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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】仮想スクリーン
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20250128BHJP
   G03B 21/608 20140101ALI20250128BHJP
【FI】
H04N5/74 H
G03B21/608
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533804
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2023050077
(87)【国際公開番号】W WO2023131610
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/266,521
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2250598-6
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524212316
【氏名又は名称】グルドクラ,ホーカン
【氏名又は名称原語表記】GULDKULA,Hakan
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】グルドクラ,ホーカン
【テーマコード(参考)】
2H021
5C058
【Fターム(参考)】
2H021BA11
5C058BA35
5C058EA05
5C058EA31
(57)【要約】
空気中に可視画像を表示するための仮想スクリーン(208)を作成する方法およびシステム(コンピュータプログラム製品を含む)。仮想スクリーン生成器(206)が提供される。仮想スクリーン生成器(206)は、1つ以上の光源(302)と、光源(302)からの光を空気中の予め定義された空間にわたって走査する走査手段(304)と、光源(302)および走査手段(304)の動作を制御する制御手段とを有する。仮想スクリーン生成器(206)は、仮想スクリーン(208)上に表示されるべき画像データを受信し、制御手段を用いて、電磁スペクトルの可視範囲における発光点の集合が空気中の予め定義された空間内に生成されるように、1つ以上の光源(302)からの光を方向付け、当該点が共同して、受信した画像データに対応する画像を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記空気中に可視画像を表示するための仮想スクリーン(208)を作成する方法(100)であって、
1つ以上の光源(302)と、前記光源(302)からの前記光を空気中の予め定義された空間にわたって走査する走査手段(304)と、前記光源(302)および前記走査手段(304)の前記動作を制御する制御手段とを備える仮想スクリーン生成器(206)を提供することと、
前記仮想スクリーン生成器(206)によって、前記仮想スクリーン(208)上に表示される画像データを受信することと、
前記制御手段を使用して、前記電磁スペクトルの前記可視範囲における発光点の集合が前記空気中の前記予め定義された空間内に形成されるように、前記1つ以上の光源(302)からの前記光を方向付けることであって、前記点の集合は、前記受信された画像データに対応する画像を共同で形成すること、
を含む、方法。
【請求項2】
表示される前記画像データは、ラップトップ、携帯電話、タブレットコンピュータのようなユーザ電子デバイス(202)上に表示される画像の拡大版である、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、有線または無線ネットワーク(204)によって前記ユーザ電子デバイス(202)に接続されている、請求項2記載の方法(100)。
【請求項4】
前記1つ以上の光源(302)はレーザーである、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記走査手段(304)は、前記光源(302)のオンとオフを切り替えて短時間のパルス光を発生させながら、前記光源(302)からの前記光をラスタ状のパターンで空気中の前記予め定義された空間を横切って移動させるように構成された1つ以上の可動ミラーを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、2つ以上の光源(302)と、各光源用の走査手段(304)とを備え、各光源および走査手段(304)は、前記予め定義された空間の特定の部分をカバーするように構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記走査手段(304)は、1つ以上の回折光学素子または空間光変調器を備え、前記制御手段は、空気中の前記予め定義された空間に発光点の2次元パターンを生成するように、前記光源(302)および前記空間光変調器の前記動作を制御するように構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項8】
空気中の前記予め定義された空間は、前記仮想スクリーン(208)を形成する前記空気中の本質的に垂直な平面を作成するために、前記1つ以上の光源(302)の前記焦点位置を調整することによって定義される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記1つ以上の光源(302)は、前記可視範囲外の周波数で動作し、前記発光点は、空気中の前記予め定義された空間内のプラズマ放電によって生成される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記予め定義された空間を非毒性の気体媒体で満たすように構成された物質放出手段をさらに備え、前記空間において、前記発光点は、前記1つ以上の光源(302)からの前記光によって誘発される蛍光によって生成される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記気体媒体および前記1つ以上の光源(302)は、蛍光が異なる波長で発生し、複数の色を有する仮想スクリーン(208)が生成されるように選択される、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記1つ以上の光源(302)からの異なる色の光が投影され、観察者に反射されることができる反射性の仮想スクリーン(208)を提供するために、前記予め定義された空間を非毒性の気体-液体混合物で満たすように構成された物質放出手段をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記画像を表示する間に、前記物質放出手段によって放出された前記物質を空気中の前記予め定義された空間に本質的に閉じ込めるために、電場、磁場または超音波場を発生させるように構成された封じ込め手段をさらに備える、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項14】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記空気中の前記予め定義された空間内に小さな反射性の粒子を放出するように構成された粒子放出器(506)をさらに備え、前記制御手段は、前記粒子が照射され、前記1つ以上の光源(302)からの光を視聴者に向けて反射させながら、前記粒子が前記空気中の前記予め定義された空間内を動き回ることができるように、電場、磁場、または超音波場を用いて前記小さな粒子の前記動きを制御するように動作可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項15】
周囲の光条件に基づいて前記仮想スクリーン(208)を較正することをさらに含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項16】
前記空気中に可視画像を表示するための仮想スクリーン(208)を作成するためのシステム(200)であって、
