(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】回転ブレードを備えたタービン
(51)【国際特許分類】
F01C 1/40 20060101AFI20250123BHJP
F01D 7/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
F01C1/40
F01D7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544436
(86)(22)【出願日】2023-01-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 CZ2023050003
(87)【国際公開番号】W WO2023143651
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524277119
【氏名又は名称】シェフチーク,ミラン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】シェフチーク,ミラン
(57)【要約】
本発明の目的は、ステータ(2)、タービンZの軸を中心に回転するロータ(1)、及びロータ(1)の円周の周りに等間隔に配置されたn個の回転ブレード(3)を含む回転ブレードを備えたタービンである。タービンは、スロット(6)と封止チャンバ(7)とによって囲まれた加圧チャンバ(4)を含み、それらの間で媒体供給のための入口チャネル(8)が加圧チャンバ(4)内につながる。スロット(6)、封止チャンバ(7)、及びブレード(3)は、少なくとも1つのブレード(3)で、スロット(6)及び封止チャンバ(7)の両方を永久に封止するように適合する。ブレード(3)の回転は歯付きギヤによって確保され得、ブレード(3)の角速度は、ロータ(1)の角速度の整数倍である。ブレード(3)は、ほぼ円錐形または円筒形の前壁(9)及び後壁(10)を有し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ軸Zの周りを回転するように適合されたロータ(1)及びステータ(2)を含む回転ブレード(3)を備えたタービンであって、前記軸Zの周りに等間隔に配置されたn個のブレード(3)が前記ロータ(1)の外面から突出し、各ブレード(3)はその軸を中心に回転し、
各ブレード(3)は前壁(9)及び後壁(10)を含み、どちらの壁も前記ブレード(3)の前記軸に沿って見たときに湾曲しており、湾曲の中心は前記ブレード(3)から同じ側にあり、前記各ブレードは2つの側縁(11)を有し、
前記タービンは、前記タービンの両軸方向から加圧チャンバ(4)の前面(13)及び前記加圧チャンバ(4)の後面(13)によって囲まれた前記加圧チャンバ(4)、前記加圧チャンバ(4)の内周壁、及び前記加圧チャンバ(4)の外周壁をさらに備え、
前記加圧チャンバ(4)の始端部が、2つの部分の仕切り壁(5)によって画定され、前記ブレード(3)が前記加圧チャンバ(4)に入るためのスロット(6)が前記仕切り壁(5)の両部分の間に作られ、前記ブレード(3)が前記スロット(6)を通過するときに、前記スロット(6)の形状を厳密に模倣するようにその形状が適合され、
各ブレード(3)が前記スロット(6)からの前記出口の位置にある場合、前記ブレード(3)が前記加圧チャンバ(4)内に位置し、前記ブレード(3)の一方の縁部が前記スロット(6)内に位置しており、後続の前記ブレード(3)は、前記スロット(6)への入口の位置にあって、前記ブレード(3)が前記加圧チャンバ(4)の外側に位置し、前記ブレード(3)の一方の縁部が前記スロット(6)内に位置し、
前記加圧チャンバ(4)が、前記ブレード(3)の流れ方向に、まず前記加圧チャンバ(4)に媒体を供給するための入口チャネル(8)と、次に、少なくともα、ただし
【数1】
の長さを有する封止チャンバ(7)を備え、前記封止チャンバ(7)の中心は、+65°~+100°または-~65の範囲で前記ブレード(3)の前記流れ方向に前記スロット(6)から離れて位置する、
前記ロータ(1)の回転の各位置で、前記スロット(6)が少なくとも1つのブレード(3)によって封止され、前記封止チャンバ(7)は少なくとも1つの他のブレードによって封止される、ことを特徴とする、前記タービン。
【請求項2】
前記ブレード(3)の数nが5~100であることを特徴とする、請求項1に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項3】
前記タービンがm個の加圧チャンバ(4)を備え、それぞれが封止チャンバ(7)、仕切り壁(5)、スロット(6)、及び入口チャネル(8)を備え、mが1~10の整数である、ことを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項4】
前記ブレード(3)が、前記ロータ(1)の回転速度に対してm:1の歯車比を使用してそれら自体の軸を中心に回転するように適合されることを特徴とする、請求項3に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項5】
前記タービンが、水タービン、蒸気タービン、またはガスタービンからなる群から選択されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項6】
各ブレード(3)が、前記ブレード(3)の前記軸が存在する独自の対称面を有し、前記封止チャンバ(7)の中心に前記ブレード(3)が位置するとき、前記入口チャネル(8)の前記軸が前記ブレード(3)の前記対称面と15°未満の角度を形成する、ことを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項7】
前記ブレード(3)が、前記ロータ(1)の前記角速度の整数倍に等しい角速度で回転するように適合されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項8】
前記ブレード(3)が振動回転に適合することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項9】
各ブレード(3)が、その自由端に、厚さが増加した補強セグメント(12)を備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項10】
各ブレード(3)の厚さが、前記ブレード(3)の長さの大部分にわたってその自由端に向かって減少することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項11】
前記封止チャンバ(7)の形状が、前記封止チャンバ(7)を通過するブレード(3)の縁部の複合運動の包絡線によって画定されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項12】
各ブレード(3)の前記前壁(9)及び前記後壁(10)の形状を、前記スロット(6)に対して前記スロット(6)を通過する前記ブレード(3)の前記複合運動の包絡線によって画定することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項13】
前記ブレード(3)の軸が前記タービンの軸に平行であり、前記封止チャンバ(7)の前記中心は、前記ブレード(3)の流れ方向に沿って、65°~85°または-85°~-65°の範囲で前記スロット(6)から離れた位置にあり、各ブレード(3)の前記側縁(11)は前記ブレード(3)の前記軸に平行である、ことを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項14】
前記ブレード(3)の前記軸が前記タービンの前記軸に垂直であり、前記封止チャンバ(7)の前記中心が、前記ブレード(3)の流れ方向に80°~100°または-100°~-80°の範囲内で前記スロット(6)から離れて位置し、各ブレード(3)の前記側縁(11)が前記タービンの前記軸の方向に互いに接近する、ことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項15】
前記タービンの前記軸に対する前記ブレード(3)の前記軸の前記回転の角度が、-90°~90°までの閉区間から選択されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【請求項16】
前記タービンが気体媒体用に設計され、前記入口チャネル(8)が、各ブレード(3)に適合したバルブ(24)を備え、前記所与のブレード(3)が前記封止チャンバ(7)に入った後に前記入口チャネル(8)を開き、前記入口チャネルが開かれてから前記ロータ(1)が最大0,6α回転した後に前記入口チャネル(8)を閉じる、ことを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の回転ブレード(3)を備えたタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自身の軸を中心に回転することが可能なブレードを備えたタービンに関する。より詳細には、本発明は、媒体がポンプで注入され、ブレードを通すことによって封止される加圧チャンバを有するタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タービンは、流れる媒体の運動エネルギー、熱エネルギー、及び圧力エネルギーを機械的作業に変換する機械を表す。エネルギー変換は、回転可能に格納された1つ以上のロータ上のブレードで構成されるブレードグリッドで行われる。ブレード間の流体の通過により、ブレードに力が加えられ、これによりロータが回転する。ブレードは、異なる形状及びサイズのものであってもよく、堅固に固定またはその軸を中心に回転してもよく、また、ブレードとタービンの軸との間の角度が異なってもよい。タービンによって行われる仕事は、シャフトによってロータに接続される発電機と組み合わせて電気エネルギーを生成するために使用することができる。
【0003】
