(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】ケモカインレセプター経路インヒビターを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20250128BHJP
A61K 31/28 20060101ALI20250128BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20250128BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20250128BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20250128BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20250128BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20250128BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20250128BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250128BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250128BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K31/28
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/12
A61P13/12
A61P9/00
A61P27/02
A61P35/00
A61P11/00
A61K9/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532214
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 AU2022050013
(87)【国際公開番号】W WO2023133607
(87)【国際公開日】2023-07-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522070020
【氏名又は名称】ダイメリックス バイオサイエンス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ポロック, ブロンウィン ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】シェパード, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター, ニーナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA38
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB25
4C076DD29
4C076DD41C
4C076DD47
4C076DD67
4C076EE16
4C076EE31A
4C076EE32
4C076EE32Y
4C076EE38B
4C076EE55
4C076FF05
4C076FF06
4C076FF09
4C084AA17
4C084MA17
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4C084MA37
4C084MA52
4C084MA59
4C084NA10
4C084ZA332
4C084ZA361
4C084ZA591
4C084ZA811
4C084ZB261
4C084ZC421
4C206AA02
4C206JB05
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206MA79
4C206NA10
4C206ZA33
4C206ZA36
4C206ZA59
4C206ZA81
4C206ZB26
4C206ZC42
(57)【要約】
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩(特に、レパゲルマニウムまたはプロパゲルマニウム);ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;およびv.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤を含む、組成物;ならびにその組成物を用いる処置方法。好ましくは、その組成物は、2.5%w/w~65%w/wのそのCCR2経路インヒビターを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物。
【請求項2】
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための方法であって、
治療有効量のa)組成物を前記対象に投与する工程
を含み、前記組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、方法。
【請求項10】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための医薬の製造における、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
の使用。
【請求項11】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための組成物の使用であって、前記組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、使用。
【請求項12】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のためのキットであって、
a)i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物と、
b)使用指示書と
を含む、キット。
【請求項13】
処置、軽減もしくは予防される状態または疾患が、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患、または肺疾患から選択される、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項14】
i.前記腎疾患が巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、または糖尿病性腎症によって引き起こされる慢性腎臓病であり;
ii.前記肺疾患が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、
請求項13に記載の方法、使用またはキット。
【請求項15】
前記CCR2経路インヒビターが、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日~500mg/日で提供される、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項16】
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項17】
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項18】
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供される、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項19】
前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項20】
前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項21】
前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項22】
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項9に記載の方法、請求項10もしくは11に記載の使用または請求項12に記載のキット。
【請求項23】
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wのケイ化結晶セルロース(SMCC)である希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wのヒプロメロース(HPMC)である結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムである崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wのステアリン酸マグネシウムである滑沢剤
を含む、組成物。
【請求項24】
経口カプセル送達のための請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
経鼻胃送達のための請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ケモカインレセプター経路インヒビターを含む組成物およびそれを使用する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
ケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターに基づく腎疾患および呼吸器疾患などの疾患の治療法が、知られている。
【0003】
レパゲルマニウムまたはプロパゲルマニウムが、CCR2経路インヒビターとして使用され得る。しかし、プロパゲルマニウムは、B型肝炎を処置するために日本で1990年代に承認されたが、これは、その他の場所では承認されておらず、新規化学物質(New Chemical Entity)(NCE)として分類されている。レパゲルマニウムおよびプロパゲルマニウムは、ポリマー化合物として文献で以前に記載された。その原薬3-[(2-カルボキシエチル-オキソゲルミル)オキシ-オキソゲルミル]プロパン酸は、多形を示し、種々の固体形態で存在し得る。しかし、本発明者らは、この原薬の製造中または試験中にレパゲルマニウムの重合のいかなる薬理効果も観察しなかった。
【0004】
3-[(2-カルボキシエチル-オキソゲルミル)オキシ-オキソゲルミル]プロパン酸の多形としては、レパゲルマニウム、プロパゲルマニウム、プロキシゲルマニウム(proxigermanium)、Ge-132、ゲルマニウムセスキオキシド、2-カルボキシエチルゲルマセスキオキサン、SK-818、ビス(2カルボキシエチルゲルマニウム)セスキオキシドが挙げられる。
【0005】