コンピューティングデバイス(202)と、
1つ以上の光源(302)と、前記光源(302)からの前記光を空気中の予め定義された空間を横切って走査する走査手段(304)と、前記光源(302)および前記走査手段(304)の前記動作を制御する制御手段とを備える仮想スクリーン生成器(206)と、を備え、
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記仮想スクリーン(208)上に表示される画像データを受信するために、ネットワーク(204)を介して前記コンピューティングデバイス(202)と通信するように動作可能であり、
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記制御手段を使用して、前記電磁スペクトルの前記可視範囲内の発光点の集合が前記空気中の前記予め定義された空間内に生成されるように、前記1つ以上の光源(302)からの前記光を方向付けるように動作可能であり、前記点の集合は、前記受信された画像データに対応する画像を共同で形成する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視画像の形成に関し、より具体的には、空気や水などの気体または液体媒体中に可視画像を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やタブレットコンピュータなどのモバイルデバイスが社会に浸透しつつある。写真を撮ったり、音楽やポッドキャストを聴いたり、インターネットで情報を検索したり、画像や動画を見たりと、さまざまな用途に使われている。これらのデバイスの製造業者は、携帯性の利点(すなわち、デバイスのサイズ)と、デバイスの使い勝手を天秤にかけなければならない。これは、一般的にデバイスの全体的なサイズに影響を与える主な要因の1つであるため、デバイスのスクリーン(画面)サイズに関しては特に当てはまる。
【0003】
多くのデバイスでは、ユーザはタッチセンサー式の画面を通じてデバイスと相互作用(interact)し、このスクリーンはユーザに情報を表示するためにも使用される。画面サイズはデバイス全体のサイズによって制限されるため、例えばウェブページ上の情報を読むことや、携帯電話のような小型デバイスの画面上に表示された画像を見ることは、ユーザにとって困難な場合がある。ほとんどのデバイスでは、ユーザは画面に表示されているコンテンツを拡大することができるが、この場合、通常、テキストや画像のごく一部しか画面に表示されず、ユーザは画像やテキストを画面上でスクロールさせたり、移動させたりしなければならず、ウェブページや画像の全体をいつでも見ることができない。
【0004】
さらに、ユーザは自分の画面のコンテンツ(内容)を他のユーザと共有したいと思うことも多い。デバイスの表示画面上にウェブページや画像を完全に表示することが可能であっても、複数の人がデバイスの周囲に集まり、全員が同時に遮られることなく画面を見ることは困難である。誰もがディスプレイをはっきりと見ることができるようにするためには、デバイスをユーザから離れた場所に置かなければならないことが多いが、そのために、ディスプレイ上のコンテンツを遠くからはっきりと見ることができないことが多い。そのため、ポータブルデバイスで可能なものよりも大きなフォーマットでコンテンツを表示し、デバイスのユーザだけでなく、コンテンツを共有したいと思う人にも、よりアクセスしやすい方法でコンテンツを表示する、新しく改良された方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、一実装形態による、仮想スクリーンを定義する方法を示す。
図2図2は、一実装形態による、仮想スクリーン上にコンテンツを表示するシステムの例示的なアーキテクチャを示す。
図3図3は、一実装形態による仮想スクリーン生成器を示す。
図4図4は、一実装形態による仮想スクリーン生成器を示す。
図5図5は、一実装形態による仮想スクリーン生成器を示す。
【0006】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明の概要】
【0007】
いくつかの態様において、本明細書に記載の技術は、空気中に可視画像を表示するための仮想スクリーンを作成する方法に関し、1つ以上の光源と、空気中の予め定義された空間にわたって光源からの光を走査するための走査手段と、光源および走査手段の動作を制御するための制御手段とを含む仮想スクリーン生成器を提供すること、仮想スクリーン生成器によって、仮想スクリーン上に表示される画像データを受信することと、制御手段を使用して、電磁スペクトルの可視範囲内の発光点の集合が空気中の予め定義された空間内に作成されるように、1つ以上の光源からの光を方向付けることであって、点の集合が、受信された画像データに対応する画像を共同で形成すること、を含む。
【0008】
様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。表示される画像データは、ラップトップ、携帯電話、タブレットコンピュータのようなユーザ電子デバイス上に表示される画像の拡大版とすることができる。仮想スクリーン生成器は、有線または無線ネットワークによってユーザ電子デバイスに接続することができる。
【0009】
1つ以上の光源は、レーザーとすることができる。走査手段は、光源のオンとオフを切り替えて短時間のパルス光を発生させながら、光源からの光をラスタ状のパターンで空気中の予め定義された空間を横切って移動させるように構成された1つ以上の可動ミラーを含むことができる。
【0010】
仮想スクリーン生成器は、2つ以上の光源と、各光源用の走査手段とを備えることができ、各光源および走査手段は、予め定義された空間の特定の部分をカバーするように構成することができる。走査手段は、1つ以上の回折光学素子または空間光変調器を備えることができ、制御手段は、空気中の予め定義された空間に発光点の2次元パターンを生成するように、光源および空間光変調器の動作を制御するように構成することができる。
【0011】
空気中の予め定義された空間は、仮想スクリーンを形成する空気中の本質的に垂直な平面を作成するために、1つ以上の光源の焦点位置を調整することによって定義することができる。1つ以上の光源は、可視範囲外の周波数で動作することができ、発光点は、空気中の予め定義された空間内のプラズマ放電によって生成される。仮想スクリーン生成器は、予め定義された空間を非毒性の気体(ガス状)媒体で満たすように構成された物質放出手段を備えることができ、この空間において、発光点は、1つ以上の光源からの光によって誘発される蛍光(fluorescence)によって生成される。気体媒体および1つ以上の光源は、蛍光が異なる波長で発生し、複数の色を持つ仮想スクリーンが生成されるように選択することができる。
【0012】
仮想スクリーン生成器は、1つ以上の光源からの異なる色の光が投影され、観察者に反射されることができる反射性の仮想スクリーンを提供するために、予め定義された空間を非毒性の気体-液体混合物で満たすように構成された物質放出手段を備えることができる。仮想スクリーン生成器は、画像を表示する間に、物質放出手段によって放出された物質を空気中の予め定義された空間に本質的に閉じ込めるために、電場、磁場、または超音波場を発生させるように構成された封じ込め手段(containment means)を備えることができる。仮想スクリーン生成器は、空気中の予め定義された空間に小さな反射性の粒子を放出するように構成された粒子放出器を備えることができ、制御手段は、粒子が照射され、1つ以上の光源からの光を視聴者に向けて反射させながら(粒子が1つ以上の光源から照射され、その光を視聴者に向けて反射させながら)、粒子が空気中の予め定義された空間内で動き回ることができるように、電場、磁場、または超音波場を用いて小さな粒子の動きを制御することができる。本方法は、周囲の光条件に基づいて仮想スクリーンを較正することを含むことができる。
【0013】
