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特表2025-503252基板の化学及び/又は電解表面処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】基板の化学及び/又は電解表面処理システム
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/00 20060101AFI20250123BHJP
   C25D 21/04 20060101ALI20250123BHJP
   C25D 21/10 20060101ALI20250123BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20250123BHJP
   C25D 5/08 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
C25D17/00 C
C25D17/00 H
C25D21/04
C25D21/10 301
C25D7/12
C25D5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544881
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2022085151
(87)【国際公開番号】W WO2023143797
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】22153761.6
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518264310
【氏名又は名称】セムシスコ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】SEMSYSCO GmbH
【住所又は居所原語表記】Karolingerstrasse 7C 5020 Salzburg Republic of Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グライスナー
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルグ ホファー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ マルクト
【テーマコード(参考)】
4K024
【Fターム(参考)】
4K024BB12
4K024CB13
4K024CB18
(57)【要約】
本開示は、陰極液チャンバ、陽極液チャンバ、分配体、及び陰極流出口を備える基板の化学及び/又は電解表面処理システムに関する。前記分配体は前記陰極液チャンバ内に配置され、前記陰極液チャンバは、メンブレンによって前記陽極液チャンバから分離される。前記メンブレンは、前記分配体に対して傾斜する。前記分配体は、被処理基板に陰極液を分配するジェット開口部と、前記分配体と前記基板との間の反応空間から前記陰極液を排出する排出開口部を備える。前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバにて偏心位置で配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の化学及び/又は電解表面処理システムであって、
陰極液チャンバと、
陽極液チャンバ、
分配体と、
陰極液流出口を備え、
前記分配体は前記陰極液チャンバ内に配置され、
前記陰極液チャンバは、メンブレンによって前記陽極液チャンバから分離され
前記メンブレンは、前記分配体に対して傾斜し、
前記分配体は、被処理基板に陰極液を分配するジェット開口部と、前記分配体と前記基板との間の反応空間から前記陰極液を排出する排出開口部を備え、
前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバにて偏心位置で配置される、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記陰極液チャンバは、前記分配体の長手方向に対して本質的に垂直に延びる側面を有し、
前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバの前記側面内に配置される、
システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムであって、前記陰極液チャンバの断面は、楔形形状を有する、システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のシステムであって、
前記楔形形状の陰極液チャンバの断面形状は、長い側面と短い側面を有し、
前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバの前記長い側面内に配置される、
システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシステムであって、前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバの回転対称性を有しない位置に配置される、システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステムであって、前記陰極液チャンバは、前記分配体と前記基板との間の前記反応空間から前記陰極液を排出するように前記分配体の周りに配置される排出環を備える、システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記排出開口部及び/又は排出環は、前記陰極液を処理されるべき前記基板の表面に対して本質的に垂直方向に排出するように構成され、かつ/あるいは、