最も高度に特徴付けられた2種の固体形態であるプロパゲルマニウムおよびレパゲルマニウムは、共通のコア構造を共有する(Mizunoら、2015)。これらの2種の原薬は別個の国際一般名(International Nonproprietary Name)(INN)を有し、プロパゲルマニウムのINNはINN#6260であり、レパゲルマニウムのINNはINN#6259である。これらは、モノマー分子3-[(2-カルボキシエチル-オキソゲルミル)オキシ-オキソゲルミル]プロパン酸の別個の充填から構成され、H結合によって配位される構造単位が変化する。X線回折は、プロパゲルマニウムが、Ge-O結合から構成された連鎖状八員環のポリマー性梯子状構造を有することを明らかにし、この構造は、レパゲルマニウムにおける無限のシート構造とは明確に区別される。固体形態では、プロパゲルマニウムとレパゲルマニウムとは異なる;しかし、溶液では、その構造単位が溶解されるので、これらは同一である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、CCR2ブロッカーの送達のための新規組成物を驚くべきことに見出した。この新規組成物は、先行技術の欠点の一部もしくはすべてを克服し、または商業的代替物を少なくとも提供する。上記の検討は、本発明の理解を促進することのみが意図される。上記の検討は、以下の発明の説明の範囲も適用も限定するとしては決して解釈されるべきではなく、上記の検討は、検討された情報のうちのいくらかが優先日当時の当業者の技術常識の範囲内にあったという承認として解釈されるべきでもない。
【0007】
(発明の概要)
本発明は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物を提供する。
【0008】
好ましくは、その組成物は、2.5%w/w~65%w/wのそのCCR2経路インヒビターを含む。好ましくは、そのCCR2経路インヒビターはCCR2の直接的アンタゴニストである。より好ましくは、そのCCR2経路インヒビターは、レパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である。
【0009】
好ましくは、その希釈剤はケイ化結晶セルロース(silicified microcrystalline cellulose)(SMCC)である。好ましくは、その組成物は、30%w/w~70%w/wのSMCCを含む。
【0010】
好ましくは、その結合剤はヒプロメロース(HPMC)である。好ましくは、その組成物は、2%w/w~5%w/wのHPMCを含む。
【0011】
好ましくは、その崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。好ましくは、その組成物は、2%w/w~8%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。
【0012】
好ましくは、その滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。好ましくは、その組成物は、0.05%w/w~5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0013】
本発明はさらに、状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための方法を提供し、その方法は、治療有効量のa)組成物をその対象に投与する工程を含み、その組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む。
【0014】
好ましくは、その方法は、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日~500mg/日のそのCCR2経路インヒビターを投与する工程を含む。
【0015】
好ましくは、その処置、軽減もしくは予防される状態または疾患は、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患(oncological disease)、または肺疾患から選択される。
【0016】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための医薬の製造における、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
の使用。
【0017】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための組成物の使用であって、その組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤。
を含む、使用。
【0018】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のためのキットであって、
a)i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物と、
b)使用指示書と
を含む、キット。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の説明)
(発明の詳細な説明)
(医薬組成物)
本発明は、ケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターの送達のための組成物を提供する;好ましくは、そのCCR2経路インヒビターはレパゲルマニウムまたはプロパゲルマニウムである。
【0020】
多くの問題が、活性薬剤を含む粉末がビン、シュート、および打錠機のホッパーなどの装置を通って流れる際に発生し得る。その粉末が凝集性である場合、「アーチ」または「ラットホール」が形成し得、不規則なフローまたはフローの停止をもたらし得る。さらに、アーチまたはラットホールが自然発生的に崩壊する場合に、大量流出または制御されていない排出が生じ得る。
【0021】
小さい粒子径の活性薬剤と他の賦形剤との混合について、粒子間の接着力は、粒子間摩擦を増加させることによってその粉末の流動性を顕著に減少させ得る。乏しいフローは、その混合物の不十分な混合(内容物の不均一性)および打錠機のホッパーにおけるラットホール形成またはアーチ形成(分離の問題)を引き起こし得、製品の品質および操作の両方に影響を与え得る。
【0022】
ノーフロー(no flow):ビン/ホッパーからのノーフロー(no flow)は、特に微細な/製粉した活性薬剤および高活性充填混合物を取り扱う場合に、一般的で重要な固体取り扱い上の問題である。製造において、それは、供給不足(starving)の下流装置、製造の遅延、およびフローを再開するために操作員が頻繁に介入する必要性などの問題を生じ得る。ノーフロー(no flow)は、アーチ形成(時には「ブリッジ形成」もしくは「プラグ形成」と呼ばれる)またはラットホール形成(「パイプ形成」とも呼ばれる)のいずれかに起因し得る。
【0023】
アーチ形成:粉末が中央流出口を通って出る場合にビンで生じ得るが、いったん、その中央流出口のすぐ上の粉末がその出口を通って移動すると、さらなる粉末のドームまたはアーチが、すでに流れ出た粉末によって残された間隙の上に残る。アーチ形成は、そのビン/ホッパーの形状および出口のサイズによって影響を受ける。この問題は、その物質が十分な凝集強度を有する場合に生じる。一般に、粉末排出は、いったん、その中央流出口のすぐ上のフローチャンネルが空になると停止する。しかし、その間隙の上の支持されていない粉末のアーチまたはドームが崩壊し得、断続的なフローをもたらし得、おそらく、大量流出または制御されていない排出をもたらし得る。
【0024】
ラットホール形成:その粉末が中央流出口を通って出る場合にビンで生じ得るが、そのビンの壁にある粉末は、停滞した状態で残り、その中央流出口から始まってその粉末を通る空の穴(ラットホール)を残す。ラットホール形成は、そのビン/ホッパーの形状と、その粉末が供給される出口のサイズとによって影響を受ける。アーチ形成の問題と同様に、この問題は、その粉末が十分な凝集強度を有する場合に生じる。一般に、粉末排出は、いったん、その中央流出口の周囲のフローチャンネルが空になると停止する。しかし、その壁付近の停滞した粉末のさらなる滑落が存在し得、断続的なフローをもたらし得、おそらく、大量流出または制御されていない排出をもたらし得る。
【0025】
CCR2経路インヒビターの例(例えば、レパゲルマニウムおよびプロパゲルマニウム)は凝集する傾向があり、ラットホールおよび/またはアーチの生成をもたらす。いかなる理論にも拘束されないが、これは、CCR2経路インヒビターを含む治療組成物の製造中の静的集積に起因するように見える。
【0026】
CCR2経路インヒビター(例えば、レパゲルマニウムまたはプロパゲルマニウム)剤形の製造中のラットホール形成およびアーチ形成を回避するために、そのCCR2経路インヒビターがラットホールおよびアーチを形成するのを防止する希釈剤が、その剤形中に必要である。
【0027】
(希釈剤)
希釈剤は、質量を増加させ、内容物の均一性を改善し、活性薬剤の正確な投与を可能にするために、医薬品剤形において不活性充填剤として作用する。希釈剤はまた、より良い封入特性および錠剤化特性(例えば、改善した凝集力または成分フローの促進)を提供し得る。
【0028】
天然の希釈剤としては、デンプン;加水分解デンプン;部分アルファー化デンプン;単純糖質、例えば、マンニトール、ラクトース、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール;多糖、例えば、セルロース、キチンが挙げられる。特定の無機塩もまた必要に応じて希釈剤として使用され、それとしては、三リン酸カルシウム(calcium triphosphate)、炭酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムが挙げられる。一部の市販の希釈剤はFast-Flo(登録商標)およびSTA-Rx 1500(登録商標)である。
【0029】
本発明は、CCR2経路インヒビターを含む剤形の製造中の乏しい構成成分フローに関連する問題が適切な希釈剤の添加によって克服され得ることを、見出した。
【0030】
好ましくは、その希釈剤は、濃度30%w/w~70%w/w、35%w/w~65%w/w、40%w/w~60%w/w、45%w/w~60%w/wまたは50%w/w~60%w/wでその組成物に存在する。例えば、その組成物は、55%w/wの希釈剤を含み得る。
【0031】
その希釈剤は、結晶セルロース(MCC)、コロイド状二酸化ケイ素(CSD)またはケイ化結晶セルロース(silicified microcrystalline cellulose)(SMCC)を含むリストから選択され得る。
【0032】
MCCは、1-4βグリコシド結合によって結合されたグルコース単位から構成されたポリマーである。結晶セルロースは、医薬品産業において一般的に使用される賦形剤である。それは、優れた圧縮特性を有し、固体剤形(例えば、錠剤およびカプセル剤)で使用される。硬いが迅速に溶解する、錠剤およびカプセル剤の両方が形成され得る。
【0033】
CSDはまた、二酸化ケイ素としても知られており、化学式SiO2を有する。それは、カプセル剤製造および錠剤製造において、以下の多くの用途を有する:希釈剤、固化防止剤、吸着剤、崩壊剤、またはカプセル剤および錠剤が処理される場合に粉末が自由に流動することを可能にする流動化剤。CSDは、生物学的に不活性であるように見える。
【0034】
SMCCは、結晶セルロース(MCC)とコロイド状二酸化ケイ素(CSD)との相乗作用的な物理的完全混和物であり、その二酸化ケイ素はその結晶セルロースの表面に位置する。適切なSMCCの例はPROSOLV(登録商標)SMCC90LMである。それは、湿式造粒法および直接圧縮法の両方において、従来の結晶セルロースと比較して改善された圧縮特性を有する。ケイ化結晶セルロース(silicified microcrystalline cellulose)は、粉末充填カプセル剤の製剤化における使用のために有益な特性を有するように見える。SMCCの特性は、CCR2経路インヒビター(例えば、レパゲルマニウムまたはプロパゲルマニウム)と組み合わせて使用される場合に有利である。
