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特表2025-503231ニロガセスタットによる卵巣癌の治療
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】ニロガセスタットによる卵巣癌の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/417 20060101AFI20250123BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A61K31/417
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544792
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 US2023061762
(87)【国際公開番号】W WO2023150559
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】63/267,413
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521444387
【氏名又は名称】スプリングワークス、セラピューティクス、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SPRINGWORKS THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シンタ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】トッド・シアラー
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA03
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本開示は、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む、卵巣癌を治療するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約50mg~約600mg/日のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約500mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む剤形を投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約300mg、1日2回のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約100mg/日で投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約200mg/日で投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約300mg/日で投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
約25mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
約50mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
約100mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約50mg、1日2回で投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約100mg、1日2回で投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約150mg、1日2回で投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回、2回、3回、または4回投与される、請求項1~2及び4~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記卵巣癌が、卵巣顆粒膜細胞腫瘍である、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記患者が、過エストロゲン症を呈する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記薬学的に許容される塩形態が、臭化水素酸塩形態である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記臭化水素酸塩形態が、二臭化水素酸塩形態である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記患者がヒトである、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、固形剤形として経口投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記固形剤形が、錠剤またはカプセルである、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月1日に出願された米国仮出願第63/267,413号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者にニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0003】
卵巣顆粒膜細胞腫瘍(OvGCT)は、全卵巣癌の5~7%であり(米国(US)で約1500~2000人/年の患者が新たに診断される)、卵巣性索腫瘍の最も一般的なサブタイプ(70%)である。OvGCTの診断時の平均年齢は50歳である:OvGCT患者の12%が30歳未満であり、57%が30~59歳である。OvGCTは通常、緩徐に成長し、多くの場合、死亡につながらないため、有病率は発生率に対して高い。全生存平均期間(OS)は、診断時から約13年(11~15年)であり、10年OSは、90%であることが示されている。
【0004】
OvGCTは、一次手術及び一次白金系療法後に再発する傾向がある。症例シリーズにおける再発率は、32%~44%であった(再発までの最長報告期間は40年であった)。無再発生存期間の中央値は、8.4年(6.8~9.9年)であった。
【0005】
OvGCTは、初期卵巣間葉系に由来し、顆粒膜細胞、莢膜細胞、及び線維芽細胞から構成される。
【0006】
過エストロゲン症は、OvGCTを有する患者で報告されており、エストロゲン、抗ミュラー管ホルモン(AMH)、ならびにインヒビンA及びBの腫瘍産生に関連している。このホルモン産生は、OvGCTを漿液性卵巣癌と区別し、腫瘍特異的薬力学的マーカーとして機能する可能性がある。
【0007】
現在、OvGCTに対する米国食品医薬品局(FDA)が承認した治療法は存在しない。場合によっては、補助化学療法を伴う外科手術が、初期治療の主要部である。補助化学療法は、典型的には、白金系レジメン、すなわち、パクリタキセル-カルボプラチン、シクロホスファミド-シスプラチン、またはブレオマイシン-エトポシド-シスプラチンによるものである。再発環境における任意の単剤療法による客観的奏効率(ORR)は低い。更に、再発環境での併用療法は、無増悪生存(PFS)率の改善を示すことができていない。したがって、この患者集団では、奏効率がより高く、PFSを改善する可能性のある剤に対するアンメットニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約50mg~約600mg/日のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法が本明細書で提供される。
