(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-03
(54)【発明の名称】リニア駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20250127BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529102
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2022144285
(87)【国際公開番号】W WO2024113462
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202223212207.4
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522237667
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ (ナンジン) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Technologies (Nanjing) Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】史衛領
(72)【発明者】
【氏名】朱学園
(72)【発明者】
【氏名】郭順
(72)【発明者】
【氏名】銭林
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641GG02
5H641GG24
5H641GG26
5H641HH03
5H641JA02
5H641JA09
(57)【要約】
【課題】本発明には、リニア駆動装置が開示される。
【解決手段】リニア駆動装置は、固定子、可動子、第1位置フィードバックユニット、ドライバ及びコントローラを備え、固定子は、固定子本体と、前記固定子本体に固定された複数のコイルとを備え、連続して配置された前記コイルの少なくとも一部は直列または並列に設置され、可動子は、前記固定子本体に支持された可動子本体と、前記可動子本体に固定された磁石鋼とを備え、第1位置フィードバックユニットは前記可動子本体に固定され、ドライバは複数あり、1つのセットとして直列又は並列に設置された複数の前記コイルがそのうちの1つの前記ドライバと電気的に接続され、直列又は並列に設置されていない残りの前記コイルは複数のセットに分割され、かつ各セットの複数の前記コイルが別の1つの前記ドライバと電気的に接続され、コントローラは、複数の前記ドライバと電気的に接続される。本発明におけるリニア駆動装置は、ドライバの使用数を節約するだけでなく、リニア駆動装置のコストを削減し、制御システム全体の制御の難易度を低下できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子、可動子、第1位置フィードバックユニット、ドライバ及びコントローラを備え、
前記固定子は、固定子本体と、前記固定子本体に固定され、かつ前記固定子本体の延在方向に沿って順次配置された複数のコイルとを備え、連続して配置された前記コイルの少なくとも一部は直列または並列に設置されており、
前記可動子は、前記固定子本体に支持されかつ摺動可能に接続された可動子本体と、前記可動子本体に固定され、かつ前記コイルと真向かいでかつ間隔をあけて設置された磁石鋼とを備え、
前記第1位置フィードバックユニットは、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定されており、
前記ドライバは複数あり、1つのセットとして直列又は並列に設置された複数の前記コイルがそのうちの1つの前記ドライバと電気的に接続され、直列又は並列に設置されていない残りの前記コイルは複数のセットに分割され、かつ各セットの複数の前記コイルが別の1つの前記ドライバと電気的に接続されており、
直列又は並列に設置された各セットのコイルには、MN個の前記コイルが含まれ、直列又は並列に設置されていない各セットのコイルには、N個の前記コイルが含まれ、ここで、前記M≧2、前記N≧3であり、
前記コントローラはそれぞれ、複数の前記ドライバと電気的に接続されており、かつ、前記コントローラは前記第1位置フィードバックユニットによって前記可動子の位置情報を取得する、
ことを特徴とするリニア駆動装置。
【請求項2】
前記ドライバは前記第1ケーブルを介して前記コイルと電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
【請求項3】
前記可動子は、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定された透磁体をさらに備え、前記磁石鋼は、複数あり、かつ前記透磁体の前記固定子に近い側に間隔をあけて固定されており、前記第1位置フィードバックユニットは、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定され、かつ前記透磁体と間隔をあけて設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
