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特表2025-503311カプセルを切断するための機器および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-30
(54)【発明の名称】カプセルを切断するための機器および方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/08 20060101AFI20250123BHJP
   B26D 1/03 20060101ALI20250123BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B26D3/08 Z
B26D1/03
B26D7/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545785
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-09-27
(86)【国際出願番号】 IB2023050357
(87)【国際公開番号】W WO2023148567
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】102022000001727
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】メンツォリーニ,ルッジェーロ
【テーマコード(参考)】
3C021
【Fターム(参考)】
3C021DB03
3C021DB06
(57)【要約】
容器の閉鎖カプセルに不正開封防止開封装置を形成するための切断機器および方法が開示されており、この切断機器では、カプセルは、係合手段と係合し、比較的小さなカプセル上で相互角度距離に位置する少なくとも2つの垂直または斜めの切断を行う切断装置上を転がり、第1の刃が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから、第2の刃が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、完全回転の整数に前述の角度距離を加算または減算したカプセル自体の回転を実行し、2つの刃を比較的大きな相互距離に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器閉鎖カプセル(4)を切断して開封装置を形成するための切断方法であって、
前記カプセルは、少なくとも1つの縦刃(7)、少なくとも1つの第1の横刃(8’)、および少なくとも1つの第2の横刃(8’’)を備える切断装置(6)上を転がり、
前記刃(7,8’,8’’)は、前記カプセル(4)が前記切断装置(6)上を転がる間に、それぞれ、少なくとも1つの周方向の切断、少なくとも1つの第1の垂直または斜めの切断、および少なくとも1つの第2の垂直または斜めの切断を前記カプセル上に形成し、
前記第1の垂直または斜めの切断および前記第2の垂直または斜めの切断は、前記カプセル(4)の幾何学的軸を基準として、周方向における角度距離で互いに角度をなして離間しており、
前記カプセル(4)は、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を行うときから前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を行うときまで、前記切断装置(6)上を転がりながら前記幾何学的軸の周りに前記角度距離よりも大きい回転を行うことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記カプセル(4)は、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を行うときから、前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を行うときまで、前記カプセル(4)自体の軸の周りにそれ自体で回転し、前記回転は、前記カプセル(4)自体の完全回転の整数、特に1回転または2回転の完全回転に、前記角度距離を加算または減算したものに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の垂直または斜めの切断と前記第2の垂直または斜めの切断とは、前記周方向において半回転よりも大きくない角度だけ互いに角度をなして離間しており、
前記カプセル(4)は、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を実行するときから前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、特に前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断の実行を終了するときから前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断の実行を開始するときまで、前記切断装置(6)上を転がりながら前記幾何学的軸の周りに半回転より大きい回転を実行する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の垂直または斜めの切断と前記第2の垂直または斜めの切断とは、前記周方向において円周角の3分の1未満の角度だけ互いに角度をなして離間しており、
