(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】高調波磁界駆動型モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 21/22 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
H02K21/22 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545264
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2022117668
(87)【国際公開番号】W WO2023168920
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】202210211414.3
(32)【優先日】2022-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524045297
【氏名又は名称】寧波恒帥股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO HENGSHUAI CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 399 Tongning Road, Jiangbei Industrial Zone, Ningbo, Zhejiang 315032, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 建民
(72)【発明者】
【氏名】許 恒帥
(72)【発明者】
【氏名】賀 海亮
(72)【発明者】
【氏名】劉 培海
【テーマコード(参考)】
5H621
【Fターム(参考)】
5H621AA00
5H621BB10
5H621GA16
(57)【要約】
高調波磁界駆動型モータであって、A.固定子積層に若干の歯溝が設置され、溝数がZであることと、B.固定子の円周上の360°機械空間において、固定子巻線が設定された接続法則に従ってm相に分けられることと、C.巻線付きの固定子アセンブリが独立して自由空間に置かれ、いずれか1相の巻線に直流定電流が通電され、固定子の円周上の360°機械空間に形成された相巻線磁界の極対数がPmであることと、D.各相の巻線に含まれるコイル群の個数がk=n×Pmであり、n=1、2、3…であることと、E.回転子永久磁石が円周方向にN極及びS極の順序に応じて順次配列され、回転子の円周に沿う360°機械空間に形成された回転子永久磁石の極対数がPrであることと、F.固定子及び回転子の円周上の360°機械空間における組み合わせ空間内にモータエアギャップが形成されることと、を含み、前記高調波磁界駆動型モータの回転子永久磁石の極対数PrはPr=Z±Pmを満足しなければならず、ただし、高調波磁界駆動型モータの固定子溝数がZ=m×kであり、2層巻線を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高調波磁界駆動型モータであって、
A、固定子積層に若干の歯溝が設置され、溝数がZであることと、
B、固定子の円周上の360°機械空間において、固定子巻線が設定された接続法則に従ってm相に分けられることと、
C、巻線付きの固定子アセンブリが独立して自由空間に置かれ、いずれか1相の巻線に直流定電流が通電され、固定子の円周上の360°機械空間に形成された相巻線磁界の極対数がPmであることと、
D、各相の巻線に含まれるコイル群の個数がk=n×Pmであり、n=1、2、3…であることと、
E、回転子永久磁石が円周方向にN極及びS極の順序に応じて順次配列され、回転子の円周に沿う360°機械空間に形成された回転子永久磁石の極対数がPrであることと、
F、固定子及び回転子の円周上の360°機械空間における組み合わせ空間内にモータエアギャップが形成されることと、を含み、
前記高調波磁界駆動型モータの回転子永久磁石の極対数PrはPr=Z±Pmを満足しなければならず、ただし、高調波磁界駆動型モータの固定子溝数ZがZ=m×kであり、2層巻線を用いることを特徴とする高調波磁界駆動型モータ。
【請求項2】
