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特表2025-503197医療監視装置の印刷機構及び医療監視装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】医療監視装置の印刷機構及び医療監視装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/04 20060101AFI20250123BHJP
   B41J 25/304 20060101ALI20250123BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20250123BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B41J11/04
B41J25/304 H
B41J2/32 C
A61B5/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544635
(86)(22)【出願日】2023-02-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2023054777
(87)【国際公開番号】W WO2023169850
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】202210217248.8
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220480206.9
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ターン リャン ヨーン
【テーマコード(参考)】
2C058
2C064
2C065
4C117
【Fターム(参考)】
2C058AB02
2C058AB05
2C058AF31
2C058DA10
2C058DA21
2C064CC02
2C064CC06
2C064EE14
2C064FF10
2C065AA01
2C065AB01
2C065AD07
2C065CC05
2C065CC07
4C117XA02
4C117XE17
4C117XE46
4C117XE52
4C117XF26
(57)【要約】
本発明は、医療監視装置の印刷機構及び医療監視装置を提供する。印刷機構は、支持プレートと、一方の端部は、支持プレート上に回転可能に配され、他方の端部は、印刷ヘッド取付部を備え、印刷ヘッド取付部は、その上に印刷ヘッドを備えているL字型の支持アームと、支持プレート上にあり、支持プレートと支持アームとの間に移動可能に配される可動フレーム組立体を有し、前記可動フレーム組立体は、フレーム、前記医療監視装置の外側に隣接する前記フレームの前端に取り付けられ、圧力を受けて印刷ヘッドに接触するゴムプラテン、前記フレームに取り付けられる印刷用紙の引き出し、及び前記ゴムプラテンが回転するよう駆動させるための、前記フレームに取り付けられる駆動機構を有し、前記フレームには、湾曲した輪郭を持つガイドスロットが形成され、前記印刷ヘッド取付部の両側から延びるガイドピンは、前記印刷ヘッドと前記ゴムプラテンとの間の相対位置及び圧縮力を制限するために、夫々の前記ガイドスロットに移動可能に収容される。本発明による医療監視装置の印刷機構は、優れた印刷品質を保証し、空間を大きく占めすぎない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持プレート、
一方の端部は、前記支持プレートに回転可能に配され、他方の端部は、印刷ヘッド取付部を備えるL字型の支持アームであって、前記印刷ヘッド取付部は、その上に印刷ヘッドを備えている、L字型の支持アーム、並びに
前記支持プレート上にあり、前記支持プレートと前記支持アームとの間に移動可能に配される可動フレーム組立体であって、
フレーム、
前記医療監視装置の外側に隣接する前記フレームの前端に取り付けられ、圧力を受けて印刷ヘッドに接触するゴムプラテン、
前記フレームに取り付けられる印刷用紙の引き出し、及び
前記ゴムプラテンが回転するよう駆動させるための、前記フレームに取り付けられる駆動機構
を有する、前記可動フレーム組立体
を有する医療監視装置の印刷機構であって、
前記フレームには、湾曲した輪郭を持つガイドスロットが形成され、前記印刷ヘッド取付部の両側から延びるガイドピンは、前記印刷ヘッドと前記ゴムプラテンとの間の相対位置及び圧縮力を制限するために、夫々の前記ガイドスロットに移動可能に収容される、医療監視装置の印刷機構。
【請求項2】