タービンには多くの用途がある。タービンは、例えば、航空機エンジンの駆動ユニットとして(ジェット機用またはヘリコプタ及びプロペラ機のターボシャフトユニットとして)使用される。タービンは、例えばロケットまたはガスパイプラインでの、ターボポンプを駆動するために使用される。その使用はエネルギー産業において非常に重要であり、当該産業ではタービンは主に電動発電機の主要な駆動機械として使用され、公共の電力網のために電気エネルギーを生産する。いくつかの特殊なタイプのポンプ貯蔵水力発電プラントのタービンは、水ポンプとしても(逆に)機能できるように設計されている。
【0004】
タービンは、いくつかの態様に従って分類される。エネルギー変換の原理によれば、それらは、タービンが高速である流体の流れの方向を変え、これによって高い運動エネルギーを有する衝撃エネルギーと、タービンがロータブレード間の空間で流体の流れの方向及び速度を変えるときの反力に基づいてトルクを発生させる反応エネルギーと分類される。
【0005】
タービンは、処理する媒体に従ってさらに分類される。これらは水タービンであり得、最もよく知られているのは、フランシスタービン、ペルトンタービン、カプランタービン、またはバンキミッシェルタービンである。さらに、ガスタービンは周知であり、蒸気タービンと熱エンジンを備えた燃焼タービンとに分類される。別のグループは、空気流を使用してロータを駆動するタービン、すなわち風力タービンである。
【0006】
設計に従って、タービンは、ロータがステータ本体によって閉鎖されない開放型のものと、ロータがステータ本体によって閉じられる閉鎖型とに分けられる。
【0007】
媒体の流れの方向に従って、タービンは軸流タービン(流体の流れが主にロータの回転軸の方向に流れる軸流タービン)と、ラジアルタービン(流体の流れの方向が変化し、経路の大部分がロータの回転軸に垂直であるラジアルタービン)と、ラジアクシャルタービン(インペラ内の流体の流れが半径方向から軸方向に方向を変化するラジアクシャルタービン)と、接線流式タービン(流体がインペラ上で接線方向に作用する接線流式タービン)に分類される。
【0008】
現在の技術水準では、例えば自動車産業などで、部分的に回転するブレードを有するタービンが周知であり、タービンは、ターボ過給機付エンジンを有するほとんどの車両の一部であり、タービン過給機または過給機の一体部分を形成している。回転ブレードを備えたタービンも従来技術で周知である。これらの可変面積タービン(VAT)は、適応型ファン、可変ブレードコンプレッサ、可変ノズルなどの他の適応型エンジン要素と組み合わせて、ガスタービンエンジンの全体的な性能に大きな利点を提供できる適応型構成要素である。これらの利点としては、比燃料消費量(SFC)の低減、高圧コンプレッサ出口での空気温度の低減、スロットル応答の改善、及び部分の寿命の延長を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0009】
回転ブレードを備えたタービンは、特許番号EP3071796にも記載されており、同文献は、ファン部、コンプレッサ部、燃焼部、及びタービン部を備える二流ガスタービンエンジンを記載する。この場合、ブレードは、外径と内径との間に画定された流量経路内で自身の軸を中心に回転する。ブレードは、流量経路の表面から一定の距離で、自身の軸を中心に回転する。この解決策の欠点は、タービン動作中の損失が高いことであり、これはタービンの動作効率に悪影響を与え得る。別の欠点は、タービン動作中にかなりの振動が発生することである。
【0010】
回転ブレードを備えた別のタービンが、特許文書DE2602597A1に記載されている。しかしながら、この解決策では、ブレードのドリフトと反対の方向に著しい媒体漏れがあり、効率が低下する。さらに、この解決策はかなりの振動も発生させ、これが、とりわけ、タービンの寿命等に影響を及ぼす。
【0011】
回転ブレードを備えた周知のタービンの別の例は、特許文書DE883563Cに記載されているタービンである。しかしながら、このタービンのブレードは凹凸の形状を有しており、これはスロットを封止するためにこのタービンには必要なものであるが、スロットの面積を増加させ、タービンの効率を低下させる。
【0012】
したがって、タービンの効率を高め、アセンブリの揺動運動を最小限に抑える解決策を考え出すことが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
当該技術の水準から周知の解決策の欠点は、ロータZの軸及びステータの周りを回転するように適合されたロータを含む回転ブレードを備えたタービンによってある程度除去され、ロータが円周方向に配置されたブレードを含み、各ブレードは自身の軸を中心に回転することである。ロータの軸、またはタービンZの軸の周りに等間隔に配置されたN個のブレードが、ロータの外面から突出する。各ブレードは前壁及び後壁を含み、ブレードの軸に沿って見ると、前壁及び後壁の両方が湾曲しており、湾曲の中心はブレードから同じ側にある、2つの側縁を有する。ブレードの厚さは、前壁と後壁との間で画定される。ブレードの側縁、及び場合によっては他の縁は、鋭利で、丸みを帯びてもよく、比較的狭い壁の形態をとってもよい。本質的に、前壁及び後壁が同じ方向に湾曲していることは、ほぼブレードの軸方向に見たときに、ブレードが凸凹形状または凸凹形状を有することを意味する。これらの壁は、実質的に円筒形または円錐形の面積を有することが好ましく、例えば、それらの面積の大部分で、円筒形または円錐形から、1ミリメートルを超えて、好ましくは0.5ミリメートルを超えて逸脱しない。それは必ずしも回転領域である必要はなく、例えば、楕円形または放物線形の基部を有する領域であってもよい。
【0014】
ブレードの厚さは、その幅または長さ全体にわたって一定である必要はない。距離は、前壁と後壁との間の距離としてブレードの各位置で測定されることが好ましく、例えば、これらの壁のうちの少なくとも1つに対して垂直に測定される。
【0015】
タービンは、タービンの両軸方向から加圧チャンバの前面及び加圧チャンバの後面によって囲まれた加圧チャンバ、加圧チャンバの内周壁、及び加圧チャンバの外周壁をさらに備える。面及び周壁は、部分的にロータによって画定され、部分的にステータによって画定される。例えば、面は、タービンの軸に垂直な平面領域であってよい。例えば、周壁は、円筒形または球形であり得る。加圧チャンバの始端部、すなわち、流れ方向またはブレードの通路に対するその前端は、2つの部分の仕切り壁によって画定され、加圧チャンバへのブレードの進入のためのスロットが仕切り壁の両方の部分の間で画定される。また、両方の部分は、材料の一部から作られることもでき、例えば、加圧チャンバの一面または1つの周壁で互いに接続されることもできる。ブレードは、その形状に関して、ブレードがスロットを通過するときにスロットの形状を忠実に模倣するように適合されている。忠実な模倣とは、わずかな隙間のみを残して形状を模倣することを意味する。ブレードがスロットを通過すると、ブレードは、一方の縁部が前方に向いた状態となる。すなわち、通過中、ブレードの前壁が仕切り壁の一部に面し、後壁がもう一方の部分に面する。前壁及び後壁の形状、特にその湾曲は、この忠実な模倣を達成するように選択される。前述の隙間は、ブレードの自由通路を維持しながら可能な限り小さく、例えば、約1ミリメートル未満、好ましくは0.5ミリメートル未満、より好ましくは10分の1ミリメートル未満であり得る。ブレード通路の方向、すなわちロータの回転は、タービンが発電機として動作しているときの状態に対して画定されている。一般に、システムは、エネルギーを供給するときにポンプとして機能することもでき、そのロータは次に、上記導入されたブレード通路の方向に対して回転する。
【0016】
軸Zの方向に見た場合、軸Z上で交差し、角度
【数1】
を形成する2つの線が、ブレードの軸、スロット、軸Zによって、スロットへの入口の位置とスロットからの出口の位置の両方でブレードに対して画定される。好ましくは、この角度は、2つのブレードがスロット内で互いに通過したときにブレード間に0.5ミリメートル以下の、好ましくは10分の1ミリメートル未満の間隔があるような精度で達成される。材料の熱膨張により、記載された隙間は、すでに通常動作温度にあるタービンで測定されることが好ましい。この図では、スロットは、仕切り壁の両方の部分の最近点を通り、軸Zの方を向く線分の形態をとる。この図では、軸Zは単一の形態をとる。ブレードの軸は、線または点の形態をとることができ、線の形態をとる場合、この線は軸Zに面する。したがって、スロットへの入口での位置は、ロータの回転、その結果としてブレードの回転でも決定されるブレードの位置である。ブレード縁部がスロットの最も狭い位置に延び、ブレードの残りの部分がスロットの前(すなわち、加圧チャンバの外側)にある。ベータ角度の選択により、ベータ角度は、スロットの出口でほぼその位置にあるベータ角度で前のブレードと接触し、第2の側縁はスロットの最も狭い位置であり、ブレードの残りの部分はスロットの後方(すなわち、加圧チャンバの内部)にある。本質的に、換言すれば、ロータが一回転するとき、スロットが特定のブレードによって封止されなくなり、次のブレードによって封止され始めるn個の瞬間がある、すなわち、ブレードがスロットに合流する瞬間があるということができる。これにより、スロットを通しての媒体の漏れが防止される。
【0017】
加圧チャンバは、ブレードの流れ方向に、最初に加圧チャンバへの媒体供給のための入口チャネルと、少なくともα、ただし
【数2】
の長さを有する封止チャンバとを備える。封止チャンバの中心は、ブレードのドリフト方向に対して+65°~+100°範囲でスロットから離れた位置にあり、ブレードのドリフト方向または逆方向の同じ間隔に位置する。ブレードの流れ方向に対するその位置は、タービン振動に関してより好ましくあり得る。方向に従った位置は、そのような場合、加圧チャンバがより短いため、製造コスト及び複雑さの点でより好ましい場合がある。好ましくは、ブレードが、その軸がスロットを通過する位置での旋回に対してその軸の周りで90°回転されるとき、ブレードは封止チャンバ内にあり、その縁部で封止する。この封止は、スロット封止と同様、封止チャンバの壁に対するブレードの摩擦を防ぐために小さな隙間を有している。特定のブレードが封止チャンバの封止を開始する瞬間または位置は、ブレードがその全体容積で封止チャンバに入った瞬間と必ずしも同じではない。封止は、その側縁が封止チャンバの壁に対して封止を開始するような方法でブレードを回転させた後に行うこともできる。同様に、ブレードは、ブレードがその容積の一部が封止チャンバを出る前に、封止チャンバの封止を停止する場合がある。次に、封止チャンバの中心は、ブレードが封止を開始する位置と、このブレードが封止チャンバの封止を停止する位置との間のブレード軌跡の軸の中心に位置し得る。