前記固定子積層の溝数がZ=15であり、回転子永久磁石の極対数がPr=10であり、各相のコイル群の極対数がPm=5であり、各相のコイル群の数がk=5であることを特徴とする請求項1に記載の高調波磁界駆動型モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの技術分野に関し、特に高調波磁界駆動型モータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータは電気エネルギーを回転機械エネルギーに変換する装置として、人々がよりよい生活を追求する不可欠及び代替不可能なコアデバイスとなっている。永久磁石モータは体積が小さくて、効率がより高いといった利点を有するため、各業種に広く応用されており、特に、希土類永久磁石材料は磁気エネルギー積が高いという顕著な利点を有するため、直流ブラシレスモータ(以下にBLDCと略称される)及び永久磁石同期モータ(以下にPMSMと略称される)の分野に広く応用されて、モータの主な発展方向及び傾向を牽引している。希土類永久磁石材料が再生不可能な資源に属するため、どのように材料の利用率を十分に向上させるかは世界中の各国が研究している重要な課題となっている。従って、従来のモータに比べて、出力電力が同じ条件下でモータの体積を減少させることができる高調波磁界駆動型モータを設計する必要性が大きくなってきており、これはモータの重量も同期して減少することを意味し、モータ材料の使用コスト、特に希土類永久磁石材料のコストを大きく節約することができ、製品の競争上の優位性を大幅に向上させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上記従来技術の欠陥に対して、体積を減少させて電力密度を向上させることができる高調波磁界駆動型モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が上記問題を解決するために用いた技術案は以下のとおりである。高調波磁界駆動型モータであって、回転子アセンブリ、固定子アセンブリ、制御モジュール及びワイヤハーネスを備え、前記ワイヤハーネスが溶接により制御モジュールに接続され、制御モジュールが位置決め柱及び弾性固定係止部材により前記固定子アセンブリに固定され、ワイヤハーネスが固定子アセンブリに設置された径方向孔を通って軸方向孔から引き出され、固定子アセンブリに設置された柱状軸受が回転子アセンブリに対して支持及び位置決め作用を果たし、高調波磁界駆動型モータに通電されると、回転子アセンブリが円周方向に沿って回転するのであり、主な構造は、
A.固定子積層に若干の歯溝が設置され、溝数がZであることと、
B.固定子の円周上の360°機械空間において、固定子巻線が設定された接続法則に従ってm相に分けられることと、
C.巻線付きの固定子アセンブリが独立して自由空間に置かれ(モータの組み立てを行わない)、いずれか1相の巻線に直流定電流が通電され、固定子の円周上の360°機械空間に形成された相巻線磁界の極対数がPmであることと、
D.各相の巻線に含まれるコイル群の個数がk=n×Pm(n=1、2、3…)であることと、
E.回転子永久磁石が円周方向にN極及びS極の順序に応じて順次配列され、回転子の円周に沿う360°機械空間に形成された回転子永久磁石の極対数がPrであることと、
F.固定子及び回転子の円周上の360°機械空間における組み合わせ空間内にモータエアギャップが形成されることと、を含むように説明される。
【0005】
本発明の実施例は、固定子溝数がZ=15であり、回転子永久磁石の極対数がPr=10であり、各相のコイル群の極対数がPm=5であり、各相のコイル群の数がk=5であるように設計される。
【0006】
より具体的に、本発明に係る高調波磁界駆動型モータを更に説明すれば、
高調波磁界駆動型モータの原理は、A.BLDC制御又はPMSM制御とされるかにかかわらず、モータの回転子が回転する必要条件は固定子巻線のモータエアギャップに発生した磁界の極対数が回転子永久磁石の極対数に等しいことであることと、B.固定子巻線に通電されると、モータエアギャップに基本波起磁力が発生し、固定子歯溝の磁気作用によってエアギャップ空間に沿って一連の高調波磁界が分布していることと、C.特定のエアギャップ高調波磁界の極対数が永久磁石回転子の極対数Prに等しい場合、安定した電磁トルクを出力することとなることと、を含む。
【0007】
高調波磁界駆動型モータの原理を満足するために、以下の条件A~Cに合わなければならない。
A.高調波磁界駆動型モータの回転子の磁極対数PrはZ±Pm=Prを満足しなければならず、具体的に、
2)モータ磁界の閉回路において、主に強磁性物質とモータエアギャップとにより閉路を形成するため、モータアンペールの回路の法則はH(δ)×L(δ)+H(強磁性)×L(強磁性)=W×I=Fに示され、強磁性物質中のH(強磁性)が小さくて約ゼロに等しくてもよいため、H(δ)×L(δ)=W×I=Fであることと、
3)磁気誘導強度Bと磁界強度Hとの関係はB=μ×Hであり、ただし、μが相対透磁率であることと、
4)それゆえ、F=WI=B(δ)×L(δ)/μ0であり、ただし、μ0が空気の相対透磁率であることと、
6)起磁力Fのモータエアギャップにおける空間分布が矩形波であり、フーリエ級数に基づいて、
F(α)=(2/π)×F×[sin(Pm×α)+(1/3)×sin(3×Pm×α)+…+(1/n)×sin(n×Pm×α)]に示されてもよく、