いくつかの態様において、本明細書に記載の技術は、空気中に可視画像を表示するための仮想スクリーンを作成するシステムに関し、コンピューティングデバイス、および、1つ以上の光源と、光源からの光を空気中の予め定義された空間を横切って走査する走査手段と、光源および走査手段の動作を制御する制御手段とを備える仮想スクリーン生成器を備え、仮想スクリーン生成器は、仮想スクリーン上に表示される画像データを受信するために、ネットワークを介してコンピューティングデバイスと通信するように動作可能であり、仮想スクリーン生成器は、制御手段を使用して、電磁スペクトルの可視範囲内の発光点の集合が空気中の予め定義された空間内に形成されるように、1つ以上の光源からの光を方向付けるように動作可能であり、点の集合は、受信した画像データに対応する画像を共同で形成する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概要
本発明の様々な実装態様は、「仮想スクリーン」、すなわち空間内の2次元領域または3次元体積を定義し、その仮想スクリーン上に2次元または3次元の静止画または動画(すなわちビデオ)を表示する技術に関する。通常、画像や動画は、ノートパソコン、携帯電話、タブレットコンピュータなどの電子デバイスに表示されるものに相当する。
【0015】
仮想スクリーンは、屋内外のあらゆる環境で操作できる。しかし、当業者であれば気付くように、視聴体験の質は、仮想スクリーンが使用される環境によって変化する。例えば、視聴体験は一般に、周囲の光が少ない環境(映画館では通常照明が落とされているのと同じ理由)、または「背景」が無地の場合、および/または動きが少ない場合(すなわち、動いている車、人、木などが少ない場合)に良くなる。また、屋外での視聴体験は、予想されるように、悪天候のときよりも晴天のときのほうが良いだろう(ただし、霧や霞が視聴体験を向上させる場合もある)。仮想スクリーンは定義上、透明であるため、背景が賑やかでなければ、仮想スクリーン上に表示されるコンテンツに関して「気が散る(distractions)」ことが少なくなる。これにより、仮想スクリーンとそこに表示される画像を生成するために使用される機器への電力を削減することも可能となり、その結果、バッテリーの寿命を延ばすことができ、および/または、機器をより小型化し、携帯性を高めることができる。
【0016】
仮想スクリーンは、多くの様々な実装形態で具現化できるが、実装形態は、一般的な方法に従って動作し、これを図1を参照して説明する。
【0017】
仮想スクリーン上にコンテンツを表示する例示的な方法
図1からわかるように、一実装態様による方法100は、仮想スクリーン生成器を起動するステップ102から始まる。仮想スクリーン生成器については、以下でさらに詳細に説明するが、特定の実装態様によっては、起動は、オン/オフスイッチをフリックするのと同じくらい簡単な場合もあれば、いくつかのステップを必要としたり、さまざまな物理的コンポーネントをセットアップしたりする場合もある。
【0018】
仮想スクリーン生成器が起動されると、仮想スクリーン生成器は、携帯電話、ラップトップ、タブレット、またはIoT(モノのインターネット)対応デバイスなどのコンピューティングデバイスに接続される(ステップ104)。ここでも、手元の特定の実装形態に応じて、接続は有線および/または無線であり得る。コンピューティングデバイスの物理的な位置は、仮想スクリーン生成器から遠く離れていることも、仮想スクリーン生成器に近接していることも可能である。いくつかの実装形態では、仮想スクリーン生成器とコンピューティングデバイスは、単一のデバイスに統合され得る。他の実装形態では、仮想スクリーン生成器とコンピューティングデバイスは、1つ以上の有線または無線ネットワークを介して通信し得る。
【0019】
接続が確立されると、仮想画面アプリケーションがコンピューティングデバイスにロードされる(ステップ106)。仮想スクリーンアプリケーションは、コンテンツを正しく表示するために仮想スクリーン生成器を制御するための命令を含んでいる。ここでも、仮想スクリーン生成器にはさまざまな実装形態があるため、典型的には、仮想スクリーン生成器の各実装形態に関連する仮想画面アプリケーションは1つであるが、仮想スクリーンが異なるモードで動作するように、異なる仮想スクリーンアプリケーションを考慮することもできる。コンピューティングデバイスは、多種多様な仮想スクリーン生成器で使用できるように、いくつかの仮想スクリーンアプリケーションを含み、インターネットからさらに仮想スクリーンアプリケーションをダウンロードして実行する機能を持つことができる。
【0020】
次に、仮想スクリーンは、オプションのステップ108で較正される。較正は、ある種の仮想スクリーン生成器のオプション機能である可能性があり、ユーザが手動で、または仮想スクリーン生成器が自動的に、場合によってはコンピューティングデバイスと協働して実行することができる。較正の目的は、仮想画面が使用される環境に合わせて仮想画面を調整することである。例えば、低照度環境では、仮想スクリーン生成器は、明るい環境と比較してより少ない電力を使用しても、仮想スクリーン上にはっきりと見える画像を実現することができる。同様に、晴天時に屋外で仮想スクリーンを生成する場合、霧の日に比べて仮想スクリーン生成器からより多くの電力を必要とすることがある。様々な自動較正アルゴリズムは、例えば、得られた周辺環境の測定値および/または以前のユーザの視聴経験からのフィードバックに基づいて、様々な条件に対して開発することができる。
【0021】
次に、プログラムがコンピューティングデバイスにロードされる(ステップ110)。プログラムは、通常、仮想スクリーン上に表示されるコンテンツを含み、ウェブブラウザ、メッセージングアプリケーション、オンラインビデオを表示するためのソフトウェア、描画ソフトウェア、プレゼンテーションソフトウェアなど、基本的に視覚コンテンツを表示できるあらゆるソフトウェアであり得る。基本的には、1以上のユーザによって閲覧される可能性のあるものであれば何でもよい。
【0022】
最後に、プログラムコンテンツが仮想スクリーン上に表示される(ステップ112)。仮想スクリーン制御器は、コンピューティングデバイスから、プログラムコンテンツと、プログラムコンテンツが仮想スクリーン上にどのように表示されるべきかについての指示を受信する。これにより、プロセス100が終了する。
【0023】
一般的なシステムアーキテクチャ
図2は、一実装態様による、上述したような仮想スクリーン上にコンテンツを表示するためのシステム200の例示的なアーキテクチャを示す。図2からわかるように、システム200は、コンピューティングデバイス202を含み、このコンピューティングデバイス202は、静止画および/または動画を表示するために、空気中または他の何らかの気体または液体媒体中に仮想スクリーン208を生成するために使用される仮想スクリーン生成器206と、ネットワーク204を介して通信する。上述したように、特定の実装形態では、コンピューティングデバイス202と仮想スクリーン生成器206は、同じ物理ユニットに統合されており、ネットワーク204は必要ない。
【0024】
上述したように、コンピューティングデバイス202は、プロセッサ、メモリ、および何らかの入出力機能を含む任意のタイプのコンピューティングデバイスであり得る。典型的には、コンピューティングデバイス202は、ラップトップ、携帯電話、タブレットコンピュータ、または同様のものなどの携帯型コンシューマデバイスであるが、いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイス202は、ある種の施設に恒久的に設置される据え置き型コンピュータであり得る。
【0025】
一般に、コンピューティングデバイス202は、有形で非一過性(非一時的)なメモリに結合されたプロセッサに結合された入出力(I/O)機構を有する。図2は、1つのコンピューティングデバイス202のみを図示しているが、様々な実装態様は、1つ以上の補助コンピューティングデバイスを含むこともでき、本発明は、単一のコンピューティングデバイスのみを使用することに限定されないことを理解すべきである。図示されているコンピューティングデバイス202は、仮想スクリーン生成器206に本明細書で議論される方法論のいずれか1つ以上を実行させるための、メモリに格納された命令を含む。
【0026】