前記ガイドスロットは、前記フレームにおいて対向して形成される第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットを有し、前記第1のガイドスロット及び前記第2のガイドスロットは、ガイドスロットの前端から後端に向けて徐々に上昇する湾曲した輪郭を有する、請求項1に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項3】
前記第1のガイドスロット及び前記第2のガイドスロットは、前記前端に形成される切欠きを持ち、前記印刷ヘッドは、前記ガイドピンが前記切欠き内に移動したとき、前記ゴムプラテンに押し付ける、請求項2に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項4】
前記第1のガイドスロット及び前記第2のガイドスロットの長さは、前記可動フレーム組立体が前記医療監視装置のハウジングから引き出されたときの前記可動フレーム組立体の最大移動量に等しくなるように選択され、
前記第1のガイドスロット及び前記第2のガイドスロットの高さは、前記印刷ヘッド及び前記支持アームの最大回転角を決定するように選択される、
請求項2に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項5】
前記フレームは、互いに対向して配される第1の取付プレート及び第2の取付プレート、並びに前記第1の取付プレート及び前記第2の取付プレートを互いに固定して接続する第1の接続プレート及び第2の接続プレートを有し、
前記第1のガイドスロットは、前記第1の取付プレートに形成され、
前記第2のガイドスロットは、前記第2の取付プレートに形成される、
請求項2に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項6】
前記ガイドピンには、転がり軸受が設けられ、
前記ガイドピンは、前記転がり軸受によって夫々の前記ガイドスロットに移動可能に収容される、請求項1に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項7】
復帰ばねがさらに設けられ、前記復帰ばねは、前記印刷ヘッドを回転させ、前記ゴムプラテンに押し付ける、請求項1に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項8】
前記駆動機構は、
前記ゴムプラテンの一方の端部に固定して取り付けられる第1のプーリ、
前記フレームに取り付けられる電気モータ、
前記電気モータの回転シャフトに取り付けられる第2のプーリ、及び
前記電気モータが動作するとき、前記ゴムプラテンが回転するよう駆動させるように、前記第1のプーリと前記第2のプーリとを接続するためのタイミングベルト
を有する、請求項5に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項9】
前記電気モータは、前記医療監視装置の内側に隣接する前記フレームの後端に配される、請求項8に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項10】
前記ゴムプラテンは、前記医療監視装置の外側に隣接する、前記第1の取付プレート及び前記第2の取付プレートの前端において、軸受によって回転可能に支持され、
前記電気モータは、前記第1の取付プレートの長手方向に沿って前記ゴムプラテンから離間し、前記医療監視装置の内側に隣接する前記第1の取付プレートの後端に取り付けられる
請求項8に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項11】
前記第1のプーリ及び前記第2のプーリは、前記第1の取付プレートに隣接して配される、請求項8に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項12】
前記第1の取付プレート、前記第2の取付プレート、前記第1の接続プレート及び前記第2の接続プレートは、結合して、硬質フレームを形成する金属又は合金部材である、請求項5に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項13】