【0009】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約500mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む剤形を投与することを含む方法が本明細書で提供される。
【0010】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約300mg、1日2回のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約100mg/日で投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約200mg/日で投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約300mg/日で投与される。
【0011】
いくつかの態様では、約25mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される。いくつかの態様では、約50mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される。いくつかの態様では、約100mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される。
【0012】
いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約50mg、1日2回で投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約100mg、1日2回で投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約150mg、1日2回で投与される。
【0013】
いくつかの態様では、卵巣癌は、卵巣顆粒膜細胞腫瘍である。いくつかの態様では、患者は、過エストロゲン症を呈する。
【0014】
いくつかの態様では、薬学的に許容される塩形態は、臭化水素酸塩形態である。いくつかの態様では、臭化水素酸塩形態は、二臭化水素酸塩形態である。
【0015】
いくつかの態様では、患者は、ヒトである。
【0016】
いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、固形剤形として経口投与される。いくつかの態様では、固形剤形は、錠剤またはカプセルである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
I.定義
本明細書に記載される開示の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0018】
概して、本明細書で使用される命名法、ならびに本明細書で記載される有機化学、医薬化学、及び薬理学の実験手順は、当該分野で周知であり一般的に使用されるものである。特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、概して、本開示が属する当該分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他の意味を明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。「a」(または「an」)という用語、ならびに「1つ以上」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書で互換的に使用され得る。ある特定の態様では、「a」または「an」という用語は、「単一の」を意味する。他の態様では、「a」または「an」という用語は、「2つ以上」または「複数の」を含む。
【0020】
さらに、本明細書で使用される「及び/または」は、他のものがあろうとなかろうと、2つの指定された特徴または構成要素のそれぞれの具体的な開示として解釈されるべきである。したがって、本明細書の「A及び/またはB」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)、ならびに「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/またはC」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、以下の態様の各々を包含することが意図される:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
【0021】
用語「ニロガセスタット」は、単一のエナンチオマー(S)-2-(((S)-6,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アミノ)-N-(1-(2-メチル-1-(ネオペンチルアミノ)プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-4-イル)ペンタンアミドを指す。
【0022】
「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、またはマウスが挙げられるがこれらに限定されない動物を指す。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では、例えば、ヒト対象などの哺乳動物対象を参照して交換可能に使用される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療した(treated)」、及び「治療すること(treating)」という用語は、治療的処置及び予防的もしくは防止的手段の両方を意味し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、または疾患を予防もしくは減速(軽減)すること、または有益なもしくは所望の臨床結果を得ることである。したがって、治療を必要としているものには、既に障害と診断されているもの、または障害を有することが疑われるものが含まれる。有益なもしくは所望の臨床結果としては、検出可能または検出不可能にかかわらず、症状の軽減;状態、障害、もしくは疾患の程度の減少;状態、障害、もしくは疾患の安定化(すなわち、悪化していない)状況;状態、障害、もしくは疾患の進行の発症の遅延または減速;状態、障害、もしくは疾患状況の改善または寛解(部分的もしくは完全な);患者により必ずしも識別可能ではない少なくとも1つの測定可能な身体パラメータの改善;または状態、障害、もしくは疾患の向上または改善が挙げられるが、これらに限定されない。治療には、過剰なレベルの副作用なしに臨床的に重要な応答を引き出すことが含まれる。治療はまた、治療を受けていない場合の予測生存期間と比較して、生存期間を延長させることを含む。「治療上有効な量」という用語は、投与されるとき、治療される障害、疾患、もしくは状態の症状のうちの1つ以上の発症を予防するか、またはある程度緩和するのに十分である化合物の量を含むことを意味する。「治療有効量」という用語はまた、研究者、獣医師、医師、または臨床医によって探求されている細胞、組織、系、動物、またはヒトの生物学的応答もしくは医学的応答を引き出すのに十分である化合物の量を指す。
【0024】
