(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】ニードルシールドとして機能するニードルカバーを有する静脈内カテーテル装置
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61M25/06 512
A61M25/06 514
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544397
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-09-06
(86)【国際出願番号】 US2023010500
(87)【国際公開番号】W WO2023146751
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディーパン ヴィカシュ
(72)【発明者】
【氏名】アーチット シァガラジャン
(72)【発明者】
【氏名】サクティヴェル カーティケヤン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA24
4C267BB24
4C267BB40
4C267EE01
4C267HH09
(57)【要約】
静脈内カテーテル装置には、ニードルシールドとして機能するニードルカバーを含めることができる。ニードルカバーをニードルシールドとして使用することで、静脈内カテーテル装置の設計が簡素化され、コストが削減される。ニードルカバーは、ニードルカバー、又は、ニードルシールドとして機能する最遠位位置と、カテーテルを患者の血管系に挿入できるようにニードルを露出させる近位位置との間で、ニードルハブに沿ってスライドするように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内カテーテル装置であって、
カテーテルアダプタ、前記カテーテルアダプタから遠位方向に延在するカテーテルを有するカテーテルアセンブリと、
ニードルハブ、前記ニードルハブから遠位方向に延在するニードルを有するニードルアセンブリであって、前記ニードルハブは、前記ニードルが、前記カテーテルを通って延在するように、前記カテーテルアダプタに結合される、ニードルアセンブリと、
前記ニードルハブに結合されたニードルカバーであって、前記ニードルが、前記カテーテルアダプタから引き抜かれた後に、ニードルシールドとして機能するように構成される、ニードルカバーと、
を備える、静脈内カテーテル装置。
【請求項2】
前記ニードルカバーが、1つ以上のチャネル、及び、対応する1つ以上のガイドを介して、前記ニードルハブに結合される、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項3】
前記1つ以上のチャネルが、前記ニードルハブに沿って延在し、前記対応する1つ以上のガイドが、前記ニードルカバーに形成される、請求項2に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項4】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、遠位停止部と、前記遠位停止部から間隔を置いた保持バンプと、を含む、請求項3に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項5】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、近位停止部を含む、請求項4に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項6】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、前記1つ以上のガイドが回転されるロックスロットを含む、請求項2に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項7】
前記ニードルハブが、前記1つ以上のチャネルに対応する、1つ以上の入口を含むことにより、前記1つ以上のガイドが、前記1つ以上のチャネルに入る、請求項2に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項8】
前記ニードルカバーが、チャネルを含み、前記カテーテルアダプタが、前記チャネルを通って延在し、前記チャネル内でスライドする、プッシュタブを含む、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項9】
前記チャネルが、偏向部を含む、請求項8に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項10】
前記ニードルハブが、1つ以上の切り欠きを含み、前記ニードルシールドが、前記ニードルハブ及び前記ニードルシールドを組み立てるために、前記1つ以上の切り欠きを通して挿入される、1つ以上の支持タブを含む、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項11】
前記カテーテルアダプタが、ウィングを含み、前記ニードルカバーが、前記ウィングがスライドする、ウィング溝を含む、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項12】
静脈内カテーテル装置であって、
カテーテルアダプタ、前記カテーテルアダプタから遠位方向に延在するカテーテルを有するカテーテルアセンブリと、
ニードルハブ、前記ニードルハブから遠位方向に延在するニードルを有するニードルアセンブリであって、前記ニードルハブは、前記ニードルが、前記カテーテルを通って延在するように、前記カテーテルアダプタに結合される、ニードルアセンブリと、
前記ニードルハブに結合され、前記ニードルハブに沿って最遠位位置から近位位置までスライドするように構成されたニードルカバーであって、前記ニードルカバーが、前記最遠位位置にあり、前記カテーテルアダプタが、前記ニードルハブに結合されているとき、前記ニードルカバーが、前記ニードル、及び、前記カテーテルを囲み、前記ニードルカバーが、前記最遠位位置にあり、前記カテーテルアセンブリが、前記ニードルカバーから遠位方向にスライドしたとき、前記ニードルカバーが、前記ニードルを囲む、ニードルカバーと、
を備える、静脈内カテーテル装置。
【請求項13】
前記ニードルカバーが、チャネルを含み、前記カテーテルアダプタが、前記チャネルを通って延在するプッシュタブを含み、前記プッシュタブは、臨床医が前記カテーテルアダプタを前記ニードルカバーから遠位側にスライドさせることを可能にする、請求項12に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項14】
