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特表2025-503351マルチステーション用のプラズマプロセスシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】マルチステーション用のプラズマプロセスシステム
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20250128BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20250128BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20250128BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20250128BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H05H1/46 L
C23C16/505
C23C16/52
H01L21/31 C
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562625
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 KR2022021551
(87)【国際公開番号】W WO2023128627
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193985
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396331
【氏名又は名称】エンツーコア テクノロジー,インコーポレーテッド
【住所又は居所原語表記】(Jukdong)77 Jukdong-ro, Yuseong-gu Daejeon 34127 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オム セフン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ガルドン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンフン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ギョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク セホン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ジン
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084AA07
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD13
2G084EE11
2G084EE12
2G084FF02
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH25
2G084HH27
2G084HH28
2G084HH32
2G084HH43
4K030CA04
4K030FA01
4K030JA16
4K030JA18
4K030KA30
4K030KA41
4K030LA15
4K030LA18
5F004BA03
5F004BB13
5F004BB29
5F004BD01
5F004BD04
5F004BD05
5F004CA03
5F004CB05
5F004DA17
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA26
5F045AC02
5F045AC07
5F045AC11
5F045AC16
5F045DP03
5F045DQ14
5F045EB03
5F045EH02
5F045EH11
5F045EH18
5F045GB04
5F045GB15
(57)【要約】
本開示の一実施形態によれば、マルチステーション用のプラズマプロセスシステムを提供することができる。このシステムは、少なくとも2つ以上のステーションを含むプロセスチャンバと、ステーションのそれぞれに設けられた1つのプラズマ発生器と、プラズマ発生器のそれぞれに設けられた1つのインバータと、プラズマ発生器のそれぞれの電気特性を測定するように構成された感知ユニットと、感知ユニットから感知データ取得してインバータのそれぞれを制御するように構成されたコントローラとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステーション用のプラズマプロセスシステムであって、前記システムは、
第1ステーション及び第2ステーションを含むプロセスチャンバと、
前記第1ステーションに結合された第1プラズマ発生器と、
前記第1プラズマ発生器に交流電力を提供するように構成された第1インバータと、
前記第1プラズマ発生器に関連する電気特性を感知するように構成された第1感知ユニットと、
前記第2ステーションに結合された第2プラズマ発生器と、
前記第2プラズマ発生器に交流電力を提供するように構成された第2インバータと、
前記第2プラズマ発生器に関連する電気特性を感知するように構成された第2感知ユニットと、
前記第1インバータ及び前記第2インバータを制御するように構成されたコントローラと、を備え、
前記第1プラズマ発生器は、前記第1ステーションに流体的に結合された第1放電管と、前記第1放電管を取り囲むように配置された第1アンテナ構造とを含み、
前記第2プラズマ発生器は、前記第2ステーションに流体的に結合された第2放電管と、前記第2放電管を取り囲むように配置された第2アンテナ構造とを含み、
前記第1アンテナ構造は、第1インバータから交流電力を受け取り、前記第1放電管内にプラズマを誘導するように構成され、
前記第2アンテナ構造は、前記第2インバータから交流電力を受け取り、前記第2放電管内にプラズマを誘導するように構成されている、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記第1感知ユニットから得られた第1感知データに基づいて、第1駆動周波数に対応する第1スイッチ信号を前記第1インバータに提供し、
前記第2感知ユニットから得られた第2感知データに基づいて、第2駆動周波数に対応する第2スイッチ信号を前記第2インバータに提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記第1感知データを受信した後に第3感知データを受信し、
前記第3感知データに基づいて、前記第1インバータに提供される前記第1スイッチ信号を変更するか否かを決定し、
前記第2感知データを受信した後に第4感知データを受信し、
前記第4感知データに基づいて、前記第2インバータに提供される前記第2スイッチ信号を変更するか否かを決定するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第3感知データを使用して、第1位相差データと第1電力比較データを得、
前記第1位相差データと前記第1電力比較データを使用して、前記第1インバータに提供される前記第1スイッチ信号を変更するか否か決定するように構成され、
前記第1位相差データは、前記第1プラズマ発生器に印加された電圧と電流の位相差に対応し、
前記第1電力比較データは、前記第1インバータに印加された第1電力と第1目標電力との間の差に対応する、ことを特徴とする請求項3に記載システム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記第1位相差データが遅れ状態を示し、前記第1電力比較データが、前記第1電力が前記第1目標電力よりも小さいことを示す場合、前記第1駆動周波数よりも小さい第3駆動周波数に対応する第3スイッチ信号を前記第1インバータに提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1目標電力に基づいて、前記第1駆動周波数と前記第3駆動周波数との間の差が決定される、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記第1位相差データが遅れ状態を示し、前記第1電力比較データが、前記第1電力が前記第1目標電力と同じであることを示す場合、前記第1インバータに印加された前記第1スイッチ信号を維持するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記第1位相差データが遅れ状態を示し、前記第1電力比較データが、前記第1電力が前記第1目標電力よりも大きいことを示す場合、前記第1駆動周波数よりも大きい第3駆動周波数に対応する第3スイッチ信号を前記第1インバータに提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1目標電力に基づいて、前記第1駆動周波数と前記第3駆動周波数との間の差が決定される、ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記第1位相差データが進み状態を示す場合、前記第1駆動周波数よりも大きい第3駆動周波数に対応する第3スイッチ信号を前記第1インバータに提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1駆動周波数と前記第3駆動周波数との間の差は固定値である、ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1感知ユニットは、所定の期間に前記第1感知データを取得し、前記第1感知データを前記コントローラに提供するように構成され、
前記第2感知ユニットは、所定の期間に前記第2感知データを取得し、前記第2感知データを前記コントローラに提供するように構成され、
前記コントローラは、
前記第1プラズマ発生器に提供される交流電力の周波数が前記第1駆動周波数から第3駆動周波数になるように、周期的に得られた前記第1感知データに基づいて、前記第1インバータに提供される前記第1スイッチ信号を変更し、
前記第2プラズマ発生器に提供される交流電力の周波数が前記第2駆動周波数から第4駆動周波数になるように、周期的に得られた前記第2感知データに基づいて、前記第2インバータに提供される前記第2スイッチ信号を変更するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記第1感知データと前記第1スイッチ信号に基づいて、前記第1プラズマ発生器に印加される電圧と電流の位相差を表す第1位相差データを得、
前記第1位相差データが第1許容位相差条件を満たさない場合、前記第1インバータに提供される前記第1スイッチ信号を変更し、
前記第2感知データと前記第2スイッチ信号に基づいて、前記第2プラズマ発生器に印加される電圧と電流の位相差を表す第2位相差データを得、
前記第2位相差データが第2許容位相差条件を満たさない場合、前記第2インバータに提供される前記第2スイッチ信号を変更するように構成されている、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1感知データは、前記第1プラズマ発生器に印加される前記電流の位相に対応し、前記第1スイッチ信号は、前記第1プラズマ発生器に印加される前記電圧の位相に対応し、
前記第2感知データは、前記第2プラズマ発生器に印加される前記電流の位相に対応し、前記第2スイッチ信号は、前記第2プラズマ発生器に印加される前記電圧の位相に対応する、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1インバータと前記第2インバータに電気的に結合された電力分配器をさらに備え、
前記電力分配器は、第1直流電力を前記第1インバータに提供し、前記第1直流電力とは大きさの異なる第2直流電力を第2インバータに提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチステーション用のプラズマプロセスシステムに関し、より詳細には、複数のステーションでプラズマプロセスを実行するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマを使用するプラズマプロセス技術は、半導体、ディスプレイ、及び医療機器の分野だけでなく、空気、水、土壌浄化などの環境技術分野や、太陽電池、水素エネルギーなどのエネルギー技術分野を含む様々な産業分野で利用されている。プラズマプロセス技術には、コロナ放電、グロー放電、及びアーク放電などの直流放電と、容量結合放電及び誘導結合放電などの交流放電とを含む、プラズマを発生させる様々な方法、衝撃波や高エネルギービームなどを使用する方法がある。これらの方法のうち、より少ない電力を使用して高密度プラズマを発生させることができる誘導結合放電は注目されている。
【0003】
誘導結合放電を使用するプラズマプロセス技術として、プロセスチャンバ内でプラズマを直接発生させる方法と、プロセスに必要なプロセスガス(例えば、ラジカル)を生成し、生成したプロセスガスをチャンバ内に供給するリモートプラズマ法がある。
【0004】
一方、関連技術のリモートプラズマ法は、通常、1つのプロセスチャンバ内で一種類のプラズマプロセスを行うため、複数の同じプロセスを同時に行ったり、異なるプロセスを並行に行ったりすることが困難であり、その結果、全体のプロセス効率を向上させるには限界があるという問題がある。
【0005】
この問題を解決するためにマルチステーションを使用するプラズマプロセスシステムについては、本明細書で後述する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、マルチステーション用のプラズマプロセスシステムを提供することである。
【0007】
本開示の目的は、マルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおいてプラズマ発生システムとプロセスチャンバが互いに接続される物理的構造を提供することである。
【0008】
本開示の目的は、マルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおけるプラズマ発生システムを制御する方法、及び該方法のための装置を提供することである。
【0009】
本開示の目的は上記のものに限定されず、上記に記載されていない目的は、明細書及び添付の図面から当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、マルチステーション用のプラズマプロセスシステムを提供することである。このシステムは、第1ステーション及び第2ステーションを含むプロセスチャンバと、第1ステーションに流体的に結合された第1プラズマ発生器と、第1プラズマ発生器に交流電力を提供するように構成された第1インバータと、第1プラズマ発生器の電気特性を感知するように構成された第1感知ユニットと、第2ステーションに結合された第2プラズマ発生器と、第2プラズマ発生器に交流電力を提供するように構成された第2インバータと、第2プラズマ発生器の電気特性を感知するように構成された第2感知ユニットと、第1インバータ及び第2インバータを制御するように構成されたコントローラと、を備える。第1プラズマ発生器は、第1ステーションに流体的に結合された第1放電管と、第1放電管を取り囲むように配置された第1アンテナ構造とを含む。第2プラズマ発生器は、第2ステーションに流体的に結合された第2放電管と、第2放電管を取り囲むように配置された第2アンテナ構造とを含む。第1アンテナ構造は、第1インバータから交流電力を受け取り、第1放電管内にプラズマを誘導するように構成されている。第2アンテナ構造は、第2インバータから交流電力を受け取り、第2放電管内にプラズマを誘導するように構成されている。
