IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 奥美森智能装備股▲フン▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-拡管機 図1
  • 特表-拡管機 図2
  • 特表-拡管機 図3
  • 特表-拡管機 図4
  • 特表-拡管機 図5
  • 特表-拡管機 図6
  • 特表-拡管機 図7
  • 特表-拡管機 図8
  • 特表-拡管機 図9
  • 特表-拡管機 図10
  • 特表-拡管機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】拡管機
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/08 20060101AFI20250128BHJP
   B21D 39/06 20060101ALI20250128BHJP
   B21D 39/20 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B21D53/08 J
B21D39/06 B
B21D39/20 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507850
(86)(22)【出願日】2023-04-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2023091731
(87)【国際公開番号】W WO2024138985
(87)【国際公開日】2024-07-04
(31)【優先権主張番号】202211672138.7
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524047914
【氏名又は名称】奥美森智能装備股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】龍 暁明
(72)【発明者】
【氏名】張 運広
(72)【発明者】
【氏名】秦 揚宣
(72)【発明者】
【氏名】▲トゥ▼ 石明
(57)【要約】
【課題】 拡管機を提供すること。
【解決手段】 ベースと、ベース上に設けられたエキスパンダ及び搬送装置とを備え、前記エキスパンダは、拡管機構と、管突当機構とを備え、前記拡管機構は拡管マンドレルと、拡管マンドレルを移動させる拡管マンドレル駆動機構とを備え、前記管突当機構は管突当伸縮位置決め機構と、管突当伸縮位置決め機構を移動させる管突当駆動機構とを備えた拡管機を開示する。この拡管機が拡管機構の拡管マンドレルを介して熱交換器の熱交換チューブを拡管し、拡管しながら他端が管突当伸縮位置決め機構を用いて熱交換チューブの末端に突き当たり、熱交換チューブの末端が放熱フィンモジュールに引き込まれる時、最後の拡管完了後熱交換チューブが放熱フィンモジュール内に引き込まれるまで、常に熱交換チューブの端面に当てて維持することができる。この拡管機の搬送装置は、昇降受台の昇降により熱交換器の各層の熱交換チューブを拡張させることができ、持ち上げ板と搬送架台の協働により、熱交換器の供給、拡管及び払い出しのサイクル作業を実現して、生産効率を向上させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡管機であって、ベースと、前記ベース上に設けられたエキスパンダ及び搬送装置とを備え、前記エキスパンダは、拡管機構と、管突当機構とを備え、前記拡管機構は拡管マンドレルと、前記拡管マンドレルを移動させる拡管マンドレル駆動機構と、前記拡管マンドレルを案内するフロントガイド装置とを備え、前記管突当機構は管突当伸縮位置決め機構と、前記管突当伸縮位置決め機構を移動させる管突当駆動機構とを備え、前記管突当伸縮位置決め機構は後部突当てロッドと、後部突当てソケットと、弾性復帰部材とを備え、前記後部突当てロッドは前記後部突当てソケットのソケット孔に滑合され、前記後部突当てソケットと前記後部突当てロッドとの間に前記後突当てソケットが前記後部突当てロッドから脱落することを防止するための制限構造が設けられ、前記弾性復帰部材は前記後部突当てロッド上に設けられ、前記後部突当てソケットを押し込むことができ、前記搬送装置は昇降受台を備え、前記昇降受台は昇降駆動構造を介して前記ベースと連結し、前記昇降受台上に複数の持ち上げ受台が設けられ、前記持ち上げ受台上に持ち上げ駆動ユニット及び前記持ち上げ駆動ユニットにより駆動される持ち上げ板が設けられ、前記持ち上げ受台上に搬送架台及び前記搬送架台を移動駆動する搬送駆動構造が設けられ、熱交換器が前記搬送架台により拡管位置及び次の加工位置に搬送されることができ、前記持ち上げ板は前記拡管位置にある前記熱交換器を持ち上げることができ、前記拡管位置にある前記熱交換器が前記エキスパンダにより拡管されることができ、前記拡管マンドレル駆動機構はマンドレル駆動フレームと、前記ベース上に設けられた第1ガイドレールアセンブリ及び第1ボールねじアセンブリとを備え、前記マンドレル駆動フレームは前記第1ガイドレールアセンブリ及び前記第1ボールねじアセンブリに連結され、前記マンドレル駆動フレーム上にマンドレル駆動モーターが設けられ、前記マンドレル駆動モーターはマンドレル伝動機構を介してボールねじアセンブリに連結されて前記ボールねじアセンブリ内のナットを回転駆動することで、前記マンドレル駆動フレーム全体を移動させ、前記拡管マンドレルは前記マンドレル駆動フレームの受け穴に固定され、前記フロントガイド装置は案内管と、フロントガイドフレームとを備え、前記案内管は前記フロントガイドフレームに固定され、前記拡管マンドレルが前記案内管を挿通する
ことを特徴とする拡管機。
【請求項2】
前記後部突当てロッドは、第1杆と、第2杆とを備え、前記第1杆は前記後部突当てソケットの前記ソケット孔に滑合され、前記第1杆の端面に逃がし穴が設けられ
請求項1に記載の拡管機。
【請求項3】
杆頭部制限構造は、第1杆上に設けられた段差面と、前記ソケット孔内に設けられた凸環とを備え、前記凸環は前記段差面に当接でき、前記第1杆は杆頭部と、杆体とを備え、前記段差面は前記杆頭部と前記杆体が交差する端面で構成される
請求項2に記載の拡管機。
【請求項4】
前記昇降駆動構造は、昇降駆動モーターと、伝動構造と、矩形に配置された4つの昇降器とを備え、前記昇降受台は前記昇降器に固定され、前記昇降駆動モーターは前記伝動構造を介して4つの前記昇降器に接続されることで、4つの前記昇降器を同時に昇降駆動する
請求項1に記載の拡管機。
【請求項5】
前記搬送駆動構造は、前記持ち上げ受台上に設けられた搬送モーターと、減速機とを備え、前記減速機の出力軸上に駆動歯車が設けられ、前記搬送架台は第2ガイドレールアセンブリを介して前記持ち上げ受台に連結され、前記搬送架台上に前記駆動歯車と噛み合うラックが設けられる
請求項4に記載の拡管機。
【請求項6】
前記搬送架台は、互いに対向して配置された搬送板を備え、前記搬送板の両端は連接杆を介して一体に固定され、前記第2ガイドレールアセンブリは前記持ち上げ受台の両側に設けられ、前記持ち上げ受台は2つの前記搬送板間に位置する
請求項5に記載の拡管機。
【請求項7】
前記拡管マンドレル駆動機構と前記フロントガイド装置との間には、複数の摺動案内機構が設けられ、前記摺動案内機構は前記ベース上に互いに対向して配置されたガイドスライドシャフトと、前記ガイドスライドシャフトに滑合されるガイドスライダとを備え、前記ガイドスライダ間はガイロープで連結され、前記フロントガイド装置に最も近い前記ガイドスライダは前記ガイロープで前記フロントガイド装置に連結され、前記マンドレル駆動フレームに最も近い前記ガイドスライダが前記ガイロープで前記マンドレル駆動フレームに連結され、前記ガイドスライダ上に案内摺動穴が設けられ、前記拡管マンドレルは前記案内摺動穴に滑合される
請求項1に記載の拡管機。
【請求項8】
前記マンドレル駆動フレームには、ガイド板及び係止板が設けられ、前記受け穴は前記ガイド板上にあり、前記ガイド板上には前記受け穴に連通された収容穴が設けられ、前記係止板上に係止穴及び前記係止穴と部分的に交差する退避孔が設けられ、前記拡管マンドレル上に突出する制限リングが設けられ、前記制限リングが前記収容穴内に位置する時、前記係止板がロック駆動ユニットにより下降することで、前記係止穴の位置を拡管マンドレルと同軸になり、前記制限リングに当接することができる
