(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】クマリン化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 407/12 20060101AFI20250123BHJP
C07D 311/08 20060101ALI20250123BHJP
C07D 407/06 20060101ALI20250123BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20250123BHJP
A61K 31/506 20060101ALN20250123BHJP
A61K 31/37 20060101ALN20250123BHJP
【FI】
C07D407/12 CSP
C07D311/08
C07D407/06
A61P35/00
A61K31/506
A61K31/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544468
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2023072434
(87)【国際公開番号】W WO2023143206
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202210093816.8
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210405730.4
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516304780
【氏名又は名称】メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100221523
【氏名又は名称】佐藤 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】張 冬凱
(72)【発明者】
【氏名】譚 海忠
(72)【発明者】
【氏名】伍 文韜
(72)【発明者】
【氏名】徐 洋洋
(72)【発明者】
【氏名】孫 継奎
(72)【発明者】
【氏名】高 娜
(72)【発明者】
【氏名】張 楊
(72)【発明者】
【氏名】黎 健
(72)【発明者】
【氏名】陳 曙輝
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA03
4C086BA19
4C086BC42
4C086GA02
4C086GA07
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明では、一連のクマリン化合物及びその使用が開示され、式(I):
(I)
に示す化合物及びその薬学的に許容可能な塩が特に開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(I)
で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩
[式中、
T
1はCH及びNから選択され;
R
1はピリミジニル及び-C(=O)-C
1~4アルキルアミノから選択され;
R
2はハロゲンであり;
R
3はハロゲン、C
1~3アルキル、-CH
2-C
1~4アルキルアミノ及び-CH
2-4~6員含窒素ヘテロシクロアルキルから選択され、ここでC
1~3アルキル、-CH
2-C
1~4アルキルアミノ及び-CH
2-4~6員含窒素ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており;
R
4はハロゲン及びC
1~3アルキルから選択され、ここでC
1~3アルキルは、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており;
R
5はC
1~3アルキルであり、ここでC
1~3アルキルは、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されている]。
【請求項2】
R
1が構造:
【化2】
から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
R
2がFである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
R
3がF、Cl、Br、CH
3、CH
2CH
3、CH
2NHCH
3及びCH
2N(CH
3)
2から選択され、ここでCH
3、CH
2CH
3、CH
2NHCH
3及びCH
2N(CH
3)
2が、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されている、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
R
3がCH
3及びCH
2N(CH
3)
2から選択される、請求項1または4に記載の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
R
4がFである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
R
5がCH
3である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
次式:
【化3】
で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月26日に出願されたCN202210093816.8及び2022年4月18日に出願されたCN202210405730.4の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一連のクマリン化合物及びその応用を開示し、特に式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容可能な塩を開示する。
【背景技術】
【0003】
マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)シグナル経路は、真核生物のシグナル伝達ネットワークにおいて重要な経路の1つである。これは、正常状態および病的状態における、細胞増殖、分化、アポトーシス、及びストレス応答にとって重要なシグナル経路である。MAPKは進化的に保存されたセリン-スレオニンキナーゼの一群である。RAS/RAF/MEK/ERKシグナル経路は、MAPK経路の1つである。これらのタンパク質の過剰発現または変異が、多くの悪性腫瘍において確認されている。RAS/RAF/MEK/ERKシグナル経路は、腫瘍分野における典型的なシグナル経路の1つである。
【0004】
統計によると、患者における非小細胞肺がんの31%がKRAS変異によって引き起こされ、患者における膵臓がんの90%がKRAS変異によって引き起こされ;加えて、子宮内膜がんの21%、大腸がんの45%、卵巣がんの5%などが全て、KRAS変異によって引き起こされ;メラノーマの28%及び多発性骨髄腫の20%がNRAS変異によって引き起こされ;メラノーマの60%、卵巣がんの35~60%、甲状腺乳頭がんの30~80%などが、BRAF変異によって引き起こされる。これらの患者は大勢存在する。
【0005】