前記排出環は、前記反応空間から陰極液を排出する開いた流出口として、かつ/あるいは、前記反応空間内で発生又は輸送される気泡用のベントとして構成され、
特に回転基板ホルダを備える、
システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のシステムであって、前記ジェット開口部は、処理されるべき前記基板に対して本質的に垂直に前記陰極液を分配するように構成される、システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステムであって、前記排出開口部は、前記分配体の基板に対向する面から前記分配体の背面まで延在し、前記分配体の背面は、前記基板に対向する面とは反対側に位置する、システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のシステムであって、前記ジェット開口部は、前記分配体の基板に対向する面から一部だけ前記分配体へ入り込むように延在すると共に、前記分配体の側面に配置される少なくとも1つの陰極流入口となる、システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステムであって、前記陰極液チャンバは、前記陰極液と周囲の雰囲気との間に保護気体カーテンを供する保護気体システムを備える、システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記陰極液チャンバ内で前記陰極液を循環させる陰極液循環システム、及び、前記陽極液チャンバ内で前記陽極液を循環させる陽極液循環システムをさらに備え、
特に前記陰極液循環システムは、前記陽極液循環システムから分離され、
前記陰極液チャンバは、陰極液タンク内での気泡の分離を促進するように前記陰極液を循環させるように構成され、かつ/あるいは、前記陽極液チャンバは、陽極液タンク内での気泡の分離を促進するように前記陽極液を循環させるように構成され、かつ/あるいは、
陽極液貯蔵タンクの上流に位置する第1気泡分離装置、及び/又は、陰極液貯蔵タンクの上流に位置する第2気泡分離装置を備える、
システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記メンブレンは、前記陽極で発生する気泡を併合及び/又は除去するように傾斜し、かつ/あるいは、
前記メンブレンは、電流及び金属イオンに対して透過性を有する、
システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記陽極液チャンバは、少なくとも1つの内側陽極液流入口、及び、様々な基板寸法への陽極液流を調節するように選択可能な少なくとも1つの内側陽極液流出口を備え、
特に前記陽極液流出口は、特に(前記)陽極循環システムによって前記陽極で発生する気泡の除去を可能にするように構成される、
システム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のシステムであって、
50~350mm範囲の高さを有し、
特に200mm~350mm-特に200mm~260mm-範囲、又は、50mm~200mm-特に80mm~120mm-範囲の高さを有する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板の化学及び/又は電解表面処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板の化学的および/または電解的表面処理、特にマイクロエレクトロニクス産業における電気めっきプロセスを実施する場合、複雑で高価であり、大抵の場合酸化感受性添加剤を含有すると思われる化学電解質混合物を、堆積プロセス自体に利用可能とする代わりに副反応によって消費されてしまわないように保護することがますます重要になっている。そのような副反応は、高価な電解質の損失および他の問題-例えば化学廃棄物の増加-をもたらすが、多くの場合、電解質添加剤と陽極との接触によって引き起こされる、あるいはほとんど考慮されないが、電解質と空気(酸素を含有する)との接触によって引き起こされる酸化プロセスに起因する。
【0003】
この問題は、酸化感受性添加剤分子を含有する高価な化学電解質混合物が用いられている一部の特定のめっき処理-例えば金(Au)、SnAg、Cuおよび/または他の金属-にとって特に深刻である。これらの添加剤は、陽極または空気(酸素を含有する)と接触すると、酸化し、使えなくなる可能性がある。
【0004】
同時に、マイクロエレクトロニクス産業における電気めっきプロセスのような表面処理を必要とされる基準まで実施することは、基板の全表面積にわたって可能な限り速く極めて高い均一性析出プロファイルを達成することを意味する。
【0005】
多くの場合、複雑で高価な装置は、高い処理速度-特に同時に高い均一性で-達成するため、表面上へのめっき電解液および電流分布の十分な分布を保証するように設計され、信頼性を有するように構築され、操作され、維持されなければならない。例えばこれを達成するために、公知のシステムは、一般に、めっきチャンバからの電解液の特に良好な回転対称な排出を保証するように構築される。
