IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エントゥイック インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-503303関節痛治療器及びその治療器の駆動方法
<>
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図1
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図2
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図3
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図4
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図5
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図6
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図7
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図8
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図9
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図10
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図11
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図12
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図13
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図14
  • 特表-関節痛治療器及びその治療器の駆動方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】関節痛治療器及びその治療器の駆動方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 2/04 20060101AFI20250123BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20250123BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20250123BHJP
   A61N 5/06 20060101ALI20250123BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A61N2/04
A61N1/36
A61N5/067
A61N5/06 A
A61F7/00 320Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545268
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2022001554
(87)【国際公開番号】W WO2023146003
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0012381
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523288466
【氏名又は名称】エントゥイック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENTWICK INC.
【住所又は居所原語表記】B-912,357,Guseong-ro,Giheung-gu Yongin-si Gyeonggi-do 16914,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェ ジュン
【テーマコード(参考)】
4C053
4C082
4C099
4C106
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ24
4C053JJ33
4C053JJ34
4C082PA01
4C082PC08
4C082PE10
4C082PG16
4C082PJ11
4C082PL01
4C082PL10
4C082RA10
4C082RC09
4C082RE21
4C082RL02
4C099CA07
4C099CA09
4C099GA30
4C099JA01
4C099NA20
4C099TA01
4C099TA02
4C106BB25
4C106CC03
4C106EE03
4C106EE04
4C106EE15
4C106FF02
(57)【要約】
関節痛治療器及びその治療器の駆動方法に関し、関節痛治療器は、使用者の身体関節に着用する関節痛治療器であって、身体関節の細胞を活性化するために動作し、身体関節に磁場を発生させ、磁場の極性を変更する脈動電磁気発生部、身体関節の炎症を減少させるために動作し、指定された波長の光を身体関節に発生させ、光の明るさを変更する低準位レーザー発生部、身体関節の筋肉収縮及び弛緩を誘導するために動作し、身体関節の筋肉に電流を印加する電気筋肉刺激発生部、身体関節の部位に血液の流れを発生させるために身体関節の周辺筋肉に温熱を発生させる温熱発生部、及び使用者の命令にしたがって脈動電磁気発生部、低準位レーザー発生部、電気筋肉刺激発生部及び温熱発生部を制御する制御部を含むことができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体関節に着用する関節痛治療器であって、
前記身体関節の細胞を活性化するために前記身体関節に磁場を発生させ、磁場の極性を変更する脈動電磁気発生部200;
前記身体関節の炎症を減少させるために指定された波長の光を前記身体関節に発生させ、前記光の明るさを変更する低準位レーザー発生部300;
前記身体関節の筋肉収縮及び弛緩を誘導するために前記身体関節の筋肉に電流を印加する電気筋肉刺激発生部400;
前記身体関節の部位に血液の流れを発生させるために前記身体関節の周辺筋肉に温熱を発生させる温熱発生部500;及び、
使用者の命令にしたがって前記脈動電磁気発生部200、前記低準位レーザー発生部300、前記電気筋肉刺激発生部400及び前記温熱発生部500を制御する制御部100;を含む
ことを特徴とする関節痛治療器。
【請求項2】
前記脈動電磁気発生部200は、コイル電磁石210が対(pair)形態で構成される電磁石ユニット201を含み、
前記電磁石ユニット201は、前記コイル電磁石210の斥力と引力を作用させて磁力を基準値を超過する遠距離の指定距離まで伝達する