【0018】
ロータの回転の各位置で、スロットは少なくとも1つのブレードによって封止され、封止チャンバは少なくとも1つの他のブレードによって封止される。上記のように、それは完全な密封ではない場合があり、ブレードが自由に移動できるように、加圧チャンバの壁とブレードとの間に常に一定の隙間がある場合がある。ブレードの効率は、とりわけ、スロットの面積に対する封止チャンバの断面積の比率に依存するため、スロットの面積は、好ましくは、可能な限り小さく、ブレードが係合する封止チャンバの面積は、例えばブレード強度などの設計要件を考慮して、可能な限り大きいことが好ましい。上述のタービンは、現在の技術水準で周知のタービンよりも高いレベルでこの比率を達成することを可能にし、これによって、より高効率の機能も可能にする。両方のブレード壁を同じ方向に湾曲させることにより、ブレードが係合し、最も変形しやすいときに十分なブレード強度を維持しながら、比較的に薄いブレード厚を実現することが可能になる。スロットと封止チャンバとの両方の永久的な封止により、媒体が不要に通過するのを防ぎ、これにより効率も向上する。媒体排出部は、封止チャンバの後方のいずれか、または封止チャンバがより多くがある場合には封止チャンバの最後方に実装されてもよい。例えば、媒体を自由に排出するための開口部が設けられてもよい。すなわち、例えば、加圧チャンバを出た後、媒体は、直接にまたは出口パイプを通ってタービンを出て自由空間に入る。
【0019】
ロータZの軸と平行なブレードの回転軸を有するタービンは、ブレードの軸が異なって回転するタービンよりも設計が簡単であり得る。ロータ及びブレードの移動のための空間を画定する壁もまた、平面及び円筒形(すなわち、回転円筒シェルの一部の形状)とすることができる。しかしながら、軸Zと同時のブレードの軸を備えたタービンが、遠心力及びそれらによって引き起こされるブレードの変形のリスクの観点から、より好ましくあり得る。例えば、ロータ及びブレードが移動するための空間を画定する壁の一部は、球面状であり得る。したがって、この同時回転は、ブレードの変形による仕切り壁またはチャンバの壁との望ましくないブレードの接触を防ぐのに役立つことができる。ブレードの回転は、好ましくは、ロータの回転に依存し、特に、少なくともスロットの入口における位置と、封止チャンバからの出口における位置との間の間隔において、より好ましくは、全ての回転位置におけるロータの回転に依存する。この依存性は、好ましくは、2つの回転運動の機械的リンク機構によって、すなわち、ロータの回転からブレードへのモーメントの伝達によって確保される。
【0020】
タービンは気体媒体用に設計され得、入口チャネルは次にバルブを備えることが好ましい。バルブは、例えば電子的に制御されるか、またはロータに機械的に結合され、所与のブレードが封止チャンバに進入すると、各ブレードの入口チャネルが開き、ロータの回転時に入口チャネルが最大0,6αだけ閉じるように適合される。好ましくは、入口チャネルが開かれたロータの位置に対するブレードの0,4α流れ方向に、最大だけである。αは、上記で定義されたブレード間の角度距離である。
【0021】
そのようなバルブを使用すると、供給された媒体の運動量だけでなく、バルブが閉じられた後の加圧チャンバ内の媒体の膨張もまたロータブレードの回転に寄与するため、ガスタービンの効率が向上する。バルブが開くロータの回転の瞬間または位置は、所与のブレードによる封止チャンバの封止が開始する瞬間に可能な限り近いことが好ましい。ここで可能な限り近いとは、例えば、この瞬間から±0,1αの範囲内、好ましくは±0,05α範囲内を意味する。さらにより好ましくは、バルブは、封止の後にのみ、例えば、遅くとも、ロータがアルファの10分の1回転する瞬間に開かれる。次に、封止チャンバを別のブレードで十分に事前に密封して、媒体の膨張がバルブを開閉した所定のブレードに力を加えるために、バルブを再度閉じなければならない。この前進は、バルブを前述0,6αの最大数だけ回転させた後にバルブを閉じることにより確保される。バルブの開口が対象のブレードによって封止チャンバが封止された後に起こる場合、バルブは、好ましくは開口0,5α後の最大値、より好ましくはバルブが開いた後の0,25αの最大値である。同時に、ロータがその開口部からだけ回転した後までバルブを閉じない0,05αことが好ましく、例えば、少なくとも0,1αだけ、または少なくとも0,2αだけ回転した後などにバルブを閉じてもよい。
【0022】
ロータには速度センサ、例えば、光学式または磁気式センサが設けられてもよい。バルブは、次に、速度センサからのデータに基づいて、ロータの回転速度に比例してバルブを開閉する制御ユニットを備えた電磁バルブであり得る。バルブはまた、機械的に開閉することもできる。例えば、ロータシャフトには、円周の周りにn個の等しい部分を含むカム面が円周方向に設けられ得る。カム面は、バルブと接触している連結ロッドと接触していてもよく、カム面またはそのn個の部分のそれぞれの移動に基づいて、バルブは、ブレードで封止チャンバを封止した後、上記のように適切な瞬間に開く。その後、バルブを閉じる。
【0023】
このタービンは、ブレードの軸とロータZの軸との間を任意の角度で動作することができる。ブレードの軸はすべてZ軸上で交差して得るまたは軸Zに平行であり得る。この角度の値は、その後いくつかの他のタービン設計パラメータ、例えばブレードの側縁の間の角度に影響を与えることができる。ブレードの軸として同じ傾斜を有する可能性がある、すなわちそれらが軸Zに平行であってもよく、またはそれらが軸Zで交差するような方法で互いに接近してしてもよい。例えば、ブレードの軸が延長されると仮定した場合、全てのブレードの軸としてほぼ同じ位置である。さらに、この角度は、封止チャンバの中心の位置、または加圧チャンバのどの壁及び面がロータの一部であり、どちらがステータの一部であるかに影響を与え得る。
【0024】
ブレードの数nは、5~100であり得る。好ましくは、ブレードの数nは8~50であり、より好ましくは8~30である。ブレードの数は、上記に紹介したベータ角度及びアルファ角度に影響を与え、これは本質的にブレードの幅及び封止チャンバの長さである。ブレードの幅はまた、ブレードによって密封可能でなければならない封止チャンバの幅に影響を与える。さらに、ブレードの数が増加するにつれて、ブレードの前壁及び後壁のたわみの大きさが減少する場合があり、その強度に影響が与えられる場合がある。
【0025】
回転ブレードを備えたタービンは、m個の加圧チャンバを備え得、それぞれが、封止チャンバ、仕切り壁、スロット、及び入口チャネルを備え、mは1~10の整数である。概して、mは10より大きくてもよい。本質的に、各ブレードは、その封止チャンバを通って加圧チャンバを出た後、そのスロットを通って次の加圧チャンバに入ることができる。対応する構成要素を備えたm個の加圧チャンバ全てについて、これらの構成要素について上述した特徴が適用され、後述する他の特徴もそれらに適用され得る。特に、すべての加圧チャンバは、したがって、同じ設計を有することができる。しかしながら、各加圧チャンバを、異なる長さの封止チャンバなど、異なるように実装することも可能である。好ましくは、ブレードは次に、ロータの各回転に対して、ロータに対してm回転だけ回転するように適合される。
【0026】
タービンは、例えば、水タービン、蒸気タービン、またはガスタービンであり得る。媒体の選択は、当業者の判断で、タービン設計パラメータの一部に影響を与え得る。
【0027】
好ましくは、各ブレードは、ブレードの軸が位置する独自の対称面を有し、封止チャンバの中心にあるブレードの位置では、入口チャネルの軸は15°未満の角度を形成し、ブレードの対称面を含む。本質的に、封止チャンバの中心に自身の軸を有するブレードは、その結果、供給される媒体の方向にほぼ垂直なその領域を有し、これは、効果的なブレードの係合、したがってロータの回転に最も適した角度である。入口チャネルが直線ではなく、その軸が線でない場合、所与の15°の角度が、入口チャネルが加圧チャンバにつながる位置で、つまり、加圧チャンバに入る媒体の流れの方向に対して正確に、軸の方向に対して測定される。
【0028】
好ましくは、ブレードは、ロータ角速度の整数及び非ゼロ倍数に等しい角速度で回転するように適合される。例えば、ブレードの軸がタービンの軸にほぼ平行である場合、ブレードはロータと同じ方向に回転するが、反対方向にも回転し得る。特に、ロータとブレードの回転の間の均等性は、歯付きギヤによって確保され得、歯付きギヤは、また、例えば、チェーンギヤ、歯付きベルトなどを含み得、ロータトルクの一部をブレードに伝達する。最も好ましいのは、歯車から作られたギヤである。上記の倍数は、スロットと加圧チャンバの両方への各入口で同じブレードの回転を維持するための整数である。この均等回転の利点は、ロータ角速度に直線的に依存して回転するブレードの角速度を有し、よりシンプルな設計と、振動及び影響とを最小にすることである。
【0029】
ブレードはまた、振動回転、すなわち360°未満の閉区間で前後に回転するように適合されてもよい。そのような移動は、主に、ブレードのシャフトをガイドし、ロータの回転につれてブレードのシャフトを回転させるカム機構を使用して達成することができる。振動回転により、例えば、スロット及び封止チャンバの両方の封止を維持しながら、より複雑なブレードまたは封止チャンバの形状を使用することが可能になり、スペース要件を削減することができる。
【0030】
