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特表2025-503335コンベヤベルトの洗浄および消毒のための方向変更可能な装置
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-31
(54)【発明の名称】コンベヤベルトの洗浄および消毒のための方向変更可能な装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 45/22 20060101AFI20250124BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
B65G45/22 C
B08B3/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024538380
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 IB2021062230
(87)【国際公開番号】W WO2023118941
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524237456
【氏名又は名称】エヌジーアイ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスコンティ、エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】オステルゴー セイク、ルネ
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA47
3B201BB22
3B201BB92
(57)【要約】
コンベヤベルト(200)用の革新的な洗浄および消毒装置(10a、10b)は、支持構造体(201)に付属品として容易に統合することができ、一列に並んだ霧化ノズル(104)を備えた2つの平行なスプレーバー(101、102)で構成され、霧化ノズル(104)は、流体(103、130)の供給用のライザーに片側のみで接合され、管状のフォーク状構造を形成している。上部スプレーバー(101)には、クランプ締め付けタイプの予め組み立てられた固定グループ(106)があり、この固定グループ(106)には、平坦なブラケット(110)が介在して突出し、ベルト(200)の近くのサイドレール(201、204)に固定され、スプレーバー(101、102)を片側に挿入した後、装置(10a、10b)全体を一体的かつ可逆的に固定する。下部スプレーバー(102)は、揺動方式(133)で自立しており、必要に応じてノズルを向けるためにスイベル接続部(103、105)に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドレール(204)付きの支持構造体(201)を備えた自動ハンドリング設備(20)のコンベヤベルト(200)用の、スプレーおよび方向変更可能なタイプの、消毒も行う洗浄装置(10a、10b)であって、
前記洗浄装置(10)は、一体化した平行な、霧化ノズルを備えた2つの管状スプレーバーを有し、
前記スプレーバーは、前記コンベヤベルト(200)に接触することなく、前記コンベヤベルト(200)の上方および下方に水平に配置でき、それにより前記霧化ノズルの前記スプレーは、前記コンベヤベルトの幅(200、L)全体にわたって、外側表面および内側表面の両方の一部に同時に当たるようになっており、
前記洗浄装置(10a、10b)は、連続的に流れる外部フローネットワーク(205)に接続するために、洗浄流体の単一の入口(130)を備え、
前記洗浄装置(10a、10b)は、機械式の固定手段によって、前記設備の前記支持構造体(20、201)に一体的に接合可能である、前記洗浄装置(10a、10b)において、
前記洗浄装置(10a、10b)は、第1の上部スプレーバー(101)および第2の下部スプレーバー(102)を備えた、一方の側がフォークのように開いた、単一の管状かつ共平面構造で構成され、前記第1の上部スプレーバー(101)と前記第2の下部スプレーバー(102)とは平行であり、前記第1の上部スプレーバー(101)および前記第2の下部スプレーバー(102)に直交して配置された前記洗浄流体の共通の供給ライザー(103)に一方の側で接合され、反対側では前記第1の上部スプレーバー(101)および前記第2の下部スプレーバー(102)は、個別に閉じられ、連結部なしで終端し、
前記供給ライザー(103)は、底部から上向きの一方向の流れを有し、前記入口(130)は、下端部に対応し、反対側の端部は、エルボ(132)のように湾曲し、前記第1のスプレーバー(101)に水平に突き合わせて接合され、前記第2のスプレーバー(102)は、接続部によって前記ライザー(103)に直交して接続され、
洗浄流は、前記底部から垂直(103、130、131)に前記スプレーバー(101、102)に入り、内部を進み続け、一列に並んだ霧化ノズル(104)から出て行き、
前記フォーク状(101、102)洗浄装置(10a、10b)は、横向きに挿入して、前記第1のスプレーバー(101、106、110)のみを固定することにより前記支持構造体(201)に接合することができ、前記第1のスプレーバー(101、106、110)は、クランプ付きブラケットタイプの少なくとも1つの固定グループ(106)を備え、前記第1のスプレーバー(101、106、110)を支持して、サイドレール(204)に対応して前記コンベヤベルト(200)の側面に固定し、こうして前記洗浄装置(10a、10b)全体を一体的かつ取り外し可能な方法で動作位置に固定し、
前記第2のスプレーバー(102)は、自立型であり、一方の側が前記接続部によって前記供給ライザー(103)に接合されていることを特徴とする、洗浄装置(10a、10b)。
【請求項2】
前記洗浄装置(10a、10b)は、前記ベルト(200)に対する前記洗浄装置(10a、10b)の位置決めにおいて方向を変えることが可能であり、前記供給ライザー(103、134)と前記第2のスプレーバー(102)を所望の位置に固定するように前記固定グループ(106)が完全に締め付けられるまで、前記第1のスプレーバー(101、125)の長手軸線の周りを揺動(102、103、133)することを特徴とする、請求項1に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項3】
少なくとも前記第2のスプレーバー(102)は、前記ベルト(133、134、200)に対する前述の位置決めとは独立して方向を変えることができ、スイベル接続部(105)によって前記供給ライザー(103)に接続され、前記スイベル接続部(105)は、第2のスプレーバーが自身の軸線(102、123、124)を中心に回転し、必要に応じて前記霧化ノズル(104)の方向付けが可能になっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項4】
前記固定アセンブリ(101、106)は、
対向する穿孔ディスク(107a、107b)と、