請求項1に記載の関節痛治療器。
【請求項3】
前記コイル電磁石210は、
円筒フレームに巻かれるコイル捲線212;
前記コイル捲線212の中央に位置し、前記コイル捲線212に印加される電流によって発生される磁場を指定方向に伝達する対の形態の強磁性体コア213;
前記強磁性体コア213の一側に備えられ、前記強磁性体コア213から伝達される磁力を前記遠距離の指定距離まで伝達する強磁性体の一側プレート220;及び
前記強磁性体コア213の他側に備えられ、対の形態の強磁性体コア213を互いに連結して前記一側プレート220の磁力を増加させる強磁性体の他側プレート221;を含む
請求項2に記載の関節痛治療器。
【請求項4】
前記一側プレート220は、前記対の形態の強磁性体コア213の一側にそれぞれ連結される第1プレート及び第2プレートを含み、前記第1プレート及び前記第2プレートは指定間隔を置いて互いに分離して構成される
請求項3に記載の関節痛治療器。
【請求項5】
前記他側プレート221は、前記対の形態の強磁性体コア213の他側を連結し、前記一側プレート220に対面して一つのプレートで構成される
請求項4に記載の関節痛治療器。
【請求項6】
前記脈動電磁気発生部200は、指定周波数及び振幅を持つパルス信号の周波数を変調して前記磁力を前記遠距離の指定距離まで伝達する
請求項2に記載の関節痛治療器。
【請求項7】
前記脈動電磁気発生部200は、少なくとも2個の電磁石ユニット201を含み、2個の電磁石ユニット201でそれぞれ斥力を発生させて前記磁力を前記遠距離の指定距離まで伝達する
請求項2に記載の関節痛治療器。
【請求項8】
前記低準位レーザー発生部300は、前記光が使用者の視野に露出されることを防止する伝導性ガイド303を含む
請求項1に記載の関節痛治療器。
【請求項9】
前記低準位レーザー発生部300は、波長が相異なる第1波長の光を照射する第1光照射部、第2波長の光を照射する第2光照射部及び第3波長の光を照射する第3光照射部を含み、前記第1光照射部、前記第2光照射部及び前記第3光照射部を同一パルス信号で動作させ、前記身体関節の深部まで光を浸透させる時、前記パルス信号の周波数を変調する
請求項8に記載の関節痛治療器。
【請求項10】
使用者の身体関節に着用する関節痛治療器の駆動方法であって、
脈動電磁気発生部200が、前記身体関節の細胞を活性化するために前記身体関節に磁場を発生させ、磁場の極性を変更する段階;
低準位レーザー発生部300が、前記身体関節の炎症を減少させるために指定された波長の光を前記身体関節に発生させ、前記光の明るさを変更する段階;
電気筋肉刺激発生部400が、前記身体関節の筋肉収縮及び弛緩を誘導するために前記身体関節の筋肉に電流を印加する段階;
温熱発生部500が、前記身体関節の部位に血液の流れを発生するために前記身体関節の周辺筋肉に温熱を発生させる段階;及び、
制御部100が、使用者の命令にしたがって前記脈動電磁気発生部200、前記低準位レーザー発生部300、前記電気筋肉刺激発生部400及び前記温熱発生部500を制御する段階;を含む
ことを特徴とする関節痛治療器の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節痛治療器及びその治療器の駆動方法に関し、より詳しくは、コイル型脈動電磁気発生部を適用して、小さいサイズで骨の中の深い関節炎症部まで磁力を伝達し、パルス制御方式によって低準位レーザーを制御して深部への浸透力を増大すると同時に、電気筋肉刺激発生部と温熱発生部を適用して関節周辺の筋肉疲れ度の改善及び筋肉強度を高めて関節痛を治療するための複合機能を提供する関節痛治療器及びその治療器の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関節は、骨と骨の間がスムーズに運動できるように、軟骨、関節包、滑膜、靭帯、筋、筋肉などで構成されており、動きによって発生する衝撃を吸収する役目をする。特に、骨が触れ合う部分の軟骨が触れて薄くなると、骨の摩擦力が増加して炎症と痛みが生じ、これを関節炎という。このような関節炎を治療するために多様な機器が公開されている。
【0003】
従来は超音波を活用した関節炎治療法及び装置が公開されたことがある。200~800mW/cmの超音波を発生させて100~400mW/cmの低強度超音波エネルギーを肌の深い所の軟骨細胞まで印加するように構成された退行性関節炎の治療または予防用超音波装置である。しかし、このような装置は超音波振動が骨のような剛性物質とぶつかると、強度が低くなって骨と骨の間の軟骨細胞までその刺激が伝達されない問題がある。
【0004】
また、従来には脈動電磁場を活用した関節炎治療法及び複合電磁気治療装置が公開されたことがある。脈動電磁場(PEMF:Pulsed Electro‐Magnetic Field)は、脈動電磁場を患部に印加して細胞の再生を助ける治療法であって、1979年不正癒合と係る骨折治癒に対してアメリカ食品医薬品局の承認以後、広く利用されている。しかし、これはルーフワイヤ方式の電線を形成し、周波数形態の電流を印加するので、十分な磁力を発現するためには、比較的大きいサイズのルーフ電線と高電圧、高電流が必要で、治療機器のサイズが大きくなる問題がある。
【0005】
さらに、従来には低準位レーザーを活用した関節炎治療法及び低出力レーザー関節治療器も公開されたことがある。低準位レーザー(LLL:Low Level Laser)治療法は600~950nmの赤外線を患部に照射して細胞の新陳代謝増大及び炎症緩和効果を利用することであるが、光という特性上、反射と散乱が発生して深部への浸透力が低い。特に、骨のような不透明材質を透過できない問題がある。
【0006】
最後に、従来には電気筋肉刺激療法を活用した治療法及び低周波関節治療器が公開されたことがある。電気筋肉刺激療法(EMS:Electrical muscle stimulation)は関節炎の治療法というよりは低周波電流を筋肉に直接伝えて筋肉の収縮・弛緩を通じた筋肉強化及びマッサージ機能で広く利用されているが、低周波EMS治療機器は筋肉を刺激してマッサージする機能が主な機能であって、関節炎症を緩和できない問題がある。
【0007】
従来の技術を再度整理すれば、既存の関節炎治療機器の場合、深部にある関節炎症を治療するのに限界がある。上記のように超音波を利用する治療器の場合、超音波振動が骨によって相殺され、軟骨に発生する深部炎症部まで到逹するのに限界があり、既存のPEMFは脈動電磁場を利用するため、骨のような剛性材質と関係なく深部への浸透力があるが、磁力を発生するためのルーフワイヤ方式の電線を活用するので、治療機器が大きくて高電圧、高電流が必要な短所があり、低準位レーザー(LLL)治療法は、炎症緩和の効果があるが、光の特性によって反射と散乱による消滅現象が発生して関節の深部まで侵透できない短所があり、電気筋肉刺激療法(EMS)を利用した治療法の場合も実質的な炎症緩和効果はなく、関節周辺の筋肉を強化する機能がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施例は、コイル型脈動電磁気発生部を適用して小さいサイズで骨の中の深い関節炎症部まで磁力(あるいは磁場)を伝達し、パルス制御方式によって低準位レーザーを制御して深部への浸透力を増大すると同時に、電気筋肉刺激発生部と温熱発生部を適用して関節周辺の筋肉疲れ度の改善及び筋肉強度を高めて関節痛の治療のための複合機能を提供する関節痛治療器及びその治療器の駆動方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例による関節痛治療器は、使用者の身体関節に着用する関節痛治療器であって、前記身体関節の細胞を活性化するために前記身体関節に磁場を発生させ、磁場の極性を変更する脈動電磁気発生部、前記身体関節の炎症を減少させるために指定された波長の光を前記身体関節に発生させ、前記光の明るさを変更する低準位レーザー発生部、前記身体関節の筋肉収縮及び弛緩を誘導するために前記身体関節の筋肉に電流を印加する電気筋肉刺激発生部、前記身体関節の部位に血液の流れを発生させるため(あるいは、スムーズにするため)、前記身体関節の周辺筋肉に温熱を発生させる温熱発生部、及び使用者の命令にしたがって前記脈動電磁気発生部、前記低準位レーザー発生部、前記電気筋肉刺激発生部及び前記温熱発生部を制御する制御部を含む。
【0010】
前記脈動電磁気発生部は、コイル電磁石が対(pair)の形態で構成される電磁石ユニットを含み、前記電磁石ユニットは前記コイル電磁石の斥力と引力を作用させて磁力を基準値を超過する遠距離の指定距離まで伝達することができる。
【0011】
前記コイル電磁石は、円筒フレームに巻かれるコイル捲線、前記コイル捲線の中央に位置して前記コイル捲線に印加される電流によって発生する磁場を指定方向に伝達する対の形態の強磁性体コア、前記強磁性体コアの一側に備えられて前記強磁性体コアから伝達される磁力を前記遠距離の指定距離まで伝達する強磁性体の一側プレート、及び前記強磁性体コアの他側に備えられて対の形態の強磁性体コアを互いに連結して前記一側プレートの磁力を増加させる強磁性体の他側プレートを含むことができる。
【0012】
前記一側プレートは、前記対の形態の強磁性体コアの一側にそれぞれ連結される第1プレート及び第2プレートを含み、前記第1プレート及び前記第2プレートは指定間隔を置いて互いに分離して構成されることができる。
【0013】
前記他側プレートは、前記対の形態の強磁性体コアの他側を連結して前記一側プレートに対面して一つのプレートで構成されることができる。
【0014】
前記脈動電磁気発生部は、前記磁力を前記遠距離の指定距離まで伝達するために指定周波数及び振幅を持つパルス信号の周波数を変調することができる。
【0015】
前記脈動電磁気発生部は、少なくとも2個の電磁石ユニットを含み、2個の電磁石ユニットでそれぞれ斥力を発生させて前記磁力を前記遠距離の指定距離まで伝達することができる。
【0016】
前記低準位レーザー発生部は、前記光が使用者の視野に露出されることを防止する伝導性ガイドを含むことができる。
【0017】
前記低準位レーザー発生部は、波長が相異なる第1波長の光を照射する第1光照射部、第2波長の光を照射する第2光照射部及び第3波長の光を照射する第3光照射部を含み、前記第1光照射部、前記第2光照射部及び前記第3光照射部を同一パルス信号で動作させ、前記身体関節の深部まで光を浸透させる時、前記パルス信号の周波数を変調することができる。
【0018】
また、本発明の実施例による関節痛治療器の駆動方法は、使用者の身体関節に着用する関節痛治療器の駆動方法であって、脈動電磁気発生部が、前記身体関節の細胞を活性化するために前記身体関節に磁場を発生させ、磁場の極性を変更する段階、低準位レーザー発生部が、前記身体関節の炎症を減少させるために指定された波長の光を前記身体関節に発生させ、前記光の明るさを変更する段階、電気筋肉刺激発生部が、前記身体関節の筋肉収縮及び弛緩を誘導するために前記身体関節の筋肉に電流を印加する段階、温熱発生部が、前記身体関節の部位に血液の流れを発生させるために前記身体関節の周辺筋肉に温熱を発生させる段階、及び制御部が、使用者の命令にしたがって前記脈動電磁気発生部、前記低準位レーザー発生部、前記電気筋肉刺激発生部及び前記温熱発生部を制御する段階を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例によれば、身体関節部位の関節細胞を活性化して関節炎症を減少させ、磁力の深部への浸透力を増大させると同時に、関節周辺の筋肉疲れ度の改善及び筋肉強度を高めて関節痛症治療を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例による関節痛治療器の細部構造を例示したブロックダイアグラムである。
図2図1の各構成要素の細部構造を例示したブロックダイアグラムである。
図3】本発明の実施例による左側膝関節の適用平面図である。
図4】左側膝関節の適用側面図である。
図5】左側膝関節の適用背面図(A‐A方向ビュー)である。
図6図2の電磁石ユニットの斜視図である。
図7図2の電磁石ユニットの断面図である。
図8図2の電磁石ユニットの磁力流れ例示図である。
図9図2のメディカルLEDユニットの正面(B‐B方向ビュー)及び断面図である。
図10図2の電磁石ユニットに印加される交流信号図である。
図11】本発明の実施例によるH‐ブリッジ回路ロジッグ図である。
図12図2の電磁石ユニットの斥力発生による磁力伝達CAEイメージである。
図13図2の電磁石ユニットの引力発生による磁力伝達CAEイメージである。
図14図2のメディカルLEDユニットに印加されるパルス信号をそれぞれ示す図面である。
図15図1の関節痛治療器の駆動過程を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に開示されている本発明の概念による実施例について特定の構造的または機能的説明は、単に本発明の概念による実施例を説明するための目的で例示されたものであって、本発明の概念による実施例は多様な形態で実施されることができ、本明細書に説明された実施例に限定されない。
【0022】
本発明の概念による実施例は多様な変更を加えることができ、様々な形態を持つことができるので、実施例を図面に例示して本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明の概念による実施例を特定の開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、または代替物を含む。
【0023】
