に開設され、第2のキャビティ21の入力端は第1のキャビティ111の出力端に連通することで、第1のキャビティ111で真空乾燥された材料が第2のキャビティ21内に入り、第2のキャビティ21内でアニーリングして結晶化した後、第2のキャビティ21の出力端を介して出力する。
【0063】
第1のキャビティ111と第2のキャビティ21が連続的な材料通路を形成することは、材料が第1のキャビティ111の真空乾燥プロセスを経た後、他のプロセスを経ずに、直接第2のキャビティ21内に連続的に搬送してアニーリングして結晶化することができることを意味する。前記乾燥機10の内部には、材料を置くための材料通路が形成されており、材料通路は開く又は閉鎖することができる。材料通路が開けられる場合、材料を入出力するために用いられてもよい。材料通路が閉鎖される場合、材料を乾燥機10の外部から互いに隔離できるように、材料通路内に独立した空間が形成される。
【0064】
材料を第1のキャビティ111内に入れた後に、材料が外部から互いに隔離されるように、第1のキャビティ111を閉鎖する。真空引き装置15を用いて第1のキャビティ111内のガスを吸引することで、第1のキャビティ111内の気圧を低下させて、第1のキャビティ111内の材料を真空乾燥する。第1のキャビティ111内を真空負圧状態に形成するため、材料が第1のキャビティ111内に入った後、第1のキャビティ111内で真空乾燥を行うことで、材料内の水分の負圧状態での溶解点と沸点がいずれも真空度が高くなるにつれて低下し、材料内の水などの溶液が十分な運動エネルギーを得て材料表面から離脱する。
【0065】
負圧乾燥環境を形成することで、材料中の揮発しやすい溶媒を揮発させ、材料を中間状態にする。材料中の揮発しにくい溶媒は、材料と錯体を形成することができ、これによって、安定した構造を持つ中間状態を形成し、材料通路を閉鎖状態に維持することで、中間状態の安定を維持することができる。相対的により安定した中間状態を形成することで、中間状態のアニーリングに必要な時間ウィンドウが広くなり、中間状態を長時間置いてからアニーリングしても依然として二次相の生成がなく、同時に最終的な製品の品質に影響を与えないため、アニーリングウィンドウを延長することができ、それにより、乾燥機10のフォールトトレランス能力の向上のに役立ち、生産効率を向上させ、製品を予め設定された品質に維持させることができる。中間状態のアニーリングに必要な時間ウィンドウとは、中間状態アニーリング前に置かれた時間を意味する。
【0066】
アニーリング過程で、安定した中間状態はアニーリングされた材料の表面をより粗くすることができ、凹凸のある表面を形成することで、粗い表面がスエードのような表面を形成し、スエードを介してバックライト反射を行うことで、光トラッピングの役割を果たすことができ、材料の光に対する吸収効率をより高くすることができるため、バックライト反射スエードを追加的に提供する必要がなく、さらに製造プロセスの簡略化に役立つことができる。
【0067】
本例において、まず真空乾燥過程によって、揮発しやすい溶媒を排出し、次に、材料をアニーリングして結晶化するように、加熱装置22を用いて加熱する。揮発しやすい溶媒の揮発過程とアニーリング結晶化過程はそれぞれ独立して実行されるため、揮発しやすい溶媒の揮発過程及びアニーリング結晶化過程の間に互いに干渉しなく、それにより、揮発しやすい溶媒の揮発過程とアニーリング結晶化過程のプロセスウィンドウが相対的に広くなり、製品加工過程の再現可能性を効果的に向上させることができ、二つのプロセス過程が互いに影響を与えないため、二つのプロセス過程の安定性は相対的に高く、製品の欠陥を効果的に削減させて、製品の品質を向上させることができる。
【0068】
いくつかの例において、第1のキャビティ111及び/又は第2のキャビティ21は閉鎖可能なキャビティである。第1のキャビティ111と第2のキャビティ21は閉鎖状態にすることができ、真空乾燥及び加熱結晶化を行う場合、材料通路はいずれも閉鎖状態にし、材料が外部環境から互いに隔離されることができ、材料が外部環境のガスと不純物を吸收することを防止して、真空乾燥又はアニーリング結晶化過程で、外部不純物と材料が相互作用して材料の品質に影響を与えることを回避する。加熱装置22が加熱する場合、閉鎖された第2のキャビティ21を利用してに材料を置き、加熱装置22が第2のキャビティ21内を急速に加熱することができ、それにより、第1のキャビティ111の急速な昇温を容易に実現し、昇温が予め設定された温度に達する場合、第1のキャビティ111を閉鎖に維持することで、第1のキャビティ111内を容易に保温して、材料を十分にアニーリングして結晶化させることができる。異なる成分の材料を乾燥するために用いられる場合、閉鎖状態の第1のキャビティ111を利用して、気圧、温度、湿度、雰囲気などを含む第1のキャビティ111内の環境を容易に制御することができ、乾燥機10が異なる材料の乾燥結晶化により良く適用させることができ、それにより、材料の品質を保証するとともに、乾燥機10の適応性を向上させることができる。
【0069】
第1のキャビティ111は閉鎖可能なキャビティであり、いくつかの例において、真空チャンバ11にシール部材16としてゲートなどの構造が設けられ、真空乾燥を行う場合、材料通路の一部である第1のキャビティ111を閉鎖する。第2のキャビティ21は閉鎖可能な構造であり、加熱装置22によって第2のキャビティ21内を加熱する場合、材料通路の一部である第2のキャビティ21を閉鎖状態に維持し、それにより、第2のキャビティ21内を急速に昇温することができ、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21を互いに独立して設置させ、互いに干渉が発生しない。いくつかの例において、結晶チャンバ20には、加熱結晶化を行う際に第2のキャビティ21を閉鎖するようにシール部材16としてゲートなどの構造が設けられる。上記のシール部材16は他の構造を用いてもよく、ここで制限しない。前記第1のキャビティ111は第2のキャビティ21に連通できることは、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との接続箇所のシール部材16が開く場合、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21とが連通することを意味し、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との接続箇所のシール部材16が閉じる場合、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21とが互いに遮断される。