クランプ締めで作用するカップリングディスク(108)と、
侵入防止シールガスケット(111)および少なくとも1つのセルフロックガスケット(112)と、
前記穿孔ディスク(107a、107b)の間に介在し、前記穿孔ディスク(107a、107b)から突出する平坦なブラケット(110)であって、前記平坦なブラケット(110)には、前記第1のバー(101)用の前記ディスクと同軸の主穴(113)と、締め付けねじ(115)用の穴とが設けられ、前記支持構造体(20、201)に回転することなく前記平坦なブラケット(110)を固定するために、前記平坦なブラケット(110)の突出部分には少なくとも2つの固定穴(114)が配置され、前記支持構造体(20、201)は、少なくとも前記供給ライザー(103)の側で前記ベルト(200)の近傍に貫通穴および/またはねじ座として作られた、サイドレール(204)の対応する固定穴でねじ(116)と係合する、前記平坦なブラケット(110)と
を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項5】
同じ前記第1のスプレーバー(101)内には、同一であるが反対側に位置する2つの固定グループ(106)があり、前記コンベヤベルト(200)の両側の前記支持構造体(201、204)に固定される前記バー(101)の反対側の端部に対称的に位置することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項6】
前記第1のバー(101)は、前記供給ライザー(103)の側部のみに前記固定グループ(106、204)により固定され、その反対側の端部は、中心合わせとして穴内部に挿入することによってのみ前記支持構造体(201)に拘束されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項7】
前記スイベル接続部(105)は、リングガスケット(123)と、前記スプレーバーの端部から突出する円形フランジ(119)と、前記供給ライザー(103)から突出する接続要素(121)の端部に対応する円錐形のねじ山(122)を備えた固定ねじ山付きリングナット(120)とを備えることを特徴とする、請求項3~7のいずれか一項に記載の固定装置(10a、10b)。
【請求項8】
前記供給ライザー(103)は、一体型要素のように、構造的かつ流体的に連続して前記第1のスプレーバー(101)に接合されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の固定装置(10a)。
【請求項9】
前記供給ライザー(103)は、前記第1のスプレーバー(101)に流体的に連続しているが構造的に連続せずに接合され、前記第2のスプレーバー(102、105)と同様にスイベル接続部(105)で不連続であり、突き合わせて接続されていることを特徴とする、請求項3~7のいずれか一項に記載の固定装置(10b)。
【請求項10】
前記第1および第2のスプレーバー(101、102)は、同じものであり、全長が同じであり、前記スイベル接続部のフランジ(105、119)が同じであり、および前記霧化ノズル(104)の数が同じであることを特徴とする、請求項9に記載の固定装置(10b)。
【請求項11】
前記スプレーバー(101、102)は、前記霧化ノズル(104)を備えた円形の管状断面を有し、前記霧化ノズル(104)は、前記霧化ノズルに向かって平坦(128)であり、前記バーに向かって凹面(129)である成形された支持体およびシールガスケット(127)を介在させることによって前記スプレーバー(101、102)にねじ込まれ、これにより、前記バーの湾曲した外面と連続的かつ形式的に整合して接続され、すべての隙間がシールされることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の固定装置(10a、10b)。
【請求項12】
前記成形された支持体およびシールガスケット(127)は、着色されていることを特徴とする、請求項11に記載の固定装置(10a、10b)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトを洗浄し、また消毒するための方向変更可能な装置に関するものである。特に、提案された装置は、スプレータイプのものである。
【0002】
この発明は、コンベヤベルトによる自動ハンドリングの産業分野に特化しているが、これに限定されるわけではない。より具体的には、食品製品を加工するプロセスにおいて、生産残留物を除去し、このベルトを洗浄および消毒するための統合された付属品を指す。
【背景技術】
【0003】
今日では、コンベヤベルトを備えた最新の自動ハンドリングシステムは、完成品、半完成品、さらには加工段階の原材料を迅速かつ効率的に移動するために、工業、工芸、物流の分野で広く使用されている。一般的に、コンベヤベルトは、硬質プラスチックまたは金属のステーブ、相互接続されたチェーンから構成されるか、または可撓性バンドまたはリンクで構成され、このチェーンまたはこのバンドは、連続ベルトのように閉じられたリングであり、両端部に配置されたピンおよび/または戻りシリンダーの周りを回転して張力を維持することがよく知られている。このベルトは、平面または一連のスライドガイド上に載っており、センサおよび電子制御手段によって適切に統合された、歯車またはその他の従来の作動部品と組み合わせた少なくとも1つの電気モータによって駆動される。金属フレーム構造は、関連するローラーおよび様々な運動伝達手段と共にこのベルトを支持し、処理の必要性に応じて水平または傾斜した位置にそれを維持する。輸送される材料が外に出る、および/または横転するのを防ぐ側面および横方向の閉じ込め小壁が含まれることもある。
【0004】
より技術的な詳細について言えば、コンベヤベルトの洗浄と消毒の問題は、食品分野で肉、魚、果物、野菜などの新鮮で腐りやすい食品を移動および加工するために使用される場合に広く知られており、このような場合、各々の日またはシフトの終了時に、ベルトとそのような食品と接触するすべての表面を慎重に洗浄することが実際のところ必要である。例として、魚の加工の場合、完全な洗浄および消毒サイクルには、最初に加圧水をスプレーし、次に脂質および凝集物質を分解する薬剤を加え、その後さらに水を加え、次にスプレーされたまたは泡状の消毒剤を加え、最後に長時間のすすぎを行うという、様々な段階が順番に含まれる。このような場合、工業レベルまたは工芸レベルで、手動のスプレー手段による完全な洗浄および消毒サイクルは、業界の現在の規制に従って実行され、直線で20メートルのベルトで2時間を超えて続く。輸送される生鮮食品の種類ごとに多様化した洗浄サイクルが含まれるが、これらは依然として時間がかかり、実行が困難である。
【0005】