【請求項4】
前記固定子は、前記固定子本体の前記可動子に近い側に固定され、かつ互いに間隔をあけて設置された2つのガイドレールをさらに備え、2つの前記ガイドレールは、前記固定子本体の延在方向に沿って設けられており、前記コイルは、前記固定子本体の前記可動子に近い側に固定され、かつ2つの前記ガイドレールの間に位置しており、前記可動子は、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定されかつ互いに間隔をあけて設置された2つのスライダーをさらに含み、2つの前記スライダーは、2つの前記ガイドレールにそれぞれ支持されて摺動可能に接続され、前記透磁体は2つの前記スライダーの間に位置している、
ことを特徴とする請求項3に記載のリニア駆動装置。
【請求項5】
前記固定子は、順次当接するように設置された複数のコアをさらに備え、各前記コアは、前記固定子本体の前記可動子に近い側に固定された平板部と、前記平板部の前記可動子に近い側から前記可動子の方向へ突出して延びるように形成され、かつ間隔をあけて設けられた複数の延出部と、を備え、各前記コイルは1つの前記延出部に外嵌固定されており、直列又は並列を形成するように1つのセットとして直列又は並列に設置された複数の前記コイルが同一の前記コアに固定され、直列又は並列に設置されていない各セットの複数の前記コイルは、同一の前記コアに固定されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のリニア駆動装置。
【請求項6】
前記コントローラは、無誘導制御又は周波数変換制御により前記第1位置フィードバックユニットによってフィードバックされた前記可動子の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
【請求項7】
前記リニア駆動装置は、前記固定子本体の前記可動子に近い側に間隔をあけて固定された複数の第2位置フィードバックユニットをさらに備え、前記第2位置フィードバックユニットは前記コントローラと電気的に接続されており、前記第1位置フィードバックユニットが前記第2位置フィードバックユニットと真向かいになるほど移動した場合、前記コントローラが前記可動子の位置情報を取得できるように、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットからの位置情報を読み出して、前記第1位置フィードバックユニットからの位置情報を前記コントローラにフィードバックする、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
【請求項8】
前記第2位置フィードバックユニットは第2ケーブルを介して前記コントローラと電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項7に記載のリニア駆動装置。
【請求項9】
前記リニア駆動装置は、信号処理モジュールをさらに備え、前記第2位置フィードバックユニットは、第3ケーブルを介して前記信号処理モジュールと電気的に接続されており、かつ前記信号処理モジュールを介して前記ドライバと電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項7に記載のリニア駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニア駆動技術の分野に属し、特にリニア駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リニア駆動装置は、可動子を直線に沿って移動させるように駆動するための運動装置であり、複数のコイルからなる固定子と、固定子と摺動可能に接続され、かつ磁石鋼で構成された可動子と、各コイルを駆動して制御するための複数のドライバと、複数のドライバにそれぞれ接続されたコントローラとを備える。
【0003】
従来のリニア駆動装置では、一部の箇所に他のステーションを設置する必要がなく、コイルによって可動子を運動させるように駆動するだけでよく、精確な駆動制御及び協働制御を必要としない。
【0004】
しかし、実際の使用では、リニア駆動装置は、各々のコイルに1つのドライバを設置するため、精確な制御を必要としない複数のコイルによって多数のドライバの無駄になり、リニア駆動装置のコストが高くなり、制御システム全体の制御が困難になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、各々のコイルに1つのドライバを設置することに起因してドライバの無駄になり、コストが高くなり、制御の難易度が高いという従来のリニア駆動装置の問題を解決するためのリニア駆動装置を如何にして提供するかということである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のこのように実現される。本発明には、リニア駆動装置が提供され、当該リニア駆動装置は、固定子、可動子、第1位置フィードバックユニット、ドライバ及びコントローラを備え、