【0035】
好ましくは、そのSMCCは、濃度30%w/w~70%w/w、35%w/w~65%w/w、40%w/w~60%w/w、45%w/w~60%w/wまたは50%w/w~60%w/wでその組成物二存在する。例えば、その組成物は、55%w/wの希釈剤を含み得る。
【0036】
したがって、本発明の組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wのSMCCである希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含み得る。
【0037】
好ましくは、その希釈剤(例えば、SMCC)は、レーザー回折によって決定された場合に平均粒子径10μm~500μm、より好ましくは、20μm~300μmを有する。例えば、その希釈剤は、平均粒子径90μmを有し得る。
【0038】
好ましくは、その希釈剤(例えば、SMCC)は、低い含水量を有する。好ましくは、その含水量は、20%未満、15%未満、またはより好ましくは10%未満である。一例では、その含水量は、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満または2%未満であり得る。
【0039】
したがって、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物が提供される。
【0040】
本発明は、
i.CCR2の直接的アンタゴニストである、少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物を提供する。
【0041】
好ましい一実施形態において、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、
(i)ケモカインレセプターまたはそのケモカインレセプター経路のケモカインレセプター以外の構成成分の、アンタゴニスト;
(ii)ケモカインレセプターまたはそのケモカインレセプター経路のケモカインレセプター以外の構成成分の、インバースアゴニスト;
(iii)ケモカインレセプターまたはそのケモカインレセプター経路のケモカインレセプター以外の構成成分の、ネガティブアロステリックモジュレーター
からなる群より選択される。
【0042】
したがって、本発明は、
i.ケモカインレセプター2(CCR2)経路のケモカインレセプター以外の構成成分を阻害する、少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物を提供する。
【0043】
ケモカインレセプター経路のケモカインレセプター以外の構成成分を標的とするケモカインレセプター経路インヒビターのより具体的な例は、MCP-1誘導性遊走、単球の活性化および走化性遊走に関連する経路を遮断する、作用因子であり得る。標的とされ得るそのような作用因子としては、走化性に関与する細胞構造(例えば、マイクロフィラメント、微小管、および中間径フィラメント)の機能、ならびに表面タンパク質(例えば、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質、より詳細にはCD55、CD59およびCD16)が挙げられる。
【0044】
好ましい一実施形態において、そのケモカインレセプター経路インヒビターはケモカインレセプターのアンタゴニストである。ケモカインレセプターの公知のアンタゴニストとしては、RS504393、RS102895(Sigma-Aldrich);MLN-1202(Millennium Pharmaceuticals);INCB3344、INCB3284およびINCB8696(Incyte Pharmaceuticals);MK-0812(Merck);CCX140、CCX872-B[CCX-872](ChemoCentryx)、PF-4136309、PF-04178903、PF-04634817(Pfizer);BMS-741672(Bristol-Myers Squibb);Cenicriviroc(Allergan)が挙げられる。好ましい一実施形態において、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、RS504393、RS102895、MLN-1202、INCB8696、MK-0812、CCX140、PF-4136309、BMS-741672を含む群より選択される。
【0045】
好ましい一実施形態において、そのCCR2経路インヒビターは、ケモカインレセプター2のアンタゴニスト、例えば、プロパゲルマニウム、レパゲルマニウムまたはCCX140である。プロパゲルマニウム、レパゲルマニウムおよびCCX140は凝集する傾向があり、ラットホールおよび/またはアーチの生成をもたらす。
【0046】
好ましくは、そのケモカインレセプター経路インヒビターはプロパゲルマニウムまたはレパゲルマニウムである。プロパゲルマニウムのINNはINN#6260であり、レパゲルマニウムのINNはINN#6259である。プロパゲルマニウムは、慢性肝炎に対する活性薬剤として使用されており、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質(例えば、CD55、CD59およびCD16)を必要とするように思われる機構を通じて、MCP-1による単球のインビトロ走化性遊走を特異的に阻害することが示されている(Yokochi,S.(2001)Journal of Interferon and Cytokine Research、21:389~398)。プロパゲルマニウムおよび/またはレパゲルマニウムについてのさらなる名前としては、3-[(2-カルボキシエチル-オキソゲルミル)オキシ-オキソゲルミル]プロパン酸、プロキシゲルマニウム(proxigermanium)、Ge-132、ビス(2-カルボキシエチルゲルマニウム)セスキオキシド(CEGS)、2-カルボキシエチルゲルマセスキオキサン、SK-818、有機ゲルマニウム、ゲルマニウムセスキオキシド、3,3’-(1,3-ジオキソ-1,3-ジゲルマノキサンジイル(digermanoxanediyl))ビスプロピオン酸、3-オキシゲルミル(oxygermyl)プロピオン酸ポリマーおよびポリ-トランス-(2-カルボキシエチル)ゲルマセスキオキサンが挙げられる。
【0047】
したがって、
i.レパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物が提供される。
【0048】
好ましい一実施形態において、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、MCP-1によって誘導される単球のインビトロ走化性遊走を阻害する。別の好ましい実施形態において、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質(例えば、CD55、CD59およびCD16)を必要とする機構を通じて、MCP-1によって誘導される単球のインビトロ走化性遊走を阻害する。別の好ましい実施形態において、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、複合体CCR2/CD55および/またはCCR2/CD59および/またはCCR2/CD16を安定化する。そのケモカインレセプター経路インヒビターは、ペプチド、ポリペプチドまたは低分子化学物質であり得る。例えば、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、タンパク質、結合タンパク質または抗体であり得る。
【0049】
そのケモカインレセプター経路インヒビターは、CD55、CD59およびCD16を含む群より選択される1種または複数種のグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質の標的化を通じて、単球のMCP-1誘導性遊走および活性化ならびに走化性遊走を阻害し得る。そのケモカインレセプター経路インヒビターは、複合体CCR2/CD55および/またはCCR2/CD59および/またはCCR2/CD16を改変し得る。
【0050】
プロパゲルマニウムはケモカインレセプター経路インヒビターであるが、それは、MCP-1結合を阻害せず、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質(例えば、CD55、CD59およびCD16)を標的とするように見え、MCP-1による単球のインビトロ走化性遊走を阻害する(Yokochi(2001);Yamada(2004)The Journal of Immunology、172:3869~3875)。
【0051】
本発明の組成物は一定範囲の賦形剤(下記で列挙されたものおよびその他のものの両方)を含み得る。
【0052】
(結合剤)
結合剤、圧縮助剤および造粒剤(granulating agent)は、錠剤成分と結合して、形状および力学的強度を与える。
【0053】
結合剤として使用される物質としては、天然産物に由来する物質(例えば、アラビアゴム、トラガント、デンプンおよびゼラチン)が挙げられる。他の結合剤としては、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP;ポビドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;ヒプロメロース)が挙げられる。一部の市販の結合剤は、Emdex(登録商標)、Avicell(登録商標)およびEmcompress(登録商標)である。
【0054】
本発明の組成物における使用のために適切な結合剤としては、ヒプロメロース(HPMC)およびポビドン(PVP)が挙げられる。ヒプロメロースは、部分的にO-メチル化されたO-(2-ヒドロキシプロピル化)セルロースである。
【0055】
好ましくは、本発明の組成物中の結合剤の濃度は、2%w/w~5%w/w、2.5%w/w~5%w/w、3%w/w~5%w/w、3.5%w/w~5%w/wである。例えば、結合剤の濃度は4%w/wであり得る。適切な結合剤の例は、4%w/wのヒプロメロース(HPMC)であり得る。
【0056】
(崩壊剤)
崩壊剤は消化管における錠剤の分散を補助し、その活性薬剤を放出し、溶解のための表面積を増加させる。
【0057】
崩壊剤として使用される物質としては、デンプン(デンプンベースの市販の崩壊剤であるExplotab(登録商標)が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定はされない。デンプングリコール酸ナトリウム、Amberlite(商標)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラアミロペクチン(ultramylopectin)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸型カルボキシメチルセルロース(acid carboxymethyl cellulose)、天然海綿およびベントナイトもまた、企図される。崩壊剤の別の形態は、不溶性陽イオン交換樹脂である。粉末ガムもまた、必要に応じて崩壊剤および結合剤として使用され、これらとしては、寒天、カラヤガムまたはトラガントなどの粉末ガムが挙げられる。アルギン酸およびそのナトリウム塩ならびにクロスポビドンもまた、崩壊剤として有用である。
【0058】
