(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】内蔵型冷却装置を有する高出力ファイバアレイアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/24 20060101AFI20250123BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20250123BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G02B6/24
G02B6/02 421
G02B6/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545233
(86)(22)【出願日】2023-02-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 IB2023051589
(87)【国際公開番号】W WO2023161800
(87)【国際公開日】2023-08-31
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】デヴィンダー パル シン サイニ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド エドワード ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ケネス デュアン キャントレル
(72)【発明者】
【氏名】レイン マイケル ラフォレット
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036KA02
2H036LA03
2H036LA05
2H036LA07
2H036LA08
2H137AA13
2H137AB15
2H137BA15
2H137BC16
2H137BC71
2H137CA15E
2H137CA25E
2H137CA74
2H137CA78
2H137CC01
2H137CC11
2H137DB01
2H137DB11
2H137DB14
2H137HA01
2H137HA05
2H250AC19
2H250AC25
(57)【要約】
【解決手段】高出力用途のための光ファイバアレイアセンブリは、支持構造体と、光ファイバアレイと、複数のエンドキャップと、流体導管装置と、を含む。光ファイバアレイは、支持構造体を通って延在しており、共通の長手方向に延在する複数の光ファイバを有する。複数のエンドキャップは、エンドキャップの各々が、光ファイバのうちの1つの端部分に取り付けられるように配置されている。流体導管装置は、支持構造体を通って延在する1つ以上の導管を有する。1つ以上の導管は、エンドキャップから後方反射して支持構造体に進入する光エネルギーから生じる熱を除去するために、中の流体の流れを支持するように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高出力用途のための光ファイバアレイアセンブリであって、
支持構造体と、
該支持構造体を通って延在しており、共通の長手方向に延在する複数の光ファイバを有する光ファイバアレイと、
複数のエンドキャップであって、該エンドキャップの各々が前記光ファイバのうちの1つの端部分に取り付けられるように配置されている、複数のエンドキャップと、
前記支持構造体を通って延在する1つ以上の導管を有する流体導管装置と、を備え、前記1つ以上の導管が、前記エンドキャップから後方反射して前記支持構造体に進入する光エネルギーから生じる熱を除去するために、中の流体の流れを支持するように構成されている、光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項2】
前記1つ以上の導管が、前記支持構造体内に形成された少なくとも1つのチャネルを含む、請求項1に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項3】
前記1つ以上の導管が、前記支持構造体を通って延在する少なくとも1つのチューブを含む、請求項1に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項4】
前記支持構造体が、後方反射した光エネルギーを受け取るように位置決めされた空隙を含み、前記1つ以上の導管が、前記光ファイバアレイ内の複数の光ファイバを横断して延在し、それによって、前記空隙を画定する側壁を通って支持構造体に進入する光及び/又は熱としての後方反射した光エネルギーを受け取る第1の導管セグメントを有する第1の導管を含む、請求項1に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の導管セグメントが、前記光ファイバアレイの第1の側において複数の光ファイバを横断して延在しており、前記光ファイバアレイの第1の側とは反対側の前記光ファイバの第2の側において複数の光ファイバを横断して延在する第2の導管セグメントを有する第2の導管を更に備える、請求項4に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項6】