前記固定子は、固定子本体と、前記固定子本体に固定されかつ前記固定子本体の延在方向に沿って順次配置された複数のコイルとを備え、連続して配置された前記コイルの少なくとも一部は直列または並列に設置されており、
前記可動子は、前記固定子本体に支持され、かつ摺動可能に接続された可動子本体と、前記可動子本体に固定され、かつ前記コイルと真向かいでかつ間隔をあけて設置された磁石鋼とを備え、
前記第1位置フィードバックユニットは、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定されており、
前記ドライバは複数あり、1つのセットとして直列又は並列に設置された複数の前記コイルがそのうちの1つの前記ドライバと電気的に接続され、直列又は並列に設置されていない残りの前記コイルは複数のセットに分割され、かつ各セットの複数の前記コイルが別の1つの前記ドライバと電気的に接続されており、
直列又は並列に設置された各セットのコイルには、MN個の前記コイルが含まれ、直列又は並列に設置されていない各セットのコイルには、N個の前記コイルが含まれ、ここで、前記M≧2、前記N≧3であり、
前記コントローラはそれぞれ、複数の前記ドライバと電気的に接続されており、かつ、前記コントローラは前記第1位置フィードバックユニットによって前記可動子の位置情報を取得する。
【0007】
さらに、前記ドライバは前記第1ケーブルを介して前記コイルと電気的に接続されている。
【0008】
さらに、前記可動子は、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定された透磁体をさらに備え、前記磁石鋼は、複数あり、かつ前記透磁体の前記固定子に近い側に間隔をあけて固定されており、前記第1位置フィードバックユニットは、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定され、かつ前記透磁体と間隔をあけて設置されている。
【0009】
さらに、前記固定子は、前記固定子本体の前記可動子に近い側に固定され、かつ互いに間隔をあけて設置された2つのガイドレールをさらに備え、2つの前記ガイドレールは、前記固定子本体の延在方向に沿って設けられており、前記コイルは、前記固定子本体の前記可動子に近い側に固定され、かつ2つの前記ガイドレールの間に位置しており、前記可動子は、前記可動子本体の前記固定子に近い側に固定されかつ互いに間隔をあけて設置された2つのスライダーをさらに含み、2つの前記スライダーは、2つの前記ガイドレールにそれぞれ支持されて摺動可能に接続され、前記透磁体は2つの前記スライダーの間に位置している。
【0010】
さらに、前記固定子は、順次当接するように設置された複数のコアをさらに備え、各前記コアは、前記固定子本体の前記可動子に近い側に固定された平板部と、前記平板部の前記可動子に近い側から前記可動子の方向へ突出して延びるように形成され、かつ間隔をあけて設けられた複数の延出部と、を備え、各前記コイルは1つの前記延出部に外嵌固定されており、直列又は並列を形成するように1つのセットとして直列又は並列に設置された複数の前記コイルが同一の前記コアに固定され、直列又は並列に設置されていない各セットの複数の前記コイルは、同一の前記コアに固定されている。
【0011】
さらに、前記コントローラは、無誘導制御又は周波数変換制御により前記第1位置フィードバックユニットによってフィードバックされた前記可動子の位置情報を取得する。
【0012】
さらに、前記リニア駆動装置は、前記固定子本体の前記可動子に近い側に間隔をあけて固定された複数の第2位置フィードバックユニットをさらに備え、前記第2位置フィードバックユニットは前記コントローラと電気的に接続されており、前記第1位置フィードバックユニットが前記第2位置フィードバックユニットと真向かいになるほど移動した場合、前記コントローラが前記可動子の位置情報を取得できるように、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットからの位置情報を読み出して、前記第1位置フィードバックユニットからの位置情報を前記コントローラにフィードバックする。
【0013】
さらに、前記第2位置フィードバックユニットは第2ケーブルを介して前記コントローラと電気的に接続されている。
【0014】
さらに、前記リニア駆動装置は、信号処理モジュールをさらに備え、前記第2位置フィードバックユニットは、第3ケーブルを介して前記信号処理モジュールと電気的に接続されており、かつ前記信号処理モジュールを介して前記ドライバと電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明におけるリニア駆動装置は、固定子としての少なくとも一部のコイルを直列または並列に設置し、直列または並列に設置された複数のコイルを1つのドライバと電気的に接続することで、精密な制御を必要としない複数のコイルは、直列または並列によって1つの要求の低いモジュールとして統合され、その後、パワーがより大きなドライバによって駆動されて制御され、このように、ドライバの使用数を節約するだけでなく、リニア駆動装置のコストを削減し、制御システム全体の制御の難易度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