前記カプセル(4)は、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を実行するときから前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、特に、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断の実行を終了するときから前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断の実行を開始するときまで、前記切断装置(6)上を転がりながら、前記幾何学的軸の周りに前記円周角の3分の2より大きい回転を完了する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記カプセル(4)は、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を実行するときから前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、転がりながら前記幾何学的軸の周りに円周角より大きい回転を実行する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセル(4)は、前記切断装置(6)上を転がるときに係合手段と係合し、
前記係合手段は、前記第1の横刃が前記第1の垂直または斜めの切断を実行するときから前記第2の横刃が前記第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、前記カプセルを前記幾何学的軸の周りに所望の回転を行わせ、
前記係合手段は、特に、少なくとも1つの固定ガイド装置および/または少なくとも1つの回転係合部材を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの周方向の切断、前記少なくとも1つの第1の垂直または斜めの切断、および前記少なくとも1つの第2の垂直または斜めの切断は、テザー型カプセルのための開封装置を形成するように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
カプセルのための開封装置を製造するための切断機器、特に、請求項1から7のいずれか1項に記載の切断方法を実施するための切断機器であって、
前記切断機器は、
供給経路に沿って少なくとも1つのカプセル(4)を供給するように構成された供給手段(2,3,5)と、
前記供給経路に沿って配置された切断装置(6)であって、前記カプセルが前記切断装置(6)上を転がる間に前記カプセルを切断し、前記切断装置は、前記カプセル(4)に少なくとも1つの周方向の切断を形成するための少なくとも1つの縦刃(7)と、前記カプセルに少なくとも1つの第1の垂直または斜めの切断を形成するための少なくとも1つの第1の横刃(8’)と、少なくとも1つの第2の垂直または斜めの切断を形成するための少なくとも1つの第2の横刃(8’’)とを備え、前記第1の垂直または斜めの切断と前記第2の垂直または斜めの切断とは、前記カプセルの幾何学的軸を基準として、周方向に決められた角度距離だけ離間している、前記切断装置(6)と、
前記カプセル(4)と係合し、前記切断装置(6)上での前記カプセルの転動を制御するように構成された係合手段と、
前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を行うときから、前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を行うときまで、前記カプセル(4)が前記カプセル(4)自体の幾何学的軸の周りに前記決定された角度距離よりも大きい回転を実行するように前記係合手段を制御するように構成された制御手段と
を備え、
前記少なくとも1つの第1の横刃(8’)および前記少なくとも1つの第2の横刃(8’’)は、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を行うときから、前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を行うときまで、前記カプセル(4)が前記切断装置(6)上で特に滑ることなく転がることを可能にするような相互距離で、前記供給経路に沿って配置されている、機器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記係合手段を制御して、前記カプセル(4)が、前記第1の横刃(8’)が前記第1の垂直または斜めの切断を実行するときから、前記第2の横刃(8’’)が前記第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、前記カプセル(4)自体の軸の周りの前記カプセル(4)自体の完全回転の整数倍に前記第1の垂直切断または斜めの切断と前記第2の垂直または斜めの切断との間の前記角度距離を加算または減算したものに等しい回転を行うように構成されている、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記供給経路は、少なくとも1つの円形部分を備え、