【0070】
本例において、真空チャンバ11と結晶チャンバ20が協働して全体的な構造を形成して、真空チャンバ11を介して結晶チャンバ20内に真空乾燥された材料を容易に入ることができ、真空乾燥した後の材料を置く時間を容易に制御することができ、それにより、材料がアニーリングプロセスウィンドウ内で結晶チャンバ20内に入ってアニーリングして結晶化することを容易に制御することができ、製品加工の一貫性がより高く、プロセス過程を容易に制御することができ、さらに材料の加工品質を効果的に制御することができる。
【0071】
理解できるように、本例における真空チャンバ11は、材料に対して真空乾燥の操作を行うように、第1のキャビティ111内に真空負圧環境を形成することができる。真空チャンバ11は、真空乾燥プロセスを制御するための他の機能部品をさらに含んでもよい。本例において、加熱装置22は、材料が第2のキャビティ21内でアニーリングして結晶化するように、第2のキャビティ21内に高温環境を形成するために用いられ、加熱装置22は対応する材料の加熱アニーリング結晶化を実現することができればよい。
【0072】
いくつかの例において、乾燥機10の外部には真空引き装置15が設けられ、真空引き装置15は、乾燥機10の一部としてもよいし、又は真空引き装置15と乾燥機10とは取り外し可能に接続される。真空引き装置15は、第1のキャビティ111内をある負圧状態に維持するように、第1のキャビティ111内のガスを排出するために用いられる。真空引き装置15は、入口端と出口端とを有しており、真空引き装置15の入口端が第1のキャビティ111に連通し、真空引き装置15の出口端が乾燥機10外部の任意の空間に連通することができることで、第1のキャビティ111内のガスが排出されることができる。
【0073】
加熱装置22は、第2のキャビティ21内の材料を加熱して結晶化するために用いられる。加熱装置22は、接触による加熱を実現するように材料に直接接触することができ、加熱装置22は、加熱された空気が材料を加熱して間接的に加熱することを実現するように、材料通路内の空気を加熱することもできる。
【0074】
いくつかの例において、加熱装置22は、第1のキャビティ111内の任意の位置に取り付けられ、材料の真空乾燥が完了した後、材料を加熱アニーリング結晶化するために用いられる。いくつかの例において、材料はトレイ60内に置かれており、加熱装置22は、加熱装置22がトレイ60内の材料を直接加熱することができるように、トレイ60に隣接して設けられることができる。いくつかの例において、加熱装置22とトレイ60とが互いに接触しており、トレイ60を介して材料に熱を伝達し、材料の加熱アニーリング結晶化を実現する。
【0075】
いくつかの例において、乾燥機10は、材料を搬送するための搬送装置30を有し、材料が搬送装置30によって形成された軌跡に沿って移動する。加熱装置22は、搬送装置30の外側に懸架することができ、加熱装置22は、材料の間接加熱を実現するように材料の周囲のガスを加熱し、加熱装置22は、材料を直接加熱するように、搬送装置30に直接設けられることもできる。
【0076】
いくつかの例において、搬送装置30は、材料を駆動して材料通路に沿って連続的に搬送し、搬送装置30の動作速度を制御することで、材料の第1のキャビティ111及び/又は第2のキャビティ21内の滞留時間を制御することができる。搬送装置30は、材料を駆動して材料通路に沿って間欠的に搬送することもできることで、材料は第1のキャビティ111内で第1の予め設定された時間保持した後、材料のアニーリング結晶化プロセスのプロセスウィンドウの時間内にある第2の予め設定された時間をあけた後、第2のキャビティ21内に入り、第2のキャビティ21内で第3の予め設定された時間保持し、アニーリング結晶化操作が完了する。
【0077】
いくつかの例において、結晶チャンバ20には、空気圧バルブ80を介して結晶チャンバ20の気圧を制御するように、第2のキャビティ21に連通する空気圧バルブ80が設けられる。いくつかの例において、第2のキャビティ21の出力端には、第2のキャビティ21の温度を制御するように、第2のキャビティ21の出力端を閉鎖するためのバルブ70が設けられる。材料が第2のキャビティ21内でアニーリング結晶化を完了する場合、材料を第2のキャビティ21から取り出すように、バルブ70を開く。
【0078】
引き続き
図1を参照すると、いくつかの例において、乾燥機10は、入口端を有するガス排出装置14をさらに含み、ガス排出装置14の入口端は、第1のキャビティ111内のガスを排出するように第1のキャビティ111に連通する。
【0079】
真空乾燥プロセスを行う場合、材料中の揮発しやすい溶媒を揮発し、ガス排出装置14を介して揮発しやすい溶媒を排出し、材料が真空乾燥過程に安定した中間状態を形成させることで、材料がアニーリング結晶化時のプロセスウィンドウが相対的に広くなり、プロセスウィンドウ内で乾燥機10内のプロセスパラメータを容易に調整し、製品の品質を保証するとともに、乾燥プロセスの制御可能性と再現可能性を効果的に向上させることができる。揮発しやすい溶媒が排出されるため、揮発しやすい溶媒が材料の加熱結晶化のプロセスウィンドウ内で材料と二次結合することによる中間状態の安定性に影響を与えることを防止することができる。
【0080】
ガス排出装置14の入口端は第1のキャビティ111に連通しており、ガス排出装置14は、出口端をさらに有してもよく、ガス排出装置14の出口端は、揮発しやすい溶媒を回収するように、乾燥機10の外部に連通してもよく、他の容器に連通してもよい。
【0081】
真空チャンバ11には第1のキャビティ111に連通する貫通孔が開設されており、ガス排出装置14は、入口端と出口端を有し、ガス排出装置14の入口端は、ガス排出装置14が動作する時に第1のキャビティ111内から揮発した溶媒を排出することができるように、真空チャンバ11の貫通孔にパイプラインを介して連通する。本例において、真空チャンバ11には、第1のキャビティ111に連通する複数の貫通孔が設けられ、ガス排出装置14の入口端は、揮発した溶媒を異なる位置から吸引するように、それぞれ複数の貫通孔に連通する。さらに、複数の貫通孔は、第1のキャビティ111内の揮発性溶媒を十分に排出するように、材料通路の延在方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0082】
