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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】歪みデータに基づく部品摩耗の監視
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20250128BHJP
   B62D 55/32 20060101ALI20250128BHJP
   G01M 17/03 20060101ALI20250128BHJP
   G01M 13/023 20190101ALI20250128BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
B62D55/32
G01M17/03
G01M13/023
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534429
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022051596
(87)【国際公開番号】W WO2023114020
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】17/644,583
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン、エリック ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD17
2G024BA21
2G024BA27
2G024CA11
2G024FA02
2G024FA14
(57)【要約】
歪みデータに基づく部品摩耗の監視
機械(100)の部品(200)は、キャビティ(230)を含む本体(210)と、キャビティ(230)内に配置された検知アセンブリと、を備えることができる。検知アセンブリは、部品(200)の一部が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置(250)を含むことができる。検知アセンブリは、歪みデータに基づいて、部品(200)の一部の摩耗量を示す摩耗情報を生成し、摩耗情報を1つ以上のデバイス(140、310)に提供し、摩耗情報を1つ以上のデバイスに提供するように構成された、部品コントローラ(260)を更に含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(100)の部品(200)であって、前記部品(200)は、
キャビティ(230)を含む本体(210)と、
前記キャビティ(230)内に配置され、前記部品(200)の一部が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置(250)と、
無線通信装置(270)と、
前記歪みデータに基づいて、前記部品(200)の前記一部の摩耗量を判断し、
前記摩耗量を示す摩耗情報を生成し、
前記無線通信装置(270)に前記摩耗情報を送信させる、ように構成された、部品コントローラ(260)と、を備える、部品(200)。
【請求項2】
前記部品(200)は、前記機械(100)の下部構造の一部である、請求項1に記載の部品(200)。
【請求項3】
前記本体(210)は、摩耗面(220)を含み、
前記歪み測定装置(250)は、前記摩耗面(220)に隣接して設けられ、
前記部品(200)の前記一部が受ける前記歪みの量は、前記摩耗面(220)の摩耗量が増加するにつれて増加する、請求項1又は2に記載の部品(200)。
【請求項4】
前記部品コントローラ(260)は、前記無線通信装置(270)に前記摩耗情報を提供させるために、
前記摩耗情報を前記機械(100)の機械(100)コントローラに提供して、前記機械(100)コントローラに、
前記部品(200)の更なる摩耗を防止するために前記機械(100)の操作を調整させること、
前記機械(100)の操作を調整するように、前記機械(100)のオペレータに指示を与えること、あるいは、
前記部品(200)の修理又は交換の少なくとも一方を行うサービス要求を提供すること、のうちの少なくとも1つを行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の部品(200)。
【請求項5】
前記部品コントローラ(260)は、前記無線通信装置(270)に前記摩耗情報を提供させるために、
前記無線通信装置(270)に、前記部品(200)を監視するように構成された装置(140)に前記摩耗情報を提供させるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の部品(200)。