第1または第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使われてもよいが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに、例えば、本発明の概念による権利範囲から離脱されないまま、第1構成要素は第2構成要素と命名されることができ、類似に第2構成要素は第1構成要素とも命名されることができる。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり「接続されて」いると言及された時は、その他の構成要素に直接的に連結されていたり、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在するとも理解される。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いたり「直接接続されて」いると言及された時は、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。構成要素との関係を説明する他の表現、すなわち「~の間に」と「すぐ~の間に」または「~に隣合う」と「~に直接隣合う」なども同様に解釈される。
【0025】
本明細書で使った用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたもので、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに違うように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「持つ」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しない。
【0026】
別に断りのない限り、技術的や科学的な用語を含んで、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一な意味を持つ。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を持つと解釈されるべきであり、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味で解釈されない。
【0027】
図面において、層及び領域の厚さは、明確性を期するために誇張されたものである。層が他の層または基板「上」にあると言及されるか、または層が他の層または基板と結合または接着されると言及される場合、それは他の層または基板上に直接形成されることができるか、またはそれらの間に第3の層が介在されることもできる。明細書全体にわたって同一な参照対号で表示された部分は、同一な構成要素を意味する。
【0028】
上端、下端、上面、下面、前面、後面、または上部、下部などの用語は、構成要素において相対的な位置を区別するために使われるものである。例えば、便宜上、図面上の上方を上部、図面上の下方を下部と命名する場合、実際には本発明の権利範囲を脱せずに上部は下部と命名されることができ、下部は上部と命名されることができる。また、図面の構成要素は必ず縮尺によって描かれたものではなく、例えば、本発明の理解を助けるために図面の一部の構成要素の大きさは他の構成要素に比べて誇張されることがある。
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施例について詳しく説明する。
【0030】
図1は本発明の実施例による関節痛治療器の細部構造を例示したブロックダイアグラムで、図2図1の各構成要素の細部構造を例示したブロックダイアグラムである。
【0031】
図1に示されたように、本発明の実施例による関節痛治療器10は、制御部100、脈動電磁気発生部200、低準位レーザー発生部300、電気筋肉刺激発生部400及び温熱発生部500の一部または全部を含む。
【0032】
ここで、「一部または全部を含む」とは、温熱発生部500のような一部の構成要素が省略されて関節痛治療器(以下、治療器)10が構成されたり、脈動電磁気発生部200のような一部の構成要素が制御部100のような他の構成要素に統合されて構成されることができることなどを意味し、本発明の十分な理解を助けるために全部含むものとして説明する。
【0033】
制御部100は、脈動電磁気発生部200、低準位レーザー発生部300、電気筋肉刺激発生部400及び温熱発生部500の全般的な制御動作を担当する。脈動電磁気発生部200、低準位レーザー発生部300、電気筋肉刺激発生部400及び温熱発生部500は各治療モジュールに該当するので、制御部100は、たとえば、使用者の命令がある時、これに基づいて各構成要素を制御する。制御部100は図2に示されたように、MCU101、サウンド発生ユニット102、使用者ボタンユニット103、ディスプレイユニット104、入出力(In/Out)ポート(あるいは、第1入出力ポート)105、電源管理集積回路ユニット(あるいは、電源管理ユニット)106、コンバータユニット107、バッテリーユニット108、無線通信ユニット109、そしてアンテナユニット110の一部または全部を含み、ここで「一部または全部を含む」とは、上述の意味と変わらない。ユニット(unit)は装置または部(part)と命名されることもでき、入出力ポート105はイン/アウトポートと命名されることができる。また「部」は複数の回路を含む意味で使われることができる。
【0034】
より具体的に、制御部100は、治療器10の全体HWシステムと各ユニットの動作シナリオを管理して制御するMCU(あるいは、CPU)101、治療器10の動作状態を使用者に音の方式で知らせるスピーカーやブザーなどのようなサウンド発生ユニット102、使用者がボタンなどを利用して動作オプションなどを選択することができる使用者ボタンユニット103、治療機器の動作状態と使用者の選択オプションなどを画面に示すディスプレイユニット104、充電及び制御のために外部と連結された入出力ポート105、入出力ポート105に入力された電源を受け入れてバッテリー充電IC(Integrated Circuit)に電源を供給したり、HWシステム上のすべてのICに適正な電源で分配するPMIC(Power Management Integrated Circuit)電源管理(集積回路)ユニット106、PMICから印加された電源を一定にダウン(Down)またはステップアップ(Step Up)して一定の電圧で多様なHWシステム部品に供給するコンバータユニット107、別途外部電源なしに内部のHW回路に電源を供給するために電気エネルギーを格納するバッテリーユニット108、リモコンとスマートフォンのように外部の無線機器を通じて治療器10を遠隔制御することができる無線通信ユニット109、無線通信ユニット109の信号を発信するためのアンテナユニット110で構成される。使用者は使用者ボタン103を利用して全体システムの電源を印加してMCU101を動作させれば、MCU101は周辺HWICを制御して機動させる。使用者は使用者ボタンを通じて所望の治療モード及び強度を設定して機器を作動することができ、機器の動作状態と使用者の選択内容はディスプレイユニット104を通じて使用者に表示される。動作の時、異常状況はサウンドユニット102を通じて音声または効果音で発現される。無線通信ユニット109は赤外線通信ができるが、ブルートゥース(登録商標)やジグビーなどの近距離無線通信が可能である。
