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特表2025-503284変性植物タンパク質マトリックス中にマイクロカプセル化されたプロバイオティクスを含む組成物を形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】変性植物タンパク質マトリックス中にマイクロカプセル化されたプロバイオティクスを含む組成物を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/52 20060101AFI20250123BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20250123BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20250123BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20250123BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20250123BHJP
   A23J 3/16 20060101ALN20250123BHJP
   A23J 3/18 20060101ALN20250123BHJP
【FI】
A23L2/00 F
A61K9/48
A61K9/14
A61K47/46
A61K47/26
A23L2/52
A23L2/38 G
A23L5/00 C
A23L33/135
A23J3/16 501
A23J3/18 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545159
(86)(22)【出願日】2023-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2023052095
(87)【国際公開番号】W WO2023144354
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】2201083.9
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524282962
【氏名又は名称】アナバイオ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シニード ブレイル
(72)【発明者】
【氏名】マジャ セヴリック バルノヴィク
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4B117
4C076
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LE02
4B018MD04
4B018MD09
4B018MD20
4B018MD41
4B018MD85
4B018ME14
4B018MF08
4B035LC06
4B035LC16
4B035LE01
4B035LG02
4B035LG06
4B035LG15
4B035LG20
4B035LG34
4B035LG50
4B035LK14
4B035LP01
4B035LP24
4B035LP36
4B035LP55
4B117LC04
4B117LC14
4B117LG11
4B117LK01
4B117LK08
4B117LK15
4B117LK23
4B117LL06
4B117LP14
4B117LP20
4C076AA29
4C076AA53
4C076BB01
4C076DD34
4C076EE38
(57)【要約】
変性植物タンパク質マトリックス中にカプセル化されたプロバイオティクスを含む組成物を形成する方法は、変性植物タンパク質を含むタンパク質懸濁液を調製するステップと、水和されたプロバイオティクスの懸濁液を調製するステップと、タンパク質懸濁液と水和されたプロバイオティクスの懸濁液とを混合して、変性エンドウ豆タンパク質マトリックス中にプロバイオティクスをカプセル化するステップと、変性植物タンパク質マトリックスをカルシウム塩で重合するステップとを含む。混合ステップは、タンパク質懸濁液および水和されたプロバイオティクスの懸濁液を押し出して微小液滴を形成することを含むことができ、重合ステップは、押し出された微小液滴を、pH6,5および0.05~0.15Mのモル濃度を有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む硬化浴中で硬化することを含む。混合ステップはまた、タンパク質懸濁液とプロバイオティクス懸濁液を混合して混合物を形成すること、混合物をゲル化するためにカルシウム塩緩衝液を混合物に添加すること、およびゲル化された混合物を凍結乾燥または真空乾燥によって乾燥することを含んでいてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性植物タンパク質マトリックスにカプセル化されたプロバイオティクスを含む微粒子を形成する方法であって、
変性植物タンパク質を含むタンパク質懸濁液を調製するステップ;
前記タンパク質懸濁液及びプロバイオティクスを混合して混合物を形成するステップ;
前記混合物を処理して、変性植物タンパク質マトリックスにカプセル化されたプロバイオティクスを含む微粒子を形成するステップであって、前記処理ステップが、変性植物タンパク質マトリックスをカルシウム塩で重合すること、または流動床乾燥機上でスプレーエングロービング(spray englobing)することによって微粒子を形成することを含む、ステップ;および
前記微粒子を乾燥するステップ
を含む方法。
【請求項2】
水和されたプロバイオティクスの懸濁液を調製するステップを含み、前記混合するステップが、前記タンパク質懸濁液を水和されたプロバイオティクスの懸濁液と混合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タンパク質懸濁液が、
pH7~8の水性溶媒中で、植物タンパク質を加熱および攪拌しながら水和させるステプ;
植物タンパク質の前記水性懸濁液を静置するステップ;
必要に応じて前記水性懸濁液のpHを7~8に調整するステップ;
静置した前記水性懸濁液を加熱して前記タンパク質を変性させるステップ;および
加熱した前記水性懸濁液を冷却するステップ
を含むプロセスによって形成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
静置した前記水性懸濁液を加熱してF0=3の熱処理を行う請求項3記載の方法。
【請求項5】
静置した前記水性懸濁液を超加熱する請求項3記載の方法。
【請求項6】
静置した前記水性懸濁液を約138.5℃×約3~4秒に加熱する請求項3記載の方法。
【請求項7】
加熱ステップが、
静置した前記水性懸濁液を、加圧下、60~70℃の第1の加熱温度で5秒~15分間予備加熱するステップ、および
予備加熱した前記水性懸濁液を、加圧下、90~100℃の第2加熱温度で2秒~3分間加熱するステップ
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱ステップを1.3~1.6mBarの圧力で行う請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記水性溶媒が約pH7.5のpHを有する、請求項3~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
冷却した前記タンパク質懸濁液を室温で少なくとも2時間落ち着かせる、請求項3~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記タンパク質懸濁液が1.0~6.0重量%の単純炭水化物を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記単純炭水化物がマルトデキストリンおよびグルコースから構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記植物タンパク質がエンドウ豆タンパク質または緑豆タンパク質である、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記処理ステップが、混合物を押し出して微小液滴を形成することを含み、前記重合ステップが、押し出された微小液滴を、カルシウム塩を含む硬化浴中で硬化させて微粒子を形成することを含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記硬化浴が5~6.5のpHおよび0.05~0.15Mのモル濃度を有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
処理ステップが、混合物にカルシウム塩緩衝液を添加して混合物をゲル化すること、ゲル化した前記混合物を凍結乾燥または真空乾燥により乾燥して乾燥固体を形成するステップ、および前記乾燥固体をサイズ縮小して微粒子を提供するステップを含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記カルシウム塩緩衝液が、5~6.5のpHおよび0.05~0.15Mのモル濃度を有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記カルシウム塩緩衝液を1:100~1:300の容量比で前記混合物に添加する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記タンパク質懸濁液が10~15%の変性植物タンパク質(重量%)を含む、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記混合するステップが、変性植物タンパク質懸濁液と、水和したプロバイオティクスの懸濁液とを、1:5~1:25の変性植物タンパク質対プロバイオティクスの乾燥重量比で混合することを含む、請求項1~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記水和したプロバイオティクスの懸濁液を0.05~0.15Mのリン酸緩衝液に懸濁する請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、結合するステップおよび処理するステップが流動床乾燥機上で行われるスプレーエングロービングにより微粒子を形成することを含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、担体材料およびプロバイオティクスを流動床乾燥機の床に添加すること、担体材料およびプロバイオティクスを流動化すること、流動化した担体材料およびプロバイオティクスに第1のコーティング材料を噴霧して、第1のコーティング材料のシェル内に閉じ込められたプロバイオティクスおよび担体を有する微粒子を製造すること、および微粒子を乾燥すること、を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記流動床乾燥機に第1のコーティング材料が噴霧される前に、流動床乾燥機に単純糖が噴霧され、前記単純糖が顆粒を生成し、第1のコーティング材料が前記顆粒を被覆する、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のコーティング材料が、変性植物タンパク質、油、およびマルトデキストリンのような単純糖から選択される、請求項22から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、第1のコーティング材料のシェル上に第2のコーティング材料を噴霧することを含み、第1および第2のコーティング材料の少なくとも一方が変性植物タンパク質である、請求項22から25のいずれかに記載の該方法。