従来技術または本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、従来技術または本発明の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る第1のリニア駆動装置の構成分解図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係る第1のリニア駆動装置の全体構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係る第2のリニア駆動装置の全体構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に係る第2のリニア駆動装置における駆動制御概略図である。
【符号の説明】
【0017】
100 :リニア駆動装置
1 :固定子
11 :コイル
12 :固定子本体
13 :ガイドレール
14 :コア
141 :平板部
142 :延出部
2 :可動子
21 :磁石鋼
22 :可動子本体
23 :透磁体(magnetizer)
24 :スライダー
3 :第1位置フィードバックユニット
4 :ドライバ
41 :第1ケーブル
42 :第2ケーブル
5 :コントローラ
6 :第2位置フィードバックユニット
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にかつ理解しやすくするために、以下では、実施例及び対応する図面を組み合わせて本発明をさらに詳しく説明する。理解すべきであるが、ここで記載された具体的な実施例は、本発明を説明するにのみ用いられ、本発明を限定するものではない。
【0019】
本発明の実施例には、リニア駆動装置100が提供され、
図1~
図6に示されるように、リニア駆動装置100は、固定子1、可動子2、第1位置フィードバックユニット3、ドライバ4及びコントローラ5を備える。
【0020】
ここで、固定子1は、固定子本体12と、固定子本体12に固定され、かつ固定子本体12の延在方向に沿って順次配置された複数のコイル11とを備え、連続して配置されたコイル11の少なくとも一部は直列または並列に設置されている。
【0021】
1つのセットとして直列または並列に設置された複数のコイル11間が電気的に接続されている以外に、直列または並列に設置されていない複数のコイル11間で互いに絶縁されており、同時に、1つのセットとして直列または並列に設置されたコイル11と直列または並列に設置されていないコイル11との間で互いに絶縁されている。
【0022】
可動子2は、固定子本体12に支持されかつ摺動可能に接続された可動子本体22と、可動子本体22に固定され、かつコイル11と真向かいでかつ間隔をあけて設置された磁石鋼21とを備える。
【0023】
第1位置フィードバックユニット3は、可動子本体22の固定子1に近い側に固定されている。
【0024】
ドライバ4は複数あり、1つのセットとして直列又は並列に設置された複数のコイル11がそのうちの1つのドライバ4と電気的に接続され、直列又は並列に設置されていない残りのコイル11は複数のセットに分割され、かつ各セットの複数のコイル11が別の1つのドライバ4と電気的に接続されている。
【0025】
直列又は並列に設置された各セットのコイルには、MN個のコイル11が含まれ、直列又は並列に設置されていない各セットのコイルには、N個のコイル11が含まれ、ここで、M≧2、N≧3であり、MとNはいずれも整数である。
【0026】
すなわち、直列又は並列に設置された各セットのコイルには、少なくとも6つのコイル11、または2×3以上の整数の倍数個のコイル11、あるいは3×2以上の整数の倍数個のコイル11が含まれ、直列又は並列に設置されていない各セットのコイルには、少なくとも3つのコイル11も含まれる。
【0027】
コントローラ5はそれぞれ、複数のドライバ4と電気的に接続されており、かつ、コントローラ5は第1位置フィードバックユニット3によって可動子2の位置情報を取得する。
【0028】
本実施例では、ドライバ4は第1ケーブル41を介してコイル11と電気的に接続されている。
【0029】
本実施例では、可動子2は、可動子本体22の固定子1に近い側に固定された透磁体23をさらに備え、磁石鋼21は、複数あり、かつ透磁体23の固定子1に近い側に間隔をあけて固定されており、第1位置フィードバックユニット3は、可動子本体22の固定子1に近い側に固定され、かつ透磁体23と間隔をあけて設置されている。このように設置することで、磁石鋼21の固定を容易にし、磁石鋼21とコイル11とによって形成される磁界効果を高めることができる。
【0030】