図2に示すようないくつかの実装態様では、本発明のシステムはネットワーク展開され、ネットワーク204は、インターネット、LAN、Wi-Fiネットワーク、またはそれらの組み合わせを表す。上述したように、特定の実装態様において、本発明のシステムは、アプリケーションまたはモバイルアプリを使用して配備される。例えば、コンピューティングデバイス202は、モバイルアプリを操作することができ、モバイルアプリを介して本発明のシステムを操作することができるタブレットコンピュータまたはスマートフォンなどのハンドヘルドデバイスとすることができる。他の実装態様では、コンピューティングデバイス202は、本明細書に記載される方法論を実行するために必要に応じて、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC(例えば、iPad(登録商標)、サムスンギャラクシータブレット、グーグル(カリフォルニア州マウンテンビュー)が販売するネクサス7タブレットコンピュータ)、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話またはスマートフォン、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、またはそのマシンによって実行されるべきアクションを指定する命令セット(シーケンシャルまたはその他)を実行可能な任意のマシンであり得る。
【0027】
特定の実装態様において、コンピューティングデバイス202は、本明細書に記載される方法論を実施するために設計および構築されたカスタムデバイスであり、例えば、独自のフォームファクタ、またはラップトップ、デスクトップ、またはタブレットコンピュータに通常関連しないフォームファクタに収容される。
【0028】
コンピューティングデバイス202は、一般に、図2に示されるように、1つ以上の入出力(I/O)デバイスを含む。上述したように、コンピューティングデバイス202はまた、タッチスクリーンなどのスクリーン、およびマイクロフォン、スピーカ、セルラー無線周波数アンテナ、および例えばネットワークインターフェースカード(NIC)、Wi-Fiカード、またはセルラーモデムとすることができるネットワークインターフェースデバイスなどの他の一般的な構成要素を含む。I/Oデバイスは、一般に、ポート、WiFiカード、マイクロフォン、スピーカ、タッチスクリーンなどを含み、いくつかの実装形態では、後述するように、仮想スクリーン生成器306も含み得る。
【0029】
コンピューティングデバイス202は、一般に、図2に示されるように、少なくとも1つのプロセッサを含む。当業者であれば、本発明の方法の実行に必要または最適であると認識するように、本発明のコンピュータシステムまたはマシンは、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)グラフィック処理ユニット(GPU)またはその両方)、メインメモリ、およびスタティックメモリを含み、これらはバスを介して互いに通信する。当業者であれば、プロセッサは、例えば、1つ以上のシングルコアまたはマルチコアプロセッサを含む1つ以上のプロセッサによって提供され得ることも認識するであろう。
【0030】
コンピューティングデバイス202は、一般に、図2にも示されているメモリを含む。メモリは、一般に、機械可読媒体であり、一般に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、またはそれらの組み合わせの形態で存在し得る。メモリとは、一般に、データを記憶したり情報を搬送したりするための1つ以上の記憶装置、例えば、半導体、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを指す。コンピュータプログラム命令およびデータを具現化するのに適したメモリ用の情報キャリアには、有形、非一過性、不揮発性、またはそれらの組み合わせである任意の適切な形態のメモリが含まれる。特定の実装態様において、本発明のデバイスは、メモリ用の有形で非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。メモリとして使用するための例示的なデバイスには、半導体メモリデバイス、およびフラッシュメモリデバイスが含まれ、コンピューティングデバイス202に内蔵することも、外付けすることもできる。メモリデバイスの他の例には、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、および光ディスク(例えば、CDディスクおよびDVDディスク)が含まれる。
【0031】
次に、仮想スクリーン生成器206のいくつかの例を説明する。一般に、仮想スクリーン生成器206は、2つの大分類に分けることができる。受動的スクリーン(パッシブスクリーン)、すなわち、光が投影され、視聴者の目に反射または散乱して戻ることができる仮想スクリーンを生成するものと、能動的スクリーン(アクティブスクリーン)、すなわち、視聴者によって観察可能であるように可視光がスクリーン自体に生成される仮想スクリーンを生成するものである。以下に示す実施例は、決して仮想スクリーン生成器206の網羅的なリストを形成するものではなく、可能な実装形態の例示として考慮されるべきであることに留意すべきである。当業者であれば多くの変更が可能である。さらに、システムの性能を向上させ、特定の環境に対して最適化するために、パラメータを変更したり、個々の構成要素を代用したりすることも、当業者の能力の範囲内であると考えられる。従って、広範な変更が添付の特許請求の範囲に含まれると考えられる。さらに、仮想スクリーン生成器206および仮想スクリーン208は、空気を前提として(空気の文脈で)示されるが、同様の原理は他の気体媒体にも適用できることに留意されたい。したがって、以下に説明する原理は、空気のみに限定されるものではない。
【0032】
能動的プラズマスクリーンを生成するための仮想スクリーン生成器
第1の実装態様では、図3に示すように、仮想スクリーン生成器206は、1つ以上のレーザー302と、仮想スクリーン308を形成する領域にわたってレーザーを走査(スキャン)するための走査手段304と、個々のレーザーと走査手段304を制御するための制御器306とを含む。
【0033】
動作時、制御器306は、走査手段304、例えば1つ以上の可動ミラーに、レーザービーム(レーザー光線)が仮想スクリーン308に対応する領域を、旧式のブラウン管(CRT)型モニタで行われるのとよく似たラスタ状のパターンで高速に横切るようにレーザービームを移動させるように指示する。しかし、レーザー302は、空気中で連続的なパターンをなぞる(trace)のではなく、特定の時間に短時間のパルスだけを発生させるようにオンとオフを切り替える。パルスレーザービームが生成されるとき、十分に高い強度があれば、仮想スクリーン上のある点で空気中(または別の気体中)にプラズマ放電が発生し、人間の目には閃光として見える。走査周波数が十分に高ければ、人間の目は個々の閃光を区別することはなく、代わりに個々の閃光を統合して線(ライン)を形成するパターンにする。その結果、仮想スクリーン308に表示された犬と猫の画像のような「線画」を空気中に生成することができる。仮想スクリーン308が大きすぎて、単一のレーザーでは十分に速く横切ることができない場合は、複数のレーザーを使用することができる。例えば、第1のレーザーが仮想スクリーン308の上部3分の1を生成し、第2のレーザーが仮想スクリーン308の中央3分の1を生成し、第3のレーザーが仮想スクリーン308の下部3分の1を生成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、走査手段304は、回折光学素子または空間光変調器(SLM)によって代用され得、これは、上述のように、線ごとの走査を必要とせずに、仮想スクリーン308上に所望の2次元パターンを直接作成することができる。当該技術分野でよく知られているように、SLMは、特定の固定空間パターン(画素)に基づいて光出力を変調することができる電子的にプログラム可能なデバイスであり、本質的に、振幅のみ、位相のみ、またはその両方(位相振幅)のいずれかで制御される光を投射する。SLMはオーバーヘッドプロジェクターによく使用される。SLMは、投影パターンを時間と共に変化させることができるため、仮想スクリーン308上に動画を生成する目的にも適している。