【請求項27】
前記方法が、変性植物タンパク質のコーティングにキレート化塩を噴霧することを含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スプレーエングロービングが、
(a)流動床乾燥チャンバーの床に担体材料と活性剤を添加するステップ、
(b)前記担体材料と活性剤を流動化して加熱し、第1の流動化粉末を形成するステップ
(c)前記変性タンパク質懸濁液を前記流動床上に高圧で噴霧し、第2の流動化粉末を提供するステップ、
(d)前記流動床上で第2の流動化粉末を乾燥して、第2の流動化粉末の水分含量を低下するステップ、
(e)第2の流動化粉末にエングロービング成分を噴霧して第3の流動化粉末を形成するステップであって、前記エングロービング成分がキレート化塩、食用油、および単純糖から選択されるステップ;
(f)前記流動床上で前記第3の流動化粉末を乾燥して、流動化粉末の水分含量をさらに低下するステップ;
(g)前記変性タンパク質懸濁液を前記流動床上に高圧で噴霧して、微粒子を含む第4の流動化粉末を提供するステップ;および
任意選択的に、前記第4の流動化粉末をさらに乾燥して、典型的には、水分含量を10%未満、8%未満、または5%未満にするステップ
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が少なくとも2ラウンドまたは3ラウンドのステップ(f)および(g)を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記スプレーエングロービングが、
担体材料、活性剤、およびキレート塩を、流動床乾燥チャンバーの流動床上で流動化するステップ、
前記流動床乾燥チャンバーに食用油を噴霧するステップ、
変性植物タンパク質の懸濁液を流動床乾燥チャンバーに噴霧するステップ
を含み、
これにより、キレート化塩が変性植物タンパク質と反応してタンパク質を重合し、重合した変性タンパク質の被膜と活性剤と担体材料を含むコアを有する凝集された微粒子を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記担体材料を流動床に最初に添加し、前記活性剤およびキレート化塩を担体材料の後に流動床に添加する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記担体材料、活性剤およびキレート化塩を、食用油を添加する前に30~40℃で流動化し、流動化した混合物を形成する、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
食用油の前に、流動化した混合物に単純糖を噴霧し、前記混合物の顆粒化を促進する、請求項30~32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
請求項1~33のいずれかに記載の方法によって得られる微粒子であって、前記微粒子が胃抵抗性であり、回腸感受性である微粒子。
【請求項35】
重合された植物性タンパク質マトリックス内にカプセル化されたプロバイオティクスを含む微粒子。
【請求項36】
重合した植物タンパク質マトリックスが単純炭水化物を含む、請求項35に記載の微粒子。
【請求項37】
食用油のコーティングを含む、請求項35または36に記載の微粒子。
【請求項38】
請求項34~37のいずれかに記載の微粒子であって、コアシェル構造を有し、前記コアがプロバイオティクス、およびネイティブタンパク質および糖から選択される担体材料を含み、前記シェルが重合植物タンパク質マトリックスを含む、微粒子。
【請求項39】
請求項34~38のいずれかに記載の微粒子であって、200から700μmの平均寸法Dvを有する微粒子。
【請求項40】
液体に懸濁された請求項34~39のいずれかに記載の微粒子を含む保存安定性加熱処理飲料。
【請求項41】
低温殺菌またはUHT処理された請求項40に記載の保存安定性加熱処理飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、変性植物タンパク質マトリックス中にマイクロカプセル化されたプロバイオティクスを含む組成物を形成する方法に関する。本発明はまた、変性植物タンパク質懸濁液を形成する方法に関する。本発明はまた、本発明の方法に従って形成された製品および組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
堅牢であり、カプセル化されたプロバイオティクス細菌を保護し、貯蔵安定性であるマイクロカプセル化された活性剤を製造するには、固形分含量が高く、溶液中のタンパク質の割合が高いタンパク質懸濁液を使用する必要がある。国際公開第2008/056344(WO2008/056344)(特許文献1)は、プロバイオティクス細菌を変性乳清懸濁液と混合し、微小液滴に押し出し、これをpH4.6の酸性浴中で硬化させる低温ゲル化プロセスを用いた、変性乳清タンパク質マトリックスへのプロバイオティクス細菌のカプセル化について記載している。プロバイオティクスにもよるが、低温ゲル化法によりプロバイオティクスを乳清タンパク質に添加すると、固化して細胞数が減少するという副作用がしばしば起こる。さらに、低温ゲル化乳清タンパク質を作るのに必要なpHは、pH4.6など、プロバイオティクスの生存にとって有害であることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/056344
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A computer-controlled system to simulate conditions of the large intestine with peristaltic mixing, water absorption and absorption of fermentation product, Minekus, M., Smeets-Peeters M, Bernalier A, Marol-Bonnin S, Havenaar R, Marteau P, Alric M, Fonty G, Huis in't Veld JH, Applied Microbiology Biotechnology.1999 Dec;53(1):108-14
【非特許文献2】A standardised static in vitro digestion method suitable for food - an international consensus, Minekus, A. et al., Food Function, 2014, 5, 1113)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題の少なくとも1つを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
この目的は、カプセル化マトリックスとして植物タンパク質を用いるプロバイオティクスのカプセル化方法を提供することによって達成される。本出願人は、プロバイオティクス細菌のためのマイクロカプセル化マトリックスとして変性エンドウ豆タンパク質および変性緑豆(ムング(mung))タンパク質などの植物タンパク質を使用すると、カプセル化プロセスでより多くの細菌が生存し、例えば、WPIまたはMPCなどの乳製品ベースのカプセル化システムでは細胞の生存率が40~50%であるのに対し、75~80%以上となることを発見した。理論に束縛されることなく、生存率の増加は、乳清タンパク質のpHが4.6であるのとは対照的に、植物タンパク質がpH6~7で重合することに起因すると考えられる。本発明のさらなる利点は、カプセル化マトリックスとして植物タンパク質を使用することにより、製品が菜食主義者およびベジタリアンにも使用できることである。本開示は、(植物タンパク質の例として)変性エンドウ豆タンパク質および変性緑豆タンパク質を用いてプロバイオティクスをカプセル化する多数の方法を記載し、これらはすべて、プロバイオティクスの生存または代謝に有害な影響を及ぼさないpHである弱酸性のpHで変性植物タンパク質を重合させることができるカルシウム塩キレート剤を用いる。本明細書で提供される実施例は、ゲル化浴中への押し出し、およびゲル固定化および乾燥(例えば凍結乾燥または真空乾燥)によって製造されたカプセル化プロバイオティクスを示す。本発明はまた、pH7~8でのタンパク質の水和、タンパク質懸濁液の静置、および典型的には高圧下で実施される2段階の加熱ステップによって得られる、植物タンパク質(一般に、変性エンドウ豆タンパク質または変性緑豆タンパク質)の懸濁液の製造方法を記載する。このプロセスの実施形態では、固形分が高く(例えば、固形分15%まで)、可溶性タンパク質の割合が高く(例えば、90%以上)、pHが酸性またはアルカリ性でない植物タンパク質の懸濁液を製造することが見出されており、この懸濁液は、プロバイオティクスのようなpH感受性の薬剤をマイクロカプセル化するのに理想的である。さらに、植物タンパク質を変性させるために、代替の熱処理(超高温(UHT)変性)が採用され、これは、タンパク質溶液の粘度の低下により、より効率的なカプセル化プロセスをもたらす。本開示の方法はまた、植物抽出物、ビタミン、ミネラル、海洋生物活性物質およびアミノ酸などの他の活性剤をカプセル化するために適用され得る。
【0007】
第1の態様において、本発明は、変性植物タンパク質マトリックス中にカプセル化されたプロバイオティクスのような活性剤を含む微粒子を形成する方法を提供し、この方法は、
変性植物タンパク質を含むタンパク質懸濁液を調製するステップ、
このタンパク質懸濁液と活性剤を混合して混合物を形成するステップ、
この混合物を処理して、変性植物タンパク質マトリックス中にカプセル化された活性剤を含む微粒子を形成するステップであって、前記処理ステップは、変性植物タンパク質マトリックスをカルシウム塩で重合するか、または流動床乾燥機上でスプレーエングロービング(spray englobing)することを含むステップ;および
微粒子を乾燥させるステップ
を含む。
【0008】
任意の実施形態において、本方法は、水和されたプロバイオティクスの懸濁液を調製するステップを含み、混合するステップは、タンパク質懸濁液を水和されたプロバイオティクスの懸濁液と混合することを含む。
【0009】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質は、植物タンパク質単離物であるか、または植物タンパク質単離物を含む。
【0010】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質はエンドウ豆タンパク質または緑豆タンパク質であるか、または、エンドウ豆タンパク質または緑豆タンパク質を含む。
【0011】
