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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】静脈内デバイスのポート用キャップ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/20 20060101AFI20250123BHJP
   A61M 39/16 20060101ALI20250123BHJP
   A61M 39/02 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A61M39/20
A61M39/16
A61M39/02 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544399
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-09-25
(86)【国際出願番号】 US2023010503
(87)【国際公開番号】W WO2023146752
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/302,918
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/094,796
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066CC01
4C066JJ03
(57)【要約】
静脈内デバイスのポート用キャップは、静脈内デバイスのポートに挿入するように構成された中実ポストを含み得る。キャップは、中実ポストを囲む環状カラーと、中実ポストと環状カラーとの間に配置された環状空洞が含まれ得る。キャップは、抗菌溶液を含む吸収性材料を含み得る。吸収性材料は、吸収性材料が圧縮可能であるように、環状空洞内に配置し得る。キャップが静脈内デバイスのポートに接続されることに応答して、抗菌溶液を静脈内デバイスのポート上へ流れ込ませるために、圧縮されるように、吸収性材料が構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内デバイスのポート用キャップであって、前記キャップは、
静脈内デバイスのポートに挿入されるように構成された中実ポストと、
前記中実ポストを囲む環状カラーと、
前記中実ポストと前記環状カラーとの間に配置された環状空洞と、
抗菌溶液を含む吸収性材料であって、前記吸収性材料は、前記吸収性材料が圧縮可能であるように前記環状空洞内に配置された吸収性材料と、
を備え、
前記キャップが前記静脈内デバイスの前記ポートに接続されることに応答して、前記抗菌溶液を前記静脈内デバイスの前記ポート上へ流れ込ませるために、前記吸収性材料が圧縮されるように構成される、キャップ。
【請求項2】
前記中実ポストが内側に向かってテーパ状である、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記中実ポストが前記環状カラーよりもさらに遠位に延在している、請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
前記中実ポストの最遠位表面に配置された抗菌コーティングをさらに備える、請求項1に記載のキャップ。
【請求項5】
前記中実ポストは、環状段差面と、前記環状段差面の近傍かつ近位の近位部分と、前記環状段差面の近傍かつ遠位の遠位部分と、を備え、前記遠位部分の外周は、前記近位部分の外周よりも小さく、前記抗菌コーティングは、前記遠位部分の上に配置され、前記遠位部分を取り囲んでいる、請求項4に記載のキャップ。
【請求項6】
前記抗菌コーティングが前記近位部分と同一平面にある、請求項5に記載のキャップ。
【請求項7】
前記環状段差面が前記環状カラー内に配置されている、請求項5に記載のキャップ。
【請求項8】
前記環状段差面が前記環状カラーの遠位に配置されている、請求項5に記載のキャップ。
【請求項9】
前記遠位部分に配置された前記抗菌コーティングは、前記近位部分の外径よりも小さい外径を有する、請求項5に記載のキャップ。
【請求項10】
前記抗菌コーティングは、前記最遠位表面の全体を覆い、前記中実ポストの遠位端と同一平面である、請求項4に記載のキャップ。
【請求項11】
前記キャップの近位端に配置された蓋部分をさらに備え、前記環状カラーおよび前記中実ポストは、前記蓋部分から延在し、前記蓋部分は、円形ディスクを備え、前記環状空洞を閉じる、請求項1に記載のキャップ。
【請求項12】
前記環状カラーに結合され、前記抗菌コーティングを覆うカバーをさらに備える、請求項4に記載のキャップ。
【請求項13】
静脈内デバイスは、
ポートと、
前記ポートに接続されたキャップと、を備え、前記キャップは、
前記静脈内デバイスのポートに挿入されるように構成された中実ポストと、
前記中実ポストを囲む環状カラーと、
前記中実ポストと環状カラーとの間に配置された環状空洞と、
抗菌溶液を含む吸収性材料であって、前記吸収性材料は、前記吸収性材料が圧縮可能であるように、前記環状空洞内に配置された吸収性材料、と、を備え、