第1のキャビティ111内の揮発溶媒を排出することができるため、第1のキャビティ111内の材料は比較的安定した中間状態を形成することができ、第1のキャビティ111内の負圧環境を利用して、中間状態の安定性を向上させることに役立ち、それにより、材料が結晶チャンバ20に入る前のプロセスウィンドウを相対的に延長させ、さらに必要に応じてアニーリングプロセスのパラメータを調整することができ、アニーリング結晶化プロセスの制御可能性と再現可能性がより高くなり、生成された製品も相対的により安定し、製品の品質を効果的に向上させることもできる。
【0083】
さらに、いくつかの例において、ガス排出装置14の出口端は第2のキャビティ21に連通する。第1のキャビティ111内から揮発した溶媒を第2のキャビティ21内に吸引して第2のキャビティ21内に補充することで、揮発した溶媒は、第2のキャビティ21内でアニーリング結晶化プロセスを行う材料に補充することができ、それにより、材料の結晶化品質を効果的に保証し、揮発性溶媒の回収と再利用を実現することができる。
【0084】
さらに、いくつかの例において、乾燥機10は、入口端を有する一時貯蔵装置90をさらに含み、ガス排出装置14の出口端が一時貯蔵装置90の入口端に連通する。一時貯蔵装置90は、空気汚染を防止するように、第1のキャビティ111内から排出された揮発しやすい溶媒を貯蔵するために用いられる。必要に応じて、一時貯蔵装置90内の揮発しやすい溶媒を二次利用することができる。
【0085】
一時貯蔵装置90はガスタンク又は他の閉鎖可能な容器であってもよい。一時貯蔵装置90の入口端は一時貯蔵装置90に形成された開孔であってもよく、一時貯蔵装置90に接続するパイプラインであってもよい。前記一時貯蔵装置90は、揮発しやすい溶媒を収容するための収容腔を有しており、揮発しやすい溶媒はその入口端を介して一時貯蔵装置90内に入って貯蔵される。
【0086】
さらに、いくつかの例において、一時貯蔵装置90は出口端をさらに有し、一時貯蔵装置90の出口端は第2のキャビティ21に連通する。真空乾燥プロセスを行う場合、ガス排出装置14は第1のキャビティ111内から揮発した揮発しやすい溶媒を排出し、揮発しやすい溶媒が一時貯蔵装置90内に一時貯蔵される。アニーリング結晶化プロセスを行う場合、一時貯蔵装置90内の揮発しやすい溶媒を第2のキャビティ21内に再び補充することができることで、第2のキャビティ21内を予め設定された雰囲気に維持して、材料の乾燥過程中の雰囲気制御を実現し、材料の品質をより制御可能にすることができる。いくつかの例において、結晶チャンバ20には第2のキャビティ21に連通する貫通孔が開設されており、一時貯蔵装置90の出口端は、第1のキャビティ111内から排出された揮発性溶媒が第2のキャビティ21内に入ることができるように、結晶チャンバ20上の貫通孔に連通する。さらに、結晶チャンバ20には、揮発性溶媒を第2のキャビティ21内の材料に均一に搬送するように、材料通路の延在方向に沿って間隔をあけて設けられる複数の貫通孔が設けられる。
【0087】
いくつかの例において、乾燥機10は、入力端と出力端とを有する第1の遷移キャビティ131を形成する第1の遷移チャンバ13をさらに含み、第1のキャビティ111の出力端は第1の遷移キャビティ131の入力端に連通し、第1の遷移キャビティ131の出力端は第2のキャビティ21の入力端に連通し、第1のキャビティ111、第1の遷移キャビティ131及び第2のキャビティ21は材料通路を形成する。
【0088】
第1の遷移チャンバ13には、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との間の中間遷移領域としての第1の遷移キャビティ131が開設される。第1の遷移キャビティ131は、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第2のキャビティ21が連続的な材料通路を形成するように、第1のキャビティ111の出力端に連通する入力端と第2のキャビティ21に連通する出力端を有する。
【0089】
いくつかの例において、第1の遷移キャビティ131は閉鎖可能なキャビティである。第1の遷移キャビティ131によって第1のキャビティの入力端又は第2のキャビティの入力端をシールする。いくつかの例において、第1の遷移キャビティ131の入力端にシール部材16を設けることで、第1の遷移キャビティ131のシール部材16が材料通路の対応する位置をシールする効果を発揮して、第1のキャビティ111は良好な真空状態を維持することができる。さらに任意の選択的に、第1の遷移キャビティ131の出力端には、第1の遷移キャビティ131と第1のキャビティ111内の両方が予め設定されたシール状態を維持するように、シール部材16が設けられる。
【0090】
図4を参照すると、いくつかの例において、第1の遷移キャビティ131は、順に接続される複数の第1の遷移サブキャビティ131aを含み、第1のキャビティ111に隣接する第1の遷移サブキャビティ131aが前記第1のキャビティ111の出力端に連通し、第2のキャビティ21に隣接する第1の遷移サブキャビティ131aが前記第2のキャビティ21の入力端に連通する。複数の第1の遷移サブキャビティ131aを形成することで、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との間で容易に遷移することができる。前記遷移は気圧及び/又は温度を含む。第2のキャビティ21の前の材料のプロセスウィンドウが延長されるため、複数の第1の遷移サブキャビティ131aの間での材料の滞留時間が延長されて、プロセスパラメータを容易に制御して調整し、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との間での材料の移動と遷移を容易に実現することができる。
【0091】
いくつかの例において、複数の前記第1の遷移サブキャビティ131aは第1の遷移キャビティ131内に設けられる連続的な複数の独立したサブキャビティである。いくつかの例において、複数の第1の遷移サブキャビティ131aは第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との間に複数の中間遷移領域を形成し、真空チャンバ11から結晶チャンバ20の方向に向かって、複数の第1の遷移サブキャビティ131aの気圧が、気圧の緩やかな遷移を実現してシール部材16を容易に開くするように、徐々に低下することができる。真空チャンバ11から結晶チャンバ20方向に向かって、複数の第1の遷移サブキャビティ131aの温度が、材料を徐々に昇温して加熱するように徐々に上昇することができる。
【0092】