【0035】
仮想スクリーン生成器306から仮想スクリーン308までの距離(すなわち、スクリーンの「深さ」)は、例えば、様々なレンズもしくはミラー、またはそれらの組み合わせを使用することによって、レーザーの焦点位置を調整することによって調整することができる。全てのプラズマ放電がレーザー302からある距離で発生することにより、事実上、仮想スクリーン308を形成する平面が作られる。プラズマからの閃光を妨げないために、使用されるレーザーは、赤外領域のような人間の可視範囲外の周波数で動作することが好ましい。この周波数帯で動作するレーザーの例としては、CO2レーザーやNd:YAGレーザーなどがある。仮想スクリーン生成器306からの仮想スクリーン308の距離、より一般的には位置を調整できることは、人や動物が誤って仮想スクリーン308の領域に入らないようにする安全性の観点からも重要である。
【0036】
いくつかの実装形態では、単一のレーザーは、それ自体では空気中にプラズマを生成するのに十分なパワーを持っていない可能性がある。そのようなセットアップでは、2つ以上のレーザーを組み合わせて使用し、それぞれの焦点位置が一致したときにのみ、空気中にプラズマを発生させるのに十分な出力を得ることができる。このようなセットアップでは、単一のレーザーに必要なものと比較して、二重レーザーのより高度な制御機構が必要になるが、各レーザーの出力を低減することができるため、安全性の観点からも有利であり得る。また、仮想スクリーン308を形成するために、(空気以外の)気体(ガス)を導入することも可能であり、この気体中では、空気中でプラズマ放電が発生するのに必要な強度よりも低い強度でプラズマ放電を発生させることができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、様々なタイプのプリズムを使用して、仮想スクリーン208のコピーを作成し、空間における異なる位置、例えば直交する2つの方向に投影することができる。また、仮想スクリーン生成器206は、仮想スクリーン208が空間において360度回転し、本質的にどの場所からでも見ることができるように、あるいは、オムニマックスシアターやプラネタリウムなどで体験できるものと同様の、円筒形または半球形の投影「面」を有する仮想スクリーンを形成するように、移動プラットフォーム(例えば、回転する)上に配置することもできる。
【0038】
このプラズマを発生させる実装形態は、例えば、警告メッセージや案内を提供するために、テキストメッセージや簡単な図面を表示するのに非常に有用であることが分かるだろう。レーザーが空気中にプラズマを発生させるのに必要なパワーが高いことを考えると、この実装形態は、人がレーザービームに干渉しないような上空など、人からある程度離れた場所にある仮想スクリーンに特に適している。人がより近くにいるような環境では、これから説明するように、より適した他の代替的な実装形態がある。
【0039】
能動的蛍光スクリーンを生成する仮想スクリーン生成器
上述したように、ユーザにより近い位置にあり、他の人が存在する可能性がある環境にある仮想スクリーン208を作成することが望ましく、したがって、プラズマベースの仮想スクリーン208を有することが実用的でない、または、安全でない可能性がある状況があり得る。このような状況では、仮想スクリーン生成器206は、代わりに別の物理現象である蛍光に頼ることができる。蛍光は一般に、光または他の電磁放射線を吸収した物質が、吸収後短時間で光を放出することを指す。ほとんどの場合、放出される光は吸収された光よりも波長が長く、光子エネルギーが低い。吸収された放射線がスペクトルの紫外域(人間の目には見えない)にあり、放出された光が可視領域にある場合、蛍光の知覚可能な例が発生する。これにより、蛍光物質は紫外線(UV)に晒された場合にのみ見ることができる明確な色を持つ。しばらくの間発光する燐光(リン光)物質とは対照的に、蛍光物質は放射源が停止するとほぼ即座に発光を停止する。蛍光は、レーザー(いわゆるレーザー誘起蛍光、「LIF」)や発光ダイオード(LED)など、さまざまなタイプの光源によって誘発することができる。特定の所望の波長を発する物質を選択し、それらの物質の蛍光を誘発することができる光源(例えば、レーザーまたはLED)を選択することによって、仮想スクリーン生成器206がカラー仮想スクリーン208を生成することが可能になる。
【0040】
図4は、蛍光を用いてカラー画像を再現できる仮想スクリーン208を生成するための仮想スクリーン生成器206の概略図である。一般的な動作原理は、図3のシステムに関して上述したものと同じであるが、この実装形態では、仮想スクリーン生成器306は、物質放出器402も含む。物質放出器402は、好ましい物質の1つ以上の非毒性ガスを空気中に放出するように構成され、1つ以上の光源404によって照らされたときに人間の目に見える蛍光光を放出するのに十分な物質濃度に達するまで放出される。光源404は、1つ以上のレーザー、LED、または物質を励起し蛍光を誘発するための他の適切な光源とすることができる。
【0041】
一例として、仮想スクリーン生成器206が、A、B、Cの3つの異なる物質を含む物質放出器402を有するシナリオを考えてみる。光を当てると、物質Aは赤、物質Bは緑、物質Cは青の光を発する。物質放出器402は、3つの物質の「雲」を放出し、その雲は物質放出器402の近くの空気中に均一に分散し、事実上、任意の点が対応する光源によってトリガーされて、赤、緑、青のいずれかの光を放出することができる3次元空間を作り出す。これは本質的に高解像度の仮想スクリーンと考えることができる。上述したように、この空間を走査するとき、光源の焦点にある赤、緑、青の光物質は、様々な組み合わせで発光することができ、人間の目は、従来のディスプレイにおけるRGBピクセルまたはボクセルからの光を知覚する方法と同様に、光を知覚する。
【0042】
光源404からの光は、仮想スクリーン生成器206から仮想スクリーン208に向かう途中で通過するあらゆる物質を励起するので、仮想スクリーン308の外側の蛍光による干渉を可能な限り大きく回避するために、仮想スクリーン208の位置では物質の濃度を高くし、光源404と仮想スクリーン208の間では物質の濃度を低くすることが望ましい。このような空間における物質の封じ込めや濃度差を達成するために、電場や磁場、層流など様々な機構を用いることができる。さらに、もちろん、色は赤、緑、青に限定されない。気体は非常に多くの波長で蛍光を発することができるため、仮想スクリーン生成器306のこの実装形態を使用して、本質的に任意の色の組み合わせを生成することができ、これは、赤、緑、青の様々な組み合わせに限定されるものと比較して、はるかに豊かな色彩体験を視聴者に提供することができる。
【0043】
液体と気体の混合物を用いて受動的スクリーンを生成する仮想スクリーン生成器
仮想スクリーン生成器206のこの実装形態は、蛍光仮想スクリーン208を生成するために上述したスクリーン生成器206と同様である。しかしながら、気体を放出するのではなく、物質放出器402は、エアロゾルまたはミストなどの気体-液体混合物を放出する。この液体-気体混合物の位置は、例えば、ある種の電磁場、超音波、または層流を形成するファンを用いて、あるいは、液体-気体混合物を放出するノズルを制御して、特定の大きさの液滴のみが特定の所望の方向に放出されるようにするなどして、制御することができる。
【0044】
その結果、周囲の空気と比較して密度が高く、したがって光も反射する仮想スクリーン208が作成される。したがって、仮想スクリーン208は、1つ以上の異なる色を有する1つ以上のレーザー302で照明することができ、光は仮想スクリーン308を反射して視聴者の目に到達する。霧の日に車を運転するときにも同様の効果が観察されるが、仮想スクリーン生成器206は、「霧」自体の特性(例えば、液滴のサイズおよび/または色)と、霧を照らすために使用される光の両方の特性を制御する能力を有するため、反射光の単なる「白い壁」ではなく、さまざまな質を有する仮想スクリーン208を提供することが可能である。
【0045】