【0011】
本開示の目的は上記のものに限定されず、上記に記載されていない目的は、明細書及び添付の図面から当業者に明確に理解される。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一実施形態によれば、マルチステーション用のリモートプラズマプロセスシステムを提供することである。
【0013】
本開示の一実施形態によれば、プラズマプロセスにおいてマルチステーションを使用して複数のプロセスを並行に行うことが可能である。
【0014】
本開示の一実施形態によれば、プラズマプロセスにおいてマルチステーションを使用して異なるプロセスを並行に行うことが可能である。
【0015】
本開示の一実施形態によれば、プロセス効率の高いプラズマプロセスシステムを実装することが可能である。
【0016】
本開示の効果は上記のものに限定されず、上記に記載されていない効果は、明細書及び添付の図面から当業者に明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態によるプラズマプロセスのシステムを示す図である。
図2】本開示の一実施形態による無線周波数(RF)発生器を示す図である。
図3】本開示の一実施形態によるプラズマ発生器を示す図である。
図4】本開示の一実施形態によるシングルステーションでのプラズマプロセスの手順を示す図である。
図5】本開示の一実施形態によるプラズマプロセス用のマルチステーションを示す図である。
図6】本開示の一実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおける構成要素の関係を示す図である。
図7】本開示の別の実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおける構成要素の関係を示す図である。
図8】本開示の別の実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおける構成要素の関係を示す図である。
図9-10】本開示の別の実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステムを示す図である。
図11】本開示の一実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおける電力制御方法を示す図である。
図12】本開示の一実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステムにおける周波数制御方法を示す図である。
図13】本開示の一実施形態によるプラズマ発生システムのブロック図を示す図である。
図14】本開示の一実施形態による、中央制御装置から感知値を取得するプロセスを示す図である。
図15】本開示の一実施形態によるプラズマ発生システムを使用するプラズマプロセス方法を示すフローチャートである。
図16】本開示の一実施形態による周波数制御を介した電力制御方法を示すフローチャートである。
図17】本開示の一実施形態による周波数制御を介した電力制御方法において使用される規則を要約した表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明を通じてより明確になる。本開示は、種々の方法で修正され、かつ種々の例示的な実施形態によって実施されてもよいので、具体的な例示的実施形態が図面に示され、以下で詳細に説明される。
【0019】
図面では、明確にするために層と領域の厚さを誇張しており、構成要素又は層が別の構成要素又は層の「上」にある場合、構成要素又は層が別の構成要素又は層の上にあるだけでなく、その間に別の層又は構成要素が配置されているすべての場合が含まれる。同様の参照番号は、明細書全体にわたって基本的に同じ構成要素を示している。実施形態の図面では、同じ範囲内で同じ機能を有する構成要素については、同じ参照番号で記載されており、繰り返しの説明は省略されている。
【0020】
本開示の明細書で使用される数字(例えば、第1、第2など)は、ある構成要素を別の構成要素と区別するための識別記号にすぎない。
【0021】
以下の実施形態で構成要素に使用される「モジュール」及び「ユニット」という用語は、説明の便宜のためにのみ使用されており、区別的な意味や機能がない。
【0022】
以下の実施形態では、文脈上明確に別段の定めがない限り、単数形は複数形を含むことを意図している。
【0023】
以下の実施形態では、「含む」又は「有する」などの用語は、本明細書に記載されている特徴又は構成要素が存在することを意味し、他の1つ又は複数の特徴又は構成要素が追加される可能性を排除しない。
【0024】
説明の都合上、構成要素を誇張したり、サイズを小さくしたりすることがある。例えば、図に示されている構成要素のサイズや厚さは選択的に提供されており、本開示は必ずしもそれらに限定されるものではない。
【0025】
実施形態が別の方法で実施できる場合、特定のプロセスを説明とは異なる順序で実行してもよい。例えば、順次説明される2つのプロセスは、実質的に同時に実行される場合もあり、説明した順序とは逆の順序で実行される場合もある。
【0026】
以下の実施形態では、膜、領域、構成要素が接続されているとき、膜、領域、及び構成要素は直接接続されている場合だけでなく、膜、領域、及び構成要素は、他の膜、領域、及び構成要素を間に挟んで間接的に接続されている場合も含まれる。
【0027】
例えば、本明細書では、膜、領域、及び構成要素が電気的に接続されているとき、膜、領域、及び構成要素は直接電気的に接続されている場合だけでなく、膜、領域、及び構成要素は、別の膜、領域、及び構成要素を間に挟んで間接的に電気的に接続されている場合も含まれる。
【0028】
一実施形態によれば、マルチステーション用のプラズマプロセスのシステムを提供することができる。このシステムは、第1ステーション及び第2ステーションを含むプロセスチャンバと、第1ステーションに結合された第1プラズマ発生器と、第1プラズマ発生器に交流電力を提供するように構成された第1インバータと、第1プラズマ発生器に関連する電気特性を感知するように構成された第1感知ユニットと、第2ステーションに結合された第2プラズマ発生器と、第2プラズマ発生器に交流電力を提供するように構成された第2インバータと、第2プラズマ発生器に関連する電気特性を感知するように構成された第2感知ユニットと、第1インバータ及び第2インバータを制御するように構成されたコントローラと、を備える。第1プラズマ発生器は、第1ステーションに流体的に結合された第1放電管と、第1放電管を取り囲むように配置された第1アンテナ構造とを含む。第2プラズマ発生器は、第2ステーションに流体的に結合された第2放電管と、第2放電管を取り囲むように配置された第2アンテナ構造とを含む。第1アンテナ構造は、第1インバータから交流電力を受け取り、第1放電管内にプラズマを誘導するように構成されている。第2アンテナ構造は、第2インバータから交流電力を受け取り、第2放電管内にプラズマを誘導するように構成されている。
【0029】
コントローラは、第1感知ユニットから得られた第1感知データに基づいて、第1駆動周波数に対応する第1スイッチ信号を第1インバータに提供し、第2感知ユニットから得られた第2感知データに基づいて、第2駆動周波数に対応する第2スイッチ信号を第2インバータに提供するように構成されている。
【0030】
コントローラは、第1感知データを受信した後に第3感知データを受信し、第3感知データに基づいて、第1インバータに提供される第1スイッチ信号を変更するか否かを決定し、第2感知データを受信した後に第4感知データを受信し、第4感知データに基づいて、第2インバータに提供される第2スイッチ信号を変更するか否かを決定するように構成されている。
【0031】
コントローラは、第3感知データを使用して第1位相差データと第1電力比較データを得、第1位相差データと第1電力比較データを使用して、第1インバータに提供される第1スイッチ信号を変更するか否かを決定するように構成されている。ここで、第1位相差データは、第1プラズマ発生器に印加される電圧と電流の間の位相差に対応し、第1電力比較データは、第1インバータに印加される第1電力と第1目標電力との間の差に対応する。
【0032】
コントローラは、第1位相差データが遅れ状態を示し、第1電力比較データが、第1電力が第1目標電力よりも小さいことを示す場合、第1駆動周波数よりも小さい第3駆動周波数に対応する第3スイッチ信号を第1インバータに提供するように構成されている。
【0033】
第1目標電力に基づいて、第1駆動周波数と第3駆動周波数との間の差が決定される。
【0034】
コントローラは、第1位相差データが遅れ状態を示し、第1電力比較データが、第1電力が前記第1目標電力と同じであることを示す場合、第1インバータに印加された第1スイッチ信号を維持するように構成されている。
【0035】
コントローラは、第1位相差データが遅れ状態を示し、第1電力比較データが、第1電力が第1目標電力よりも大きいことを示す場合、第1駆動周波数よりも大きい第3駆動周波数に対応する第3スイッチ信号を第1インバータに提供するように構成されている。
【0036】
第1目標電力に基づいて、第1駆動周波数と第3駆動周波数との間の差が決定される。
【0037】
コントローラは、第1位相差データが進み状態を示す場合、第1駆動周波数よりも大きい第3駆動周波数に対応する第3スイッチ信号を第1インバータに提供するように構成されている。
【0038】
第1駆動周波数と第3駆動周波数との間の差は固定値である。
【0039】
第1感知ユニットは、所定の期間に第1感知データを取得し、第1感知データをコントローラに提供するように構成されている。第2感知ユニットは、所定の期間に第2感知データを取得し、第2感知データをコントローラに提供するように構成されている。コントローラは、第1プラズマ発生器に提供される交流電力が第1駆動周波数から第3駆動周波数になるように、周期的に得られた第1感知データに基づいて、第1インバータに提供される第1スイッチ信号を変更し、第2プラズマ発生器に提供される交流電力が第2駆動周波数から第4駆動周波数になるように、周期的に得られた第2感知データに基づいて、第2インバータに提供される第2スイッチ信号を変更するように構成されている。
【0040】
コントローラは、第1感知データ及び第1スイッチ信号に基づいて、第1プラズマ発生器に印加される電圧と電流の位相差を表す第1位相差データを得、第1位相差データが第1許容位相差条件を満たさない場合に、第1インバータに提供される第1スイッチ信号を変更し、第2感知データ及び第2スイッチ信号に基づいて、第2プラズマ発生器に印加される電圧と電流の位相差を表す第2位相差データを得、第2位相差データが第2許容位相差条件を満たさない場合に、第2インバータに提供される第2スイッチ信号を変更するように構成されている。
【0041】
第1感知データは、第1プラズマ発生器に印加される電流の位相に対応し、第1スイッチ信号は、第1プラズマ発生器に印加される電圧の位相に対応する。第2感知データは、第2プラズマ発生器に印加される電流の位相に対応し、第2スイッチ信号は、第2プラズマ発生器に印加される電圧の位相に対応する。
【0042】
第1インバータ及び第2インバータに電気的に結合された電力分配器がさらに備えられる。電力分配器は、第1直流電力を第1インバータに提供し、第1直流電力とは大きさの異なる第2直流電力を第2インバータに提供するように構成されている。
【0043】
第1感知ユニットは、所定の期間に第1感知データを取得し、第1感知データをコントローラに提供するように構成されてもよい。第2感知ユニットは、所定の期間に第2感知データを取得し、第2感知データをコントローラに提供するように構成されてもよい。コントローラは、第1プラズマ発生器に提供される交流電力の周波数が第1駆動周波数から第3駆動周波数になるように、周期的に得られた第1感知データに基づいて、第1インバータに提供される第1スイッチ信号を変更し、第2プラズマ発生器に提供される交流電力の周波数が第2駆動周波数から第4駆動周波数になるように、周期的に得られた第2感知データに基づいて、第2インバータに提供される第2スイッチ信号を変更するように構成されてもよい。
【0044】
コントローラは、第1感知データ及び第1スイッチ信号に基づいて、第1プラズマ発生器に印加される電圧と電流の位相差を表す第1位相差データを得、第1位相差データが第1許容位相差条件を満たさない場合に、第1インバータに提供される第1スイッチ信号を変更し、第2感知データ及び第2スイッチ信号に基づいて、第2プラズマ発生器に印加される電圧と電流の位相差を表す第2位相差データを得、第2位相差データが第2許容位相差条件を満たさない場合に、第2インバータに提供される第2スイッチ信号を変更するように構成されてもよい。
【0045】
第1感知データは、第1プラズマ発生器に印加される電流の位相に対応してもよく、第1スイッチ信号は、第1プラズマ発生器に印加される電圧の位相に対応してもよい。第2感知データは、第2プラズマ発生器に印加される電流の位相に対応してもよく、第2スイッチ信号は、第2プラズマ発生器に印加される電圧の位相に対応してもよい。
【0046】
コントローラは、第1交流電力が第1プラズマ発生器に印加されるように、第1感知ユニットから得られた第1感知データに基づいて第1インバータを制御し、第2交流電力が第2プラズマ発生器に印加されるように、第2感知ユニットから得られた第2感知データに基づいて第2インバータを制御するように構成されてもよい。
【0047】
コントローラは、第1インバータを介して第1パターンで、交流電力を第1プラズマ発生器に提供する第1電力供給操作と、交流電力を第1プラズマ発生器に提供しない第1フリーホイーリング操作とを実行することによって、第1交流電力を第1プラズマ発生器に提供し、第2インバータを介して第2パターンで、交流電力を第2プラズマ発生器に提供する第2電力供給操作と、交流電力を第2プラズマ発生器に提供しない第2フリーホイーリング操作とを実行することによって、第2交流電力を第2プラズマ発生器に提供するように構成されてもよい。
【0048】
第1パターンにおける第1フリーホイーリング操作と第1電力供給操作の比は、第2パターンにおける第2フリーホイーリング操作と第2電力供給操作の比と異なっていてもよい。
【0049】
第1感知データは、第1インバータに印加される電力量に対応してもよく、第2感知データは、第2インバータに印加される電力量に対応してもよい。
【0050】
コントローラは、第1感知データが第1許容電力量条件を満たすか否かを決定し、第1感知データが第1許容電力量条件を満たさない場合に、第1プラズマ発生器に印加される第1交流電力を変更し、第2感知データが第2許容電力量条件を満たすか否かを決定し、第2感知データが第2許容電力量条件を満たさない場合に、第2プラズマ発生器に印加される第2交流電力を変更するように構成されてもよい。ここで、第1許容電力量条件と第2許容電力量条件は、異なる範囲を有してもよい。