前記キャップが前記ポートに接続されることに応答して、抗菌溶液を前記ポート上へ流れ込ませるために、圧縮されるように、前記吸収性材料が構成されている、静脈内デバイス。
【請求項14】
前記ポートは、隔壁を備え、前記キャップが前記ポートに接続されることに応答して、前記抗菌溶液を隔壁上へ流れ込ませるために、前記吸収性材料を圧縮するように、前記隔壁が前記吸収性材料に接触している、請求項13に記載の静脈内デバイス。
【請求項15】
前記キャップが前記ポートに接続されることに応答して、前記抗菌溶液を前記隔壁および前記ポートの外面上へ流れ込ませるために、前記吸収性材料を圧縮するように、前記隔壁が前記吸収性材料に接触している、請求項14に記載の静脈内デバイス。
【請求項16】
前記中実ポストの最遠位表面上に配置された抗菌コーティングをさらに備える、請求項13に記載の静脈内デバイス。
【請求項17】
前記静脈内デバイスは、コネクタを備え、前記コネクタの近位端は、前記ポートを備え、前記コネクタは、前記ポートの遠位に空洞を備え、前記抗菌コーティングは、前記空洞内に配置されている、請求項16に記載の静脈内デバイス。
【請求項18】
前記中実ポストは、環状段差面と、前記環状段差面の近傍かつ近位の近位部分と、前記環状段差面の近傍かつ遠位の遠位部分と、を備え、前記遠位部分の外周は、前記近位部分の外周よりも小さく、前記抗菌コーティングは、前記遠位部分の上に配置され、前記遠位部分を取り囲んでいる、請求項16に記載の静脈内デバイス。
【請求項19】
前記抗菌コーティングが前記近位部分と同一平面にある、請求項18に記載の静脈内デバイス。
【請求項20】
前記環状段差面が前記環状カラーの遠位に配置されている、請求項18に記載の静脈内デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈内デバイスのポート用キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
静脈内デバイスは、患者の血管系への迅速なアクセスを提供するために、ポートを使用することができる。これらのポートは、また、血管系へのアクセスが不要なときに、静脈内デバイスを患者の血管系内に留置することを可能にする。静脈内デバイスのポートが使用されていないときには、ポートを清潔に保ち、細菌やその他の微生物が付着しないようにすることが望ましい。もし、ポートが使用されていない間に微生物で汚染されれば、ポートが患者の血管系へのアクセスに再び使用されるとすぐに、微生物が患者の血管系に流される可能性がある。したがって、感染のリスクを減らすには、ポートの無菌性を維持することが不可欠である。
【0003】
本明細書で請求される主題は、何らかの欠点を解決する実施形態、または上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書で説明するいくつかの実装が実践される可能性のある技術分野の一例を説明するためにのみ提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、一般的には、静脈内デバイスのポート用キャップ、ならびに関連するデバイスおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、ルーメン内側およびルーメン外側の両方の抗菌保護を提供するキャップに関する。いくつかの実施形態では、キャップは、ルーメン外側保護用の抗菌溶液およびルーメン内側保護用の抗菌コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、静脈内デバイスのポート用キャップは、静脈内デバイスのポートに挿入するように構成された中実ポストを含み得る。いくつかの実施形態では、キャップは、中実ポストを囲む環状カラーを含み得る。いくつかの実施形態では、中実ポストは、内側にテーパ状であり得る。いくつかの実施形態では、中実ポストは、環状カラーよりも、さらに遠位に延在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、キャップは、中実ポストと環状カラーとの間に配置された環状空洞を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップは、抗菌溶液を含む吸収性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料は、圧縮可能であるように、環状空洞内に配置され得る。いくつかの実施形態では、キャップが静脈内デバイスのポートに接続されることに応答して、抗菌溶液を静脈内デバイスのポート上へ流れ込ませるために、吸収性材料が圧縮されるように構成され得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、キャップは、中実ポストの最遠位表面上に配置された抗菌コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、中実ポストは、環状段差面、環状段差面の近傍かつ近位の近位部分、および環状段差面の近傍かつ遠位の遠位部分を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位部分の外周は、近位部分の外周よりも小さくし得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、遠位部分上に配置され、遠位部分を囲み得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、近位部分と同一平面であり得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、環状段差面は、環状カラー内に配置し得る。