市場には既に、RAF及びMEKを標的にした薬剤が幾つか存在するが、現在販売されているRAF低分子阻害剤及びMEK低分子阻害剤の承認適用は、BRAFV600E変異に伴うメラノーマに集中している。通常の状態では、BRAFはRASにリン酸化され、その後二量化した後に初めてキナーゼ活性を有する一方で、BRAF変異体は常に活性化状態である。BRAFV600E単量体はMEKをリン酸化し得る。RAS変異の場合、BRAF及びCRAFはヘテロダイマーを形成し、その効果を発揮する。存在しているRAF及びMEKの薬剤は、BRAFV600E変異にしか効果的でなく、MAPK上流のRAS変異に伴う腫瘍には効果がない。新規第二世代RAF低分子阻害剤が必要である。同じく市場に存在するMEK阻害剤は、アロステリックキナーゼ阻害剤である。アロステリック阻害剤は、MEKに対する特異性が高いが、上流のキナーゼシグナルの影響を受けやすい。MEKリン酸化のフィードバック制御は、RAS経路シグナルを再活性化し得て、MEKを阻害するだけでは、RAS変異に伴う固体腫瘍を効果的に治療することはできない。したがって、RAF/MEKの新規二重阻害剤は、MAPK経路活性化に伴う疾患を治療するための選択肢になり得る。
【発明の概要】
【0006】
本開示は式(I):
【化1】
(I)
で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する
[式中、
T
1はCH及びNから選択され;
R
1はピリミジニル及び-C(=O)-C
1~4アルキルアミノから選択され;
R
2はハロゲンであり;
R
3はハロゲン、C
1~3アルキル、-CH
2-C
1~4アルキルアミノ及び-CH
2-4~6員含窒素ヘテロシクロアルキルから選択され、ここでC
1~3アルキル、-CH
2-C
1~4アルキルアミノ及び-CH
2-4~6員含窒素ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており;
R
4はハロゲン及びC
1~3アルキルから選択され、ここでC
1~3アルキルは、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており;
R
5はC
1~3アルキルであり、ここでC
1~3アルキルは、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されている]。
【0007】
本開示の幾つかの実施態様では、前記R
1は式:
【化2】
から選択され、他の可変部は本開示で定義される通りである。
【0008】
本開示の幾つかの実施態様では、前記R2はFであり、他の可変部は本開示で定義される通りである。
【0009】
本開示の幾つかの実施態様では、前記R3はF、Cl、Br、CH3、CH2CH3、CH2NHCH3及びCH2N(CH3)2から選択され、ここでCH3、CH2CH3、CH2NHCH3及びCH2N(CH3)2は、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており、他の可変部は本開示で定義される通りである。
【0010】
本開示の幾つかの実施態様では、前記R3はCH3及びCH2N(CH3)2から選択され、他の可変部は本開示で定義される通りである。
【0011】
本開示の幾つかの実施態様では、前記R4はFであり、他の可変部は本開示で定義される通りである。
【0012】
本開示の幾つかの実施態様では、R5としてCH3が選択され、他の可変部は本開示で定義される通りである。
【0013】
本開示の他の幾つかの実施態様は、上記の可変部を任意に組み合わせることによって得られる。
【0014】
本開示はまた次式:
【化3】
で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0015】
(技術的効果)
本開示の化合物は、マウスにおいて、標的MEK及び標的RAFを阻害し得、HCT116細胞の増殖を効果的に阻害し得、かつ高い血漿中遊離曝露量、良好な経口バイオアベイラビリティ、及び有意な腫瘍阻害効果をもたらす。
【0016】
(関連定義)
別段の記載がない限り、本明細書で用いられる下記の用語および語句は、下記の意味を有するものとする。ある特定の用語または語句は、特定の定義が無いために不明確または不明瞭であると判断されるべきではなく、一般的な意味で理解されるべきである。本明細書で商品名が出現する場合、その対応する商品またはその活性成分を指すものとする。
【0017】
用語「薬学的に許容可能」は、本明細書において、化合物、原料、組成物、及び/または剤形の観点で用いられ、それらは信頼性のある医療判断の範囲において、ヒト及び動物組織に接触させて用いるのに適切であり、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応または他の問題若しくは合併症は無く、ベネフィット/リスクの割合が相応に妥当である。
【0018】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書に記載の、ある特定の置換基を有する化合物と、比較的無毒な酸または塩基とを反応させて調製される、本明細書で開示される化合物の塩を意味する。本明細書で開示される化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、純粋な溶液または適切な不活性溶媒中で、前記化合物を十分な量の塩基と接触させることで、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な塩基付加塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミン塩若しくはマグネシウム塩または類似の塩が挙げられる。本明細書で開示される化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、純粋な溶液または適切な不活性溶媒中で、前記化合物を十分な量の酸と接触させることで、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な酸付加塩の例として無機酸塩が挙げられ、ここで無機酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素塩、リン酸、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、硫酸、硫酸水素塩、ヨウ化水素酸、亜リン酸などが挙げられ;及び有機酸塩が挙げられ、ここで有機酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソブチル酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、及びメタンスルホン酸などが挙げられ;アミノ酸塩(例えばアルギニンなど)、有機酸塩、例えばグルクロン酸などが挙げられる。本明細書で開示される、ある特定の化合物は、塩基性及び酸性の官能基をどちらも含み、任意の塩基または酸付加塩に変換され得る。
【0019】
本明細書で開示される薬学的に許容可能な塩は、従来の化学的方法によって、酸性または塩基性の部分構造を含む親化合物から調製し得る。一般的に、このような塩は、水または有機溶媒またはそれらの混合液中において、遊離酸または遊離塩基の形態の前記化合物と、化学量論量の適切な塩基または酸とを反応させることで調製し得る。
【0020】
本明細書で開示される化合物は、ある特定の幾何形態または立体形態で存在してよい。本開示は、シス及びトランス異性体、(-)及び(+)エナンチオマー、(R)及び(S)エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、及びラセミ混合物並びにその他の混合物、例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマーが豊富な混合物などを含めた全ての化合物を想定しており、これらの全てが本明細書で開示される範囲に包含される。置換基、例えばアルキルは、追加の不斉炭素原子を有してよい。これらの異性体及びその混合物は、本明細書で開示される範囲に包含される。