【0051】
1.概要
【0052】
(1)専門用語
【0053】
本開示は、マルチステーションを使用するプラズマプロセスのシステム、より詳細には、プラズマ発生システムを使用してマルチステーションでプラズマプロセスを実行するためのシステムに関する。
【0054】
明細書では、プラズマプロセスは、プラズマを発生させて発生させたプラズマを使用するプロセスであり、半導体プロセス、ディスプレイプロセス、ナノプロセス、環境改善などに使用される。明細書では、プラズマプロセスとして、プラズマアッシング、プラズマ化学気相堆積(CVD)、プラズマエッチング、スパッタリング、表面改質などの半導体プロセスが主な実施形態として説明されているが、本開示の技術的アイデアはこれらに限定されない。
【0055】
プラズマは、物質に高いエネルギーが印加されることで、物質が、負電荷を有する電子と正電荷を有するイオンに分解された相で、様々な方式で誘導又は発生することができる。コイル又はアンテナに供給される電力によって特定の空間に形成される誘導電界又は容量性電界により発生するプラズマである誘導結合プラズマは、一般に無線周波数(RF)などの高周波数電力によって駆動されてもよい。一方、以下では、説明の便宜上、プラズマ発生システムで発生するプラズマが誘導結合プラズマであると仮定するが、本開示の技術的アイデアはそれに限定されない。
【0056】
明細書では、オブジェクトに対してプロセスを実行するための環境であるステーションには、プロセスが実行される空間又は領域、あるいはプロセスを実行するための構成要素が含まれる場合がある。さらに、マルチステーションは、ステーションが複数のステーションを含む場合を意味する。
【0057】
(2)プラズマプロセスシステムの概要
【0058】
以下、図1を参照して、プラズマプロセスシステムとその構成について説明する。
【0059】
図1は、本開示の一実施形態によるプラズマプロセスシステム10を示す図である。
【0060】
図1を参照すると、プラズマプロセスシステム10は、プラズマ発生システム100とプロセスチャンバ200を含んでもよい。プラズマ発生システム1000 は、RF発生器とプラズマ発生器2000を含んでもよい。
【0061】
RF発生器1000は、プラズマ発生器2000に電力を提供することができる。例えば、RF発生器1000は、特定の駆動周波数を有する交流電力をプラズマ発生器2000に印加することができる。RF発生器1000は、プラズマ発生器2000のインピーダンスとプラズマ発生器2000に印加される電力とを監視することによって、プラズマ発生器2000に提供される交流電力の駆動周波数を変更することができる。一方、交流電力は、明細書では交流又は交流電圧を意味すると解釈されてもよい。
【0062】
プラズマ発生器2000は、プラズマを発生させることができる。具体的には、プラズマ発生器2000は、プラズマを発生させるための手段と、プラズマが形成される空間とを含んでもよい。例えば、プラズマ発生器2000は、プラズマを発生させるための装置としてアンテナ構造を含んでもよく、プラズマが形成される空間として放電管を含んでもよい。
【0063】
プラズマ発生器2000は、RF発生器1000に電気的に接続され、RF発生器1000から電力を提供することができ、RF発生器1000は、プラズマ発生器2000から電流又は電圧に関する情報を取得することができる。
【0064】
プラズマ発生器2000は、RF発生器1000から取得された電力を使用して、プラズマを発生させることができる。
【0065】
プロセスチャンバ200は、プラズマプロセスを実行する環境を構築することができる。例えば、プロセスチャンバ200は、プラズマプロセスのための空間を提供し、プラズマプロセスが実行されるオブジェクト、プラズマプロセスに適した環境変数(例えば、内部圧力、温度など)を提供することができる。
【0066】
RF発生器1000とプラズマ発生器2000は、プラズマプロセス用のプラズマを発生させ、プロセスチャンバ200は、プラズマプロセスが実行される環境を提供し、それにより、プラズマ発生システム100はプラズマプロセスを実行することができる。
【0067】
以下、RF発生器1000、プラズマ発生器2000、及びプロセスチャンバ200についてより詳細に説明する。
【0068】
(3)RF発生器
【0069】
図2は、本開示の一実施形態による無線周波数(RF)発生器を示す図である。
【0070】
図2を参照すると、RF発生器1000は、交流電源1100、整流器1200、インバータ1300、センサモジュール1400、及びコントローラ1500を含んでもよい。RF発生器10000は、交流電源1100から供給された第1交流電力を第2交流電力に変換し、第2交流電力を負荷に供給することができる。例えば、RF発生器1000は、一般的な家庭や産業で使用される第1交流電力を、数百kHz~数十MHzの周波数及び数kW以上の大きさを有する第2交流電力に変換し、第2交流電力を負荷に提供することができる。
【0071】
負荷は、プラズマ発生器2000と、プラズマ発生器2000によって発生したプラズマとを含んでもよい。負荷は、プラズマ誘導に応じて時変する共振周波数有してもよい。
【0072】
整流器1200は、交流電源1100の出力を直流に変換することができる。整流器1200は、交流電源1100から供給された第1交流電力を直流電力に変換し、この直流電力をインバータ1300の両端に印加することができる。一方、直流電力は、明細書では直流又は直流電圧を意味すると解釈されてもよい。
【0073】
インバータ1300は、整流器1200から直流電力を受け取り、第2交流電力を負荷に供給することができる。例えば、インバータ1300は、コントローラ1500からスイッチ信号を受信し、受信したスイッチ信号を使用して第2交流電力に負荷に提供することができる。
【0074】
インバータ1300は、スイッチ信号によって制御される少なくとも1つのスイッチ素子を含んでもよく、インバータ1300から負荷に供給される第2交流電力は、コントローラ1500からインバータ1300に提供されるスイッチ信号に基づいて設定される駆動周波数を有してもよい。
【0075】
例えば、インバータ1300は、フルブリッジタイプで実装されてもよい。具体的には、インバータ1300は、第1~第4スイッチS1、S2、S3、及びS4を含んでもよい。コントローラ1500からスイッチ信号を受信することによって、第1~第4スイッチS1、S2、S3、及びS4をオン又はオフにすることができる。第1と第3スイッチS1とS3をオンにし、第2と第4スイッチS2とS4をオフにすると、正の電圧を負荷に印加することができる。第1と第3スイッチS1とS3をオフにし、第2と第4スイッチS2とS4をオンにすると、負の電圧を負荷に印加することができる。上述したように、インバータ1300は、負荷に正の電圧と負の電圧を交互に印加することにより、特定の周波数を有する交流電力を印加することができる。
【0076】
別の例では、インバータ1300は、ハーフブリッジタイプで実装されてもよい。具体的には、インバータ1300は第1と第2スイッチを含んでもよい。ここで、コントローラ1500からスイッチ信号を受信することによって、第1スイッチと第2スイッチをオンまたはオフにすることができる。第1スイッチをオンにし、第2スイッチをオフにすると、正の電圧を負荷に印加し、第1スイッチをオフにし、第2スイッチをオンにすると、負の電圧を負荷に印加する。
【0077】
上述したように、インバータ1300は、負荷に正の電圧と負の電圧を交互に印加することにより、特定の周波数を有する交流電力を印加することができる。
【0078】
インバータ1300の実装方法は上述した方法に限定されず、直流電力を交流電力に変換する機能を果たす回路構造を含む構成を意味する場合もある。
【0079】
インバータ1300は、周波数制御方法に応じて、例えば、時間遅延タイプ、パルス幅変調(PWM)タイプ、又はそれらの組み合わせで制御されてもよい。
【0080】
一方、容量性素子は、整流器1200とインバータ1300との間に配置されてもよい。例えば、RF発生器1000は、整流器1200及びインバータ1300に並列に接続されたコンデンサーを含む。このコンデンサーは、インバータ1300に印加される電力の交流成分をグランドノードGNDに放電することができる。
【0081】
コントローラ1500は、以下に説明するセンサモジュール1400によって感知されたデータを受信することによってスイッチ信号を生成することができる。例えば、コントローラ1400は、センサモジュール1400から負荷の電流や電圧などの共振周波数に関するデータを取得することによってスイッチ信号を生成するように実装されてもよい。具体的には、コントローラ1500は、センサモジュール1400から取得される負荷に印加される電流の位相データと、負荷に印加される電圧の位相データとを使用して位相差データ又は遅延時間を取得することができ、位相遅延データ又は遅延時間に基づいて、スイッチ信号を生成することができる。
【0082】
コントローラ1500は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)技術を使用して実装されてもよい。コントローラ1500の詳細な構成と構造については以下に説明する。
【0083】
センサモジュール1400は、コントローラ1500から、負荷の共振周波数に関するデータ、又は負荷に供給される電力に関するデータを取得することができる。
【0084】
図2には示されていないが、センサモジュール1400は、変流器、フィルタ、及び比較器を含んでもよい。センサモジュール1400は、変流器を介して負荷に流れる電流又は電圧信号を受信し、電流又は電圧信号を異なる大きさの電流又は電圧信号に変換し、フィルタを使用して変換された電流又は電圧をフィルタリングし、比較器を介して位相データをコントローラ1500に出力することができる。
【0085】
変流器は、インバータ1300と負荷との間のワイヤに誘導結合されてもよく、負荷に印加される電圧又は電流信号を変換してフィルタに提供することができる。具体的には、変流器は、負荷に接続された導電線を流れる電流を電圧信号に変換することができる。
【0086】
フィルタは、入力電流又は電圧信号から交流成分を除去し、電流又は電圧信号を比較器に出力することができる。このため、フィルタは、ハイバンドパスフィルタリング又はローバンドパスフィルタリングを実行することができる。
【0087】
比較器は、位相データを取得することができる。例えば、比較器は、変流器又はフィルタから取得された電圧信号を予め設定された値と比較することによって位相データを取得することができる。位相データは、負荷に印加される電流の位相データを意味する場合がある。
【0088】
当然のことながら、センサモジュール1400に含まれる構成要素のうちの少なくとも1つは省略されてもよいし、又は別の方式で実装されてもよい。
【0089】
一方、図2には示されていないが、RF発生器1000はメモリを含んでもよい。メモリは、様々なデータを記憶することができる。様々なデータは、一時的又は半永久的にメモリに保存されてもよい。メモリは、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリなどであってもよい。メモリは、RF発生器1000に内蔵されるタイプでも、RF発生器1000に取り外し可能に取り付けられるタイプで実装されてもよい。
【0090】
上述したように、RF発生器1000は、負荷の共振周波数に関するデータに基づいて、負荷に提供される第2交流電力の駆動周波数を制御することができる。言い換えれば、RF発生器1000は、プラズマ発生に伴って変化する負荷の共振周波数をトレースすることで、負荷の共振周波数に対応するように第2交流電力の駆動周波数を出力することができる。これにより、不必要な電力消費を防止し、プラズマシステムの耐久性を向上させることが可能である。
【0091】
上述したRF発生器1000の構成要素の少なくとも1つは省略されてもよい。例えば、RF発生器1000は、センサモジュール1400を含まずに、外部センサから負荷に関する電気データを取得してもよい。別の例として、RF発生器1000には、交流電源1100と整流器1200を含まずに、外部から直流電力又は整流された直流電力が提供されてもよい。
【0092】
シングルステーションに使用されるRF発生器1000を主として上述したが、RF発生器1000をマルチステーションに使用する場合、構成の機能又は構造を少なくとも部分的に変更してもよい。マルチステーションに使用されるRF発生器1000については、以下に詳しく説明する。
【0093】
(4)プラズマ発生器
【0094】
図3は、本開示の一実施形態によるプラズマ発生器2000を示す図である。
【0095】
図3を参照すると、プラズマ発生器2000は、アンテナ構造2100と放電管2200を含んでもよい。
【0096】
アンテナ構造2100は、放電管2200の周囲に配置され、放電管2200内に電磁場を形成することによってプラズマ発生を誘導することができる。例えば、アンテナ構造2100は、RF発生器1000から電力が供給され、放電管2200内に電磁場を形成し、それにより、プラズマ発生を誘導することができる。
【0097】
アンテナ構造2100は、少なくとも1つのアンテナユニットを含んでもよい。例えば、アンテナ構造2100は、リング状の1つのアンテナユニットで構成され、放電管2200を囲むように配置されてもよい。別の例として、アンテナ構造2100は、曲率半径の異なる2つ以上のアンテナユニットを含んでもよく、アンテナユニットは、放電管2200を囲むように同じ平面に配置されてもよい。別の例として、アンテナ構造2100は、2つ以上のアンテナユニットを含んでもよく、2つ以上のアンテナユニットは、放電管2200を異なる平面で囲むように配置されてもよい。
【0098】
アンテナ構造2100は、RF発生器1000に電気的に接続されてもよい。例えば、RF発生器1000の第1端は、アンテナ構造2100の第1端に電気的に接続され、RF発生器1000の第2端は、アンテナ構造2100の第2端に電気的に接続され、これによりRF発生器1000は、アンテナ構造2100に電力を供給することができる。別の例として、RF発生器1000は、特定の電気素子を介してアンテナ構造2100に接続されてもよい。具体的には、アンテナ構造2100の第1端と第2端はそれぞれコンデンサーに接続されてもよく、コンデンサーは、RF発生器1000の第1端と第2端にそれぞれ接続されてもよい。
【0099】
放電管2200は、プラズマ発生を誘導する空間を提供することができる。
【0100】
放電管2200は、以下に説明されるプロセスチャンバ200に流体的に接続されてもよい。例えば、電管2200とプロセスチャンバ200との間には、流体が移動できる流路が形成されてもよい。より詳しくは、放電管2200とプロセスチャンバ200は、導管を介して接続されてもよい。
【0101】
放電管2200は、様々な材料で作られていてもよい。例えば、放電管2200は、非導電性材料又は熱伝導性を有する材料で作られていてもよい。具体的には、放電管2200は、窒化アルミニウム(AlN)、水酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化イットリウム(Y)、又は炭化ケイ素(SiC)で作られていてもよい。