【請求項6】
システムであって、
機械(100)に関連付けられた装置(140)と、
前記機械(100)の部品(200)のキャビティ(230)内に配置された検知アセンブリと、を備え、
前記検知アセンブリは、
前記部品(200)の一部が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置(250)と、
前記歪みデータに基づいて、前記部品(200)の前記一部の摩耗量を示す摩耗情報を生成し、
前記摩耗情報を前記装置(140)に提供して、前記機械(100)の操作を調整させる、ように構成された、部品コントローラ(260)と、を備える、システム。
【請求項7】
前記部品(200)は、前記機械(100)の下部構造の部品(200)である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記部品(200)は、摩耗面(220)を含み、
前記歪み測定装置(250)は、前記摩耗面(220)に隣接して設けられ、
前記部品(200)の前記一部が受ける前記歪みの量は、前記摩耗面(220)の摩耗量が増加するにつれて増加する、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記検知アセンブリは、無線通信装置(270)を更に備え、
前記部品コントローラ(260)は、前記摩耗情報を前記装置に提供するために、
前記無線通信装置(270)に前記摩耗情報を前記装置に提供させるように構成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記部品コントローラ(260)は、前記無線通信装置(270)に前記摩耗情報を提供させるために、
前記無線通信装置(270)に前記摩耗情報を前記装置に提供させて、前記装置に、
前記機械(100)の前記操作を調整するための指示を与えること、
前記部品(200)の修理又は交換の少なくとも一方を行うサービス要求を提供すること、あるいは、
前記摩耗情報を前記機械(100)の機械(100)コントローラに提供して、前記機械(100)の前記操作を調整させることのうちの少なくとも1つを行わせるように構成されている、請求項6~9のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には機械の部品を監視することに関し、例えば、歪みデータに基づいて部品を監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
機械の下部構造の部品は、時間の経過とともに摩耗する場合がある。部品の摩耗を判断する1つの手法は、部品の予想耐用年数を識別する情報に基づいて摩耗を判断することを含む。部品の様々な用途(又は使用方法)、及び/又は部品が使用される様々な条件により、この情報は部品に均一に適用可能でない場合がある。
【0003】
様々な用途及び/又は様々な条件の結果として、予想耐用年数は、部品の摩耗量に関する誤った予測をもたらす可能性がある。このような誤った予測の結果、部品が早期に故障したり、あるいは修理又は交換されたりする可能性がある(例えば、部品が交換又は修理を必要とするのに十分に摩耗していない可能性がある)。このような部品の早まった故障、又は部品の早まった交換若しくは修理もまた、作業現場の生産性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
部品の摩耗を検出する他の手法は、そのような部品の寸法を手動で測定することを含む。手動測定は、部品の指定された寸法と比較され得る。手動測定を行うためには、作業現場において機械による作業の実行を中断する必要がある。手動測定を行うには、機械が作業の実行を中断する必要があり、(手動測定を行うための移動時間、及び/又は手動測定を行うための時間などにより)時間を費やすプロセスであるため、手動測定を行うことは、作業現場の生産性に悪影響を与える可能性がある。この点に関して、(機械によって実行される予定の、又は機械によって実行されている)作業は、長期間(例えば、手動測定を行う期間)中断される可能性がある。
【0005】
更に、このような手動測定は正確ではない可能性がある。部品の寸法の測定が不正確な場合、今度は、部品の摩耗量に関する予測も不正確になる可能性がある。
【0006】
米国特許第10,933,877号(’877特許)は、無限軌道車両の駆動モードを管理する方法を開示している。’877特許は、センサの出力を読み取り、センサの出力に応じて車両の駆動モードを管理するための制御動作を実行するステップを開示している。
【0007】