【0021】
本明細書で開示される化合物は、化合物を構成する1つ以上の元素において非天然割合の同位体元素を含んでよい。例えば、化合物は放射線同位体、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)またはC14(14C)でラベル化されてよい。他の例として、水素を重水素に置き換えて、重水素化薬剤を形成し得る。重水素と炭素間の結合は、通常の水素と炭素間の結合よりも強固である。非重水素化薬剤と比較すると、重水素化薬剤は有毒な副作用が減少し、薬剤安定性が向上し、効能が増強し、薬剤の生物学的半減期が延長するという利点がある。本明細書で開示される化合物の同位体組成の変化は全て、放射能に関わらず、本開示の範囲に含まれる。
【0022】
用語「適宜の(optional)」または「適宜(optionally)」は、その後に記載されている事象あるいは状態が、起こってもよいが必要は無いことを意味し、この用語は、事象または状態が起こった場合と、事象または状態が起こらない場合とを含むことを意味する。
【0023】
用語「置換されている」は、ある特定の原子に接する1つ以上の水素原子が、重水素及び水素のバリエーションを含む置換基で置換されていることを意味し、その特定の原子の価数が通常通りであり、化合物置換体が安定である場合に限る。置換基がオキソ(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換されていることを意味する。芳香環上の位置はオキソで置換できない。用語「適宜置換されている」は、ある原子が置換基で置換されていてもよく、置換されていなくてもよいことを意味し、別段の記載がない限り、置換基の種類及び数は、化学的に達成し得る場合に限り、任意であってよい。
【0024】
前記化合物の構成または構造において、いずれかの可変部(例えばR)が2回以上出現する場合、可変部の定義は出現ごとに独立している。すなわち、例えばある基が0~2個のRで置換されている場合、その基は最大2個のRで適宜置換され得て、ここでRの定義は出現ごとに独立している。更に、置換基及び/またはその可変部の組み合わせは、その組み合わせによって安定な化合物が得られる場合のみ許容される。
【0025】
-(CRR)0-のように連結基の数が0である場合、その連結基が単結合であることを意味する。
【0026】
可変部の1つが単結合である場合、その単結合で連結された2つの基が直接結合していることを意味する。例えば、A-L-ZにおいてLが単結合を表す場合、構造A-L-Zは、実際にはA-Zである。
【0027】
列挙した連結基が連結方向を指示しない場合、連結方向は任意である。例えば、構造:
【化4】
における連結基Lが、-M-W-である場合、-M-W-は左から右への読み順通りに、環A及び環Bに連結して、構造:
【化5】
を構成し得て、あるいは左から右への読み順とは逆方向に環A及び環Bに連結して、構造:
【化6】
を構成し得る。連結基、置換基及び/またはそれらの可変部の組み合わせは、その組み合わせによって安定な化合物が得られる場合のみ許容される。
【0028】
別段の記載がない限り、ある基が1つ以上の結合可能部位を有する場合、その基の任意の1つ以上の部位は、化学結合を介して他の基に結合し得る。化学結合の結合位置が可変的であり、結合可能部位(複数可)に水素原子(複数可)があって、水素原子(複数可)を有する結合可能部位(複数可)が化学結合に結合する場合、その部位の水素原子(複数可)の数は、結合している化学結合が増加するにしたがって減少し、その基はそれに応じた価数の基になる。前記部位と他の基との化学結合は、実線の直線:
【化7】
破線の直線:
【化8】
または波線:
【化9】
で表し得る。例えば、-OCH
3における実線の直線は、この基が他の基に酸素原子を介して結合していることを示し;構造:
【化10】
における破線の直線は、この基が基内の窒素原子の2つの末端を介して他の基に結合していることを示し;構造:
【化11】
における波線は、この基がフェニル基内の1及び2の炭素原子を介して他の基に結合していることを示し;構造:
【化12】
は、ピペリジニル基上の任意の結合可能部位が、1つの化学結合を介して他の基に結合し得ることを示し、少なくとも次式の4つの結合様式を含み;
【化13】
H原子が-N-上に描写されている場合であっても、構造:
【化14】
は、構造:
【化15】
の結合様式を依然として含み;
化学結合が1つ結合している場合にのみ、この部位のHが1つ取り除かれ、前記基は対応する一価のピペリジニル基となる。
【0029】
別段の記載がない限り、楔形の実線で表す結合:
【化16】
及び楔形の点線で表す結合:
【化17】
は、不斉中心の絶対配置を示し;実線の直線で表す結合:
【化18】
及び点線の直線で表す結合:
【化19】
は、不斉中心の相対配置を示し;波線:
【化20】
は楔形の実線で表す結合:
【化21】
または楔形の点線で表す結合:
【化22】
を示し;あるいは、波線:
【化23】
は、実線の直線で表す結合:
【化24】
または点線の直線で表す結合:
【化25】
を示す。
【0030】
別段の記載がない限り、それ自体若しくは他の置換基の一部としての用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)原子を意味する。
【0031】
別段の記載がない限り、用語「C1~3アルキル」は、1~3個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を表すために用いられる。C1~3アルキルは、C1~2アルキル、C2~3アルキルなどを含む。これは一価(例えばメチル)、二価(例えばメチレン)または多価(メテニル)であってよい。C1~3アルキルの例として、限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)などが挙げられる。
【0032】
別段の記載がない限り、用語「C1~4アルキルアミノ」は、1~4個の炭素原子を含む、その分子の残りにアミノ基で結合しているアルキル基を意味する。C1~4アルキルアミノ基は、C1~3、C1~2、C2~4、C4、C3及びC2アルキルアミノ基など含む。C1~4アルキルアミノ基の例として、限定されないが、-NHCH3、-N(CH3)2、-NHCH2CH3、-N(CH3)CH2CH3、-N(CH2CH3)(CH2CH3)、-NHCH2CH2CH3、-NHCH2(CH3)2、-NHCH2CH2CH2CH3などが挙げられる。
【0033】
用語「4~6員含窒素ヘテロシクロアルキル」は単独で、または他の用語との組み合わせにおいてそれぞれ、4~6個の環原子を含む飽和シクリル基を表し、その基内において、1、2、3または4個の環原子は、それぞれ独立してO、S及びNから選択されるヘテロ原子であり、少なくとも1つのヘテロ原子はN原子であり、その残りは炭素原子であり、ここで窒素原子は適宜四級化されており、窒素及び硫黄ヘテロ原子は適宜酸化されている(すなわちNO及びS(O)p、pは1または2)。これは単環系及び二環系を含み、ここで二環系は、スピロ環、縮合環及び架橋環を含む。加えて、「4~6員含窒素ヘテロシクロアルキル」に関して、ヘテロ原子は、ヘテロシクロアルキル基と、分子の残りの部分との結合部位に存在してよい。4~6員ヘテロシクロアルキルは、5~6員、4員、5員及び6員ヘテロシクロアルキルなどを含む。4~6員ヘテロシクロアルキルの例として、限定されないが、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル(1-ピペリジニル、2-ピペリジニル及び3-ピペリジニルなどを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニル及び2-ピペラジニルなどを含む)、モルホリニル(3-モルホリニル及び4-モルホリニルなどを含む)、ヘキサヒドロピリダジニルなどが挙げられる。