【0102】
さらに、放電管2200は、放電管2200に流れ込んでプラズマを誘導するガス(例えばNF、Ar、CO、CH、NF、O、Hなど)と反応するときに粒子を生成しない材料で作られていてもよい。
【0103】
プラズマ発生器2000は、DC電極をさらに含んでもよい。DC電極は、電力を受け取り、放電管2200内で直流放電を発生させてもよい。
【0104】
プラズマ発生器2000は、点火コイルをさらに含んでもよい。点火コイルは、前述のアンテナ構造2100と同様の形態を有してもよい。点火コイルは、電力を受け取り、放電管2200の内部に電磁力を形成してもよい。点火コイルは、放電管2200の内部にDC電極でプラズマを点火してもよい。
【0105】
2.プラズマプロセスのタイプ
【0106】
以下、図4~5を参照して、プラズマプロセスが実行されるタイプについて説明する。
【0107】
(1)シングルステーション
【0108】
図4は、本開示の一実施形態によるシングルステーションでのプラズマプロセスの手順を示す図である。
【0109】
プラズマプロセスは、シングルステーションを提供するプラズマ発生システム100とプロセスチャンバ200を使用して実行されてもよい。図4を参照すると、プロセスチャンバ200は、ヘッド220、基板230、基板ホルダー、真空ポンプを含み、これらの構成要素が配置される内部空間を含んでもよい。
【0110】
ヘッド220は、プロセスに必要な流体をプロセスチャンバ200に供給するための流路を提供することができる。例えば、プラズマ発生システム100で生成されたイオンガスやラジカルなどのプロセスガス、特定のガス供給器から提供されるガスなどは、プロセスチャンバ200のヘッド220を介してプロセスチャンバ200に流れ込み、流入ガスによって基板230上でエッチング、蒸着、洗浄などのプロセスを実行することができる。
【0111】
基板230は、プラズマプロセスが実行されるオブジェクトを意味してもよい。例えば、基板230は、半導体プロセスに使用されるウェーハ、ディスプレイプロセスに使用されるガラス基板、パターニング用のマスクなどを意味してもよい。
【0112】
基板ホルダーは、プロセスチャンバ200内の基板230を支持することができる。基板ホルダーは、加熱部材を含んでもよい。基板ホルダーは、特定の電力装置に電気的に接続され、それにより電力を供給することができる。
【0113】
真空ポンプは、プロセスチャンバ200の内部圧力を制御することができる。例えば、真空ポンプは、実行されるプラズマプロセスに対応するようにプロセスチャンバ200の内部圧力を制御することができ、例えば、プロセスチャンバ200の内部を真空状態又は大気状態にすることができる。
【0114】
プラズマ発生システム100は、様々な方法でプロセスチャンバ200に流体的に接続されてもよい。
【0115】
例えば、図4Aを参照すると、プラズマ発生システム100は、プロセスチャンバ200のヘッド220に流体的に接続されてもよい。プラズマ発生システム100で生成されたプロセスガスは、プロセスチャンバ200のヘッドを介してプロセスチャンバ200に流れ込むことができる。この構造は、基板230上で蒸着、エッチング、洗浄などのプロセスを実行するために使用されてもよい。
【0116】
別の例として、図4Bを参照すると、プラズマ発生システム100は、プロセスチャンバ200のヘッド220を介さずに、プロセスチャンバ200の内部に流体的に接続されてもよい。この場合、ガス供給器から提供されるプロセスガスは、プロセスチャンバ200のヘッド220を介して内部に流れ込んでもよく、プラズマ発生システム100で生成されたプロセスガスは、ヘッド220ではなく別の流路を介してプロセスチャンバ200に流れ込んでもよい。この構造は、プロセスチャンバ200の内部を洗浄するプロセスを実行するために使用されてもよい。
【0117】
一方、プラズマ発生システム100とプロセスチャンバ200との接続構造、又は接続構造に対応するプラズマプロセスは、上記のものに限定されない。
【0118】
(2)マルチステーション
【0119】
プラズマプロセスシステム10がシングルステーションで使用される場合の構成と構造については上述した。一方、プラズマプロセスシステム10は、複数のステーションに対してもプラズマプロセスを実行することができる。この場合、複数のプラズマプロセスは並行に実行されてもよく、異なるプラズマプロセスは並行に実行されてもよく、又は時系列プラズマプロセスは連続的に実行されてもよく、即ち、プロセス効率は、シングルステーションを使用する場合と比較して、大幅に向上することができる。特に、以下に説明するように、マルチステーションが使用され、ステーションのそれぞれに対応するプラズマプロセスのシステムが提供されると、プロセス効率を最大化することができ、プロセスの可能な範囲を拡大することができる。
【0120】
図5は、本開示の一実施形態によるプラズマプロセス用のマルチステーションを示す図である。
【0121】
図5を参照すると、プラズマプロセスシステム10は、2つ以上のプラズマ発生システム100、2つ以上のステーションを含むプロセスチャンバ200、電力分配器300、感知ユニット400、及び中央制御装置500を含んでもよい。
【0122】
プラズマプロセスシステム10は複数のステーションを含んでもよい。例えば、プラズマプロセスシステム10は、第1~第4ステーション211、212、213、及び214を含んでもよい。以下では、説明の便宜上、プラズマプロセスシステム10が4つのステーションを含む場合について説明するが、本開示の技術的アイデアはこれに限定されず、プラズマプロセスシステム10に含まれるステーションの数は、必要に応じて様々に変更されてもよい。
【0123】
プラズマプロセスシステム10は、複数のプラズマ発生システム100を含んでもよい。プラズマ発生システム100は、プラズマプロセスシステム10に含まれるステーションにそれぞれ対応してもよい。例えば、図5に示すように、プラズマプロセスシステム10は、第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、及び104を含んでもよく、第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、及び104は、第1~第4ステーション211、212、213、及び214にそれぞれ流体的に接続されてもよい。プラズマ発生システム100は、プラズマプロセスに必要なプロセスガスをステーションにそれぞれ提供することができる。
【0124】
一方、マルチステーション用のプラズマプロセスシステム10では、プラズマ発生システム100の数とステーションの数が同じではない場合がある。例えば、プラズマプロセスシステム10は、第1及び第2プラズマ発生システム101、102を含んでもよく、第1プラズマ発生システム101に流体的に接続された第1及び第2ステーション211、212と、第2プラズマ発生システム102に流体的に接続された第3及び第4ステーション213とを含んでもよい。以下では、説明の便宜上、プラズマプロセスシステム10が第1~第4ステーション211、212、213、及び214にそれぞれ対応する第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、及び104を含む場合について説明するが、本開示の技術的アイデアはこれに限定されない。
【0125】
電力分配器300は、プラズマ発生システム100に電力を分配することができる。例えば、電力分配器300は、第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、及び104の状態を監視することができ、必要な電力を提供することができる。具体的には、電力分配器300は、感知ユニット400から第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、及び104のそれぞれの電力感知データをリアルタイムで受信することができ、電力感知データに基づいて、第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、及び104のそれぞれに必要な電力を提供することができる。電力分配器300には、電力供給器が含まれてもよいし、又は外部から電力が供給されてもよい。電力分配器300に印加される電力は、交流電力を整流することで取得される直流電力であってもよく、図2を参照して説明した交流電源1100及び整流器1200を使用して直流電力を提供することと同じと理解される。
【0126】
感知ユニット400は、プラズマプロセスシステム10における構成要素の電気特性を感知することができる。電気特性は、電流、電流の位相、電圧、電圧の電流、電流と電圧の位相差、電力などに関するデータを意味してもよい。例えば、感知ユニット400は、プラズマ発生システム100のプラズマ発生器2000を流れる電流の位相を測定することができる。別の例として、感知ユニット400は、プラズマ発生システム100から供給される電力又はプラズマ発生システム100によって消費される電力(の量)を測定することができる。別の例として、感知ユニット400は、プラズマプロセスシステム10から供給される電力又はプラズマプロセスシステム10によって消費される電力を測定することができる。当然のことながら、感知ユニット400は、特定の素子又は特定の位置での電気特性を測定することができ、複数の特定の素子又は特定の位置での電気特性を測定することができる。感知ユニット400は、プラズマプロセスシステム10が動作している間、電気特性をリアルタイムで測定することができる。感知ユニット400は、上述のように、プラズマ発生システム100における電気特性を測定することによって、感知データを取得することができる。
【0127】
感知ユニット400は、取得した感知データを電力分配器300に提供することができる。感知ユニット400は、取得した感知データを中央制御装置500に提供することができる。
【0128】
中央制御装置500は、プラズマ発生システム100からプラズマ発生器2000に印加される電力の周波数を制御することができる。例えば、中央制御装置500は、第1プラズマ発生システム101の第1RF発生器に電気的に接続され、第1プラズマ発生システム101の第1プラズマ発生器に印加される交流電力の駆動周波数を変更するように第1RF発生器を制御することができる。中央制御装置500が各プラズマ発生システム100における駆動周波数を制御するプロセスについては以下に詳しく説明する。
【0129】
マルチステーションのプラズマプロセスシステム10は、上記の構成要素のそばに、以下のようなプラズマプロセスを管理するための構成要素をさらに含んでもよい。
【0130】
プラズマプロセスシステム10は、上述の電力分配器300、感知ユニット400、中央制御装置500などを制御するように構成されたシステムコントローラと、システムコントローラで実行されるコマンド及び感知ユニット400によって測定されたデータを記憶するように構成されたメモリユニットと、外部からプラズマプロセスを制御するための入力を受信する入力ユニットと、プラズマプロセスシステム10に関する情報を出力する出力ユニットと、外部と通信するように構成された通信ユニットなどを含んでもよい。
【0131】
プラズマプロセスシステム10は、基板230などのプロセスオブジェクトをステーションに移動させるように構成されたロボットアームを含んでもよい。ロボットアームは、システムコントローラによって制御されてもよい。例えば、システムコントローラは、各ステーションでのプラズマプロセスの進行度に関する進行データを取得することができ、取得した進行データに基づいて、ロボットアームを制御することができる。
【0132】
プラズマプロセスシステム10は、プラズマプロセスに使用されるプロセスガスを供給するように構成されたガス供給器を含んでもよい。ガス供給器は、プロセスに必要なガスを提供するためにプラズマプロセスシステム10のステーションの少なくとも一部に流体的に接続された第1ガス供給器、及び/又はプラズマの形成に必要なガスを提供するためにプラズマ発生器2000に流体的に接続された第2ガス供給器を含んでもよい。
【0133】
第1ガス供給器は、プロセスチャンバ200のステーションのそれぞれにガスを提供することができる。例えば、第1ガス供給器は、第1~第4ステーション211、212、213、及び214に同じガスを提供することができる。別の例として、ガス供給器は複数のガスリザーバーを含んでもよく、ガスリザーバーは、それぞれ異なるステーションに流体的に接続されてもよい。ガスリザーバーは、それぞれ流体的に接続されたステーションで進行するプラズマプロセスに応じて、同じプロセスガス又は異なるプロセスガスを提供することができる。
【0134】
第2ガス供給器は、プラズマ発生器2000にガスを提供することができる。例えば、第2ガス供給器は、進行中のプラズマプロセスに応じて、同じガス又は異なるガスを第1~第4プラズマ発生器に提供することができる。
【0135】
3.プラズマプロセスのシステムの構成要素間の接続関係
【0136】
(1)第1実施形態
【0137】
以下では、マルチステーション用のプラズマプロセスシステム10の構成要素間の接続関係について説明する。
【0138】
図6は、本開示の一実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステム10における構成要素の接続関係を示す図である。
【0139】
以下では、説明の便宜上、図5を参照して上述したように、プラズマプロセスシステム10が4つのステーションを含む場合について説明するが、ステーションの説明は、特に記載がない限り、別のステーションにも適用できると解釈できる。
【0140】
プラズマプロセスシステム10は、第1~第4プラズマ発生システム101、102、103、104及びプロセスチャンバ200を含んでもよく、プロセスチャンバ200は、第1~第4ステーション211、212、213、及び214を含んでもよい。ステーションはそれぞれヘッド、基板、及び基板が置かれる基板ホルダーを含んでもよい。例えば、第1ステーション211は、第1ヘッド221と、第1基板231が置かれる第1基板ホルダーとを含んでもよい。
【0141】
プロセスチャンバ200内のステーションは、それぞれ対応するプラズマ発生器2000に流体的に接続されてもよい。例えば、第1ステーション211の第1ヘッド221は、第1プラズマ発生器2001に流体的に結合されてもよく、第1ステーション211の第1ヘッド221に第1プラズマ発生器2001からのプロセスガスを提供することができる。第1プラズマ発生器2001は、第1ヘッド221ではなく、特定の流路を介して、第1ステーション211の内部空間に接続されてもよい。
【0142】
ステーションにそれぞれ流体的に結合されたプラズマ発生器2000は、それぞれ対応するインバータ1300に電気的に接続されてもよい。例えば、第1ステーション211に流体的に結合された第1プラズマ発生器2001は、第1インバータ1301に電気的に接続されてもよい。
【0143】