ある特定の態様では、対象は、本発明の方法に従って、患者が、がん細胞の数の減少または完全な消失、特定のがんに関連する1つ以上の症状の軽減、罹患率及び死亡率の減少、生活の質の改善、無増悪生存期間(「PFS」)、無病生存期間(「DFS」)、全生存期間(「OS」)、無転移生存期間(「MFS」)、完全奏効(「CR」)、微小残存病変(「MRD」)、部分奏効(「PR」)、安定疾患(「SD」)、進行性疾患(「PD」)の減少、進行までの時間(「TTP」)の増加、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を示す場合、がん、例えば、多発性骨髄腫の「治療」に成功する。いくつかの態様では、所与のがんにおける国内または国際的に承認された治療結果の標準を使用して、治療有効量のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩がこれらの特定のエンドポイント(例えば、CR、PFS、PR)のいずれかを満たしているかを決定することができる。
【0025】
「薬学的に許容される担体」、「薬学的に許容される賦形剤」、「生理学的に許容される担体」、または「生理学的に許容される賦形剤」という用語は、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを指す。一実施形態では、各成分は、医薬製剤の他の成分と相溶性があり、かつ過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、合理的な利益/リスク比に見合った状態で、ヒト及び動物の組織または臓器と接触して使用するのに適しているという意味で、「薬学的に許容される」。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th Edition,Rowe et al.,Eds.,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005;及びHandbook of Pharmaceutical Additives,3rd Edition,Ash and Ash Eds.,Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,Gibson Ed.,CRC Press LLC:Boca Raton,FL,2004(参照により本明細書に援用される)を参照されたい。
【0026】
「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物Aまたは化合物Bの比較的非毒性の無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、投与ビヒクルまたは剤形の製造プロセスで、その場で、または本発明の精製した化合物をその遊離塩基形態で、好適な有機もしくは無機酸と別々に反応させて、その後の精製中に形成される塩を単離することによって、調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、及びラウリル硫酸塩などが挙げられる。(例えば、Berge et al.(1977)“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66:1-19を参照されたい)。
【0027】
主題の化合物の薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性の有機もしくは無機酸に由来する、化合物の従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、塩酸塩、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導されるような塩;及び酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸などの有機酸から調製される塩が挙げられる。
【0028】
ある特定の態様では、本発明の化合物は、1つ以上の酸性官能基を含有する場合があるため、薬学的に許容される塩基と薬学的に許容される塩を形成することができる。これらの例における「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機及び有機塩基付加塩を指す。これらの塩は、同様に、投与ビヒクルまたは剤形の製造プロセスで、その場で、または精製した化合物をその遊離酸形態で、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩などの好適な塩基と、アンモニアと、または薬学的に許容される有機第一級、第二級、または第三級アミンと、別々に反応させることによって、調製することができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。(例えば、Berge et al.,(上記)を参照されたい)。
【0029】
「約」または「およそ」という用語は、その値がどのように測定または決定されるかに一部依存する、当業者によって決定される特定の値の許容誤差を意味する。特定の実施形態において、「約」または「およそ」という用語は、標準偏差が1、2、3または4以内であることを意味する。特定の実施形態において、「約」または「およそ」という用語は、所定の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%または0.05%以内であることを意味する。
【0030】
文脈上別段の定めがない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」という用語は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきであり、出願人は、以下の特許請求の範囲を含む本特許を解釈する際に、これらの語の各々が、そのように解釈されることを意図するという明確な理解に基づいて使用される。
【0031】
II.治療の方法
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約50mg~約600mg/日のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約50mg~約575mg/日、約75mg~約575mg/日、約100mg~約575mg/日、約125mg~約575mg/日、約150mg~約575mg/日、約175mg~約575mg/日、約200mg~約575mg/日、約225mg~約575mg/日、約250mg~約575mg/日、約275mg~約575mg/日、約300mg~約575mg/日、約325mg~約575mg/日、約350mg~約575mg/日、約375mg~約575mg/日、約400mg~約575mg/日、約425mg~約575mg/日、約450mg~約575mg/日、約475mg~約575mg/日、約500mg~約575mg/日、または約525mg~約575mg/日で投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、約250mg/日、約275mg/日、約300mg/日、約325mg/日、約350mg/日、約375mg/日、約400mg/日、約425mg/日、約450mg/日、約475mg/日、約500mg/日、約525mg/日、約550mg/日、約575mg/日、または約600mg/日で投与される。