前記ニードルハブが、1つ以上のチャネルを含み、前記ニードルカバーが、前記1つ以上のチャネル内でのスライドに対応する、1つ以上のガイドを含む、請求項12に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項15】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、前記ニードルカバーを最遠位位置に保持するために、対応する前記ガイドと整合する保持バンプを含む、請求項14に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項16】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、前記保持バンプから間隔をあけた遠位停止部を含む、請求項15に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項17】
前記カテーテルアダプタが、ノッチを含み、前記ニードルハブが、前記ニードルハブに対する前記カテーテルアダプタの回転を制限するために、前記ノッチに挿入する突出部を含む、請求項12に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項18】
静脈内カテーテル装置であって、
カテーテルアダプタと、前記カテーテルアダプタから遠位方向に延在するカテーテルと、を有するカテーテルアセンブリであって、前記カテーテルアダプタは、プッシュタブを含む、カテーテルアセンブリと、
ニードルハブと、前記ニードルハブから遠位方向に延在するニードルと、を有するニードルアセンブリであって、前記ニードルハブは、前記ニードルが、前記カテーテルを通って延在するように、前記カテーテルアダプタに結合され、前記ニードルハブは、前記ニードルハブに沿って長さ方向に延在する1つ以上のチャネルを有する、ニードルアセンブリと、
ニードルカバーであって、前記ニードルカバーを前記ニードルハブに結合するために、前記1つ以上のチャネル内に配置される、1つ以上のガイドを有し、前記1つ以上のガイドは、それぞれの前記チャネル内でスライドするように構成され、前記ニードルカバーは、前記カテーテルアダプタの前記プッシュタブがスライドするチャネルを含む、ニードルカバーと、
を備える、静脈内カテーテル装置。
【請求項19】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、遠位停止部、及び、保持バンプを含み、それぞれの前記ガイドが、前記遠位停止部及び前記保持バンプの間に選択的に保持される、請求項18に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項20】
前記1つ以上のチャネルのそれぞれが、それぞれの前記ガイドが回転するロックスロットを含む、請求項19に記載の静脈内カテーテル装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
静脈内(IV)カテーテル装置は、さまざまな輸液療法に一般的に使用されている。例えば、静脈内カテーテル装置は、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養のような流体を患者へと注入するために使用し得る。静脈内カテーテル装置は、患者から血液を採取するためにも使用される。
【0002】
一般的な静脈内カテーテル装置の種類としては、オーバーニードル末梢静脈留置カテーテル(「PIVC」)がある。オーバーニードルカテーテルは、その名のとおり、鋭利な遠位端を有するニードルの上に装着することができるカテーテルである。カテーテルとニードルは、ニードルの遠位先端がカテーテルの遠位先端を越えて延び、ニードルの斜角(bevel)が患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てることができる。
【0003】
静脈内カテーテル装置には、偶発的なニードル刺し事故を防ぐため、カテーテルから引き抜かれた後に、鋭い遠位先端を固定するニードルシールドが含まれることが多い。これらのニードルシールドは、一般的に金属製で複雑なため、静脈内カテーテル装置のコストが高くなる。静脈内カテーテル装置には、ニードルシールドとは別に、患者の血管系にカテーテルを挿入する前に、ニードルの鋭い遠位先端を覆うニードルカバーが含まれることも多い。言い換えれば、ニードルカバーは通常、キャップのような単純な構成要素であり、カテーテルを挿入する前に取り外して廃棄されるのに対し、ニードルシールドは、通常、患者の血管系から引き抜かれた後のニードルの遠位先端とカテーテルアダプタを固定する複雑な構成要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施(implementations)が実行され得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は一般に、ニードルシールドとしても機能するニードルカバーを有する静脈内カテーテル装置に関する。ニードルカバーをニードルシールドとして使用することで、静脈内カテーテル装置の設計が簡素化され、コストが削減される。ニードルカバーは、ニードルカバー、又は、ニードルシールドとして機能する最遠位位置と、カテーテルを患者の血管系に挿入できるようにニードルを露出させる近位位置との間で、ニードルハブに沿ってスライドするように構成することができる。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置は、カテーテルアセンブリ、ニードルアセンブリ、及び、ニードルカバーを含むことができる。カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位側に延びるカテーテルと、を有することができる。ニードルアセンブリは、ニードルハブと、ニードルハブから遠位方向に延びるニードルと、を有することができる。ニードルハブは、ニードルが、カテーテルを貫通して延びるようにカテーテルアダプタに結合することができる。ニードルカバーは、ニードルハブに結合され、ニードルが、カテーテルアダプタから引き抜かれた後、ニードルシールドとして機能するように構成されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーは、1つ以上のチャネル及び対応する1つ以上のガイドを介して、ニードルハブに結合され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルが、ニードルハブに沿って延びることがあり、対応する1つ以上のガイドが、ニードルカバーに形成されることがある。
【0009】