インバータ1300は、プラズマ発生器2000に交流電力を提供することができる。例えば、第1プラズマ発生器2001は、第1インバータ1301から第1駆動周波数を有する第1交流電力が提供でき、プラズマ発生を誘導することができる。第1インバータ1301は、中央制御装置500から第1スイッチ信号を受信することができ、第1スイッチ信号に対応する第1駆動周波数を有する第1交流電力を第1プラズマ発生器2001に提供することができる。一方、第1インバータ1301によって提供される第1交流電力の駆動周波数と、第2インバータ1302によって提供される第2交流電力の第2駆動周波数は、実行されるプラズマプロセスに応じて、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0144】
インバータ1300によって提供される交流電力の駆動周波数は、リアルタイムで変更されてもよい。例えば、中央制御装置500は、電流及び/及び電圧位相データ又は以下に説明される第1位相測定ユニット411から取得された位相データに基づいて、第1インバータ1301に提供される第1スイッチ信号を変更することができ、これに応じて、第1インバータ1301から第1プラズマ発生器2001に印加される第1交流電力の第1駆動周波数を変更することができる。
【0145】
プラズマ発生器200に電力を供給するインバータ1300は、電力分配器300に電気的に接続されてもよい。例えば、第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304は、電力分配器300に電気的に接続されてもよい。電力分配器300は、第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304に直流電力を提供することができる。例えば、電力分配器300は、第1インバータ1301に第1直流電力を印加することができる。
【0146】
電力分配器300は、ステーションに応じて異なる電力を提供することができる。例えば、電力分配器300は第1直流電力を第1インバータ1301に提供してもよく、第1直流電力とは異なる第2直流電力を第2インバータ1302に提供してもよい。この場合、電力分配器300からインバータ1300のそれぞれに提供される直流電力は、ステーションのぞれぞれで実行されるプラズマプロセス及び/又は電力ステーションのそれぞれで消費される電力に基づいて設定されてもよい。
【0147】
電力分配器300からインバータ1300のそれぞれに提供される直流電力の大きさは、リアルタイムで変更されてもよい。例えば、電力分配器300は、第1ステーション211でのプラズマプロセスに応じて、第1部分電力測定ユニット421から、第1インバータ1301及び第1プラズマ発生器2001によって消費される電力に関するデータを取得することができ、取得した部分消費電力データに基づいて、第1インバータ1301に印加される直流電力の大きさを変更することができる。
【0148】
プラズマプロセスシステム10は感知ユニット400を含んでもよい。感知ユニット400は、位相測定ユニット、部分電力測定ユニット、及び全体電力測定ユニット430を含んでもよい。
【0149】
位相測定ユニットは、プラズマ発生器2000に印加される電流又は電圧の位相を測定することができる。例えば、第1位相測定ユニット411は、第1インバータ1301が第1プラズマ発生器2100に印加する電流又は電圧の位相を測定することができる。このため、第1位相測定ユニット411は、第1インバータ1301及び第1プラズマ発生器2001に電気的に接続されてもよい。具体的には、第1位相測定ユニット411は、第1インバータ1301と第1プラズマ発生器2001とを接続する導電線に電気的に結合されてもよい。
【0150】
別の実施形態として、位相測定ユニットは、プラズマ発生器2000に印加される電流と電圧の位相差を測定することができる。具体的には、第1位相測定ユニット411は、第1インバータ1301から第1プラズマ発生器2001に印加される電流の位相を測定し、第1インバータ1301に提供されるスイッチ信号を取得することによって、第1プラズマ発生器2001に印加される電圧の位相を取得し、電流の位相と電圧の位相とを比較することによって位相差データを取得することができる。
【0151】
位相測定ユニットは、以下に説明される中央制御装置500に測定データを提供することができる。例えば、第1位相測定ユニット411は、第1インバータ1301が第1プラズマ発生器2100に印加する電流の位相に関するデータを中央制御装置500に送信することができる。別の例として、第1位相測定ユニット411は、第1プラズマ発生器2100に印加される電圧と電流の位相差に関するデータを中央制御装置500に送信することができる。このため、位相測定ユニットは、中央制御装置500と有線又は無線のデータ通信を実行することができる。
【0152】
一方、位相測定ユニットは、必要な場合、上記のデータを電力分配器300に提供してもよい。
【0153】
部分電力測定ユニットは、プラズマプロセスがステーションで実行されるときに、インバータ1300及びプラズマ発生器2000によって消費される電力を測定することができる。例えば、第1部分電力測定ユニット421は、電力分配器300が第1インバータ1301に印加する電流と電圧を測定することにより、プラズマプロセスが第1ステーション211で実行されるときに第1プラズマシステム101によって消費される電力を測定することができる。このため、第1部分電力測定ユニット421は、第1インバータ1301及び電力分配器300に電気的に接続されてもよい。具体的には、第1部分電力測定ユニット421は、電力分配器300が電力を第1インバータ1301に送信するための電力線に電気的に接続されてもよい。
【0154】
一方、部分電力測定ユニットは、部分電流測定ユニットと部分電圧測定ユニットに分割されてもよい。部分電流測定ユニットは、インバータ1300のそれぞれに印加される電流を測定することができ、部分電圧測定ユニットは、インバータ1300のそれぞれに印加される電圧を測定することができる。部分電流測定ユニットは、それぞれ第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304に対応する第1~第4部分電流測定ユニットを必要とするが、部分電圧測定ユニットは、第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304のうちの1つの電圧のみを測定してもよい。部分電力測定ユニットは、部分電流測定ユニット及び部分電圧測定ユニットによって測定された電流及び電圧データに基づいて、ステーションのそれぞれに対応する電力消費を計算することができる。
【0155】
部分電力測定ユニットは、取得したステーションのそれぞれの電力消費データを中央制御装置500及び/又は電力分配器300に提供することができる。
【0156】
全体電力測定ユニット430は、プラズマプロセスシステム10で実行されるプラズマプロセスによって消費される総電力を測定することができる。言い換えれば、全体電力測定ユニット430は、プラズマプロセスが第1~第4ステーション211、212、213、及び214で実行されるときに消費される総電力を測定することができる。全体電力測定ユニット430は、電力分配器300に電気的に接続され、電力分配器300から第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304に提供される電力を測定することができる。全体電力測定ユニット430は、取得した総電力消費に関するデータを中央制御装置500及び/又は電力分配器300に提供することができる。
【0157】
一方、全体電力測定ユニット430は省略されてもよい。例えば、中央制御装置500は、部分電力測定ユニットから取得された電力データに基づいて、プロセスチャンバ200におけるステーションでプラズマプロセスが実行されるときに消費される総電力を計算することができる。
【0158】
図6には示されていないが、プラズマプロセスシステム10は、システムコントローラとガス供給器を含んでもよい。
【0159】
システムコントローラは、中央制御装置500とガス供給器を制御することができる。例えば、システムコントローラは、中央制御装置500を操作してプラズマプロセスを開始及び終了する時点と、ガス供給器のバルブが開かれる時点とを制御することができる。ガス供給器については図5を参照して説明したため、ここでは説明しない。
【0160】
(2)第2実施形態
【0161】
図7は、本開示の別の実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステム10における構成要素の関係を示す図である。以下では、プラズマプロセスシステム10の説明に関連して、図6を参照して上で説明したものは省略されている。
【0162】
図7を参照すると、プラズマプロセスシステム10は複数のプラズマ発生器2000を含み、特定の駆動周波数を有する交流電力をプラズマ発生器2000のそれぞれに印加するように構成されたインバータ1300を含んでもよい。
【0163】
インバータ1300は、第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004に同時に交流電力を提供することができる。インバータ1300が第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004に提供する交流電力は、同じ大きさ及び異なる駆動周波数を有してもよい。例えば、インバータ1300は、第1駆動周波数を有する第1交流電力を第1プラズマ発生器2001に提供し、第1駆動周波数とは異なる第2駆動周波数を有する第2直流電力を第2プラズマ発生器2002に提供してもよく、ここで、第1交流電力と第2交流電力の大きさは同じであってもよい。
【0164】
図7に示されるプラズマプロセスシステム10は、図6を参照して説明されたプラズマプロセスシステム10と比較して構造が簡単であるので、プラズマプロセスシステム10の物理ボリュームを小さくすることができる。
【0165】
(3)第3実施形態
【0166】
図8は、本開示の別の実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステム10における構成要素の関係を示す図である。以下では、プラズマプロセスシステム10の説明に関連して、図6を参照して上で説明したものは省略されている。
【0167】
図8を参照すると、プラズマプロセスシステム10は、互いに電気的に直列に接続された複数のプラズマ発生器2000を含んでもよい。例えば、プラズマプロセスシステム10は、インバータ1300と、インバータ1300に電気的に接続された第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004とを含んでもよく、第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004は、互いに電気的に直列に接続されてもよい。具体的には、インバータ1300は、その第1端と第2端を介して電力を提供してもよく、第1プラズマ発生器2001の第1アンテナ構造の第1端は、インバータ1300の第1端に電気的に接続されてもよく、第1アンテナ構造の第2端は、第2プラズマ発生器2002の第2アンテナ構造の第1端に電気的に接続されてもよく、第2アンテナ構造の第2端は、第3プラズマ発生器2003の第3アンテナ構造の第1端に電気的に接続されてもよく、第3アンテナ構造の第2端は、第4プラズマ発生器2004の第4アンテナ構造の第1端に電気的に接続されもよく、第4アンテナ構造の第2端は、インバータ1300の第2端に電気的に接続されてもよい。
【0168】
直列に接続された第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004は、コンデンサー、インダクタ、及び/又は抵抗器などの電気素子を介して接続されてもよい。
【0169】
プラズマプロセスシステム10は、1つのインバータ1300を含んでもよい。インバータ1300は、第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004に同じ電力を提供することができる。例えば、第1インバータ1300によって第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004に提供される交流電力の大きさと位相は、それぞれ同じであってもよい。これに応じて、第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004内でプラズマを誘導するための誘導起電力の差を最小限に抑えることができる。第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004の電力消費は異なっていてもよい。
【0170】
プラズマプロセスシステム10は、1つの位相測定ユニット410を含んでもよい。位相測定ユニット410は、インバータ1300から提供される電圧又は電流の位相を測定することができる。位相測定ユニット410は、測定された位相に関する情報を電力分配器300又は中央制御装置500に提供することができる。
【0171】
電力分配器300又は中央制御装置500は、位相測定ユニット410から取得された位相情報に基づいて、インバータ1300を制御することができる。例えば、電力分配器300又は中央制御装置500は、位相測定ユニット410から取得された電流の位相情報と、インバータ1300に提供されるスイッチ信号とに基づいて、第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004に印加される電圧と電流の位相差情報を取得することができ、電圧と電流の位相差が小さくなるようにスイッチ信号をインバータ1300に提供することができる。プラズマ発生器2000については、1つではなく、複数の位相測定ユニット410がそれぞれ設けられてもよい。
【0172】
プラズマプロセスシステム10において複数のプラズマ発生器2000が直列に接続される構成では、プラズマ発生器2000のそれぞれのアンテナ構造2100は、複数の誘導性素子及び容量性素子を含んでもよい。
【0173】
例えば、アンテナ構造2100は、放電管2200を囲むように配置され、第1曲率半径を有する第1ターンアンテナと、第1ターンアンテナを囲むように配置され、第1曲率半径よりも大きい第2曲率半径を有する第2ターンアンテナと、第1ターンアンテナ及び第2ターンアンテナを電気的に接続するターン間コンデンサーとを含んでもよい。
【0174】
プラズマプロセスシステム10では、第1プラズマ発生器2001の第1ターンアンテナは、インバータ1300の第1端に電気的に接続されもよく、第1プラズマ発生器2001の第2ターンアンテナは、第2プラズマ発生器2002の第1ターンアンテナに電気的に接続されてもよく、第2プラズマ発生器2002の第2ターンアンテナは、第3プラズマ発生器2003の第1ターンアンテナに電気的に接続されてもよく、第3プラズマ発生器2003の第2ターンアンテナは、第4プラズマ発生器2004の第1ターンアンテナに電気的に接続されてもよく、第4プラズマ発生器2004の第2ターンアンテナは、インバータ1300の第2端に電気的に接続されてもよい。インバータ1300の第1端と第1プラズマ発生器2001の第1ターンアンテナは、容量性素子を介して電気的に接続されてもよい。同様に、第1プラズマ発生器2001の第2ターンアンテナと第2プラズマ発生器2002の第1ターンアンテナ、第2プラズマ発生器2002の第2ターンアンテナと第3プラズマ発生器2003の第1ターンアンテナ、第3プラズマ発生器2003の第2ターンアンテナと第4プラズマ発生器2004の第1ターンアンテナ、及び第4プラズマ発生器2004の第2ターンアンテナとインバータ1300の第2端は、容量性素子を介して電気的に接続されてもよい。