好ましくは、各ブレードはその自由端で、厚さが増した補強セグメントを含む。したがって、厚さは、スロットの幅とブレードの前壁と後壁との間の距離とによって決定される寸法である。ブレードの自由端とは、側縁の間に位置する端部であり、ロータへのブレードの回転式アタッチメントが付属しない。この補強セグメントは、係合しているときにブレードに優れた安定性を提供するため、応力及び変形が少なくなる。結果として、特定の荷重値に耐えることができるブレードは、補強セグメントを有し、その長さの残りの部分に、補強セグメントを有さない同じ荷重用にサイズ設定されたブレードよりも薄くなり得る。したがって、本質的に、ブレード及びスロットの両方の断面が減少し、したがって、封止チャンバの断面とスロットとの比が増加し、これがタービンの効率に正の効果を与える。補強セグメントを有するブレードタービンにおいて、スロットはまた、対応する端部に延長部を有し、ブレードがスロットを自由に通過して、スロットを封止することを可能にする。
【0031】
また、その自由端ではなく、ブレード長の中央部または他の場所に補強セグメントを設けることも可能である。さらに、各ブレードはまた、ブレードの長さに沿って間隔を置いて配置された複数の補強セグメントを含み得る。スロットの形状は、これらの延長部を反映する。したがって、例えば、ブレードは、その厚さが増加する3つの補強セグメントを含み得、補強セグメントの外側の厚さは、一定であるか、またはブレードの自由端に向かって狭くなり得る。次に、スロットは3つの延長部を含み、ブレードがこの3つの延長部を通過することを可能にすると同時に、スロットをブレードで封止する。延長されたセグメントは、例えば、楕円形であってもよい。
【0032】
好ましくは、各ブレードの厚さは、ブレード長の大部分にわたってその自由端に向かって減少する。長さの大部分は、好ましくは、ロータを出るブレード部分の長さの大部分であり、すなわち、それは、ロータ内に格納されるブレード部分を含まない。これにより、ブレードは、やはり最も応力がかかるその回転取付位置で最も剛性があり、場合によっては補強セグメントを有する自由端で最も剛性があることが確実になる。取付位置からさらに離れると、厚さは小さくなり、これによりタービンの効率が再び向上し、それでも十分なブレード強度が維持される。補強セグメントのないブレードは、その全長に亘って薄くなり得る。
【0033】
封止チャンバの形状は、封止チャンバの長さの少なくとも一部について、封止チャンバを通過するブレードの縁部の複合運動の包絡線によって規定され得る。したがって、この複合運動は、ブレードの軸の周り、及びタービンの軸の周りでの回転である。次に、特定のブレード形状に対する封止チャンバの所望の形状は、例えばコンピュータシミュレーションによって取得することができる。ブレード形状によっては、封止チャンバの所望の形状を分析的に取得することも可能になる場合がある。ブレードの縁部は側縁を含み、場合によっては、回転式アタッチメントの位置で自由端及び/または自由端の反対側の縁部も含む。封止チャンバの形状は、ブレードの数、封止チャンバの中心の位置などによっても影響を受ける。
【0034】
スロットの形状、すなわち、その最も狭い位置での断面は、スロットを通過するブレードの前壁と後壁との複合運動の包絡線によって規定され得る。したがって、ブレードの複合運動の包絡線の部分によって画定され、この部分は、ブレードがスロットへの入口で開始し、スロットからのブレードの出口で終了する。上記と同様に、これは回転している複合物である。所与のブレードに対して、スロットの形状が、例えばコンピュータシミュレーションによって、再度取得されてもよい。しかしながら、特定のスロット形状に基づいて設計を行い、そこから、ブレードの所望の複合運動に基づいて、すなわち、前述の包絡線、前方及び後方に位置するようにブレードの形状を取得することが可能である。その後壁がスロットを封止し、隣接するブレードの縁部がスロット内で互いに続き、その後、封止チャンバの壁の形状を、ブレードの形状及び所与の動きから取得することができる。
【0035】
ブレードの軸は、タービンの軸に平行であってよく、封止チャンバの中心は、65°から85°の範囲でブレードの流れ方向に、またはその反対方向にスロットから離れて位置する。ブレードの軸方向に平行であり、各ブレードの側縁はブレードの軸に平行である。その場合、ブレードの前壁及び後壁の形状は、ほぼ円筒形であり得る。さらに、ブレードの軸はタービンの軸に垂直であってよく、封止チャンバの中心は、80°~100°の範囲内のブレードの流れ方向に、またはその反対の方向にスロットから離れて位置する。各ブレードの側縁はタービンの軸方向に互いに接近する。また、タービン上のブレードの軸の回転のこの角度を使用することが可能である。この場合、ブレードの側縁は、軸に向かって互いにさらに離れる。ブレードは、ロータによって画定された空間に位置し、自身の自由端で互いに対向する。その場合、前壁及び後壁はほぼ円錐形であってよい。ブレードの軸の傾斜のこれら2つの場合は、本質的に、限定的な場合を表し、一般に、タービンの軸に対する軸の傾斜は、0°~90°の間のいずれかであり得る。または、ブレードの回転は180°の間隔で可能であるため、-90°から90°の間であってもよい。したがって、-90°の角度で、ブレードの自由端は軸Z上の1つの点に向くことができ、それらの軸は平面上に存在する。また、90°の角度で、ブレードの自由端は互いに背を向け、それらの軸は同一の平面上に存在してもよい。ブレードの軸を軸Zに対して同時に回転させることが好ましい場合がある。
【0036】
ブレードは、また、タービンの全周方向に延び、一定の断面を有する接続リングを設けられてもよい。ブレードの自由端は回転可能にリングに取り付けられ、リングはステータに摺動自在に取り付けられ得る。次に、スロットは、その形状がリングの通路に適合し、これにより、その位置でスロットが永久に封止される。同様に、リングの形状も封止チャンバの断面に影響を与え得る。接続リングのおかげで、ブレードの自由端は、それらのたわみが制限される、特に係合中のブレードのたわみが制限されるような方法で、互いに支持する。その結果、十分な強度を維持しながら、より薄いブレードを作り出すことが可能になり、タービンの効率を高めることができる。接続リングは、上記の任意のタービン、特にタービンの軸とブレードの軸との間の任意の回転角度、ならびに任意の数及び形状のブレード、任意の値のパラメータm、任意の使用された媒体などに使用できる。リングの断面は十分に剛性であるが、同時に、特にリングが加圧チャンバに供給する媒体の口を通過する場合、媒体によって容易に迂回され得るように選択されてよい。
【0037】
本発明のタービンは、例えば、電気エネルギーを発生させるために、または次に流体をポンプ圧送するために使用され得る。例えば、流量計、特にタービン流量計での使用も可能である。そのようなタービンを使用する流量計は、流量の変化に対してより耐性があり得、したがって、例えば、より広範囲の可能な流量に対してより正確な測定を確実にすることができる。
【0038】
本発明の概要は、添付の図面を参照して説明されるその実施形態の例を使用してさらに明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の回転ブレードを備えたタービンのブレード及び加圧チャンバ配置の軸Zにおける図を概略的に示す。ブレードの軸は軸Zに平行であり、ブレードのうちの1つは現在スロットに入っている。同時に前のブレードは、スロットを出て、このスロットは両方のブレードによって封止される。
【
図2】
図1におけるロータの異なる回転の図を概略的に示す。スロット自体を封止するスロット内の1つのブレードがある。
【
図3】ブレードを有するロータ、並びに
図1及び
図2のタービンのステータの一部の斜視図である。仕切り壁の両方の部分を備えるステータの内周壁及び外周壁並びに封止チャンバの外壁も示されている。
【
図4】タービンの軸に垂直なブレードの軸を有するタービンの別の実施形態の断面図を概略的に示す。断面の平面はスロットに垂直であり、スロットと交差し、ブレードの1つがスロットにちょうど入っている間に、前のブレードがスロットを出て、このスロットが両方のブレードによって封止される。
【
図5】
図4のロータが異なる回転をする図を概略的に示す。スロット自体を封止するスロット内の1つのブレードがある。
【
図6】封止チャンバの内部の断面図を概略的に示す。封止チャンバは2つのブレードによって封止され、断面の平面は封止チャンバ内のブレードの軸にほぼ垂直である。
【
図7】
図6のロータが異なる回転をする図であり、封止チャンバは、ロータの回転の図示の位置で単一のブレードによって封止され、一方、前のブレードは封止チャンバを離れ、次のブレードがその位置に入る。
【
図8】
図4~
図7のタービンブレードの第1の半体のためのギヤ機構の断面図である。タービン及びスロットの軸の両方は、断面の平面上に存在する。
【
図9】
図4~
図7のタービンブレードの第2の半体のためのギヤ機構の断面図である。タービンの軸及び封止チャンバの中心は、断面の平面上に存在する。
【
図10】ブレードの軸がロータの軸に垂直であるタービンの断面図であり、その断面の平面はロータの軸に垂直であり、ブレードの1つがスロット内に配置する。ブレードのもう1つは封止チャンバの中央に位置する。
【
図11】A~Eは、ロータの軸に垂直なブレードの軸、及びいくつかの例示的なブレードの断面と共にタービンブレードを概略的に示す。また、補強セグメントを有するブレードの自由端部の詳細図を示す。
【
図12】タービンの軸に沿ったタービンのいくつかの例示的な断面図を概略的に示す。これらの図中のタービンは、ガンマ角として表されるタービンの軸に対してブレードの軸を回転させることによって互いに異なる。
【
図13】ロータ上にカム面を有する一対のアームによって結合された、入口チャネルにバルブを有する本発明のタービンの実施形態を概略的に示す。
【
図14】軸Zに平行なブレードの軸を有する実施形態における、スロットの入口でのブレードのβ角度を概略的に示す。
【
図15】軸Zに平行なブレードの軸を有する実施形態における、スロットの入口でのブレードのβ角度を概略的に示す。
【
図16】軸Zに垂直なブレードの軸を備えたタービンのスロット及び加圧チャンバの始端部のいくつかの詳細図を概略的に示す。図はスロットに平行な方向にあり、ロータの回転によって互いに異なる。
【
図17】軸Zに垂直なブレードの軸を備えたタービンのスロット及び加圧チャンバのいくつかの図を概略的に示す。図は軸Zに平行な方向にあり、図はスロットと平行な方向にあり、ロータの回転によって互いに異なる。
【