【0035】
脈動電磁気発生部200は、図2に示されたように、電磁石ユニット201、電極制御ユニット202、電力制御ユニット203、パルス信号発生ユニット204の一部または全部を含み、ここで「一部または全部を含む」とは、上述の意味と変わらない。電磁石ユニット201は電流を印加すれば磁場を発生し、電極制御ユニット202は電磁石ユニット201に印加される電流の方向を変更して電磁石ユニット201の磁気的極性を変更して交流形態の波形になるように誘導する。また、電力制御ユニット203は電磁石ユニット201に印加される電圧と電流の量を制御して電磁気力の大きさを制御し、パルス信号発生ユニット204、すなわちパルス信号発生器は電磁石ユニット201の磁力変化の形態が一定したパルス(Pulse)と周波数(Hertz)の特性が表れるようにパルス信号を発生する。本発明の実施例による電磁石ユニット201は、複数の電磁石ユニットを含むことができ、第1ないし第4電磁石ユニット201‐1~201‐4を含むことができる。使用者の膝を基準にして見るとき、上下、左右側にそれぞれ位置するように備えられることができる。脈動電磁気発生部200は関節部位の細胞を活性化させるために動作する。
【0036】
低準位レーザー発生部300は、メディカルLEDユニット(あるいは、光照射部)301及びLED制御ユニット302の一部または全部を含む。メディカルLEDユニット301は、治療目的のライト(あるいは、光)波長を発生し、LED制御ユニット302はメディカルLEDユニット301に印加される電流の量を変更して明るさ(あるいは、強さ)を変更したり、電流の量を一定にしてLEDの明るさを一定に維持する。本発明の実施例によって低準位レーザー発生部300は、650nm、808nm、980nmの3種の波長を持つIR LEDを適用することができ、治療部位によって多様な波長のIR LEDを適用することができる。低準位レーザー発生部300のLED波長は関節部位の炎症を減少させるために動作する。
【0037】
電気筋肉刺激発生部400は、電流極性パッド401、交流信号発生ユニット402及び入出力ポート403の一部または全部を含む。電流極性パッド401は、肌に附着して電流が筋肉に伝達されるように誘導する。交流信号発生ユニット402は、筋肉の収縮・弛緩のために電流極性パッド401に印加される電流が一定した波形(Pulse)と周波数(Hertz)の特性が表れるように交流信号を発生する。入出力ポート(あるいは、第2入出力ポート)403は、必要に応じて電流極性パッド401を製品の外部位置で連結することができるポート(port)である。電気筋肉刺激発生部400は関節周辺の筋肉の強度を強化させるために動作する。
【0038】
温熱発生部500は、発熱ユニット501、発熱制御ユニット502及びセンシングユニット503の一部または全部を含む。発熱ユニット501は治療過程中、肌の接触面に熱を発生して温熱効果を誘導する。また、発熱制御ユニット502は発熱ユニット501に一定した電流を印加させて制御する役割をする。センシングユニット503は発熱ユニット501で温度をセンシングする。センシングユニット503は温度センサーなどを含むことができる。発熱制御ユニット502はMCU101の制御下で動作することができる。温熱発生部500は関節周辺の筋肉に微細熱を発生させて血液循環を助けるために動作する。
【0039】
再度整理してみると、本発明の実施例による関節痛治療器10は関節細胞を活性化する脈動電磁気発生部200、関節炎症を減少させる低準位レーザー発生部、関節周辺の筋肉の強度を強化する電気筋肉刺激発生部400、関節周辺の筋肉に微細熱を発生させて血液循環を助ける温熱発生部500を含んで構成される。ここで、脈動電磁気発生部200の電磁石ユニット201は、図6及び図7に示されたように、コイル電磁石210がペア、すなわち対の形態で構成され、コイル電磁石210の斥力と引力を作用させてより遠距離まで磁力の伝達が可能である。ここで遠距離は基準値を超過する距離と定義することができる。この時、電磁石ユニット201はコイル捲線212を一定の形態で巻くことができる円筒フレーム211、電流が印加されれば磁場を発生させるための銅など導電性材質のコイル捲線212、コイル捲線から発生する磁場を一定方向に伝達するためにコイルの中央に位置する強磁性体コア213、コイル捲線212の両端に連結されて正(+)と負(‐)の極性の電流が印加される被覆絶縁ケーブル214で構成されたコイル電磁石210、そして人の関節方向に向かって強磁性コア213から伝達される磁力を遠距離まで伝達するための強磁性体の内側プレート220、内側プレート220の反対面に適用され、ペアで適用される電磁石のコア213を互いに連結して内側プレート(あるいは、一側プレート)220の磁力を増加させる強磁性体の外側プレート(あるいは、他側プレート)221、ひいては内側プレート220と外側プレート221とを電磁石ユニットのコア213に固定するためのスクリューなどの固定体222を含んで構成される。ここで、内側は使用者の身体関節で肌に接触(あるいは、近接)する部位を意味する。
【0040】
電磁石ユニット201でコイル電磁石210のコア213を連結する内側プレート220は、1~2mmの近接距離を置いて構成され、例えば、2個のプレートが一定間隔を置いて分離して構成され、電磁石ユニット201でコイル電磁石210のコア213を連結する外側プレート221は離隔距離なしに最短距離で一つのボディーに連結され、磁力を遠距離に伝達するために磁力の形態がパルス(Pulse)信号の特性を示し、このためにパルス(Pulse)信号を発生するユニット204とH‐ブリッジ形態で磁気極性を変更する電極制御ユニット202を含むことができる。これは図10及び図11でよく示している。図11で見るとき、H‐ブリッジは電磁石ユニット(Electromagnet Unit)を基準にして第1ないし第4スイッチング素子がH字の形態をなして構成される。それぞれのスイッチング素子は、トランジスターやFETのNPN(あるいは、Nチャンネル)素子とPNP(あるいは、Pチャンネル)素子で構成される。そして、図2のMCU101は、第1スイッチング素子と第4スイッチング素子にLOW信号とHIGH信号を印加したり、または第3スイッチング素子と第2スイッチング素子にLOW信号とHIGH信号を印加する形態で交互にスイッチング素子を動作させて電磁石ユニットに反対極性が生成されるようにすることができる。すなわち、互いに対角線方向のスイッチング素子を相補的に動作させて磁気極性を変更すると見られる。
【0041】