前記第1及び第2の導管が各々、それぞれ、中を通って流体が出入りする入口及び出口を有する、請求項5に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項7】
前記空隙の側壁が、後方反射した光エネルギーを吸収する吸収コーティングを有する、請求項4に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項8】
前記支持構造体が、後方反射した光エネルギーを透過し、前記1つ以上の導管内を流れる流体が、後方反射した光エネルギーを吸収する吸収ダイを含む、請求項1に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項9】
前記エンドキャップから後方反射してエンドキャップの円周方向側壁から支持構造体に進入する光エネルギーを除去するために、複数のエンドキャップを横断して延在する第3の導管セグメントを更に備える、請求項4に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項10】
後方反射した光エネルギーを吸収する吸収ダイを内部に有する、流体を含有する閉ループ導管を更に備え、該閉ループ導管は、該閉ループ導管によって吸収された熱が支持構造体を通って前記第1の導管に流れるように、径方向において前記第1の導管よりも光ファイバの近くに位置する、請求項4に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項11】
前記支持構造体は、前記光ファイバアレイが間に位置する状態で、互いに嵌合する上部及び下部支持構造体を含み、該上部及び下部支持構造体は各々、該上部及び下部支持構造体が互いに嵌合しているときに空隙を画定する対応するノッチを含む、請求項1に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【請求項12】
前記1つ以上の導管が、それぞれ、前記上部及び下部支持構造体内に延在する第1及び第2の導管を含み、該第1及び第2の導管は、前記上部及び下部支持構造体が接触する嵌合面の周りに、互いに対して対称に配置されている、請求項11に記載の光ファイバアレイアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年2月25日に出願された米国特許仮出願第63/313,998号の利益を主張するものであり、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
レーザ切断及び溶接、付加製造、指向性エネルギー兵器などのような複数の用途のための、光ファイバアレイを介して送達される高光出力に対する需要は増え続けている。これらのシステムにおいて伝送される光は高出力であるため、光ファイバアセンブリには、様々な光学素子及び迷光エネルギーからの反射とともに、熱の蓄積が存在する。光ファイバアレイが効率的に機能し、かつ損傷しないように、この熱を低減し放散させる必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で説明する主題の一態様によれば、高出力用途のための光ファイバアレイアセンブリは、支持構造体と、光ファイバアレイと、複数のエンドキャップと、流体導管装置と、を含む。光ファイバアレイは、支持構造体を通って延在しており、共通の長手方向に延在する複数の光ファイバを有する。複数のエンドキャップは、エンドキャップの各々が、光ファイバのうちの1つの端部分に取り付けられるように配置されている。流体導管装置は、支持構造体を通って延在する1つ以上の導管を有する。1つ以上の導管は、エンドキャップから後方反射して支持構造体に進入する光エネルギーから生じる熱を除去するために、中の流体の流れを支持するように構成されている。
【0004】
別の特定の実施形態では、1つ以上の導管は、支持構造体内に形成された少なくとも1つのチャネルを含む。
【0005】
更に別の特定の実施形態では、1つ以上の導管は、支持構造体を通って延在する少なくとも1つのチューブを含む。
【0006】
別の特定の実施形態では、支持構造体は、後方反射した光エネルギーを受け取るように位置決めされた空隙を含む。1つ以上の導管は、光ファイバアレイ内の複数の光ファイバを横断して延在し、それによって、空隙を画定する側壁を通って支持構造体に進入する光及び/又は熱として後方反射した光エネルギーを受け取る第1の導管セグメントを有する第1の導管を含む。
【0007】
別の特定の実施形態では、第1の導管セグメントは、光ファイバアレイの第1の側において複数の光ファイバを横断して延在しており、アレイアセンブリは、光ファイバアレイの第1の側とは反対側の光ファイバの第2の側において複数の光ファイバを横断して延在する第2の導管セグメントを有する第2の導管を更に含む。
【0008】
別の特定の実施形態では、第1及び第2の導管は各々、それぞれ、中を通って流体が出入りする入口及び出口を有する。
【0009】
別の特定の実施形態では、空隙の側壁は、後方反射した光エネルギーを吸収する吸収コーティングを有する。
【0010】
別の特定の実施形態では、支持構造体は、後方反射した光エネルギーを透過し、1つ以上の導管内を流れる流体は、後方反射した光エネルギーを吸収する吸収ダイを含む。
【0011】