図18】軸Zに垂直なブレードの軸を有するタービンの封止チャンバのいくつかの詳細図を概略的に示す。図は係合中のブレードの軸にほぼ平行な方向にあり、ロータの回転によって互いに異なる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、それぞれの図面を参照した実施形態の例を用いてさらに説明される。
【0041】
本発明の目的は、回転ブレード3を備えたタービンである。このタービンは、タービンZの軸を中心に回転するロータ1と、ロータ1を少なくとも部分的に取り囲むステータ2とを含む。少なくとも1つの環状空洞が、ロータ1とステータ2との間に画定され、ブレード3が配置される。ブレード3は、ロータ1の外周または壁に等間隔に配置され、そこに回転可能に接続される。ロータ1に対するブレード3の回転は、各ブレード3に関してブレード3の軸を画定する。ブレード3の軸は、軸Z上の1つの点で交差するか、または軸Zに平行である(すなわち、無限遠で軸Zと実質的に交差する)。ブレード3を備えた空洞には、入口チャネル8が作動媒体を供給するためにつながる加圧チャンバ4がある。加圧チャンバ4の始端部、すなわち、ロータ1が回転しているときにブレード3が加圧チャンバ4に入る位置は、仕切り壁5によって画定される。仕切り壁5は2つの部分を含み、両方の部分の間にスロット6がブレード3の狭い通過のために画定され、このスロット6を通って加圧チャンバ4が始まる。仕切り壁5の両方の部分は、互いに堅固に接続されてよく、単一の材料であってよいが、スロット6によって互いに分離され、区別可能である。加圧チャンバ4の端部は、封止チャンバ7によって画定され、封止チャンバ7もブレード3の狭い通過に適合しているが、その中のスロット6とは異なり、ブレード3は入口チャネル8を通って加圧チャンバ4内に供給される作動媒体に曝露された可能な限りの領域で通過する。スロット6及び封止チャンバ7の両方は、ブレード3の形状及び配置と共に、スロット6及び封止チャンバ7が永久に、すなわち、ロータ1が回転するたびに封止され、少なくとも1つのブレード3によって可能な限り最良の状態で成形されるように適合される。封止は、ブレード3と仕切り壁5又は封止チャンバ7の壁との間で媒体が実質的に漏れることなくブレード3の自由な通過を確保するために、例えば数十分における1ミリメートル、好ましくは数十分おける1ミリメートル未満の小さな隙間で画定され得る。この隙間はまた、例えば媒体が蒸気である場合、ステータ2上の領域に対するブレード3の摩擦を回避するために、ブレード3の熱膨張に関して選択されてもよい。
【0042】
したがって、基本的に、各ブレード3は、ロータ1の回転によって複数の位置に、特に、少なくとも以下の位置に調整可能である。このブレード3がスロット6を封止し始め、前方にある外縁11によってスロット6に進入する、スロット6への入口にある位置、このブレード3は、スロット6を封止することを止めることで、その反対側の側縁11のみが実質的にスロット6内にあり、後続のブレード3は、スロット6への入口にある位置にある、スロット6からの出口の位置、ブレード3の側縁11が、封止チャンバ7を画定する壁の一部に可能な限り近接している、またはブレード3が前記封止チャンバに入るようにそれらに当接していて、本質的に、その前壁9または後壁10が前方にある、ブレード3の封止チャンバ7の封止の始端部の位置、及びブレード3がこの位置に達した瞬間に遅くも、後続のブレード3が前記封止チャンバ7の封止の開始のその位置に来て、前記封止チャンバ7の前記封止の開始と終了の少なくともこれらの位置の間で、前記所与のブレード3が係合中のブレード3と呼ばれ得る、ブレード3による封止チャンバ7の封止の終わりの位置であり、封止の端の位置で封止チャンバ7を出ることはまた、前壁9または後壁10が前方にある状態で起こり得る(すなわち、封止チャンバ7に入り、封止チャンバ7が始まるときと同じ前の壁である)。
【0043】
ブレード3の形状は、スロット6を通過するときに、ブレード3が、スロット6が画定される仕切り壁5の領域または縁部に対して可能な限りしっかりと嵌合するように定められる。したがって、この形状は、スロット6の形状と、軸Zの周り及びブレード3の軸の周りの回転を伴うブレード3の複合運動によって画定される。したがって、本質的に、ブレード3の形状、特にその前壁9及び後壁10の形状、ならびに場合によってはその縁部の少なくとも一部の形状は、ブレード3とスロット6の間の複合物の相対運動の包絡線又はスロット6を画定する領域及び縁部によって画定される。スロット6は、ブレード3の十分な強度を維持しながら、可能な限り狭く作られて、タービンの最高の可能な効率、特に、スロット6の面積に対する封止チャンバ7の面積の可能な限り高い比率を確保する。ブレード3の強度は、ブレード3が封止チャンバ7内で係合しているときに損傷またはたわみを防止するのに十分でなければならない。スロット6を通過するときに、又はブレード3が、ロータ1を中心にブレード3の回転方向に沿ってその幅だけ回転するときに、ブレード3にかかる応力は著しく小さくなる。各ブレード3は、ブレード3の縁部によって接続され、ブレード3の厚さを画定する前壁9及び後壁10を含む。これらの壁は両方とも湾曲しており、好ましくはこれらの壁は両方ともブレード3の軸に垂直な平面を通る断面で曲線の形態を取り、その湾曲の中心はかかる断面の大部分にわたってブレード3から同じ側に存在する。例えば、前壁9及び後壁10の両方が、円筒形または円錐形の壁によって少なくとも部分的に画定され得、前壁9は、後壁10と異なる湾曲半径または異なる軸位置を有し得、ブレード3の複合運動中のスロット6の最良の封止のための上記の要件が確実になり得る。
【0044】
好ましくは、ブレード3は、その長さの少なくとも一部において、その自由端に向かって狭くなる。長さは、ブレード3の軸に沿って測定されたブレード3の寸法である。自由端は、ブレード3がロータ1に回転可能に取り付けられていない端である。この狭さは、スロット6の断面のさらなる縮小を可能にし、効率にプラスの効果をもたらす。回転アタッチメントの位置では、ブレード3は、媒体の圧力によって最もストレスを受けるため、そこではより厚みが必要になる。自由端の近くにおいて、ブレード3は、次に、長手方向に狭くなるかどうかにかかわらず、補強セグメント12によってその厚さ方向に延びてもよい。したがって、特に、ブレード3は、ブレード3の強度を増加させるために、自由端に沿って拡張した境界を有してもよい。スロット6の形状、好ましくは封止チャンバ7の形状も、この延長部を反映する必要がある。その結果、スロット6も対応する端部で延び、好ましくは封止チャンバ7も対応する位置で延びる。代替的または追加的に、ブレードのたわみは、任意の実施形態において、接続リングによって制限され得る。このリングは、全てのブレード3の自由端部を相互接続し、その全長に沿って、すなわちタービンの全周に沿って一定の断面を有する。スロット6の形状は、パッシングリングによって対応する端部で封止するように適合されている。同様に、封止チャンバ7の形状が適合されてもよく、例えば、その壁に、リングが摺動可能に着座する溝があってもよい。ブレード3の自由端は回転可能にリングに取り付けられており、例えば、ピンまたはマンドレルがリングの円形の開口部に嵌合する各自由端から突出しており、またはベアリングを使用することもできる。
【0045】
加圧チャンバ4は、ロータ1の外面とステータ2の内面とによって画定される。これらの表面は、加圧チャンバ4の内周壁及び外周壁を画定し、さらに、タービン軸方向に加圧チャンバの前面13及び加圧チャンバ4の後面13を画定する。例えば、面は平面であり得る。面または周壁がロータ1またはステータ2のどちらによって形成されるかは、ブレード3の軸28とタービンの軸との間の角度を選択することにより影響を受け得る。ブレード3の通過方向において、加圧チャンバ4は、上記のように、スロット6及び封止チャンバ7を備えた仕切り壁5によってさらに画定されている。軸Zの方向に見られるとき、タービンの座標系、例えば右側極座標系を画定することが可能である。その原点は、軸Z及びゼロ軸の投影である、すなわち、このシステム内で時計回り方向に角度が測定される軸は、スロット6を通り、特にスロット6の最も狭い位置を通る軸である。スロット6の最も狭い位置がブレード3の流れ方向29に無視できない長さを有する場合、ゼロ軸とブレード3が加圧チャンバ4に入る位置は、例えば、この最も狭い位置の中心に配置されることが考えられる。
【0046】
スロット6と封止チャンバ7の始端部との間で、加圧チャンバ4は、供給された媒体がブレード3の周りを通過できるように延びている。封止チャンバ7は次に、実質的に加圧チャンバ4の狭窄部であり、ここで、媒体は、もはやブレード3の周りを自由に通過することができず、そのため、媒体はブレード3を動かしてロータ1を回旋させなければならない。したがって、封止チャンバ7の形状は、本質的に、所与の位置を通過するブレード3の縁部によって行われる運動の包絡線であり、したがって、この運動は、2つの回転の合成である。封止チャンバ7の長さ、すなわち、上記に導入された座標系で測定された角度間隔のサイズは、次に、封止チャンバ7が常に少なくとも1つのブレード3によって封止される、すなわち、後続のブレード3が、遅くとも前のブレード3がそれを出る瞬間に封止チャンバ7に入るような方法を考慮して、空洞内のロータ1上に位置するブレード3nの数に関して画定される。したがって、封止チャンバ7の最小の長さは、角度
【数3】
によって表すことができ、その中心は、好ましくは、ゼロ軸から、すなわち、スロット6から、ブレードの流れ方向29内または方向29に対して65°~100°、すなわち導入された座標系に対して負の方向にある角度に位置する。封止チャンバ7の中心の位置のこの角度の具体的な値は、とりわけ、ブレード3の軸とタービンの軸との間の角度に依存する。これについては、以下でより詳細に説明する。長さは、例えば、封止チャンバ7の中心が位置する円上で測定されてよいが、チャンバの壁上の長さは一般に異なる場合がある。封止チャンバ7の実際の長さは、通常アルファよりも大きくなる。これは、ブレード3がチャンバに入り始めるとすぐに、封止チャンバ7がブレード3によって封止される必要がないが、例えば、
図6~7のいずれかに見られるように、封止のために回転させるために、最初に適切な位置にあるようその中で位置合わせする必要があるためである。
【0047】