また、磁力を遠距離に伝達するために、電磁石ユニット201に印加されるパルス(Pulse)は搬送波形態で構成されることができ、治療機器に適用される電磁石ユニット201は、2個以上を適用して一方の電磁石ユニットの内側プレート220に斥力が発生するようにし、反対側の電磁石ユニットも反対極性の斥力が発生するようにして、より遠距離まで磁力を伝達することができる。これは図8でよく示している。ここで、「パルスは搬送波形態で構成」するということは、図10及び図14で見るとき、指定周波数及び振幅で発生したパルス信号(例:動作周波数)を分けて、より正確には、パルス発生区間のパルスを分けて新しいパルスを生成して使うことを意味する。磁力を遠距離まで伝送し、また光を深部の深くまで浸透させるために、既設定されたパルス信号を変調して使うと見られる。たとえば、本発明の実施例では、既生成された20~50Hzのパルス信号を2MHz程度の信号に変換して使うことができる。
【0042】
さらに、本発明の実施例による関節痛治療器10は、図9及び図14に示されたように、低準位レーザー発生部300の光が使用者の肉眼に直接照射されることを防止するために、伝導性ガイド303が上下または左右に離隔して適用され、メディカルLEDは650nm、808nm、980nmの波長を使って浸透の深さを増加させるためにパルス(Pulse)形態で光を出力し、IR光の深部への浸透の深さを増加させるためにメディカルLEDの出力パルス(Pulse)は搬送波形態で構成する。また、出力されるIR光を深部まで浸透させるために、3種のメディカルLEDが同時に同じパルスの形態で光を出力する。一方、治療機器の大きさを減らし、効率的な筋肉強化のために、電流極性パッド401はケーブル404と入出力ポート403を通じて外部で制御部100と連結され、多様な関節部位に適用するためにケースを中央ケース部11‐1とサイドケース11‐1,11‐2とに分離し、連結部位には回転変動が可能なヒンジ12を適用することができる。これは図3でよく示している。
【0043】
図3は本発明の実施例による左側膝関節適用平面図、図4は左側膝関節適用側面図、そして、図5は左側膝関節適用背面図(A‐A方向ビュー)、図6図2の電磁石ユニットの斜視図、図7図2の電磁石ユニットの断面図、図8図2の電磁石ユニットの磁力流れの例示図、図9図2のメディカルLEDユニットの正面(B‐B方向ビュー)及び断面図、図10図2の電磁石ユニットに印加される交流信号図、図11は本発明の実施例によるH‐ブリッジ回路ロジッグ図、図12図2の電磁石ユニットの斥力発生による磁力伝達CAEイメージ、図13図2の電磁石ユニットの引力発生による磁力伝達CAEイメージ、そして、図14図2のメディカルLEDユニットに印加されるパルス信号をそれぞれ示す図面である。
【0044】
図3で見るとき、図面番号1は人の膝、11‐1は中央ケース、11‐2は左側サイドケース、11‐3は右側サイドケース、12は回転用ヒンジユニット、そして13はクッションパッド(PAD)ユニットをそれぞれ示す。また、図4で見るとき、図面番号404は外部電流極性パッド401を連結するためのケーブルで、14は固定用ベルトユニットを示す。さらに、図6及び図7で図面番号210はコイル捲線で磁力を発生するコイル電磁石、211はコイル捲線を一定した形態で巻くことができる円筒フレーム、212は電流が印加されれば磁場を発生させるための銅コイル捲線、213は銅コイル捲線から発生する磁場を一定方向に伝達するためにコイル中央に位置する強磁性のコア、214はコイル捲線の両端と連結されて直流電源の+と電流が印加される被覆絶縁ケーブル、220は人の関節方向に向かって強磁性コア213から伝達される磁力を遠距離まで伝達するための強磁性の内側プレート、221は強磁性内側プレート220の反対面に適用され、電磁石ユニット201内にペア(Pair、対)で構成されるコイル電磁石210のコア213を相互連結して内側プレートの磁力を増加させる強磁性の外側プレート、222は内側プレートと外側プレートとを電磁石ユニットのコア213に固定するためのスクリューのような固定体をそれぞれ示す。図9で見るとき、図面番号303はメディカルLED301から発現される光が治療過程中に漏れないようにし、使用者の不注意によって肉眼に露出しないように防止する伝導性ガイド、301‐1‐aは波長a値を持つメディカルLED、301‐1‐bは波長b値を持つメディカルLED、301‐1‐cは波長c値を持つメディカルLED、304はIR LEDを外部の衝撃から保護して光を透過する保護カバーをそれぞれ示す。
【0045】
説明の便宜上、図3ないし図14図1及び図2とともに参照すれば、図1の脈動電磁気発生部200は、図2図6図7のように磁場を発現する電磁石ユニット201と電磁石ユニットの磁気的極性を変更して交流形態の波形になるように誘導する電極制御ユニット202、電磁石ユニット201に印加される電圧と電流の量を制御する電力制御ユニット203、図10に示すように、効果的な治療のために磁場の振幅、周期、使用率、搬送周波数が含まれたパルス(Pulse)信号を発生するユニット204で構成される。すなわち、治療のために既設定されたパルス信号を発生する信号発生ユニット204を含むことができる。
【0046】
使用者が使用者ボタン103を通じて強度と治療種類を選択して治療器10を駆動すれば、これに合うようにMCU101は電力制御ユニット203の電圧値を変更して電流値を制御することで磁力の強度を変更し、信号発生ユニット204を制御して治療目的に合うパルス(Pulse)信号を発生する。無論、このような動作は該当値を既設定する形態で動作が行われることができる。この過程でルックアップテーブル(LUT)を使うこともできる。また、電極制御ユニット202を制御してパルス(Pulse)信号を交流信号化する。電極制御ユニット202は、図11に示されたように、H‐ブリッジ回路ロジッグ(Logic)で構成されるのが好ましく、MCU101の制御によって電磁石ユニット201に印加される電流の方向が変更され、これによって電磁石ユニット201の内側プレート220の極性も変更されるようになる。Hブリッジ回路は、本発明の実施例によって多様な形態で動作が可能であるため、いずれか一つの動作形態(例:相補的動作)に特に限定しない。
【0047】
電磁石ユニット201は、内部にペア(Pair、対)の形態でコイル電磁石210が備えられる。例えば、図6及び図7のように、電磁石ユニット201には2個、すなわちペア(あるいは、対)の形態のコイル電磁石210‐1,210‐2が適用される。コイル電磁石210は、非磁性体の円筒フレーム211にコイルを捲線212形態で数回巻いて、コイルの端にはポリ系列のPVCのような絶縁材質の被覆が適用されたケーブル214を適用して電極制御ユニット202と連結される。円筒フレーム211の材質は、プラスチックのような非磁性体を適用することが好ましい。
【0048】