いずれの実施形態においても、単純炭水化物(simple carbohydrate)がタンパク質懸濁液に添加される。例としては、単糖および/または二糖が挙げられる。単純炭水化物は、カプセル化前の懸濁液に添加され、荷電スラリーを形成して、変性植物タンパク質懸濁液とプロバイオティック細胞との適合性を高め、カプセル化の間にタンパク質マトリックス中の細胞の安定した平衡をもたらし、プロバイオティックのそれぞれの荷電細胞膜と相互作用する荷電スラリーを作成する。単純炭水化物はまた、熱処理後の荷電した単純炭水化物と変性した植物タンパク質との間の相互作用により、瞬時のキレート化/重合化を起こすのに役立つ。この荷電相互作用により、感受性の高い細菌を包み込み、カプセル化するための強固な格子が形成される。
【0012】
いずれの実施形態においても、処理ステップは、タンパク質懸濁液および活性剤懸濁液を押し出して微小液滴を形成することを含み、重合ステップは、押し出された微小液滴をカルシウム塩などのキレート化剤を含む硬化浴中で硬化させてマイクロカプセルを形成することを含む。
【0013】
いずれの実施形態においても、硬化浴はクエン酸カルシウム緩衝液を含む。
【0014】
いずれの実施形態においても、硬化浴は、5~6.5のpHを有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む。
【0015】
いずれの実施形態においても、硬化浴は、0.05~0.15Mのモル濃度を有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む。
【0016】
いずれの実施形態においても、硬化浴は、5.2~6.1のpHを有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む。
【0017】
いずれの実施形態においても、硬化浴は、約0.1Mのモル濃度を有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む。
【0018】
いずれの実施形態においても、硬化浴は塩化カルシウム緩衝液を含む。
【0019】
いずれの実施形態においても、硬化浴は、4.3~5のpHを有する塩化カルシウム緩衝液を含む。
【0020】
いずれの実施形態においても、硬化浴は、0.05~0.15M、または約0.1Mのモル濃度を有する塩化カルシウム緩衝液を含む。
【0021】
任意の実施形態において、硬化浴は界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤、特にポリソルベート型非イオン性界面活性剤を含む。任意の実施形態において、硬化浴は、0.01~0.1、特に約0.05%の界面活性剤を含む。
【0022】
任意の実施形態において、硬化浴はキトサンを含む。任意の実施形態において、硬化浴は0.01~0.1、特に約0.05%のキトサンを含む。
【0023】
いずれの実施形態においても、処理ステップは、カルシウム塩緩衝液を添加して混合物をゲル化し、ゲル化した混合物を凍結乾燥または真空乾燥によって乾燥し、乾燥したゲル化混合物をサイズ縮小して微粒子を提供することを含む。
【0024】
いずれの実施形態においても、カルシウム塩緩衝液は、5~6.5のpHを有するクエン酸カルシウム緩衝を含む。
【0025】
いずれの実施形態においても、カルシウム塩緩衝液は、0.05~0.15Mのモル濃度を有するクエン酸カルシウム緩衝液を含む。
【0026】
いずれの実施形態においても、カルシウム塩緩衝液は、1:100~1:300の容量比で混合物に添加される。
【0027】
いずれの実施形態においても、タンパク質懸濁液は、10~15%、11~15%、12~15%、13~15%または14~15%の変性植物タンパク質(重量による)を含む。
【0028】
いずれの実施形態においても、タンパク質懸濁液中のタンパク質の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%または95%が可溶化される。
【0029】
いずれの実施形態においても、タンパク質懸濁液は、0.5~12.0%、1.0~6.0%、1.0~3.0%、または約2%の単純糖(simple sugar)(w/v)を含む。
【0030】
任意の実施形態において、混合するステップは、タンパク質懸濁液と活性剤の懸濁液とを、変性植物タンパク質対活性剤の乾燥重量比1:5~1:25または1:8~1:20で混合することを含む。
【0031】
いずれの実施形態においても、活性剤はプロバイオティクスであり、水和されたプロバイオティクスの懸濁液は、0.05~0.15M、0.08~0.12M、または約0.1Mのリン酸緩衝液に懸濁される。
【0032】
いずれの実施形態においても、単純炭水化物はマルトデキストリンおよびグルコースを含む。GLUCIDEXは、マルトデキストリンとグルコースを含有する市販品である。
【0033】
いずれの実施形態においても、本方法は、混合および処理ステップが流動床乾燥機上で実施されるスプレーエングロービングによって微粒子を形成することを含む。
【0034】
いずれの実施形態においても、本方法は、担体材料および活性剤を流動床乾燥機の床に添加すること、担体材料および活性剤を流動化させること、流動化した担体材料および活性剤に第1のコーティング材料を噴霧して、第1のコーティング材料のシェル内に閉じ込められた活性剤および担体を有する微粒子を製造すること、および微粒子を乾燥させることを含む。
【0035】
いずれの実施形態においても、流動床乾燥機に第1のコーティング材料が噴霧される前に、単純糖が流動床乾燥機に噴霧され、単純糖は顆粒を生成し、第1のコーティング材料はこの顆粒をコーティングする。
【0036】
いずれの実施形態においても、第1のコーティング材料は、変性植物タンパク質、油、およびマルトデキストリンのような単純糖から選択される。
【0037】
いずれの実施形態においても、本方法は、第1のコーティング材料のシェル上に第2のコーティング材料を噴霧することを含み、第1および第2のコーティング材料の少なくとも一方は、変性植物タンパク質である。
【0038】
いずれの実施形態においても、本方法は、変性植物タンパク質コーティングにキレート化塩を噴霧することを含む。
【0039】
以下の微粒子が想定されている:
微粒子1
活性剤(プロバイオティクスなど)と担体材料のコア
重合された変性植物タンパク質のコーティング
微粒子2
活性剤(プロバイオティクスなど)、単純糖、および担体材料のコア
非重合性乾燥変性植物タンパク質のコーティング
微粒子3
活性剤(プロバイオティクスなど)と担体材料のコア
重合された変性植物タンパク質の内面コーティング
非重合性乾燥変性植物タンパク質の外被
油の中間コーティング。
微粒子4
活性剤(プロバイオティクスなど)と担体材料のコア
重合された変性植物タンパク質の内側コーティング
重合された変性植物タンパク質の外側コーティング
油の最初の中間コーティング。
非重合性乾燥変性植物タンパク質の第2の中間コーティング。
【0040】
一実施形態では、スプレーエングロービングは以下のステップを含む。
(a) 流動床乾燥室の床に、担体材料(例えばネイティブタンパク質)、活性剤(例えばプロバイオティクス)、および任意で単純糖を添加するステップ、
(b) 担体材料と活性物質を流動化させ、加熱して第1の流動化粉末を形成するステップ、
(c) 変性タンパク質懸濁液を高圧(例えば2~4.5Bar)で流動床上に噴霧し、第2の流動化粉末を提供するステップ、
(d) 流動床上で第2の流動化粉末を乾燥させて、第2の流動化粉末の水分含量を低下させる(例えば、水分含量を少なくとも30%、40%または50%低下させる)ステップ、
(e) 第2の流動化粉末にエングロービング成分(englobing component)を噴霧して第3の流動化粉末を形成するステップであって、エングロービング成分がキレート塩(例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩);食用油;および単純糖から選択されるステップ、
(f) 流動床上で第3の流動化粉末を乾燥させて、流動化粉末の水分含量をさらに低下させる(例えば、水分含量を少なくとも10%、20%または25%さらに低下させる)ステップ、
(g) 変性タンパク質懸濁液を高圧(例えば2~4.5Bar)で流動床上に噴霧し、微粒子を含む第4の流動化粉末を提供するステップ、および
任意選択的に、第4の流動化粉末をさらに乾燥させ、典型的には水分含量を10%未満、8%未満、または5%未満にするステップ。
【0041】
いずれの実施形態においても、本方法は、ステップ(f)および(g)の少なくとも2ラウンドまたは3ラウンドを含む。
【0042】
いずれの実施形態においても、食用油成分が食用油である場合、本方法は、第2の乾燥ステップの前に、第3の流動化粉末にキレート化塩を噴霧する追加のステップを含む。本方法は、食用油を噴霧し、次いでキレート化塩を噴霧する、少なくとも2ラウンドまたは3ラウンドを含んでよい。
【0043】
一般に、上記で言及した噴霧ステップは上面噴霧(top spraying)であり、例えば、成分は流動床の上方から噴霧される。
【0044】
いずれの実施形態においても、本方法は以下の追加のステップを含む。
(h) 変性タンパク質懸濁液を第4の流動化混合物にボトムスプレーし、第5の流動化粉末を形成するステップ、
(i) 流動床上で第5の流動化粉末を乾燥させて、流動化粉末の水分含量をさらに低下させる(例えば、水分含量を少なくとも10%、20%または25%さらに低下させる)ステップ、
(j) 第5の流動化粉末にエングロービング成分をボトムスプレーして第6の流動化粉末を形成するステップであって、このエングロービング成分は、キレート化塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩)および食用油から選択されるステップ、
(k) 流動床上で第6の流動化粉末を乾燥させて、流動化粉末の水分含量をさらに低下させる(例えば、水分含量を少なくとも10%、20%または25%さらに低下させる)ステップ、および
(l) 任意選択的に、第4の流動化粉末をさらに乾燥させ、典型的には水分含量を10%未満、8%未満、または5%未満にするステップ。
【0045】
いずれの実施形態においても、本方法は、少なくとも2ラウンドまたは3ラウンドのステップ(j)および(k)を含む。
【0046】
いずれの実施形態においても、ステップ(j)のエングロービング成分が食用油である場合、本方法は、ステップ(k)の前に、キレート化塩を第6の流動化粉末に噴霧する追加のステップを含む。本方法は、食用油を噴霧し、次いでキレート化塩を噴霧する、少なくとも2ラウンドまたは3ラウンドを含んでよい。
【0047】
いずれの実施形態においても、流動床は、110~300m/時間の気流で流動化される。
【0048】
いずれの実施形態においても、流動床チャンバーは、方法の全部または一部の間に加熱され、典型的には35~45℃に加熱される。
【0049】
いずれの実施形態においても、タンパク質溶液は、高いスプレーノズル圧力、例えば2~4.5Barで流動床に噴霧される。
【0050】
いずれの実施形態においても、単純糖は、10~20%の総乾燥固形分の量で第2の流動化粉末に添加される。
【0051】
いずれの実施形態においても、単純糖はマルトデキストリンであるか、またはマルトデキストリンを含む。
【0052】