請求項1に記載の拡管機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換チューブ用の拡張装置に関し、特に拡管機に関する。
【背景技術】
【0002】
セントラル空調の熱交換器内の熱交換チューブは、良好な熱交換効果を発揮するため、膨張して放熱フィンモジュールと密着する必要があり、上記構造は一般的に拡管機により実現される。
【0003】
通常のセントラルエアコンの熱交換チューブの両端は、フィンモジュールの両側面から突出するが、現在、水方式セントラル空調用熱交換器では、熱交換チューブの両端が放熱フィンモジュールの両側面と面一になっているものがあり、従来のエキスパンダを用いた場合、拡管完了後に両端に突き出た熱交換チューブを切断する必要があり、工数がかかるだけでなく材料の無駄も発生するため、従来のエキスパンダはこのモデルの熱交換器の拡管に適さず、かつ様々な仕様の熱交換器の拡管に適応でき、その後の設備との接続や整合を図り、拡管機の搬送装置にも再設計する必要があるため、本出願人は上記の全ての問題を解決する拡管機を設計した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の欠点を克服するため、拡管機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その技術的課題を解決するために本発明が採用する技術的手段としては、拡管機であって、ベースと、ベース上に設けられたエキスパンダ及び搬送装置とを備え、前記エキスパンダは、拡管機構と、管突当機構とを備え、前記拡管機構は拡管マンドレルと、拡管マンドレルを移動させる拡管マンドレル駆動機構と、拡管マンドレルを案内するフロントガイド装置とを備え、前記管突当機構は管突当伸縮位置決め機構と、管突当伸縮位置決め機構を移動させる管突当駆動機構とを備え、前記管突当伸縮位置決め機構は後部突当てロッドと、後部突当てソケットと、弾性復帰部材とを備え、前記後部突当てロッドは前記後部突当てソケットのソケット孔に滑合され、前記後部突当てソケットと後部突当てロッドとの間に後突当てソケットが後部突当てロッドから脱落することを防止するための制限構造が設けられ、前記弾性復帰部材は後部突当てロッド上に設けられ、後部突当てソケットを押し込むことができ、前記搬送装置は昇降受台を備え、昇降受台は昇降駆動構造を介してベースと連結し、前記昇降受台上に複数の持ち上げ受台が設けられ、前記持ち上げ受台上に持ち上げ駆動ユニット及び持ち上げ駆動ユニットにより駆動される持ち上げ板が設けられ、前記持ち上げ受台上に搬送架台及び搬送架台を移動駆動する搬送駆動構造が設けられ、熱交換器が搬送架台により拡管位置及び次の加工位置に搬送されることができ、前記持ち上げ板は拡管位置にある熱交換器を持ち上げることができ、拡管位置にある熱交換器がエキスパンダにより拡管されることができ、前記拡管マンドレル駆動機構はマンドレル駆動フレームと、ベース上に設けられた第1ガイドレールアセンブリ及び第1ボールねじアセンブリとを備え、前記マンドレル駆動フレームは第1ガイドレールアセンブリ及び第1ボールねじアセンブリに連結され、前記マンドレル駆動フレーム上にマンドレル駆動モーターが設けられ、前記マンドレル駆動モーターはマンドレル伝動機構を介してボールねじアセンブリに連結されてボールねじアセンブリ内のナットを回転駆動することで、マンドレル駆動フレーム全体を移動させ、前記拡管マンドレルはマンドレル駆動フレームの受け穴に固定され、前記フロントガイド装置は案内管と、フロントガイドフレームとを備え、前記案内管はフロントガイドフレームに固定され、前記拡管マンドレルが案内管を挿通することを特徴とする。
【0006】
前記後部突当てロッドは、第1杆と、第2杆とを備え、前記第1杆は前記後部突当てソケットのソケット孔に滑合され、前記第1杆の端面に逃がし穴が設けられる。
【0007】