いくつかの実施形態において、1つ以上のチャネルの各々は、遠位停止部及び遠位停止部から間隔を置いた保持バンプ(「retaining bump」)を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、保持バンプは、対応するガイドが、チャネル内で近位方向にスライドするのを防止することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの各々は、近位停止部を含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの各々は、1つ以上のガイドが回転するロックスロットを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、ニードルハブは、1つ以上のガイドが、1つ以上のチャネルに入る1つ以上のチャネルに対応する1つ以上の入口を含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーは、チャネルを含み、カテーテルアダプタは、チャネルを通って延び、チャネル内でスライドするプッシュタブを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、チャネルは、偏向部を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ニードルハブは、1つ以上の切り欠きを含み、ニードルシールドは、ニードルハブとニードルシールドを組み立てるために、1つ以上の切り欠きを通して挿入する1つ以上の支持タブを含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーのチャネルは、ニードルカバーの近位端から遠位端まで延在してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーは、1つ以上のグリップを含むことができる。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置は、カテーテルアセンブリ、ニードルアセンブリ、及び、ニードルカバーを含むことができる。カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位側に延びるカテーテルと、を有することができる。ニードルアセンブリは、ニードルハブと、ニードルハブから遠位方向に延びるニードルと、を有することができる。ニードルハブは、ニードルが、カテーテルを貫通して延びるようにカテーテルアダプタに結合することができる。ニードルカバーは、ニードルハブに結合され、ニードルハブに沿って最遠位位置から近位位置までスライドするように構成され得る。ニードルカバーが、最遠位位置にあり、カテーテルアダプタが、ニードルハブに結合されているとき、ニードルカバーは、ニードルとカテーテルを囲むことができる。ニードルカバーは、ニードルカバーが、最遠位位置にあり、カテーテルアセンブリがニードルカバーから遠位側にスライドしたときにも、ニードルを囲むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーは、チャネルを含み、カテーテルアダプタは、チャネルを通って延びるプッシュタブを含むことができる。このプッシュタブにより、臨床医は、カテーテルアダプタをニードルカバーから遠位側にスライドさせることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、ニードルハブは、1つ以上のチャネルを含み、ニードルカバーは、1つ以上のチャネル内でスライドする対応する1つ以上のガイドを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの各々は、ニードルカバーを最遠位位置に保持するために対応するガイドと整合する保持バンプを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの各々は、保持バンプから間隔を空けられた遠位停止部を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーが近位位置にあるとき、ニードル及びカテーテルは、ニードルカバーから遠位側に延在してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、ノッチを含み、ニードルハブは、ノッチに挿入される突出部を含み、それによって、ニードルハブに対するカテーテルアダプタの回転を制限することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーは、ニードルカバーの近位端から外側に延びる1つ以上のグリップを含み得る。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置は、カテーテルアセンブリ、ニードルアセンブリ、及び、ニードルシールドを含むことができる。カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位側に延びるカテーテルと、を含むことができる。カテーテルアダプタは、プッシュタブを含み得る。ニードルアセンブリは、ニードルハブと、ニードルハブから遠位方向に延びるニードルと、を含むことができる。ニードルハブは、ニードルが、カテーテルを貫通して延びるようにカテーテルアダプタに結合することができる。ニードルハブは、ニードルハブに沿って長さ方向に延びる1つ以上のチャネルを有することができる。ニードルカバーは、ニードルカバーをニードルハブに結合させるために、1つ以上のチャネル内に位置決めされる1つ以上のガイドを有することができる。1つ以上のガイドは、それぞれのチャネル内でスライドするように構成され得る。ニードルカバーは、カテーテルアダプタのプッシュタブがスライドするチャネルを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの各々は、遠位停止部及び保持バンプを含み得る。各ガイドは、遠位停止部と保持バンプとの間に選択的に保持され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、ニードルカバーは、ニードルが、カテーテルアダプタから引き抜かれた後に、ニードルを囲む。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの各々は、それぞれのガイドが回転するロックスロットを含み得る。
【0031】
上述の概略の説明、及び、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された構成(arrangements)及び手段(instrumentality)に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
【
図1】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の一例を示す。
【
図2】