いくつかの例において、乾燥機10は、入口端を有する真空引き装置15をさらに含み、真空引き装置15の入口端は第1のキャビティ111に連通する。第1の遷移キャビティ131は、材料を真空乾燥するために用いられる。材料は第1のキャビティ111内に入って真空乾燥を行い、次に、材料を第1の遷移キャビティ131に搬送して二次真空乾燥を行い、材料中の揮発しやすい溶媒を十分に揮発させることで、材料が結晶チャンバ20に入った場合、材料中の揮発しにくい溶媒は材料と安定した中間状態を形成して、製品の品質を向上させることができる。第1の遷移キャビティ131は第1のキャビティ111出力端の遷移キャビティとすることができるため、材料を徐々に真空乾燥させることができ、さらに材料中の揮発しやすい溶媒を十分に揮発させて、アニーリング結晶化プロセスに影響を与えることを回避することができる。
【0093】
第1の遷移キャビティ131内の気圧は、第1の遷移キャビティ131を第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との間の遷移領域にするように、第1のキャビティ111内の気圧より大きくてもよく、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21の圧力差が大きすぎることによってシール部材16が正常に開かないことを回避する。
【0094】
いくつかの例において、第1の遷移サブキャビティ131aは複数あり、第1の遷移サブキャビティ131a内に加熱装置22が設けられる。第1の遷移サブキャビティ131aは、材料を予備加熱するために用いられる。さらに、乾燥機10は、上記のいずれか一つの例に記載の複数の第1の遷移チャンバ13を含み、真空チャンバ11から結晶チャンバ20方向に向かって、第1の遷移サブキャビティ131a内の温度が徐々に上昇する。
【0095】
いくつかの例において、第1の遷移サブキャビティ131aは複数あり、真空引き装置15の入口端は第1の遷移サブキャビティ131aにも連通し、真空引き装置15によってこれに連通する第1の遷移サブキャビティ131a内のガスを排出することで、対応する第1の遷移サブキャビティ131a内の気圧を低下する。いくつかの例において、真空引き装置15の入口端は第1のキャビティ111に隣接する第1の遷移サブキャビティに連通する。
【0096】
いくつかの例において、真空チャンバ11に隣接する第1の遷移サブキャビティ131aの気圧は結晶チャンバ20に隣接する第1の遷移サブキャビティ131aよりも低い。さらに、いくつかの例において、真空チャンバ11から結晶チャンバ20方向に向かって、複数の第1の遷移サブキャビティ131aの気圧が徐々に上昇し、徐々に増加した気圧によって、真空チャンバ11と結晶チャンバ20との間の気圧の徐々な調節を実現して、隣接するキャビティの間のシール部材16を容易に開く、材料通路に沿って材料の連続的な搬送を容易に制御することができる。
【0097】
いくつかの例において、真空引き装置15は真空ポンプである。いくつかの例において、真空引き装置15の入口端に一方向弁が設けられ、一方向弁の開度を制御することで対応する入口端の流量を制御して、単一の真空ポンプで異なるキャビティの気圧制御を実現することができ、それにより、複数のキャビティが異なる気圧状態を呈する。
【0098】
いくつかの例において、第1の遷移サブキャビティ131aは複数あり、ガス排出装置14の入口端は第1の遷移サブキャビティ131aにも連通する。ガス排出装置14は、揮発した溶媒が対応するキャビティの外部に排出されるように、これに接続する第1の遷移サブキャビティ131a内のガスを排出するために用いられる。
【0099】
いくつかの例において、乾燥機10は、材料を真空乾燥するための第2の遷移キャビティ121が形成される第2の遷移チャンバ12をさらに含み、第2の遷移キャビティ121は入力端と出力端とを有し、第2の遷移キャビティ121の出力端は、第1のキャビティ111の入力端に連通しており、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111、第1の遷移キャビティ131及び第2のキャビティ21は材料通路を形成する。
【0100】
真空チャンバ11内には、材料を真空乾燥するように、上記のいずれか一つの例に記載の第1のキャビティ111が形成される。真空チャンバ11には第1のキャビティ111に連通する入力端と出力端が開設されており、第1のキャビティ111の出力端は、真空乾燥した材料が第2のキャビティ21内に搬送されることができるように、上記のいずれか一つの例に記載の第2のキャビティ21の入力端に連通する。
【0101】
第2の遷移チャンバ12は、第1のキャビティ111の入力端に設けられ、第2の遷移チャンバ12は乾燥機10の材料の入力位置としての入力端と第1のキャビティ111の入力端に連通する出力端を有することで、材料を第2の遷移チャンバ12内で真空乾燥させた後、第1のキャビティ111内に入って二次真空乾燥を行う。
【0102】
いくつかの例において、第2の遷移キャビティ121の入力端にはシール部材16が設けられて、材料通路内をより良好な真空状態に維持させることができ、材料の真空乾燥を容易に実現する。さらに、本例において任意選択的に、第2の遷移キャビティ121の入力端と出力端は、第2の遷移キャビティ121と第1のキャビティ111内の両方が予め設定されシール状態を維持するように、シール部材16がそれぞれに設けられ、第2の遷移キャビティ121内を容易に真空乾燥する。
【0103】
第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111、第1の遷移キャビティ131及び第2のキャビティ21は上記材料通路を形成することで、第2の遷移キャビティ121内で材料を予備真空乾燥させ、第1のキャビティ111内に入った後、再度真空乾燥を行い、それにより、真空乾燥効率の向上に役立つ。第2の遷移キャビティ121内で材料を真空乾燥させることで、材料中の揮発しやすい溶媒の一部を揮発させ、材料が第1のキャビティ111に入った後、第1のキャビティ111内で二次真空乾燥を行うことによって、材料中の揮発しやすい溶媒をさらに減少させ、揮発しにくい溶媒が材料と安定した中間状態を形成することができ、それにより、材料がアニーリング炉に入った後、溶媒揮発と材料結晶化が同期して材料にホールが存在するなどの欠陥を回避して、製品の品質を向上させることができる。
【0104】