いずれの実施形態においても、キレート化塩は0.2~0.4Mの溶液として添加される。
【0053】
いずれの実施形態においても、食用油は、5~15%の総乾燥固形分の量で第2の流動化粉末に添加される。
【0054】
いずれの実施形態においても、ステップ(a)は、担体材料と活性剤を1:5~5:1の重量比で流動床乾燥チャンバーの床に添加することを含む。
【0055】
担体材料は一般的にネイティブタンパク質であるが、マルトデキストリンまたはデンプンなどの炭水化物、プレバイオティックファイバーの粉末、または任意のコロイドでもよい。
【0056】
別の実施形態では、スプレーエングロービングは、
流動床乾燥チャンバーの流動床上で、ネイティブタンパク質、活性剤(プロバイオティクスなど)、キレート塩などの担体材料を流動化させるステップ、
流動床乾燥チャンバーに食用油を噴霧するステップ、
変性タンパク質の懸濁液を流動床乾燥チャンバーに噴霧するステップ、
を含み、
これにより、キレート化塩が変性植物タンパク質と反応してタンパク質を重合し、重合した変性タンパク質の被膜と、活性剤および担体材料を含むコアとを有する凝集された微粒子を形成する。
【0057】
いずれの実施形態においても、担体材料は流動床に最初に添加され、活性剤とキレート塩は担体材料の後に流動床に添加される。
【0058】
いずれの実施形態においても、活性剤とキレート塩を添加する前に、担体材料を高温(例えば30~40℃)で流動化させる。
【0059】
いずれの実施形態においても、担体材料、活性剤、およびキレート塩は、食用油を添加する前に高温(例えば30~40℃)で流動化され、流動化された混合物を形成する。
【0060】
いずれの実施形態においても、混合物の粒状化を促進するために、食用油の前に、流動化した混合物に単純糖を噴霧する。
【0061】
いずれの実施形態においても、単純糖は高流量(例えば23~30RPM)、低気流(例えば150RMP以上)、低スプレーノズル圧(例えば1.5Bar未満)で流動床チャンバー内に噴霧される。
【0062】
いずれの実施形態においても、油は、低流量(例えば18~22RPM)、高気流(例えば150RMP超)、低スプレーノズル圧力(例えば1.5Bar未満)で流動床チャンバー内に噴霧される。
【0063】
いずれの実施形態においても、変性植物タンパク質の懸濁液は、高流量(例えば、23~30RPM)、高気流(例えば、>150RMP)、および高スプレーノズル圧(例えば、>2.5Bar)で流動床乾燥チャンバーに噴霧される。
【0064】
いずれの実施形態においても、活性剤は水中油型ナノエマルジョンの形で添加され、活性剤は水中油型ナノエマルジョンの油相に含有される。これは、活性剤が疎水性である場合に特に適切である。
【0065】
いずれの実施形態においても、水中油型ナノエマルションは、本発明の水中油型ナノエマルションである。
【0066】
いずれの実施形態においても、担体材料は、典型的には、約5%、4%、3%、または2%以下の水分含量を有するネイティブタンパク質である。
【0067】
いずれの実施形態においても、油は食用油、例えば高オレイン酸油である。
【0068】
いずれの実施形態においても、床は30~40℃、高気流量(約30~55RPM)の空気で流動化される。
【0069】
いずれの実施形態においても、ネイティブタンパク質および変性タンパク質は植物タンパク質、例えばエンドウ豆タンパク質または緑豆タンパク質である。
【0070】
いずれの実施形態においても、ネイティブタンパク質および変性タンパク質はタンパク質単離物である。
【0071】
いずれの実施形態においても、変性植物タンパク質の懸濁液は、本発明の変性植物タンパク質懸濁液である。
【0072】
いずれの実施形態においても、凝集した微粒子は胃抵抗性で回腸感受性である。これは、微粒子がヒトの胃をそのまま通過し、回腸で分解して活性剤を放出することを意味する。
【0073】
いずれの実施形態においても、タンパク質懸濁液は、
pH7~8の水性溶媒中で、攪拌しながら、任意選択的に加熱しながら、植物タンパク質を水和させるステップ、
植物タンパク質の水性懸濁液を静置するステップ、
必要に応じて、水性懸濁液のpHを7~8に調整するステップ、
静置した水性懸濁液を任意選択的に加圧下で加熱するステップ、および
加熱した水性懸濁液を冷却するステップ
を含む方法によって形成される。
【0074】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質の水性懸濁液は少なくとも30分、60分または90分間静置される。
【0075】
いずれの実施形態においても、水和ステップは25~40℃、30~40℃、理想的には約35℃の温度で実施される。
【0076】
いずれの実施形態においても、加熱ステップは、
加圧下で、60~70℃(例えば約65℃)の第1の加熱温度で、第1の加熱時間(例えば5秒~15分)、静置した水性懸濁液を予備加熱するステップ、および
予備加熱された水性懸濁液を、加圧下、90~100℃(例えば約95℃)の第2加熱温度で第2加熱時間(2秒~3分)加熱するステップ
を含む。
【0077】
任意の実施形態において、加熱ステップは、F0=3の熱処理を達成するために植物タンパク質の懸濁液を加熱することを含む。これにより、植物タンパク質の変性(例えば、少なくとも80%の変性まで)が生じ、懸濁液中の細菌胞子が死滅する。熱処理はまた、タンパク質懸濁液の粘度を下げ、処理を容易にする。用語「F0」は、250°F(121℃)で供給物(load)(製品)に蒸気滅菌を施すのに相当する分数(the number of equivalent minutes)として定義される。
【0078】
超高温変性プロセスは、変性が植物タンパク質を変性する場合に、以下の3つの目的に役立つ。(a)タンパク質懸濁液中の細菌胞子を死滅させ、製品を食品グレードの品質とし、ヒトが消費しても安全であることを保証すること、(b)この高温での変性は、植物タンパク質を重合させるための関連する機能性を提供するために必要であること、(c)カプセル化プロセス中のより良い流速を可能にする粘度を生成し、カプセル化プロセスにおけるより高い効率とカプセル化中のより高いスループットをもたらすこと。超高温変性プロセスは、植物タンパク質懸濁液の粘度を21+/-1℃で300~550cPから21+/-1℃で50~120cpまで低下させることが見出されている。このステップは、本発明の微粒子が飲料を栄養強化する場合に、カプセル化された材料が汚染物質から清浄であり、商業的使用およびヒトの消費に許容されることを確認するのにも役立つ。
【0079】
いずれの実施形態においても、加熱ステップは、植物タンパク質の懸濁液の超高温処理(UHT)を含む。
【0080】
いずれの実施形態においても、加熱ステップは、懸濁液を約138.5℃×約3~4秒に加熱することを含む。
【0081】
いずれの実施形態においても、水性溶媒は約pH7.5(例えば7.3~7.7)のpHを有する。
【0082】
いずれの実施形態においても、加熱ステップは1.3~1.6Barの圧力で行われる。
【0083】
いずれの実施形態においても、エンドウ豆タンパク質は、エンドウ豆タンパク質単離物または緑豆タンパク質単離物であるか、または、エンドウ豆タンパク質単離物または緑豆タンパク質単離物を含む。
【0084】
いずれの実施形態においても、冷却したタンパク質懸濁液を室温で少なくとも2時間落ち着かせる。
【0085】
いずれの実施形態においても、本方法は、タンパク質懸濁液に単純炭水化物を添加して、典型的には0.5~5.0%、1~3%または約2%の単純炭水化物(w/v)を含むタンパク質懸濁液を提供するステップを含む。
【0086】
いずれの実施形態においても、この方法は、50%、55%、60%、65%、70%または75%より大きい%プロバイオティック生存率を有する。本発明の方法に適用される%プロバイオティック生存率とは、カプセル化ステップを生き抜くプロバイオティック細菌の%を意味する。%プロバイオティック生存率の計算方法を以下に示す。
【0087】
別の態様において、本発明は、本発明の方法に従って形成された、変性植物タンパク質マトリックス中にカプセル化されたプロバイオティクスのような活性剤を含む組成物を提供する。組成物は一般に粒子、例えば微粒子であり、微粒子は顆粒であってもよい。
【0088】
いずれの実施形態においても、微粒子は、(ミクロン、μmで)50~700、200~700、300~700、400~700、500~600、50~400、50~300、50~200、50~150、50~100、20~100、20~50、100~500、100~400、100~300、または100~200の平均寸法を有することができる。浴中への押し出しによって形成される場合、微粒子は典型的には5000~600μmの平均寸法を有する。シングルノズルを使用する場合、微粒子は連続的な変性タンパク質マトリックスとマトリックス全体に分布したプロバイオティック細菌を有する(これらはマイクロビーズと呼ばれる)。同心ノズルが採用される場合、微粒子はコア-シェル形態を有し、シェルは変性タンパク質からなり、コアはプロバイオティック細菌からなる(これらはマイクロカプセルと呼ばれる)。 ゲル固定化によって形成される場合、マイクロパーティクルは通常50~150μmの平均寸法を有する。噴霧固定化により形成される場合、微粒子は通常、50~500、100~500、200~500、300~400μmの平均寸法Dvを有する。
【0089】
いずれの実施形態においても、微粒子は胃耐性で回腸感受性である。これは、微粒子がヒトの胃をそのまま通過し、回腸で分解してプロバイオティクスのペイロードを放出し、その後のコロニー形成を可能にすることを意味する。
【0090】
別の態様において、本発明は、以下のステップを含む、変性植物タンパク質懸濁液を形成する方法を提供する。
pH6~8または7~8の水性溶媒中で、攪拌しながら、任意選択的に加熱しながら、植物タンパク質を水和させるステップ、
植物タンパク質の水性懸濁液を静置するステップ、
必要に応じて、水性懸濁液のpHを6~8または7~8に調整するステップ、
静置した水性懸濁液を加熱するステップ、および
加熱した水性懸濁液を冷却するステップ。
【0091】
いずれの実施形態においても、静置された水性懸濁液は、F0=3の熱処理を達成するために加熱される。
【0092】
いずれの実施形態においても、静置した水性懸濁液は超高温処理(UHT)に供される。
【0093】
いずれの実施形態においても、静置した水性懸濁液を約138.5℃×約3~4秒に加熱する。
【0094】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質の水性懸濁液は少なくとも30分、60分または90分間静置される。
【0095】
いずれの実施形態においても、水和ステップは25~40℃、30~40℃、理想的には約35℃の温度で実施される。
【0096】
いずれの実施形態においても、加熱ステップは、
加圧下で、60~70℃(例えば約65℃)の第1の加熱温度で、第1の加熱時間(例えば5秒~15分)、静置した水性懸濁液を予備加熱するステップ、および
予備加熱された水性懸濁液を、加圧下、90~100℃(例えば約95℃)の第2加熱温度で第2加熱時間(2秒~3分)加熱するステップ
を含む。
【0097】
いずれの実施形態においても、水性溶媒は約pH7.5(例えば7.3~7.7)のpHを有する。
【0098】
いずれの実施形態においても、加熱ステップは1.3~1.6Barの圧力で行われる。