前記医療監視装置は、胎児モニタである、請求項1に記載の医療監視装置の印刷機構。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の医療監視装置の印刷機構を有する、医療監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療監視装置の印刷機構、及びそのような印刷機構を有する医療監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、胎児モニタ、心電計、除細動器又は超音波診断装置のような医療監視装置は、一般に、メインユニットと、このメインユニットに配される印刷機構とを有する。この医療監視装置、例えば、胎児モニタの印刷機構が動作するとき、ステッピングモータによって駆動するゴムプラテン(rubber platen)が事前に設定された速度で回転し、印刷用紙を引っ張り、サーマル印刷ヘッドを通過させ、サーマル印刷用紙に胎児の命に関する特性を特徴付ける曲線を記録する。既存の印刷機構において、ステッピングモータ及びゴムプラテンは、分離可能な構造を形成するために、異なる構成要素に取り付けられる。通常、ステッピングモータの回転シャフトの端部、及びゴムプラテンのシャフトの端部にギアが取り付けられ、このステッピングモータは、これらのギア同士が噛み合うことによってゴムプラテンを回転させ、その結果、ゴムプラテンと印刷ヘッドとの間で押し付けられた記録用紙を引っ張る。印刷機構が動作するとき、ゴムプラテン及び印刷ヘッドは、これらの間を通過する印刷用紙が印刷ヘッドと正しく合うことを確実にするために、適切な圧力で押し付けられる必要がある。通常、可動部分としてのゴムプラテンは、印刷用紙の引き出しに従って開閉動作を行い、印刷ヘッド取付フレーム(印刷ヘッド取付部)が医療監視装置のハウジングに固定され、印刷ヘッドは、一連のばねによって、印刷ヘッドが押し下げられ、微小な動きを可能にしている(フローティングデザイン)。印刷ヘッドがゴムプラテンに接触すると、前記ばねは、圧迫力を与えて印刷ヘッドをゴムプラテンに押し付ける。既存の構造において、前記ばねの弾性は、印刷機構が使用されるにつれて変化し、その結果、ゴムプラテンと印刷ヘッドとの間に加えられる圧迫力が変化し、印刷用紙上の印刷品質が低下する。加えて、印刷ヘッドを押し下げる前記一連のばねもまた、医療監視装置において大きな空間を占める。
【0003】
従って、医療監視装置の既存の印刷機構を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述した従来技術における欠点の少なくとも1つを克服することができる医療監視装置の印刷機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
支持プレート、
一方の端部は、前記支持プレート上に回転可能に配され、他方の端部は、印刷ヘッド取付部を備える、L字型の支持アームであって、前記印刷ヘッド取付部は、その上に印刷ヘッドを備えている、L字型の支持アーム、及び
前記支持プレート上にあり、前記支持プレートと前記支持アームとの間に移動可能に配される可動フレーム組立体であって、フレームと、前記医療監視装置の外側に隣接する前記フレームの前端に取り付けられ、圧力を受けて前記印刷ヘッドに接触するゴムプラテンと、前記フレーム上に取り付けられる印刷用紙の引き出しと、前記ゴムプラテンが回転するよう駆動させるための、前記フレーム上に取り付けられる駆動機構とを有する、可動フレーム組立体
を有し、前記フレームには、湾曲した輪郭を持つガイドスロットが形成され、前記印刷ヘッド取付部の両側から延びるガイドピンは、夫々のガイドスロットに移動可能に収容され、印刷ヘッドとゴムプラテンとの間の相対位置及び圧迫力を制限する、医療監視装置の印刷機構が提供される。
【0006】
好ましくは、前記ガイドスロットは、フレーム内で対向して形成される第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットを有することができ、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットは、これらスロットの前端から後端に向けて徐々に上昇する湾曲した輪郭を持つ。
【0007】
好ましくは、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットは、各々がその前端において形成される切欠き(ノッチ)を持ち、前記ガイドピンがその切欠き内に移動するとき、前記印刷ヘッドを、ゴムプラテンに押し付ける。
【0008】
好ましくは、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットの長さは、可動フレーム組立体が医療監視装置のハウジングから引き出されるときの可動フレーム組立体の最大移動量に等しくなるように選択されることができ、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットの高さ(H)は、印刷ヘッド及び支持アームの最大回転角を決定するように選択されることができる。
【0009】