封止チャンバ7の永久的な封止は、特にブレード3の数に対するその長さによって、言い換えると、隣接するブレード3間の距離が封止チャンバ7の長さよりも小さいという事実によって保証される。スロット6の永久的封止は、特にブレード3の幅によって、すなわち、厚さ及び長さの両方に対してほぼ垂直に測定される寸法によって保証される。この幅は、ブレード3の数によって画定され、特定のブレード3がその側縁11によってスロット6に入る状態では、
【数4】
の間の角度を有する二等辺三角形が、軸Zの方向に見た場合、このブレード3、スロット6、及び軸Zの軸方向に画定される。前述の軸及びスロット6は、ブレード3の軸28とタービンの軸との間の角度に応じて、この三角形の側面、その側面の一部または頂点を形成し得る。同時に、同一三角形も、ブレード3がその第2の側縁11によってスロット6を出るときの状態でこれらの要素によって画定され、ブレード3は、ブレード3の軸によって定義された平面及びタービンの軸がスロット6を通過するときのタービンの軸に対称である。これにより、後続のブレード3がその側縁11によってスロット6に入り、所与のブレード3がスロット6から出るので、スロット6が永久に封止されることが保証される。したがって、本質的に、スロット6内のブレード3は、互いに追従する。ブレード3の軸28とタービンの軸との間の角度は、各ブレード3の横方向の、すなわち長手方向に通る縁部の相対的な傾きに影響を及ぼし、したがって、側縁11は、ブレード3の軸にほぼ沿って通過する縁部である。ブレード3は、ブレード3の自由端において縁部によって接続される。特に、これらの縁部は、平行であってもよく(ブレード3の形状は、前壁9及び後壁10上の円筒領域に似ている)、またはそれらは、自由端に向かってさらに離れるか、または互いに接近してもよい(前壁9と後壁10はほぼ円錐形である(例えば、
図12A~
図12E参照))。
【0048】
ブレード3nの数は、例えば5~100、より好ましくは、例えば8~50、より好ましくは8~30の範囲であってもよい。タービンは、m個の空洞を含んでもよく、そのそれぞれが独自の加圧チャンバ4を含む。例えば、mは、1~10の整数である。各加圧チャンバ4は、スロット6、封止チャンバ7、及び媒体入口チャネル8を含む。このチャネルの軸は、パラメータmの値に関係なく、タービンの軸及び封止チャンバ7の中心を通る平面を通って、封止チャンバ7の断面に対してほぼ垂直であり得る。例えば、75~105°、より好ましくは85~95°の角度であり得る。換言すれば、ブレード3は、ブレードの軸が封止チャンバ7の中心に位置するときに、媒体入口チャネル8の軸にほぼ平行である対称面を有してもよい。したがって、供給された媒体は、封止チャンバ7内のブレード3と接触して、最高の可能な効率を達成するのに適切な角度で係合する。すなわち、媒体は、ブレード3の領域にほぼ垂直に供給される。タービンは、例えば、水、蒸気、またはガスのタービンであり得る。エネルギーを供給し、ロータ1を反対方向に回転させるとき、タービンは、媒体のポンプ圧送装置またはポンプとしても機能することができる。mが1より大きい場合、ブレード3の回転がロータ1の回転に対してm:1の歯車比で連続的である、すなわち、ブレード3が、ステータ2に対するロータ1が1回転当たりm回転することによって、ロータ1に対して回転することが好ましい。
【0049】
ブレード3の回転速度は、ロータ1の回転速度に正比例し得る。これは、例えば、歯付ギヤを使用することによって達成することができる。例えば、ロータ1の回転に対するブレード3の回転は1:1の比であってもよい。例えば、歯車は、ブレード3のシャフトに直接または別の歯車を介して取り付けられてもよく、歯車は、その中心がタービンの軸上にある堅固に取り付けられた歯車と係合する。歯車の選択は次に、所望の歯車比を達成するために使用され得、これは次に、加圧チャンバ4の要素の形状、特にスロット6、ブレード3及び/または封止チャンバ7の形状に影響を与えるか、またはその影響を受ける可能性がある。例えば、スロット6の特定の形状では、ブレード3の回転がロータ1の回転よりも速い場合、ブレード3、すなわちその前壁9及び後壁10を、それらの軸の周りでさらに湾曲させる必要があり得る。
【0050】
ブレード3の回転速度も可変であってもよく、特にブレード3は、揺動運動、すなわち、閉間隔でそれらの軸の周りを回転してもよい。例えば、120°未満、または180°未満、またはθ=180°未満、少なくとも360°未満の範囲で、前後に回転してもよい。この移動は、特にカム機構によって達成され得、カム機構は、ステータ2上に堅固に配置され得、ブレード3のシャフトに取り付けられた要素と接触し得る。例えば、カム機構は、ブレード3が封止チャンバ7内に配置されているとき、または少なくとも封止チャンバ7を封止しているときに、ブレード3がそれら自体の軸を中心に回転しないような方法で実装され得る。封止チャンバ7を出た後、ブレード3は、次にそれらの初期位置と反対方向に回転することができる。複数の加圧チャンバ4を使用する場合、それらのそれぞれのブレード3は、同様に独自の軸を中心に回転することができる。
【0051】
揺動運動の選択は、再び、加圧チャンバ4の要素の形状に影響を与える、または影響を受ける。スロット6の形状を特定的に選択する場合、ブレード3の形状は、回転が連続的であるか振動であるか、スロット6の領域におけるブレード3の複合運動、及びスロット6の形状に影響される。封止チャンバ7は次に、ブレード3の形状及びそれらの複合運動による影響を受ける。これらの構成要素の形状は、例えば、コンピュータシミュレーションによって取得することができ、ここで、スロット6の形状の選択、及び必要に応じて、ブレード3の回転可能な移動の選択(ブレード3は、例えば歯車比またはカム機構の形状等によって画定され、例えば選択された媒体、空間の可能性、ノイズ要件、振動、寿命などに関して選択することができる)が、ブレード3及び封止チャンバ7の壁の形状を計算するために使用される。いくつかの実施形態では、ブレード3は、同じ方向に連続的に回転するが、可変速度で回転してもよい。すなわち、それは、揺動運動でも固定歯車比の運動でもない。ロータ1が回転する方向と反対の方向にブレード3を回転させることも可能である。
【0052】
水蒸気などの気体媒体用に設計された本発明のタービンの場合、入口チャネル8がバルブ24を備えているときは、その開閉が入口チャネル8を開閉し、加圧チャンバ4に供給する媒体を開始及び停止することが好ましい。バルブ24の開閉は、ロータ1の回転と、または加圧チャンバ4を通る各ブレード3の通過と同期する。
【0053】
各ブレード3に関して、バルブ24は、ブレード3によって封止チャンバ7の直後に開かれることが好ましい。そして、媒体は、封止の直後に加圧チャンバに入り、このブレード3を押し始める。次に、このブレード3に対してバルブ24が開いているときの回転角度に対して、ロータ1が角度δ(デルタ)だけ回転したときに、バルブ24を閉じる。好ましくは、角度δは、最大でαの0.6倍、すなわち、ブレード3の距離による回転の60%に等しい。好ましくは、角度δは、最大でαの0.3倍である。デルタ角の最小サイズは、好ましくはアルファの0.1倍である。バルブ24が閉じられた後、加圧チャンバ4内の媒体は、一方の側がスロット6によって閉じられ、他方の側が封止チャンバ7によって閉じられ、及びバルブ24によって入口チャネル8の方向から閉じられる。媒体は膨張し、封止チャンバ7を封止することを考慮して、ブレード3を押し続ける。封止チャンバ7が複数のブレード3によって封止される場合、媒体はブレード3をより後方に、すなわち入口チャネル8により近く押す。
【0054】
好ましくは、バルブ24は、対象のブレード3によって封止チャンバ7を封止する瞬間まで可能な限り近く開く。例えば、開口部は、対象のブレード3の封止チャンバ7の封止に対応するロータ1の回転角度、±0.1α、より好ましくは±0.05αで実行されてよい。すなわち、バルブ24の開口は、封止チャンバ7の封止の直前に起こり得るが、好ましくは、封止後、及び封止の直後に起こる。
【0055】
バルブ24の開閉は、電子的に確保することができる。すなわち、バルブ24は、ロータ1の速度に関して制御される電磁バルブであってもよい。したがって、ロータ1の電磁バルブ及び速度センサに制御ユニットを設けることができ、制御ユニットは、このセンサからデータを受信し、上記のようにロータ1の回転に対してバルブ24を開閉する。さらに、上記のように、アルファ角度による各回転がブレード3の位置に対するバルブ24の開閉を確保するようロータシャフトに直接結合された機構によって、機械的に開閉を確保することが可能である。
【0056】
バルブ24を有するタービンの実施形態を
図13に示す。この実施形態では、ブレード3の回転軸はロータ1の軸に平行であるが、このようなバルブ24は、任意の数及び形状のブレード3等の軸を任意の回転でタービンに配置することが可能である。バルブ24は、入口チャネル8からの出口を封止するように形作られた蓋の形態を取ってもよい。図示の実施形態では、バルブ24の移動は、ロータ1上の回転軸の周りに位置するバルブ24のカム面25によって保証される。バルブ24用のこのカム面25は、その間にn個の歯とn個の凹部とを含み、第1のアーム26と接触し、この第1のアーム26は、ロータ1の回転に対して静的であり、ステータ2に摺動自在に取り付けられ、摩擦を低減するために各々の位置にローラが設けられる。バルブ24についてカム面25から離間した端部において、この第1のアーム26は、ステータ2に回転可能に取り付けられた第2のアーム27によって支えられる。この第2のアーム27は、第1のアーム26のシフトのサイズによって規定された閉区間内で第2のアーム27の回転が行われるように、バルブ24によって支えられ、第1のアーム26のシフトのサイズは、同様に歯とバルブ24用のカム面25の凹部によって画定される。これにより、バルブ24用のカム面25の凹部によって、バルブ24が閉位置と開位置との間でシフトすることが保証される。バルブ24と第2のアーム27の接触はまた、バルブ24及び第2のアーム27の摩耗を防ぐためにローラによって確保される。
【0057】
第1のアーム26がバルブ24のカム面25の凹部と接触しているとき(