’877特許は、センサの出力に応じて車両の駆動モードを管理する制御動作を実行することを開示しているが、’877特許は、無限軌道車両の部品の摩耗量を判断することについては述べていない。むしろ、’877特許は、無限軌道車両の駆動モードの管理に関する。
【0008】
本開示のシステムは、上記問題及び/又は当技術分野における他の問題のうちの1つ以上を解決する。
【発明の概要】
【0009】
機械の部品は、キャビティを含む本体と、キャビティ内に配置され、部品の一部が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置と、無線通信装置と、部品コントローラと、を備えることができる。部品コントローラは、歪みデータに基づいて部品の一部の摩耗量を判断し、摩耗量を示す摩耗情報を生成し、無線通信装置に摩耗情報を送信させるように構成することができる。
【0010】
システムは、機械に関連付けられた装置と、機械の部品のキャビティ内に配置された検知アセンブリと、を備えることができる。検知アセンブリは、部品の一部が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置と、歪みデータに基づいて部品の一部の摩耗量を示す摩耗情報を生成するように構成された部品コントローラと、を備えてもよく、摩耗情報が装置に提供されて、機械の操作を調整することができる。
【0011】
機械の部品は、キャビティを含む本体と、キャビティ内に配置された検知アセンブリと、を備えることができる。検知アセンブリは、部品の一部が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置と、歪みデータに基づいて部品の一部の摩耗量を示す摩耗情報を生成し、摩耗情報を1つ以上の装置に提供される、ように構成された部品コントローラと、を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載されている機械の一例の図である。
図2】本明細書に記載されている機械の一例の部品の一例の図である。
図3】本明細書に記載されているシステムの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載されている実装態様は、歪み測定装置の歪みデータに基づいて機械の部品の摩耗を監視することに関する。例えば、部品のキャビティ内に検知アセンブリを設けることができる。検知アセンブリは、歪み測定装置、部品コントローラ、及び無線通信装置を含むことができる。歪み測定装置は、部品が受ける(例えば、部品の一部が受ける)歪みの量を示す歪みデータを生成することができる。
【0014】
歪み測定装置は、部品の摩耗面に隣接して設けることができる。この点に関して、摩耗面の摩耗量が増加すると、部品が受ける歪みの量も増加する可能性がある(例えば、部品の一部が受ける歪みの量が増加する可能性がある)。歪みの量は、機械の1つ以上の部品によって引き起こされる可能性がある。例えば、歪みの量は、部品によって支持することが可能性な下部構造の1つ以上の部品によって引き起こされる可能性がある。歪みの量が増加すると、歪みデータの値もそれに応じて増加する可能性がある。更に、部品が損傷すると、歪みデータの値が増加する可能性がある。
【0015】
いくつかの例では、部品コントローラは、歪みデータに基づいて部品の摩耗量を判断することができる。部品コントローラは、摩耗量を示す摩耗情報を生成し、無線通信装置に摩耗情報を送信させることができる。例えば、摩耗情報は、機械の機械コントローラ、部品などを監視するように構成されたバックオフィスシステムに提供され得る。
【0016】
「機械」という用語は、例えば、鉱業、建設業、農業、輸送業、又はその他の産業などの産業に関連付けられた操作を実行する装置を指すことができる。更に、1つ以上の器具を機械に接続することができる。一例として、機械は、建設車両、作業車両、又は上述した産業に関連付けられた類似の車両を含んでもよい。
【0017】
図1は、本明細書に記載されている機械100の一例の図である。図1に示すように、機械100は、ドーザなどの土木機械として表現されている。あるいは、機械100は、掘削機などの別の種類のトラック型機械であってもよい。
【0018】
図1に示すように、機械100は、エンジン110、センサシステム120、オペレータキャビン130、オペレータ制御部132、機械コントローラ140、後部アタッチメント150、前部アタッチメント160、地面係合部材170、スプロケット180、1つ以上のアイドラ184、1つ以上のローラ186、及び検知アセンブリ188(本明細書では、個別に「検知アセンブリ(単数)188」、総称して「検知アセンブリ(複数)188」と呼ぶ)を備える。
【0019】