実質的に、従来の方法で実行されるコンベヤベルトのこの洗浄および消毒作業は、特にコンベヤ手段の表面およびあらゆる凹部および隙間に付着して蓄積する新鮮な材料の急速な劣化のために、かなりの時間と資源の使用を伴うことが判明した。したがって、ステーブ付きベルト、メッシュベルト、平滑ベルトを含む様々なタイプのベルトを徹底的に洗浄するのに適した洗浄装置が必要であり、ハンドリング時に滞留または落下して拡散する可能性のあるあらゆる破片を除去するのに適しており、実際、可能性のある汚染の衛生上および健康上のリスクは、よく知られている。そのため、この分野のオペレータの中では、機械に統合された付属装置のように、各々のコンベヤベルトに自動洗浄用のそれ独自の手段を提供することで、これらの問題を解決する必要性がある。
【0006】
最近、コンベヤベルトの分野で事業を展開しているいくつかの企業は、食品製造の他の産業分野ですでに行われているのと同様に、ハンドリング設備の支持構造体に統合された固定装置を備えた、自動または非手動タイプの革新的なスプレー洗浄の解決策を提案しており、例えば、ワインまたはビールの発酵タンク内部に統合された管とボールノズルを備えた洗浄の解決策を参照することができる。コンベヤベルトの特定の分野では、ベルトの上方および/または下方に横向きに固定された管状バータイプの圧力分配手段と、ベルトの全幅にわたってベルトのバンド全体に当たるようにベルトに向けられた霧化ノズル(噴霧器とも呼ばれる)とを備えた特定の洗浄システムがすでに知られている。上部前進部と下部後退部との間に、端部の戻りローラーに近接して、ベルト自体の内側にディスペンサーを固定する統合ソリューションや、またはこのローラーを多機能シリンダーに置き換えることで、ベルトの内面に一方向のみまたは両方向に当たる多方向ノズルを備えたスプレー装置を同軸に統合する統合ソリューションも知られている。単なる例として、スイスのHabasit AG、Reinach BL社によるHyClean CIPと呼ばれる高度な洗浄システムを参照されたい(www2.habasit.com/it/habasit-hyclean.htm)。
【0007】
また、運用上の観点から最も効果的かつ容易な解決策によれば、スプレーノズルを開放するか、フェアリングまたはその他の閉じ込め手段を使わず、水と洗剤物質が設置部品上および床上で自由に流れることができるようにすることであることが分かっている。実際、今日では、食品分野のハンドリング設備は、主にステンレス鋼、またはその目的に適した合成材料で作られており、さらに現在の規制で要求されているような洗浄に適した環境に設置されている。
【0008】
特に、本発明の目的のために、統合された洗浄の解決策は、その都度、設計され、特注で製造されており、高価であり、構造および固定に関しても改善の余地があり、実質的に技術的に最適化されていないことが判明した。実際、コンベヤベルトハンドリング設備は、顧客の特定の処理ニーズに従って要求に応じて作られるため、完成品として標準化できないことはよく知られており、例えば、同じベルトでもサイズおよび/または使用方法が異なる場合があることを参照できる。したがって、統合自動洗浄システムも、それが取り付けられる設備の特定の構造構成に適応する必要がある。また、既存の設備に、自動スプレー洗浄機能を備えた統合タイプの最新の洗浄システムも提供してほしいという要望もある。しかしながら、前述のニーズにもかかわらず、以下で説明する様々な目的に応じて、適切な洗浄装置または技術的に効果的な解決策は利用できない。
【0009】
提案された解決策に関連する最新技術を判断するために、公的アーカイブを調べることによって従来の検証が行われ、特許文献1~3を含むいくつかの先行技術の特定に至った。
【0010】
特許文献1および特許文献2は、洗浄手段と回転ピンとして同時に機能する直線状の管状バーを統合したローラーとして構成された洗浄装置を提案している。それは、従来のスライドローラーのようにコンベヤベルトの内側に横向きに取り付けることができ、その場合、この管状バーには、洗浄の目的で、ノズルが間に介在するベルトの複数のスペーサー要素が設けられている。バーには、閉じた端部と、洗浄液を連続的に供給する手段に接続するようにベルトの外側に突出する開いた端部があり、断面は円形または四角形とすることができる。
【0011】
特許文献3は、例えば特許文献1および特許文献2のように、第1の上部ローラー洗浄要素がコンベヤベルトと接触し、スプレーバータイプの第2の下部洗浄要素にも接続され、これらは互いに平行で、洗浄液用の共通ダクトによって接合されており、第2の要素は、ベルトの両面を同時に洗浄するようにベルトの下方に配置されている複合装置を記載している。上部ローラーと下部スプレーバーは両方とも、コンベヤベルトの支持構造体に両側で合計4つの固定点で拘束されており、この支持構造体のサイズと構造特性に応じて設計されるたびに、オーダーメイドで製造された外部支持ブラケットとその他の機械式固定手段を備える。
【0012】
したがって、最終的には、次のことが既知であるとみなすのが妥当である。
・コンベヤベルトの内側に接触して配置され、軸方向回転ピンのような霧化ノズルおよび/または霧化ノズルを備えたスプレーバーを長手方向に統合したローラー洗浄装置。
・スプレーローラーが下部スプレーバーに接続され、互いに平行で、コンベヤベルトに対して横向きに配置され、両方ともコンベヤベルトの支持構造体に拘束されている複合装置。
・コンベヤベルトの支持構造体の特定のサイズおよび構造特性に応じてオーダーメイドで製造されるスペーサーおよび/または介在要素および/または成形されたブラケットなどの機械的支持および固定手段。
・連続フローネットワークに接続され、圧力をかけた液体を輸送および/または迂回させる手段。
【0013】
(欠点)
適切に加圧され、噴霧または霧化された水をスプレーし、場合によっては洗剤物質を追加することで、前述の解決策は、コンベヤベルトを洗浄および消毒することを可能にする。しかしながら、特定の欠点があることが、この分野のオペレータには知られている。
【0014】
例えば特許文献1または特許文献2のようなスプレーローラーを使用したタイプの従来の解決策は、コンベヤベルトの片面にしか作用しないため、消毒の観点からは十分な効果が得られないことは、この分野のオペレータには広く知られている。さらに、このローラーは、スライドローラーのように、ベルトの支持構造体に恒久的に統合されているため、設備の構造部品を変更および/または交換するための重要な操作が必要になる。したがって、この統合は、設備の実現の初期段階で実行するか、生産を停止して実行する必要がある。また、実際には、前述の統合には設備の構造変更が必要であり、これは必然的に複雑で実現が困難であることが判明している。
【0015】
特許文献3で言及されている高度な解決策は、代わりにベルトの両側に作用し、最新のコンベヤベルトの洗浄および消毒効果に関して満足のいくものであると考えられている。しかしながら、この解決策は、タイプおよび機能によって多様化された様々な手段を備えたあらゆる複合洗浄装置と同様に、あまり汎用的では無く、高価でかさばることが判明した。特に、特許文献3などの複合された解決策は、ユニバーサルコンポーネントのように、様々な設置構造構成に簡単に適応できるように構造的に最適化されていないことが判明した。実際、コンベヤベルトの支持構造体に適切に組み立てるためには、複数の支持要素および/または固定要素が、その都度オーダーメイドで製造されることが要求され、したがって、この組み立てには、実行が困難な、長くて費用のかかる作業が伴う。