移動粒子を用いて受動的スクリーンを生成する仮想スクリーン生成器
図5に概略的に示されているこの実装形態では、仮想スクリーン生成器206は、1つ以上のレーザー302と、走査手段504と、個々のレーザーと走査手段504を制御するための制御器306と、粒子放出器506とを含む。
【0046】
この実装形態は、小さな粒子を空気中に浮遊させ、光または音によって制御することで、粒子を3次元空間の周辺で非常に正確に移動させることができるという概念に基づいている。粒子は、例えば、プラスチック、金属からなる固体粒子であってもよいし、油のようなあるタイプの液体の液滴であってもよい。動作中、制御器306は走査手段504に、空間における形状の「輪郭を描く」ように粒子を移動させるよう指示する。粒子が十分に速く位置を変える場合、人間の目は、図3に示した実装形態で上述したものとよく似ているように、粒子の位置を離散的な位置ではなく線に「統合」する。
【0047】
さらに、粒子にレーザーを照射し、観察者の目に光を反射させることで、粒子に色がついて見えるようにすることもできる。例えば、正方形の輪郭をなぞる白色の粒子は、正方形の上下の線を描いている間は赤色のレーザーで照射され、正方形の側面を描いている間は緑色のレーザーで照射され、その結果、観察者の目には赤緑色の正方形に見える。このように、この実装形態では、粒子が走査手段504によって制御されるだけでなく、走査手段504は、上述したのと同様に、1つ以上のレーザーも制御する。
【0048】
さらに、粒子の動きを任意の方向に制御することが可能であるため、もちろん、上述したように、粒子を、仮想スクリーン208に対応する領域をラスタ状のパターンで高速に横切らせ、特定の位置で特定の色で照らすこともできる。上述したプラズマおよび蛍光の実装形態と同様に、粒子の動きは、人間の観察者の目によって統合されるため、線を形成しているように見え、それらが混ざり合ってカラー画像になる可能性がある。
【0049】
仮想スクリーン208が大きすぎて単一の粒子が十分に速く横切れない(横断できない)場合、複数の粒子を使用し、独立して制御することができる。例えば、第1の粒子が仮想スクリーン208の上部3分の1を生成し、第2の粒子が仮想スクリーン208の中央3分の1を生成し、第3の粒子が仮想スクリーン208の下部3分の1を生成することができる。
【0050】
これらの技術をさらに一歩進めると、いくつかの実装形態では、数十、数百、あるいは数千の小粒子を使用することができ、ラスタ状に移動させるのではなく、音響場(例えば、砂を振動ドラム上に置いたときに見ることができるものと同様の音響波)、電場および/または磁場、あるいは電場および/または磁場から生じる定在波、あるいはそれらの様々な組み合わせによって、様々なパターンで配置および再配置することができる。すべての粒子が同じ種類である必要はなく、異なるタイプの場に対して異なる反応を示す異なる粒子の混合物を提供することができることにも留意すべきである。このような混合物の中には、音場のみに反応する粒子と、電場/磁場のみに反応する粒子を含むものもある。このように、異なる場は異なる粒子を制御することができ、その結果、より複雑なパターンを生成することができる。さらに、粒子は反射性の特性を有すると説明されてきたが、粒子自体も発光する可能性があり、図5のレーザー302のような光源の使用を減らすか、完全に避けることができることを理解すべきである。当業者には多くのバリエーションが想定できる。
【0051】
当業者がさらに理解するように、粒子が空気中に浮遊し、光、音、または電場もしくは磁場によって制御される場合、粒子は定義上非常に軽い。このため、粒子は、突風のような粒子の周囲の外乱の影響を非常に受けやすくなる(屋内だけでなく屋外でも)。したがって、粒子の落下を防止するために、仮想スクリーン生成器206がこのタイプの外乱にさらされる可能性がある環境で使用される場合に、仮想スクリーン208の領域の周囲に配置され得る任意の包囲体508を提供することができる。このような包囲体508は、粒子から反射された光が観察者の目に到達することを可能にする本質的に任意の透明な材料で作ることができる。いくつかの実装形態では、包囲体508はまた、粒子を浮遊状態に保ち、重力の影響を打ち消すための電場および/または磁場の発生を助けることができる。好ましくは、包囲体508は、ユーザがコンピューティングデバイス202と共に容易に持ち運ぶことができるように、折り畳み可能である。
【0052】
さらに別の関連する実装形態では、移動粒子を、重力の影響を受けて移動する水滴または他のタイプの液体の「滝」として具現化することができる。この滝は、光が投影され、視聴者の目に反射される表面を再び提供する。通常、滝の幅と高さが仮想スクリーン208の大きさを決める。上述のエアロゾルと同様に、液滴のサイズと色を変えることで、所望の仮想スクリーンの品質を作り出すことができる。例えば、滝は512本または1024本の平行な垂直「線」で構成することができる。
【0053】
ホログラム画像を用いて受動的スクリーンを生成する仮想スクリーン生成器
仮想スクリーン生成器206の1つの実装形態は、仮想スクリーン208を作成するために、ホログラフィの一般的な分野から知られている概念を使用する。従来、ホログラムは、例えばレーザーからの光ビーム(光線)の一部(参照ビーム)を記録媒体に直接照射し、光ビームの他の一部(照明ビームまたは物体ビーム)を、散乱光の一部も記録媒体に降り注ぐように物体に照射することによって生成される。記録媒体としては、いくつかの異なる材料を使用することができる。最も一般的な材料の1つはフィルムで、写真フィルム(ハロゲン化銀写真乳剤)に非常に似ているが、光反応粒子の濃度がはるかに高いため、ホログラムが必要とするはるかに高い解像度を可能とする。
【0054】
2本のレーザービームが記録媒体に到達すると、その光波は互いに交差して干渉し、干渉パターンが記録媒体に刻み込まれる。このパターン自体は一見ランダムであり、シーンの光が元の光源と干渉した様子を表しているが、元の光源そのものではない。記録媒体上の干渉パターンは、シーンの符号化されたバージョンと考えることができ、そのコンテンツを見るためには、元の光源という特定のキーが必要となる。この欠落したキーは、ホログラムを記録するのに使われたものと同じレーザーを現像済みのフィルムに照射することによって、後で提供される。このビームがホログラムを照らすと、ホログラムの表面パターンによって回折される。これにより、元々シーンで生成されたものと同じ光場が生成され、ホログラム上に散乱され、視聴者には物体の仮想画像として見える。
【0055】
本実装形態における仮想スクリーン生成器206は、同じ基本原理を使用するが、物理媒体に干渉パターンを記録させるのではなく、コンピューティングデバイス202は、仮想スクリーン208に表示されることが意図されている画像に対応する、人工的な干渉パターンをそのディスプレイ上に生成する。これにより、仮想スクリーンは、コンピューティングデバイス202のディスプレイから一定の距離だけ離れた空気中に形成される。そのため、使用時には、ユーザは、通常、自分のコンピューティングデバイス202をテーブルまたは他の表面に置き、その後、仮想スクリーン208がコンピューティングデバイス202の上方に現れ、複数の視聴者に見えるようになる。この実装形態は、静止画と動画の両方で機能し、その場合、干渉パターンは、コンピューティングデバイスによって動的に生成されることに留意すべきである。
【0056】
しかしながら、この実装形態の前提条件は、干渉が様々な方向で達成され得るように、ディスプレイからの光の位相を制御することが可能なディスプレイを有するコンピューティングデバイスを有することであることに留意すべきである。さもなければ、ディスプレイの制限により、仮想スクリーン208のコンテンツを見ようとするユーザの可能な視野角も制限される可能性がある。一般に、2次元の仮想スクリーン208は、この態様において、3次元の仮想スクリーンよりも生成するのが簡単である。
【0057】
3波または4波混合を使用して受動的スクリーンを生成する仮想スクリーン生成器