エンジン110は、圧縮点火エンジン、火花点火エンジン、レーザ点火エンジン、プラズマ点火エンジンなどの内燃機関を含むことができる。エンジン110は、機械100及び/又は機械100に関連付けられた一連の負荷(例えば、動力を吸収し、かつ/又は動力を使用して動作する部品)に動力を供給する。例えば、エンジン110は、1つ以上の制御システム(例えば、機械コントローラ140)、センサシステム120、オペレータキャビン130、及び/又は地面係合部材170に動力を供給することができる。
【0020】
エンジン110は、鉱業、建設業、農業、輸送業、又はその他の産業で使用される器具などの機械100の器具に動力を供給することができる。例えば、エンジン110は、部品(例えば、1つ以上の流体ポンプ、1つ以上のアクチュエータ、及び/又は1つ以上の電気モータ)に動力を供給して、機械100の後部アタッチメント150及び/又は前部アタッチメント160の制御を容易にすることができる。
【0021】
センサシステム120は、機械100の動作に関する信号を生成できるセンサ装置を含むことができる。センサシステム120のセンサ装置は、振動センサ装置、速度センサ装置、モーションセンサ装置などを含むことができる。一例として、センサ装置は、1つ以上の慣性測定ユニット(inertial measurement units、IMU)を含むことができる。
【0022】
オペレータキャビン130は、統合ディスプレイ(図示せず)及びオペレータ制御部132を含む。オペレータ制御部132は、機械100の操作を制御するための1つ以上の入力部品(例えば、統合ジョイスティック、プッシュボタン、コントロールレバー、及び/又はステアリングホイール)を含むことができる。例えば、オペレータ制御部132は、機械100の1つ以上の器具(例えば、後部アタッチメント150及び/又は前部アタッチメント160)の操作を制御し、かつ/又は地面係合部材170の操作を制御するために使用できる。
【0023】
自律機械の場合、オペレータ制御部132は、オペレータが使用するように設計されていなくてもよく、むしろ、オペレータとは独立して操作するように設計されていてもよい。この場合、例えば、オペレータ制御部132は、別の部品が使用するための入力信号をオペレータの入力なしで提供する1つ以上の入力部品を含むことができる。
【0024】
機械コントローラ140(例えば、電子制御モジュール(electronic control module、ECM))は、機械100の操作を制御及び/又は監視することができる。例えば、機械コントローラ140は、オペレータ制御部132からの、センサシステム120からの、かつ/又は検知アセンブリ188からの信号に基づいて、機械100の操作を制御及び/又は監視することができる。機械コントローラ140は、より詳細に後述するように、センサシステム120からの、オペレータ制御部132からの、かつ/又は検知アセンブリ188からの信号に基づいて、機械100の1つ以上の部品の摩耗量を判断できる。
【0025】
後部アタッチメント150は、掘り起こしアセンブリ、巻き上げアセンブリ、及び/又は牽引バーアセンブリを含むことができる。前部アタッチメント160は、ブレードアセンブリを含むことができる。地面係合部材170は、機械100を推進するように構成することができる。地面係合部材170は、機械100を推進するための車輪、トラック、ローラ、及び/又は同様の部品を含むことができる。地面係合部材170は、(図1に示すように)トラックを含む下部構造を含むことができる。トラックは、トラックリンクを含むことができる。状況によっては、トラックリンクはトラックリンクブッシング及びトラックリンクピンを含むことができる。一例として、トラックは、第1のトラックリンク172及び第2のトラックリンク174を含むことができる。第1のトラックリンク172は、第1のトラックリンクブッシング176及び第1のトラックリンクピン178を含む。
【0026】
スプロケット180は、1つ以上のスプロケットセグメント182(ここでは個別に「スプロケットセグメント(単数)182」、総称して「スプロケットセグメント(複数)182」と呼ぶ)を含むことができる。スプロケット180は、地面係合部材170と係合し、地面係合部材170を駆動するように構成することができる。例えば、スプロケットセグメント182は、(例えば、地面係合部材170のトラックの)トラックリンクブッシングと係合し、回転してトラックが機械100を推進させるように構成することができる。スプロケット180は、機械100の駆動列に含まれていてもよい。
【0027】
検知アセンブリ188は、機械100の部品に関連付けられるように構成することができる。いくつかの例では、検知アセンブリ188は、部品の摩耗量を検知し、部品の摩耗量を示す摩耗情報を提供するように構成された1つ以上の装置を含むことができる。検知アセンブリ188は、より詳細に後述するように、部品の摩耗量を判断するために使用される歪みデータを生成するように構成された歪み測定装置を含むことができる。