図2は、
図1の静脈内カテーテル装置のカテーテルアセンブリを示す。
【
図3A】
図3Aは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルアセンブリの様々な図である。
【
図3B】
図3Bは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルアセンブリの様々な図である。
【
図3C】
図3Cは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルアセンブリの様々な図である。
【
図3D】
図3Dは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルアセンブリの様々な図である。
【
図4A】
図4Aは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルシールドの様々な図である。
【
図4B】
図4Bは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルシールドの様々な図である。
【
図4C】
図4Cは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルシールドの様々な図である。
【
図4D】
図4Dは、
図1の静脈内カテーテル装置のニードルシールドの様々な図である。
【
図5B】
図5Bは、
図1の静脈内カテーテル装置の二―ドルアセンブリとニードルシールドの断面図である。
【
図6A】
図6Aは、
図1の静脈内カテーテル装置がどのように使用されるのかの一例を示す。
【
図6B】
図6Bは、
図1の静脈内カテーテル装置のどのように使用されるのかの一例を示す。
【
図6C】
図6Cは、
図1の静脈内カテーテル装置のどのように使用されるのかの一例を示す。
【
図6D】
図6Dは、
図1の静脈内カテーテル装置のどのように使用されるのかの一例を示す。
【
図7A】
図7Aは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図7C】
図7Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図7D】
図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図8A】
図8Aは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図8B】
図8Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図8C】
図8Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図8D】
図8Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図9】
図9は、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置と共に使用され得るプッシュタブの一例を示す。
【
図10】
図10は、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置と共に使用され得る把持領域の一例を示す。
【
図11A】
図11Aは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図11B】
図11Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図11C】
図11Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図11D】
図11Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図12A】
図12Aは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置と共に使用され得るニードルシールドの一例を示す。
【
図12B】
図12Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置と共に使用され得るニードルシールドの一例を示す。
【
図12C】
図12Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置と共に使用され得るニードルシールドの一例を示す。
【
図12D】
図12Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置と共に使用され得るニードルシールドの一例を示す。
【
図13】
図13は、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置がどのように組み立てられ得るかの一例を示す。
【
図14A】
図14Aは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図14B】
図14Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図14C】
図14Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図14D】
図14Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図14E】
図14Eは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【
図14F】
図14Fは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成される静脈内カテーテル装置の別の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
静脈内カテーテル装置には、ニードルシールドとして機能するニードルカバーを含めることができる。ニードルカバーをニードルシールドとして使用することで、静脈内カテーテル装置の設計が簡素化され、コストが削減される。ニードルカバーは、ニードルカバー又はニードルシールドとして機能する最遠位位置と、カテーテルを患者の血管系に挿入できるようにニードルを露出させる近位位置との間で、ニードルハブに沿ってスライドするように構成することができる。
【0034】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置10を示す。