本発明の組成物における使用のために適切な崩壊剤としては、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンが挙げられる。デンプングリコール酸ナトリウムは、デンプンのカルボキシメチルエーテルのナトリウム塩またはデンプンの架橋型カルボキシメチルエーテルのナトリウム塩である。崩壊は、水の急速な取込みと、その後の急速で多大な膨張によって、生じる。多くの崩壊剤の有効性は疎水性賦形剤(例えば、滑沢剤)の存在によって影響を受けるが、デンプングリコール酸ナトリウムの崩壊剤効率は損なわれない。
【0059】
好ましくは、本発明の組成物中の崩壊剤の濃度は、2%w/w~8%w/w、2%w/w~7%w/w、3%w/w~6%w/w、または4%w/w~6%w/wである。例えば、崩壊剤の濃度は、5%w/wであり得る。適切な崩壊剤の例は、5%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムであり得る。
【0060】
(滑沢剤/流動化剤)
粉末のフローに関して、滑沢剤は、粒子間摩擦を減少させることによって、混合物の流動性を改善し得、単位操作を補助し得る。滑沢剤は、崩壊および溶解を遅くさせ得る。流動化剤は、粒子間の摩擦および接着を減少させることによって錠剤製造中の粉末のフローを改善し、圧縮中の再配列を補助する。それらはまた、固化防止剤として使用され得る。流動化剤の特性と滑沢剤の特性とは多少異なるが、デンプンおよびタルクなどの一部の化合物は両方の目的のために使用され得る。
【0061】
ステアリン酸およびその塩(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム)は、医薬品産業において最も頻繁に使用されている滑沢剤である。しかし、他の滑沢剤(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油および蝋)が、使用され得る。例示的な可溶性滑沢剤(例えば、タルク、デンプン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、種々の分子量のポリエチレングリコール、ならびにCarbowax(登録商標)4000およびCarbowax(登録商標)6000)もまた、使用され得る。流動化剤としては、デンプン、タルク、焼成シリカ(pyrogenic silica)および水和アルミノケイ酸塩(hydrated silicoaluminate)が挙げられ得る。
【0062】
本発明の組成物における使用のために適切な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムは、より密集度または密度が小さい(ふわふわした)最終製品を生成し、これは、カプセル剤中に充填するのがより容易である。一例では、その滑沢剤はフマル酸ステアリルナトリウムではない。ステアリン酸マグネシウムは、不定の比率のステアリン酸マグネシウム(C36H70MgO4)およびパルミチン酸マグネシウム(C32H62MgO4)から主になる固体有機酸の混合物を含む、マグネシウムの化合物である。
【0063】
好ましくは、本発明の組成物中の滑沢剤の濃度は、0.05%w/w~5%w/w、0.5%w/w~5%w/w、1%w/w~5%w/w、2%w/w~5%w/w、3%w/w~5%w/w、または4%w/w~5%w/wである。例えば、滑沢剤の濃度は、5%w/wであり得る。適切な滑沢剤の例は、5%w/wのステアリン酸マグネシウムであり得る。
(表1:本発明の例示的な組成物中の賦形剤)
【表1】
【0064】
そのCCR2経路インヒビターは、活性薬剤の薬学的に受容可能な塩であり得る。薬学的および獣医学的に受容可能な塩としては、生物学的にも他の点でも望ましくないものではない、本開示の化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩が挙げられる。多くの場合、本明細書において開示されている化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれらと類似する基の存在によって、酸塩および/または塩基塩を形成可能である。受容可能な塩基付加塩が、無機塩基および有機塩基から調製され得る。無機塩基に由来する塩としては、単なる例として、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。有機塩基に由来する塩としては、一級アミン、二級アミンおよび三級アミン、例えば、単なる例として、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環式アミン、二環式複素環アミン、三環式複素環アミン、混合したジアミンおよびトリアミン(そのアミン上の置換基のうちの少なくとも2つは、異なり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式からなる群より選択される)などの、塩が挙げられるがこれらに限定はされない。その2つまたは3つの置換基がアミノ窒素と一緒になって複素環式基またはヘテロアリール基を形成するアミンもまた、含まれる。
【0065】
薬学的および獣医学的に受容可能な酸付加塩が、無機酸および有機酸から調製され得る。使用され得る無機酸としては、単なる例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。使用され得る有機酸としては、単なる例として、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0066】
本開示において有用な化合物の薬学的または獣医学的に受容可能な塩は、従来の化学的方法によって、親化合物(これは塩基性部分または酸性部分を含む)から合成され得る。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中またはそれら2つの混合物中にある化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって、調製され得る;一般に、非水性媒体(エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなど)が、好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1985)、1418頁(その開示は参照により本明細書により援用される)において見出される。そのような受容可能な塩の例は、ヨウ化物、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン-2-安息香酸塩、臭化物、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン-l,4-二酸塩、ヘキシン-l,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-ブロモフェニルスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩などである。
(表2:本発明の例示的な組成物)
【表2】
【0067】
(処置の方法)
本発明はさらに、状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための方法を提供し、その方法は、治療有効量のa)組成物をその対象に投与する工程を含み、その組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む。
【0068】
処置される対象は、好ましくは、哺乳動物(ヒト哺乳動物を含む)である。
【0069】
そのCCR2経路インヒビターは、単一の治療として単独で投与され得る。
【0070】
そのCCR2経路インヒビターは、そのCCR2経路インヒビターの薬学的に受容可能な塩であり得る。
【0071】
(状態または疾患)
一般に、ケモカイン関連性である範囲の病気が、本発明の方法によって処置され得る。これには、ケモカイン生成の増加もしくは減少、および/またはケモカインに対する細胞の反応性の増加もしくは減少に関連する病気が挙げられる。ケモカイン関連性の病気はまた、ケモカインレセプターが、異常な特徴を示すか、特定の病原体の標的であるか、または薬理的介入の標的である、状態を意味することが理解されるべきである。
【0072】
そのケモカイン関連性である病気は、炎症状態、または炎症に由来する状態もしくは炎症に関連する状態である。処置もしくは予防される状態または疾患は、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患(oncological disease)、または肺疾患から選択され得る。
【0073】
(腎疾患)
好ましくは、処置もしくは予防される状態または疾患は、腎疾患である。その腎疾患は、以下を含むリストから選択され得る:巣状分節性糸球体硬化症(FSGS;特発性(原発性)FSGS、続発性FSGS、遺伝性FSGS、および他のあらゆる原因のFSGSが挙げられる)、腎臓における線維性障害、免疫グロブリンA腎症(IgAN)、アルポート症候群、慢性腎臓病(糖尿病性腎症によって引き起こされる慢性腎臓病が挙げられる)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、ならびに腎不全状態(糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿および腎血管性高血圧が挙げられる)。
【0074】
(循環器疾患)
好ましくは、処置もしくは予防される状態または疾患は、循環器疾患である。その循環器疾患は、心疾患、より好ましくは、冠動脈疾患(好ましくは、動脈硬化症(arthrosclerosis)、肺高血圧症、虚血性心疾患、心筋症、および炎症性心疾患を含むリストから選択される)であり得る。その循環器疾患は、慢性心不全、高血圧症、うっ血性心不全、左室機能不全、肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、心筋梗塞およびその後遺症、アテローム性動脈硬化症、アンギナ(angina)、心不全、狭心症、原発性高血圧症および肺高血圧症、血管障害であり得る。
【0075】
(眼疾患)
好ましくは、処置もしくは予防される状態または疾患は、眼疾患である。例えば、眼の炎症性疾患および線維性疾患(前眼部および後眼部の線維性疾患が挙げられ、黄斑変性症が挙げられる)、眼の血管疾患(vascular eye disease)、ならびに線維血管性瘢痕(fibrovascular scarring)および神経膠症関連性疾患、ならびに虚血性疾患(糖尿病性網膜症が挙げられる)。
【0076】
(腫瘍学的疾患(oncological disease))
好ましくは、処置もしくは予防される状態または疾患は、腫瘍学的疾患(oncological disease)である。例えば、固形腫瘍(癌腫、肉腫および未分化腫瘍が挙げられるが、これらに限定はされない)、リンパ腫、芽細胞腫、神経膠腫、黒色腫、胚細胞腫瘍、ならびにハイブリッド腫瘍(例えば、癌肉腫)。その処置はまた、1種または複数種の抗腫瘍処置(手術、放射線療法、ホルモン療法、化学療法、免疫媒介性療法、細胞ベースの治療法、および腫瘍溶解性ウイルス療法が挙げられるが、これらに限定はされない)を伴う、本発明の補助的処置または併用処置を含み得る。
【0077】
(肺疾患)