【0028】
いくつかの例では、摩耗情報は、検知アセンブリ188を識別する情報、部品を識別する情報、摩耗情報に関連付けられたタイムスタンプを識別する情報などを含むことができる。検知アセンブリ188を識別する情報は、検知アセンブリ188の製造元を識別する情報、検知アセンブリ188のモデルを識別する情報、検知アセンブリ188のシリアル番号を識別する情報などを含むことができる。
【0029】
部品を識別する情報は、部品の製造元を識別する情報、部品のモデルを識別する情報、部品の部品番号を識別する情報、部品のシリアル番号を識別する情報、部品が機械100に設置された日付及び/又は時刻を識別する情報などを含むことができる。
【0030】
検知アセンブリ188は、摩耗情報を定期的に(例えば、3時間ごと、シフトごと、毎日など)提供するように構成することができる。追加的に、又は代替的に、検知アセンブリ188は、トリガに基づいて(例えば、機械コントローラ140からの要求の受信に基づいて)摩耗情報を提供するように構成することができる。
【0031】
上述したように、図1は一例として提供される。他の例は、図1に関連して説明された例とは異なり得る。
【0032】
図2は、本明細書に記載されている機械100の部品200の一例の図である。いくつかの例では、部品200は、第1のトラックリンク172又は第2のトラックリンク174などの、機械100の下部構造の部品であってもよい。図2に示すように、部品200は本体210を含むことができる。本体210は金属を含み得る。金属は、鋼鉄、アルミニウムなどを含んでもよい。追加的、又は代替的に、本体210はゴム材料を含んでもよい。
【0033】
図2に示すように、本体210は、摩耗面220、キャビティ230、及びトラックリンクピンを収容するように構成されたトラック貫通穴240を含むことができる。摩耗面220は、下部構造の使用中に材料が摩耗する本体210の任意の表面を含むことができる。例えば、摩耗面220は、下部構造の他の部品及び/又は外部材料(例えば、地面)との接触によって材料が摩耗する表面であり得る。
【0034】
キャビティ230は、検知アセンブリ188を収容するように構成することができる。図2では、キャビティ230に1つの検知アセンブリ188が収容されていることを示しているが、他の例では、キャビティ230に収容される検知アセンブリ188の数は、追加されるか、又はより少なくすることができる。検知アセンブリ188は、キャビティ内に物体を保持するように構成された、金属、ゴム材料などを使用してキャビティ230内に保持することができる。
【0035】
図2に示すように、検知アセンブリ188は、歪み測定装置250、部品コントローラ260、無線通信装置270、及び電源280を含むことができる。状況によっては、歪み測定装置250、部品コントローラ260、無線通信装置270、及び/又は電源280をプリント回路基板上に設けることができる。
【0036】
歪み測定装置250は、部品200が受ける歪み(例えば、部品200の一部が受ける歪み)の量を検知し、部品200(例えば、部品200の一部)が受ける歪みの量を示す歪みデータを生成するように構成された1つ以上の装置を含むことができる。例えば、歪み測定装置250は歪みゲージを含むことができる。図2に示すように、摩耗面220に隣接して歪み測定装置250を設けることができる。部品200の一部は、摩耗面220に関連付けることができる。この点に関して、摩耗面220の摩耗量が増加すると、部品200が受ける歪みの量も増加する可能性がある(例えば、部品200の一部が受ける歪みの量が増加する可能性がある)。
【0037】
歪みの量は、機械100の1つ以上の部品によって引き起こされる可能性がある。例えば、歪みの量は、部品200によって支持され得る下部構造の1つ以上の部品によって引き起こされる可能性がある。例えば、歪みの量は、1つ以上のローラ186によって引き起こされる可能性がある。歪みの量が増加すると、歪みデータの値がそれに応じて増加する可能性がある。更に、部品200が損傷すると、歪みデータの値が増加する可能性がある。
【0038】
部品コントローラ260(例えば、電子制御モジュール(electronic control module、ECM))は、検知アセンブリ188の操作を制御及び/又は監視することができる。例えば、部品コントローラ260は、歪み測定装置250からの信号に基づいて、検知アセンブリ188の操作を制御及び/又は監視することができる。例えば、部品コントローラ260は、歪みデータに基づいて部品200の摩耗量を判断することができる。一例として、部品コントローラ260は、歪みデータの第1の値に基づいて部品200の第1の摩耗量を判断し、歪みデータの第2の値に基づいて部品200の第2の摩耗量を判断するなどすることができる。第2の値が第1の値を超えることに基づいて、第2の摩耗量は第1の摩耗量を超え得る。