【0006】
しかし所望のめっき均一性およびめっき速度を改善するための電気めっきチャンバ-例えば、HSPシステム(高速めっき)、対称電解質排出システム、または二電解質めっきシステム(陽極液および陰極液)-に提供されるハードウェア特徴は、例外的に大きい外形寸法の電気めっきチャンバとなってしまう恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、高速での堆積均一性、並びに/又は、電解混合物の保護、並びに/又は、従来技術に係るシステムよりも小型のサイズ及び/若しくは単純化された構成を可能とするように構成されたシステムという観点から、基板の化学及び/又は電解表面処理用のシステムを改善することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの問題のうちの1つ以上は、本開示の独立請求項の対象によって解決される。他の実施形態は従属請求項に組み込まれる。
【0009】
基板の化学及び/又は電解表面処理システムは、陰極液チャンバ、陽極液チャンバ、分配体、及び陰極液流出口を備える。前記分配体は前記陰極液チャンバ内に配置され、前記陰極液チャンバは、メンブレンによって前記陽極液チャンバから分離される。前記メンブレンは前記分配体に対して傾斜する。前記メンブレンは、陽極で発生する気泡を併合及び除去するように傾斜され得る。前記気泡の除去は、陽極液流によって支援され得る。前記分配体は、前記基板上に陰極液を分配するジェット開口部と、前記分配体と前記基板との間の反応空間から前記陰極液を排出する排出開口部を備える。前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバにて偏心位置で配置される。
【0010】
この構成の利点は、当該システムが、請求項に記載された相乗効果によって、高速での堆積均一性及び電解混合物-つまり前記陽極液及び陰極液-の保護のみならず、当該システムの単純化及び/又はサイズ減少を保証することを可能にすることである。同心円配置によって、当該システムの単純化が可能となる。理想的な均一性は、他の特徴と共に供され得る。しかも前記メンブレンを用いることで、陽極液領域と陰極液領域とを適切に分離することが可能となる。特に他の特徴と組み合わせることによって、当該システムは、特に前記ジェット開口部及び排出開口部との併用されるときに、均一性及び速さの観点から最適な処理が可能となり得る。そのため請求項に記載された特徴同士の組み合わせは同時に、システムのサイズ/複雑さ、並びに、均一性及び高速処理の観点から理想的な構成を相乗的に供することができる。
【0011】
基板の化学及び/又は電解表面処理は、電解メッキプロセス-特に金(Au)、SnAg、Cu、及び/又は他の金属の電解メッキ-を含み得る。
【0012】
前記基板は、導体板、膜基板、本質的に平板形状の金属又はメタライズされた試料等を含み得る。前記基板は基板ホルダ内に保持され得る。
【0013】
基板の電解表面処理の場合、前記基板及び陽極は、主として陰極及び陽極として機能するように電流供給部を介して接続される。
【0014】
前記陽極液及び前記陰極液は、電解質の機能を供する液体である。
【0015】
「メンブレン」という用語は、一部の部分(小さな分子、イオン、他の小さな粒子等)を通過させるが他の通過を止める又は少なくとも減少させる選択的障壁と解され得る。
【0016】
当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、前記メンブレンは水平面に対して傾斜し得る。前記分配体は、当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、水平に配置されてよい。これは任意選択の実施形態である。本開示では、このことは、前記ジェット開口部及び排出開口部が水平に配置されたアレイとなるように配置されることを意味する。これは任意選択の実施形態である。前記ジェット開口部及び/又は排出開口部は、当該システムが意図した用途向けに調整される-特に前記分配体が水平に配置される-ときに、垂直に延在するように配置され得る。当該システムは、当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、前記分配体に対して平行に-特に平行配置で-基板を保持するように構成され得る。
【0017】
偏心位置とは、前記分配体の中心-特に当該システムが意図した用途向けに調整されるときに垂直方向に延在する中心線-を指称し得る。前記偏心位置は、前記分配体の中心-特に前記分配体の長手方向に対して垂直な方向に延在する中心線-を指称し得る。前記分配体が円筒形状を有するとき、偏心が指称する中心は円筒形の軸であり得る。
【0018】
前記メンブレンは透過性イオン選択陽極メンブレンであってよい。前記メンブレンは、前記陽極領域からの特定の粒子又は気泡-たとえば前記陽極で発生する粒子-が前記陰極液に入り込むこと、及び、前記基板に到達することを予防し、並びに、前記陰極領域からの特定の粒子-たとえば前記陰極液中に存在する粒子-が前記陽極領域へ入り込み、かつ前記陽極へ到達することを予防する一方で、当該システムの陽極領域と陰極領域との間でのイオンのやり取りを可能にするように構成され得る。それにもかかわらず前記メンブレンは、電流の通過及び金属イオンの供給を可能にすることで、表面処理の効率に寄与し得る。しかしメンブレンを用いた表面処理は、他の請求項に記載された特徴と併用されるときに相乗的に改善される。