前記第1の横刃(8’)および前記第2の横刃(8’’)は、前記少なくとも1つの円形部分に沿って、前記円形部分の幾何学的中心を基準として、互いに5分角より大きい角度距離で配置されている、請求項8または9に記載の機器。
【請求項11】
前記切断装置(6)は、前記カプセルに少なくとも2つの周方向の切断を実行するための少なくとも2つの縦刃(7)を備え、
前記少なくとも2つの縦刃(7)は、それぞれ、2つの平行な幾何学的平面上に、互いに離間して配置されており、
前記少なくとも2つの横刃(8’,8’’)は、前記2つの幾何学的平面の間の空間に配置される、請求項8から10のいずれか1項に記載の機器。
【請求項12】
前記係合手段は、前記切断装置(6)上を転がる前記カプセルと摩擦嵌合および/または噛み合いによって係合するように構成された少なくとも1つの固定ガイド装置を備える、請求項8から11のいずれか1項に記載の機器。
【請求項13】
前記係合手段は、少なくとも1つの係合部材、特にスピンドル(3)を備えており、
前記スピンドル(3)は、電動手段によって回転軸の周りに前記スピンドル(3)自体の回転で操作可能であり、前記カプセル(4)の凹部内に係合するように構成されている、請求項8から12のいずれか1項に記載の機器。
【請求項14】
前記供給手段は、各々がそれぞれ対応するカプセルと係合するように構成され、それぞれ対応する回転軸の周りに回転可能である複数の係合部材を支持するカルーセル(2)を備え、
前記様々な係合部材の回転軸は、互いに平行であり、前記カルーセル(2)が回転可能であるカルーセル軸に対して平行である、請求項8から13のいずれか1項に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばボトルなどの容器を閉鎖するためのカプセルの切断機器および切断方法に関し、特にプラスチック製カプセルに不正開封防止開封装置を製造するためのものである。
【0002】
具体的には、本発明は、「テザー」型のカプセル、すなわち開封後も容器に取り付けられたままのカプセルを製造することに適した切断機器および切断方法に関するが、これに限定されない。
【0003】
国際公開第2021/186403号には、請求項1の前提部に係る切断方法と、カプセルに不正開封防止開封装置を形成し、少なくとも1つの周方向の切断を実行するための少なくとも1つの縦刃と、所定の角度で互いに角度をなして離間し、少なくとも2つの垂直または斜めの切断を行うための少なくとも2つの横刃とを備える切断装置とが示されており、ここで、角度は、カプセルの幾何学的軸を基準として測定されることが意図されている。
【0004】
従来技術の様々な側面は、改善可能である。特に、カプセルの切断精度を向上させ、仕様に適合し、完全に機能する不正開封防止装置の形成を保証することが望ましい。不正開封防止装置の形成に不正確さを誘発するような望ましくない変形をカプセルに引き起こす危険性が低減された切断操作によって、不正開封防止装置を形成することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの目的は、従来技術の前述の欠点の1つ以上を克服できる機器および/または方法を提供することである。
【0006】
本発明の1つの目的は、従来技術の切断機器および/または切断方法に代わる切断機器および/または切断方法を提案することである。
【0007】
1つの利点は、カプセルに開封装置を作るために、構造が簡単で安価な機器を作ることである。
【0008】
1つの利点は、テザー型のカプセルの仕様を満たす開封装置を得るための正確な切断を可能にすることである。
【0009】
1つの利点は、容器の閉鎖カプセルに完璧に機能する不正開封防止開封装置を得ることである。
【0010】
1つの利点は、切断作業中のカプセルの変形を抑え、特にテザー型のカプセルを得ることである。
【0011】
これらの目的および利点ならびにさらに他の目的および利点は、以下に示すクレームセットの1つまたは複数に係る切断機器および/または方法によって達成される。
【0012】
一実施形態では、切断方法は、前進経路に沿ってカプセルを前進させるステップと、カプセルの幾何学的軸を基準として、周方向に設定された角度距離だけカプセル上で互いに離間した少なくとも2つの垂直または斜めの切断を実行する少なくとも2つの横刃を備える切断装置上でカプセルを転がすステップとを含む。2つの横刃は、前進経路に沿って十分に大きな相互距離で配置され、カプセルが、切断装置上を転がることにより、第1の横刃が第1の垂直または斜めの切断を実行するとき(特に、実行を開始するとき)から第2の横刃が第2の垂直または斜めの切断を実行するとき(特に、実行を開始するとき)まで、1つまたは2つの完全回転、または完全回転の整数に切断の前述の角度距離を加算または減算したものに等しい回転を実行する。
【0013】
本切断方法は、特に、カプセルの前進経路に沿った横刃の相互距離が比較的大きいこと、すなわち、カプセルの側壁上で刃によって実行される切断の相互周方向距離よりも大きいことを提供でき、これにより、第1の垂直または斜めの切断の実行が第2の垂直または斜めの切断の実行を妨げず、その逆もまた同様である。
【0014】
カプセルの側壁上の切断の前述の角度距離は、回転角度の半分より大きくない角度に等しく、そのため、カプセルは、切断装置上を転がることにより、第1の垂直または斜めの切断の実行から第2の垂直または斜めの切断の実行まで、回転角度の半分より大きいそれ自体での回転を実行することができる。