杆頭部制限構造は、第1杆上に設けられた段差面と、ソケット孔内に設けられた凸環とを備え、前記凸環は段差面に当接でき、前記第1杆は杆頭部と、杆体とを備え、前記段差面は杆頭部と杆体が交差する端面で構成される。
【0008】
前記昇降駆動構造は、昇降駆動モーターと、伝動構造と、矩形に配置された4つの昇降器とを備え、前記昇降受台は昇降器に固定され、前記昇降駆動モーターは伝動構造を介して4つの前記昇降器に接続されることで、4つの前記昇降器を同時に昇降駆動する。
【0009】
前記搬送駆動構造は、持ち上げ受台上に設けられた搬送モーターと、減速機とを備え、前記減速機の出力軸上に駆動歯車が設けられ、前記搬送架台は第2ガイドレールアセンブリを介して持ち上げ受台に連結され、搬送架台上に駆動歯車と噛み合うラックが設けられる。
【0010】
前記搬送架台は、互いに対向して配置された搬送板を備え、搬送板の両端は連接杆を介して一体に固定され、前記第2ガイドレールアセンブリは持ち上げ受台の両側に設けられ、前記持ち上げ受台は2つの搬送板間に位置する。
【0011】
前記拡管マンドレル駆動機構とフロントガイド装置との間には、複数の摺動案内機構が設けられ、前記摺動案内機構はベース上に互いに対向して配置されたガイドスライドシャフトと、ガイドスライドシャフトに滑合されるガイドスライダとを備え、前記ガイドスライダ間はガイロープで連結され、フロントガイド装置に最も近いガイドスライダはガイロープでフロントガイド装置に連結され、マンドレル駆動フレームに最も近いガイドスライダがガイロープでマンドレル駆動フレームに連結され、前記ガイドスライダ上に案内摺動穴が設けられ、前記拡管マンドレルは案内摺動穴に滑合される。
【0012】
前記マンドレル駆動フレームには、ガイド板及び係止板が設けられ、前記受け穴はガイド板上にあり、前記ガイド板上には受け穴に連通された収容穴が設けられ、前記係止板上に係止穴及び係止穴と部分的に交差する退避孔が設けられ、前記拡管マンドレル上に突出する制限リングが設けられ、制限リングが収容穴内に位置する時、前記係止板がロック駆動ユニットにより下降することで、係止穴の位置を拡管マンドレルと同軸になり、制限リングに当接することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有利な効果としては、この拡管機が拡管機構の拡管マンドレルを介して熱交換器の熱交換チューブを拡管し、拡管しながら他端が管突当伸縮位置決め機構を用いて熱交換チューブの末端に突き当たり、熱交換チューブの末端が放熱フィンモジュールに引き込まれる時に、最後の拡管完了後熱交換チューブが放熱フィンモジュール内に引き込まれるまで、常に熱交換チューブの端面に当てて維持することができる。上述の構造により製造された熱交換器は、熱交換チューブブを切断する必要がなく、工程が減少されるだけでなく、材料も節約されるため、製造コストが削減される。この拡管機搬送装置の昇降受台は、昇降駆動構造を介してベースに連結され、昇降受台の昇降により熱交換器の各層の熱交換チューブを拡張させることができ、持ち上げ板と搬送架台の協働により、熱交換器の供給、拡管及び払い出しのサイクル作業を実現して、生産効率を向上させる。
【0014】
以下、図面及び実施形態を参照しつつ本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の全体構成図である。
図2】管突当駆動機構の構成図である。
図3】本発明の拡管が始まったばかりの管突当伸縮位置決め機構の構成図である。
図4】本発明の断面構成図である。
図5】本発明の拡管完了後の管突当伸縮位置決め機構の構成図である。
図6】拡管機構及び摺動案内機構の構成図である。
図7】拡管マンドレルとマンドレル駆動フレームとの固定構造を示す断面構成図である。
図8】フロントガイド装置の構成図である。
図9】搬送装置の構成図である。
図10】昇降器及び伝動軸配置の構成図である。