好ましくは、処置もしくは予防される状態または疾患は、肺(pulmonary(lung))疾患である。その肺疾患は、感染性または非感染性の炎症性肺疾患であり得る(好ましくは、以下を含むリストから選択される:市中肺炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支拡張症、細気管支炎、気管支炎、肺気腫、胸膜炎)。好ましくは、そのCCR2経路インヒビターは、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の処置、軽減もしくは予防における使用のためである。ARDSは、肺における広範な炎症の急速な発生によって特徴付けられる種類の呼吸不全である。
【0078】
ARDSの最も一般的な原因は原発性肺炎であり、これは、細菌性、ウイルス性または真菌性であり得る。肺傷害の2番目に多い原因は重症敗血症であり、これは、肺炎または非肺感染性原因(例えば、腹膜炎)に関連し得る。ARDSの他の重要な主要原因としては、胃内容物の吸引;大きな外傷後の出血およびショック;ならびに他のいくつかのそれほど一般的ではない原因(例えば、重症急性膵炎、輸血関連性肺傷害、および薬物反応)が挙げられる。
【0079】
最近の実験はまた、ARDSが重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による感染症を有する対象において見出され得ることを見出した。したがって、そのARDSは、SARS-CoV-2による感染症に関連し得る。
【0080】
処置または予防されるさらなる疾患としては、続発性アルドステロン症、原発性肺高アルドステロン症および続発性肺高アルドステロン症、インスリン抵抗性、片頭痛、レイノー病、管腔肥厚化(luminal hyperplasia)、認知機能障害、アルツハイマー病、脳卒中、高カリウム血症、妊娠高血圧腎症、サルコイドーシス、虚血および再灌流傷害、アテローム発生、ならびに関節リウマチが挙げられる。
【0081】
用語「予防」は、上記の腎疾患、循環器疾患、腫瘍学的疾患(oncological disease)、眼疾患 または肺疾患を発症するリスクを有することを示す症状を有するが、処置時にはその腎疾患、循環器疾患、眼疾患または肺疾患とは診断されない可能性がある対象への、本発明の組成物の投与を含む。例えば、その対象は、重篤な持続性の咳および/または低酸素レベルを有し得るが、ARDSとは診断されない可能性がある。その対象は、上昇した血中クレアチンまたは上昇した尿タンパク質を有し得るが、未だ腎疾患とは診断されない可能性がある。
【0082】
用語「軽減」とは、腎疾患、循環器疾患、腫瘍学的疾患(oncological disease)、眼疾患または肺疾患を有していて疾患後状態を発症するリスクがある対象への、本発明の組成物の投与を含む。例えば、その疾患はARDSであり得、そのARDS後状態は線維症および持続性炎症であり得る。そのARDS後状態はARDS自体に起因し得るか、またはARDSの急性期中の人工呼吸器の使用に起因し得る。
【0083】
一態様において、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、ケモカインレセプター以外のタンパク質を阻害または部分的に阻害し、より好ましくは、その経路インヒビターは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質(例えば、CD55、CD59およびCD16)の標的化を通じて、単球のMCP-1誘導性遊走および活性化ならびに走化性遊走を遮断する、作用因子である。最も好ましくは、そのケモカインレセプター経路インヒビターは、プロパゲルマニウムまたはレパゲルマニウムである。
【0084】
(阻害の測定)
句「ケモカインレセプター2経路インヒビター」は、ケモカインレセプター2に関連する経路のうちのいずれか1つを阻害または部分的に阻害する、任意の化合物または作用因子を含むことが意図される。
【0085】
本明細書において使用される用語「阻害する」とは、参照物と比較した場合の検出限界よりも下への減少を意味する。その句は、望ましくない結果を防止するためにある作用を遮断、遅延または妨害することを含む。
【0086】
本明細書において使用される用語「部分的に阻害する」とは、参照物と比較した場合の検出限界内でのいくらかの減少を意味する。その句は、望ましくない結果を防止するためにある作用を遮断、遅延または妨害することを含む。
【0087】
CCR2経路インヒビターによるCCR2経路の阻害または部分的阻害は、本明細書において示されているインビトロ方法を使用して測定され得、これには、CCR2を発現する好中球および当該分野で公知であるような他の細胞のインビトロ走化性遊走の評価のための生化学的アッセイもしくは細胞アッセイ、ならびにイノシトールリン酸生成の測定、細胞外シグナル調節キナーゼ(extracellular-regulated kinase)(ERK)リン酸化、cAMP生成、アクチンの動員、タンパク質リン酸化、核タンパク質局在化、遺伝子転写、標識を使用しない技術(例えば、インピーダンス、光屈折または電荷再分布を使用する)、近接レポーターシステムもしくは他のアプローチを使用するGタンパク質共役、β-アレスチン動員もしくはβ-アレスチン媒介性シグナル伝達、転写因子ベースのレポーターシステム、蛍光標識を使用する顕微鏡法の可視化、レセプターの細胞局在化を評価するための抗体の使用(例えば、酵素結合免疫吸着測定法)ならびに蛍光活性化セルソーティングが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0088】
CCR2経路インヒビターによるCCR2経路の阻害または部分的阻害は、本明細書において示されているインビボ方法を使用して測定され得、これには、肺滲出物の細胞およびケモカインの含量の測定、肺活量測定ベースの検査を使用する肺機能(肺機能の物理的容量が挙げられる)の測定、または血液ガスもしくは他の生化学的尺度の測定によって測定される肺機能出力の測定、また
は機能的利点(生存もしくは定量的方法(例えば、歩行検査)もしくは定性的方法(例えば、患者報告アウトカム評価)によって測定される臨床的利点が挙げられる)の改善の測定が挙げられるが、これらに限定はさらない。阻害または部分的阻害は、上記のエンドポイントのうちの1つもしくは複数によって測定される、肺構造の定性的改善によって示され得る。
【0089】
その阻害または部分的阻害は、本明細書において示されているインビボ方法を使用して測定され得、これには、血漿クレアチニンおよび血漿尿素の測定(例えば、オートアナライザーによる)によって行われる腎機能の連続測定;タンパク尿の測定、アルブミン尿の測定(例えば、放射免疫測定法による);およびGFR(シングルショット同位体技術);糸球体肥大および心肥大、糸球体硬化症および/または線維症および/またはポドサイト変化の評価のためのエンドポイント(例えば、腎臓構造および/または心臓構造および/または眼の構造)の評価(例えば、光学顕微鏡法(LM)による);ならびに/あるいはマトリックス沈着の程度ならびに線維化促進性増殖因子(profibrotic growth factor)およびそれらの活性の調節を測定するための免疫組織化学検査;収縮期血圧の評価、インスリン空腹時血糖値(insulin fasting plasma glucose)の調節、ヘモグロビンA1cの調節;ならびに当該分野で公知であるような従来のアッセイにしたがって腎臓構造および心臓構造および眼の構造を評価するための分子生物学的技術が挙げられるが、これらに限定はされない。阻害または部分的阻害は、上記のエンドポイントのうちの1つもしくは複数によって測定される、腎臓構造および/または心臓構造および/または眼の構造の定性的改善によって示され得る。
【0090】
本発明の医薬組成物の文脈で本明細書において使用される用語「構成成分(component)」とは、ケモカインレセプター経路インヒビターを意味する。
【0091】
(剤形および組成物)
本発明によって提供される剤形は、本発明の医薬組成物を含む、バイアル、カートリッジ、容器、錠剤またはカプセル剤を、疾患の処置、軽減もしくは予防のための対象へのその剤形の投与についての投与指示書と一緒に含み得る。
【0092】
本発明の組成物は、種々の態様において、注射によって投与され得、または経口投与、肺投与、経鼻投与もしくは他の任意の投与形態のために調製され得る。好ましくは、その組成物は、例えば、経口的に、静脈内に、皮下に、筋肉内に、眼窩内に、眼に、脳室内に、頭蓋内に、嚢内に(intracapsularly)、脊髄内に、大槽内に、腹腔内に、頬側に、直腸に、膣に、鼻腔内にまたはエアロゾル投与によって、投与される。好ましくは、本発明の組成物は、経口経路、吸入経路、または局所経路によって、送達される。
【0093】
その投与様式は、一態様において、その組成物が調製されている形態のために少なくとも適切である。最も有効な反応のための投与様式は経験的に決定され得、下記の投与手段は、例として提供されており、本発明の組成物の送達方法を決して限定はしない。提供されている組成物はすべて、医薬品産業において一般的に使用されており、適切に認定された医師には一般的に知られている。
【0094】
好ましくは、そのCR2経路インヒビターは、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日mg/日~500mg/日の用量で提供される。最も好ましくは、そのCCR2経路インヒビターは、単回投与または複数回投与で提供される25mg/日~250mg/日の用量で提供される。好ましくは、成体用量は100mg/日~250mg/日である。好ましくは、小児用量は25mg/日mg/日~125mg/日である。
【0095】
しかし、任意の特定の対象についての特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的健康、性別、食餌、投与回数、投与経路、排泄速度、薬物の組合せ、ならびに治療を受ける特定の状態または疾患の重篤度が挙げられる、種々の要因に依存することが、理解される。
【0096】
(賦形剤)
特定の態様における本発明の医薬は、薬学的に受容可能な非毒性の賦形剤およびキャリアを含み得る。本明細書において使用される場合、「薬学的キャリア」とは、対象に化合物を送達するための薬学的に受容可能な溶媒、懸濁剤、賦形剤または媒体である。そのキャリアは、液体または固体であり得、計画された登用様式を念頭に置いて選択される。
【0097】
固体経口剤形(錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチまたはロゼンジ(lozenge)、カシェ(cachet)またはペレットが挙げられる)が、本明細書における使用のために企図される。固体剤形は、Martin、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(1990、Mack Publishing Co.、Easton、PA、18042)の第89章(これは参照により本明細書に援用される)に一般的に記載されている。その活性薬剤のために可能な固体剤形の説明は、Marshall、Modern Pharmaceutics(第10章、BankerおよびRhodes編(1979))によって与えられている。一般に、その組成物は、本発明の一部として記載されている化合物(またはその化学的に改変された形態)と、胃環境に対する保護および腸におけるその生理活性物質の放出を可能にする不活性成分とを含む。
【0098】