【0019】
偏心配置は、より単純/複雑ではなく、より頑丈で信頼性のある-特により費用のかからない製造を可能にする-前記陰極液チャンバから陰極液を排出するシステムを可能にし得る。それに加えて非対称な電解液排出は、前記電解メッキチャンバを非常に小型となるように構築することを可能にする。前記電解メッキチャンバを非常に小型となるように構築することを可能にし得る他の要因は、抵抗の観点で見た前記分配体の特別な構成である。これは、前記分配体を通る電流路の幾何学的最適化に基づき得る。そのようなシステムの使用は、他の請求項に記載された特徴と併用されなければ不均一となってしまう恐れがある。
【0020】
ジェット開口部は、特に排出孔及び任意選択で排出リングと併用されるときに、前記ジェット開口部を通り抜けて前記基板へ向かう前記陰極液の特に均一な分配を可能にする。
【0021】
Mしかも前記排出孔及び任意選択の前記排出リングは、特に前記の傾斜したメンブレンと併用されることで、上述の偏心陰極液排出口を効率的に利用することを可能にする。
【0022】
よって各々が独自の利点を有する請求項に記載された特徴は、相乗的にさらなる改善をもたらすことが分かった。
【0023】
前記陰極液チャンバは、前記分配体の長手方向に対して本質的に垂直に延びる側面を有し得る。前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバの前記側面内に配置され得る。
【0024】
前記側面はたとえば、前記陰極液チャンバの側壁であってよい。
【0025】
前記分配体の長手方向は、前記ジェット開口部及び/又は排出開口部が配置される際に沿う複数の方向のうちの一の方向であってよい。前記長手方向は、前記分配体が水平に配置されるときに水平方向に延在してよい。
【0026】
前記陰極液流出口は、当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、前記分配体の下方-特に前記陰極液チャンバの側面内-に配置され得る。換言すると、前記陰極液流出口は、前記分配体と前記陰極液チャンバとの間-特に前記陰極液チャンバの側面内-に配置され得る。より具体的には、前記陰極液流出口は、当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、前記分配体の下方の位置で前記陰極液チャンバに通じ得る。換言すると前記陰極液流出口は、前記分配体と前記メンブレンとの間の位置で前記陰極液チャンバに通じ得る。
【0027】
前記陰極液チャンバの断面は、楔形形状を有し得る。
【0028】
このことは、前記陰極液チャンバの高さは該陰極液チャンバの面から前記陰極液チャンバの前記面に対向する面へ向かって増大することを意味する。前記楔形形状は少なくとも部分的に、前記メンブレンの傾斜配置によってもたらされ得る。
【0029】
前記陰極液チャンバは、楔形形状を有すると共に、意図した用途向けに配置されるときに前記陰極液チャンバの下端が水平位置からずれて傾斜するように配置され得る。
【0030】
そのような構成の利点は、前記楔形の一端-たとえば前記陰極液を排出する前記陰極液チャンバの最下点-に陰極液を集めることが容易になり得ることである。
【0031】
よって1つの流出口を用いるだけで実効的な排出が可能となる。
【0032】
前記楔形形状の陰極液チャンバの断面形状は、長い側面と短い側面を有し得る。前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバの前記長い側面内に配置され得る。
【0033】
特に前記陰極液流出口は、特に当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、前記長い側面の下端に配置され得る。
【0034】
一例として、前記陰極液チャンバの上端は、特に当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、水平に配置され得る。従って前記陰極液チャンバの前記長い側面は、前記短い側面よりもさらに下方に延在する。
【0035】
そのような構成の利点は、前記陰極液チャンバの一点-たとえば前記陰極液を排出する前記陰極液チャンバの最下点-に陰極液を集めることが容易になり得ることである。
【0036】
よって1つの流出口を用いるだけで実効的な排出が可能となる。
【0037】
前記陰極液流出口は、前記陰極液チャンバの回転対称性を有しない位置に配置され得る。
【0038】
前記位置が回転対称ではない軸は、前記基板表面に対して直交すると共に前記基板の中心を通って延在する軸であってよい。このことは、前記陰極液流出口は、前記陰極液が前記基板の周りで均等に前記チャンバから排出され得るように構成及び配置される必要がないことを意味する。たとえば前記陰極液流出口は、環形状である必要はない。前記流出口はむしろ、前記陰極液用に前記チャンバの一面にだけ配置されるように構成及び配置されてよい。これにより、システム全体の構成が簡略化される。
【0039】
既知のシステムでは、そのような配置は、要求される均一性を実現しないだろう。本開示のシステムは依然として、ジェットによる前記陰極液の流入、及び、前記分配体の前記排出孔を通り抜ける排出によって、均等な堆積を可能にする。
【0040】