本実施例では、前記固定子1は、固定子本体12の可動子2に近い側に固定され、かつ互いに間隔をあけて設置された2つのガイドレール13をさらに備える。2つのガイドレール13は、固定子本体12の延在方向に沿って設けられており、コイル11は、固定子本体12の可動子2に近い側に固定され、かつ2つのガイドレール13の間に位置している。可動子2は、可動子本体22の固定子1に近い側に固定されかつ互いに間隔をあけて設置された2つのスライダー24をさらに含み、2つのスライダー24は、2つのガイドレール13にそれぞれ支持されて摺動可能に接続され、透磁体23は2つのスライダー24の間に位置している。このように設置することで、可動子本体22が固定子本体12に摺動可能に支持されることが容易となり、両者間の摺動効果を向上させることができる。
【0031】
本実施例では、固定子1は、順次当接するように設置された複数のコア14をさらに備え、各コア14は、固定子本体12の可動子2に近い側に固定された平板部141と、平板部141の可動子2に近い側から可動子2の方向へ突出して延びるように形成され、かつ間隔をあけて設けられた複数の延出部142と、を備える。各コイル11は1つの延出部142に外嵌固定されており、直列又は並列を形成するように1つのセットとして直列又は並列に設置された複数のコイル11が同一のコア14に固定され、直列又は並列に設置されていない各セットの複数のコイル11は、同一のコア14に固定され、かつ互いに絶縁されている。このように設置することで、コイル11の取り付け、固定が容易になり、直列又は並列に設置された複数のコイル11の間の接続が容易になる。
【0032】
本実施例では、コントローラ5は、無誘導制御又は周波数変換制御により第1位置フィードバックユニット2によってフィードバックされた位置情報を取得する。
【0033】
本実施例では、精密な制御を必要としない複数のコイル11を直列または並列に設置するように1つのモジュールとして一体化し、その後、このモジュール内の複数のコイル11をそのうちのパワーがより強力な1つのドライバ4によって駆動して制御する。
【0034】
本実施例におけるリニア駆動装置100の動作原理は、磁石鋼21が磁界を誘導させ、コイル11との間にエアギャップ磁界を発生させ、コイル11に適当な電流を導入すると、コイル11は進行波磁場を発生させることができ、磁石鋼21とコイル11との間に推力を発生させ、それによって、可動子2は固定子1に沿って摺動する、ことである。
【0035】
可動子2における第1位置フィードバックユニット3が対応する領域を通過するときに、コントローラ5は、第1位置フィードバックユニット3と協働して可動子2の位置情報を取得するように、この領域に対して無誘導制御または周波数変換制御の方式で作動する。
【0036】
従来技術に比べて、本実施例におけるリニア駆動装置100は、固定子1としての少なくとも一部のコイル11を直列または並列に設置し、直列または並列に設置された複数のコイル11を1つのドライバ4と電気的に接続することで、精密な制御を必要としない複数のコイル11は、直列または並列によって1つの要求の低いモジュールとして統合され、その後、パワーがより大きなドライバ4によって駆動されて制御され、このように、ドライバ4の使用数を節約するだけでなく、リニア駆動装置100のコストを削減し、制御システム全体の制御の難易度を低下させることができる。
【0037】
本発明の別の選択可能な実施例として、
図4~6に示されるように、リニア駆動装置100は、固定子本体12の可動子2に近い側に間隔をあけて固定された複数の第2位置フィードバックユニット6をさらに備え、第2位置フィードバックユニット6はコントローラ6と電気的に接続されている。
【0038】
第1位置フィードバックユニット3が第2位置フィードバックユニット6と真向かいになるほど移動した場合、コントローラ5が可動子2の位置情報を取得できるように、第2位置フィードバックユニット6は、第1位置フィードバックユニット3からの位置情報を読み出して、第1位置フィードバックユニット3からの位置情報をコントローラ5にフィードバックする。すなわち、第1位置フィードバックユニット3によってフィードバックされた位置情報は、可動子2の位置情報である。
【0039】
本実施例では、第1位置フィードバックユニット3は格子定規(Grid ruler)であり、第2位置フィードバックユニット6は格子定規のリードヘッドである。コントローラ5は、無誘導制御または周波数変換制御によって第1位置フィードバックユニット3によってフィードバックされた可動子2の位置情報を取得しなくなり、その代わりに、第2位置フィードバックユニット6によって読み出すことにより取得する。
【0040】
本実施例では、第2位置フィードバックユニット6は第2ケーブル42を介してコントローラ5と電気的に接続されている。
【0041】
また、リニア駆動装置100は、信号処理モジュール(図示せず)をさらに備え、この場合、第2位置フィードバックユニット6は、まず第3ケーブルを介して信号処理モジュールと電気的に接続され、そして、信号処理モジュールを介してドライバ4と電気的に接続され、ここで、信号処理モジュールも第3ケーブルを介してドライバ4と電気的に接続されている。
【0042】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および原則の範囲内でなされたいかなる変更、均等の置き換え及び改良も、本発明の保護の範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】