第2の遷移キャビティ121の内の気圧は第1のキャビティ111内の気圧に等しくてもよく、第2の遷移キャビティ121内の気圧も第1のキャビティ111内の気圧より小さくてもよい。第2の遷移チャンバ12は、第1のキャビティ111と外部との圧力差が大きすぎることによる第1のキャビティ111のシール部材16が開かないという問題を回避するように、真空チャンバ11の入力端に遷移するためのキャビティを形成することができる。
【0105】
いくつかの例において、第2の遷移チャンバ12は複数あり、各第2の遷移チャンバ12にはそれぞれ第2の遷移キャビティ121が形成される。複数の第2の遷移チャンバ12は、第1のキャビティ111の入力端に複数の遷移キャビティを形成するように、順に接続する。第2の遷移キャビティ121から第1のキャビティ111に向かう方向、すなわち材料搬送方向に向かって、第1のキャビティ111に隣接する第2の遷移キャビティ121の気圧が第1のキャビティ111の気圧に近づくように、複数の第2の遷移チャンバ12によって形成される第2の遷移キャビティ121の気圧が徐々に上昇して、第1のキャビティ111のシール部材16を容易に開くことができる。
【0106】
乾燥機10には上記のいずれか一つの例に記載のガス排出装置14が設けられ、ガス排出装置14の入口端は、第2の遷移キャビティ121内の揮発溶媒を排出するように、第2の遷移キャビティ121に連通する。
【0107】
本例において、第2の遷移チャンバ12には、ガス排出装置14の入口端を接続するための貫通孔が設けられることができ、それにより、ガス排出装置14がパイプラインを介して第2の遷移キャビティ121に連通することができる。ここで、第2の遷移チャンバ12には、ガス排出装置14の入口端が複数の位置から第2の遷移キャビティ121に連通することができるように、複数の貫通孔が設けられることができる。さらに、複数の貫通孔は、材料通路の延在方向に沿って第2の遷移チャンバ12に間隔をあけて設けられる。本例に記載の材料通路の延在方向は、乾燥結晶化プロセスにおける材料の搬送方向と一致する。
【0108】
いくつかの例において、乾燥機10は、第2の遷移キャビティ121に連通する入口端を有する真空引き装置15を含む。真空引き装置15は、入口端と出口端とを有し、真空引き装置15を介して乾燥機10に負圧真空環境を形成する。第1のキャビティ111、第2の遷移キャビティ121及び第1の遷移キャビティ131に対応する乾燥機10の位置には、真空引き装置15の入口端がそれぞれ第1のキャビティ111、第2の遷移キャビティ121と第1の遷移キャビティ131に連通することができるように、真空引き装置15を接続するための貫通孔が開設される。第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131の気圧を容易に制御するために、いくつかの例において、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131を接続するための真空引き装置15のパイプラインにそれぞれに絞り弁が設けられ、対応するパイプラインの流量を制御して、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131の気圧制御を実現する。
【0109】
いくつかの例において、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131に対応する乾燥機10の位置には、真空引き装置15が第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131の複数の位置に対応して連通するように、複数組の貫通孔がそれぞれに設けられ、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131の急速減圧を実現する。真空引き装置15の入口端を接続するための複数の貫通孔は材料通路の延在方向に沿って間隔をあけて設けられることができる。
【0110】
いくつかの例において、乾燥機10は、上記のいずれか一つの例に記載の搬送装置30を含む。いくつかの例において、乾燥機10は、乾燥機10の入力端に設けられる材料供給台40と、結晶チャンバ20の出力端に設けられる材料排出台50とをさらに有しており、材料がトレイ60内に置くことができ、トレイ60を材料供給台40に置くことで、材料が乾燥機10の入力端に入って、搬送装置30によって材料通路に沿って搬送することができる。材料は結晶チャンバ20内の第2のキャビティ21を介してアニーリングして結晶化された後、材料が材料排出台50から出力する。
【0111】
いくつかの例において、乾燥機10は、上記のいずれか一つの例に記載の搬送装置30を含む。搬送装置30は、材料を連続的に搬送することができ、搬送装置30の運動速度を制御することで材料の搬送速度及び対応するキャビティ内での材料の滞留時間を調整する。搬送装置30は、材料を間欠的に搬送することもでき、それにより、材料を各个キャビティ内に予め設定された時間滞留させ、材料が対応するキャビティ内で対応するプロセス操作を実施することができる。
【0112】
加熱装置22は、アニーリングキャビティ内の温度を上昇させるために用いられ、それにより、材料をアニーリング結晶化操作する。いくつかの例において、加熱装置22は、前記第2のキャビティ21内の材料を加熱するために結晶チャンバ20に設けられる第1のヒータ221である。
【0113】
いくつかの例において、前記第1のヒータ221は、赤外放射による熱伝導の光ヒータであってもよい。赤外光を用いた加熱することを例にして、赤外線が材料に照射されると、放射線の一部が反射されて戻り、一部が透過される。発射された遠赤外線波長が材料の吸收波長と一致すると、材料は遠赤外線を吸收し、このとき、物体内部の分子と原子に共振が生じ、材料分子が強い振動と回転を生成するが、振動と回転で材料の温度を上昇させ、加熱の目的を達成する。赤外加熱装置22を採用することで、材料を急速かつ均一に加熱することを実現して、急速な昇温を実現し、アニーリング結晶化効率を向上させることができる。
【0114】
材料はまず真空乾燥プロセスを経るため、材料は安定した中間状態を形成し、加熱アニーリングプロセスを行う場合、粗い表面がスエードのような表面を形成し、スエードを介してバックライト反射を行うことで、さらに光トラッピングの役割を果たすことができ、それにより、第1のヒータ221によって生成されたエネルギーをより十分に利用し、材料のアニーリング効率を向上させることができる。
【0115】
さらに、いくつかの例において、第1のヒータ221は、第1のヒータ221が上から下へ赤外線を発して材料の表面に作用することができるように、材料の上方に位置する。トレイ60、搬送装置30などによる赤外線への遮蔽を回避して、加熱効率を向上させることができる。