前記陰極液チャンバは、前記分配体と前記基板との間の反応空間から前記陰極液を排出するように前記分配体の周りに配置される排出環を備えてよい。
【0041】
このことは、前記陰極液の部分流が前記排出環を介して排出されることを意味する。そのため前記排出環は、一例として、前記反応空間内で一定の陰極液のレベルを維持し、かつ、前記反応空間内で発生又は輸送される気泡を排出するため、開いた流出口として用いられてよい。このベント方法は、回転基板ホルダによって支援可能である。
【0042】
前記排出開口部及び/又は前記排出環は、前記被処理基板の表面に対して本質的に垂直に前記陰極液を排出するように構成され得る。
【0043】
垂直方向の排出は、前記反応空間から陰極液を除去するのに特に効率的で、その結果均一性が改善される。
【0044】
特に前記排出開口部及び/又は排出環のそのような構成は、当該システムが意図した用途向けに調整されるとき、前記基板が水平に配置されるように構成されたシステムと併用され得る。その場合、前記開口部及び/又は前記排出環は、前記陰極液を垂直方向に排出できる。そのため前記排出は、最適に重力によって支援される。
【0045】
前記ジェット開口部は、前記被処理基板に対して本質的に垂直に前記陰極液を分配するように構成され得る。これにより、前記表面処理の結果を特に均一にすることが可能となる。さらにより均一な結果は、回転基板ホルダを用いることによって実現可能である。
【0046】
前記排出開口部は、前記分配体の基板に対向する面から前記分配体の背面まで延在し得る。前記分配体の背面は、前記基板に対向する面とは反対側に位置する。
【0047】
このことは、前記陰極液は、前記分配体を直接通して、容易に回収及び/又は排出され得る領域へ流れることを意味する。
【0048】
前記ジェット開口部は、前記分配体の基板に対向する面から一部だけ前記分配体へ入り込むように延在すると共に、前記分配体の側面に配置される少なくとも1つの陰極流入口となり得る。
【0049】
この配置は、前記ジェット開口部への最適な陰極液の供給を可能にするので、前記表面処理を非常に均一なものにし得る。
【0050】
前記陰極液チャンバは、前記陰極液と周囲の雰囲気との間に保護気体カーテンを供する保護気体システムを備え得る。
【0051】
たとえば前記保護気体システムは、気体流入口-相互に対向するように共通の面内に配置される複数の気体流入口-を備え得る。前記気体流入口又は該気体流入口の各々は、前記保護気体カーテンが形成される領域へ気体を導入するように構成され得る。
【0052】
前記保護気体システムはまた、前記気体の排出口をも有してよい。
【0053】
窒素はたとえば保護気体として用いられてよい。しかし他の種類の気体-特に前記周囲の雰囲気から酸素が前記チャンバへ入り込むのを防ぐ気体-が用いられても良い。
【0054】
前記保護気体システムを用いることによって、前記陰極液は、劣化-特に酸化又は他の化学反応-から保護され得る。特に前記保護気体システムを用いることによって、前記陰極液中の酸素感受性添加物は、酸化組成物から実効的に保護され得る。
【0055】
当該システムは、前記陰極液チャンバ内で前記陰極液を循環させる陰極液循環システム、及び、前記陽極液チャンバ内で前記陽極液を循環させる陽極液循環システムをさらに備えてよい。前記陰極液循環システムは、前記陽極液循環システムから分離されている。
【0056】
前記循環システムは、前記陰極液と前記陽極液用の貯蔵タンク、及び、当該システムにわたる前記陰極液と前記陽極液の循環を駆動させる輸送装置-たとえばポンプ-を備えてよい。分離した循環システムを用いることによって、当該システム全体にわたって前記陰極液と前記陽極液を信頼できる状態で分離することが保証される。さらに前記循環は、前記陰極/陽極貯蔵タンクにおける気泡の分離のみならず前記陰極/陽極貯蔵タンク上流でのライン内での気泡分離を保証する。
【0057】
前記メンブレンは、電流及び金属イオンを透過し得る。これにより効率的な表面処理が可能となる。
【0058】
切り替え可能に分離された陽極が、前記陽極の電場を前記基板のサイズとなるように設定することを可能にするように供され、配置され、かつ構成され得る。前記陽極は、1つ以上の異なる基板サイズ向けに構成され得る。
【0059】
前記陽極液チャンバは、少なくとも1つの内側陽極液流入口-任意でさらなる内側又は外側陽極液流入口-、及び、様々な基板寸法への陽極液流を調節するように選択可能な少なくとも1つの内側陽極液流出口を備え得る。換言すると、複数の流入口及び/又は流出口-たとえば複数の陽極液領域をそれぞれ独立して活性化させることを可能にするように構成される各異なる陽極的領域向けの各異なる流入口-が存在してよい。
【0060】
前記少なくとも1つの陽極液流出口はたとえば、前記陽極液チャンバ内の最も高い地点に設けられてよい。つまり前記陽極液チャンバはたとえば、動作中に、生じる恐れのある気泡が前記最も高い地点で回収可能となることを保証するように配置されてよい。当該システムは特に、たとえば主として前記陽極から発生する前記気泡が、たとえば陽極液循環流によって支援される、前記陽極液流出口を介して除去され得るように構成されてよい。代わりに又は加えて、任意で陽極液流出口はまた、前記陽極液チャンバの最も低い点に配置され得る。つまり陽極液流出口は、前記陽極液チャンバから生じる恐れのある粒子を除去することを可能にするように配置され得る。上記特徴により、気泡及び/又は粒子は前記陽極液チャンバから容易に除去され得る。前記最も高い地点と前記最も低い地点の各々は、意図した動作向けの当該システムの配置を指称する。