ただし、n=1、2、3...であり、αがエアギャップの円周方向に沿う機械空間角度を示し、以上から分かるように、起磁力の基本波振幅が最も大きく、基本波起磁力の表現式は、
F1(α)=(2/π)×F×sin(Pm×α)=(2×WI/π)×sin(Pm×α)であることと、
B(α)=Bm0×sin(Pm×α)+(Bm1/2)×sin[(Z+Pm)×α]+(Bm1/2)×sin[(Z-Pm)×α]を取得し、
上記式から分かるように、固定子相巻線への通電により発生した基本波起磁力は、
a.極対数がPmの基本波起磁力磁界であって、該磁界の性質が固定子に溝を開けずに形成した磁界に相当するもの、
b.極対数が(Z+Pm)の歯高調波磁気磁界であって、該磁界の性質が基本波起磁力が固定子歯溝により変調されてから形成した磁界に相当するもの、
c.極対数が(Z-Pm)の歯高調波磁気磁界であって、該磁界の性質が基本波起磁力が固定子歯溝により変調されてから形成した磁界に相当するもの、の3種類の磁界をモータエアギャップにおいて発生させることができることと、
9)高調波磁界駆動型モータの回転子の磁極対数Prの選択については、
a.モータ動作の基本原理に基づいて、回転子の磁極対数が固定子コイルにより形成された磁極対数に等しい場合のみ、モータが安定した電磁トルクを出力することとなり、
b.上記原理に基づいて、高調波磁界駆動型モータの回転子の磁極対数PrがZ+Pm=Pr又はZ-Pm=Prを満足しなければならないことと、を含むように説明される。
【0008】
B.高調波磁界駆動型モータの固定子溝数Zの選択はZ=m×kであり、具体的に、
各コイル群に2つの素子縁部があり、各固定子溝が2層巻線であり、上下層を用い又は左右両側に2つの素子縁部が置かれ、これは固定子溝数がコイル群の総数に等しいことを意味するように説明される。
各相の巻線にk個のコイル群が含まれ、モータがm相に分けられ、そうすると、モータの固定子溝数ZはZ=m×kを満足する必要があり、2層巻線を用いる。
【0009】
C.高調波磁界駆動型モータの各相のコイル群の個数kと各相のコイル群により形成された磁極対数Pmとの関係はk=n×Pmであり、ただし、n=1、2、3…であり、具体的に以下のように説明される。
電磁界の原理から分かるように、1つのコイル群が1つのみの対極磁界を形成することができるため、コイル群の個数k≧コイル群磁極の極対数Pmである。モータエアギャップの円周上の360°機械空間において、エアギャップの磁界振幅が対称である原則を考慮して、1つの対極を形成するコイル群の個数が1、2、3…であってもよく、2つの対極を形成するコイル群の個数が2、4、6…であってもよく、3つの対極を形成するコイル群の個数が3、6、9…であってもよく、Pm個の対極を形成するコイル群の個数がk=n×Pmであり、ただし、n=1、2、3…である。
【0010】
原理・条件に基づいて、3相(m=3)巻線構造を用いる場合、高調波磁界駆動型モータの固定子溝数/回転子永久磁石の極対数/各相のコイル群の数の組合せは下記表に示される。
【0011】
高調波磁界駆動型モータの制御方式については、BLDC制御方式及びPMSM制御方式が応用され、BLDCが方形波電圧(電流)駆動方式であり、PMSMが正弦波電圧(電流)駆動方式である。
【0012】
高調波磁界駆動型モータの電力体積密度を向上させる原理については、
A.永久磁石モータの基本評価指標は、モータは回転機械装置として不可欠に振動ノイズが発生するが、モータコギングトルクの脈動がモータの振動ノイズを引き起こす重要な根本原因であるため、モータは電力体積密度(ワット/リットル)を極限に追求するとともに、コギングトルクの脈動を低減して、モータの振動ノイズが合理的な範囲内にあるように確保しなければならず、このように電力体積密度を向上させることこそが実際の意味を持っている、ということであり、
B.永久磁石モータの電力体積密度を向上させる主な手段は、a.モータの磁気回路を最適化し、これは向上効果が限られたことと、b.磁気エネルギー積が一層高い永久磁石材料を選択し、これは製造コストが著しく上昇することを引き起こしてしまうことと、c.モータの固定子と回転子との間のエアギャップ値を減少させ、このようにすれば、基本的にエアギャップの磁界振幅がエアギャップ値に反比例し、従って向上効果が顕著であることと、を含み、
C.モータエアギャップ値がモータコギングトルクの脈動に与えた悪影響を軽減し、即ち、コギングトルクの振幅がエアギャップの磁界振幅の2乗に正比例するため、モータエアギャップ値を減少させれば、モータコギングトルクの脈動が著しく増加して、モータの振動ノイズも著しく増加してしまい、
D.モータコギングトルクの脈動振幅を低減する有効な方法については、