あるいは、本発明の経口剤形は、液体、懸濁物、または他の適切な剤形であり得る。そのような液体経口剤形は、昏睡状態および/または人工呼吸器を付けた状態で錠剤などを嚥下することが不可能な患者の栄養管(経鼻胃管)中に直接送達され得る。例えば、その経口剤形は、粉末または小さいペレットを含む、カプセル剤であり得、その粉末または小さいペレットは、そのカプセル剤から栄養管中に分配され得、または液体中に溶解されて栄養管中に分配され得る。あるいは、その経口剤形は、例えば、錠剤またはカプセル剤を嚥下し得ない小児および老人への投与のために液体中に溶解され得る、(必要に応じてカプセル剤中で提供された)粉末または小さいペレットであり得る。例えば、そのCCR2経路インヒビターを含む経口剤形は、飲料品(例えば、水、リンゴジュースもしくはオレンジジュース)または食品(例えば、リンゴソース)中に溶解された、粉末または小さいペレットであり得る。その可溶化媒体はpHが中性または酸性であることが、好ましい。
【0099】
丸剤、ロゼンジ(lozenge)、湿製錠剤または湿製錠について、湿潤集結技術が企図される。コーティングまたはコーティングの混合物もまた錠剤に使用され得、これは、胃に対する保護を意図されない。これには、糖コーティング、または錠剤を嚥下するのをより容易にするコーティングが挙げられる。
【0100】
例示的なカプセル剤は、乾燥した活性薬剤(すなわち、粉末)の送達のためのハードシェル(例えば、ゼラチン)からなる;液体形態のために、ソフトゼラチンシェルが使用され得る。その組成物は、カプセル剤中で送達され得る。好ましくは、そのカプセル剤は、ゼラチンカプセル剤またはベジタリアン用カプセル剤(例えば、VCaps(登録商標)もしくはVcaps(登録商標)plus)である。そのカプセル剤は、サイズ4~サイズ0であり得る。そのカプセル剤は、粉末、顆粒またはペレットの形態でその組成物を含み得る。
【0101】
本発明のCCR2経路インヒビターについて、放出の位置は、胃、小腸(十二指腸、空腸、もしくは回腸)、または大腸であり得る。当業者は、胃では溶解しないが十二指腸または腸の他の箇所でその物質を放出する、利用可能な組成物を有する。一態様において、その放出は、その組成物の保護、または胃環境を過ぎてからの(例えば、腸における)その化合物の放出のいずれかによって、胃環境の有害な影響を回避する。
【0102】
完全な胃での抵抗性を確保するために、少なくともpH5.0を不透過性のコーティングが使用される。腸溶コーティングとして使用される最も一般的な不活性成分の例は、トリメリット酸酢酸セルロース(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセタートフタラート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、Eudragit L、Eudragit S、およびShellacである。これらのコーティングは、混合フィルムとして使用され得る。
【0103】
本発明はさらに、本発明にしたがう治療的に有効な医薬組成物と放出遅延剤とを含む、徐放性経口剤形を提供する。好ましくは、そのような徐放性経口剤形は、錠剤もしくは丸剤、または小さい顆粒剤もしくはペレットである。
【0104】
本明細書において使用される場合、用語「徐放」とは、経口摂取後の活性薬剤内容物の比較的長期間にわたる、漸進的だが一定または持続的な放出を意味する。その放出は、その医薬組成物が胃を通過した後からその医薬組成物に腸に到達した後まで継続し得る。句「徐放」はまた遅延放出も意味し、その際、その活性薬剤の放出は、その医薬組成物が胃に到達してすぐには開始されず、むしろ一定時間(例えば、その医薬組成物が腸に到達するまで)遅延される。腸に到達すると、次に、pHの上昇がその医薬組成物からの活性薬剤の放出を誘発し得る。
【0105】
本明細書において使用される用語「放出遅延剤」は、経口摂取された場合に医薬組成物からの活性薬剤の放出速度を減少させる物質を意味する。その放出遅延剤は、ポリマーまたは非ポリマーであり得る。その放出遅延剤は、いくつかの徐放システム(例えば、拡散システム、溶解システムおよび/または浸透圧システムが挙げられる)のうちのいずれか1つにしたがって使用され得る。
【0106】
その放出遅延剤は、腸溶コーティングまたは半透膜であり得る。本発明の一態様において、その放出遅延剤は、水溶性および/または水膨潤性および/または水不溶性のポリマーである。詳細には、水溶性ポリマーは、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリビニルアルコール(PVA)を含む群より選択される。本発明の別の態様において、その放出遅延剤は、非ポリマー性放出遅延剤(例えば、硬化ヒマシ油またはカルナウバロウ)である。その放出遅延剤は、水溶性ポリマーと非ポリマー性放出遅延剤との混合物であり得る。そのようなコーティングの一例は、水溶性ポリマーであるPVA(例えば、Opadry(登録商標))と非ポリマー性放出遅延剤であるカルナウバロウとの混合物である。
【0107】
放出遅延剤を含む徐放性経口剤形は、錠剤もしくは丸剤、または小さい顆粒剤もしくは小さいペレットであり得る。
【0108】
着色料および矯味矯臭剤(flavouring agent)が、必要に応じて含まれ得る。例えば、化合物が(例えば、リポソーム封入またはマイクロスフェア封入によって)製剤化され得、その後、食用品(例えば、着色料および矯味矯臭剤(flavouring agent)を含む、冷蔵飲料)内にさらに含まれ得る。
【0109】
水性環境中への活性薬剤の溶解を補助するために、界面活性剤が、特定の実施形態において、湿潤剤として添加され得る。界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネートおよびジオクチルスルホン酸ナトリウム(dioctyl sodium sulfonate)などの陰イオン界面活性剤が挙げられ得る。陽イオン界面活性剤が必要に応じて使用され得、それとしては、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムが挙げられ得る。組成物中に界面活性剤として含まれ得る可能な非イオン性界面活性剤のリストは、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65およびポリソルベート80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースならびにカルボキシメチルセルロースである。使用される場合、これらの界面活性剤は、化合物の組成中に、単独または種々の比率の混合物としてのいずれかで、存在し得る。
【0110】
化合物の取込みを増強する可能性がある添加物は、例えば、脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸である。
【0111】
放出制御組成物が望ましいものであり得る。その組成物もまた企図される。特定の態様において、その化合物は、拡散または膜への到達のいずれかによって放出を可能にする不活性マトリックス(すなわち、ガム)中に組み込まれ得る。一部の態様において、ゆっくり変性するマトリックスもまた、その組成物中に組み込まれ得る。この活性薬剤の制御放出の別の形態は、Oros治療剤システム(Alza Corp.)に基づく方法により、すなわち、その薬物は、浸透圧作用に起因して単一の小孔を通って水が侵入して薬物を押し出すことを可能にする、半透膜中に封入されている。一部の腸溶コーティングもまた、遅延放出効果を有する。
【0112】
他の態様において、物質の混合物が、フィルムコーティングを提供するために使用され得る。フィルムコーティングは、例えば、パンコーターもしくは流動床で、または圧縮コーティングによって、実行され得る。
【0113】
(投与スケジュール)
特定の態様において、本発明の組成物は、単回投与スケジュールとして、または好ましくは、多回投与スケジュールで、与えられ得ることが、認識される。多回投与スケジュールとは、主要な送達期間が1回~10回の別個の投与を伴い得るスケジュールであり、必要に応じて後に他の投与が、その処置を維持または増強するために必要なその後の時間間隔で与えられる。その投与レジメンはまた、少なくとも部分的には、その個体の必要性および医師の判断によって決定される。
【0114】
したがって本発明は、本発明の医薬組成物を含む錠剤;本発明の医薬組成物を含むカプセル剤、本発明の医薬組成物を含む注射可能な懸濁物、および本発明の医薬組成物を含む肺送達用組成物を提供する。
【0115】
(使用)
本発明はまた、状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための医薬の製造における、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
の使用を提供する。
【0116】
本発明はまた、状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための組成物の使用を提供し、その組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む。
【0117】
好ましくは、その組成物は、2.5%w/w~65%w/wのそのCCR2経路インヒビターを含む。好ましくは、そのCCR2経路インヒビターはCCR2の直接的アンタゴニストである。より好ましくは、そのCCR2経路インヒビターは、レパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である。
【0118】
好ましくは、その希釈剤はケイ化結晶セルロース(silicified microcrystalline cellulose)(SMCC)である。好ましくは、その組成物は30%w/w~70%w/wのSMCCを含む。
【0119】
好ましくは、その結合剤はヒプロメロース(HPMC)である。好ましくは、その組成物は、2%w/w~5%w/wのHPMCを含む。
【0120】
好ましくは、その崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。好ましくは、その組成物は2%w/w~8%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。
【0121】
好ましくは、その滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。好ましくは、その組成物は、0.05%w/w~5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0122】
(キット)
本発明はまた、状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のためのキットを提供し、そのキットは、
a)i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物と、
b)使用指示書と
を含む。
【0123】
そのキットの内容物は凍結乾燥された状態であり得、そのキットは、その凍結乾燥された構成成分の再構成のために適した溶媒をさらに含み得る。そのキットの個別の構成成分は別個の容器中に包装されており、医薬品または生物学的製剤の製造、使用もしくは安全を規制する行政機関により規定された形式の通知がそのような容器に付随し得、その通知はヒトへの投与のための製造、使用または安全についての当局による承認を示す。
【0124】
そのキットの構成成分が1つまたは複数の液体溶液中で提供される場合、その液体溶液は、水溶液(例えば、滅菌した水溶液)であり得る。インビボ使用のために、発現構築物が、薬学的に受容可能な注射可能な組成物へと製剤化され得る。この場合、その容器手段それ自体は、吸入器、シリンジ、ピペット、点眼器、または他のそのような同様な装置であり得、それらから、その組成物は動物の罹患領域(例えば、肺)へと適用され得、動物に注射され得、またはそのキットの他の構成成分に適用および混合さえされ得る。