【0015】
前述の角度距離は、特に、回転角度の3分の1より小さい角度であってもよく、そのため、カプセルは、切断装置上を転がることによって、第1の垂直または斜めの切断から第2の垂直または斜めの切断まで、回転角度の3分の2より大きい(特に、完全回転に前述の角度距離を加算または減算したものに等しい)それ自体での回転を実行することができる。
【0016】
一実施形態では、容器の閉鎖カプセルに不正開封防止開封装置を形成することに適した切断機器は、カプセルを少なくとも2つの垂直または斜めの切断で切断するように構成された切断装置と、2つの垂直または斜めの切断を行うように切断装置上でカプセルを回転させるように構成された係合手段とを備える。この切断装置は、カプセルが、第1の刃が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから第2の刃が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、前述の角度距離よりも大きい回転、例えば、カプセルの軸の周りのカプセル自体の1つまたは2つの完全回転(またはカプセル自体の完全回転の整数)にカプセルの側壁の切断の前述の相互角度距離を加算または減算したものに等しい回転を行うように構成されている。
【0017】
カプセル上の垂直または斜めの切断の前述の相互角度距離は、特に、比較的小さくてもよく、例えば、回転角度の半分より大きくなく、および/または、回転角度の3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1、12分の1、15分の1より小さい角度距離であってもよい。
【0018】
2つの垂直または斜めの切断は、カプセル上で互いに正反対の位置、すなわち回転の半分に等しい相互距離に位置してもよく、この場合、第1の垂直または斜めの切断の実行から第2の垂直または斜めの切断の実行まで、カプセルによって実行される回転は、完全回転の整数に回転の半分を加えた数と同じであってもよい。
【0019】
一実施形態において、切断機器は、特に、カプセルと係合するように構成された係合手段と、カプセルが、切断装置上を転動し、カプセルの転動を制御するように係合手段と係合される間に、カプセルを切断するように構成された切断装置とを備えてもよい。切断装置は、係合手段が切断装置上のカプセルの転動を制御することを可能にするように、相互距離に配置された第1の横刃と第2の横刃とを備える。第1の横刃が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから、第2の横刃が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、カプセルは、回転角度の半分より大きい回転角度で、および/または、カプセル自体の1つまたは2つの完全回転にカプセル上で前述の垂直または斜めの切断が有するべき相互角度距離を加算または減算したものに等しい回転角度で、カプセル自体での回転を実行する。
【0020】
係合手段は、特に、(例えば、摩擦面による摩擦によって、および/または、ローレット面もしくは切欠き面による噛み合いによって)カプセルと係合するように構成され、切断装置におけるカプセルの前進経路に沿って配置された少なくとも1つの(固定された)当接要素を有する少なくとも1つのガイド装置を備えてもよい。
【0021】
係合手段は、特に、カプセルと係合するように構成され、前進経路に沿って供給方向にカプセルと共に移動可能な少なくとも1つの回転係合部材を備えてもよい。
【0022】
当該方法および/または当該機器のおかげで、比較的小さい周方向距離(切断が形成されたカプセルの側壁の全周の半分より小さいか最大でも等しい周方向距離)でカプセル上に配置されなければならない2つの垂直または斜めの切断が、比較的大きいカプセルの経路(例えば、切断が形成されるカプセルの側壁の円周の整数倍に、側壁上の切断の円周に側壁上の切断の周方向距離を加算または減算したものに等しい経路距離、特に、カプセルの側壁の円周の少なくとも半分よりも大きい経路距離)に沿って、相互距離でカプセルの経路に沿って配置された2つの横刃によって形成されることが可能である。
【0023】
提案された解決策により、切断精度が特に高く、特にテザー型のカプセルの製造において、不正開封防止装置が仕様に適合することが判明した。
【0024】
さらに、2つの横刃を比較的大きな相互経路距離で配置することにより、カプセル上で動作する様々な刃の間の相互干渉を低減でき、また、特にテザー型のカプセルの場合、切断動作中にカプセルの望ましくない変形を低減できることが立証されている。
【0025】
本発明は、非限定的な例としてそのいくつかの実施形態を図示する添付の図面を参照することにより、よりよく理解され、実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明に従って製造された切断機器の一実施形態の垂直起立側面図である。
図2図2は、図1の切断機器の一部の垂直断面に沿った断面図である。
図3図3は、図1の切断機器で使用される切断装置の斜視図である。
図4図4は、切断装置の層構造を示す図3の切断装置の分解斜視図である。
図5図5は、図3の切断装置の平面図である。
図6図6は、図4の層構造の3つの構成要素の対応する中間の構成要素を示す。