いくつかの実施形態では、環状段差面は、環状カラーの遠位に配置し得る。いくつかの実施形態では、遠位部分に配置された抗菌コーティングは、近位部分の外径よりも小さい外径を含み得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、最遠位表面の全体を覆い、中実ポストの遠位端と同一平面になり得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、蓋部分は、キャップの近位端に配置され得る。いくつかの実施形態では、環状カラーおよび中実ポストは、蓋部分から延在し得る。いくつかの実施形態では、蓋部分は、円形ディスクを含み、環状空洞を閉鎖し得る。いくつかの実施形態では、キャップは、環状カラーに結合され、抗菌コーティングを覆うカバーを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、静脈内デバイスは、ポートと、ポートに結合されたキャップと、を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップは、ポートに挿入されるように構成された中実ポストを含み得る。いくつかの実施形態では、キャップは、中実ポストを囲む環状カラーと、中実ポストと環状カラーとの間に配置された環状空洞と、を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップは、抗菌溶液を含む吸収性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料は、吸収性材料が圧縮可能であるように、環状空洞内に配置され得る。いくつかの実施形態では、キャップがポートに接続されることに応答して、抗菌溶液をポート上へ流れ込ませるために、吸収性材料が圧縮されるように構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、ポートは隔壁を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップがポートに接続されることに応答して、抗菌溶液を隔壁上へ流れ込ませるために、吸収性材料を圧縮するように、隔壁が吸収性材料に接触し得る。いくつかの実施形態では、キャップがポートに接続されることに応答して、抗菌溶液を隔壁およびポートの外面上へ流れ込ませるために、吸収性材料を圧縮するように、隔壁が吸収性材料に接触し得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、キャップは、中実ポストの最遠位表面上に配置された抗菌コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、静脈内デバイスは、コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタの近位端は、ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタは、ポートの遠位に空洞を含み得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、空洞内に配置され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、中実ポストは、環状段差面、環状段差面の近傍かつ近位の近位部分、および環状段差面の近傍かつ遠位の遠位部分を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位部分の外周は、近位部分の外周よりも小さくし得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、遠位部分に配置され、遠位部分を取り囲み得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、近位部分と同一平面であり得る。いくつかの実施形態では、環状段差面は、環状カラーの遠位に配置され得る。
【0013】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも例示および説明であり、特許請求されている本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態は、組み合わせられ得、または他の実施形態を利用し得、そう主張しない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造上の変更を加え得ることも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
実施形態の例は、添付の図面を使用して、さらに具体的かつ詳細に、記述および説明されるだろう。