【0125】
そのキットの構成成分はまた、乾燥形態または凍結乾燥形態で提供され得る。試薬または構成成分が乾燥形態として提供される場合、再構成は、一般的には、適切な溶媒の添加による。その溶媒はまた別の容器手段中で提供され得ることが、想像される。その容器の数または型に関わらず、本発明のキットはまた、その最終複合組成物の注射/投与または動物の身体内での配置を援助する器具を含み得、またはその器具とともに包装され得る。そのような器具は、吸入器、シリンジ、ピペット、鉗子、計量スプーン、点眼器または任意のそのような医学的に承認された送達媒介物であり得る。
【0126】
(原則)
本明細書において引用されているすべての公開物(特許および特許出願を含む)は、上記のものか下記のものかには関わらず、それらの全体が参照により本明細書に援用される。しかし、本明細書において言及されている公開物は、その公開物で報告されており本発明に関連して使用され得る、プロトコル、試薬およびベクターを記載し開示する目的のために引用されている。本明細書中の内容は何も、本発明が先行発明に基づいてそのような開示に時間的に先行する権利がないという承認として解釈されるべきではない。
【0127】
本明細書において使用される場合および添付の特許請求の範囲において、単数形「ある(1つの)(a)」、「ある(1つの)(an)」および「その(the)」は、文脈上特に明示されていない限り、複数を含む。したがって、例えば、「あるタンパク質」への言及は複数のそのようなタンパク質を含み、「ある分析物」への言及は1つまたは複数の分析物への言及である、などである。
【0128】
別段の定義がない限り、本明細書において使用されているすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されている材料および方法と類似または同等であるあらゆる材料および方法が本発明を実施し試験するために使用され得るが、好ましい材料および方法がここに記載される。
【0129】
本明細書において記載されている発明は、値(例えば、サイズ、濃度など)の1つまたは複数の範囲を含み得る。ある範囲の値は、その範囲内のすべての値(その範囲を規定する値、およびその範囲に対する境界を規定するその値にすぐに隣接する値と同じまたは実質的に同じ結果をもたらすその範囲に近接する値を含む)を含むと理解される。
【0130】
本明細書全体を通じて、文脈上特に必要とされない限り、「含む(comprise)」という語または変化形(例えば、「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」)は、記載された整数または整数の群を含むことを意味するが、他のなんらかの整数または整数の群を排除することは意味しないことが、理解される。
【実施例】
【0131】
(実施例)
(実施例1-例示的な組成物)
疾患の状態の処置において使用し得る例示的な製剤としては、以下が挙げられる。
(表3:長期使用のための例示的なレパゲルマニウム組成物)
【表3】
(表4:レパゲルマニウムカプセル組成物)
【表4】
(表5:レパゲルマニウムカプセル組成物
【表5】
(表6:急性使用のための例示的なレパゲルマニウム組成物)
【表6】
(表7:長期使用のための例示的なプロパゲルマニウム組成物)
【表7】
(表8:プロパゲルマニウムカプセル組成物)
【表8】
(表9:プロパゲルマニウムカプセル組成物)
【表9】
(表10:急性使用のための例示的なプロパゲルマニウム組成物)
【表10】
【0132】
(実施例2-使用時の安全性研究)
使用時の安全性研究を実施して、経鼻胃栄養管によるレパゲルマニウムIRカプセル剤の投与のための再構成および投与量の情報を決定した。
【0133】
この研究の目的は、以下であった:
1.胃管による投与のために水中でいったん再構成したレパゲルマニウム医薬品組成物の安定性を測定すること、
2.最初の15mL溶液を除去した後にその医療用ポット(medical pot)中に残っているいくらかの残留レパゲルマニウムが存在するか否かを決定すること、および
3.正確な用量のレパゲルマニウムを送達するためにその経鼻胃管をさらに洗い流す必要があるか否かを特定すること。
(試薬および材料)
DMX-200カプセル
レパゲルマニウム標準品:ビス(2-カルボキシエチルゲルマニウム(IV)セスキオキシド
ラクトース一水和物Fast Flo
ステアリン酸マグネシウム
滅菌水
Enfit(登録商標)経口用シリンジ-35mL Monoject(商標)(Covidien(商標)による)
管のタイプ1:経鼻胃栄養管-Kangaroo(商標)(Covidien(商標)による) 8884720841 E 8Fr/CH(2.7mm)×47インチ(109cm)
管のタイプ2:経鼻胃栄養管-Kangaroo(商標)(Covidien(商標)による) 8884721237 E 12Fr/CH(4.0mm)×43インチ(109cm)
【0134】
(医療用ポット(medical pot)中での再構成)
合計6つの実験が存在した。各実験は二連で実施した(微量試験を除く)。
(表11:医療用ポット(medical pot)中での再構成)
【表11】
(表12:医療用ポット(medical pot)(15mlの水)中での再構成についてのアッセイ結果)
【表12-1】
【0135】
この研究からの結果は、この医薬品は15mLの水中で3時間まで再構成した場合に化学的および微生物学的の両方で安定であったが、15mlで1回リンスした後でさえ、測定した用量の総量が、予期したレベルである≧90%のレパゲルマニウムよりも少なかったことを、示した。研究はまた、この再構成した医薬品が、直径2.7mmを有する経鼻胃管および直径4.0mmを有する経鼻胃管を遮断することも、これらと相互作用することも、これらに付着することもなかったことを、示した。
【0136】
(実施例3-使用時の安定性の追跡研究)
この研究の目的は、以下であった:
1.医療用ポット(medical pot)中で再構成したレパゲルマニウムを測定するために適切なHPLCサンプル調製方法を決定すること。
2.そのレパゲルマニウムを再構成するためにより大量の水を必要とするか否かを決定すること(15mlのリンス/洗浄を2回)。
【0137】
各実験は二連で実施した。サンプルのHPLC分析中に、対照サンプル(標準)を並列で分析した。
(表12:レパゲルマニウムカプセルの再構成)
【表12-2】
【0138】
(結果の概要)
溶液の外観を「未溶解の粒子を含む不透明な白色の懸濁物」として記録した。経鼻胃管の外観を「投与後に変化なし」として記録した。
【0139】
pHの結果は、許容基準であるpH2~pH6の範囲内であった。
【0140】
各実験についての微生物負荷量は、<10cfu/gのTAMCおよびTYMCであり、0分~180分で変化しなかった。
(表13:医療用ポット(medical pot)(15mlの水)中での再構成とその後の2回の15mlリンスについてのアッセイ結果)
【表13】
【0141】
2番目の研究からの結果は、1番目の研究からの結論である、HPLCによる分析のための移動中に医薬品の損失があったことを確認した。HPLC分析のための改善したサンプル調製は、15mLの水中の医薬品の再構成とその後の最低2回の15mLでの洗浄が、医療用ポット(medical pot)中で再構成した場合に≧90%のレパゲルマニウムを送達するのに十分であることを、確認した。
【0142】
これらの2つの研究は、レパゲルマニウムを医療用ポット(medical pot)中で15mLの水で再構成して経鼻胃管によって投与し得ることを示した。この医療用ポット(medical pot)を15mLの水で2回リンスすることが、適切な用量を送達するために必要である。レパゲルマニウムを医療用ポット(medical pot)中で15mLの水で再構成してベンチに置いて放置した場合、それは180分間まで化学的および微生物学的に安定なままである。
【0143】
(実施例4-徐放性レパゲルマニウム錠剤)
目的は、活性薬剤としてレパゲルマニウムを含み、8時間にわたって徐放される、安定な錠剤製剤を開発することである。試行を実施して、摩損度限界を合格可能であり、外観上美しくあるために可能な限り小さい必要があった、錠剤を得た。好ましい製造プロセスは、乾式混合直接圧縮プロセスである。
(表15:コーティングした徐放性レパゲルマニウム錠剤の組成)
【表15】
【0144】
錠剤コアは、30mgのレパゲルマニウムを含み、割線(break-bar)を備える直径10.3mmの丸い錠剤である。最終錠剤は、白色にフィルムコーティングされている。
【0145】
それらの錠剤の物理的特性を試験した。
(表16:錠剤の物理的特性)
【表16】
【0146】
その錠剤の放出プロファイルを500ml精製水中で試験した。
(表17:錠剤の放出プロファイル)
【表17】
【0147】
(実施例5-徐放性プロパゲルマニウム錠剤)
目的は、8時間にわたって徐放される安定なプロパゲルマニウム錠剤製剤を開発することである。その錠剤は、摩損度限界を合格し、外観上美しくあるために可能な限り小さい。好ましい製造プロセスは、乾式混合直接圧縮プロセスである。
(表18:コーティングした徐放性レパゲルマニウム錠剤の組成)
【表18】
【0148】
その直径10.3mmのフィルムコーティングした白色の丸い錠剤は、30mgのプロパゲルマニウムを含むコアを有し、割線(break-bar)を有する。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物。
【請求項2】
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための医薬の製造における、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
の使用。
【請求項10】
処置、軽減もしくは予防される前記状態または疾患が、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患、または肺疾患から選択される、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
i.前記腎疾患が巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、または糖尿病性腎症によって引き起こされる慢性腎臓病であり;
ii.前記肺疾患が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、
請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記CCR2経路インヒビターが、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日~500mg/日で提供される、請求項9に記載の使用。
【請求項13】
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、請求項9に記載の使用。
【請求項14】
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項9に記載の使用。
【請求項15】
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供される、請求項9に記載の使用。
【請求項16】
a)前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である;