このタイプの仮想スクリーン生成器206の基礎となる概念は、3波または4波混合と呼ばれ、同様の基礎概念を使用するという意味で、上述のホログラムの実装形態に関連している。しかし、コンピューティングデバイスを用いて干渉パターンを生成するのではなく、気体などの非線形光学媒体において3波または4波が干渉することを可能にする光学的セットアップが使用される。3波と4波の混合は、それぞれ2次か3次の非線形性によって異なる材料で起こる。2次(second order)(すなわち2次(quadratic))非線形性を持つ材料では、2つの波が相互作用して第3の波を作り(したがって3波混合)、3次(third order)(すなわち3次(cubic))非線形性を持つ材料では、3つの波が相互作用して第4の波を作る(したがって4波混合)。
【0058】
4波混合では、2つのポンプ波(参照波とも呼ばれる)が物体波と相互作用し、同じまたは異なる周波数を有する2つのポンプ光子から共役波を形成する。4波混合の特殊なケースとして、1つのポンプ波のみを使用するものも存在する。この特殊なケースは縮退4波混合と呼ばれる。
【0059】
多くのバリエーションが考えられるが、要するに一般的なアイデアは、1つまたはいくつかの波が物質的非線形性を介して(例えば、気体中において)相互作用し、3波または4波の混合によって新しい光を作り出すというものである。この新しい光は観察者に見え、ホログラフィックセットアップで行われているのと同じように、仮想スクリーン208のように見える。
【0060】
結論
上記の実施例は、単にいくつかの可能な使用シナリオを説明するためのものであり、本発明の一般原理は、ナビゲーション用途から、広告、警告/セキュリティメッセージの表示、情報プレゼンテーション(情報提示)、娯楽目的(映画、ゲームなど)、すなわち本質的に「従来のディスプレイ」が今日実行できるものまで、多くの異なる分野に適用可能であることに留意すべきである。さらに、利用可能なスペースと仮想スクリーン生成器の特定の実装形態に基づき、仮想スクリーンのサイズは、直径数インチから数フィート、あるいは数ヤードまで変化する可能性がある。
【0061】
また、以上の説明では、2次元の仮想スクリーンに限定してきたが、技術の進歩に伴い、同様の一般的な原理を奥行き次元に適用することにより、これらの概念を3次元の立体仮想スクリーンに拡張する様々な方法があり得ることに留意すべきである。このような実装形態では、仮想ディスプレイ上のコンテンツはどの方向からも見ることができるため、ユーザが仮想スクリーンの四方に集まることができ、プレゼンテーションやエンターテインメントの場面で特に有用である。したがって、本明細書で説明する実装形態は、2次元スクリーンのみに限定して考えられるべきではない。
【0062】
さらに、様々なタイプの光学部品(例えば、レンズ、プリズム、ビームスプリッタ、ミラー、SLMなど)を上述の技術と組み合わせて、仮想スクリーン208のサイズ、形状、および外観、またはユーザによって知覚される方法を変更することができる。HUD(ヘッドアップディスプレイ)のような隣接領域からの様々な技術を、本明細書に記載される様々な実装形態と組み合わせて、上述の実装形態をさらに強化することができる。このような修正は、当業者の能力の範囲内にある。
【0063】
最後に、上述した物理的プロセスの他にも、光が物質と相互作用してその波長を変化させるプロセスがある。例えば、プラズマ、蛍光、3波長または4波長混合に加えて、いわゆるラマン散乱またはブリルアン散乱は、入射光の波長を変えることができる。波長を変化させることは、仮想スクリーン308を生成する際に有用な構成要素となり得るため、これらの物理現象は、上述した様々な実施形態と組み合わせて使用することができる。
【0064】
本発明は、システム、方法、および/または任意の可能な技術的詳細レベルの統合におけるコンピュータプログラム製品であってよい。コンピュータプログラム製品は、本発明の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体(または媒体)を含み得る。
【0065】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持および記憶することができる有形装置とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードまたはその上に記録された命令を有する溝内の隆起構造のような機械的に符号化されたデバイス、および前述の任意の適切な組み合わせ。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由に伝播する電磁波、導波管または他の伝送媒体(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)を介して伝播する電磁波、または電線を介して伝送される電気信号などの一過性の信号そのものであると解釈されるものではない。
【0066】
本明細書で説明するコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/または無線ネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶装置に、それぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバから構成されることがある。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、各コンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために、コンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0067】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用構成データ、または、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に実行してもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に実行してもよいし、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行し、リモートコンピュータ上で部分的に実行してもよいし、リモートコンピュータまたはサーバ上で完全に実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよいし、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部のコンピュータに接続されてもよい。いくつかの実装形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してコンピュータ可読プログラム命令を実行し、電子回路をパーソナライズすることができる。
【0068】
本発明の態様は、本発明の実装形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書に記載されている。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。
【0069】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータのプロセッサ、または他のプログラマブルデータ処理装置に提供され、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたはブロックで指定された機能/行為を実施するための手段を作成するように、機械を生成することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、および/または他の装置に特定の態様で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることもでき、そのように、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図ブロックまたはブロックで指定された機能/行為の態様を実施する命令を含む製造品を構成する。