【0032】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約500mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む剤形を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、1回で約10mg~約475mg、1回で約25mg~約475mg、1回で約50mg~約475mg、1回で約75mg~約475mg、1回で約100mg~約475mg、1回で約125mg~約475mg、1回で約150mg~約475mg、1回で約175mg~約475mg、1回で約200mg~約475mg、1回で約225mg~約475mg、1回で約250mg~約475mg、1回で約275mg~約475mg、1回で約300mg~約475mg、1回で約325mg~約475mg、1回で約350mg~約475mg、1回で約375mg~約475mg、1回で約400mg~約475mg、または1回で約425mg~約475mg投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、1回で約10mg、1回で約25mg、1回で約50mg、1回で約75mg、1回で約100mg、1回で約125mg、1回で約150mg、1回で約175mg、1回で約200mg、1回で約225mg、1回で約250mg、1回で約275mg、1回で約300mg、1回で約325mg、1回で約350mg、1回で約375mg、1回で約400mg、1回で約425mg、1回で約450mg、1回で約475mg、または1回で約500mg投与される。
【0033】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約300mg、1日2回のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、1日2回約10mg~約275mg、1日2回約25mg~約275mg、1日2回約50mg~約275mg、1日2回約75mg~約275mg、1日2回約100mg~約275mg、1日2回約125mg~約275mg、1日2回約150mg~約275mg、1日2回約175mg~約275mg、1日2回約200mg~約275mg、または1日2回約225mg~約275mgで投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩は、1日2回約10mg、1日2回約25mg、1日2回約50mg、1日2回約75mg、1日2回約100mg、1日2回約125mg、1日2回約150mg、1日2回約175mg、1日2回約200mg、1日2回約225mg、1日2回約250mg、1日2回約275mg、または1日2回約300mgで投与される。
【0034】
いくつかの態様では、薬学的に許容される塩形態は、臭化水素酸塩形態である。いくつかの態様では、臭化水素酸塩形態は、二臭化水素酸塩形態である。
【0035】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約50mg~約600mg/日のニロガセスタット二臭化水素酸塩を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタット二臭化水素酸塩は、約50mg~約575mg/日、約75mg~約575mg/日、約100mg~約575mg/日、約125mg~約575mg/日、約150mg~約575mg/日、約175mg~約575mg/日、約200mg~約575mg/日、約225mg~約575mg/日、約250mg~約575mg/日、約275mg~約575mg/日、約300mg~約575mg/日、約325mg~約575mg/日、約350mg~約575mg/日、約375mg~約575mg/日、約400mg~約575mg/日、約425mg~約575mg/日、約450mg~約575mg/日、約475mg~約575mg/日、約500mg~約575mg/日、または約525mg~約575mg/日で投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタット二臭化水素酸塩は、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、約250mg/日、約275mg/日、約300mg/日、約325mg/日、約350mg/日、約375mg/日、約400mg/日、約425mg/日、約450mg/日、約475mg/日、約500mg/日、約525mg/日、約550mg/日、約575mg/日、または約600mg/日で投与される。
【0036】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約500mgのニロガセスタット二臭化水素酸塩を含む剤形を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタット二臭化水素酸塩は、1回で約10mg~約475mg、1回で約25mg~約475mg、1回で約50mg~約475mg、1回で約75mg~約475mg、1回で約100mg~約475mg、1回で約125mg~約475mg、1回で約150mg~約475mg、1回で約175mg~約475mg、1回で約200mg~約475mg、1回で約225mg~約475mg、1回で約250mg~約475mg、1回で約275mg~約475mg、1回で約300mg~約475mg、1回で約325mg~約475mg、1回で約350mg~約475mg、1回で約375mg~約475mg、1回で約400mg~約475mg、または1回で約425mg~約475mg投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタット二臭化水素酸塩は、1回で約10mg、1回で約25mg、1回で約50mg、1回で約75mg、1回で約100mg、1回で約125mg、1回で約150mg、1回で約175mg、1回で約200mg、1回で約225mg、1回で約250mg、1回で約275mg、1回で約300mg、1回で約325mg、1回で約350mg、1回で約375mg、1回で約400mg、1回で約425mg、1回で約450mg、1回で約475mg、または1回で約500mg投与される。
【0037】
卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約300mg、1日2回のニロガセスタット二臭化水素酸塩を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの態様では、ニロガセスタット二臭化水素酸塩は、1日2回約10mg~約275mg、1日2回約25mg~約275mg、1日2回約50mg~約275mg、1日2回約75mg~約275mg、1日2回約100mg~約275mg、1日2回約125mg~約275mg、1日2回約150mg~約275mg、1日2回約175mg~約275mg、1日2回約200mg~約275mg、または1日2回約225mg~約275mgで投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたは二臭化水素酸塩は、1日2回約10mg、1日2回約25mg、1日2回約50mg、1日2回約75mg、1日2回約100mg、1日2回約125mg、1日2回約150mg、1日2回約175mg、1日2回約200mg、1日2回約225mg、1日2回約250mg、1日2回約275mg、または1日2回約300mgで投与される。
【0038】
いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩(例えば、二臭化水素酸塩形態)は、1日1回、2回、3回、または4回投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩(例えば、二臭化水素酸塩形態)は、1日2回投与される。ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩(例えば、二臭化水素酸塩形態)が1日複数回投与される場合、各回に投与される1日の用量は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、1日の総用量約300mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩(例えば、二臭化水素酸塩形態)が1日2回投与される場合、患者は、150mgの用量を2回(例えば、午前8時に150mgの用量を1回、午後8時に150mgの用量を1回)投与されるか、または朝に100mgの用量、夕方に200mgの用量を投与されることも可能である。各投与は、複数の固形剤形で構成され得る。例えば、150mgの個々の用量(すなわち、2回に分割して投与する1日の総用量300mgのうちの朝の用量)は、50mg錠剤3錠として投与可能である。
【0039】
いくつかの態様では、卵巣癌は、卵巣顆粒膜細胞腫瘍である。いくつかの態様では、患者は、過エストロゲン症を呈する。
【0040】
いくつかの態様では、患者は、ヒトである。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩(例えば、二臭化水素酸塩形態)は、経口投与される。いくつかの態様では、ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩(例えば、二臭化水素酸塩形態)は、固形剤形として経口投与される。いくつかの態様では、固形剤形は、錠剤またはカプセルである。いくつかの態様では、固形剤形は、錠剤である。
【0041】
実施例
実施例1:再発性/難治性卵巣顆粒膜細胞腫瘍(OvGCT)を有する成人患者を対象としたニロガセスタットの第2相試験
デザイン全般:多施設単群第2相非盲検治療試験を、再発性/難治性OvGCTを有する成人参加者を対象としたニロガセスタットの有効性、安全性、忍容性、及び薬物動態を決定するために実施する。参加者は、以前に少なくとも1コースのOvGCTの全身療法を受けており、かつ適格基準を満たすために、RECISTv1.1で測定可能な疾患を有している必要がある。
【0042】
参加者は、試験治療(ニロガセスタット)の最初の投与の28日前までにスクリーニングを行い、全参加資格は、適格基準及び除外基準に基づく。
【0043】
適格参加者は、サイクル1の1日目(C1D1)における全ての投薬前のベースライン評価後、自動応答技術(IRT;Interactive Response Technology)システムを使用して試験に登録される。C1D1後、参加者は、最初の1年間は毎月、その後は試験参加終了まで3ヶ月ごとに予定された試験来院のためにクリニックに通院する。
【0044】
何らかの理由で試験治療を早期に中止した参加者は、治験責任医師が、試験治療をもはや使用しないと決定した後、7日以内に治療終了(EOT)来院のためにクリニックに通院し、その後、試験治療の最終投与から30日(+7日)後に、安全性フォローアップ(FUP)来院のために再度通院する必要がある。
【0045】
現在の登録想定に基づいて、推定試験期間は5年であり、すべての参加者を少なくとも2年間追跡する(無益であるために試験が早期に中止された場合を除く)。
【0046】
参加者数:約43名。
【0047】
治療群及び期間:C1D1において、参加者は、IRTシステムを使用して試験に登録され、150mg(経口)の1日2回(BID)の試験治療(ニロガセスタット、3x50mg錠剤)を、28日サイクルで継続して受ける。
【0048】
参加者は、死亡するまで、疾患が進行するまで、何らかの理由により試験治療が中止されるまで、何らかの理由で試験依頼者によって試験が中止されるまで、または参加者が試験依頼者の拡大アクセスの対象となるまで、試験治療を継続する。
【0049】
目的及びエンドポイントを表1に示す。


【表1】


【表2】
【0050】
この明細書に記述される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、その全体において参照により組み込まれることが明確かつ個別に示されているのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願における用語が、参照により本明細書に組み込まれる文書において異なるように定義されていることが判明した場合、本明細書に提供される定義が、その用語の定義として機能することとする。
【0051】
本発明を、その特定の態様に関連付けて説明してきたが、本発明は、さらなる修正が可能であり、この出願は、一般に、本発明が関連する当該技術分野内の既知のまたは慣例的な実践の範囲内である本開示からのそのような逸脱を含む原理に従った任意の変形例、用途、または適合を包含することを目的としており、上述された本質的な特徴に適用することができ、特許請求の範囲内にあるとおりであることが理解されるであろう。
【0052】
本明細書に記載される様々な実施形態に加えて、本開示は、E1からE22までの番号を付けられた以下の実施形態を含む。実施形態のこのリストは、例示的なリストとして提示され、本出願は、これらの実施形態に限定されない。
【0053】
E1.卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約50mg~約600mg/日のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0054】
E2.卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約500mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む剤形を投与することを含む、前記方法。
【0055】
E3.卵巣癌を治療するための方法であって、卵巣癌の治療を必要とする患者に、約10mg~約300mg、1日2回のニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0056】
E4.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約100mg/日で投与される、E1~E3のいずれか1つに記載の方法。
【0057】
E5.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約200mg/日で投与される、E1~E3のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
E6.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約300mg/日で投与される、E1~E3のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
E7.約25mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、E1~E6のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
E8.約50mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、E1~E6のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
E9.約100mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、E1~E6のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
E10.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約50mg、1日2回で投与される、E1~E9のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