【0116】
いくつかの例において、乾燥機10は、前記材料通路に設けられる搬送装置30をさらに含み、搬送装置30は材料通路に位置し、第1のヒータ221は光ヒータであり、搬送装置30には、材料を置くための搬送台が形成され、第1のヒータ221は、搬送台に向けて設けられる発光側を有する。
【0117】
前記搬送台は、材料を置くために用いられ、搬送装置30の動作につれて、材料が材料通路内で相対的に移動することができる。搬送台は、材料を水平方向に沿って搬送するように、水平面に平行な台であってもよい。搬送台も、水平面とある角度をなすプラットフォームであってもよく、材料通路内での材料の搬送過程中に、材料の搬送軌跡が上下方向にある変化を呈し、材料が必要に応じて搬送することができる。
【0118】
第1のヒータ221の発光側は搬送台に向かうため、第1のヒータ221によって生成された光放射は材料に直接作用し、材料による遮蔽を回避することができる。搬送台は水平面に平行なプラットフォームである場合、第1のヒータ221は、赤外放射による加熱を実現するように、搬送台の上方に設けられて、上から下への方向に材料に赤外光を発する。搬送台が水平面に対してある角度をなして設けられる場合、第1のヒータ221の発光側は、第1のヒータ221によって生成された赤外放射が搬送台上の材料に直接作用することができるように、搬送台に向く。
【0119】
さらに、いくつかの例において、第1のヒータ221は複数あり、複数の第1のヒータ221が間隔をあけて分布する。取り付ける場合、材料通路の延在方向に沿って複数の第1のヒータ221が設けられることができ、いくつかの例において、材料通路の長手方向はその延在方向であり、材料通路の幅方向に沿って複数の第1のヒータ221が設けられる。複数の第1のヒータ221を設けることで、材料通路の急速な昇温を容易に実現することができ、同時に、材料通路内を昇温した後に予め設定された温度を維持して、材料通路内のアニーリング温度を制御することができ、材料のアニーリング結晶化の効率を向上させ、アニーリング結晶化温度を制御することで、材料のアニーリング結晶化した後に比較的安定で均一な状態を形成し、製品の品質を向上させることができる。
【0120】
いくつかの例において、第1のヒータ221は、複数組に分布されることができ、各組は複数の第1のヒータ221を含み、各組の複数の第1のヒータ221が材料通路の延在方向に沿って間隔をあけて設けられ、複数組の第1のヒータ221を他の規則に応じて配列して赤外放射面積を拡大することもできる。
【0121】
さらに、材料は搬送台に沿って搬送される場合、複数の第1のヒータ221が搬送台の延在方向に沿って間隔をあけて分布することができる。
【0122】
いくつかの例において、加熱装置22は、第2のヒータ222をさらに含む。第2のヒータ222は、結晶チャンバ20に設けられており、第2のヒータ222は第2のキャビティ21内の材料を加熱するための循環ヒータである。
【0123】
第2のヒータ222は、電加熱又は他の加熱方式による加熱機能を有する装置であってもよい。さらに、いくつかの例において、第2のヒータ222は、流体媒体を収容するための通路を有し、流体媒体が第2のヒータ222に沿って流れる場合、第2のヒータ222は材料と直接的又は間接的に熱交換を行い、それにより、材料通路内の材料の加熱を実現する。いくつかの例において、第2のヒータ222は、第1のヒータ221によって生成された熱の一部を吸收することができ、第2のヒータ222は、ある熱を吸收して貯蔵した後、熱放射の方式を介して材料に熱を作用させて、第1のヒータ221のエネルギーを十分に利用して、第2のキャビティ21内の材料を保温して温度を均一にする効果を発揮することができる。
【0124】
いくつかの例において、第2のヒータ222は複数あり、複数の第2のヒータ222は間隔をあけて設けられる。第2のヒータ222は、異なる部位から材料を加熱するために用いられ、複数の第2のヒータ222を設けることで、異なる位置から材料通路の温度を上昇するために用いられ、それにより、材料通路内がアニーリング温度に急速に達することができ、複数の第2のヒータ222と第1のヒータ221とを協働させることによって、材料通路の昇温速度をさらに高め、材料通路内を急速に材料の結晶化温度に達させることができる。複数の第2のヒータ222を設けて材料の異なる位置を加熱することで、材料の加熱が相対的に均一になり、それにより、材料の結晶化品質を向上させる。
【0125】
いくつかの例において、第2のヒータ222は光透過材質である。前記光透過材質とは、第2のヒータ222が少なくとも一部の周波数の光を透過することを許容できることを意味する。本例において、第2のヒータ222は、第2のヒータ222が第1のヒータ221を遮蔽しないように、少なくとも赤外光を透過することを許容できる。光透過材質を採用するため、第2のヒータ222は第1のヒータ221に影響を与えず、それにより、必要に応じて異なる取り付け位置を選択することができ、第2のヒータ222の取り付け位置を搬送台上の材料により近づけて、第2のヒータ222によって生成された熱をより十分に利用することができる。
【0126】
さらに、いくつかの例において、第2のヒータ222は光透過材質であり、第2のヒータ222は第1のヒータ221と材料との間に設けられる。第2のヒータ222と第1のヒータ221は、同時に材料を加熱することができ、材料に熱を急速に作用させ、材料の急速な昇温を実現することができる。材料通路内が予め設定された温度に達する場合、材料が結晶化温度を維持するように、第2のヒータ222を介しで材料を保温することができ、それにより、材料のアニーリング結晶化を実現させることができる。
【0127】
いくつかの例において、第2のヒータ222は、第1のヒータ221と第2のヒータ222がそれぞれ搬送台の両側を加熱するように、第1のヒータ221に背く側の材料の一側に位置し、同時に、第2のヒータ222は、第1のヒータ221のエネルギーの利用率を十分に向上させるように、第1のヒータ221を遮断しない。いくつかの例において、材料は上記のいずれか一つの例に記載の搬送台に置かれ、搬送台の両側に設けられた第1のヒータ221と第2のヒータ222によって材料を急速に昇温加熱し、材料がアニーリング結晶化温度に達する場合、第2のヒータ222を介して材料を保温することができ、それにより、材料を十分に結晶化させることができる。材料搬送台の両側はいずれも熱の影響を受けることができるため、材料の熱が相対的により均一になり、製品の品質の向上に役立つ。