別の特定の実施形態では、光ファイバアレイアセンブリは、エンドキャップから後方反射してエンドキャップの円周方向側壁から支持構造体に進入する光エネルギーを除去するために、複数のエンドキャップを横断して延在する第3の導管セグメントを更に含む。
【0012】
別の特定の実施形態では、光ファイバアレイアセンブリは、後方反射した光エネルギーを吸収する、内部に吸収ダイを有する、流体を含有する閉ループ導管を更に含む。閉ループ導管は、閉ループ導管によって吸収された熱が支持構造体を通って第1の導管に流れるように、径方向において第1の導管よりも光ファイバの近くに位置する。
【0013】
別の特定の実施形態では、支持構造体は、光ファイバアレイが間に位置する状態で、互いに嵌合する上部及び下部支持構造体を含み、上部及び下部支持構造体は各々、上部及び下部支持構造体が互いに嵌合しているときに空隙を画定する対応するノッチを含む。
【0014】
別の特定の実施形態では、1つ以上の導管は、それぞれ、上部及び下部支持構造体内に延在する第1及び第2の導管を含む。第1及び第2の導管は、上部及び下部支持構造体が接触する嵌合面の周りに、互いに対して対称に配置されている。
【0015】
この「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」において下で更に説明される様々な概念を簡略化された形態で紹介するために提供されている。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものでもなければ、特許請求される主題の範囲を決定することを支援するものとして使用することを意図するものでもない。更に、特許請求される主題は、本開示の任意の部分において述べられる任意の又は全ての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】高出力ファイバアレイアセンブリの一例の概略分解斜視図である。
【
図2】
図1に示されるファイバアレイアセンブリの前面である。
【
図3】高出力ファイバアレイアセンブリに採用された光ファイバのうちの1つ及び取り囲むエンドキャップ内を伝播する光エネルギーの概略図である。
【
図4】熱による悪影響を軽減するために、
図1に示される高出力ファイバアレイアセンブリに組み込まれ得る冷却チャネルの一実施形態の異なる図である。
【
図5】熱による悪影響を軽減するために、
図1に示される高出力ファイバアレイアセンブリに組み込まれ得る冷却チャネルの一実施形態の異なる図である。
【
図6】熱による悪影響を軽減するために、
図1に示される高出力ファイバアレイアセンブリに組み込まれ得る冷却チャネルの一実施形態の異なる図である。
【
図7】エンドキャップを保冷するために1つ以上の追加の冷却チャネルがファイバエンドキャップの上方及び/又は下方に位置する、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【
図8】エンドキャップを保冷するために1つ以上の追加の冷却チャネルがファイバエンドキャップの上方及び/又は下方に位置する、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【
図9】エンドキャップを保冷するために1つ以上の追加の冷却チャネルがファイバエンドキャップの上方及び/又は下方に位置する、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【
図10】下部及び上部冷却チャネルが各々、それと関連付けられた閉ループ冷却チャネルを有する、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【
図11】下部及び上部冷却チャネルが各々、それと関連付けられた閉ループ冷却チャネルを有する、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【
図12】冷却導管が、支持構造体を通って延在するチューブから形成されている、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【
図13】冷却導管が、支持構造体を通って延在するチューブから形成されている、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態の異なる図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、高出力が採用された結果として蓄積し得る熱を除去するためにチャネル又はチューブなどの冷却導管が組み込まれ得る、高出力ファイバアレイアセンブリの一例の概略分解斜視図を示す。光ファイバ1のアレイは、下部支持構造体3aと上部支持構造体3bとの間に固定され、これらの支持構造体は、嵌合されると、一緒になって支持構造体3を画定する。ファイバエンドキャップ2は、光ファイバ1の端部分に取り付けられており、そこから、光ファイバ1内を伝播する光が出る。エネルギー密度が高くなり過ぎると、ファイバの端面が損傷し得、ひいては、アレイの故障を生じさせ得る。この損傷は、ガラス-空気界面において発生する。光ファイバ端面に融合させることができるファイバエンドキャップ2は、光が出るためのより大きい領域を可能にすることによってこの損傷を軽減し、ガラス-空気界面におけるエネルギー密度の低減をもたらし、ひいては、光ファイバ1に生じる損傷を低減又は排除する。