また、捲線コイルの中央には、強磁性コア213が適用されてコイル捲線(あるいは、捲線コイル)212で発生する磁場を一定方向に伝達する機能を行う。すなわち、コイル捲線212の両端に連結された絶縁ケーブル214に印加された電流の方向によって強磁性のコア213の両端の磁力極性がN‐S極またはS‐N極に可変するようになる。ペアで隣合うコイル電磁石210の強磁性コア213の両端に、人体方向には内側プレート(あるいは、一側プレート)220を若干の離隔距離を置いて固定体222‐1,222‐2を利用して連結し、内側プレートの反対方向には固定体222‐3,222‐4を利用して外側プレート(あるいは、他側プレート)221を連結して固定させる。
【0049】
コア213の磁力を内側及び外側プレート221,222に伝達して遠距離まで磁力を伝達することが目的であるため、各プレートと固定体は比透磁率が高い強磁性体物質を適用する。ここで、非透磁率は磁性化される比率を意味し、真空での磁力伝達透磁率と比べた比率、すなわち、この値が数百~数千であれば強磁性体という。
【0050】
実際、図6に示すように、電磁石ユニット201の左側に位置したコイル電磁石210‐1の絶縁ケーブル214‐1に+、‐極性nい電流を流し、右側コイル電磁石201‐2の絶縁ケーブル214‐2に‐、+極の電流を流せば、アンペールの法則によって左側コイル電磁石210‐1の内側プレート220‐1にはN極が誘導され、右側コイル電磁石210‐2の内側プレート220‐2にはN極が誘導される。
【0051】
このような場合は、図12のCAEシミュレーション解釈結果のように、2つの内側プレートに印加された磁力の方向が同一なので、互いに斥力が発生し、これによって遠距離まで磁力伝達が可能となる。
【0052】
もし、右側コイル電磁石210‐2の絶縁ケーブル214‐2に+、‐極性に電流を流せば、右側コイル電磁石の内側プレート220‐2にはS極が誘導され、内側プレートの間に引力が発生して引っ張り合う力が発生する。このような引力が発生する場合も図13のCAEシミュレーション解釈結果のように、外側プレート221を通じて各コア213‐1,213‐2が連結されていて、内側プレートの間で発生する磁力も遠距離まで到逹することが分かる。
【0053】
電磁石ユニット201は、治療関節の解剖学的特徴によって適用される数と位置が相異なって、多様に変更されることができる。本発明の実施例を膝関節痛の治療に適用すれば、軟骨摩耗が発生して炎症が発生しやすい大腿骨下端の関節の軟骨及び硬骨の半月状軟骨に向かうように、図2ないし図5、そして、図8のように前面201‐1、平面201‐2、左側面201‐3、右側面201‐4に位置させることが好ましい。
【0054】
前記のように、電磁石ユニット201を配置し、各電磁石ユニット201の磁力及び極性を変更すれば、図8のように関節炎症部位に多様な方向と強度で磁力が通過するようになる。
【0055】
特に、斥力が発生するように電流を印加して向い合う電磁石ユニット201同士は、引力が発生するようにすれば、より遠距離まで磁力が到逹することが分かる。
【0056】
一方、低準位レーザー発生部300は、図2図3及び図9のように、特定の波長の光を発現するメディカルLEDユニット301とLEDユニットの電流量を変更して明るさを制御するLED制御ユニット301で構成される。
【0057】
メディカルLEDユニット301は、2個以上の波形を持つIR LEDを適用することが好ましい。本発明では、650nm、808nm、980nmの3種の波長を持つIR LEDを適用したが、治療部位によって多様な波長のIR LEDが適用されることができる。治療関節の解剖学的特徴によって、IR LEDユニット301の数と位置は相異なって、多様に変更することができる。
【0058】
本発明の実施例を膝関節痛の治療に適用すれば、膝蓋骨は半透明材質の特性によって光の消滅が発生するので、膝蓋骨を基準にして左右に配置することが好ましく、大腿骨関節の大きさ及び高さを考慮して図9のように上下端にIR LEDを分散して3種波長のIR LED301をそれぞれ配置することが好ましい。
【0059】
また、低準位レーザーの形態で光を発現するLEDを適用することが好ましい。LED制御ユニット302は、図14のように、効果的な治療のために電圧振幅、周期、使用率、搬送周波数が反映されたパルス(Pulse)信号を発生する機能を遂行する。メディカルLEDユニット301を保護するために、前面には光が透過する保護カバー304が適用され、保護カバーの周辺には光の露出を防止するために伝導性ガイド303が備えられる。伝導性ガイド303はメディカルLEDユニット301と接触される伝導性シリコーンゴムの形態が好ましい。伝導性ガイドは上下または左右の2ヶ所で構成され、伝導性ガイドが肌に触れると、メディカルLEDユニット301の停電容量値が変動され、これを通じて制御部は使用者の機器着用状態に問題があるのかを判断することができる。もし、伝導性ガイド303の2ヶ所が同時に肌に触れないと、使用者が正しく機器を着用しない場合であり、この場合、制御部100は使用者の視野に低準位レーザーの照射を防止するために、該当機能を始めることなく、ディスプレイユニット104とサウンドユニット102を通じてエラー事項を知らせる。
【0060】
電気筋肉刺激発生部400は、図2図3、そして、図4に示されたように、肌に附着され、筋肉に電流を印加して筋肉の収縮及び弛緩を誘導する電流極性パッド401と、前記パッドにパルス(Pulse)形態の波形を持つ交流電流を供給するパルス信号発生ユニット402、有線で治療機器の外部で制御部100に連結するための入出力ポート403で構成される。関節炎の痛みを改善するためには、軟骨の炎症及び細胞活性化とともに周辺筋肉の強化も必要で、このためには、外側広筋及び内側広筋が位置する膝のすぐ上の領域に電流極性パッド401を附着することが好ましい。このために、該当筋肉部位方向(膝の上側)に入出力ポート403を位置させ、電流極性パッド401はケーブル404を通じて連結されてもよい。
【0061】
温熱発生部500は、本発明の実施例のように、治療過程中に膝周辺の筋肉に温熱を提供して血液の流れをスムーズにすることにその目的があり、熱を発生する発熱ユニット501とその発熱ユニット501に印加される電流の量を調節する電流制御ユニット502、発熱ユニット501の温度を測定して使用者が望む温度を維持することができる温度センシングユニット503で構成される。
【0062】
図5のように、発熱ユニット501は治療器内部の関節周辺筋肉と触れ合う広い領域に適用することが好ましい。また、発熱ユニット501による低温火傷を防ぐために、クッションパッド13の内部に固定されて肌とある程度の離隔を維持し、発熱の温度は40~50度、10~20分以内の比較的に短い時間駆動することが好ましい。
【0063】