好ましくは、前記フレームは、互いに対向して配される第1の取付プレート及び第2の取付プレート、並びにこれら第1の取付プレート及び第2の取付プレートを互いに固定して接続する第1の接続プレート及び第2の接続プレートを有することができ、第1のガイドスロットは、第1の取付プレートに形成され、第2のガイドスロットは、第2の取付プレートに形成される。
【0010】
好ましくは、前記ガイドピンには、転がり軸受が設けられ、このガイドピンは、この転がり軸受によって夫々のガイドスロットに移動可能に収容されることができる。
【0011】
好ましくは、復帰ばね(reset spring)がさらに設けられ、この復帰ばねは、印刷ヘッドを回転させ、ゴムプラテンの押し付けにつながる。
【0012】
好ましくは、前記駆動機構は、ゴムプラテンの一方の端部に固定して取り付けられる第1のプーリと、前記フレームに取り付けられる電気モータと、前記電気モータの回転シャフトに取り付けられる第2のプーリと、前記電気モータが動作するとき、前記ゴムプラテンが回転するよう駆動させるように、前記第1のプーリと前記第2のプーリとをつなぐためのタイミングベルトと、を有することができる。
【0013】
好ましくは、前記電気モータは、医療監視装置の内側に隣接する前記フレームの後端に配される。
【0014】
好ましくは、ゴムプラテンは、医療監視装置の外側に隣接する第1の取付プレート及び第2の取付プレートの前端において、軸受によって回転可能に支持されることができ、電気モータは、第1の取付プレートの長手方向に沿って前記ゴムプラテンから離間され、医療監視装置の内側に隣接する第1の取付プレートの後端に取り付けられる。
【0015】
好ましくは、第1プーリ及び第2プーリは、第1の取付プレートに隣接して配されることができる。
【0016】
好ましくは、第1の取付プレート、第2の取付プレート、第1の接続プレート及び第2の接続プレートは、金属又は合金部材であり、これらを結合して硬質フレームを形成する。
【0017】
好ましくは、医療監視装置は胎児モニタでもよい。
【0018】
本発明の別の態様によれば、医療監視装置が提供され、この医療監視装置は、上述したような医療監視装置の印刷機構を有する。
【0019】
本発明の医療監視装置の印刷機構によれば、ガイドスロットの湾曲した輪郭は、印刷ヘッド及びゴムプラテンが互いに正しく協働することを保証し、ゴムプラテンは、優れた印刷品質を達成するために、適切な圧力と適切な変形を受ける。他方、印刷ヘッド及び支持アームの回転振幅は制限され、その結果、医療監視装置のレイアウトに影響を及ぼさず、医療監視装置が占める空間を大きくし過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明による医療監視装置の印刷機構を斜視図で概略的に示す。
図2図2は、電気モータはフレームから取り外されている、本発明による医療監視装置の印刷機構を別の斜視図で概略的に示す。
図3図3は、電気モータ及び支持アームはフレームから取り外されている、本発明による医療監視装置の印刷機構を別の斜視図で概略的に示す。
図4図4は、電気モータ及びゴムプラテンはフレームに取り付けられている、本発明による医療監視装置の印刷機構の可動フレーム組立体を斜視図で概略的に示す。
図5図5は、ゴムプラテン及び印刷用紙の引き出しはフレームに取り付けられている、本発明による医療監視装置の印刷機構の可動フレーム組立体を斜視図で概略的に示す。
図6図6は、本発明による医療監視装置の印刷機構の支持アーム及び印刷ヘッド取付部を斜視図で概略的に示す。
図7図7は、図6に示される構造の側面図である。
図8図8は、前方の装飾プレートが取り外されている、図2に示される構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施形態は、図面に関連して以下に詳細に説明される。図面は、本発明を例示することのみを意図しており、本発明に対し如何なる限定も生じさせないことを意図することは、当業者によって理解されるべきである。
【0022】
図1は、本発明による医療監視装置の印刷機構を斜視図で概略的に示し、図2は、本発明による医療監視装置の印刷機構を別の斜視図で概略的に示し、この図において、電気モータは、フレームから取り外されている、図3は、本発明による医療監視装置の印刷機構を別の斜視図で概略的に示し、この図において、電気モータ及び支持アームは、フレームから取り外されている、図4は、本発明による医療監視装置の印刷機構の可動フレーム組立体を斜視図で概略的に示し、この図において、電気モータ及びゴムプラテンはフレーム上に取り付けられている、図5は、本発明による医療監視装置の印刷機構の可動フレーム組立体を斜視図で概略的に示し、この図において、ゴムプラテン及び印刷用紙の引き出しはフレーム上に取り付けられている、図6は、本発明による医療監視装置の印刷機構の支持アーム及び印刷ヘッド取付部を斜視図で概略的に示し、並びに図7は、図6に示される構造物の側面図である。