【0015】
図1A】静脈内デバイスの例示的なコネクタの上方斜視図である。
図1B】静脈内デバイスの例示的なコネクタの断面図である。
図2A】いくつかの実施形態による、例示的なキャップの上方斜視図である。
図2B】いくつかの実施形態による、図2Aのキャップの断面図である。
図2C】いくつかの実施形態による、コネクタに結合された図2Aのキャップの断面図である。
図3A】いくつかの実施形態による、例示的なキャップの上方斜視図である。
図3B】いくつかの実施形態による、図3Aのキャップの断面図である。
図3C】いくつかの実施形態による、コネクタに結合された図3Aのキャップの断面図である。
図4A】いくつかの実施形態による、例示的なキャップの上方斜視図である。
図4B】いくつかの実施形態による、図4Aのキャップの断面図である。
図4C】いくつかの実施形態による、コネクタに結合された図4Aのキャップの断面図である。
図5A】いくつかの実施形態による、例示的なキャップの上方斜視図である。
図5B】いくつかの実施形態による、図5Aのキャップの断面図である。
図5C】いくつかの実施形態による、コネクタに結合された図5Aのキャップの断面図である。
図6A】いくつかの実施形態による、例示的なキャップの上方斜視図である。
図6B】いくつかの実施形態による、図6Aのキャップの断面図である。
図6C】いくつかの実施形態による、コネクタに結合された図6Aのキャップの断面図である。
図7A】いくつかの実施形態による、例示的なキャップ上に配置された例示的なカバーの上方斜視図である。
図7B】いくつかの実施形態による、図7Aのキャップ上のカバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、図1A~1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、静脈内デバイスのコネクタ10は、近位端12および遠位端14を含み得る。本開示で使用される用語「遠位」は、ユーザーから遠い部分を指し、用語「近位」は、ユーザーに近い部分を指す。図1A~1Bは、コネクタ10の例を示している。しかし、いくつかの実施形態では、コネクタ10は、静脈内デバイスの任意の適切なニードルフリーコネクタを含み得ることが理解される。いくつかの実施形態では、遠位端14は、雄ルアー15および/または雄ルアー15を囲むカラー16を含み得る。いくつかの実施形態では、近位端12は、ねじ付きであり得るポート18を含み得る。いくつかの例では、ポート18は、雌ルアーを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、ポート18は、そこを貫通してコネクタ10の内部を外部環境から密閉する隔壁20を含み得る。いくつかの実施形態では、近位端12および遠位端14を貫通するコネクタ10のルーメン21は、ポート18の遠位に空洞22を含み得る。いくつかの実施形態では、空洞22は、雄ルアー15よりも幅を広くし得る。いくつかの実施形態では、静脈内デバイスは、コネクタ10に結合され得るカテーテルアセンブリを含み得る。
【0018】
ここで、図2A~2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、静脈内デバイスのポート18または他の同様のポート用のキャップ30は、ポート18に挿入されるように構成された中実ポスト32を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップ30は、中実ポスト32を囲む環状カラー36を含み得る。いくつかの実施形態では、環状カラー36は、環状カラー36がポート18にねじ込まれるように構成されるように、ねじ山を含み得る。いくつかの実施形態では、環状カラー36は、ねじ山を含まず、ポート18と滑り嵌めされるように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、キャップ30は、中実ポスト32と環状カラー36との間に配置された環状空洞38を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップ30は、抗菌溶液を含む吸収性材料40を含み得る。いくつかの実施形態では、抗菌性溶液は、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、アルコール、または他の適切な抗菌性溶液を含み得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料40は、吸収性材料40が圧縮可能であるように、環状空洞38内に配置され得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料40は、環状であり得る。図2Bは、いくつかの実施形態による、圧縮されていない吸収性材料40を示している。図2Cは、いくつかの実施形態による、コネクタ10がキャップをされたときに、圧縮された吸収性材料40を示している。
【0020】