【0034】
別段の記載がない限り、Cn~n+mまたはCn~Cn+mは、nからn+m個の炭素原子のあらゆる具体的な事例を含み、例えば、C1~12は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11及びC12を含み、nからn+mのあらゆる範囲も含み、例えば、C1~12は、C1~3、C1~6、C1~9、C3~6、C3~9、C3~12、C6~9、C6~12及びC9~12などを含み;同様に、n員~n+m員は、ある環の原子の数がn~n+m個であることを示し、例えば、3~12員環は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環、及び12員環を含み、nからn+mのあらゆる範囲も含み、例えば、3~12員環は3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環、6~10員環などを含む。
【0035】
本明細書で開示される化合物は、当業者に公知である様々な合成方法、例えば下に列挙する実施態様、他の化学合成法との組み合わせにおいて下に列挙する実施態様から形成される実施態様、及び当業者に公知である等価置換、によって調製され得る。別の実施態様は、限定されないが、本明細書で開示される実施態様を含む。
【0036】
本明細書で開示される化合物の構造は、当業者に公知である従来の方法で決定され得る。本開示が化合物の絶対配置に関する場合、その絶対配置は当技術分野における従来技術、例えば単結晶X線解析(SXRD)によって決定され得る。単結晶X線解析(SXRD)において、CuKαの光源を用いた、Bruker製D8 venture回析計を、Φ/ωスキャンモードで使用して、生成した単結晶の回析強度データを集め;関連データを回収した後、絶対配置を決める直接法(Shelxs97)で、その結晶構造を更に分析する。
【0037】
本開示で用いられる溶媒は市販されている。
【0038】
化合物は、当技術分野で一般的な命名規則に従って、あるいはChemDraw(登録商標)ソフトウェアで命名し、市販の化合物はその供給元のディレクトリ名で命名されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1は、種々の用量の化合物3を28日間にわたって投与したマウスにおける、腫瘍体積の変化を示すグラフである。
【0040】
図2は、種々の用量の化合物3を28日間にわたって投与したマウスにおける、体重の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は例示によって下で詳細に説明されている。しかし、これらの例は、本開示に不利となるいかなる制限も有さないものとする。本開示は、本明細書で詳細に説明されており、実施態様もまた本明細書で開示される。本明細書で開示される主旨と範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が、本明細書で開示される実施態様に対してなされてよいことは当業者にとって明らかであろう。
【実施例1】
【0042】
合成経路:
【化26】
工程1:化合物1-2の合成
化合物1-1(50g)を氷酢酸(500mL)に加えた。N-ブロモコハク酸イミド(68.84g)及びベンゾイルペルオキシド(2.76g)を連続して加えた。前記反応系を85℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮乾固した。水(300mL)を加え、混合液を酢酸エチル(200mL
*3)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、飽和食塩水(150mL
*3)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で分離及び精製し、化合物1-2を得た。
【0043】
化合物1-2の特性評価は次の通りである:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.07 - 7.99 (m, 1H), 7.76 - 7.69 (m, 1H), 7.34 - 7.28 (m, 1H), 4.58 - 4.53 (m, 2H).
【0044】
工程2:化合物1-3の合成
60%の純粋な水酸化ナトリウム(512.72mg)を無水テトラヒドロフラン(15mL)に、窒素条件下において0℃で加え、アセト酢酸エチル(1.67g)をゆっくりと滴加した。前記反応系を0℃で0.5時間攪拌した。上記反応溶液を、化合物1-2(3g)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液に、温度を0℃に維持しながら加えた。添加完了後、前記反応系を20℃まで加熱し、12時間攪拌した。反応終了後、前記反応系を、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えることでクエンチした。前記混合液を酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~80:20)で精製し、化合物1-3を得た。
【0045】
化合物1-3の特性評価: LCMS: m/z (ESI) = 284.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.95 - 7.88 (m, 1 H), 7.58 - 7.51 (m, 1 H), 7.23 - 7.16 (m, 1 H), 4.22 - 4.11 (m, 2 H), 3.86 - 3.66 (m, 1 H), 3.33 - 3.18 (m, 2 H), 2.27 (s, 3 H), 1.22 (t, J=7.2 Hz, 3 H).
【0046】
工程3:化合物1-4の合成
化合物1-3(600mg)を70%の純粋な硫酸水溶液(6mL)に溶解した。5-フルオロレゾルシノール(271.35mg)を加え、反応系を25℃で16時間攪拌した。反応終了後、前記反応系を直接濾過した。濾過ケークを水(10mL)でリンスし、固体を減圧下で濃縮乾固した。前記固体をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=100:0~98:2)で精製し、化合物1-4を得た。
【0047】
化合物1-4の特性評価: LCMS: m/z (ESI) =348.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.97-10.77 (m, 1 H), 7.99 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.57 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.32 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 6.69 - 6.56 (m, 2 H), 4.03 (s, 2 H), 2.47 (s, 3 H).