図13参照)、バルブ24は閉じている。第1のアーム26がカム面の歯と接触しているとき、バルブ24は開いている。これらの歯の幅は、したがって、各ブレード3の加圧チャンバ4への媒体の流量時間に影響を与える。図示の実施形態では、バルブ24の上部部分による第2のアーム27の引き起こしは、バルブ24の閉鎖を確実にするように跳ね返される。この懸垂はまた、衝撃及び振動を減衰するのにも役立ち得る。あるいは、バルブ24の移動のためのカム機構は、例えば、単一のアーム、または複数のアームで実装することができ、または接続ロッドは、直接バルブ24の部分であるカムによって支えられてもよい。
【0058】
図14では、スロット6への入口におけるブレード3について、軸Zに平行なブレード3の軸によって画定される角度βが示されている。この角度は、軸Zの方向に見た場合、軸Zとブレードの軸28との接合部、及び軸Zとスロット6との接合部によって画定される。この図では、すなわち、軸Zに垂直な平面に投影され、両方の軸は点である。スロット、特に加圧チャンバの始端部を画定し、ブレード3の前縁がその中に位置するスロットの最も狭い場所であり、このブレードがスロット6の入口に位置する場合、この図では、その位置は
図14の軸Zに面した線分である。この線分は、仕切り壁5の2つの部分の先端の間で画定される。スロット6からの出口のブレード3についても、この角度βは類似しており、これは、ブレード3がスロット6内のこれら2つの位置で常に合流することを意味しており、したがって永久に封止される。
【0059】
図15は、別の実施形態の
図14の状況を示し、このとき、軸Zに垂直であるブレードの軸28を有する。軸Zに垂直な平面の投影において、スロット6への入口における位置にあるブレード3の軸は、軸Zの投影を通過する。スロット6、またはその最も狭い位置は、再びこの図中の線分であり、
図15の破線と結合する。この図では、仕切り壁5の一方の部分はブレード3の背後に隠れ、他方の部分は、断面の平面がそれらの間を通過するので見えないが、スロットの最も狭い位置は、これらの部分の先端によって再び画定され得る。これらの間にスロット6が画定される。これらの部分は、
図4及び
図5でよりよく見ることができる。
【0060】
上記の特徴は、個別に、または互いに組み合わせて、ブレード3の軸28とタービンの軸との間の任意の角度で本発明のタービンに適用することができる。
【0061】
図1~3に示される第1の例示的な実施形態では、ブレード3の軸はタービンZの軸に平行である。線分の形状によって画定されたスロット6について、ブレード3は、ほぼ円筒形の部分の形状をしている前壁9及び後壁10を有し、前記前壁9の前記円筒の前記軸は前記後壁10の前記円筒の前記軸と一致せず、及び/またはこれらの円筒の半径が、前記前壁9と前記後壁10との両方が、スロット6を通過するときにスロット6を封止するように異なっている。ブレード3を有する空洞を画定するロータ1及びステータ2の壁は、ブレード3の側縁11が次に直線であり、互いに平行であり得るように円筒形であり得る。ブレード3の自由端の延長部を有する好ましい実施形態では、スロット6はまた、端部に延長部を含み、ブレード3の縁部及び壁の両方は、延長部の領域で完全に対応する形状(丸み、曲げなど)を有する。しかしながら、ブレード3の封止機能は、スロット6を通る通路全体を通って、かつスロット6の全長に沿って維持される。スロット6(すなわち、仕切り壁5の部分の対向する縁部の間に位置するその最も狭い位置)は、この実施形態では軸Zに平行である。ブレード3nの数は、例えば6~24とすることができる。ブレード3の幅は、次に、隣接するブレード3がスロット6内で合流するように、あるいは少なくとも1つのブレード3によって永久に封止されるように、ブレード3の数に関して選択される。
【0062】
図1及び2から分かるように、仕切り壁5は、一方の部分は加圧チャンバ4の内周壁に取り付けられ、他方の部分は加圧チャンバ4の外周壁に取り付けられており、これらの壁は両方とも本実施形態では静的である。取付位置では、仕切り壁5は、十分な強度を提供するために最も厚く、部分間のスロット6に向かって、それは狭くなり、スロット6がブレード3及び仕切り壁5の部分の通過方向に狭くなる。仕切り壁5の部分はブレード3の連続的な動きを妨げない。この実施形態では、ブレード3は連続的に回転し、ステータ2に対するロータ1の1回転ごとに、ロータ1に対してその自身の軸を中心にブレード3が1回転する。しかしながら、ブレード3の軸のこの回転角度を、ブレード3とロータ1の回転の間の異なる歯車比と組み合わせることも可能であるし、揺動運動またはブレード3の回転速度での運動と組み合わせることも可能である。これはロータ1の速度に正比例しない。
【0063】
この実施形態では、加圧チャンバ4は、上記で導入した座標系で測定した100°の長さを有する。封止チャンバ7は、その中心がスロット6から75°の方向にあり、タービンの軸で見たときにその内側に約30°、その外側に約50°の長さを有する。したがって、上で導入されたベータ角度は、本実施形態では15°であり、ブレード3の幅は約30°である。封止チャンバ7の中心の位置は、例えば±10°だけ変動し得る。その長さもまた変わる場合があるが、封止チャンバ7がブレード3の1つによって恒久的に封止されるようなものでなければならない。例えば、媒体供給のための入口チャネル8は、図示の実施形態のようにゼロ軸に平行であってもよいが、一般に、例えば±15°だけ傾斜されてもよい。好ましくは、供給媒体は、封止チャンバ7内の少なくともほぼブレード3の領域に直接面する。
【0064】
ブレード3のシャフトは、ロータ1の壁を通ってよく、その背後にシャフトが例えば、タービンのサイズ及び選択された歯車比がそれを可能にする場合、剛性の歯車の中に押し込まれて設けられてもよい。またはステータ2に取り付けられた他の回転歯車装置の中でもよく、それは剛性の歯車に押し込まれる。ブレード3の揺動運動の場合、歯付きギヤの代わりに、封止チャンバ7を通過する間にブレード3の所望の運動を確保するように成形されたカム機構が使用されてもよい。
【0065】
図4~
図10に示された第2の例示的な実施形態では、全てのブレード3の軸とタービンの軸との間の角度は直角であり、ブレード3の軸はタービンの軸で交差する。基本的な線分のような形状のスロット6の場合、ブレード3は、コミカルな円錐のシェルの実質的に一部によって画定された前壁9及び後壁10を有してもよい。前壁9及び後壁10に対応する錐体は、異なる軸及び/または頂点角度を有し、及び/またはそれらの頂点は、軸の方向に相互にシフトされている。ブレード3は、例えば、mm単位で測定される絶対寸法で、それらの自由端に向かって延在する。上記極座標系によって度で測定されると、スロット6内の軸を伴うブレード3の幅は、その長さ全体にわたって一定であり得る。上述の軸Zに平行なブレード3の軸28を備えたタービンのように、幅は、ブレード3の軸及びその厚さの両方にほぼ垂直な寸法であり、厚さは、デフォルトで、ブレード3が通過するときにスロット6の封止を確保する最小の寸法であり、幅は、ブレード3が通過するときに封止チャンバ7の封止を確保する寸法である。したがって、ブレード3の側縁11は、タービンの軸に向かって互いに接近する。好ましくは、ブレード3の形状は、軸Z上の頂点を有する円錐によって決定され、その結果、2つの側縁11は、延在したときに軸Z上で交差する。
【0066】
ロータ1の外面とステータ2の内面の両方が球面領域の一部の形状を有してもよく、その後ブレード3の自由端の縁部がステータ2に付着するために円形を有してもよい。この実施形態では、スロット6は軸Zに垂直である。好ましくは、スロット6は、ブレード3の自由端が通過するその端で延在し、これにより、ブレード3は、安定性を確保するために自由端でより厚い厚みをも有する。その長さの残りの部分では、ブレード3の厚さは、自由端に向かって減少し得る。この実施形態では、加圧チャンバ4は、タービンの軸に向かってロータ1によって、及び反対方向でステータ2によって囲まれ、両方の面もステータ2の一部である。ブレード3の数、したがってベータ(β)角度もまた、例えば、上記の第1の図示された実施形態について説明した通りであり得る。取付位置では、仕切り壁5は、十分な強度を提供するために最も厚く、部分間のスロット6に向かっているのが好ましい。仕切り壁5が狭くなると、スロット6がブレード3の通過方向に狭くなり、仕切り壁5はブレード3の連続的な動きを妨げない。仕切り壁5は、その部分が加圧チャンバ4の両方の面13に取り付けられている。本実施形態では、ブレード3は、ロータ1と同じ角速度で連続的に回転する。しかしながら、ブレード3の軸のこの回転角度を、ブレード3とロータ1の回転の間の異なる歯車比と、及び旋回運動または不均一に速い回転運動と組み合わせることも可能である。
【0067】
図示の実施形態では、ブレード3の回転のための1:1の比率を有するギヤ機構は、隣接するブレード3が常に異なる歯車に押し込まれて、機構を可能な限り小さくするような方法で実装される。この機構を
図8及び
図9に示す。
図8は、タービン及び仕切り壁5の軸が存在する面を通るタービンの断面図であり、したがって、ブレード3に接続された一連のシャフト、2つの補助シャフト、及び複数の歯状突起を含むブレード3の第1の半体についてのギヤ機構を示す。第1の補助シャフトは、タービンの軸方向に歯状チャンバ14内に流れ込み、そこを通って、ロータ1の回転中の歯状突起の移動のための空間、または歯付きギヤの周りでロータ1が回転するための空間が画定され、ロータ1に回転可能に取り付けられる。第2の補助シャフトは、ステータ2に回転可能に取り付けられている。
図8に見られるように、ブレード3のシャフトは、第1の補助シャフト上の第2の歯状突起16内に押し込まれた第1の歯状突起15を含む。このシャフトの他端は、その第3の歯状突起17によって第4の歯状突起18に押し込まれ、第4の歯状突起18は、第2の補助シャフト上のステータ2に回転可能に取り付けられている。次に、このシャフトは、その第5の歯状突起19によって、ロータ1の一部であり、歯状チャンバ14の内部でタービンの軸の周りに位置している第6の歯状突起20に押し込まれる。したがって、ロータ1の回転の結果として、トルクは、ロータ1から第2の補助シャフトへ、ロータ1から第1の補助シャフトへ、及びロータ1から、第1の歯状突起によって共通の第2の歯状突起16内に押し込まれているブレード3の第1の半体に伝達される。次に、機構の歯車比は、記載された歯状突起のいくつかの歯車比を選択することによって、タービン特性に対する空間の可能性及び要件に関して選択される。