【0070】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルなデータ処理装置、または他の装置にロードして、コンピュータ、他のプログラマブルな装置、または他の装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたはブロックで指定された機能/行為を実施するように、コンピュータ実装プロセスを生成するための一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブルな装置、または他の装置上で実行させることもできる。
【0071】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実装形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を構成する、命令のモジュール、セグメント、または部分を表すことができる。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに記載された機能は、図に記載された順序から外れて発生する可能性がある。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、1つのステップとして達成され、同時、実質的に同時、部分的または全体的に時間的に重複した方法で実行されるかもしれないし、ブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順序で実行されるかもしれない。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能または行為を実行する、または特別な目的のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する、特別な目的のハードウェアベースのシステムによって実施できることに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気中に可視画像を表示するための仮想スクリーン(208)を作成する方法(100)であって、
1つ以上の光源(302)と、前記光源(302)からのを空気中の予め定義された空間にわたって走査する走査手段(304)と、前記光源(302)および前記走査手段(304)の作を制御する制御手段とを備える仮想スクリーン生成器(206)を提供することと、
前記仮想スクリーン生成器(206)によって、前記仮想スクリーン(208)上に表示される画像データを受信することと、
前記制御手段を使用して、磁スペクトルの視範囲における発光点の集合が前記空気中の前記予め定義された空間内に形成されるように、前記1つ以上の光源(302)からの前記光を方向付けることであって、前記点の集合は、前記受信された画像データに対応する画像を共同で形成すること、
を含む、方法。
【請求項2】
表示される前記画像データは、ラップトップ、携帯電話、タブレットコンピュータのようなユーザ電子デバイス(202)上に表示される画像の拡大版である、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、有線または無線ネットワーク(204)によって前記ユーザ電子デバイス(202)に接続されている、請求項2記載の方法(100)。
【請求項4】
前記1つ以上の光源(302)はレーザーである、請求項1記載の方法(100)。
【請求項5】
前記走査手段(304)は、前記光源(302)のオンとオフを切り替えて短時間のパルス光を発生させながら、前記光源(302)からの前記光をラスタ状のパターンで空気中の前記予め定義された空間を横切って移動させるように構成された1つ以上の可動ミラーを含む、請求項1記載の方法(100)。
【請求項6】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、2つ以上の光源(302)と、各光源用の走査手段(304)とを備え、各光源および走査手段(304)は、前記予め定義された空間の特定の部分をカバーするように構成されている、請求項1記載の方法(100)。
【請求項7】
前記走査手段(304)は、1つ以上の回折光学素子または空間光変調器を備え、前記制御手段は、空気中の前記予め定義された空間に発光点の2次元パターンを生成するように、前記光源(302)および前記空間光変調器の作を制御するように構成されている、請求項1記載の方法(100)。
【請求項8】
空気中の前記予め定義された空間は、前記仮想スクリーン(208)を形成する前記空気中の本質的に垂直な平面を作成するために、前記1つ以上の光源(302)の点位置を調整することによって定義される、請求項1記載の方法(100)。
【請求項9】
前記1つ以上の光源(302)は、前記可視範囲外の周波数で動作し、前記発光点は、空気中の前記予め定義された空間内のプラズマ放電によって生成される、請求項1記載の方法(100)。
【請求項10】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記予め定義された空間を非毒性の気体媒体で満たすように構成された物質放出手段をさらに備え、前記空間において、前記発光点は、前記1つ以上の光源(302)からの前記光によって誘発される蛍光によって生成される、請求項1記載の方法(100)。
【請求項11】
前記気体媒体および前記1つ以上の光源(302)は、蛍光が異なる波長で発生し、複数の色を有する仮想スクリーン(208)が生成されるように選択される、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記1つ以上の光源(302)からの異なる色の光が投影され、観察者に反射されることができる反射性の仮想スクリーン(208)を提供するために、前記予め定義された空間を非毒性の気体-液体混合物で満たすように構成された物質放出手段をさらに備える、請求項1記載の方法(100)。
【請求項13】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記画像を表示する間に、前記物質放出手段によって放出された質を空気中の前記予め定義された空間に本質的に閉じ込めるために、電場、磁場または超音波場を発生させるように構成された封じ込め手段を含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項14】
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記空気中の前記予め定義された空間内に小さな反射性の粒子を放出するように構成された粒子放出器(506)をさらに備え、前記制御手段は、前記粒子が照射され、前記1つ以上の光源(302)からの光を視聴者に向けて反射させながら、前記粒子が前記空気中の前記予め定義された空間内を動き回ることができるように、電場、磁場、または超音波場を用いて前記小さな粒子のきを制御するように動作可能である、請求項1記載の方法(100)。
【請求項15】
周囲の光条件に基づいて前記仮想スクリーン(208)を較正することをさらに含む、請求項1記載の方法(100)。
【請求項16】
気中に可視画像を表示するための仮想スクリーン(208)を作成するためのシステム(200)であって、
コンピューティングデバイス(202)と、
1つ以上の光源(302)と、前記光源(302)からのを空気中の予め定義された空間を横切って走査する走査手段(304)と、前記光源(302)および前記走査手段(304)の作を制御する制御手段とを備える仮想スクリーン生成器(206)と、を備え、
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記仮想スクリーン(208)上に表示される画像データを受信するために、ネットワーク(204)を介して前記コンピューティングデバイス(202)と通信するように動作可能であり、
前記仮想スクリーン生成器(206)は、前記制御手段を使用して、磁スペクトルの視範囲内の発光点の集合が前記空気中の前記予め定義された空間内に生成されるように、前記1つ以上の光源(302)からの前記光を方向付けるように動作可能であり、前記点の集合は、前記受信された画像データに対応する画像を共同で形成する、
システム。
【国際調査報告】