【0048】
工程4:化合物1-5の合成
化合物1-4(100mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.5mL)に溶解した。炭酸セシウム(112.59mg)及び2-ブロモピリミジン(183.12mg)を加え、反応系を80℃で1時間攪拌し反応させた。反応終了後、飽和食塩水(5mL)を前記系に加え、混合液を酢酸エチル(5mL*3)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=100:0~98:2)で分離し、化合物1-5を得た。
【0049】
化合物1-5の特性評価:LCMS: m/z (ESI) =426.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.71 (d, J=4.4 Hz, 2 H), 8.00 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.63 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.41 - 7.25 (m, 4 H), 4.10 (s, 2 H), 2.56 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0050】
工程5:化合物1-6の合成
化合物1-5(35mg)を酢酸エチル(2mL)に溶解した。塩化すず(II)二水和物(74.27mg)を加え、反応系を80℃で4時間攪拌し、反応させた。反応終了後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えて、系をクエンチし、酢酸エチル(5mL*3)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、化合物1-6を得た。
【0051】
化合物1-6の特性評価:LCMS: m/z (ESI) =396.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.71 (d, J=4.8 Hz, 2 H), 7.37 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 7.31 - 7.24 (m, 2 H), 6.78 - 6.68 (m, 1 H), 6.66 - 6.57 (m, 1 H), 6.28 - 6.26 (m, 1 H), 5.08 (s, 2 H), 3.93 (s, 2 H), 2.51 - 2.49 (m, 3 H).
【0052】
工程6:化合物1の合成
化合物1-6(40mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した。ピリジン(80.03mg)及びメチルアミノスルホニルクロリド(98.32mg)のアセトニトリル(1mL)溶液を加え、反応系を20℃で2時間攪拌した。反応終了後、飽和食塩水(5mL)を加えて系をクエンチし、酢酸エチル(5mL*5)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC分取方法:Phenomenex 分取クロマトグラフ;カラム:C18 75*30mm*3μm;移動相A:10mM 重炭酸アンモニウム水溶液(0.05% アンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;ランニンググラジエント:B%:25%~60%(8分間))で分離及び精製し、化合物1を得た。
【0053】
化合物1の特性評価:LCMS: m/z (ESI) =489.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.36 (br s, 1 H), 8.71 (d, J=4.8 Hz, 2 H), 7.37 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 7.32 - 7.25 (m, 3 H), 7.22-7.20 (m, 1 H), 7.04-7.02 (m, 1 H), 6.95 - 6.92 (m, 1 H), 3.99 (s, 2 H), 2.57 - 2.51 (m, 6 H).
【実施例2】
【0054】
合成経路:
【化27】
工程1:化合物2-1の合成
化合物1-4(100mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.5mL)に溶解した。炭酸カリウム(119.39mg)を加えた。前記混合液を0℃で0.5時間攪拌し、その後ジメチルアミノホルミルクロリド(37.16mg)を加えた。混合液を20℃で2時間攪拌し、反応させた。反応終了後、飽和食塩水(5mL)を系に加え、混合液を酢酸エチル(5mL
*3)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~60:40)で分離し、化合物2-1を得た。
【0055】
化合物2-1の特性評価:LCMS: m/z (ESI) =419.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.07-8.00 (m, 1 H), 7.68-7.62 (m, 1 H), 7.34 - 7.27 (m, 1 H), 7.21 - 7.14 (m, 2 H), 4.08 (s, 2 H), 3.05 (s, 3 H), 2.93 (s, 3 H), 2.54 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0056】
工程2:化合物2-2の合成
化合物2-1(100mg)を酢酸エチル(5mL)に溶解した。塩化すず(II)二水和物(215.75mg)を加えた。反応系を80℃で4時間攪拌し、反応させた。反応終了後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えて、系をクエンチし、酢酸エチル(5mL*3)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、化合物2-2を得た。
【0057】
化合物2-2の特性評価:LCMS: m/z (ESI) =389.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.19 - 7.11 (m, 2 H), 6.75 - 6.68 (m, 1 H), 6.65 - 6.56 (m, 1 H), 6.33 - 6.24 (m, 1 H), 5.08 (s, 2 H), 3.91 (s, 2 H), 3.05 (s, 3 H), 2.93 (s, 3 H), 2.56 - 2.47 (m, 3 H).
【0058】
工程3:化合物2の合成
化合物2-2(100mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解した。ピリジン(203.67mg)及びメチルアミノスルホニルクロリド(250.21mg)のアセトニトリル(1.5mL)溶液を加え、反応系を20℃で2時間攪拌した。反応終了後、飽和食塩水(15mL)を加えて系をクエンチし、酢酸エチル(15mL*5)で抽出した。層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC分取方法:Phenomenex 分取クロマトグラフ;カラム:C18 75*30mm*3μm;移動相A:10mM 重炭酸アンモニウム水溶液(0.05% アンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;ランニンググラジエント:B%:25%~60%(8分間))で分離及び精製し、化合物2を得た。
【0059】
化合物2の特性評価:LCMS: m/z (ESI) =482.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.41 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.03 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.00 - 6.87 (m, 3 H), 6.60 (s, 1 H), 4.44 - 4.35 (m, 1 H), 4.08 (s, 2 H), 3.12 (s, 3 H), 3.04 (s, 3 H), 2.77 (d, J=5.2 Hz, 3 H), 2.56 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【実施例3】
【0060】
合成経路:
【化28】
工程1:化合物3-2の合成
化合物3-1(41g)を無水メタノール(410mL)に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(10.77g)を0℃でバッチに加えた。混合液を窒素条件下において20℃で2時間攪拌した。アセトン(50mL)を、窒素気流下で、反応溶液にゆっくりと滴加した。混合液を1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去した。酢酸エチル(500mL)、飽和食塩水(200mL)及び水(200mL)を粗生成物に加えた。層を分離した。有機層を合一し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去し、化合物3-2を得た。
【0061】
化合物3-2の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =161.9 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.18 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.47 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 4.86 (s, 2 H), 2.77 (s, 1 H).