【0039】
部品コントローラ260は、部品200の摩耗量を示す摩耗情報を生成し、無線通信装置270に摩耗情報を送信させることができる。いくつかの例では、部品コントローラ260はメモリ及びプロセッサを含むことができる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、及び/又は、機能を実行するためにプロセッサによって使用される情報及び/又は命令を格納する他のタイプの動的又は静的記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、及び/又は光メモリ)を含む。
【0040】
プロセッサは、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、加速処理ユニット(accelerated processing unit、APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DPS)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、又は他のタイプの処理部品を含む。プロセッサは、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサは、摩耗情報を生成し、無線通信装置270に摩耗情報を送信させるなどの機能を実行するようにプログラムすることが可能であり得る。
【0041】
無線通信装置270は、部品コントローラ260、機械コントローラ140、バックオフィスシステムなどと通信できる1つ以上の装置を含むことができる。例えば、無線通信装置270は、部品コントローラ260、機械コントローラ140、バックオフィスシステムなどに摩耗情報を提供するように構成することができる。状況によっては、無線通信装置270は、送受信機、別個の送信機及び受信機、アンテナなどを含むことができる。無線通信装置270は、例えば、BLUETOOTH(登録商標)Low-Energy、BLUETOOTH(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信(near-field communication、NFC)、Z-Wave、ZigBee、又は米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)802.154などの狭域無線通信プロトコルを使用して、1台以上の機械と通信することができる。
【0042】
電源280は、検知アセンブリ188の1つ以上の部品に電力を供給するように構成された1つ以上の装置を含むことができる。例えば、電源280は、バッテリ、モーションベースのエネルギ源などを含むことができる。
【0043】
前述の例は、機械100の下部構造の部品に関して説明されているが、本開示は、摩耗の影響を受ける機械100のその他の部品、例えば、チップ、アダプタ、ベースエッジ、カッティングエッジ、シュラウド、ハーフアローなどにも適用可能である。
【0044】
図2に示す装置の数及び配置を一例として提供する。実際には、図2に示されている装置よりも追加の装置、より少ない装置、異なる装置、又は異なる配置の装置が存在していてもよい。更に、図2に示す2つ以上の装置を単一の装置内に実装してもよく、又は図2に示す1つの装置を複数の分散された装置として実装してもよい。追加的に、又は代替的に、部品の一例の装置のセット(例えば、1つ以上の装置)は、部品の一例の他の装置のセットが実行するものとして説明された1つ以上の機能を実行してもよい。
【0045】
図3は、本明細書に記載されているシステム300の一例の図である。図3に示すように、システム300は、機械コントローラ140、検知アセンブリ188、及びバックオフィスシステム310を含む。機械コントローラ140は、部品コントローラ260に関連して上述したように、メモリと、プロセッサと、を含むことができる。
【0046】
機械コントローラ140は、機械100の部品の摩耗情報に基づいて1つ以上の動作が実行されるように構成することができる。1つ以上の動作については、以下でより詳しく説明する。いくつかの例では、検知アセンブリ188は摩耗情報を提供して、機械コントローラ140に1つ以上の動作を実行させることができる。検知アセンブリ188は、摩耗情報を定期的に(例えば、3時間ごと、シフトごと、毎日など)提供することができる。追加的に、又は代替的に、検知アセンブリ188は、トリガに基づいて(例えば、機械コントローラ140からの要求に基づいて、バックオフィスシステム310からの要求に基づいてなど)摩耗情報を提供することができる。