E11.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約100mg、1日2回で投与される、E1~E9のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
E12.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約150mg、1日2回で投与される、E1~E9のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
E13.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回、2回、3回、または4回投与される、E1~E2及びE4~E9のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
E14.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、E13に記載の方法。
【0067】
E15.前記卵巣癌が、卵巣顆粒膜細胞腫瘍である、E1~E14のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
E16.前記患者が、過エストロゲン症を呈する、E1~E15のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
E17.前記薬学的に許容される塩形態が、臭化水素酸塩形態である、E1~E16のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
E18.前記臭化水素酸塩形態が、二臭化水素酸塩形態である、E17に記載の方法。
【0071】
E19.前記患者がヒトである、E1~E18のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
E20.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、E1~E19のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
E21.前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、固形剤形として経口投与される、E20に記載の方法。
【0074】
E22.前記固形剤形が、錠剤またはカプセルである、E21に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む、卵巣癌を治療するために使用する医薬組成物であって、約50mg~約600mg/日の用量で前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、卵巣癌の治療を必要とする患者に投与される医薬組成物
【請求項2】
ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む、卵巣癌を治療するために使用する医薬組成物であって、約10mg~約500mgの前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む剤形で、卵巣癌の治療を必要とする患者に投与される医薬組成物
【請求項3】
ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩を含む、卵巣癌を治療するために使用する医薬組成物であって、約10mg~約300mgの用量で1日2回、前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、卵巣癌の治療を必要とする患者に投与される医薬組成物
【請求項4】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約100mg/日の用量で投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項5】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約200mg/日の用量で投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項6】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約300mg/日の用量で投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項7】
約25mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項8】
約50mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項9】
約100mgのニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、前記卵巣癌の治療を必要とする患者に1回で投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項10】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約50mgの用量で、1日2回で投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項11】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約100mgの用量で、1日2回で投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項12】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、約150mgの用量で、1日2回で投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項13】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回、2回、3回、または4回投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物
【請求項14】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、請求項13に記載の医薬組成物
【請求項15】
前記卵巣癌が、卵巣顆粒膜細胞腫瘍である、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項16】
前記患者が、過エストロゲン症を呈する、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項17】
前記薬学的に許容される塩形態が、臭化水素酸塩形態である、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項18】
前記臭化水素酸塩形態が、二臭化水素酸塩形態である、請求項17に記載の医薬組成物
【請求項19】
前記患者がヒトである、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項20】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項21】
前記ニロガセスタットまたはその薬学的に許容される塩が、固形剤形として経口投与される、請求項20に記載の医薬組成物
【請求項22】
前記固形剤形が、錠剤またはカプセルである、請求項21に記載の医薬組成物
【国際調査報告】