【0175】
別の実施形態として、アンテナ構造2100は、放電管2200を囲むように配置され、第1曲率半径を有する第1層アンテナと、放電管2200の中心軸に平行な方向に第1層アンテナから所定の距離で放電管2200を囲むように配置され、第1曲率半径を有する第2層アンテナと、第1層アンテナ及び第2層アンテナを電気的に接続する層間コンデンサーとを含んでもよい。
【0176】
プラズマプロセスシステム10では、第1プラズマ発生器2001の第1層アンテナは、インバータ1300の第1端に電気的に接続されもよく、第1プラズマ発生器2001の第2層アンテナは、第2プラズマ発生器2002の第1層アンテナに電気的に接続されてもよく、第2プラズマ発生器2002の第2層アンテナは、第3プラズマ発生器2003の第1層アンテナに電気的に接続されてもよく、第3プラズマ発生器2003の第2層アンテナは、第4プラズマ発生器2004の第1層アンテナに電気的に接続されてもよく、第4プラズマ発生器2004の第2層アンテナは、インバータ1300の第2端に電気的に接続されてもよい。インバータ1300の第1端と第1プラズマ発生器2001の第1層アンテナは、容量性素子を介して電気的に接続されてもよい。同様に、第1プラズマ発生器2001の第2層アンテナと第2プラズマ発生器2002の第1層アンテナ、第2プラズマ発生器2002の第2層アンテナと第3プラズマ発生器2003の第1層アンテナ、第3プラズマ発生器2003の第2層アンテナと第4プラズマ発生器2004の第1層アンテナ、及び第4プラズマ発生器2004の第2層アンテナとインバータ1300の第2端は、容量性素子を介して電気的に接続されてもよい。
【0177】
上記の例以外にも、アンテナ構造2100は、複数のターン及び/又は複数の層を構成する複数のアンテナと、複数のアンテナを電気的に接続する複数のコンデンサーとを含んでもよい。
【0178】
上述のように、アンテナ構造2100は誘導性素子と容量性素子の両方を含むため、プラズマ発生器2000が直列に接続されても、プラズマ発生器2000のそれぞれにおける誘導性素子に印加される電圧が過度に上昇することを防止することができ、それにより、プラズマ発生器2000に誘導されるプラズマの安定性を向上させることができる。
【0179】
(4)第4実施形態
【0180】
図9と10は、本開示の別の実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステム10を示す図である。
【0181】
プラズマプロセスシステム10は、プラズマプロセスが実行されるオブジェクトのサイズに応じて、他の形状で実装されてもよい。例えば、プラズマを使用するディスプレイプロセスとして、大型ガラス基板上で蒸着、エッチング、又は洗浄が実行される場合、大型ガラス基板のプロセス要求領域を考慮すると、幾つかのプラズマ発生システム100が必要となる場合がある。当然のことながら、大型ガラス基板のプロセス要求領域に対応するためにプラズマ発生システム100を大きくすることが可能であるが、幾つかのプラズマ発生システム100の使用により、プロセスを均一化することができ、システムの製造コストを低減することができる。
【0182】
以下では、ディスプレイプロセスにおいてプラズマプロセスが大型ガラス基板上に実行される場合について説明するが、本開示の技術的アイデアはそれに限定されない。以下の説明で上述したような繰り返しの構成は、追加で説明する必要のある構成がない限り省略してもよい。
【0183】
プロセスチャンバ200に配置される基板230は、複数のプロセス領域に分割されてもよい。例えば、図9を参照すると、基板230は、第1~第6プロセス領域R1、R2、R3、R4、R5、及びR6に分割されてもよい。プロセス領域は、プラズマプロセスを実行する必要がある領域を区別するために自由に決定され、基板230上に物理的に示されて区別されることはない。基板230のプロセス領域の数は、プロセスチャンバ200内のヘッド220の数に対応してもよい。
【0184】
以下では、説明の便宜上、基板230が6つのプロセス領域に分割された場合について説明するが、基板230は、基板230のサイズ又は形状に応じて、他の形状の有する他の数のプロセス領域に分割されてもよい。
【0185】
プロセスチャンバ200は、基板230のプロセス領域にそれぞれ対応するヘッド220を含んでもよい。例えば、プロセスチャンバ200は、第1プロセス領域R1に対応する第1ヘッド221を含んでもよい。第1ヘッド221が第1プロセス領域R1に対応する場合、プロセスは、第1ヘッド221の内部を流れるプロセスガスによって第1プロセス領域R1で十分に実行することができる。
【0186】
図10を参照すると、プラズマプロセスシステム10は、プロセスチャンバ200における第1~第6ヘッド221、222、223、224、225、及び226にそれぞれ対応する第1~第6インバータ1301、1302、1303、1304、1305、及び1306と、第1~第6 プラズマ発生器2001、2002、2003、2004、2005、及び2006と、電力分配器300と、中央制御装置500とを含んでもよい。図6、7、又は8を参照して説明されたものは、構成要素の詳細な接続関係にも同様に適用されてもよい
【0187】
第1~第6インバータ1301、1302、1303、1304、1305、及び1306と、第1~第6 プラズマ発生器2001、2002、2003、2004、2005、及び2006とは、異なるグループに分類及び制御されてもよい。例えば、第1~第3インバータ1301、1302、及び1303と、第1~第3プラズマ発生器2001、2002、及び2003とは 第1グループに分類されてもよく、第4~第6インバータ1304、1305、及び1306と、第4~第6 プラズマ発生器2004、2005、及び2006とは第2グループに分類されてもよい。電力分配器300は、第1グループに電力を提供する第1電力分配器と、第2グループに電力を提供する第2電力分配器とを含んでもよい。中央制御装置500は、第1グループにおけるインバータにスイッチ信号を提供する第1中央制御装置と、第2グループにおけるインバータにスイッチ信号を提供する第2中央制御装置とを含んでもよい。
【0188】
4.マルチステーションの方法
【0189】
以下では、マルチステーション用のプラズマプロセスシステム10を制御する方法については、図11と12を参照して説明する。以下に説明する制御方法では、マルチステーション用のプラズマプロセスシステム10が図6に示す構造で実装されると仮定するが、本開示の技術的アイデアはこれに限定されず、プラズマプロセスシステム10の構造が図7、8、及び9又は図6~9に示す構造からわずかに修正された構造で実装される場合でも、この方法は同様に提供できる。
【0190】
(1)電力制御方法
【0191】
図11は、本開示の一実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステム10における電力を制御する方法を示す図である。
【0192】
図11を参照すると、電力制御方法は、基板配置ステップS1100、ガス供給ステップS1200、電力分配ステップS1300、交流電力提供ステップS1400、電力測定ステップS1500、電力条件決定ステップS1600、交流電力パラメーター変更ステップS1700、及び交流電力パラメーター維持ステップS1800を含んでもよい。
【0193】
以下では、これらのステップについて詳しく説明する。
【0194】
基板配置ステップS1100では、基板230をステーションのそれぞれに配置してもよい。例えば、システムコントローラは、ユーザ入力を受信し、受信したユーザ入力に基づいてロボットアームを制御することにより、プロセスに準備された基板230をステーションのそれぞれの基板ホルダー上に置くことができる。システムコントローラは、第1~第4ステーション211、212、213、及び214のうちの、プラズマプロセスが実行されるステーションに基板230を置くことができる。
【0195】
ガス供給ステップS1200では、ガスをステーション及び/又はプラズマ発生器2000に供給することができる。例えば、システムコントローラは、プロセスに必要なガスが第1~第4ステーション211、212、213、及び214に供給されるように、ガス発生器を制御することができる。システムコントローラは、プラズマを形成するのに必要なガスと、プロセス用のガスとが第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004に供給されるように、ガス供給器を制御することができる。
【0196】
電力分配ステップS1300では、電力分配器300は、電力をインバータ1300に分配することができる。例えば、電力分配器300は、プラズマプロセスシステム10の電力供給器又は外部電力供給器から電力を供給され、この電力を第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304に分配することができる。
【0197】
電力分配器300は、ステーションのそれぞれで実行されるプラズマプロセスに必要な大きさを有する電力をインバータ1300にそれぞれ提供することができる。例えば、電力分配器300は、第1ステーション211で実行される第1プラズマプロセスに必要な第1電力を第1インバータ1301に提供し、第2ステーション212で実行される第2プラズマプロセスに必要な第2電力を第2インバータ1302に提供する。ここで、第1プラズマプロセスと第2プラズマプロセスが異なる場合、第1電力と第2電力は異なっていてもよい。それ以外の場合は、電力分配器300によって提供される電力は、インバータ毎に同じであってもよい。
【0198】
電力分配器300は、必要に応じて、インバータ1300に電力を選択的に提供してもよい。例えば、電力分配器300は、ステーションのうちのプラズマプロセスが実行されるステーションに対するインバータ1300にのみ電力を提供してもよい。別の例として、電力分配器300は、部分電力測定ユニットからインバータ1300のそれぞれによって消費される電力に関するデータを受信することができ、問題がある場合にインバータ1300への電力供給を停止することができる。
【0199】
交流電力提供ステップS1400では、インバータ1300は、プラズマ発生器2000に交流電力を提供することができる。例えば、第1インバータ1301は、電力分配器300から第1直流電力を取得し、第1駆動周波数を有する第1交流電力を第1プラズマ発生器2001に印加することができる。
【0200】
インバータ1300によって提供される交流電力は、異なる駆動周波数を有してもよい。例えば、第1インバータ1301は、第1駆動周波数を有する第1交流電力を第1プラズマ発生器2001に印加してもよく、第2インバータ1302は、第2駆動周波数を有する第2交流電力を第2プラズマ発生器2002に印加してもよい。言い換えれば、異なる駆動周波数を有する交流電力をプラズマ発生器2000にそれぞれ印加することができ、これに応じて、後述するように、ステーションで個別に周波数を制御することが可能である。
【0201】
電力測定ステップS1500では、部分電力測定ユニットは、ステーションのそれぞれでプラズマプロセスが実行されるときに消費される電力を測定することができる。例えば、第1部分電力測定ユニット421は、第1ステーション211で第1プラズマプロセスが実行されるときに消費される電力を測定することができる。第1部分電力測定ユニット421は、測定された電力に関する部分電力測定データを電力分配器300及び/又は中央制御装置500に提供することができる。
【0202】
電力測定ステップS1500では、全体電力測定ユニット430は、すべてのステーションで消費される電力を測定することができる。例えば、全体電力測定ユニット430は、第1~第4インバータ1301、1302、1303、及び1304と第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、及び2004とによって消費される電力を測定することによって取得される総電力データを、電力分配器300及び/又は中央制御装置500に送信することができる。
【0203】
電力条件決定ステップS1600では、中央制御装置500は、測定された電力が許容電力範囲内にあるか否かを決定することができる。許容電力範囲は、ステーションに対して設定される基準電力範囲を意味してもよい。許容電力範囲は、プラズマ発生システム100で目標とする電力又は電力量に基づいて設定されてもよい。許容電力範囲は、各ステーション、又は実行されるプラズマプロセスごとに異なるように設定されてもよい。
【0204】
例えば、中央制御装置500は、電力測定ステップS1500で測定された第1インバータ1301及び第1プラズマ発生器2001の第1部分消費電力データを第1許容電力範囲と比較することができる。中央制御装置500は、第1部分電力データが第1許容電力範囲にある場合に、交流電力の大きさ又は量を維持することができ、第1部分電力データが第1許容電力範囲外になった場合に、第1プラズマ発生器2001に印加される第1電力の大きさ又は量が変化するように、第1インバータ1301及び/又は電力分配器300を制御することができる。
【0205】
電力条件決定ステップS1600は、電力分配器300又はシステムコントローラで実行されてもよい。それ以外の場合、電力条件決定ステップS1600は、各ステーションに対応するサブコントローラによって実行されてもよい。
【0206】
交流電力パラメーター変更ステップS1700では、中央制御装置500は、プラズマ発生器2000に印加される交流電力のパラメーターを変更することができる。交流電力パラメーターは、プラズマ発生器2000に印加される電力、電力量、電圧、電流などを意味してもよい。
【0207】
中央制御装置500は、プラズマ発生器2000に交流電力を印加するパターンを変更して、プラズマ発生器2000に印加される交流電力のパラメーターを変更することができる。
【0208】
例えば、中央制御装置500は、プラズマ発生器2000に印加される交流電力のパラメーターを、電力供給操作とフリーホイーリング操作を用いて変更することができる。電力供給操作は、予め設定された時間だけプラズマ発生器2000に交流電力を印加する操作を意味してもよく、フリーホイーリング期間は、予め設定された時間の間、プラズマ発生器2000に交流電力を印加しない操作を意味してもよい。中央制御装置500は、特定のパターンで電力供給操作及びフリーホイーリング操作を繰り返すことによって、プラズマ発生器2000に印加される交流電力の単位時間当たりの強度又は量を制御することができる。具体的には、プラズマ発生器2000に印加される電力量又は単位時間当たりの電力を低減するために、中央制御装置500は、フリーホイーリング操作を連続的実行することができるか、又は所定時間の間、フリーホイーリング操作の割合を電力供給操作よりも大きくすることができる。中央制御装置500は、インバータ1300に提供されるスイッチ信号を使用して、電力供給操作又はフリーホイーリング操作を実行することができる。