【0061】
たとえば内側陽極液流入口は、外側陽極液流入口よりも前記陽極液チャンバの中心に対して近くに配置され得る。前記陽極液流出口は、たとえば前記外側陽極液流入口とは反対の位置に配置され得る。そのため前記陽極液は、前記内側陽極液流入口を介して流入して途中前記陽極液流出口へ向かうとき、前記陽極液は、前記外側陽極液流入口を介して入り込む陽極液と比較して短い距離しか網羅しない。このことは、前記内側陽極液流入口又は前記外側陽極液流入口を選択することによって、前記陽極液流は、各異なる基板寸法に調節され得る。
【0062】
当該システムは50~350mm範囲の高さを有し得る。
【0063】
一例では、当該システムは、50~80mm範囲で、好適には60~70mm範囲の高さを有し得る。これにより、特に全体装置を小型にすることを可能にすると同時に、本開示で特定されるような構成によって、信頼できる前記陽極液及び前記陰極液の保護並びに高速かつ均一な表面処理が可能となる。前記高さは、意図した用途向けに配置されたときの当該システムを指称する。
【0064】
一例-たとえば錠剤(たとえばCu,SnAg)が用いられる場合-では、当該システムは、200mm~350mm-特に200mm~350mm-範囲の高さを有し得る。
【0065】
他の例-たとえば不活性陽極が用いられる場合-では、当該システムは、50mm~200mm-より好適には特に80mm~120mm-範囲の高さを有し得る。
【0066】
前記高さは例えば、前記陽極液チャンバ、前記陰極液チャンバ、及び前記反応空間の合計高さを指称し得る。
【0067】
当該システムはモジュールシステムで、かつ、当該システムの1つ以上の部材には、たとえば様々な基板サイズ又は様々なプロセス要件に対する当該システムの実効的な適合を可能にする迅速に変化する構成が供され得る。たとえば取り外し可能な漏斗が供されてよい。任意の前記漏斗は、2つ以上の異なる基板サイズが配置されるとき、前記陽極チャンバ内部の電場を案内するため、前記の区分化された陽極間に用いられ得る。
【0068】
本開示の好適実施形態はまた、従属請求項と独立請求項との任意の組み合わせであり得ることを理解されたい。
【0069】
本開示のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本開示の例示的な実施形態を、添付図面を参照して以下に説明する。
図1a】一実施形態による基板の化学的および/または電解表面処理システムの断面の側面図を概略的および例示的に示す。
図1b】一実施形態による基板の化学的および/または電解表面処理システムの断面の側面図を概略的および例示的に示す。
図2図1aまたは1bのシステムの一部の拡大図を概略的および例示的に示す。
図3a図1aまたは1bのシステムを通る陰極液および陽極液の流れを概略的に示す。
図3b図1aまたは1bのシステムを通る陰極液および陽極液の流れを概略的に示す。
図3c図1aまたは1bのシステムを通る陰極液および陽極液の流れを概略的に示す。
図4】一実施形態による、基板の化学的および/または電解表面処理システムの断面の側面図を概略的および例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1aおよび2は、本開示による基板11の化学および/または電解表面処理システム10の実施形態を、概略的および例示的に示す。システムが使用されているとき、基板11は、説明のためにここには示されておらず、本開示のシステムの一部ではない基板ホルダ内に保持されてもよい。
【0072】
システムは、陰極液13用の陰極液チャンバ12と、陽極液15用の陽極液チャンバ14とを備える。陰極液チャンバ12は、陰極液チャンバ12内に配置された分配体16に対して傾斜したメンブレン18によって陽極液チャンバ14から分離される。メンブレン18としては、例えば、電流や金属イオンを透過するメンブレンを用いることができる。
【0073】
本開示では、陽極液チャンバは、1つの陽極液領域を有してもよく、または、例えば、間に分離された陽極および漏斗を有する複数の陽極液領域を有してもよいことに留意されたい。陽極液チャンバが複数の陽極液領域を有する場合、領域は、互いに独立して活性化されるように構成されてもよい。例えば、内側領域および外側領域があってもよく、内側領域は、外側領域とは独立して活性化されてもよく、例えば、外側領域が非活性化されるときに内側領域が活性化されてもよく、または外側領域が活性化されるときに活性化されてもよい。言い換えれば、システムは、例えば、内部領域および外部領域が、自動および/またはユーザ選択に基づいて、一緒にまたは互いに独立して活性化され得るように、内部領域および外部領域の選択的活性化のために構成され得る。例えば、内側領域は、単独で、または外側領域と一緒に選択的に活性化され得る。複数の入口および/または出口、例えば、各異なる陽極液領域用の各異なる入口があってもよく、特に、陽極液領域を独立して活性化することを可能にするように構成される。
【0074】
図1aに示す実施例では、陽極液チャンバ14は、内側陽極液入口14a、外側陽極液入口14b、および陽極液出口14cを備えるものとして示されており、これらは、陽極液15の流れを異なる基板寸法に調整するように選択可能である。異なる陽極領域は、例えばCuペレットまたはSnAgペレットであり得るペレットで充填され得る。
【0075】