いくつかの実施形態では、キャップ30がポート18に接続されることに応答して、抗菌溶液を隔壁20上へ流れ込ませるために、吸収性材料40を圧縮するように、コネクタ10の隔壁20または別の部分が吸収性材料40に接触し得る。いくつかの実施形態では、コネクタ10の隔壁20のみが、吸収性材料40を圧縮するために、吸収性材料40に接触し得る。いくつかの実施形態では、抗菌溶液は、ルーメン21の外側の隔壁20のルーメン外側部分に流れ得、抗菌保護を提供し得る。いくつかの実施形態では、キャップ30がポート18に接続されることに応答して、抗菌溶液を隔壁20および/またはポート18の外面へ流れ込ませるために、吸収性材料40を圧縮するように、隔壁20が吸収性材料40に接触し得る。これらの実施形態および他の実施形態では、抗菌溶液は、例えば、図2Cに示すように、隔壁20とポート18の内面との間の空間を通って、遠位方向に流れ得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、中実ポスト32は、雄ルアーテーパの外面のように、内側にテーパ状であり得る。いくつかの実施形態では、中実ポスト32は、隔壁20を通して中実ポスト32の挿入が容易になるように、中実ポスト32の長さの全部または一部に沿って、遠位方向に内側にテーパ状であり得る。これらの実施形態では、中実ポスト32は、円錐台形状であり得る。いくつかの実施形態では、中実ポスト32は、円筒形であり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、キャップ30は、中実ポスト32の最遠位表面44上に配置された抗菌コーティング42を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップ30は、ルーメン内側および/またはルーメン外側の抗菌保護を提供し得る。いくつかの実施形態では、キャップ30は、ルーメン外側保護用の抗菌溶液と、ルーメン内側保護用の抗菌コーティング42のみと、を含み得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティング42は、ルーメン21および空洞22内に配置されたカテーテルロック溶液との接触に応答して、抗菌剤を溶出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティング42は、クロルヘキシジンアセテート(CHA)、銀、CHAと銀の組み合わせ、または他の適切な抗菌コーティングを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、円筒形またはわずかにテーパ状の中実ポスト32は、より多くの抗菌コーティング42を収容するために、最遠位表面44をより大きくすることを容易にし得る。いくつかの実施形態では、中実ポスト32は、例えば、空洞22内などのルーメン21内の深部に抗菌コーティング42を配置することを容易にし得るように、環状カラー36よりも、さらに遠位に延在し得る。いくつかの実施形態では、最遠位表面44は、平面または略平面であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、中実ポスト32は、環状段差面46、環状段差面46の近傍かつ近位の近位部分48、および環状段差面の近傍かつ遠位の遠位部分50を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位部分は、最遠位表面44に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、遠位部分50の外周は、近位部分48の外周よりも小さくし得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティング42は、遠位部分50上に配置され得、遠位部分50を取り囲み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、環状段差面46は、抗菌コーティング42を近位部分48と同一平面にし得る。これらの実施形態では、抗菌コーティング42は、中実ポスト32の外径を大きくしないようにし得、したがって、中実ポスト32の円筒の表面または雄ルアーテーパに影響を与えないようにし得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティング42は、遠位部分50と同じ角度を維持し得る。いくつかの実施形態では、環状段差面46は、抗菌コーティング42がルーメン21内の遠位に集中し得、抗菌コーティング42がカテーテルロック溶液とより多く接触し得るように、環状カラー36の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、環状段差面46は、抗菌コーティング42が中実ポスト32の周囲に環状に延在することを可能し得、中実ポスト32の外径は増加せずに、中実ポスト32に沿った抗菌コーティング42の長さが増加する。
【0026】
いくつかの実施形態では、蓋部分52は、キャップ30の近位端54に配置され得る。いくつかの実施形態では、環状カラー36および中実ポスト32は、蓋部分52から遠位方向に延在し得る。いくつかの実施形態では、蓋部分52は、円形ディスクを含み得、および/または環状空洞38を閉じ得る。いくつかの実施形態では、吸収性材料40は、蓋部分52に接触し得、蓋部分52に向かって圧縮されるように構成され得る。
【0027】