【0062】
工程2:化合物3-3の合成
化合物3-2(10g)を無水テトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、その後トリエチルアミン(12.53g)を加えた。メタンスルホン酸無水物(12.94g)をバッチに加え、混合液を20℃で1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で精製し、化合物3-3を得た。
【0063】
化合物3-3の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =239.9 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3), δ: 8.28 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.40 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 5.34 (s, 2 H), 3.13 (s, 3 H).
【0064】
工程3:化合物3-4の合成
ヨウ化ナトリウム(625.45mg)及びアセト酢酸エチル(1.09g)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、リチウムtert-ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液(2.2M、2.09mL)を滴加した。添加完了後、混合液を1時間攪拌し、その後0℃に冷却した。化合物3-3(1g)の無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液を窒素条件下で加えた。添加完了後、混合液を20℃で1時間攪拌した。飽和食塩水(20mL)、水(20mL)、及び酢酸エチル(20mL)を加え、層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去した。粗生成物をアルミナカラムクロマトグラフィー(グラジエント溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製し、化合物3-4を得た。
【0065】
化合物3-4の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =273.9 [M+H] +.
【0066】
工程4:化合物3-5の合成
化合物3-4(0.11g)を98%濃硫酸(788.39mg)に溶解した。溶液を0℃まで冷却し、5-フルオロレゾルシノール(51.49mg)を加えた。混合液を20℃で16時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル(5mL)、飽和食塩水(3mL)、及び水(3mL)を反応溶液に加え、層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~0:100)で精製し、化合物3-5を得た。
【0067】
化合物3-5の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =337.9 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 11.00 (s, 1 H), 8.13-8.11 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.30-7.20 (t, J=5.2 Hz, 1 H), 6.69 - 6.51 (m, 2 H), 4.02 (s, 2 H), 2.50-2.45 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0068】
工程5:化合物3-6の合成
化合物3-5(310mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解した。炭酸セシウム(358.91mg)及び2-ブロモピリミジン(175.13mg)を加え、混合液を80℃で8時間攪拌した。酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)を反応溶液に加え、層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で精製し、化合物3-6を得た。
【0069】
化合物3-6の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =416.0 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.63 (d, J=4.8 Hz, 2 H), 8.10 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.18-7.14 (m, 2 H), 7.12 - 7.07 (m, 1 H), 6.96 (m, 1 H), 4.13 (s, 2 H), 2.61 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0070】
工程6:化合物3-7の合成
化合物3-6(140mg)、ベンゾフェノンイミン(82.47mg)、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウム(30.83mg)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(38.97mg)、及び炭酸セシウム(329.13mg)を無水トルエン(5mL)に溶解し、混合液を、窒素条件下において110℃で3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去して、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~50:50)で精製し、化合物3-7を得た。
【0071】
化合物3-7の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =561.2 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.63 (d, J=4.8 Hz, 2 H), 8.02 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.47 - 7.28 (m, 9 H), 7.17 (t, J=4.8 Hz, 2 H), 7.07 (s, 1 H), 6.98 - 6.92 (m, 1 H), 6.81 (s, 1 H), 3.94 (s, 2 H), 2.30 (m, 3 H).
【0072】
工程7:化合物3-8の合成
化合物3-7(130mg)を無水テトラヒドロフラン(5.2mL)に溶解し、その後、1Mの希塩酸(260.00μL)を加えた。混合液を20℃で2時間攪拌した。酢酸エチル(10mL)、飽和食塩水(5mL)及び水(5mL)を反応溶液に加え、層を分離した。水層を回収し、飽和炭酸ナトリウム溶液でpHを9に調製し、その後、酢酸エチル(10mL)を加えた。層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去し、化合物3-8を得た。
【0073】
化合物3-8の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =397.0 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: ppm 8.63 (d, J=4.8 Hz, 2 H), 7.70 (d, J=5.4 Hz, 1 H), 7.17 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 7.11 - 7.02 (m, 1 H), 7.00 - 6.90 (m, 1 H), 6.53 (t, J=5.4 Hz, 1 H), 5.19 - 5.01 (m, 2 H), 4.07 (s, 2 H), 2.58 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0074】
工程8:化合物3の合成
化合物3-8(103mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解した。ピリジン(113.06mg)及びメチルアミノスルホニルクロリド(101.01mg)のアセトニトリル(0.6mL)溶液を加えた。混合液を20℃で2時間攪拌した。反応溶液を分取HPLC(HPLC分取方法:Waters Xbridge BEH 分取クロマトグラフ;カラム:C18 100*30mm*10μm;移動相A:0.1% 重炭酸アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;ランニンググラジエント:B%:25%~55%(8分間))で分離及び精製し、化合物3を得た。
【0075】
化合物3の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =490.0 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: ppm 8.71 (d, J=4.8 Hz, 2 H), 7.87 (d, J=5.0 Hz, 1 H), 7.44 - 7.23 (m, 3 H), 6.80 - 6.60 (m, 1 H), 4.00 (s, 2 H), 2.53 (m, 3 H), 2.48 (s, 3 H).