b)前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である;
c)前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである;かつ/または
d)前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、
請求項9に記載の使用。
【請求項17】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のためのキットであって、
a)i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物と、
b)使用指示書と
を含む、キット。
【請求項18】
処置、軽減もしくは予防される
前記状態または疾患が、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患、または肺疾患から選択される、請求項
17に記載のキット。
【請求項19】
i.前記腎疾患が巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、または糖尿病性腎症によって引き起こされる慢性腎臓病であり;
ii.前記肺疾患が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、
請求項
18に記載
のキット。
【請求項20】
前記CCR2経路インヒビターが、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日~500mg/日で提供される、請求項
17に記載のキット。
【請求項21】
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、請求項
17に記載のキット。
【請求項22】
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項
17に記載のキット。
【請求項23】
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供される、請求項
17に記載のキット。
【請求項24】
a)前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である;
b)前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である;
c)前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである;かつ/または
d)前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、
請求項
17に記載のキット。
【請求項25】
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wのケイ化結晶セルロース(SMCC)である希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wのヒプロメロース(HPMC)である結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムである崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wのステアリン酸マグネシウムである滑沢剤
を含む、組成物。
【請求項26】
経口カプセル送達のための請求項1
または25に記載の組成物。
【請求項27】
経鼻胃送達のための請求項1
または25に記載の組成物。
【請求項28】
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防における使用のための組成物であって、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物。
【請求項29】
処置、軽減もしくは予防される前記状態または疾患が、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患、または肺疾患から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
i.前記腎疾患が巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、または糖尿病性腎症によって引き起こされる慢性腎臓病であり;
ii.前記肺疾患が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、
請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記CCR2経路インヒビターが、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日~500mg/日で提供される、請求項28に記載の組成物。
【請求項32】
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、請求項28に記載の組成物。
【請求項33】
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項28に記載の組成物。
【請求項34】
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供される、請求項28に記載の組成物。
【請求項35】
a)前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である;
b)前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である;
c)前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである;かつ/または
d)前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、
請求項28に記載の組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
その直径10.3mmのフィルムコーティングした白色の丸い錠剤は、30mgのプロパゲルマニウムを含むコアを有し、割線(break-bar)を有する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物。
(項目2)
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供されている、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、項目1に記載の組成物。
(項目9)
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための方法であって、
治療有効量のa)組成物を前記対象に投与する工程
を含み、前記組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、方法。
(項目10)
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための医薬の製造における、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
の使用。
(項目11)
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のための組成物の使用であって、前記組成物は、
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、使用。
(項目12)
状態または疾患の処置、軽減もしくは予防のためのキットであって、
a)i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wの希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wの結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wの崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wの滑沢剤
を含む、組成物と、
b)使用指示書と
を含む、キット。
(項目13)
処置、軽減もしくは予防される状態または疾患が、腎疾患、循環器疾患、眼疾患、腫瘍学的疾患、または肺疾患から選択される、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目14)
i.前記腎疾患が巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、または糖尿病性腎症によって引き起こされる慢性腎臓病であり;
ii.前記肺疾患が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、
項目13に記載の方法、使用またはキット。
(項目15)
前記CCR2経路インヒビターが、単回投与または複数回投与で提供される10mg/日~500mg/日で提供される、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目16)
前記CCR2経路インヒビターがCCR2の直接的アンタゴニストである、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目17)
前記CCR2経路インヒビターがレパゲルマニウムもしくはプロパゲルマニウムまたはそれらの薬学的に受容可能な塩である、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目18)
前記CCR2経路インヒビターが濃度2.5%w/w~65%w/wで提供される、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目19)
前記希釈剤がケイ化結晶セルロース(SMCC)である、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目20)
前記結合剤がヒプロメロース(HPMC)である、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目21)
前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目22)
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、項目9に記載の方法、項目10もしくは11に記載の使用または項目12に記載のキット。
(項目23)
i.少なくとも1種のケモカインレセプター2(CCR2)経路インヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩;
ii.濃度30%w/w~70%w/wのケイ化結晶セルロース(SMCC)である希釈剤;
iii.濃度2%w/w~5%w/wのヒプロメロース(HPMC)である結合剤;
iv.濃度2%w/w~8%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムである崩壊剤;および
v.濃度0.05%w/w~5%w/wのステアリン酸マグネシウムである滑沢剤
を含む、組成物。
(項目24)
経口カプセル送達のための項目1に記載の組成物。
(項目25)
経鼻胃送達のための項目1に記載の組成物。
【国際調査報告】