ここで、図3A~3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、抗菌コーティング42は、最遠位表面44の全体を覆い得、中実ポスト32の遠位端56と同一平面であり得る。これらの実施形態では、抗菌コーティング42は、中実ポスト32の外径を大きくしないようにし得、したがって、中実ポスト32の円筒の表面または雄ルアーテーパに影響を与えないにし得る。いくつかの実施形態では、抗菌コーティング42は、遠位端56と同じ角度を維持し得る。いくつかの実施形態では、最遠位表面44の全体を覆う抗菌コーティング42は、抗菌保護を提供するために、ルーメン21内に存在する抗菌コーティング42の量を増加させ得る。図3Bは、いくつかの実施形態による、圧縮されていない吸収性材料40を示している。図3Cは、いくつかの実施形態による、コネクタ10がキャップをされたときに、圧縮された吸収性材料40を示している。
【0028】
ここで、図4A~4Cを参照すると、いくつかの実施形態では、最遠位表面44上に配置された抗菌コーティング42は、最遠位表面44の外径よりも小さい外径を含み得、最遠位表面44と抗菌コーティング42との間に、環状の段差を形成する。いくつかの実施形態では、最遠位表面44の外径よりも小さい抗菌コーティング42の外径は、抗菌コーティング42を、さらに狭くなり得るコネクタ10内にさらに延在し易くし得る。いくつかの実施形態では、コネクタ10は、ポートの遠位に空洞22を含み得る。図4Bは、いくつかの実施形態による、圧縮されていない吸収性材料40を示している。図4Cは、いくつかの実施形態による、コネクタ10がキャップをされたときに、圧縮された吸収性材料40を示している。
【0029】
ここで、図5A図5Cを参照すると、いくつかの実施形態では、遠位部分50に配置された抗菌コーティング42は、近位部分48の外径よりも小さい外径を含み得、遠位部分50と抗菌コーティング42との間に、環状の段差を形成する。いくつかの実施形態では、近位部分48の外径よりも小さい抗菌コーティング42の外径は、抗菌コーティング42を、さらに狭くなり得るコネクタ10内にさらに延在し易くし得る。図5Bは、いくつかの実施形態による、圧縮されていない吸収性材料40を示している。図5Cは、いくつかの実施形態による、コネクタ10がキャップをされたときに、圧縮された吸収性材料40を示している。
【0030】
ここで、図6A~6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、環状段差面46は、環状カラー36内に配置し得る。これらの実施形態では、抗菌コーティング42は、生理食塩水またはイオン化水に浸漬され得る吸収性材料40と接触し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、滅菌、輸送、および/または保管中など)キャップ30の組み立て後に抗菌コーティング42が吸収性材料40に接触することに応答して、抗菌コーティング42は、抗菌剤を溶出し得、コネクタ10がキャップをされたときに、コネクタ10のルーメン外側表面を保護する抗菌溶液が生成される。図6Bは、いくつかの実施形態による、圧縮されていない吸収性材料40を示している。図6Cは、いくつかの実施形態による、コネクタ10がキャップをされたときに、圧縮された吸収性材料40を示している。
【0031】
ここで、図7A~7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、キャップ30は、環状カラー36に結合され得るカバー58を含み得る。いくつかの実施形態では、カバー58は、抗菌コーティング42を覆い得る。いくつかの実施形態では、カバー58は、キャップ30を密閉し得、吸収性材料40内の抗菌溶液の蒸発を防止し得る。いくつかの実施形態では、カバー58は、感圧接着剤(PSA)、機械的なスナップ機能、または他の適切な手段を使用して、環状カラー36などのキャップ30の表面に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザーは、キャップ30をコネクタ10に結合したり、またはコネクタ10にキャップを被せたりする前に、キャップ30の残りの部分からカバー58を取り外し得る。いくつかの実施形態では、カバー58は、ユーザーにより、カバー58を剥がし易くし得るタブ60が含まれ得る。カバー58は、図2~6のキャップ30のいずれの実施形態でも使用し得ることが理解される。さらに、特定の実施形態が、1つ以上のコンポーネントおよび/または動作に関して、1つ以上の他の実施形態と類似するものを含み得るように、図2図6の実施形態の1つ以上が組み合わされ得ることが理解される。
【0032】
本明細書で引用した全ての例および条件文は、読者が本発明および発明者が技術の発展に寄与した概念を理解するのに役立つ教育目的を意図しており、そのような具体的に引用した例および条件に限定されないものと解釈されるべきである。本発明の実施形態について、詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を行うことができることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
【国際調査報告】