図1では、静脈内カテーテル装置10は、使用前構成にある。静脈内カテーテル装置10は、カテーテルアセンブリ100、ニードルアセンブリ200、及び、ニードルカバー300を含む。カテーテルアセンブリ100は、カテーテルアダプタ110と、カテーテルアダプタ110から遠位側に延びるカテーテル120とを含む。ニードルアセンブリ200は、ニードルハブ210と、ニードルハブ210から遠位方向に延びるニードル220と、を含む。使用前構成では、ニードルハブ210は、ニードル220が、カテーテル120を貫通して遠位側に延びるように、カテーテルアダプタ110に結合することができる。
【0035】
ニードルカバー300は、細長い管状で、ニードルハブ210に結合され、カテーテルアダプタ110、カテーテル120及びニードル220の上に延びる。特に、使用前構成では、ニードル220の遠位先端は、ニードルカバー300内に収容される。
【0036】
概要として、ニードルカバー300は、カテーテル120の挿入前にはニードルカバーとして機能し、ニードル220が、カテーテルアダプタ110から引き抜かれたときには、ニードルシールドとして機能するように、ニードルハブ210に沿ってスライドするように構成され得る。ニードルカバー300が、ニードルシールドとして機能しているときと同様に、ニードルカバーとして機能しているときには、ニードルハブ210及びニードルカバー300は、ニードル220の遠位先端をニードルカバー300内に維持するように連動するように構成され得る。ニードルカバー300は、カテーテル120を静脈内に留置する際に、カテーテルアダプタ110をニードルカバー300内でスライドさせ得るように構成することもできる。ニードルカバー300は、ニードル220が、カテーテルアダプタ110から引き抜かれるのに応じて、ニードル220の遠位先端を固定するという点で、統合された安全性を提供する。また、ニードルカバー300は、ニードルシールドとして機能するとき、ニードル220の全体を覆うという点で、医療従事者の安全性を提供する。ニードルカバー300は、以下に述べるようなシンプルな設計で、これらの利点を提供することができる。
【0037】
図2は、分離したカテーテルアセンブリ100を示す。図示のように、カテーテルアダプタ110は、カテーテルアダプタ110から上方に延びるプッシュタブ111と、カテーテルアダプタ110の近位端110pに形成されるノッチ112と、を含むことができる。プッシュタブ111は、ネック部111aと、ネック部111aに対して拡大された幅を有するタブ部111bと、を含むことができる。プッシュタブ111は、カテーテルアダプタ110が、ニードルカバー300内に収納されている間、臨床医が、カテーテルアダプタ110を前進させることを可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ110のプッシュタブは、図示の実施形態のように固定され剛性であるのとは対照的に、対向する折り畳み可能なウィングの形態とすることができる。例えば、プッシュタブの対向する折り畳み可能なウィングを直立方向に一緒に折り畳んで、(以下に説明するように)ニードルカバー300のチャネル301を通って延びるようにし、プッシュタブとして機能させることができる。次に、カテーテルアダプタ110を、ニードルカバー300から取り外すと、プッシュタブの対向する折り畳み可能なウィングは、カテーテルアダプタ110の対向する側面から外側に延びる平坦な向きに折り畳むことができる。この平坦な向きでは、プッシュタブの対向する折り畳み可能なウィングは、カテーテルアダプタ110を患者の皮膚に固定するための固定プラットフォームとして機能することができる。
【0039】
他の実施形態では、プッシュタブ111は、固定プラットフォームを形成すると同時に、ニードルカバー300と干渉しないように、タブ部111bから下方及び外方に延びる延長部を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ110は、プッシュタブ111とは別のウィングを含むことがあり、ニードルカバー300は、ウィングを収容するように適合させることができる。以下に詳述する
図7Aから
図7Dは、そのような実施形態の一例を示す。
【0040】
図3Aから
図3Dは、ニードルアセンブリ200を分離した状態の様々な図を提供する。ニードルハブ210は、カテーテルアダプタ110の近位端110pに結合するように構成された遠位端210dを含むことができる。例えば、遠位端210dは、カテーテルアダプタ110の近位端110pに挿入して摩擦嵌合を形成するテーパー状先端部211を形成することができる。突出部217は、テーパー状先端部211と並んで、ニードルハブ210から遠位方向に延び、テーパー状先端部211が、近位端110pに完全に挿入されたときに、カテーテルアダプタ110の近位端110pのノッチ112に挿入される形状及びサイズにすることができる。この突出部217とノッチ112との係合により、ニードルハブ210が、カテーテルアダプタ110に対して、回転するのを防ぐことができる。
【0041】
ニードルハブ210はまた、その外面に沿って長さ方向に延びる1つ以上のチャネル212を含むことができる。図示される実施形態では、ニードルハブ210は、ニードルハブ210の反対側に、180°間隔をあけて配置された2つのチャネル212を含む。以下に詳述するように、ニードルカバー300は、チャネル212に沿ってスライドするように構成することができる。停止部214は、その遠位端で、又は、その遠位端に向かってチャネル212内に形成され得、停止部215は、その近位端で、又は、その近位端に向かってチャネル212内に形成され得る。停止部214及び停止部215は、ニードルカバー300が、ニードルハブ210から外れるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、停止部214の遠位側は、組み立てを容易にするために傾斜させることができる。特に、傾斜した遠位側は、ニードルカバー300を、ニードルハブ210にスライドさせるのを容易にする。保持バンプ213もまた、停止部214の近傍で、停止部214から間隔をあけて、チャネル212に形成することができる。保持バンプ213は、ニードルハブ210に対して、ニードルカバー300を最遠位位置に保持し、それによってニードル220の遠位先端を、ニードルカバー300内に維持するように機能し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、ニードルハブ210の近位端は、把持領域216を含むことができる。例えば、把持領域216は、ニードルハブ210の対向する側の平坦化された領域とすることができる。いくつかの実施形態では、把持領域216は、グリップを強化するための突起又は他のテクスチャ要素を含むことができる。ニードルハブ210の近位端は、フラッシュチャンバを形成することもある。例えば、ニードルハブ210は、フラッシュチャンバ内の血液が臨床医に見えるように、透明又は半透明の材料で形成することができる。ニードルハブ210には、血液がフラッシュチャンバに向かって流れ、フラッシュチャンバに流入する際に、フラッシュチャンバから空気を排出するためのベントプラグ(不図示)も含まれる場合がある。