【0016】
一般的に、従来の既知の解決策は、設置が容易ではないことが分かっており、そのため、手動タイプの消毒に伴う既知の結果とリスクを伴うコンベヤベルトハンドリング設備の最初の設置後のアプリケーションという頻繁なケースでは、エンドユーザーがそれらを考慮することはあまりない。したがって、前述の最初の設置後のアプリケーションや後付けのアプリケーションの場合、簡単に統合できる付属装置が望ましい。対照的に、従来の既知の解決策は、特定の実現に応じて毎回再設計する必要がある。さらに、設備および/またはそのコンポーネントを適切に設置するには、その支持構造体に大幅かつ不可逆的な変更が必要であることは、この分野のオペレータにはよく知られている。
【0017】
より技術的に詳細には、スプレーローラーとスプレーバーディスペンサーは、個別に取り付けられるか、または同じベルト上に組み合わされ、すべて、スライドローラーを支持する構造要素上に統合された特別に成形された座部によって設備の支持構造体に固定されるか、または成形され特注の上部構造によって外側から横方向に取り付けられるようになっている。これらの固定システムは、汎用性や適応性がなく、組み立て作業が容易ではなく、サイズと全体的な設置コストも増加する。
【0018】
上記の様々な問題に起因するもう1つの欠点は、現在存在するコンベヤベルトハンドリング設備には適切な自動スプレー洗浄システムが一般的に備わっていないという事実に関連しており、必要な手動の消毒操作が適切に実行されない食品加工の場合において、衛生上および健康上のリスクが高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6978880号明細書
【特許文献2】米国特許第6740172号明細書
【特許文献3】欧州特許第2603443号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記に照らして、この分野の企業にとって、少なくとも上記の問題を克服し、意図した目的を達成することができる有利な解決策を特定する必要性は、当然と言える。
【課題を解決するための手段】
【0021】
これらの目的およびその他の目的は、添付の請求項の特徴に従って本発明により達成され、コンベヤベルト(200)用の革新的な洗浄および消毒装置(10a、10b)によって、提示された問題を解決し、この装置は、支持構造体(201)に付属品として容易に統合することができ、一列に並んだ霧化ノズル(104)を備えた2つの平行なスプレーバー(101、102)で構成され、霧化ノズル(104)は、流体(103、130)の供給ライザーの片側のみで接合され、管状のフォーク状構造を形成している。上部スプレーバー(101)には、クランプ締め付けタイプの予め組み立てられた固定グループ(106)があり、この固定グループ(106)には、平坦なブラケット(110)が介在して突出し、ベルト(200)の近くのサイドレール(201、204)に固定され、スプレーバー(101、102)を片側に挿入した後、装置(10a、10b)全体を一体的かつ可逆的に固定する。下部スプレーバー(102)は、揺動方式(133)で自立しており、必要に応じてノズルを向けるためにスイベル接続部(103、105)に接続されている。
【0022】
多大な創造的貢献を通じて様々な目的が達成され、その効果は、即時の技術的進歩につながる。
【0023】
第1の目的は、新しい設備だけでなく既存の設備でも組み立てしやすいように構造的に最適化された、コンパクトで統合タイプの、コンベヤベルト用の効果的なスプレー洗浄装置を利用可能にすることであった。実際、本発明は、コンベヤベルトの支持構造体に大幅な変更および/または不可逆的な変更を加えることなく、最小限の負担で、様々な構造構成に容易に適応できる。
【0024】
第2の目的は、前の目的に直接関連しており、非常に汎用性が高く、付属品として既存の設備を完成させるのに適しており、低コストで高い品質基準を満たした工業生産が可能なコンベヤベルト用のスプレー洗浄装置を利用可能にすることであった。したがって、既存の設備を迅速かつ容易に、そして経済的に最新式にし、最新の衛生および食品安全基準に適合させることが可能になり、さらに、消毒にかかる時間と繰り返し発生するコストが大幅に削減される。
【0025】
第3の目的は、互いに方向を変えて組み合わせることができる少なくとも2つのスプレーディスペンサーを備えた、消毒目的に非常に効果的で安全なコンベヤベルト用スプレー洗浄装置を利用可能にすることであった。特に、ベルトの内側に取り付けられたスプレーバータイプのディスペンサーと、ベルトの外側にある同様のディスペンサーであって、それ自身の軸線を中心に回転して方向を変えることができ、さらに必要に応じてそれ自身安定した位置に供給ライザーとともに揺動するディスペンサーとを組み合わせることが意図されている。さらに、消毒をより容易かつ安全にするために、成形されたコンポーネントを提供し、侵入防止タイプのシールガスケットで相互接続することにより、固定手段の衛生性を高めることが意図されている。
【0026】
第4の目的は、構造的に改良され、流体の搬送および固定手段を最適化し、生産コストを削減するコンベヤベルト用のスプレー洗浄装置を利用可能にすることであった。さらに、ベルトハンドリング設備上に装置を組み立てるためのコストと時間が大幅に削減され、特に、同じ装置の組み立てと取り外しの両方において、ダウンタイムの時間とコストが数分に短縮される。
【0027】
もう1つの目的は、設備の支持構造体の変更を大幅に制限し、介在する上部構造を必要とせず、固定穴のみを設けることであった。
【0028】
これらの利点およびその他の利点は、実施の詳細が、限定を意図したものではなく、単なる例示である添付の概略図を参考にして、いくつかの好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の主題である洗浄装置が内部に付属部品として取り付けられ、ベルトの内側に第1のスプレーバーが挿入され、ベルトの外側の下側に第2のスプレーバーを備えたコンベヤベルトハンドリング設備の全体的な不等角投影図である。
図2】本発明の主題である洗浄装置の不等角投影図であり、前図と同じ位置にあるが、ここでは、第1のスプレーバーが、2つの固定グループを備え、一体型要素のように供給ライザーに連続して接合された第1の変形実施形態が示されている。
図3】本発明の主題である洗浄装置の正面図であり、この第1のスプレーバーが、第2のバーと同様に、供給ライザーへのスイベル接続部に接合されている第2の変形実施形態が示されている。
図4】前図の洗浄装置の不等角投影図である。
図5図1および図2の第1の変形実施形態に関する分解不等角投影図である。
図6図3および図4の第2の変形実施形態に関する分解不等角投影図である。
図7図3および図4の第2の変形実施形態に関する、前図とは異なる角度から表された別の分解不等角投影図であり、次の図で表される固定グループは、破線の円で強調表示されている。
図8】本発明によって提供されるような、前の図に示される固定グループを構成するコンポーネントの分解拡大不等角投影図である。