図2は、ファイバエンドキャップ2が下部支持構造体3aと上部支持構造体3bとの間で可視である、ファイバアレイアセンブリの前面を示す。
図1及び
図2、並びにそれに続く図では、同じ要素が同じ参照番号で表されていることに留意されたい。
【0018】
光ファイバ1は、概して、互いに平行に配置されて、下部支持構造体3aに沿って長手方向に延在する。下部支持構造体3aは、光ファイバ1の各々が横断する長手方向に幅を有するノッチ30aを含む。ノッチ30aは、隆起部31及び33の側壁によって画定される。対応するノッチ30bは、上部支持構造体3bに位置する。
【0019】
ファイバエンドキャップ2は、隆起部31によって支持されており、内部に画定されたV溝内に位置し得る。同様に、光ファイバ1は、隆起部32及び33によって支持され得る。いくつかの場合では、エンドキャップ2及び光ファイバ1を支持構造体に固定するために、エポキシなどの好適な接着剤が使用され得る。光ファイバ1は、概して、ファイバジャケットによって取り囲まれ、
図1に見られるように、光ファイバ1がノッチ30aの幅を横断する場所を含む領域ではファイバジャケットが除去されていることに留意されたい。
【0020】
上部支持構造体3b及び下部支持構造体3aは、広範囲にわたる異なる材料から形成することができる。例解的な例としては、高出力ファイバアレイアセンブリにおいて使用される光の動作波長を透過し得るガラス、並びに金属及び金属合金、などが挙げられ得る。
【0021】
図3は、光ファイバ1のうちの1つの発光端部を取り囲むファイバエンドキャップ2をより詳細に示す。示されるように、光20は、光ファイバ1からエンドキャップ2の中へ伝播し、光ファイバ1内を伝播する光と比較してより広い領域にわたって広がる光21としてエンドキャップ2から出る。また、ファイバエンドキャップ2を通して後方反射する光22も示されている。後方反射した光22は、エンドキャップ2の外周に沿った様々な点、並びに光ファイバ1がエンドキャップ2と接触する入射面において、光23としてファイバエンドキャップ2から出る。この光は、支持構造体によって吸収され熱に変換されることができ、この熱は、次いでファイバアレイアセンブリ内に収容される。しかしながら、出力が増加すると、ファイバアセンブリがより高温になり、ファイバアレイアセンブリを構築するために使用されたエポキシなどの、ファイバアレイアセンブリの様々な構成要素の故障をもたらす。エポキシは、光学系の端面に到達し得る粒子からガスを放出し、更なる故障をもたらし得る。
【0022】
図4、
図5、及び
図6は、熱による悪影響を軽減するために
図1に示される高出力ファイバアレイアセンブリに組み込まれ得る冷却チャネルの一実施形態を示す。
図4は、光ファイバ1が、ページの中へ延在する水平面に配置されている側面図である。
図5及び
図6は、それぞれ、上部支持構造体3bを有しないファイバアレイアセンブリの斜視図、及び上部支持構造体3bを所定の位置に有するファイバアレイアセンブリの斜視図である。示されるように、下部冷却チャネル4aは、下部支持構造体3a内に形成されており、上部冷却チャネル4bは、上部支持構造体3b内に形成されている。下部冷却チャネル4aは、それぞれ、中を通って冷却流体(例えば、蒸留水又はより高い熱容量を有する他のものなどの液体、窒素などのガスなど)が下部冷却チャネル4aを出入りする入口及び出口チャネルセグメントを有する。この例では、入口及び出口チャネルセグメントは、光ファイバ1に大きく平行して延在する。横チャネルセグメントは、入口及び出口チャネルセグメントと流体連通しており、光ファイバ1のアレイを横断して、ノッチ30aの側壁に平行に延在する。すなわち、入口及び出口チャネルセグメント及び横チャネルセグメントは、連続したチャネルを形成し、横チャネルセグメントは、ノッチ30bの側壁に平行に延在する。
図4及び
図6に示される例では、上部冷却チャネル4bは、上部冷却チャネルに対して対称の様式で配置されているが、これは必須ではない。更に、いくつかの実施形態では、下部冷却チャネル4a及び上部冷却チャネル4bのうちの一方だけが採用され得る。
【0023】
図4の側面図で最も良く分かるように、ファイバエンドキャップ2から光ファイバ1に向かって逆に放散する反射光23は、上部ノッチ30b及び下部ノッチ30aによって画定された空隙に進入し、次いで、上部及び下部支持構造体内に画定されたノッチ30b及び30aの側壁によって、光及び熱エネルギー8として吸収される。横チャネルセグメントは、空隙に実用的にできるだけ近づけて支持構造体に位置し、それによって、構造的完全性を維持する。このようにして、横チャネルセグメントは、空隙を横断した後に支持構造体に進入する光及び/又は熱8を吸収することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、ファイバエンドキャップ2から後方反射された光を吸収するために、吸収性材料が上部ノッチ30a及び下部ノッチ30bの側壁にコーティングされ得る。代替的な一実施形態では、支持構造体が、光ファイバ内の光エネルギーを透過するガラスなどの材料から形成されている場合、冷却導管の冷却流体は、支持構造体に進入する反射光を吸収するための吸収ダイを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、冷却チャネル4a及び4bは、アレイ内の光ファイバの数及びサイズ、並びにそれらを通して伝送される出力の量を含む、様々な要因に依存して、わずか1ミリメートル~数ミリメートルの範囲である直径を有し得る。概して、冷却チャネルの直径は、光ファイバの直径よりも大きく、いくつかの典型的な高出力用途では、数百ミクロン~1ミリメートル超の範囲であり得る。冷却チャネルは、フェムト秒レーザを使用するレーザエッチングなどの任意の好適な技法によって、又は支持構造体を形成するために使用され得る3D印刷技術によって形成され得る。