治療器10は、図3に示すように、各部ユニットが堅く固定されるように外装ケース11を構成し、前面及び平面部の電磁石ユニット201、制御部100などのユニットを固定する中央ケース11‐1と、左側電磁石ユニット201‐3及びメディカルLEDユニット201を固定するサイド(Side)ケース11‐2,11‐3に区分けられる。関節部の多様な大きさに適用可能になるように、サイドケース11‐2,11‐3と中央ケース11‐1はヒンジ構造12を持つことを特徴とする。膝や肩、肘などの関節に治療器10を装着する場合、治療過程で機器が離脱しないように固定用ベルトユニット14が適用されることが好ましい。
【0064】
前記の各治療過程は同時に行われることができ、使用者の治療目的によって単独または2~3種の治療法が併行されることができる。一回の治療動作は10~20分以内にし、1日1~2回の使用が好ましい。
【0065】
図15は、図1の関節痛治療器の駆動過程を示す流れ図である。
【0066】
説明の便宜上、図15図1と一緒に参照すれば、本発明の実施例による関節痛治療器10は、身体関節の細胞を活性化するために身体関節に磁場を発生させ、磁場の極性を変更する(S1500)。無論、これは図1の脈動電磁気発生部200で動作が行われる。脈動電磁気発生部200は、好ましくは、たとえば膝の上下、左右にそれぞれ配置される電磁気ユニットを含んで構成され、それぞれの電磁気ユニットと周辺の電磁気ユニットとが斥力または引力を発生させる。また、各電磁気ユニット自体だけでも2個のコイル電磁石を含み、そのコイル電磁石の間にも引力や斥力を発生させる。詳しい内容は、上記で十分説明したので、その内容に代わる。無論、そのような制御は既設定された方式にしたがい、制御部100の制御によって行われる。
【0067】
また、関節痛治療器10は身体関節の炎症を減少させるために指定された波長の光を身体関節に発生させ、光の明るさ(あるいは、強さ)を変更する(S1510)。これは図1の低準位レーザー発生部300で動作することができる。本発明の実施例によって低準位レーザー発生部300は、たとえば3個の光照射部、すなわちLED部を含むことができ、それぞれの光照射部を相異なる波長の光が発生するように動作させるが、出力された光が深部の深くに浸透させるために、同一パルス信号を使って複数の光照射部を動作させることができる。
【0068】
さらに、関節痛治療器10は、身体関節の筋肉収縮及び弛緩を誘導するために、身体関節の筋肉に電流を印加する(S1520)。これは、電気筋肉刺激発生部400が担当し、電極を膝部位に附着した後、該当電極あるいは電極パッドに微細電流を印加する形態で行われる。
【0069】
さらに、関節痛治療器10は身体関節の部位に血液の流れを発生させるため(あるいは、スムーズにさせるために)、身体関節の周辺筋肉に温熱を発生させる(S1530)。
【0070】
それだけでなく、関節痛治療器10は使用者の命令にしたがって、これは関節痛治療器10に構成された使用者ボタンを通じて提供されることができ、該当命令にしたがって脈動電磁気発生部200、低準位レーザー発生部300、電気筋肉刺激発生部400及び温熱発生部500を制御する(S1530)。制御部100の制御によって、各構成要素は個別的に動作するか、順次、または同時に動作することができ、本発明の実施例では、これを「選択的に動作する」と通称することができる。無論、第1命令では第1方式で動作し、第2命令では第2方式で動作することができ、一つの命令にしたがって複数の動作が一連の動作を順次遂行することをモード(mode)方式と命名することができる。
【0071】
上記のように、制御部100を通じて各構成要素を動作する方式は多様に行われることができるので、本発明の実施例では、いずれか一つの形態に特に限定しない。
【0072】
一方、本発明の実施例では、制御部100と各関節炎の治療のための多様な構成要素を含むものとして示して説明したが、これはいくらでも変更されることができる。言い換えれば、本発明の他の実施例であって、制御部100と関節炎治療部を含む形態で構成されることもいくらでも可能である。もちろん、ここで関節炎治療部は図1の脈動電磁気発生部200、低準位レーザー発生部300、電気筋肉刺激発生部400及び温熱発生部500のうち、少なくとも一つの構成要素を含む形態と見られる。無論、全て含む場合には統合する形態で構成されることもいくらでも可能である。したがって、本発明の実施例では、多様な形態の構成が可能なので、図1の構成に特に限定しない。
【0073】
以上では好ましい実施例について示して説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨を脱することなく、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもとより、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されない。
【0074】
一方、本発明の実施例を構成する全ての構成要素が一つで結合したり、結合して動作するものとして説明されたとしても、本発明が必ずこのような実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的範囲内であれば、その全ての構成要素が一つ以上に選択的に結合して動作することもできる。また、その全ての構成要素がそれぞれ一つの独立的なハードウェアに具現されることができるが、各構成要素の一部または全部が選択的に組み合わせられ、一つまたは複数個のハードウェアで組み合わせられた一部または全部の機能を遂行するプログラムモジュールを持つコンピュータプログラムとして具現されることもできる。そのコンピュータプログラムを構成するコード及びコードセグメントは、本発明の技術分野の当業者によって容易に推論されることができる。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取ることができる非一時的保存媒体(non‐transitory computer readable media)に格納され、コンピュータによって読み取られて実行されることにより、本発明の実施例を具現することができる。
【0075】
ここで、非一時的読み取り可能記録媒体とは、レジスター、キャッシュ(cache)、メモリなどのように、短い瞬間の間データを格納する媒体でなく、半永久的にデータを格納し、機器によって読み取り(reading)可能な媒体を意味する。具体的に、上述したプログラムは、CD、DVD、ハードディスク、ブルーレイディスク、USB、メモリカード、ROMなどのような非一時的読み取り可能記録媒体に格納されて提供されることができる。
【0076】
以上では、本発明の好ましい実施例について示して説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨を脱することなく、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることは勿論、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】