図9】ここで組み立てられ、スプレーバーの無いこの固定グループの不等角投影図であり、前の図とは反対の角度から表されている。
図10】前の図の固定グループを上から見た直交図である。
図11】スプレーバーの一部を含む、前の図で参照した固定グループの正面図であり、次の図に示されるX-X断面平面が強調表示されている。
図12】このX-X断面平面に対する固定グループの直交断面図である。
図13】本発明によって提供されるような、スプレーバーを供給ライザーに接合するためのスイベル接続部の不等角投影図である。
図14】前の図と同様に、鉛直中心線面に対応したスイベル接続部の直交断面図であり、スプレーバーのフランジ端部が底部に含まれ、頂部には供給ライザーを接続するねじ山付き要素がある。
図15】本発明によって提供されるような、ねじ山付きコネクタおよび成形されたガスケットを備えた、スプレーバー用の霧化ノズルの不等角投影図である。
図16】前の図で参照した霧化ノズルの正面図であり、破線で概略的に表された円形断面のスプレーバーに結合するためにガスケットの凹面結合面が強調表示されている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面(図1図16)も参照すると、本発明の主題は、コンベヤベルト(200)用の有利な洗浄および消毒装置(10a、10b)に関するものであり、特に効率的で使用に便利であり、これは、単一の開いたフォーク状構造(図2図3図4)を備えた付属品として構成され、任意のベルトハンドリング設備(20)(図1)に簡単に統合することができる。提案された装置は、横向きに挿入され、独自の固定手段(106)によって、一体型かつ取り外し可能な方法で、設備(201、204)の支持構造体に迅速に拘束されることができ、また、以下に説明するように、必要に応じて方向を変えることもできる。以下、簡潔にするために、この洗浄および消毒装置を洗浄装置(10a、10b)と呼ぶことを明確にする。
【0031】
構造上の観点からより詳細には、この洗浄装置(10a、10b)は、ベルト(20、200、204)上の組み立て位置に対して、第1の上部バー(101)と第2の下部バー(102)である、管状で互いに平行な一対のスプレーバー(101、102)から構成される(図1)。一方の側では、2つのスプレーバー(101、102)は、それらに対して直交して配置された水および/または洗浄流体の供給用の共通ライザー(103)に接合されている。反対に、反対側では、それらは個別に閉じられており、連結なしで終端を迎える。この供給ライザー(103)は、ベルト上の組み立て位置(図1、2、3)に関して考慮すると、フローネットワーク(205)に容易に接続されるように、入口(130、131)が下端部に配置され、一方、反対側の端部は、エルボ(132)のように曲げられ、この第1のスプレーバー(101)に水平に突き合わせて接合されて、一方向の流れを有し、第2のスプレーバー(102)は、第1のスプレーバー(101)の下方でこのライザー(103、105)に直交して接続されるので、洗浄流は、スプレーバー(101、102)に対して垂直(103、131)に入り、内部を進み続け、霧化ノズル(104)から出て行き、装置(10a、10b)がそれに取り付けられると、ベルトの上方および下方からバランスの取れたスプレーで作用するようになる(図1)。流入する流れは、例えば、洗剤または分解物質を含む流れ、または他の特定の物質を含む流れを調節または混合することによって、現在の規制または運用慣行に従って、様々な洗浄サイクルのニーズに応じて組み合わせることができる。
【0032】
スプレーバーには、個別に霧化ノズル(104)が設けられ、洗浄スプレーをベルト(200)の全幅(L)にわたってベルト(200)の全部分またはバンド上に向け、同時に上下からそれに当たるように整列および間隔が空けられている。したがって、両方のバーの長さは、少なくともベルト(200)の幅(L)に対応する。好ましくは、2つのバー間で長さは等しいが、必要に応じて異なる長さにすることもできる。一般的に、このノズル(104)は、ジェットの角度および液滴サイズを適切に制御しながら、圧力下の液体または任意の洗浄流体をスプレーするのに適した、交換可能な特定の穿孔手段であることが明らかにされており、それらは、必要なスプレーの種類および意図された用途に応じて選択される。従来、これらのノズルは、この液体が非常に小さな液滴に転換され、様々な用途のニーズに応じて強制的に向けられるか、または霧化されるため、霧化ノズルまたは噴霧ノズルと呼ばれている。本明細書において、霧化ノズル(104)という表現は、あらゆるタイプのスプレーノズルを含むことを意図している。
【0033】
ノズル(104)とスプレーバー(101、102)との結合に関する技術的な観点からより詳細には、それらは、シールガスケットが介在する対応する穴にねじ込まれるか、または係合される。好ましくは、本発明は、円形の管状断面を備えたスプレーバーを提供し、このスプレーバーには、成形された支持体およびシールガスケット(127)を介在させることによって、すべての霧化ノズル(104)が個別に付けられ、特に、それは、ノズルに向かって平坦(128)であり、バーに向かって凹面(129)になっており、これにより、バーの湾曲した外面に連続的かつ形式的に整合して接続され、すべての隙間および結合穴がシールされる(図15および図16)。これらの目的のため、また洗浄液の流動性を高めるために、このガスケットの側面も凹面である、および/または接線プロファイルを有することが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、この成形されたガスケット(127)は、例えば、食品用ステンレス鋼製の霧化要素に対して対照的な色合いで着色され、より一般的には、ステンレス鋼部品を変形可能な部品から区別して強調するために、本発明では、固定グループ(106)およびスイベル接続部(105)のガスケットを含め、すべてのガスケットが対照的な色で等しく着色されることが規定されている。
【0034】
ここで提案するフォーク状(101、102、103)洗浄装置(10a、10b)は、一般的な自動コンベヤベルトハンドリング設備(20、200)の支持構造体(201)に簡単かつ迅速に統合することができ、スライドローラーは、サイドレール(204)に取り付けられ、2つのスプレーバー(101、102)は、ベルト(200)に触れない独立した付属品として横向きに挿入され、そのため、ベルト(200)はそれらの間に介在し、供給ライザー(103)は、一方の側で完全に外側にある(図1)。特に、第1のスプレーバー(101、106、110)のみが、前進ベルト(200a)と後退ベルト(200b)との間に水平に挿入された後、支持構造体(201、204)に固定される。この目的のために、第1のスプレーバー(101)には、クランプ付きのブラケットタイプの少なくとも1つの事前組み立て済みの固定グループ(106)が設けられており、この固定グループ(106)は、サイドレール(204)に対応してそれを支持して固定するのに適しており、こうして、装置(10)全体が一体的かつ取り外し可能な方法で正しい動作位置に固定される。代わりに、第2のスプレーバー(102)は、共通の供給ライザー(103)によって吊るされて自立しており、好ましくは、以下に詳細に説明するように、スイベル接続部(105)で接合されている(図1、5、6、7、9、12、13、14)。