図1から図7に示されるように、本発明による医療監視装置の印刷機構1は、一般に、例えば、胎児モニタのような医療監視装置(図示せず)のハウジング上に典型的に取り付けられる支持プレート(又はベースプレート)3を有する。本発明による医療監視装置の印刷機構1は、支持アーム5をさらに有する。好ましい実施形態において、支持アーム5は実質的にL字型であり、この支持アーム5の一方の端部5aは、支持プレート3上に回転可能に取り付けられ、この支持アーム5の他方の端部5bは、その上に印刷ヘッド9、例えばサーマル印刷ヘッドが取り付けられる印刷ヘッド取付部7を備えている。図1において、印刷ヘッドは、印刷ヘッド取付部7の下側に取り付けられているため、この印刷ヘッドは見ることができない。印刷ヘッドは、有線又は無線によって医療監視装置のメインユニットと電気的に通信し、従って、このメインユニットから信号を受信し、印刷動作を行う。本発明による医療監視装置の印刷機構1は、可動フレーム組立体11も有し、この可動フレーム組立体11は、支持プレート3上にあり、支持プレート3と支持アーム5との間にある空間において移動可能に配される。
【0023】
図4及び図5に示されるように、可動フレーム組立体11は、フレーム13を有する。このフレーム13は、互いに対向して配される第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17と、これら第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17を互いに固定して接続する第1の接続プレート19及び第2の接続プレート21とを有する。好ましい実施形態において、第1の取付プレート15、第2の取付プレート17、第1の接続プレート19及び第2の接続プレート21は、例えばアルミニウム又は他の軽量金属のような金属部材、或いは合金部材であり、これらは、別々に形成され、その後、フレーム13が高剛性の金属フレームとして形成されるように、例えば、ねじのような締結具によって互いに接続される。しかしながら、第1の取付プレート15、第2の取付プレート17、第1の接続プレート19及び第2の接続プレート21は、金属から一体で鋳造することもできることを理解されたい。もちろん、第1の取付プレート15、第2の取付プレート17、第1の接続プレート19及び第2の接続プレート21は、プラスチックから一体成形することもできる。可動フレーム組立体11は、印刷用紙25を保持するために、第1の取付プレート15と第2の取付プレート17との間に取り付けられた印刷用紙の引き出し23も有する。図4において、フレーム13に取り付けられるこの印刷用紙の引き出しは、示されない。
【0024】
可動フレーム組立体11は、第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17上で、その端部が回転可能に支持されるゴムプラテン27も有する。ゴムプラテン27は、医療監視装置の外側に隣接する、第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17の前端において軸受けによって回転可能に支持され、ゴムプラテン27の一方の端部には第1のプーリ29が固定して取り付けられている。可動フレーム組立体11は、第1の取付プレート15の長手方向に沿ってゴムプラテン27から離間して置かれ、第1の取付プレート15に取り付けられる電気モータ31、及びこの電気モータ31の回転シャフトに取り付けられる第2のプーリ(図示せず)も有する。電気モータが作動するとき、この電気モータが、第2のプーリ、タイミングベルト33、第1のプーリ29を用いてゴムプラテン27を回転させるように、タイミングベルト33は、第1のプーリ29及び第2のプーリと接続している。従って、本発明によれば、ゴムプラテン27、電気モータ31、及びゴムプラテン27と電気モータ31と接続するタイミングベルト33は、全てフレーム13に取り付けられている。このようにして、可動フレーム組立体11を医療監視装置のハウジングから引き出して、印刷用紙を手に取って補給し、その後、可動フレーム組立体11を医療監視装置13のハウジング内に挿入したとしても、ゴムプラテン27、電気モータ31及びタイミングベルト33は、フレームと一緒に移動するが、これらの相対位置は変化しないので、これらが正しく位置決められることを保証し、これにより、印刷機構は、ノイズが発生することなく、又はノイズの発生が大幅に低減されて円滑に動作することを可能にする。
【0025】