【0026】
図7~
図9は、エンドキャップ2を保冷するために1つ以上の追加の冷却チャネルがファイバエンドキャップ2の上方及び/又は下方に位置付する、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態を示す。追加の冷却チャネルは、ファイバエンドキャップ2の外周から出る光及び熱13を受け取ることによって、ファイバエンドキャップ2を冷却することができる。
図7は、光ファイバ1が、ページの中へ延在する水平面に配置される側面図である。
図8及び
図9は、上部支持構造体3bを所定の位置に有しない、ファイバアレイアセンブリの2つの異なる斜視図である。この実施形態では、前方の下部冷却チャネル11a及び上部冷却チャネル11bは、それぞれ、エンドキャップ2の下方及び上方に延在する横断セグメントを有する。この実施形態では、前方の下部冷却チャネル11a及び上部冷却チャネル11bは、下部冷却チャネル4a及び上部冷却チャネル4bの分岐として形成されている。代替的な一実施形態では、前方の下部冷却チャネル11a及び上部冷却チャネル11bは、下部冷却チャネル4a及び上部冷却チャネル4bから独立しており、したがって、それらを通って流れる流体の別々の量を有する。
【0027】
図10~
図11は、下部冷却チャネル4a及び上部冷却チャネル4bが、各々、それと関連付けられた閉ループ冷却チャネルを有する、高出力ファイバアレイアセンブリの更に別の実施形態を示す。
図10は側面図を示し、
図11は分解斜視図を示す。示されるように、下部冷却チャネル4aは、下部閉ループ冷却チャネル16aと関連付けられており、上部冷却チャネル4bは、上部閉ループ冷却チャネル16bと関連付けられている。下部閉ループ冷却チャネル16a及び上部閉ループ冷却チャネル16bは、径方向において下部冷却チャネル4a及び上部冷却チャネル4bよりも光ファイバ2の近くに位置し、それによって、ファイバエンドキャップ2から後方反射された光によって生じるエネルギーをより良好に受け取る。透過型支持構造体を採用しているこれらの実施形態では、下部閉ループ冷却チャネル16a及び上部閉ループ冷却チャネル16bは、支持構造体3に進入して閉ループチャネルの流体を加熱する光をより良好に吸収するための吸収ダイを含むことができる。
図10で矢印18が示すように、下部閉ループ冷却チャネル16a及び上部閉ループ冷却チャネル16bからの熱は、それぞれ、下部冷却チャネル4a及び上部冷却チャネル4bへと流れ、中を流れる流体によってファイバアレイアセンブリから熱が除去される。
【0028】
図12及び
図13は、冷却導管が、支持構造体3を通って延在するチューブ17a及び17bから形成されている、高出力ファイバアレイアセンブリの別の実施形態を示す。
図12は側面図であり、
図13は分解斜視図である。示されるように、チューブ17a及び17bは、下部支持構造体3a及び上部支持構造体3b内に形成されたノッチ30a及び30bによって画定された空隙を通って延在する。示される例では、チューブ17bは、光ファイバアレイの上方の空隙に延在し、チューブ17aは、光ファイバアレイの下方の空隙に延在する。
【0029】
上で説明した例解的な実施形態の様々な特徴は、当業者に事象であろう異なる実施形態において組み合わされ得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、高出力ファイバアレイアセンブリは、チャネル及びチューブから形成された冷却導管を組み込み得る。別の例として、いくつかの実施形態では、閉ループ冷却チャネルは、上部又は下部支持構造体のうちの一方にだけ位置し得、上部又は下部支持構造体の他方は、エンドキャップを保冷するために前方冷却チャネルを含み得る。より一般的には、描画される実施形態に示される導管の数及び導管の特定の構成は、例解のみを目的として提示されたものであり、エンドキャップから後方反射して支持構造体に進入する光エネルギーにから生じる熱を除去するために組み込まれ得る導管装置のタイプ又は種類を限定するものではない。
【0030】
上述の説明は、説明の目的のために、特定の実施形態を参照しながら説明されている。しかしながら、例解的な実施形態は、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、実施形態及びその実用的な用途の原理を最も良く説明し、それによって、他の当業者が、想到される特定の使用に好適であり得る実施形態及び様々な修正例を最も良く利用することを可能にするために選択及び説明された。したがって、本実施形態は、例解的なものであって限定的なものではないとみなされるべきであり、本発明は、本明細書に与えられる詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内及び均等の範囲内で修正され得る。
【国際調査報告】