図11】昇降受台部分の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の利点及び特徴、ならびにその実施方法は、図面を参照して描写される以下の実施形態により明らかにされる。しかしながら、本開示は多数の異なる形態で実施され得、本明細書で説明する実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるよう、提供され。なお、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0017】
本発明の実施形態を説明するために用いられる図面に開示される形状、寸法、比率、角度、及び数は、単なる例であるため、本開示は図示の内容に限定されない。本明細書全体を通じて、同じ符号は同じ要素を表す。下記で本発明を説明するにあたり、関連した公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。本明細書に記載される「備える」、「有する」、及び「含む」を使用する場合、「のみ」が使用されない限り、他の構成要素が追加されてもよい。単数形の用語は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、複数形も同様に含む場合がある。
【0018】
構成要素を解釈する場合、明示的には記載されていないが、構成要素には誤差の範囲が含まれることが理解される。
【0019】
位置関係を記述する場合、例えば、位置関係を「~の上に」、「~の上方に」、「~の下方に」、「~と隣接する」と記述する場合、「緊着」又はは「直接」を使用しない限り、他の部分の間に1つ以上の部分を配置することができる。
【0020】
時間的な関係を記述する場合、例えば時間的な順序を「~の後に」、「その後」、「次に」及び「の前に」と記述する場合、「丁度」又は「直接」を使用しない限り、不連続的な状況を含む場合がある。
【0021】
「第1」、「第2」などの用語が本明細書では各種構成要素を記述するために使用され得るが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成素と呼ばれることができ、同様に、第2の構成要素は第1の構成要素と呼ばれることができる。
【0022】
当業者であれば十分に理解するように、本開示の異なる実施形態の特徴は、部分的又は完全に相互に結合或いは組み合わせることができ、様々な方法で互いに協働し、技術的に駆動されることができる。本開示の実施形態は、互いに独立して実行され得、又は相互依存関係で一緒に実行されてもよい。
【0023】
図1を参照すると、本発明は、ベース1と、ベース1上に設けられたエキスパンダ及び搬送装置111とを備えた拡管機を開示し、前記エキスパンダは、拡管機構112と、管突当機構113とを備え、前記拡管機構112は拡管マンドレル13と、拡管マンドレル13を移動させる拡管マンドレル駆動機構と、拡管マンドレル13を案内するフロントガイド装置とを備え、熱交換器114が搬送装置111により拡管位置に搬送された後、管突当機構113は熱交換チューブの末端に突き当たると同時に、拡管マンドレル13がフロントガイド装置の誘導を通じて熱交換チューブの先端部に挿入して拡管し、拡管後の先端部は放熱フィンモジュールと緊結するため、熱交換チューブの収縮移動は最終的に末端に集中し、もちろん拡管完了後、末端が放熱フィンモジュールにちょうど引き込まれ、放熱フィンモジュールと面一になるように、末端に残る収縮量を計算する。
【0024】
図2図5に示すように、前記管突当機構113は、管突当伸縮位置決め機構と、管突当伸縮位置決め機構を移動させる管突当駆動機構とを備え、前記管突当伸縮位置決め機構は後部突当てロッド12と、後部突当てソケット2と、弾性復帰部材3とを備え、前記後部突当てロッド12は前記後部突当てソケット2のソケット孔に滑合され、前記後部突当てソケット2と後部突当てロッド12との間に後突当てソケット2が後部突当てロッド12から脱落することを防止するための制限構造が設けられ、前記弾性復帰部材3は後部突当てロッド12上に設けられ、後部突当てソケット2を押し込むことができる。上述の構造により、拡管の最終段階において、後部突当てソケット2が放熱フィンモジュール4の側面と接触した後、後部突当てロッド12に沿って後退することができるため、後部突当てロッド12の端面は最後の拡管完了後熱交換チューブ5が放熱フィンモジュール4内に引き込まれるまで、常に熱交換チューブ5の端面に当てて維持することができる。