【0099】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質は植物タンパク質単離物である。
【0100】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質はエンドウ豆タンパク質である。
【0101】
いずれの実施形態においても、植物タンパク質は緑豆タンパク質である。
【0102】
いずれの実施形態においても、冷却したタンパク質懸濁液を、室温で少なくとも1、2、3、4または5時間落ち着かせる。
【0103】
いずれの実施形態においても、本方法は、タンパク質懸濁液に単純炭水化物を添加して、典型的には0.5~5.0%、1~3%または約2%の単純炭水化物(w/v)を含むタンパク質懸濁液を提供するステップを含む。
【0104】
いずれの実施形態においても、ネイティブタンパク質および変性タンパク質は、植物タンパク質、例えば、エンドウ豆タンパク質または緑豆タンパク質である。任意の実施形態において、ネイティブタンパク質および変性タンパク質は、同じ供給源由来である(例えば、両方ともエンドウ豆タンパク質)。任意の実施形態において、ネイティブタンパク質および変性タンパク質は、タンパク質単離物である。
【0105】
いずれの実施形態においても、変性植物タンパク質の懸濁液は、本発明の変性植物タンパク質懸濁液である。
【0106】
いずれの実施形態においても、変性植物タンパク質懸濁液は、10~15%、11~15%、12~15%、13~15%または14~15%の変性植物タンパク質(重量%)を含む。
【0107】
いずれの実施形態においても、変性植物タンパク質懸濁液中のタンパク質の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%または95%が可溶化される。
【0108】
別の態様において、本発明は、本発明の方法に従って形成された変性植物タンパク質懸濁液を提供する。
【0109】
別の態様において、本発明は、微粒子が変性植物タンパク質構造体内に閉じ込められた活性剤を含み、変性植物タンパク質構造体が典型的には重合変性植物タンパク質を含む、微粒子の組成物を提供する。
【0110】
いずれの実施形態においても、活性剤は担体内に閉じ込められる。担体は、活性剤が食用液滴内に閉じ込められた食用油液滴であってもよいし、ネイティブタンパク質、またはマルトデキストリンまたはデンプンなどの糖のような担体粉末であってもよい。
【0111】
いずれの実施形態においても、重合変性植物タンパク質構造体は重合変性植物タンパク質マトリックスであり、油滴はマトリックスを通して分配される。
【0112】
いずれの実施形態においても、微粒子は、変性植物タンパク質のシェルと、典型的に担体中に活性剤を含むコアを含むコア-シェル構造を有する。担体は、粉末(上述のとおり)、食用油滴、または活性剤の溶液/懸濁液であってもよい。
【0113】
いずれの実施形態においても、変性植物タンパク質のシェルは重合されている。
【0114】
いずれの実施形態においても、微粒子は2つ以上のシェルを有し、少なくとも1つのシェルは変性植物タンパク質のシェルであり、少なくとも1つのシェルは油のシェル、および非重合性変性植物タンパク質のシェルから選択される。
【0115】
いずれの実施形態においても、微粒子は顆粒である。
【0116】
別の態様において、本発明は、本発明の組成物を含む、任意の形態の食品、飲料または栄養補助食品を提供する。
【0117】
いずれの実施形態においても、飲料、食品または栄養補助食品は保存安定性である。
【0118】
いずれの実施形態においても、食品または飲料は低温殺菌またはUHT処理されている。
【0119】
いずれの実施形態においても、飲料は炭酸飲料または非炭酸酸性飲料である。
【0120】
いずれの実施形態においても、飲料は発酵飲料(例えばコンブチャ(kombucha))である。
【0121】
いずれの実施形態においても、本方法は、プロバイオティクスの%生存率が60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%を超える。
【0122】
いずれの実施形態においても、凝集された微粒子は胃抵抗性であり、回腸感受性である。これは、微粒子がヒトの胃をそのまま通過し、回腸で分解してプロバイオティクスのペイロードを放出することを意味する。
【0123】
本発明の他の態様および好ましい実施形態は、以下に提示される他の請求項に定義され、および記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1図1は、実施例20の方法に従って形成され、乾燥段階の前に撮像されたプロバイオティクス変性エンドウ豆タンパク質マイクロカプセルの画像である。この顕微鏡画像は、重合した湿潤カプセルを表す。平均直径は500~600umである。
図2図2は、実施例20の方法に従って形成され、乾燥段階後に撮像されたプロバイオティクス変性エンドウ豆タンパク質マイクロカプセルの画像である。顕微鏡画像は、自由流動形式を有する個々のマイクロカプセルを示す。平均直径485~550um。
図3A図3Aは、エンドウ豆タンパク質対乳清(ミルク)タンパク質およびシングルノズルカプセル化装置を使用したプロバイオティクスカプセル化のプロバイオティクス生存率のまとめ。
図3B】種々の植物タンパク質カプセル化マトリックスとシングルノズル押出技術を用いたプロバイオティクスカプセル化のプロバイオティクス生存率のまとめである。
図4図4は、エンドウ豆タンパク質とシングルノズルカプセル化装置を用いて製造されたプロバイオティクスカプセル化システムの粒子径の比較である。
図5A図5Aは、シングルノズルのカプセル化押し出し技術を用いて製造されたエンドウ豆タンパク質カプセル化システムにおける、カプセル化されたプロバイオティック細胞のプロバイオティック放出率プロファイルである。データは、in vitroヒト消化時間およびGIセクションの関数としての細胞遊離を表す。
図5B図5Bは、シングルノズルのカプセル化/押し出し技術を用いて製造された超変性エンドウ豆タンパク質カプセル化システムにおける、カプセル化されたプロバイオティック細胞のプロバイオティック放出率プロファイルである。データは、in vitroヒト消化時間およびGIセクションの関数としての細胞遊離を表す。
図6図6は、GIセクションの関数としてのHPLCタンパク質消化である。HPLCデータは、腸内でのタンパク質分解の開始を示し、これは制御された細胞放出を示す。このデータは、押出し、シングルノズルカプセル化技術を用いて製造されたエンドウ豆タンパク質カプセル化システムからの細胞遊離の消化プロファイルを表す。
図7図7は、ヒトin vitroの消化分析におけるタンパク質分解の定量化のためのHPLCクロマトグラムである。データは、45分後(黒)および60分後(ピンク)の腸におけるタンパク質消化の開始を示し、これは植物タンパク質マイクロカプセルの持続的かつ制御された消化による制御された細胞放出を示す。このデータは、押出し、シングルノズルカプセル化技術を用いて製造された植物タンパク質カプセル化システムからの細胞放出の消化プロファイルを表す。
図8図8は、(A)緑豆タンパク質、(B)空豆タンパク質、(C)ヒヨコ豆タンパク質:シングルノズル/押出し技術によって生成された、植物タンパク質にカプセル化されたビフィズス菌(乳酸菌)の顕微鏡写真である。
図9A図9は、UHT植物タンパク質変性前後の植物タンパク質のpH特性を表し、(A)亜麻仁種子(Flax seed)(亜麻仁(Linseed))タンパク質単離物および(B)カボチャ種子タンパク質単離物である。
図9B図9は、UHT植物タンパク質変性前後の植物タンパク質のpH特性を表し、(A)亜麻仁種子(Flax seed)(亜麻仁(Linseed))タンパク質単離物および(B)カボチャ種子タンパク質単離物である。
図10A図10は、UHT植物タンパク質変性前後の植物タンパク質のpH特性を表す。(A)空豆(Fava (Fava/Broad))タンパク質単離物および(B)緑豆タンパク質単離物である。
図10B図10は、UHT植物タンパク質変性前後の植物タンパク質のpH特性を表す。(A)空豆(Fava (Fava/Broad))タンパク質単離物および(B)緑豆タンパク質単離物である。
図11図11は、UHTエンドウ豆タンパク質変性手順前後のエンドウ豆タンパク質加水分解物のpH特性を表す。これにより部分的に加水分解されたエンドウ豆タンパク質の変性が確認できる。
【発明を実施するための形態】
【0125】
発明の詳細な説明
本明細書に記載されたすべての刊行物、特許、特許出願およびその他の文献は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示され、その内容がすべて記載されているかのように、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
本明細書で使用される場合、特に別段の指示がない限り、以下の用語は、当該用語が当該技術分野において享受し得るより広い(またはより狭い)意味に加え、以下の意味を有することが意図される。
【0127】
文脈上別段の定めがない限り、本明細書において単数形の用法は複数形を含むものとし、その逆もまた同様とする。ある実体に関連して使用される「a」または「an」という用語は、その実体の1つ以上を指すものとする。そのため、「a」(または「an」)、「1つ以上」、「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0128】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などのその変形は、任意の暗黙のインテジャ(integer)(例えば、特徴、要素、特性、性質、方法/プロセスステップまたは制限)またはインテジャ群(例えば、特徴、要素、特性、性質、方法/プロセスステップまたは制限)を含むことを示すが、他のインテジャまたはインテジャ群を排除しないことを示すように読まれるべきである。したがって、本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」は包括的またはオープンエンドであり、追加的な、暗黙のインテジャまたは方法/プロセスステップを除外するものではない。
【0129】
本明細書において、「植物タンパク質」という用語は、植物源から得られるタンパク質調製物を指す。例としては、植物タンパク質粉末、植物タンパク質濃縮物および植物タンパク質単離物が挙げられる。植物タンパク質調製物は、エンドウ豆、ゼイン、大麦、スペルト小麦、大豆、海藻、麻、セイテン(小麦グルテン)、ひよこ豆、豆腐、レンズ豆、緑豆、キヌアおよび他の植物源から得ることができる。pH5、5.5または6以上の等電点を有する植物タンパク質が好ましい。
【0130】
本明細書で使用される場合、用語「単純炭水化物(simple carbohydrate)」には、グルコース、フルクトースおよびスクロースなどの単糖類、ならびにスクロース、ラクトースおよびマルトースなどの二糖類、およびそれらの混合物が含まれる。一実施形態において、単純炭水化物は、GLUCIDEXを含む。
【0131】