a.一定のモータエアギャップ値を維持する条件下で、理論研究から明らかになることは、モータコギングトルクの脈動を低減する有効な方法はモータコギングトルクの変動サイクル数(回転子が一回り回転する場合にコギングトルクが変動するサイクル個数)を増加させることであり、変動サイクル数が固定子溝数と回転子極数との最小公倍数に等しく、
b.高調波磁界駆動型モータ及び従来のモータの同じ固定子溝数の条件下での変動サイクル数の比較は下記表に示される。
【0013】
【0014】
上記表の比較結果から分かるように、固定子溝数が同じである場合、高調波磁界駆動型モータは従来の永久磁石モータに比べて、高調波磁界駆動型モータのコギングトルクの変動サイクル数の増加傾向が明らかである。
【0015】
好ましくは、前記回転子積層に内弧面、アリ溝の左斜面及びアリ溝の右斜面を設置することによりそれぞれ永久磁石に設置された外弧面、左斜面及び右斜面と係合して永久磁石の径方向及び円周方向における位置決めを行い、それにより永久磁石の位置決め精度を向上させることで高調波磁界駆動型モータの動作安定性を確保する。
【0016】
好ましくは、前記固定子アセンブリのモータ軸に径方向孔及び軸方向孔が設置されることにより、ワイヤハーネスが径方向孔を通って軸方向孔から通過することを容易にし、それによりワイヤハーネスの引き出しが実現される。
【0017】
好ましくは、前記固定子アセンブリに弾性固定係止部材及び位置決め柱が設置されることにより、制御モジュールの位置決め精度を向上させてその固定をより堅固且つ確実にすることができる。
【0018】
選択肢として、前記回転子アセンブリの永久磁石及びケーシングは表面実装方式で接続されるように設計され、回転子積層及びアリ溝の構造を用いて位置決めを行うことなく、永久磁石の接着過程において補助工具を用いて位置決めを行うことにより、永久磁石に対する同等の位置決め効果を果たすことができ、これも実現可能である。
【0019】
選択肢として、前記永久磁石は加工過程の利便性を考慮して、1本の永久磁石を多段構造に分割し、本特許における高調波磁界駆動型モータの性能及び効果に影響を与えることがない。
【0020】
選択肢として、前記高調波磁界駆動型モータは異なる用途に応じて、外固定子/内回転子の構造に設計され、これは同様に本発明の実施例における外回転子/内固定子の構造と同等の性能及び効果を実現することができる。
【0021】
選択肢として、前記高調波磁界駆動型モータは外固定子/内回転子の構造に設計され、前記回転子アセンブリの永久磁石接着方式が表面実装方式又は表面埋め込み方式を用いてもよく、これは同様に同等の性能及び効果を実現することができる。
【0022】
選択肢として、前記高調波磁界駆動型モータは外固定子/内回転子の構造に設計され、PMSM制御方式を用い、前記回転子アセンブリの永久磁石が内部埋め込み方式を用いてもよく、これは同様に同等の性能及び効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
従来技術に比べて、本発明の利点は、高調波磁界駆動型モータは設定された固定子溝数と回転子永久磁石極数との組合せによりコギングトルクの変動サイクル数を大幅に増加させており、高調波磁界駆動型モータのエアギャップ値を縮小するとともに、高調波磁界駆動型モータのコギングトルクの変動振幅を維持又は低減することができ、設定された固定子線巻き方式によって固定子に発生した高調波磁界の極対数を回転子永久磁石の極対数に等しくして、安定した電磁トルク出力を形成しており、比較的小さな高調波磁界駆動型モータのエアギャップ設計を用いて、エアギャップの磁界強度を大幅に向上させ、高調波磁界駆動型モータの出力電力を正比例して向上させ、高調波磁界駆動型モータの電力体積密度も正比例して同期向上することにある。従来のモータに比べて、出力電力が同じ条件下で、高調波磁界駆動型モータの体積が1倍以上減少し、これは高調波磁界駆動型モータの重量も1倍以上減少することを意味し、モータ材料の使用コスト特に希土類永久磁石材料のコストを大きく節約することができ、製品の市場における競争上の優位性を大幅に向上させる。該高調波磁界駆動型モータの構造は、従来のBLDC及びPMSMモータの制御モジュールに適合することができ、制御の面でより高い汎用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は本発明の実施例に係る高調波磁界駆動型モータの斜視図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例に係る高調波磁界駆動型モータの分解模式図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例に係る高調波磁界駆動型モータの構造模式図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例に係る回転子アセンブリの分解模式図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例に係る永久磁石の斜視図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例に係る固定子アセンブリの分解模式図である。