【実施例4】
【0076】
合成経路:
【化29】
工程1:化合物4-1の合成
化合物3-5(300mg)を、N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に窒素条件下で溶解し、炭酸カリウム(368.34mg)を加えた。ジメチルアミノホルミルクロリド(124.19mg)を0℃で加えた。混合液を20℃で3時間攪拌した。水(6mL)を反応溶液に加え、混合液を30分間攪拌し、濾過した。濾過ケークを水(2mL)でリンスし、回収し、真空下においてロータリーエバポレーターで乾燥させ、化合物4-1を得た。
【0077】
化合物4-1の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =409.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.13 (d, J=5.0 Hz, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.25 - 7.10 (m, 2 H), 4.08 (s, 2 H), 3.05 (s, 3 H), 2.93 (s, 3 H), 2.53 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0078】
工程2:化合物4-2の合成
化合物4-1(360mg)、ベンゾフェノンイミン(215.47mg)、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウム(80.64mg)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(101.91mg)、及び炭酸セシウム(860.81mg)をトルエン(5mL)に溶解した。混合液を、窒素条件下において、110℃で3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮乾固し、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~50:50)で精製し、化合物4-2を得た。
【0079】
化合物4-2の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =554.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.01 (d, J=5.0 Hz, 1 H), 7.91 - 7.72 (m, 2 H), 7.53 - 7.32 (m, 4 H), 7.23 - 7.06 (m, 4 H), 7.00-6.97 (m, 1 H), 6.95-6.90 (m, 1 H), 6.80 (t, J=5 Hz, 1 H), 3.92 (s, 2 H), 3.13 (s, 3 H), 3.05 (s, 3 H), 2.27 (d, J=6.0 Hz, 3 H).
【0080】
工程3:化合物4-3の合成
化合物4-2(190mg)を無水テトラヒドロフラン(7.6mL)に溶解し、その後、1Mの希塩酸水溶液(384.80μL)を加えた。混合液を20℃で2時間攪拌した。反応溶液を直接濾過し、濾過ケークを無水テトラヒドロフラン(0.5mL)でリンスした。濾過ケークを真空下において、ロータリーエバポレーターで乾燥させ、化合物4-3の塩酸塩を得た。
【0081】
化合物4-3の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =390.0 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.65 (d, J=6.0 Hz, 1 H), 7.26 - 7.12 (m, 2 H), 6.60 (s, 1 H), 4.03 (s, 2 H), 3.05 (s, 3 H), 2.93 (s, 3 H), 2.53 (s, 3 H).
【0082】
工程4:化合物4の合成
化合物4-3の塩酸塩(98mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解した。ピリジン(100.13mg)及びメチルアミノスルホニルクロリド(89.46mg)のアセトニトリル(0.5mL)溶液を加えた。混合液を20℃で2時間攪拌した。反応溶液を分取HPLC(分取HPLC方法:Phenomenex 分取クロマトグラフ;カラム:C18 75*30mm*3μm;移動相A:0.1%重炭酸アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;ランニンググラジエント:B%:25%~45%(8分間))で分離及び精製し、化合物4を得た。
【0083】
化合物4の特性評価は次の通りである:LCMS: m/z (ESI) =483.2 [M+H] +. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.80 (d, J=4.6 Hz, 1 H), 7.23 - 7.06 (m, 2 H), 6.62 (s, 1 H), 3.97 (s, 2 H), 3.06 (s, 3 H), 2.94 (s, 3 H), 2.55 - 2.51 (m, 3 H), 2.45 (s, 3 H).
【0084】
(評価システム)
アッセイ実施例1:in vitroにおけるHCT116の細胞学的活性評価
アッセイ材料:McCoyの5A培地、Vicenteで購入したペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質、Bioseraで購入したウシ胎児血清、Promegaで購入した3D CellTiter-Glo(細胞生存性化学発光検出試薬)試薬、Nanjing Kebai Biotechnology Co.,Ltd.で購入したHCT116細胞株、Envision マルチラベル分析器(PerkinElmer)。
【0085】
アッセイ方法:HCT116細胞を超低接着96穴U字型プレートに、ウェルごとに80μLの細胞懸濁液(1000個のHCT116細胞を含む)となるように播種した。前記細胞プレートをCO2インキュベーターで一晩培養した。
【0086】
試験する化合物を、ピペットを用いて5倍ずつ9段階に系列希釈し、すなわち2mMから5.12nMの希釈系列を作成し、これを複製した。78μLの培養培地を中間プレートに加え、その後ウェルごとに、2μLの希釈系列した化合物を中間プレートの対応する位置に移した。十分に混合した後、20μLの混合液を細胞プレートの各ウェルに移した。細胞プレートに移された化合物の濃度範囲は、10μM~0.0256nMであった。前記細胞プレートをCO2インキュベーターに供し、5日間培養した。別の細胞プレートを用意し、データ解析について、薬剤添加の日を最大値(下記方程式の最大値)としてシグナル値を読み取った。
【0087】
100μLの細胞生存性化学発光検出試薬を、前記細胞プレートに加え、混合液を室温で10分間インキュベートして発光シグナルを安定化させた。プレートを、マルチラベル分析器で読み取った。
【0088】
データ分析:(サンプル-最小値)/(最大値-最小値)
*100%の式を用いて未処理データを阻害率に変換し、IC