本明細書で使用する「プロバイオティクス(probiotic)」という用語は、体内に自然に生息する生きた有益な細菌および/または酵母を指す。プロバイオティクスは、悪玉菌が増えすぎた場合にそれを撃退し、気分を良くするのを助けるなど、体を健康に保ち、うまく働くのを助ける。本発明で使用されるプロバイオティクスは、異なるプロバイオティクスの組み合わせで構成されていてもよい。プロバイオティクスと考えられる細菌には多くのタイプがあるが、店頭で見かける一般的なプロバイオティクスとして、特定の2種類の細菌がある。これらには、ラクトバチルス(Lactobacillus)とビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)が含まれる。
【0132】
本明細書で使用される場合、本発明の方法に従って製造された組成物に適用される「%プロバイオティック生存率(% probiotic survival)」という用語は、カプセル化ステップ(ステップが乾燥ステップを含む場合、乾燥ステップを含む)を生き抜く生細胞の%を意味する。プロバイオティック生存率は、ステップに投入された生細胞を測定し、出力製品中の細胞数と比較することによって測定することができる。
【0133】
本明細書で使用する場合、「活性剤」という用語は、哺乳類の小腸または回腸への送達に適した任意の成分を指すが、典型的には、例えば熱、pH、水分、圧力、化学的ストレスまたは酵素などの外部条件に対して感受性である成分を意味する。したがって、活性成分は、pH、酵素(すなわち、プロテアーゼ酵素)、高圧、湿気、高剪断、および保存中の温度乱用に敏感である可能性がある。本発明の特に好ましい一実施形態では、活性剤は、プロバイオティクス、または、例えば、カフェイン、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)、水溶性ビタミン(BおよびC)、ヒアルロン酸、メラトニン、およびフコイダンおよびラミナリンなどの海洋生物活性剤、緑藻、褐藻および紅藻抽出物から選択される生物活性剤を含む。
【0134】
「胃耐性」は、微粒子は、Minekusら、1999年および2014年に記載されている刺激された胃の消化モデルにおいて少なくとも60分間無傷で存在できることを意味する(A computer-controlled system to simulate conditions of the large intestine with peristaltic mixing, water absorption and absorption of fermentation product, Minekus, M., Smeets-Peeters M, Bernalier A, Marol-Bonnin S, Havenaar R, Marteau P, Alric M, Fonty G, Huis in't Veld JH, Applied Microbiology Biotechnology.1999 Dec;53(1):108-14(非特許文献1))、 および(Minekusら、2014、A standardised static in vitro digestion method suitable for food - an international consensus, Minekus, A. et al., Food Function, 2014, 5, 1113)(非特許文献2))。
【0135】
「回腸感受性」は、微粒子が哺乳動物の回腸(近位または遠位)においてin vivoで内容物を放出できることを意味する。
【実施例
【0136】
例証
次に、本発明を具体的な実施例を参照して説明する。これらは単に例示的なものであり、説明のみを目的とするものである。これらは、特許請求の範囲または記載された発明の範囲をいかなる意味においても限定するものではない。これらの実施例は、本発明を実施するために現在考えられている最良の態様を構成するものである。
【0137】
実施例1
変性用エンドウ豆タンパク質溶液の調製
- 水またはリン酸緩衝液0.1M pH7.5中で14%(w/v)のエンドウ豆タンパク質単離物を水和する。
- 30℃で45分間水和させる。
- ジャケット付き容器または30℃のホットプレートを使用し、450RPMで攪拌する。
- 必要な静置ステップとして、最低90分放置する。
- 水のpHをチェックし、pH7.5であることを確認する。pH7.5でない場合、1N HCl/NaOHを用いて調節する。
- 次のように熱処理する。
・ 予熱 65℃、最低2秒/最高15分
・ 最終加熱95.5℃、最低2秒/最高3分
・ 冷却温度 22~25℃
・ 流量 1.5L~20L/分
・ 圧力 1.3~1.6bar
- 材料を室温で4時間落ち着かせ、使用可能とする。
- この材料は「dPPI」と呼ばれる。
【0138】
実施例2
超変性エンドウ豆タンパク質質の調製
- 水またはリン酸緩衝液0.1M pH7.5中で、14%(w/v)のエンドウ豆タンパク質質を水和する。
- 30℃で45分間水和する。
- ジャケット付き容器を使用し、毎分450回転で攪拌する。
- 必要な静置ステップとして、最低90分放置する。
- 水のpHをチェックし、pH7.5であることを確認する。pH7.5でない場合、1N HCl/NaOHを用いて調節する。
- 次のように加熱処理する:
予熱 60~98℃、2秒間
最終熱 126~144.5℃
保持時間 - 各ステップ最低2秒 a
冷却温度 22~25℃
流量:最小1.45L~2.0L/分
圧力 1.0~6.0bar
- 室温で2時間落ち着かせ、使用可能とする。
- この素材は「udPPI」と称する。
【0139】
実施例3
超変性緑豆タンパク質の調製
- 水またはリン酸緩衝液0.1M pH7.5中で10%(w/v)の緑豆タンパク質単離物を水和する。
- 30℃で90分間水和する。
- ジャケット付き容器を使用し、毎分450回転で攪拌する。
- 最低90分の休養を要する。
- 水のpHをチェックし、pH7.5であることを確認する。pH7.5でない場合、1N HCl/NaOHを用いて調節する。
- 次のように加熱処理する:
予熱 60~90℃
最終加熱 120~144℃、2秒間
冷却温度 22~25℃、5秒間
流量 1.5L~2.0L/分
圧力 1.0~6.0bar
- 材料を室温で2時間落ち着かせ、使用可能とする。
- この素材は「udMBP」と称する。
【0140】
実施例4
プロバイオティクスの水和
- プロバイオティクスのストック溶液を作製する。リン酸緩衝液pH0.1Mで水和する。
- プロバイオティクス(液体または粉末)をリン酸緩衝液に加える。
- 200~450RPM、10~45分間、RTで攪拌し、細胞を蘇生させる。
- 必要に応じて、Ultraturrax細胞懸濁液(9,000~11,000RPM、30~90秒)。
【0141】
実施例5
変性PPIを用いたプロバイオティクスのPPIへの固定化
- 実施例1のように調製したdPPIと実施例4のように調製した水和プロバイオティクスを用い、プロバイオティクス懸濁液を410RPMでdPPI溶液に加え、PPIとプロバイオティクスの懸濁液を9:1または18:1の比率で提供する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス(glucidex)/単純炭水化物を加える(これは変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスを作る)。
- エアポケットの発生を避けるため、穏やかな攪拌を用いながら、RTで2時間水和する。
- すべてのプロバイオティクスを添加した後、2分後に0.1M/pH6.1のクエン酸カルシウムまたは塩化カルシウムを添加する。
- 緩衝液/懸濁液の比率が1:200になるまで、クエン酸カルシウムを加える。
- pH調整中は、450RPM、RTで高レベルの撹拌を維持する。
- 最低15分間撹拌を維持し、乾燥チャンバーに移す。
- 溶液は目で見て、より粘稠であるように見えるだろう。
- 乾燥(凍結乾燥または真空乾燥)は以下のように行うことができる:
- フリーズドライ(表1参照)
【0142】
【表1】
【0143】
- 真空乾燥:
製品温度を25℃に設定する。
生成物のチャンバー内を真空にする。
完全真空(即ち、10mBar未満)になったら24時間乾燥する。
【0144】
乾燥後、高剪断固体分離機を用いて乾燥製品を粒子状に寸法を低下することができる。
【0145】
実施例6
変性緑豆を用いたプロバイオティクスの植物タンパク質への固定化
- 実施例3のように調製したdMBPと実施例4のように調製した水和プロバイオティクスを用い、プロバイオティクス懸濁液を410RPMでdMBP溶液に加え、dMBPとプロバイオティクスの懸濁液を9:1または18:1の比率で提供する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス/単純炭水化物を加える(これは変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスを作る)。
- エアポケットの発生を避けるため、穏やかな攪拌を行いながら、RTで2時間水和する。
- すべてのプロバイオティクスを添加した後、2分後に0.1M/pH6.1のクエン酸カルシウムまたは塩化カルシウムを添加する。
- 緩衝液/懸濁液の比率が1:200になるまで、クエン酸カルシウムを加える。
- pH調整中、450RPM、RTで高レベルの撹拌を維持する。
- 最低15分間撹拌を維持し、乾燥チャンバーに移す。
- 溶液は目で見て、より粘稠であるように見えるだろう。
- 乾燥(凍結乾燥または真空乾燥)は以下のように行うことができる。
- フリーズドライ(表1参照)
- 真空乾燥:
製品温度を25℃に設定する。
チャンバー内を真空にする。
完全真空(即ち、10mBar未満)になったら24時間乾燥する。
乾燥後、高剪断固体分離機を用いて乾燥製品を粒子状にサイズ減少することができる。
【0146】
実施例7
変性緑豆タンパク質にカプセル化されたプロバイオティクスを含むマイクロビーズ-シングルノズル押出
- 実施例3に従って調製したdMBPを用いて、dMBPの懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス/単純炭水化物を加える(これにより変性タンパク質溶液に荷電が付与され、プロバイオティクスに適合するマトリックスが形成される)。
- エアポケットの発生を防ぐため、穏やかに攪拌しながら室温で2時間水和する。
- 実施例4の水和プロバイオティクス懸濁液をdMBP溶液に加え、RTで撹拌する。
- プロバイオティクス懸濁液をタンパク質に9:1または18:1(タンパク質:プロバイオティクスの比)で加える。
- タンパク質-プロバイオティクス懸濁液を400~450RPMで10分間撹拌する。
【0147】
硬化浴の調製
- クエン酸カルシウム緩衝液0.1Mを調製し、pHを5.2に調整する(範囲は5.2~6.1)。界面活性剤として0.05%ポリソルベート20%を加える。
- 代替の硬化浴は、塩化カルシウム緩衝液0.1Mで、pHを4.8に調整する(範囲は4.3~5.0)。界面活性剤として0.05%ポリソルベート20%を加える。
- 代替硬化浴は、0.05%キトサンカルシウム(キレート剤)および0.05%ポリソルベート20%(界面活性剤)を含むクエン酸カルシウム緩衝液0.1Mである。
- プロバイオティクスが完全に水和したら、タンパク質-プロバイオティクス溶液を室温でシングルノズル押出機により押出し、カルシウム硬化浴で重合させる。