【0043】
図4Aから
図4Dは、ニードルカバー300を分離した状態の様々な図を提供する。ニードルカバー300は、近位端300pから遠位端300dまでニードルカバー300の上部に沿って長さ方向に延びるチャネル301を含む。この文脈では、「上部」とは、静脈内カテーテル装置10の使用中に、通常上向きになるニードルカバー300の側面を指す。チャネル301は、プッシュタブ111がニードルカバー300を貫通して伸びることを可能にし、カテーテルアダプタ110が、ニードルカバー300に対してスライドすることを可能にする。グリップ302は、ニードルハブ210に対して、ニードルカバー300をスライドさせやすくするために、近位端300pに形成されてもよい。例えば、グリップ302は、ニードルカバー300の対向する側面から延びることができ、快適さを向上させるために丸みを帯びることができる。
【0044】
ニードルカバー300はまた、ニードルカバー300内の内側に延び、近位端300p、又は、その近傍に配置され得るガイド304を含み得る。ガイド304は、ニードルハブ210のチャネル212内に収まるような形状及びサイズにすることができる。ニードルカバーをニードルハブ210に結合するために、ガイド304をチャネル212に合わせ、停止部14に押し付けることができる。上述したように、停止部214の傾斜した遠位側は、ガイド304が、停止部214を越えてチャネル212にスライドすることを容易にできる。いくつかの実施形態では、ガイド304は、このスライドをさらに容易にするために傾斜した近位側を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ニードルカバー300は、ニードルカバー300が、ニードルシールドとして機能しているときを含め、ニードル220によって穿刺されないプラスチック又は他の比較的硬い材料で形成されてもよい。また、ニードルシールド300の直径、又は、その他の外形寸法は、ニードル220が、チャネル301を通って延びるのを防ぐのに十分なものとすることができる。
【0046】
図5Aは、使用前構成の静脈内カテーテル装置10の断面図である。図示のように、ニードルハブ210のテーパー状先端部211は、カテーテルアダプタ110に挿入される。図示されていないが、突出部217は、ノッチ112に挿入され、それによってカテーテルアダプタ110が、ニードルハブ210に対して回転するのを防ぐ。また、ニードルカバー300は、ニードルハブ210に対して最遠位位置にあり、ニードル220の遠位先端を囲んでいる。この最遠位位置では、ガイド304は、停止部214と保持バンプ213の間に位置する。ガイド304は、保持バンプ213に接触し、それにより、臨床医が十分な意図的な力を加えるまで、ニードルカバー300が、ニードルハブ210に対して、近位にスライドするのを防止する。
【0047】
図5Bは、ガイド304がチャネル212内の停止部214及び保持バンプ213とどのように係合するかを示す断面図である。図示されているように、保持バンプ213は、ガイド304が外側にたわむことなく、保持バンプ213を飛び越えて進むことを防止するために、チャネル212内に十分に延びている。いくつかの実施形態では、ニードルハブ210に対して、ニードルカバー300を、近位にスライドさせるために意図的な力が加えられたときに、この外向きのたわみを容易にするために、ガイド304の近位側及び保持バンプ213の遠位側は傾斜していてもよい。また、いくつかの実施形態では、ガイド304の遠位側及び保持バンプ213の近位側は、ニードルカバー300をその最遠位位置に戻すために、ニードルカバー300が、ニードルハブ210に対して遠位方向にスライドされるときに、ガイド304のたわみを容易にするために傾斜していてもよい。対照的に、停止部214の近位側は、ガイド304が、チャネル212から遠位側に逃げるのを防ぐために傾斜していない場合がある。同様に、停止部215の遠位側は、ガイド304が、チャネル212から近位側に逃げるのを防ぐために傾斜していなくてもよい。
【0048】
図6Aから
図6Dは、静脈内カテーテル装置10がどのように使用され得るか、特に、ニードルカバー300が、ニードルシールドとしてもどのように使用され得るかを示す。
図6Aは、
図1と同様に、使用前構成の静脈内カテーテル装置10を示す。この構成では、ガイド304は、ニードル220の遠位先端が、不用意に露出するのを防ぐために、停止部214と保持バンプ213との間に配置することができる。
【0049】
図6Bでは、ニードルカバー300が、ニードルハブ210に対して近位側にスライドされ、それによって、ニードル220とカテーテル120が露出している。例えば、臨床医は、グリップ302、及び/又は、把持領域216を使用して、ガイド304を外側にたわませて保持バンプ213を乗り越えさせ、その後、チャネル212内で近位側にスライドさせてニードル220及びカテーテル120を十分に露出させるのに十分な力を加えることができる。いくつかの実施形態では、ガイド304が、保持バンプ213をバイパスすると、触覚フィードバック、及び/又は、可聴フィードバック(例えば、スナップ)を発生してもよい。特に、このステップでは、ニードルハブ210とカテーテルアダプタ110は、ニードル220が、カテーテル120から遠位側に延びるように連動したままでよい。したがって、臨床医は、このような構成の静脈内カテーテル装置10を用いて、ニードル220及びカテーテル120を患者の血管系に挿入することができる。
【0050】
図6Cでは、臨床医が、ニードル220及びカテーテル120を患者の血管系に挿入し、プッシュタブ111を使用してカテーテルアダプタ110、したがって、カテーテル120をニードル220に対して遠位側に前進させ、それによって、カテーテル120を患者の血管系内に適切に位置させたと想定することができる。特に、チャネル301があるため、カテーテルアダプタ110は、ニードルカバー300内で、かつ、ニードルカバー300から独立してスライドできる。このステップでは、ニードルカバー300は、ニードルハブ210に対して近位位置にとどまることができる。
【0051】
図6Dでは、ニードルハブ210が、ニードルカバー300に対して近位にスライドされ、それによって、ニードルカバー300がその最遠位位置に戻される。例えば、臨床医は、把持領域216及びグリップ302を使用して、ガイド304が保持バンプ213を飛び越えて進むまで、ニードルハブ210を近位に引き、それによって、ニードルカバー300を、その最遠位位置にロックすることができる。臨床医は、ニードル220の遠位先端が露出しないように、ニードル220をカテーテルアダプタ110から引き抜く前にそうすることができる。いくつかの実施形態では、ガイド304が、保持バンプ213を飛び越えて進むと、触覚フィードバック、及び/又は、可聴フィードバックが発生し、それによって、ニードルカバー300が、その最遠位位置に固定されたときに、臨床医に確認される。