【0035】
前述のフォーク構成(図2、3、4)と革新的な事前組み立て固定システム(106)を組み合わせることで、ハンドリング設備(20、201)がこの統合用に設計または準備されていない場合でも、洗浄装置(10a、10b)を汎用付属品としてあらゆるコンベヤベルト(20、200)に簡単に統合できるようになる。クランプ(106、110)付きの平坦なブラケットを使用した固定システムが提案されており、これは、ベルトに対する最終的な位置決めとスプレーの方向も変えることができるため、組み立て作業が容易になり、十分な適応性が得られる。
【0036】
組み立ての容易さに関してさらに詳しくは、装置(10a、10b)は、供給ライザー(103)に対して反対側に開いたフォーク構造を有し、したがって、第1のスプレーバー(101)は、上部前進部と下部後退部(200a、200b)との間の片側のベルトの支持構造体に干渉することなく挿入され、そこに固定できることが注目される。他方のスプレーバー(102)は、その代わりにベルト(200)の下方にあり、その両面に同時に、かつ方向を変える方法でそれに当たるようになっている(図1、2、3)。なお、第2のスプレーバー(102)は、好ましくはフランジ(119)が設けられ、円錐形のねじ山(122)を備えたスイベル接続部(105)によってこのライザー(103、121)に接続され、円錐形のねじ山(122)を備えたスイベル接続部(105)は、必要に応じてナット形状の金属リング(120)によって外部から締め付けられ、スプレー(104、124、125)の所望の方向に第2のスプレーバー(102)を固定するが、これに限定されない。リングシール(123)は、接続部品間に介在し、侵入防止効果を有する(図13、14)。本発明は、図には示されていないが、スプレーバーが所定の方法でライザーに固定またはしっかりと接合され、こうしてこのスイベル接続部のカスタマイズ可能な方向を放棄する、構造上の観点から簡略化された実施形態の変形例も含む。特に、提案された革新的な固定システム(106)は、洗浄装置(10、103)が、完全に締め付けられる前に、スイングのように部分的に揺動することを可能にし、第1のバー(101、125、133、134)の長手軸線を中心に回転して、ベルト(200)に対するスプレー(101、102、104)の位置、距離、および方向を正確に適合できるようにする(図1図5図6)。構成(101、102、103)と固定(105、106)のこれらの組み合わされた特徴により、提案された装置は、効果的かつ幅広くカスタマイズ可能な方法で方向変更可能になる。
【0037】
第1のバー(101)の固定グループ(106)(図7図8図9図10図11図12)に関する技術的な観点からより詳細には、それは、このバー(101、109)用の中央穴と、締め付けねじ(115)の交差用の穴とを有する2つの対向する穿孔ディスク(107a、107b)から構成され、締め付けねじ(115)は、このディスクから突出して支持構造体に固定される少なくとも1つの平坦なブラケット(110)と、複数の防水ガスケット(111)とを含む介在要素をクランプ締めすることによって作用する。このガスケットは、侵入防止用であり、すなわち、内部で細菌の増殖を引き起こす可能性のある液体および/または有機物質の侵入を防ぐ機能を有する。好ましくは、締め付けは、外部カップリングディスク(108、109)のねじ座上の締め付けねじ(115)によって得られる。この平坦なブラケット(110)は、このディスクに対して細長い構成を有し、好ましくは非対称であり、それが挿入されて、ベルトに対する正しい取り付け位置に到達し、したがって、グループ(106)全体のクランプ位置に対応するまで、そのバー(101)内で回転する主穴(113)を有する。実際、この位置は、コンベヤベルトへの装置の設置段階中に、支持構造体および/またはコンベヤベルトの幅(200、L)に応じてその都度定義される。さらに、このブラケット(110)は、離隔端部において、主穴(113)に対して反対側に位置する少なくとも2つの固定穴(114)を備え、このグループ(106)をベルト(201、204)の支持構造体に対してブロックし、それを最も適切な動作位置に安定して固定する。この目的のために、これら2つの固定穴(114)は、後述するように、ベルトの近傍のサイドレール(201、204)に同時にまたは事前に得られた対応する穴および/またはねじ座と重なる。
【0038】
すると、下部スプレーバーがスイング(102、133、134)し、すなわち、ブラケット(101、110、115)が完全に締め付けられ、ベルト(200、201)の支持構造体に安定して固定(114、116)される前に揺動し、したがって拘束ピンおよび回転ピンとして機能する上部バー(101、106、125)を備える洗浄装置(10a、10b)が得られる(図5図6)。取り付けられた装置(10、103、20)(図1)の最終的な傾斜、またはベルト(102、200)および上部バー(101)に対する下部バーの位置決めは、最終的な締め付け位置(106)によって決定される。この目的のために、平坦なブラケット(110)は、それ自身の平面上でスライド(113)および回転することができ、供給ライザー(103)の傾斜および/またはスプレー(101、102、104)の方向および/またはベルトに対するスプレーバーの距離を必要に応じて調整するように、所望の洗浄および/またはベルトの種類および/または搬送される製品に応じてその都度より適切な動作位置で締め付ける(108、109、115)ことができることが指摘される。したがって、操作上の観点からは、オペレータは、固定グループ(106)を正しく配置し、平坦なブラケット(110)の方向が決まったら、簡単にこの締め付け(108、109)を行い、上部バーをベルト(101、200)に挿入し、ブラケット(110、114)の固定穴を、サイドレール(204)に予め設けておいた前述の穴および/またはねじ座に重ね、それらを貫通ねじ(116)または同等の連結要素で接合し、洗浄装置(10a、10b)全体を一体的かつ可逆的に固定することができる。
【0039】
平坦なブラケット(110、114)をこのサイドレール(204)に固定することに関する操作上の観点においてより詳細には、コンベヤベルトは、一般的に、ベルトの経路に沿って取り付けられたスライドローラーまたは戻りローラー(202)を有し、両側の中央ピンに対応して対称的に突き合わせ固定され、従来、レール(204)またはボードとも呼ばれる支持構造体(201)の横方向の連続的な要素に固定されることが注目される。本発明によって提案される洗浄装置(10、106)は、スライドローラーと同様であるがベルトと接触することなく、この上部スプレーバー(101、106、110、116)をこれらのレール(204)の一方または両方に固定することを提供する(図1)。ほとんどの場合、このサイドレール(204)は、ベルトに沿って長手方向に配置された長方形または円形の鋼管から構成されるか、またはベルトの前進部と後退部との間の距離に等しい高さを有する連続バンドであり、あるいはまた、それは、同等の格子またはフレーム構成を有する。いずれの場合も、前進部と後進部(200a、200b)との間のベルトの内側のバー(101)の横方向の挿入は、レールが管状またはフレーム状である場合は隙間に直接挿入できるため、簡単に行われ、または、レールが高剛性バンドである場合は、同じバーに対してより大きな直径の従来の穴(203)を内部に作った後、それを通して挿入することもできる。