- 重合は室温のカルシウム緩衝液浴中で起こる。
- マイクロカプセルを集め、pH6.1の中和溶液で洗浄する(乾燥中のマイクロカプセルの固着を防止し、収率を最適化する)。
- マイクロカプセルを関連する乾燥チャンバーに充填する。
- 乾燥は以下のように行うことができる。
〇 48時間の凍結乾燥(表1参照)
〇 流動床乾燥:37℃、4~6時間
〇 真空乾燥:10mBar未満、37℃で最低24~48時間
【0148】
実施例8
変性植物タンパク質にカプセル化されたプロバイオティクスを含むマイクロビーズ-シングルノズル押出し
- 実施例1に従って調製した変性植物タンパク質を用いて、変性タンパク質の懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化前のタンパク質溶液に2%~4%の単純炭水化物を加える(これにより変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスが形成される)。
- エアポケットの発生を防ぐため、穏やかに攪拌しながら室温で2時間水和する。
- 変性タンパク質水溶液の水和プロバイオティクス懸濁液を加え、RTで攪拌する。
- プロバイオティクス懸濁液をタンパク質に9:1または18:1(タンパク質:プロバイオティクスの比)で加える。
- タンパク質-プロバイオティクス懸濁液を400~450RPMで10分間撹拌する。
【0149】
硬化浴の調製
- クエン酸カルシウム緩衝液0.1Mを調製し、pHを5.2(範囲は5.2~6.1)に調整する。界面活性剤として0.05%ポリソルベート20%を加える。
- カルシウムカチオン緩衝液0.1MでpHを4.8(範囲は4.3~5.0)に調整する。界面活性剤として0.05%ポリソルベート20%を加える。
- 代替硬化浴は、0.05%キトサンカルシウム(キレート剤)および0.05%ポリソルベート20%(界面活性剤)を含むクエン酸カルシウム緩衝液0.1Mである。
- プロバイオティクスが完全に水和したら、タンパク質-プロバイオティクス溶液を室温でシングルノズル押出機で押し出し、カルシウム硬化浴で重合させる。
- 重合は室温のカルシウム緩衝液浴中で起こる。
- マイクロカプセルを集め、pH6.1の中和溶液で洗浄する。
- マイクロカプセルを関連する乾燥チャンバーに充填する。
- 乾燥は以下のように行うことができる:
〇 48時間の凍結乾燥(表1参照)
〇 流動床乾燥:37℃、4~6時間
〇 真空乾燥:10mBar未満、37℃で24~48時間
【0150】
実施例9
変性緑豆タンパク質にカプセル化されたプロバイオティクスを含むマイクロビーズ-二重(同心)ノズル押出し
- 実施例3に従って調製したdMBPを用い、dMBPの懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス/単純炭水化物を加える(これにより変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスが形成される)。
- エアポケットの発生を防ぐため、穏やかに攪拌しながら室温で2時間水和する。
〇 実施例7に従ってカルシウム浴を調製する。
- dMBP/グルシデックス懸濁液は外側ノズルから、プロバイオティクス懸濁液は内側ノズルから押し出される。
- 重合は室温のカルシウム緩衝液浴中で起こる。
- マイクロカプセルを集め、pH6.1の中和溶液で洗浄する。
- マイクロカプセルを関連する乾燥チャンバーに装填する。
- 乾燥は以下のように行うことができる。
〇 48時間の凍結乾燥(表1参照)
〇 流動床乾燥:37℃、4~6時間
〇 真空乾燥:10mBar未満、37℃で24~48時間
【0151】
実施例10
変性植物タンパク質にカプセル化されたプロバイオティクスを含むマイクロビーズ-二重(同心)ノズル押出し
- 実施例1と同様に調製した変性植物タンパク質を用いて、dPPの懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化前のタンパク質溶液に、2%~4%のグルシデックス/単純炭水化物を加える(これにより変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスが形成される)。
- エアポケットの発生を防ぐため、穏やかに攪拌しながら室温で2時間水和する。
〇 実施例7に従ってカルシウム浴を調製する。
- dPP/グルシデックス懸濁液は外側ノズルから、プロバイオティクス懸濁液は内側ノズルから押し出す。
- 重合は室温のカルシウム緩衝液浴中で起こる。
- マイクロカプセルを集め、pH6.1の中和溶液で洗浄する。
- マイクロカプセルを関連する乾燥チャンバーに充填する。
- 乾燥は以下のように行うことができる。
〇 48時間の凍結乾燥(表1参照)
〇 流動床乾燥:37℃、4~6時間
〇 真空乾燥:10mBar未満、37℃で24~48時間
【0152】
実施例11
変性エンドウ豆タンパク質dPPIを用いたプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料を調製し、チャンバーに充填する(タンパク質、プロバイオティクス、単純糖)
- 変性タンパク質懸濁液を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力を2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローを適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を50%に減らす。
- マルトデキストリン(15%w/v溶液)を使用してスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を25%に減らす。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングプロセスを再度開始し、変性タンパク質と単純炭水化物溶液(マルトデキストリン)を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0153】
実施例12
変性エンドウ豆タンパク質dPPIとカルシウムカチオン架橋剤を用いたプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス、単純糖)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力を2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローを適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップで水分を50%に減らす。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用したスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングを再度開始し、変性タンパク質とカルシウム架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0154】
実施例13
変性エンドウ豆タンパク質、高オレイン酸ココナッツオイル、カルシウムカチオン架橋剤を使用したプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス、単純糖)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性エンドウ豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動させる。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力は2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップで水分を50%に減らす。
- 高オレイン酸ココナッツオイルを使ったスプレーエングロービングプロセスを再開する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用したスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
-変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングプロセスを再度開始し、変性タンパク質とカルシウムまたはマグネシウムカチオン架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0155】
実施例14
変性緑豆タンパク質とカルシウムカチオン架橋剤を用いたプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス、単純糖)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性緑豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力を2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して、水分を50%に減らす。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用して、スプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングを再度開始し、変性タンパク質とカルシウムまたはマグネシウムカチオン架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0156】
実施例15
変性緑豆タンパク質、高オレイン酸ヒマワリ油、カルシウムカチオン架橋剤を用いたプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス、単純糖)を調製し、チャンバーに導入する。
- 変性緑豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性植物タンパク質を使用したスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力は2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を50%に減らす。
- 高オレイン酸ヒマワリ油を使用したスプレーエングロービングプロセスを再開する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用したスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングを再度開始し、変性タンパク質とカルシウムまたはマグネシウムカチオン架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0157】
実施例16
変性緑豆タンパク質、高オレイン酸ココナッツオイル、カルシウムカチオン架橋剤を使用したプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス、単純糖)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性緑豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力は2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を50%に減らす。