好ましくは、電気モータ31は、医療監視装置の内側に隣接する第1の取付プレート15の後端に配され、これにより、実質的に均一な厚さの可動フレーム組立体11を形成することができ、従って、比較的平坦で規則的な形状を持つ。結果として、印刷機構は、比較的コンパクトで規則的なレイアウトを持つことができる。より好ましくは、第1のプーリ29、前記第2のプーリ及び電気モータ31は、全て第1の取付プレート15に隣接して設けられるので、全体の構造をよりコンパクトにし、占める空間をできるだけ小さくする。第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17は、ゴムプラテン27、このゴムプラテン27上の第1のプーリ、タイミングベルト33、電気モータ31及びこの電気モータ31上の第2のプーリが全て、第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17の少なくとも一方の内側に置かれるようにサイズが決定され、可動する構成要素がフレーム13から突出しない又はフレーム13の外側に露出しないことを保証する。第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17は同じ長さとすることも可能であるが、好ましい実施形態において、第2の取付プレート17は、電気モータ31を支持する必要がないため、第2の取付プレート17の長さが、第1の取付プレート15の長さより短くすることができ、それによって、使用する材料の量が減って、フレーム13の重量が減る。第1の取付プレート15及び第2の取付プレート17夫々において、長手方向に沿って延在し、湾曲した輪郭を持つ第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37が形成される。
【0026】
図1及び図3に示されるように、支持プレート3上に対向して配される一対の取付台座39も存在する。これら取付台座39の各々は、取付穴39aと、外側に形成される第1の突起39bとを備えて形成される。図6及び図7に示されるように、概ねL字型の支持アーム5は、端部5aの両側に形成される突出した組立体シャフト5cを持ち、この概ねL字型の支持アーム5の主要部分(すなわち、印刷用紙の引き出しの上に置かれる部分)の両側に第2の突起5dが形成される。ガイドピン7aは、印刷ヘッド取付部7の両側から外側に延在している。
【0027】
組み立て中、支持アーム5の端部5aに形成される組立体シャフト5cは夫々、取付台座39にある取付穴39aに回転可能に収容され、印刷ヘッド取付部7の両側から外側に延在しているガイドピン7aは夫々、第1の取付プレート15にある第1のガイドスロット35及び第2の取付プレート17にある第2ガイドスロット37に移動可能に収容される。好ましくは、各ガイドピン7aには、転がり軸受が設けられ、ガイドピン7aは、これら転がり軸受によって、第1の取付プレート15にある第1のガイドスロット35及び第2の取付プレート17にある第2のガイドスロット37に収容される。さらに、復帰ばね41の一方の端部は、取付台座39の第1の突起39bに取り付けられ、復帰ばね41の他方の端部は、支持アーム5の第2の突起5dに取り付けられる。
【0028】
図8は、図2に示される構造の側面図であり、前方にある装飾プレートは取り除かれている。図8に示されるように、第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37は、可動フレーム組立体11が医療監視装置のハウジングから外側(図8において左側)に引き出されるとき、印刷ヘッド9を備える印刷ヘッド取付部7は、復帰ばね41の動作に逆らって持ち上げられ、ゴムプラテン27から離れるように、前端(ゴムプラテン27に隣接する端部)から後端に向けて徐々に上昇する湾曲した輪郭を持つ。第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37の前端に切欠き(ノッチ)が形成される(図8には、第2のガイドスロット37の前端に形成される切欠き37aのみが示される)。可動フレーム組立体11を医療監視装置のハウジング内に押し込む(可動フレーム組立体11を図8における右方向に押す)と、印刷ヘッド9を備える印刷ヘッド取付部7上のガイドピン7aは、復帰ばね41の動作下で、第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37に沿って、これらスロットの端部に置かれる切欠き内に移動する。この位置において、ゴムプラテン27が所望の圧力を受けて、所望の変形をするように、印刷ヘッド9がゴムプラテン27を押す。
【0029】