【0052】
この時点で、ニードルカバー300は、ニードルシールドとして機能し、それにより、ニードルアセンブリ200を安全に廃棄することができる。また、ニードル220が、カテーテルアダプタ110から引き抜かれる際、ニードル220は、ニードルカバー300内に収納されるため、血液が飛び散る危険性が大幅に低減される。特に、ニードル220から流出する可能性のある血液は、ニードルカバー300内に収容される。
【0053】
図7Aから
図7Dは、カテーテルアダプタ110がウィングを含み、ニードルカバー300が、ウィングを収容するように構成されている例を示す。この例では、静脈内カテーテル装置10は、その他の点では上述の実施形態と同様である。7Aは、カテーテルアダプタ110を分離した状態を示す図であり、
図7Bは、ニードルカバー300を分離した状態を示す図である。
図7C及び
図7Dはそれぞれ、静脈内カテーテル装置10の斜視図及び遠位図である。
【0054】
このような実施形態では、対向するウィング113がカテーテルアダプタ110の本体から外側に延在してもよい。ウィング113は、カテーテルアダプタ110の底部上又は底部に向かって(例えば、プッシュタブ111の反対側)配置され、固定プラットフォームとして使用できる。ニードルカバー300が、カテーテルアセンブリ100に対してスライドされる際に、ウィング113を収容するために、対応するウィング溝305が、ニードルカバー300に沿って形成されることがある。
【0055】
図8Aから
図8Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって、静脈内カテーテル装置10がどのように構成され得るかの別の一例を示す。図示される実施形態では、ニードルカバー300は、偏向部301aが、遠位端300dに向かって形成されていることを除いて、上述のようなチャネル301を含む。チャネル301の偏向部01aは、ニードルカバー300を、カテーテルアダプタ110に対して回転させることなく、ニードルカバー300が、カテーテルアダプタ110から引き抜かれるのを防止するように機能してもよい。特に、このような回転がなければ、プッシュタブ111は、偏向部301aの遠位壁に接触し、ニードルカバー300に対するカテーテルアセンブリ100のそれ以上の遠位側への移動を阻止する。その結果、臨床医は、ニードルシールド300を、カテーテルアダプタ110から分離し、したがって、ニードル220を、カテーテルアダプタ110から引き抜くために、このような回転を行う必要がある(例えば、
図6C及び
図6Dに示すように)。この回転要件は、カテーテルアダプタ110からニードル220を引き抜く前に、ニードルハブ210に対して、ニードルシールド300をその最遠位位置までスライドさせることを臨床医に思い出させることができる。
【0056】
図8Aに示される実施形態では、グリップ302は、ニードルカバー300の中間部分に配置され、隆起した隆起部又は別の隆起パターンの形態である。いくつかの実施形態では、この隆起パターンは、近位側を指す矢印の形状にすることで、ニードルシールド300が、カテーテルアセンブリ100に対して近位側に引き抜かれてニードル220が露出することを臨床医に知らせることができる。いくつかの実施形態では、ニードルハブ210の近位端に矢印218、又は、他の方向指示線が形成されてもよく、以下に説明するように、ニードルシールド300に対する、ニードルハブ210の回転に関するガイダンスを臨床医に提供するように機能してもよい。
【0057】
図8Bから
図8Dに最もよく示されているように、各チャネル212は、保持バンプ213でチャネル212の側面から延びるロックスロット212aを含む。言い換えれば、ロックスロット212aは、ガイド304が保持バンプ213を越えて遠位側に通過し、ニードルハブ210が、ニードルシールド300に対して相対的に回転したときに、ガイド304を受け入れるように構成される。ガイド304が、ロックスロット212aに配置されると、ニードルシールド300が、ニードルハブ210から分離するのを防ぐことができる。特に、ガイド304の周囲に近位壁及び遠位壁を形成するロックスロット212aは、圧縮荷重及び引張荷重が加えられたときに、ニードルシールド300が、ニードルハブ210から分離する可能性を最小限に抑える。
図8Cに最もよく見られるように、ロックスロット212aは、ガイド304が回転してチャネル212に戻るのを防止する段差を形成するために、チャネル212から凹んでいてもよい。
図8Bから
図8Dはまた、ニードルハブ210のテーパー状先端部211を囲む、ニードルハブ210の構造の多くを排除して、ニードルハブ210の製造に必要な材料の量を減らすことができることを示す。さらに、チャネル212の近位端は、保持バンプ213と同様に機能する保持バンプ215aを含み得る。
【0058】
静脈内カテーテル装置10は、ガイド304が、保持バンプ213の遠位に位置する
図8Aに表した構成で包装することができる。突出部217とノッチ112との間の界面により、ニードルハブ210は、カテーテルアダプタ110から独立して回転することができない。また、プッシュタブ111は、チャネル301内に回転制限されるため、ニードルハブ210は、ニードルシールド300に対して、回転することができず、静脈内カテーテル装置10が、この初期包装状態にある間、ガイド304が、ロックスロット212aに入るのを防ぐ。
【0059】
静脈内カテーテル装置10を使用するために、臨床医は、グリップ302を使用して、ニードルシールド300を、ニードルハブ210に対して相対的に引っ張り、それによって、ガイド304を保持バンプ213の近位側を通過させ、保持バンプ215aを通過するまでチャネル212内でスライドさせることができる(例えば、
図6Bに示すものと同様)。いくつかの実施形態では、ガイド304が、保持バンプ215aを通過する際に、可聴スナップが生じてもよい。このニードルシールド300の近位側への移動により、ニードル220の遠位端が露出する。保持バンプ215aは、ガイド304を保持バンプ215a上を遠位側に通過させるのに必要な力が、皮膚を穿刺するのに必要な力よりも大きくなるように構成することができる。その結果、臨床医は、ニードルハブ210に対して、ニードルシールド300が、遠位側にスライドする危険性なしに、ニードル220を挿入しながら、ニードルシールド300を把持することができる。
【0060】
ニードル220が挿入されると、臨床医は、ニードルハブ210及びニードルシールド300に対して、カテーテルアダプタ110を遠位側に押して、ニードルハブ210をカテーテルアダプタ110から分離することができる(例えば、