【0025】
本出願では、製造及び組立の便宜上、前記後部突当てロッド12は第1杆6と、第2杆7とを備え、前記第1杆6は前記後部突当てソケット2のソケット孔に滑合されるため、後部突当てソケット2が熱交換チューブ5の端部を嵌め込んだ時、第1杆6の端面が熱交換チューブ5の端面に当接する。さらなる構造として、前記第1杆6の端面には逃がし穴8が設けられ、前記逃がし穴8はテーパ穴であり、拡管完了後、他端を通る拡管マンドレル13の端部には収容スペースが必要となるため、逃がし穴8は拡管マンドレル13端部のテーパに合わせたテーパ穴とする必要がある。
【0026】
図に示すように、前記杆頭部制限構造は、第1杆6上に設けられた段差面と、ソケット孔内に設けられた凸環9とを備え、前記凸環9は段差面に当接でき、前記第1杆6は杆頭部と、杆体とを備え、前記段差面は杆頭部と杆体が交差する端面で構成されるが、当然のことながら、杆頭部の直径は杆体の直径よりも大きく、弾性復帰部材3が後部突当てソケット2を押し込む時、段差面の制限を介して後部突当てソケット2が第1杆6から脱落することはない。
【0027】
図に示すように、前記弾性復帰部材3は、圧縮バネであり、前記第2杆7上には連結用螺合穴が設けられ、前記第1杆6上には連結用螺合穴に適合する連結用ネジ部が設けられ、第2杆7の直径は第1杆6の直径より大きいため、第2杆7の端縁部は第1杆6の外面より高いことで、圧縮バネの一端が第2杆7の端面に当接することができ、圧縮バネの他端が後部突当てソケット2に当接し、かつ圧縮バネは入手が容易で安価な従来の部品であるため、後部突当てソケット2が収縮した後、圧縮バネの押動により元の位置に戻ることができる。
【0028】
図に示すように、前記第1杆6及び第2杆7内には、いずれも貫通孔10が設けられ、第2杆7はオイルホースアダプタ11に接続され、前記貫通孔10はオイルホースアダプタ11の内孔に連通され、オイルホースアダプタ11は外部のオイルポンプに接続されるため、拡管時に貫通孔10を通じて熱交換チューブ5内に潤滑油を圧送して、拡管マンドレル13を潤滑する。
【0029】
本出願の管突当駆動機構は、管突当移動マウント14を備え、管突当伸縮位置決め機構、モーター15及びベルト伝動機構は管突当移動マウント14に取り付けられ、モーター15はベルト伝動機構を介してボールねじナットを回転させることで、管突当移動マウント14をリニアガイドレールに沿って移動させる。上述の構造は、機械分野において一般的に用いられる伝動構造であるため、具体的な連結関係については詳細な説明を省略する。上述の機構により、熱交換チューブの末端が収縮した時に、後部突当てロッド12が管突当駆動機構により移動され、後部突当てロッド12の端面を常に熱交換チューブ5の端面に当てるようになっている。
【0030】
図6及び図7に示すように、前記拡管マンドレル駆動機構は、マンドレル駆動フレーム16とベース1上に設けられた第1ガイドレールアセンブリ17と第1ボールねじアセンブリとを備え、前記マンドレル駆動フレーム16は第1ガイドレールアセンブリ17及び第1ボールねじアセンブリに連結され、前記マンドレル駆動フレーム16上にマンドレル駆動モーター18が設けられ、前記マンドレル駆動モーター18はマンドレル伝動機構を介してボールねじアセンブリに連結されてボールねじアセンブリ内のナットを回転駆動することで、マンドレル駆動フレーム16全体を移動させ、前記拡管マンドレル13はマンドレル駆動フレーム16の受け穴19に固定される。上述の構造により、拡管マンドレル13は、マンドレル駆動モーター18の駆動により第1ガイドレールアセンブリ17に沿って移動できることで、拡管し、マンドレル伝動機構はベルト伝動構造であり、ベルト伝動構造、第1ガイドレールアセンブリ17及び第1ボールねじアセンブリはいずれも機械分野において一般的に用いられる伝動構造であるため、具体的な連結関係については詳細な説明を省略する。