50値は、4種パラメーターの曲線フィッティング(GraphPad Prism中の「log(阻害剤)vs.反応-可変傾斜」モードによって得られる)によって得てよい。本開示の化合物の、HCT116細胞の増殖に対する阻害活性のアッセイ結果を表1に示す。
表1:本開示の化合物のin vitroスクリーニングアッセイ結果
【表1】
結論:本開示の化合物は、HCT116細胞株中で、良好な細胞増殖阻害活性を示す。
【0089】
アッセイ実施例2:化合物3のin vitro薬物動態試験
(オスのCD-1マウスにおける、経口投与及び静脈注射後の試験化合物の薬物動態試験)
試験化合物を、10%ジメチルスルホキシド/30%PEG-400/60%水溶液と混合し、ボルテックス及び超音波処理して、0.20mg/mLの透明な溶液を調製した。後で使用するために、透明な溶液を微小多孔性フィルターで濾過した。7~10週齢のオスのCD-1マウスを選択し、候補化合物溶液及び基準化合物VS-6766溶液を静脈注射した。基準化合物及び試験化合物をそれぞれ、20%スルホブチル-β-シクロデキストリン/80%水溶液と混合し、ボルテックス及び超音波処理して、微粒子を含む、0.20mg/mLの透明に近い溶液を調製し、候補化合物溶液を経口投与した。ある特定の期間の後に全血液を回収し、血清を調製した。薬物濃度をLC-MS/MS法で分析し、Phoenix WinNonlin ソフトウェア(Pharsight、米国)を用いて薬物動態パラメーターを計算した。アッセイ結果を表2に示す。
表2.試験化合物の薬物動態結果
【表2】
アッセイ結論:PK試験では、本開示の化合物は、マウスにおける血漿中遊離曝露量が多く、良好なバイオアベイラビリティを示す。
【0090】
アッセイ実施例3:化合物3のin vitro薬力学試験
(メスのBALB/cヌードマウスのヒト非小細胞肺がんNCI-H358皮下異種移植片腫瘍モデルに対する試験薬剤のin vitro薬力学試験)
1.細胞培養:ヒト肺がん細胞NCI-H358(ECACC-95111733)を、10%ウシ胎児血清と1%二抗体を含むRPMI1640培地中、再活性化及び培養した。細胞を、37℃で5%CO2を含む細胞インキュベーター中で培養し、週に2回継代した。NCI-H358細胞の飽和度が80%~90%に達した時点で、細胞を収穫、カウントし、植え付けた。
【0091】
2.動物:BALB/cヌードマウス(メス、6~8週齢、体重18~22g)。
【0092】
腫瘍の植え付け:5×10
6NCI-H358細胞を、マウスの首の右側にそれぞれ0.1mLの体積で植え付けた。細胞懸濁液は、PBS及びMatrigel(3:1)の混合液であった。腫瘍体積の平均値が150~200mm
3に達した時点で、マウスを無作為に薬物投与群に振り分けた。各群における薬剤投与スキーム及び試験動物数を、下の表3に示す:
表3.試験動物群及び投薬レジメン
【表3】
但し、QDは1日に1回を意味する。
【0093】
4.腫瘍測定及びアッセイパラメーター
アッセイの指標は、腫瘍の成長が阻害されているか遅くなっているか、または回復しているかを精査するためのものである。腫瘍の直径を、週に2回ノギスを用いて測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b2であり、ここでa及びbはそれぞれ、腫瘍の長径と短径を表している。
【0094】
化合物の抗がん作用はTGI(%)または相対腫瘍増殖率T/C(%)によって評価した。TGI(%)は腫瘍増殖阻害率を反映する。TGI(%)の計算は次の通りである:TGI(%)=[1-(ある特定の測定における、ある特定の治療群の腫瘍体積平均値-群形成時点における前記治療群の腫瘍体積平均値)/(同測定における、ビヒクル対照区群の腫瘍体積平均値-群形成時点におけるビヒクル対照区群の腫瘍体積平均値)]×100%。相対腫瘍増殖率T/C(%):計算式は次の通りである:T/C%=TRTV/CRTV×100%(TRTV:治療群のRTV;CRTV:陰性対照区群のRTV)。相対腫瘍体積(RTV)は腫瘍測定の結果に基づいて計算された。計算式は、RTV=Vt/V0であって、ここでV0は群形成時点で測定した腫瘍体積平均値(すなわちPG-D0)であり、Vtはある特定の測定における腫瘍体積平均値であり、TRTV及びCRTVは同日に記録される。
【0095】
TGI(%)は腫瘍増殖抑制率を反映する。TGI(%)=[(1-(治療群の投薬終了時点における腫瘍体積平均値-治療群の投薬開始時点における腫瘍体積平均値))/(ビヒクル対照区群の治療終了時点における腫瘍体積平均値-ビヒクル対照区群の治療開始時点における腫瘍体積平均値)]×100%。
【0096】
5.アッセイ結果
アッセイ結果を
図1及び
図2に示す。投薬から28日経過後の結果を表4に示す。
表4.投薬後28日目におけるT/C及びTGI
【表4】
アッセイ結論:本開示の化合物は有意な腫瘍抑制効果を有する。
【0097】
本明細書の投与量及び断続的投与によって、本標的に対する最大の腫瘍抑制効果を達成していてよい。将来的なin vivo効能試験では、用量依存性を示し、動物忍容性を向上させるために、投薬量を減少させる、あるいは断続的投与を採択することを考慮する。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(I)
で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩
[式中、
T
1はCH及びNから選択され;
R
1はピリミジニル及び-C(=O)-C
1~4アルキルアミノから選択され;
R
2はハロゲンであり;
R
3はハロゲン、C
1~3アルキル、-CH
2-C
1~4アルキルアミノ及び-CH
2-4~6員含窒素ヘテロシクロアルキルから選択され、ここでC
1~3アルキル、-CH
2-C
1~4アルキルアミノ及び-CH
2-4~6員含窒素ヘテロシクロアルキルはそれぞれ独立して、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており;
R
4はハロゲン及びC
1~3アルキルから選択され、ここでC
1~3アルキルは、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されており;
R
5はC
1~3アルキルであり、ここでC
1~3アルキルは、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されている]。
【請求項2】
前記化合物が、次の定義i)~vi)のいずれか1つ以上を充足する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
i)R
1が構造:
【化2】
から選択される;
ii)R
2がFである;
iii)R
3がF、Cl、Br、CH
3、CH
2CH
3、CH
2NHCH
3及びCH
2N(CH
3)
2から選択され、ここでCH
3、CH
2CH
3、CH
2NHCH
3及びCH
2N(CH
3)
2が、1、2または3個のハロゲンで適宜置換されている;
iv)R
3がCH
3及びCH
2N(CH
3)
2から選択される;
v)R
4がFである;
vi)R
5がCH
3である。
【請求項3】
次式のいずれか:
【化3】
で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【国際調査報告】