図7図7は、図4の層構造の3つの構成要素の対応する上部の構成要素を示す。
図8図8は、図4の層構造の3つの構成要素の対応する下部の構成要素を示す。
図9図9は、図3の切断装置の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
上述した図を参照すると、切断機器が全体的に1で示されている。切断機器1は、特にカプセルを切断するために使用されてもよい。切断機器1は、例えば、プラスチック製のカプセルを切断するために使用されてもよい。切断機器1は、特に、容器を閉じるためのカプセルを切断するために使用されてもよい。切断機器1は、例えば、容器を閉じるためのカプセルの開封装置に弱化線、または優先的破断線を形成するために使用されてもよい。
【0028】
開封装置は、特に、容器が非破壊性を保証することに適した不正開封防止開封装置を備えて、最初に発生した容器の開封の証拠を提供してもよい。切断機器1は、特に、テザー型カプセル、すなわち開封後も容器に取り付けられたままのカプセル用の開封装置の製造に使用されてもよい。
【0029】
切断機器1は、特に、カプセルが供給方向に沿って供給される前進経路を備えてもよい。特に、前進経路は、この実施形態のように、供給平面、例えば水平供給平面上にあってもよい。
【0030】
切断機器1は、特に、カプセルを前進経路に沿って供給するように構成された供給手段を備えてもよい。供給手段は、特に、垂直回転軸の周りに回転するカルーセル2を備えてもよい。カルーセル2は、特に、各々がカプセルを搬送するように構成された複数の搬送ユニットを支えてもよい。
【0031】
各搬送ユニットは、特に、スピンドル3を備えてもよく、スピンドル3は、モータ駆動制御により(特にカルーセルの回転軸に平行な回転軸の周りで)それ自体で回転し、不正開封防止開封装置を特にカプセルの側壁に形成するために、切断装置により少なくとも1つの弱化線の少なくとも1つの切断を実行するためにカプセルをそれ自体で回転させるためにカプセル4に係合するように構成されている。複数のスピンドル3が、特に回転スピンドル支持カルーセル上に配置されてもよく、カルーセル上で互いに角度をなして離間して分布されてもよい。
【0032】
カプセル4の前進経路は、カプセルに係合するスピンドル3に回転カルーセル2が行わせる円軌道の少なくとも一部分によって画定されてもよい。各スピンドル3は、特にカプセルの下部静止ベース5の上方に配置されてもよい。
【0033】
各カプセル4は、特に、容器の口を閉鎖するための閉鎖壁と、容器の首部と結合するための側壁とを備えてもよい。各ベース5は、特に、カプセル4の閉鎖壁に係合するように構成されてもよい。
【0034】
各スピンドル3は、特に、カプセル4の内部、特にカプセルの側壁またはスカートによって画定された中空空間に係合するように構成されてもよい。ベース5は、特に、スピンドル3の回転軸と同軸の回転軸の周りに回転可能であってもよい。
【0035】
カプセル供給手段は、特に、ここではより詳細に説明しない公知のタイプの供給手段を備えてもよい。
【0036】
切断機器1は、特に、本明細書においてさらに説明されるように、カプセルを切断装置6上で転がすためにカプセルに係合するように構成された係合手段を備えてもよい。係合手段は、特に、カプセルに係合するように構成され、回転軸の周りに回転しやすく、特に、回転中のカプセルを引きずるように構成され得る少なくとも1つの係合部材を備えてもよい。この係合部材は、本明細書に開示した特定の実施形態のように、スピンドル3を備えてもよい。他の実施形態では、この係合部材は、特に下部ベース5を備えてもよい。
【0037】
係合手段は、特に、固定ガイド装置を備えてもよく、固定ガイド装置は、例えば摩擦による結合および/またはガイド装置のローレット加工とカプセルのローレット加工との間の噛み合いによって、前進経路に沿って前進するカプセルを転がす。
【0038】
本発明に係る切断機器は、回転係合部材に係合すること、および/または固定ガイド装置に係合することによって、切断装置上でのカプセルの転がりを誘発するように構成された係合手段を備えてもよい。
【0039】
係合部材(この例では、スピンドル3)は、特に、(例えば、カルーセル2を回転させるモータ手段によって、カルーセルの回転軸を様々な係合部材の回転軸に連結する機械的伝達によって)その回転軸の周りにモータ手段によって回転可能であってもよく、それぞれ対応するカプセル4の凹部内に係合するように構成されてもよい。様々な係合部材の回転軸は、互いに平行であり、カルーセルがモータ駆動によって回転可能なカルーセル軸と平行であってもよい。
【0040】
切断機器1は、特に、前進経路に沿って供給手段によって供給されるカプセルに少なくとも1つの弱化線を形成するように構成された切断装置6を備えてもよい。切断装置6は、特に、カプセルが切断装置6上を転がり、係合手段(例えば、スピンドル3および/または固定ガイド装置)と係合している間にカプセル4を切断するように構成されてもよい。
【0041】