【0031】
図に示すように、拡管マンドレル13の具体的な固定構造:前記マンドレル駆動フレーム16にはガイド板20及び係止板21が設けられ、前記受け穴19はガイド板20上にあり、前記ガイド板20上には受け穴19に連通された収容穴23が設けられ、前記係止板21上に係止穴24及び係止穴24と部分的に交差する退避孔25が設けられ、 係止穴24と退避孔25と交差して全体としてひょうたん形を呈し、前記拡管マンドレル13上に突出する制限リング26が設けられ、制限リング26が拡管マンドレル13に溶接される。制限リング26が収容穴23内に位置する時、前記係止板21がロック駆動ユニット27により下降することで、係止穴24の位置を拡管マンドレル13と同軸になり、制限リング26に当接することができる。ロック駆動ユニット27は、エアシリンダである。上述の構造の設置により、拡管マンドレル13の交換やメンテナンスが容易となる。係止板21が上昇された時、退避孔25が受け穴19及び収容穴23と同軸となり、収容穴23及び退避孔25の孔径はいずれも受け穴19及び係止穴24より大きく、制限リング26を通過できるため、拡管マンドレル13が受け穴19に挿入された後、制限リング26は退避孔25を通って収容穴23に挿入することができ、次に係止板21が下降されて元の位置に戻られ、この時拡管マンドレル13が退避孔25から係止穴24に係入でき、この時係止穴24は受け穴19及び収容穴23と同軸となり、制限リング26の直径は係止穴24及び受け穴19の直径よりも大きいため、制限リング26は係止穴24と受け穴19との間に係止されて、拡管マンドレル13とマンドレル駆動フレーム16とを固定させ、もちろん、係止板21のスムーズな昇降を確保するため、ガイド板20には溝が穿設され、前記係止板21はこの溝内にあり、この溝はパネル22により閉じられる。
【0032】
図8に示すように、前記フロントガイド装置は、案内管28と、フロントガイドフレーム29とを備え、前記案内管28はフロントガイドフレーム29に固定され、前記拡管マンドレル13が案内管28を挿通する。案内管28とフロントガイドフレーム29の固定方法は、拡管マンドレル13とマンドレル駆動フレーム16の固定方法と同じであるため、その詳細な説明を省略する。より好ましくは、フロントガイドフレーム29上にフロントガイドフレーム29を移動駆動するフロントガイドフレーム駆動装置30が取り付けられ、フロントガイドフレーム駆動装置30の構造及び原理は管突当駆動機構と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
【0033】
図に示すように、拡管マンドレル13は非常に長いため、拡管マンドレル13の曲がりを防止するため、マンドレル駆動フレーム16とフロントガイドフレーム29との間に複数の摺動案内機構を設ける必要がある。前記摺動案内機構は、ベース1上に互いに対向して配置されたガイドスライドシャフト31と、ガイドスライドシャフト31に滑合されるガイドスライダ32とを備え、前記ガイドスライダ32間はガイロープで連結され、フロントガイド装置に最も近いガイドスライダ32はガイロープでフロントガイド装置に連結され、マンドレル駆動フレーム16に最も近いガイドスライダ32がガイロープでマンドレル駆動フレーム16に連結され、前記ガイドスライダ32上に案内摺動穴が設けられ、前記拡管マンドレル13は案内摺動穴に滑合される。上述の構造により、摺動案内機構は、拡管マンドレル駆動機構とフロントガイド装置との間に均等に配置され、マンドレル駆動フレーム16が拡管マンドレル13を動かせて拡管する時、近いガイドスライダ32を徐々に押し、拡管が完了するまでマンドレル駆動フレーム16と一緒に移動し、ガイドスライダ32のリセットも非常に簡単で、マンドレル駆動フレーム16のリセット時ガイロープにより全てのガイドスライダ32を順次引っ張ってリセットし、上述の構造は単純で、コストが低い。
【0034】