【0209】
一方、交流電力パラメーター変更ステップS1700は、電力分配器300によって実行されてもよい。例えば、電力分配器300は、インバータ1300に提供される電力の大きさを変更してもよい。
【0210】
交流電力パラメーター変更ステップS1700は、システムコントローラによって実行されてもよい。例えば、上述した中央制御装置500により電力パラメーターを制御する操作は、システムコントローラによって実行されてもよい。
【0211】
交流電力パラメーター維持ステップS1800では、プラズマ発生器2000に印加される交流電力のパラメーターを維持することができる。例えば、中央制御装置500は、インバータ1300に印加されるスイッチ信号を維持することができる。しかしながら、以下に説明するように、駆動周波数を変更する必要がある場合、中央制御装置500は、インバータ1300に印加されるスイッチ信号を変更することができる。
【0212】
交流電力パラメーター維持ステップS1800では、特定の条件が満たされると、例えば、所定時間が経過した場合、方法は、電力測定ステップS1500に入ることができ、これにより、インバータ1300及びプラズマ発生器2000によってリアルタイムで又は周期的に消費される電力に基づいて、プラズマ発生器2000に印加される交流電力を制御することができる。
【0213】
上記の電力制御方法を使用する場合、プラズマプロセスシステム10のステーションで個別に電力を制御することが可能であり、ステーションで異なるプラズマプロセスが実行される場合でも、ステーションごとにステーションフィット管理を実行することができる。
【0214】
(2)周波数制御方法
【0215】
図12は、本開示の一実施形態によるマルチステーション用のプラズマプロセスシステム10における周波数を制御する方法を示す図である。
【0216】
図12を参照すると、周波数制御方法は、基板配置ステップS2100、ガス供給ステップS2200、交流電力提供ステップS2300、位相差測定ステップS2400、位相差条件決定ステップS2500、周波数変更ステップS2600、及び周波数維持ステップS2700を含んでもよい。
【0217】
以下では、これらのステップについて詳しく説明する。
【0218】
基板配置ステップS2100とガス供給ステップS2200は、図11と同じ方式で適用される。
【0219】
交流電力提供ステップS2300では、中央制御装置500は、インバータ1300を使用してプラズマ発生器2000に特定の駆動周波数を有する交流電力を提供することができる。具体的には、インバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数は、中央制御装置500からインバータ1300に提供されるスイッチ信号に対応してもよい。言い換えれば、インバータ1300がプラズマ発生器2000に提供する交流電力の周波数は、中央制御装置500からインバータ1300に提供されるスイッチ信号に従って制御することができる。
【0220】
例えば、中央制御装置500は、第1インバータ1301に第1スイッチ信号を提供することができ、第1インバータ1301は、第1スイッチ信号に基づいて、第1駆動周波数を有する交流電力を第1プラズマ発生器2001に提供することができる。
【0221】
中央制御装置500は、以下に説明する位相差測定ステップS2400で測定された位相差に基づいて、インバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数を増減させることができる。
【0222】
位相差測定ステップS2400では、中央制御装置500は、各プラズマ発生器2000に印加される電圧と電流の位相差に関するデータを取得することができる。
【0223】
例えば、中央制御装置500は、第1プラズマ発生器2001に印加される電流の位相に関する第1電流位相データと、第1プラズマ発生器2001に印加される電圧の位相に関する第1電圧位相データとを比較することによって、第1位相差データを取得することができる。このため、第1位相測定ユニット411は、第1プラズマ発生器2001から印加される電流の位相を測定し、第1電流位相データを中央制御装置500に提供することができ、中央制御装置500は、第1インバータ1301に提供される第1スイッチ信号に基づいて、第1プラズマ発生器2001に印加される電圧の位相に関する第1電圧位相データを取得することができる。
【0224】
位相差条件決定ステップS2500では、中央制御装置500は、位相差測定ステップS2400で取得された位相差データが許容位相差範囲内にあるか否かを決定することができる。
【0225】
許容位相差範囲は、プラズマ発生システム100において誘導されたプラズマを維持するための基準として理解されてもよい。具体的には、プラズマ発生器2000の共振周波数(又はインピーダンス)は、プラズマ発生システム100においてプラズマが誘導されるときに形成されるプラズマによって変更されてもよく、プラズマ発生器2000の共振周波数とインバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数との間の差が大きいほど、プラズマ発生器2000に伝達される電力が低くなるため、プラズマが維持されない可能性がある。これに応じて、プラズマを形成し維持するために、プラズマ発生器2000の共振周波数とインバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数との間の差を継続的に監視し、その差の増大を防止するためにインバータ1300の駆動周波数を制御する必要があり、許容位相差範囲はこの条件下で設定されてもよい。
【0226】
許容位相差範囲は、ステーションによって異なるように設定されてもよい。例えば、第1ステーション211と第2ステーション212で実行されるプラズマプロセスが異なるか、又はプロセス環境が異なる場合、第1ステーション211での第1許容位相差範囲は、第2ステーション212での第2許容位相差範囲と異なっていてもよい。
【0227】
中央制御装置500は、位相差データと許容位相差範囲を比較することができる。例えば、中央制御装置500は、第1インバータ1301及び第1プラズマ発生器2001に関する第1位相差データを取得することができ、第1位相差データが第1許容位相差範囲内にあるときに第1プラズマ発生器2001に印加される第1交流電力の第1駆動周波数を維持することができ、第1位相差データが第1許容位相差範囲外であるときに第1プラズマ発生器2001に印加される第1交流電力の第1駆動周波数を第2駆動周波数に変更することができる。
【0228】
周波数変更ステップS2600では、中央制御装置500は、インバータ1300を制御することによって、プラズマ発生器2000に印加される交流電力の駆動周波数を変更することができる。例えば、第1駆動周波数に対応する第1スイッチ信号を第1インバータ1301に印加しながら駆動周波数を変更する必要がある場合、中央制御装置500は、第1駆動周波数とは異なる第2駆動周波数に対応する第2スイッチ信号を第1インバータ1301に印加することができる。
【0229】
中央制御装置500は、上記の位相差測定ステップS2400で取得された位相差データに基づいて、インバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数を増減させることができる。位相差データが、プラズマ発生器2000に印加される電圧の位相が電流の位相よりも早いことを表す場合、中央制御装置500は、インバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数を減少させることができる。しかしながら、位相差データが、プラズマ発生器2000に印加される電圧の位相が電流の位相よりも遅いことを表す場合、中央制御装置500は、インバータ1300から提供される交流電力の駆動周波数を増加させることができる。
【0230】
周波数維持ステップS2700では、プラズマ発生器2000に印加される交流電力の周波数を維持することができる。例えば、中央制御装置500は、インバータ1300に印加されるスイッチ信号を変更するのではなく維持してもよい。しかしながら、上述したように、交流電力パラメーターを変更する必要がある場合、中央制御装置500は、インバータ1300に印加されるスイッチ信号を変更することができる。
【0231】
周波数維持ステップS2700では、特定の条件が満たされると、例えば、所定時間が経過した場合、方法は、位相差測定ステップS2400に入ることができ、これに応じて、プラズマ発生器2000にリアルタイムで又は周期的に印加される電流と電圧との間の位相差を許容範囲内で制御する可能である。
【0232】
上記の周波数制御方法を使用する場合、プラズマプロセスシステム10のステーションで周波数を個別に制御することが可能であり、その結果、各ステーションで実行されるプラズマプロセスの効率を高めることが可能である。特に、幾つかのプラズマ発生器2000にプラズマが誘導される場合、プラズマ発生器2000の共振周波数(又はインピーダンス)の変動期間が不可避的に異なるため、上記の周波数制御方法を使用してプラズマ発生器2000を個別に監視及び管理する必要がある。
【0233】
一方、上述した電力制御方法と周波数制御方法は、順次に又は並行に実行されてもよい。例えば、プラズマプロセスシステム10において基板が置かれ、ガスが供給された後、中央制御装置500は、電力制御方法及び周波数制御方法を順次に又は並行に実行することができる。別の例として、中央制御装置500は、電力制御方法を先に実行し、次に周波数制御方法を実行することができる。別の例として、中央制御装置500は、周波数制御方法を先に実行し、次に電力制御方法を実行することができる。
【0234】
5.プラズマ発生システムの実装
【0235】
(1)全体的な回路設計
【0236】
以下では、図13及び図14を参照すると、実施形態によるプラズマ発生システム100の実装方法について説明する。ここで、プラズマ発生システム100は、4つのステーションでプラズマプロセスを実行するものとして説明されるが、本開示の技術的アイデアはそれに限定されない。
【0237】
図13は、本開示の一実施形態によるプラズマ発生システム100のブロック図を示す図である。
【0238】
図13を参照すると、プラズマ発生システムは、交流電源1100、ラインフィルタ、整流器1200、SMPS(スイッチモード電源)、電力分配器300、及び中央制御装置500を含んでもよい。
【0239】
交流電源1100と整流器1200の説明は、上記と同じであるためスキップされる。電力分配器300は、整流器1200に電気的に接続されているため、交流電源1100から直流電力を受け取ってもよい。
【0240】
ラインフィルタは、交流電源1100と整流器1200との間に電気的に介在するため、ノイズを除去する役割を果たし、SMPSは、整流器1200によって整流された電力を使用して、操作される中央制御装置500に電力を提供する役割を果たしてもよい。
【0241】
また、図13を参照すると、プラズマ発生システム100は、第1~第4部分感知ユニット401、402、403、404、第1~第4インバータ1301、1302、1303、1304、及び第1~第4プラズマ発生器2001、2002、2003、2004を含んでもよい。各インバータは、それぞれのプラズマ発生器に電気的に接続されてもよく、部分感知ユニットのそれぞれは、各インバータに関する電気特性を測定してもよい。例えば、第1インバータ1301は、第1プラズマ発生器2001に電力を提供し、第1部分感知ユニット401は、第1インバータ1301に印加される電力、及び第1プラズマ発生器2001に流れる電流の位相を測定してもよい。
【0242】
図13を参照すると、中央制御装置500は、周波数調整器、位相検出器、電力計算器、電力比較器、及びDDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)を含んでもよい。
【0243】
位相検出器は、位相差データを取得してもよい。位相検出器は、感知ユニット400から得られた電流信号とDDSから出力された電圧信号とを使用することによって、電流と電圧との間の位相差データを取得してもよい。ここで、位相差データは、前述のように負荷に印加される電圧と電流の位相差に対応するデータを意味してもよい。
【0244】
位相検出器は、ステーションのそれぞれのプラズマ発生器のそれぞれの位相差データを取得してもよい。例えば、位相検出器は、第1ステーションの第1プラズマ発生器2001の第1位相差データを取得してもよい。
【0245】
位相検出器は、位相差データを周波数調整器に提供してもよい。
【0246】
電力計算器は電力消費データを取得してもよい。電力消費データは、インバータ1300及びプラズマ発生器2000における消費された電力のデータを意味してもよい。
【0247】
電力計算器は、感知ユニット400から得られた電圧データ及び電流データを使用して電力消費データを取得してもよい。
【0248】
電力計算器は、各ステーションで消費された電力を計算してもよい。例えば、電力計算器は、第1感知ユニット401を介して得られた、第1インバータ1301に印加される第1電流データ及び第1電圧データを使用して、第1インバータ1301及び/又は第1プラズマ発生器2001で消費された第1消費電力を計算してもよい。ここで、各ステーションについて計算された電力消費データは、異なる値を有してもよい。
【0249】
電力計算器は、電力消費データを電力比較器に提供してもよい。
【0250】
電力比較器は、電力消費データと目標電力データを比較してもよい。電力比較器は、電力消費データと目標電力データを比較することによって、電力比較データを取得してもよい。
【0251】
ここで、電力消費データは、インバータ1300 及び/又はプラズマ発生器で消費された電力を表してもよい。又は、電力消費データは、インバータ1300及び/又はプラズマ発生器に印加された電力を表してもよい。
【0252】
ここで、目標電力データは、インバータ1300及び/又はプラズマ発生器で消費する必要のある電力を表してもよい。又は、目標電力データは、インバータ1300及び/又はプラズマ発生器に印加する必要のある電力を表してもよい。
【0253】
電力比較器は、各ステーションについて消費電力と目標電力を比較してもよい。例えば、電力比較器は、第1ステーションの第1電力消費データと第1目標電力とを比較することによって、第1電力比較データを取得してもよい。
【0254】
ここで、各ステーションについて計算された電力比較データは、異なる値を有してもよい。
【0255】
ここで、各ステーションについて設定された目標電力は、各ステーションで実行されるプロセスのタイプ、又は各ステーションで使用される機器若しくは目標に応じて、決定されてもよい。各ステーショについて設定されたン目標電力は、異なる値又は同じ値を有してもよい。
【0256】
電力比較器は、電力比較データを周波数調整器に提供してもよい。
【0257】
周波数調整器は、駆動周波数を計算してもよい。周波数調整器は、位相差データ及び電力比較データに基づいて、駆動周波数を計算してもよい。周波数調整器が駆動周波数を計算する方法については、図16及び図17で詳しく説明する。