【
図10】
図10は本発明の実施例に係るモータ軸の断面図である。
【
図11】
図11は本発明の別の実施例に係る高調波磁界駆動型モータの回転子の外部から見た構造模式図である。
【
図12】
図12は本発明の更に別の実施例に係る高調波磁界駆動型モータの回転子の内部から見た構造模式図である。
【
図13】
図13は本発明の更なる実施例に係る高調波磁界駆動型モータの回転子の内部から見た構造模式図である。
【
図14】
図14は本発明の更なる実施例に係る高調波磁界駆動型モータの回転子の内部から見た構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら実施例によって本発明を更に説明する。
【0026】
図1、
図2に示すように、高調波磁界駆動型モータであって、回転子アセンブリ1、固定子アセンブリ2、制御モジュール3及びワイヤハーネス4を備える。高調波磁界駆動型モータは通電動作時に回転子アセンブリ1の回転によりトルクの出力を行い、それにより電気エネルギーから機械エネルギーへの変換を実現する。
【0027】
図3~
図10に示すように、前記回転子アセンブリ1はケーシング11、回転子積層12及び永久磁石13からなる。
【0028】
前記回転子積層12は接着剤でケーシング11の内円面に接着される。
【0029】
前記回転子積層12は内円に20枚の永久磁石(10個の対極)が均一に設置される。
【0030】
上記回転子積層12に内弧面1201、アリ溝の左斜面1202及びアリ溝の右斜面1203を設置することによりそれぞれ永久磁石13に設置された外弧面1301、左斜面1302及び右斜面1303に係合して永久磁石13の径方向及び円周方向における位置決めを行い、且つそれらをN極及びS極が交互に配列されるように回転子積層12のアリ溝内に接着剤で接着し、それにより高調波磁界駆動型モータの動作安定性を向上させる。
【0031】
前記固定子アセンブリ2の積層は外円に15個の歯溝が均一に設置され、各相のコイル群の極対数が5であり、各相のコイル群の数が5である。
【0032】
前記各コイル群に2つの素子縁部があり、各固定子溝が2層巻線を用いるように設計され、上下層を用い又は左右両側に2つの素子縁部が置かれ、固定子溝数がコイル群の総数に等しい。
【0033】
前記固定子アセンブリ2の積層の外円と回転子アセンブリ1の永久磁石13とが高調波磁界駆動型モータのエアギャップLを形成する。
【0034】
前記ワイヤハーネス4が溶接により前記制御モジュール3に接続される。
【0035】
前記固定子アセンブリ2に弾性固定係止部材212及び位置決め柱213を設置することにより制御モジュール3を位置決め及び固定し、それにより制御モジュール3の固定をより堅固且つ確実にする。
【0036】
前記固定子アセンブリ2のモータ軸211に径方向孔2111及び軸方向孔2112が設置され、それによりワイヤハーネス4が径方向孔2111を通って軸方向孔2112から通過することを容易にし、これにより、ワイヤハーネス4の引き出しが実現される。
【0037】
前記固定子アセンブリ2に設置された柱状軸受23、28は前記回転子アセンブリ1のケーシング11内に固定され、且つ回転子アセンブリ1に対して支持及び位置決め作用を果たし、高調波磁界駆動型モータは通電動作時に回転子アセンブリが円周方向に回転することができる。
【0038】
前記固定子アセンブリ2にストップリング25、26を設置することによりそれぞれ柱状軸受23、28を固定し、それにより回転子アセンブリ1に対する軸方向制限を実現し、設置された耐摩耗性ガスケット24、27が摩擦力を減少させる役割を果たす。
【0039】
図11に示すように、前記回転子アセンブリの永久磁石N、S及びケーシング111は表面実装方式で接続されるように設計され、回転子積層のアリ溝を用いて位置決めすることなく、永久磁石に対する同等の位置決め効果を果たすことができる。
【0040】
図12及び
図13に示すように、前記高調波磁界駆動型モータは外固定子/内回転子の構造に設計され、前記回転子アセンブリの永久磁石N、Sの接着方式が表面実装方式又は表面埋め込み方式で回転子積層222に接続され、これは同等の性能及び効果を実現することができる。
【0041】
図14に示すように、前記高調波磁界駆動型モータは外固定子/内回転子の構造に設計され、PMSM制御方式を用い、前記回転子アセンブリの永久磁石N、Sが内部埋め込み方式を用いてもよく、これは同様に同等の性能及び効果を果たすことができる。
【国際調査報告】