本実施形態において、陰極液チャンバ12は、断面において、例えば楔形を有している。この実施形態では、例えば、楔形の陰極液チャンバ12は、断面において、より長い側面12aおよびより短い側面12bを有する。しかしながら、陰極液チャンバ12は、他の断面形状を有してもよい。
【0076】
システムは、陰極液出口17をさらに備える。陰極液出口17は、偏心位置20において陰極液チャンバ12に配置される。より具体的には、本実施形態では、陰極液出口17は、一例として、陰極液チャンバ12のより長い側面12aにおいて、陰極液チャンバ12の側面のうちの1つに配置される。陰極液出口17はまた、回転対称ではない位置20において陰極液チャンバ12に配置される。しかしながら、他の構成も考えられる。
【0077】
図から分かるように、陰極液出口17は、システムがその意図された用途向けに調整されるとき、分配体16の下の位置、特に陰極液チャンバの側面に配置され得る。換言すれば、陰極液出口17は、分配体16とメンブレン18との間に、特に陰極液チャンバの側面に配置することができる。より具体的には、陰極液出口17は、システムがその意図された用途向けに調整されるとき、分配体16の下の位置で陰極液チャンバ内に開くことができ、言い換えると、陰極液出口17は、分配体16とメンブレン18との間の位置で陰極液チャンバ内に開くことができる。
【0078】
陰極液チャンバ12は、陰極液と周囲大気23との間に保護気体カーテン22を提供する保護気体システム12dを任意に備えてもよい。保護気体はまた、陽極液および陰極液貯蔵タンクに注入されてもよい。
【0079】
保護気体システム12dは、陰極液と周囲大気23との間に保護気体カーテン22を提供するように構成されてもよい。保護気体システム12dは、保護気体-例えば窒素-用の入口と、保護気体および/または他の気体、例えばプロセスの一部として生成された気体用の出口とを備えることができる。
【0080】
上述のように、システムは、陰極液チャンバ12内に配置された分配体16をさらに備える。
分配体16と基板11との間には、反応空間19が配置されている。
【0081】
分配体16は、処理される基板11上に陰極液13を分配するためのジェット開口部16aを備える。特に、ジェット開口部16aは、被処理基板11上に実質的に垂直に陰極液13を分配するように構成されてもよい。しかしながら、垂直方向から外れる方向が考えられる。
【0082】
図1aでは、ジェット開口部16aは、分配体16の基板対向面16cから分配体16内に部分的にのみ延在し、分配体16の側面16fに配置された陰極液入口16eにつながるものとして示されている。
【0083】
分配体は、分配体16と基板11との間の反応空間19から陰極液13を排出するための排出開口部16bをさらに備える。
【0084】
図1aでは、排出開口部16bは、分配体16の基板対向面16cから、基板対向面16cとは反対側の分配体16の裏面16dまで延在するものとして示されている。しかしながら、他の構成も考えられる。
【0085】
しかしながら、垂直方向から外れる方向が考えられる。
【0086】
陰極液チャンバ12の上述の側面12aおよび12bは、基板対向面16cに対して本質的に垂直に延在してもよい。
【0087】
分配体16の長手方向21は、破線によって図1aに示されている。この特定の例では、陰極液チャンバ12の上述の側面12aおよび12bは、分配体16の長手方向21に対して本質的に垂直に延在することができる。
【0088】
図1aでは、単に一例として、システム10が示されており、陰極液チャンバ12は、分配体16と基板11との間の反応空間19から陰極液13を排出するために、分配体16の周りに配置された排出環12cを備える。排出環12cは、処理される基板11aの表面に対して実質的に垂直に陰極液13を排出するように構成される。
【0089】
任意でシステム10は、陰極液チャンバ12内で陰極液13を循環させる陰極液循環システム24と、陽極液チャンバ14内で陽極液15を循環させる陽極液循環システム25とを備えることができる。図1aに示すように、循環システムは、陰極液タンク24aおよび陽極液タンク25aと、(図示せず)ポンプまたは他の輸送装置とを備えることができる。矢印24bは、単に概略的に、陰極液の流動方向を表し、矢印25bは、陽極液の流動方向を表す。陰極液循環システム24は、陽極液循環システム25とは別個である。
【0090】
この文脈において、図において、3Dシステムの2D表現に起因して、陽極液用の入口と陰極液用の入口とが重なり合うことに留意されたい。すなわち、陽極液用の入口(矢印25bで示す流れ方向)は、陰極液用の入口(矢印24bで示す流れ方向)の視線方向の前方に配置されているものとして示されている。
【0091】
図1bは、図1aの文脈で上述したシステムのようなシステムを示す。気泡27の存在および移動は、前記図1bに示されている。さらに、陰極液および陽極液は、槽を完全には満たさず、したがって、それぞれの槽に液面28が存在することが分かる。上述のように、保護気体はまた、陽極液および陰極液タンクに注入されてもよい。この実施形態では、N2の噴射が矢印によって示されている。気泡は、それぞれの通気孔を通って槽から排出される。気泡を除去するのに役立つ、陰極液および陽極液およびインラインガス抽出器30をポンピングするための例示的なポンプ29も、図1bに示されている。
【0092】