好ましくは、第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37の長さLは、可動フレーム組立体11を医療監視装置のハウジングから引き出すことができる最大移動量に等しくなるように選択される。本出願において、第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37の長さは、可動フレーム組立体11が医療監視装置のハウジングから外側に完全に引き出されたときの印刷ヘッド取付部7にあるガイドピン7aと、可動フレーム組立体11が医療監視装置のハウジング内に完全に押し込まれたときの印刷ヘッド取付部7にあるガイドピン7aとの間の水平方向における最短の直線距離を指す。第1のガイドスロット35及び第2のガイドスロット37の高さHは、印刷ヘッド9及び支持アーム5の最大回転角を決定するように選択される。本出願において、第1ガイドスロット35及び第2ガイドスロット37の高さは、可動フレーム組立体11が医療監視装置のハウジングから外に完全に引き出されたときの印刷ヘッド取付部7にあるガイドピン7aと、可動フレーム組立体11が医療監視装置のハウジング内に完全に押し込まれたときの印刷ヘッド取付部7にあるガイドピン7aとの間の垂直方向における最短の直線距離を指す。
【0030】
普通の状態では、可動フレーム組立体11は、印刷ヘッド取付部7にある印刷ヘッドが圧力を受けてゴムプラテン27に接触した状態であるように、医療監視装置のハウジング内における、支持プレート3と支持アーム5との間の空間内に押し込まれる。印刷用紙16は、ゴムプラテン27と印刷ヘッドとの間を通過することができる。印刷機構が動作すると、電気モータ31は、第2プーリ、電気モータ31及び第1プーリ29を用いて、ゴムプラテン27が回転するよう駆動させて、それによって、サーマル印刷用紙を引っ張り、印刷ヘッドを通過させ、このサーマル印刷用紙に胎児の生命に関する特性を特徴付ける曲線を記録する。
【0031】
印刷用紙を手に取って補給するために、可動フレーム組立体11を外側に引き出すとき、フレーム13の第1の取付プレート15にある第1のガイドスロット35、及び第2の取付プレート17にある第2のガイドスロット37は、可動フレーム組立体11が支持アーム5及び印刷ヘッド取付部7に対して外側に移動することを可能にすることによって、印刷用紙の引き出しを医療監視装置のハウジングから外に移動させて、印刷用紙を手に取って補給する。
【0032】
本発明によれば、印刷ヘッドの軌道は、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットの湾曲した輪郭によって決定され、印刷ヘッドとゴムプラテンとの間の相対位置及び圧迫力は、印刷ヘッドとゴムプラテンとの間の相対位置を制限することによって保障される。可動フレーム組立体が外側に引っ張られると、ゴムプラテンを有する可動フレーム組立体は、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットに沿って移動し、印刷ヘッドは、可動フレーム組立体が移動するにつれて、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットに沿ってわずかに回転し、ゴムプラテンから離れるように持ち上げられる。可動フレーム組立体が内側に押されると、印刷ヘッド取付部にあるガイドピンは、復帰ばねの動作下で第1及び第2のガイドスロットの端部にある切欠き内に移動し、印刷ヘッドが、ゴムプラテンをちょっと押し付けて、適切な圧迫力を達成する。一方では、第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットの湾曲した輪郭は、印刷ヘッド及びゴムプラテンが互いに正しく協働することを保証し、ゴムプラテンは、優れた印刷品質を達成するように適切な圧力及び適切な変形を受ける。他方では、印刷ヘッド及び支持アームの回転振幅を制限することによって、医療監視装置のレイアウトに影響を及ぼさず、医療監視装置が占める空間を大きくし過ぎない。
【0033】
本発明は、好ましい実施形態に関連して詳細に説明されているが、そのような詳細な説明は、単に本発明を例示することだけを意図し、本発明に如何なる限定も行わないことを理解されたい。例えば、上記の好ましい実施形態において、ゴムプラテンが回転するよう駆動させる駆動機構は、電気モータ、第1のプーリ、第2のプーリ及びタイミングベルトを有しているが、このゴムプラテンが回転するよう駆動させる駆動機構は、他の構成、例えば、ギア同士が噛み合うことによって、フレームに取り付けられるゴムプラテンを駆動させる、フレームに取り付けられた電気モータを含む構成でもよい。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲における技術的解決法によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】