図6Cに示すものと同様)。臨床医はまた、ガイド304が、保持バンプ213を越えて遠位側に通過し、それによって、ニードルシールド300が、ニードル220の遠位先端を覆うようになるまで、ニードルハブ210を、ニードルシールド300に対して近位側に引くことができる。この時点で、臨床医は、ニードルハブ210に対して、ニードルシールド300を回転させ、ガイド304をロックスロット212aに位置させることができる。臨床医はまた、ニードルシールド300を、カテーテルアダプタ110に対して相対的に回転させて、プッシュタブ111が偏向部301aを通過し、チャネル301から外に導くことができる(例えば、
図6Dに示すものと同様)。その後、臨床医は、ニードルアセンブリ200及びニードルシールド300を安全に廃棄することができる。
【0061】
図9は、タブ部111を細長くして押し付け面を形成した例を示す。このような実施形態では、タブ部111の上部は、グリップを向上させるために遠位側に傾斜していてもよい。
【0062】
図10は、把持領域216がチャネル212の上に遠位方向に延びている例を提供する。このような実施形態では、把持領域216が、チャネル212の近位に形成されていないことから、ニードルハブ210の長さを短くすることができる。このような実施形態では、ニードルハブ210は、スナップインターフェース、プラスチック溶接、ねじ切り、締まり嵌めなどを用いて組み立てられ得る、把持領域216を含む遠位部品及び近位部品の2つの別個の部品として製造され得る。
【0063】
図11Aから
図11Dは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって静脈内カテーテル装置10がどのように構成され得るかの別の一例を示す。図示される実施形態では、ニードルカバー300は、偏向部301aが近位端300pに向かって形成されていることを除いて、上述のように偏向部301aを有するチャネル301を含む。図示される実施形態では、ニードルハブ210の各チャネル212は、チャネル212の遠位端と並んで延びる入口212bを含む。第1の一方向バンプ212cは、入口212bを分割し、第2の一方向バンプ212dは、入口212bをチャネル212から分割し得る。ニードルハブ210はまた、ニードルシールド300の支持タブ306(
図12D参照)を受けるための1つ以上の切り欠き219を含み得る。
【0064】
入口212bは、静脈内カテーテル装置10の組み立てを容易にする。特に、ニードルシールド300を、ニードルハブ210に結合するために、支持タブ306及びガイド304をそれぞれ、切り欠き219及び入口212bと位置合わせし、
図13に示すように、一方向バンプ212cを通過するまでガイド304を入口212bに挿入することができる。一方向バンプ212cは、ガイド304がその上を遠位側に通過するのを妨げる平坦な近位面を有することができる。ニードルシールド300は、包装されている間、ニードルハブ210に対してこの位置に留まることができる。
【0065】
静脈内カテーテル装置10を使用するには、ニードルシールド300を、ニードルハブ210に対して回転させ、ガイド304を一方向バンプ212d上に通過させてチャネル212に入れることができる。ニードルハブ210の近位端は、ニードルシールド300が回転しても(例えば、チャネル212と反対側の入口212bとの間の材料を排除することによって)、支持タブ306をブロックしないように構成することができる。次に、ニードルシールド300を、ニードルハブ210に対して近位にスライドさせ、ガイド304を保持バンプ215a上に通過させてニードル220を露出させることができる。一旦、ニードル220が挿入され、カテーテルアダプタ110が前進されると、これにはプッシュタブ111を偏向部301aを通して案内することが含まれ得るが、ニードルシールド300は、
図11Dに示すように、ガイド304が保持バンプ213を通過するまで、ニードルハブ210に対して遠位側にスライドさせることができる。この位置では、支持タブ306は、ニードルハブ210の近位壁に接して、ニードルハブ210とニードルシールド300の結合をより強固にすることができる。この時点で、ニードルハブ210とニードルシールド300は、安全に廃棄することができる。
【0066】
図12A及び
図12Dは、
図11A及び
図11Dに示す、静脈内カテーテル装置10の実施形態と共に使用され得るニードルシールド300の実施形態を示す。ニードルシールド300は、近位端300pに偏向部301aを有するチャネル301を含み、また、プッシュタブ111が意図的に押し込まれたときに、選択的に開く遠位開口部301bを有する。ノッチ307は、遠位開口部301bが、撓んで開くことを可能にすることによって、この選択的開口を容易にするために、遠位開口部301bの対向する側に形成され得る。
図12Cに示すように、いくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置10の組み立て中に、プッシュタブ111の挿入を容易にするために、チャネル301の近位端を広げることができる。
【0067】
図14Aから
図14Fは、本開示の実施形態で使用され得るニードルシールド300及びニードルハブ210の別の一例を提供する。図示されるニードルシールド300は、近位端300pにノッチ308が追加された
図12Aから
図12Dに表されている実施形態と同様である。ニードルハブ210の一方向バンプ212cはまた、ガイド304と相互作用して近位端300pを徐々に広げ、ガイド304が一方向バンプ212cの上を通過できるようにする傾斜した遠位面212c1を含む。ノッチ308は、ガイド304における近位端300pのこの拡がりを容易にすることができる。
図14Eは、包装構成の静脈内カテーテル装置10を表し、
図14Fは、挿入後ロック構成の静脈内カテーテル装置10を表す。
【0068】
このように、本開示の実施形態にしたがって構成された静脈内カテーテル装置は、安全性を犠牲にすることなく簡素化された設計を提供する。ニードルカバーをニードルシールドとしても機能するように構成することで、複雑で高価なニードルシールド部品は不要となる。また、ニードルカバーが、開放型であるため、点滴カテーテル器具の滅菌が容易である。
【0069】
本開示の実施形態は、図示された実施形態からのいくつかの変形を包含する。例えば、いくつかの実施形態では、ニードルカバー300に、1つ以上のチャネルを形成し、ニードルハブ210に対応するガイドを形成することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、チャネル212の断面形状は、正方形、三角形、円形などの別の適切な形状であり得る。
【0070】
本明細書で記載される全ての例及び条件付き文言は、本発明、及び、技術を促進するために発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】