図2は、図1aまたは1bのシステムの一部の拡大図を概略的かつ例示的に示す。特に、図2は、分配体16およびメンブレン18を含むシステムの一部の拡大図を可能にするのに役立つ。メンブレンキャリアプレート18aも同様に示されている。メンブレンは、両方向に支持されてもよく、陰極液チャンバ12は、動作を意図する場合、上部支持体である支持板を含むことに留意されたい。
【0093】
図3a図3cは、特に、説明のために、図1aまたは図1bのシステムを通る、本開示によるシステムを通る陰極液および陽極液の流れを概略的に示す。上述のように、陽極液チャンバ14は、内部陽極液入口14a、外部陽極液入口14b、および陽極液出口14cを備えることができ、これらは、陽極液15の流れを異なる基板寸法に調整するように選択可能である。図3aの場合、内側陽極液入口14aが選択され、一方、図3bにおいて、内側陽極液入口および外側陽極液入口が一緒に選択される。
【0094】
図3aおよび図3bでは、雑然とした図になるのを避けるために、陰極液の流れは、それが反応空間を離れる点からしか示されていないことに留意されたい。図3cは、分配体への、及び分配体を通る陰極液の流れを示す。
【0095】
図1図3のシステムはまた、雑然とした図になるのを避けるために省略された陽極および陰極を含むことに留意されたい。
【0096】
一般に、陰極のサイズは、好ましい実施形態では、陽極サイズおよびウェハサイズに一致するように選択され得ることに留意されたい。
【0097】
図4は、一実施形態による、基板の化学的および/または電解表面処理システムの断面の側面図を概略的および例示的に示す。システムは、図1図4に示すものと同様に構成される。しかしながら、高さ26は、前記図よりも小さい。これは、請求項に係るシステム10で特に小型の構造が可能であることを示すのに役立つ。
【0098】
一例として、システム10は、50~80mm、好ましくは60~70mmの範囲の高さ26を有することができる。しかしながら、他の寸法も考えられる。
【0099】
一例として、システム10は、50mm~350mmの範囲の高さ26を有することができる。一実施形態では、例えば、ペレットが使用される場合(例えば、Cu、SnAg)、高さは、好ましくは200mm~350mm、より好ましくは230mm~260mmの範囲であってもよい。別の実施例では、不活性陽極が使用される場合、高さは、好ましくは50mm~200mm、より好ましくは80mm~120mmの範囲であり得る。
【0100】
高さは、例えば、陽極液チャンバ、陰極液チャンバ、および反応空間の合計高さを指してもよい。
【0101】
本開示は、図面および前述の説明において詳細に図示および説明されているが、そのような図示および説明は、例示的または例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本開示は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、および従属請求項の検討から、請求された開示を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。
【0102】
請求項において、単語「有する(comprising)」は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞(「a」又は「an」)は、複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
一例では、当該システムは、50~80mm範囲で、好適には60~70mm範囲の高さを有し得る。これにより、特に全体装置を小型にすることを可能にすると同時に、本開示で特定されるような構成によって、信頼できる前記陽極液及び前記陰極液の保護並びに高速かつ均一な表面処理が可能となる。前記高さは、意図した用途向けに配置されたときの当該システムの高さを指称する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
図1aおよび1bは、本開示による基板11の化学および/または電解表面処理システム10の実施形態を、概略的および例示的に示す。システムが使用されているとき、基板11は、説明のためにここには示されておらず、本開示のシステムの一部ではない基板ホルダ内に保持されてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
陰極液チャンバ12は、陰極液と周囲大気との間に保護気体カーテンを提供する保護気体システム12dを任意に備えてもよい。保護気体はまた、陽極液および陰極液貯蔵タンクに注入されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
保護気体システム12dは、陰極液と周囲大気との間に保護気体カーテンを提供するように構成されてもよい。保護気体システム12dは、保護気体-例えば窒素-用の入口と、保護気体および/または他の気体、例えばプロセスの一部として生成された気体用の出口とを備えることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
図4は、一実施形態による、基板の化学的および/または電解表面処理システムの断面の側面図を概略的および例示的に示す。システムは、図1~図3cに示すものと同様に構成される。しかしながら、高さ26は、前記図よりも小さい。これは、請求項に係るシステム10で特に小型の構造が可能であることを示すのに役立つ。
【国際調査報告】