【0047】
いくつかの実装態様では、機械コントローラ140は、部品コントローラ260の摩耗情報の判断に関連して、上述した方法と同様の方法で摩耗情報を判断することができる。例えば、機械コントローラ140は、(検知アセンブリ188から)歪みデータを受信し、歪みデータに基づいて摩耗情報を判断することができる。
【0048】
機械コントローラ140は、(摩耗情報によって識別された)部品の摩耗量と摩耗しきい値を比較することができる。摩耗しきい値を識別する情報は、機械コントローラ140に関連付けられた1つ以上のメモリに保存することができる。状況によっては、摩耗しきい値は、1つ以上の部品が交換された時点の1つ以上の部品の摩耗量に関する履歴データに基づいて判断することができる。1つ以上の部品は、検知アセンブリ188が含まれる部品と同様であってもよい。
【0049】
部品の摩耗量が摩耗しきい値を満たさない場合、機械コントローラ140は通知を提供するようにすることができる。通知は、部品を識別する情報、部品の摩耗量を識別する情報、並びに/又は部品に関連付けられている1つ以上の部品、及び/若しくは部品に依存している1つ以上の部品を識別する情報などを含むことができる。
【0050】
通知は、オペレータキャビン130に関して内部的に提供され、オペレータキャビン130に関して外部的に提供され、機械100のオペレータのデバイスに提供され、かつ/又はバックオフィスシステム310に提供されるなどすることができる。
【0051】
部品の摩耗量が摩耗しきい値を満たす場合、機械コントローラ140は、通知を提供することに加えて、又は通知を提供することに代えて、1つ以上の動作を実行させることができる。この状況では、通知は、部品を交換及び/又は修理する必要があることを更に示すことができる。1つ以上の動作に関して、機械コントローラ140は、部品の更なる摩耗を低減及び/又は防止するために、機械100の操作を調整することができる。例えば、機械コントローラ140は、機械100の速度を低下させ、速度を低下させて、機械100を停止させることができ、かつ/又は機械100を固定したりなどすることができる。
【0052】
追加的に、又は代替的に、機械100の操作の調整を行うために、機械コントローラ140は、上述した方法と同様の方法で機械の操作を調整するようにオペレータに指示を提供することができる。追加的に、又は代替的に、機械コントローラ140は、部品を修理し、かつ/又は部品を交換するためのサービス要求を提供できる。
【0053】
追加的に、又は代替的に、機械コントローラ140は、機械100を修理施設まで自律的に移動させることができる。追加的に、又は代替的に、機械コントローラ140は、技術者のカレンダに、部品を検査、修理、及び/又は交換するためのカレンダイベントを加えるようにすることができる。追加的に、又は代替的に、機械コントローラ140は、アラームを起動させるようにすることができる。アラームは、1つ以上の部品を修理又は交換すること示すことができる。
【0054】
追加的に、又は代替的に、機械コントローラ140は、第1の自律装置に交換要求を提供して、第1の自律装置が機械100に関連付けられた場所に交換部品を配送させるようにすることができる。位置としては、機械100の現在の位置、機械100が複数のタスクを実行する作業現場の位置、機械100がタスクを実行していないときに機械100が配置されている位置、並びに/又は機械100が修理及び/若しくは交換を受けているときに機械100が配置されている位置などを含むことができる。交換要求は、機械100に関連付けられた位置を識別する情報を含むことができる。
【0055】
追加的に、又は代替的に、第1の自律装置に交換部品を配送させるために、機械コントローラ140は、第2の自律装置に検証要求を提供して、第2の自律装置を機械100に関連付けられた場所に移動させて、部品の摩耗量を検証させるようにすることができる。検証情報は、機械100に関連付けられた位置を識別する情報を含むことができる。第2の自律装置は、部品摩耗情報の検証に基づいて検証情報を生成することができ、その検証情報をコントローラ140に送信することができる。
【0056】
状況によっては、摩耗情報によって、機械コントローラ140が部品を追跡することができる。例えば、摩耗情報に基づいて、機械コントローラ140は、部品が機械にいつ設置されたか、かつ/又は機械上の部品がいつ交換されたかを判断することができる。
【0057】