図9図11に示すように、搬送装置111は、昇降受台33を備え、昇降受台33は昇降受台駆動構造を介してベース1と連結し、前記昇降受台33は昇降器34に固定され、前記昇降駆動モーター35は伝動構造を介して4つの前記昇降器34に連結される。昇降駆動構造の具体的な構成:前記昇降駆動構造は、昇降駆動モーター35と、伝動構造と、矩形に配置された4つの昇降器34とを備え、減速機付き昇降駆動モーター35はベース1の中間位置に取り付けられ、伝動構造はベース1上に一列に配置された3つの方向転換ボックス36と、複数の伝動軸6とを備え、両側の方向転換ボックス36の位置と昇降器34は共線であり、方向転換ボックス36間及び方向転換ボックス36と対応する昇降器34との間は伝動軸37を介して連結される。上述の構造により、1つのモーター15により4つの昇降器34を昇降駆動することで、昇降受台33を昇降させることができ、エアシリンダ又は油圧シリンダに比べて昇降受台33が高精度に駆動される。
【0035】
本出願では、前記昇降受台33上に3つの持ち上げ受台38が並列に配置され、持ち上げ受台38は両端の支持脚を介して昇降受台33上に固定され、前記持ち上げ受台38上に持ち上げ駆動ユニット39及び持ち上げ駆動ユニット39により駆動される持ち上げ板40が設けられる。本出願では、前記持ち上げ駆動ユニット39は持ち上げ受台38の底面にネジで固定されたエアシリンダであり、エアシリンダの軸が持ち上げ受台38を挿通して持ち上げ板40に固定されることで、持ち上げ板40を持ち上げ受台38の上方に昇降させる。
【0036】
図示するように、前記持ち上げ受台38上に搬送架台及び搬送架台を移動駆動する搬送駆動構造が設けられ、熱交換器114が搬送架台により拡管位置及び次の加工位置に搬送されることができ、前記持ち上げ板40は拡管位置にある熱交換器114を持ち上げることができる。搬送駆動構造の具体的な構成:前記搬送駆動構造は、持ち上げ受台38上に設けられた搬送モーター41と、搬送モーター41に接続された減速機とを備え、前記減速機の出力軸上に駆動歯車42が設けられ、前記搬送架台はガイドレールアセンブリを介して持ち上げ受台38に連結され、搬送架台上に駆動歯車42と噛み合うラック43が設けられる。上述の構造は単純でコストが低い。搬送架台の具体的な構成:互いに対向して配置された方形搬送板44を備え、搬送板44の両端は連接杆45を介して一体に固定され、前記ガイドレールアセンブリは持ち上げ受台38の両側に設けられ、前記持ち上げ受台38は2つの搬送板44間に位置する。したがって、搬送架台は搬送モーター41の駆動により持ち上げ受台38に沿って移動して、熱交換器114を搬送することができる。
【0037】
この構造の原理の概要:初期状態では、昇降受台33は最低位置にあり、持ち上げ板40も上昇しておらず、持ち上げ板40の頂面が搬送板44の側頂縁より低い。この時搬送架台の左端がロード位置にあり、熱交換器114は、ロボットアーム又は転送テーブルにより搬送架台の左端に搬送され、この時搬送架台の右端が拡管位置にあり、次に搬送架台の左端が拡管位置に移動し、この時持ち上げ板40が上昇して、熱交換器114を押し上げてから拡管し始め、拡管過程中で搬送架台はリセットされ、搬送架台の左端がロード位置にあるため、拡管待ちの熱交換器114を載置できるようにし、この時搬送架台の右端も拡管位置にあり、拡管が完了するのを待ち、拡管が完了した後、持ち上げ板40が下降し、拡管が完了した熱交換器114を搬送架台の右端に落下させ、この時、搬送架台は再び移動し、搬送架台の左端を拡管位置に移動させると共に、搬送架台の右端は拡管が完了した熱交換器114を次の製造設備に送り、同時に持ち上げ板40は拡管待ちの熱交換器114を持ち上げて拡管し始めることで、循環し続ける。
【0038】
以上、本発明の実施形態により提供される拡管機について詳細に説明してきたが、本明細書では、具体例で本発明の原理及び実装を説明する。上記の実施形態の説明は、本発明の方法及び中核構想の理解を助けるためにのみ使用されている。同時に、当業者にとっては、本発明の技術的構想に基づいて特定の実装及び応用範囲が変更され、要するに本明細書の内容は、本発明に対する限定と理解されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】