切断装置6は、特に、カプセルに1つまたは複数の周方向の切断を実行するように構成された1つまたは複数の縦刃7を備えてもよい。切断装置6は、特に、カプセルに少なくとも1つの第1の垂直または斜めの切断を実行するように構成された少なくとも1つの第1の横刃8’を備えてもよい。切断装置6は、特に、カプセルに少なくとも1つの第2の垂直または斜めの切断を実行するように構成された少なくとも1つの第2の横刃8’’を備えてもよい。図示された実施形態では、2つの横刃8’,8’’は、カプセルに2つのそれぞれ対応する垂直の切断を実行するように構成されている。しかし、斜めの切断、または部分的に垂直であり部分的に斜めの切断を実行するように構成された横刃を使用することも可能である。
【0042】
2つの横刃8’,8’’は、特に、カプセルに実行される2つの垂直または斜めの切断が、カプセルの軸を基準として、周方向において、回転角の半分より大きくない角度、および/または回転角度の3分の1、または4分の1、または5分の1、または6分の1、または7分の1、または8分の1より小さい角度の相互角度距離に対応する、カプセルの側壁上の相互周方向距離に位置するように構成されてもよい。
【0043】
カプセル4に実行される第1の垂直または斜めの切断と第2の垂直または斜めの切断とは、特に、さらに互いに近く、例えば、カプセルの幾何学的軸を基準として、周方向に回転角度の20分の1未満、15分の1未満、12分の1未満、10分の1未満、または9分の1より小さい角度だけ互いに角度をなして離間してもよい。
【0044】
それにもかかわらず、2つの垂直または斜めの切断は、カプセルの側壁で互いに正反対に、すなわち回転角度の半分だけ互いに間隔をあけて位置することも可能である。
【0045】
切断機器1は、特に、前進経路に沿ってカプセルを前進させることによって供給手段を制御するように構成された(例えば、電子的でプログラム可能な)制御手段、特に、その回転軸の周りに係合部材をそれ自体で回転させる供給手段を制御するように構成された制御手段を備えてもよい。
【0046】
制御手段は、特に、弱化線を作るためにカプセル4を切断装置6上で転がすことによって供給手段を制御するように構成されてもよい。
【0047】
制御手段は、特に、(カプセルの転動を制御するために配置された)係合手段が、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、カプセル上の切断の相互角度距離以上カプセルをそれ自体で回転させるように構成されてもよい。
【0048】
第1の横刃8’および第2の横刃8’’は、前進経路に沿って、特に、比較的大きな相互距離で配置され、係合手段が(例えば、スピンドル3および/または固定ガイド装置と)係合しているときにカプセル4が切断装置6上を回転(特に滑りを伴うことなく回転)することを可能にし、2つの垂直または斜めの切断が実行される間の期間、すなわち、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから、第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、特に、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を実行し始める瞬間から、第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を実行し始める瞬間まで、または、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を終了する瞬間から、第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を終了する瞬間までのカプセルの経路を考慮して、カプセル4が、完全回転の整数にカプセル上に形成される切断の相互角度距離を加算または減算したものに等しいそれ自体での回転を実行する、および/またはカプセル上の切断の相互角度距離よりも大きいそれ自体での回転を実行するように配置されてもよい。
【0049】
横刃8’,8’’をカプセルの経路上に比較的大きな間隔で配置することは、カプセルの転動が固定ガイド手段によって案内される場合にも可能である。
【0050】
特に、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから、第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、カプセルがその軸の周りに少なくとも回転角度の半分以上それ自体で回転するようにすることが可能である。すなわち、第2の垂直または斜めの切断は、切断装置上を転がるカプセルが、第1の垂直または斜めの切断が実行されたときから開始して、完全回転の半分以上それ自体で回転した後に、実行される。
【0051】
それにもかかわらず、カプセルは、2つの垂直または斜めの切断を実行する間に経過する期間に、カプセルの2つの垂直または斜めの切断の間にあり得る設定距離を完全回転の整数に加算または減算した回転を行うことが可能である。
【0052】
前進経路は、特に、(カルーセル2の回転によって画定される)少なくとも1つの円形部分を備えてもよい。第1の横刃8’と第2の横刃8’’は、特に、前述の円形部分に沿って、円形部分の幾何学的中心(特に、カルーセル2の回転軸)を基準として、互いに5分角(5 sexagesimal degrees)より大きい角度距離で配置されてもよい。
【0053】
第1の横刃8’および第2の横刃8’’は、特に、円形部分の幾何学的中心を基準として、10分角より大きい、または15分角より大きい、または20分角より大きい、または25分角より大きい、または30分角より大きい相互角度距離で、円形部分に沿って配置されてもよい。