【0040】
実際には、前述の固定具(106、110、204)は、突出したスプレーバー(101)があるベルトの片側のみに設けることも、それと対称的にベルトの両側に設けて、こうして使用中により高い安定性が求められる両方の対向するサイドレールに固定することもできる。実際には、ベルト(200)の幅(L)が限られている場合、および/または洗浄流体の圧力が最小である場合、供給ライザー(103)の近くのこのバー(101)上に配置された固定グループ(106)が1つだけ設けられ、その代わりに、ベルト(200)の幅(L)が非常に広く、および/またはこの圧力が高い場合には、同じ固定グループ(106)がベルトの両側に、各側に1つずつ対称的に取り付けられて(図1)、振動および過度の騒音を回避し、安全性と持続性を高めるようにする。
【0041】
一対の対向する締結具(106)の代わりに、従来通りに作られた穴を通して交差する連続バンドレールに洗浄装置を取り付ける場合に適した経済的なタイプの複合解決策も提供される。供給ライザー(103)の近くには固定グループ(101、106、112、201)が1つだけ用意され、固定されているが、反対側では、単に同じバー(101)が、この目的に適した直径の穴に回転拘束されて挿入されているため、位置ずれおよび過度の振動が制限される。
【0042】
第1の実施形態の変形例(10a)(図2、5)では、本発明が提案する洗浄装置は、円形断面の鋼管で作られており、ひっくり返ったL字型のような90度湾曲した第1の連続管が、洗浄流体の供給用のライザー(103)にすでに接合された第1のスプレーバー(101、104)を形成している。構造上、それは、単一の湾曲した管または2本の突き合わせ溶接管を使用して一体型に作ることができる。次に、スイベル接続部(105、106)の雄ねじ要素が、第2のスプレーバー(102)用のこのライザー(103)に溶接される。
【0043】
第2の実施形態の変形例(10b)(図3、4、6、7)では、構造構成およびベルトへの固定に関して上記の解決策と同等であり、上部スプレーバー(101)および供給ライザー(103)は、下部バー(102)に設けられているものと同様の円錐形のねじ山を備えたスイベル接続部(105)によって不連続かつ突合せ接合されているため、上部バー(101)もそれ自身の軸線を中心に360度回転して方向を変えることができ、霧化ノズル(104)をより大きな自由度および精度で向けることができる。したがって、この場合、上部バー(101)の接合突合せ部は、この接続部の目的で、下部バー(102)と同様にフランジ(119)が付いており、機能性、構成、および長さも互い(101、102)に同様または等しい。この第2の実施形態の変形例では、供給ライザー(103)は、底部に1つの入口(130)と2つの平行な出口を有する切頂管であり、両方のスプレーバーを90度接続するように頂部ヘッドが曲げられたマニホールドのようになっていることが注目される。
【0044】
最後に、コンベヤベルト(20、200)をスプレー洗浄するための提案された装置(10a、10b)は、消毒において極めて効果的かつ安全であり、必要に応じて複数の設置で簡単に取り付けまたは取り外し可能な付属品として、頻繁に使用しても迅速かつ便利であることが実験的に検証されている。
【符号の説明】
【0045】
10a、10b 本発明に係る、付属品として容易に統合できる、コンベヤベルト用の洗浄および消毒装置。第1の実施形態の変形例(10a)では、上部スプレーバーは、一体型要素のように供給ライザーに連続して接合されているが、第2の実施形態の変形例(10b)では、上部スプレーバーは、内部スプレーバーのようにスイベル接続部で接合されており、構造的に不連続である。
101 第1の上部スプレーバー
102 第2の下部スプレーバー
103 洗浄液供給用のライザー
104 霧化ノズル
105 スイベル接続部
106 消毒目的のために方向変更可能で衛生的なタイプの、コンベヤベルトの支持構造体に固定するためのグループ
107a、107b 対向する穴あきディスク
108 外部カップリングディスク
109 クランプ用のねじ座
110 平坦なブラケット
111 安全性と衛生性を考慮した侵入防止タイプのシールガスケット
112 セルフロックガスケット
113 スプレーバー用の穴
114 支持構造体に固定するための穴
115 コンポーネント締め付けねじ
116 支持構造体に固定するためのねじ
117 外部プレート
118 スペーサー
119 円形端部フランジ
120 ねじ山付きリングナット
121 供給ライザー内のねじ山付き接続要素
122 円錐形のねじ山
123 安全性と衛生性を考慮した侵入防止タイプのリングガスケット
124 スプレーを向けるための、バーの軸方向の回転
125 バーの長手軸線
126 内部チャネルを備えた、ノズルのねじ山付きコネクタ
127 成形されたノズルガスケット
128 霧化ノズルへ向かう平坦な結合面
129 バーへ向かう凹状の結合面
130 洗浄液入口
131 流れ方向
132 エルボの湾曲部
133 ライザーおよび下部バーの揺動、スイング
134 ライザー長手軸線
20 自動ハンドリング設備
200 コンベヤベルト
200a 上部前進ベルト
200b 下部後退ベルト
201 支持構造体
202 ローラー
203 バー挿入穴
204 サイドレール
205 連続的に流れる水および/または洗浄液の外部流路ネットワーク
L コンベヤベルトの幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-8】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドレール(204)付きの支持構造体(201)を備えた自動ハンドリング設備(20)のコンベヤベルト(200)用の、スプレーおよび方向変更可能なタイプの、消毒も行う洗浄装置(10a、10b)であって、
前記洗浄装置(10)は、一体化した平行な、霧化ノズルを備えた2つの管状スプレーバーを有し、
前記スプレーバーは、前記コンベヤベルト(200)に接触することなく、前記コンベヤベルト(200)の上方および下方に水平に配置でき、それにより前記霧化ノズルの前記スプレーは、前記コンベヤベルトの幅(200、L)全体にわたって、外側表面および内側表面の両方の一部に同時に当たるようになっており、
前記洗浄装置(10a、10b)は、連続的に流れる外部フローネットワーク(205)に接続するために、洗浄流体の単一の入口(130)を備え、
前記洗浄装置(10a、10b)は、機械式の固定手段によって、前記設備の前記支持構造体(20、201)に一体的に接合可能である、前記洗浄装置(10a、10b)において、