【0258】
周波数調整器は、各ステーションについて駆動周波数を計算してもよい。例えば、周波数調整器は、位相検出器から第1位相差データを受信し、電力比較器から第1電力比較データを受信し、第1位相差データ及び第1電力比較データを使用することによって、第1駆動周波数を計算する。ここで、各ステーションについて計算された駆動周波数は、異なる値を有してもよい。
【0259】
周波数調整器は、駆動周波数をDDSに提供してもよい。
【0260】
DDSは、駆動周波数に対応する信号を各インバータに提供してもよい。例えば、DDSは、第1駆動周波数に対応する第1信号を第1インバータ1301に提供してもよく、DDSは、第2駆動周波数に対応する第2信号を第2インバータ1302に提供してもよい。ここで、第1駆動周波数と第2駆動周波数は互いに異なっていてもよい。
【0261】
DDSは、周波数調整器から駆動周波数に関するデータを受信することによって、出力する信号を決定してもよい。例えば、DDSは、周波数調整器から駆動周波数を得、得られた駆動周波数に対応する信号を出力してもよい。
【0262】
(2)感知回路の設計
【0263】
図14は、本開示の一実施形態による、中央制御装置500から感知値を取得するプロセスを示す図である。図14では、説明の便宜上、1つのステーション又は1つのプラズマ発生器について感知値を取得するための回路のみを示す。言い換えれば、図14に示される感知値を取得するプロセスは、第1インバータ1301及び第1プラズマ発生器2001について感知値を取得するプロセスであり、同じ回路は、他のインバータ及びプラズマ発生器のために構成されてもよい。
【0264】
図14を参照すると、第1感知ユニット401は、第1部分電流測定ユニット421a、第1部分電圧測定ユニット421b、及び第1位相測定ユニット411を含んでもよい。
【0265】
第1部分電流測定ユニット421aは、第1インバータ1301と電力計算器との間に電気的に介在してもよい。第1部分電流測定ユニット421aは、第1インバータ1301に印加される電流を測定して電力計算器に提供してもよい。第1部分電流測定ユニット421aで測定されたアナログ信号をディジタル信号に変更するために、第1部分電流測定ユニット421aと電力計算器との間にADC(アナログ‐ディジタル変換器)が配置されてもよい。
【0266】
第1部分電圧測定ユニット421bは、第1インバータ1301と電力計算器との間に電気的に介在してもよい。第1部分測定ユニット421bは、第1インバータ1301の両端間の電位差を測定して電力計算器に提供してもよい。ADCは、第1部分電圧測定ユニット421bで測定されたアナログ信号をディジタル信号に変更するために、第1部分電圧測定ユニット421bと電力計算器との間に配置されてもよい。
【0267】
第1位相測定ユニット411は、第1インバータ1301と第1プラズマ発生器2001との間の第1導線に結合されてもよい。第1位相測定ユニット411の一端は第1導線に結合されてもよく、第1位相測定ユニット411の他端は位相検出器に電気的に接続されてもよい。
【0268】
一方、位相検出器は、DDSから第1インバータ1301に出力された第1信号を受信してもよい。位相検出器は、DDSから第1インバータ1301に出力された第1信号を使用することによって電圧の位相を検出し、第1位相測定ユニット411から得られた電流の位相データを使用することによって位相差データを生成してもよい。
【0269】
(3)電力制御方法
【0270】
以下では、図15図17を参照して、一実施形態によるマルチステーションにおける各ステーションに印加される電力を制御する方法について説明する。
【0271】
図15は、本開示の一実施形態によるプラズマ発生システム100を使用するプラズマプロセスの方法を示すフローチャートである。
【0272】
図15を参照すると、プラズマプロセスの方法は、基板を置くステップS3100と、サブガスを供給するステップS3200と、プラズマを点火するステップS3300と、入力ガスを変更するステップS3400と、電力を制御するステップS3500とを含んでもよい。
【0273】
ステップのそれぞれについては以下に説明する。プラズマプロセスの方法は、マルチステーションのうち互いに異なるステーションで独立して実行されてもよい。また、プラズマプロセスの方法は、異なるステーションで同時に又は異なる時間に実行されてもよい。
【0274】
基板を置くステップS3100の場合、図11で説明した基板配置ステップS1100と同じであるため、説明がスキップされる。
【0275】
プラズマプロセスのターゲットを置いた後、サブガスをプラズマ発生器2000に供給してもよい(S3200)ここで、サブガスは、プラズマを点火するためのガスとして解釈されてもよい。例えば、サブガスはアルゴンガスであってもよい。
【0276】
プラズマ発生器2000によってプラズマを点火してもよい(S3300)。プラズマの点火のために、プラズマ発生器2000は、上述のDC電極及び/又は点火コイルをさらに含んでもよい。
【0277】
次に、プラズマ発生器2000に入力されたガスを変更してもよい(S3400)。ここで、変更したガスは、プラズマプロセス用のガスとして解釈することができる。例えば、ガスは、プラズマプロセスが洗浄に使用される場合、NF3であり得る。また、変更されるガスは、プラズマプロセスの目的に応じて、O2、N2、NH3、及び/又はH2であってもよい。
【0278】
入力ガスが変更される時点は、プラズマが点火される時点よりも遅くなることができる。又は、入力ガスが変更される時点は、プラズマ点火のためにプラズマ発生器2000に電力が印加されてから所定時間(例えば3秒~5秒)の後であってもよい。又は、入力ガスは、プラズマの点火が検出されると、変更されてもよく、プラズマの点火は、プラズマ発生器2000での消費電力に基づいて検出されてもよい。
【0279】
このとき、プラズマの点火のためにインバータ1300がプラズマ発生器2000に印加する交流電力の駆動周波数は、一定値として維持されてもよい。言い換えれば、プラズマを点火するプロセスでは、以下に説明する周波数を調整することによる電力制御方法は使用されなくてもよい。
【0280】
プラズマプロセスは、入力ガスを変更した後にプラズマを維持しながら実行されてもよい。
【0281】
プラズマが維持されている間にプラズマ発生器2000で消費される電力を制御してもよい(S3500)。中央制御装置500は、プラズマ発生器2000に印加される交流電力のパラメーターを変更しながらプラズマ発生器2000での消費電力を変更してもよい。
【0282】
例えば、中央制御装置500は、上述のように電力供給操作又はフリーホイーリング操作を使用することにより、インバータ1300を介してプラズマ発生器2000に印加される電力を制御してもよい。
【0283】
一方、電力供給操作及びフリーホイーリング操作による電力制御は、精密な電力制御が可能であるという利点を有するが、インバータ1300を実装するための回路の複雑さは相対的に増加し、制御信号を扱うための中央制御装置500のリソースも増加する。これは、1つではなく複数のステーションがある場合、即ち、プラズマプロセスがマルチステーションで実行される場合、ステーションの数が増加するため、システム設計上大きな負担となる可能性がある。
【0284】
この欠点を補う方法として、中央制御装置500は、各プラズマ発生器2000に印加される交流電力の駆動周波数、及び各プラズマ発生器2000に印加される交流電力又は各プラズマ発生器2000での消費電力を変更してもよい。
【0285】
周波数の調整による電力制御の基本的なアルゴリズムは以下のとおりである。
【0286】
プラズマ発生器2000での消費電力は、プラズマ発生器2000の共振周波数と駆動周波数との間の差、及びプラズマ発生器2000に印加される電圧と電流との間の位相差に応じて変化してもよい。例えば、プラズマ発生器2000に印加される電圧の位相と、プラズマ発生器2000に印加される電流の位相が同じになると、プラズマ発生器2000での消費電力は増加する可能性がある。
【0287】
また、プラズマ発生器2000に印加される電圧の位相がプラズマ発生器2000に印加される電流の位相に先行する場合、駆動周波数が増加すると、プラズマ発生器2000のインピーダンスの虚数部が増加して、出力電流が減少し、その結果、プラズマ発生器2000により消費される電力が減少する。逆に、駆動周波数が低下すると、プラズマ発生器2000のインピーダンスの虚数部が減少して、出力 電流が増加し、その結果、プラズマ発生器2000により消費される電力が増加する。
【0288】
以下では、図16及び図17を参照して、周波数を調整することによって、プラズマ発生器2000に印加される電力又はプラズマ発生器2000で消費される電力を制御する方法について説明する。
【0289】
図16は、本開示の一実施形態による周波数制御を介した電力制御方法を示すフローチャートである。
【0290】
図16を参照すると、周波数を調整することによる電力制御方法は、位相差データを取得するステップS3510と、電力比較データを取得するステップS3520と、周波数を維持又は変更するステップS3530とを含んでもよい。
【0291】
中央制御装置500は、プラズマ発生器2000に印加される電圧と電流の位相差データを取得してもよい。例えば、中央制御装置500の位相検出器は、感知ユニット400から得られた電圧信号と電流信号に基づいて、位相差データを得てもよい。
【0292】
中央制御装置500は、電力比較データを得てもよいS3520。
【0293】
まず、中央制御装置500の電力計算器は、プラズマ発生器2000で消費される電力を直接的又は間接的に計算してもよい。例えば、電力計算器は、プラズマ発生器2000に印加される電圧と電流の信号を得てもよく、プラズマ発生器2000での消費電力を測定してもよい。別の例として、電力計算器は、インバータ1300に印加される電圧の信号及びプラズマ発生器2000に流れる電流の信号を得てもよく、プラズマ発生器2000で消費される電力を計算してもよい。電力を計算するために、電力計算器は、上述のように感知ユニット400から電気特性のデータを受信してもよい。
【0294】
中央制御装置500の電力比較器は、電力計算器から計算された測定電力と目標電力とを比較してもよい。
【0295】
位相差データを取得するステップS3510と、上述した電力比較データを取得するステップとが並行に実行されてもよい。あるいは、あるステップが別のステップの前に実行されてもよい。
【0296】
中央制御装置500は、インバータ1300に印加される交流電力の周波数を維持又は変更してもよい(S3530)。
【0297】
中央制御装置500は、特定の規則に基づいて周波数を調整してもよい。ここで、特定の規則は、例えば、前述の位相差データ及び電力比較データに基づくものであってもよい。
【0298】
以下では、図17を参照して、一実施形態による特定の規則について説明する。
【0299】
図17は、本開示の一実施形態による周波数制御を介した電力制御方法において使用される規則を要約した表を示す図である。
【0300】
ここで、位相差データは、電流の位相に対する電圧の位相であり、次のように解釈できる。位相差データが正(+)のときは「遅れ(lagging)」の場合であり、電流の位相が電圧の位相よりも遅いことを意味する。位相差データが負(-)のときは「進み(leading)」の場合であり、電流の位相が電圧の位相よりも早いことを意味する。
【0301】
また、電力比較データは、電力比較データが正(+)の場合に目標電力が測定電力よりも大きく、電力比較データが負(-)の場合に目標電力が測定電力よりも小さくなるように、目標電力から測定電力を減算することにより得られた値である。
【0302】
一方、位相差データと電力比較データは、上記のように解釈することに限定されない。
【0303】
図17を参照すると、中央制御装置500は、以下のように駆動周波数を決定してもよい。
【0304】
位相差データが0、電力比較データが正(+)又は0の場合、駆動周波数を維持することができる。
【0305】
位相差データが0、電力比較データが負(-)の場合、駆動周波数を特定の値だけ増加させることができる。ここで、目標電力と測定電力に基づいて、特定の値を決定することができる。例えば、特定の値は、方程式(1)で決定されてもよい。
【0306】
方程式(1)
【0307】
ここで、Psetは目標電力を意味し、Pmeaは測定電力を意味し、及びf0は基準周波数を意味する。基準周波数は、1Hz~1kHzから決定することができる。基準周波数が増加すると、測定電力が目標電力に達するまでの時間が短くなる可能性がある。
【0308】
位相差データが正(+)、電力比較データが正(+)の場合、駆動周波数を特定の値だけ減少させることができる。
【0309】
位相差データが正(+)、電力比較データが0の場合、駆動周波数を維持することができる。
【0310】
位相差データが正(+)、電力比較データが負(-)の場合、駆動周波数を特定の値だけ増加させることができる。
【0311】
位相差データが負(-)の場合、電力比較データに関係なく、駆動周波数を固定値だけ増加させることができる。中央制御装置500は、位相差データが負(-)ではなく正(+)になるように駆動周波数を増加させてもよい。これは、位相差データが負(-)の場合、インバータ130のスイッチにハードスイッチングが発生し、スイッチが損傷を受ける可能性があるためである。言い換えれば、プラズマプロセスでは、位相差データを正(+)に維持するとZVS(零電圧スイッチング)が可能になるので、スイッチの損傷を防止することができる。
【0312】
ここで、位相差データを迅速に正(+)にするために、固定値を前述の特定の値よりも相対的に大きくすることができる。例えば、100Hzと100kHzとの間に固定値を決定することができる。しかしながら、固定値が大きくなりすぎると、駆動周波数が大きく変化し、負荷のインピーダンスの変化度合いも大きくなり、その結果、プラズマの安定性が損なわれる可能性がある。
【0313】
上記の実施形態に記載された特徴、構造、効果などは、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれるが、必ずしも1つの実施形態に限定されない。さらに、各実施形態で例示されている特徴、構造、効果などは、他の実施形態においても、その実施形態が関係する当業者によって組み合わせ又は修正される場合がある。従って、組み合わせ及び修正に関連する構成は、本開示の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0314】
本開示は実施形態を参照して上述されたが、実施形態は単なる例であり、本開示を制限するものではなく、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示が上記で例示されていない様々な方法で変更及び修正され得ることを知っているだろう。すなわち、本発明の実施形態で詳細に説明されている構成要素は修正されてもよい。さらに、変更及び修正に関する相違点は、特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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【国際調査報告】