【0128】
いくつかの例において、第1のヒータ221と第2のヒータ222は材料搬送台の同じ側に位置し、水平面上の第1のヒータ221と第2のヒータ222の投影が相互に干渉を防止するように互いにずれて、それにより、エネルギーの利用率を向上させることができる。
【0129】
第1のヒータ221による赤外放射の利用率を向上させるために、いくつかの例において、加熱装置22は、第1のヒータ221によって放出された熱を材料方向に反射するために結晶チャンバ20に設けられる温度均一化装置223をさらに含む。温度均一化装置223は反射器であってもよく、温度均一化装置223は反射面を有し、第1のヒータ221によって生成された赤外放射は第2のキャビティ21の内壁面に拡散し、温度均一化装置223は、赤外放射を材料方向に反射してエネルギーの利用率を向上させるために用いられる。第1のヒータ221によって生成された赤外放射は材料により集中して作用することができるため、それにより、材料の加熱速度を効果的に向上させることができる。本例において、温度均一化装置223は、赤外放射を反射できる反射面を有しており、反射面は、平面であってもよく、円弧面であってもよく、平面と円弧面の組み合わせであってもよい。
【0130】
さらに、本例において、第2のキャビティ21内には、第2のヒータ222がさらに設けられ、温度均一化装置223と第2のヒータ222がそれぞれ第2のキャビティ21の内壁面に設けられ、しかも温度均一化装置223と第2のヒータ222とは、第2のヒータ222が材料を急速に加熱するために用いられることができるように、互いにずれて設けられ、温度均一化装置223は、第1のヒータ221によって生成された赤外放射を材料に反射するために用いられることができ、複数種のコンポーネントの協働によって、材料通路の均一な温度を実現する。
【0131】
いくつかの例において、結晶チャンバ20は複数あり、各結晶チャンバ20にはいずれも第2のキャビティ21が形成され、各結晶チャンバ20内にはそれぞれ加熱装置22が設けられ、複数の結晶チャンバ20は、順に接続する。
【0132】
複数の結晶チャンバ20は、それぞれ第2のキャビティ21を有し、複数の第2のキャビティ21はそれぞれ材料をアニーリングして結晶化するために用いられることができる。結晶チャンバ20は、真空チャンバ11で真空乾燥された材料をアニーリングして結晶化するために用いられるため、互いに連通した複数の結晶チャンバ20を設けることで、アニーリングして結晶化するための複数の第2のキャビティ21を形成し、それにより、材料のアニーリング効率を向上させる。各結晶チャンバ20内にはそれぞれ加熱装置22が設けられることで、複数の結晶チャンバ20が協働して、保温効果を発揮し、材料をアニーリング結晶化温度にし、それにより、材料を結晶化させることを十分に実現することができ、温度不均一によって引き起こされる材料の不均一の問題を回避し、さらに製品の品質を維持するのに役立つ。
【0133】
異なる材料のアニーリング結晶化に用いられる場合、複数の第2のキャビティ21内の温度を設定することで、異なる材料のアニーリング要求を満たすように、それにより、必要に応じて材料のアニーリング結晶化の品質を制御ことができる。
【0134】
いくつかの例において、乾燥機10は、上記のいずれか一つの例に記載のガス排出装置14を有しており、ガス排出装置14によって排出されたガスは複数の第2のキャビティ21に送られ、各第2のキャビティ21内に入力されるガスの量は、等しくてもよく、等しくなくてもよい。ガス排出装置14によって排出されたガスを第2のキャビティ21内に入力することで、複数の第2のキャビティ21内の雰囲気の制御を容易に実現する。
【0135】
上記のいずれか一つの例を基礎として、さらに、乾燥機10は、材料の通路の対応する位置をシールするために材料の通路に沿って設けられるシール部材16をさらに含む。前記シール部材16はゲート又は対応するポート部位のシールを実現できる他の構造であってもよい。いくつかの例において、上記のいずれか一つの例の各キャビティの入力端と出力端はいずれもシール部材16がそれぞれ設けられる。いくつかの例において、乾燥機10のキャビティに材料を入力するための入力端(例えば、上記の真空チャンバ11から遠く離れた第2の遷移キャビティ121の入力端)に上記のシール部材16が設けられ、乾燥機10外部のキャビティに材料を出力するための出力端(例えば、上記の真空チャンバ11から遠く離れた第2のキャビティ21の出力端)に上記のシール部材16が設けられ、隣接して設けられたキャビティの間に、上記の1つのシール部材16がそれぞれ設けられる。
【0136】
図1、
図2と
図3を参照すると、いくつかの例において、乾燥機10は、上記のいずれか一つの例に記載の真空チャンバ11、結晶チャンバ20及びシール部材16を含み、真空チャンバ11には、材料を真空乾燥するための第1のキャビティ111が形成され、真空引き装置15の入口端は、第1のキャビティ111に連通し、結晶チャンバ20には第2のキャビティ21が形成されており、加熱装置22は第2のキャビティ21に設けられ、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21は、それぞれ入力端と出力端とを有しており、第1のキャビティ111の出力端は、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21とが材料通路を形成するように、第2のキャビティ21の入力端に連通し、真空チャンバ11、結晶チャンバ20と真空チャンバ11及び結晶チャンバ20との間にはいずれも、第1のキャビティ111又は第2のキャビティ21に対応する材料通路を開閉するためのシール部材16が設けられる。
【0137】
真空チャンバ11は第1のキャビティ111を有し、真空チャンバ11に設けられるシール部材16は、第1のキャビティ111が閉鎖状態にすることができるように、第1のキャビティ111を閉じるために用いられる。真空引き装置15の入口端が第1のキャビティ111に連通することで、真空引き装置15が第1のキャビティ111内のガスを排出して第1のキャビティ111内にある程度の負圧状態を形成することができる。
【0138】