バックオフィスシステム310は、機械100の部品を監視するように構成された1つ以上の装置を含むことができる。バックオフィスシステム310は、機械100に対して遠隔とすることができる。いくつかの実装態様では、バックオフィスシステム310は、機械コントローラ140に関連して上述の動作と同様の動作を実行することができる。例えば、バックオフィスシステム310は、機械コントローラ140から、かつ/又は検知アセンブリ188から摩耗情報を受信することができる。あるいは、バックオフィスシステム310は、機械コントローラ140が摩耗情報を判断するのに関連して上述の方法と同様の方法で摩耗情報を判断することができる。バックオフィスシステム310は、摩耗情報に基づいて、機械コントローラ140に関連して上述の動作と同様の動作を実行することができる。
【0058】
図3に示す装置の数及び配置を一例として提供する。実際には、図3に示されている装置よりも追加の装置、より少ない装置、異なる装置、又は異なる配置の装置が存在していてもよい。更に、図3に示す3つ以上の装置を単一の装置内に実装してもよく、又は図2に示す1つの装置を複数の分散された装置として実装してもよい。追加的に、又は代替的に、システム300の装置のセット(例えば、1つ以上の装置)は、システム300の他の装置のセットが実行するものとして説明された1つ以上の機能を実行してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本明細書に記載された実装態様は、機械の部品の摩耗量に関する不正確な手動測定及び誤った予測に関連付けられた問題を解決する。歪みデータに基づいて判断される摩耗情報は、手動測定及び部品の推定耐用年数に関する情報よりも正確となり得る。精度が向上した結果、部品の修理又は交換が必要なときに、(部品が予定より早く修理又は交換されるのとは対照的に)部品を修理又は交換することができる。
【0060】
更に、精度が向上した結果、本明細書の実装態様は、部品の修理及び/又は交換の前に部品が故障する可能性を低減するのに役立つ可能性がある。更に、精度が向上した結果、装置は、部品の摩耗量の不正確な予測に関連する問題(部品の早期故障、部品の早期修理、及び/又は部品の早期交換など)を改善するために使用されていたコンピューティングリソース又は機械リソースを節約することができる。
【0061】
前述の開示は、図示及び説明を提供しているが、開示されている正確な形態に実装態様を包括すること又は限定することを意図するものではない。改変例及び変形例は、上記の開示に照らして行われ、又は実装態様の実践から得ることができる。更に、1つ以上の実装態様を組み合わせることができない理由が先述の開示に明示的に提供されていない限り、本明細書に記載された実装態様の任意のものを組み合わせることができる。特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載され、かつ/又は本明細書に開示されていても、これらの組み合わせは、様々の実装態様の開示を制限することを意図するものではない。以下に列記される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属し得るが、様々な実装態様の開示は、請求項群内の他の全ての請求項のそれぞれと組み合わせた各従属請求項を含む。
【0062】
本書で使用される際、「a」、「an」、及び「set」は、1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用することができる。更に、本明細書で使用される際、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用することができる。更に、「基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。更に、本明細書で使用される際、用語「又は」は、一連で使用される場合に包括的であることを意図しており、特に明記されていない限り(例えば、「いずれか」又は「そのうちの1つのみ」と組み合わせて使用される場合)、「及び/又は」と互換的に使用することができる。更に、説明を容易にするために、本明細書において、例えば「の下」、「下」、「の上」、「上」等の空間的に相対的な用語を使用して、図示のような、1つの要素又は特徴と他の要素又は特徴との関係を説明してもよい。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用又は操作中の機器、装置及び/又は要素の異なる方向を含むことを意図している。機器は、他の向き(90度回転又は他の向き)にすることができ、本明細書に使用される空間的に相対的な記述子も、それに応じて解釈することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】