図8はさらに、ブレード3が、スロット6を通過するときに、どのようにスロット6の壁にしっかりと接して、スロット6を封止するかを示す。
【0068】
図9は、ブレード3の第2の半体のギヤ機構を示す。この図の断面は、
図8の断面の平面に対して垂直に誘導された平面を有し、封止チャンバ7を通過する。この機構は、各ブレード3に対する補助シャフトを含み、ブレード3のシャフト上の第1の歯状突起15は、補助シャフト上の第7の歯状突起21に押し込まれ、補助シャフトはその第8の歯状突起22によって反対側の端部で、軸Zの周りのステータ2上に配置された第9の歯状突起23に押し込まれている。図示の実施形態では、この第9の歯状突起23は、ロータ1のメインシャフトに近接して外接する。ブレード3のこの第2の半体の機構はまた、前の段落で説明した機構と同じ歯車比で、ロータ1とステータ2との間の回転により、ブレード3の回転を確保する。さらに、
図9では、ブレード3による封止チャンバ7の封止が可視であり、封止チャンバ7の壁がどのようにブレード3の縁部の複製形状に従うのかを見ることができる。
【0069】
加圧チャンバ4は、例えば、100°~135°の長さを有してもよい。封止チャンバ7の中心は、例えば、スロット6から80°~100°の位置に配置されてもよく、好ましくは、スロット6から90°の位置にある。チャンバの位置及びサイズを画定するこれらの角度がブレードの流れ方向29に対して測定される、すなわちそれらの角度が負であるようにタービンを実装することも可能である。
図10では、タービンの全てのブレードの回転が見ることができ、その中心はスロットから90°である。ブレード3の流れ方向29は、この図では反時計回りであり、その結果、座標系は左巻きである。この図において、隣接するブレード3は、ギヤ機構に関して上記のように異なる長さのシャフトを有することがさらに分かる。封止チャンバ7の長さは、図示の実施形態では12個のブレード3を有する長さ、例えば40~70°、好ましくは45~60°、例えば50°であってもよい。ブレード3の数が多い場合はその長さが短くなり、ブレード3の数が少ない場合はその長さを増加させる必要があり得るように、少なくとも1つのブレード3によって永久に封止されるように常に選択される。図示の実施形態では、ベータは15°である。例えば、入口チャネル8は、封止チャンバ7内のブレード3にほぼ垂直であるが、例えば、±15°だけ回転することができるように、仕切り壁5に平行に向けられる。
【0070】
図11Aは、円錐形状のブレード3の図を示し、
図11B~
図11Dは、いくつかの変形形態におけるそのようなブレードの断面を示す。
図11Bでは、ブレードは、その全長に沿って一定の厚さを有する(ここでの全長は、ロータ1から突出しているブレード3の部分の長さを意味する)。
図11Cでは、ブレードは、突出長さの全体に沿って自由端に向かって狭くなっている。
図11Dでは、ブレードは、その長さの大部分に沿って狭くなり、自由端に延長された補強セグメント12が設けられている。このセグメントの詳細図を
図11Eに示す。一般に、補強セグメント12は、実質的に任意の形状を有していてもよく、例えば、その縁端または壁は、鋭利な縁端及び角における応力集中を回避するために丸みを帯びていてもよい。補強セグメント12はまた、一定の厚さを有するブレード3に使用することもできる。補強セグメント12は、例えば、その最も厚い位置では、ロータ1のすぐ隣のブレード3の厚さと同じ厚さを有してもよく、これは、例えば、補強セグメント12のすぐ前のブレード3の厚さの2倍であってもよい。一般に、ブレード3及び補強セグメント12の厚さは、実質的に任意であってよく、特に、係合中のブレード3の過度の変形を回避するために、タービンの他の設計的特徴に関して選択される。自由端付近以外の場所、例えばブレード3の長さの中央部に補強セグメント12を有するブレード3も可能である。複数の補強セグメント12を有するブレード3も可能である。
【0071】
図16は、仕切り壁5、スロット6、加圧チャンバ4の始端部、及びいくつかのブレード3の6つの図を概略的に示す。
図16A)~
図16F)の間で、ロータ1は、ブレード3の流れ方向に回転している。
図16A)~
図16F)では、ロータ1は角度α未満回転する。
図16A)では、1つのブレード3が、スロット6内を軸にして配置される。
図16B)及び
図16C)では、1つのブレード3は徐々にスロット6から離れる。
図16D)では、ブレード3は、スロット6からの出口の位置にあり、ここでは、スロット6内に後縁のみがあり、後続のブレード3がスロット6に入る。
図16E)及び
図16F)では、対象のこのブレード3は、封止チャンバ7を封止するために、及びスロット6を出た後の係合に適した位置により徐々に変わる。
【0072】
図17は、軸Zの方向の図で同様の状況を示しており、加圧チャンバ4全体が見える。
図17A)~
図17D)では、ロータ1は再び角度α未満回転する。可視ブレード3の1つは、前壁9及び後壁10の両方でのこれらの図ではハッチングが設けられ、封止チャンバ7の入口及び出口は、図での配向を容易にするために破線で示されている。
図17A)では、当該のブレード3は、その縁部の1つによって封止チャンバ7の空間に入り始める。
図17B)では、係合に適した位置でさらに回転している。
図17C)及び
図17Dでは、問題のこのブレード3はすでに係合している可能性があるが、前のブレード3は封止チャンバ7を離れ始め、後続のブレード3は封止チャンバ7に接近する。
図17C)では、他の2つのブレード3がスロット6内でどのように合流するのかも見ることができる。
【0073】
図18では、封止チャンバ7を通るブレード3の通過が、軸Zに垂直な4つの図で示されている。ブレード3の1つが再びハッチングでマークされ、この図では、ハッチングはロータ1への回転接続が確保されるブレード3の基部にある。これらの図の上部では、ステータ2にねじ止めされた入口チャネル8の一部を見ることができ、このチャネルは、封止チャンバ7が始まる前に加圧チャンバ4に通じている。
図18A)では、問題のブレード3は封止チャンバ7に入り始め、
図18B)では、それは封止を開始し、したがって完全に係合している。
図18C)及び
図18D)において、このブレード3はなおも係合しているが、後続のブレード3は封止チャンバ7を出始める。
【0074】
明確にするために、
図16~
図18では、ブレード3のみが主に参照番号でマークされており、ロータ1の回転中の回転(軸Zを中心とする回転1とブレード3の軸28の組み合わせ)が、これらの図の各視点で異なる。したがって、これらの3つの図から、ブレード3の動きが明確に見え、このタービンの動作の理解を容易にする。
【0075】
他の実施形態では、ブレード3の軸28とタービンZの軸との間の角度は、0~±90°の間隔の任意の角度であり得る。この角度の選択に関して、タービンの軸に対するスロット6の傾きも変わり得、ブレード3の形状、特に側縁11の相対的な相互の傾きが変わってもよく、封止チャンバ7の中心の位置は変更されてもよい。具体的には、ブレード3の軸の傾きに応じて、これらのパラメータは、第1の例示的な実施形態と第2の例示的な実施形態の同じパラメータの値の間で変化し得る。例えば、ブレード3の軸28とタービンの軸との間の角度が45°の場合、スロット6もタービンの軸に対して45°傾斜してよい。封止チャンバ7の中心の位置は、第1の図示された実施形態における中心と第2の図示された実施形態における中心との中間にあり得る。ブレード3は、自由端に向かって広がるが(幅をmmで測定する場合)、第2の図示の実施形態よりも急速ではない。軸Zで見ると、ブレード3の側縁11は、それらが軸Z上で交差するように傾斜し得る。一般に、ブレード3の軸の方向がタービンの軸の方向に近づくほど、ブレード3の側縁11が傾斜していることがある。ブレード3の形状、特に側縁11の傾斜を規定する円錐体がより円筒形に近づくほど、円筒形に近づく。この円錐の境界の場合は、次に、軸Zに平行なブレード3の軸28を備えたタービンの円筒である。さらに、封止チャンバ7の中心は、この軸の方向の変化によって仕切り壁5に接近し得る。ブレード3の軸28と軸Zとの間の角度の選択は、加圧チャンバ4の面13が両方ともステータ2の一部であるか、または一方がロータ1の一部であるか、及び同様に内周壁および外周壁が両方ともステータ2の一部であるか、その外周壁は両方ともステータ2の一部である、または一方はロータ1の一部であるか、などに影響を与える可能性がある。いずれの実施形態でも、タービンは、ガスタービンであってよく、媒体入口チャネル8を閉じるためのバルブ24を備えていてもよい。
【0076】
ブレード3の軸の異なる回転を有するタービンの5つの例示的な実施形態を
図12A~
図12Eに示す。
図12Aでは、この回転のガンマ(γ)角度は90度であり、ブレード3の自由端は、互いに且つ軸Zと面している。
図12Eでは、ガンマも90度であるが、ブレード3の形状は、
図4~7に関して前述されたタービンに対応する。
図12Bでは、ブレード3の軸は、
図1~4と同様に軸Zに平行である。したがって、ガンマは0度、または180度である。
図12C及び
図12Dの両方では、ガンマは45°であり、ブレード3は、その自由端及び軸Zと互いに対向する(
図12C)、またはそれから離れて(
図12D)、これらの実施形態の両方では、ブレードの形状は軸Z上に頂点がある円錐に対応する。
【符号の説明】
【0077】
1 -ロータ
2 -ステータ
3 -ブレード
4 -加圧チャンバ
5 -仕切り壁
6 -スロット
7 -封止チャンバ
8 -入口チャネル
9 -前壁
10 -後壁
11 -側縁
12 -補強セグメント
13 -加圧チャンバの表面
14 -歯状チャンバ
15 -第1の歯状突起
16 -第2の歯状突起
17 -第3の歯状突起
18 -第4の歯状突起
19 -第5の歯状突起
20 -第6の歯状突起
21 -第7の歯状突起
22 -第8の歯状突起
23 -第9の歯状突起
24 -バルブ
25 -バルブのカム面
26 -第1のアーム
27 -第2のアーム
28 -ブレードの軸
29 -ブレードの流れ方向
【国際調査報告】