前記洗浄装置(10a、10b)は、第1の上部スプレーバー(101)および第2の下部スプレーバー(102)を備えた、一方の側がフォークのように開いた、単一の管状かつ共平面構造で構成され、前記第1の上部スプレーバー(101)と前記第2の下部スプレーバー(102)とは平行であり、前記第1の上部スプレーバー(101)および前記第2の下部スプレーバー(102)に直交して配置された前記洗浄流体の共通の供給ライザー(103)に一方の側で接合され、反対側では前記第1の上部スプレーバー(101)および前記第2の下部スプレーバー(102)は、個別に閉じられ、連結部なしで終端し、
前記供給ライザー(103)は、底部から上向きの一方向の流れを有し、前記入口(130)は、下端部に対応し、反対側の端部は、エルボ(132)のように湾曲し、前記第1のスプレーバー(101)に水平に突き合わせて接合され、前記第2のスプレーバー(102)は、接続部によって前記ライザー(103)に直交して接続され、
洗浄流は、前記底部から垂直(103、130、131)に前記スプレーバー(101、102)に入り、内部を進み続け、一列に並んだ霧化ノズル(104)から出て行き、
前記フォーク状(101、102)洗浄装置(10a、10b)は、横向きに挿入して、一方のスプレーバーのみを少なくとも1つの固定手段で固定することにより支持して、サイドレールに対応し前記コンベヤベルト(200)に固定し、こうして前記洗浄装置(10a、10b)全体を一体的かつ取り外し可能な方法で動作位置に固定し、
のスプレーバーは、自立型であり、一方の側が前記接続部によって前記供給ライザー(103)に接合されており、
前記第1のスプレーバー(101)は、クランプ付きブラケットタイプの少なくとも1つの固定グループ(106)を備え、
前記洗浄装置(10a、10b)は、前記ベルト(200)に対する前記洗浄装置(10a、10b)の位置決めにおいて方向を変えることが可能であり、前記供給ライザー(103、134)と前記第2のスプレーバー(102)を所望の位置に固定するように前記固定グループ(106)が完全に締め付けられるまで、前記第1のスプレーバー(101、125)の長手軸線の周りを揺動(102、103、133)することを特徴とする、洗浄装置(10a、10b)。
【請求項2】
少なくとも前記第2のスプレーバー(102)は、前記ベルト(133、134、200)に対する前述の位置決めとは独立して方向を変えることができ、スイベル接続部(105)によって前記供給ライザー(103)に接続され、前記スイベル接続部(105)は、第2のスプレーバーが自身の軸線(102、123、124)を中心に回転し、必要に応じて前記霧化ノズル(104)の方向付けが可能になっていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項3】
前記固定グループ(106)は、
対向する穿孔ディスク(107a、107b)と、
クランプ締めで作用するカップリングディスク(108)と、
侵入防止シールガスケット(111)および少なくとも1つのセルフロックガスケット(112)と、
前記穿孔ディスク(107a、107b)の間に介在し、前記穿孔ディスク(107a、107b)から突出する平坦なブラケット(110)であって、前記平坦なブラケット(110)には、前記第1のバー(101)用の前記ディスクと同軸の主穴(113)と、締め付けねじ(115)用の穴とが設けられ、前記支持構造体(20、201)に回転することなく前記平坦なブラケット(110)を固定するために、前記平坦なブラケット(110)の突出部分には少なくとも2つの固定穴(114)が配置され、前記支持構造体(20、201)は、少なくとも前記供給ライザー(103)の側で前記ベルト(200)の近傍に貫通穴および/またはねじ座として作られた、サイドレール(204)の対応する固定穴でねじ(116)と係合する、前記平坦なブラケット(110)と
を含むことを特徴とする、請求項またはに記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項4】
同じ前記第1のスプレーバー(101)内には、同一であるが反対側に位置する2つの固定グループ(106)があり、前記コンベヤベルト(200)の両側の前記支持構造体(201、204)に固定される前記バー(101)の反対側の端部に対称的に位置することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項5】
前記第1のバー(101)は、前記供給ライザー(103)の側部のみに前記固定グループ(106、204)により固定され、その反対側の端部は、中心合わせとして穴内部に挿入することによってのみ前記支持構造体(201)に拘束されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項6】
前記スイベル接続部(105)は、リングガスケット(123)と、前記スプレーバーの端部から突出する円形フランジ(119)と、前記供給ライザー(103)から突出する接続要素(121)の端部に対応する円錐形のねじ山(122)を備えた固定ねじ山付きリングナット(120)とを備えることを特徴とする、請求項3~のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項7】
前記供給ライザー(103)は、一体型要素のように、構造的かつ流体的に連続して前記第1のスプレーバー(101)に接合されていることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a)。
【請求項8】
前記供給ライザー(103)は、前記第1のスプレーバー(101)に流体的に連続しているが構造的に連続せずに接合され、前記第2のスプレーバー(102、105)と同様にスイベル接続部(105)で不連続であり、突き合わせて接続されていることを特徴とする、請求項3~のいずれか一項に記載の洗浄装置(10b)。
【請求項9】
前記第1および第2のスプレーバー(101、102)は、同じものであり、全長が同じであり、前記スイベル接続部のフランジ(105、119)が同じであり、および前記霧化ノズル(104)の数が同じであることを特徴とする、請求項に記載の洗浄装置(10b)。
【請求項10】
前記スプレーバー(101、102)は、前記霧化ノズル(104)を備えた円形の管状断面を有し、前記霧化ノズル(104)は、前記霧化ノズルに向かって平坦(128)であり、前記バーに向かって凹面(129)である成形された支持体およびシールガスケット(127)を介在させることによって前記スプレーバー(101、102)にねじ込まれ、これにより、前記バーの湾曲した外面と連続的かつ形式的に整合して接続され、すべての隙間がシールされることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【請求項11】
前記成形された支持体およびシールガスケット(127)は、着色されていることを特徴とする、請求項10に記載の洗浄装置(10a、10b)。
【国際調査報告】