真空チャンバ11と結晶チャンバ20の両方には対応するシール部材16が設けられるため、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21が対応するプロセスを実行する場合、いずれも閉鎖状態を維持することができ、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21との間に互いに干渉せずことで、材料がまず真空乾燥プロセスによってそのうちの揮発しやすい溶媒を除去し、それにより、材料がアニーリング結晶化プロセスを行う際のプロセスウィンドウを効果的に延長することができる。互いに独立して設けられた第1のキャビティ111と第2のキャビティ21を利用して、二つのステップを順次動作し、二つのキャビティを同時に実行してもよく、それにより、材料の加工効率を向上させることができる。
【0139】
第1のキャビティ111と第2のキャビティ21は材料通路を形成するため、材料が第1のキャビティ111で真空乾燥した後に、第2のキャビティ21に材料を直接搬送することができ、材料が外部空間と接触せず、それにより、材料が外部不純物と接触することを回避し、材料の加工品質を効果的に向上させる。
【0140】
真空チャンバ11には、第1のキャビティ111の入力端と出力端を開閉するためのシール部材16が形成され、必要に応じて第1のキャビティ111を閉鎖することで、材料が第1のキャビティ111内に入った後、真空乾燥の方式によって材料中の揮発しやすい溶媒を揮発させることができる。材料が真空乾燥された後、第1のキャビティ111の出力端のシール部材16が開くことで、材料が材料通路に沿って第2のキャビティ21内に入る。いくつかの例において、真空チャンバ11と結晶チャンバ20との間には、第1のキャビティ111と第2のキャビティ21が相対的に独立するように、第1のキャビティ111の出力端と第2のキャビティ21の入力端とを閉鎖するためのシール部材16が設けられる。
【0141】
いくつかの例において、上記のいずれか一つの例に記載の乾燥機は、ペロブスカイト電池材料を乾燥して結晶化するために用いられる。ペロブスカイト電池材料は、太陽電池などの装置に用いられてもよい。
【0142】
本出願は上記の乾燥機を基礎として、上記のいずれか一つの例に記載の乾燥機を含む電池加工機器の例をさらに提供する。
【0143】
注意すべきこととして、本出願による電池加工機器の例は上記乾燥機に基づく例であるため、本出願による電池加工機器の例は上記の乾燥機のすべての実施例のすべての技術案を含み、且つ達成された技術的効果も全く同じであり、ここで説明を省略する。
【0144】
図1~
図4を参照すると、本出願の一例において、乾燥機10は、材料を真空乾燥するための材料通路を含み、材料通路はさらに、真空乾燥が完了した後の材料を加熱アニーリング結晶化するために用いられてもよい。材料通路は閉鎖可能な通路であり、材料を真空乾燥した後、材料中の揮発しやすい溶媒を揮発し、材料が安定した中間状態に形成し、材料がアニーリング結晶化を行う際のプロセスウィンドウを延長させ、それにより、必要に応じてアニーリング結晶化のプロセスパラメータを決定して調整し、プロセスの再現可能性がより高くなり、プロセスの安定性も相対的に高く、製品の品質制御を容易に実現することができる。
【0145】
乾燥機10は、順に接続する第2の遷移チャンバ12、真空チャンバ11、第1の遷移チャンバ13及びは少なくとも二つの結晶チャンバ20を含み、第2の遷移チャンバ12、真空チャンバ11、第1の遷移チャンバ13は乾燥機10の一部を形成する。第2の遷移チャンバ12内には第2の遷移キャビティ121が形成され、真空チャンバ11内には第1のキャビティ111が形成され、第1の遷移チャンバ13内には第1の遷移キャビティ131が形成され、各結晶チャンバ20内にはそれぞれ第2のキャビティ21が形成される。第2の遷移キャビティ121の入力端と出力端には、必要に応じて乾燥機10の材料の入口をシールするためのシール部材16が設けられ、第1の遷移キャビティ131の入力端及び/又は出力端には、必要に応じて乾燥機10の材料の出口をシールするためのシール部材16が設けられる。乾燥機10は、対応するキャビティがある負圧状態を形成するように、第2の遷移キャビティ121、第1のキャビティ111及び第1の遷移キャビティ131中のガスを排出するための真空引き装置15をさらに含む。材料供給台40上の材料は、搬送装置30を介して搬送されて第2の遷移キャビティ121に入り、予備真空乾燥を行った後、材料は第1のキャビティ111に搬送され、第1のキャビティ111内で真空乾燥を行い、次に、材料を再び真空乾燥するように、材料を第1の遷移キャビティ131に搬送し、真空乾燥過程では、材料中の揮発しやすい溶媒を揮発し、材料中の揮発しにくい溶媒と材料とが安定した中間状態を形成し、それにより、材料の安定性を向上させることができ、材料が結晶チャンバ20に入る前のプロセスウィンドウを延長させ、それにより、材料の加工過程の再現可能性を向上させ、製品の安定性をより高くすることができる。真空乾燥された材料が第2のキャビティ21に入ってアニーリングして結晶化する。第2のキャビティ21内には、第2のキャビティ21を昇温して、材料が結晶化温度に急速に達するように、第1のヒータ221及び第2のヒータ222が設けられる。第2のキャビティ21内には、第1のヒータ221によって生成された赤外放射を材料方向に反射させてエネルギーの利用率を向上させるための温度均一化装置223がさらに設けられてもよい。本例における結晶チャンバ20の数は少なくとも二つであり、結晶チャンバ20は、首尾が順に直列接続されて設けられることで、材料が結晶チャンバ20によって形成された複数の第2のキャビティ21を通過する場合、結晶化温度を維持し、それにより、製品の均一性を向上させ、製品の品質をより高くすることができる。
【0146】
以上の記載は本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願の特許請求の範囲を限定するものではなく、本出願の新規な構想の下で、本出願の明細書及び図面に基づいてなされた等価物による変形又は直接/間接的に他の関連する技術分野における適用はいずれも本出願の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0147】
10…乾燥機、11…真空チャンバ、111…第1のキャビティ、12…第2の遷移チャンバ、121…第2の遷移キャビティ、13…第1の遷移チャンバ、131…第1の遷移キャビティ、131a…第1の遷移サブキャビティ、14…ガス排出装置、15…真空引き装置、16…シール部材、20…結晶チャンバ、21…第2のキャビティ、22…加熱装置、221…第1のヒータ、222…第2のヒータ、223…温度均一化装置、30…搬送装置、40…材料供給台、50…材料排出台、60…トレイ、70…バルブ、80…空気圧バルブ、90…一時貯蔵装置。
【国際調査報告】