- 高オレイン酸ココナッツオイルを使ったスプレーエングロービングプロセスを再開する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 高オレイン酸ヒマワリ油を使用したスプレーエングロービングプロセスを再開する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用したスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングを再度開始し、変性タンパク質とカルシウムカチオン架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0158】
実施例17
変性エンドウ豆タンパク質、高オレイン酸ココナッツオイルを使用したプロバイオティクスプレーエングローブビング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性緑豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力は2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を50%に減らす。
- 高オレイン酸ココナッツオイルを使ったスプレーエングロービングプロセスを再開する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 単純炭水化物(マルトデキストリン)を使用したスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングプロセスを再度開始し、変性タンパク質と単純炭水化物溶液を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル実施する。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
【0159】
実施例18
最適化されたコーティング層を有する、変性緑豆タンパク質とカルシウムカチオン架橋剤を用いたプロバイオティックスプレーエングロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性緑豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 上方からの噴霧による流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力は2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を50%に減らす。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用して、スプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングプロセスを再度開始し、変性タンパク質とマグネシウムカチオン架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
- 変性緑豆タンパク質を使用したボトムスプレーエングロービングを開始する。
- 2Barを超えるノズル圧力を使用する。
- スプレーエングロービング中は、アクセラレーターの空気圧を1.5Bar超に保つ。
- 気流を平衡に保つ(約90~170m/時間)。
- 製品温度を37~45℃に保つ。
- 45~55℃で断続的な後乾燥を適用する。
- 水分含量25%低減を達成するために、カルシウム架橋スプレーエングロビングステップとその後の断続乾燥を少なくとも2サイクル実施する。
- 最終的な水分含量が5%未満になるように、最終的なポストドライのステップを行う。
【0160】
実施例19
最適化されたコーティング層を有する、変性エンドウ豆タンパク質、高オレイン酸ココナッツオイル、カルシウムカチオン架橋剤を使用したプロバイオティックスプレーグロービング
- 乾燥材料(タンパク質、プロバイオティクス)を調製し、チャンバーに充填する。
- 変性緑豆タンパク質懸濁液とカルシウムカチオン架橋剤を調製する。
- 上方からの噴霧による流動化プロセスを開始し、加熱を開始する(35~45℃)。
- 設定空気入口温度で、110~300m/時間の空気流で流動化する。
- 製品温度が平衡化したら、変性タンパク質を用いてスプレーエングロービングプロセスを開始する。
- ノズル圧力は2~4.5Barの間で維持し、ノズル圧力のエアフローは適宜調整するべきである。
- 中間乾燥ステップを適用して水分を50%に減らす。
- 高オレイン酸ココナッツオイルを使ったスプレーエングロービングプロセスを再開する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 塩化カルシウム(0.2~0.4M)を使用したスプレーエングロービングプロセスを再度開始する。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 変性タンパク質を用いたスプレーエングロービングプロセスを再度開始し、変性タンパク質とマグネシウムカチオン架橋剤を用いたスプレーエングロービングを2~3サイクル行う。
- 最終水分含量を5%未満にするために、最終的な後乾燥ステップを実施する。
- 変性タンパク質を用いてボトムスプレーを開始する。
- 2Barを超えるノズル圧力を使用する。
- スプレーエングロービング中は、アクセラレーターの空気圧を1.5Bar超に保つ。
- 気流を平衡に保つ(約90~170m/時間)。
- 製品温度を37~45℃に保つ。
- 45~55℃で断続的な後乾燥を適用する。
- 高オレイン酸ココナッツオイルを使ったスプレーエングローブプロセスを施す。
- 水分を25%に減らすため、中間乾燥ステップを行う。
- 水分含量25%低減を達成するために、カルシウム架橋スプレーエングロービングステップとその後の断続的乾燥を少なくとも2サイクル実施する。
- 最終的な水分含量を5%未満にするため、最終的なポストドライを行う。
【0161】
実施例20
変性PPI(dPPI)にカプセル化されたプロバイオティクスを含むマイクロビーズ-シングルノズル押出し
- 実施例1に従って調製したdPPIを用いて、dPPIの懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス/単純炭水化物を加える(これにより変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスが形成される)。
- エアポケットの発生を防ぐため、穏やかに攪拌しながら室温で2時間水和する。
- 実施例2の水和プロバイオティクス懸濁液をdPPI溶液に加え、これをRTで撹拌する。
- プロバイオティクス懸濁液をタンパク質に9:1または18:1(タンパク質:プロバイオティクスの比)で加える。
- タンパク質-プロバイオティクス懸濁液を400~450RPMで10分間撹拌する。
【0162】
硬化浴の調製
- クエン酸カルシウム緩衝液0.1Mを調製し、pHを5.2(範囲は5.2~6.1)に調整する。界面活性剤として0.05(w/w)%のポリソルベート20%を加える。
- 代替の硬化浴は塩化カルシウム緩衝液0.1Mで、pHを4.8に調整する(範囲は4.3~5.0)。界面活性剤として0.05%ポリソルベート20%を加える。
- 代替硬化浴は、0.05%キトサンカルシウム(キレート剤)および0.05%(w/aw)ポリソルベート20%(界面活性剤)を含むクエン酸カルシウム緩衝液0.1Mである。
- プロバイオティクスが完全に水和したら、タンパク質-プロバイオティクス溶液を室温でシングルノズル押出機で押出し、カルシウム硬化浴で重合する。
- 重合は室温のカルシウム緩衝液浴中で起こる。
- マイクロカプセルを集め、pH6.1の中和溶液で洗浄する。
- マイクロカプセルを関連する乾燥チャンバーに充填する。
- 乾燥は以下のように行うことができる。
〇 48時間の凍結乾燥(表1参照)
〇 流動床乾燥:37℃、4~6時間
〇 真空乾燥:10mBar未満、37℃で24~48時間
【0163】
実施例21
変性PPIにカプセル化されたプロバイオティクスを含むマイクロビーズ-二重(同心)ノズル押出し
- 実施例1と同様に調製したdPPIを用いて、dPPIの懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス/単純炭水化物を加える(これにより変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスが形成される)。
- エアポケットの発生を防ぐため、穏やかに攪拌しながら室温で2時間水和する。
〇 実施例7に従ってカルシウム浴を調製する。
- dPPI/グルシデックス懸濁液は外側ノズルから、プロバイオティクス懸濁液は内側ノズルから押し出される。
- 重合は室温のカルシウム緩衝液浴中で起こる。
- マイクロカプセルを集め、pH6.1の中和溶液で洗浄する。
- マイクロカプセルを関連する乾燥チャンバーに充填する。
- 乾燥は以下のように行うことができる。
〇 48時間の凍結乾燥(表1参照)
〇 流動床乾燥:37℃、4~6時間
〇 真空乾燥:10mBar未満、37℃で24~48時間
【0164】
実施例22
変性PPI中のプロバイオティクス、生物活性物質のスプレーエングロービングプロセス
- 実施例1と同様に調製したdPPIを用い、dPPIの懸濁液を調製し、250RPM、RTで撹拌する。
- カプセル化の前に、タンパク質溶液に2%のグルシデックス/グルコース/単純炭水化物を加える(これは変性タンパク質溶液に荷電を付与し、プロバイオティクスに適合するマトリックスを作る)。
- 室温で2時間、エアポケットを作らないように穏やかに攪拌しながら水和する。
- 流動床チャンバーに乾燥エンドウ豆タンパク質粉末(ネイティブ粉末、水分約2%)を加える。
- 37℃、高気流で流動化させる
- プロバイオティクス培養物を5:1または10:1の割合で粉末に加える。
- 15クエン酸カルシウムまたは塩化カルシウムをチャンバーに加え、流動化する。
- 10%グルシデックス溶液を大流量(20~30RPM)、高気流(>150RPM)、低ノズル圧(<1.5bar)で材料にスプレーし、凝集を促進する。
- ココナッツオイル/ヒマワリ油/高オレイン酸オイルを、低流量(18~22RPM)、高気流(150RPM以上)、高ノズル圧(2.5bar以上)で粉末に噴霧する。
- dPPI-グルシデックス溶液を、高流量(25~30RPM)、高気流(>150RPM)、高ノズル圧(>2.5bar)でチャンバー内に噴霧する。
- Aw<0.15になるように後乾燥する。
【0165】
同等品
前述の説明は、本発明の現在好ましい実施形態を詳細に説明するものである。これらの説明を考慮することにより、当業者には、その実施において多数の修正および変形が生じることが予想される。それらの修正および変形は、本明細書に添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
【国際調査報告】