【0054】
切断装置6は、特に、カプセルに少なくとも2つの周方向の切断を実行するように構成された少なくとも2つの縦刃7を備えてもよい。2つの縦刃7は、それぞれ、互いに平行で離間した少なくとも2つの幾何学的平面上に配置されてもよい。
【0055】
2つの横刃8’,8’’は、特に、前述の2つの幾何学的平面の間に構成される空間に配置されてもよい。第1の横刃8’は、特に、(前進経路に沿ったカプセルの供給方向を基準として)任意の縦刃7の開始点の前に配置されてもよい。第2の横刃8’’は、特に(この例のように)、第1の縦刃7の始点(すなわち、最初にカプセル4に接触する縦刃)の後、かつ最後の縦刃7の終点(すなわち、最後にカプセル4から離れる縦刃)の前に配置されてもよい。
【0056】
各縦刃7は、特に、2つの寸法(幅および長さ)が第3の寸法(厚さ)よりも著しく大きい、比較的薄い金属薄板を備えてもよい。
【0057】
各縦刃7は、特に、カプセルがそれ自体で回転しながら供給されるという事実により、周方向範囲、または少なくとも部分的に周方向範囲を有する弱化線を形成するように構成されてもよい。各縦刃7は、特に、互いに角度をなして間隔をあけて配置され、容易に破壊される複数のブリッジによって画定される弱化線を形成するように構成されてもよい。
【0058】
各縦刃7は、特に、複数のチャンバまたは凹部が存在するために不連続である少なくとも1つの刃先から構成されてもよい。各縦刃7は、特に、(例えばカプセルの前進経路の平面に平行な切断面上に横たわる)円周円弧形状の少なくとも1つの刃先を備えてもよい。
【0059】
係合手段および切断装置4は、特に、カプセルが供給手段によって切断装置4に供給されたときに、刃7,8’,8’’がカプセルの側壁にそれぞれ対応する切断を実行して、不正開封防止開封装置を形成する間に、カプセルが(特に切断装置4の検出手段上で)転がることができるように構成されてもよい。
【0060】
この例では、2つの横刃8’,8’’を備えた機器が開示されているが、3つ以上の横刃を使用することも可能である。
【0061】
操作において、切断機器は、容器の閉鎖カプセルを切断して、不正開封防止開封装置を形成するための切断方法を作動させることができ、切断方法では、カプセル4は、切断装置6上を転がり、前進経路に沿って前進するカプセルの転動を制御する係合手段と係合できる。
【0062】
刃7,8’,8’’は、カプセル4が切断装置6上を転がる間に、それぞれ少なくとも1つの周方向の切断、少なくとも1つの第1の垂直または斜めの切断、および少なくとも1つの第2の垂直または斜めの切断をカプセルに実行することができ、第1の垂直または斜めの切断と第2の垂直または斜めの切断は、カプセルの側壁上で、周方向に決められた角度で互いに角度をなして離間してもよく、切断の周方向の相互距離は、比較的小さく、いずれにせよ、切断が形成されたカプセルの側壁の円周の半分より大きくはならない。
【0063】
カプセルは、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を行うときから、第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を行うときまで、カプセルの軸の周りに回転角度の半分より大きい(および/または、完全回転の整数にカプセル上の切断の相互角度距離を加算または減算したものと同じ)回転を実行するように誘導されてもよい。
【0064】
実際には、カプセル4の供給と切断装置6の構成は、2つの垂直または斜めの切断が互いに重ね合わされるのではなく、予め設定された距離(一般的に比較的小さい相互距離)に配置されなければならないという事実に起因して、多かれ少なかれ差はあるが、カプセルが完全回転(または完全回転の整数)程度の回転を実行した後に第2の垂直または斜めの切断が実行されるように、共に調整される。
【0065】
このようにして、2つの横刃8’,8’’を、カプセル4の経路に沿って考えて、比較的大きい相互距離で配置することが可能であり、これにより、横刃によって実行される切断が、他の横刃によって実行される切断を妨げず、干渉しない。これにより、2つの横刃8’,8’’によって実行される切断操作に影響を及ぼす可能性のある相互運動による不正確さ、変形、および他の誤差の危険性を排除できる。
【0066】
カプセルの転動が回転係合手段によって案内される場合、本方法は、横刃8’,8’’を適切な相互距離に設定し、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで、回転係合手段(例えば、スピンドル3)が比較的高い(カプセルの切断の相互角度距離より大きい)回転を行うように制御することを含んでもよい。
【0067】
カプセルの転動が固定された係合手段によって(例えば、摩擦および/またはかみ合いによるガイド装置によって)案内される場合、本方法は、係合手段によって案内されて(特に滑ることなく)転動するカプセルが、第1の横刃8’が第1の垂直または斜めの切断を実行するときから第2の横刃8’’が第2の垂直または斜めの切断を実行するときまで比較的高い(カプセルの切断の相互角度距離のより大きい)回転を実行するように、横刃8’,8’’を適切な相互距離で設定できる。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9
【国際調査報告】